(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106691
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】端子板、スイッチ装置、電子機器及び電子時計
(51)【国際特許分類】
H01H 1/26 20060101AFI20240801BHJP
G04G 21/00 20100101ALI20240801BHJP
H01H 13/52 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
H01H1/26 C
G04G21/00 304B
H01H13/52 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011087
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷部 恭平
(72)【発明者】
【氏名】池田 大輔
【テーマコード(参考)】
2F002
5G051
5G206
【Fターム(参考)】
2F002AA12
2F002AB01
2F002AC01
2F002AC02
2F002BA04
5G051HA02
5G051HA10
5G051HA18
5G051HA42
5G206AS27J
5G206AS27K
5G206FS12J
5G206FS12K
5G206GS06
5G206KS37
5G206PS02
(57)【要約】
【課題】端子板の傾きを抑えて良好なスイッチングを実現する。
【解決手段】スイッチ装置10が、基板2と、基板2の電極22と接触し、ベース部材1に組み付けられる端子板5と、押圧されることで端子板5に接触して基板2と導通状態となるスイッチ用板ばね35と、を備え、端子板5は、ベース部材1に係止される第1係止部54及び第2係止部57を有し、第1係止部54と第2係止部57とは互いに離間した位置に設けられている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の電極と接触し、ベース部材に組み付けられる端子板と、
押圧されることで、前記端子板に接触して前記基板と導通状態となるスイッチ用板ばねと、
を備え、
前記端子板は、前記ベース部材に係止される第1係止部及び第2係止部を有し、
前記第1係止部と前記第2係止部とは互いに離間した位置に設けられている、
ことを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記端子板は、基端部と、前記基端部から延びて前記基板の電極と接触する先端部と、を含むコンタクト用板ばねを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記第1係止部は、前記基端部側に設けられ、
前記第2係止部は、前記第1係止部よりも前記先端部側に設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記第1係止部は、前記スイッチ用板ばねの押圧される部分の一方側に位置し、
前記第2係止部は、前記スイッチ用板ばねの押圧される部分の他方側に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記基板は、電子部品が搭載され、
前記スイッチ用板ばねは、押ボタンの押圧動作に応じて押圧される、
ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記コンタクト用板ばねは、前記端子板の長手方向に沿って設けられ、
前記第1係止部は前記端子板の一端側に設けられ、前記第2係止部は前記端子板の他端側に設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記端子板は、前記ベース部材に形成されたスリット部に挿入される第1の挿入部及び第2の挿入部を有し、前記第1係止部及び前記第2係止部は、前記第1の挿入部及び第2の挿入部が前記スリット部に挿入されることで前記ベース部材に係止される、
ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項8】
前記第1の挿入部及び前記第2の挿入部は、板の厚み方向に突出する凸部を有し、前記スリット部に圧入固定されている、
ことを特徴とする請求項7に記載のスイッチ装置。
【請求項9】
前記端子板は、前記ベース部材の側面側に配置される本体部と、
前記本体部における長手方向の一端側と連接され、前記ベース部材の他方の面側に配置された舌片部と、を有し、
前記舌片部は、前記コンタクト用板ばねを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ装置。
【請求項10】
前記本体部は、中央部が肉抜きされた枠形状である、
ことを特徴とする請求項9に記載のスイッチ装置。
【請求項11】
前記端子板は、前記ベース部材に形成されたスリット部に挿入される第1の挿入部及び第2の挿入部を有し、
前記第1の挿入部及び前記第2の挿入部は、前記本体部に対して所定の角度折り曲げられた形状である、
ことを特徴とする請求項9に記載のスイッチ装置。
【請求項12】
