(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106696
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】酸性消毒剤組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 31/02 20060101AFI20240801BHJP
A01P 1/00 20060101ALI20240801BHJP
A01N 25/02 20060101ALI20240801BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20240801BHJP
A61K 31/045 20060101ALI20240801BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240801BHJP
A61K 47/28 20060101ALI20240801BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20240801BHJP
【FI】
A01N31/02
A01P1/00
A01N25/02
A61P31/00
A61K31/045
A61K47/10
A61K47/28
A61K47/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011096
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】399101201
【氏名又は名称】健栄製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼石 美沙紀
(72)【発明者】
【氏名】沖見 卓哉
(72)【発明者】
【氏名】黒▲だい▼ 範子
(72)【発明者】
【氏名】多賀 康仁
【テーマコード(参考)】
4C076
4C206
4H011
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076DD37
4C076DD45
4C076DD70
4C076FF52
4C206AA01
4C206CA03
4C206MA02
4C206MA05
4C206ZC80
4H011AA04
4H011BA04
4H011BB03
4H011BC06
4H011DA13
(57)【要約】
【課題】光に曝された場合であっても、臭気を発生しにくく、かつ、着色しにくい酸性消毒剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)エタノールと、(B)ジブチルヒドロキシトルエン、グリチルレチン酸またはエステル部位に炭素数1~3のアルキル基を有するパラオキシ安息香酸エステルのうち少なくともいずれかと、(C)水と、を含む、酸性消毒剤組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)エタノールと、(B)ジブチルヒドロキシトルエン、グリチルレチン酸またはエステル部位に炭素数1~3のアルキル基を有するパラオキシ安息香酸エステルのうち少なくともいずれかと、(C)水と、を含む、酸性消毒剤組成物。
【請求項2】
前記(A)成分の濃度は、40~90v/v%である、請求項1記載の酸性消毒剤組成物。
【請求項3】
前記(B)成分の濃度は、0.005~0.1w/v%である、請求項1または2記載の酸性消毒剤組成物。
【請求項4】
pHが4.0以下である、請求項1または2記載の酸性消毒剤組成物。
【請求項5】
青色半透明ポリエチレン製容器に充填して、殺菌灯曝光条件で48時間保管後の黄色度(YI)が10以下である、請求項1または2記載の酸性消毒剤組成物。
【請求項6】
前記(B)成分は、エステル部位に炭素数1~3のアルキル基を有するパラオキシ安息香酸エステルを含む、請求項1または2記載の酸性消毒剤組成物。
【請求項7】
前記(B)成分は、グリチルレチン酸を含む、請求項1または2記載の酸性消毒剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸性消毒剤組成物に関する。より詳細には、本発明は、光に曝された場合であっても、臭気を発生しにくく、かつ、着色しにくい酸性消毒剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノンエンベロープウイルスに対しても有効な酸性アルコール消毒剤が開発されている(たとえば、特許文献1~2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4163249号公報
