(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106695
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】バックライト及び表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240801BHJP
F21V 9/38 20180101ALI20240801BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20240801BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240801BHJP
F21Y 105/16 20160101ALN20240801BHJP
【FI】
F21S2/00 481
F21V9/38
G02F1/13357
F21Y115:10
F21Y105:16
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011095
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】矢島 利浩
(72)【発明者】
【氏名】大田 隆
(72)【発明者】
【氏名】柴田 倫秀
【テーマコード(参考)】
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H391AA03
2H391AB05
2H391AB14
2H391AB24
2H391EA05
3K244AA01
3K244BA01
3K244BA03
3K244BA31
3K244BA48
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA13
3K244DA14
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA03
3K244GA04
3K244GA05
3K244GA10
(57)【要約】
【課題】青色LEDと色変換シートを用いたバックライトにおいて、青色LED周辺における黄色シフトを軽減する。
【解決手段】
青色LED31が平面状に、かつ、第1の間隔をもってマトリクス状に配置した光源と、前記光源を覆って色変換シート40が配置したバックライトであって、前記色変換シート40には、青色光を受けて赤色を発光する赤量子ドット411と、青色光を受けて緑色を発光する緑量子ドット412が分散され、前記青色LED31の近傍に、青色よりも波長の小さい光を放出する、短波長LED311が配置し、平面で視て、前記色変換シート40には、前記短波長LED311と重複する位置に、前記短波長の光を受けて、青色を発光する青量子ドット413が配置していることを特徴とするバックライト。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
青色LEDが平面状に、かつ、第1の間隔をもってマトリクス状に配置した光源と、前記光源を覆って色変換シートが配置したバックライトであって、
前記色変換シートには、青色光を受けて赤色を発光する赤量子ドットと、青色光を受けて緑色を発光する緑量子ドットが分散され、
前記青色LEDの近傍に、青色よりも波長の小さい光を放出する、短波長LEDが配置し、
平面で視て、前記色変換シートには、前記短波長LEDと重複する位置に、前記短波長の光を受けて、青色を発光する青量子ドットが配置していることを特徴とするバックライト。
【請求項2】
前記青量子ドットは、前記赤量子ドットと前記緑量子ドットとともに分散されていることを特徴とする請求項1に記載のバックライト。
【請求項3】
前記青量子ドットは、平面で視て、前記青色LEDを中心としてリング状に配置し、前記青色LEDとは重複しないことを特徴とする請求項1に記載のバックライト。
【請求項4】
前記青量子ドットは、前記色変換シートの平面方向に分布を持ち、前記分布のピークは、前記リング状の領域の幅の中央よりも外側に存在していることを特徴とする請求項1に記載のバックライト。
【請求項5】
前記青量子ドットは、前記色変換シートの断面方向に分布を持ち、前記色変換シートは、色変換シートの断面方向の中央よりも、前記光源から離れた側において密度が大きいことを特徴とする請求項1に記載のバックライト。
【請求項6】
前記短波長LEDと前記青色LEDとの間隔は、前記第1の間隔の1/4以下であることを特徴とする請求項1に記載のバックライト。
【請求項7】
前記短波長LEDは、平面で視て、前記青色LEDを挟むように、4個配置していることを特徴とする請求項1に記載のバックライト。
【請求項8】
前記短波長LEDは、平面で視て、前記青色LEDを挟むように、2個配置していることを特徴とする請求項1に記載のバックライト。
【請求項9】
液晶表示パネルの背面にバックライトを有する液晶表示装置であって、前記バックライトは、請求項1に記載のバックライトであることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項10】
