(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106683
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】電流センサ
(51)【国際特許分類】
G01R 15/20 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
G01R15/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011077
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金澤 武
(72)【発明者】
【氏名】磯貝 肇臣
(72)【発明者】
【氏名】山田 暁
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 章人
(72)【発明者】
【氏名】志津 敦雄
(72)【発明者】
【氏名】水野 りら
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼永 憲司
【テーマコード(参考)】
2G025
【Fターム(参考)】
2G025AA01
2G025AA04
2G025AA15
2G025AB01
(57)【要約】
【課題】ケースの破損を抑制する電流センサを提供する。
【解決手段】電流センサのバスバ10は、電流経路部100のうち幅方向DWと交差している側面111と、側面111のうち電流経路部100がケース50から突き出ている部分の範囲から幅方向DWに延びている第1延長部121と、第1延長部121と接続されているとともに第1延長部121が延びている方向と交差する方向に延びている第2延長部122と、を有し、第2延長部122は、電流経路部100が厚み方向DTに変形するとき、ケース50と接触しながら厚み方向DTに変形する。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れる電流経路部(100)を有するバスバ(10)と、
前記電流経路部が挿入されているコア穴(24)と、前記電流経路部の幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記電流経路部の厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記電流経路部を流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記バスバの一部、前記コアおよび前記検出素子を収容しているケース(50)と、
を備え、
前記バスバは、
前記電流経路部のうち前記幅方向と交差している面である側面(111)と、
前記側面のうち前記電流経路部が前記ケースから突き出ている部分の範囲から前記幅方向に延びている第1延長部(121)と、
前記第1延長部と接続されているとともに前記第1延長部が延びている方向と交差する方向に延びている第2延長部(122)と、
を有し、
前記第2延長部は、前記電流経路部が前記厚み方向に変形するとき、前記ケースと接触しながら前記厚み方向に変形する電流センサ。
【請求項2】
前記側面は、第1側面であって、
前記バスバは、
前記電流経路部のうち前記第1側面とは反対側に位置しているとともに前記幅方向と交差している面である第2側面(112)と、
前記第2側面のうち前記電流経路部が前記ケースから突き出ている部分の範囲から前記幅方向に延びている第3延長部(123)と、
前記第3延長部と接続されているとともに前記第3延長部が延びている方向と交差する方向に延びている第4延長部(124)と、
を有し、
前記第4延長部は、前記電流経路部が前記厚み方向に変形するとき、前記ケースと接触しながら前記厚み方向に変形する請求項1に記載の電流センサ。
【請求項3】
前記ケースは、
前記ケースのうち前記電流経路部の長手方向(DL)と交差している外面であるケース外面(590)と、
前記ケース外面から前記長手方向に延びているケース延長部(581)と、
前記ケース延長部と接続されているとともに、前記ケース延長部から前記ケース延長部が延びている方向と交差する方向に延びている爪部(591)と、
を有し、
前記爪部は、前記第2延長部と接触していることにより、前記幅方向および前記長手方向における前記バスバの移動を規制している請求項1または2に記載の電流センサ。
【請求項4】
前記ケース延長部は、前記バスバが前記ケースに挿入されるとき、変形する請求項3に記載の電流センサ。
【請求項5】
前記ケース延長部は、前記第2延長部よりも前記幅方向外側に位置しており、
前記爪部は、前記ケース延長部から前記幅方向に延びている請求項3に記載の電流センサ。
【請求項6】
前記ケースは、
前記ケースのうち前記電流経路部の長手方向(DL)と交差している外面であるケース外面(572)と、
前記ケース外面から前記長手方向に延びているケース延長部(581)と、
前記ケース延長部と接続されているとともに、前記ケース延長部から前記ケース延長部が延びている方向と交差する方向に延びている爪部(591)と、
を有し、
前記爪部は、前記第1延長部と接触していることにより、前記幅方向および前記長手方向における前記バスバの移動を規制している請求項1または2に記載の電流センサ。
【請求項7】
前記ケースは、
前記第2延長部の少なくとも一部が挿入されている穴(531)と、
前記穴を形成しているとともに、前記幅方向および前記厚み方向に前記第2延長部と対向している内面(521)と、
前記内面から前記第2延長部に向かって突出していることにより、前記第2延長部と接触している突起(541)と、
を有する請求項1または2に記載の電流センサ。
【請求項8】
前記幅方向における前記第2延長部の長さは、前記幅方向における前記電流経路部の長さよりも短くなっている請求項1または2に記載の電流センサ。
【請求項9】
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れる電流経路部(100)を有するバスバ(10)と、
前記電流経路部が挿入されているコア穴(24)と、前記電流経路部の幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記電流経路部の厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記電流経路部を流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記バスバの一部、前記コアおよび前記検出素子を収容しているケース(50)と、
を備え、
前記バスバは、
前記電流経路部のうち前記幅方向と交差している面である側面(111)と、
前記側面のうち前記電流経路部が前記ケースから突き出ている部分の範囲から前記幅方向に延びている第1延長部(121)と、
前記第1延長部と接続されているとともに前記第1延長部が延びている方向と交差する方向に延びている第2延長部(122)と、
を有し、
前記電流経路部の長手方向(DL)と直交する方向に切断したときの前記第2延長部の断面積は、前記長手方向と直交する方向に切断したときの前記電流経路部の断面積よりも小さくなっている電流センサ。
【請求項10】
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れる電流経路部(100)を有するバスバ(10)と、
前記電流経路部が挿入されているコア穴(24)と、前記電流経路部の幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記電流経路部の厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記電流経路部を流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記バスバの一部、前記コアおよび前記検出素子を収容しているケース(50)と、
を備え、
前記バスバは、
前記電流経路部のうち前記幅方向と交差している面である側面(111)と、
前記側面のうち前記電流経路部が前記ケースから突き出ている部分の範囲から前記幅方向に延びている第1延長部(121)と、
前記第1延長部と接続されているとともに前記第1延長部が延びている方向と交差する方向に延びている中間部(151)と、
前記中間部と接続されているとともに前記中間部が延びている方向と交差する方向に延びている第2延長部(122)と、
を有し、
前記第2延長部は、前記電流経路部が前記厚み方向に変形するとき、前記ケースと接触しながら前記厚み方向に変形する電流センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電流センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、バスバと、コアと、検出素子としてのセンサチップと、ケースと、ターミナルとしての接続端子とを備える電流センサが知られている。この電流センサでは、バスバに電流が流れる。コアには、バスバが挿入されている。また、バスバを流れる電流によって発生する磁界がコアを通過する。センサチップは、コアに形成されたギャップに配置されている。さらに、センサチップは、ギャップを通過する磁界の強さを検出することにより、バスバを流れる電流を検出する。ケースには、バスバ、コアおよびセンサチップが収容されている。接続端子は、センサチップと電気的に接続されているとともにセンサチップからの信号を外部装置に出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者等の検討によれば、特許文献1に記載されているような電流センサのバスバをボルト等により検出対象と接続する際にバスバが変形する。このとき、バスバに応力がかかることにより、バスバを収容しているケースに応力がかかる。これにより、ケースが破損するおそれがある。
【0005】
本開示は、ケースの破損を抑制する電流センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、電流センサであって、板状に形成されているとともに電流が流れる電流経路部(100)を有するバスバ(10)と、電流経路部が挿入されているコア穴(24)と、電流経路部の幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、第1端面と幅方向に対向している第2端面(212)、および、第1端面と第2端面とによって形成されているとともにコア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、ギャップ形成部に接続されているとともに電流経路部の厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、コア横部に接続されて幅方向に延びているとともにギャップ形成部およびコア横部とでコア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、ギャップに配置されているとともに、電流経路部を流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、バスバの一部、コアおよび検出素子を収容しているケース(50)と、を備え、バスバは、電流経路部のうち幅方向と交差している面である側面(111)と、側面のうち電流経路部がケースから突き出ている部分の範囲から幅方向に延びている第1延長部(121)と、第1延長部と接続されているとともに第1延長部が延びている方向と交差する方向に延びている第2延長部(122)と、を有し、第2延長部は、電流経路部が厚み方向に変形するとき、ケースと接触しながら厚み方向に変形する電流センサである。
また、請求項9に記載の発明は、電流センサであって、板状に形成されているとともに電流が流れる電流経路部(100)を有するバスバ(10)と、電流経路部が挿入されているコア穴(24)と、電流経路部の幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、第1端面と幅方向に対向している第2端面(212)、および、第1端面と第2端面とによって形成されているとともにコア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、ギャップ形成部に接続されているとともに電流経路部の厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、コア横部に接続されて幅方向に延びているとともにギャップ形成部およびコア横部とでコア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
ギャップに配置されているとともに、電流経路部を流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、バスバの一部、コアおよび検出素子を収容しているケース(50)と、を備え、バスバは、電流経路部のうち幅方向と交差している面である側面(111)と、側面のうち電流経路部がケースから突き出ている部分の範囲から幅方向に延びている第1延長部(121)と、第1延長部と接続されているとともに第1延長部が延びている方向と交差する方向に延びている第2延長部(122)と、を有し、電流経路部の長手方向(DL)と直交する方向に切断したときの第2延長部の断面積は、長手方向と直交する方向に切断したときの電流経路部の断面積よりも小さくなっている電流センサである。
さらに、請求項10に記載の発明は、電流センサであって、板状に形成されているとともに電流が流れる電流経路部(100)を有するバスバ(10)と、電流経路部が挿入されているコア穴(24)と、電流経路部の幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、第1端面と幅方向に対向している第2端面(212)、および、第1端面と第2端面とによって形成されているとともにコア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、ギャップ形成部に接続されているとともに電流経路部の厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、コア横部に接続されて幅方向に延びているとともにギャップ形成部およびコア横部とでコア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、ギャップに配置されているとともに、電流経路部を流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、バスバの一部、コアおよび検出素子を収容しているケース(50)と、を備え、バスバは、電流経路部のうち幅方向と交差している面である側面(111)と、側面のうち電流経路部がケースから突き出ている部分の範囲から幅方向に延びている第1延長部(121)と、第1延長部と接続されているとともに第1延長部が延びている方向と交差する方向に延びている中間部(151)と、中間部と接続されているとともに中間部が延びている方向と交差する方向に延びている第2延長部(122)と、を有し、第2延長部は、電流経路部が厚み方向に変形するとき、ケースと接触しながら厚み方向に変形する電流センサである。
【0007】
これにより、第2延長部は、変形しやすいことから、バスバと検出対象とを接続する際のバスバの変形によって発生する応力エネルギーを吸収しやすい。このため、バスバの一部、コアおよび検出素子を収容しているケースにかかる応力が低減する。したがって、ケースの破損が抑制される。
【0008】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図21】電流センサのバスバにおける第2延長部、第4延長部の変形を示す斜視図。
【
図22】電流センサのケースへの基板の取り付けを示す断面図。
【
図28】電流センサのバスバがケースに挿入されるときの様子を示す外観図。
【
図29】第3実施形態の変形例の電流センサにおけるバスバの外観図。
【
図30】第3実施形態の変形例の電流センサにおけるバスバの外観図。
【
図31】第3実施形態の変形例の電流センサにおけるバスバの外観図。
【
図37】第7実施形態の電流センサにおけるコア周辺の拡大断面図。
【
図38】第8実施形態の電流センサにおける電流センサのバスバ周辺の拡大断面図。
【
図41】第10実施形態の電流センサの基板およびケースの拡大断面図。
【
図42】第11実施形態の電流センサの基板およびケースの拡大断面図。
【
図43】第12実施形態の電流センサのターミナル周辺の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
本実施形態の電流センサは、例えば、図示しない車両に搭載される3相交流モータを駆動するインバータに用いられる。具体的には、
図1~
図20に示すように、電流センサ5は、バスバ10、コア20、検出部30、リード線35、基板40、ケース50、樹脂充填部60およびターミナル70を備える。
【0012】
バスバ10は、板状に形成されている。また、バスバ10は、銅等で形成されていることにより、導電性を有する。さらに、バスバ10の表面には、必要に応じて表面の酸化を防ぐためのメッキが施されている。また、バスバ10の数は、モータおよびインバータの相数に対応している。ここでは、モータおよびインバータの相数が3であるため、バスバ10の数は、3つである。さらに、3つのバスバ10は、バスバ10の幅方向DWに間隔を空けて並んでいる。
【0013】
また、バスバ10は、
図1~
図9、
図11~
図16に示すように、電流経路部100、締結部102、第1側面111、第1延長部121および第2延長部122を有する。さらに、バスバ10は、第2側面112、第3延長部123、第4延長部124、第1バスバ突起131および第2バスバ突起132を有する。
【0014】
電流経路部100は、板状に形成されている。締結部102は、例えば、厚み方向DTに延びる穴であって、インバータの各相とそれぞれ接続されている。このため、それぞれの電流経路部100には、インバータの各相からの電流が流れる。
