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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106655
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011028
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】山本 真也
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC07
2C088EA10
2C088EB78
(57)【要約】
【課題】遊技に対する興趣を向上させること。
【解決手段】演出に関する状態には、音量の大きさが互いに異なる演出状態として、音量LV1である第1演出状態と、音量LV1とは異なる状態である第2演出状態とがある。可動手段の動作に関する状態には、振動演出における振動の強度が互いに異なる状態として、振動LV1である第1動作状態と、振動LV1とは異なる状態である第2動作状態とがある。第1演出状態において可動手段の動作に関する状態が第1動作状態であるとき、第1演出状態とは異なる第2演出状態になった場合には、可動演出を第1動作状態とは異なる第2動作状態で実行可能である。振動演出の演出パターンには、演出パターンEP1~EP3があり、可動手段の動作に関する状態に応じて、振動演出が演出パターンEP1~EP3のうち何れかの演出パターンに基づいて実行される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力を付与する動力付与手段と、
演出を実行する演出実行手段と、を備え、
前記演出実行手段には、前記動力付与手段から動力が付与されることにより可動演出を実行可能な可動手段が含まれ、
前記演出に関する状態には、音声演出の演出態様が異なる演出状態として、第1演出状態と、第2演出状態と、があり、
前記可動手段の動作に関する状態には、第1動作状態と、第2動作状態と、があり、
前記第1演出状態において前記可動手段の動作に関する状態が前記第1動作状態であるとき、前記第1演出状態とは異なる前記第2演出状態になった場合には、前記可動演出を前記第1動作状態とは異なる前記第2動作状態で実行可能であり、
前記可動演出の演出パターンには、第1演出パターンと、第2演出パターンと、があり、
前記可動手段の動作に関する状態に応じて、前記可動演出が前記第1演出パターン及び前記第2演出パターンに基づいて実行されることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一例であるパチンコ遊技機では、所定の抽選結果に基づいて変動ゲームが実行されるとともに、当該変動ゲームに関連して様々な演出が実行される。演出には、一例として可動手段に動力が付与されることにより実行される可動演出がある。例えば、特許文献1の遊技機は、可動手段の一例として遊技者が操作可能な操作ボタンを備えた上で、遊技において操作ボタンの操作を受け付けるときに可動演出の一例として操作ボタンを振動させる振動演出を実行可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-054041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、可動演出を実行させるに際して、さらに工夫を凝らすことによって、遊技に対する興趣を向上させることが期待されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、動力を付与する動力付与手段と、演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記演出実行手段には、前記動力付与手段から動力が付与されることにより可動演出を実行可能な可動手段が含まれ、前記演出に関する状態には、音声演出の演出態様が異なる演出状態として、第1演出状態と、第2演出状態と、があり、前記可動手段の動作に関する状態には、第1動作状態と、第2動作状態と、があり、前記第1演出状態において前記可動手段の動作に関する状態が前記第1動作状態であるとき、前記第1演出状態とは異なる前記第2演出状態になった場合には、前記可動演出を前記第1動作状態とは異なる前記第2動作状態で実行可能であり、前記可動演出の演出パターンには、第1演出パターンと、第2演出パターンと、があり、前記可動手段の動作に関する状態に応じて、前記可動演出が前記第1演出パターン及び前記第2演出パターンに基づいて実行されることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技に対する興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】パチンコ遊技機の正面図である。
図2】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
図3】(a)は、音量レベルの段階を示す図であり、(b)は、振動レベルの段階を示す図である。
図4】音量レベルに対応した振動レベルを示す図である。
図5】(a)~(c)は、音量レベルの調整前後の状態の一例を示す図であり、(d),(e)は、振動レベルの調整前後の状態の一例を示す図である。
図6】音量レベル及び振動レベルを調整可能な期間における演出表示装置の表示態様を示す図である。
図7】振動演出の演出パターンを示す図である。
図8】(a),(b)は、先読み振動演出が行われる場合の一例を示すタイミングチャートである。
図9】(a),(b)は、押下振動演出が行われる場合の一例を示すタイミングチャートである。
図10】復帰後振動演出が行われる場合の一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、パチンコ遊技機の一実施形態について説明する。以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、機体を島設備に固定するための外枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、を備える。搭載枠11bには、枠窓口11cが形成されている。搭載枠11bには、遊技領域YBaを有する遊技盤YBが組み付けられる。搭載枠11bは、枠窓口11cを封止する保護ガラス(不図示)を備える。遊技盤YBの遊技領域YBaは、保護ガラスによって覆われる。
【0009】
パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備える。例えば、発射ハンドルHDは、搭載枠11bのうち右下部分に設けられる。パチンコ遊技機10では、発射ハンドルHDの操作量(回動量)に応じた強度にて、遊技球が遊技領域YBaに向けて発射される。
【0010】
パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備える。例えば、スピーカSPは、搭載枠11bの前面に設けられる。スピーカSPは、所定の音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)を実行可能である。所定の音声は、楽曲、及び効果音等である。
【0011】
パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備える。例えば、装飾ランプLAは、搭載枠11bの前面に設けられる。装飾ランプLAは、内蔵された発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による演出(以下、発光演出と示す)を実行可能である。
【0012】
パチンコ遊技機10は、第1ボタンBT1、及び第2ボタンBT2を備える。第1ボタンBT1、及び第2ボタンBT2は、搭載枠11bの前面であって、遊技者が操作可能な位置に設けられる。第1ボタンBT1、及び第2ボタンBT2は、押下操作を可能に構成されている押しボタン式である。第1ボタンBT1は、操作により変位可能な単一のボタンである。一方、第2ボタンBT2は、上ボタンUBT、下ボタンDBT、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTのように、複数のボタンを含んで構成される。
【0013】
パチンコ遊技機10は、振動モータMTを備える(図2参照)。振動モータMTは、振動することが可能に構成されている。第1ボタンBT1は、振動モータMTから動力が付与される(振動が伝わる)ことにより、可動演出の一例としての振動演出を実行可能に構成されている。振動モータMTは、動力を付与する動力付与手段の一例である。第1ボタンBT1は、所定の操作が可能な操作手段の一例であり、可動手段の一例である。
【0014】
第1ボタンBT1は、第1操作センサを備える。第1操作センサは、第1ボタンBT1の操作を検知すると、操作信号を出力する。第2ボタンBT2は、第2操作センサを備える。第2操作センサは、第2ボタンBT2(上ボタンUBT、下ボタンDBT、左ボタンLBT、及び右ボタンRBT)の操作を検知すると、操作信号を出力する。
【0015】
遊技盤YBの前面には、正面視で略円形状の遊技領域YBaが画成されている。遊技盤YBは、枠窓口11cを介して、遊技領域YBaが視認可能となるように、搭載枠11bに組み付けられている。遊技領域YBaの略中央には、表示窓口YBbが形成されている。
【0016】
パチンコ遊技機10は、特別図柄変動ゲーム(以下、特別ゲームと示す)を表示可能な表示装置として、第1特別図柄表示装置19a、及び第2特別図柄表示装置19bを備える。特別図柄変動ゲームには、第1特別図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームと示す)と、第2特別図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームと示す)と、がある。特別ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に特別図柄が確定停止表示される。特別図柄は、内部抽選(特別図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。第1特別図柄表示装置19aは、第1特別ゲームを表示する。第2特別図柄表示装置19bは、第2特別ゲームを表示する。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味する。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味する。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。パチンコ遊技機10において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに対して優先的に実行される。第1特別ゲーム、及び第2特別ゲームは、同時に並行して実行されない。特別図柄には、大当り表示結果の一例である大当り図柄と、はずれ表示結果の一例であるはずれ図柄と、が少なくともある。特別図柄には、小当り表示結果としての小当り図柄を含んでもよい。パチンコ遊技機10では、特別図柄の当り抽選(以下、特別当り抽選と示す)にて大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が導出され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。
【0017】
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの保留数を特定可能な情報を表示する表示装置として、第1特別保留表示装置19c、及び第2特別保留表示装置19dを備える。第1特別保留表示装置19cは、保留条件が成立したが、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数(以下、第1特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2特別保留表示装置19dは、保留条件が成立したが、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数(以下、第2特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。一例として、第1特別保留数、及び第2特別保留数の上限値は、それぞれ4である。
【0018】
遊技盤YBは、普通図柄表示装置19eを備える。普通図柄表示装置19eは、普通ゲームを表示する。普通ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に普通図柄が導出される。普通図柄は、内部抽選(普通図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄とがある。本実施形態では、普通図柄の当り抽選(以下、普通当り抽選と示す)に当選すると、普通ゲームにおいて普通当り図柄が導出され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。パチンコ遊技機10は、普通保留表示装置19fを備える。普通保留表示装置19fは、保留条件が成立したが、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている普通ゲームの回数(普通保留数)を特定可能な情報を表示する。
【0019】
パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを備える。演出表示装置EHは、画像を表示可能な画像表示領域Rを有する。画像表示領域Rは、一例として、液晶パネル、及び有機ELパネルなどである。演出表示装置EHは、正面から見たときに、表示窓口YBbを介して、画像表示領域Rを視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。演出表示装置EHは、所定のキャラクタや文字を模した画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。
【0020】
演出表示装置EHでは、表示演出の1つとして、演出図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームと示す)が表示される。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が導出される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。一例として、本実施形態の演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0021】
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで導出される特別図柄に応じた図柄組合せが導出される。特別ゲームにおいて、大当り図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが導出される。大当りの図柄組合せは、「777」などのように、全列の演出図柄が同一の演出図柄となる図柄組合せである。特別ゲームにおいて、はずれ図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが導出される。はずれの図柄組合せは、一例として、「778」や「787」などのように、少なくとも一部の列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組合せである。本明細書において、「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。このように、パチンコ遊技機10には、特別ゲームと、当該特別ゲームに対応して実行される演出ゲームと、がある。以下の説明では、特別ゲームと、演出ゲームと、を纏めて「変動ゲーム」と示す。変動ゲームは、図柄変動ゲームの一例である。
【0022】
演出ゲームでは、リーチ演出が実行され得る。リーチ演出は、演出ゲームにおいてリーチを形成するとともに、最終的に所定の図柄組合せを導出させる演出である。リーチは、複数である特定の図柄列(一例として、左図柄列、及び右図柄列)において、同一の演出図柄が一旦停止表示されており、且つ、他の図柄列(一例として、中図柄列)において、演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。リーチ演出には、ノーマルリーチ演出(以下、NR演出と示す)と、当該NR演出に比して変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される期待度(以下、大当り期待度と示す)が高いスーパーリーチ演出(以下、SR演出と示す)と、が含まれる。
【0023】
パチンコ遊技機10は、第1始動口12を備える。第1始動口12は、遊技球を入球させることができるように、常に開口している。パチンコ遊技機10は、第1始動口12へ入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1を備える(図2参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第1始動センサSE1によって検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0024】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する第2始動口13を備える。パチンコ遊技機10は、第2始動口13へ入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2を備える(図2参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第2始動センサSE2によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。パチンコ遊技機10は、遊技球が第2始動口13へ入球可能な開状態と、遊技球が第2始動口13へ入球不能な閉状態と、に動作可能な普通可変部材13aを備える。閉状態は、遊技球が第2始動口13へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、普通可変部材13aを動作させる手段の一例として、普通ソレノイドSL1を備える(図2参照)。普通可変部材13aは、普通当り遊技において、開状態に動作される。