【特許文献2】特許第6286321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、酸性アルコール消毒剤は、光に曝されると、不快なアセタール臭を発生しやすい。そこで、光を通しにくい容器に消毒剤を充填することが考えられる。しかしながら、そのような容器は、残液量を確認しにくい。一方、ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤を添加することにより、臭気の発生を防ぐことが考えられる。しかしながら、ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤を配合した消毒剤は、着色を起こしやすい。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、光に曝された場合であっても、臭気を発生しにくく、かつ、着色しにくい酸性消毒剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明は、以下の構成を主に備える。
【0007】
(1)(A)エタノールと、(B)ジブチルヒドロキシトルエン、グリチルレチン酸またはエステル部位に炭素数1~3のアルキル基を有するパラオキシ安息香酸エステルのうち少なくともいずれかと、(C)水と、を含む、酸性消毒剤組成物。
【0008】
このような構成によれば、酸性消毒剤組成物は、光に曝された場合であっても、臭気を発生しにくく、かつ、着色しにくい。
【0009】
(2)前記(A)成分の濃度は、40~90v/v%である、(1)記載の酸性消毒剤組成物。
【0010】
このような構成によれば、酸性消毒剤組成物は、各種微生物(細菌、真菌、ウイルス)に対する優れた消毒効果が得られる。
【0011】
(3)前記(B)成分の濃度は、0.005~0.1w/v%である、(1)または(2)記載の酸性消毒剤組成物。
【0012】
このような構成によれば、酸性消毒剤組成物は、臭気(アセタール臭)の発生がより抑えられやすい。
【0013】
(4)pHが4.0以下である、(1)~(3)のいずれかに記載の酸性消毒剤組成物。
【0014】
このような構成によれば、酸性消毒剤組成物は、中性のエタノールが効きにくいとされるノンエンベロープウイルス(ノロウイルスなど)に対する不活化効果が向上する。
【0015】
(5)青色半透明ポリエチレン製容器に充填して、殺菌灯曝光条件で48時間保管後の黄色度(YI)が10以下である、(1)~(4)のいずれかに記載の酸性消毒剤組成物。
【0016】
このような構成によれば、酸性消毒剤組成物は、着色がより抑えられやすい。
【0017】
(6)前記(B)成分は、エステル部位に炭素数1~3のアルキル基を有するパラオキシ安息香酸エステルを含む、(1)~(5)のいずれかに記載の酸性消毒剤組成物。
【0018】
このような構成によれば、酸性消毒剤組成物は、エステル部位に炭素数が1~3であるアルキル基を有するパラオキシ安息香酸エステルを用いる場合に限り、炭素数が4であるアルキル基を有するパラオキシ安息香酸エステルを用いる場合では得られないような、臭気を生じにくくするという効果を奏する。
【0019】
(7)前記(B)成分は、グリチルレチン酸を含む、(1)~(6)のいずれかに記載の酸性消毒剤組成物。
【0020】
グリチルレチン酸は、従来、抗炎症剤等として知られる。これに対し、本発明の酸性消毒剤組成物は、このような抗炎症剤等として知られていたグリチルレチン酸の新たな用途として、アセタール臭などの臭気を生じにくく、かつ、エタノールおよび水を含む酸性条件下であっても、着色を生じにくい点を見出した点に特徴を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、光に曝された場合であっても、臭気を発生しにくく、かつ、着色しにくい酸性消毒剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<酸性消毒剤組成物>
本発明の一実施形態の酸性消毒剤組成物は、(A)エタノールと、(B)ジブチルヒドロキシトルエン、グリチルレチン酸またはエステル部位に炭素数1~3のアルキル基を有するパラオキシ安息香酸エステルのうち少なくともいずれかと、(C)水と、を含む。以下、それぞれについて説明する。
【0023】
((A)成分)
本実施形態の酸性消毒剤組成物は、(A)成分として、エタノールを含む。
【0024】
(A)成分の含有量(濃度)は特に限定されない。一例を挙げると、(A)成分の含有量は、40v/v%以上であることが好ましく、60v/v%以上であることがより好ましい。また、(A)成分の含有量は、90v/v%以下であることが好ましく、85v/v%以下であることがより好ましい。(A)成分の含有量が上記範囲内であることにより、酸性消毒剤組成物は、各種微生物(細菌、真菌、ウイルス)に対する優れた消毒効果が得られる。
【0025】
((B)成分)
本実施形態の酸性消毒剤組成物は、(B)成分として、ジブチルヒドロキシトルエン、グリチルレチン酸またはエステル部位に炭素数1~3のアルキル基を有するパラオキシ安息香酸エステルのうち少なくともいずれかを含む。
【0026】
グリチルレチン酸は、従来、抗炎症剤等として知られる。また、ジブチルヒドロキシトルエンやパラオキシ安息香酸エステルは、従来、防腐剤等として知られる。これに対し、本実施形態の酸性消毒剤組成物は、このような抗炎症剤や防腐剤として知られていたグリチルレチン酸、ジブチルヒドロキシトルエンおよびパラオキシ安息香酸エステルの新たな用途として、アセタール臭などの臭気を生じにくく、かつ、エタノールおよび水を含む酸性条件下であっても、着色を生じにくい点を見出した点に特徴を有する。
【0027】