【0015】
ここで、以下では、便宜的に、電流経路部100の長手方向DLを、単に長手方向DLと記載する。さらに、電流経路部100の幅方向DWを、単に幅方向DWと記載する。また、電流経路部100の厚み方向DTを、単に厚み方向DTと記載する。
【0016】
第1側面111は、電流経路部100のうち幅方向DWと直交する面であって、電流経路部100のうち幅方向DWと交差している面に対応する。
【0017】
第1延長部121は、第1側面111のうち電流経路部100が後述のケース50から突き出ている部分の範囲から幅方向DWに延びている。
【0018】
第2延長部122は、第1延長部121のうち第1側面111とは反対側と接続されている。また、第2延長部122は、第1延長部121から、第1延長部121が延びている方向と交差する方向、ここでは、長手方向DLに延びている。さらに、第2延長部122は、電流経路部100が厚み方向DTに弾性変形や塑性変形等の変形をすると、後述のケース50と接触しながら厚み方向DTに変形する。
【0019】
また、幅方向DWにおける第2延長部122の長さは、幅方向DWにおける電流経路部100の長さよりも短くなっている。さらに、長手方向DLと直交する方向に切断したときの第2延長部122の断面積は、長手方向DLと直交する方向に切断したときの電流経路部100の断面積よりも小さくなっている。したがって、第2延長部122は、電流経路部100よりも変形しやすくなっている。
【0020】
第2側面112は、第1側面111とは反対側に位置している。また、第2側面112は、電流経路部100のうち幅方向DWと直交する面であって、電流経路部100のうち幅方向DWと交差している面に対応する。
【0021】
第3延長部123は、第2側面112のうち電流経路部100が後述のケース50から突き出ている部分の範囲から幅方向DWに延びている。
【0022】
第4延長部124は、第3延長部123のうち第2側面112とは反対側と接続されている。また、第4延長部124は、第3延長部123から、第3延長部123が延びている方向と交差する方向、ここでは、長手方向DLに延びている。さらに、第4延長部124は、電流経路部100が厚み方向DTに弾性変形や塑性変形等の変形をすると、後述のケース50と接触しながら厚み方向DTに変形する。
【0023】
また、幅方向DWにおける第4延長部124の長さは、幅方向DWにおける電流経路部100の長さよりも短くなっている。さらに、長手方向DLと直交する方向に切断したときの第4延長部124の断面積は、長手方向DLと直交する方向に切断したときの電流経路部100の断面積よりも小さくなっている。したがって、第4延長部124は、電流経路部100よりも変形しやすくなっている。
【0024】
第1バスバ突起131は、
図12、
図15および
図16に示すように、第1側面111のうち後述のケース50に収容されている範囲から幅方向DWに突出している。また、第1バスバ突起131は、
図16に示すように、第1接触部1310および第1傾斜部1311を含む。
【0025】
第1接触部1310は、第1バスバ突起131のうち後述のケース50と接触している部位である。第1傾斜部1311は、第1接触部1310のうち締結部102とは反対側と接続されている。さらに、第1傾斜部1311は、第1接触部1310との境界部から離れるにつれて第1バスバ突起131の大きさが小さくなる方向に傾斜している。
【0026】
第2バスバ突起132は、
図12、
図15および
図16に示すように、第2側面112のうち後述のケース50に収容されている範囲から幅方向DWに突出している。また、第2バスバ突起132は、
図16に示すように、第2接触部1320および第2傾斜部1321を含む。
【0027】
第2接触部1320は、第2バスバ突起132のうち後述のケース50と接触している部位である。第2傾斜部1321は、第2接触部1320のうち締結部102とは反対側と接続されている。さらに、第2傾斜部1321は、第2接触部1320との境界部から離れるにつれて第2バスバ突起132の大きさが小さくなる方向に傾斜している。
【0028】
コア20は、
図7および
図8に示すように、パーマロイや方向性電磁鋼板等の軟磁性材料でC字状に形成されている。また、コア20は、例えば、板状の軟磁性材料がC字状に曲げ加工されることにより形成されている。さらに、コア20の数は、バスバ10の数に対応している。ここでは、バスバ10の数が3つであるため、コア20の数は、3つである。また、バスバ10が幅方向DWに間隔を空けて並んでいることから、3つのコア20は、幅方向DWに間隔を空けて並んでいる。さらに、それぞれのバスバ10を流れる電流によって発生する磁界がそれぞれのコア20を通過する。また、コア20は、
図8に示すように、ギャップ形成部21、コア横部22、コア底部23、コア穴24、コア外面25およびコア突起26を有する。
【0029】
ギャップ形成部21は、幅方向DWに延びる板状に形成されている。さらに、ギャップ形成部21のうち幅方向DW外側の角部である横外側角部C_out_topは、R形状になっている。また、ギャップ形成部21は、第1端面211、第2端面212およびギャップ213を含む。
【0030】
第1端面211は、幅方向DWを向いている。第2端面212は、幅方向DWを向いているとともに、第1端面211と幅方向DWに対向している。さらに、第2端面212は、第1端面211を幅方向DWに投影したとき、投影した第1端面211と重なる。ギャップ213は、第1端面211および第2端面212によって区画形成されている空間である。また、ギャップ213は、コア20の外部および後述のコア穴24に連通している。
【0031】
コア横部22は、ギャップ形成部21に接続されている。また、コア横部22は、コア横部22とギャップ形成部21との境界部から厚み方向DTに延びている。さらに、コア横部22とギャップ形成部21との境界部における内側の角部である横内側角部C_in_topがR形状になっている。また、コア横部22は、幅方向DWにおいて電流経路部100と離れている。
【0032】
コア底部23は、コア横部22に接続されている。さらに、コア底部23は、幅方向DWに延びている。また、コア底部23のうち幅方向DW外側の角部である底外側角部C_out_btmは、R形状になっている。さらに、コア底部23とコア横部22との境界部における内側の角部である底内側角部C_in_btmがR形状になっている。また、コア底部23は、厚み方向DTにおいて電流経路部100と離れている。
【0033】
コア穴24は、ギャップ形成部21、コア横部22およびコア底部23によって形成されている。さらに、それぞれのコア穴24の空間には、それぞれのバスバ10の一部が挿入されている。
【0034】
コア外面25は、ギャップ形成部21の外面であって、ギャップ形成部21のうち厚み方向DT外側を向いている面である。
【0035】
ここで、コア横部22の厚み方向DTに延びる内縁を通るとともに幅方向DWと直交する面を通過面Stとする。また、コア横部22が幅方向DWに並んでいることから、通過面Stは、幅方向DWに並んでいる。
【0036】
コア突起26は、コア外面25のうち互いに隣り合う通過面Stの間の範囲から厚み方向DTに突出している。なお、コア突起26の数は、2つであるところ、これに限定されない。コア突起26の数は、少なくとも1つあればよい。また、コア突起26の形状は、四角柱形状であるところ、これに限定されない。コア突起26の形状は、例えば、多角柱形状や円柱形状等であってもよい。
【0037】
検出部30は、
図7および
図8に示すように、ギャップ213に配置されている。このため、検出部30は、第1端面211を幅方向DWに投影したとき、投影した第1端面211と重なる。また、検出部30は、第2端面212を幅方向DWに投影したとき、投影した第2端面212と重なる。さらに、検出部30は、検出素子31および図示しないIC等を含む。なお、ICは、Integrated Circuitの略である。
【0038】
検出素子31は、ホール素子、TMR素子、GMR素子およびAMR素子等である。また、検出素子31は、幅方向DWの磁界の強さを検出する。さらに、検出素子31は、この検出した磁界の強さに応じた信号、例えば、この検出した磁界の強さに応じた電圧を外部に出力する。なお、TMRは、Tunnel Magneto Resistiveの略である。GMRは、Giant Magneto Resistiveの略である。AMRは、Anisotropic Magneto Resistiveの略である。
【0039】
リード線35は、検出部30と接続されている。基板40は、プリント基板である。また、基板40は、
図7に示すように、はんだ付け等により、リード線35と接続されている。さらに、基板40は、
図4、
図17、
図18および
図19に示すように、基板側面400、基板凹部402および基板穴404を有する。
【0040】
基板側面400は、長手方向DLまたは幅方向DWに直交する面であって、長手方向DLまたは幅方向DWと交差している面に対応する。なお、ここでは、基板40の厚み方向が電流経路部100の厚み方向DTと一致していることから、基板側面400は、長手方向DLまたは幅方向DWと交差している面になっている。これに対して、基板40の厚み方向が電流経路部100の厚み方向DTと一致していることに限定されない。基板40の厚み方向は、例えば、電流経路部100の長手方向DLと一致していてもよい。この場合、基板側面400は、厚み方向DTまたは幅方向DWと交差している面に対応する。
【0041】
基板凹部402は、基板側面400から凹んでおり、ここでは、長手方向DLに直交する基板側面400から長手方向DLに凹んでいる。また、基板凹部402は、円弧状に形成されている。なお、基板凹部402は、幅方向DWに直交する基板側面400から幅方向DWに凹んでいてもよい。また、ここでは、基板凹部402の形状は、長円弧状である。これに対して、基板凹部402の形状は、長円弧状であることに限定されない。基板凹部402の形状は、多角形状、円弧状や楕円弧状等であってもよい。さらに、ここでは、基板凹部402の数は、3つであるところ、これに限定されない。基板凹部402の数は、少なくとも1つあればよく、3つ以上であることにより、基板凹部402同士を結ぶ直線による平面が形成されることが好ましい。
【0042】
基板穴404は、基板40の内部を厚み方向DTに貫通している貫通穴である。なお、ここでは、基板穴404の形状は、円柱状である。これに対して、基板穴404の形状は、円柱状であることに限定されない。基板穴404の形状は、多角柱状や楕円柱状等であってもよい。また、ここでは、基板穴404の数は、4つであるところ、これに限定されない。基板穴404の数は、少なくとも1つあればよく、3つ以上であることにより基板穴404同士を結ぶ直線による平面が形成されることが好ましい。さらに、ここでは、基板40の厚み方向が電流経路部100の厚み方向DTと一致していることから、基板穴404は、基板40の内部を厚み方向DTに貫通している。これに対して、基板40の厚み方向が電流経路部100の厚み方向DTと一致していることに限定されない。基板40の厚み方向は、例えば、電流経路部100の長手方向DLと一致していてもよい。この場合、基板穴404は、基板40の内部を長手方向DLに貫通している。
【0043】
ケース50は、例えば、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂で射出成形されることにより形成されている。また、ケース50は、バスバ10、コア20、検出部30、リード線35、基板40、後述の樹脂充填部60およびターミナル70を収容している。さらに、
図1~
図4に示すように、バスバ10およびコア20等が幅方向DWに並んでいることから、幅方向DWにおけるケース50の長さは、長手方向DLにおけるケース50の長さよりも長くなっている。
【0044】
また、ケース50は、カラー500、コア収容室502、仕切り部504、ケース対向面506、ケース突起508および基板収容室510を有する。さらに、ケース50は、開口部512、第1内面521、第1穴531、第1突起541、第2内面522、第2穴532および第2突起542を有する。また、ケース50は、収容室対向面548、基板用凹部550および基板用凸部552を有する。さらに、ケース50は、ターミナル用穴560、ターミナル用内面562、ターミナル用凹部564およびターミナル用凸部566を有する。また、ケース50は、液体抜き用凹部570および液体排出部580を有する。
【0045】
カラー500は、
図1、
図4および
図7に示すように、金属等で環状に形成されている。さらに、カラー500に図示しないシャフト等が挿入されることによって、ケース50と電流センサ5の外部とが接続されている。これにより、電流センサ5とその外部とが固定される。
【0046】
コア収容室502の空間には、
図7および
図8に示すように、コア20が収容されている。仕切り部504は、互いに隣り合うコア20同士の間に形成されているとともに、長手方向DLおよび厚み方向DTに延びる板状に形成されている。これにより、互いに隣り合うコア収容室502が仕切られている。
【0047】
ケース対向面506は、
図9に示すように、コア収容室502を形成する内面のうちコア20と長手方向DLに対向している面である。
【0048】
ケース突起508は、コア収容室502を形成する内面からコア20に向かって突出している。ここでは、ケース突起508は、ケース対向面506から長手方向DLに突出している。これにより、ケース突起508は、コア20と接触している。このため、ケース50とコア20との位置決めがされやすくなる。さらに、ケース対向面506およびコア20の間には空間が形成されている。なお、ここでは、ケース突起508の数は、
図8に示すように、4つであるところ、これに限定されない。ケース突起508の数は、少なくとも1つあればよく、3つ以上であることにより、ケース突起508同士を結ぶ直線による平面が形成されることが好ましい。また、ここでは、ケース突起508の形状は、円柱形状である。これに対して、ケース突起508の形状は、円柱形状であることに限定されない。ケース突起508の形状は、例えば、多角柱形状や楕円柱形状等であってもよい。
【0049】
基板収容室510の空間には、
図7に示すように、検出部30、リード線35および基板40が収容されている。さらに、検出部30がギャップ213に配置されるため、基板収容室510は、ケース50のうちギャップ213側に形成されている。
【0050】
開口部512の一部は、
図2、
図3、
図7および
図8に示すように、コア穴24に挿入されている。また、開口部512の空間には、電流経路部100の一部が挿入されている。なお、ここでは、開口部512の形状は、多角筒状である。これに対して、開口部512の形状は、多角筒状であることに限定されない。開口部512の形状は、円筒状等であってもよい。
【0051】
さらに、開口部512は、
図12、
図15および
図16に示すように、開口部面5120および開口部突起5122を含む。
【0052】
開口部面5120は、幅方向DWおよび厚み方向DTに電流経路部100と対向している。開口部突起5122は、開口部面5120から電流経路部100に向かって突出していることで、第1バスバ突起131および第2バスバ突起132と接触している。具体的には、開口部突起5122は、開口部面5120から厚み方向DTに突出している。これにより、開口部突起5122は、第1バスバ突起131および第2バスバ突起132と厚み方向DTに接触している。また、開口部突起5122は、開口部面5120から幅方向DWに突出している。このため、開口部突起5122は、第1バスバ突起131および第2バスバ突起132と幅方向DWに接触している。これらにより、ケース50とバスバ10との位置決めがされる。さらに、開口部面5120および電流経路部100の間に空間が形成されている。なお、ここでは、開口部突起5122の形状は、三角柱形状である。これに対して、開口部突起5122の形状は、三角柱形状であることに限定されない。開口部突起5122の形状は、例えば、多角柱形状や円柱形状等であってもよい。
【0053】
また、開口部突起5122のヤング率は、第1バスバ突起131および第2バスバ突起132のヤング率よりも小さくなっている。これにより、開口部突起5122は、第1バスバ突起131および第2バスバ突起132よりも変形しやすくなっている。なお、開口部突起5122のヤング率は、例えば、ケース50の材料のヤング率から推定される。また、第1バスバ突起131および第2バスバ突起132のヤング率は、例えば、バスバ10の材料のヤング率から推定される。
【0054】
さらに、開口部突起5122は、
図16に示すように、突起接触部5124および突起傾斜部5126を含む。突起接触部5124は、開口部突起5122のうち第1バスバ突起131および第2バスバ突起132と接触している部位である。突起傾斜部5126は、突起接触部5124のうち締結部102側と接続されている。また、突起傾斜部5126は、突起接触部5124との境界部から離れるにつれて開口部突起5122の大きさが小さくなる方向に傾斜している。
【0055】
第1内面521は、
図11、
図12および
図13に示すように、第1穴531を形成している。また、第1穴531の空間には、第2延長部122の少なくとも一部が挿入されている。このため、第1内面521は、幅方向DWおよび厚み方向DTに第2延長部122と対向している。
【0056】
第1突起541は、第1内面521から第2延長部122に向かって突出していることにより、第2延長部122と接触している。具体的には、第1突起541は、第1内面521のうち第2延長部122と厚み方向DTに対向している部分から厚み方向DTに突出している。これにより、第1突起541は、第2延長部122と厚み方向DTに接触している。また、第1突起541は、第1内面521のうち第2延長部122と幅方向DWに対向している部分から幅方向DWに突出している。このため、第1突起541は、第2延長部122と幅方向DWに接触している。これらにより、ケース50と第2延長部122との位置決めがされることから、ケース50とバスバ10との位置決めがされる。なお、ここでは、第1突起541の形状は、三角柱形状である。これに対して、第1突起541の形状は、三角柱形状であることに限定されない。第1突起541の形状は、例えば、多角柱形状や円柱形状等であってもよい。