青色LEDが平面状に、かつ、第1の間隔をもってマトリクス状に配置した光源と、前記光源を覆って色変換シートが配置したバックライトであって、
前記色変換シートには、青色光を受けて赤色を発光する赤量子ドットと、青色光を受けて緑色を発光する緑量子ドットが分散され、
平面で視て、前記色変換シートには、前記青色LEDの周辺にリング状に、前記緑量子ドットの割合が、他の領域よりも高い領域が存在することを特徴とするバックライト。
【請求項11】
前記緑量子ドットの割合が、他の領域よりも高い領域の幅は、前記第1の間隔の1/4以下であることを特徴とする請求項10に記載のバックライト。
【請求項12】
液晶表示パネルの背面にバックライトを有する液晶表示装置であって、前記バックライトは、請求項10に記載のバックライトであることを特徴とする液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数のLEDを平面上に配置した直下型のバックライト、及び、これを用いた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置等の表示領域のバックライトとして、多数の単色のLEDを平面上に配置し、これを覆って色変換シートを配置することによって白色光を得る構成が多く用いられている。以下に液晶表示装置の例を示す。
【0003】
液晶表示装置では画素電極および薄膜トランジスタ(TFT)等がマトリクス状に形成されたTFT基板と、TFT基板に対向して、対向基板が配置され、TFT基板と対向基板の間に液晶層が挟持されている。そして液晶分子による光の透過率を画素毎に制御することによって画像を形成している。
【0004】
液晶表示パネル自身は発光しないので、バックライトが必要である。LED(発光ダイオード)を平面上に配置した直下型のLEDは輝度を大きくとることが出来る。LEDは特定の波長の光を発光する。一方、バックライトには白色光が必要である。そこで、3色のLEDから発光される光をミックスして白色光を得る方式と、1色のLEDからの光を、光変換シートを用いて白色に変換する方式が存在している。いずれの方式でも、光を完全にミックスして白色を得るという課題が存在している。
【0005】
特許文献1では、単色のLEDを多数平面上に配置し、LED毎に、内壁にQDシートを有し、上方に光を放射する開口を有するQDボックスを配置する構成が記載されている。特許文献1の構成では、QDシートによってLEDからの光を変換し、LEDからの光と変換された光をQDボックス内において十分にミックスして、白色光を開口から放出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
バックライトにおける白色を得る手段としては、単色のLEDを用いて色変換シートによって白色を得る方法が、構造が比較的簡単なので多用されている。例えば、青色と黄色をミックスすると疑似的に白色を得ることが出来る。そこで、青色LEDの出射方向に青色を黄色に変換する色変換シートを配置すると、青色と黄色のミックスされた白色光が色変換シートから放出される。
【0008】
この方法の課題は、青色と黄色の割合が場所毎に変化することがあり、白色を表示したい場合であっても、色むらが生じやすいという点である。特許文献1は、LED毎に、QDボックスを配置することによって、複数の波長の光を十分にミックスさせた白色をQDボックスの開口から放射するものであるが、この方法は、構造が比較的複雑である。
【0009】
本発明の課題は、比較的簡単な構成で、単色のLEDと色変換シートを用いて、色むらの生じにくい、白色バックライトを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するものであり、主な具体的な手段は次のとおりである。
【0011】
(1)青色LEDが平面状に、かつ、第1の間隔をもってマトリクス状に配置した光源と、前記光源を覆って色変換シートが配置したバックライトであって、前記色変換シートには、青色光を受けて赤色を発光する赤量子ドットと、青色光を受けて緑色を発光する緑量子ドットが分散され、前記青色LEDの近傍に、青色よりも波長の小さい光を放出する、短波長LEDが配置し、平面で視て、前記色変換シートには、前記短波長LEDと重複する位置に、前記短波長の光を受けて、青色を発光する青量子ドットが配置していることを特徴とするバックライト。
【0012】
(2)青色LEDが平面状に、かつ、第1の間隔をもってマトリクス状に配置した光源と、前記光源を覆って色変換シートが配置したバックライトであって、前記色変換シートには、青色光を受けて赤色を発光する赤量子ドットと、青色光を受けて緑色を発光する緑量子ドットが分散され、平面で視て、前記色変換シートには、前記青色LEDの周辺にリング状に、前記緑量子ドットの割合が、他の領域よりも高い領域が存在することを特徴とするバックライト。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】液晶表示装置におけるセグメントの例を示す平面図である。