【0025】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する大入賞口14を備える。パチンコ遊技機10は、遊技球が大入賞口14へ入球可能な開状態と、遊技球が大入賞口14へ入球不能な閉状態と、に動作可能な手段の一例である特別可変部材14aを備える。閉状態は、遊技球が大入賞口14へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、特別可変部材14aを動作させる手段の一例として、特別ソレノイドSL2を備える(図2参照)。特別可変部材14aは、特別図柄の当り遊技において、開状態に動作される。パチンコ遊技機10は、大入賞口14へ入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3を備える(図2参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球がカウントセンサSE3によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0026】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaを流下する遊技球が通過(入球)可能なゲート17を備える。パチンコ遊技機10は、ゲート17を通過する遊技球を検知するゲートセンサSE4を備える(図2参照)。パチンコ遊技機10は、遊技球がゲートセンサSE4によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方、賞球の払出条件が成立しないように構成されている。
【0027】
本実施形態において、演出表示装置EH、スピーカSP、装飾ランプLA、及び第1ボタンBT1は、それぞれ演出を実行する演出装置であるとともに、これらは演出実行手段の一例である演出装置群DEを構成する(図2参照)。演出実行手段は、演出表示装置EH、スピーカSP、装飾ランプLA、及び第1ボタンBT1の全てを含むことに限らず、これら演出装置の中から任意に選択可能な1又は複数の演出装置によって構成されていてもよい。
【0028】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率を高確率に変動させる確率変動機能と、第2始動口13への遊技球の入球を補助する入球補助機能と、特別ゲームの変動時間を短縮する時間短縮機能と、を搭載している。パチンコ遊技機10における遊技状態は、これらの機能の作動状態(作動、及び非作動)を組み合わせて構成される。
【0029】
確率変動機能(以下、確変機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なる状態として、複数の確率状態を備える。複数の確率状態には、低確率状態と、当該低確率状態に比して、大当り確率が高い高確率状態と、がある。確変機能が作動すると、確率状態が低確率状態から高確率状態へと移行し、大当りに当選する可能性が高まる。このため、高確率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
【0030】
入球補助機能について説明する。
入球補助機能は、第2始動口13への入賞をサポートする機能であり、所謂「電サポ機能」である。パチンコ遊技機10は、第2始動口13への遊技球の入球率が異なる状態として、複数の入球率状態を備える。複数の入球率状態には、低入球率状態と、当該低入球率状態に比して、入球率が高い高入球率状態と、がある。入球補助機能が作動すると、入球率状態が低入球率状態から高入球率状態に移行し、第2特別ゲームの開始条件を成立させ易くなる。このため、高入球率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。
【0031】
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの制御のうち任意に選択できる1つの制御を実行することによって、又は複数の制御を組み合わせて実行することによって実現できる。第1制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする制御である。第2制御は、普通当り抽選における普通当り確率を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる制御である。第2制御は、低入球率状態では、普通当り抽選そのものを行わないが、高入球率状態では、所定の確率にて普通当り抽選を行う制御であってもよい。第3制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材13aの合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御である。なお、第3制御としては、1回の普通当り遊技における普通可変部材13aの開放回数を、低入球率状態のときよりも多くする制御、及び、普通当り遊技における普通可変部材13aの1回の開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。
【0032】
次に、時間短縮機能(以下、時短機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの変動時間(平均変動時間)が異なる状態として、複数の変動時間状態を備える。複数の変動時間状態には、長変動時間状態と、長変動時間状態に比して、少なくとも第2特別ゲームの平均変動時間が短い短変動時間状態と、がある。時短機能が作動すると、変動時間状態が長変動時間状態から短変動時間状態へ移行し、単位時間当りで実質的に実行可能な特別ゲームの回数が増加する。即ち、特別ゲームの保留の消化効率が向上する。なお、本実施形態において、時短機能は、入球補助機能に付随して作動する。つまり、時短機能は、入球補助機能とともに作動し、入球補助機能とともに非作動となる。
【0033】
本実施形態において、遊技状態には、通常状態、第1有利状態、及び第2有利状態の3つがある。通常状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動しない遊技状態である。第1有利状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動する遊技状態である。第2有利状態は、確変機能が作動しない一方、入球補助機能、及び時短機能が作動する遊技状態である。パチンコ遊技機10は、3つの遊技状態を備えることに限らず、その一部又は全部を、確変機能、入球補助機能、及び時短機能のうち作動させる機能を変更した異なる遊技状態としてもよい。また、遊技状態は、1つ又は2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
【0034】
次に、大当りについて説明する。
パチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備える。大当り図柄の種類は、大当りの種類でもある。大当り図柄は、1又は複数の種類に分類される。本実施形態では、特定図柄及び通常図柄の2種類に分類される。パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて大当り遊技が付与される。
【0035】
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口14を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球すること、又は予め定めた上限時間が経過することにより終了される。ラウンド遊技において、大入賞口14は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を特定可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0036】
パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて、大当り遊技の終了後の遊技状態が制御される。一例として、特定図柄には、大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまでの間にわたって第1有利状態に制御することが定められている。通常図柄には、大当り遊技の終了後、予め定めた作動回数の特別ゲームが終了する迄、又は、次回の大当り遊技が付与される迄の間にわたって、第2有利状態に制御することが定められている。これに限らず、大入賞口14に入賞した遊技球が特定領域(所謂、Vゾーン)を通過したことを条件として、大当り遊技の終了後の遊技状態を第1有利状態に制御し、特定領域を通過しなかったことを条件として、大当り遊技の終了後の遊技状態を第2有利状態に制御する構成であってもよい。
【0037】
パチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載している。
バックアップ機能は、外部電源からの電力供給が遮断した場合でも遊技に関する情報(以下、遊技情報という)を含む所定の情報を記憶し、電力供給が開始されたときには記憶された情報に基づいて復帰可能とする機能である。詳しくは後述するが、バックアップの対象となる遊技情報には、特別ゲームに関する情報、大当り遊技に関する情報、遊技状態に関する情報、及び演出に関する情報が含まれる。
【0038】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、主基板40と、副基板50と、を備える。主基板40と、副基板50とは、主基板40から副基板50へと一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。主基板40は、所定の処理を実行し、副基板50へ制御信号を出力する。副基板50は、主基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
【0039】
主基板40について詳しく説明する。
主基板40は、CPU41と、ROM42と、RWM43と、乱数生成回路44と、RWMクリアスイッチ45とを備える。CPU41は、主制御プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を実行する。ROM42は、主制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。ROM42は、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。
【0040】
変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれリーチ変動パターンと、はずれ変動パターンとがある。大当り変動パターンには、演出ゲームにおいて、NR演出を行い、最終的に大当りの図柄組合せが導出される変動パターンと、NR演出を行った後、SR演出を行い、最終的に大当りの図柄組合せが導出される変動パターンとがある。はずれリーチ変動パターンには、演出ゲームにおいて、NR演出を行い、最終的にはずれの図柄組合せが導出される変動パターンと、NR演出を行った後、SR演出を行い、最終的にはずれの図柄組合せが導出される変動パターンとがある。また、はずれ変動パターンには、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行わず、最終的にはずれの図柄組合せが導出される変動パターンがある。RWM43は、CPU41の処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。一例として、RWM43が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。乱数生成回路44は、ハードウェア乱数を生成する。主基板40は、CPU41による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されていてもよい。RWMクリアスイッチ45は、後述するバックアップ機能によりバックアップされている主バックアップ情報及び副バックアップ情報の初期化を指示する操作を可能に構成された操作部である。RWMクリアスイッチ45は、押込み操作によってオンになり、押込み操作をしないとオフになる。CPU41は、RWMクリアスイッチ45がオンに操作されたときに出力する操作信号を入力可能である。RWMクリアスイッチ45の操作は、例えば遊技場の管理者や製造時の作業者などによる人的操作である。
【0041】
主基板40は、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3、及びゲートセンサSE4と接続される。CPU41は、各センサSE1~SE4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能である。主基板40は、複数の表示部19a~19fと接続される。CPU41は、複数の表示部19a~19fの表示内容を制御可能である。主基板40は、ソレノイドSL1,SL2と接続される。CPU41は、第2始動口13、及び大入賞口14の開放態様を制御可能である。
【0042】
次に、副基板50について説明する。
副基板50は、CPU51と、ROM52と、RWM53と、を備える。CPU51は、副制御プログラムを実行することにより、演出に関する処理を行う。ROM52は、副制御プログラム、及び所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。ROM52は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データ、及び振動演出に用いる振動演出データなどを記憶している。RWM53は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。一例として、RWM53が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。副基板50は、CPU51による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。副基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0043】
副基板50は、演出表示装置EHと接続される。CPU51は、演出表示装置EHの表示内容を制御可能である。副基板50は、スピーカSPと接続される。CPU51は、スピーカSPの出力内容を制御可能である。副基板50は、装飾ランプLAと接続される。CPU51は、装飾ランプLAの発光態様を制御可能である。
【0044】
副基板50は、第1ボタンBT1、及び第2ボタンBT2(上ボタンUBT、下ボタンDBT、左ボタンLBT、及び右ボタンRBT)と接続される。CPU51は、第1ボタンBT1が操作されたときに出力する操作信号を入力可能である。CPU51は、第2ボタンBT2が操作されたときに出力する操作信号を入力可能である。CPU51は、振動モータMTと接続される。CPU51は、振動モータMTを駆動させて第1ボタンBT1に振動を伝えることにより振動演出を実行させることができる。
【0045】
副基板50は、調整スイッチ54を備える。調整スイッチ54は、第2ボタンBT2の操作によってスピーカSPから出力される音声の音量、及び振動モータMTが振動する強度を変更可能とする範囲(以下、調整範囲と示す)を設定するための手段である。本実施形態において、調整スイッチ54は、副基板50に実装されているため、搭載枠11bを開放しなければアクセスできない。したがって、原則として、調整スイッチ54は、搭載枠11bを開放できる遊技場の管理者等が操作可能な手段といえる。調整スイッチ54は、複数の調整範囲のうち何れかの調整範囲を選択する操作を可能に構成される。CPU51は、調整スイッチ54と接続される。CPU51は、調整スイッチ54の操作によって選択された調整範囲を特定可能な設定信号を入力可能である。本実施形態の一例において、調整スイッチ54は、ツマミ型であるが、これに限らず、ディップスイッチ型であってもよく、ボタン型であってもよい。
【0046】
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの後側に電源ユニット60を備える。電源ユニット60は、機外部から電力供給を受けるとともに入力電圧を所定電圧に変換し、主基板40及び副基板50に対して供給する。電源ユニット60は、電源スイッチ61を備える。パチンコ遊技機10は、電源スイッチ61をオン状態としたまま電源ユニット60に対して電力供給を開始するか、電力供給をした状態のまま電源スイッチ61をオン状態とすることにより、電源投入が可能に構成される。
【0047】
電源ユニット60は、バックアップ電源62を備える。バックアップ電源62は、電力供給が停止された後にも、主基板40のRWM43及び副基板50のRWM53に対して電力を供給する。RWM43及びRWM53は、バックアップ電源62から電力の供給を受けることにより、電力供給が停止されたときにおける記憶内容を電力供給が停止された後にも保持可能である。例えば、RWM43及びRWM53は、電力の供給を受けない状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電力供給が停止された後にも記憶している情報を保持可能であってもよい。
【0048】
パチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載している。パチンコ遊技機10は、バックアップ機能により、電力供給が停止された場合でも、RWM43に記憶される遊技制御に関する情報(以下、主バックアップ情報と示す)、及びRWM53に記憶される遊技制御に関する情報(以下、副バックアップ情報と示す)を所定期間保持することが可能である。そして、パチンコ遊技機10は、電力供給が開始されたとき、各バックアップ情報に基づいて復帰可能である。
【0049】
主バックアップ情報には、特別ゲームに関する情報、大当り遊技に関する情報、遊技状態に関する情報を含む。特別ゲームに関する情報としては、例えば特別当り抽選及び普通当り抽選の結果を特定可能な情報、変動パターンを特定可能な情報、特別ゲームで導出される特別図柄を特定可能な情報、特別ゲームの実行中における計測中の変動時間を特定可能な情報、特別ゲームの保留数を特定可能な情報などである。大当り遊技に関する情報としては、大当り遊技の進行状況を特定可能な情報などである。遊技状態に関する情報としては、確率状態を特定可能な情報、入球率状態を特定可能な情報、及び変動時間状態を特定可能な情報などである。副バックアップ情報には、演出に関する情報を含む。演出に関する情報としては、後述する先読み振動演出の実行状態を示す実行中フラグの設定値、及び先読み振動演出が実行される契機となった変動ゲームまでの残りゲーム数を特定可能な残りゲーム数情報などである。所定期間は、バックアップ電源62(例えば電気二重層コンデンサ)が放電され、そのバックアップ電源62が電力供給不能になるまでの期間である。
【0050】
次に、CPU41が行う各種の処理について説明する。