【0057】
第2内面522は、
図11、
図12および
図14に示すように、第2穴532を形成している。また、第2穴532の空間には、第4延長部124の少なくとも一部が挿入されている。このため、第2内面522は、幅方向DWおよび厚み方向DTに第4延長部124と対向している。
【0058】
第2突起542は、第2内面522から第4延長部124に向かって突出していることにより、第4延長部124と接触している。具体的には、第2突起542は、第2内面522のうち第4延長部124と厚み方向DTに対向している部分から厚み方向DTに突出している。これにより、第2突起542は、第4延長部124と厚み方向DTに接触している。また、第2突起542は、第2内面522のうち第4延長部124と幅方向DWに対向している部分から幅方向DWに突出している。このため、第2突起542は、第4延長部124と幅方向DWに接触している。これらにより、ケース50と第4延長部124との位置決めがされることから、ケース50とバスバ10との位置決めがされる。なお、ここでは、第2突起542の形状は、三角柱形状である。これに対して、第2突起542の形状は、三角柱形状であることに限定されない。第2突起542の形状は、例えば、多角柱形状や円柱形状等であってもよい。
【0059】
収容室対向面548は、
図7、
図9、
図18および
図19に示すように、基板収容室510を形成する面であって、基板40と厚み方向DTに対向している。なお、ここでは、基板40の厚み方向が電流経路部100の厚み方向DTと一致していることから、収容室対向面548は、基板40と厚み方向DTに対向している。これに対して、基板40の厚み方向が電流経路部100の厚み方向DTと一致していることに限定されない。基板40の厚み方向は、例えば、電流経路部100の長手方向DLと一致していてもよい。この場合、収容室対向面548は、基板40と長手方向DLに対向している。
【0060】
基板用凹部550は、
図4、
図17および
図18に示すように、収容室対向面548から厚み方向DTに凹んでいる。さらに、基板用凹部550は、基板凹部402に対応する位置に形成されている。これにより、基板用凹部550は、基板凹部402と厚み方向DTに連通している。また、基板用凹部550の数は、基板凹部402の数と同じとなっている。このため、基板凹部402と同様に、基板用凹部550同士を結ぶ直線による平面が形成されることが好ましい。
【0061】
基板用凸部552は、
図4、
図17および
図19に示すように、収容室対向面548から基板穴404に向かって突出している。ここでは、基板用凸部552は、収容室対向面548から厚み方向DTに突出している。これにより、基板用凸部552の一部は、基板穴404に挿入されている。また、基板用凸部552の数は、基板穴404の数と同じとなっている。このため、基板穴404と同様に、基板用凸部552同士を結ぶ直線による平面が形成されることが好ましい。
【0062】
また、基板用凸部552は、凸部側面5520および基板用鍔部5522を含む。凸部側面5520は、基板用凸部552のうち、基板用凸部552が延びている方向に延びている面、ここでは、厚み方向DTに延びている面である。基板用鍔部5522は、凸部側面5520から、基板用凸部552が延びている方向と直交する方向、ここでは、厚み方向DTと直交する方向に延びている。また、基板用凸部552が延びている方向、ここでは、厚み方向DTにおいて、基板40が基板用鍔部5522および収容室対向面548の間に配置されている。さらに、基板40と基板用鍔部5522とが熱カシメ等されていることにより接触している。これにより、基板40の移動が規制されている。
【0063】
ターミナル用穴560は、
図7および
図10に示すように、後述のターミナル70が挿入されている空間である。
【0064】
ターミナル用内面562は、ターミナル用穴560を形成している。また、ターミナル用内面562は、後述のターミナル70が延びている方向と直交する方向、ここでは、厚み方向DTと直交する方向に後述のターミナル側面700と対向している。
【0065】
ターミナル用凹部564は、ターミナル用内面562から後述のターミナル鍔部702が延びている方向、ここでは、幅方向DWに凹んでいる。さらに、ターミナル用凹部564は、後述のターミナル鍔部702と接触している。これにより、ターミナル用凹部564は、後述のターミナル70の移動を規制している。
【0066】
ターミナル用凸部566は、ターミナル用内面562から後述のターミナル穴704が延びている方向、ここでは、長手方向DLに突出している。また、ターミナル用凸部566は、ターミナル穴704に挿入されている。これにより、ターミナル用凸部566は、ターミナル鍔部702と接触している。このため、ターミナル用凸部566は、ターミナル70の移動を規制している。
【0067】
液体抜き用凹部570は、
図1、
図5および
図20に示すように、ターミナル70の一部を収容している。また、液体抜き用凹部570は、
図20に示すように、凹部底面572および凹部側面574を含む。
【0068】
凹部底面572は、厚み方向DTと直交する面であって、厚み方向DTと交差している面に対応する。さらに、凹部底面572は、ケース50のうち基板40とは反対側に位置している。また、凹部底面572の一部は、段差状に形成されている。
【0069】
凹部側面574は、凹部底面572から厚み方向DTに延びている。これにより、凹部側面574は、凹部底面572とで液体抜き用凹部570の空間を形成している。
【0070】
液体排出部580は、
図5および
図20に示すように、液体抜き用凹部570の空間およびケース50の外部と連通している溝や穴であって、ここでは、凹部側面574を幅方向DWに貫通している。また、液体排出部580は、液体抜き用凹部570に流入する水等の液体をケース50の外部に排出する。なお、液体排出部580は、凹部側面574を幅方向DWに貫通しているところ、これに限定されない。液体排出部580は、例えば、凹部側面574を長手方向DLに貫通していてもよい。
【0071】
樹脂充填部60は、
図3、
図7、
図8および
図9に示すように、ウレタン等の樹脂がインサート成形等されることで充填されることにより、コア収容室502を形成する内面、および、コア20の表面の間に形成されている。また、樹脂充填部60は、コア20の表面、および、仕切り部504のうちコア20と幅方向DWに対向している面の間に形成されている。これにより、樹脂充填部60は、コア20を覆っているとともに、コア20およびケース50を固定している。
【0072】
また、
図9に示すように、ケース突起508により、ケース対向面506、および、コア20のうちケース対向面506と長手方向DLに対向している表面の間に空間が形成されている。樹脂充填部60は、この空間に形成されていることから、ケース対向面506、および、コア20のうちケース対向面506と長手方向DLに対向している表面と接続されている。これにより、ケース対向面506およびコア20が接触または密着している場合と比較して、コア20およびケース50と、樹脂充填部60との接触面積が大きくなる。このため、ケース50とコア20とを固定する力が大きくなっている。
【0073】
さらに、
図3および
図9に示すように、樹脂充填部60は、コア面27を覆っているとともに、仕切り部504を覆っている。これにより、樹脂充填部60が仕切り部504を覆っていない場合と比較して、コア20を覆う樹脂充填部60の大きさが大きくなる。これによって、コア20が外部に露出することが抑制されている。なお、コア面27は、コア20のうちケース対向面506とは反対側の表面である。
【0074】
ターミナル70は、
図1~
図7、
図10および
図20に示すように、複数形成されている。また、ターミナル70は、長手方向DLに間隔を空けて並んでいる。さらに、ターミナル70は、バスバ10を流れる電流の方向に間隔を空けて並んでいる。なお、ここでは、後述するように、長手方向DLとバスバ10を流れる電流の方向とは、一致する。
【0075】
また、ターミナル70の一部は、
図7および
図10に示すように、基板40のスルーホールに挿入されているとともに、はんだ付け等により基板40と接続されている。これにより、ターミナル70は、リード線35を介して検出部30と接続されている。このため、ターミナル70は、検出素子31からの信号を図示しない演算装置等の外部装置に出力する。さらに、ターミナル70は、基板40に配置された図示しない部品と接続されている。
【0076】
また、ターミナル70は、基板40から厚み方向DTに延びている。さらに、ターミナル70の一部は、
図1および
図20に示すように、液体抜き用凹部570に収容されている。また、ターミナル70は、凹部底面572の段差部分から突き出ている。なお、ここでは、基板40の厚み方向が電流経路部100の厚み方向DTと一致していることから、ターミナル70は、基板40から厚み方向DTに延びている。これに対して、基板40の厚み方向が電流経路部100の厚み方向DTと一致していることに限定されない。基板40の厚み方向は、例えば、電流経路部100の長手方向DLと一致していてもよい。この場合、ターミナル70は、基板40から長手方向DLに延びている。
【0077】
さらに、ターミナル70は、
図10に示すように、ターミナル側面700、ターミナル鍔部702およびターミナル穴704を含む。
【0078】
ターミナル側面700は、ターミナル70が延びている方向、ここでは、厚み方向DTに延びている。ターミナル鍔部702は、ターミナル側面700から厚み方向DTと直交する方向、ここでは、幅方向DWに延びている。さらに、ターミナル鍔部702とターミナル用凹部564とは、接触している。これにより、ターミナル70の移動が規制されている。また、ターミナル70は、ターミナル鍔部702を中心として、ターミナル70が延びている方向、ここでは、厚み方向DTにおいて対称に形成されている。さらに、ターミナル鍔部702は、露出部7020を含む。露出部7020は、ターミナル用凹部564から露出していることにより、外部に露出している。
【0079】
ターミナル穴704は、ターミナル鍔部702に囲まれているとともに、ターミナル鍔部702が延びている方向と直交する方向、ここでは、長手方向DLに延びている貫通穴または有底穴である。ターミナル穴704には、ターミナル用凸部566が挿入されている。これにより、ターミナル70の移動が規制されている。
【0080】
以上のように、第1実施形態の電流センサ5は、構成されている。次に、電流センサ5による電流検出について説明する。
【0081】
バスバ10の電流経路部100が長手方向DLに延びているとともに電流経路部100が図示しないインバータと接続されている。このため、インバータからの交流電流が電流経路部100を流れる。このとき、電流経路部100を流れる電流の方向は、長手方向DLである。また、このとき、電流経路部100を流れる交流電流により、電流経路部100を通るとともに長手方向DLに延びる軸を中心とする周方向の磁界が発生する。この発生した磁界により、磁力線がコア20を通過するため、ギャップ213を通過する。したがって、この磁力線は、検出素子31を通過する。よって、検出素子31は、幅方向DWの磁界の強さを検出する。これにより、検出素子31は、インバータからの交流電流を検出する。また、検出素子31は、この検出した磁界の強さに応じた信号を、リード線35、基板40およびターミナル70を介して、図示しない演算装置等の外部装置に出力する。そして、この演算装置は、検出素子31からの信号に基づいて、インバータからの交流電流を算出する。
【0082】
以上のように、電流センサ5は、電流検出を行う。次に、電流センサ5では、ケース50の破損が抑制されることについて説明する。
【0083】
ここで、特許文献1に記載されているような電流センサのバスバをボルト等により検出対象と接続する際にバスバが変形する。このとき、バスバに応力がかかることによって、バスバを収容しているケースに応力がかかる。これにより、ケースが破損するおそれがある。
【0084】
これに対して、本実施形態の電流センサ5は、バスバ10は、
図11等に示すように、第1側面111と、第1延長部121と、第2延長部122と、第2側面112と、第3延長部123と、第4延長部124と、を有する。第1側面111は、電流経路部100のうち幅方向DWと交差している面である。第1延長部121は、第1側面111のうち電流経路部100がケース50から突き出ている部分の範囲から幅方向DWに延びている。第2延長部122は、第1延長部121と接続されているとともに第1延長部121が延びている方向と交差する方向に延びている。また、第2延長部122は、電流経路部100が厚み方向DTに変形するとき、ケース50と接触しながら厚み方向DTに変形する。これにより、第2延長部122は、電流経路部100が厚み方向DTに変形するとき、電流経路部100の変形による応力に加えて、ケース50から受ける力による応力がかかる。このため、第2延長部122は、電流経路部100が厚み方向DTに変形するとき、電流経路部100よりも厚み方向DTに変形しやすい。したがって、例えば、
図21に示すように、電流経路部100が厚み方向DTに変形するとき、電流経路部100の変形量よりも大きく厚み方向DTに変形する。また、第2側面112は、電流経路部100のうち第1側面111とは反対側に位置しているとともに幅方向DWと交差している面である。第3延長部123は、第2側面112のうち電流経路部100がケース50から突き出ている部分の範囲から幅方向DWに延びている。第4延長部124は、第3延長部123と接続されているとともに第3延長部123が延びている方向と交差する方向に延びている。さらに、第4延長部124は、電流経路部100が厚み方向DTに変形するとき、ケース50と接触しながら厚み方向DTに変形する。これにより、第4延長部124は、電流経路部100が厚み方向DTに変形するとき、電流経路部100の変形による応力に加えて、ケース50から受ける力による応力がかかる。このため、第4延長部124は、電流経路部100が厚み方向DTに変形するとき、電流経路部100よりも厚み方向DTに変形しやすい。よって、例えば、第4延長部124は、電流経路部100が厚み方向DTに変形するとき、電流経路部100の変形量よりも大きく厚み方向DTに変形する。
【0085】
したがって、第2延長部122および第4延長部124は、変形しやすいことから、バスバ10と図示しないインバータ等の検出対象とを接続する際のバスバ10の変形によって発生する応力エネルギーを吸収しやすい。このため、バスバ10の一部、コア20および検出素子31を収容しているケース50にかかる応力が低減する。よって、ケース50の破損が抑制される。
【0086】
また、電流センサ5では、下記に記載する効果も奏する。
【0087】
[1-1]ケース50は、第1内面521と、第1穴531と、第1突起541と、第2内面522と、第2穴532と、第2突起542と、を有する。第1内面521は、第1穴531を形成している。第1穴531の空間には、第2延長部122の少なくとも一部が挿入されている。また、第1内面521は、幅方向DWおよび厚み方向DTに第2延長部122と対向している。第1突起541は、第1内面521から第2延長部122に向かって突出していることにより、第2延長部122と接触している。第2内面522は、第2穴532を形成している。第2穴532の空間には、第4延長部124の少なくとも一部が挿入されている。また、第2内面522は、幅方向DWおよび厚み方向DTに第4延長部124と対向している。第2突起542は、第2内面522から第4延長部124に向かって突出していることにより、第4延長部124と接触している。
【0088】
これにより、ケース50と第2延長部122との位置決めがされるとともに、ケース50と第4延長部124との位置決めがされる。このため、ケース50とバスバ10との位置決めがされる。したがって、ケース50に対するバスバ10の相対位置バラつきが低減する。
【0089】
[1-2]長手方向DLと直交する方向に切断したときの第2延長部122の断面積は、長手方向DLと直交する方向に切断したときの電流経路部100の断面積よりも小さくなっている。幅方向DWにおける第2延長部122の長さは、幅方向DWにおける電流経路部100の長さよりも短くなっている。また、長手方向DLと直交する方向に切断したときの第4延長部124の断面積は、長手方向DLと直交する方向に切断したときの電流経路部100の断面積よりも小さくなっている。幅方向DWにおける第4延長部124の長さは、幅方向DWにおける電流経路部100の長さよりも短くなっている。
【0090】
これにより、第2延長部122および第4延長部124は、電流経路部100よりも変形しやすくなる。このため、バスバ10と図示しないインバータ等の検出対象とを接続する際のバスバ10の変形によって発生する応力エネルギーを吸収しやすい。このため、バスバ10の一部、コア20および検出素子31を収容しているケース50にかかる応力が低減する。よって、ケース50の破損が抑制される。
【0091】
[2-1]ここで、特許文献1に記載されているような電流センサのケースには、バスバとインバータ等の検出対象とを接続する際に発生する力等のケース外部からの力やバスバを流れる電流による発熱等によって応力がかかる。また、複数のバスバ、コアおよびセンサチップをケース内に収容するとき、ケース内の空間を大きくする必要がある。このため、ケースの剛性が低下する。これにより、ケースにかかる応力によって、ケースの反り等の変形が生じやすい。
【0092】
