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特開2024-106690光ファイババンドルの製造方法、光ファイババンドル、光接続構造、及び判定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106690
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】光ファイババンドルの製造方法、光ファイババンドル、光接続構造、及び判定方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/04 20060101AFI20240801BHJP
   G02B 6/26 20060101ALI20240801BHJP
   G02B 6/38 20060101ALI20240801BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20240801BHJP
   G02B 6/08 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
G02B6/04 D
G02B6/26
G02B6/38
G02B6/02 461
G02B6/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011086
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】菊地 貴広
【テーマコード(参考)】
2H036
2H137
2H250
【Fターム(参考)】
2H036JA02
2H036QA16
2H036QA17
2H036QA19
2H036QA23
2H036QA44
2H137BA03
2H137BA18
2H137BA21
2H137BA24
2H137CA15A
2H137CA16A
2H137CA36
2H137CA74
2H137CA77
2H137CA78
2H137CB02
2H137CB23
2H137CB33
2H137CC02
2H137CC03
2H137EA04
2H250AB05
2H250AB10
2H250AC33
2H250AC64
2H250AC83
2H250AC94
2H250AC95
2H250AD32
2H250AD35
2H250BA32
2H250BB32
2H250BB33
2H250BD02
2H250CA02
2H250CA35
2H250CA42
(57)【要約】
【課題】複数の光ファイバにおける曲げ損失を低減する。
【解決手段】光ファイババンドルの製造方法は、フェルールを準備する工程と、保持部を準備する工程と、複数の光ファイバを準備する工程と、複数の光ファイバの第1径部を第1ファイバ収納孔の第1部分に挿入する工程と、フェルールの前端における複数の光ファイバの配置を確認する工程と、交差及びずれの一方又は両方が生じているか否かを判定する工程と、接着剤により複数の光ファイバをフェルールに固定する固定する工程を有する。フェルールを準備する工程において、複数の光ファイバのそれぞれの被覆は、光ファイバごとに異なる外観を含む。判定する工程において交差及びずれの一方又は両方が生じている場合、固定する工程の前に、挿入する工程、確認する工程及び判定する工程を再び実行する。
【選択図】図12

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチコア光ファイバに複数の光ファイバを光学的に結合するための光ファイババンドルの製造方法であって、
第1方向に沿って延在するフェルールであって、前記第1方向における前端と、前記前端と前記第1方向において反対側の後端と、前記前端に位置する第1部分、前記後端に位置すると共に前記第1部分よりも大きい内径を有する第2部分、及び前記第1部分と前記第2部分とを連結している内径変換部を含む孔である第1ファイバ収納孔とを有するフェルールを準備する工程と、
前記第1方向に沿って延在する孔であると共に前記フェルールの前記後端において前記第1ファイバ収納孔に連通する第2ファイバ収納孔を有する保持部を準備する工程と、
第1径部、前記第1径部の直径より大きい直径を有する第2径部、前記第1径部と前記第2径部とを連結しているテーパ部、前記第1径部の先端に位置する先端面、及び前記先端面と反対側の末端面を含むと共に、少なくとも前記第1径部、前記テーパ部及び前記第2径部が前記第1方向に沿って延在しているガラスファイバと、前記第2径部に連続した前記ガラスファイバの部分が被覆に覆われてなる被覆部とを有する複数の光ファイバを準備する工程と、
前記複数の光ファイバの前記第1径部を前記第1ファイバ収納孔の前記第1部分に挿入し、前記複数の光ファイバの前記テーパ部を前記第1ファイバ収納孔の前記第2部分に挿入し、前記複数の光ファイバの前記第2径部と前記被覆部との境目を前記第2ファイバ収納孔に挿入する工程と、
前記複数の光ファイバのそれぞれの前記末端面から光を導通させ、前記複数の光ファイバのそれぞれの前記先端面を観察することによって、前記フェルールの前記前端における前記複数の光ファイバの配置を確認する工程と、
前記フェルールの内部における前記複数の光ファイバのうち1つの光ファイバの前記第1径部と他の光ファイバの前記第1径部との交差、及び、前記フェルールの前記前端における前記複数の光ファイバの配置と前記第2ファイバ収納孔における前記複数の光ファイバの前記被覆部の配置との間のずれであって、前記第1ファイバ収納孔及び前記第2ファイバ収納孔の中心軸を中心として周方向に沿った所定角度以上のずれ、の一方又は両方が生じているか否かを判定する工程と、
接着剤により前記複数の光ファイバを前記フェルールに固定する工程と、を有しており、
前記フェルールを準備する工程において、前記複数の光ファイバのそれぞれの前記被覆は、光ファイバごとに異なる外観を含むと共に、他の前記複数の光ファイバのうち少なくとも1つの前記光ファイバの前記被覆に固着されており、
前記判定する工程において前記交差及び前記ずれの一方又は両方が生じている場合、前記固定する工程の前に、前記挿入する工程、前記確認する工程及び前記判定する工程を再び実行する、光ファイババンドルの製造方法。
【請求項2】
前記複数の光ファイバを準備する工程は、前記被覆の外観を変更する工程を含む、請求項1に記載の光ファイババンドルの製造方法。
【請求項3】
前記変更する工程では、レーザの照射によって前記被覆の外観を変更する、請求項2に記載の光ファイババンドルの製造方法。
【請求項4】
前記変更する工程では、色を着けることによって前記被覆の外観を変更する、請求項2に記載の光ファイババンドルの製造方法。
【請求項5】
前記変更する工程では、テープでラベリングすることによって前記被覆の外観を変更する、請求項2に記載の光ファイババンドルの製造方法。
【請求項6】
マルチコア光ファイバに複数の光ファイバを光学的に結合するための光ファイババンドルであって、
第1方向に沿って延在するフェルールであって、前記第1方向における前端と、前記前端と前記第1方向において反対側の後端と、前記前端に位置する第1部分、前記後端に位置すると共に前記第1部分よりも大きい内径を有する第2部分、及び前記第1部分と前記第2部分とを連結している内径変換部を含む孔である第1ファイバ収納孔と、を有するフェルールと、
前記第1方向に沿って延在する孔であると共に前記フェルールの前記後端において前記第1ファイバ収納孔に連通する第2ファイバ収納孔を有する保持部と、
第1径部、前記第1径部の直径より大きい直径を有する第2径部、及び、前記第1径部と前記第2径部とを連結しているテーパ部を含むと共に、少なくとも前記第1径部、前記テーパ部及び前記第2径部が前記第1方向に沿って延在しているガラスファイバと、前記第2径部に連続した前記ガラスファイバの部分が被覆に覆われてなる被覆部と、を有する複数の光ファイバと、
を備え、
前記第1ファイバ収納孔の前記第1部分には、前記複数の光ファイバの前記第1径部が挿入されており、
前記第1ファイバ収納孔の前記第2部分には、前記複数の光ファイバの前記テーパ部が挿入されており、
前記第2ファイバ収納孔には、前記複数の光ファイバの前記第2径部と前記被覆部との境目が挿入されており、
前記複数の光ファイバは、前記フェルールに接着剤によって固定されており、
前記複数の光ファイバのそれぞれの前記被覆は、光ファイバごとに異なる外観を含むと共に他の前記複数の光ファイバのうち少なくとも1つの光ファイバの前記被覆に固着されており、
前記複数の光ファイバのそれぞれの前記被覆は、前記第2径部に隣接する先端部と、前記先端と反対側の末端部とを含み、
前記複数の光ファイバのうち1つの光ファイバの前記第1径部が、前記フェルールの内部において他の光ファイバの前記第1径部と交差していない形態、及び、前記フェルールの前記前端における前記複数の光ファイバの配置が、前記第2ファイバ収納孔における前記複数の光ファイバの前記被覆部の配置に対して、前記第1ファイバ収納孔及び前記第2ファイバ収納孔の中心軸を中心として周方向に沿ってずれていないか或いはそのずれが90度未満である形態、のうち少なくとも一つの形態を有する光ファイババンドル。
【請求項7】
前記複数の光ファイバのそれぞれにおいて、前記被覆の前記先端部の外観及び前記被覆の前記末端部の外観は、互いに対応する色又は色彩をそれぞれ含む、請求項6に記載の光ファイババンドル。
【請求項8】
前記複数の光ファイバの前記被覆の外観は、光ファイバごとに異なる色又は色彩をそれぞれ含む、請求項6に記載の光ファイババンドル。
【請求項9】
前記複数の光ファイバの前記被覆の外観は、光ファイバごとに異なるマーキングをそれぞれ含む、請求項6に記載の光ファイババンドル。
【請求項10】