本体部と、
前記本体部における長手方向の一端側と連接され、コンタクト用板ばねを含む舌片部と、
第1の部材に係止され、前記本体部の一端側に設けられた第1係止部と、
第1の部材又は前記第1の部材とは異なる第2の部材に係止され、前記本体部の他端側に設けられた第2係止部と、
を備える、
ことを特徴とする端子板。
【請求項13】
請求項12に記載の端子板を備える、
ことを特徴とするスイッチ装置。
【請求項14】
請求項1から請求項11、請求項13のいずれか一項に記載のスイッチ装置を備える、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項15】
請求項1から請求項11、請求項13のいずれか一項に記載のスイッチ装置を備える、
ことを特徴とする電子時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、端子板、スイッチ装置、電子機器及び電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、押しボタンのボタンパイプ(特許文献1において「操作子」)が筐体側に押し込まれることでオン動作するスイッチ装置(押ボタンスイッチ、特許文献1において「プッシュ式スイッチ」)が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、こうしたスイッチ装置を備える時計等の電子機器も各種存在する。
【0003】
時計等の電子機器では、小型化・薄型化が求められている。しかし、その結果各種部品の配置場所が限定されて押し難くなり、押しボタンのボタンパイプを押し込んだときに基板側のスイッチ用端子(電極)との導通が難しくなる場合がある。
そこで、ボタンパイプを押し込んだ際の基板側のスイッチ用の電極との導通可能な範囲を拡張するために端子板が配置される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の板ばねは、一端側しか係止されていない構造である。従って、基板によってこのような板ばねが押圧されると端子板が傾いてしまう場合がある。端子板が傾くと押しボタンのボタンパイプを押し込んでもボタンパイプの先端が端子板とうまく接触することができず、スイッチングすることができない、接触不良が生じるおそれがある。
【0006】
本発明はこうした課題を解決するためのものであり、組み込んだときに傾きを抑えて良好なスイッチングを実現することのできる端子板、端子板の傾きを抑えて良好なスイッチングを実現することのできるスイッチ装置、スイッチ装置を備える電子機器及び電子時計を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明に係るスイッチ装置は、
基板と、
前記基板の電極と接触し、ベース部材に組み付けられる端子板と、
押圧されることで、前記端子板に接触して前記基板と導通状態となるスイッチ用板ばねと、
を備え、
前記端子板は、前記ベース部材に係止される第1係止部及び第2係止部を有し、
前記第1係止部と前記第2係止部とは互いに離間した位置に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、組み込んだときに端子板の傾きを抑えて良好なスイッチングを実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態における時計の模式的な側面図である。
【
図2】本実施形態におけるモジュールを表面側から見た斜視図である。
【
図3】本実施形態におけるモジュールを裏面側から見た斜視図である。
【
図4】
図3において一点鎖線で囲んだIV部分を拡大した要部斜視図である。
【
図7】
図5及び
図6に示す端子板をベース部材に組み付けた状態を示す平面図である。
【
図8】本実施形態における端子板と基板との位置関係を示す模式図である。
【
図9】本実施形態における端子板の板ばねが基板によって押圧された際の状態を示す模式図である。
【
図10】従来の端子板をベース部材に組み付けた状態を示す平面図である。
【
図11】
図10に示す端子板と基板との位置関係を示す模式図である。
【
図12】
図10に示す端子板の板ばねが基板によって押圧された際の状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[構成]
図1から
図12を参照しつつ、本発明に係る端子板、スイッチ装置、スイッチ装置を備える電子機器及び電子時計の一実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態では、電子機器が例えば腕時計型の電子時計(以下において「時計100」とする)に設けられる場合を例として説明する。また、以下の実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。なお、以下において、x方向,y方向、z方向は各図に示すものをいう。実施形態においてz方向は、時計100の厚み方向(上下方向)であり、上側を時計100の表側(視認側)、下側を時計100の裏側(非視認側)とする。
【0011】
図1は、本実施形態における時計の模式的な側面図である。
