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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106699
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
G03G21/16 147
G03G21/16 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011103
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100195224
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 宏憲
(72)【発明者】
【氏名】太田 修司
(72)【発明者】
【氏名】西村 祥一郎
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA04
2H171HA06
2H171JA14
2H171JA29
2H171JA30
2H171JA34
2H171JA38
2H171JA39
2H171JA40
2H171JA48
2H171KA05
2H171KA09
2H171KA10
2H171KA12
2H171KA17
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA25
2H171KA27
2H171LA03
2H171LA07
2H171LA08
2H171LA10
2H171LA13
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB01
2H171QB14
2H171QC03
2H171QC05
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA22
2H171SA26
(57)【要約】
【課題】現像ローラの接触と離間、定着器の駆動、定着器のニップ圧の切り替えを1つのモータで行うことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、感光ドラム50と、感光ドラム50に接触する接触位置と感光ドラム50から離間する離間位置との間で移動可能な現像ローラ61と、現像ローラ61を接触位置と離間位置との間で移動させる離間カム150と、加熱部81と加圧部82との間でシートを搬送する定着器80と、加熱部81と加圧部82のニップ圧を切り替えるニップ圧調整カム230と、メインモータM1と、メインモータM1の駆動力を離間カム150に伝達する現像離間ギヤ列GT1と、メインモータM1の駆動力を現像離間ギヤ列GT1から受けて定着器80に伝達する定着駆動ギヤ列GT2と、メインモータM1の駆動力を現像離間ギヤ列GT1から受けてニップ圧調整カム230に伝達するニップ圧調整ギヤ列GT3とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1感光ドラムと、
前記第1感光ドラムに接触する接触位置と、前記第1感光ドラムから離間する離間位置との間で前記第1感光ドラムに対して移動可能な第1現像ローラと、
駆動力を受けることで前記第1現像ローラを前記接触位置と前記離間位置との間で移動させる第1離間カムと、
加熱部と、前記加熱部との間でシートを挟む加圧部とを有する定着器であって、駆動力を受けることで前記加熱部と前記加圧部との間でシートを搬送する定着器と、
駆動力を受けることで前記加熱部と前記加圧部のニップ圧を、第1ニップ圧と、前記第1ニップ圧より大きい第2ニップ圧との間で切り替えるニップ圧調整カムと、
メインモータと、
前記メインモータの駆動力を前記第1離間カムに伝達する現像離間ギヤ列と、
前記メインモータの駆動力を前記現像離間ギヤ列から受けて前記定着器に伝達する定着駆動ギヤ列と、
前記メインモータの駆動力を前記現像離間ギヤ列から受けて前記ニップ圧調整カムに伝達するニップ圧調整ギヤ列と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記定着駆動ギヤ列は、
前記定着器に向けて駆動力を出力する出力ギヤと、
前記メインモータからの駆動力を受ける移動ギヤであって、前記出力ギヤと噛み合う伝達位置と、前記出力ギヤと噛み合わない切断位置との間で前記出力ギヤに対して移動可能な移動ギヤと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記メインモータは、正逆回転可能であり、
前記移動ギヤは、前記メインモータが正回転する場合に前記伝達位置に位置し、前記メインモータが逆回転する場合に前記切断位置に位置することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記メインモータの駆動力を前記現像離間ギヤ列から前記ニップ圧調整ギヤ列に伝達する伝達状態と、前記メインモータの駆動力を前記現像離間ギヤ列から前記ニップ圧調整ギヤ列に伝達しない遮断状態とに切り替え可能な電磁クラッチを備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ニップ圧調整ギヤ列は、前記電磁クラッチが前記伝達状態のときに回転するクラッチ接続ギヤを含み、
前記クラッチ接続ギヤは、前記現像離間ギヤ列が有する1つのギヤと同軸で回転することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1離間カムは、駆動力を受けることで回転して前記第1現像ローラを前記接触位置と前記離間位置との間で移動させることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1現像ローラを有する第1現像カートリッジであって、前記第1現像ローラを前記接触位置に位置させる第1位置と、前記第1現像ローラを前記離間位置に位置させる第2位置との間で前記第1感光ドラムに対して移動可能な第1現像カートリッジと、
前記第1離間カムの回転に応じて、前記第1現像カートリッジを押圧して前記第1現像カートリッジを前記第2位置に位置させる押圧位置と、前記第1現像カートリッジを前記第1位置に位置させる非押圧位置との間で前記第1離間カムの回転軸線方向にスライド移動可能な第1カムフォロワと、備えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記メインモータは、正逆回転可能であり、
前記第1離間カムは、前記メインモータが正回転する場合に前記第1現像ローラを前記離間位置から前記接触位置に移動させ、前記メインモータが逆回転する場合に前記第1現像ローラを前記接触位置から前記離間位置に移動させることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記移動ギヤは、前記メインモータが正回転する場合に前記伝達位置に位置し、前記メインモータが逆回転する場合に前記切断位置に位置することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記加熱部は、加熱ローラを含み、
前記加圧部は、前記加熱ローラとの間でシートを挟む加圧ローラであり、
前記定着駆動ギヤ列は、前記メインモータの駆動力を前記現像離間ギヤ列から受けて前記加熱ローラに伝達することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
駆動力を受けることで前記第1感光ドラムに向けてシートを供給するシート供給機構と、
前記メインモータの駆動力を前記シート供給機構に伝達するシート供給ギヤ列と、
前記メインモータの出力軸に設けられたモータギヤと、を備え、
前記モータギヤは、前記現像離間ギヤ列が有する1つのギヤと噛み合うとともに、前記シート供給ギヤ列が有する1つのギヤと噛み合うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第1感光ドラムおよび前記第1現像ローラを駆動させるプロセスモータを備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項13】
駆動力を受けることで前記加熱部と前記加圧部との間からのシートを排出する排出ローラであって、前記メインモータの駆動力を前記定着駆動ギヤ列から受ける排出ローラを備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項14】
第2感光ドラムと、
前記第2感光ドラムに接触する接触位置と、前記第2感光ドラムから離間する離間位置との間で前記第2感光ドラムに対して移動可能な第2現像ローラと、
駆動力を受けることで前記第2現像ローラを前記接触位置と前記離間位置との間で移動させる第2離間カムと、を備えることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記第1離間カムは、駆動力を受けることで回転して前記第1現像ローラを前記接触位置と前記離間位置との間で移動させ、
前記第2離間カムは、駆動力を受けることで回転して前記第2現像ローラを前記接触位置と前記離間位置との間で移動させ、
前記現像離間ギヤ列は、
前記メインモータの駆動力を前記第1離間カムに伝達する第1離間ギヤ列と、
前記メインモータの駆動力を前記第1離間ギヤ列から受けて前記第2離間カムに伝達する第2離間ギヤ列と、を含むことを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
第1感光ドラムと、
前記第1感光ドラムに接触する接触位置と、前記第1感光ドラムから離間する離間位置との間で前記第1感光ドラムに対して移動可能な第1現像ローラと、
駆動力を受けることで前記第1現像ローラを前記接触位置と前記離間位置との間で移動させる第1離間カムと、
加熱ローラと、前記加熱ローラとの間でシートを挟む加圧ローラとを有する定着器であって、駆動力を受けることで前記加熱ローラと前記加圧ローラとの間でシートを搬送する定着器と、
駆動力を受けることで前記加熱ローラと前記加圧ローラのニップ圧を、第1ニップ圧と、前記第1ニップ圧より大きい第2ニップ圧との間で切り替えるニップ圧調整カムと、
メインモータと、
前記メインモータの駆動力を前記第1離間カムに伝達する現像離間ギヤ列と、
前記メインモータの駆動力を前記現像離間ギヤ列から受けて前記定着器に伝達する定着駆動ギヤ列と、
前記メインモータの駆動力を前記現像離間ギヤ列から受けて前記ニップ圧調整カムに伝達するニップ圧調整ギヤ列と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現像ローラを感光ドラムに接触する位置と感光ドラムから離間する位置との間で移動させる第1カムと、定着器の加熱ローラと加圧ローラのニップ圧を切り替える第2カムとを備える画像形成装置が知られている(特許文献1)。この画像形成装置においては、現像ローラの接触と離間と、定着器のニップ圧の切り替えを1つのモータで行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-160405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像形成装置においては、モータの数を少なくすることが求められる場合がある。
【0005】
そこで、現像ローラの接触と離間、定着器の駆動、定着器のニップ圧の切り替えを1つのモータで行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
画像形成装置は、第1感光ドラムと、第1現像ローラと、第1離間カムと、定着器と、ニップ圧調整カムと、メインモータと、現像離間ギヤ列と、定着駆動ギヤ列と、ニップ圧調整ギヤ列と、を備える。
第1現像ローラは、第1感光ドラムに接触する接触位置と、第1感光ドラムから離間する離間位置との間で第1感光ドラムに対して移動可能である。
第1離間カムは、駆動力を受けることで第1現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる。
定着器は、加熱部と、加熱部との間でシートを挟む加圧部とを有する定着器であって、駆動力を受けることで加熱部と加圧部との間でシートを搬送する。
ニップ圧調整カムは、駆動力を受けることで加熱部と加圧部のニップ圧を、第1ニップ圧と、第1ニップ圧より大きい第2ニップ圧との間で切り替える。
現像離間ギヤ列は、メインモータの駆動力を第1離間カムに伝達する。
定着駆動ギヤ列は、メインモータの駆動力を現像離間ギヤ列から受けて定着器に伝達する。
ニップ圧調整ギヤ列は、メインモータの駆動力を現像離間ギヤ列から受けてニップ圧調整カムに伝達する。
【0007】
現像離間ギヤ列、定着駆動ギヤ列およびニップ圧調整ギヤ列を備えることで、現像ローラの接触と離間、定着器の駆動、定着器のニップ圧の切り替えを1つのモータで行うことができる。
【0008】
定着駆動ギヤ列は、出力ギヤと、移動ギヤと、を含む構成であってもよい。
出力ギヤは、定着器に向けて駆動力を出力する。
移動ギヤは、メインモータからの駆動力を受ける移動ギヤであって、出力ギヤと噛み合う伝達位置と、出力ギヤと噛み合わない切断位置との間で出力ギヤに対して移動可能である。
【0009】
メインモータからの定着器への駆動力の伝達と切断を切り替える手段として移動ギヤを用いることで、コストを低減できる。
【0010】
メインモータは、正逆回転可能であり、移動ギヤは、メインモータが正回転する場合に伝達位置に位置し、メインモータが逆回転する場合に切断位置に位置する構成であってもよい。
【0011】
メインモータが正回転する場合に移動ギヤが伝達位置に位置することで、定着器でシートを搬送できる。また、メインモータが逆回転する場合に移動ギヤが切断位置に位置することで、メインモータからの駆動力を定着器に伝達しないようにできる。