前記複数の光ファイバの前記被覆は、光ファイバごとに異なる外径をそれぞれ有する、請求項6に記載の光ファイババンドル。
【請求項11】
前記複数の光ファイバの前記被覆は、光ファイバごとに異なる材料をそれぞれ含む、請求項6に記載の光ファイババンドル。
【請求項12】
前記複数の光ファイバは、互いに対応する外観を含む第1テープ及び第2テープを有し、
前記複数の光ファイバの前記第1テープの外観は、互いに異なっており、
前記複数の光ファイバの前記第2テープの外観は、互いに異なっており、
前記被覆の前記先端部は、前記第1テープによってラベリングされており、
前記被覆の前記末端部は、前記第2テープによってラベリングされている、請求項6から請求項11のいずれか1項に記載の光ファイババンドル。
【請求項13】
前記複数の光ファイバの少なくとも一部は、テープ化されている、請求項6から請求項11のいずれか1項に記載の光ファイババンドル。
【請求項14】
請求項6から請求項11のいずれか1項に記載の光ファイババンドルを有する光コネクタと、
前記第1方向に沿って延在する複数のコアと前記複数のコアを覆うクラッドとを含むマルチコア光ファイバ、及び、前記マルチコア光ファイバの先端を保持する別のフェルールを有する別の光コネクタと、を備え、
前記光コネクタが前記別の光コネクタに接続されたとき、前記複数の光ファイバの各コアが前記マルチコア光ファイバの前記複数のコアにそれぞれ光学的に結合する、光接続構造。
【請求項15】
フェルールに設けられた孔に前記フェルールの後端から複数の光ファイバが挿入されたときに、前記フェルールの内部における前記複数の光ファイバの状態を判定する判定方法であって、
前記複数の光ファイバのそれぞれにおいて末端面から光を導通させ、前記複数の光ファイバのそれぞれの前記末端面と反対側の先端面を観察することによって、前記フェルールの前端における前記複数の光ファイバの配置を確認する工程と、
前記フェルールの内部における前記複数の光ファイバのうち1つの光ファイバと他の光ファイバとの交差、及び、前記フェルールの前端における前記複数の光ファイバの配置と前記フェルールの後端における前記複数の光ファイバの配置との間のずれであって、前記フェルールの前記孔の中心軸を中心とした周方向に沿った所定角度以上のずれの一方又は両方が生じているか否かを判定する工程と、を有する判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光ファイババンドルの製造方法、光ファイババンドル、光接続構造、及び判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2は、複数の光ファイバがフェルールに挿入された光ファイババンドルを開示する。特許文献1に記載された光ファイババンドルでは、フェルール(キャピラリ)の内部において、複数の光ファイバがねじられることによって最密構造に整列されている。特許文献2に記載された光ファイババンドルでは、エッチングで細径加工した光ファイバがフェルールに収納されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-167299号公報
【特許文献2】特開2013-68891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び特許文献2に記載された光ファイババンドルでは、フェルールの内部において複数の光ファイバにおける曲げ損失が増加するおそれがある。具体的には、光ファイババンドルの製造において、複数の光ファイバがフェルールの後端から挿入された場合、複数の光ファイバの交差又はねじれが生じることがある。このとき、フェルールの内部において複数の光ファイバの曲げが増加し、複数の光ファイバにおける曲げ損失が増加するおそれがある。
【0005】
そこで、本開示は、複数の光ファイバにおける曲げ損失を低減することができる、光ファイババンドルの製造方法、光ファイババンドル、光接続構造、及び判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る光ファイババンドルの製造方法は、マルチコア光ファイバに複数の光ファイバを光学的に結合するための光ファイババンドルを製造する方法であって、フェルールを準備する工程と、保持部を準備する工程と、複数の光ファイバを準備する工程と、挿入する工程と、確認する工程と、判定する工程と、固定する工程と、を有する。フェルールを準備する工程においてフェルールは、第1方向に沿って延在している。フェルールは、第1方向における前端と、前端と第1方向において反対側の後端と、第1ファイバ収納孔とを有する。第1ファイバ収納孔は、前端に位置する第1部分、後端に位置すると共に第1部分よりも大きい内径を有する第2部分、及び第1部分と第2部分とを連結している内径変換部を含む孔である。保持部を準備する工程において、保持部は、第1方向に沿って延在する孔であると共にフェルールの後端において第1ファイバ収納孔に連通する第2ファイバ収納孔を有する。複数の光ファイバを準備する工程において、複数の光ファイバは、ガラスファイバと、被覆部とを有する。ガラスファイバは、第1径部、第1径部の直径より大きい直径を有する第2径部、第1径部と第2径部とを連結しているテーパ部、第1径部の先端に位置する先端面、及び先端面と反対側の末端面を含む。少なくとも第1径部、テーパ部及び第2径部は、第1方向に沿って延在している。被覆部は、第2径部に連続したガラスファイバの部分が被覆に覆われてなる。挿入する工程において、複数の光ファイバの第1径部を第1ファイバ収納孔の第1部分に挿入する。複数の光ファイバのテーパ部を第1ファイバ収納孔の第2部分に挿入する。複数の光ファイバの第2径部と被覆部との境目を第2ファイバ収納孔に挿入する。確認する工程において、複数の光ファイバのそれぞれの末端面から光を導通させ、複数の光ファイバのそれぞれの先端面を観察することによって、フェルールの前端における複数の光ファイバの配置を確認する。判定する工程において、交差及びずれの一方又は両方が生じているか否かを判定する。交差は、フェルールの内部における複数の光ファイバのうち1つの光ファイバの第1径部と他の光ファイバの第1径部との交差である。ずれは、フェルールの前端における複数の光ファイバの配置と第2ファイバ収納孔における複数の光ファイバの被覆部の配置との間のずれである。ずれは、第1ファイバ収納孔及び第2ファイバ収納孔の中心軸を中心として周方向に沿った所定角度以上のずれである。固定する工程において、接着剤により複数の光ファイバをフェルールに固定する。フェルールを準備する工程において、複数の光ファイバのそれぞれの被覆は、光ファイバごとに異なる外観を含むと共に、他の複数の光ファイバのうち少なくとも1つの光ファイバの被覆に固着されている。判定する工程において交差及びずれの一方又は両方が生じている場合、固定する工程の前に、挿入する工程、確認する工程及び判定する工程を再び実行する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、複数の光ファイバにおける曲げ損失を低減することができる、光ファイババンドルの製造方法、光ファイババンドル、光接続構造、及び判定方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係る光接続構造を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す光接続構造を分解した斜視図である。
図3図3は、図1に示す光接続構造のIII-III線に沿った断面図である。
図4図4は、マルチコアファイバの先端とフェルールの端面とを示す図である。
図5図5は、複数の光ファイバの先端とフェルールの端面とを示す図である。
図6図6は、光ファイバを示す模式図である。
図7図7は、フランジの外部に延在する複数の光ファイバを示す斜視図である。
図8図8は、複数の光ファイバを示す斜視図である。
図9図9は、フェルールの内孔を示す模式的な断面図である。
図10図10は、フェルールの内孔及びフランジの内孔に挿入された複数の光ファイバを示す模式的な断面図である。
図11図11は、フェルールの内孔及びフランジの内孔における複数の光ファイバの形態を示す斜視図である。
図12図12は、光ファイババンドルの製造方法を示すフローチャートである。
図13図13は、フェルールの内孔及びフランジの内孔に挿入された複数の光ファイバを示す模式図である。
図14図14は、フランジの内孔における複数の光ファイバの配置の一例を示す模式的な斜視図である。
図15図15は、フェルールの前端における複数の光ファイバの配置の一例を示す模式的な斜視図である。
図16図16は、フェルールの前端における複数の光ファイバの配置の一例を示す模式的な斜視図である。
図17図17は、フェルールの前端における複数の光ファイバの配置の一例を示す模式的な斜視図である。
図18図18は、図1に示す光接続構造を備えるファンイン・ファンアウト・デバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
【0010】