CPU41は、電源投入時の起動処理によって起動すると、電源投入処理を実行する。一例として、CPU41は、RWMクリアスイッチ45を操作した状態で電源投入がされた場合に、バックアップ電源62によってRWM43にバックアップされていた主バックアップ情報を初期化する。一方、CPU41は、RWMクリアスイッチ45を操作していない状態で電源投入がされた場合に、主バックアップ情報を初期化しない。その後、電源投入処理において、CPU41は、主基板40が起動したことを特定可能な起動情報(一例として起動コマンド)を副基板50へ出力する。一例として、起動情報は、主バックアップ情報の初期化を伴って起動したことを示す情報(一例として、初期化コマンド)、及び主バックアップ情報が初期化されずに起動したことを示す情報(一例として、復電コマンド)の何れかである。
【0051】
CPU41は、所定の制御周期(一例として4ms)毎に行うタイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを実行する。
特別図柄入力処理について説明する。
【0052】
CPU41は、第1始動センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動口12へ入球したか否かを判定する。遊技球が第1始動口12へ入球した場合、CPU41は、RWM43に記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、CPU41は、第1特別保留数を1加算して更新する。CPU41は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示装置19cを制御する。このように、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動センサSE1によって検知されると成立する。
【0053】
次に、CPU41は、乱数生成回路44が生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報をRWM43に記憶させる。例えば、乱数は、特別当り抽選に用いる当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。CPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。パチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報をRWM43に記憶させておくことで、当該第1特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0054】
CPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報をRWM43に記憶させた場合、第1始動口12へ遊技球が入球していない場合、及び、第1特別保留数が上限数未満ではない場合、第2始動センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動口13へ入球したか否かを判定する。遊技球が第2始動口13へ入球している場合、CPU41は、RWM43に記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2特別保留数が上限数未満である場合、CPU41は、第2特別保留数を1加算して更新する。CPU41は、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示装置19dを制御する。このように、第2特別ゲームの保留条件は、第2特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2始動センサSE2によって検知されると成立する。
【0055】
次に、CPU41は、主基板40内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報をRWM43に記憶させる。CPU41は、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。パチンコ遊技機10は、第2特別ゲームに用いる乱数情報をRWM43に記憶させておくことで、当該第2特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。第2特別ゲーム用の乱数情報をRWM43に記憶させた場合、第2始動口13へ遊技球が入球していない場合、及び、第2特別保留数が上限数未満ではない場合、CPU41は、特別図柄入力処理を終了する。
【0056】
特別図柄入力処理においてCPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報をRWM43に記憶させた場合、コマンド設定処理を行う。コマンド設定処理は、特別図柄入力処理に含まれる処理である。
【0057】
コマンド設定処理においてCPU41は、取得した当り乱数に対応する数値が、後述する特別当り抽選に当選する大当り値であるか、特別当り抽選に当選しないはずれ値であるかを判定する。次に、CPU41は、大当り値の場合、取得した変動パターン乱数に対応する数値をもとに、大当り変動パターンの中から選択される大当り変動パターンを特定する。そして、CPU41は、特定した内容をもとに制御コマンドとしての大当り先読みコマンドを出力バッファに格納する。大当り先読みコマンドは、乱数を取得した時の第1特別保留数を示す情報と、取得した当り乱数に対応する数値が大当り値であることを示す情報と、取得した変動パターン乱数に対応する数値によって選択される大当り変動パターンを示す情報と、を特定可能である。
【0058】
一方、CPU41は、はずれ値の場合、取得した変動パターン乱数に対応する数値をもとに、はずれ変動パターン及びはずれリーチ変動パターンからなる変動パターン群の中から選択される変動パターンを特定する。そして、CPU41は、特定した内容をもとに制御コマンドとしてのはずれ先読みコマンドを出力バッファに格納する。はずれ先読みコマンドは、乱数を取得した時の第1特別保留数を示す情報と、取得した当り乱数に対応する数値がはずれ値であることを示す情報と、取得した変動パターン乱数に対応する数値によって選択される変動パターンを示す情報と、を特定可能である。
【0059】
出力バッファに格納された大当り先読みコマンド、又ははずれ先読みコマンドは、次周期以降の出力処理にて副基板50のCPU51へ出力される。本実施形態のコマンド設定処理は、第1特別ゲームを対象として行い、第2特別ゲームを対象としては行わない。大当り先読みコマンド又ははずれ先読みコマンドを設定したCPU41は、前述した特別図柄入力処理において第2特別ゲームに関する処理を行う。以下の説明において、大当り先読みコマンドとはずれ先読みコマンドを区別することなく説明する場合は、「先読みコマンド」と記載する。本実施形態のコマンド設定処理では、CPU41と第1始動センサSE1によって遊技球が検知される毎に、実行が保留される図柄変動ゲーム(第1特別ゲーム)の変動内容(変動時間を含む)を示す変動パターンが特定されることになる。
【0060】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
CPU41は、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。CPU41は、大当り遊技中ではなく、かつ、特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する。CPU41は、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、CPU41は、第2特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2特別保留数が零である場合、CPU41は、第1特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1特別保留数が零である場合、CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。
【0061】
第1特別保留数が零よりも大きい場合、CPU41は、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、CPU41は、第1特別保留数を1減算して更新する。CPU41は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示装置19cを制御する。CPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報をRWM43から取得する。CPU41は、取得した乱数情報から特定される当り乱数を用いて、大当りに当選とするか否かの特別当り抽選(大当り判定)を行う。CPU41は、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて特別当り抽選を行う。
【0062】
大当りに当選した場合、CPU41は、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、CPU41は、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて導出させる大当り図柄を決定する。CPU41は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、大当り変動パターンを決定する。その後、CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。
【0063】
大当りに当選しなかった場合、CPU41は、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、CPU41は、第1特別ゲームにて導出させるはずれ図柄を決定する。CPU41は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、リーチありのはずれリーチ変動パターン、又はリーチなしのはずれ変動パターンを決定する。その後、CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。なお、本実施形態では、はずれ変動パターンを決定するか、はずれリーチ変動パターンを決定するかによって演出ゲームでリーチ演出を実行するか決定されているが、リーチ演出を実行するか否かの判定を行い、その判定結果に応じてはずれリーチ変動パターン又ははずれ変動ゲームの何れかを決定するようにしてもよい。
【0064】
第2特別保留数が零よりも大きい場合、CPU41は、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1特別保留数」を「第2特別保留数」に読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、CPU41は、第2特別保留数の減算、特別当り抽選、及び、特別当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0065】
CPU41は、大当り変動処理、及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを副基板50へ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理にて決定した変動パターンと、変動ゲームの開始と、を特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0066】
特別図柄開始処理を終了すると、CPU41は、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。具体的に、CPU41は、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示装置19aを制御する。CPU41は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第1特別図柄表示装置19aを制御する。また、CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を副基板50へ出力する。
【0067】
CPU41は、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示装置19bを制御する。CPU41は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第2特別図柄表示装置19bを制御する。また、CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを副基板50へ出力する。
【0068】
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。CPU41は、特別ゲームにおいて大当り図柄を導出させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。CPU41は、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。CPU41は、特定した種類の大当り遊技を付与する。
【0069】
最初に、CPU41は、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を副基板50へ出力する。CPU41は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、CPU41は、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口14を開状態とする。CPU41は、カウントセンサSE3による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は、上述の上限時間が経過すると、大入賞口14を閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。CPU41は、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。CPU41は、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を副基板50へ出力する。
【0070】
CPU41は、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング開始コマンドと示す)を副基板50へ出力する。CPU41は、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。CPU41は、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンドと示す)を副基板50へ出力する構成であってもよい。
【0071】
待機状態に制御する処理について説明する。
CPU41は、第1特別保留数と第2特別保留数の何れもが0(零)であって、特別ゲームが実行されていないとき、且つ、大当り遊技が実行されていないとき、待機期間としての待機状態に制御する。つまり、本実施形態における待機状態は、特別ゲームが実行されていない期間であり、且つ大当り遊技が実行されていない期間である。待機状態に制御したとき、CPU41は、待機状態であることを特定可能な制御コマンド(以下、デモコマンドと示す)を副基板50へ出力する。このデモコマンドは、待機状態において待機演出を実行させるためのコマンドである。待機演出は、パチンコ遊技機10が待機状態であることを例えば演出表示装置EHなどを利用して報知し、客寄せ効果を得るための演出である。
【0072】
確率状態を移行させる確率移行処理について説明する。
CPU41は、特定図柄に基づく大当り遊技を終了すると、RWM43に高確フラグを記憶させる。つまり、CPU41は、高確率状態に制御する。一方、CPU41は、通常図柄に基づく大当り遊技を終了すると、RWM43に高確フラグを記憶させない。つまり、CPU41は、低確率状態に制御する。CPU41は、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグが記憶されているとき、当該高確フラグを消去する。つまり、CPU41は、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
【0073】
入球率状態及び変動時間状態を移行させる入球率移行処理について説明する。
CPU41は、特定図柄に基づく大当り遊技及び通常図柄に基づく大当り遊技が終了すると、RWM43に作動フラグを記憶させる。つまり、CPU41は、高入球率状態、且つ短変動時間状態に制御する。CPU41は、通常図柄に基づく大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、RWM43に記憶されている作動フラグを消去する。つまり、CPU41は、通常図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態、且つ長変動時間状態に制御する。CPU41は、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグが記憶されているとき、当該作動フラグを消去する。つまり、CPU41は、大当り遊技中、低入球率状態、且つ長変動時間状態に制御する。なお、CPU41は、遊技状態(確率状態、入球率状態、及び変動時間状態)を移行させた場合に、移行後の遊技状態を特定可能な制御コマンド(以下、遊技状態コマンドと示す)を副基板50へ出力する。
【0074】
次に、副基板50のCPU51が実行する各種の処理について説明する。
最初に、電源投入時に行う起動時処理について説明する。
CPU51は、起動コマンド(初期化コマンド又は復電コマンド)を入力すると、起動時処理を実行する。一例として、CPU51は、初期化コマンドを入力した場合に、バックアップ電源62によってRWM53にバックアップされていた副バックアップ情報を初期化する。一方、CPU51は、復電コマンドを入力した場合に、副バックアップ情報を初期化しない。
【0075】
大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。CPU51は、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように演出装置群DEを制御する。CPU51は、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように演出装置群DEを制御する。CPU51は、エンディング開始コマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように演出装置群DEを制御する。CPU51は、エンディング終了コマンドを入力すると、エンディング演出を終了するように演出装置群DEを制御する。