【0012】
画像形成装置は、メインモータの駆動力を現像離間ギヤ列からニップ圧調整ギヤ列に伝達する伝達状態と、メインモータの駆動力を現像離間ギヤ列からニップ圧調整ギヤ列に伝達しない遮断状態とに切り替え可能な電磁クラッチを備える構成であってもよい。
【0013】
ニップ圧調整ギヤ列は、電磁クラッチが伝達状態のときに回転するクラッチ接続ギヤを含み、クラッチ接続ギヤは、現像離間ギヤ列が有する1つのギヤと同軸で回転する構成であってもよい。
【0014】
クラッチ接続ギヤが現像離間ギヤ列が有する1つのギヤと同軸で回転することで、ギヤ列をコンパクト化できる。
【0015】
第1離間カムは、駆動力を受けることで回転して第1現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる構成であってもよい。
【0016】
画像形成装置は、第1現像カートリッジと、第1カムフォロワと、を備える構成であってもよい。
第1現像カートリッジは、第1現像ローラを有する第1現像カートリッジであって、第1現像ローラを接触位置に位置させる第1位置と、第1現像ローラを離間位置に位置させる第2位置との間で第1感光ドラムに対して移動可能である。
第1カムフォロワは、第1離間カムの回転に応じて、第1現像カートリッジを押圧して第1現像カートリッジを第2位置に位置させる押圧位置と、第1現像カートリッジを第1位置に位置させる非押圧位置との間で第1離間カムの回転軸線方向にスライド移動可能である。
【0017】
メインモータは、正逆回転可能であり、第1離間カムは、メインモータが正回転する場合に第1現像ローラを離間位置から接触位置に移動させ、メインモータが逆回転する場合に第1現像ローラを接触位置から離間位置に移動させる構成であってもよい。
【0018】
離間カムを、回転方向を切り替えて用いることで、離間カムの形状の自由度を向上できる。また、離間カムを小型化できるので、画像形成装置を小型化できる。
【0019】
移動ギヤは、メインモータが正回転する場合に伝達位置に位置し、メインモータが逆回転する場合に切断位置に位置する構成であってもよい。
【0020】
メインモータが正回転する場合に移動ギヤが伝達位置に位置することで、定着器でシートを搬送できる。また、メインモータが逆回転する場合に移動ギヤが切断位置に位置することで、メインモータからの駆動力を定着器に伝達しないようにできる。
【0021】
加熱部は、加熱ローラを含み、加圧部は、加熱ローラとの間でシートを挟む加圧ローラであり、定着駆動ギヤ列は、メインモータの駆動力を現像離間ギヤ列から受けて加熱ローラに伝達する構成であってもよい。
【0022】
画像形成装置は、駆動力を受けることで第1感光ドラムに向けてシートを供給するシート供給機構と、メインモータの駆動力をシート供給機構に伝達するシート供給ギヤ列と、メインモータの出力軸に設けられたモータギヤと、を備え、モータギヤは、現像離間ギヤ列が有する1つのギヤと噛み合うとともに、シート供給ギヤ列が有する1つのギヤと噛み合う構成であってもよい。
【0023】
モータギヤが、現像離間ギヤ列が有する1つのギヤ、および、シート供給ギヤ列が有する1つのギヤの両方と噛み合うことで、メインモータの駆動力を現像離間ギヤ列とシート供給ギヤ列の両方に直接伝達できる。
【0024】
画像形成装置は、第1感光ドラムおよび第1現像ローラを駆動させるプロセスモータを備える構成であってもよい。
【0025】
画像形成装置は、駆動力を受けることで加熱部と加圧部との間からのシートを排出する排出ローラであって、メインモータの駆動力を定着駆動ギヤ列から受ける排出ローラを備える構成であってもよい。
【0026】
メインモータの駆動力を定着駆動ギヤ列から受けることで、排出ローラをメインモータで駆動できる。
【0027】
画像形成装置は、第2感光ドラムと、第2現像ローラと、第2離間カムと、を備える構成であってもよい。
第2現像ローラは、第2感光ドラムに接触する接触位置と、第2感光ドラムから離間する離間位置との間で第2感光ドラムに対して移動可能である。
第2離間カムは、駆動力を受けることで第2現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる。
【0028】
第1離間カムは、駆動力を受けることで回転して第1現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させ、第2離間カムは、駆動力を受けることで回転して第2現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させ、現像離間ギヤ列は、メインモータの駆動力を第1離間カムに伝達する第1離間ギヤ列と、メインモータの駆動力を第1離間ギヤ列から受けて第2離間カムに伝達する第2離間ギヤ列と、を含む構成であってもよい。
【0029】
画像形成装置は、第1感光ドラムと、第1現像ローラと、第1離間カムと、定着器と、ニップ圧調整カムと、メインモータと、現像離間ギヤ列と、定着駆動ギヤ列と、ニップ圧調整ギヤ列と、を備える。
第1現像ローラは、第1感光ドラムに接触する接触位置と、第1感光ドラムから離間する離間位置との間で第1感光ドラムに対して移動可能である。
第1離間カムは、駆動力を受けることで第1現像ローラを接触位置と離間位置との間で移動させる。
定着器は、加熱ローラと、加熱ローラとの間でシートを挟む加圧ローラとを有する定着器であって、駆動力を受けることで加熱ローラと加圧ローラとの間でシートを搬送する。
ニップ圧調整カムは、駆動力を受けることで加熱ローラと加圧ローラのニップ圧を、第1ニップ圧と、第1ニップ圧より大きい第2ニップ圧との間で切り替える。
現像離間ギヤ列は、メインモータの駆動力を第1離間カムに伝達する。
定着駆動ギヤ列は、メインモータの駆動力を現像離間ギヤ列から受けて定着器に伝達する。
ニップ圧調整ギヤ列は、メインモータの駆動力を現像離間ギヤ列から受けてニップ圧調整カムに伝達する。
【0030】
現像離間ギヤ列、定着駆動ギヤ列およびニップ圧調整ギヤ列を備えることで、現像ローラの接触と離間、定着器の駆動、定着器のニップ圧の切り替えを1つのモータで行うことができる。
【発明の効果】
【0031】
現像ローラの接触と離間、定着器の駆動、定着器のニップ圧の切り替えを1つのモータで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】実施形態の画像形成装置を示す図である。
図2】画像形成装置の駆動力伝達系の概略を示す図である。
図3】ギヤ列および板金を示す図である。
図4】離間カム、カムフォロワ、シャフトおよびストッパを示す図である。
図5】現像カートリッジを移動させる構成を示す図であり、現像カートリッジが接触位置に位置する図(a)と、離間位置に位置する図(b)である。
図6】離間カムと、非押圧位置に位置するカムフォロワを示す斜視図(a)と、側面図(b)である。
図7】離間カムと、押圧位置に位置するカムフォロワを示す斜視図(a)と、側面図(b)である。
図8】ギヤカバーを示す斜視図(a),(b)である。
図9】離間カム、カムフォロワ、ギヤカバーおよびばねを示す断面図であり、カムフォロワが非押圧位置に位置する図(a)と、押圧位置に位置する図(b)である。
図10】現像離間ギヤ列を示す図である。
図11】第1離間ギヤ列のアイドルギヤを示す斜視図(a)と、アイドルギヤ、ギヤカバーのシャフト部、回転抵抗部材を示す斜視図(b)である。
図12】アイドルギヤ、ギヤカバーのシャフト部、回転抵抗部材および板金を示す断面図である。
図13】アイドルギヤと回転抵抗部材を示す図である。
図14】定着駆動ギヤ列とニップ圧調整ギヤ列を示す図である。
図15】定着駆動ギヤ列、第1排出ローラギヤ、排出駆動ギヤ列、第2排出ローラギヤおよびシート供給ギヤ列を示す図である。
図16】ニップ圧調整機構を示す図であり、第1ニップ圧の図(a)と、第2ニップ圧の図(b)である。
図17】ドラム駆動ギヤ列を示す図である。
図18】第1現像駆動ギヤ列を示す図である。
図19】アイドルギヤおよび切替ギヤ列と、第1位相の切替カムを示す図である。
図20】アイドルギヤおよび切替ギヤ列と、第2位相の切替カムを示す図である。
図21】第2現像駆動ギヤ列を示す図(a),(b)である。
図22】遊星歯車機構の分解斜視図である。
図23】ブラックの離間カム、切替レバーおよび遊星歯車機構を示す図であり、切替レバーが第2伝達位置に位置する図(a)と、第2切断位置に位置する図(b)である。
図24】制御部の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に、画像形成装置の一実施形態について説明する。
本実施形態では、一例として、感光ドラム50Yが「第1感光ドラム」に相当し、感光ドラム50Kが「第2感光ドラム」に相当する。また、現像カートリッジ60Yが「第1現像カートリッジ」に相当し、現像ローラ61Yが「第1現像ローラ」に相当し、現像ローラ61Kが「第2現像ローラ」に相当する。また、離間カム150Yが「第1離間カム」に相当し、カムフォロワ170Yが「第1カムフォロワ」に相当し、離間カム150Kが「第2離間カム」に相当する。
【0034】
図1に示すように、画像形成装置1は、カラープリンタであり、筐体10と、フロントカバー11と、シート供給部20と、画像形成部30と、排出ローラとしての第2排出ローラ91と、制御部2とを備える。なお、本実施形態においては、図1の左を「前」とし、図1の右を「後」とする。また、図1の上を「上」とし、図1の下を「下」とする。また、図1の紙面の手前を「右」とし、図1の紙面の奥を「左」とする。
【0035】
筐体10は、前部に開口10Aを有する。フロントカバー11は、開口10Aを開閉する。具体的には、フロントカバー11は、実線で示す閉鎖位置と、仮想線で示す開放位置との間で筐体10に対して回動可能である。閉鎖位置は、開口10Aを閉鎖する位置であり、開放位置は、開口10Aを開放する位置である。
【0036】
シート供給部20は、シートトレイ21と、シート供給機構22とを備える。シートトレイ21には、シートSがセットされる。シート供給機構22は、駆動力を受けることで画像形成部30の後述する感光ドラム50(50Y,50M,50C,50K)に向けてシートSを供給する機構である。シート供給機構22は、ピックアップローラ23と、分離ローラ24と、分離パッド25と、搬送ローラ26と、レジストレーションローラ27とを備える。
【0037】
シート供給機構22は、シートSを、ピックアップローラ23によってシートトレイ21から送り出す。次に、シート供給機構22は、シートSを、分離ローラ24と分離パッド25との間で1枚に分離する。その後、シート供給機構22は、シートSを、搬送ローラ26とレジストレーションローラ27とによって画像形成部30に向けて供給する。
【0038】
画像形成部30は、露光ユニット40と、4つの感光ドラム50と、4つの現像カートリッジ60と、転写ユニット70と、定着器80とを備える。
露光ユニット40は、例えば、光源、偏向器、レンズ、ミラーを備える。露光ユニット40は、一点鎖線で示す光ビームを出射して感光ドラム50の表面を露光する。
【0039】
感光ドラム50は、イエローに対応する感光ドラム50Yと、マゼンタに対応する感光ドラム50Mと、シアンに対応する感光ドラム50Cと、ブラックに対応する感光ドラム50Kとを含む。4つの感光ドラム50は、シートSの搬送方向における上流から下流に向けて、感光ドラム50Y、感光ドラム50M、感光ドラム50C、感光ドラム50Kの順に並んでいる。
【0040】
具体的には、感光ドラム50Yは、シートSの搬送方向において感光ドラム50Mよりも上流に配置されている。感光ドラム50Mは、シートSの搬送方向において感光ドラム50Cよりも上流に配置されている。感光ドラム50Cは、シートSの搬送方向において感光ドラム50Kよりも上流に配置されている。
【0041】
本明細書および図面においては、各色に対応する部材について、色を区別する場合には、符号にY,M,C,Kを付し、色を区別しない場合には、符号にY,M,C,Kを付さない。
【0042】
画像形成装置1は、ドロワ55をさらに備える。ドロワ55は、フロントカバー11を開くことで露出する、筐体10の開口10Aを通して、内側位置と、外側位置との間で感光ドラム50が並ぶ方向に移動可能である。内側位置は、筐体10内に収容される位置であり、外側位置は、ドロワ55の少なくとも一部が筐体10外に露出する位置である。本実施形態では、外側位置は、ドロワ55を内側位置から前側に引き出した位置である。また、本実施形態では、ドロワ55は、筐体10に対して着脱可能である。
【0043】
ドロワ55は、フレーム55Fを有する。フレーム55Fは、4つの感光ドラム50(50Y,50M,50C,50K)を回転可能に支持している。また、フレーム55Fは、4つの帯電器52を支持している。帯電器52は、対応する感光ドラム50の表面を帯電させる。
【0044】
現像カートリッジ60は、イエローのトナーを収容する現像カートリッジ60Yと、マゼンタのトナーを収容する現像カートリッジ60Mと、シアンのトナーを収容する現像カートリッジ60Cと、ブラックのトナーを収容する現像カートリッジ60Kとを含む。現像カートリッジ60Yは、感光ドラム50Yにイエローのトナーを供給する現像ローラ61Yを有する。現像カートリッジ60Mは、感光ドラム50Mにマゼンタのトナーを供給する現像ローラ61Mを有する。現像カートリッジ60Cは、感光ドラム50Cにシアンのトナーを供給する現像ローラ61Cを有する。現像カートリッジ60Kは、感光ドラム50Kにブラックのトナーを供給する現像ローラ61Kを有する。
【0045】