[1]本開示の一態様に係る光ファイババンドルの製造方法は、マルチコア光ファイバに複数の光ファイバを光学的に結合するための光ファイババンドルを製造する方法であって、フェルールを準備する工程と、保持部を準備する工程と、複数の光ファイバを準備する工程と、挿入する工程と、確認する工程と、判定する工程と、固定する工程と、を有する。フェルールを準備する工程においてフェルールは、第1方向に沿って延在している。フェルールは、第1方向における前端と、前端と第1方向において反対側の後端と、第1ファイバ収納孔とを有する。第1ファイバ収納孔は、前端に位置する第1部分、後端に位置すると共に第1部分よりも大きい内径を有する第2部分、及び第1部分と第2部分とを連結している内径変換部を含む孔である。保持部を準備する工程において、保持部は、第1方向に沿って延在する孔であると共にフェルールの後端において第1ファイバ収納孔に連通する第2ファイバ収納孔を有する。複数の光ファイバを準備する工程において、複数の光ファイバは、ガラスファイバと、被覆部とを有する。ガラスファイバは、第1径部、第1径部の直径より大きい直径を有する第2径部、第1径部と第2径部とを連結しているテーパ部、第1径部の先端に位置する先端面、及び先端面と反対側の末端面を含む。少なくとも第1径部、テーパ部及び第2径部は、第1方向に沿って延在している。被覆部は、第2径部に連続したガラスファイバの部分が被覆に覆われてなる。挿入する工程において、複数の光ファイバの第1径部を第1ファイバ収納孔の第1部分に挿入する。複数の光ファイバのテーパ部を第1ファイバ収納孔の第2部分に挿入する。複数の光ファイバの第2径部と被覆部との境目を第2ファイバ収納孔に挿入する。確認する工程において、複数の光ファイバのそれぞれの末端面から光を導通させ、複数の光ファイバのそれぞれの先端面を観察することによって、フェルールの前端における複数の光ファイバの配置を確認する。判定する工程において、交差及びずれの一方又は両方が生じているか否かを判定する。交差は、フェルールの内部における複数の光ファイバのうち1つの光ファイバの第1径部と他の光ファイバの第1径部との交差である。ずれは、フェルールの前端における複数の光ファイバの配置と第2ファイバ収納孔における複数の光ファイバの被覆部の配置との間のずれである。ずれは、第1ファイバ収納孔及び第2ファイバ収納孔の中心軸を中心として周方向に沿った所定角度以上のずれである。固定する工程において、接着剤により複数の光ファイバをフェルールに固定する。フェルールを準備する工程において、複数の光ファイバのそれぞれの被覆は、光ファイバごとに異なる外観を含むと共に、他の複数の光ファイバのうち少なくとも1つの光ファイバの被覆に固着されている。判定する工程において交差及びずれの一方又は両方が生じている場合、固定する工程の前に、挿入する工程、確認する工程及び判定する工程を再び実行する。
【0011】
この光ファイババンドルの製造方法では、判定する工程において交差及びずれの一方又は両方が生じている場合、固定する工程の前に、挿入する工程、確認する工程及び判定する工程を再び実行する。かかる構成によれば、フェルールの内部における複数の光ファイバの交差及びねじれの一方又は両方が抑制された光ファイババンドルを製造することができる。その結果、複数の光ファイバの曲げ損失が低減された光ファイババンドルを製造することができる。また、複数の光ファイバの被覆のそれぞれは、光ファイバごとに異なる外観を含む。かかる構成によれば、被覆の外観に基づいて、複数の光ファイバの被覆部を容易に判別することができる。これにより、フェルールの後端における複数の光ファイバの被覆部と、複数の光ファイバの末端面との対応関係を確認することが可能となる。ここで、複数の光ファイバの末端面から光を導通させて複数の光ファイバの末端面と先端面との対応関係を確認することによって、フェルールの後端における複数の光ファイバの被覆部と、フェルールの前端における複数の光ファイバの先端面との対応関係を確認することが可能となる。よって、フェルールの後端における複数の光ファイバの配置と、フェルールの前端における複数の光ファイバの配置とを比較することが可能となる。その結果、判定する工程において、交差及びずれ一方又は両方が生じているか否かを容易に判定することができる。
【0012】
[2]上記[1]の光ファイババンドルの製造方法において、複数の光ファイバを準備する工程は、被覆の外観を変更する工程を含んでもよい。この場合、被覆の外観を容易に区別することができる。
【0013】
[3]上記[2]の光ファイババンドルの製造方法において、変更する工程では、レーザの照射によって被覆の外観を変更してもよい。この場合、被覆の外観を容易に変更することができる。
【0014】
[4]上記[2]の光ファイババンドルの製造方法において、変更する工程では、色を着けることによって被覆の外観を変更してもよい。この場合、被覆の外観を容易に変更することができる。
【0015】
[5]上記[2]の光ファイババンドルの製造方法において、変更する工程では、テープでラベリングすることによって被覆の外観を変更してもよい。この場合、被覆の外観を容易に変更することができる。
【0016】
[6]本開示の一態様に係る光ファイババンドルは、マルチコア光ファイバに複数の光ファイバを光学的に結合するための光ファイババンドルである。光ファイババンドルは、フェルールと、保持部と、複数の光ファイバとを備える。フェルールは、第1方向に沿って延在している。フェルールは、前端と、前端と第1方向において反対側の後端と、第1ファイバ収納部とを有する。第1ファイバ収納部は、前端に位置する第1部分、後端に位置すると共に第1部分よりも大きい内径を有する第2部分、及び第1部分と第2部分とを連結している内径変換部を含む孔である。保持部は、第1方向に沿って延在する孔であると共にフェルールの後端において第1ファイバ収納孔に連通する第2ファイバ収納孔を有する。複数の光ファイバは、ガラスファイバと、被覆部とを有する。ガラスファイバは、第1径部、第1径部の直径より大きい直径を有する第2径部、及び、第1径部と第2径部とを連結しているテーパ部を含む。少なくとも第1径部、テーパ部及び第2径部が、第1方向に沿って延在している。被覆部は、第2径部に連続したガラスファイバの部分が被覆に覆われてなる。第1ファイバ収納孔の第1部分には、複数の光ファイバの第1径部が挿入されている。第1ファイバ収納孔の第2部分には、複数の光ファイバのテーパ部が挿入されている。第2ファイバ収納孔には、複数の光ファイバの第2径部と被覆部との境目が挿入されている。複数の光ファイバは、フェルールに接着剤によって固定されている。複数の光ファイバのそれぞれの被覆は、光ファイバごとに異なる外観を含むと共に他の複数の光ファイバのうち少なくとも1つの光ファイバの被覆に固着されている。複数の光ファイバのそれぞれの被覆は、第2径部に隣接する先端部と、先端と反対側の末端部とを含む。複数の光ファイバのうち1つの光ファイバの第1径部が、フェルールの内部において他の光ファイバの第1径部と交差していない形態、及び、フェルールの前端における複数の光ファイバの配置が、第2ファイバ収納孔における複数の光ファイバの配置に対して、第1ファイバ収納孔及び第2ファイバ収納孔の中心軸を中心として周方向に沿ってずれていないか或いはそのずれが90度未満である形態、のうち少なくとも一つの形態を有する。
【0017】
この光ファイババンドルでは、複数の光ファイバのうち1つの光ファイバの第1径部が、フェルールの内部において他の光ファイバの第1径部と交差していない形態、及び、フェルールの前端における複数の光ファイバの配置が、第2ファイバ収納孔における複数の光ファイバの配置に対して、第1ファイバ収納孔及び第2ファイバ収納孔の中心軸を中心として周方向に沿ってずれていないか或いはそのずれが90度未満である形態、のうち少なくとも一つの形態を有する。かかる構成によれば、フェルールの内部において複数の光ファイバの交差及びねじれ一方又は両方が抑制される。これにより、複数の光ファイバの曲げ損失を低減することができる。また、複数の光ファイバの被覆のそれぞれは、光ファイバごとに異なる外観を含む。かかる構成によれば、複数の光ファイバを容易に判別することができる。
【0018】
[7]上記[6]の光ファイババンドルでは、複数の光ファイバのそれぞれにおいて、被覆の先端部の外観及び被覆の末端部の外観は、互いに対応する色又は色彩をそれぞれ含んでもよい。この場合、被覆の先端部及び末端部において、複数の光ファイバを容易に判別することができる。
【0019】
[8]上記[6]又は[7]の光ファイババンドルでは、複数の光ファイバの被覆の外観は、光ファイバごとに異なる色又は色彩をそれぞれ含んでもよい。この場合、複数の光ファイバを容易に判別することができる。
【0020】
[9]上記[6]から[8]のいずれか1つの光ファイババンドルでは、複数の光ファイバの被覆の外観は、光ファイバごとに異なるマーキングをそれぞれ含んでもよい。この場合、複数の光ファイバを容易に判別することができる。
【0021】
[10]上記[6]から[9]のいずれか1つの光ファイババンドルでは、複数の光ファイバの被覆は、光ファイバごとに異なる外径をそれぞれ有してもよい。この場合、複数の光ファイバを容易に判別することができる。
【0022】
[11]上記[6]から[10]のいずれか1つの光ファイババンドルでは、複数の光ファイバの被覆は、光ファイバごとに異なる材料をそれぞれ含んでもよい。この場合、複数の光ファイバを容易に判別することができる。
【0023】
[12]上記[6]から[11]のいずれか1つの光ファイババンドルでは、複数の光ファイバは、互いに対応する外観を含む第1テープ及び第2テープを有してもよい。複数の光ファイバのそれぞれの第1テープの外観は、互いに異なってもよい。複数の光ファイバのそれぞれの第2テープの外観は、互いに異なってもよい。被覆の先端部は、第1テープによってラベリングされてもよい。被覆の末端部は、第2テープによってラベリングされてもよい。この場合、被覆の外観を容易に変更することができる。
【0024】
[13]上記[6]から[12]のいずれか1つの光ファイババンドルでは、複数の光ファイバの少なくとも一部は、テープ化されてもよい。この場合、被覆部同士が第1方向に沿ってずれることを抑制し、第2ファイバ収納孔において複数の光ファイバの曲げの増加を抑制することができる。これにより、複数の光ファイバの曲げ損失を低減することが可能となる。
【0025】