【0076】
演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。CPU51は、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを入力すると、特別ゲームに対応する演出ゲームを実行するように演出表示装置EHを含む演出装置群DEを制御する。一例として、CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、当該制御コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、CPU51は、特別図柄コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて導出させる図柄組合せを決定する。CPU51は、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。CPU51は、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。
【0077】
また、CPU51は、リーチ演出を実行する条件(以下、リーチ条件と示す)が成立しているか否かを判定する。一例として、リーチ条件は、大当り変動パターン又ははずれリーチ変動パターンが決定されることによって成立する。CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能であるとき、大当りの図柄組合せを構成する演出図柄をリーチの演出図柄として決定する。CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。CPU51は、リーチ条件が成立しておらず、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含まないはずれの図柄組合せを決定する。
【0078】
CPU51は、変動開始コマンドの入力を契機として、各演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示装置EHを制御して演出ゲームを開始させる。CPU51は、変動パターンに定められた変動時間中、選択した演出パターンに基づいて演出ゲームが行われるように、演出表示装置EHを制御する。CPU51は、演出ゲームの実行中、各種の演出を実行するように、演出装置群DEを制御可能である。CPU51は、入力した変動開始コマンドからNR演出が実行される変動パターンを特定した場合、演出ゲームを開始させてから所定のタイミングでNR演出を実行させるように演出装置群DEを制御する。CPU51は、入力した変動開始コマンドからSR演出が実行される変動パターンを特定した場合、演出ゲームが開始されてから所定のタイミングでSR演出を実行するように演出装置群DEを制御する。
【0079】
そして、CPU51は、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを一旦停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定停止表示させる。なお、CPU51は、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
【0080】
待機演出に関する処理について説明する。
CPU51は、デモコマンドを入力すると、RWM53の待機中フラグに待機状態であることを特定可能な情報を記憶させ、待機演出を行わせるように演出表示装置EHを制御する。CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、RWM53の待機中フラグに記憶させた情報を消去し、待機演出を終了させる。
【0081】
次に、パチンコ遊技機10が搭載する音量調整機能及び振動調整機能について説明する。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、第2ボタンBT2(左ボタンLBT、及び右ボタンRBT)を用いた操作によって、スピーカSPから出力される音声の音量値としての音量レベルを1(最小)~10(最大)までの全10段階にわたって調整可能に構成されている(以下、「レベル」を「LV」と示す)。音量LVは、音声演出における音量の大きさを規定する情報としてRWM53に記憶される。パチンコ遊技機10では、大当り遊技の実行中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない待機状態中である期間、特別ゲームの実行中である期間、及び大当り遊技中である期間において、音量LVを調整可能に構成されている。本実施形態の一例において、音量LVの初期値は、音量LV1に定められている。音量LVにより音声演出における音量の大きさが設定された状態は、演出に関する状態の一例である。本実施形態では、音量LVが異なることは、音声演出における音量の大きさが異なる。このため、音量LVを変えて音声演出が実行される場合、音声演出の演出態様が異なることになる。音量LV1の状態は、第1演出状態の一例であり、音量LV1とは異なる音量LVの状態は、第2演出状態の一例である。
【0082】
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、振動調整機能により、第2ボタンBT2(上ボタンUBT、及び下ボタンDBT)を用いた操作によって、振動モータMTが振動する強度値としての振動レベルを1(最小)~7(最大)までの全7段階にわたって調整可能に構成されている。振動LVは、第1ボタンBT1が実行する振動演出における振動の強度を規定する情報として、RWM53に記憶される。なお、本実施形態における振動の強度とは、振動モータMTが振動するときの振幅の大きさである。これに限らず、振動の強度は、振動モータMTが振動する周波数の大きさであってもよく、振動モータMTが駆動するときのトルクの大きさであってもよい。パチンコ遊技機10では、大当り遊技の実行中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない待機状態中である期間、特別ゲームの実行中である期間、及び大当り遊技中である期間において、振動LVを調整可能に構成されている。つまり、本実施形態の一例において、音量LVを調整可能な期間と、振動LVを調整可能な期間とは、同じ期間である。本実施形態の一例において、振動LVの初期値は、振動LV1に定められている。振動LVにより振動の強度が設定された状態は、可動手段(第1ボタンBT1)の動作に関する状態の一例である。また、振動LV1の状態は、第1動作状態の一例であり、振動LV1とは異なる振動LVの状態は、第2動作状態の一例である。第1動作状態と、第2動作状態とでは、振動演出において第1ボタンBT1が振動する強度が異なる。
【0083】
パチンコ遊技機10は、第2ボタンBT2を用いた操作によって変更可能な音量LV、及び振動LVの調整範囲を設定(変更)可能に構成されている。パチンコ遊技機10では、遊技場の管理者等の意向により遊技者が調整可能な音量LV及び振動LVの調整範囲を設定できるように、調整スイッチ54の操作によって音量LV及び振動LVの調整範囲を設定可能に構成されている。パチンコ遊技機10は、調整スイッチ54の操作によって調整範囲が選択された状態で電源投入がされたときに、選択された調整範囲が設定されるように構成されている。本実施形態の一例において、調整スイッチ54の操作によって設定可能な調整範囲には、第1調整範囲、第2調整範囲、及び第3調整範囲がある。
【0084】
図3(a)に示すように、本実施形態の一例では、第1調整範囲における音量の調整範囲(以下、音量範囲と示す)は、音量LV1から音量LV4までの全4段階の範囲である。第2調整範囲における音量範囲は、音量LV1から音量LV6までの全6段階の範囲である。第3調整範囲における音量範囲は、音量LV1から音量LV10までの全10段階の範囲である。
【0085】
図3(b)に示すように、本実施形態の一例では、第1調整範囲における振動の強度の調整範囲(以下、振動範囲と示す)は、振動LV1から振動LV3までの全3段階の範囲である。第2調整範囲における振動範囲は、振動LV1から振動LV4までの全4段階の範囲である。第3調整範囲における振動範囲は、振動LV1から振動LV7までの全7段階の範囲である。なお、調整スイッチ54の操作によって設定可能な調整範囲は、3種類に限定されず、2種類でもよく、4種類以上であってもよい。
【0086】
本実施形態の一例において、音量範囲は、第1調整範囲<第2調整範囲<第3調整範囲の順に、調整可能とする最大音量が大きくなる一方、最小音量が同じである。また、本実施形態の一例において、音量範囲は、第1調整範囲<第2調整範囲<第3調整範囲の順に、調整可能な音量LVの数(段階数)が大きくなる。
【0087】
同様に、本実施形態の一例において、振動範囲は、第1調整範囲<第2調整範囲<第3調整範囲の順に、調整可能とする最大強度が大きくなる一方、最小強度が同じである。また、本実施形態の一例において、振動範囲は、第1調整範囲<第2調整範囲<第3調整範囲の順に、調整可能な振動LVの数(段階数)が大きくなる。
【0088】
図4に示すように、パチンコ遊技機10は、音量LVに対して振動LVが固定されていない状況において、左ボタンLBT、又は右ボタンRBTを用いた操作によって、音量LVが調整された場合、音量LVの調整に連動して、振動LVが調整後の音量LVに対応した振動LVに変更されるように構成されている。音量LVに対しての振動LVの固定については、詳しくは後述する。一例として、音量LV1、音量LV2には、振動LV1、振動LV2がそれぞれ対応する。一例として、音量LV3及び音量LV4には、振動LV3が対応する。一例として、音量LV10には、振動LV7が対応する。本実施形態では、振動LVが大きくなるほど、振動LVに対応する音量LVも大きくなるように構成されている。
【0089】
図5に示すように、例えば、音量LV1、且つ振動LV1であるときに、右ボタンRBTの操作が行われた場合、音量LVが音量LV1から音量LV2に変更されるとともに、振動LVも振動LV1から振動LV2に変更される(図5(a)参照)。
【0090】
また、例えば、音量LV3、且つ振動LV3であるときに、左ボタンLBTの操作が行われた場合、音量LVが音量LV3から音量LV2に変更されるとともに、振動LVも振動LV3から振動LV2に変更される(図5(b)参照)。
【0091】
更に、例えば、音量LV5、且つ振動LV4であるときに、右ボタンRBTの操作が行われた場合、音量LVが音量LV5から音量LV6に変更される。このとき、音量LV5及び音量LV6に対応した振動LVは、何れも振動LV4であるため(図4参照)、振動LVは維持される(図5(c)参照)。
【0092】
このように、パチンコ遊技機10では、左ボタンLBT、又は右ボタンRBTを用いた操作により音量調整が行われ、変更前の音量LVとは異なる音量LVの状態になった場合には、振動LVも変更後の音量LVに対応した何れかの振動LVの状態になる。一例として、音量LVが音量LV1の状態(第1演出状態)において振動LVが振動LV1の状態(第1動作状態)であるとき、音量LVが音量LV1とは異なる音量LVの状態(第2演出状態)になった場合には、振動LVも変更後の音量LVに対応した振動LV1とは異なる振動LVの状態(第2動作状態)に変更される。つまり、パチンコ遊技機10では、音量LVが音量LV1の状態(第1演出状態)において振動LVが振動LV1の状態(第1動作状態)であるとき、音量LVが音量LV1とは異なる音量LVの状態(第2演出状態)になった場合には、振動演出が振動LV1とは異なる振動LVの状態(第2動作状態)で実行される。
【0093】
なお、本実施形態では、音量LVが設定されている調整範囲の上限であるときに、右ボタンRBTの操作が行われた場合、音量LVは変更されず、振動LVも変更されない。同様に、音量LVが設定されている調整範囲の下限であるときに、左ボタンLBTの操作が行われた場合、音量LVは変更されず、振動LVも変更されない。
【0094】
パチンコ遊技機10は、上ボタンUBT、又は下ボタンDBTを用いた操作によって、音量LVを変更せずに、振動LVを調整するとともに、その後、左ボタンLBT、又は右ボタンRBTを用いた操作により音量LVの変更が行われた場合であっても、音量LVに対して振動LVを調整後の振動LVに固定することが可能に構成されている。つまり、パチンコ遊技機10は、電力供給が開始された後であって、上ボタンUBT、又は下ボタンDBTの操作が行われた後には、左ボタンLBT、又は右ボタンRBTの操作により音量LVが調整された場合であっても、音量LVの調整に連動して、振動LVが調整後の音量LVに対応した振動LVに変更されないように構成されている。例えば、音量LV1、且つ振動LV1であるときに、上ボタンUBTの操作が行われた場合、音量LV1が維持された状態で、振動LVが振動LV1から振動LV2に変更される(図5(d)参照)。その後、左ボタンLBT、又は右ボタンRBTの操作により音量LVが変更された場合であっても、振動LVは、振動LV2に維持される。また、例えば、音量LV5、且つ振動LV4であるときに、下ボタンDBTの操作が行われた場合、音量LV5が維持された状態で、振動LVが振動LV4から振動LV3に変更される(図5(e)参照)。その後、左ボタンLBT、又は右ボタンRBTの操作により音量LVが変更された場合であっても、振動LVは、振動LV3に維持される。そして、パチンコ遊技機10では、上ボタンUBT、又は下ボタンDBTの操作により振動LVが調整された後には、左ボタンLBT、又は右ボタンRBTの操作により振動LVを維持した状態で音量LVを変更可能である。また、パチンコ遊技機10では、上ボタンUBT、又は下ボタンDBTの操作により振動LVが調整された後には、上ボタンUBT、又は下ボタンDBTの操作により音量LVを維持した状態で振動LVを変更することが可能である。つまり、可動手段の動作に関する状態が変更された場合であっても、演出に関する状態は維持される。
【0095】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、RWMクリアスイッチ45を操作した状態で電源投入がされたか否かによらず、電源投入時に音量LV、及び振動LVが初期値になるように構成されている。そして、電源投入時には、音量LVに対して振動LVが固定されていない状態になるように構成されている。
【0096】
音量調整機能及び振動調整機能に関連した情報(画像)の表示態様の一例について説明する。
図6に示すように、音量LVを調整可能な期間、及び振動LVを調整可能な期間において、演出表示装置EHでは、第2ボタンBT2を用いた操作によって、音量LV、及び振動LVを調整可能であることを特定可能な調整画像CG、現在の音量LVを特定可能な音量画像OG、及び現在の振動LVを特定可能な振動画像SGが表示される。つまり、調整画像CG、音量画像OG、及び振動画像SGは、大当り遊技の実行中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない待機状態中である期間、特別ゲームの実行中である期間、及び大当り遊技中である期間において表示される。
【0097】
調整画像CGには、「左右ボタンで音量LVを変更」の文字列が含まれる。つまり、調整画像CGには、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTの操作によって音量LVを変更可能であることを特定可能な情報が含まれる。調整画像CGには、「上下ボタンで振動LVを変更」の文字列が含まれる。つまり、調整画像CGには、上ボタンUBT、及び下ボタンDBTの操作によって振動LVを変更可能であることを特定可能な情報が含まれる。音量画像OGには、現在の音量LVを示す数値を特定可能な情報が含まれる。振動画像SGには、現在の振動LVを示す数値を特定可能な情報が含まれる。
【0098】
音量調整機能、及び振動調整機能に係る制御内容について説明する。
CPU51は、電源投入時の起動時処理において入力する調整スイッチ54からの設定信号に基づいて、3段階の調整範囲のうち設定されている調整範囲を特定可能な情報をRWM53の調整範囲フラグに記憶させる。CPU51は、調整範囲フラグの値を参照することにより、設定中である現在の調整範囲を特定可能である。
【0099】
CPU51は、RWM53に待機中フラグが記憶されている場合、及び待機中フラグが記憶されていない場合の何れにおいても、調整画像CGを表示させるように演出表示装置EHを制御する。更に、CPU51は、RWM53に記憶された音量LV、及び振動LVに基づいて、音量画像OG、及び振動画像SGを表示させるように演出表示装置EHを制御する。
【0100】
CPU51は、RWM53に待機中フラグが記憶されている場合、及び待機中フラグが記憶されていない場合の何れにおいても、第2ボタンBT2からの操作信号を入力したか判定する。CPU51は、右ボタンRBTからの操作信号を入力した場合、現在の音量LVが調整範囲の上限に達していないときには、音量LVを1つ上の音量LVに変更する。更に、CPU51は、右ボタンRBTからの操作信号を入力し、且つRWM53の振動調整フラグに、上ボタンUBT、又は下ボタンDBTの操作後であることを示す情報(以下、振動調整後情報と示す)が記憶されていない場合、振動LVを変更後の音量LVに対応した振動LVに変更する。一方、CPU51は、右ボタンRBTからの操作信号を入力し、且つ振動調整フラグに振動調整後情報が記憶されている場合、振動LVを変更しない。振動調整後情報は、パチンコ遊技機10への電力供給が開始された後、上ボタンUBT、又は下ボタンDBTの操作が行われた場合にRWM53に記憶される。つまり、振動調整後情報は、パチンコ遊技機10へ電力供給が開始された後、上ボタンUBT、又は下ボタンDBTの操作が行われたことを特定可能な情報である。振動調整後情報は、RWM53の振動調整フラグに記憶される。
【0101】
一方、CPU51は、右ボタンRBTからの操作信号を入力した場合、現在の音量LVが調整範囲の上限に達しているときには、音量LV、及び振動LVを変更しない。
CPU51は、左ボタンLBTからの操作信号を入力した場合、現在の音量LVが調整範囲の下限(音量LV1)に達していないときには、音量LVを1つ下の音量LVに変更する。更に、CPU51は、左ボタンLBTからの操作信号を入力し、且つ振動調整フラグに振動調整後情報が記憶されていない場合、振動LVを変更後の音量LVに対応した振動LVに変更する。一方、CPU51は、左ボタンLBTからの操作信号を入力し、且つ振動調整フラグが記憶されている場合、振動LVを変更しない。
【0102】
一方、CPU51は、左ボタンLBTからの操作信号を入力した場合、現在の音量LVが調整範囲の下限に達しているときには、音量LV、及び振動LVを変更しない。