現像ローラ61Yは、感光ドラム50Yに接触する接触位置と、感光ドラム50Yから離間する離間位置との間で感光ドラム50Yに対して移動可能である。現像ローラ61Mは、感光ドラム50Mに接触する接触位置と、感光ドラム50Mから離間する離間位置との間で感光ドラム50Mに対して移動可能である。現像ローラ61Cは、感光ドラム50Cに接触する接触位置と、感光ドラム50Cから離間する離間位置との間で感光ドラム50Cに対して移動可能である。現像ローラ61Kは、感光ドラム50Kに接触する接触位置と、感光ドラム50Kから離間する離間位置との間で感光ドラム50Kに対して移動可能である。
【0046】
ドロワ55のフレーム55Fは、現像カートリッジ60(60Y,60M,60C,60K)を着脱可能に支持している。現像カートリッジ60は、それぞれ、ドロワ55が外側位置に位置する状態で、または、ドロワ55が筐体10から取り外された状態で交換可能である。
【0047】
現像カートリッジ60は、実線で示す第1位置と、仮想線で示す第2位置との間で前後に移動可能となるように、フレーム55Fに支持されている。第1位置は、対応する現像ローラ61を接触位置に位置させる位置であり、第2位置は、対応する現像ローラ61を離間位置に位置させる位置である。
【0048】
具体的には、現像カートリッジ60Yは、現像ローラ61Yを接触位置に位置させる第1位置と、現像ローラ61Yを離間位置に位置させる第2位置との間で感光ドラム50Yに対して移動可能である。言い換えると、現像カートリッジ60Yは、現像ローラ61Yが感光ドラム50Yに接触する第1位置と、現像ローラ61Yが感光ドラム50Yから離間する第2位置との間で感光ドラム50Yに対して移動可能である。
【0049】
また、現像カートリッジ60Mは、現像ローラ61Mを接触位置に位置させる第1位置と、現像ローラ61Mを離間位置に位置させる第2位置との間で感光ドラム50Mに対して移動可能である。言い換えると、現像カートリッジ60Mは、現像ローラ61Mが感光ドラム50Mに接触する第1位置と、現像ローラ61Mが感光ドラム50Mから離間する第2位置との間で感光ドラム50Mに対して移動可能である。
【0050】
また、現像カートリッジ60Cは、現像ローラ61Cを接触位置に位置させる第1位置と、現像ローラ61Cを離間位置に位置させる第2位置との間で感光ドラム50Cに対して移動可能である。言い換えると、現像カートリッジ60Cは、現像ローラ61Cが感光ドラム50Cに接触する第1位置と、現像ローラ61Cが感光ドラム50Cから離間する第2位置との間で感光ドラム50Cに対して移動可能である。
【0051】
また、現像カートリッジ60Kは、現像ローラ61Kを接触位置に位置させる第1位置と、現像ローラ61Kを離間位置に位置させる第2位置との間で感光ドラム50Kに対して移動可能である。言い換えると、現像カートリッジ60Kは、現像ローラ61Kが感光ドラム50Kに接触する第1位置と、現像ローラ61Kが感光ドラム50Kから離間する第2位置との間で感光ドラム50Kに対して移動可能である。
【0052】
転写ユニット70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、無端状の搬送ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備える。搬送ベルト73は、駆動ローラ71と従動ローラ72とに架け渡された状態で、外側の面が4つの感光ドラム50に接触している。転写ローラ74は、搬送ベルト73の内側に配置されており、対応する感光ドラム50との間で搬送ベルト73を挟んでいる。
【0053】
定着器80は、シートSに転写されたトナー像をシートSに定着する装置である。定着器80は、加熱部81と、加圧部82と、排出ローラとしての第1排出ローラ83とを有する。加熱部81は、加熱ローラ81Aと、ヒータ81Bとを含む。加熱ローラ81Aは、金属からなる円筒形状のローラである。ヒータ81Bは、加熱ローラ81Aを加熱するヒータであり、加熱ローラ81Aの内側を通るように配置されている。
【0054】
加圧部82は、加熱部81との間でシートSを挟む。具体的には、加圧部82は、加熱ローラ81Aとの間でシートSを挟む加圧ローラである。加圧ローラは、芯金の周囲をゴム層で被覆したローラである。定着器80は、駆動力を受けることで、加熱部81の加熱ローラ81Aと、加圧部82(加圧ローラ)との間でシートSを搬送する。また、定着器80は、駆動力を受けることで、第1排出ローラ83によってシートSを搬送する。
【0055】
画像形成部30は、感光ドラム50の表面を、帯電器52によって一様に帯電した後、露光ユニット40から照射される光ビームによって露光する。これにより、画像形成部30は、感光ドラム50上に画像データに基づく静電潜像を形成する。また、画像形成部30は、現像カートリッジ60に収容されたトナーを、接触位置に位置する現像ローラ61から感光ドラム50に供給する。これにより、画像形成部30は、感光ドラム50上にトナー像を形成する。
【0056】
画像形成部30は、シート供給部20から供給されたシートSを、感光ドラム50と転写ローラ74との間で搬送することで、感光ドラム50上に形成されたトナー像をシートSに転写する。その後、画像形成部30は、トナー像が転写されたシートSを、加熱ローラ81Aと加圧部82との間で搬送することで、トナー像をシートSに定着する。
【0057】
第1排出ローラ83および第2排出ローラ91は、駆動力を受けることで、加熱部81と加圧部82との間からのシートSを筐体10の外に排出する。具体的には、第1排出ローラ83および第2排出ローラ91は、トナー像が定着されたシートSを排出トレイ13に排出する。
【0058】
図2に示すように、画像形成装置1は、メインモータM1と、プロセスモータM2と、離間機構5と、ニップ圧調整機構200とをさらに備える。
【0059】
メインモータM1は、離間機構5の離間カム150、定着器80、ニップ圧調整機構200およびシート供給機構22を駆動させるモータである。言い換えると、離間機構5の離間カム150、定着器80、ニップ圧調整機構200およびシート供給機構22は、メインモータM1から駆動力を受ける。メインモータM1は、正逆回転可能である。メインモータM1は、シートSに画像を形成するため、シートSをシートトレイ21から排出トレイ13に向けて搬送する場合に正回転する。
【0060】
プロセスモータM2は、感光ドラム50、現像ローラ61および転写ユニット70を駆動させるモータである。言い換えると、感光ドラム50、現像ローラ61および転写ユニット70は、プロセスモータM2から駆動力を受ける。
【0061】
図2および図3に示すように、画像形成装置1は、現像離間ギヤ列GT1と、定着駆動ギヤ列GT2と、ニップ圧調整ギヤ列GT3と、シート供給ギヤ列GT4と、ドラム駆動ギヤ列GT5と、第1現像駆動ギヤ列GT6と、第2現像駆動ギヤ列GT7とをさらに備える。
【0062】
現像離間ギヤ列GT1は、メインモータM1の駆動力を離間機構5の離間カム150(150Y,150M,150C,150K)に伝達するギヤ列である。
定着駆動ギヤ列GT2は、メインモータM1の駆動力を現像離間ギヤ列GT1から受けて定着器80に伝達するギヤ列である。具体的には、定着駆動ギヤ列GT2は、メインモータM1の駆動力を現像離間ギヤ列GT1から受けて加熱ローラ81Aに伝達する。
【0063】
ニップ圧調整ギヤ列GT3は、メインモータM1の駆動力を現像離間ギヤ列GT1から受けてニップ圧調整機構200のニップ圧調整カム230に伝達するギヤ列である。
シート供給ギヤ列GT4は、メインモータM1の駆動力をシート供給機構22に伝達するギヤ列である。
【0064】
ドラム駆動ギヤ列GT5は、プロセスモータM2の駆動力を感光ドラム50(50Y,50M,50C,50K)に伝達するギヤ列である。
第1現像駆動ギヤ列GT6は、プロセスモータM2の駆動力を現像ローラ61Y,61M,61Cに伝達するギヤ列である。
第2現像駆動ギヤ列GT7は、プロセスモータM2の駆動力を現像ローラ61Kに伝達するギヤ列である。具体的には、第2現像駆動ギヤ列GT7は、プロセスモータM2の駆動力を第1現像駆動ギヤ列GT6から受けて現像ローラ61Kに伝達する。
【0065】
離間機構5は、メインモータM1から駆動力を受けることで現像ローラ61を接触位置と離間位置との間で移動させる機構である。離間機構5は、4つの離間カム150と、4つのカムフォロワ170とを備える。
離間カム150は、離間カム150Yと、離間カム150Mと、離間カム150Cと、離間カム150Kとを含む。
【0066】
離間カム150Yは、メインモータM1から駆動力を受けることで回転して現像ローラ61Yを接触位置と離間位置との間で移動させる。具体的には、離間カム150Yは、回転することで現像カートリッジ60Yを第1位置と第2位置との間で移動させ、これによって、現像ローラ61Yを接触位置と離間位置との間で移動させる。
離間カム150Mは、メインモータM1から駆動力を受けることで回転して現像ローラ61Mを接触位置と離間位置との間で移動させる。具体的には、離間カム150Mは、回転することで現像カートリッジ60Mを第1位置と第2位置との間で移動させ、これによって、現像ローラ61Mを接触位置と離間位置との間で移動させる。
【0067】
離間カム150Cは、メインモータM1から駆動力を受けることで回転して現像ローラ61Cを接触位置と離間位置との間で移動させる。具体的には、離間カム150Cは、回転することで現像カートリッジ60Cを第1位置と第2位置との間で移動させ、これによって、現像ローラ61Cを接触位置と離間位置との間で移動させる。
離間カム150Kは、メインモータM1から駆動力を受けることで回転して現像ローラ61Kを接触位置と離間位置との間で移動させる。具体的には、離間カム150Kは、回転することで現像カートリッジ60Kを第1位置と第2位置との間で移動させ、これによって、現像ローラ61Kを接触位置と離間位置との間で移動させる。
【0068】
図4に示すように、カムフォロワ170は、カムフォロワ170Yと、カムフォロワ170Mと、カムフォロワ170Cと、カムフォロワ170Kとを含む。カムフォロワ170は、離間カム150の回転軸線方向にスライド移動可能である。離間カム150の回転軸線方向は、図4に示す一点鎖線が延びる方向に相当する。以下では、離間カム150の回転軸線方向を単に「回転軸線方向」ともいう。回転軸線方向は、後述するカムギヤ115(115Y,115M,115C,115K)の回転軸線方向でもある。
【0069】
カムフォロワ170Yは、離間カム150Y(カムギヤ115Y)の回転に応じて、押圧位置と、非押圧位置との間で回転軸線方向にスライド移動可能である。カムフォロワ170Yについて、押圧位置は、現像カートリッジ60Yを押圧して現像カートリッジ60Yを第2位置に位置させる位置であり、非押圧位置は、現像カートリッジ60Yを第1位置に位置させる位置である。
【0070】
カムフォロワ170Mは、離間カム150M(カムギヤ115M)の回転に応じて、押圧位置と、非押圧位置との間で回転軸線方向にスライド移動可能である。カムフォロワ170Mについて、押圧位置は、現像カートリッジ60Mを押圧して現像カートリッジ60Mを第2位置に位置させる位置であり、非押圧位置は、現像カートリッジ60Mを第1位置に位置させる位置である。
【0071】
カムフォロワ170Cは、離間カム150C(カムギヤ115C)の回転に応じて、押圧位置と、非押圧位置との間で回転軸線方向にスライド移動可能である。カムフォロワ170Cについて、押圧位置は、現像カートリッジ60Cを押圧して現像カートリッジ60Cを第2位置に位置させる位置であり、非押圧位置は、現像カートリッジ60Cを第1位置に位置させる位置である。
【0072】
カムフォロワ170Kは、離間カム150K(カムギヤ115K)の回転に応じて、押圧位置と、非押圧位置との間で回転軸線方向にスライド移動可能である。カムフォロワ170Kについて、押圧位置は、現像カートリッジ60Kを押圧して現像カートリッジ60Kを第2位置に位置させる位置であり、非押圧位置は、現像カートリッジ60Kを第1位置に位置させる位置である。
【0073】
図5(a)に示すように、ドロワ55は、被当接部55Aと、押圧部材55Bと、ばね55Cとを有する。被当接部55Aは、後述するスライド部材66が当接する部分であり、上下に沿った軸まわりに回転可能なローラからなる。押圧部材55Bは、ばね55Cにより後ろに向けて付勢されている。押圧部材55Bは、ドロワ55に現像カートリッジ60が装着されると、ばね55Cの付勢力により現像カートリッジ60を後方に押圧する。これにより、現像カートリッジ60は、現像ローラ61が感光ドラム50に接触する第1位置に移動する。
【0074】
現像カートリッジ60は、トナーを収容するケース65と、スライド部材66とを有する。スライド部材66は、カムフォロワ170に押圧されることで回転軸線方向にスライド移動する。スライド部材66は、シャフト66Aと、第1当接部材66Bと、第2当接部材66Cとを有する。シャフト66Aは、ケース65に、回転軸線方向にスライド移動可能に支持されている。第1当接部材66Bは、シャフト66Aの一端に固定され、第2当接部材66Cは、シャフト66Aの他端に固定されている。
【0075】
第1当接部材66Bは、被押圧面66Dと、斜面66Eとを有し、第2当接部材66Cは、斜面66Fを有する。被押圧面66Dは、カムフォロワ170により押圧される面である。斜面66E,66Fは、左右方向に対して傾斜した面である。図5(b)に示すように、斜面66E,66Fは、スライド部材66がカムフォロワ170により押圧された場合に、被当接部55Aに当接して現像カートリッジ60を前方に移動させる。これにより、現像カートリッジ60は、現像ローラ61が感光ドラム50から離間する第2位置に移動する。第1当接部材66Bとケース65の間には、ばね67が配置されている。ばね67は、スライド部材66を左に向けて付勢する。
【0076】
図4に示すように、離間カム150は、端面カムである。離間カム150は、円板部151と、ボス152と、カム部153とを有している。