[14]本開示の一態様に係る光接続構造は、上記[6]から[13]のいずれか1つの光ファイババンドルを有する光コネクタと、第1方向に沿って延在する複数のコアと複数のコアを覆うクラッドとを含むマルチコア光ファイバ、及び、マルチコア光ファイバの先端を保持する別のフェルールを有する別の光コネクタと、を備えてもよい。光コネクタが別の光コネクタに接続されたとき、複数の光ファイバの各コアがマルチコア光ファイバの複数のコアにそれぞれ光学的に結合してもよい。この光接続構造では、複数の光ファイバにおける曲げ損失を低減することが可能となる。
【0026】
[15]本開示の一態様に係る判定方法は、フェルールに設けられた孔にフェルールの後端から複数の光ファイバが挿入されたときに、フェルールの内部における複数の光ファイバの状態を判定する方法であって、確認する工程と、判定する工程とを有する。確認する工程において、複数の光ファイバのそれぞれにおいて末端面から光を導通させ、複数の光ファイバのそれぞれの末端面と反対側の先端面を観察することによって、フェルールの前端における複数の光ファイバの配置を確認する。判定する工程では、交差及びずれの一方又は両方が生じているか否かを判定する。判定する工程では、交差は、フェルールの内部における複数の光ファイバのうち1つの光ファイバと他の光ファイバとの交差である。判定する工程では、ずれは、フェルールの前端における複数の光ファイバの配置とフェルールの後端における複数の光ファイバの配置との間のずれである。判定する工程では、ずれは、フェルールの孔の中心軸を中心とした周方向に沿った所定角度以上のずれである。
【0027】
この判定方法では、フェルールの内部における、複数の光ファイバのうち1つの光ファイバと他の光ファイバとの交差、及び、フェルールの前端における複数の光ファイバの配置とフェルールの後端における複数の光ファイバの配置との間のずれであって、フェルールの孔の中心軸を中心とした周方向に沿った所定角度以上のずれ、一方又は両方が生じているか否かを判定する。かかる構成によれば、フェルールの内部において、複数の光ファイバの交差及びねじれ一方又は両方が抑制される。これにより、光ファイババンドルにおいて、複数の光ファイバにおける曲げ損失を低減することが可能となる。
【0028】
[本開示の実施形態の詳細]
本実施形態に係る光接続構造、光ファイババンドル、光ファイババンドルの製造方法、及び判定方法の具体例を、必要により図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されず、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0029】
図1は、一実施形態に係る光接続構造を示す斜視図である。図2は、図1に示す光接続構造を分解した斜視図である。図3は、図1に示す光接続構造のIII-III線に沿った断面図である。図1から図3に示すように、光接続構造1は、第1光コネクタ10、第2光コネクタ20、及び、割スリーブ30(スリーブ)を備える。
【0030】
第1光コネクタ10は、マルチコアファイバ12(以下「MCF12」とも記す)、フェルール14、及び、フランジ16を有する構造体100を備える。第2光コネクタ20は、複数の光ファイバ40、フェルール50、及び、フランジ60(保持部)を有する光ファイババンドル200を備える。光ファイババンドル200は、複数の光ファイバ40をMCF12に光学的に結合するように構成されている。第1光コネクタ10が第2光コネクタ20に接続されたとき、複数の光ファイバ40の各コアがMCF12の複数のコアにそれぞれ光学的に結合する。割スリーブ30は、第1光コネクタ10のフェルール14の中心軸とフェルール50の中心軸とを一致させるようにフェルール14とフェルール50とを外側から保持して調心する部材である。
【0031】
図4は、MCF12の先端とフェルール14の端面とを模式的に示す図である。MCF12は、図4に示すように、長手方向A(図1から図3を参照)に沿って延在する複数のコア12aと、長手方向Aに沿って延在すると共に複数のコア12aをまとめて覆うクラッド12bと、を有する。また、MCF12は、先端面12cを有する。先端面12cは、複数のコア12aの先端とクラッド12bの先端とから構成される。コア12aは、例えばゲルマニウム等のドーパントが添加されて屈折率が高められたシリカガラスのみからなる。クラッド12bは、例えばフッ素等のドーパンドが添加されて屈折率が低くされたシリカガラスのみからなる。コア12a及びクラッド12bの組成及びドーパントの組み合わせは適宜選択されることができる。このようなMCF12は、各コア12aによって光信号をコア12a毎に伝搬することができる。
【0032】
MCF12の中心軸と垂直な断面において、各コア12aは例えば2次元状に配置されている。MCF12は、本実施形態では、4本のコア12aを有している。なお、MCF12は、7本のコア12aを有してもよいし、8本のコア12aを有してもよいし、19本のコア12aを有してもよい。MCF12が有するコア12aの本数はこれらに限られない。図4に示す例では、4本のコア12aが2行2列の正方格子状に配置されている。各コア12aの直径(コア径)は、例えば10μm以下であってもよく、5μm以下であってもよい。また、各コア12aの直径(コア径)は、1μm以上であってもよい。隣り合うコア12a間のコアピッチ(中心間距離)は、例えば10μm以上50μm以下であってもよい。クラッド12bの直径(クラッド径)は、例えば200μm以下であってもよく、125μm以下であってもよく、100μm以下であってもよく、80μm以下であってもよい。また、クラッド12bの直径(クラッド径)は、50μm以上であってもよい。
【0033】
フェルール14は、MCF12の先端部分12d(図3を参照)を保持する円筒形状の部材であり、MCF12の先端部分12dを収納する貫通孔である内孔14aと、端面14bと、を有する。フェルール14は、MCF12の先端面12cが端面14bにおいて露出するように、MCF12の先端部分12dを内孔14aに固定する。内孔14aの内径は、MCF12の外径と同一か又はやや大きく、MCF12の先端部分12dは内孔14a内に挿入されることで内孔14aに嵌合される。フェルール14は、例えば、6mm以上8mm以下の長さを有し、ジルコニアなどのセラミック材料から構成される。
【0034】
図3に示すように、フランジ16は、フェルール14の後端部分を保持すると共に、MCF12を内部に収納する筒形状の部材である。フランジ16内に収納されるMCF12の部分は、接着剤によってフランジ16内に固定されていてもよい。フランジ16は、例えば金属または樹脂から構成される。
【0035】
複数の光ファイバ40は、MCF12に光結合される光ファイバである。図5は、複数の光ファイバ40の先端とフェルール50の端面とを示す図である。各光ファイバ40は、図5に示すように、長手方向A(図1から図3を参照)に延在するコア40aと、長手方向Aに延在すると共にコア40aを覆うクラッド40bと、を有する。また、各光ファイバ40は、先端面40cを有する。先端面40cは、コア40aの先端とクラッド40bの先端とから構成される。コア40aは、例えばゲルマニウム等のドーパントが添加されて屈折率が高められたシリカガラスを主に含む。クラッド40bは、例えばフッ素等のドーパンドが添加されて屈折率が低くされたシリカガラスを主に含む。コア40a及びクラッド40bの組成及びドーパントの組み合わせは適宜選択されることができる。このような光ファイバ40は、各コア40aによって光信号を伝搬する。
【0036】
光ファイバ40は、例えばシングルモードファイバである。その場合、光ファイバ40の径方向における屈折率分布は、トレンチ型である。これにより、屈折率分布が単峰型である場合と比較して、光ファイバ40に曲げが生じた際の光損失が小さくて済む。光ファイバ40に、波長1.55μm及び波長1.625μmの光を通過させた際の光損失は、それぞれ0.15dB以下、0.45dB以下であってもよい。なお、光ファイバ40の径方向における屈折率分布は、単峰型であってもよい。
【0037】
複数の光ファイバ40は、長手方向Aと直交する断面において2次元状に配置されている。図5に示される例では、4つの光ファイバ40が、2行2列の正方格子状に配列されている。第2光コネクタ20は、本実施形態では4本の光ファイバ40を有している。第2光コネクタ20は、7本の光ファイバ40を有してもよいし、8本の光ファイバ40を有してもよいし、19本の光ファイバ40を有してもよい。第2光コネクタ20が有する光ファイバの本数は、上記に限定されない。第2光コネクタ20の光ファイバ40の数及び配置は、第1光コネクタ10のMCF12の複数のコア12aの数及び配置に一対一で対応している。言い換えると、複数の光ファイバ40の配置は、MCF12の複数のコア12aの配置と一致している。但し、複数の光ファイバ40の数及び配置がMCF12の数及び配置と完全に一致している必要はなく、複数の光ファイバ40のうち少なくとも一つがコア12aと光接続しない構成であってもよく、複数のコア12aのうち少なくとも一つが光ファイバ40と光接続しない構成であってもよい。複数の光ファイバ40は、フェルール50の中心軸を中心として回転調整されることによって、第1光コネクタ10のMCF12の各コア12aと光結合する。
【0038】
各コア40aの直径(コア径)は、例えば10μm以下であってもよく、5μm以下であってもよい。また、各コア40aの直径(コア径)は、例えば1μm以上であってもよい。隣り合うコア40a間のコアピッチ(中心間距離)は、例えば10μm以上50μm以下であってもよい。クラッド40bの直径(クラッド径)は、後述するフェルール50の外側においては、80μm以上125μm以下であってもよく、フェルール50内ではフェルール50の外側と比較して細径化されている。細径化された複数のクラッド40bの束の外接円は、MCF12のクラッド径と一致している。
