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特開2024-10664ウォーターストップ技術を用いてスプレーノズルを製造するためのセラミック射出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010664
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】ウォーターストップ技術を用いてスプレーノズルを製造するためのセラミック射出方法
(51)【国際特許分類】
   B28B 1/24 20060101AFI20240117BHJP
   C04B 35/638 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
B28B1/24 101C
B28B1/24 101A
C04B35/638
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112195
(22)【出願日】2023-07-07
(31)【優先権主張番号】1020220138109
(32)【優先日】2022-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BR
(71)【出願人】
【識別番号】523259558
【氏名又は名称】スプレイング システムズ ド ブラジル リミターダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】エドソン フランセリン リベイロ ダ ロシャ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高い寸法精度および複雑な内部形状を有するセラミック部品を製造するための、セラミック射出方法を提供する。
【解決手段】ウォーターストップの使用を通じてスプレーノズルを製造するためにセラミックを射出するための方法(セラミックインサート)を提供する。セラミックを射出できるよう、ポリマー材料の内部におけるウォーターストップの射出、ポリマーコアを用いたセラミックの過剰射出、および化学的溶解によるコアの除去などのメインステップへのプロセスの分割を要する。ケミカルデバインディングまたはウォーターデバインディング、サーマルデバインディング、および焼結などのセカンダリステップがさらに存在する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォーターストップ技術を用いてスプレーノズルを製造するためのセラミック射出方法であって、
ポリマー材料の内部にウォーターストップを射出するステップと、
ポリマーコアを用いてセラミックを過剰射出するステップと、
化学的溶解によってコアを除去するステップと、
ケミカルデバインディングまたはウォーターデバインディングを実行するステップと、
サーマルデバインディングを実行するステップと、
焼結を実行するステップと、
を含んでいる、方法。
【請求項2】
前記ウォーターストップを射出するステップが、ポリマー材料の内部においてなされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セラミックを過剰射出するステップにおいて、セラミック材料のフィードストックが用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記セラミックを過剰射出するステップにおいて、前記ポリマーコアがセラミック射出モールドの内部に挿入される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
化学的溶解によって前記コアを除去するステップにおいて、コアロッドが機械的に切断される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
化学的溶解によって前記コアを除去するステップにおいて、ポリマーを化学的に溶解するための溶媒が使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
化学的溶解によって前記コアを除去するステップにおいて、制御された温度下で、部品がクレードルの内部に配置され、超音波装置が使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
化学的溶解によって前記コアを除去するステップにおける溶解プロセスにおいて、部品は、有孔ステンレススチールのトレイの内部に配置され、前記トレイは、(i)ボックスの内部、かつ、(ii)定常的に移動させられるシェルフ上に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記シェルフの移動が前記溶解プロセスを最適化する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記シェルフの移動が空気圧駆動によって生じる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