ボス152は、円板部151の中央から回転軸線方向に延びている。ボス152は、円筒形状を有する。
【0077】
画像形成装置1は、4つのシャフト159と、板金15(図3参照)とをさらに備える。板金15は、各ギヤ列のギヤを回転可能に支持する部材である。シャフト159は、板金15に固定されている。離間カム150(カムギヤ115)は、ボス152がシャフト159に係合することで、板金15に回転可能に支持されている。
【0078】
カム部153は、円板部151から回転軸線方向に突出している。具体的には、カム部153は、円板部151から回転軸線方向の一方側に向けて突出している。カム部153は、円板部151の回転軸線方向における板金15(図3参照)と反対側の面から回転軸線方向に突出している。
【0079】
図6に示すように、カム部153は、保持面153Aと、案内面153Bとを有する。
保持面153Aは、カムフォロワ170を押圧位置に保持する面である。保持面153Aは、離間カム150(カムギヤ115)の回転軸線に直交する平面に対して略平行である。
【0080】
案内面153Bは、カムフォロワ170を押圧位置と非押圧位置との間で案内する面である。案内面153Bは、離間カム150(カムギヤ115)の回転軸線に直交する平面に対して傾斜している。具体的には、案内面153Bは、離間カム150の回転方向において、保持面153Aに向かうにつれて円板部151から離れるように傾斜している。
【0081】
図7に示すように、案内面153Bは、離間カム150が第1回転方向R1に回転する場合に、カムフォロワ170を押圧位置から非押圧位置に移動させる。第1回転方向R1は、メインモータM1が正回転するときの離間カム150の回転方向である。また、図6に示すように、案内面153Bは、離間カム150が第2回転方向R2に回転する場合に、カムフォロワ170を非押圧位置から押圧位置に移動させる。第2回転方向R2は、メインモータM1が逆回転するときの離間カム150の回転方向である。第2回転方向R2は、第1回転方向R1とは逆の回転方向である。
【0082】
カムフォロワ170は、スライド軸171と、アーム172と、ピン173と、リブ174とを有している。
【0083】
スライド軸171は、回転軸線方向にスライド移動可能である。具体的には、スライド軸171は、円筒形状を有する。スライド軸171は、離間カム150のボス152に係合することで、ボス152に対して回転軸線方向にスライド移動可能である。これにより、カムフォロワ170は、図6に示す非押圧位置と、図7に示す押圧位置との間で回転軸線方向にスライド移動可能である。
【0084】
アーム172は、スライド軸171から回転軸線方向と直交する方向に延びている。具体的には、アーム172は、スライド軸171から、スライド軸171の径方向の外側に向けて延びている。アーム172は、板状である。
【0085】
ピン173は、アーム172から回転軸線方向に延びている。具体的には、ピン173は、アーム172の、スライド軸171から遠い端部から回転軸線方向の一方側に向けて延びている。ピン173は、円筒状であり、先端が凸曲面となっている。ピン173の先端は、カムフォロワ170が非押圧位置から押圧位置に移動する場合に現像カートリッジ60を押圧する。具体的には、ピン173の先端は、現像カートリッジ60に設けられたスライド部材66の被押圧面66D(図5(b)参照)を押圧する。
【0086】
リブ174は、スライド軸171から回転軸線方向と直交する方向に延びている。具体的には、リブ174は、スライド軸171から、スライド軸171の径方向の外側に向けて延びている。リブ174は、アーム172が延びる方向とは異なる方向に向けて延びている。実施形態では、リブ174は、スライド軸171から前方に向けて延びており、アーム172は、スライド軸171から後ろ斜め下方に向けて延びている。
【0087】
画像形成装置1は、ストッパ530をさらに備える。ストッパ530は、4つのカムフォロワ170に対応して4組設けられている(図4参照)。ストッパ530は、カムフォロワ170の、離間カム150(カムギヤ115)の回転軸線まわりの回転を規制する。具体的には、図8(a),(b)に示すように、画像形成装置1は、ギヤカバー500を備え、ギヤカバー500が、ストッパ530を有している。
【0088】
ギヤカバー500は、板金15(図3参照)に固定されることで、離間カム150(カムギヤ115)およびカムフォロワ170を覆っている。ギヤカバー500は、カバー壁510を有する。カバー壁510は、離間カム150およびカムフォロワ170を覆う壁であり、ギヤカバー500が板金15に固定された状態で、回転軸線方向において板金15と対向する。
【0089】
ストッパ530は、カバー壁510から、対応する離間カム150に向けて回転軸線方向に延びている。ストッパ530は、壁状である。ストッパ530は、カムフォロワ170のアーム172を、スライド軸171の周方向における両側から挟んでいる(図6および図7参照)。これにより、カムフォロワ170は、ボス152まわりの回転が規制されている。
【0090】
カバー壁510は、4つの挿通穴520をさらに有する。図9に示すように、挿通穴520は、カムフォロワ170のピン173が挿通される貫通穴である。
【0091】
また、画像形成装置1は、ばね430をさらに備える。ばね430は、4つのカムフォロワ170に対応して4つ設けられている。ばね430は、カムフォロワ170を、図9(b)に示す押圧位置から、図9(a)に示す非押圧位置に向けて付勢している。一例として、ばね430は、圧縮コイルばねである。ばね430は、ギヤカバー500と、カムフォロワ170のスライド軸171との間に位置している。具体的には、ばね430は、カバー壁510とスライド軸171との間に位置している。
【0092】
スライド軸171は、凹部171Aを有する。凹部171Aは、環状の凹部であり、回転軸線方向においてカバー壁510に向けて開口している。ばね430の少なくとも一端部は、凹部171A内に配置されている。凹部171Aを有することで、ばね430の位置ずれを抑制できる。
【0093】
図7に示すように、現像カートリッジ60が第2位置に位置するとき、すなわち、現像ローラ61が離間位置に位置するとき、カムフォロワ170は、アーム172が離間カム150の保持面153Aに保持される押圧位置に位置する。
【0094】
離間カム150は、メインモータM1が正回転する場合に第1回転方向R1に回転する。すると、カムフォロワ170のアーム172が保持面153Aから案内面153Bに案内され、案内面153B上を摺接してカム部153から外れる。その結果、カムフォロワ170は、ばね430(図9参照)の付勢力によって押圧位置から図6に示す非押圧位置にスライド移動する。
【0095】
これにより、現像カートリッジ60は、第2位置から第1位置に移動し、現像ローラ61が離間位置から接触位置に移動する。このように、離間カム150は、メインモータM1が正回転する場合には、現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させる。
【0096】
一方、離間カム150は、メインモータM1が逆回転する場合に第2回転方向R2に回転する。すると、カムフォロワ170のアーム172がカム部153の案内面153Bに接触し、案内面153B上を摺接した後、保持面153Aに接触する。その結果、カムフォロワ170は、非押圧位置から図7に示す押圧位置にスライド移動する。
【0097】
これにより、現像カートリッジ60は、カムフォロワ170によって押圧されることで第1位置から第2位置に移動し、現像ローラ61が接触位置から離間位置に移動する。このように、離間カム150は、メインモータM1が逆回転する場合には、現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる。
【0098】
図10に示すように、現像離間ギヤ列GT1は、第1離間ギヤ列GT11と、第2離間ギヤ列GT12とを含む。
第1離間ギヤ列GT11は、メインモータM1の駆動力を離間カム150Y,150M,150Cに伝達するギヤ列である。
【0099】
第1離間ギヤ列GT11は、ギヤ101と、ギヤ102と、ギヤ103と、ギヤ104と、ギヤ105と、ギヤ106と、ギヤ107と、ギヤ108と、ギヤ109と、電磁クラッチEC1と、ギヤ110と、ギヤ111と、ギヤ112と、ギヤ113と、ギヤ114と、カムギヤ115Cと、ギヤ116と、カムギヤ115Mと、アイドルギヤ118と、カムギヤ115Yとを含む。
【0100】
ギヤ101は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがモータギヤMG1と噛み合っている。モータギヤMG1は、メインモータM1の出力軸に設けられたギヤである。言い換えると、画像形成装置1は、モータギヤMG1を備える。モータギヤMG1は、ギヤ101の大径ギヤと噛み合っている。ギヤ101は、現像離間ギヤ列GT1が有する1つのギヤの一例である。
【0101】
ギヤ102は、ギヤ101の小径ギヤと噛み合っている。
ギヤ103は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがギヤ102と噛み合っている。
ギヤ104は、ギヤ103の小径ギヤと噛み合っている。
【0102】
ギヤ105は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがギヤ104と噛み合っている。
ギヤ106は、ギヤ105の小径ギヤと噛み合っている。
ギヤ107は、ギヤ106と噛み合っている。
ギヤ108は、ギヤ107と噛み合っている。
ギヤ109は、ギヤ108と噛み合っている。
【0103】
電磁クラッチEC1は、伝達状態と、遮断状態とに切り替え可能である。一例として、電磁クラッチEC1は、通電したときに伝達状態となり、通電しないときに遮断状態となる。伝達状態は、メインモータM1からの駆動力を離間カム150Y,150M,150Cに伝達する状態である。遮断状態は、メインモータM1からの駆動力を離間カム150Y,150M,150Cに伝達しない状態である。電磁クラッチEC1は、制御部2(図1参照)により制御される。
【0104】
ギヤ110は、電磁クラッチEC1が伝達状態のときにギヤ109と一体に回転する。ギヤ110は、電磁クラッチEC1が遮断状態のときにはメインモータM1から駆動力が伝達されないので、駆動しない。
ギヤ111は、ギヤ110と噛み合っている。
【0105】
ギヤ112は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがギヤ111と噛み合っている。
ギヤ113は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがギヤ112の小径ギヤと噛み合っている。
ギヤ114は、ギヤ113の小径ギヤと噛み合っている。
【0106】
カムギヤ115Cは、離間カム150Cを有するギヤである。言い換えると、離間カム150Cは、円板部151の外周にギヤ歯を有している。カムギヤ115Cは、ギヤ114と噛み合っている。
ギヤ116は、カムギヤ115Cと噛み合っている。
【0107】
カムギヤ115Mは、離間カム150Mを有するギヤである。言い換えると、離間カム150Mは、円板部151の外周にギヤ歯を有している。カムギヤ115Mは、ギヤ116と噛み合っている。カムギヤ115Mは、メインモータM1の駆動力をカムギヤ115Cからギヤ116を介して受ける。
【0108】
アイドルギヤ118は、ギヤ部としての第1ギヤ部118Bを有している。アイドルギヤ118は、第1ギヤ部118Bがカムギヤ115Mと噛み合っている。
【0109】
カムギヤ115Yは、離間カム150Yを有するギヤである。言い換えると、離間カム150Yは、円板部151の外周にギヤ歯を有している。カムギヤ115Yは、アイドルギヤ118の第1ギヤ部118Bと噛み合っている。アイドルギヤ118の第1ギヤ部118Bは、カムギヤ115Yとカムギヤ115Mの両方と噛み合っている。
【0110】
離間カム150Y,150M,150Cは、連動して回転する。離間カム150Y,150M,150Cは、離間カム150の回転方向における保持面153Aの長さが、離間カム150Y、離間カム150M、離間カム150Cの順に大きくなっている。離間カム150Y,150M,150Cは、第1回転方向R1における保持面153Aの下流端の位相が揃っており、案内面153Bの位相がずれている。具体的には、離間カム150Yの案内面153Bは、離間カム150Mの案内面153Bよりも第1回転方向R1の下流に位置し、離間カム150Mの案内面153Bは、離間カム150Cの案内面153Bよりも第1回転方向R1の下流に位置している。
【0111】
これにより、カムフォロワ170Y,170M,170Cが押圧位置に位置する状態から、メインモータM1が正回転して離間カム150Y,150M,150Cが第1回転方向R1に回転した場合、まず、カムフォロワ170Yが押圧位置から非押圧位置に移動することで、現像ローラ61Yが離間位置から接触位置に移動する。次に、カムフォロワ170Mが押圧位置から非押圧位置に移動することで、現像ローラ61Mが離間位置から接触位置に移動する。最後に、カムフォロワ170Cが押圧位置から非押圧位置に移動することで、現像ローラ61Cが離間位置から接触位置に移動する。
【0112】
一方、カムフォロワ170Y,170M,170Cが非押圧位置に位置する状態から、メインモータM1が逆回転して離間カム150Y,150M,150Cが第2回転方向R2に回転した場合、まず、カムフォロワ170Cが非押圧位置から押圧位置に移動することで、現像ローラ61Cが接触位置から離間位置に移動する。次に、カムフォロワ170Mが非押圧位置から押圧位置に移動することで、現像ローラ61Mが接触位置から離間位置に移動する。最後に、カムフォロワ170Yが非押圧位置から押圧位置に移動することで、現像ローラ61Yが接触位置から離間位置に移動する。