図1に示すように、本実施形態の時計100は、本体ケース101を備えている。
本体ケース101は、中空の短柱形状に形成されている。本体ケース101を形成する材料は特に限定されないが、例えばチタンやステンレス鋼(SUS)等の金属材料で形成されている。なお、本体ケースを形成する材料はここに例示したものに限定されない。例えば各種セラミック等で形成されていてもよい。またポリアリレート(PAR)等のスーパーエンジニアリング・プラスチックやポリアセタール(POM)等のエンジニアリング・プラスチック等の硬質の合成樹脂等の硬質材料で形成されていてもよい。
【0012】
本体ケース101の上側(
図1において上側、表側、時計100の視認側)は、風防部材102により閉塞されている。風防部材102は、例えばガラスや樹脂で形成された透明な部材である。
また本体ケース101の下側(
図1において下側、裏側、時計100の非視認側)は、裏蓋103により閉塞されている。裏蓋103は、例えば本体ケース101と同様の各種金属や合成樹脂等で形成されている。なお裏蓋103は本体ケース101と一体的に形成されていてもよい。
【0013】
図1に示すように、本体ケース101の外側部であってアナログ方式の時計における6時側及び12時側に対応する位置には、それぞれ本体ケース101にバンド107を連結させるためのバンド取付け部104が設けられている。
また本体ケース101の側部には、操作部として押ボタン105が設けられている。押ボタン105は、本体ケース101の外部に露出するボタン頭部105aと、ボタン頭部105aに取り付けられ、本体ケース101の内外に貫通する図示しないシャフト(ボタンパイプ)とを有している。
押ボタン105が設けられる位置や数は特に限定されない。
図1に示す例では、時計100の右側の側面に2つの押ボタン105が配置されている場合を示しているが、図示されていない時計100の左側の側面等にも同様の押ボタン105が配置されている。また操作部は押ボタン105に限定されず、例えばりゅうず等、各種の操作部が併せて設けられていてもよい。
【0014】
本実施形態において、本体ケース101の内部には、
図2及び
図3に示すモジュール110が収容されている。モジュール110は、後述するスイッチ装置10(
図4参照)等を含む電子機器である。
図2は、モジュール110を表面側から見た斜視図であり、
図3は、モジュール110を裏面側から見た斜視図である。
図4は、
図3において一点鎖線で示したIV部分の拡大図である。なお
図4では、重なり合って実際には見えなくなっている部材を図示するため、外側に配置される部材の一部を切り欠いて二点鎖線で示している。
【0015】
図2及び
図3に示すように、本実施形態のモジュール110は、ほぼ円筒状に形成されたベース部材1に基板2や押さえ部材3等が組み付けられたものである。
ベース部材1は、例えば各種樹脂等で形成され、モジュール110を構成する各部品が取り付けられるハウジングである。
ベース部材1の側面であって後述の端子板5が配置される位置には、端子板5を保持する端子板配置部11(
図4参照)が形成されている。端子板配置部11の周方向の両端部にはそれぞれスリット部(第1のスリット部12及び第2のスリット部13、
図7参照)が形成されている。
【0016】
例えばベース部材1の表面側(
図1及び
図2において上側、モジュール110を時計100の本体ケース101内に組み込んだ際に視認側となる側)には、
図2に示すように、液晶パネル等を含む表示用ユニット71や指針式の表示部を構成する指針軸72等が設けられている。指針軸72には図示しない各種指針が取り付けられる。図示は省略するが、ベース部材1には指針を動作させるモータや輪列機構等が適宜組み込まれる。
なお、
図1に示す例では、時計100が
図2に示す表示用ユニット71と指針軸72とを備え、アナログ方式、デジタル方式、両方の表示部を有するハイブリット方式の時計である場合を例示したが、時計100はこれに限定されない。例えば指針等を有さず表示用ユニット71のみを備えて、デジタル方式で時刻等の表示を行うものであってもよいし、指針や文字板を備え、表示用ユニット71を有さないアナログ方式の時計であってもよい。
【0017】
ベース部材1の裏面側(
図1及び
図2において下側、モジュール110を時計100の本体ケース101内に組み込んだ際に非視認側となる側)には、例えば
図3に示すようにバッテリ73が組み付けられる。またベース部材1の裏面側には基板2が設けられている。さらにベース部材1の裏面側には、基板2が配置された上から押さえ部材3が配置され、基板2やバッテリ73をベース部材1に固定している。
【0018】
基板2は、LSI(Large-Scale Integration)を構成する板状の部材である。具体的には、基板2は時計100の各種動作を行うための各種電子部品21(
図2及び
図3において電子部品例のイメージを図示)を搭載している。また基板2はこれらの電子部品21を接続する電子回路(電極を含む)等を有している。電子部品21としては、例えば、マイコン、外付けの記憶部(フラッシュメモリなど)、大容量のコンデンサ、通信や計測などの各種機能動作に係る時計モジュール、水晶振動子等が含まれ得る。基板2には、バッテリ73から電力供給がなされ、各電子部品21等を動作させる。例えば、マイコンは、水晶振動子の発振に応じたクロック信号を利用して時刻(日付情報を含んでいてもよい)を計数する。また、マイコンは、表示用ユニット71の表示画面に時刻等の表示を行わせる。基板2は、複数層を有する積層基板であってもよい。また
