(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106643
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】消音器
(51)【国際特許分類】
F01N 13/08 20100101AFI20240801BHJP
F01N 1/02 20060101ALI20240801BHJP
F01N 1/04 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
F01N13/08 A
F01N13/08 B
F01N1/02 J
F01N1/04 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011014
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】東野 恒志
(72)【発明者】
【氏名】鮫島 俊輔
【テーマコード(参考)】
3G004
【Fターム(参考)】
3G004BA07
3G004CA13
3G004DA14
3G004DA24
(57)【要約】
【課題】バルブの操作音を吸収しつつ、凝縮水の貯留を抑制できる消音器を提供する。
【解決手段】本開示の一態様は、内部を排気ガスが通過する内管と、内管の外側に配置された外管と、内管の内部に配置されたバルブと、少なくともバルブと内管の径方向において重なる位置に配置されると共に、内管と外管との間の内部空間を径方向内側の内側空間と径方向外側の外側空間とに仕切る仕切部と、内側空間及び外側空間のうち内側空間のみに配置された吸音材と、を備える消音器である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を排気ガスが通過する内管と、
前記内管の外側に配置された外管と、
前記内管の内部に配置されたバルブと、
少なくとも前記バルブと前記内管の径方向において重なる位置に配置されると共に、前記内管と前記外管との間の内部空間を径方向内側の内側空間と径方向外側の外側空間とに仕切る仕切部と、
前記内側空間及び前記外側空間のうち前記内側空間のみに配置された吸音材と、
を備える、消音器。
【請求項2】
請求項1に記載の消音器であって、
前記内管は、前記内管の内部と前記吸音材が配置された前記内側空間とを連通する第1連通孔を有する、消音器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の消音器であって、
前記内管は、前記仕切部よりも前記排気ガスの上流側又は下流側において前記内管の内部と前記内部空間とを連通する第2連通孔を有する、消音器。
【請求項4】
請求項3に記載の消音器であって、
前記仕切部は、前記内側空間と前記外側空間とを連通する第3連通孔を有する、消音器。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の消音器であって、
前記仕切部は、前記内管の外側かつ前記外管の内側に配置された筒体である、消音器。
【請求項6】
請求項5に記載の消音器であって、
前記仕切部の少なくとも一方の端部は、前記内管に固定されることで閉塞される、消音器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、消音器に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気システムにおいて、内管の内部に配置されたバルブの操作音を吸収するため、吸音材を外管と内管との間に配置した消音器が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の消音器では、外管に接触する吸音材の温度が上昇しないため、吸音材が保持した凝縮水が蒸発しにくい。そのため、消音器内に凝縮水が溜まりやすくなり、消音器が腐食するおそれがある。
【0005】
本開示の一局面は、バルブの操作音を吸収しつつ、凝縮水の貯留を抑制できる消音器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、内部を排気ガスが通過する内管と、内管の外側に配置された外管と、内管の内部に配置されたバルブと、少なくともバルブと内管の径方向において重なる位置に配置されると共に、内管と外管との間の内部空間を径方向内側の内側空間と径方向外側の外側空間とに仕切る仕切部と、内側空間及び外側空間のうち内側空間のみに配置された吸音材と、を備える消音器である。外側空間には、吸音材が配置されない。