【0113】
図11(a),(b)に示すように、アイドルギヤ118は、円板部118Aと、第1ギヤ部118Bと、第2ギヤ部118Cと、第1リブ118Dと、第2リブ118Eとを有する。
第1ギヤ部118Bは、円板部118Aから回転軸線方向の一方側に向けて突出する円筒部分の外周に形成されている。
【0114】
第2ギヤ部118Cは、第2リブ118Eの外周に形成されている。第2ギヤ部118Cのピッチ円の直径は、第1ギヤ部118Bのピッチ円の直径よりも大きい。第2ギヤ部118Cは、後述する切替カム190(図19参照)に向けて駆動力を出力する。
【0115】
第1リブ118Dは、円板部118Aから回転軸線方向の一方側に向けて突出する環状のリブである。第2リブ118Eは、円板部118Aから回転軸線方向の他方側に向けて突出する環状のリブである。
【0116】
図12に示すように、第1リブ118Dは、アイドルギヤ118の回転軸線方向において、板金15に向けて突出している。第1リブ118Dは、アイドルギヤ118の回転軸線方向に直交する方向の端部に位置している。具体的には、第1リブ118Dは、円板部118Aの径方向における外側の端部に位置している。第1リブ118Dは、後述する回転抵抗部材300の押圧力により板金15に接触している。
【0117】
第2リブ118Eは、アイドルギヤ118の回転軸線方向において、板金15から離れる方向に突出している。第2リブ118Eの先端部は、アイドルギヤ118の回転軸線方向において、第2ギヤ部118Cよりも板金15から離れる方向に突出している。第2リブ118Eの内径は、第1リブ118Dの内径よりも小さい。第2リブ118Eの内径は、第1ギヤ部118Bのピッチ円の直径よりも大きい。
【0118】
アイドルギヤ118は、板金15に対して回転可能である。具体的には、ギヤカバー500は、シャフト部540を有する。シャフト部540は、カバー壁510から回転軸線方向の他方側に向けて突出している。
【0119】
アイドルギヤ118は、シャフト部540に係合することで、ギヤカバー500に回転可能に支持されている。そして、ギヤカバー500が板金15に固定されることで、アイドルギヤ118は、板金15に対して回転可能である。言い換えると、板金15は、ギヤカバー500を介してアイドルギヤ118を回転可能に支持している。
【0120】
第1ギヤ部118B、および、第1ギヤ部118Bと噛み合うカムギヤ115Y,115M(図3参照)は、アイドルギヤ118の回転軸線方向における板金15の一方側に配置されている。第2ギヤ部118Cは、アイドルギヤ118の回転軸線方向における板金15の他方側に配置されている。また、第1リブ118Dは、アイドルギヤ118の回転軸線方向における板金15の他方側に配置されている。同様に、第2リブ118Eは、アイドルギヤ118の回転軸線方向における板金15の他方側に配置されている。
【0121】
具体的には、図12において、第1ギヤ部118Bおよびカムギヤ115Y,115Mは、板金15の右側に配置されている。また、第2ギヤ部118C、第1リブ118Dはおよび第2リブ118Eは、板金15の左側に配置されている。
【0122】
図11に示すように、画像形成装置1は、回転抵抗部材300をさらに備える。
回転抵抗部材300は、アイドルギヤ118に回転抵抗を与える部材である。具体的には、回転抵抗部材300は、アイドルギヤ118を、アイドルギヤ118の回転軸線方向に押圧することで、アイドルギヤ118に回転抵抗を与える。
【0123】
回転抵抗部材300は、ばねである。具体的には回転抵抗部材300は、金属板からなる板ばねである。回転抵抗部材300は、ベース部310と、4つの押圧部320とを有する。
【0124】
ベース部310は、ねじSCによってギヤカバー500のシャフト部540に固定される部分である。ベース部310は、中央に貫通穴311を有する。貫通穴311は、ねじSCの軸部が通る穴である。シャフト部540は、ねじSCがねじ込まれる穴541を有する。
【0125】
図13に示すように、押圧部320は、アイドルギヤ118を押圧する部分である。押圧部320は、ベース部310から延び出ている。4つの押圧部320は、アイドルギヤ118の回転軸線に対して対称に配置されている。具体的には、4つの押圧部320は、アイドルギヤ118の回転方向において、90度ずつ位相がずれている。
【0126】
図12に示すように、回転抵抗部材300は、アイドルギヤ118の回転軸線方向における板金15の他方側に配置されている。回転抵抗部材300は、シャフト部540に固定された状態において、4つの押圧部320がアイドルギヤ118に接触して、アイドルギヤ118を、アイドルギヤ118の回転軸線方向における他方側から一方側に向けて押圧している。
【0127】
具体的には、回転抵抗部材300は、4つの押圧部320がアイドルギヤ118の第2リブ118Eに接触して、第2リブ118Eを、アイドルギヤ118の回転軸線方向における他方側から一方側に向けて押圧している。これにより、アイドルギヤ118の第1リブ118Dは、板金15に押し当てられている。
【0128】
第2リブ118Eの内径は、第1ギヤ部118Bのピッチ円の直径よりも大きいため、押圧部320は、アイドルギヤ118の径方向において、第1ギヤ部118Bのピッチ円よりも外側の位置でアイドルギヤ118を押圧している。
【0129】
図13に示すように、押圧部320は、それぞれ、接触部321を有する。接触部321は、アイドルギヤ118の回転軸線方向における一方側に向けて凸となる部分であり、円弧状に湾曲した断面形状を有している。押圧部320は、接触部321の稜線部分(二点鎖線参照)で第2リブ118Eに接触している。接触部321の稜線部分は、第2リブ118Eと交差するように、押圧部320がベース部310から延びる方向に沿って延びている。
【0130】
このような接触部321で第2リブ118Eと接触することにより、回転抵抗部材300の位置がアイドルギヤ118の回転軸線方向に直交する方向に多少ずれたとしても、押圧部320は、第2リブ118Eに対して均一に接触できる。これにより、アイドルギヤ118に均一に荷重をかけることができる。
【0131】
回転抵抗部材300は、回転抵抗部材300を覆うカバーに設けられたストッパによって、アイドルギヤ118の回転軸線まわりの回転が規制されている。
【0132】
図10に示すように、第2離間ギヤ列GT12は、メインモータM1の駆動力を第1離間ギヤ列GT11から受けて離間カム150Kに伝達するギヤ列である。第2離間ギヤ列GT12は、ギヤ121と、電磁クラッチEC2と、ギヤ122と、ギヤ123と、ギヤ124と、カムギヤ115Kとを含む。
ギヤ121は、第1離間ギヤ列GT11のギヤ106と噛み合っている。
【0133】
電磁クラッチEC2は、伝達状態と、遮断状態とに切り替え可能である。一例として、電磁クラッチEC2は、通電したときに伝達状態となり、通電しないときに遮断状態となる。伝達状態は、メインモータM1からの駆動力を離間カム150Kに伝達する状態である。遮断状態は、メインモータM1からの駆動力を離間カム150Kに伝達しない状態である。電磁クラッチEC2は、制御部2(図1参照)により制御される。
【0134】
ギヤ122は、電磁クラッチEC2が伝達状態のときにギヤ121と一体に回転する。ギヤ122は、電磁クラッチEC2が遮断状態のときにはメインモータM1から駆動力が伝達されないので、駆動しない。
ギヤ123は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがギヤ122と噛み合っている。
【0135】
ギヤ124は、ギヤ123の小径ギヤと噛み合っている。
カムギヤ115Kは、離間カム150Kを有するギヤである。言い換えると、離間カム150Kは、円板部151の外周にギヤ歯を有している。カムギヤ115Kは、ギヤ124と噛み合っている。
【0136】
図14に示すように、定着駆動ギヤ列GT2は、移動ギヤ131と、出力ギヤ132とを含む。
移動ギヤ131は、メインモータM1からの駆動力を受けるギヤである。移動ギヤ131は、第1離間ギヤ列GT11が有するギヤ103の大径ギヤと噛み合っている。移動ギヤ131は、実線で示す伝達位置と、仮想線で示す切断位置との間で出力ギヤ132に対して移動可能である。具体的には、移動ギヤ131は、伝達位置と、切断位置との間でギヤ103まわりに揺動可能である。
【0137】
伝達位置は、出力ギヤ132と噛み合う位置であり、切断位置は、出力ギヤ132と噛み合わない位置である。移動ギヤ131は、メインモータM1が正回転する場合に伝達位置に位置し、メインモータM1が逆回転する場合に切断位置に位置する。
【0138】
出力ギヤ132は、定着器80に向けて駆動力を出力するギヤである。具体的には、出力ギヤ132は、加熱ローラ81Aに向けて駆動力を出力する。出力ギヤ132は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤが伝達位置に位置する移動ギヤ131と噛み合う。
【0139】
図15に示すように、加熱ローラ81Aは、一端に固定された加熱ローラギヤ81Gを有し、出力ギヤ132は、小径ギヤが加熱ローラギヤ81Gと噛み合っている。定着器80の加圧部82(加圧ローラ)は、加熱ローラ81Aが回転することによって従動回転する。
【0140】
第1排出ローラ83および第2排出ローラ91は、メインモータM1の駆動力を定着駆動ギヤ列GT2から受ける。第1排出ローラ83は、一方のローラの一端に固定された第1排出ローラギヤ83Gを有する。第2排出ローラ91は、一方のローラの一端に固定された第2排出ローラギヤ91Gを有する。
【0141】
画像形成装置1は、ギヤ133と、排出駆動ギヤ列GT21とをさらに備える。
ギヤ133は、加熱ローラギヤ81Gと噛み合っており、第1排出ローラ83は、ギヤ133と噛み合っている。これにより、第1排出ローラ83は、メインモータM1の駆動力を定着駆動ギヤ列GT2の出力ギヤ132から、加熱ローラギヤ81Gおよびギヤ133を介して受けたときに回転する。
【0142】
排出駆動ギヤ列GT21は、ギヤ134Aと、ギヤ134Bと、ギヤ134Cと、ギヤ134Dと、ギヤ134Eと、ギヤ134Fと、ギヤ134Gとを含む。
ギヤ134Aは、出力ギヤ132の小径ギヤと噛み合っている。
ギヤ134Bは、ギヤ134Aと噛み合っている。
【0143】
ギヤ134Cは、ギヤ134Bと噛み合っている。
ギヤ134Dは、ギヤ134Cと噛み合っている。
ギヤ134Eは、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがギヤ134Dと噛み合っている。
【0144】
ギヤ134Fは、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、小径ギヤがギヤ134Eの小径ギヤと噛み合っている。
ギヤ134Gは、ギヤ134Fの小径ギヤと噛み合っている。
【0145】
第2排出ローラギヤ91Gは、ギヤ134Gと噛み合っている。これにより、第2排出ローラ91は、メインモータM1の駆動力を定着駆動ギヤ列GT2の出力ギヤ132から排出駆動ギヤ列GT21を介して受けたときに回転する。
【0146】
図16に示すように、ニップ圧調整機構200は、メインモータM1から駆動力を受けることで加熱部81と加圧部82のニップ圧を切り替える機構である。具体的には、ニップ圧調整機構200は、加熱ローラ81Aと加圧部82のニップ圧を、図16(a)に示す第1ニップ圧と、図16(b)に示す第2ニップ圧との間で切り替える。
【0147】
第2ニップ圧は、第1ニップ圧より大きいニップ圧である。本実施形態では、第1ニップ圧は、印刷を実行する前の待機状態のときのニップ圧であり、第2ニップ圧は、印刷を実行するときのニップ圧である。本実施形態において、加熱部81と加圧部82は、第1ニップ圧のときも接触している。以下では、第1ニップ圧を「小ニップ圧」ともいい、第2ニップ圧を「大ニップ圧」ともいう。
【0148】
ニップ圧調整機構200は、定着器80に設けられている。定着器80は、定着フレーム84と、ニップ圧調整機構200とをさらに備える。
定着フレーム84は、加熱部81を支持している。具体的には、定着フレーム84は、加熱ローラ81Aを回転可能に支持している。定着フレーム84は、回転軸線方向における両側にそれぞれ、シャフト部84Aと、ばね係合部84Bとを有する。
【0149】
ニップ圧調整機構200は、アーム210と、ばね220と、ニップ圧調整カム230とを備える。アーム210、ばね220およびニップ圧調整カム230は、回転軸線方向における加圧部82の両側にそれぞれ設けられている。
【0150】
アーム210は、加圧部82(加圧ローラ)を回転可能に支持している。アーム210は、第1端部211と、第2端部212と、カム接触部213とを有する。アーム210は、第1端部211が定着フレーム84のシャフト部84Aに係合していることで、定着フレーム84に回動可能に支持されている。カム接触部213は、第1端部211と第2端部212との間の位置で、ニップ圧調整カム230に向けて延びている。
【0151】
ばね220は、加圧部82を加熱部81に向けて付勢するばねである。一例として、ばね220は、引張コイルばねである。ばね220は、一端部が定着フレーム84のばね係合部84Bに係合し、他端部がアーム210の第2端部212に係合している。
【0152】
ニップ圧調整カム230は、メインモータM1から駆動力を受けることで加熱部81と加圧部82のニップ圧を、第1ニップ圧と、第2ニップ圧との間で切り替える。ニップ圧調整カム230は、メインモータM1から駆動力を受けることで加熱ローラ81Aと加圧部82(加圧ローラ)のニップ圧を、図16(a)に示す第1ニップ圧と、図16(b)に示す第2ニップ圧との間で切り替える。