図2及び
図4に示すように、基板2の表面や側面には、適宜スイッチ用の電極22(
図2から
図4参照)が露出して設けられている。
【0019】
押さえ部材3は、例えば各種金属材料で形成された導電性の部材であり、ベース部材1の裏面側に設けられる。
押さえ部材3は、ベース部材1の裏面に配置され、基板2の上に被さる板状の平面部31と、平面部31の外周縁からベース部材1の側面に被さるように延出している側面部32とを含んでいる。
ベース部材1の側面には、係止爪部15が設けられており、押さえ部材3の側面部32であって係止爪部15に対応する位置には係止孔33が形成されている。押さえ部材3の係止孔33がベース部材1の係止爪部15に係止されることで、押さえ部材3がベース部材1との間に基板2等を挟み込んだ状態でベース部材1に固定される。
なお、係止爪部15及び係止孔33が設けられる位置及び設けられる数は特に限定されない。押さえ部材3を安定してベース部材1に固定する観点からは、例えば係止爪部15及び係止孔33を周方向に間隔をあけて3つ以上設け、3箇所以上で係止させることが好ましい。
【0020】
また、押さえ部材3の側面部32であって、モジュール110を本体ケース101内に収容したときに、前述の押ボタン105に対応する位置には、スイッチ用板ばね34,35が設けられている。
スイッチ用板ばね34,35は、押ボタン105の押圧動作(ボタン頭部105aを押し込む押し込み動作)を検出するためのものである。スイッチ用板ばね34,35は、それぞれ板ばね本体34a,35aと、接点部34b,35bと、を有している。板ばね本体34a,35aは、押ボタン105が押圧された際(押し込まれた際)に、少なくとも図示しないシャフトの先端が接触可能な位置にそれぞれ配置されている。なお、押ボタン105が押し込まれていない状態では、シャフトはスイッチ用板ばね34,35と接触していても接触していなくてもよい。
【0021】
押ボタン105が操作(押圧)されてシャフトが本体ケース101内部に押し込まれると、シャフトの先端が少なくとも板ばね本体34a,35aと接触し、これをモジュール110の中心に向かって押し込んでいく。これにしたがい、接点部34b,35bもモジュール110の中心に向かって押し込まれる。これにより、スイッチ用板ばね34,35の接点部34b,35bが直接又は間接に基板2の電極22と接触することで導通状態となる。スイッチ用板ばね34,35が基板2の電極22と導通することで押ボタン105が操作(押圧)されたことが前述の基板2に構成されたLSIに検出され、当該押ボタン105の操作に応じた動作が行われる。
【0022】
図2、
図3に示すように、スイッチ用板ばね34では、接点部34bが押し込まれた先に基板2の側面に露出した電極22が配置されている。このため、シャフトによって板ばね本体34aが押圧されると接点部34bが基板2の側に倒れ、直接に電極22と接触する。
これに対してスイッチ用板ばね35では、
図4に示すように、接点部35bが基板2の側面から離れた位置にある。このため、シャフトによって板ばね本体35aが押し込まれても接点部35bを電極22に直接的に接触させることができない。
なお、
図2では、スイッチ用板ばね35においてシャフトにより押圧される板ばね本体35aの領域を押圧領域Ar1(
図2において網掛けで示す)とし、基板2の電極22と(間接的に)接触する接点部35bに対応する領域を接触領域Ar2としている。
【0023】
通常、押ボタン105のシャフトは、本体ケース101の外側面からモジュール110の中心部に向ってほぼ水平方向(例えば
図1における上下方向に直交する方向)に押し込まれ、スイッチ用板ばね(例えば
図2及び
図3のスイッチ用板ばね34の板ばね本体34a)に対してほぼ垂直方向から当接する。この場合には基板2の側面に電極22を設けておけば、シャフトによって板ばね本体34aが押圧されたときに接点部34bが基板2側に倒れて電極22と接触する。これによりスイッチ用板ばね34と電極22とを導通させることができる。
【0024】
しかし、例えばボタン頭部105aが斜め上方向から押圧されるような構成の押ボタン105の場合には、シャフトも斜め上方向から板ばね本体に当接する。スイッチ用板ばね35はこのような構成の押ボタン105に対応するものである。
この場合には例えば
図2に示す板ばね本体35aの押圧領域Ar1がシャフトによって斜め上方向から押圧される。なおこのような構成の押ボタン105に対応するスイッチ用板ばね35では斜め上方向から押し込まれるシャフトをほぼ垂直な面で受けることができるように、板ばね本体35aもモジュール110の中心部に向って倒れた形状とし、シャフトの押し込み角度に対応する角度を付けることが好ましい。このように板ばね本体35aに角度を付けることで、斜め方向からシャフトが当接した場合にもシャフトの先端が滑ったりずれたりしにくく、適切に板ばね本体35aを押圧することができる。