これに対して、本実施形態の電流センサ5では、ケース50は、コア収容室502と、仕切り部504と、を有する。コア収容室502は、第1収容室および第2収容室に相当しており、2つのコア20をそれぞれ収容している。仕切り部504は、互いに隣り合うコア収容室502を仕切っている。なお、バスバ10は、第1バスバおよび第2バスバに相当する。また、コア20は、第1コアおよび第2コアに相当する。さらに、検出素子31は、第1検出素子および第2検出素子に相当する。
【0093】
仕切り部504により、コア収容室502が補強される。このため、仕切り部504が形成されていない場合と比較して、ケース50の剛性が向上する。したがって、ケース50の反り等の変形が抑制される。
【0094】
[2-2]電流センサ5は、樹脂充填部60を備える。樹脂充填部60は、第1樹脂部および第2樹脂部に相当しており、コア収容室502を形成する内面およびコア20の表面の間に樹脂で形成されている。これにより、樹脂充填部60は、コア収容室502を形成する内面およびコア20の表面と接続されているとともに、コア20を覆っている。このため、コア20およびケース50が固定されている。
【0095】
ここで、樹脂充填部60に用いられる樹脂がウレタン等である場合、材料費が比較的高い。これに対して、本実施形態の電流センサ5では、仕切り部504が形成されていることにより、樹脂充填部60の大きさが、仕切り部504が形成されていない場合と比較して、仕切り部504の大きさ分、小さくなる。このため、ウレタン等の樹脂の使用量が減少することから、電流センサ5のコストが削減する。
【0096】
[2-3]ケース50は、ケース対向面506を有する。ケース対向面506は、コア収容室502を形成する内面のうちコア20と長手方向DLに対向している面である。コア20は、コア面27を有する。コア面27は、コア20のうちケース対向面506とは反対側の表面である。樹脂充填部60は、コア面27を覆っているとともに仕切り部504を覆っていることにより互いに隣り合う樹脂充填部60と接続されている。なお、ケース対向面506は、第1対向面および第2対向面に相当する。コア面27は、第1コア面および第2コア面に相当する。
【0097】
これにより、コア20を覆っている樹脂充填部60の大きさが、仕切り部504を覆っていない場合と比較して大きくなる。このため、コア20が外部に露出することが抑制されている。
【0098】
[3-1]ここで、特許文献1に記載されているような電流センサのケースとコアとを固定する力が小さいと、ケースに対するコアの位置がずれやすい。また、コアの位置がずれると、コアに対するバスバおよびセンサチップの位置がずれる。これにより、磁界の変動および磁界の強さの検出位置の変化から、センサチップによる磁界の強さの検出精度が低下する。したがって、このとき、電流検出精度が低下する。
【0099】
これに対して、本実施形態の電流センサ5では、ケース50は、ケース対向面506と、ケース突起508と、を有する。ケース対向面506は、上記したように、コア収容室502を形成する内面のうちコア20と長手方向DLに対向している面である。ケース突起508は、ケース対向面506から長手方向DLに突出していることにより、ケース対向面506、および、コア20のうちケース対向面506と長手方向DLに対向している表面の間にて空間を形成する。樹脂充填部60は、コア収容室502を形成する内面およびコア20の表面の間に樹脂で形成されていることにより、コア収容室502を形成する内面およびコア20の表面と接続されているとともに、コア20を覆っている。また、樹脂充填部60は、ケース対向面506、および、コア20のうちケース対向面506と長手方向DLに対向している表面の間に形成されている。これにより、樹脂充填部60は、ケース対向面506、および、コア20のうちケース対向面506と長手方向DLに対向している表面と接続されている。
【0100】
ケース突起508により、ケース対向面506、および、コア20のうちケース対向面506と長手方向DLに対向している表面の間に空間が形成される。この空間に樹脂充填部60が形成されていることから、ケース対向面506およびコア20が接触または密着している場合と比較して、コア20およびケース50と、樹脂充填部60との接触面積が大きくなる。これにより、樹脂充填部60によるコア20およびケース50を固定する力が大きくなる。このため、ケース50に対するコア20の位置ずれが抑制されることから、コア20に対するバスバ10および検出素子31の位置ずれが抑制される。したがって、検出素子31による磁界の強さの検出精度が低下することが抑制される。よって、電流検出精度の低下が抑制される。
【0101】
[3-2]ケース突起508は、コア20と接触している。これにより、ケース50とコア20との位置決めがされやすくなる。
【0102】
[3-3]ケース突起508は、3つ以上形成されている。また、ケース突起508同士を結ぶ直線による平面が形成される。
【0103】
これにより、ケース突起508の数が1つまたは2つである場合と比較して、ケース突起508によってコア20が支持されやすくなる。このため、ケース50に対するコア20の位置ずれが抑制される。
【0104】
[4-1]ここで、上記したように、特許文献1に記載されているような電流センサのケースに対するコアの位置がずれると、コアに対するバスバおよびセンサチップの位置がずれる。これにより、磁界の変動および磁界の強さの検出位置の変化から、センサチップによる磁界の強さの検出精度が低下する。したがって、このとき、電流検出精度が低下する。
【0105】
これに対して、本実施形態の電流センサ5では、ケース50は、ケース突起508を有する。ケース突起508は、コア収容室502を形成する内面からコア20に向かって突出していることにより、コア20と接触している。ここでは、ケース突起508は、ケース対向面506から長手方向DLに突出していることにより、コア20と長手方向DLに接触している。
【0106】
これにより、ケース50とコア20との位置決めがされやすくなる。このため、ケース50に対するコア20の位置ずれが抑制されることから、コア20に対するバスバ10および検出素子31の位置ずれが抑制される。したがって、検出素子31による磁界の強さの検出精度が低下することが抑制される。よって、電流検出精度の低下が抑制される。
【0107】
[5-1]ここで、特許文献1に記載されているような電流センサのバスバに電流が流れると、バスバは、発熱する。バスバによって発生した熱により、ケース50が破損するおそれがある。
【0108】
これに対して、本実施形態の電流センサ5は、ケース50は、開口部512を有する。開口部512は、コア穴24に挿入されているとともにバスバ10が挿入されている。また、バスバ10は、第1バスバ突起131および第2バスバ突起132を有する。第1バスバ突起131は、第1側面111から開口部512に向かって突出していることにより、開口部512と接触している。第2バスバ突起132は、第2側面112から開口部512に向かって突出していることにより、開口部512と接触している。さらに、開口部512と、第1バスバ突起131および第2バスバ突起132との間には、空間が形成されている。なお、第1側面111および第2側面112は、開口部512と対向している面に対応する。
【0109】
これにより、バスバ10によって発生した熱がケース50に伝わりにくくなる。このため、ケース50の破損が抑制される。また、ケース50から検出素子31に熱が伝わりにくくなる。したがって、検出素子31に熱が伝わることが抑制される。よって、検出素子31の特性変化および故障が抑制される。
【0110】
[5-2]第1バスバ突起131は、第1接触部1310と、第1傾斜部1311と、を含む。第1接触部1310は、開口部512と接触している。第1傾斜部1311は、第1接触部1310と接続されているとともに、第1接触部1310との境界部から離れるにつれて第1バスバ突起131の大きさが小さくなる方向に傾斜している。また、第2バスバ突起132は、第2接触部1320と、第2傾斜部1321と、を含む。第2接触部1320は、開口部512と接触している。第2傾斜部1321は、第2接触部1320と接続されているとともに、第2接触部1320との境界部から離れるにつれて第2バスバ突起132の大きさが小さくなる方向に傾斜している。
【0111】
これにより、バスバ10を開口部512の空間に挿入するとき、バスバ10が第1傾斜部1311および第2傾斜部1321に案内される。このため、バスバ10が開口部512の空間に挿入されやすくなる。また、このことから、第1バスバ突起131および第2バスバ突起132と開口部512との接触による摩耗が抑制される。これにより、第1バスバ突起131および第2バスバ突起132と開口部512との接触による摩耗粉が締結部102に入り込むことが抑制される。したがって、締結部102と図示しないインバータ等の検出対象とを接続するときに、摩耗粉が噛みこむことでバスバ10が破損することが抑制される。
【0112】
[5-3]開口部512は、開口部面5120と、開口部突起5122と、を含む。開口部面5120は、バスバ10と対向している。開口部突起5122は、開口部面5120から第1バスバ突起131および第2バスバ突起132に向かって突出していることにより、第1バスバ突起131および第2バスバ突起132と接触している。
【0113】
これにより、ケース50とバスバ10との位置決めがされやすくなる。また、開口部突起5122がない場合と比較して、開口部512と、第1バスバ突起131および第2バスバ突起132との間の空間の大きさが大きくなる。このため、バスバ10によって発生した熱がケース50に伝わりにくくなる。したがって、ケース50から検出素子31に熱が伝わりにくくなる。よって、検出素子31に熱が伝わることが抑制されることから、検出素子31の特性変化および故障が抑制される。
【0114】
[5-4]開口部突起5122のヤング率は、第1バスバ突起131および第2バスバ突起132のヤング率よりも小さくなっている。
【0115】
これにより、開口部突起5122は、第1バスバ突起131および第2バスバ突起132よりも変形しやすいことから、バスバ10と図示しないインバータ等の検出対象とを接続する際のバスバ10の変形によって発生する応力エネルギーを吸収しやすい。このため、バスバ10、コア20および検出素子31を収容しているケース50にかかる応力が低減する。したがって、ケース50の破損が抑制される。
【0116】
[5-5]開口部突起5122は、突起接触部5124と、突起傾斜部5126と、を含む。突起接触部5124は、第1バスバ突起131および第2バスバ突起132と接触している。突起傾斜部5126は、突起接触部5124と接続されているとともに、突起接触部5124との境界部から離れるにつれて開口部突起5122の大きさが小さくなる方向に傾斜している。
【0117】
これにより、バスバ10を開口部512の空間に挿入するとき、バスバ10が突起傾斜部5126に案内される。このため、バスバ10が開口部512の空間に挿入されやすくなる。また、このことから、上記と同様に、第1バスバ突起131および第2バスバ突起132と開口部512との接触による摩耗が抑制される。
【0118】
[6-1]ここで、特許文献1に記載されているような電流センサでは、センサチップが接続されたプリント基板をケースにて収容することがある。この場合、ケースに対するプリント基板の位置がずれると、ケースに対するセンサチップの位置がずれる。また、センサチップの位置がずれると、センサチップに対するコアおよびバスバの位置がずれる。これにより、磁界の変動および磁界の強さの検出位置の変化から、センサチップによる磁界の強さの検出精度が低下する。したがって、このとき、電流検出精度が低下する。
【0119】
これに対して、本実施形態の電流センサ5では、基板40は、基板側面400と、基板凹部402と、を有する。基板凹部402は、基板側面400から凹んでいる。また、ケース50は、基板収容室510と、収容室対向面548と、基板用凹部550と、を有する。基板収容室510は、基板40を収容している。収容室対向面548は、基板収容室510を形成する面であって、基板40と対向している。基板用凹部550は、ケース凹部に相当しており、収容室対向面548から凹んでいる。さらに、基板用凹部550は、基板凹部402に対応する位置に形成されていることにより、基板凹部402と連通している。
【0120】
これにより、基板凹部402および基板用凹部550を目印とすることができるため、基板凹部402および基板用凹部550が形成されていない場合と比較して、基板40とケース50との位置決めがされやすい。例えば、
図22に示すように、基板用凹部550にピン等の治具Xを嵌め込み、この治具Xに基板凹部402を案内させることで、基板40とケース50とが取り付けやすくなるとともに、基板40とケース50との位置決めがされやすくなる。このため、ケース50に対する基板40の位置ずれが抑制される。したがって、ケース50に対する検出素子31の位置ずれが抑制される。よって、検出素子31に対するコア20およびバスバ10の位置ずれが抑制される。これにより、検出素子31による磁界の強さの検出精度が低下することが抑制される。したがって、電流検出精度の低下が抑制される。
【0121】
[6-2]基板凹部402および基板用凹部550は、3つ以上形成されている。また、基板凹部402同士を結ぶ直線による平面が形成されるとともに、基板用凹部550同士を結ぶ直線による平面が形成される。
【0122】
これにより、基板凹部402および基板用凹部550の位置を一意に決めることができる。このため、基板凹部402および基板用凹部550の数が1つまたは2つである場合と比較して、基板凹部402および基板用凹部550の位置合わせがされやすくなる。したがって、ケース50に対する基板40の位置ずれが抑制される。
【0123】
[7-1]ここで、上記したように、特許文献1に記載されているような電流センサに、センサチップが接続されたプリント基板をケースにて収容することがある。この場合、ケースに対するプリント基板の位置がずれると、ケースに対するセンサチップの位置がずれる。また、センサチップの位置がずれると、センサチップに対するコアおよびバスバの位置がずれる。これにより、磁界の変動および磁界の強さの検出位置の変化から、センサチップによる磁界の強さの検出精度が低下する。したがって、このとき、電流検出精度が低下する。
【0124】
これに対して、本実施形態の電流センサ5では、基板40は、基板穴404を有する。基板穴404は、基板40の内部を貫通している。また、ケース50は、基板収容室510と、収容室対向面548と、基板用凸部552と、を有する。基板収容室510は、上記したように、基板40を収容している。収容室対向面548は、上記したように、基板収容室510を形成する面であって、基板40と対向している。基板用凸部552は、ケース凸部に相当しており、収容室対向面548から基板穴404に向かって突出しているとともに、基板穴404に挿入されている。また、基板用凸部552は、凸部側面5520と、基板用鍔部5522と、を含む。凸部側面5520は、基板用凸部552が延びている方向、ここでは、厚み方向DTに延びている。基板用鍔部5522は、ケース鍔部に相当しており、凸部側面5520から、基板用凸部552が延びている方向と直交する方向、ここでは、厚み方向DTと直交する方向に延びている。また、基板用凸部552が延びている方向、ここでは、厚み方向DTにおいて、基板40が基板用鍔部5522および収容室対向面548の間に配置されているとともに基板40と基板用鍔部5522とが接触していることにより、基板40の移動が規制されている。
【0125】
これにより、ケース50に対する基板40の位置ずれが抑制される。このため、ケース50に対する検出素子31の位置ずれが抑制される。したがって、検出素子31に対するコア20およびバスバ10の位置ずれが抑制される。よって、検出素子31による磁界の強さの検出精度が低下することが抑制される。これにより、電流検出精度の低下が抑制される。
【0126】
[7-2]基板穴404および基板用鍔部5522は、3つ以上形成されている。また、基板穴404同士を結ぶ直線による平面が形成されるとともに、基板用鍔部5522同士を結ぶ直線による平面が形成される。
【0127】
これにより、基板穴404および基板用鍔部5522の数が1つまたは2つである場合と比較して、基板穴404および基板用鍔部5522が互いに支持されやすくなる。このため、ケース50に対する基板40の位置ずれが抑制される。
【0128】
[8-1]ここで、特許文献1に記載されているような電流センサのケースには、バスバとインバータ等の検出対象とを接続する際に発生する力等のケース外部からの力やバスバを流れる電流による発熱等によって応力がかかる。また、2つのバスバが幅方向に並んでいることから、幅方向におけるケースの長さは、長手方向におけるケースの長さよりも長くなっている。したがって、このとき、幅方向におけるケースの反り量、例えば、たわみ量は、長手方向におけるケースの反り量よりも大きくなる。さらに、ここで、特許文献1に記載されているような電流センサでは、接続端子が幅方向に間隔を空けて複数並べられている。この場合、幅方向におけるケースの反り量が大きいことから、ケースに応力がかかることによる接続端子の間隔の変化量が大きくなる。これにより、接続端子の位置がずれやすいことから、接続端子と外部装置との接続がされにくくなる。このため、接続端子と外部装置との接続不良が生じやすい。
【0129】
これに対して、本実施形態の電流センサ5では、幅方向DWにおけるケース50の長さは、長手方向DLにおけるケース50の長さよりも長くなっており、複数のターミナル70は、長手方向DLに間隔を空けて並んでいる。
【0130】
ケース50に応力がかかるとき、長手方向DLにおけるケース50の反り量が幅方向DWにおけるケース50の反り量よりも小さくなる。これにより、複数のターミナル70が幅方向DWに間隔を空けて並んでいる場合と比較して、ケース50に応力がかかることによるターミナル70の間隔の変化量が小さくなる。このため、ターミナル70の位置ずれが抑制される。したがって、ターミナル70と外部装置との接続がされやすくなる。よって、ターミナル70と外部装置の接続不良が抑制される。
【0131】