【0153】
ニップ圧調整カム230は、定着フレーム84に回動可能に支持されている。具体的には、ニップ圧調整カム230は、加熱ローラ81Aの回転軸線と平行な軸回りに回動可能である。ニップ圧調整カム230は、図16(a)に示す第1カム位相と、図16(b)に示す第2カム位相との間で回動可能である。ニップ圧調整カム230は、板カムである。具体的には、ニップ圧調整カム230は、外周面に、第1部位231と、第2部位232とを有する。
【0154】
第1部位231は、ニップ圧調整カム230が図16(a)に示す第1カム位相のときに、アーム210のカム接触部213に接触する部位である。ニップ圧調整カム230が第1カム位相のとき、加熱部81と加圧部82のニップ圧は、小ニップ圧となる。
【0155】
第2部位232は、ニップ圧調整カム230が図16(b)に示す第2カム位相のときに、カム接触部213に対向する部位である。ニップ圧調整カム230が第2カム位相のとき、第2部位232は、カム接触部213から離れている。ニップ圧調整カム230が第2カム位相のとき、加熱部81と加圧部82のニップ圧は、大ニップ圧となる。
【0156】
ニップ圧調整機構200は、ニップ圧調整カム230が図16(a)に示す第3回転方向R3に回転して、第1カム位相から、図16(b)に示す第2カム位相に約270度回動することで、加熱部81と加圧部82のニップ圧を、小ニップ圧から大ニップ圧に切り替える。第3回転方向R3は、メインモータM1が正回転するときのニップ圧調整カム230の回転方向である。
【0157】
また、ニップ圧調整機構200は、ニップ圧調整カム230が図16(b)に示す第4回転方向R4に回転して、第2カム位相から図16(a)に示す第1カム位相に回動することで、加熱部81と加圧部82のニップ圧を、大ニップ圧から小ニップ圧に切り替える。第4回転方向R4は、メインモータM1が逆回転するときのニップ圧調整カム230の回転方向である。第4回転方向R4は、第3回転方向R3とは逆の回転方向である。
【0158】
図14に示すように、ニップ圧調整ギヤ列GT3は、クラッチ接続ギヤ135と、ギヤ136と、ギヤ137とを含む。また、画像形成装置1は、電磁クラッチEC3をさらに備える。
【0159】
電磁クラッチEC3は、伝達状態と、遮断状態とに切り替え可能である。一例として、電磁クラッチEC3は、通電したときに伝達状態となり、通電しないときに遮断状態となる。伝達状態は、メインモータM1の駆動力を現像離間ギヤ列GT1からニップ圧調整ギヤ列GT3に伝達する状態である。すなわち、伝達状態は、メインモータM1からの駆動力をニップ圧調整カム230に伝達する状態である。遮断状態は、メインモータM1の駆動力を現像離間ギヤ列GT1からニップ圧調整ギヤ列GT3に伝達しない状態である。すなわち、遮断状態は、メインモータM1からの駆動力をニップ圧調整カム230に伝達しない状態である。電磁クラッチEC3は、制御部2(図1参照)により制御される。
【0160】
クラッチ接続ギヤ135は、電磁クラッチEC3が伝達状態のときに、現像離間ギヤ列GT1のギヤ104と一体に回転する。クラッチ接続ギヤ135は、ギヤ104と同軸で回転する。ギヤ104は、現像離間ギヤ列GT1が有する1つのギヤの一例である。クラッチ接続ギヤ135は、電磁クラッチEC3が遮断状態のときにはメインモータM1から駆動力が伝達されないので、駆動しない。
【0161】
ギヤ136は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがクラッチ接続ギヤ135と噛み合っている。
ギヤ137は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがギヤ136の小径ギヤと噛み合っている。ニップ圧調整機構200のニップ圧調整カム230(図16参照)は、メインモータM1の駆動力をギヤ137の小径ギヤから受けて回転する。
【0162】
図15に示すように、シート供給ギヤ列GT4は、ギヤ141と、ギヤ142と、ギヤ143と、ギヤ144と、ギヤ145とを含む。
ギヤ141は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがモータギヤMG1と噛み合っている。言い換えると、モータギヤMG1は、ギヤ141の大径ギヤと噛み合っている。ギヤ141は、シート供給ギヤ列GT4が有する1つのギヤの一例である。
【0163】
ギヤ142は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがギヤ141の小径ギヤと噛み合っている。
ギヤ143は、ギヤ142の小径ギヤと噛み合っている。
ギヤ144は、ギヤ143と噛み合っている。
【0164】
ギヤ145は、ギヤ144と噛み合っている。ギヤ145は、シート供給機構22に向けて駆動力を出力する。シート供給機構22は、メインモータM1からの駆動力を受けることで、画像形成部30に向けてシートSを供給する。
【0165】
図17に示すように、ドラム駆動ギヤ列GT5は、ギヤ411と、ドラムギヤ412Mと、ギヤ413と、ドラムギヤ412Yと、ドラムギヤ412Cと、ギヤ414と、ドラムギヤ412Kとを含む。
【0166】
ギヤ411は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがモータギヤMG2と噛み合っている。モータギヤMG2は、プロセスモータM2の出力軸に設けられたギヤである。モータギヤMG2は、感光ドラム50が並ぶ方向である前後方向において、ドラムギヤ412Mの回転中心と、ドラムギヤ412Cの回転中心との間に位置している。
【0167】
ドラムギヤ412Mは、感光ドラム50Mと一体に回転するギヤであり、ギヤ411の小径ギヤと噛み合っている。
ギヤ413は、ドラムギヤ412Mと噛み合っている。
ドラムギヤ412Yは、感光ドラム50Yと一体に回転するギヤであり、ギヤ413と噛み合っている。
【0168】
ドラムギヤ412Cは、感光ドラム50Cと一体に回転するギヤであり、ギヤ411の小径ギヤと噛み合っている。
ギヤ414は、ドラムギヤ412Cと噛み合っている。
ドラムギヤ412Kは、感光ドラム50Kと一体に回転するギヤであり、ギヤ414と噛み合っている。
【0169】
画像形成装置1は、転写駆動ギヤ列GT51をさらに備える。転写駆動ギヤ列GT51は、プロセスモータM2の駆動力をドラム駆動ギヤ列GT5から受けて転写ユニット70に伝達するギヤ列である。転写駆動ギヤ列GT51は、ギヤ415と、ギヤ416と、ギヤ417とを含む。
【0170】
ギヤ415は、ギヤ411の大径ギヤと噛み合っている。
ギヤ416は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがギヤ415と噛み合っている。
【0171】
ギヤ417は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがギヤ416の小径ギヤと噛み合っている。ギヤ417は、転写ユニット70に向けて駆動力を出力する。感光ドラム50および転写ユニット70は、プロセスモータM2からの駆動力を受けることで、感光ドラム50と、転写ローラ74との間でシートSを搬送する。
【0172】
図18に示すように、第1現像駆動ギヤ列GT6は、ギヤ421と、ギヤ422と、ギヤ423と、移動ギヤ424と、第1出力ギヤ425と、カップリングギヤ426Yと、カップリングギヤ426Mと、ギヤ427と、カップリングギヤ426Cとを含む。
【0173】
ギヤ421は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがモータギヤMG2と噛み合っている。モータギヤMG2は、前後方向において、カップリングギヤ426Mの回転中心と、カップリングギヤ426Cの回転中心との間に位置している。
ギヤ422は、ギヤ421の小径ギヤと噛み合っている。
ギヤ423は、ギヤ422と噛み合っている。
【0174】
移動ギヤ424は、プロセスモータM2から駆動力を受けるギヤであり、ギヤ423と噛み合っている。移動ギヤ424は、実線で示す第1伝達位置と、仮想線で示す第1切断位置との間で第1出力ギヤ425に対して移動可能である。具体的には、移動ギヤ424は、第1伝達位置と、第1切断位置との間でギヤ423まわりに揺動可能である。移動ギヤ424は、シャフト424Aが板金15(図19参照)に揺動可能に支持されている。
【0175】
第1伝達位置は、第1出力ギヤ425と噛み合う位置であり、第1切断位置は、第1出力ギヤ425と噛み合わない位置である。移動ギヤ424は、ばねにより第1切断位置から第1伝達位置に向けて付勢されている。移動ギヤ424は、後述する切替カム190(図19参照)により第1伝達位置と第1切断位置との間を移動する。
【0176】
第1出力ギヤ425は、現像ローラ61Y,61M,61Cに向けて駆動力を出力するギヤである。第1出力ギヤ425は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤが第1伝達位置に位置する移動ギヤ424と噛み合う。
【0177】
カップリングギヤ426Yは、第1出力ギヤ425の小径ギヤと噛み合っている。カップリングギヤ426Yは、プロセスモータM2からの駆動力を現像ローラ61Yに向けて出力するギヤである。具体的には、カップリングギヤ426Yは、プロセスモータM2からの駆動力を現像カートリッジ60Yに出力する。
【0178】
カップリングギヤ426Mは、第1出力ギヤ425の小径ギヤと噛み合っている。カップリングギヤ426Mは、プロセスモータM2からの駆動力を現像ローラ61Mに向けて出力するギヤである。具体的には、カップリングギヤ426Mは、プロセスモータM2からの駆動力を現像カートリッジ60Mに出力する。
ギヤ427は、カップリングギヤ426Mと噛み合っている。
【0179】
カップリングギヤ426Cは、ギヤ427と噛み合っている。カップリングギヤ426Cは、プロセスモータM2からの駆動力を現像ローラ61Cに向けて出力するギヤである。具体的には、カップリングギヤ426Cは、プロセスモータM2からの駆動力を現像カートリッジ60Cに出力する。
【0180】
図19に示すように、画像形成装置1は、切替カム190と、切替ギヤ列GT8とをさらに備える。
切替ギヤ列GT8は、メインモータM1の駆動力を切替カム190に伝達するギヤ列である。切替ギヤ列GT8は、メインモータM1の駆動力を第1離間ギヤ列GT11(図10参照)から受けて切替カム190に伝達する。具体的には、切替ギヤ列GT8は、メインモータM1の駆動力を第1離間ギヤ列GT11のアイドルギヤ118から受けて切替カム190に伝達する。
【0181】
切替ギヤ列GT8は、ギヤ441と、ギヤ442と、ギヤ443とを含む。
ギヤ441は、アイドルギヤ118の第2ギヤ部118Cと噛み合っている。
ギヤ442は、大径ギヤと小径ギヤとを有する2段ギヤであり、大径ギヤがギヤ441と噛み合っている。
ギヤ443は、ギヤ442の小径ギヤと噛み合っている。また、ギヤ443は、切替カム190の後述するギヤ部191と噛み合っている。
【0182】
アイドルギヤ118の第1ギヤ部118B、および、カムギヤ115Mは、アイドルギヤ118の回転軸線方向における板金15の一方側に配置されている。一方、アイドルギヤ118の第2ギヤ部118C、切替ギヤ列GT8のギヤ441~443、および、切替カム190は、アイドルギヤ118の回転軸線方向における板金15の他方側に配置されている。
【0183】
切替カム190は、メインモータM1から駆動力を受けることで回転する板カムである。切替カム190は、メインモータM1の駆動力をカムギヤ115Mから受ける。具体的には、切替カム190は、メインモータM1の駆動力をカムギヤ115Mからアイドルギヤ118と切替ギヤ列GT8とを介して受ける。
【0184】
切替カム190は、回転することで、第1現像駆動ギヤ列GT6の移動ギヤ424を、図19に示す第1伝達位置と、図20に示す第1切断位置との間で移動させる。切替カム190は、図20に示す第1位相と、図19に示す第2位相との間で回転可能である。第1位相は、移動ギヤ424を第1切断位置に位置させる位相であり、第2位相は、移動ギヤ424を第1伝達位置に位置させる位相である。
【0185】
切替カム190は、ギヤ部191と、カム部192とを有する。
ギヤ部191は、切替ギヤ列GT8のギヤ443と噛み合っている。
カム部192は、外周面に、第1部位192Aと、第2部位192Bと、第3部位192Cとを有する。
【0186】
第1部位192Aは、切替カム190が図20に示す第1位相のときに、移動ギヤ424のシャフト424Aに接触する部位である。第1部位192Aは、切替カム190の回転軸線を中心とする円弧状の面である。
【0187】
第2部位192Bは、切替カム190が図19に示す第2位相のときに、移動ギヤ424のシャフト424Aに対向する部位である。切替カム190の回転中心から第2部位192Bまでの長さは、切替カム190の回転中心から第1部位192Aまでの長さよりも小さい。なお、切替カム190が第2位相のとき、第2部位192Bは、シャフト424Aと接触していてもよいし、シャフト424Aから離れていてもよい。
【0188】
第3部位192Cは、切替カム190が第1位相と第2位相との間で回転するときに移動ギヤ424のシャフト424Aに接触して、移動ギヤ424を第1切断位置と第1伝達位置との間で移動させる部位である。第3部位192Cは、第1部位192Aと第2部位192Bとを接続する直線状の面である。
【0189】
切替カム190は、メインモータM1が正回転する場合、図20に示す第1位相から図19に示す第2位相に回転して移動ギヤ424を第1切断位置から第1伝達位置に移動させる。また、切替カム190は、メインモータM1が逆回転する場合、図19に示す第2位相から図20に示す第1位相に回転して移動ギヤ424を第1伝達位置から第1切断位置に移動させる。