【0039】
クラッド40bの外径は、フェルール50の内部において、フェルール50の外側における外径から、より細く変換されている。このような光ファイバは、先端部分をフッ化水素酸水などでエッチング処理をすることにより実現できる。図6は、長手方向Aと交差する方向から見た光ファイバ40を示す模式図である。各光ファイバ40は、ガラス製のガラスファイバ41と、樹脂製の被覆42とを有する。ガラスファイバ41は、第1径部43と、第2径部44と、第1径部43と第2径部44とを連結しているテーパ部45とを含む。ガラスファイバ41の第2径部44に連続した部分は、被覆42によって周囲を覆われて被覆されている。ガラスファイバ41の第2径部44に連続した部分と、被覆42とは、被覆部46を構成している。被覆42は通常、有機樹脂材料が用いられ、さらには紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が用いられる。
【0040】
第1径部43は、先端面40cを含む。第1径部43は、長手方向Aに沿って先端面40cから延在する。第1径部43の直径は、例えば40μmである。テーパ部45は、第1径部43に連続すると共に長手方向Aに沿って延在する。テーパ部45の長手方向Aに沿った長さは、例えば、0.1mm以上0.5mm以下である。テーパ部45の直径は、第1径部43から第2径部44に向かうに連れて拡大する。第2径部44は、テーパ部45に連続すると共に長手方向Aに沿って延在する。言い換えると、長手方向Aにおいてテーパ部45は第1径部43と第2径部44との間に位置する。第2径部44は、第1径部43より大きい直径を有する。第2径部44の直径は、例えば、80μm以上125μm以下である。被覆42は、被覆部46においてガラスファイバ41の周囲を覆っている。
【0041】
図7及び図8は、フェルール50及びフランジ60の外側における複数の光ファイバ40を示す斜視図である。図7に示されるように、複数の光ファイバ40は、フランジ60の後端60bからフランジ60の後方に延在する。複数の光ファイバ40は、フランジ60の後端60bから或る程度の距離を隔てた配列変更部47において、二次元状配列から一次元状配列に変更される。複数の光ファイバ40における配列変更部47から後ろの部分は、テープ心線を構成する。複数の光ファイバ40は、配列変更部47において2本の二心テープ心線に分離され、配列変更部47の前方において更に単心分離されている。複数の光ファイバ40は、フランジ60付近において、二次元状配列に整列されると共に互いに固着されている。図7に示される例では、単心分離されると共に二次元状配列に整列された複数の被覆部46がフランジ60の内孔61(図3を参照)に挿入されている。なお、複数の光ファイバ40における配列変更部47と一次元状配列に整列された部分との境目48には、該複数の境目48を保護する保護部材が設けられてもよい。保護部材は、複数の配列変更部47及び複数の境目48をまとめて保護してもよいし、複数の被覆部46、複数の配列変更部47、及び複数の境目48をまとめて保護してもよい。
【0042】
図8は、複数の光ファイバ40の末端付近を示している。図8に示されるように、複数の光ファイバ40それぞれは、先端面40cとは反対側の末端面40dを更に含む。図8に示される例では、4つの末端面40dは、一次元状に(一列に)配列されている。
【0043】
複数の光ファイバ40それぞれの被覆42は、第2径部44に隣接する先端部42a(図6参照)と、先端部42aとは反対側の末端部42b(図8参照)とを含む。各光ファイバ40の被覆42は、他の光ファイバ40のうち少なくとも1つの光ファイバ40の被覆42に固着されている。図示例では、4本の光ファイバ40の先端部42aのうち上段の2本の光ファイバ40の先端部42aが互いに固着され、これにより該2本の光ファイバ40がテープ化(一体化)されている。また、4本の光ファイバ40の先端部42aのうち下段の2本の光ファイバ40の先端部42aが互いに固着され、これにより該2本の光ファイバ40がテープ化(一体化)されている。4本の光ファイバ40の末端部42bは、隣り合う他の光ファイバ40の末端部42bに固着されている。これにより、複数の光ファイバ40の末端付近においては複数の光ファイバ40の全部がテープ化(一体化)されている。
【0044】
被覆42は、光ファイバ40ごとに異なる外観を含む。具体的には、複数の光ファイバ40のそれぞれにおいて、被覆42の先端部42aの外観及び被覆42の末端部42bの外観は、色又は色彩をそれぞれ含む。複数の光ファイバ40のそれぞれにおいて、先端部42aの色又は色彩と、末端部42bの色又は色彩とは互いに対応(例えば一致)する。被覆42の色又は色彩は、光ファイバ40ごとに異なる。一例として、4本の光ファイバ40の被覆42は、灰色、ピンク色、緑色、及びオレンジ色をそれぞれ含む。被覆42は、単一の材料から形成されていなくてもよい。被覆42は、光ファイバ40の長手方向と直交する断面内において、光ファイバ40の中心軸を軸とする同心円状の複数の層をなすように形成されていてもよく、それぞれの光ファイバ40において最外層に位置する被覆42の色又は色彩が、光ファイバ40ごとに異なっていてもよい。
【0045】
図3に示されるように、フェルール50は、長手方向Aに沿って延在している。フェルール50は、例えば、ジルコニアなどのセラミック製、ガラス製または金属製の円筒状の部材である。フェルール50は、複数の光ファイバ40の先端部分をまとめて保持する。フェルール50は、長手方向Aにおける前端50aと、前端50aと長手方向Aにおいて反対側の後端50bと、前端50aに位置する端面50cと、内孔51(第1ファイバ収納孔)と、を有する。内孔51は、後端50bから前端50aに至る貫通孔であり、図5に示されるように、複数の光ファイバ40を収納する。
【0046】
図9は、内孔51を模式的に示す断面図である。内孔51は、前端50aに位置する第1部分52と、後端50bに位置する第2部分53と、第1部分52と第2部分53とを連結している内径変換部54と、を含む。第1部分52は、長手方向Aに沿って前端50aから延在する。第1部分52の内径は、第2部分53の内径よりも小さい。第1部分52の内径は、複数の光ファイバ40の第1径部43を束ねたものの外接円の直径と同一か又はやや大きい。第1部分52の内径は、例えば、90μm以上100μm以下である。内径変換部54は、第1部分52から連続すると共に長手方向Aに沿って延在する。内径変換部54の内径は、第1部分52との境界において第1部分52の内径と一致し、第1部分52から第2部分53に向かうにつれて拡大し、第2部分53との境界において第2部分53の内径と一致する。内径変換部54は、テーパ状を有してもよいし、当該断面において曲率を有してもよい。第2部分53は、内径変換部54から連続すると共に長手方向Aに沿って延在する。言い換えると、長手方向Aにおいて、内径変換部54は第1部分52と第2部分53との間に位置する。第2部分53の内径は、例えば300μm以上400μm以下である。
【0047】
図10は、フェルール50の内孔51及びフランジ60の内孔61(後述する)に挿入された複数の光ファイバ40を示す模式的な断面図である。フェルール50は、第1径部43、テーパ部45、及び第2径部44を保持する。内孔51の第1部分52及び内径変換部54には、複数の光ファイバ40の第1径部43の一部が挿入されている。内孔51の第2部分53には、複数の光ファイバ40の第1径部43の残部、テーパ部45、及び第2径部44の一部が挿入されている。
【0048】
フェルール50には、接着剤によって複数の光ファイバ40が固定されている。具体的には、複数の光ファイバ40の各先端面40cがフェルール50の端面50cにおいて露出するように、第1径部43、テーパ部45、及び第2径部44が接着剤28(図5参照)によって内孔51に固定される。第1径部43、テーパ部45、及び第2径部44は、内孔51との隙間に注入された接着剤28により互いに接着固定される。接着剤28は、例えば熱硬化型のエポキシ系の接着剤であり、接着剤28を所定箇所に注入した後、加熱することにより接着剤28を硬化させることができる。長手方向Aにおけるフェルール50の長さは、例えば、6mm以上8mm以下である。なお、フェルール50がガラス製である場合、接着剤28は、紫外線硬化型のエポキシ系の接着剤、又は紫外線硬化型のアクリル系の接着剤であってもよい。
【0049】
フランジ60は、図10に示すように、フェルール50の後端部分を保持すると共に、複数の光ファイバ40を内部に収納する筒形状の部材である。フランジ60は、長手方向Aに沿って延在する貫通孔である内孔61(第2ファイバ収納孔)を有する。内孔61は、フェルール50の後端50bにおいて内孔51に連通する。内孔51及び内孔61は、同一の中心軸L1を有する。内孔61には、複数の光ファイバ40の第2径部44と被覆部46との境目が挿入されている。すなわち、内孔61には、第2径部44の残部と、被覆部46の一部とが挿入されている。内孔61内に収納される第2径部44の部分、及び内孔61内に収納される被覆部46の被覆42は、接着剤によってフランジ60内に固定されていてもよい。フランジ60は、例えばガラス、金属または樹脂から構成される。被覆42の外径が250μmである光ファイバ40が内孔61に4本束ねて挿入される場合、その束の外接円の直径は604μmとなる。従ってその場合、内孔61の内径は604μm以上である。
【0050】