エステル部位に炭素数1~3のアルキル基を有するパラオキシ安息香酸エステルは、たとえば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピルである。
【0028】
本実施形態の酸性消毒剤組成物は、エステル部位に炭素数が1~3であるアルキル基を有するパラオキシ安息香酸エステルを用いる場合に限り、炭素数が4であるアルキル基を有するパラオキシ安息香酸エステルを用いる場合では得られないような、臭気を生じにくくするという効果を奏する点を見出した点に特徴を有する。
【0029】
(B)成分の含有量(濃度)は特に限定されない。一例を挙げると、(B)成分の含有量は、0.001w/v%以上であることが好ましく、0.005w/v%以上であることがより好ましい。また、(B)成分の含有量は、0.1w/v%以下であることが好ましく、0.06w/v%以下であることがより好ましい。(B)成分の含有量が上記範囲内であることにより、酸性消毒剤組成物は、臭気(アセタール臭や、製品として好ましくない異臭)の発生がより抑えられやすい。
【0030】
((C)成分)
本実施形態の酸性消毒剤組成物は、(C)成分として、水を含む。
【0031】
(任意成分)
本実施形態の酸性消毒剤組成物は、上記(A)成分~(C)成分のほかに、消毒剤組成物において一般に配合され得る任意成分を含んでもよい。任意成分は、たとえば、pH調整剤、界面活性剤、エタノール以外の非水溶媒、消毒剤(抗菌剤、除菌剤、殺菌剤)、粘稠剤(粘度調整剤、高分子増粘剤等の増粘剤)、起泡剤、防腐剤、消臭剤、香料、安定(化)剤、改良剤、可塑剤、可溶(化)剤、還元剤、緩衝剤、揮発補助剤、懸濁(化)剤、湿潤調整剤、充填剤、消泡剤、着香剤、着色剤、等張化剤、軟化剤、乳化剤、発泡剤、皮膚保護剤、浮遊剤、分散剤、噴射剤、芳香剤、防錆剤、保存剤、溶解剤、溶解補助剤等が挙げられる。
【0032】
このような他の成分の一例としては、たとえば、pH調整剤[たとえば、無機酸(リン酸、塩酸、硫酸等)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムおよびそれらの水和物等)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)等]、非イオン界面活性剤{たとえば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、PEG[ポリエチレングリコールまたはポリオキシエチレン(POE)]水添ヒマシ油(POE硬化ヒマシ油)、POEヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン(POP)グリコール、POEアルキルエーテル類、POE-POPアルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル等}、両性界面活性剤[たとえば、カルボキシベタイン型(たとえば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン)、スルホベタイン型(たとえば、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン)、イミダゾリン系ベタイン型(たとえば、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン)等のベタイン型両性界面活性剤]、カチオン性界面活性剤(たとえば、セチルピリジニウム塩化物、塩化ベンゼトニウム塩化物、デカリニウム塩化物、ジデシルジメチルアンモニウム塩化物、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩等)、エタノール以外の低級アルコール(たとえば、イソプロパノール等)、多価アルコール(たとえば、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(マクロゴール)、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール等)、多糖類またはその誘導体(たとえば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(カルボキシメチルセルロースナトリウム)、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム等)、消毒剤(抗菌剤、除菌剤、殺菌剤)(たとえば、オラネキシジン、トリクロサン、トリクロロカルバニリド、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、アルキルリン酸ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール、安息香酸、ヨウ素剤、 次亜塩素酸ナトリウム、クロル石灰、グルコン酸クロルヘキシジン、アクリノール、アルコール類、過酸化水素水、フェノール類等)等が挙げられる。
【0033】
酸性消毒剤組成物全体の説明に戻り、酸性消毒剤組成物のpHは、7.0未満であればよく、4.0以下であることが好ましい。pHが上記範囲内であることにより、酸性消毒剤組成物は、中性のエタノールが効きにくいとされるノンエンベロープウイルス(ノロウイルスなど)に対する不活化効果が向上する。
【0034】