【0007】
このような構成によれば、内側空間に配置された吸音材によってバルブの操作音が吸収される。また、吸音材と外管との間に吸音材が配置されない外側空間が設けられるため、吸音材の温度の低下が抑制される。その結果、吸音材において凝縮水が蒸発しやすくなり、凝縮水の貯留が抑制される。
【0008】
本開示の一態様では、内管は、内管の内部と吸音材が配置された内側空間とを連通する第1連通孔を有してもよい。このような構成によれば、バルブの上流又は下流にて発生する音を吸音材にて消音することができる。
【0009】
本開示の一態様では、内管は、仕切部よりも排気ガスの上流側又は下流側において内管の内部と内部空間とを連通する第2連通孔を有してもよい。このような構成によれば、外側空間に排気ガスが流れ込む結果、外側空間が排気ガスによって温められる。そのため、凝縮水の貯留の抑制効果が促進される。
【0010】
本開示の一態様では、仕切部は、内側空間と外側空間とを連通する第3連通孔を有してもよい。このような構成によれば、第3連通孔を介して外側空間から吸音材に排気ガスが供給されるため、凝縮水の貯留の抑制効果が促進される。
【0011】
本開示の一態様では、仕切部は、内管の外側かつ外管の内側に配置された筒体であってもよい。このような構成によれば、仕切部が音の遮蔽部として機能するため、バルブの作動音の消音効果が促進される。
【0012】
本開示の一態様では、仕切部の少なくとも一方の端部は、内管に固定されることで閉塞されてもよい。このような構成によれば、排気ガスが内側空間に滞留しやすくなり、吸音材の温度が上昇しやすくなるため、凝縮水の貯留の抑制効果が促進される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態の消音器の模式的な部分断面図である。
【
図2】
図2は、
図1の消音器における仕切部の周辺の模式的な断面図である。
【
図3】
図3Aは、
図2のIIIA-IIIA線での模式的な断面図であり、
図3Bは、
図2とは異なる実施形態における仕切部の端部の模式的な断面図である。
【
図4】
図4は、
図1とは異なる実施形態の消音器の模式的な部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示す消音器1は、内燃機関の排気ガス流路に設けられる。消音器1が接続される内燃機関としては、特に限定されないが、自動車、鉄道、船舶、建機等の輸送機器、発電施設などで駆動用、又は発電用として用いられるものが挙げられる。
【0015】
消音器1は、内管2と、外管3と、バルブ4と、仕切部5と、吸音材6と、支持部材7と、保持部材8と、内部空間11とを備える。
【0016】
<内管>
内管2は、内部を排気ガスGが通過する金属製のパイプである。本実施形態では、内管2の断面形状は、円形であるが、内管2の断面形状は角形であってもよい。なお、
図1の一点鎖線は内管2の中心軸である。
【0017】
内管2は、上流部21と、下流部22と、バルブ収容部23と、複数の第1連通孔24と、複数の上流側第2連通孔25と、1つの下流側第2連通孔26とを有する。
【0018】
上流部21は、排気ガスGが流入する部位である。下流部22は、排気ガスGを排出する部位である。バルブ収容部23は、上流部21と下流部22とを連結している。バルブ収容部23の内部には、バルブ4が配置されている。上流部21、下流部22、及びバルブ収容部23は、例えば溶接によって互いに連結された部品であってもよいし、他の部材と一体に成形されていてもよい。
【0019】
図2に示すように、バルブ収容部23は、凸部23Aと、凹部23Bとを有する。凸部23Aは、バルブ収容部23の一部が径方向内側に突出した部位である。凹部23Bは、バルブ収容部23の一部が径方向外側に凹んだ部位である。
【0020】
凹部23Bは、凸部23Aの排気ガスGの流れ方向上流側に連続して設けられている。凸部23A及び凹部23Bは、閉じた状態のバルブ4が排気ガスGの流れ方向上流側から接触する接触面23Cを構成している。
【0021】
接触面23Cは、バルブ4に接触することで、バルブ4の回転を規制する。凸部23A及び凹部23Bは、例えば、バルブ収容部23を構成するパイプを径方向にプレスすることで形成される。また、バルブ収容部23は、それぞれ凸部23A及び凹部23Bを構成する部位が形成された2つの半円筒部材が突き合わせられることで形成されてもよい。