【0190】
切替カム190のカム部192は、移動ギヤ424を第1切断位置から第1伝達位置に移動させる場合、現像ローラ61Y,61M,61Cが接触位置に位置する前のタイミングで移動ギヤ424を第1伝達位置に位置させる。これにより、現像ローラ61Y,61M,61Cは、接触位置に位置する前にプロセスモータM2から駆動力が伝達されて回転を開始する。その後、現像ローラ61Y,61M,61Cは、回転しながら、回転している感光ドラム50Y,50M,50Cに接触する。
【0191】
また、カム部192は、移動ギヤ424を第1伝達位置から第1切断位置に移動させる場合、現像ローラ61Y,61M,61Cが離間位置に位置した後のタイミングで移動ギヤ424を第1切断位置に位置させる。これにより、現像ローラ61Y,61M,61Cは、離間位置に位置した後にプロセスモータM2から駆動力が伝達されなくなり、その結果、停止する。現像ローラ61Y,61M,61Cは、回転しながら、回転している感光ドラム50Y,50M,50Cから離間する。
【0192】
図21(a)に示すように、第2現像駆動ギヤ列GT7は、ギヤ431と、ギヤ432と、ギヤ433と、ギヤ434と、ギヤ435と、第1ギヤ436と、遊星歯車機構180と、第2ギヤとしてのカップリングギヤ426Kとを含む。
ギヤ431は、第1現像駆動ギヤ列GT6のギヤ422と噛み合っている。
【0193】
ギヤ432は、ギヤ431と噛み合っている。
ギヤ433は、ギヤ432と噛み合っている。
ギヤ434は、ギヤ433と噛み合っている。ギヤ434は、第1現像駆動ギヤ列GT6のカップリングギヤ426Cと同軸で回転する。
ギヤ435は、ギヤ434と噛み合っている。
【0194】
第1ギヤ436は、プロセスモータM2から駆動力を受けるギヤであり、ギヤ435と噛み合っている。図21(b)に示すように、第1ギヤ436は、遊星歯車機構180の後述する第1外周ギヤ185と噛み合っている。第1外周ギヤ185は、遊星歯車機構180の後述する入力要素180Aに設けられたギヤである。第1ギヤ436は、カップリングギヤ426Kと同軸で回転する。
【0195】
図22に示すように、遊星歯車機構180は、入力要素180Aと、出力要素180Bと、伝達要素180Cとを有する。入力要素180A、出力要素180Bおよび伝達要素180Cは、同軸で回転する。
【0196】
遊星歯車機構180は、サンギヤ181と、リングギヤ182と、キャリア183と、4つのプラネタリギヤ184とを有する。遊星歯車機構180は、入力要素180A、出力要素180Bおよび伝達要素180Cのうち、1つがサンギヤ181を有し、サンギヤ181を有する要素以外の1つがリングギヤ182を有し、残りの1つがキャリア183を有する。実施形態では、伝達要素180Cがサンギヤ181を有し、入力要素180Aがリングギヤ182を有し、出力要素180Bがキャリア183を有する。
【0197】
入力要素180Aは、プロセスモータM2の駆動力を受ける要素である。入力要素180Aは、リングギヤ182と、リングギヤ182の外周に位置する第1外周ギヤ185とを有する。リングギヤ182は、入力要素180Aに設けられた内歯車であり、4つのプラネタリギヤ184と噛み合っている。
【0198】
出力要素180Bは、現像ローラ61Kに向けて駆動力を出力する要素である。出力要素180Bは、キャリア183と、キャリア183の外周に位置する第2外周ギヤ186とを有する。また、キャリア183は、プラネタリギヤ184を回転可能に支持する4つのシャフト部183Aを有する。
【0199】
伝達要素180Cは、回転が規制された場合に入力要素180Aから出力要素180Bに駆動力を伝達可能とし、回転が規制されない場合に入力要素180Aから出力要素180Bに駆動力を伝達しないように構成された要素である。伝達要素180Cは、サンギヤ181と、サンギヤ181と一体に回転する回転板187と、回転板187の外周に位置する2つの爪部188とを有する。
【0200】
プラネタリギヤ184は、キャリア183のシャフト部183Aに回転可能に支持されている。プラネタリギヤ184は、サンギヤ181と噛み合っている。また、プラネタリギヤ184は、リングギヤ182とも噛み合っている。
【0201】
遊星歯車機構180は、伝達要素180Cの回転が止められた状態では、第1外周ギヤ185に入力された駆動力を第2外周ギヤ186に伝達できる伝達状態となる。一方、伝達要素180Cが回転可能な状態では、第1外周ギヤ185に入力された駆動力を第2外周ギヤ186に伝達できない切断状態となる。遊星歯車機構180は、切断状態、かつ、第2外周ギヤ186に負荷がかかっている状態で、第1外周ギヤ185に駆動力が入力された場合、出力要素180Bが回転せず、伝達要素180Cが空転する。
【0202】
図21(b)に示すように、カップリングギヤ426Kは、プロセスモータM2からの駆動力を現像ローラ61Kに向けて出力するギヤである。具体的には、カップリングギヤ426Kは、プロセスモータM2からの駆動力を現像カートリッジ60Kに出力する。カップリングギヤ426Kは、遊星歯車機構180の第2外周ギヤ186と噛み合っている。第2外周ギヤ186は、遊星歯車機構180の出力要素180Bに設けられたギヤである。
【0203】
図23に示すように、画像形成装置1は、切替レバー160をさらに備える。また、ブラックに対応する離間カム150Kは、突起154をさらに有している。
突起154は、カム部153の外周面から突出している。突起154は、切替レバー160と接触可能である。突起154は、離間カム150Kの回転に応じて、切替レバー160を、図23(a)に示す第2伝達位置と、図23(b)に示す第2切断位置との間で移動させる。
【0204】
切替レバー160は、離間カム150Kの回転に応じて、第2伝達位置と、第2切断位置との間で遊星歯車機構180に対して移動可能である。具体的には、切替レバー160は、第2伝達位置と、第2切断位置との間で揺動可能である。切替レバー160は、回転支持部161と、第1アーム162と、第2アーム163とを有する。第1アーム162は、回転支持部161から延びている。第2アーム163は、回転支持部161から第1アーム162とは異なる方向に延びている。
【0205】
回転支持部161は、板金15(図3参照)に回動可能に支持されている。これにより、切替レバー160は、図23(a)に示す第2伝達位置と、図23(b)に示す第2切断位置との間を揺動軸線160Aのまわりで揺動可能である。切替レバー160は、ばねにより第2切断位置から第2伝達位置に向けて付勢されている。
【0206】
第2アーム163の先端部は、伝達要素180Cの外周に向けて延びている。図23(a)に示すように、切替レバー160は、第2伝達位置に位置する場合に、第2アーム163の先端部が伝達要素180Cの爪部188に係合して伝達要素180Cの回転を規制する。これにより、遊星歯車機構180に入力されたプロセスモータM2の駆動力がカップリングギヤ426K(図18参照)を介して現像カートリッジ60Kに伝達されるので、現像ローラ61Kが回転する。
【0207】
また、図23(b)に示すように、切替レバー160は、第2切断位置に位置する場合に、第2アーム163の先端部が伝達要素180Cの爪部188から離脱して伝達要素180Cの回転を規制しない。これにより、遊星歯車機構180に入力されたプロセスモータM2の駆動力が現像カートリッジ60Kに伝達されないので、現像ローラ61Kは回転しない。
【0208】
第1アーム162は、離間カム150Kの突起154と接触可能である。図23(a)に示すように、切替レバー160は、第1アーム162が突起154と接触しなくなった場合、ばねの付勢力によって第2伝達位置に揺動する。また、図23(b)に示すように、切替レバー160は、第1アーム162が突起154と接触した場合、ばねの付勢力に抗して第2切断位置に揺動する。
【0209】
突起154は、切替レバー160を第2切断位置から第2伝達位置に移動させる場合、現像ローラ61Kが接触位置に位置する前のタイミングで切替レバー160を第2伝達位置に位置させる。具体的には、突起154は、現像ローラ61Kが接触位置に位置する前のタイミングで切替レバー160から離れて、切替レバー160を第2切断位置から第2伝達位置に揺動させる。
【0210】
これにより、現像ローラ61Kは、接触位置に位置する前にプロセスモータM2から駆動力が伝達されて回転を開始する。その後、現像ローラ61Kは、回転しながら、回転している感光ドラム50Kに接触する。
【0211】
また、突起154は、切替レバー160を第2伝達位置から第2切断位置に移動させる場合、現像ローラ61Kが離間位置に位置した後のタイミングで切替レバー160を第2切断位置に位置させる。具体的には、突起154は、現像ローラ61Kが離間位置に位置した後のタイミングで切替レバー160に接触して、切替レバー160を第2伝達位置から第2切断位置に揺動させる。
【0212】
これにより、現像ローラ61Kは、離間位置に位置した後にプロセスモータM2から駆動力が伝達されなくなり、その結果、停止する。現像ローラ61Kは、回転しながら、回転している感光ドラム50Kから離間する。
【0213】
制御部2(図1参照)は、CPU、ROM、RAM、入出力回路を備え、予め記憶されたプログラムを実行することで制御を実行する。制御部2は、メインモータM1の駆動と停止、および、メインモータM1の出力軸の回転方向を制御する。また、制御部2は、プロセスモータM2の駆動と停止を制御する。また、制御部2は、電磁クラッチEC1~EC3を制御する。
【0214】
これにより、制御部2は、感光ドラム50に対する現像ローラ61の接触と離間を制御する。また、制御部2は、感光ドラム50、現像ローラ61および加熱ローラ81Aの駆動と停止を制御する。また、制御部2は、定着器80の加熱部81と加圧部82のニップ圧を制御する。
【0215】
制御部2は、第1印刷モードとしてのカラー印刷モードと、第2印刷モードとしてのモノクロ印刷モードとを実行可能である。
カラー印刷モードは、現像ローラ61Y、現像ローラ61M、現像ローラ61Cおよび現像ローラ61Kを用いてシートSに画像を形成する印刷モードである。
【0216】
画像形成装置1は、印刷を実行する前の待機状態において、すべての現像ローラ61が離間位置に位置している。カラー印刷モードは、すべての現像ローラ61(61Y,61M,61C,61K)を離間位置から接触位置に移動させてシートSに画像を形成する印刷モードである。
【0217】
モノクロ印刷モードは、現像ローラ61Kだけを用いてシートSに画像を形成する印刷モードである。具体的には、モノクロ印刷モードは、現像ローラ61Kだけを離間位置から接触位置に移動させてシートSに画像を形成する印刷モードである。
【0218】
図2に示すように、画像形成装置1は、センサ4K,4Cをさらに備える。センサ4Kは、カムフォロワ170Kの位置を検知するセンサである。センサ4Cは、カムフォロワ170Y,170M,170Cの位置を検知するセンサである。センサ4Cは、直接的にはカムフォロワ170Cの位置を検知し、間接的にカムフォロワ170Y,170Mの位置を検知する。
【0219】
センサ4K,4Cは、発光部4Pと、受光部4Rとを有する。発光部4Pは、検出光を出射し、受光部4Rは、発光部4Pからの検出光を受光可能である。センサ4K,4Cは、ギヤカバー500の貫通穴550(図8参照)を通して、発光部4Pと受光部4Rがギヤカバー500内に位置している。
【0220】
カムフォロワ170Kは、押圧位置に位置するときにはリブ174が発光部4Pと受光部4Rの間に入り込み、非押圧位置に位置するときにはリブ174が発光部4Pと受光部4Rの間から外れる位置に位置する。同様に、カムフォロワ170Cは、押圧位置に位置するときにはリブ174が発光部4Pと受光部4Rの間に入り込み、非押圧位置に位置するときにはリブ174が発光部4Pと受光部4Rの間から外れる位置に位置する。
【0221】
これにより、センサ4K,4Cは、カムフォロワ170が押圧位置に位置するときには、発光部4Pからの検出光がリブ174によって遮られることで受光部4Rで受光できない。また、センサ4K,4Cは、カムフォロワ170が非押圧位置に位置するときには、発光部4Pからの検出光を受光部4Rで受光できる。センサ4K,4Cは、検出光の受光状態の変化によって、カムフォロワ170が押圧位置に位置するか、非押圧位置に位置するかを検知する。
【0222】
カムフォロワ170が押圧位置に位置するとき、対応する現像ローラ61は離間位置に位置し、カムフォロワ170が非押圧位置に位置するとき、対応する現像ローラ61は接触位置に位置する。このため、センサ4K,4Cは、カムフォロワ170を介して、現像ローラ61が離間位置に位置するか、接触位置に位置するかを検知することができる。
【0223】
カムフォロワ170Kのリブ174は、センサ4Kにより検知可能であり、カムフォロワ170Cのリブ174は、センサ4Cにより検知可能である。なお、本実施形態において、4つのカムフォロワ170は共通の部品であり、いずれもリブ174を有するが、カムフォロワ170Y,170Mのリブ174は、センサ4K,4Cにより検知される部分としては機能しない。
【0224】
次に、印刷を実行する場合の制御部2の動作の一例について説明する。なお、以下では、電磁クラッチEC1~EC3を伝達状態にすることをONにするといい、電磁クラッチEC1~EC3を遮断状態にすることをOFFにするという。
【0225】
まず、カラー印刷モードで印刷を実行する場合の制御部2の動作について、タイミングチャートを参照しながら説明する。
図24に示すように、画像形成装置1は、待機状態(時刻t0参照)において、すべての現像ローラ61が離間位置に位置している。また、画像形成装置1は、待機状態において、加熱部81と加圧部82のニップ圧が小ニップ圧となっている。
