(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106664
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】料理メニューの表示方法、プログラムおよび加熱調理システム
(51)【国際特許分類】
F24C 7/04 20210101AFI20240801BHJP
F24C 7/02 20060101ALI20240801BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240801BHJP
G16H 20/60 20180101ALI20240801BHJP
【FI】
F24C7/04 301Z
F24C7/02 301J
G06Q50/10
G16H20/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011049
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小池 貴和
(72)【発明者】
【氏名】神谷 浩美
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 紀子
(72)【発明者】
【氏名】石綿 啓介
(72)【発明者】
【氏名】媚山 正子
【テーマコード(参考)】
3L086
3L087
5L049
5L050
5L099
【Fターム(参考)】
3L086AA01
3L086AA02
3L086CA09
3L086CA16
3L086CC04
3L086CC12
3L086DA22
3L086DA24
3L087AA01
3L087AA02
3L087AA04
3L087BC02
3L087BC11
3L087DA22
3L087DA24
5L049CC11
5L050CC11
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】料理メニューのレシピや食材で不足する栄養成分を補うことが可能な料理メニューを選択しやすくする料理メニューの表示方法を提供する。
【解決手段】料理メニューの表示方法は、料理メニューのレシピ、または当該レシピに含まれている食材の栄養成分を「栄養バランス」表示領域A2に表示する第1のステップと、当該料理メニューのレシピまたは当該レシピに含まれている食材において、1食あたりの摂取目安に対する栄養成分量の比率の値が少ない栄養成分を複数抽出する第2のステップと、第1および第2のステップに基づいて、不足する栄養成分の少なくとも1つの栄養成分量の比率の値が高い料理メニューを不足する栄養成分を補う料理メニューとして「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A3に表示する第3のステップと、を備える構成としている。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
料理メニューのレシピ、または当該レシピに含まれている食材の栄養成分を表示する第1のステップと、
前記レシピまたは前記食材において、摂取目安に対して不足する栄養成分を複数抽出する第2のステップと、
前記第1および前記第2のステップに基づいて、前記不足する栄養成分の少なくとも1つを多く含む料理メニューを、不足する栄養成分を補う料理メニューとして表示する第3のステップと、を備えることを特徴とする料理メニューの表示方法。
【請求項2】
前記第3のステップでは、前記不足する栄養成分を補う料理メニューをカテゴリごとに表示可能であることを特徴とする請求項1に記載の料理メニューの表示方法。
【請求項3】
前記第3のステップでは、前記不足する栄養成分の少なくとも2つ以上の栄養成分を多く含む、前記不足する栄養成分を補う料理メニューを表示可能であることを特徴とする請求項1に記載の料理メニューの表示方法。
【請求項4】
前記第3のステップでは、表示される前記不足する栄養成分を補う料理メニューの順番が常に一定ではないことを特徴とする請求項1に記載の料理メニューの表示方法。
【請求項5】
前記第3のステップでは、前記不足する栄養成分を補う料理メニューを、前記不足する栄養成分における摂取目安に対する栄養成分量の比率の合計値が高い順に表示することを特徴とする請求項1に記載の料理メニューの表示方法。
【請求項6】
被調理物の加熱調理が可能な加熱調理器と通信可能な外部端末に含まれるプログラムであって、
料理メニューのレシピ、または当該レシピに含まれている食材の栄養成分を表示する第1のステップと、
前記レシピまたは前記食材において、摂取目安に対して不足する栄養成分を複数抽出する第2のステップと、
前記第1および前記第2のステップに基づいて、前記不足する栄養成分の少なくとも1つを多く含む料理メニューを、不足する栄養成分を補う料理メニューとして表示する第3のステップと、を実行させるためのプログラム。
【請求項7】
加熱調理器と外部端末がサーバを介して通信可能な加熱調理システムであって、
料理メニューのレシピ、または当該レシピに含まれている食材の栄養成分を表示する栄養成分表示部と、
前記レシピまたは前記食材において、摂取目安に対して不足する栄養成分を複数抽出する不足栄養成分抽出部と、
前記栄養成分表示部の表示および前記不足栄養成分抽出部の抽出に基づいて、前記不足する栄養成分の少なくとも1つを多く含む料理メニューを、不足する栄養成分を補う料理メニューとして表示する料理メニュー表示部と、を備えることを特徴とする加熱調理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器で加熱調理が可能な料理メニューを表示する料理メニューの表示方法、プログラムおよび加熱調理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
このような料理メニューの表示方法として、サーバに記憶管理された料理メニュー情報を、ユーザが保有する情報端末に表示させるものが従来から知られている。例えば本願出願人は、選択された料理メニュー情報をサーバから情報端末に送信して当該料理メニューのレシピを情報端末に表示し、情報端末において当該レシピの画面から料理メニューの1食あたりの栄養バランスのグラフ一覧の画面に移行可能なものを提案している。そして、このグラフ一覧の画面では1食あたりの摂取目安に不足する栄養成分が複数表示され、当該不足する栄養成分の1つを選択すると、料理メニューの検索の結果として、選択された栄養成分を豊富に含む料理メニューの一覧の情報をサーバから情報端末に送信して検索結果画面を表示させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、まず料理メニューのレシピで不足する栄養成分が表示され、これらの栄養成分の1つを選択することにより、選択された栄養成分を豊富に含む料理メニューの一覧が表示される。しかしながら選択された1つの栄養成分を豊富に含む料理メニューの一覧は表示される一方で、選択されなかった栄養成分を豊富に含む料理メニューを見たい場合には、栄養成分の選択画面に再度戻る必要があり、操作が煩雑になってしまい、また複数の栄養成分を豊富に含む料理メニューが分かり難かった。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、料理メニューのレシピや食材で不足する栄養成分を補うことが可能な料理メニューを選択しやすくする料理メニューの表示方法、プログラムおよび加熱調理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の料理メニューの表示方法は、料理メニューのレシピ、または当該レシピに含まれている食材の栄養成分を表示する第1のステップと、前記レシピまたは前記食材において、摂取目安に対して栄養成分量の値が小さい不足する栄養成分を複数抽出する第2のステップと、前記第1および前記第2のステップに基づいて、前記不足する栄養成分の少なくとも1つを多く含む料理メニューを、不足する栄養成分を補う料理メニューとして表示する第3のステップと、を備えることを特徴とする。
【0007】
また本発明のプログラムは、被調理物の加熱調理が可能な加熱調理器と通信可能な外部端末に含まれ、料理メニューのレシピ、または当該レシピに含まれている食材の栄養成分を表示する第1のステップと、前記レシピまたは前記食材において、摂取目安に対して栄養成分量の値が小さい不足する栄養成分を複数抽出した情報、および前記不足する栄養成分の少なくとも1つを多く含む料理メニューを抽出した情報を受信する第2のステップと、前記不足する栄養成分の少なくとも1つを多く含む料理メニューを前記不足する栄養成分を補う料理メニューとして表示する第3のステップと、を実行させることを特徴とする。
【0008】
また本発明の加熱調理システムは、加熱調理器と外部端末がサーバを介して通信可能であり、料理メニューのレシピ、または当該レシピに含まれている食材の栄養成分を表示する栄養成分表示部と、前記レシピまたは前記食材において、摂取目安に対して栄養成分量の値が小さい不足する栄養成分を複数抽出する不足栄養成分抽出部と、前記不足する栄養成分の少なくとも1つを多く含む料理メニューを、前記不足する栄養成分を補う料理メニューとして表示する料理メニュー表示部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、任意の料理メニューにおいてレシピや食材で不足する栄養成分を補う料理メニューをユーザが選択しやすいように表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態における加熱調理システムの概要を示す説明図である。
【
図3】同上、同上、キャビネットを外した状態の正面前方から見た図である。
【