【0022】
複数の第1連通孔24は、内管2の内部と吸音材6が配置された内側空間12とを連通している。本実施形態では、複数の第1連通孔24は、下流部22のうち、吸音材6及び仕切部5に覆われた部分に設けられている。
【0023】
複数の第1連通孔24は、バルブ4よりも排気ガスGの流れ方向における下流側に設けられている。複数の第1連通孔24には、吸音材6が内管2の径方向外側から接触している。また、複数の第1連通孔24は、下流部22の周方向と、軸方向とのそれぞれに並んで配置されている。
【0024】
図1に示す複数の上流側第2連通孔25は、仕切部5よりも排気ガスGの上流側において内管2の内部と内部空間11とを連通している。本実施形態では、複数の上流側第2連通孔25は、上流部21のうち仕切部5及び吸音材6よりも上流側の部分に設けられている。また、複数の上流側第2連通孔25は、上流部21の周方向と、軸方向とのそれぞれに並んで配置されている。
【0025】
下流側第2連通孔26は、仕切部5よりも排気ガスGの下流側において内管2の内部と内部空間11とを連通している。本実施形態では、下流側第2連通孔26は、下流部22のうち仕切部5及び吸音材6よりも下流側の部分に設けられている。つまり、下流側第2連通孔26は、吸音材6に覆われていない。
【0026】
第1連通孔24、上流側第2連通孔25及び下流側第2連通孔26それぞれの形状は、真円に限定されず、楕円、多角形等としてもよい。また、上流側第2連通孔25の開口面積の合計は、下流側第2連通孔26の開口面積の合計よりも大きいとよい。これにより、外側空間13に排気ガスGが滞留しやすくなる。
【0027】
<外管>
外管3は、内管2の外周面を囲うように内管2の外側に配置された金属製のパイプである。外管3の内径は、内管2の外径よりも大きい。
【0028】
外管3の上流端部31及び下流端部32は、それぞれ、内管2の軸方向における外側に向かって縮径している。上流端部31及び下流端部32は、それぞれ、内管2に連結されている。
【0029】
本実施形態では、上流端部31は、内管2の上流部21の外周面に溶接によって固定されている。下流端部32は、内管2の外周面に配置された保持部材8を介して、内管2の下流部22の外周面に連結されている。
【0030】
保持部材8は、内管2と外管3との間を閉塞している。また、保持部材8は、内管2及び外管3の一方に例えば溶接によって固定され、内管2及び外管3の他方に対して摺動可能である。なお、保持部材8は、内管2及び外管3に固定されず、これらに挟持されてもよい。保持部材8としては、例えばリング状の金属ワイヤメッシュが使用される。
【0031】
なお、下流端部32は、上流端部31と同様に、溶接によって内管2に固定されてもよい。また、下流端部32が溶接されると共に、上流端部31が保持部材8によって内管2に連結されてもよい。
【0032】
外管3は、内管2の外周面を囲むことで、内管2との間に内部空間11を形成している。内部空間11には、仕切部5と吸音材6と支持部材7とが配置されている。また、外管3は、仕切部5よりも排気ガスGの流れ方向における上流側において、支持部材7によって内管2の上流部21と連結されている。支持部材7は、内部空間11において、内管2の外周面と外管3の内周面とを連結している。
【0033】
支持部材7は、外管3に例えば溶接によって固定されている。支持部材7の中央部には、内管2が挿入される貫通孔が設けられている。内管2は、支持部材7によって支持されている。なお、内管2は、貫通孔に圧入されていてもよく、支持部材7に例えば溶接によって固定されてもよい。
【0034】
また、支持部材7には、貫通孔の径方向外側に開口が形成されている。この開口により、内部空間11において、支持部材7を挟んで排気ガスGの流れ方向の上流側の空間と下流側の空間とが連通している。したがって、内管2内の排気ガスGの一部は、上流側第2連通孔25を通って内部空間11に移動し、支持部材7の開口を通り、下流側第2連通孔26を通って内管2内に移動する。
【0035】
<バルブ>
バルブ4は、内管2のバルブ収容部23の内部に配置されている。バルブ4は、内管2における排気ガスGの流量(つまり内管2の開度)を調整する。
【0036】
バルブ4は、
図2及び
図3Aに実線で示す閉位置と、
図2に破線で示す開位置との間で変位可能である。バルブ4は、弾性体によって閉位置に向けて付勢されると共に排気ガスGの圧力によって開位置に変位するように構成されてもよいし、アクチュエータ等の動力によって閉位置と開位置との間で変位するように構成されてもよい。