【0025】
ただこのように板ばね本体35aが斜め上方向から押圧される場合には、接点部35bを基板2の側面に接触する位置まで倒すことが難しい。
そこでこのような構成となっている箇所(本実施形態ではスイッチ用板ばね35が配置される箇所)には、端子板5をさらに設けて接点部35bを基板2の電極22と接触させることのできる範囲を拡張させることが行われる。
図4に示すように、本実施形態のスイッチ装置10は、基板2と、スイッチ用板ばね35と、端子板5等を含んで構成されているものとする。
【0026】
端子板5は、金属等で形成された部材であり、ベース部材1の端子板配置部11に組み付けられ、少なくともその一部が基板2の電極22と接触している。
このため、シャフトによって板ばね本体35aの押圧領域Ar1が押し込まれることで、接点部35b(
図2から
図4の接触領域Ar2)が端子板5と接触すれば、スイッチ用板ばね35が端子板5を介して間接的に基板2の電極22と接触することができる。
【0027】
図5は、設置状態(例えば
図2等に示す状態)において下側(裏側)となる側から本実施形態における端子板を見た平面図であり、
図6は、
図5に示す端子板の斜視図である。また
図7は、端子板をベース部材の端子板配置部に配置した状態を示す平面図である。なお、端子板5の長手方向(
図5等においてy方向)に直交する方向を奥行き方向(
図5等においてx方向)したとき、
図2及び
図3のモジュール110を本体ケース101に収容した際に本体ケース101の側面と対向する側をx方向の「外側」、モジュール110の中心側(
図2において指針軸72が設けられている側)をx方向の「内側」とする。
【0028】
端子板5は、金属板に折り曲げ加工等を施すことで形成されている。
図5から
図7に示すように、端子板5は、本体部51、コンタクト用板ばね521等を有している。
【0029】
本体部51は、ベース部材1の端子板配置部11にベース部材1の側部に沿って配置される直線状の部分である。形状等は特に限定されないが、本実施形態では
図6に示すように中央部が肉抜きされた枠形状となっている。
本体部51における長手方向(
図5から
図7においてy方向)の一端側(
図5において右側)であってベース部材1の裏面側に配置される辺には、舌片部52が連接されている。
舌片部52は本体部51に対してほぼ90度、x方向の「内側」に折り曲げられ、ベース部材1に組み付けられた際にベース部材1の裏面側に配置される。
【0030】
舌片部52は、本体部51の長手方向に沿って設けられ、少なくとも一部が基板2と接触するコンタクト用板ばね521を含んでいる。
コンタクト用板ばね521は、基端部521a側(
図5等においてy方向の右側)から先端部(自由端)521b側(
図5等においてy方向の左側)に向って斜め下側(
図1から
図4において「下」側)に向って延出し、基板2と対向する。そして
図4に示すように少なくとも先端部(自由端)521bが基板2上に形成されたスイッチ用の電極22(
図4において斜線網掛けで示す)と接触する。
【0031】
また端子板5における、コンタクト用板ばね521の基端部521a側には第1の挿入部53が設けられ、第1の挿入部53からコンタクト用板ばね521の先端部521b側に向って離れた位置には第2の挿入部56が設けられている。
本実施形態では、第1の挿入部53は、端子板5の一端側(
図5等におけるy方向の右側端部)に本体部51に連続して設けられており、第2の挿入部56は、端子板5の他端側(
図5等におけるy方向の左側端部)に本体部51に連続して設けられている。なお、第1の挿入部53及び第2の挿入部56は、コンタクト用板ばね521の基端部521a側と先端部521b側とに離して設けられることが好ましいが、第1の挿入部53及び第2の挿入部56の設けられる具体的な位置はここに示したものに限定されない。
【0032】
第1の挿入部53は、
図5に示す平面視において、本体部51に対してほぼL字状に略90度、x方向の「内側」に折り曲げられている。
また第1の挿入部53における基板2と対向する辺には、第1係止部54が連接して設けられている。第1係止部54は、第1の挿入部53に対してほぼL字状に略90度折り曲げられた舌片であり、第1の挿入部53がベース部材1に形成された第1のスリット部12に挿入されることでベース部材1の裏面上に係止される。
【0033】
また第2の挿入部56は、
図5等に示すように平面視において、本体部51に対して所定の角度、x方向の「内側」に折り曲げられている。「所定の角度」(第2の挿入部56の折り曲げ角度)は特に限定されず、ベース部材1の第2のスリット部13の配置及び形状に合わせて適宜設定される。例えば第2の挿入部56は、第1の挿入部53と同様に略90度折り曲げられていてもよい。
また第2の挿入部56における基板2と対向する辺には、第2係止部57が設けられている。第2係止部57は、第2の挿入部56に対してほぼL字状に略90度折り曲げられた舌片であり、第2の挿入部56がベース部材1に形成された第2のスリット部13に挿入されることでベース部材1の裏面上に係止される。
【0034】
また