図4】同上、加熱調理器における熱風ユニットと、上ヒータと、マイクロ波加熱手段の内部説明図である。
【
図5】同上、加熱調理器における蒸気供給装置の内部説明図である。
【
図6】同上、加熱調理器の電気的構成を示すブロック図である。
【
図8】同上、情報端末の電気的構成を示すブロック図である。
【
図9】同上、サーバの電気的構成を示すブロック図である。
【
図10】同上、加熱調理器に関する料理メニュー情報の表示要求をサーバに送信したときに、サーバの料理メニュー情報提供部からの情報により情報端末の表示手段に表示されるレシピ画面を示した説明図である。
【
図11】同上、情報端末の表示手段に表示される栄養バランス画面を示した説明図である。
【
図12】同上、情報端末の表示手段に表示される、不足する栄養成分からの検索結果画面を示した説明図である。
【
図13】同上、情報端末の表示手段に表示される加熱調理機の状態表示画面を示した説明図である。
【
図14】本発明の一実施形態の変形例における、抽出した料理メニューのレシピの1食あたりの摂取目安に対するそれぞれの「ビタミンA」「ビタミンD」「ビタミンK」の栄養成分量の比率を示す表である。
【
図15】同上、(A)情報端末の表示手段に表示される栄養バランス画面を示した説明図、(B)情報端末の表示手段に表示される、不足する栄養成分からの検索結果画面を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明における好ましいレシピの表示方法、プログラムおよび加熱調理システムの実施形態について、添付図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態における加熱調理システム100の全体構成を概略的に示したものである。同図において、1は被調理物の加熱調理が可能な加熱調理器、2は無線端末となるアクセスポイントとしての無線LANルータであり、加熱調理器1が無線LANルータ2に無線で接続される。無線LANルータ2は、ネットワーク3へのアクセス手段としての機能を有し、無線LANルータ2を経由して、加熱調理器1との間で、相互に各種情報やデータのやり取りを行なう構成となっている。
【0013】
6は表示及び通信の機能を有する情報端末、7は無線端末となるアクセスポイントであり、ここでの情報端末6はアクセスポイント7に無線で接続される。なお情報端末6として、加熱調理器1を使用する各ユーザが個別に保有しているスマートフォンや、タブレット端末により構成されてもよい。
【0014】
アクセスポイント7は、ネットワーク3へのアクセス手段としての機能を有し、アクセスポイント7を経由して、情報端末6と、ネットワーク3に接続するクラウド4上のサーバ5との間で、相互に各種情報やデータのやり取りを行なう構成となっている。なお、無線LANルータ2とアクセスポイント7が同一のものであってもよい。
【0015】
本実施形態の加熱調理システム100は、加熱調理器1と情報端末6とを、ネットワーク3を介して管理用のサーバ5に接続したシステムと言える。サーバ5には、加熱調理器1について、その加熱調理器1で調理が可能な全ての料理メニュー情報が記憶保持される。サーバ5に記憶する料理メニュー情報は、例えば、その料理メニューのレシピ情報や、その料理メニューで加熱調理する加熱調理器1の加熱パターンなど、ユーザが加熱調理器1を利用してそのメニューの料理を作り上げるのに必要なあらゆる情報を含む。サーバ5については、後程詳しく説明する。
【0016】
次に
図2~
図4を参照して加熱調理器1の構成を説明する。本実施形態の加熱調理器1は、調理室15内に供給した熱風により被調理物Sを加熱するオーブン加熱による調理機能と、ヒータの熱により被調理物Sを加熱するグリル加熱による調理機能と、マイクロ波を被調理物Sに照射して被調理物Sを加熱調理するレンジ加熱による調理機能と、過熱水蒸気により被加熱物Sを加熱するスチーム加熱による調理機能と、を備えており、略矩形箱状に構成される本体11と、本体11の前面の略全体を覆うように設けられた開閉自在な扉13と、を有して構成される。また本体11は、製品となる加熱調理器1の外郭を覆う部材として、金属製のキャビネット12を備えている。
【0017】
扉13の上部には、縦開きの扉13を開閉するときに手をかける開閉操作用のハンドル14を備えており、扉13の右側部には、表示や報知や操作のための操作パネル部16を備えている。操作パネル部16は、調理の設定内容や進行状況を表示する表示手段17と、加熱調理に関する各種の操作入力を可能にする操作手段18が配設されている。操作手段18は、調理開始指示手段18aや、取消し指示手段18bや、表示手段17の表面に配設される静電式のタッチパネル18cなどで構成される。また扉13には、加熱調理器1と無線LANルータ2との間の無線通信を可能とする通信手段として無線通信装置19が配設されており、無線通信装置19は扉13の内部であって下側中央部に位置している。
【0018】
本体11の下部には、本体1の前面より着脱が可能な給水カセット21と水受け22が各々配設される。給水カセット21は、後述する調理室15に入れられた被調理物Sをスチーム加熱するための液体供給源として、液体となる水を入れる有底状の容器である。また水受け22は、本体11からの食品カスや水滴、蒸気などを受ける有底状の容器である。
【0019】
表示手段17は、例えば加熱の種類や、料理名や、加熱時間や、温度や、調理の写真などの加熱調理に関するあらゆる情報を、文字,数字,記号,写真などでカラー表示するバックライト付きの表示器で、ここではTFT(薄膜トランジスタ)をスイッチング素子として使用した液晶ディスプレイで構成されるが、有機ELなどの他の表示デバイスを用いてもよく、カラー表示に限らず白黒表示でもよい。また当該表示手段17を点灯/消灯させる点灯操作手段が設けられてもよい。この場合、例えばプログラムの設定や、表示手段17に「表示手段OFF」のボタン表示体を表示させるなど、ソフトウェア的に表示手段17を点灯/消灯できるように構成してもよく、また例えば機械的なスイッチを設けるなど、ハードウェア的に表示手段17を点灯/消灯できるように構成してもよい。
【0020】
本実施形態の調理開始指示手段18aおよび取消し指示手段18bは、ユーザからの押動操作を受け付ける押動操作部として設けられている。調理開始指示手段18aは加熱調理を開始するときに押動操作するものであり、取消し指示手段18bは途中で加熱調理をやめるときに、また操作や設定を取り消すときに押動操作するものである。タッチパネル18cは表示手段17の表面となる上面に設けられ、表示手段17に表示される複数の表示体の何れかを指先のタッチ操作で選択することで当該表示体への操作を可能にするものである。
【0021】
調理室15の底壁15aの下方には、電波であるマイクロ波を調理室15内に供給し、被調理物Sにマイクロ波を照射してレンジ加熱を行なうマイクロ波加熱手段25が配設されている。マイクロ波加熱手段25は、マイクロ波を発生させるマグネトロン26と、マグネトロン26から導波管27を介して調理室15に導かれるマイクロ波を受け、当該マイクロ波を調理室15の内部に放射するアンテナ28と、直立した軸を中心にアンテナ28を水平回転させるACモータ等のアンテナモータ29と、マグネトロン26の駆動電源となるインバータ30(
図6参照)などを有して構成されている。
【0022】
調理室15の天井壁15bにはグリルヒータ23が配設されている。本実施形態では、このグリルヒータ23により調理室15内の被調理物Sを輻射熱で加熱するグリル加熱を行なう構成となっている。
【0023】
調理室15の奥壁15cには調理室15内に熱風を供給する複数の供給孔33が設けられており、奥壁15cの後側には、空気を加熱するための熱風ヒータ35や、熱風ヒータ35により加熱した空気を調理室15内に送り込んで循環させる熱風ファン36や、熱風ファン36を回転駆動させる熱風モータ37などを備える熱風ユニット34が配設されている。本実施形態では、熱風ファン36を回転させ、熱風ヒータ35により加熱した空気を調理室15内に供給することで、調理室15内の被調理物Sを熱風コンベクション加熱(オーブン加熱)する構成となっている。
【0024】
調理室15の左側壁15dには、蒸気供給装置41に連通する蒸気噴出孔42が設けられている。本実施形態では、この蒸気噴出孔42から調理室15内の被調理物Sに蒸気を噴出することで、調理室15内の被調理物Sをスチーム加熱する構成となっている。蒸気供給装置41は、給水カセット21からの水を蒸発容器(図示せず)内に導く給水ポンプ43や、金属製の蒸発容器に装着されるシーズヒータなどの蒸発用ヒータ44などを主な構成要素とする。蒸発用ヒータ44により水を蒸気化し、調理室15の内部に飽和蒸気や過熱蒸気を供給することで、調理室15内の被調理物Sをスチーム加熱することができる。
【0025】
その他、調理室15の左側壁15dの上方には、温度検出手段47が組み込まれ、調理室15の右側壁15eの上方には、食品温度検出手段48が組み込まれる。温度検出手段47は調理室15内の温度を検出するものであり、例えばサーミスタで構成される。食品温度検出手段48は、赤外線センサ(図示せず)にスイング機構を装備して構成され、調理室15内の温度分布を検出することで、そこに収容される被調理物の温度を非接触に検出可能にするものである。
【0026】
図6は、オーブンレンジ1の主な電気的構成を示している。同図において、51はマイクロコンピュータにより構成される制御手段であり、この制御手段51は周知のように、演算処理手段としてのCPUや、メモリなどの記憶手段52や、計時手段としてのタイマや、入出力デバイスなどを備えている。
【0027】