図11は、内孔51及び内孔61における複数の光ファイバ40の形態を示す斜視図である。各光ファイバ40の第1径部43は、フェルール50の内孔51において他の光ファイバ40の第1径部43と交差していない。ここで、交差とは、複数の光ファイバ40の第1径部43の相対位置関係が、長手方向Aにおける第1径部43の一端と他端との間で変化することをいう。交差とは、例えば、複数の光ファイバ40が三つ編みのように絡み合うことである。また、フェルール50の前端50aにおける複数の光ファイバ40の先端面40cの配置は、フランジ60の内孔61における複数の光ファイバ40の被覆部46の配置に対して、内孔51,61の中心軸L1を中心として周方向に沿ってずれていないか、又はずれているとしても、そのずれは中心軸L1周りの角度で90度未満である。なお、製品の要求特性として許容される場合、第1径部43同士の交差、及び、90度以上の上記のずれのうち、いずれか一方が生じていてもよい。
【0051】
次に、上述した光接続構造1の製造方法について説明する。まず、構造体100を含む第1光コネクタ10を製造する。具体的には、まず、MCF12、フェルール14、及びフランジ16を準備する。MCF12は、各コア12aが所定の配置(例えば4本のコア12aの正方配置)をされたものである。
【0052】
続いて、フランジ16の内孔及びフェルール14の内孔14a内にMCF12を挿入して、フェルール14の内孔14aにMCF12の先端部分12dを嵌合させる。このとき、MCF12の先端面12cをフェルール14の端面14bと一致させてもよいし、嵌合させた後にフェルール14の端面14bとともにMCF12の先端面12cを研磨してもよい。例えばPC(Physical contact)接続できるように研磨する場合、フェルール14の端面14bの曲率半径は、例えば1mm以上50mm以下である。図示しないハウジングにフェルール14及びフランジ16を収容することにより、構造体100が準備される。そして、図示しないハウジングにフェルール14及びフランジ16を収容することにより、第1光コネクタ10が準備される。
【0053】
次に、光ファイババンドル200を含む第2光コネクタ20を製造する。以下、光ファイババンドル200の製造方法について説明する。図12は、光ファイババンドル200の製造方法を示すフローチャートである。まず、前端50a、後端50b、及び内孔51を有するフェルール50を準備する(ステップS01:フェルールを準備する工程)。次に、内孔61を有するフランジ60を準備する(ステップS02:保持部を準備する工程)。なお、フランジ60の準備がフェルール50の準備よりも先に行われてもよく、これらの準備が並行して行われてもよい。
【0054】
続いて、ガラスファイバ41と被覆42とを有する複数の光ファイバ40を準備する(ステップS03:複数の光ファイバを準備する工程)。複数の光ファイバ40を準備する工程では、光ファイバ40のガラスファイバを細径加工することにより第1径部43及びテーパ部45を形成する。一例としては、複数の光ファイバ40からなるテープ心線の先端部分のみを単心に分離させ、当該先端部分をエッチャント(etchant)に浸漬して化学エッチングする。エッチャントは例えばフッ酸である。このように、テープ心線の先端部分のみを単心に分離させ、先端部分以外をテープ心線のままとすることにより、複数の光ファイバ40を挿入する工程(ステップS04)から固定する工程(ステップS07)までの複数の光ファイバ40のばらつき及び絡まりが抑制されるので、作業性が向上する。なお、複数の光ファイバ40の準備は、フランジ60及びフェルール50の一方又は双方の準備よりも先に行われてもよく、フランジ60及びフェルール50の一方又は双方の準備と並行して行われてもよい。なお、複数の光ファイバ40を準備する工程(ステップS03)は、被覆42の外観を変更する工程を含んでもよい。変更する工程では、ペンなどを用いて被覆42に色を着けることによって被覆42の外観を変更してもよい。
【0055】
続いて、複数の光ファイバ40をフランジ60の内孔61及びフェルール50の内孔51に挿入する(ステップS04:挿入する工程)。この工程では、フランジ60の内孔61及びフェルール50の内孔51内に複数の光ファイバ40を一括して挿入して、フェルール50の内孔51に複数の光ファイバ40を配置する。具体的には、図10に示されるように、複数の光ファイバ40の第1径部43を、フェルール50の内孔51の第1部分52に挿入する。同時に、複数の光ファイバ40のテーパ部45を、フェルール50の内孔51の第2部分53に挿入する。同時に、複数の光ファイバ40の第2径部44と被覆部46との境目を、フランジ60の内孔61に挿入する。このとき、複数の光ファイバ40を、MCF12のコア12aの配置に対応するように(例えば長手方向Aと交差する断面において2次元状に)、フェルール50内に配列する。この際、各光ファイバ40は、クラッド40b同士が接すると共に、フェルール50の内孔51にも接するように配置される。なお、被覆部46のうち単心分離された部分を第1径部43の配列と同様に整列させて被覆42同士を固着した後に、フェルール50に複数の光ファイバ40を挿入してもよい。この場合、フェルール50の内部において交差が発生するおそれが低減される。また、被覆部46同士の長手方向Aにおけるずれが抑制されるので、光ファイバ40のフェルール50への挿入量のばらつきが低減される。これにより、フランジ60の内部において一部の光ファイバ40の曲率半径が小さくなることが抑制される。
【0056】
図13は、複数の光ファイバ40をフェルール50に挿入する途中の状態を示す図である。図13に示されるように、複数の光ファイバ40をフェルール50の内孔51の奥まで挿入すると、光ファイバ40がフェルール50の内径変換部54に接触する。このとき、光ファイバ40が、フェルール50の前端50a(図10参照)に向けて移動することができず、停止する。この状態では、内径変換部54において、光ファイバ40の第1径部43の曲げが大きくなり、第1径部43において曲げ損失及び断線が生じるおそれがある。したがって、上記挿入する工程では、図13に示されるように、内径変換部54に突き当たるまで光ファイバ40を挿入した後、図10に示されるように、光ファイバ40を一定距離引き戻す。これにより、フェルール50の内孔51の第2部分53及び内径変換部54において小さな曲率をもって第1径部43を屈曲させつつ、第1径部43を第1部分52に挿入することができる。その結果、第1径部43における曲げ損失及び断線を抑制することが可能となる。
【0057】
続いて、フェルール50の前端50aにおける複数の光ファイバ40の配置を確認する(ステップS05:確認する工程)。具体的には、複数の光ファイバ40のそれぞれの末端面40dから光を導通させ、複数の光ファイバのそれぞれの先端面40cを観察することによって、フェルール50の前端50aにおける複数の光ファイバ40の配置を確認する。すなわち、複数の光ファイバ40の末端面40dから光を導通させて、複数の光ファイバ40の末端面40dと先端面40cとの対応関係を確認する。一例としては、光ファイバ40の末端面40dから赤色レーザ光を入射する。その場合、フェルール50の前端50aにおいて、当該光ファイバ40のコア40aから赤色レーザ光が出射する。このとき、複数の光ファイバの先端面40cを顕微鏡等で拡大して観察することによって、赤色レーザ光が出射した位置を記録する。これにより、複数の光ファイバ40の末端面40dと先端面40cとの対応関係を確認することができる。光ファイバ40に入射する光は可視光であればよい。
【0058】
続いて、交差及びずれの一方又は両方が生じているか否かを判定する(ステップS06:判定する工程)。交差とは、フェルール50の内孔51における複数の光ファイバ40のうち1つの光ファイバ40の第1径部43と他の光ファイバ40の第1径部43との交差である。ずれとは、フェルール50の前端50aにおける複数の光ファイバ40の配置と内孔61における複数の光ファイバ40の配置との間のずれである。ずれは、内孔51の中心軸L1を中心として周方向に沿った所定角度以上のずれである。所定角度とは、例えば90度である。複数の光ファイバ40がまとまって回転した場合に生じるずれを、ねじれという。
【0059】
以下、判定する工程(ステップS06)についてより詳細に説明する。まず、光ファイバ40の被覆42の外観に基づいて、フェルール50の後端50bにおける複数の光ファイバ40の被覆部46と、複数の光ファイバ40の末端面40dとの対応関係を確認する。次に、ステップS05において確認した末端面40dと先端面40cとの対応関係を、フランジ60における被覆部46と、末端面40dとの対応関係に適用することによって、フランジ60における被覆部46と、フェルール50の前端50aにおける先端面40cとの対応関係を確認する。
【0060】
続いて、フランジ60における被覆部46と、フェルール50の前端50aにおける先端面40cとの対応関係に基づいて、内孔61における複数の光ファイバ40の被覆部46の配置(以下、「被覆部配置」と表記する)と、フェルール50の前端50aにおける複数の光ファイバ40の配置(以下、「先端面配置」と表記する)とを比較する。最後に、被覆部配置と先端面配置との比較結果に基づいて、ずれ及び交差の一方又は両方が生じているか否かを判定する。
【0061】
図14は、被覆部配置の一例を示す図である。図15から図17は、先端面配置の一例を示す図である。図14に示される例では、被覆部46(1),46(2),46(3),46(4)は、この順で時計周りに並んでいる。図15に示される例では、先端面40c(1),40c(2),40c(3),40c(4)は、この順で時計周りに並んでいる。図16に示される例では、先端面40c(1),40c(2),40c(3),40c(4)は、先端面40c(1),40c(4),40c(3),40c(2)の順で時計回りに並んでいる。図17に示される例では、先端面40c(1),40c(2),40c(3),40c(4)は、先端面40c(4),40c(1),40c(2),40c(3)の順で時計周りに並んでいる。