[8-2]ターミナル70は、基板40から厚み方向DTに延びていることにより、ケース50のうち基板40とは反対側の外面に相当する凹部底面572から突き出ている。
【0132】
これにより、厚み方向DTにおけるターミナル70の長さを固定したときに、
図23に示すような基板40からケース50とは反対側に延びている場合と比較して、電流センサ5の体格が小さくなる。したがって、電流センサ5の体格の大型化が抑制される。
【0133】
[8-3]複数のターミナル70が長手方向DLに間隔を空けて並んでいるとともに、幅方向DWにおける基板40の長さは、長手方向DLにおける基板40の長さよりも長くなっている。
【0134】
これにより、複数のターミナル70が幅方向DWに間隔を空けて並んでいる場合と比較して、ターミナル70と接続される基板40内の配線が、幅方向DWに延ばしやすくなることで迂回することが抑制される。このため、基板40内の配線レイアウトが複雑になることが抑制される。これによって、基板40内の互いに隣り合う配線の間隔が小さくなることが抑制される。このため、基板40内の配線が、互いに、電磁的妨害源となることが抑制されるとともに、電磁的な干渉を受けにくくなる。したがって、電流センサ5のEMCの欠如が抑制される。なお、EMCは、Electro Magnetic Compatibilityの略であって、電磁両立性を意味する。
【0135】
[9-1]ここで、特許文献1に記載されているような電流センサでは、バスバを流れる電流によって発生する磁界が接続端子を通過する。また、ここで、接続端子は、バスバを流れる電流の方向と直交する方向に間隔を空けて複数並べられている。さらに、バスバを流れる電流の方向と直交する方向の位置が異なることに伴って、バスバを流れる電流によって発生する磁界の強さは、異なる。このため、それぞれの接続端子が異なる強さの磁界の影響を受けることから、接続端子から出力される信号の精度が低下する。
【0136】
これに対して、本実施形態の電流センサ5では、複数のターミナル70は、バスバ10を流れる電流の方向、ここでは、長手方向DLに間隔を空けて並んでいる。
【0137】
ここで、バスバ10を流れる電流の方向と直交する方向の位置およびバスバ10を流れる電流の値を固定した場合、バスバ10を流れる電流の方向の位置が異なっても、バスバ10を流れる電流によって発生する磁界の強さは、同じとなりやすい。このため、複数のターミナル70がバスバ10を流れる電流の方向に間隔を空けて並んでいることで、それぞれのターミナル70に影響を与える磁界の強さは、同じとなりやすい。したがって、それぞれのターミナル70が同じ強さの磁界の影響を受けやすくなることから、それぞれのターミナル70が異なる強さの磁界の影響を受ける場合と比較して、ターミナル70から出力される信号の精度低下が抑制される。
【0138】
[10-1]ここで、特許文献1に記載されているような電流センサでは、接続端子がケースから突き出ている。接続端子がセンサチップやケースから外れると、センサチップからの信号が外部装置に出力されなくなる。
【0139】
これに対して、本実施形態の電流センサ5では、ターミナル70は、ターミナル側面700と、ターミナル鍔部702と、を有する。ターミナル側面700は、ターミナル70が延びている方向、ここでは、厚み方向DTに延びている。ターミナル鍔部702は、ターミナル側面700から、ターミナル70が延びている方向と直交する方向、ここでは、幅方向DWに延びている。また、ケース50は、ターミナル用穴560と、ターミナル用内面562と、ターミナル用凹部564と、を有する。ターミナル用穴560は、ケース穴に相当しており、ターミナル用穴560には、ターミナル70が挿入されている。ターミナル用内面562は、ケース内面に相当しており、ターミナル用穴560を形成しているとともに、ターミナル70が延びている方向と直交する方向、ここでは、幅方向DWにターミナル側面700と対向している。ターミナル用凹部564は、ケース凹部に相当しており、ターミナル用内面562からターミナル鍔部702が延びている方向、ここでは、幅方向DWに凹んでいる。また、ターミナル用凹部564は、ターミナル鍔部702と接触していることにより、ターミナル70の移動を規制している。
【0140】
これにより、ターミナル70の移動が規制されることから、ターミナル70が基板40またはケース50から抜けることが抑制される。このため、検出素子31からの信号が外部装置に出力されなくなることが抑制される。
【0141】
[10-2]ここで、ターミナル70は、比較的細い。このため、射出成形等にてケース50を成形するとともにターミナル70とケース50とを組み付ける際に、射出成形に用いる金型の押さえ、すなわち、ターミナル70に対する金型の位置決めが比較的困難である。また、ターミナル70は、曲げ加工等が比較的困難である。したがって、ターミナル70とケース50との組み付けは、比較的困難である。
【0142】
これに対して、本実施形態の電流センサ5では、ターミナル鍔部702は、露出部7020を含む。露出部7020は、ターミナル用凹部564から露出していることにより、外部に露出している。
【0143】
これにより、射出成形等にてケース50を成形するとともにターミナル70とケース50とを組み付ける際に、露出部7020を、射出成形に用いる金型の押さえ位置とすることができる。また、ターミナル鍔部702がターミナル側面700から延びているため、露出部7020は、ターミナル鍔部702が形成されていない場合と比較して大きい。このため、射出成形に用いる金型の押さえがしやすくなる。したがって、射出成形等にてケース50を成形するとともにターミナル70とケース50とを組み付けることがしやすくなる。
【0144】
[10-3]ターミナル70は、ターミナル鍔部702を中心としてターミナル70が延びている方向、ここでは、厚み方向DTにおいて対称に形成されている。なお、対称は、製造誤差範囲を含むものとする。
【0145】
これにより、ケース50に対するターミナル70の向きを誤ってターミナル70とケース50とを組み付けることが抑制される。また、ターミナル70とケース50とを組み付ける工程の管理が容易となるため、工程管理工数が削減される。
【0146】
[10-4]ターミナル70は、ターミナル穴704を有する。ターミナル穴704は、ターミナル鍔部702に囲まれているとともにターミナル鍔部702が延びている方向と直交する方向、ここでは、長手方向DLに延びている。また、ケース50は、ターミナル用凸部566を有する。ターミナル用凸部566は、挿入部に相当しており、ターミナル用内面562からターミナル穴704が延びている方向、ここでは、長手方向DLに突出しているとともにターミナル穴704に挿入されている。さらに、ターミナル用凸部566は、ターミナル鍔部702と接触していることにより、ターミナル70の移動を規制している。
【0147】
これにより、ターミナル70の移動が規制されるため、ターミナル70が基板40またはケース50から抜けることが抑制される。
【0148】
[11-1]ここで、特許文献1に記載されているような電流センサの接続端子に、電流センサの使用環境等による結露等によって発生する水等の液体が留まることで、接続端子が腐食する。接続端子が腐食すると、接続端子の腐食部分を起点として接続端子およびケースの間にて剥離が生じ、その剥離部分を起点としてケースにクラックが発生する。
【0149】
これに対して、本実施形態の電流センサ5では、ケース50は、液体抜き用凹部570と、液体排出部580と、を有する。液体抜き用凹部570は、収容凹部およびケース凹部に相当しており、ターミナル70の一部を収容している。液体排出部580は、液体抜き用凹部570の空間およびケース50の外部と連通していることにより、液体抜き用凹部570に流入する水等の液体をケース50の外部に排出する。
【0150】
これにより、液体抜き用凹部570に流入する水等の液体がターミナル70に留まることが抑制される。このため、ターミナル70の腐食が抑制される。したがって、ターミナル70およびケース50の間の剥離が抑制される。よって、ケース50のクラック発生が抑制される。
【0151】
[11-2]液体抜き用凹部570は、凹部底面572と、凹部側面574と、を含む。凹部底面572は、厚み方向DTと交差している。凹部側面574は、凹部底面572から厚み方向DTに延びていることにより、凹部底面572とで液体抜き用凹部570の空間を形成している。また、幅方向DWにおけるケース50の長さは、長手方向DLにおけるケース50の長さよりも長くなっている。また、液体排出部580は、凹部側面574を幅方向DWに貫通している。
【0152】
ここで、長手方向DLにおけるケース50の長さが幅方向DWにおけるケース50の長さよりも短いため、ケース50に応力がかかるとき、長手方向DLにおけるケース50の反り量は、幅方向DWにおけるケース50の反り量よりも小さくなる。このため、液体排出部580が凹部側面574を長手方向DLに貫通している場合と比較して、凹部側面574を幅方向DWに貫通する液体排出部580にかかる応力は、小さくなる。したがって、液体排出部580の破損が抑制される。
【0153】
[11-3]ここで、ケース50が樹脂で形成されている場合にケース50に水等の液体が留まることで、加水分解が生じることにより、ケース50が劣化する。
【0154】
これに対して、本実施形態の電流センサ5では、液体排出部580が液体抜き用凹部570に流入する水等の液体をケース50の外部に排出するとともに、ケース50は、樹脂で形成されている。
【0155】
これにより、水等の液体がケース50に留まることが抑制される。このため、加水分解の発生が抑制される。したがって、ケース50の劣化が抑制される。
【0156】
(第2実施形態)
第2実施形態では、第2延長部122および第4延長部124の形態が第1実施形態と異なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0157】
具体的には、
図24および
図25に示すように、第2延長部122および第4延長部124は、直線状であることに代えて、円弧状に形成されている。
【0158】
以上のように、第2実施形態の電流センサ5は、構成されている。この第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0159】
(第3実施形態)
第3実施形態では、
図26および
図27に示すように、ケース50の形態が第1実施形態と異なる。また、第2延長部122および第4延長部124の形態が第1実施形態と異なる。これら以外は、第1実施形態と同様である。
【0160】
ケース50は、バスバ挿入側ケース外面590、第1ケース延長部581、第1爪部591、第2ケース延長部582および第2爪部592をさらに有する。
【0161】
バスバ挿入側ケース外面590は、ケース50のうち長手方向DLを向いている外面である。また、バスバ挿入側ケース外面590は、ケース50のうち長手方向DLと直交する面であって、ケース50のうち長手方向DLと交差している面に対応する。
【0162】
第1ケース延長部581、第1爪部591、第2ケース延長部582および第2爪部592は、スナップフィットを構成している。
【0163】
具体的には、第1ケース延長部581は、バスバ挿入側ケース外面590のうちから長手方向DLに延びている。また、ここでは、第1ケース延長部581は、第2延長部122よりも幅方向DW外側に位置している。
【0164】
第1爪部591は、第1ケース延長部581のうちバスバ挿入側ケース外面590と反対側と接続されている。また、第1爪部591は、第1ケース延長部581から第1ケース延長部581が延びている方向と交差する方向に延びている。ここでは、第1爪部591は、第1ケース延長部581から幅方向DWに延びている。
【0165】
第2ケース延長部582は、バスバ挿入側ケース外面590のうちから長手方向DLに延びている。また、ここでは、第2ケース延長部582は、第4延長部124よりも幅方向DW外側に位置している。
【0166】
第2爪部592は、第2ケース延長部582のうちバスバ挿入側ケース外面590と反対側と接続されている。また、第2爪部592は、第2ケース延長部582から第2ケース延長部582が延びている方向と交差する方向に延びている。ここでは、第2爪部592は、第2ケース延長部582から幅方向DWに延びている。
【0167】
第2延長部122は、第1爪部用凹部141をさらに有する。第1爪部用凹部141は、第1爪部591に対応する形状に形成されている。
【0168】
第4延長部124は、第2爪部用凹部142をさらに有する。第2爪部用凹部142は、第2爪部592に対応する形状に形成されている。
【0169】
ここで、
図28に示すように、バスバ10がケース50に挿入されると、第1ケース延長部581および第2ケース延長部582が弾性変形する。さらに、バスバ10とケース50とを近づけると、
図27に示すように、第1爪部591と第1爪部用凹部141とが接触するとともに、第2爪部592と第2爪部用凹部142とが接触する。これにより、長手方向DLおよび幅方向DWにおけるバスバ10の移動が規制される。
【0170】
以上のように、第3実施形態の電流センサ5は、構成されている。この第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第3実施形態では、下記に記載する効果も奏する。
【0171】
[12-1]ここで、特許文献1に記載されているような電流センサのバスバをボルト等により検出対象と接続する際に、ケースに対するバスバの位置がずれると、バスバと検出対象との接続がしにくい。また、ケースとバスバとをねじ止め等により固定する場合、その固定力によりケースに応力がかかる。このため、バスバと検出対象と接続する際、その固定力による応力に、バスバと検出対象と接続する際に生じる応力が加わることから、ケースにかかる応力が大きくなる。したがって、ケースとバスバとをねじ止め等により固定する場合、ケースが破損しやすい。
【0172】
これに対して、第3実施形態の電流センサ5では、ケース50は、バスバ挿入側ケース外面590、第1ケース延長部581、第1爪部591、第2ケース延長部582および第2爪部592をさらに有する。バスバ挿入側ケース外面590は、ケース50のうち長手方向DLと交差している外面である。第1ケース延長部581および第2ケース延長部582は、バスバ挿入側ケース外面590から長手方向DLに延びている。第1爪部591は、第1ケース延長部581と接続されているとともに、第1ケース延長部581から、第1ケース延長部581が延びている方向と交差する方向、ここでは、幅方向DWに延びている。第2爪部592は、第2ケース延長部582と接続されているとともに、第2ケース延長部582から、第2ケース延長部582が延びている方向と交差する方向、ここでは、幅方向DWに延びている。また、第1爪部591は、第2延長部122と接触していることにより、幅方向DWおよび長手方向DLにおけるバスバ10の移動を規制している。さらに、第2爪部592は、第4延長部124と接触していることにより、幅方向DWおよび長手方向DLにおけるバスバ10の移動を規制している。
【0173】
これにより、ケース50に対するバスバ10の位置がずれにくくなる。このため、バスバ10と検出対象との接続がしやすくなる。また、第1爪部591と第2延長部122との接触力、および、第2爪部592と第4延長部124の接触力は、ねじ止め等による固定力と比較して小さい。したがって、ねじ止め等によりバスバ10とケース50とが固定されている場合と比較して、ケース50にかかる応力が小さい。よって、ケース50の破損が抑制される。
【0174】
[12-2]第1ケース延長部581および第2ケース延長部582は、バスバ10がケース50に挿入されるとき、変形する。
【0175】
これにより、ワンアクションで、バスバ10がケース50に挿入されやすくなる。このため、バスバ10とケース50との組み付けがしやすくなる。
【0176】
(第3実施形態の変形例)
第3実施形態において、
図29に示すように、第2延長部122は、第1爪部用凹部141を有していなくてもよい。さらに、第4延長部124は、第2爪部用凹部142を有していなくてもよい。このような形態であっても、第3実施形態と同様の効果を奏する。
【0177】
また、
図30に示すように、第1ケース延長部581は、第2延長部122よりも幅方向DW外側に位置していることに代えて、第2延長部122よりも厚み方向DT外側に位置していてもよい。この場合、第1爪部591は、第1ケース延長部581から厚み方向DTに延びている。さらに、第2ケース延長部582は、第4延長部124よりも幅方向DW外側に位置していることに代えて、第4延長部124よりも厚み方向DT外側に位置していてもよい。この場合、第2爪部592は、第2ケース延長部582から厚み方向DTに延びている。このような形態であっても、第3実施形態と同様の効果を奏する。
【0178】
また、
図31に示すように、第1爪部591は、第2延長部122と接触することに代えて、第1延長部121と接触することにより、長手方向DLおよび幅方向DWにおけるバスバ10の移動を規制してもよい。さらに、第2爪部592は、第4延長部124と接触することに代えて、第3延長部123と接触することにより、長手方向DLおよび幅方向DWにおけるバスバ10の移動を規制してもよい。このような形態であっても、第3実施形態と同様の効果を奏する。
【0179】
(第4実施形態)
第4実施形態では、バスバ10の形態が第1実施形態と異なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0180】
具体的には、
図32および
図33に示すように、バスバ10は、第1中間部151および第2中間部152をさらに有する。
【0181】
第1中間部151は、第1延長部121のうち第1側面111とは反対側と接続されている。また、第1中間部151は、第1延長部121から、第1延長部121が延びている方向と交差する方向、ここでは、厚み方向DTに延びている。さらに、第2延長部122が、第1中間部151のうち第1延長部121とは反対側と接続されている。また、第2延長部122は、第1中間部151から、第1中間部151が延びている方向と交差する方向、ここでは、長手方向DLに延びている。なお、ここでは、第1中間部151は、第1延長部121が延びている方向と交差する方向に延びる直線状に形成されているところ、これに限定されない。第1中間部151は、例えば、湾曲形状や波形状等に形成されてもよい。