制御手段51の入力ポートには、前述した操作手段18と、無線通信装置19と、温度検出手段47と、食品温度検出手段48とが、それぞれ電気的に接続される。制御手段51の出力ポートには、前述した表示手段17と、無線通信装置19と、グリルヒータ23と、アンテナモータ29やインバータ30を含むマイクロ波加熱手段25と、熱風ヒータ35や熱風ファン36や熱風モータ37を含む熱風ユニット34と、給水ポンプ43や蒸発用ヒータを含む蒸気供給装置41とが、それぞれ電気的に接続される。
【0028】
制御手段51は、操作手段18からの操作信号と、温度検出手段47や、食品温度検出手段48からの各検出信号を受け、無線通信装置19から取り込んだ情報に基づき、計時手段からの計時に基づく所定のタイミングで、加熱手段となるグリルヒータ23と、マイクロ波加熱手段25と、熱風ユニット34と、蒸気供給装置41とに駆動用の制御信号を出力し、また表示手段17に表示用の制御信号を出力し、無線通信装置19から情報を出力する機能を有する。こうした機能は、記憶媒体としての記憶手段52に記録したプログラムを、制御手段51が読み取ることで実現するが、特に本実施形態では、制御手段51を加熱制御手段53と、表示制御手段54と、通信制御手段55として主に機能させるプログラムを備えている。
【0029】
加熱制御手段53は、主に調理室15に入れられた被調理物Sへの加熱調理に関わる各部の動作を制御するものある。操作手段18の操作に伴う操作信号を受け取ると、その操作信号に応じて、グリルヒータ23や、マイクロ波加熱手段25や、熱風ユニット34や、蒸気供給装置41に制御信号を送出して、調理室15内の被調理物Sに対する加熱調理を制御する。
【0030】
本実施形態では、加熱調理器1で加熱調理を行なうことが可能な料理メニュー情報が、記憶手段52の料理メニュー情報記憶部57に記憶保持されており、加熱制御手段53は、料理メニュー情報記憶部57の中から選択された一つのメニューについて、操作手段19から調理開始を指示する操作が行われると、その選択された料理メニュー情報に従う所定の手順で、被調理物Sを加熱調理する構成となっている。
【0031】
料理メニュー情報記憶部57に記憶される料理メニューは、手動調理メニューと自動調理メニューに大別できる。手動調理メニューとは、料理メニュー情報記憶部57の中から選択したメニューについて、スタートキー17Aを操作する前に、タッチパネル18へのタッチ操作により、時間や出力や温度などの加熱条件をそれぞれ設定して使用するメニューであり、例えば手動レンジのメニューなどがこれに相当する。また自動調理メニューとは、料理メニュー情報記憶部57の中から選択した料理メニューについて、時間や出力や温度などの加熱条件を設定せずに使用するメニューであり、例えば後述する「ハンバーグ」の料理メニューなどがこれに相当する。
【0032】
表示制御手段54は、主に表示手段17の表示に関わる動作を制御するもので、表示手段16に様々な画面を切換えて表示させる機能を備えている。特に本実施形態では、料理メニュー情報記憶部57に記憶される各料理メニュー情報の中に、その料理メニューに関連した画面を表示手段16に表示させるための様々な表示用情報を含んでいる。
【0033】
通信制御手段55は、無線通信装置19からの情報の送受信に係る動作を制御するもので、ここでは主にサーバ5に対しての情報の送受信を制御している。なお通信制御手段55が無線通信装置19を介して情報端末6と直接接続できるように構成してもよく、この場合に、通信制御手段55が情報端末6に対しての情報の送受信を制御する機能も有していてもよい。
【0034】
以上、レンジ調理の機能を有する加熱調理器1の主な構成を説明したが、これはあくまでも一例で、例えばオーブン調理の機能やスチーム調理の機能が省略された、および/またはグリル調理の機能で下ヒータが追加された加熱調理器1であってもよい。
【0035】
図7は、情報端末6の外観構成を例示したものである。同図において、例えばスマートフォンなどの情報端末6は、画面表示が可能な表示手段61や、押動式の操作ボタン62や、通信モジュール63や、表示手段61の表面に設けられたタッチパネル64などを主な構成要素とする。また操作ボタン62とタッチパネル64により、情報端末6からの操作を可能にする操作手段65が構成される。そして端末通信手段となる通信モジュール63は、加熱調理器1と無線LANルータ2或いはアクセスポイント7との間の無線通信を可能とする送受信部として、情報端末6の本体内部に搭載される。なお、情報端末6はその他に、マイクやスピーカーなどの通話手段や、カメラなどの撮影手段などを備えているが、ここでは図示を省略する。
【0036】
図8は、情報端末6の主な電気的構成を示している。同図において、67はマイクロコンピュータにより構成される端末制御手段であり、この端末制御手段67は周知のように、演算処理手段としてのCPUや、記憶手段としてのメモリや、計時手段としてのタイマや、入出力デバイスなどを備えている。端末制御手段67の入力ポートには、操作手段65と通信モジュール63がそれぞれ電気的に接続され、端末制御手段67の出力ポートには、表示手段61と通信モジュール63がそれぞれ電気的に接続される。
【0037】
端末制御手段67は、操作手段65からの操作信号を受けて、通信モジュール63から取り込んだレシピ情報に基づき、計時手段からの計時に基づく所定のタイミングで、表示手段61に表示用の制御信号を出力する機能を有する。そして本実施形態では、情報端末6のメモリに、例えばアプリケーションプログラムなどの情報処理プログラムを記憶させ、当該情報処理プログラムを立ち上げることで機能させることにより、端末制御手段67を通信制御部68と表示制御部69として主に機能させるプログラムを備えている。
【0038】
通信制御部68は、主に通信モジュール63に関わる動作を制御するもので、必要に応じて通信モジュール63を動作させることにより、端末制御手段67からネットワーク3を介して、サーバ5に各種情報やデータを送り出したり、逆にサーバ5からネットワーク3を介して、端末制御手段67にレシピ情報を含む各種情報やデータを取り込んだりする機能を有する。なお通信モジュール63が加熱調理器1の無線通信装置19と直接接続できる場合は、通信制御部68が加熱調理器1に各種情報やデータを送り出したり、端末制御手段67にレシピ情報を含む各種情報やデータを取り込んだりする機能を有するように構成してもよい。
【0039】
表示制御部69は、主に表示手段61の表示に関わる動作を制御するもので、表示手段61に様々な画面を切換えて表示させる機能を備えている。特に本実施形態では、サーバ5から、例えばレシピ情報や栄養情報などの料理メニュー情報を通信モジュール63で受信すると、表示制御部69がその料理メニュー情報を表示手段61に表示させる構成となっている。
【0040】
図9は、情報処理装置の一例となるサーバ5の主な電気的構成を示している。同図において、71はマイクロコンピュータにより構成されるサーバ制御手段であり、このサーバ制御手段71は周知のように、演算処理手段としてのCPUや、記憶手段としてのメモリや、計時手段としてのタイマや、入出力デバイスなどを備えている。サーバ制御手段77の入力ポートには、加熱調理システム100の管理者からの操作を可能にする操作手段72と、ネットワーク3への接続を可能にする通信モジュール73がそれぞれ電気的に接続され、サーバ制御手段71の出力ポートには、通信モジュール73と、画面表示が可能な表示手段74がそれぞれ電気的に接続される。サーバ通信手段となる通信モジュール73は、ネットワーク3を介して加熱調理器1や情報端末6との通信を可能にする送受信部として、サーバ5に搭載される。
【0041】
サーバ制御手段71は、記憶媒体としての前記メモリに記憶したプログラムを読み取ることにより、料理メニュー情報登録部77と、料理メニュー情報提供部78と、調理用情報提供部79として主に機能する構成を有する。またサーバ制御手段71に内蔵するメモリには、こうしたプログラムとは別に、サーバ5に接続可能な加熱調理器1に関するすべての料理メニュー情報を記憶保存する全料理メニュー情報記憶部81と、全料理メニュー情報記憶部81に記憶される料理メニューごとに、その料理メニューで使用する食品の栄養分析に関する栄養情報を記録保存する栄養情報記憶部82とがそれぞれ設けられる。
【0042】
ここでいう料理メニュー情報とは、その料理メニューに関連した画像および説明を情報端末6の表示手段61に表示させるためのあらゆる表示用情報と、その料理メニューで被調理物を調理できる加熱調理器1に対して、被調理物の調理に必要な加熱の種類や加熱条件などの調理用情報を含んでいる。また栄養情報とは、食品に含まれる栄養成分のデータであって、例えば日本食品標準成分表に対応した栄養成分情報や、各栄養成分のバランスを示した情報や、各栄養成分の1日の必要量に対する充足量を示した情報や、そこから得られる栄養アドバイスに関する情報等を含む。そのため栄養情報記憶部82は、材料となる食品のそれぞれの量に関する栄養成分情報を記憶する食品栄養成分記憶部82-1と、全料理メニュー情報記憶部81に記憶される料理メニューに関する栄養成分情報を記憶するメニュー栄養成分記憶部82-2とを有している。
【0043】