図6に示すように、第1の挿入部53及び第2の挿入部56は、板の厚み方向に突出する凸部55,58を有している。本実施形態では、第1の挿入部53及び第2の挿入部56の「外側」の面に凸部55,58が突出している。
第1の挿入部53及び第2の挿入部56は、少なくとも凸部55,58部分では板厚以上の厚みが確保されている。第1のスリット部12及び第2のスリット部13は、第1の挿入部53及び第2の挿入部56の板厚とほぼ同じ幅を有するスリットとなっている。このため、凸部55,58を有する第1の挿入部53及び第2の挿入部56をスリット部(第1のスリット部12及び第2のスリット部13)に挿入した際に、第1の挿入部53及び第2の挿入部56がスリット部(第1のスリット部12及び第2のスリット部13)に圧入固定される。
【0035】
なお、端子板5の形状は、図示例に限定されない。
例えば、本体部51が枠形状となっていることは必須ではない。中央部が肉抜きされていない板状であってもよい。また、強度が維持できる範囲で肉抜き部分の大きさや形状を適宜変更することも可能である。
また例えば第1の挿入部53及び第2の挿入部56の形状は、図示例に限定されない。第1の挿入部53及び第2の挿入部56の、本体部51に対する折り曲げ角度は、実施形態に示したものに限定されず、例えば第1の挿入部53及び第2の挿入部56の両方が、本体部51に対してほぼ90度に折り曲げられていてもよい。また第1の挿入部53及び第2の挿入部56の両方又はいずれか一方が、本体部51に対して鋭角又は鈍角に折り曲げられていてもよい。
さらに第1の挿入部53の凸部55及び第2の挿入部56の凸部58の両方又はいずれか一方が、第1の挿入部53及び第2の挿入部56の「内側」の面(図示例とは逆側の面)に突出していてもよい。また凸部55、58の形状や配置、設ける個数等も図示例には限定されない。
【0036】
[作用]
次に、本実施形態の
図2及び
図4に示すスイッチ装置10、スイッチ装置10を備える電子機器であるモジュール110及び
図1に示す時計100の作用について、
図8及び
図9等を参照しつつ、説明する。
図2及び
図4に示すスイッチ装置10を形成する場合には、まず、
図3に示すように、ベース部材1にバッテリ73等の部品を組み付ける。また
図4に示すように、ベース部材1の側面に形成されている端子板配置部11に端子板5を配置する。このとき、
図7に示すように第1の挿入部53を第1のスリット部12内に圧入し、第2の挿入部56を第2のスリット部13内に圧入することで固定する。これにより、ベース部材1の裏面に第1係止部54及び第2係止部57が係止される。
【0037】
次に、
図4に示すように、ベース部材1の裏面側に基板2を載せる。このとき、
図2及び
図3に示すように、モジュール110を
図1に示す本体ケース101に収容した際に、スイッチ用の電極22の位置が各押ボタン105の位置に対応するように基板2を配置する。また、これにより、
図5から
図7に示す端子板5のコンタクト用板ばね521の少なくとも先端部521bが、
図2及び
図3に示す基板2のスイッチ用の電極22と接触する。
さらにその上から
図2から
図4に示す押さえ部材3を配置して、押さえ部材3の係止孔33にベース部材1の係止爪部15を係止させる。これにより、ベース部材1の裏面と押さえ部材3とで基板2を挟むようにして基板2等が押さえられ、ベース部材1に固定される。
【0038】
図2及び
図3に示すように、押さえ部材3の係止孔33にベース部材1の係止爪部15を係止させた状態において、押さえ部材3に形成されているスイッチ用板ばね34が、基板2の側面に形成されたスイッチ用の電極22に対応する位置に配置される。またスイッチ用板ばね35が端子板5に対応する位置に配置される。
スイッチ用板ばね34の板ばね本体34aが、
図1に示す押ボタン105のシャフトによって押圧されると、接点部34bが基板2の電極22と接触しスイッチ用板ばね34と基板2とが導通する。これにより基板2のLSIにより押ボタン105が押圧操作されたことが検知され、押ボタン105に対する操作に対応する各種動作が実行される。
また、スイッチ用板ばね35の押圧領域Ar1(
図2参照)が押ボタン105のシャフトによって押圧され、接点部35bの接触領域Ar2(
図2等参照)が端子板5と接触すると、スイッチ用板ばね35と基板2の電極22とが導通し、LSIにより押ボタン105が押圧操作されたことが検知される。そして、押ボタン105に対する操作に対応する各種動作が実行される。
【0039】
図8及び
図9は、基板と端子板との位置関係を示す図である。
図8及び
図9に示すように、
図2から
図4に示すベース部材1の裏面側に基板2を載せる際には、基板2が端子板5のコンタクト用板ばね521を押圧しながら、
図2から
図4に示すベース部材1上に配置される。このとき、板ばねであるコンタクト用板ばね521が先端部521bから押し付けられる(
図8及び
図9において下向の矢印で示す押圧力がかかる)ことで、コンタクト用板ばね521の基端部521a側には反力として上方向(
図3、
図4、
図8及び
図9において上方向、モジュール110の裏面側)に浮き上がろうとする力(
図9において上向の矢印で示す力)が生じる。
【0040】