【0182】
第2中間部152は、第3延長部123のうち第2側面112とは反対側と接続されている。また、第2中間部152は、第3延長部123から、第3延長部123が延びている方向と交差する方向、ここでは、厚み方向DTに延びている。さらに、第4延長部124が、第2中間部152のうち第3延長部123とは反対側と接続されている。また、第4延長部124は、第2中間部152から、第2中間部152が延びている方向と交差する方向、ここでは、長手方向DLに延びている。なお、ここでは、第2中間部152は、第3延長部123が延びている方向と交差する方向に延びる直線状に形成されているところ、これに限定されない。第2中間部152は、例えば、湾曲形状や波形状等に形成されてもよい。
【0183】
以上のように、第4実施形態の電流センサ5は、構成されている。この第4実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0184】
(第5実施形態)
第5実施形態では、バスバ10は、
図34および
図35に示すように、第1延長部121、第2延長部122、第3延長部123および第4延長部124を有していない。また、電流センサ5は、変形部材80をさらに備える。これら以外は、第1実施形態と同様である。
【0185】
変形部材80は、開口部512および電流経路部100の間に形成されていることにより、開口部512に覆われているとともに、電流経路部100を覆っている。このため、変形部材80は、開口部512のうちバスバ10と厚み方向DTに対向している面に相当する開口部面5120、および、バスバ10の間に形成されている。また、変形部材80は、バスバ10が厚み方向DTに変形するとき、バスバ10とともに厚み方向DTに変形する、例えば、圧縮および伸長する。さらに、変形部材80は、ゴム等の弾性材料で形成されている。これにより、変形部材80のヤング率がバスバ10のヤング率よりも小さくなっている。また、変形部材80の熱伝導率がバスバ10の熱伝導率よりも小さくなっている。なお、変形部材80のヤング率および熱伝導率は、例えば、変形部材80の材料のヤング率および熱伝導率からそれぞれ推定される。さらに、バスバ10のヤング率および熱伝導率は、例えば、バスバ10の材料のヤング率および熱伝導率からそれぞれ推定される。
【0186】
上記したように、変形部材80のヤング率は、バスバ10のヤング率よりも小さくなっている。このため、変形部材80は、バスバ10よりも変形しやすいことから、バスバ10と図示しないインバータ等の検出対象とを接続する際のバスバ10の変形によって発生する応力エネルギーを吸収しやすい。このため、バスバ10の一部、コア20および検出素子31を収容しているケース50にかかる応力が低減する。したがって、ケース50の破損が抑制される。
【0187】
以上のように、第5実施形態の電流センサ5は、構成されている。この第5実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0188】
(第6実施形態)
第6実施形態では、バスバ10が、
図36に示すように、第1延長部121、第2延長部122、第3延長部123および第4延長部124に代えて、第1バスバ凹部161および第2バスバ凹部162を有する。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0189】
第1バスバ凹部161は、第1凹部に相当しており、第1側面111のうち電流経路部100がケース50から突き出ている部分の範囲から幅方向DWに凹んでいる。これにより、電流経路部100のうち第1バスバ凹部161と幅方向DWに隣接する部位は、第1バスバ凹部161が形成されていない部位と比較して、断面積が小さくなっていることから、応力が大きくなるため、変形しやすくなっている。なお、第1バスバ凹部161は、電流経路部100の内部から厚み方向DTに凹んでいてもよい。また、第1バスバ凹部161に代えて、電流経路部100の内部から厚み方向DTに延びる貫通穴が形成されてもよい。
【0190】
第2バスバ凹部162は、第2凹部に相当しており、第2側面112のうち電流経路部100がケース50から突き出ている部分の範囲から幅方向DWに凹んでいる。これにより、電流経路部100のうち第2バスバ凹部162と幅方向DWに隣接する部位は、第2バスバ凹部162が形成されていない部位と比較して、断面積が小さくなっていることから、応力が大きくなるため、変形しやすくなっている。なお、第2バスバ凹部162は、電流経路部100の内部から厚み方向DTに凹んでいてもよい。また、第2バスバ凹部162に代えて、電流経路部100の内部から厚み方向DTに延びる貫通穴が形成されてもよい。
【0191】
これらにより、バスバ10は、変形しやすいことから、バスバ10と図示しないインバータ等の検出対象とを接続する際のバスバ10の変形によって発生する応力エネルギーを吸収しやすい。このため、バスバ10の一部、コア20および検出素子31を収容しているケース50にかかる応力が低減する。したがって、ケース50の破損が抑制される。
【0192】
以上のように、第6実施形態の電流センサ5は、構成されている。この第6実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0193】
(第7実施形態)
第7実施形態では、ケース突起508の形態が第1実施形態と異なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0194】
具体的には、ケース突起508は、
図37に示すように、ケース対向面506から長手方向DLに突出していることに代えて、対向面5020から幅方向DWおよび厚み方向DTに突出している。これにより、ケース突起508は、コア20と接触している。なお、対向面5020は、コア収容室502を形成する内面のうちコア20と幅方向DWおよび厚み方向DTに対向している面である。
【0195】
以上のように、第7実施形態の電流センサ5は、構成されている。この第7実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0196】
(第8実施形態)
第8実施形態では、バスバ10は、第1バスバ突起131および第2バスバ突起132を有することに代えて、バスバ突起133を有する。また、開口部512は、開口部突起5122を有しない。これら以外は、第1実施形態と同様である。
【0197】
バスバ突起133は、
図38に示すように、電流経路部100のうち厚み方向DTと直交する面から厚み方向DTに突出している。これにより、バスバ突起133は、開口部512と接触している。このため、開口部512およびバスバ10の間には、空間が形成されている。
【0198】
以上のように、第8実施形態の電流センサ5は、構成されている。この第8実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0199】
(第9実施形態)
第9実施形態では、電流センサ5の配置が第1実施形態と異なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0200】
具体的には、
図39に示すように、ギャップ213は、バスバ10よりも地面G側に配置されている。また、検出素子31、リード線35および基板40は、バスバ10よりも地面G側に配置されている。
【0201】
また、
図40に示すように、液体排出部580は、排出部面5800を含む。排出部面5800は、液体排出部580のうち厚み方向DTと直交する面であって、厚み方向DTと交差している面に対応する。さらに、排出部面5800は、凹部底面572と接続されている。また、排出部面5800は、露出部7020よりも地面G側に配置されている。
【0202】
以上のように、第9実施形態の電流センサ5は、構成されている。この第9実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第9実施形態では、下記に記載する効果も奏する。
【0203】
[13-1]ここで、バスバ10を流れる電流によって生じる発熱による熱対流は、空気に密度が小さくなるため、地面Gとは反対側、すなわち、天側に流れやすい。
【0204】
これに対して、第9実施形態の電流センサ5では、検出素子31、リード線35および基板40は、バスバ10よりも地面G側に配置されている。
【0205】
これにより、検出素子31、リード線35および基板40は、天側とは反対側に配置される。このため、バスバ10を流れる電流によって生じる発熱による熱対流の熱が検出素子31、リード線35および基板40に伝達されにくくなる。したがって、検出素子31、リード線35および基板40の破損が抑制される。
【0206】
[13-2]排出部面5800は、露出部7020よりも地面G側に配置されている。これにより、露出部7020に留まる水等の液体が重力によって排出部面5800を経由して排出されやすくなる。よって、露出部7020の腐食が抑制されることから、ターミナル70の腐食が抑制される。
【0207】
(第10実施形態)
第10実施形態では、
図41に示すように、基板40は、基板凹部402を有しない。また、基板穴404が、基板用凹部550と厚み方向DTに連通している。これら以外は、第1実施形態と同様である。この第10実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0208】
(第11実施形態)
第11実施形態では、
図42に示すように、基板用凸部552は、基板穴404に挿入されていることに代えて、基板凹部402に挿入されている。これ以外は、第1実施形態と同様である。この第11実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0209】
(第12実施形態)
第12実施形態では、
図43に示すように、ターミナル70は、ターミナル鍔部702およびターミナル穴704に代えて、ターミナル凹部706を有する。また、ケース50は、ターミナル用凹部564に代えて、ターミナル用鍔部568を有する。これら以外は、第1実施形態と同様である。
【0210】
ターミナル凹部706は、ターミナル側面700から、ターミナル70が延びている方向と直交する方向、ここでは、幅方向DWに凹んでいる。
【0211】
ターミナル用鍔部568は、ケース鍔部に相当しており、ターミナル用内面562からターミナル凹部706が凹んでいる方向、ここでは、幅方向DWに突出している。また、ターミナル用鍔部568は、ターミナル凹部706と接触していることにより、ターミナル70の移動を規制している。
【0212】
以上のように、第12実施形態の電流センサ5は、構成されている。この第12実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0213】
(他の実施形態)
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対して、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0214】
上記各実施形態では、電流センサ5は、インバータに用いられるところ、これに限定されないで、例えば、BMSに用いられてもよい。なお、BMSは、Battery Management Systemの略である。
【0215】
上記各実施形態では、バスバ10の幅は、バスバ10の厚みよりも大きくなっているところ、これに限定されない。バスバ10の厚みが、バスバ10の幅よりも大きくなっていてもよい。
【0216】
上記各実施形態では、コア20は、板状の軟磁性材料がC字状に曲げ加工されることにより形成されているところ、これに限定されない。例えば、コア20は、板状の軟磁性材料がワイヤカットされることにより形成されてもよい。また、コア20は、シート状の軟磁性材料が巻き付けられることにより形成されてもよい。この場合、軟磁性材料間の剥離を防ぐために接着材料が用いられる。さらに、コア20は、シート状の軟磁性材料が重ね合わされて積層されることにより形成されてもよい。この場合、複数の軟磁性材料がプレス加工されることによりシート状に形成され、シート状の軟磁性材料がダボカシメされることにより、積層される。
【0217】
また、コア20が板状のパーマロイで積層されたとする。このとき、コア20が板状の方向性電磁鋼板で積層されるときと比較して、コア20のヒステリシス特性が向上する。さらに、コア20が板状の方向性電磁鋼板で形成されたとする。このとき、コア20がパーマロイで形成されるときと比較して、材料費が削減されるため、電流センサ5のコストを削減することができる。
【0218】
上記各実施形態では、第1端面211および第2端面212は、平面状に形成されているところ、これに限定されない。第1端面211および第2端面212は、球面状および曲面状に形成されてもよい。
【0219】
上記各実施形態では、バスバ10は、板状に形成されているところ、これに限定されないで、棒状や柱状等に形成されてもよい。したがって、ここでは、バスバ10が板状に形成されていることは、バスバ10が棒状や柱状等に形成されていることの意味も含むものとする。
【0220】
上記各実施形態は、適宜組み合わされてもよい。
【0221】
(本開示の観点)
上記の通りの実施形態および変形例についての説明から明らかなように、本明細書による開示は、少なくとも、以下の観点を含む。
【0222】
(課題)
発明者等の検討によれば、特許文献1に記載されているような電流センサのバスバをボルト等により検出対象と接続する際にバスバが変形する。このとき、バスバに応力がかかることにより、バスバを収容しているケースに応力がかかる。これにより、ケースが破損するおそれがある。
本開示は、ケースの破損を抑制する電流センサを提供することを目的とする。
【0223】
[観点1-1]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れる電流経路部(100)を有するバスバ(10)と、
前記電流経路部が挿入されているコア穴(24)と、前記電流経路部の幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記電流経路部の厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記電流経路部を流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記バスバの一部、前記コアおよび前記検出素子を収容しているケース(50)と、
を備え、
前記バスバは、
前記電流経路部のうち前記幅方向と交差している面である側面(111)と、
前記側面のうち前記電流経路部が前記ケースから突き出ている部分の範囲から前記幅方向に延びている第1延長部(121)と、
前記第1延長部と接続されているとともに前記第1延長部が延びている方向と交差する方向に延びている第2延長部(122)と、
を有し、
前記第2延長部は、前記電流経路部が前記厚み方向に変形するとき、前記ケースと接触しながら前記厚み方向に変形する電流センサ。
[観点1-2]
前記側面は、第1側面であって、
前記バスバは、
前記電流経路部のうち前記第1側面とは反対側に位置しているとともに前記幅方向と交差している面である第2側面(112)と、
前記第2側面のうち前記電流経路部が前記ケースから突き出ている部分の範囲から前記幅方向に延びている第3延長部(123)と、
前記第3延長部と接続されているとともに前記第3延長部が延びている方向と交差する方向に延びている第4延長部(124)と、
を有し、
前記第4延長部は、前記電流経路部が前記厚み方向に変形するとき、前記ケースと接触しながら前記厚み方向に変形する観点1-1に記載の電流センサ。
[観点1-3]
前記ケースは、
前記ケースのうち前記電流経路部の長手方向(DL)と交差している外面であるケース外面(590)と、
前記ケース外面から前記長手方向に延びているケース延長部(581)と、
前記ケース延長部と接続されているとともに、前記ケース延長部から前記ケース延長部が延びている方向と交差する方向に延びている爪部(591)と、
を有し、
前記爪部は、前記第2延長部と接触していることにより、前記幅方向および前記長手方向における前記バスバの移動を規制している観点1-1または1-2に記載の電流センサ。
[観点1-4]
前記ケース延長部は、前記バスバが前記ケースに挿入されるとき、変形する観点1-3に記載の電流センサ。
[観点1-5]
前記ケース延長部は、前記第2延長部よりも前記幅方向外側に位置しており、
前記爪部は、前記ケース延長部から前記幅方向に延びている観点1-3または1-4に記載の電流センサ。
[観点1-6]
前記ケースは、
前記ケースのうち前記電流経路部の長手方向(DL)と交差している外面であるケース外面(572)と、
前記ケース外面から前記長手方向に延びているケース延長部(581)と、
前記ケース延長部と接続されているとともに、前記ケース延長部から前記ケース延長部が延びている方向と交差する方向に延びている爪部(591)と、
を有し、
前記爪部は、前記第1延長部と接触していることにより、前記幅方向および前記長手方向における前記バスバの移動を規制している観点1-1または1-2に記載の電流センサ。
[観点1-7]
前記ケースは、
前記第2延長部の少なくとも一部が挿入されている穴(531)と、
前記穴を形成しているとともに、前記幅方向および前記厚み方向に前記第2延長部と対向している内面(521)と、
前記内面から前記第2延長部に向かって突出していることにより、前記第2延長部と接触している突起(541)と、
を有する観点1-1ないし1-6のいずれか1つに記載の電流センサ。
[観点1-8]
前記幅方向における前記第2延長部の長さは、前記幅方向における前記電流経路部の長さよりも短くなっている観点1-1ないし1-7のいずれか1つに記載の電流センサ。