料理メニュー情報登録部77は、管理者による操作手段72からの操作入力により、全料理メニュー情報記憶部81には記憶登録されていない新たなメニューのレシピ情報を、全料理メニュー情報記憶部81に追加で記憶登録させたり、全料理メニュー情報記憶部81に記憶登録されているメニューのレシピ情報を、一部変更して全料理メニュー情報記憶部81やメニュー栄養成分記憶部82-2に上書き更新させたりするものである。具体的には、管理者が操作手段72を操作して、新たな料理メニュー情報を登録させようとする場合に、料理メニューの写真や、料理メニューの名称や、料理メニューのレシピの紹介、調理時間の目安や、機能の分類や、レシピで使用する主な材料や、料理(調理)の難易度や、主菜、副菜、主食などの料理メニューのカテゴリなどを含んだ料理メニューの特徴を、情報端末6の表示手段61に表示させるための表示用情報と、調理が可能な加熱調理器1で調理を行なうのに必要な加熱の種類と加熱条件などを含んだ加熱用情報を入力すると、料理メニュー情報登録部77は、こうしたメニューのレシピ情報を全料理メニュー情報記憶部81に記憶登録させる。また料理メニュー情報登録部77は、食品栄養成分記憶部82-1に記憶された情報に基づき、当該メニューで使用する食品およびその食品の量に対する栄養成分情報を算出して、その合計をメニューに関する栄養成分としてメニューと関連付けて、メニュー栄養成分記憶部82-2に記憶登録させる。そのため、サーバ5の管理者が、レシピ情報を登録や変更、更新したときや、食品栄養成分記憶部82-1に新たな栄養成分を追加で記憶登録したときなどに、このメニューに関する栄養成分情報を新たにメニュー栄養成分記憶部82-2に記憶登録させる必要がなく、サーバ5の管理者の手間を省くことができる。
【0044】
料理メニュー情報提供部78は、ネットワーク3を介してサーバ5にアクセスが可能な情報端末6に対して、全料理メニュー情報記憶部81に記憶する全ての料理メニュー情報の中から、一乃至複数の料理メニュー情報を抽出して送信し、これを情報端末6の表示制御部69と連携して表示手段61に表示させるものである。
【0045】
具体的には、上述の例でユーザによる情報端末6の操作手段65からの操作により、加熱調理器1に関する料理メニュー情報の表示要求がネットワーク3を介してサーバ5に送信されると、サーバ5の料理メニュー情報提供部78は、サーバ5の全レシピ情報記憶部に記憶される、加熱調理器1で調理が可能なメニューのレシピ情報を抽出して情報端末6に送信する。これを受けた情報端末6の表示制御部69は、加熱調理器1に対応した料理メニュー情報を好適に表示手段61に表示させることが可能になる。なお本実施形態の料理メニュー情報提供部78は、一つの料理メニュー情報を情報端末6に送信して、表示手段61に表示させるだけでなく、その料理メニューに関してメニュー栄養成分記憶部82-2に記憶されているメニューの栄養成分情報を、例えば情報端末6の操作手段からの操作により、若しくは自動的に送信し表示させる構成としている。
【0046】
料理メニュー情報提供部78は、情報端末6からの操作により、表示手段61に表示される複数の料理メニュー情報の中から、特定の料理メニュー情報が選択されると、
図10に示されるように、その選択された料理メニュー情報について、料理メニューの写真や、料理メニューの名称や、料理メニューのレシピの紹介や、調理時間の目安や、機能の分類や、レシピで使用する主な材料や、料理メニューに関する栄養成分情報や、料理の難易度を、情報端末6の表示手段61に一画面で表示させるように、情報端末6の表示制御部69と連携した構成を有する。
【0047】
調理用情報提供部79は、情報端末6からの操作により、料理メニュー情報提供部78がその情報端末6の表示手段61に表示させた複数の料理メニュー情報の中から、特定の料理メニュー情報が選択されると、その選択された料理メニュー情報の中で、被調理物Sの調理に関する調理用情報を加熱調理器1に送信するものである。
【0048】
本実施形態のサーバ5は、管理者が操作手段72からの操作により、全料理メニュー情報記憶部81に記憶登録されたメニューのレシピ情報を管理する管理装置を兼用するが、操作手段72や表示手段74を含む管理装置をサーバ5とは別体に設け、これをネットワーク3に通信可能に接続して、管理装置とサーバ5との間で各種情報やデータのやり取りを行なう構成としてもよい。
【0049】
次に、上記構成の加熱調理システム100について、その作用を詳しく説明する。
【0050】
図10は、ユーザが情報端末6の操作手段65からの操作により、加熱調理器1に関する料理メニュー情報の表示要求をサーバ5に送信したときに、料理メニュー情報提供部78が表示手段61に表示させるレシピ画面G1の一例を示しており、点線Mで囲われた箇所が、表示手段61の表示領域内に最初に表示されるレシピ画面G1の一部を示している。
【0051】
情報端末6の操作手段65を操作して情報処理プログラムを立ち上げると、情報端末6の通信制御部68は、通信モジュール63によりネットワーク3を介してサーバ5に立上げ信号を送出する。そしてサーバ5のサーバ制御手段71が通信モジュール33によりこの立上げ信号を受信すると、料理メニュー情報提供部78が情報端末6に、例えば加熱調理器1に関する料理メニュー一覧の情報を送出する。その後、情報端末6の表示制御部69は、当該料理メニュー一覧の情報を受信すると、料理メニューの一覧画面(図示せず)を表示手段61に表示させる。ここで、料理メニューの一覧画面のそれぞれの料理メニューには、操作手段65からの操作により選択などの入力が可能であり、操作手段65を操作していずれかの料理メニュー、例えばハンバーグの料理メニューを選択すると、その選択信号がサーバ5に送信され、料理メニュー情報提供部78が情報端末6に、選択された料理メニュー情報、例えばハンバーグの料理メニュー情報を送出し、表示制御部69は、当該料理メニュー情報を受信すると、
図10に示されるような、様々な料理メニュー情報が表示されたレシピ画面G1を表示手段61に表示させる。
【0052】
図10を参照してレシピ画面G1について説明する。サーバ5の料理メニュー情報提供部78が送信する料理メニュー情報には、料理メニューの写真や、料理メニューの名称や、料理メニューのレシピの紹介や、調理時間の目安や、料理メニューの栄養成分や、機能の分類や、レシピで使用する主な材料や、料理の難易度や、料理の作りかたなどの情報が含まれており、それに対応して情報端末6の表示手段61に表示されるレシピ画面G1には、料理メニューの写真を示す画像表示体P91と、料理メニューの名称を例えば「ハンバーグ(2人分)」のように示すテキスト表示体D91と、料理メニューの紹介を、例えば「オーブンで作るハンバーグです。こんがりジューシーに仕上げます。」のように示すテキスト表示体D92と、料理メニューの料理の1人分のエネルギーの目安を例えば「約288kcal」のように示すテキスト表示体D93と、調理時間の目安を例えば「調理時間の目安 19分」のように示すテキスト表示体D94と、機能の分類を例えば「機能分類 オーブン」のように示すテキスト表示体D95と、使用する食材を例えば「合びき肉 塩 玉ねぎ バター こしょう ナツメグ パン粉 牛乳 ウスターソース トマトケチャップ」のように示すテキスト表示体D96と、「難易度」のテキストと黒く印をつけられた星の数で料理の難易度を示すテキスト表示体D97と、「栄養バランスを見る」なるテキスト表示体D98および「>」なるテキスト表示体D99を内部に設けたボタン表示部B98と、「材料 2人分」なるテキスト表示体D100および「∧」なるテキスト表示体D101を内部に設けたボタン表示部B100と、ボタン表示部B100の下方にプルダウン表示されるプルダウン領域A100と、「作りかた」なるテキスト表示体D102および「∨」なるテキスト表示体D103を内部に設けたボタン表示部B102と、「送信」なるテキスト表示体D104を有するボタン表示部B104が、それぞれ上から下に順に配置される。レシピ画面G1には、その他にも、歯車を連想させるマークおよび「表示設定」なるテキスト表示体D116を有するボタン表示部B116と、吹き出しを連想させるマークおよび「サポート」なるテキスト表示体D117を有するボタン表示部B117とが、右上に左右に並べて配置される。
【0053】
ここで、ユーザがボタン表示部B98に重なる部位のタッチパネル64をタップ操作すると、
図11に示されるように、レシピ画面G1に表示された料理メニューの栄養バランスの情報を示す栄養バランス画面G2に切り替わる。なお栄養バランス画面G2は後程詳しく説明する。
【0054】
またユーザが「表示設定」のボタン表示部B116に重なる部位のタッチパネル64をタップ操作すると、画面表示の設定画面(図示せず)に切り替わり、この画面表示の設定画面から後述する加熱調理機の状態表示画面G4(
図13参照)に移行することができる。なお加熱調理機の状態表示画面G4は後程詳しく説明する。そしてユーザが「サポート」のボタン表示部B117に重なる部位のタッチパネル64をタップ操作すると、情報処理プログラムの使用方法の説明などが記載されたサポート画面(図示せず)に切り替わる。
【0055】
またユーザがボタン表示部B100に重なる部位のタッチパネル64をタップ操作すると、表示制御部69は、テキスト表示体D101の表示が「∨」から「∧」に切替わり、プルダウン領域A100がボタン表示部B102に引き込まれて消去され、当該プルダウン領域A100の場所に下に表示されていたボタン表示部B102やボタン表示部B104が上方に移動して表示されるように表示手段61を制御する。
【0056】
そしてユーザがボタン表示部B102に重なる部位のタッチパネル64をタップ操作すると、テキスト表示体D103の表示が「∨」から「∧」に切替わって、ボタン表示部B102のすぐ下に作り方の説明、例えば「1 耐熱容器に玉ねぎ・バターを入れ、庫内中央に置き、スタートを押して加熱し、冷ます。」などの説明のプルダウン領域(図示せず)が表示される。
【0057】