ウォーターデバインディングにおいて、部品は、(i)有孔ステンレススチールのトレイの内部に配置され、かつ、(ii)制御された温度下で制御された時間に亘り水中に浸漬される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ケミカルデバインディングにおいて、部品は、室温下で溶媒に浸漬されたステンレススチールのトレイの内部に配置され、前記トレイは、(i)ボックスの内部、かつ、(ii)溶媒移動のための空気圧駆動を伴うシェルフ上に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
サーマルデバインディングを実行するステップは、オーブンの内部において部品を300℃で加熱するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
焼結を実行するステップは、オーブンの内部において部品を1600℃で加熱するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は、スプレーノズルを得るための射出(注入)プロセスに関する技術分野に関する。より具体的には、本発明は、いわゆるウォーターストップの使用を通じてスプレーノズルを製造するためにセラミックを射出するプロセス(セラミックインサート)を開示する。
【0002】
[背景技術]
従来のセラミック材料射出プロセスは、部品の内部形状を定めるためのダミーピンおよび閉鎖ピンを使用する従来の金型を使用することを含む。ただし、このプロセスは、セラミック部品の外部形状および内部形状の両方の詳細部に主に関連する制限を有している。
【0003】
高い寸法精度および複雑な内部形状を有する部品を製造するためにセラミックを射出する必要性から、ウォーターストップを用いたセラミック射出プロセス(スプレーノズルインサート)が開発された。
【0004】
[発明の簡単な説明]
本発明は、いわゆるウォーターストップを用いてスプレーノズルを製造するためのセラミック射出プロセス(セラミックインサート)を開示する。ウォーターストップ技術を用いてスプレーノズルのセラミックインサートを射出することを可能にするために、プロセス(方法)を複数のステップへと分割することが必要である。
【0005】
メインステップ(主要なステップ)は、
-ポリマー材料の内部へのウォーターストップの射出;
-ポリマーコアを用いたセラミックの過剰射出;および、
-化学的溶解によるコアの除去;
である。
【0006】
ウォーターストップを用いた射出プロセスを用いてセラミック部品を得るためには(スプレーノズルインサート)、下記のセカンダリステップ(2次的なステップ)、
-ケミカルデバインディングまたはウォーターデバインディング;
-サーマルデバインディング;および、
-焼結;
を実行することも必要である。
【0007】
[図面の簡単な説明]
本発明の対象を十分に視覚化するために、好ましい構成における本発明の図面が下記の通り提示されている。
【0008】
図1図2、および図3は、部品製造プロセスにおいて使用すべきコアの構成を示す。
【0009】
図4および図5は、コアの内部へのセラミック射出を示す。
【0010】
図6は、セラミック射出モールドのコアの内部に挿入されたポリマーコアを示す。
【0011】
図7および図8は、溶解すべきポリマー材料の量をできるだけ低減するために、機械的に切断されたコアロッドを示す。
【0012】
図9は、「クレードル」の内部に配置された部品を示す。
【0013】
図10は、部品の溶解プロセスにおいて使用される超音波装置を示す。
【0014】
図11は、溶媒に浸漬されている部品を示す。
【0015】
図12は、有孔(穿孔された)ステンレススチールのトレイの内部に配置された部品を示す。
【0016】
図13は、シェルフ上に配置されたPPボックスを示す。
【0017】
図14図15、および図16は、化学的溶解後に得られる部品の複数のモデルを示す。
【0018】
図17は、オーブンの内部に配置された部品を示す。
【0019】
図18は、サーマルデバインディングプロセス後における、茶色の視覚的外観を有する部品を示す。
【0020】
図19は、焼結プロセス後における、白色の視覚的外観を有する部品を示す。
【0021】
[発明の詳細な説明]
ウォーターストップ技術を用いてセラミックを射出できるようにするためには(スプレーノズルのためのセラミックインサート)、プロセスを複数のステップへと分割する必要がある。メインステップは、
-ポリマー材料の内部へのウォーターストップの射出;
-ポリマーコアを用いたセラミックの過剰射出;および、
-化学的溶解によるコアの除去;
である。
【0022】
ウォーターストップを用いた射出プロセスを用いてセラミック部品を得るためには(スプレーノズルインサート)、下記のセカンダリステップ、
-ケミカルデバインディングまたはウォーターデバインディング;
-サーマルデバインディング;および、
-焼結;
を実行することも必要である。
【0023】
[メインステップの詳細な説明]
<1)ポリマー材料の内部におけるウォーターストップの射出>
図1図2、および図3に示す通り、ポリマー材料の内部におけるウォーターストップの射出がなされる。現時点では、2つのキャビティを有するモールドがコアの射出のために使用されているが、必要に応じてキャビティの数を増加させることができる。
【0024】
ポリマー材料の内部におけるコアの射出のために、材料および射出装置の技術データシートが使用される。
【0025】
<2)ポリマーコアを用いたセラミック過剰射出>