【0062】
例えば、図14に示す被覆部配置と図15に示す先端面配置とを比較すると、被覆部46の時計回りの並び順が先端面40cの時計回りの並び順と一致している。この場合、フェルール50の内孔51において交差が生じていないと判定することができる。加えて、図14に示す被覆部配置と図15に示す先端面配置とを比較すると、内孔51の中心軸L1を中心として周方向に沿ったずれが先端面40cと被覆部46との間に生じていない(言い換えると、先端面40cと被覆部46との間の角度ずれは0度である)。この場合、フェルール50の内孔51において、先端面40cと被覆部46との間に、中心軸L1を中心とする周方向のずれが先端面40cと被覆部46との間に生じていないと判定することができる。この例では、複数の光ファイバ40同士の交差、及び先端面40cと被覆部46との間のずれのいずれも生じていないため、フェルール50の内孔51における第1径部43の曲率半径は、例えば32.5mm以上といった大きな値となる。
【0063】
また、例えば、図14に示す被覆部配置と図16に示す先端面配置とを比較すると、被覆部46の時計回りの並び順が先端面40cの時計回りの並び順と一致しない。この場合、フェルール50の内孔51において複数の光ファイバ40同士の交差が生じていると判定することができる。図14に示す被覆部配置と図16に示す先端面配置とを比較すると、内孔51の中心軸L1を中心として周方向に沿ったずれが先端面40cと被覆部46との間に生じていない(言い換えると、先端面40cと被覆部46との間のずれは0度である)。この場合、フェルール50の内孔51において、先端面40cと被覆部46との間に、中心軸L1を中心とする周方向のずれが先端面40cと被覆部46との間に生じていないと判定することができる。この例では、複数の光ファイバ40同士の交差が生じているため、フェルール50の内孔51における第1径部43の曲率半径は、例えば17.0mm以下といった小さな値となる。
【0064】
さらに、例えば、図14に示す被覆部配置と図17に示す先端面配置とを比較すると、被覆部46の時計回りの並び順が先端面40cの時計回りの並び順と一致する。この場合、フェルール50の内孔51において複数の光ファイバ40同士の交差が生じていないと判定することができる。しかし、図14に示す被覆部配置と図17に示す先端面配置とを比較すると、内孔51の中心軸L1を中心として周方向に沿った角度θのずれが先端面40cと被覆部46との間に生じている。角度θは、図14において内孔61の中心と或る先端面40cの中心とを通る直線B1と、図17において内孔51の中心と当該先端面40cの中心とを通る直線B2とが成す角度である。角度θが所定角度未満(例えば90度未満)である場合、フェルール50の内孔51において先端面40cと被覆部46との間にずれが生じていないと判定することができる。角度θが所定角度以上(例えば90度以上)である場合、フェルール50の内孔51において先端面40cと被覆部46との間にずれが生じていると判定することができる。90度以上のずれが生じている場合、フェルール50の内孔51における第1径部43の曲率半径は、例えば17.0mm以下といった小さな値となる。
【0065】
交差及びずれの一方又は両方が生じていると判定した場合(ステップS06:YES)、挿入する工程(ステップS04)、確認する工程(ステップS05)及び判定する工程(ステップS06)を再度実行する。この場合、挿入する工程では、複数の光ファイバ40をフェルール50に再度挿入してもよいし、フェルール50から複数の光ファイバ40を抜かずに、フェルール50に振動を与えてもよいし、光ファイバ40を長手方向Aに沿って動かしてもよい。交差及びずれの両方が生じていないと判定した場合(ステップS06:NO)、固定する工程(ステップS07)に移行する。
【0066】
なお、判定する工程(ステップS06)において、交差が生じているか否かのみを判定してもよい。交差が生じていると判定した場合(ステップS06:YES)、挿入する工程(ステップS04)、確認する工程(ステップS05)及び判定する工程(ステップS06)を再度実行する。交差が生じていないと判定した場合(ステップS06:NO)、固定する工程(ステップS07)に移行する。また、判定する工程(ステップS06)において、ずれが生じているか否かのみを判定してもよい。ずれが生じていると判定した場合(ステップS06:YES)、挿入する工程(ステップS04)、確認する工程(ステップS05)及び判定する工程(ステップS06)を再度実行する。ずれが生じていないと判定した場合(ステップS06:NO)、固定する工程(ステップS07)に移行する。
【0067】
続いて、接着剤により複数の光ファイバ40をフェルール50に固定する(ステップS07:固定する工程)。具体的には、まず、フェルール50の内孔51と複数の光ファイバ40との間の隙間に接着剤28を注入する。この際、接着剤28は光ファイバ40の先端面40c及びフェルール50の端面50cを覆う程度に十分に注入する。その後、接着剤28を、例えば加熱により熱硬化させる。これにより、複数の光ファイバ40がフェルール50に固定される。その後、フェルール50の端面50cを光ファイバ40の先端面40cと共に研磨する。研磨により、先端面40c上及び端面50c上の接着剤は除去され、先端面40c及び端面50cが露出する。PC接続するように研磨する場合、フェルール50の端面50cの曲率半径は、上記と同様に、例えば1mm以上50mm以下とされる。以上により、光ファイババンドル200が準備される。そして、図示しないハウジングにフェルール50及びフランジ60を収容することにより、第2光コネクタ20が準備される。
【0068】
続いて、割スリーブ30を準備する。そして、割スリーブ30内において、フェルール14の端面14bとフェルール50の端面50cとが互いに当接するように、第1光コネクタ10と第2光コネクタ20とを相互に接続する。続いて、MCF12の各コア12aと、複数の光ファイバ40の対応する各コア40aとが光学的に結合するように、割スリーブ30内において、フェルール14及びフェルール50の一方又は両方を回転して調心を行う。
【0069】
続いて、調心が終了したのち、第1光コネクタ10と第2光コネクタ20とを互いに対して押圧した状態で固定する。なお、この際、押圧部材を用いて、割スリーブ30との摩擦でフェルール14とフェルール50とを押圧状態としてもよいし、接着剤でフェルール14とフェルール50とを接着固定してもよい。以上により、光接続構造1を製造することができる。
【0070】
続いて、フェルール50に設けられた内孔51にフェルール50の後端50bから複数の光ファイバ40が挿入されたときに、フェルール50の内孔51における複数の光ファイバ40の状態を判定する判定方法について説明する。まず、フェルール50の前端50aにおける複数の光ファイバ40の配置を確認する(ステップS05:確認する工程)。そして、交差及びずれの一方又は両方が生じているか否かを判定する(ステップS06:判定する工程)。
【0071】
以上に説明した本実施形態に係る光ファイババンドル200の製造方法、光ファイババンドル200、光接続構造1及び判定方法によって得られる作用効果について説明する。従来の光ファイババンドルでは、フェルールの内部において複数の光ファイバにおける曲げ損失が増加するおそれがある。具体的には、光ファイババンドルの製造において、複数の光ファイバがフェルールの後端から挿入された場合、複数の光ファイバの交差又はねじれが生じることがある。例えば、複数の光ファイバを、縄のようにねじって剛性を高め、フェルールの内孔に接触しつつ挿入することがある。このねじれによって、光ファイバの曲げ損失が発生するおそれがある。以上のことから、フェルールの内部において複数の光ファイバの曲げが増加し、複数の光ファイバにおける曲げ損失が増加するおそれがある。
【0072】
複数の光ファイバのねじれを抑制するには、フェルールとファイバのとの間の隙間を開け、なるべく摩擦力を発生させないことが考えられる。しかしながら、フェルールとファイバのとの間に隙間があると、光ファイババンドルの先端において複数の光ファイバの先端面の配列が崩れ、複数の光ファイバのコアとMCFの複数のコアとの位置が合わなくなり易い。これにより、光損失が発生するおそれがある。よって、ねじれの発生をある程度許容すると共に、そのねじれの程度を製造過程で観察することが望まれる。
【0073】
光ファイババンドル200の製造方法では、判定する工程(ステップS06)において交差及びずれの一方又は両方が生じている場合、固定する工程(ステップS07)の前に、挿入する工程(ステップS04)、確認する工程(ステップS05)及び判定する工程(ステップS06)を再び実行する。かかる構成によれば、フェルール50の内孔51における複数の光ファイバ40の交差及びねじれ一方又は両方が抑制された光ファイババンドル200を製造することができる。その結果、複数の光ファイバ40の曲げ損失が低減された光ファイババンドル200を製造することができる。また、複数の光ファイバ40の被覆42のそれぞれは、光ファイバ40ごとに異なる外観を含む。かかる構成によれば、被覆42の外観に基づいて、複数の光ファイバ40の被覆部46を容易に判別することができる。これにより、フェルール50の後端50bにおける複数の光ファイバ40の被覆部46と、複数の光ファイバ40の末端面40dとの対応関係を確認することが可能となる。ここで、複数の光ファイバ40の末端面40dから光を導通させて複数の光ファイバ40の末端面40dと先端面40cとの対応関係を確認することによって、フェルール50の後端50bにおける複数の光ファイバ40の被覆部46と、フェルール50の前端50aにおける複数の光ファイバ40の先端面40cとの対応関係を確認することが可能となる。よって、フェルール50の後端50bにおける複数の光ファイバ40の被覆部46の配置と、フェルール50の前端50aにおける複数の光ファイバ40の先端面40cの配置とを比較することが可能となる。その結果、判定する工程(ステップS06)において、交差及びずれの一方又は両方が生じているか否かを容易に判定することが。