以上、本実施形態の酸性消毒剤組成物は、光に曝された場合であっても、臭気を発生しにくく、かつ、着色しにくい。
【0035】
具体的には、酸性消毒剤組成物は、青色半透明ポリエチレン製容器に充填して、殺菌灯曝光条件(NEC殺菌ランプGL-20を使用し、光源より約3cmの位置へ保管)で48時間保管後のアセタール量が120vоl ppm以下であることが好ましく、110vоl ppm以下であることがより好ましい。なお、本実施形態において、アセタール量は、アセタールのエタノール溶液(10vоl ppmおよび200vоl ppm)および被験試料につき、日局18「エタノール」純度試験(3)の試験条件でガスクロマトグラフィー分析(絶対検量線法)を行うことにより測定し得る。アセタール量は、上記の条件で48時間保管後に120vоl ppm以下であれば、実用上の問題がない。
【0036】
また、酸性消毒剤組成物は、青色半透明ポリエチレン製容器に充填して、殺菌灯曝光条件(NEC殺菌ランプGL-20を使用し、光源より約3cmの位置へ保管)で48時間保管後の黄色度(YI)が10以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましい。なお、本実施形態において、黄色度(YI)は、測色色差計(日本電色工業(株)製、ZE 6000)を用い、精製水を標準として、透過測定を行うことにより測定し得る。黄色度(YI)は、上記の条件で48時間保管後に10以下であれば、実用上の問題がない。
【0037】
<酸性消毒剤組成物の調製方法>
本実施形態の酸性消毒剤組成物の調製方法は特に限定されない。一例を挙げると、酸性消毒剤組成物は、各成分を全て添加して攪拌装置で攪拌混合して調製することができる。
【実施例0038】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。なお、特に制限のない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
【0039】
本実施例で使用した原材料を以下に示す。
(A)成分
エタノール:日本薬局方エタノールに適合する原材料を使用した。
(B)成分
ジブチルヒドロキシトルエン:キシダ化学(株)製を用いた。
グリチルレチン酸:局外規グリチルレチン酸に適合する原材料を用いた。
パラオキシ安息香酸メチル:日本薬局方パラオキシ安息香酸メチルに適合する原材料を用いた。
パラオキシ安息香酸エチル:日本薬局方パラオキシ安息香酸エチルに適合する原材料を用いた。
パラオキシ安息香酸プロピル:日本薬局方パラオキシ安息香酸プロピルに適合する原材料を用いた。
(その他)
リン酸:薬添規リン酸に適合する原材料を用いた。
ベンゾトリアゾール:富士フイルム和光純薬(株)製を用いた。
パラオキシ安息香酸ブチル:富士フイルム和光純薬(株)製を用いた。
【0040】
<実施例1~18、比較例1~6>
表1~表3に示される処方にしたがって、各材料を攪拌混合し、それぞれの消毒剤組成物を調製した。
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
得られた消毒剤組成物について、以下の評価方法により、pH、外観、黄色度(YI)、臭気、アセタール量を測定した。結果を表1~表3に示す。
【0045】
(pH)
pHメータ((株)堀場製作所製、F-22)を用いた。pH標準液でpHメータを校正して、常温(15~25℃)において、pHを測定した。
(外観)
日局通則に従い、被検試料の外観を確認した。
-:外観は、無色澄明であった。
±:外観は、無色~淡黄色澄明であった。
+:外観は、有色であった。
(黄色度(YI))
測色色差計(日本電色工業(株)製、ZE 6000)を用いた。精製水を標準として、透過測定で黄色度(YI)を測定した。具体的には、青色半透明ポリエチレン製容器に酸性消毒剤組成物充填して、殺菌灯曝光条件(NEC殺菌ランプGL-20を使用し、光源より約3cmの位置へ保管)で48時間保管した。保管後の黄色度(YI)を、測色色差計(日本電色工業(株)製、ZE 6000)を用い、精製水を標準として、透過測定を行うことにより測定した。黄色度(YI)は、10以下であれば、実用上の問題がないと判断した。
(臭気)
日局通則に従い、被検試料の臭気を確認した。
-:臭気(アセタール臭、その他製品として好ましくない異臭)は、感じられなかった。
±:臭気(アセタール臭、その他製品として好ましくない異臭)は、僅かに感じられたが、製品として問題のない程度であった。
+:臭気(アセタール臭、その他製品として好ましくない異臭)は、感じられた。
(アセタール量)
ガスクロマトグラフィー分析により、被検試料のアセタール量を測定した。具体的には、アセタール量は、アセタールのエタノール溶液(10vоl ppmおよび200vоl ppm)および被験試料につき、日局18「エタノール」純度試験(3)の試験条件でガスクロマトグラフィー分析(絶対検量線法)を行うことにより測定した。アセタール量は、上記の条件で48時間保管後に120vоl ppm以下であれば、実用上の問題がないと判断した。
【0046】
表1~表3に示されるように、本発明の実施例1~18の酸性消毒剤組成物は、いずれも、光に曝された場合であっても、臭気を発生しにくく、かつ、着色しにくかった。