CPU51は、上ボタンUBTからの操作信号を入力した場合、現在の振動LVが調整範囲の上限に達していないときには、音量LVを変更せずに、振動LVを1つ上の振動LVに変更する。一方、CPU51は、上ボタンUBTからの操作信号を入力した場合、現在の振動LVが調整範囲の上限に達しているときには、振動LVを変更しない。更に、CPU51は、上ボタンUBTからの操作信号を入力した場合、振動調整フラグに振動調整後情報を記憶させる。
【0103】
CPU51は、下ボタンDBTからの操作信号を入力した場合、現在の振動LVが調整範囲の下限(振動LV1)に達していないときには、音量LVを変更せずに、振動LVを1つ下の振動LVに変更する。一方、CPU51は、下ボタンDBTからの操作信号を入力した場合、現在の振動LVが調整範囲の下限に達しているときには、振動LVを変更しない。更に、CPU51は、下ボタンDBTからの操作信号を入力した場合、振動調整フラグに振動調整後情報を記憶させる。
【0104】
CPU51は、起動コマンド(初期化コマンド又は復電コマンド)を入力した場合、起動時処理において、RWM53の音量LV及び振動LVに初期値(音量LV1、振動LV1)を設定する。音量LV及び振動LVの初期値は、ROM52に記憶される。更に、起動コマンドを入力した場合、CPU51は、RWM53の振動調整フラグに振動調整後情報が記憶されている場合、振動調整後情報を消去する。
【0105】
CPU51は、RWM53に記憶された音量LVにより現在の音量を特定し、特定した現在の音量に応じて各種の音声演出を実行させる。CPU51は、RWM53に記憶された振動LVにより現在の振動の強度を特定し、特定した現在の振動の強度に応じて各種の振動演出を実行させる。
【0106】
次に、パチンコ遊技機10において実行される振動演出について説明する。
振動演出は、変動ゲームの実行中に実行可能な演出であって、振動モータMTの振動が第1ボタンBT1に伝わることにより、第1ボタンBT1を所定の演出パターンで振動させる演出である。振動演出には、先読み振動演出と、押下振動演出と、復帰後振動演出と、がある。
【0107】
先読み振動演出は、先読み演出として実行される振動演出である。先読み演出は、未だ開始されない変動ゲーム(特別ゲーム)であって、保留記憶として記憶されている変動ゲームが、大当りになる可能性を示唆する演出である。先読み振動演出は、第1特別ゲームを対象として実行可能な演出である。そして、先読み振動演出は、第1特別ゲームが記憶されたときに、記憶された第1特別ゲームよりも先に実行される第1特別ゲームが存在し、且つ先読み振動演出の実行が決定されていない場合、記憶された第1特別ゲームが開始される前に実行可能である。先読み振動演出は、記憶された第1特別ゲームよりも先に実行される第1特別ゲームが存在し、且つ先読み振動演出の実行が決定されていないとき、第1特別ゲームが記憶されたことを契機に所定の乱数を用いた抽選により実行させるか否かが決定される。
【0108】
先読み振動演出は、当該先読み振動演出の実行が決定された場合、先読み振動演出の実行が決定される契機となった変動ゲームを特定変動ゲーム(以下、ターゲット変動と示す)としたとき、ターゲット変動が開始されるよりも先に実行される変動ゲームの実行中に実行される。先読み振動演出は、ターゲット変動が大当りになる可能性を示唆する演出である。先読み振動演出は、変動ゲームの実行中における予め定めたタイミングで実行される。先読み振動演出が変動ゲームの実行中に実行される予め定めたタイミングは、変動ゲームが開始されるタイミングと同じタイミングである。このとき、先読み振動演出は、第1ボタンBT1の操作を必要とせずに実行される。変動ゲームの実行中において振動演出が実行される予め定めたタイミングとなることは、振動演出の第1実行条件の一例である。先読み振動演出は、ターゲット変動が開始されるよりも先に実行される変動ゲームにおいてリーチ演出が実行されるか否かに関係なく実行される。先読み振動演出が実行される期間は、変動ゲームの実行中にリーチ演出が実行される場合、リーチ演出が開始される前の所定の期間となる。
【0109】
先読み振動演出は、ターゲット変動が開始されるよりも先に実行される変動ゲームが複数ある場合には、複数の変動ゲームが実行される毎に実行される。例えば、第1特別保留数が「3」のときに第1始動口12へ遊技球が入球することにより、新たに第1特別ゲームが記憶されたことを契機に先読み振動演出を実行させることが決定される。このとき、先読み振動演出は、ターゲット変動が開始される迄の3回の変動ゲームが実行される毎に実行されることになる。パチンコ遊技機10では、先読み振動演出が実行された場合のほうが、先読み振動演出が実行されない場合に比して、ターゲット変動の大当り期待度が高くなるように構成されている。
【0110】
押下振動演出は、NR演出が実行される変動ゲームにおいて、実行中の変動ゲームが大当りになる可能性を示唆する演出である。押下振動演出は、NR演出の実行中における予め定めた操作有効期間に第1ボタンBT1が操作されたことを契機として実行可能な演出である。押下振動演出は、NR演出が実行される変動ゲームが開始されることを契機に所定の乱数を用いた抽選により、操作有効期間において第1ボタンBT1が操作されたことを契機として実行可能であるか否かが決定される。押下振動演出は、操作有効期間において押下振動演出を実行可能であることが決定された場合、操作有効期間に第1ボタンBT1が操作されることを契機として実行される。押下振動演出を実行可能であるときに操作有効期間において第1ボタンBT1が操作されることは、振動演出の第2実行条件の一例である。つまり、本実施形態において、振動演出の第1実行条件と第2実行条件とは、実行条件が成立するに際し、第1ボタンBT1が操作されるか否かという点で異なる。操作有効期間中は、第1ボタンBT1の操作を促す操作促進演出が実行される。
【0111】
なお、操作有効期間において押下振動演出を実行可能であることが決定されていた場合であっても、操作有効期間に第1ボタンBT1の操作が行われなかった場合、押下振動演出は実行されない。また、操作有効期間において押下振動演出を実行可能であることが決定されていなかった場合、操作有効期間に第1ボタンBT1の操作が行われた場合であっても、押下振動演出は実行されない。
【0112】
このように、パチンコ遊技機10では、NR演出の実行中における操作有効期間に第1ボタンBT1が操作されたことを契機として、第1ボタンBT1が振動することにより押下振動演出が実行される場合と、第1ボタンBT1が振動せずに押下振動演出が実行されない場合とがある。そして、パチンコ遊技機10では、操作有効期間中に第1ボタンBT1の操作がされたとき、押下振動演出が実行された場合のほうが、押下振動演出が実行されない場合に比して、大当り期待度が高くなるように構成されている。
【0113】
なお、パチンコ遊技機10は、先読み振動演出及び押下振動演出の両方の演出が、1回の変動ゲームにおいて実行され得るように構成されている。1回の変動ゲームにおいて、先読み振動演出と押下振動演出の両方の演出が実行される場合、上述した実行タイミングにより、NR演出が開始される前に先読み振動演出が実行されるとともに、NR演出の実行中に押下振動演出が実行されることとなる。
【0114】
復帰後振動演出は、先読み振動演出の実行が決定された後、ターゲット変動が開始される前にパチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された場合において、電力供給が再開された後に実行されるターゲット変動の実行中における予め定めたタイミングで実行される演出である。復帰後振動演出が実行されるタイミングは、ターゲット変動が開始されたときから所定時間(一例として、3秒)が経過したタイミングである。復帰後振動演出も、先読み振動演出と同様に、変動ゲームの実行中における予め定めたタイミングとなったときに第1ボタンBT1の操作を必要とせずに実行される。換言すると、復帰後振動演出も、先読み振動演出と同様に、第1実行条件が成立したことを契機として実行される。
【0115】
なお、パチンコ遊技機10では、ターゲット変動が開始される前にパチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された後には、ターゲット変動が開始される前に1回又は複数回の変動ゲームが実行される場合であっても、当該変動ゲームの実行中に先読み振動演出が実行されない。このように、パチンコ遊技機10では、先読み振動演出の実行が決定された後、ターゲット変動が開始される前にパチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された場合には、復帰後振動演出が実行されるように構成されている。
【0116】
図7に示すように、振動演出の演出パターンには、演出パターンEP1~EP3の演出パターンがある。パチンコ遊技機10では、演出パターンEP1、演出パターンEP2、及び演出パターンEP3のうち何れかの演出パターンに基づいて振動演出が実行される。なお、各演出パターンに基づいて振動演出が実行される場合における振動の強度は、振動演出が実行されるときに設定されている振動LVに応じた強度となる。演出パターンEP1は、第1ボタンBT1が第1時間(一例として、1秒間)に亘って継続して振動する演出パターンであって、先読み振動演出が実行される場合の演出パターンである。演出パターンEP2は、第1ボタンBT1が第2時間(一例として、3秒間)に亘って継続して振動する演出パターンであって、押下振動演出が実行される場合の演出パターンである。演出パターンEP3は、第1ボタンBT1が第3時間(一例として、5秒間)に亘って継続して振動する演出パターンであって、復帰後振動演出が実行される場合の演出パターンである。演出パターンEP1は、第1演出パターンの一例であり、第1演出パターンとは異なる演出パターンEP2、及び演出パターンEP3は、第2演出パターンの一例である。
【0117】
このように、演出パターンEP1と、演出パターンEP2と、演出パターンEP3とでは、振動演出において第1ボタンBT1が振動する総時間が異なる。つまり、パチンコ遊技機10では、先読み振動演出が実行される場合と、押下振動演出が実行される場合と、復帰後振動演出が実行される場合とでは、振動演出において第1ボタンBT1が継続して振動する総時間が異なる。つまり、ターゲット変動が開始される前の変動ゲームの実行中に先読み振動演出が実行される場合と、変動ゲームの実行中に押下振動演出が実行される場合と、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された後、ターゲット変動の実行中に復帰後振動演出が実行される場合とでは、振動演出の態様が異なると言える。
【0118】
先読み振動演出を実行するためにCPU51が行う先読み振動演出処理について説明する。先読み振動演出を制御するCPU51は、先読み演出制御手段の一例である。
CPU51は、先読みコマンドを入力したか判定する。先読みコマンドを入力した場合、CPU51は、先読みコマンドから特定可能な第1特別保留数が2以上であるか判定する。先読みコマンドから特定可能な第1特別保留数が2以上である場合、CPU51は、RWM53に記憶された先読み振動演出の実行状態を示す実行中フラグの設定値が、実行中であることを示す値であるか、実行中でないことを示す値であるかを判定する。本実施形態では、先読みコマンドを入力した時点で、既に先読み振動演出の実行を決定している場合、又は既に先読み振動演出を実行している場合、新たな先読み振動演出を実行しない。実行中フラグにおいて、先読み振動演出の実行中であることには、先読み振動演出の実行を決定しており、且つ最初の先読み振動演出を開始させていない状況を含む。実行中フラグにおいて、先読み振動演出の実行中ではないことには、先読み振動演出の実行を決定していないことを含む。
【0119】
実行中フラグの設定値が実行中でないことを示す値である場合、CPU51は、所定の乱数を用いた抽選により先読み振動演出を実行させるか否かの実行判定を行う。このとき、CPU51は、先読み振動演出が実行される場合のほうが、先読み振動演出が実行されない場合に比してターゲット変動の大当り期待度が高くなるように先読み振動演出の実行判定を行う。この場合、CPU51は、先読み振動演出の実行割合の全体に占める大当り先読みコマンドを入力したときの先読み振動演出の実行割合が、はずれ先読みコマンドを入力したときの先読み振動演出の実行割合よりも高くなるように実行判定を行うとよい。先読み振動演出の実行割合の全体とは、大当り先読みコマンドを入力したときの先読み振動演出の実行割合と、はずれ先読みコマンドを入力したときの先読み振動演出の実行割合とを合算した実行割合である。
【0120】
先読み振動演出を実行させることを決定した場合、CPU51は、RWM53の実行中フラグに、先読み振動演出の実行中であることを示す値を設定する。また、CPU51は、入力した先読みコマンドから特定可能な第1特別保留数を、ターゲット変動が開始されるまでの残りゲーム数を特定可能な残りゲーム数情報として、RWM53に記憶させる。なお、CPU51は、残りゲーム数情報をRWM53に記憶させた場合、変動開始コマンドを入力する毎に、残りゲーム数情報を1減算して更新する。更に、CPU51は、更新した残りゲーム数情報を参照し、ターゲット変動が開始される前まで(残りゲーム数情報が0になる前まで)変動開始コマンドを入力する毎に予め定めたタイミングで演出パターンEP1に基づいて先読み振動演出を実行させるように振動モータMTを制御する。このとき、CPU51は、RWM53に記憶された振動LVから特定される現在の振動の強度に応じて先読み振動演出を実行させるように振動モータMTを制御する。また、CPU51は、残りゲーム数情報が0になる前まで、入力した変動開始コマンドから特定可能な変動パターンが、大当り変動パターン、はずれリーチ変動パターン、及びはずれ変動パターンの何れであっても、先読み振動演出を実行させる。
【0121】
なお、CPU51は、先読み振動演出の実行を決定する前に入力した先読みコマンドから特定可能な第1特別保留数が2である場合、ターゲット変動が開始される前に実行される1回の変動ゲームの実行中に先読み振動演出を実行させる。一方、CPU51は、先読み振動演出の実行を決定する前に入力した先読みコマンドから特定可能な第1特別保留数が3以上である場合、ターゲット変動が開始される前に実行される複数回の変動ゲームの実行中(複数回の変動ゲームが実行される毎)に先読み振動演出を実行させる。
【0122】
CPU51は、更新した残りゲーム数情報が0になったとき、RWM53の実行中フラグに、先読み振動演出の実行中でないことを示す値を設定する。その後、CPU51は、先読み振動演出処理を終了する。
【0123】
押下振動演出を実行するためにCPU51が行う押下振動演出処理について説明する。
CPU51は、変動開始コマンドを入力したか判定する。変動開始コマンドを入力した場合、CPU51は、変動開始コマンドから変動パターンを特定し、特定した変動パターンが、NR演出が行われる変動パターン(NR演出が行われた後、SR演出が行われる変動パターンを含む)であるか判定する。NR演出が行われる変動パターンである場合、CPU51は、所定の乱数を用いた抽選により操作有効期間において第1ボタンBT1が操作された場合に押下振動演出を実行させるか否かの実行可能判定を行う。CPU51は、押下振動演出を実行可能とする場合のほうが、押下振動演出を実行可能としない場合に比して大当り期待度が高くなるように押下振動演出の実行可否判定を行う。この場合、CPU51は、押下振動演出の実行可否判定を行う割合の全体に占める大当り変動パターンを特定したときに押下振動演出を実行可能とする割合が、はずれリーチ変動パターンを特定したときに押下振動演出を実行可能とする割合よりも高くなるように実行可否判定を行うとよい。押下振動演出の実行可否判定を行う割合の全体とは、大当り変動パターンを特定したときに押下振動演出を実行可能とする割合と、はずれリーチ変動パターンを特定したときに押下振動演出を実行可能とする割合とを合算した割合である。なお、CPU51は、RWM53に記憶された先読み振動演出の実行状態を示す実行中フラグの設定値が、実行中であることを示す値であるか、実行中でないことを示す値であるかに関係なく、押下振動演出の実行可否判定を行う。
【0124】
操作有効期間において第1ボタンBT1が操作された場合に押下振動演出を実行させることを決定した場合及び決定しなかった場合の何れにおいても、CPU51は、NR演出の実行中における所定のタイミングで、押下振動演出の操作有効期間を設定する。更に、CPU51は、操作有効期間中に第1ボタンBT1の操作を促す操作促進演出を実行させるように演出装置群DEを制御する。操作促進演出を実行させる場合、CPU51は、第1ボタンBT1の操作を促す画像が表示されるように演出表示装置EHを制御する。押下振動演出の操作有効期間は、第1ボタンBT1の操作が押下振動演出に反映される期間である。
【0125】
CPU51は、操作促進演出の開始に伴って、RWM53の操作有効タイマに操作有効期間の上限時間を示す値を設定し、該操作有効タイマの値の減算を開始する。即ち、本実施形態では、RWM53の操作有効タイマの値を減算している期間が、操作有効期間となる。CPU51は、操作有効期間において第1ボタンBT1からの操作信号を入力したことを契機として、操作促進演出を終了させるとともに、RWM53の操作有効タイマに設定した値を消去し、操作有効期間を終了させる。本実施形態において、タイマに設定した値を消去するとは、タイマの値を0(零)に設定することである。
【0126】
操作有効期間において第1ボタンBT1が操作された場合に押下振動演出を実行させることを決定した場合、CPU51は、操作有効期間において第1ボタンBT1からの操作信号を入力したことを契機として、演出パターンEP2に基づいて押下振動演出を実行させるように振動モータMTを制御する。このとき、CPU51は、RWM53に記憶された振動LVから特定される現在の振動の強度に応じて押下振動演出を実行させるように振動モータMTを制御する。なお、CPU51は、操作有効期間において第1ボタンBT1が操作された場合に押下振動演出を実行させることを決定した場合であっても、操作有効期間において第1ボタンBT1からの操作信号を入力しなかった場合、押下振動演出を実行させない。また、CPU51は、操作有効期間において第1ボタンBT1が操作された場合に押下振動演出を実行させることを決定しなかった場合、操作有効期間において第1ボタンBT1からの操作信号を入力しても、押下振動演出を実行させない。その後、CPU51は、押下振動演出処理を終了する。
【0127】
復帰後振動演出を実行するためにCPU51が行う復帰後振動演出処理について説明する。
CPU51は、復電コマンドを入力したか判定する。復電コマンドを入力した場合、CPU51は、RWM53に記憶された先読み振動演出の実行状態を示す実行中フラグの設定値が、実行中であることを示す値であるか、実行中でないことを示す値であるかを判定する。なお、前述したように、実行中フラグは副バックアップ情報に含まれるため、CPU51は、復電コマンドを入力したときの実行中フラグの設定値を参照することにより、復電コマンドを入力する前の電力供給が遮断されたときにおける先読み振動演出の実行状態を特定可能となる。