【0037】
バルブ4は、円盤状の本体41と、本体41に固定された軸部42とを有する。軸部42は、バルブ収容部23に対し軸回転可能に取り付けられている。本実施形態では、軸部42は、内管2の中心軸を通らない位置に配置されている。
【0038】
閉位置では、バルブ4の本体41は、バルブ収容部23の接触面23Cに接触する。そのため、バルブ4が閉位置以外の位置から閉位置に移動する際には、本体41が接触面23Cに衝突する際の作動音が発生する。開位置では、本体41の板面が内管2の中心軸と略平行になるため、本体41における排気ガスGが当たる面積が閉位置に比べて小さくなる。
【0039】
<仕切部>
仕切部5は、内部空間11において、少なくともバルブ4と内管2の径方向において重なる位置に配置されている。
【0040】
具体的には、仕切部5は、内管2のうち、バルブ収容部23と、第1連通孔24が設けられた部位とを内管2の径方向外側から囲うように配置された金属製の筒体(つまりパイプ)である。
【0041】
仕切部5は、内管2の外側かつ外管3の内側に配置されている。仕切部5の内径は、内管2の外径よりも大きい。仕切部5は、内管2の径方向において、外管3と内管2との間に配置されている。
【0042】
仕切部5の上流端部51及び下流端部52は、それぞれ、内管2の軸方向における外側に向かって縮径している。上流端部51及び下流端部52は、それぞれ、内管2に連結されている。
【0043】
本実施形態では、上流端部51は、内管2の上流部21の外周面に溶接によって固定されることで閉塞されている。下流端部52は、内管2の下流部22のうち、第1連通孔24よりも下流側の部分の外周面に溶接によって固定されることで閉塞されている。
【0044】
なお、
図3Bに示すように、下流端部52は、内管2の外周面に配置された保持部材8Aを介して、内管2の下流部22の外周面に連結されてもよい。また、下流端部52が内管2に溶接されると共に、上流端部51が保持部材8Aによって内管2に連結されてもよい。保持部材8Aとしては、例えばリング状の金属ワイヤメッシュが使用される。
【0045】
図2に示すように、仕切部5は、内管2と外管3との間の内部空間11を径方向内側の内側空間12と径方向外側の外側空間13とに仕切っている。内側空間12は、内管2の外周面と仕切部5の内周面とに挟まれた空間である。外側空間13は、仕切部5の外周面と外管3の内周面とに挟まれた空間である。
【0046】
内側空間12は、内管2のうち、少なくともバルブ収容部23と第1連通孔24とを内管2の径方向における外側から囲っている。内側空間12には、吸音材6が充填されている。
【0047】
外側空間13は、内側空間12を内管2の径方向における外側から囲っている。外側空間13には、吸音材6が配置されていない。つまり、外側空間13には、排気ガスG又は大気が存在する。
【0048】
<吸音材>
吸音材6は、内側空間12及び外側空間13のうち内側空間12のみに配置されている。吸音材6は、内管2と仕切部5との間に配置され、内部空間11のうち仕切部5の外側(つまり外側空間13)には配置されていない。
【0049】
吸音材6は、少なくともバルブ収容部23と下流部22のうち第1連通孔24が設けられた部分とを周方向に取り囲むように配置されている。吸音材6は、第1連通孔24に接触している。
【0050】
吸音材6は、内管2と仕切部5との間の空間を充填している。内管2と仕切部5との間には実質的に空隙は存在しないことが好ましいが、隙間があってもよい。また、吸音材6は、内管2の径方向において内管2の外周面から仕切部5の内周面まで到達するように配置されることが好ましい。
【0051】
吸音材6の材質としては、例えば、グラフファイバー等の無機繊維が使用できる。吸音材6としては、無機繊維の集合体(例えば、グラスウール)のほか、無機繊維の織物、編み物又は不織布、無機繊維を部分的にバインダーで固めた構造体などが使用できる。
【0052】
また、吸音材6は、材質、密度、又は構造が互いに異なる繊維を含んでいてもよい。さらに、吸音材6は、内管2の径方向又は軸方向に沿って特性(つまり低減する音圧の周波数領域)が互いに異なる複数の領域を有してもよい。
【0053】
[1-2.作用]
消音器1においてバルブ4が変位した際に発生する作動音(特に凸部23Aへの衝突音)が、バルブ収容部23を囲む吸音材6によって吸収される。