図10に示すようなレシピ画面G1が表示手段61に表示された状態では、ユーザがボタン表示部B103に重なる部位のタッチパネル64をタップ操作することにより、サーバ5から加熱調理器1への送信要求を、情報端末6からネットワーク3を介してサーバ5に送信し、サーバ5が受信すると、調理用情報提供部79が、特定のメニューとなる、例えばテキスト表示体D91に表示された「ハンバーグ(2人分)」の被調理物Sの調理に関する調理用情報を、「ハンバーグ(2人分)」の調理が可能な加熱調理器1に送信する。これを受けて加熱調理器1は、「ハンバーグ(2人分)」の調理を行なうのに必要な加熱の種類や加熱条件などが自動的に設定され、後はレシピ画面G1で表示された材料となる被調理物Sを調理室15に入れて、調理開始指示手段18Aを押動操作するだけで、加熱調理器1側でタッチパネル18による設定の操作を行なうことなく、加熱制御手段53により「ハンバーグ(2人分)」の調理を行なうことが可能となる。また、情報端末6側で選択された「ハンバーグ(2人分)」の料理メニュー情報の中で、被調理物Sの調理に必要な調理用情報がサーバ5から加熱調理器1に送信されるので、情報端末6の表示手段61の表示がレシピ画面G1に維持される一方で、そのレシピ画面G1には連動することなく、加熱調理器1の表示手段16に、例えば調理の終了までの時間などを画面で独自に表示させることができる。ここで、ユーザがボタン表示部B97に重なる部位のタッチパネル64をタップ操作すると、前述したように栄養バランス画面G2に切り替わる。
【0058】
この栄養バランス画面G2は、料理メニュー情報に含まれるレシピ、または当該レシピに含まれている材料の1人分の栄養成分の一覧を、ユーザが見やすいように棒グラフで表示したもので、料理メニュー情報提供部78がメニュー栄養成分記憶部82-2に記憶されているメニューの栄養成分の一覧の情報を情報端末6に送信することで表示可能となる。栄養バランス画面G2は、
図14に示されるように、「栄養バランス」表示領域A2と、「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A3と、「もっと見る>」なるテキスト表示体D106を内部に設けたボタン表示部B106と、が上から下に順に配置される。
【0059】
それぞれの料理メニューのレシピにおける食材の量や食材におけるそれぞれの栄養成分、例えば24種類の栄養成分の量についての情報および「1食あたりの摂取目安」の情報は、サーバ5の栄養情報記憶部82に記憶されている。例えば、「ハンバーグ(2人分)」の料理メニューにおける食材の量が、合びき肉150g、塩少々、玉ねぎ100g、バター6g、こしょう少々、ナツメグ少々、パン粉20g、牛乳大さじ1+1/2杯、ウスターソース適量、トマトケチャップ適量である場合、サーバ制御手段71の料理メニュー情報登録部77は、食品栄養成分記憶部82-1に記憶されている情報から、それぞれの食材の量およびそれぞれの食材における栄養成分の量の情報を抽出して、料理メニューあたり、例えばハンバーグ2人分あたりのそれぞれの栄養成分量を算出し、例えばハンバーグ2人分あたりのビタミンAが69.69μgと算出する。ここで、算出された栄養成分の量は、料理メニューの全量に対する栄養成分量であり、例えば今回の場合はハンバーグ2人分あたりの栄養成分量であるため、料理メニュー情報提供部78は、料理メニュー1人分における栄養成分量を算出し、例えばハンバーグ1人分あたりのビタミンAが34.85μgと算出する。また「1食あたりの摂取目安」の情報は、任意の栄養成分について、1日に必要な栄養成分量、例えば厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」の1日の栄養摂取量の目標値を3で割ることにより算出しており、例えばビタミンAの1日の摂取目安が770μgである場合は、1食の摂取目安が256.7μgと算出される。
【0060】
次に料理メニュー情報登録部77は、1食あたりの摂取目安に対する料理メニュー1人分における栄養成分量の比率を算出して、任意の料理メニューのレシピに含まれる栄養成分が1食でどれくらい摂取できるかの値を求めている。例えば上述の「ハンバーグ(2人分)」の料理メニューのレシピの場合、ビタミンA1食の摂取目安が256.7μgであり、ハンバーグ1人分あたりのビタミンAが34.85μgなので、比率は34.85μg/256.7μg=0.14と算出される。料理メニュー情報登録部77は、このような栄養成分量の比率をそれぞれの栄養成分、例えば24種類の栄養成分で算出し、それぞれの栄養成分において、「1.0」を摂取目安の基準とした、それぞれの栄養成分のグラフを作成する。
【0061】
料理メニュー情報登録部77は、それぞれの栄養成分における比率を算出後、この料理メニューのレシピにおける摂取量が少ない栄養成分として、不足する栄養成分を複数、例えば3つ抽出する。例えば料理メニュー情報提供部78は、上述の「ハンバーグ(2人分)」の料理メニューのレシピでそれぞれの栄養成分における比率の値を比較し、「ビタミンA」「ビタミンD」「ビタミンK」の栄養成分の値が他の栄養成分の比率の値よりも小さいため、不足する栄養成分として抽出する。
【0062】
その後、料理メニュー情報登録部77は、算出、抽出したそれぞれの料理メニューのレシピにおける食材の量や食材におけるそれぞれの栄養成分や、1食あたりの摂取目安に対する料理メニュー1人分における栄養成分量の比率や、不足する栄養成分の情報を、料理メニューに対応させてメニュー栄養成分記憶部82-2に記憶させる。ここで本実施形態では、それぞれの栄養成分量の比率で閾値を設けており、料理メニュー情報登録部77は、当該閾値以上の比率の値の栄養成分、例えば上述の「ハンバーグ(2人分)」の料理メニューの場合は「カルシウム」の栄養成分がある場合に、メニュー栄養成分記憶部82-2に記憶させるときに補足栄養成分情報として併せてメニュー栄養成分記憶部82-2に記憶させている。そのためメニュー栄養成分記憶部82-2に記憶された料理メニュー情報の中では補足栄養成分情報を複数有する料理メニュー情報や、補足栄養成分情報を有しない料理メニュー情報もある。料理メニュー情報登録部77は、このような作業をそれぞれの料理メニュー情報で同様に実施しており、そのためメニュー栄養成分記憶部82-2は、料理メニュー情報に含まれるレシピ、または当該レシピに含まれている材料に対応させて、それぞれの料理メニューのレシピにおける食材の量や食材におけるそれぞれの栄養成分の情報を記憶している。
【0063】
料理メニュー情報提供部78は、任意の料理メニュー、例えば「ハンバーグ(2人分)」の料理メニューのレシピ画面G1でのボタン表示部B98に重なる部位のタッチパネル64をタップ操作することによる情報端末6への送信要求を受信すると、レシピ画面G1に表示されている料理メニューの、メニュー栄養成分記憶部82-2に記憶された1食あたりの摂取目安に対する料理メニュー1人分における栄養成分量の比率の情報を情報端末6に送信する。これらの情報を情報端末6が受信すると、
図11に示されるように、情報端末6の表示制御部69は、1食あたりの摂取目安に対する料理メニュー1人分における栄養成分量の比率を棒グラフにして「栄養バランス」表示領域A2に表示するように表示手段61を制御する。なお料理メニュー情報提供部78は、1食あたりの摂取目安に対する、任意の料理メニューのレシピに含まれている食材の栄養成分を、食品栄養成分記憶部82-1の情報に基づいて情報端末6に送信してもよく、この場合、表示制御部69は、当該料理メニューのレシピに含まれている食材の栄養成分量の比率を棒グラフにして「栄養バランス」表示領域A2に表示するように表示手段61を制御する。
【0064】
そして料理メニュー情報提供部78は、メニュー栄養成分記憶部82-2に記憶された当該料理メニューにおける不足する栄養成分の情報に基づいて、不足する栄養成分を補う料理メニューを、例えば10個など所定数抽出する第1の抽出を実施する。このときの抽出方法として、本実施形態では、メニュー栄養成分記憶部82-2に記憶された複数の不足する栄養成分において、比率の値の合計が高い料理メニューの順に抽出する方法を採用しているが、本発明ではこれに限定されず、当該比率の値が最も低い不足する栄養成分で、比率の値が高い料理メニューの順に抽出する方法を採用してもよく、その他の抽出方法を採用してもよい。また本実施形態ではメニュー栄養成分記憶部82-2に記憶された料理メニューにおいて、比率の値の合計が高い順に料理メニューを所定数抽出する方法を採用しているが、比率の値の合計が所定数以上の料理メニューを、数を限定せずにすべて抽出する方法を採用してもよい。
【0065】
料理メニュー情報提供部78は、不足する栄養成分を補う料理メニューを抽出後、当該抽出した料理メニューから、比率の値の合計に関係なく無作為に、例えば2つなど所定数をさらに抽出する第2の抽出を実施する。そして料理メニュー情報提供部78は、2つなど所定数抽出された料理メニュー情報や、これらの調理メニューにおける補足栄養成分情報を情報端末6に送信する。これらの情報を情報端末6が受信すると、
図11に示されるように、情報端末6の表示制御部69は、「栄養バランス」表示領域A2に加えて、抽出された料理メニュー情報を補足栄養成分情報と併せて「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A3を表示する栄養バランス画面G2に切り替えるように表示手段61を制御する。
【0066】
図11に戻って栄養バランス画面G2の説明をすると、「栄養バランス」表示領域A2は、レシピ画面G1に表示されるレシピのメニュー、例えば「ハンバーグ(2人分)」の料理メニューに含まれる栄養成分が、栄養成分選択画面G2の「過剰摂取に気をつけたい栄養成分」表示領域M1に表示された「エネルギー」「脂質」「糖質」「食塩相当量」の栄養成分毎に、1食あたりの摂取目安に対する量を棒グラフで表示され、また「摂取したほうが良い栄養成分」表示領域M2に表示された、例えば「たんぱく質」「食物繊維」などの栄養成分毎に、1食あたりの摂取目安に対する量を棒グラフで表示される。そのため、ユーザはレシピ画面G1に表示される料理メニュー、例えば「ハンバーグ(2人分)」の料理メニューが、どのような栄養成分をどの位含んでいるかを感覚的に一目で理解することができる。
【0067】