【0128】
実行中フラグの設定値が実行中であることを示す値である場合、CPU51は、復帰後振動演出を実行させることを決定するとともに、RWM53に復帰後振動演出を実行することが決定されたことを特定可能な復帰後振動演出情報を記憶させる。その後、CPU51は、変動開始コマンドを入力する毎に、RWM53に記憶された残りゲーム数情報を1減算して更新する。なお、CPU51は、復電コマンドを入力してからターゲット変動が開始される前までの期間において、先読み振動演出を実行させない。具体的に、CPU51は、変動開始コマンドを入力した後、RWM53に復帰後振動演出情報が記憶されているか否かを判定する。RWM53に復帰後振動演出情報が記憶されており、且つ残りゲーム数情報が0でない場合、CPU51は、変動開始コマンドを入力した変動ゲームの実行中に、先読み振動演出を実行させない。
【0129】
CPU51は、残りゲーム数情報が0になったとき、RWM53に復帰後振動演出情報が記憶されているか判定する。復帰後振動演出情報が記憶されている場合、CPU51は、復帰後振動演出情報を消去するとともに、ターゲット変動が開始されてから所定時間(一例として、3秒)が経過したタイミングで、演出パターンEP3に基づいて復帰後振動演出を実行させるように振動モータMTを制御する。このとき、CPU51は、RWM53に記憶された振動LVから特定される現在の振動の強度に応じて復帰後振動演出を実行させるように振動モータMTを制御する。更に、CPU51は、残りゲーム数情報が0になったとき、RWM53の実行中フラグに、先読み振動演出の実行中でないことを示す値を設定する。その後、CPU51は、復帰後振動演出処理を終了する。
【0130】
先読み振動演出の実行態様の具体的な一例について説明する。
図8に示すように、例えば、第1特別保留数が3である状況で第1特別ゲームが新たに記憶されたことを契機に先読み振動演出の実行が決定された場合、先読み振動演出は、ターゲット変動が開始される前に実行される3回の変動ゲームにおいて実行される。
【0131】
図8(a)は、音量LV1、且つ振動LV1である状態で先読み振動演出の実行が決定される場合の一例を示す。この場合、ターゲット変動の3回前の変動ゲームが開始される時点T01において、1回目の先読み振動演出が開始される。このとき、先読み振動演出は、振動LV1から特定される振動の強度に応じて、演出パターンEP1に基づいて実行される。具体的に、先読み振動演出は、変動ゲームが開始されてから1秒が経過するまでの時点T01~時点T02の期間において実行される。
【0132】
その後、ターゲット変動の2回前の変動ゲームの実行中における時点T03~時点T04の期間において2回目の先読み振動演出が実行され、ターゲット変動の1回前の変動ゲームの実行中における時点T05~時点T06の期間において、3回目の先読み振動演出が実行される。2回目の先読み振動演出、及び3回目の先読み振動演出は、1回目の先読み振動演出と同様に、振動LV1から特定される振動の強度に応じて、演出パターンEP1に基づいて実行される。その後、時点T07~時点T08の期間において、ターゲット変動(特定変動ゲーム)が実行される。なお、ターゲット変動の3回前の変動ゲームが開始されるときから、ターゲット変動が終了するまでの期間において、音量LVは変更されないため、この期間においては、音量LV1から特定される音量に応じて音声演出が実行される。
【0133】
図8(b)は、音量LV1、且つ振動LV1である状態で先読み振動演出の実行が決定され、且つターゲット変動の3回前の変動ゲームの実行中において、先読み振動演出が実行された後に右ボタンRBTが操作されることで、音量LVの調整が行われるとともに、音量LVの調整に連動して振動LVが変更される場合の一例を示す。この場合、ターゲット変動の3回前の変動ゲームが開始される時点T11において、1回目の先読み振動演出が開始される。このとき、先読み振動演出は、振動LV1から特定される振動の強度に応じて、演出パターンEP1に基づいて実行される。具体的に、先読み振動演出は、変動ゲームが開始されてから1秒が経過するまでの時点T11~時点T12の期間において実行される。
【0134】
ターゲット変動の3回前の変動ゲームの実行中における1回目の先読み振動演出が終了した後の時点T13において、右ボタンRBTが操作されると、音量LVが音量LV1から音量LV2に変更される。音量LVが変更された場合、音量LVが変更されたタイミングから、変更後の音量LVから特定される音量に応じて音声演出が実行される。音量LVが変更された場合、振動LVも変更後の音量LVに対応した振動LVに変更される。つまり、時点T13において、振動LVが振動LV1から振動LV2に変更される。その後、ターゲット変動の2回前の変動ゲームが開始される時点T14において、振動LV2から特定される振動の強度に応じて、演出パターンEP1に基づいて先読み振動演出が実行される。更に、ターゲット変動の1回前の変動ゲームの実行中における時点T16~時点T17の期間において、2回目の先読み振動演出と同様に、3回目の先読み振動演出が実行される。その後、時点T18~時点T19の期間において、ターゲット変動(特定変動ゲーム)が実行される。
【0135】
このように、先読み振動演出の実行が決定された場合、先読み振動演出の実行が決定されてから、ターゲット変動が開始される前までに実行される変動ゲームの実行中には、現在の音量LVから特定される音量に応じて音声演出が実行されるとともに、現在の振動LVから特定される振動の強度に応じて先読み振動演出が実行される。
【0136】
押下振動演出の実行態様の具体的な一例について説明する。
図9に示すように、押下振動演出は、NR演出の実行中において、第1ボタンBT1が操作された場合に実行される演出である。
【0137】
図9(a)は、音量LV1、且つ振動LV1である状態で押下振動演出が実行される場合の一例を示す。この場合、時点T31において、NR演出が実行される変動ゲームが開始される。変動ゲームの実行中は、音量LV1から特定される音量に応じて音声演出が実行される。その後、時点T32において、NR演出が開始される。NR演出の実行中には、第1ボタンBT1の操作有効期間が設定され、当該操作有効期間中における時点T33において、第1ボタンBT1が操作された場合、押下振動演出が開始される。このとき、押下振動演出は、振動LV1から特定される振動の強度に応じて、演出パターンEP2に基づいて実行される。具体的に、押下振動演出は、第1ボタンBT1が操作されてから3秒が経過するまでの時点T33~時点T34の期間において実行される。
【0138】
図9(b)は、音量LV3、且つ振動LV3である状態で押下振動演出が実行される変動ゲームが開始され、押下振動演出が実行される前に左ボタンLBTが操作されることで、音量LVの調整が行われるとともに、音量LVの調整に連動して振動LVが変更される場合の一例を示す。
【0139】
この場合、時点T41において、NR演出が実行される変動ゲームが開始される。このとき、音量LV3から特定される音量に応じて音声演出が実行される。その後、押下振動演出が実行される前の時点T42において、左ボタンLBTが操作されると、音量LVが音量LV3から音量LV2に変更される。音量LVが変更された場合、音量LVが変更されたタイミングから、変更後の音量LVから特定される音量に応じて音声演出が実行される。音量LVが変更された場合、振動LVも変更後の音量LVに対応した振動LVに変更される。つまり、時点T42において、振動LVが振動LV3から振動LV2に変更される。その後、時点T43においてNR演出が開始され、NR演出の実行中における時点T44において第1ボタンBT1が操作された場合、時点T44~時点T45の期間において押下振動演出が実行される。このとき、押下振動演出は、振動LV2から特定される振動の強度に応じて、演出パターンEP2に基づいて実行される。
【0140】
このように、押下振動演出が実行される変動ゲームの実行中には、現在の音量LVから特定される音量に応じて音声演出が実行されるとともに、NR演出の実行中における操作有効期間において第1ボタンBT1が操作されたことを契機として、現在の振動LVから特定される振動の強度に応じて押下振動演出が実行される。
【0141】
また、図8(b)及び図9(b)に示す一例のように、パチンコ遊技機10では、電力供給が開始された後、上ボタンUBT、及び下ボタンDBTが操作されていない状況で、変動ゲームの実行中に演出に関する状態が変化した場合、振動に関する状態も変化する。具体的に、変動ゲームの実行中に音量LVが変更された場合、音量LVが変更されたタイミングから、変更後の音量LVから特定される音量に応じて音声演出が実行される。更に、電力供給が開始された後、上ボタンUBT、及び下ボタンDBTが操作されていない状況であるとき、変動ゲームの実行中に音量LVが変更された場合、振動LVは、音量LVが変更されたタイミングから変更された音量LVに対応した振動LVとなる。そして、音量LVが変更された後、最初に振動演出が実行されるときから、変更後の振動LVから特定される振動の強度に応じた振動演出が実行される。なお、本実施形態では、変動ゲームの実行中に音量LVが変更されずに振動LVが変更された場合においても、振動LVが変更された後、最初に振動演出が実行されるときから変更後の振動LVから特定される振動の強度に応じた振動演出が実行される。
【0142】
復帰後振動演出の実行態様の具体的な一例について説明する。
図10に示すように、例えば、第1特別保留数が3である状況で第1特別ゲームが新たに記憶されたことを契機に先読み振動演出の実行が決定され、且つターゲット変動の3回前の変動ゲームの実行中にパチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された場合、ターゲット変動の実行中に復帰後振動演出が実行される。
【0143】
図10には、音量LV3、且つ振動LV3である状態で先読み振動演出の実行が決定されるとともに、ターゲット変動の3回前の変動ゲームの実行中にパチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開される場合の一例を示す。この場合、時点T51においてターゲット変動の3回前の変動ゲームが開始されるとともに、音声LV3から特定される音量に応じて音声演出が実行され、振動LV3から特定される振動の強度に応じて、演出パターンEP1に基づいて先読み振動演出が実行される。先読み振動演出の終了後の時点T53において、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、時点T54において電力供給が再開される。このとき、RWM53に記憶された音量LV及び振動LVは、初期値(音量LV1、振動LV1)となる。このため、電力供給が再開された時点T54のタイミングから、音量LV1から特定される音量に応じて音声演出が実行される。
【0144】
その後、時点T55においてターゲット変動の2回前の変動ゲームが開始される。このとき、変動ゲームの実行中に先読み振動演出が実行されない。更に、時点T56において開始されるターゲット変動の1回前の変動ゲームの実行中にも、先読み振動演出が実行されない。その後、時点T57においてターゲット変動が開始される。ターゲット変動の実行中において、ターゲット変動が開始されたときから所定時間(一例として、3秒)が経過した時点T58において、復帰後振動演出が開始される。復帰後振動演出は、振動LV1から特定される振動の強度に応じて、演出パターンEP3に基づいて実行される。復帰後振動演出は、復帰後振動演出が開始されてから5秒が経過するまでの時点T58~時点T59の期間において実行される。
【0145】
このように、先読み振動演出の実行が決定された後、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された後には、ターゲット変動が開始される前に先読み振動演出が実行されず、ターゲット変動の実行中に復帰後振動演出を実行可能である。なお、先読み振動演出の実行が決定された後、ターゲット変動が開始される前に複数回の変動ゲームが実行される場合には、複数回の変動ゲームのうち何れの変動ゲームにおいて先読み振動演出が実行される前であっても、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された後には、先読み振動演出が実行されない。
【0146】
また、ターゲット変動が開始される前の変動ゲームの実行中に先読み振動演出が実行されるタイミングと、ターゲット変動の実行中に復帰後振動演出が実行されるタイミングとは、振動演出が実行される変動ゲームが開始されてからの経過時間が異なるタイミングである。
【0147】
本実施形態の効果について説明する。
(1)音声演出の演出態様が異なる音量LV1~音量LV10の状態があり、音量LV1の状態から音量LV1とは異なる状態になった場合、可動手段の動作に関する状態を変更後の音量LVに対応した何れかの振動LVの状態に変更可能である。つまり、音声演出の演出態様が異なる状態になった場合、可動手段の動作に関する状態も変更することができる。よって、音声演出の演出態様に合わせて振動演出を好適に実行させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
【0148】
(2)例えば、音量の大きさに関係なく振動演出において第1ボタンBT1が振動する強度が設定される場合、第1ボタンBT1の振動音によって遊技者が音声演出を聞き取りづらくなる虞がある。これに対し、音量LVの変更に合わせて、振動演出において第1ボタンBT1が振動する強度を変更後の音量LVに対応した強度に変更することができる。よって、音量LVに合わせて振動演出を好適な強度で実行させることができる。
【0149】
(3)上ボタンUBT、及び下ボタンDBTの操作により、振動LVを調整させることができる。更に、振動LVの調整後は、音量LVが調整された場合であっても、振動LVが維持される。よって、音量LVに関係なく、好みに合った振動LVで振動演出を楽しみたい遊技者に対しては、上ボタンUBT、及び下ボタンDBTの操作により、好みに合わせて振動LVを調整させることができるとともに、好みに合った振動LVを維持した状態で、音量LVを調整させることができる。また、振動LVが調整された場合であっても、音量LVは維持される。よって、振動LVに関係なく、好みに合った音量LVで音声演出を楽しみたい遊技者に対しては、上ボタンUBT、及び下ボタンDBTの操作を行った後、右ボタンRBT、及び左ボタンLBTの操作により、好みに合わせて音量LVを調整させることができるとともに、好みに合った音量LVを維持した状態で、振動LVを調整させることができる。
【0150】
(4)設定されている各々の振動LVに応じて、演出パターンEP1~EP3に基づいた振動演出が実行される。よって、設定されている各々の振動LVに応じて、振動演出の演出パターンの違いを楽しませることができる。
【0151】
(5)振動演出の演出パターンによって、第1ボタンBT1が振動する総時間が異なる。よって、互いに異なる演出パターンに基づいて振動演出が実行された場合、第1ボタンBT1が振動する総時間の違いを楽しませることができる。
【0152】
(6)音量LVが音量LV1~音量LV10のうち何れの状態であっても、設定されている各状態において演出パターンEP1~EP3に基づいて実行される振動演出を楽しませることができる。よって、設定されている音量LVに関係なく、振動演出の演出パターンに多様性を持たせることができる。
【0153】
(7)第1ボタンBT1が操作されたことを契機として振動演出が実行される場合がある。よって、遊技者が第1ボタンBT1を操作する意欲を向上させ得る。更に、第1ボタンBT1が操作されたことを契機として振動演出が実行される場合と、第1ボタンBT1の操作を必要とせずに、変動ゲームの実行中において予め定めたタイミングとなったことを契機として振動演出が実行される場合とで、実行される振動演出の態様の違いを楽しませることができる。具体的に、第1ボタンBT1が操作されたことを契機として振動演出が実行される場合と、変動ゲームの実行中において予め定めたタイミングとなったことを契機として振動演出が実行される場合とで、第1ボタンBT1が振動する総時間の違いを楽しませることができる。
【0154】
(8)音量LVが音量LV1~音量LV10のうち何れの状態であっても、第1ボタンBT1の操作を必要とせずに、変動ゲームの実行中において予め定めたタイミングとなったことを契機として振動演出が実行される場合と、第1ボタンBT1が操作されたことを契機として振動演出が実行される場合とがある。よって、設定されている音量LVに関係なく、振動演出が実行される契機に多様性を持たせることができる。
【0155】
(9)先読み振動演出の実行が決定された場合、先読み振動演出の実行が決定される契機となったターゲット変動が開始される前に実行される1回又は複数回の変動ゲームの実行中に先読み振動演出が実行される。一方で、先読み振動演出の実行が決定された後、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、電力供給が再開された後には、ターゲット変動が開始される前に実行される変動ゲームの実行中に先読み振動演出が実行されず、ターゲット変動の実行中に復帰後振動演出が実行される。よって、先読み振動演出の実行が決定された後、振動演出が実行される前に遊技機への電力供給が遮断された場合と、遮断されなかった場合とで、振動演出が実行される変動ゲームが異なるイメージを遊技者に与えることができ、その違いを遊技者に楽しませることができる。
【0156】
(10)変動ゲームが開始されてから振動演出が実行されるタイミングまでの経過時間により、実行される振動演出が先読み振動演出であるのか、復帰後振動演出であるのかを認識させることができる。よって、変動ゲームが開始されてから振動演出が実行されるまでの経過時間が一律である場合に比して、先読み振動演出と、復帰後振動演出とが混同して認識されることを抑制できる。そして、先読み振動演出と、復帰後振動演出とで、変動ゲームの開始後に振動演出が実行されるタイミングの違いを楽しませることができる。
【0157】
(11)振動演出において第1ボタンBT1が振動する総時間により、実行される振動演出が、先読み振動演出であるのか、復帰後振動演出であるのかを認識させることができる。つまり、振動演出の態様により、実行される振動演出が、先読み振動演出であるのか、復帰後振動演出であるのかを認識させることができる。よって、振動演出の態様が一律である場合に比して、先読み振動演出と、復帰後振動演出とが混同して認識されることを抑制できる。そして、先読み振動演出と、復帰後振動演出とで、振動演出の態様の違いを楽しませることができる。
【0158】
(12)調整スイッチ54の操作によって、遊技場の管理者等が第2ボタンBT2の操作によってスピーカSPから出力される音声の音量、及び振動モータMTが振動する強度を変更可能とする範囲を設定することができる。よって、遊技場の管理者の意向に応じて、音量LV、及び振動LVの調整範囲を好適に設定させることができる。