しかし本実施形態の端子板5は、コンタクト用板ばね521の基端部521a側とは逆側も第2係止部57によりベース部材1上に係止されている。このため、基端部521a側の第1係止部54と、逆側(先端部521b側)の第2係止部57とによって端子板5が浮き上がろうとする力が押さえられるので、端子板5は傾かずに姿勢を維持することができる。
特に本実施形態では、第1係止部54が、スイッチ用板ばね35の押圧される部分(押圧領域Ar1)の一方側に位置し、第2係止部57が、スイッチ用板ばね35の押圧される部分(押圧領域Ar1)の他方側に位置している。このため、スイッチ用板ばね35が押圧され、接点部35bの接触領域Ar2(
図2等参照)が端子板5と接触した際にも、端子板5が安定してベース部材1に係止された状態が維持される。
【0041】
これに対して
図10から
図12は、端子板6がコンタクト用板ばね62の基端部61側に設けられた係止部63のみでベース部材1の端子板配置部11のスリット部17に係止されている片持ち構造の場合を模式的に図示したものである。
この場合には、コンタクト用板ばね62が基板2によって押圧されると、板ばねに加わる押圧力(
図11及び
図12において下向の矢印で示す)の反力として基端部61側には上方向(
図11及び
図12において上方向、モジュール110の裏面側)に浮き上がろうとする力(
図12において上向の矢印で示す力)が生じる。そして、端子板6が
図10から
図12に示すような片持ち構造の場合、この反力に耐えられずに、
図12に示すように、基端部61側の係止部63がスリット部17から抜ける等して端子板6全体が傾いてしまう。
【0042】
図12に示すように端子板6が傾いてしまうと、
図1に示す押ボタン105が押圧操作されてシャフトによりスイッチ用板ばね35が押し込まれても、接点部35bの接触領域Ar2(
図11及び
図12において二点鎖線で示す)が端子板6と接触することができず、導通不良となってスイッチングを検出することができない。
この点本実施形態では、端子板5が、コンタクト用板ばね521の基端部521a側と先端部521b側とに第1係止部54及び第2係止部57を有し、2か所でベース部材1に係止されている。これにより、端子板5の傾きを防止することができ、
図8及び
図9に示すように、
図1に示す押ボタン105が押圧操作されてシャフトによりスイッチ用板ばね35が押し込まれた際、接点部35bの接触領域Ar2(
図8及び
図9において二点鎖線で示す)が端子板5と接触する。
このため、スイッチ用板ばね35と基板2のスイッチ用の電極22とが導通し、押ボタン105の押圧操作を正しく検出して操作に応じたスイッチング処理を行うことができる。
【0043】
[効果]
以上のように本実施形態におけるスイッチ装置10は、電子部品21を搭載する基板2と、ベース部材1に組み付けられ、基端部521aから一方向に延びて少なくとも先端部521bが基板2の電極22と接触するコンタクト用板ばね521を有する端子板5と、
押ボタン105の押圧動作に応じて押圧され、押圧された場合に端子板5に接触して基板2と導通状態となるスイッチ用板ばね35と、を備え、端子板5は、コンタクト用板ばね521の基端部521aにベース部材1に係止される第1係止部54を有し、第1係止部54からコンタクト用板ばね521の先端部521bに向って離れた位置にベース部材1に係止される第2係止部57を有している。
これにより、スイッチ用板ばね35をシャフトで押圧した際の基板2側の電極22との導通可能範囲を拡張する構成を最小限の部材及びスペースで実現することができる。
そして基板2をベース部材1に組み付ける際に、コンタクト用板ばね521が基板2によって押圧されても押圧力に対して生じた反力を第1係止部54及び第2係止部57の2か所で抑えることができる。このため、反力によって端子板5が浮き上がって傾くのを防ぐことができ、適切にスイッチ用板ばね35と基板2のスイッチ用の電極22とを導通させ、良好なスイッチングを確保することができる。
また第1係止部54及び第2係止部57がコンタクト用板ばね521の基端部521aと、基端部521aから先端部521bに向って離れた位置とに離して配置されている。このため、コンタクト用板ばね521の先端部521bが押圧されて強い反力が発生した場合でも効果的に反力による浮き上がりを抑えることができる。
【0044】
また本実施形態のコンタクト用板ばね521は、端子板5の長手方向に沿って設けられ、第1係止部54は端子板5の一端側に設けられ、第2係止部57は端子板5の他端側に設けられている。
このように、端子板5をベース部材1に係止する第1係止部54及び第2係止部57を端子板5の長手方向の両端に離して設けることで、コンタクト用板ばね521の押圧により生じる反力を効果的に抑えて端子板5を安定させることができる。
【0045】
また本実施形態の端子板5は、ベース部材1の側面側に配置される本体部51と、本体部51における長手方向の一端側と連接され、ベース部材1の他方の面側に配置された舌片部52と、を有し、舌片部52は、コンタクト用板ばね521を含んでいる。
これにより、コンタクト用板ばね521が本体部51によって支えられ、安定する。
また本実施形態の本体部51は、中央部が肉抜きされた枠形状となっている。
このため、端子板5をより軽量化することができる。