また「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A3は、「栄養バランス」表示領域A2における「摂取したほうが良い栄養成分」表示領域M2で、1食あたりの摂取目安に対する量が少ない栄養成分、例えば「ハンバーグ(2人分)」の料理メニューの場合は「ビタミンA」「ビタミンD」「ビタミンK」を補う料理メニューについて、その料理メニュー情報に含まれる料理メニューの写真および名称が、画像表示体P111~P112とテキスト表示体D111~D112としてそれぞれ表示され、また画像表示体P111~P112などそれぞれの画像表示体に重ねて、これらの画像表示体の左下隅部に、補足栄養成分情報を示すテキスト表示体D113~D115が配置される。そのため、補足栄養成分情報のテキスト表示体D113~D115を、対応する料理メニューの画像表示体P111~P112と併せて表示するため、任意の料理メニューに対して、どの不足する栄養成分を補うことができる料理メニューであるかをユーザが容易に認識することができる。また例えば「うなぎと枝豆のごちそうおこわ」の料理メニューのように、1つの画像表示体P112に複数の補足栄養成分情報のテキスト表示体D114,D115を表示可能であり、不足する栄養成分の少なくとも2つ以上の栄養成分量の比率が高い、不足する栄養成分を補う料理メニューを表示できる。
【0068】
また本実施形態では、「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A3に表示される料理メニューは、料理メニュー情報提供部78により、不足する栄養成分を補う料理メニューから比率の値の合計に関係なく無作為に抽出されたものであるため、同一の料理メニューの栄養バランス画面G2であっても「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A3に表示される料理メニューが相違し、「不足する栄養成分を補うレシピ」として提案する料理メニューがワンパターンになることを抑制している。
【0069】
ここで、ユーザが画像表示体P112に重なる部位のタッチパネル64をタップ操作することによる情報端末6への送信要求を受信すると、料理メニュー情報提供部78は、タップ操作された画像表示体P111~P112に対応する料理メニューの写真や、料理メニューの名称や、料理メニューのレシピの紹介や、調理時間の目安や、料理メニューの栄養成分や、機能の分類や、レシピで使用する主な材料や、料理の難易度や、料理の作りかたなどの情報を情報端末に送付し、これらの情報を情報端末6が受信すると、情報端末6の表示制御部69は、当該料理メニューのレシピ画面G1を表示するように表示手段61を制御する。
【0070】
その一方で、ユーザがボタン表示部B106に重なる部位のタッチパネル64をタップ操作し、サーバ5が情報端末6から、当該情報端末6への送信要求を受信すると、料理メニュー情報提供部78は、10個など所定数抽出された料理メニュー情報や、これらの調理メニューにおける補足栄養成分情報を情報端末6に送信する。これらの情報を情報端末6が受信すると、
図11に示されるように、情報端末6の表示制御部69は、抽出された料理メニューおよび当該料理メニューにおける補足栄養成分情報を「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A3に表示するように表示手段61を制御する。ここで、ユーザが「もっと見る>」のボタン表示部B106に重なる部位のタッチパネル64をタップ操作すると、表示制御部69は、不足する栄養成分からの検索結果画面G3に切り替えるように表示手段61を制御する。
【0071】
図12は、不足する栄養成分が「ビタミンC」「食物繊維」「カルシウム」である場合の、不足する栄養成分からの検索結果画面G3を表示した情報端末6を示している。同図を参照して、不足する栄養成分からの検索結果画面G3の説明をすると、料理メニューカテゴリボタン表示領域A4と、「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A5と、「検索に戻る」なるテキスト表示体D141を内部に設けたボタン表示部B141と、が上から下に順に配置される。
【0072】
「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A5は、「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A3と同様に、「栄養バランス」表示領域A2における「摂取したほうが良い栄養成分」表示領域M2で1食あたりの摂取目安に対する量が少ない栄養成分を補う料理メニューについて、その料理メニュー情報に含まれる料理メニューの写真および名称が、画像表示体P125~P130とテキスト表示体D125~D128としてそれぞれ表示され、また画像表示体P125~P130などそれぞれの画像表示体に重ねて、これらの画像表示体の左下隅部に、補足栄養成分情報を示すテキスト表示体D131~D135が配置される。そのため、補足栄養成分情報のテキスト表示体D131~D135を、対応する料理メニューの画像表示体P125~P130と併せて表示するため、任意の料理メニューに対して、どの不足する栄養成分を補うことができる料理メニューであるかをユーザが容易に認識することができる。また例えば「トマトとなすのキーマカレー&ガーリック」の料理メニューのように、1つの画像表示体P126に複数の補足栄養成分情報のテキスト表示体D132,D133を表示可能であり、不足する栄養成分の少なくとも2つ以上の栄養成分量の比率が高い、不足する栄養成分を補う料理メニューを表示できる。
【0073】
本実施形態では、ここに表示される料理メニューは、料理メニュー情報提供部78により第1の抽出で抽出された料理メニューであり、「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A3と同様に、「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A5に表示される料理メニューは、不足する栄養成分を補う料理メニューから比率の値の合計に関係なく無作為の順に並べて表示される。そして不足する栄養成分からの検索結果画面G3での画像表示体P125~P130に重なる部位のタッチパネル64をタップ操作することによる情報端末6への送信要求を受信すると、料理メニュー情報提供部78は、タップ操作された画像表示体P125~P130に対応する料理メニューの写真や、料理メニューの名称や、料理メニューのレシピの紹介や、調理時間の目安や、料理メニューの栄養成分や、機能の分類や、レシピで使用する主な材料や、料理の難易度や、料理の作りかたなどの情報を情報端末に送付し、これらの情報を情報端末6が受信すると、情報端末6の表示制御部69は、当該料理メニューのレシピ画面G1を表示するように表示手段61を制御する。
【0074】
料理メニューカテゴリボタン表示領域A4のボタン表示部B121~B124は、「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A5を、例えば「主菜」「副菜」「主食」などのカテゴリごとに表示するときに操作されるものである。ここで「すべて」のボタン表示部B121は「すべて」なるテキスト表示体D121を内部に設けている。同様に、「主菜」のボタン表示部B122は「主菜」なるテキスト表示体D122を内部に設けており、「副菜」のボタン表示部B123は「副菜」なるテキスト表示体D123を内部に設けており、「主食」のボタン表示部B124は「主食」なるテキスト表示体D124を内部に設けている。また「すべて」のボタン表示部B121はカーソルCが合わせられており、現在「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A5に表示されている料理メニューは、すべてのカテゴリであることをユーザに連想させている。
【0075】
ここで料理メニューカテゴリボタン表示領域A4のボタン表示部B121~B124のいずれか、例えば「主菜」のボタン表示部B122に重なる部位のタッチパネル64をタップ操作されると、表示制御部69は、料理メニュー情報提供部78から送信された料理メニュー情報に基づいて、料理メニューのカテゴリが操作されたカテゴリの料理メニュー、例えば「主菜」である料理メニューを「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A5に表示するように表示手段61を制御する。
【0076】
なお本発明はこれに限定されず、この構成は一例にすぎない。例えば「洋食」「和食」など料理のカテゴリや、「肉」「野菜」「魚」など使用する食材のカテゴリで料理メニューを抽出できるように構成してもよい。
【0077】
「検索に戻る」のボタン表示部B141は、料理レシピを検索可能な料理レシピ検索画面(図示せず)に画面を切り替えるときに操作されるものである。料理レシピ検索画面については、本明細書では説明を省略する。
【0078】
このようにして選択された料理レシピのレシピ画面G1で「送信」のボタン表示部B104に重なる部位のタッチパネル64をタップ操作されると、サーバ5から加熱調理器1への送信要求を、情報端末6からネットワーク3を介してサーバ5に送信し、サーバ5が受信すると、調理用情報提供部79が、選択された料理メニューの被調理物Sの調理に関する調理用情報を加熱調理器1に送信する。そして被調理物Sを調理室15に入れて、調理開始指示手段18Aを押動操作すると、加熱調理器1が被調理物Sに対して加熱調理を開始する。
【0079】