【0159】
(13)音量LVを調整可能な期間、及び振動LVを調整可能な期間において、演出表示装置EHでは調整画像CGが表示される。調整画像CGには、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTの操作によって音量LVを変更可能であることを特定可能な情報、及び上ボタンUBT、及び下ボタンDBTの操作によって振動LVを変更可能であることを特定可能な情報が含まれる。よって、音量LVを調整可能な期間、及び振動LVを調整可能な期間において、音量LV、及び振動LVを調整可能であることと、その操作方法を遊技者に認識させることができる。
【0160】
(14)音量LVを調整可能な期間、及び振動LVを調整可能な期間において、演出表示装置EHでは音量画像OG、及び振動画像SGが表示される。音量画像OGには、現在の音量LVを示す数値を特定可能な情報が含まれ、振動画像SGには、現在の振動LVを示す数値を特定可能な情報が含まれる。このため、現在の音量LV、及び振動LVを把握させつつ、音量LV、及び振動LVを調整させることができる。よって、音量画像OG、及び振動画像SGが表示されない場合に比して、音量LV、及び振動LVを調整させ易くすることができる。
【0161】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0162】
・パチンコ遊技機10において、操作手段と可動手段とは、兼用されていなくてもよい。この場合、パチンコ遊技機10は、第1ボタンBT1とは別に、可動演出を実行可能な可動手段を備えているとよい。本変更例において、押下振動演出が実行される場合、第1ボタンBT1が操作されたことを契機として、第1ボタンBT1とは別の前記可動手段が振動するように構成されているとよい。なお、本変更例においても、先読み振動演出及び復帰後振動演出は、第1ボタンBT1の操作を必要とせずに、変動ゲームの実行中において予め定めたタイミングとなったことを契機として実行されることになる。つまり、第1ボタンBT1とは別の可動手段が実行する可動演出は、変動ゲームの実行中において予め定めたタイミングとなったことを契機として実行される場合と、第1ボタンBT1が操作されたことを契機として実行される場合とがある。そして、変動ゲームの実行中において予め定めたタイミングとなったことを契機として別の可動手段により可動演出が実行される場合と、第1ボタンBT1が操作されたことを契機として別の可動手段により可動演出が実行される場合とでは、可動演出の態様が異なることになる。
【0163】
・上記実施形態において、振動演出を行う第1ボタンBT1は、押下操作を行う部分が、時間経過とともに第1位置と第2位置との間で揺れ動いている。可動できる手段が、所定の位置の間を行ったり来たりするように動いているとき、その手段は、振動していると言える。
【0164】
・可動演出は、振動演出に限らず、振動とは異なる動作による演出であってもよい。
・第1動作状態と、第2動作状態とは、可動手段が可動演出を行う際に、当該可動演出に伴って発生する振動の強度が互いに異なる状態であってもよい。
【0165】
・パチンコ遊技機10は、第1ボタンBT1に加えて可動演出を実行可能な可動手段を備えていてもよい。つまり、パチンコ遊技機10は、可動演出を実行可能な可動手段として、第1可動手段と、第2可動手段と、を備えていてもよい。この場合、第1可動手段、及び第2可動手段は、設定されている現在の振動LVに応じて可動演出(振動演出)を実行するとよい。
【0166】
また、第1可動手段と、第2可動手段とで、振動演出が実行される場合の振動LVを個別に調整できるようにしてもよい。このような場合であっても、音量LVが変更されたときには、第1可動手段が振動演出を実行する場合の振動LV、及び第2可動演出手段が振動演出を実行する場合の振動LVの何れも、変更後の音量LVに対応した振動LVに変更可能であるとよい。
【0167】
・音量LVを調整可能な段階は、2段階以上、10段階未満であってもよく、11段階以上であってもよい。同様に、振動LVを調整可能な段階は、2段階以上、7段階未満であってもよく、8段階以上であってもよい。
【0168】
・音量LVを調整可能な段階と、振動LVを調整可能な段階とは、同じ段階数であってもよい。
・第1演出状態と、第2演出状態とは、音声演出の演出態様が異なる演出状態であれば、音量LVが互いに異なる状態でなくてもよい。例えば、第1演出状態と第2演出状態とは、出力される音声の種類が互いに異なる状態であってもよい。このような場合であっても、演出状態が変更された場合には、可動手段の動作に関する状態も変更後の演出状態に対応した状態に変更されるように構成されていてもよい。
【0169】
・音量LV、及び振動LVの一方又は両方は、パチンコ遊技機10の電源投入がされたときとは異なる契機に初期値に戻される場合があってもよい。一例として、待機状態に制御されることを契機として初期値に戻されるようにしてもよく、待機状態に制御された後、予め定めた時間が経過したことを契機として初期値に戻されるようにしてもよい。また、待機状態に制御された回数が予め定めた回数に到達したことを契機として初期値に戻されるようにしてもよい。更に、音量LV、及び振動LVの一方又は両方を初期値に戻す操作を行うことが可能な操作手段を有し、当該操作手段により予め定めた所定の操作が行われた場合に、初期値に戻されるようにしてもよい。
【0170】
・音量LVは、パチンコ遊技機10の電源投入がされたとき、主バックアップ情報の初期化が行われた場合には初期値に戻される一方で、主バックアップ情報の初期化が行われなかった場合には初期値に戻されないようにしてもよい。この場合、RWM53の音量LVが副バックアップ情報に含まれるとよい。そして、パチンコ遊技機10の電源投入がされたとき、主バックアップ情報の初期化が行われなかった場合には、バックアップされた音量LVに基づいて音量LVが設定されるようにするとよい。
【0171】
・振動LVは、パチンコ遊技機10の電源投入がされたとき、主バックアップ情報の初期化が行われた場合には初期値に戻される一方で、主バックアップ情報の初期化が行われなかった場合には初期値に戻されないようにしてもよい。この場合、RWM53の振動LVが副バックアップ情報に含まれるとよい。そして、パチンコ遊技機10の電源投入がされたとき、主バックアップ情報の初期化が行われなかった場合には、バックアップされた振動LVに基づいて振動LVが設定されるようにするとよい。また、本変更例において、振動調整後情報も副バックアップ情報に含まれるようにしてもよい。その上で、パチンコ遊技機10の電源投入がされたとき、主バックアップ情報の初期化が行われず、且つ振動調整後情報が記憶されている場合、振動調整後情報が消去されないようにしてもよい。
【0172】
・第1動作状態と、第2動作状態とでは、可動手段の動作に関する状態として振動演出の実行確率が互いに異なる状態であってもよい。例えば、振動LVが大きくなるほど、振動演出の実行確率が高くなるように構成されていてもよい。つまり、第2動作状態は、第1動作状態に比して、可動演出(振動演出)の実行確率が高い状態であってもよい。
【0173】
・音量LV1であるときには、スピーカSPから音声が出力されないことで音声演出が実行されず、音量LV1とは異なる音量LVであるときには、所定の音量の大きさで音声演出が実行されるようにしてもよい。同様に、振動LV1であるときには、振動モータMTが振動せずに振動演出が実行されず、振動LV1とは異なる振動LVであるときには、振動モータMTが振動する所定の強度で振動演出が実行されるようにしてもよい。
【0174】
逆に、音量LV1とは異なる音量LVであるときには、スピーカSPから音声が出力されないことで、音声演出が実行されず、音量LV1であるときには、所定の音量の大きさで音声演出が実行されるようにしてもよい。同様に、振動LV1とは異なる振動LVであるときには、振動モータMTが振動せずに振動演出が実行されず、振動LV1であるときには、振動モータMTが振動する所定の強度で振動演出が実行されるようにしてもよい。つまり、第1演出状態と第2演出状態の何れか一方は、スピーカSPから音声が出力されない状態であってもよく、第1動作状態と第2動作状態の何れか一方は、振動モータMTが振動しない状態であってもよい。なお、スピーカSPから音声が出力されない演出状態であっても、可動手段の動作に関する状態を第1動作状態と第2動作状態とで変更可能であってもよい。
【0175】
・装飾ランプLAが発光する光量値としての光量LVを予め定めた段階にわたって調整可能に構成されていてもよい。この場合、音量LVが調整されたとき、光量LVは、音量LVの調整に連動して変更されるようにしてもよく、音量LVの調整に連動せずに維持されるようにしてもよい。また、振動LVが調整されたとき、光量LVは、振動LVの調整に連動して変更されるようにしてもよく、振動LVの調整に連動せずに維持されるようにしてもよい。
【0176】
・音量LVを調整可能な期間のうち、音量LVが変更された場合に振動LVが変更後の音量LVに対応した振動LVに変更可能な期間と、音量LVが変更された場合であっても振動LVが維持される期間とがあってもよい。一例として、特別ゲームの実行中である期間では、音量LVが変更された場合に振動LVが変更後の音量LVに対応した振動LVに変更されるようにしてもよい。一方で、待機状態中である期間、及び大当り遊技中である期間のうち、何れか一方の期間、又は両方の期間においては、音量LVが変更された場合であっても振動LVが維持されるようにしてもよい。つまり、特別ゲームの実行中である期間においては、第1演出状態において可動手段の動作に関する状態が第1動作状態であるとき、第1演出状態とは異なる第2演出状態になった場合には、可動手段の動作に関する状態を第1動作状態とは異なる第2動作状態に変更可能であるとよい。一方で、待機状態中である期間、及び大当り遊技中である期間のうち、何れか一方の期間、又は両方の期間においては、第1演出状態において可動手段の動作に関する状態が第1動作状態であるとき、第1演出状態とは異なる第2演出状態になった場合であっても、第1動作状態が維持されるとよい。
【0177】
・パチンコ遊技機10は、スピーカSPから出力される音声の音量、及び振動モータMTが振動する強度の調整範囲を設定できないように構成されていてもよい。この場合、パチンコ遊技機10は、調整スイッチ54を備えていなくてもよい。
【0178】
・先読み振動演出、押下振動演出、及び復帰後振動演出に加えて、又は、これらの振動演出のうち何れかの振動演出に代えて、特定の振動演出が実行されるようにしてもよい。一例として、特定の振動演出は、特別ゲームの実行中である期間、又は大当り遊技中である期間のうち特定の期間に実行されるようにしてもよい。特定の振動演出は、設定されている現在の振動LVに応じて実行されるようにしてもよい。また、特定の振動演出は、予め定めた一定の強度で振動モータMTを振動させることにより実行されるようにしてもよい。
【0179】
・音量LVを調整可能な期間、及び振動LVを調整可能な期間のうち、一部の期間において調整画像CGが演出表示装置EHに表示されない期間があってもよい。一例として、特別ゲームの実行中である期間、及び大当り遊技中である期間のうち、何れか一方の期間、又は両方の期間において調整画像CGが表示されないようにしてもよい。また、待機状態中である期間のうち、一部の期間において調整画像CGが表示されないようにしてもよい。音量画像OG、及び振動画像SGについても同様である。
【0180】
・音量画像OGは、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTのうち何れかのボタンが操作されたことを契機として、予め定めた時間に亘って表示されるようにしてもよい。同様に、振動画像SGは、上ボタンUBT、下ボタンDBT、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTのうち何れかのボタンが操作されたことを契機として、予め定めた時間に亘って表示されるようにしてもよい。また、左ボタンLBT、及び右ボタンRBTのうち何れかのボタンが操作されたことを契機として、音量画像OGが表示される一方で、振動画像SGが表示されないようにしてもよい。
【0181】
・振動演出の演出パターンEP1~EP3は、振動演出において第1ボタンBT1が振動する総時間が互いに異なる演出パターンとしたが、互いに振動演出の態様が異なっていれば、演出パターンEP1~EP3のうち一部又は全部の演出パターンにおいて第1ボタンBT1が振動する総時間が互いに同じであってもよい。一例として、演出パターンEP1は、1回の振動演出において第1ボタンBT1が3秒間継続して振動する演出パターンであるのに対し、演出パターンEP2は、1回の振動演出において第1ボタンBT1が1秒間振動→0.5秒間停止の動作を3回繰り返す演出パターンであってもよい。一例として、演出パターンEP3は、1回の振動演出において第1ボタンBT1が1秒間振動→1秒間停止→2秒間振動となる演出パターンであってもよい。
【0182】
・演出パターンEP1は、第1ボタンBT1が振動する総時間が一例として1秒間となる演出パターンとしたが、1秒間より長い総時間であってもよく、1秒間より短い総時間であってもよい。つまり、演出パターンEP1において、第1ボタンBT1が振動する総時間は、任意の時間であってもよい。演出パターンEP2、及び演出パターンEP3についても同様である。
【0183】
・演出パターンEP1~EP3のうち一部の複数の演出パターンで振動演出において第1ボタンBT1が振動する総時間が互いに同じであってもよい。
・先読み振動演出は、ターゲット変動が大当り又は小当り(以下、大当りと小当りとを纏めて当りと示す)になる可能性を示唆する演出であってもよい。この場合、先読み振動演出が実行される場合のほうが、先読み振動演出が実行されない場合に比して、ターゲット変動の当り期待度が高くなるように構成されているとよい。
【0184】
・先読み振動演出の実行が決定された場合、ターゲット変動が開始されるよりも先に実行される変動ゲームが複数ある場合には、複数の変動ゲームのうち一部又は全部の変動ゲームにおいて先読み振動演出が実行されるようにしてもよい。一例として、ターゲット変動が開始されるよりも先に実行される変動ゲームが2回ある場合、ターゲット変動の1回前の変動ゲームで先読み振動演出が実行される場合と、ターゲット変動の1回前及び2回前の変動ゲームで先読み振動演出が実行される場合とがあってもよい。この場合、先読み振動演出が実行される変動ゲームは、所定の乱数を用いた抽選により決定されるとよい。また、ターゲット変動が開始される前に先読み振動演出が実行される回数が多いほど、ターゲット変動の当り期待度が高くなるように構成されていてもよい。
【0185】
・先読み振動演出が実行される演出パターンとして、複数種類の演出パターンがあってもよい。一例として、互いに振動演出の態様が異なる、第1先読み演出パターンと、第2先読み演出パターンとがあってもよい。また、一例として、第1先読み演出パターンに基づいて先読み振動演出が実行される場合のほうが、第2先読み演出パターンに基づいて先読み振動演出が実行される場合に比して、ターゲット変動の当り期待度が高くなるように構成されていてもよい。
【0186】
・先読み振動演出の実行が決定された場合、ターゲット変動の実行中においても、先読み振動演出と同じ期間及び同じ態様で振動演出が実行されるようにしてもよい。つまり、ターゲット変動が開始されてから第1時間(一例として、1秒間)に亘って、演出パターンEP1に基づいて振動演出が実行されるようにしてもよい。
【0187】
・操作有効期間において第1ボタンBT1が操作された場合に押下振動演出を実行させることが決定される場合のほうが、操作有効期間において第1ボタンBT1が操作された場合に押下振動演出を実行させることが決定されない場合に比して、実行中の変動ゲームの当り期待度が高くなるように構成されていてもよい。
【0188】
・押下振動演出は、NR演出の実行中に実行される演出としたが、変動ゲームが開始されてからNR演出が開始される前までの期間において実行される演出であってもよく、SR演出の実行中に実行される演出であってもよい。なお、押下振動演出が、変動ゲームが開始されてからNR演出が開始される前までの期間において実行される場合には、先読み振動演出が実行される期間よりも後の期間であって、NR演出が開始される前までの期間に実行されるようにするとよい。また、押下振動演出は、大当り遊技中に実行可能な演出であってもよい。押下振動演出が大当り遊技中に実行可能な演出である場合、所定の乱数を用いた抽選により、大当り遊技中における操作有効期間において第1ボタンBT1が操作された場合に押下振動演出を実行させるか否かが決定されるようにしてもよい。また、大当り遊技中における操作有効期間において第1ボタンBT1が操作された場合に押下振動演出が必ず実行されるようにしてもよい。
【0189】
・操作有効期間において第1ボタンBT1が操作された場合に押下振動演出を実行させることが決定された場合、操作有効期間において第1ボタンBT1の操作が行われなかった場合であっても、操作有効期間が終了したタイミングで押下振動演出が実行されるようにしてもよい。つまり、振動演出の第2実行条件は、操作有効期間において第1ボタンBT1の操作が行われた場合、及び操作有効期間において第1ボタンBT1の操作が行われなかった場合の何れにおいても成立するようにしてもよい。
【0190】
・振動演出の第2実行条件に加えて、第1実行条件にも、第1ボタンBT1が操作されることが含まれていてもよい。少なくとも振動演出の第2実行条件には、第1ボタンBT1が操作されることが含まれていればよい。この場合、例えば、第1実行条件と第2実行条件とで、実行条件を成立させるに際し、第1ボタンBT1の操作態様が異なるようにするとよい。第1ボタンBT1の操作態様が異なるとは、例えば、一方は単押し操作、他方は連打操作により実行条件が成立することであってもよい。また、第1実行条件及び第2実行条件の何れも連打操作により実行条件が成立するところ、第1実行条件と第2実行条件とで、実行条件を成立させるための連打操作の上限回数が異なることであってもよい。
【0191】
・振動演出の第1実行条件と第2実行条件とは、全てが異なる条件でもよいし、一部が異なる条件であってもよい。第1実行条件と第2実行条件の一部が異なることは、例えば、第1ボタンBT1を操作するという点で同一であるが、上述したように実行条件を成立させるに際し、第1ボタンBT1の操作態様が異なることであってもよい。また、例えば、第1ボタンBT1を操作するという点で同一であるが、第1ボタンBT1が操作された場合における実行可否抽選が行われることを前提として、第1ボタンBT1が操作されたときに振動演出が実行される確率が異なることであってもよい。
【0192】