【
図4】バックライトにおける4個のセグメントを示す平面図である。
【
図15】バックライトのさらに他の例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るバックライトは種々の表示装置について使用することが出来る。バックライトを用いる表示装置の中でも、液晶表示装置はその代表的なものであるので、以下に液晶表示装置に即して本発明を説明する。
【0015】
図1は液晶表示装置の1例を示す平面図である。
図1において、TFT基板100と対向基板200がシール材16によって接着し、内部に液晶が挟持されている。TFT基板100と対向基板200がオーバーラップした部分に表示領域14が形成されている。表示領域14には、走査線11が横方向(x方向)に延在し、縦方向(y方向)に配列している。また、映像信号線12が縦方向に延在して横方向に配列している。走査線11と映像信号線12で囲まれた領域に画素13が形成されている。
【0016】
図1において、TFT基板100が対向基板200とオーバーラップしていない部分は端子領域15となっている。端子領域15には、液晶表示パネルに電源や信号を供給するためにフレキシブル配線基板17が接続している。液晶表示パネルを駆動するドライバICはフレキシブル配線基板17に搭載されている。TFTの背面には、
図2に示すようにバックライトが配置している。
【0017】
図2は液晶表示装置の断面図である。
図2において、液晶表示パネル10の背面にバックライト20が配置している。液晶表示パネル10は次のような構成になっている。すなわち、画素電極、コモン電極、TFT、走査線、映像信号線等が形成されたTFT基板100に対向して、ブラックマトリクスやカラーフィルタが形成された対向基板200が配置している。TFT基板100と対向基板200は周辺において、シール材16によって接着し、内部に液晶300が封入されている。
【0018】
液晶分子は、TFT基板100及び対向基板200に形成された配向膜によって、初期配向している。画素電極とコモン電極の間に電圧が印加されると、液晶分子が回転し、画素毎にバックライト20からの光を制御することによって画像を形成する。液晶300は、偏向光のみ制御することが出来るので、TFT基板100の下に下偏光板101を配置して、偏向光のみを液晶300に入射する。液晶300で変調された光は、上偏光板201において、検光され、画像が視認される。
【0019】
図2において、液晶表示パネル10の背面にバックライト20が配置している。バックライト20は光源部30の上に色変換シート40が配置し、その上に光学シート群50が配置している構成である。表示装置のバックライト20には、LED等の光源が導光板の側面に配置するサイドライト方式と、LED等の光源が導光板の下面に配置する直下型とが存在するが、本発明では、直下型方式のバックライトを使用する。
【0020】
図2において、光源部30の上には色変換シート40が配置している。色変換シートの構成は後で説明する。色変換シート40の上には光学シート群50が配置している。光学シート群50には、プリズムシート、拡散シート等が用いられる。また、バックライト20からの光の利用効率を向上させるために、偏向反射シートが用いられることもある。どのような光学シートを用いるか、あるいは、どのような光学シートを何枚用いるかは表示装置によって決められる。
【0021】
図3は、液晶表示パネルの表示領域をセグメント141に分けた場合の平面図である。セグメント141毎にバックライトにおいてLEDが配置している。
図3は模式図であり、実際には、
図3よりも多くのセグメントに分かれている。各セグメントの大きさは、4mm以下、多くの場合は2mm程度である。
図3におけるセグメントを示す点線は架空の線であり、表示領域にこのような線があるわけではない。
【0022】
図3において、光源であるLEDは、各セグメントの中心に配置される。つまり、LEDは平面で視て、回路基板上に、x方向、y方向に等間隔でマトリクス状に配置している。言い換えると、正方形の頂点に配置している。
【0023】
図4は、
図3に示すセグメント141を4個分描いた平面図である。
図4において、セグメント141の中央にはLED31が配置している。
図4に示すように、LED31は正方形の頂点に配置していると言うことが出来る。LED31は、ミニLEDを使用した場合、100μm乃至300μm程度の大きさである。
図4ではLED31は正方形であるが、長方形の場合もありうる。LED31の間隔は、セグメントと同じ大きさの2mmである。
【0024】
LED31を覆って色変換シート40が配置している。色変換シート40としては表示領域共通に1枚のシートが使用される。
図4の点線は、セグメント141の境界を示す架空の線である。色変換シート内には、
図5で説明するように、赤QD411、緑QD412が混合したQD41が分散している。
【0025】
図5は、バックライトの構成を示す断面図であり、
図4のA-A断面図に相当する。