なお、上述した一連の作用は、情報端末6の操作手段65から操作を行ない、情報端末6の表示手段61に表示されるものとして説明しているが、これは一例であり、当該一連の作用を加熱調理器1の操作手段18から操作を行ない、加熱調理器1の表示手段17に表示されるものとして構成してもよい。この場合、情報端末6の通信制御部68の代わりに、加熱調理器1の通信制御手段55がサーバ5と情報のやり取りを行なうように構成される。また当該一連の作用を、情報端末6および加熱調理器1の両方のものとして構成してもよい。
【0080】
図13(A)~(E)を参照して、レシピ画面G1や栄養バランス画面G2、不足する栄養成分からの検索結果画面G3に表示された「表示設定」のボタン表示部B116に重なる部位のタッチパネル64をタップ操作することで移行可能な加熱調理機の状態表示画面G4を説明する。
図13(A)は、加熱調理機1が停止しているときに情報端末6の表示手段61に表示される加熱調理機の状態表示画面G4を示したものであり、「表示設定」のボタン表示部B116および「サポート」のボタン表示部B117と、加熱調理機の写真を示す画像表示体P151と、加熱調理機の状態を示す状態表示体D152と、情報の再読み込みを連想させる、矢印が一回転したような形状のマークの表示体D153を有する更新ボタン表示体153と、本のマークおよび「レシピへ」なるテキスト表示体D154を有するボタン表示体154と、「機能紹介」なるテキスト表示体D155を有するボタン表示体155と、「送信履歴」なるテキスト表示体D156を有するボタン表示体156とが、それぞれ上から下に順に配置される。
【0081】
「レシピへ」のボタン表示体154は、レシピ画面G1に戻るときに操作されるものであり、「レシピへ」のボタン表示体154に重なる部位のタッチパネル64をタップ操作すると、表示制御部69は、レシピ画面G1に切り替えて表示するように表示手段61を制御する。
【0082】
「機能紹介」のボタン表示体155は、加熱調理機1の機能を紹介する機能紹介画面(図示せず)に切り替えるときに操作されるものであり、「送信履歴」のボタン表示体156は、今まで情報端末6からサーバ5に送信した情報を確認するときに操作されるものである。
【0083】
状態表示体D152は、情報端末6から情報を送信する加熱調理機1の状態を示すものであり、
図13(A)では「停止中」と表示されている。また更新ボタン表示体153は、加熱調理機1の状態の情報を最新のものに更新するときに操作されるものであり、ユーザが更新ボタン表示体153に重なる部位のタッチパネル64をタップ操作することにより、情報端末6からネットワーク3およびサーバ5を介して加熱調理器1に送信要求を送信し、加熱調理器1が受信すると、加熱調理器1の制御手段51が、現在の加熱調理器1の状態の情報を、ネットワーク3およびサーバ5を介して情報端末6に送信する。
【0084】
例えば加熱調理器1に電源が投入されている一方で、制御手段51が加熱制御手段53として機能していないときは、制御手段51は、現在の加熱調理器1の状態が「停止中」という情報を送信する。この情報を情報端末6が受信すると、
図13(A)に示されるように、情報端末6の表示制御部69は、状態表示体D152に「停止中」と表示するように表示手段61を制御する。
【0085】
また例えば、加熱調理器1の操作手段18を用いて設定しており、制御手段51が表示制御手段54として機能しているときは、制御手段51は、現在の加熱調理器1の状態が「運転中」という情報と、加熱完了までの時間が不明という情報を送信する。これらの情報を情報端末6が受信すると、
図13(B)に示されるように、情報端末6の表示制御部69は、状態表示体D152に「運転中」と表示し、「レシピへ」のボタン表示体154の代わりに、残時間表示体D158が調理完了までの残時間であることをユーザに連想させる「残り」なるテキスト表示体D157と、加熱調理機1の加熱完了までの時間を表示する残時間表示体D158とを左右に並べて配置して表示するように表示手段61を制御する。ここでは
図13(B)に示されるように、表示制御部69は、加熱完了までの時間が不明という情報に基づき、残時間表示体D158に「約―――分」と表示するように表示手段61を制御する。
【0086】
そして例えば、加熱調理器1で加熱調理をしており、制御手段51が加熱制御手段53として機能しているときは、制御手段51は、現在の加熱調理器1の状態が「運転中」という情報と、加熱完了までの時間、例えば120分という情報を送信する。これらの情報を情報端末6が受信すると、
図13(C)に示されるように、情報端末6の表示制御部69は、状態表示体D152に「運転中」と表示し、残時間表示体D158に「約120分」と表示するように表示手段61を制御する。
【0087】
また例えば、加熱調理器1が自動調理メニューで加熱調理をしており、最初の加熱調理が完了して次の加熱調理まで一時停止しているときや、扉13を開けたりして加熱調理が一時停止しているときは、制御手段51は、現在の加熱調理器1の状態が「一時停止中」という情報と、加熱完了までの時間、例えば120分という情報を送信する。これらの情報を情報端末6が受信すると、
図13(D)に示されるように、情報端末6の表示制御部69は、状態表示体D152に「一時停止中」と表示し、残時間表示体D158に「約120分」と表示するように表示手段61を制御する。
【0088】
また例えば、加熱調理器1に電源が投入されていない場合は、情報端末6からネットワーク3およびサーバ5を介して加熱調理器1に送信要求を送信しても、加熱調理器1から情報が送信されてこない。そのため、所定時間が経過しても加熱調理器1から情報が送信されてこないときは、
図13(E)に示されるように、情報端末6の表示制御部69は、状態表示体D152に「オフライン中」と表示し、加熱調理機の状態表示画面G4の背景を暗く表示するように表示手段61を制御し、加熱調理器1と通信がつながらない旨をユーザに報知する。
【0089】
以上のように、本実施形態の料理メニューの表示方法は、栄養バランス画面G2により、料理メニューのレシピ、または当該レシピに含まれている食材の栄養成分を「栄養バランス」表示領域A2に表示する第1のステップと、料理メニュー情報登録部77により、当該料理メニューのレシピまたは当該レシピに含まれている食材において、1食あたりの摂取目安に対する栄養成分量の比率を算出し、料理メニューのレシピ、または当該レシピに含まれている食材において、当該比率の値が少ない栄養成分を、摂取目安に対して栄養成分量の値が小さい不足する栄養成分として複数抽出する第2のステップと、料理メニュー情報提供部78が、第1および第2のステップに基づいて、不足する栄養成分の少なくとも1つを多く含む料理メニューとしての、不足する栄養成分の少なくとも1つの栄養成分量の比率の値が高い料理メニューを抽出して情報端末6に送信し、情報端末6の表示制御部69が、抽出された料理メニューを不足する栄養成分を補う料理メニューとして「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A3に表示する第3のステップと、を備える構成としている。
【0090】
このように構成することにより、任意の料理メニュー、例えば「ハンバーグ(2人分)」の料理メニューにおいて当該料理メニューのレシピで不足する栄養成分を補う料理メニューが「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A3に表示されるため、任意の料理メニューにおいてレシピや食材で不足する栄養成分を補う料理メニューをユーザが選択しやすいように表示することができ、ユーザの手間を省略することができる。
【0091】
また本実施形態の料理メニューの表示方法は、第3のステップでは、不足する栄養成分からの検索結果画面G3に移行して、料理メニューカテゴリボタン表示領域A4のボタン表示部B121~B124のいずれかをタップ操作することにより、前記不足する栄養成分を補う料理メニューをカテゴリごとに表示可能である構成としており、料理メニューをカテゴリ毎にソートして表示可能であるため、不足する栄養成分を補う料理メニューを、献立の目的別に選択することができる。
【0092】
また本実施形態の料理メニューの表示方法は、第3のステップでは、補足栄養成分情報のテキスト表示体D113~D115が画像表示体P111~P112と併せてそれぞれ表示されるため、1つの画像表示体P112に複数の補足栄養成分情報のテキスト表示体D114,D115を表示可能であり、不足する栄養成分の少なくとも2つ以上の栄養成分を多く含む不足する栄養成分を補う料理メニューとしての、複数の補足栄養成分情報のテキスト表示体を有する画像表示体の料理メニューを表示可能である構成としている。
【0093】
このように構成することにより、任意の料理メニューにおいて当該料理メニューのレシピや食材で不足する栄養成分を複数補う料理メニューが表示可能であり、任意の料理メニューにおいてレシピや食材で不足する栄養成分を複数補う料理メニューをユーザが選択しやすいように表示することができ、ユーザの手間を省略することができる。
【0094】
また本実施形態の料理メニューの表示方法は、「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A3,A5に表示される、不足する栄養成分を補う料理メニューの順番が常に一定ではない構成としており、不足する栄養成分を補う料理メニューとして提案するものがワンパターンになることを抑制することができる。
【0095】