【0074】
また、光ファイババンドル200の製造方法において、被覆42の外観を変更する工程では、色を着けることによって被覆42の外観が変更される。この場合、被覆42の外観を容易に変更することができる。
【0075】
本実施形態に係る光ファイババンドル200では、複数の光ファイバ40のうち1つの光ファイバ40の第1径部43が、フェルール50の内孔51において他の光ファイバ40の第1径部43と交差していない形態、及び、フェルール50の前端50aにおける複数の光ファイバ40の先端面40cの配置が、フランジ60の内孔61における複数の光ファイバ40の被覆部46の配置に対して、フェルール50の内孔51の中心軸L1を中心として周方向に沿ってずれていないか或いはその角度ずれが90度未満である形態、のうち少なくとも一つの形態を有する。かかる構成によれば、フェルール50の内孔51において複数の光ファイバ40の交差及びねじれ一方又は両方が抑制される。これにより、複数の光ファイバ40の曲げ損失を低減することができる。また、複数の光ファイバ40の被覆42のそれぞれは、光ファイバ40ごとに異なる外観を含む。かかる構成によれば、複数の光ファイバ40を容易に判別することができる。
【0076】
ここで、フェルールに切り欠き構造を設け、フェルールの内部のねじれ及び交差を可視化することも考えられる。しかしながら、フェルールの加工にかかるコストが増加すると共にねじれを抑制することができない。一方、本実施形態に係る光ファイババンドル200のフェルール50では、製造コストの増加を抑えつつ、複数の光ファイバ40の曲げ損失を低減することができる。
【0077】
本実施形態のように、光ファイババンドル200では、複数の光ファイバ40のそれぞれにおいて、被覆42の先端部42aの外観及び被覆42の末端部42bの外観は、互いに対応する色又は色彩をそれぞれ含む。この場合、被覆42の先端部42a及び末端部42bにおいて、複数の光ファイバ40を容易に判別することができる。
【0078】
本実施形態のように、光ファイババンドル200では、複数の光ファイバ40の被覆42の外観は、光ファイバ40ごとに異なる色又は色彩をそれぞれ含む。この場合、複数の光ファイバ40を容易に判別することができる。
【0079】
本実施形態のように、光ファイババンドル200では、複数の光ファイバ40の少なくとも一部は、テープ化されている。この場合、光ファイバ40同士が長手方向Aに沿ってずれることを抑制し、フランジ60の内孔61において複数の光ファイバ40の曲げの増加を抑制することができる。これにより、複数の光ファイバ40の曲げ損失を低減することが可能となる。
【0080】
本実施形態に係る光接続構造1は、上述した光ファイババンドル200を有する第2光コネクタ20と、長手方向Aに沿って延在する複数のコア12aと複数のコア12aを覆うクラッド12bとを含むMCF12、及び、MCF12の先端部分12dを保持するフェルール14を有する第1光コネクタ10と、を備える。第2光コネクタ20が第1光コネクタ10に接続されたとき、複数の光ファイバ40のコア40aがMCF12の複数のコア12aにそれぞれ光学的に結合する。この光接続構造1では、複数の光ファイバ40における曲げ損失を低減することが可能となる。
【0081】
本実施形態のように、光接続構造1は、MCF12と複数の光ファイバ40とを光学的に結合する。かかる構成によれば、光接続構造1は、MCF12のファンイン・ファンアウト・デバイス(Fan-In/Fan-Out:FIFO)を構成することができる。図18は、FIFO70を示す図である。FIFO70は、複数のコネクタ71と、複数の光ファイバ40Aと、光接続構造1Aと、MCF12と、光接続構造1Bと、複数の光ファイバ40Bと、複数のコネクタ72とを有する。複数のコネクタ71には、複数の光ファイバ40Aがそれぞれ接続されている。複数の光ファイバ40Aは、光接続構造1AにおいてMCF12に光学的に結合されている。MCF12は、光接続構造1Bにおいて複数の光ファイバ40Bに光学的に結合されている。複数の光ファイバ40Bは、複数のコネクタ72に光学的に結合されている。このFIFO70では、コネクタ71から入力された信号が、光ファイバ40A、MCF12、及び光ファイバ40Bを伝搬してコネクタ72から出力される。
【0082】
光接続構造1A,1Bは、光接続構造1と同様の構成を有している。これにより、MCF12のコアと光ファイバ40A,40Bのコアとの位置を合わせ、光損失が最小となる位置で固定する作業である調心作業を容易に行うことができる。また、光接続構造1A,1Bには、複数の光ファイバ40A,40Bを介してコネクタ71,72が取り付けられている。かかる構成によれば、上記調心作業後にFIFO70の検査を行う場合、IL測定(挿入損失測定)を繰り返し行うことが容易になる。
【0083】
コネクタ71,72は、単心融着又は多心融着によって光ファイバ40A,40Bに融着されている。多心融着により融着を行う場合、複数のコネクタ71,72を複数の光ファイバ40A,40Bに1回の作業で接続することができる。この場合、単心融着と比較して、作業時間を短縮することができる。さらに、複数の光ファイバ40A,40Bがテープ心線である場合、複数のコネクタ71,72を複数の光ファイバ40A,40Bに容易に融着することができる。光ファイバ40A,40B単体を並べて融着させる必要がないので、融着のための作業が簡易になることによりFIFO70の製造コストが減少すると共に、融着精度の低下を抑制することができる。
【0084】
本実施形態に係る判定方法では、フェルール50の内孔51における、複数の光ファイバ40のうち1つの光ファイバ40と他の光ファイバ40との交差、及び、フェルール50の前端50aにおける複数の光ファイバ40の先端面40cの配置とフェルール50の後端50bにおける複数の光ファイバ40の被覆部46の配置との間のずれであって、フェルール50の内孔51の中心軸L1を中心とした周方向に沿った90度以上のずれ、の一方又は両方が生じているか否かを判定する。かかる構成によれば、フェルール50の内孔51において、複数の光ファイバ40の交差及びねじれ一方又は両方が抑制される。これにより、光ファイババンドル200において、複数の光ファイバ40における曲げ損失を低減することが可能となる。
【0085】
本開示による光ファイババンドル200の製造方法、光ファイババンドル200、光接続構造1、及び判定方法は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では、複数の光ファイバ40の被覆42の外観は、光ファイバ40ごとに異なるマーキングをそれぞれ含んでもよい。この場合、複数の光ファイバ40を容易に判別することができる。また、複数の光ファイバ40を準備する工程(ステップS03)において、被覆42の外観を変更する工程では、被覆42にレーザを照射することによって、光ファイバ40ごとに異なるマーキングを被覆42に施してもよい。この場合、被覆42の外観を容易に変更することができる。
【0086】
また、例えば、上記実施形態では、複数の光ファイバ40の被覆42は、光ファイバ40ごとに異なる外径をそれぞれ有してもよいし、光ファイバ40ごとに色や外観が異なる材料をそれぞれ含んでもよい。これらの場合、複数の光ファイバ40を容易に判別することができる。
【0087】
また、例えば、上記実施形態の光ファイババンドル200では、複数の光ファイバ40は、互いに対応する外観を含む第1テープ及び第2テープを有してもよい。複数の光ファイバ40のそれぞれの第1テープの外観は、互いに異なってもよい。複数の光ファイバ40のそれぞれの第2テープの外観は、互いに異なってもよい。被覆42の先端部42aは、第1テープによってラベリングされてもよい。被覆42の末端部42bは、第2テープによってラベリングされてもよい。この場合、被覆42の外観を容易に変更することができる。また、被覆42の外観を変更する工程では、第1テープ及び第2テープで被覆42をラベリングすることによって被覆42の外観を変更してもよい。この場合、被覆42の外観を容易に変更することができる。
【符号の説明】
【0088】
1,1A,1B…光接続構造
10…第1光コネクタ
12…MCF
12a…コア
12b…クラッド
12c…先端面
12d…先端部分
14…フェルール
14a…内孔
14b…端面
16…フランジ
20…第2光コネクタ
28…接着剤
30…割スリーブ
40,40A,40B…光ファイバ
40a…コア
40b…クラッド
40c…先端面
40d…末端面
41…ガラスファイバ
42…被覆
42a…先端部
42b…末端部
43…第1径部
44…第2径部
45…テーパ部
46…被覆部
47…配列変更部
50…フェルール
50a…前端
50b…後端
50c…端面
51…内孔
52…第1部分
53…第2部分
54…内径変換部
60…フランジ
61…内孔
70…FIFO
71,72…コネクタ
100…構造体
200…光ファイババンドル
A…長手方向
B1…直線
B2…直線
L1…中心軸
θ…角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18