図5において、バックライト用回路基板33の上にLED31が載置されている。LED31は青色発光ダイオード(以後青色LEDとも言う)が使用されている。LED31は透明樹脂32によって覆われている。透明樹脂32には、例えばアクリル樹脂あるいはシリコーン樹脂が使用される。
【0026】
図5において、LED31を覆う透明樹脂32の上に色変換シート40が載置されている。色変換シート40は、色変換材料41として、蛍光体粒子を分散させた蛍光体シートを使用する場合とQD(Quantun Dot、以後、量子ドットともいう)を分散させたQDシート(以後、量子ドットシートともいう)を使用する場合がある。
図5では、QDシートを使用している。
【0027】
色変換シート(QDシート)40は、
図5に示すように、透明バインダ42中に量子ドット41が分散されたものが、バリア層を兼ねた薄い透明樹脂フィルム43にサンドイッチされたものである。バリア層としての薄い透明樹脂フィルム43には、アクリル、ポリカーボネイト、あるいは、PET(ポリエチレンテレフタレート)等が用いられる。色変換シート40の厚さは全体として80ミクロン乃至300ミクロンである。
【0028】
図6は
図5で使用される量子ドット41の模式図である。量子ドット41は、半導体の微粒子であり、粒子径の大きさによって、変換されて出射する光の波長が異なる。量子ドット41の径ddは一般には、20nm以下である。
図6において、P1およびP2は半導体である。P1は例えば球状のCdSeであり、P1の周りをZnSであるP2が覆っている。
【0029】
量子ドット41は、入射した光を閉じ込め、入射した光よりも長波長の光を出射する。入射光はLED31からの光であるが、青色光の場合もあるし、紫外光の場合もある。
図5ではLED31からの光は青色光である。
図6の量子ドット41におけるLはリガンド(Ligand)と呼ばれるものであり、量子ドット41が樹脂中に分散されやすくするものである。
図6に示す量子ドット41は、バインダとよばれる透明樹脂42内に分散されている。バインダ42として使用される樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることが出来る。
【0030】
図7及び
図8は、
図4及び
図5に示すバックライトにおける問題点を示す図である。
図7は、
図4と同じ4個のセグメントにおいて、LED31を点灯した場合の色変換シート40からの出光パターンである。
図7の構成は
図4と同じであり、LED31の上に色変換シート40が配置している。LED31からは青色光が放射し、一部は、量子ドット41で黄色光に変換され、他は青色光のまま出射するので、全体として白色の光が出射するように設計されている。
【0031】
しかし、実際には、
図7で示すように、平面で視て、LED31の周辺において、黄色がかった領域Yが出現する。以後この領域を黄色シフト領域ともいう。この領域は、例えば、
図7におけるハッチングを施した円状である。
図7は模式図であり、黄色シフト領域は、はっきりした境界が存在するわけではない。
図7の点線で示す円は、黄色シフトの生ずるおおよその領域を示すものである。つまり、
図7では、LED31に対応する部分は白色であり、ハッチングを施した領域は黄色シフトをおこしており、ハッチングのさらに外側は再び白色となっている。
【0032】
図8は、バックライトの1セグメント分の断面図である。
図8では、光学シート群は省略されている。
図8において、回路基板33の上に青色LED31が配置し、青色LED31を透明樹脂32が覆っている。透明樹脂32の上に色変換シート40が配置している。色変換シート40は、バインダ42内に量子ドット41が分散し、これを透明バリア層43でサンドイッチした構成である。
【0033】
図8に示すように、LED31から色変換シート40の法線方向に進む光と、法線方向と角度θをもって進む光とでは、色変換シート40内を進む距離が異なる。法線方向に進む光が色変換シート40内を進む距離はd1であり、法線方向と角度θをもって進む光が色変換シート40内を進む距離はd2であり、d2>d1である。
【0034】
つまり、法線方向と角度θをもって進む光のほうが、量子ドット41に取り込まれる確率が大きく、したがって、青色光が黄色光に変換される確率が大きくなる。この現象は角度θの大きさによって異なるが、人間の眼に目立つようになるのは、角度θがある値よりも大きくなったときである。一方、黄色シフトの原因は、青色光と黄色光の割合なので、角度θがさらに大きくなった場合、青色光が黄色光に変換される量とが再び拮抗するようになって、出射光が白色に戻るという現象が生ずる。つまり、LED31からの光が、色変換シート40の法線方向と角度θをもって進む光のうち、ある範囲の角度θを持つ光が、黄色がかるということになる。
【0035】
本発明は以上のような問題点を解決するものである。以下の実施例によって本発明の内容を詳細に説明する。
【実施例0036】
図9は実施例1の特徴を示す平面図である。
図9は、
図7に対応する4個のセグメントの平面図である。
図9においても、