[観点1-9]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れる電流経路部(100)を有するバスバ(10)と、
前記電流経路部が挿入されているコア穴(24)と、前記電流経路部の幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記電流経路部の厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記電流経路部を流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記バスバの一部、前記コアおよび前記検出素子を収容しているケース(50)と、
を備え、
前記バスバは、
前記電流経路部のうち前記幅方向と交差している面である側面(111)と、
前記側面のうち前記電流経路部が前記ケースから突き出ている部分の範囲から前記幅方向に延びている第1延長部(121)と、
前記第1延長部と接続されているとともに前記第1延長部が延びている方向と交差する方向に延びている第2延長部(122)と、
を有し、
前記電流経路部の長手方向(DL)と直交する方向に切断したときの前記第2延長部の断面積は、前記長手方向と直交する方向に切断したときの前記電流経路部の断面積よりも小さくなっている電流センサ。
[観点1-10]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れる電流経路部(100)を有するバスバ(10)と、
前記電流経路部が挿入されているコア穴(24)と、前記電流経路部の幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記電流経路部の厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記電流経路部を流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記バスバの一部、前記コアおよび前記検出素子を収容しているケース(50)と、
を備え、
前記バスバは、
前記電流経路部のうち前記幅方向と交差している面である側面(111)と、
前記側面のうち前記電流経路部が前記ケースから突き出ている部分の範囲から前記幅方向に延びている第1延長部(121)と、
前記第1延長部と接続されているとともに前記第1延長部が延びている方向と交差する方向に延びている中間部(151)と、
前記中間部と接続されているとともに前記中間部が延びている方向と交差する方向に延びている第2延長部(122)と、
を有し、
前記第2延長部は、前記電流経路部が前記厚み方向に変形するとき、前記ケースと接触しながら前記厚み方向に変形する電流センサ。
【0224】
[観点2-1]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れるバスバ(10)と、
前記バスバが挿入されているコア穴(24)と、前記バスバの幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記バスバを流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記検出素子を収容している収容室(510)と、前記コア穴に挿入されているとともに前記バスバが挿入されている開口部(512)と、を有するケース(50)と、
前記開口部のうち前記バスバと前記厚み方向に対向している面(5120)および前記バスバの間に形成されている変形部材(80)と、
を備え、
前記変形部材は、前記バスバが前記厚み方向に変形するとき、前記バスバとともに前記厚み方向に変形し、
前記変形部材のヤング率は、前記バスバのヤング率よりも小さくなっている電流センサ。
【0225】
[観点3-1]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れるバスバ(10)と、
前記バスバが挿入されているコア穴(24)と、前記バスバの幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記バスバを流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記バスバの一部、前記コアおよび前記検出素子を収容しているケース(50)と、
を備え、
前記バスバは、
前記バスバのうち前記幅方向と交差している面である側面(111)と、
前記側面のうち前記バスバが前記ケースから突き出ている部分の範囲から前記幅方向に凹んでいる凹部(161)と、
を有する電流センサ。
[観点3-2]
前記側面は、第1側面であって、
前記凹部は、第1凹部であって、
前記バスバは、
前記バスバのうち前記第1側面とは反対側に位置しているとともに前記幅方向と交差している面である第2側面(112)と、
前記第2側面のうち前記バスバが前記ケースから突き出ている部分の範囲から前記幅方向に凹んでいる第2凹部(162)と、
を有する観点3-1に記載の電流センサ。
【0226】
(課題)
発明者等の検討によれば、特許文献1に記載されているような電流センサのケースには、バスバとインバータ等の検出対象とを接続する際に発生する力等のケース外部からの力やバスバを流れる電流による発熱等によって応力がかかる。また、複数のバスバ、コアおよびセンサチップをケース内に収容するとき、ケース内の空間を大きくする必要がある。このため、ケースの剛性が低下する。これにより、ケースにかかる応力によって、ケースの反り等の変形が生じやすい。
本開示は、ケースの剛性を向上させる電流センサを提供することを目的とする。
【0227】
[観点4-1]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れる第1バスバ(10)と、
前記第1バスバが挿入されている第1コア穴(24)と、前記第1バスバの幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記第1コア穴と外部とに連通している第1ギャップ(213)を含む第1ギャップ形成部(21)と、前記第1ギャップ形成部に接続されているとともに前記第1バスバの厚み方向(DT)に延びている第1コア横部(22)と、前記第1コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記第1ギャップ形成部および前記第1コア横部とで前記第1コア穴を形成する第1コア底部(23)と、を有する第1コア(20)と、
前記第1ギャップに配置されているとともに、前記第1バスバを流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する第1検出素子(31)と、
板状に形成されているとともに電流が流れる第2バスバ(10)と、
前記第2バスバが挿入されている第2コア穴(24)と、前記幅方向(DW)を向いている第3端面(211)、前記第3端面と前記幅方向に対向している第4端面(212)、および、前記第3端面と前記第4端面とによって形成されているとともに前記第2コア穴と外部とに連通している第2ギャップ(213)を含む第2ギャップ形成部(21)と、前記第2ギャップ形成部に接続されているとともに前記厚み方向(DT)に延びている第2コア横部(22)と、前記第2コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記第2ギャップ形成部および前記第2コア横部とで前記第2コア穴を形成する第2コア底部(23)と、を有する第2コア(20)と、
前記第2ギャップに配置されているとともに、前記第2バスバを流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する第2検出素子(31)と、
前記第1バスバ、前記第1コア、前記第1検出素子、前記第2バスバ、前記第2コアおよび前記第2検出素子を収容しているケース(50)と、
を備え、
前記第1コアおよび前記第2コアは、前記幅方向に間隔を空けて並んでおり、
前記ケースは、
前記第1コアを収容している第1収容室(502)と、
前記第2コアを収容している第2収容室(502)と、
前記第1収容室と前記第2収容室とを仕切っている仕切り部(504)と、
を有する電流センサ。
[観点4-2]
前記第1収容室を形成する内面および前記第1コアの表面の間に樹脂で形成されていることにより、前記第1収容室を形成する内面および前記第1コアの表面と接続されているとともに、前記第1コアを覆っている第1樹脂部(60)と、
前記第2収容室を形成する内面および前記第2コアの表面の間に樹脂で形成されていることにより、前記第2収容室を形成する内面および前記第2コアの表面と接続されているとともに、前記第2コアを覆っている第2樹脂部(60)と、
を備える観点4-1に記載の電流センサ。
[観点4-3]
前記ケースは、
前記第1収容室を形成する内面のうち前記第1コアと前記第1バスバの長手方向(DL)に対向している面である第1対向面(506)と、
前記第2収容室を形成する内面のうち前記第2コアと前記長手方向に対向している面である第2対向面(506)と、
を有し、
前記第1コアは、前記第1コアのうち前記第1対向面とは反対側の表面である第1コア面(27)を有し、
前記第2コアは、前記第2コアのうち前記第2対向面とは反対側の表面である第2コア面(27)を有し、
前記第1樹脂部は、前記第1コア面を覆っているとともに、前記仕切り部を覆っており、
前記第2樹脂部は、前記第2コア面を覆っているとともに、前記仕切り部を覆っており、前記第1樹脂部と接続されている観点4-2に記載の電流センサ。
【0228】
(課題)
発明者等の検討によれば、特許文献1に記載されているような電流センサのケースとコアとを固定する力が小さいと、ケースに対するコアの位置がずれやすい。また、コアの位置がずれると、コアに対するバスバおよびセンサチップの位置がずれる。これにより、磁界の変動および磁界の強さの検出位置の変化から、センサチップによる磁界の強さの検出精度が低下する。したがって、このとき、電流検出精度が低下する。
本開示は、電流検出精度の低下を抑制する電流センサを提供することを目的とする。
【0229】
[観点5-1]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れるバスバ(10)と、
前記バスバが挿入されているコア穴(24)と、前記バスバの幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記バスバを流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記コアを収容しているコア収容室(502)を有するケース(50)と、
前記コア収容室を形成する内面および前記コアの表面の間に樹脂で形成されていることにより、前記コア収容室を形成する内面および前記コアの表面と接続されているとともに、前記コアを覆っている樹脂充填部(60)と、
を備え、
前記ケースは、
前記コア収容室を形成する内面のうち前記コアと前記バスバの長手方向(DL)に対向している面であるケース対向面(506)と、
前記ケース対向面から前記長手方向に突出していることにより、前記ケース対向面および前記コアのうち前記ケース対向面と前記長手方向に対向している表面の間にて空間を形成するケース突起(508)と、
を有し、
前記樹脂充填部は、前記ケース対向面および前記コアのうち前記ケース対向面と前記長手方向に対向している表面の間に形成されていることにより、前記ケース対向面、および、前記コアのうち前記ケース対向面と前記長手方向に対向している表面と接続されている電流センサ。
[観点5-2]
前記ケース突起は、前記コアと接触している観点5-1に記載の電流センサ。
[観点5-3]
前記ケース突起は、3つ以上形成されており、
前記ケース突起同士を結ぶ直線による平面が形成される観点5-2に記載の電流センサ。
【0230】
(課題)
発明者等の検討によれば、特許文献1に記載されているような電流センサのケースに対するコアの位置がずれると、コアに対するバスバおよびセンサチップの位置がずれる。これにより、磁界の変動および磁界の強さの検出位置の変化から、センサチップによる磁界の強さの検出精度が低下する。したがって、このとき、電流検出精度が低下する。
本開示は、電流検出精度の低下を抑制する電流センサを提供することを目的とする。
【0231】
[観点6-1]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れるバスバ(10)と、
前記バスバが挿入されているコア穴(24)と、前記バスバの幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記バスバを流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記コアを収容しているコア収容室(502)を有するケース(50)と、
を備え、
前記ケースは、ケース突起(508)を有し、
前記ケース突起は、前記コア収容室を形成する内面から前記コアに向かって突出していることにより、前記コアと接触している電流センサ。
[観点6-2]
前記ケースは、前記コア収容室を形成する内面のうち前記コアと前記バスバの長手方向(DL)に対向している面であるケース対向面(506)を有し、
前記ケース突起は、前記ケース対向面から前記長手方向に突出していることにより、前記コアと前記長手方向に接触している観点6-1に記載の電流センサ。
[観点6-3]
前記ケース突起は、前記コア収容室を形成する内面のうち前記幅方向に前記コアと対向している面(5020)から前記幅方向に突出していることにより、前記コアと前記幅方向に接触している観点6-1に記載の電流センサ。
[観点6-4]
前記ケース突起は、前記コア収容室を形成する内面のうち前記厚み方向に前記コアと対向している面(5020)から前記厚み方向に突出していることにより、前記コアと前記厚み方向に接触している観点6-1に記載の電流センサ。
[観点6-5]
前記ケース突起は、3つ以上形成されており、
前記ケース突起同士を結ぶ直線による平面が形成される観点6-1ないし6-4のいずれか1つに記載の電流センサ。
【0232】
(課題)
発明者等の検討によれば、特許文献1に記載されているような電流センサのバスバに電流が流れると、バスバは、発熱する。バスバによって発生した熱により、ケースが破損するおそれがある。
本開示は、ケースの破損を抑制する電流センサを提供することを目的とする。
【0233】
[観点7-1]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れるバスバ(10)と、
前記バスバが挿入されているコア穴(24)と、前記バスバの幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記バスバを流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記バスバ、前記コアおよび前記検出素子を収容しているケース(50)と、
を備え、
前記ケースは、前記コア穴に挿入されているとともに前記バスバが挿入されている開口部(512)を有し、
前記バスバは、前記開口部と対向している面から前記開口部に向かって突出していることにより、前記開口部と接触しているバスバ突起(131、132)を有し、
前記開口部および前記バスバの間には、空間が形成されている電流センサ。
[観点7-2]
前記バスバは、前記バスバのうち前記幅方向と交差している面である側面(111、112)を有し、
前記バスバ突起は、前記側面から前記幅方向に突出している観点7-1に記載の電流センサ。
[観点7-3]
前記バスバ突起は、
前記開口部と接触している接触部(1310、1320)と、
前記接触部と接続されているとともに、前記接触部との境界部から離れるにつれて前記バスバ突起の大きさが小さくなる方向に傾斜している傾斜部(1311、1321)と、
を含む観点7-1または7-2に記載の電流センサ。
[観点7-4]
前記開口部は、
前記バスバと対向している開口部面(5120)と、
前記開口部面から前記バスバ突起に向かって突出していることにより、前記バスバ突起と接触している開口部突起(5122)と、
を含む観点7-1ないし7-3のいずれか1つに記載の電流センサ。
[観点7-5]
前記開口部突起のヤング率は、前記バスバ突起のヤング率よりも小さくなっている観点7-4に記載の電流センサ。
[観点7-6]
前記開口部突起は、
前記バスバ突起と接触している突起接触部(5124)と、
前記突起接触部と接続されているとともに、前記突起接触部との境界部から離れるにつれて前記開口部突起の大きさが小さくなる方向に傾斜している突起傾斜部(5126)と、
を含む観点7-4または7-5に記載の電流センサ。
【0234】
(課題)
発明者等の検討によれば、特許文献1に記載されているような電流センサでは、センサチップが接続されたプリント基板をケースにて収容することがある。この場合、ケースに対するプリント基板の位置がずれると、ケースに対するセンサチップの位置がずれる。また、センサチップの位置がずれると、センサチップに対するコアおよびバスバの位置がずれる。これにより、磁界の変動および磁界の強さの検出位置の変化から、センサチップによる磁界の強さの検出精度が低下する。したがって、このとき、電流検出精度が低下する。
本開示は、電流検出精度の低下を抑制する電流センサを提供することを目的とする。
【0235】
[観点8-1]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れるバスバ(10)と、
前記バスバが挿入されているコア穴(24)と、前記バスバの幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記バスバを流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記検出素子と接続されているリード線(35)と、
前記リード線と接続されている基板(40)と、
前記バスバ、前記コア、前記検出素子、前記リード線および前記基板を収容しているケース(50)と、