また本実施形態の被調理物Sの加熱調理が可能な加熱調理器1と通信可能な外部端末としての情報端末6に含まれるプログラムとしての情報処理プログラムでは、栄養バランス画面G2により、料理メニューのレシピ、または当該レシピに含まれている食材の栄養成分を「栄養バランス」表示領域A2に表示する第1のステップと、通信制御部68により、情報端末6への送信要求をサーバ5に送信することで、料理メニュー情報登録部77が、当該料理メニューのレシピまたは当該レシピに含まれている食材において、1食あたりの摂取目安に対する栄養成分量の比率を算出し、料理メニューのレシピ、または当該レシピに含まれている食材において、当該比率の値が少ない栄養成分を、摂取目安に対して栄養成分量の値が小さい不足する栄養成分として複数抽出した情報を料理メニュー情報提供部78から受信し、料理メニューのレシピ、または当該レシピに含まれている食材において、摂取目安に対して不足する栄養成分を複数抽出する第2のステップと、料理メニュー情報提供部78が、第1および第2のステップに基づいて、不足する栄養成分の少なくとも1つを多く含む料理メニューとしての、不足する栄養成分の少なくとも1つの栄養成分量の比率の値が高い料理メニューを抽出して情報端末6に送信し、情報端末6の表示制御部69が、抽出された料理メニューを不足する栄養成分を補う料理メニューとして「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A3に表示する第3のステップと、を実行させる構成としている。
【0096】
このように構成することにより、任意の料理メニュー、例えば「ハンバーグ(2人分)」の料理メニューにおいて当該料理メニューのレシピで不足する栄養成分を補う料理メニューが「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A3に表示されるため、任意の料理メニューにおいてレシピや食材で不足する栄養成分を補う料理メニューをユーザが選択しやすいように表示することができ、ユーザの手間を省略することができる。
【0097】
また本実施形態の加熱調理器1と情報端末6がサーバ5を介して通信可能な加熱調理システム100では、料理メニューのレシピ、または当該レシピに含まれている食材の栄養成分を表示する栄養成分表示部としての「栄養バランス」表示領域A2と、当該料理メニューのレシピまたは当該レシピに含まれている食材において、1食あたりの摂取目安に対する栄養成分量の比率を算出し、料理メニューのレシピ、または当該レシピに含まれている食材において、当該比率の値が少ない栄養成分を、摂取目安に対して栄養成分量の値が小さい不足する栄養成分として複数抽出する不足栄養成分抽出部としての料理メニュー情報登録部77と、「栄養バランス」表示領域A2の表示情報としての料理メニューのレシピ、または当該レシピに含まれている食材の栄養成分の情報、および不足栄養成分抽出部の抽出情報としての不足する栄養成分の情報に基づいて、不足する栄養成分の少なくとも1つを多く含む料理メニューとしての、不足する栄養成分の少なくとも1つの栄養成分量の比率の値が高い料理メニューを、不足する栄養成分を補う料理メニューとして表示する料理メニュー表示部としての「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A3と、を備える構成としている。
【0098】
このように構成することにより、このように構成することにより、任意の料理メニュー、例えば「ハンバーグ(2人分)」の料理メニューにおいて当該料理メニューのレシピで不足する栄養成分を補う料理メニューが「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A3に表示されるため、任意の料理メニューにおいてレシピや食材で不足する栄養成分を補う料理メニューをユーザが選択しやすいように表示することができ、ユーザの手間を省略することができる。
【0099】
図14および
図15は、本実施形態の変形例を示している。本変形例では、料理メニュー情報提供部78が、不足する栄養成分の少なくとも1つの栄養成分量の比率の値が高い料理メニューを抽出し、情報端末6が当該料理メニューを、不足する栄養成分の比率の値の合計が高い順に表示する構成としている。
【0100】
図14(A)(B)は、例えば「ハンバーグ(2人分)」の料理メニューなど、最も不足する栄養成分としての不足1位の栄養成分が「ビタミンA」、2番目に不足する栄養成分としての不足2位の栄養成分が「ビタミンD」、3番目に不足する栄養成分としての不足3位の栄養成分が「ビタミンK」である場合の、抽出した料理メニューのレシピにおける、1食あたりの摂取目安に対するそれぞれの「ビタミンA」「ビタミンD」「ビタミンK」の栄養成分量の比率を表にしたものである。なお
図14では説明のために3つの料理メニューを抽出しているが、実際には、上述のように料理メニュー情報提供部78が不足する栄養成分を補う料理メニューを所定数抽出している。
【0101】
図14(A)に示された料理メニューのレシピ(1)は、「ビタミンA」の1食あたりの摂取目安に対する比率が1.5、「ビタミンD」の当該比率が0.7、「ビタミンK」の当該比率が0.5である。また料理メニューのレシピ(2)は、「ビタミンA」の当該比率が0.5、「ビタミンD」の当該比率が1.5、「ビタミンK」の当該比率が0.7である。そして料理メニューのレシピ(3)は、「ビタミンA」の当該比率が0.7、「ビタミンD」の当該比率が0.5、「ビタミンK」の当該比率が1.5である。
【0102】
ここで料理メニューのレシピ(1)~(3)において、不足する栄養成分である「ビタミンA」「ビタミンD」「ビタミンK」の比率の合計は、料理メニューのレシピ(1)~(3)のいずれも「2.7」である。このように、不足する栄養成分の比率を単純に合計することにより、当該比率の合計値に基づいて料理メニューのレシピ(1)~(3)を順位付けすることができる一方で、例えば「ハンバーグ(2人分)」の料理メニューなどの、基となる料理メニューのレシピにおいて不足する栄養成分を補う料理メニューとして総合的に順位付けすることができていない。そこで本変形例では料理メニュー情報提供部78が、不足1位の栄養成分の栄養成分量の比率に、例えば0.3など最も大きい係数をかけ、同様に、不足2位の栄養成分の栄養成分量の比率に、例えば0.2など2番目に係数をかけ、不足3位の栄養成分の栄養成分量の比率に、例えば0.1など3番目に係数をかけることにより重み付けを行ない、重み付け後の比率を合計することにより、当該比率に基づいて料理メニューのレシピ(1)~(3)を順位付けしている。なお、これらの係数に加えて、またはこれらの係数の代わりに、当該料理メニューのそれぞれの栄養成分量の比率に基づいた係数を使用してもよく、例えば料理メニューで、不足1位の栄養成分:不足2位の栄養成分:不足3位の栄養成分の比の値を係数として使用することにより重み付けを行ない、重み付け後の比率を合計することにより、当該比率に基づいて、料理メニューのレシピ(1)~(3)を順位付けするように構成してもよい。
【0103】
図14(B)は、重み付け実施後の料理メニューのレシピ(1)~(3)の不足する栄養成分の比率およびこれらの比率の合計値の表を示している。
図14(B)に示されるように、比率の合計値は、料理メニューのレシピ(1)、料理メニューのレシピ(2)、料理メニューのレシピ(3)の順に大きいため、料理メニュー情報提供部78は、当該合計値の大きい順に「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A3,A5に表示されるように、料理メニューの表示順の情報も併せて情報端末6に送信する。なお本変形例では、不足する栄養成分の比率の合計値が同一の場合は、料理メニューのレシピの公開が新しい順になるように料理メニューの表示順を決定しているが、これは一例であり、本発明はこれに限定されない。
【0104】
そして上述のように、料理メニュー情報提供部78から、所定数抽出された料理メニュー情報や、これらの調理メニューにおける補足栄養成分情報と共に、料理メニューの表示順の情報を情報端末6が受信すると、
図15(A)に示されるように、情報端末6の表示制御部69は、料理メニューの表示順の情報に基づいて、抽出された料理メニューを「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A3において、例えば(1)(2)の順に左から右に並べて配置するように表示手段61を制御する。また
図15(B)に示されるように、表示制御部69は、料理メニューの表示順の情報に基づいて、抽出された料理メニューを「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域A5において、例えば(1)~(6)の順に左から右および上から下に並べて配置するように表示手段61を制御する。なお料理メニューの並べ方は一例であり、本発明はこれに限定されない。
【0105】
以上のように、本変形例の料理メニューの表示方法は、不足する栄養成分を補う料理メニューを、不足する栄養成分における摂取目安に対する栄養成分量の比率の合計値としての不足する栄養成分の比率の合計値が高い順に表示する構成としており、料理メニューが、複数の不足する栄養成分を多く含む順に表示されるため、任意の料理メニューにおいてレシピや食材で不足する栄養成分を多く含む料理メニューをユーザが選択しやすいように表示することができ、ユーザの手間を省略することができる。
【0106】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば、本実施形態および変形例を組み合わせて構成してもよい。また本実施形態中および変形例中で示した情報の内容については、同様の主旨で様々な追加や変更などが可能である。そして、ネットワークについては、現状の例えばインターネット網などに限らず、将来的に構築される様々な通信網を利用できる。
【符号の説明】
【0107】
1 加熱調理器
5 サーバ
6 情報端末(外部端末)
77 料理メニュー情報登録部(不足栄養成分抽出部)
100 加熱調理システム
A2 「栄養バランス」表示領域(栄養成分表示部)
A3 「不足する栄養成分を補うレシピ」表示領域(料理メニュー表示部)
D113,D114,D115 補足栄養成分情報のテキスト表示体(不足する栄養成分)