【0054】
また、吸音材6と外管3との間に空隙である外側空間13が設けられ、排気ガスG及び大気が流入可能な外側空間13が吸音材6に対する断熱層として機能する。そのため、吸音材6の温度の低下が抑制され、排気ガスGの熱によって、外側空間13に溜まる水分が蒸発しやすくなる。外側空間13に溜まる水分は、排気ガスG及び大気に含まれる水分が凝縮した凝縮水である。
【0055】
[1-3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)内側空間12に配置された吸音材6によってバルブ4の操作音が吸収される。また、吸音材6と外管3との間に吸音材6が配置されない外側空間13が設けられるため、吸音材6の温度の低下が抑制される。その結果、吸音材6において凝縮水が蒸発しやすくなり、凝縮水の貯留が抑制される。
【0056】
(1b)第1連通孔24によって、バルブ4の下流にて発生する音を吸音材6にて消音することができる。
【0057】
(1c)上流側第2連通孔25及び下流側第2連通孔26によって外側空間13に排気ガスGが流れ込む結果、外側空間13が排気ガスGによって温められる。そのため、凝縮水の貯留の抑制効果が促進される。
【0058】
(1d)仕切部5が内管2の外側かつ外管3の内側に配置された筒体であることで、仕切部5が音の遮蔽部として機能するため、バルブ4の作動音の消音効果が促進される。
(1e)仕切部5の少なくとも一方の端部が内管2に固定されることで、排気ガスGが内側空間12に滞留しやすくなり、吸音材6の温度が上昇しやすくなる。そのため、凝縮水の貯留の抑制効果が促進される。
【0059】
[2.第2実施形態]
[2-1.構成]
図4に示す消音器1Aは、内管2と、外管3と、バルブ4と、仕切部5Aと、吸音材6と、支持部材7と、保持部材8と、内部空間11とを備える。消音器1Aの仕切部5A以外の構成は、
図1の消音器1と同じものである。
【0060】
<仕切部>
仕切部5Aは、
図1の仕切部5に、複数の第3連通孔53を設けたものであり、内部空間11を内側空間12と外側空間13とに仕切っている。
【0061】
複数の第3連通孔53は、内側空間12と外側空間13とを連通している。本実施形態では、複数の第3連通孔53は、仕切部5Aのうち、内管2の径方向において、複数の第1連通孔24が設けられた部分と重なる部分に設けられている。第3連通孔53には、吸音材6が内管2の径方向内側から接触している。
【0062】
複数の第3連通孔53は、仕切部5Aの周方向と、軸方向とのそれぞれに並んで配置されている。また、第3連通孔53の形状は、真円に限定されず、楕円、多角形等としてもよい。
【0063】
[2-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(2a)第3連通孔53を介して外側空間13から吸音材6に排気ガスGが供給されるため、凝縮水の貯留の抑制効果が促進される。
【0064】
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0065】
(3a)上記実施形態の消音器において、内管は、1つの第1連通孔を有してもよい。また、第1連通孔は、バルブよりも上流側に配置されてもよい。さらに、内管は、必ずしも第1連通孔を有しなくてもよい。
【0066】
(3b)上記実施形態の消音器において、内管は、1つの上流側第2連通孔又は複数の下流側第2連通孔を有してもよい。また、内管は、必ずしも上流側第2連通孔又は下流側第2連通孔を有しなくてもよい。
【0067】
(3c)上記実施形態の消音器において、仕切部は、一方又は両方の端部が閉塞されていなくてもよい。また、仕切部は、必ずしも筒体でなくてもよい。例えば、仕切部は、内管の周方向における一部のみを覆う板状の部材であってもよい。
【0068】
(3d)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0069】
1…消音器、1A…消音器、2…内管、3…外管、4…バルブ、5…仕切部、
5A…仕切部、6…吸音材、7…支持部材、8…保持部材、8A…保持部材、
11…内部空間、12…内側空間、13…外側空間、21…上流部、22…下流部、
23…バルブ収容部、23A…凸部、23B…凹部、23C…接触面、
24…第1連通孔、25…上流側第2連通孔、26…下流側第2連通孔、
31…上流端部、32…下流端部、41…本体、42…軸部、51…上流端部、
52…下流端部、53…第3連通孔。