ウォーターストップポリマーを使用してセラミックを過剰射出するステップのために、セラミック材料のフィードストック(供給原料)が使用される。これにより、図4および図5に示す通り、セラミックの射出が可能にする。
【0026】
図6に示す通り、セラミックの過剰射出を可能にするために、ポリマーコアは、セラミック射出モールドの内部に挿入される。
【0027】
セラミックの過剰射出のために、材料および射出装置の技術データシートが使用される。
【0028】
<3)化学的溶解によるコアの除去>
図7および図8に示す通り、セラミック過剰射出ステップを実行した後には、溶解すべきポリマー材料の量を可能な限り低減するために、コアロッドが機械的に切断される。
【0029】
ポリマーコアの化学的溶解プロセスでは、ポリマーを化学的に溶解するための溶媒が使用される。
【0030】
図9に示す通り、溶解プロセスを最適化するために、部品は「クレードル」の内部に配置される。さらに、図10に示す通り、温度制御された超音波装置が使用される。図11は、溶媒に浸漬されている部品を示す。溶解プロセスでは、ポリマー材料の100%が除去されていることを確実にしなければならない。
【0031】
図12に示す通り、溶媒を用いた溶解プロセスにおいて使用される別の方法では、部品は、有孔ステンレススチールのトレイの内部に配置されている。当該トレイは、(i)ポリマーボックスの内部、かつ、(ii)シェルフ上に配置されている。当該シェルフは、空気圧駆動によって定常的に移動されられる。図13は、シェルフ上に配置されたボックスを示す。このように、室温下における溶媒の定常的な移動が生じ、ポリマーの完全な溶解が確実になる。
【0032】
化学的溶解プロセスの後、ウォーターストップポリマーを使用して、セラミック射出プロセスが使用されたスプレーノズルからセラミック部品を得ることが可能である(セラミックインサート)。図14図15、および図16は、化学的溶解後に得られる部品の複数のモデルを示す。
【0033】
このステップの後、セラミック部品は、ケミカルデバインディングプロセス/ウォーターデバインディングプロセスとサーマルデバインディングプロセスとに供され、その後、製造プロセスを完了させるために使用されるフィードストックのデータシートに従って焼結プロセスに供される。このようなプロセスは、工業技術的なセラミック部品の製造において一般的である、いわゆるセカンダリステップを通じて実行される。
【0034】
[セカンダリステップの詳細な説明]
<4)ケミカルデバインディングおよびウォーターデバインディング-フィードストックバインダの除去を開始するプロセス>
ウォーターデバインディングの場合、部品は、有孔ステンレススチールのトレイの内部に配置され、特定の温度下で特定の時間に亘り水に浸漬される。
【0035】
ケミカルデバインディングの場合、部品は、ステンレススチールのトレイの内部に配置される。当該トレイは、室温でボックス内の溶媒に浸漬される。当該ボックスは、溶媒を移動させるための空気圧駆動を伴うシェルフ上に配置される。
【0036】
<5)サーマルデバインディング(焼結前)-フィードストックからバインダを除去するプロセス>
このプロセスは、部品をオーブンの内部において約300℃で加熱するステップを含む。図17は、オーブン内に配置された部品を示す。
【0037】
図18に示す通り、サーマルデバインディングプロセスの後(焼結前)では、部品は、茶色の視覚的外観を有する。
【0038】
<6)焼結>
焼結は、セラミック製造プロセスの最終ステージであり、セラミックを焼結することを目的としている。焼結は、部品をオーブンの内部において約1600℃で加熱するステージを含む。図19に示す通り、焼結プロセス後、部品は白く見える。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】部品製造プロセスにおいて使用すべきコアの構成を示す。
図2】部品製造プロセスにおいて使用すべきコアの構成を示す。
図3】部品製造プロセスにおいて使用すべきコアの構成を示す。
図4】コアの内部へのセラミック射出を示す。
図5】コアの内部へのセラミック射出を示す。
図6】セラミック射出モールドのコアの内部に挿入されたポリマーコアを示す。
図7】溶解すべきポリマー材料の量をできるだけ低減するために、機械的に切断されたコアロッドを示す。
図8】溶解すべきポリマー材料の量をできるだけ低減するために、機械的に切断されたコアロッドを示す。
図9】「クレードル」の内部に配置された部品を示す。
図10】部品の溶解プロセスにおいて使用される超音波装置を示す。
図11】溶媒に浸漬されている部品を示す。
図12】有孔ステンレススチールのトレイの内部に配置された部品を示す。
図13】シェルフ上に配置されたPPボックスを示す。
図14】化学的溶解後に得られる部品の複数のモデルを示す。
図15】化学的溶解後に得られる部品の複数のモデルを示す。
図16】化学的溶解後に得られる部品の複数のモデルを示す。
図17】オーブンの内部に配置された部品を示す。
図18】サーマルデバインディングプロセス後における、茶色の視覚的外観を有する部品を示す。
図19】焼結プロセス後における、白色の視覚的外観を有する部品を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19