を備え、
前記基板は、
基板側面(400)と、
前記基板側面から凹んでいる基板凹部(402)と、
を有し、
前記ケースは、
前記基板を収容している基板収容室(510)と、
前記基板収容室を形成する面であって、前記基板と対向している収容室対向面(548)と、
前記収容室対向面から凹んでいるケース凹部(550)と、
を有し、
前記ケース凹部は、前記基板凹部に対応する位置に形成されていることにより、前記基板凹部と連通している電流センサ。
[観点8-2]
前記基板凹部および前記ケース凹部は、3つ以上形成されており、
前記基板凹部同士を結ぶ直線による平面が形成されるとともに、前記ケース凹部同士を結ぶ直線による平面が形成される観点8-1に記載の電流センサ。
[観点8-3]
前記ギャップは、前記バスバよりも地面(G)側に配置されており、
前記検出素子、前記リード線および前記基板は、前記バスバよりも前記地面側に配置されている観点8-1または8-2に記載の電流センサ。
[観点8-4]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れるバスバ(10)と、
前記バスバが挿入されているコア穴(24)と、前記バスバの幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記バスバを流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記検出素子と接続されているリード線(35)と、
前記リード線と接続されている基板(40)と、
前記バスバ、前記コア、前記検出素子、前記リード線および前記基板を収容しているケース(50)と、
を備え、
前記基板は、前記基板の内部を貫通している基板穴(404)を有し、
前記ケースは、
前記基板を収容している基板収容室(510)と、
前記基板収容室を形成する面であって、前記基板と対向している収容室対向面(548)と、
前記収容室対向面から凹んでいるケース凹部(550)と、
を有し、
前記ケース凹部は、前記基板穴に対応する位置に形成されていることにより、前記基板穴と連通している電流センサ。
【0236】
[観点9-1]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れるバスバ(10)と、
前記バスバが挿入されているコア穴(24)と、前記バスバの幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記バスバを流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記検出素子と接続されているリード線(35)と、
前記リード線と接続されている基板(40)と、
前記バスバ、前記コア、前記検出素子、前記リード線および前記基板を収容しているケース(50)と、
を備え、
前記基板は、前記基板の内部を貫通している基板穴(404)を有し、
前記ケースは、
前記基板を収容している基板収容室(510)と、
前記基板収容室を形成する面であって、前記基板と対向している収容室対向面(548)と、
前記収容室対向面から前記基板穴に向かって突出しているとともに、前記基板穴に挿入されているケース凸部(552)と、
を有し、
前記ケース凸部は、
前記ケース凸部が延びている方向に延びている凸部側面(5520)と、
前記凸部側面から前記ケース凸部が延びている方向と直交する方向に延びているケース鍔部(5522)と、
を含み、
前記ケース凸部が延びている方向において前記基板が前記ケース鍔部および前記収容室対向面の間に配置されているとともに前記基板と前記ケース鍔部とが接触していることにより、前記基板の移動が規制されている電流センサ。
[観点9-2]
前記基板穴および前記ケース凸部は、3つ以上形成されており、
前記基板穴同士を結ぶ直線による平面が形成されるとともに、前記ケース凸部同士を結ぶ直線による平面が形成される観点9-1に記載の電流センサ。
[観点9-3]
前記ギャップは、前記バスバよりも地面(G)側に配置されており、
前記検出素子、前記リード線および前記基板は、前記バスバよりも前記地面側に配置されている観点9-1または9-2に記載の電流センサ。
[観点9-4]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れるバスバ(10)と、
前記バスバが挿入されているコア穴(24)と、前記バスバの幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記バスバを流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記検出素子と接続されているリード線(35)と、
前記リード線と接続されている基板(40)と、
前記バスバ、前記コア、前記検出素子、前記リード線および前記基板を収容しているケース(50)と、
を備え、
前記基板は、
基板側面(400)と、
前記基板側面から凹んでいる基板凹部(402)と、
を有し、
前記ケースは、
前記基板を収容している基板収容室(510)と、
前記基板収容室を形成する面であって、前記基板と対向している収容室対向面(548)と、
前記収容室対向面から前記基板凹部に向かって突出しているとともに、前記基板凹部に挿入されているケース凸部(552)と、
を有し、
前記ケース凸部は、
前記ケース凸部が延びている方向に延びている凸部側面(5520)と、
前記凸部側面から前記ケース凸部が延びている方向と直交する方向に延びているケース鍔部(5522)と、
を含み、
前記ケース凸部が延びている方向において前記基板が前記ケース鍔部および前記収容室対向面の間に配置されているとともに前記基板と前記ケース鍔部とが接触していることにより、前記基板の移動が規制されている電流センサ。
【0237】
(課題)
発明者等の検討によれば、特許文献1に記載されているような電流センサのケースには、バスバとインバータ等の検出対象とを接続する際に発生する力等のケース外部からの力やバスバを流れる電流による発熱等によって応力がかかる。また、2つのバスバが幅方向に並んでいることから、幅方向におけるケースの長さは、長手方向におけるケースの長さよりも長くなっている。したがって、このとき、幅方向におけるケースの反り量、例えば、たわみ量は、長手方向におけるケースの反り量よりも大きくなる。さらに、ここで、特許文献1に記載されているような電流センサでは、接続端子が幅方向に間隔を空けて複数並べられている。この場合、幅方向におけるケースの反り量が大きいことから、ケースに応力がかかることによる接続端子の間隔の変化量が大きくなる。これにより、接続端子の位置がずれやすいことから、接続端子と外部装置との接続がされにくくなる。このため、接続端子と外部装置との接続不良が生じやすい。
本開示は、ターミナルの位置ずれを抑制する電流センサを提供することを目的とする。
【0238】
[観点10-1]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れるバスバ(10)と、
前記バスバが挿入されているコア穴(24)と、前記バスバの幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記バスバを流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記検出素子と接続されているリード線(35)と、
前記リード線と接続されている基板(40)と、
前記基板と接続されている複数のターミナル(70)と、
前記バスバ、前記コア、前記検出素子、前記リード線、前記基板および前記ターミナルを収容しているケース(50)と、
を備え、
複数の前記ターミナルのうち少なくとも1つは、前記検出素子からの信号を出力し、
前記幅方向における前記ケースの長さは、前記バスバの長手方向(DL)における前記ケースの長さよりも長くなっており、
複数の前記ターミナルは、前記長手方向に間隔を空けて並んでいる電流センサ。
[観点10-2]
前記ターミナルは、前記基板から前記厚み方向に延びていることにより、前記ケースのうち前記基板とは反対側の外面(572)から突き出ている観点10-1に記載の電流センサ。
[観点10-3]
前記バスバを流れる電流の方向は、前記長手方向であって、
複数の前記ターミナルは、前記バスバを流れる電流の方向に間隔を空けて並んでいる観点10-1または10-2に記載の電流センサ。
[観点10-4]
前記幅方向における前記基板の長さは、前記長手方向における前記基板の長さよりも長くなっている観点10-1ないし10-3のいずれか1つに記載の電流センサ。
【0239】
(課題)
発明者等の検討によれば、特許文献1に記載されているような電流センサでは、バスバを流れる電流によって発生する磁界が接続端子を通過する。また、ここで、接続端子は、バスバを流れる電流の方向と直交する方向に間隔を空けて複数並べられている。さらに、バスバを流れる電流の方向と直交する方向の位置が異なることに伴って、バスバを流れる電流によって発生する磁界の強さは、異なる。このため、それぞれの接続端子が異なる強さの磁界の影響を受けることから、接続端子から出力される信号の精度が低下する。
本開示は、ターミナルから出力される信号の精度低下を抑制する電流センサを提供することを目的とする。
【0240】
[観点11-1]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れるバスバ(10)と、
前記バスバが挿入されているコア穴(24)と、前記バスバの幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記バスバを流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記検出素子と接続されているリード線(35)と、
前記リード線と接続されている基板(40)と、
前記基板と接続されている複数のターミナル(70)と、
前記バスバ、前記コア、前記検出素子、前記リード線、前記基板および前記ターミナルを収容しているケース(50)と、
を備え、
複数の前記ターミナルのうち少なくとも1つは、前記検出素子からの信号を出力し、
複数の前記ターミナルは、前記バスバを流れる電流の方向に間隔を空けて並んでいる電流センサ。
【0241】
(課題)
発明者等の検討によれば、特許文献1に記載されているような電流センサでは、接続端子がケースから突き出ている。接続端子がセンサチップやケースから外れると、センサチップからの信号が外部装置に出力されなくなる。
本開示は、ターミナルがケースから抜けることを抑制する電流センサを提供することを目的とする。
【0242】
[観点12-1]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れるバスバ(10)と、
前記バスバが挿入されているコア穴(24)と、前記バスバの幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記バスバを流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記検出素子と接続されているリード線(35)と、
前記リード線と接続されている基板(40)と、
前記基板と接続されている複数のターミナル(70)と、
前記バスバ、前記コア、前記検出素子、前記リード線、前記基板および前記ターミナルを収容しているケース(50)と、
を備え、
前記ターミナルは、
前記ターミナルが延びている方向に延びているターミナル側面(700)と、
前記ターミナル側面から前記ターミナルが延びている方向と直交する方向に延びているターミナル鍔部(702)と、
を有し、
前記ケースは、
前記ターミナルが挿入されているケース穴(560)と、
前記ケース穴を形成しているとともに、前記ターミナルが延びている方向と直交する方向に前記ターミナル側面と対向しているケース内面(562)と、
前記ケース内面から前記ターミナル鍔部が延びている方向に凹んでいるケース凹部(564)と、
を有し、
前記ケース凹部は、前記ターミナル鍔部と接触していることにより、前記ターミナルの移動を規制している電流センサ。
[観点12-2]
前記ターミナル鍔部は、前記ケース凹部から露出していることにより、外部に露出している露出部(7020)を含む観点12-1に記載の電流センサ。
[観点12-3]
前記ターミナルは、前記ターミナル鍔部を中心として前記ターミナルが延びている方向において対称に形成されている観点12-1または12-2に記載の電流センサ。
[観点12-4]
前記ターミナルは、前記ターミナル鍔部に囲まれているとともに前記ターミナルが延びている方向と直交する方向に延びているターミナル穴(704)を有し、
前記ケースは、前記ケース内面から前記ターミナル穴が延びている方向に突出しているとともに前記ターミナル穴に挿入されている挿入部(566)を有し、
前記挿入部は、前記ターミナル鍔部と接触していることにより、前記ターミナルの移動を規制している観点12-1ないし12-3のいずれか1つに記載の電流センサ。
[観点12-5]
前記ケースは、
前記ターミナルの一部を収容している収容凹部(570)と、
前記収容凹部の空間および前記ケースの外部と連通していることにより、前記収容凹部に流入する液体を前記ケースの外部に排出する排出部(580)と、
を有し、
前記収容凹部は、
前記厚み方向と交差している凹部底面(572)と、
前記凹部底面から前記厚み方向に延びていることにより、前記凹部底面とで前記収容凹部の空間を形成している凹部側面(574)と、
を含み、
前記排出部は、前記凹部側面を貫通しており、
前記排出部は、前記厚み方向と交差しているとともに前記凹部底面と接続されている排出部面(5800)を含み、
前記排出部面は、前記露出部よりも地面(G)側に位置している観点12-2に記載の電流センサ。
[観点12-6]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れるバスバ(10)と、
前記バスバが挿入されているコア穴(24)と、前記バスバの幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記バスバを流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記検出素子と接続されているリード線(35)と、
前記リード線と接続されている基板(40)と、
前記基板と接続されている複数のターミナル(70)と、
前記バスバ、前記コア、前記検出素子、前記リード線、前記基板および前記ターミナルを収容しているケース(50)と、
を備え、
前記ターミナルは、
前記ターミナルが延びている方向に延びているターミナル側面(700)と、
前記ターミナル側面から前記ターミナルが延びている方向に延びていると直交する方向に凹んでいるターミナル凹部(706)と、
を有し、
前記ケースは、
前記ターミナルが挿入されているケース穴(560)と、
前記ケース穴を形成しているとともに、前記ターミナルが延びている方向と直交する方向に前記ターミナル側面と対向しているケース内面(562)と、
前記ケース内面から前記ターミナル凹部が凹んでいる方向に突出しているケース鍔部(568)と、
を有し、
前記ケース鍔部は、前記ターミナル凹部と接触していることにより、前記ターミナルの移動を規制している電流センサ。
【0243】
(課題)
発明者等の検討によれば、特許文献1に記載されているような電流センサの接続端子に、電流センサの使用環境等による結露等によって発生する水等の液体が留まることで、接続端子が腐食する。
本開示は、ターミナルの腐食を抑制する電流センサを提供することを目的とする。
【0244】
[観点13-1]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに電流が流れるバスバ(10)と、
前記バスバが挿入されているコア穴(24)と、前記バスバの幅方向(DW)を向いている第1端面(211)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(212)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通しているギャップ(213)を含むギャップ形成部(21)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(22)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(23)と、を有するコア(20)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記バスバを流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する検出素子(31)と、
前記検出素子と接続されているリード線(35)と、
前記リード線と接続されている基板(40)と、
前記基板と接続されているターミナル(70)と、
前記バスバ、前記コア、前記検出素子、前記リード線および前記基板を収容しているケース(50)と、
を備え、
前記ケースは、
前記ターミナルの一部を収容しているケース凹部(570)と、
前記ケース凹部の空間および前記ケースの外部と連通していることにより、前記ケース凹部に流入する液体を前記ケースの外部に排出する排出部(580)と、
を有する電流センサ。
[観点13-2]
前記ケース凹部は、
前記厚み方向と交差している凹部底面(572)と、
前記凹部底面から前記厚み方向に延びていることにより、前記凹部底面とで前記ケース凹部の空間を形成している凹部側面(574)と、
を含み、
前記幅方向における前記ケースの長さは、前記バスバの長手方向(DL)における前記ケースの長さよりも長くなっており、
前記排出部は、前記凹部側面を前記幅方向に貫通している観点13-1に記載の電流センサ。
[観点13-3]
前記ケースは、樹脂で形成されている観点13-1または13-2に記載の電流センサ。
【符号の説明】
【0245】
10 バスバ
20 コア
30 検出部
31 検出素子
35 リード線
40 基板
50 ケース
60 樹脂充填部
70 ターミナル