【0046】
また本実施形態の端子板5は、ベース部材1に形成された第1のスリット部12及び第2のスリット部13に挿入される第1の挿入部53及び第2の挿入部56を有し、第1係止部54及び第2係止部57は、第1の挿入部53及び第2の挿入部56が第1のスリット部12及び第2のスリット部13に挿入されることでベース部材1に係止される。
これにより、第1の挿入部53及び第2の挿入部56を第1のスリット部12及び第2のスリット部13に挿入するだけで、端子板5をベース部材1に係止させることができる。
【0047】
また、第1の挿入部53及び第2の挿入部56は、本体部51に対して所定の角度折り曲げられた形状となっている。
これにより、第1の挿入部53及び第2の挿入部56が第1のスリット部12及び第2のスリット部13にそれぞれ挿入された際に、抜けにくくなり、安定する。
【0048】
また本実施形態では第1の挿入部53及び第2の挿入部56は、板の厚み方向に突出する凸部55,58を有し、第1のスリット部12及び第2のスリット部13に圧入固定されている。
これにより、少なくとも凸部55,58の設けられている部分では第1のスリット部12及び第2のスリット部13のスリット幅と同じかこれ以上の厚みを確保することができ、第1の挿入部53及び第2の挿入部56を第1のスリット部12及び第2のスリット部13内にしっかりと圧入固定することができる。
【0049】
また本実施形態の電子機器であるモジュール110は、実施形態に示すスイッチ装置10を備えている。
このため、端子板5の浮き上がり、傾きの発生に由来するスイッチング不良を抑えて、良好にスイッチング処理を行うことができる。
また、押ボタン105のシャフトが斜め方向から押し込まれる場合にも確実にスイッチングさせることができる構成を、少ない部品と比較的簡易な構成で実現することができ、モジュール110全体の小型化、薄型化に資する。
【0050】
また本実施形態の時計100は、実施形態に示すスイッチ装置10を備えている。
このため、押ボタン105を操作することで確実に所望の動作を行わせることのできる時計100を実現する。
また、押ボタン105のシャフトが斜め方向から押し込まれる場合にも確実にスイッチングさせることができる構成を、少ない部品と比較的簡易な構成で実現することができ、スイッチ装置10を備える時計100全体の小型化、薄型化に資する。
【0051】
[変形例]
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0052】
例えば、コンタクト用板ばね521が押圧された際の反力を抑えるためには第1係止部54及び第2係止部57がある程度の距離を離して配置される方が効果的であるが、端子板5の両端部側に設けられている場合に限定されない。
また反力により端子板の傾きを抑えることができればよく、第1係止部54及び第2係止部57の形状は図示例に限定されない。さらに、係止部を3箇所以上備える構成としてもよい。
【0053】
また上記実施の形態では、押ボタン105が電子機器の側面に位置しているものを例示したが、押ボタン105の配置は側面に限定されない。
またスイッチ用板ばね35に対応する押ボタン105が時計100の表面側(視認側)に設けられ、斜め上方向から押圧される場合について説明したが、押ボタン105は時計100の裏面側(非視認側)に設けられ、斜め下方向から押圧されるものであってもよい。この場合にはスイッチ用板ばね35の形状(特に、押圧領域Ar1の形状)をシャフトによる押圧方向に応じて適宜変更する。
さらに、
図1に示した押ボタン105の形状は一例であり、特に限られない。
【0054】
また、上記実施の形態では、スイッチ装置10が設けられる電子機器が時計100の本体ケース101等に設けられるモジュール110であり、時計100が腕時計型の時計である場合を例示して説明したが、スイッチ装置10が設けられる電子機器や時計はこれに限られない。
例えば腕に装着されるのではない携帯型の時計等に、本実施形態のスイッチ装置10が適用されてもよい。
また、電子機器には、ユーザが装着したり携帯したりするもの、例えば、スマートウォッチ等のリスト機器、アクティビティ計測計やバイタルの計測計等に組み込まれるものを広く含み得る。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、構造及び位置関係などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載した発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0055】
1 ベース部材
2 基板
3 押さえ部材
5 端子板
10 スイッチ装置
11 端子板配置部
12 第1のスリット部
13 第2のスリット部
22 電極
34 スイッチ用板ばね
35 スイッチ用板ばね
35a 板ばね本体
35b 接点部
51 本体部
52 舌片部
53 第1の挿入部
54 第1係止部
55 凸部
56 第2の挿入部
57 第2係止部
58 凸部
521 コンタクト用板ばね
100 時計
101 本体ケース
105 押ボタン
110 モジュール(電子機器)
Ar1 押圧領域
Ar2 接触領域