・振動演出の第1実行条件と第2実行条件が異なることは、実行条件が成立する時期的条件が異なることであってもよい。実行条件が成立する時期的条件が異なることは、例えば、一方は変動ゲームの実行中に実行条件が成立可能であり、他方は大当り遊技中に実行条件が成立可能であることであってもよい。また、実行条件が成立する時期的条件が異なることは、例えば、第1実行条件と第2実行条件とで、実行条件が成立する遊技状態が異なることであってもよく、実行条件が成立する演出モードが異なることであってもよい。また、実行条件が成立する時期的条件が異なることは、一方は変動ゲームの実行中におけるリーチ演出が実行される前に実行条件が成立可能であり、他方は変動ゲームの実行中におけるリーチ演出の実行中に実行条件が成立可能であることであってもよい。
【0193】
・パチンコ遊技機10は、所謂オートボタン機能を有していてもよい。オートボタン機能が有効であるときでも、第1実行条件と第2実行条件とは異なる条件である。例えば、オートボタン機能が有効であるとき、操作有効期間において第1ボタンBT1が操作されない場合であっても、所定のタイミングで第1ボタンBT1が操作されたと見做されて、押下振動演出が実行される。更に、オートボタン機能が有効であるときでも、操作有効期間において第1ボタンBT1が操作された場合には、第1ボタンBT1が操作されたことを契機として押下振動演出が実行される。この場合、第2実行条件は、操作有効期間に第1ボタンBT1が操作された場合及び操作されなかった場合の何れの場合も成立するという点で、第1実行条件と異なる条件である。
【0194】
・押下振動演出が実行される演出パターンとして、複数種類の演出パターンがあってもよい。一例として、互いに振動演出の態様が異なる、第1押下演出パターンと、第2押下演出パターンとがあってもよい。また、一例として、第1押下演出パターンに基づいて押下振動演出が実行される場合のほうが、第2押下演出パターンに基づいて押下振動演出が実行される場合に比して、実行中の変動ゲームの当り期待度が高くなるように構成されていてもよい。また、上記の変更例に記載したように、大当り遊技中に押下振動演出が実行される場合、第1押下演出パターンに基づいて押下振動演出が実行される場合のほうが、第2押下演出パターンに基づいて押下振動演出が実行される場合に比して、大当り遊技の終了後に遊技者にとって有利な遊技状態に移行する期待度が高くなるように構成されていてもよい。
【0195】
・押下振動演出の実行中にパチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された場合には、再開された変動ゲームの実行中に押下振動演出が実行されないように構成されていてもよい。
【0196】
・ターゲット変動の実行中に復帰後振動演出が開始されるタイミングは、ターゲット変動が開始されたときから3秒が経過したタイミングに限らない。ターゲット変動が開始されたときから予め定めた所定時間が経過したタイミングであればよい。
【0197】
・復帰後振動演出が実行される演出パターンとして、複数種類の演出パターンがあってもよい。一例として、互いに振動演出の態様が異なる、第1復帰後演出パターンと、第2復帰後演出パターンとがあってもよい。また、一例として、第1復帰後演出パターンに基づいて復帰後振動演出が実行される場合のほうが、第2復帰後演出パターンに基づいて復帰後振動演出が実行される場合に比して、実行中の変動ゲームの当り期待度が高くなるように構成されていてもよい。
【0198】
・ターゲット変動の実行中であって、且つ復帰後振動演出の実行中にパチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された場合には、再開された変動ゲームの実行中に復帰後振動演出が実行されないように構成されていてもよい。
【0199】
・副基板50のRWM53は、バックアップ電源62から電力を供給されないように構成されていてもよい。つまり、RWM53の記憶内容は、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断された場合に保持されないように構成されていてもよい。この場合、例えば、先読み振動演出が実行される特定の変動パターンが規定されており、CPU51は、先読みコマンドを入力したとき、先読みコマンドから特定される変動パターンが特定の変動パターンである場合に、先読み振動演出が実行されるようにするとよい。その上で、CPU41は、電源投入処理において復電コマンドをCPU51に出力するとともに、主バックアップ情報として記憶している特別ゲームの保留数を特定可能な情報をCPU51に出力するとよい。CPU51は、復電コマンド及び特別ゲームの保留数を特定可能な情報を入力した場合、入力した特別ゲームの保留数を特定可能な情報から特定される保留数と同じ回数の変動開始コマンドを入力するまで、変動開始コマンドを入力したときに特定の変動パターンを特定可能な変動開始コマンドを入力したか判定するとよい。CPU51は、特定の変動パターンを特定可能な変動開始コマンドを入力した場合、特定の変動パターンに基づく変動ゲームの実行中に復帰後振動演出を実行させるとよい。
【0200】
・CPU51は、起動コマンドを入力したときに振動モータMTが初期動作を行うように制御してもよい。この場合、CPU51が起動コマンドを入力したときの音量LVに関係なく、複数種類の振動LVのうち予め定めた振動LVで初期動作が実行されるようにしてもよい。また、振動モータMTの初期動作の実行中は、音量LVが調整された場合であっても、音量LVの調整に連動して振動LVが変更されないようにしてもよい。つまり、振動モータMTの初期動作の実行中は、演出に関する状態が変更された場合であっても、可動手段の動作に関する状態は変更されないようにしてもよい。また、CPU51は、初期化コマンドを入力したときに初期動作を行うように振動モータMTを制御するとともに、復電コマンドを入力したときに初期動作を行わないようにしてもよい。
【0201】
・振動演出の実行中に音量LVが変更された場合、実行中の振動演出は、当該振動演出が終了するまで振動演出が開始されたときに設定されていた振動LVに応じて継続して実行されるようにしてもよい。この場合、実行中の振動演出が終了した後、次回の振動演出が実行されるときから、変更後の音量LVに対応した振動LVに応じて振動演出が実行されるようにするとよい。例えば、第1演出状態において可動手段の動作に関する状態が第1動作状態であるとき、可動演出の実行中に第1演出状態とは異なる第2演出状態になった場合には、次回の可動演出が実行されるときから第2動作状態に応じた可動演出が実行されるようにしてもよい。
【0202】
・振動演出の実行中に音量LVが変更された場合、音量LVが変更されたタイミングから変更後の音量LVに対応した振動LVに応じた振動演出が実行されるようにしてもよい。
【0203】
・振動演出の実行に伴って、発光演出が実行されるようにしてもよい。この場合、振動に関する状態が第1動作状態であるときと、第2動作状態であるときとで、発光演出の演出態様が異なるように構成されていてもよい。
【0204】
・パチンコ遊技機10は、主バックアップ情報の初期化を伴って起動した場合、主バックアップ情報の初期化を伴って起動したことを特定可能な初期化報知が所定時間に亘って実行されるように構成されていてもよい。
【0205】
・パチンコ遊技機10は、所定のエラーを検出可能であって、所定のエラーが発生しているときには、エラー報知が実行されるように構成されていてもよい。なお、所定のエラーとしては、一例として、磁気エラー、誘導磁界検知エラー、大入賞口不正入賞エラー、断線エラー、扉開放エラー、及び払出しエラーなどがある。磁気エラーは、不正対策の一環としてパチンコ遊技機10に配設された磁気センサによって所定の強さ以上の磁気が検知された状態である。誘導磁界検知エラーは、不正対策の一環としてパチンコ遊技機10に配設された誘導磁界検知センサ(電波センサ)によって特定の周波数帯の電波が検知された状態である。大入賞口不正入賞エラーは、大入賞口への不正な入球が検知された状態である。断線エラーは、基板のスイッチ類の接続などに異常が生じた状態である。扉開放エラーは、パチンコ遊技機10の搭載枠11bが開放された状態である。払出しエラーは、パチンコ遊技機10が備える図示しない払出制御基板側で払出しに関するエラーが発生した状態である。
【0206】
・上記変更例において、初期化報知の実行中、及びエラー報知の実行中のうち、一方、又は両方であるとき、第2ボタンBT2の操作が反映されず、音量LV及び振動LVを変更できないように構成されていてもよい。つまり、初期化報知の実行中、及びエラー報知の実行中のうち、一方、又は両方であるとき、演出に関する状態、及び可動手段の動作に関する状態の何れも変更されないように構成されていてもよい。
【0207】
・パチンコ遊技機10は、パチンコ遊技機10の出玉が基準数(値)を超えないように、基準数の手前でパチンコ遊技機10の動作を停止させる機能(所謂、コンプリート機能)を搭載していてもよい。そして、コンプリート機能によりパチンコ遊技機10の動作が停止している期間において、第2ボタンBT2の操作が反映されず、音量LV及び振動LVを変更できないように構成されていてもよい。つまり、コンプリート機能によりパチンコ遊技機10の動作が停止している期間において、演出に関する状態、及び可動手段の動作に関する状態の何れも変化しないように構成されていてもよい。
【0208】
・上記変更例において、初期化報知が実行される期間、エラー報知が実行される期間、及びコンプリート機能によりパチンコ遊技機10の動作が停止している期間のうち、一部又は全部の期間であるときに、音量LVが変更された場合であっても、振動LVは変更されないようにしてもよい。つまり、初期化報知が実行される期間、エラー報知が実行される期間、及びコンプリート機能によりパチンコ遊技機10の動作が停止している期間のうち、一部又は全部の期間であるときに、演出に関する状態が変更された場合であっても、可動手段の動作に関する状態は変更されないようにしてもよい。
【0209】
・パチンコ遊技機10は、変動ゲームの実行中に実行可能な演出として、実行確率をカスタマイズ可能な特別演出を実行可能であってもよい。特別演出は、一例として、1又は複数の演出実行手段において実行される演出であって、実行中の変動ゲームの大当り期待度を示唆する演出であってもよい。この場合、特別演出の実行確率がカスタマイズされた場合であっても、可動手段の動作に関する状態は変化しないように構成されているとよい。
【0210】
・パチンコ遊技機10は、次回の大当り遊技まで高確率状態を付与する仕様、転落抽選に当選するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、転落機)、又は規定回数の変動ゲームが終了するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、ST機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、遊技球が特定領域(所謂「Vゾーン」)を通過することを条件に高確率状態を付与する仕様(所謂、V確変機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、転落機の仕様と、V確変機の仕様と、を混合させた仕様であってもよい。
【0211】
・特別当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームの終了後に小当り遊技(当り遊技)が付与されるようにしてもよい。本実施形態において、通常の遊技状態(例えば、低通常状態)に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能に構成してもよい。
【0212】
・パチンコ遊技機10は、遊技媒体の一例である遊技球を機内部で循環させる循環式のパチンコ遊技機であってもよい。この場合に、遊技者の持ち球は、パチンコ遊技機10において、電子的に管理されるとよい。
【0213】
・パチンコ遊技機10は、「羽根もの」、又は「ヒコーキタイプ」ともいわれる第2種に分類される仕様を採用してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置(大入賞口)の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入賞口へ入球することにより大当り遊技が生起される。
【0214】
・パチンコ遊技機10は、副基板50をサブ統括制御基板とし、副基板50とは別に、演出表示装置EHを専門に制御する表示制御基板と、スピーカSPを専門に制御する音声制御基板と、装飾ランプLAを専門に制御するランプ制御基板と、を個別に設けてもよい。また、表示制御基板と、音声制御基板と、ランプ制御基板と、のうち一部又は全部の基板を同一の基板としてもよい。また、CPU51は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0215】
・パチンコ遊技機10は、主基板40の機能と副基板50の機能とを統合した単一の制御基板を備えてもよい。また、主基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。CPU41は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0216】
・大当りの種類は、適宜変更してもよい。例えば、大当り遊技におけるラウンド遊技の上限回数、大入賞口14が開状態となる上限時間、及び大入賞口14の開放態様(開放パターン)のうち一部又は全部を異ならせてもよい。
【0217】
・第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、各始動口12,13への遊技球の入球順序に従って実行してもよく、同時に並行して実行してもよい。
・第1特別保留数及び第2特別保留数の上限数は、適宜変更してもよい。また、第1特別保留数の上限数と、第2特別保留数の上限数とは、異なる数であってもよい。また、CPU41は、第1特別ゲームと、第2特別ゲームと、のうち何れか一方について、実行を保留しないように制御してもよい。
【0218】
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(付記1)前記第1演出パターンと、前記第2演出パターンとでは、前記可動演出において前記可動手段が動作する総時間が異なる遊技機。
【0219】
(付記2)前記演出に関する状態が、前記第1演出状態及び前記第2演出状態の何れであっても、前記可動演出が前記第1演出パターンに基づいて実行される場合と前記第2演出パターンに基づいて実行される場合とがある遊技機。
【0220】
(付記3)動力を付与する動力付与手段と、演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記演出実行手段には、前記動力付与手段から動力が付与されることにより可動演出を実行可能な可動手段が含まれ、前記演出に関する状態には、音声演出の演出態様が異なる演出状態として、第1演出状態と、第2演出状態と、があり、前記可動手段の動作に関する状態には、第1動作状態と、第2動作状態と、があり、前記第1演出状態において前記可動手段の動作に関する状態が前記第1動作状態であるとき、前記第1演出状態とは異なる前記第2演出状態になった場合には、前記可動演出を前記第1動作状態とは異なる前記第2動作状態で実行可能であることを特徴とする遊技機。
【0221】
(付記4)動力を付与する動力付与手段と、所定の操作が可能な操作手段と、演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記演出実行手段には、前記動力付与手段から動力が付与されることにより可動演出を実行可能な可動手段が含まれ、前記演出に関する状態には、音声演出の演出態様が異なる演出状態として、第1演出状態と、第2演出状態と、があり、前記可動手段の動作に関する状態には、第1動作状態と、第2動作状態と、があり、前記第1演出状態において前記可動手段の動作に関する状態が前記第1動作状態であるとき、前記第1演出状態とは異なる前記第2演出状態になった場合には、前記可動演出を前記第1動作状態とは異なる前記第2動作状態で実行可能であり、前記可動演出は、第1実行条件が成立したことを契機として実行される場合と、前記第1実行条件とは異なる第2実行条件が成立したことを契機として実行される場合と、があり、前記第1実行条件が成立したことを契機として前記可動演出が実行される場合と、前記第2実行条件が成立したことを契機として前記可動演出が実行される場合とでは、前記可動演出の態様が異なり、少なくとも前記第2実行条件には前記操作手段が操作されることを含むことを特徴とする遊技機。
【0222】
(付記5)未だ開始されない図柄変動ゲームを保留記憶として記憶し、当りになる可能性を示唆する先読み演出を前記保留記憶に基づく図柄変動ゲームが開始される前に実行可能とした遊技機において、動力を付与する動力付与手段と、演出を実行する演出実行手段と、前記先読み演出を制御する先読み演出制御手段と、を備え、前記演出実行手段には、前記動力付与手段から動力が付与されることにより可動演出を実行可能な可動手段が含まれ、前記演出に関する状態には、音声演出の演出態様が異なる演出状態として、第1演出状態と、第2演出状態と、があり、前記可動手段の動作に関する状態には、第1動作状態と、第2動作状態と、があり、前記第1演出状態において前記可動手段の動作に関する状態が前記第1動作状態であるとき、前記第1演出状態とは異なる前記第2演出状態になった場合には、前記可動演出を前記第1動作状態とは異なる前記第2動作状態で実行可能であり、前記先読み演出制御手段は、前記先読み演出として前記可動演出の実行を決定した場合、当該可動演出の実行が決定される契機となった図柄変動ゲームを特定変動ゲームとしたとき、当該特定変動ゲームが開始される前に実行される1回又は複数回の図柄変動ゲームの実行中に前記可動演出を実行させ、前記先読み演出として前記可動演出の実行が決定された後、前記遊技機への電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された後には、前記特定変動ゲームが開始される前に前記可動演出が実行されず、前記特定変動ゲームの実行中に前記可動演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。
【符号の説明】
【0223】
10…パチンコ遊技機 40…主基板 41…CPU 42…ROM 43…RWM 44…乱数生成回路 45…RWMクリアスイッチ 50…副基板 51…CPU 52…ROM 53…RWM 54…調整スイッチ 60…電源ユニット 61…電源スイッチ 62…バックアップ電源 BT1…第1ボタン BT2…第2ボタン CG…調整画像 EH…演出表示装置 EP1~EP3…演出パターン LA…装飾ランプ MT…振動モータ OG…音量画像 SG…振動画像 SP…スピーカ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10