図7と同様、青色LED31がセグメントの中央に位置し、青色LED31を覆って色変換シート40が配置している。色変換シート40内には、赤及び緑の量子ドット41(411、412)が分散している。
図9が
図4あるいは
図7と異なる点は、
図7における黄色シフトを生じている領域に、赤量子ドット411及び緑量子ドット412に加えて青量子ドット413が分散しているということである。
図9では、この部分を41(411、412、413)として、他の部分41(411、412)と区別している。
図9でハッチングをした領域41(411、412、413)は、光源31を囲んでリング状に形成されている。
【0037】
一方、光源部においては、青量子ドット413が分散された領域に対応して、青LED31よりも波長の短い光を発光する、短波長LED311が配置している。短波長LED311からの光によって青量子ドット413によって、青の光が強化され、黄色シフトを相殺することが出来る。
【0038】
短波長LED311は、青量子ドット413を励起する能力があれば、特に限定しない。例えば、紫色LED、あるいは紫発光LEDでもよい。また、短波長LED311は、黄色シフトを解消させるだけの目的なので、光量は、メインの光源である、青LED31に比べて、小さくてよい。
【0039】
短波長LED311の位置は、
図9における、量子ドット41(411、412、413)と重複する範囲内であれば、どの位置でもよいが、
図9に示すように、量子ドット41(411、412、413)を含む領域の幅方向の中央付近が好ましい。別な言い方をすると、青色LED31の間隔をdとした場合、短波長LED311の位置は、青色LEDからd/4以内の範囲に存在することが望ましい。
【0040】
図10は、
図9に対応する、バックライトの1セグメント分の断面図である。
図10では、光学シート群は省略されている。
図10において、ハッチングで示す領域に青量子ドット413を含む量子ドット41(411、412、413)が分散し、その他の部分には、量子ドット41(411、412)が分散している。
【0041】
図10の上側は、青量子ドット413の分布の例を示している。この分布は、ピークが外側にずれた、正規分布に似た分布となっている。しかし、これは、単なる例であり、他の分布であっても目的を達成することは可能である。すなわち、青量子ドット413は、黄色シフトを目立たなくすればよいので、分布は正確に制御する必要はない。なお、
図10では、青量子ドット413の、色変換シート40の厚さ方向(z方向)の分布については、特に規定していない。青量子ドット413のz方向に分布は、均一であってもよいし、分布を有していてもよい。
【0042】
図10において、メインの光源である、青LED31の両側に、青LED31よりも波長の短い光を放射する短波長LED311が配置している。短波長LED311は、青量子ドット413を励起して青の光を放射させる能力があれば、どのようなLEDであってもよい。ミニLEDの大きさは、100乃至300μm程度なので、短波長LED311を
図10のように配置することは可能である。
【0043】
図9では、短波長LED311は、青LED31の周りに4個使用されている。
図9は例であり、コスト及び効果を勘案して短波長LED311の数を減らしてもよい。例えば、短波長LED311は、青色LED31を挟むように、2個配置してもよい。さらには、短波長LED311は1個でも効果を上げることが出来る。これらの場合、短波長LED311に対応する部分に青量子ドット413を多く分散させれば、効果的である。
【0044】
図11は、色変換シート40における、青量子ドット413の、厚さ方向(z方向)の分布の例を示す断面図である。
図11において、青量子ドット413は、色変換シート40の上側表面近くにおいて、厚さd3内に分布している。これは、例えば、色変換シート40の、量子ドット41が存在している厚さをd1とした場合、上表面からd1/2以内に青量子ドット413が存在していると言い換えてもよい。
【0045】
ところで、青量子ドット413を、色変換シート40の厚さ方向に均一に分布させるには、プロセス上、難しい場合がある。一方、青量子ドット413の役割は、黄色シフトを抑制することであるから、青量子ドット413による青光の発光は、それほど大きくする必要はない。したがって、青量子ドット413の、z方向の厚さd3は、量子ドット41(411、412)層の厚さよりも小さくすることが出来る。言い換えると、
図11において、青光の量は、青量子ドット413の厚さd3によっても変化させることが出来る。
【0046】
図11の上側に記載している分布図は、青量子ドット413の平面方向(x方向)の密度分布を示す。
図11の密度分布は、
図10の密度分布と同じになっている。ただし、この場合の密度分布も例であり、他の分布としても良い。例えば、
図11では、青量子ドット413の厚さd3は小さいので、平面方向(x方向)の分布はフラットでもよい。
【0047】
いずれにせよ、
図11における青量子ドット413の分布は例であり、
図11に示す他にも、青量子ドット413の範囲を制御しやすいように変えてもよい。
図11のその他の構成は
図10と同じである。