【0226】
カラー印刷モードで印刷を実行する場合、制御部2は、メインモータM1を正回転で駆動させる(時刻t1)。これにより、移動ギヤ131が切断位置から伝達位置に移動し、加熱ローラ81AにメインモータM1から駆動力が伝達されて、加熱ローラ81Aおよび加圧部82(加圧ローラ)が回転する。また、第1排出ローラ83および第2排出ローラ91にメインモータM1から駆動力が伝達されて、第1排出ローラ83および第2排出ローラ91が回転する。
【0227】
次に、制御部2は、プロセスモータM2を駆動させる(時刻t2)。これにより、感光ドラム50にプロセスモータM2から駆動力が伝達されて、感光ドラム50が回転する。
【0228】
次に、制御部2は、電磁クラッチEC3をONとする(時刻t3)。これにより、ニップ圧調整機構200のニップ圧調整カム230にメインモータM1から駆動力が伝達されてニップ圧調整カム230が第3回転方向R3に回転し、第1カム位相から第2カム位相になる。これにより、加熱部81と加圧部82のニップ圧が、小ニップ圧から大ニップ圧に切り替わる(時刻t4~t5)。
【0229】
制御部2は、加熱部81と加圧部82のニップ圧が大ニップ圧に切り替わったら、電磁クラッチEC3をOFFとする(時刻t6)。
【0230】
その後、制御部2は、電磁クラッチEC1をONとする(時刻t7)。これにより、切替カム190および離間カム150Y,150M,150CにメインモータM1から駆動力が伝達されて、切替カム190が第1位相から第2位相に向けて回転し、また、離間カム150Y,150M,150Cが第1回転方向R1に回転する。
【0231】
その後、まず、切替カム190が第2位相に回転することで、移動ギヤ424が第1切断位置から第1伝達位置に移動する。これにより、現像ローラ61Y,61M,61CにプロセスモータM2から駆動力が伝達されて、現像ローラ61Y,61M,61Cが回転する(時刻t8)。
【0232】
次に、第1回転方向R1に回転する離間カム150Yにより現像ローラ61Yが離間位置から接触位置に移動する(時刻t9~t10)。次に、第1回転方向R1に回転する離間カム150Mにより現像ローラ61Mが離間位置から接触位置に移動する(時刻t11~t12)。次に、第1回転方向R1に回転する離間カム150Cにより現像ローラ61Cが離間位置から接触位置に移動する(時刻t13~t14)。
【0233】
制御部2は、センサ4Cが、現像ローラ61Y,61M,61Cが接触位置に位置したことを検知した時点から所定時間が経過したら、電磁クラッチEC1をOFFとする(時刻t15)。
【0234】
また、制御部2は、現像ローラ61Cが離間位置から接触位置に移動した後に現像ローラ61Kが離間位置から接触位置に移動するタイミングで、電磁クラッチEC2をONとする(時刻t16)。これにより、離間カム150KにメインモータM1から駆動力が伝達されて、離間カム150Kが第1回転方向R1に回転する。
【0235】
その後、まず、第1回転方向R1に回転する離間カム150Kの突起154が切替レバー160に接触することで、切替レバー160が第2切断位置から第2伝達位置に揺動する。これにより、遊星歯車機構180を介して現像ローラ61KにプロセスモータM2から駆動力が伝達されて、現像ローラ61Kが回転する(時刻t17)。
【0236】
次に、現像ローラ61Cが離間位置から接触位置に移動した時刻t14よりも後のタイミングで、第1回転方向R1に回転する離間カム150Kにより現像ローラ61Kが離間位置から接触位置に移動する(時刻t18~t19)。
【0237】
制御部2は、センサ4Kが、現像ローラ61Kが接触位置に位置したことを検知した時点から所定時間が経過したら、電磁クラッチEC2をOFFとする(時刻t20)。
【0238】
以上のように、制御部2は、メインモータM1が正回転する場合に、離間機構5を制御して、離間位置に位置する現像ローラ61Y、現像ローラ61M、現像ローラ61Cおよび現像ローラ61Kを、現像ローラ61Y、現像ローラ61M、現像ローラ61C、現像ローラ61Kの順に、離間位置から接触位置に移動させる(時刻t9~t19)。
【0239】
具体的には、メインモータM1が正回転する場合に、離間機構5は、現像ローラ61Yを離間位置から接触位置に移動させた後、現像ローラ61Mを離間位置から接触位置に移動させる。また、離間機構5は、現像ローラ61Mを離間位置から接触位置に移動させた後、現像ローラ61Cを離間位置から接触位置に移動させる。また、制御部2は、メインモータM1が正回転する場合に、電磁クラッチEC2により離間機構5を制御して、現像ローラ61Cを離間位置から接触位置に移動させた後、現像ローラ61Kを離間位置から接触位置に移動させる。
【0240】
現像ローラ61Y,61M,61C,61Kを接触位置に位置させた後、制御部2は、印刷を実行する。シートSが排出トレイ13に排出されて印刷が終了した場合、制御部2は、メインモータM1を一旦、停止させる(時刻t21)。その後、制御部2は、メインモータM1を逆回転で駆動させる(時刻t22)。
【0241】
これにより、移動ギヤ131が伝達位置から切断位置に移動し、加熱ローラ81AにメインモータM1から駆動力が伝達されなくなり、加熱ローラ81Aおよび加圧部82(加圧ローラ)が停止する。また、第1排出ローラ83および第2排出ローラ91にメインモータM1から駆動力が伝達されなくなり、第1排出ローラ83および第2排出ローラ91が停止する。
【0242】
メインモータM1を逆回転で駆動させた後、制御部2は、電磁クラッチEC2をONとする(時刻t23)。これにより、離間カム150KにメインモータM1から駆動力が伝達されて、離間カム150Kが第2回転方向R2に回転する。
【0243】
その後、まず、第2回転方向R2に回転する離間カム150Kにより現像ローラ61Kが接触位置から離間位置に移動する(時刻t24~t25)。
【0244】
次に、離間カム150Kの突起154が切替レバー160から離れて、切替レバー160が第2伝達位置から第2切断位置に揺動する。これにより、現像ローラ61KにプロセスモータM2から駆動力が伝達されなくなり、現像ローラ61Kが停止する(時刻t26)。
【0245】
制御部2は、センサ4Kが、現像ローラ61Kが離間位置に位置したことを検知した時点から所定時間が経過したら、電磁クラッチEC2をOFFとする(時刻t27)。
【0246】
また、制御部2は、現像ローラ61Kが接触位置から離間位置に移動した後に現像ローラ61Cが接触位置から離間位置に移動するタイミングで、電磁クラッチEC1をONとする(時刻t28)。これにより、切替カム190および離間カム150Y,150M,150CにメインモータM1から駆動力が伝達されて、切替カム190が第2位相から第1位相に向けて回転し、また、離間カム150Y,150M,150Cが第2回転方向R2に回転する。
【0247】
その後、現像ローラ61Kが接触位置から離間位置に移動した時刻t25よりも後のタイミングで、第2回転方向R2に回転する離間カム150Cにより現像ローラ61Cが接触位置から離間位置に移動する(時刻t29~t30)。次に、第2回転方向R2に回転する離間カム150Mにより現像ローラ61Mが接触位置から離間位置に移動する(時刻t31~t32)。最後に、第2回転方向R2に回転する離間カム150Yにより現像ローラ61Yが接触位置から離間位置に移動する(時刻t33~t34)。
【0248】
次に、切替カム190が第1位相に回転することで、移動ギヤ424が第1伝達位置から第1切断位置に移動する。これにより、現像ローラ61Y,61M,61CにプロセスモータM2から駆動力が伝達されなくなり、現像ローラ61Y,61M,61Cが停止する(時刻t35)。
【0249】
制御部2は、センサ4Cが、現像ローラ61Y,61M,61Cが離間位置に位置したことを検知した時点から所定時間が経過したら、電磁クラッチEC1をOFFとする(時刻t36)。
【0250】
以上のように、制御部2は、メインモータM1が逆回転する場合に、離間機構5を制御して、接触位置に位置する現像ローラ61Y、現像ローラ61M、現像ローラ61Cおよび現像ローラ61Kを、現像ローラ61K、現像ローラ61C、現像ローラ61M、現像ローラ61Yの順に、接触位置から離間位置に移動させる(時刻t24~t34)。
【0251】
具体的には、制御部2は、メインモータM1が逆回転する場合に、電磁クラッチEC1により離間機構5を制御して、現像ローラ61Kを接触位置から離間位置に移動させた後、現像ローラ61Cを接触位置から離間位置に移動させる。また、離間機構5は、現像ローラ61Cを接触位置から離間位置に移動させた後、現像ローラ61Mを接触位置から離間位置に移動させる。また、離間機構5は、現像ローラ61Mを接触位置から離間位置に移動させた後、現像ローラ61Yを接触位置から離間位置に移動させる。
【0252】
現像ローラ61Y,61M,61C,61Kを離間位置に位置させた後、制御部2は、プロセスモータM2を停止させる(時刻t37)。これにより、感光ドラム50にプロセスモータM2から駆動力が伝達されなくなり、感光ドラム50が停止する。
【0253】
その後、制御部2は、電磁クラッチEC3をONとする(時刻t38)。これにより、ニップ圧調整機構200のニップ圧調整カム230にメインモータM1から駆動力が伝達されてのニップ圧調整カム230が第4回転方向R4に回転し、第2カム位相から第1カム位相になる。これにより、加熱部81と加圧部82のニップ圧が、大ニップ圧から小ニップ圧に切り替わる(時刻t39~t40)。
【0254】
制御部2は、加熱部81と加圧部82のニップ圧が小ニップ圧に切り替わったら、電磁クラッチEC3をOFFとする(時刻t41)。その後、制御部2は、メインモータM1を停止させる(時刻t42)。
【0255】
本実施形態において、制御部2は、電磁クラッチEC2により離間機構5を制御して、現像ローラ61Cが接触位置に位置する状態(時刻t14~t29)で、離間位置に位置する現像ローラ61Kを離間位置から接触位置に移動させ(時刻t18~t19)、現像ローラ61Kを接触位置に移動させた後、現像ローラ61Kを接触位置から離間位置に移動させる(時刻t24~t25)。
【0256】
また、離間機構5は、現像ローラ61Mが接触位置に位置する状態(時刻t12~t31)で、離間位置に位置する現像ローラ61Cを離間位置から接触位置に移動させ(時刻t13~t14)、現像ローラ61Cを接触位置に移動させた後、現像ローラ61Cを接触位置から離間位置に移動させる(時刻t29~t30)。
【0257】
また、離間機構5は、現像ローラ61Yが接触位置に位置する状態(時刻t10~t33)で、離間位置に位置する現像ローラ61Mを離間位置から接触位置に移動させ(時刻t11~t12)、現像ローラ61Mを接触位置に移動させた後、現像ローラ61Mを接触位置から離間位置に移動させる(時刻t31~t32)。
【0258】
モノクロ印刷モードで印刷を実行する場合、制御部2は、電磁クラッチEC2をOFFとしまま、メインモータM1、プロセスモータM2、電磁クラッチEC1および電磁クラッチEC3をカラー印刷モードで印刷を実行する場合と同様に制御する。
【0259】
次に、本実施形態の画像形成装置1が有する効果について説明する。
現像離間ギヤ列GT1、定着駆動ギヤ列GT2およびニップ圧調整ギヤ列GT3を備えることで、現像ローラ61の接触と離間、定着器80の駆動、定着器80のニップ圧の切り替えを1つのメインモータM1で行うことができる。その結果、画像形成装置1のモータの数を少なくできる。
【0260】
メインモータM1からの定着器80への駆動力の伝達と切断を切り替える手段として移動ギヤ131を用いることで、例えば、電磁クラッチを用いる場合と比較して、コストを低減できる。
【0261】
メインモータM1が正回転する場合に移動ギヤ131が伝達位置に位置することで、定着器80でシートSを搬送できる。また、メインモータM1が逆回転する場合に移動ギヤ131が切断位置に位置することで、メインモータM1からの駆動力を定着器80に伝達しないようにできる。
【0262】
クラッチ接続ギヤ135が現像離間ギヤ列GT1のギヤ104と同軸で回転することで、現像離間ギヤ列GT1およびニップ圧調整ギヤ列GT3を含むギヤ列を、全体としてコンパクト化できる。
【0263】
離間カム150を、回転方向を、第1回転方向R1と第2回転方向R2とに切り替えて用いることで、離間カム150の形状の自由度を向上できる。また、離間カム150を小型化できるので、画像形成装置1を小型化できる。
【0264】
補足すると、離間カムを一方向のみに回転させて、カムフォロワ170を非押圧位置と押圧位置との間でスライド移動させる場合、カムフォロワ170を、非押圧位置から押圧位置に案内する第1の案内面と、押圧位置から非押圧位置に案内する第2の案内面とが必要となる。そのため、カム部の形状がある程度決まってしまい、離間カムの形状の自由度が高くない。また、2つの案内面が必要となることで、カム部が大きくなり、離間カムも大きくなる。本実施形態では、そのような制約がないため、離間カム150の形状の自由度を向上でき、また、離間カム150を小型化できる。
【0265】
メインモータM1のモータギヤMG1が、現像離間ギヤ列GT1のギヤ101、および、シート供給ギヤ列GT4のギヤ141の両方と噛み合うことで、メインモータM1の駆動力を現像離間ギヤ列GT1とシート供給ギヤ列GT4の両方に直接伝達できる。
【0266】
第1排出ローラ83および第2排出ローラ91がメインモータM1の駆動力を定着駆動ギヤ列GT2から受けることで、第1排出ローラ83および第2排出ローラ91をメインモータM1で駆動できる。その結果、画像形成装置1のモータの数を少なくできる。
【0267】
現像ローラ61Cが接触位置に位置する状態で、離間位置に位置する現像ローラ61Kを接触位置に移動させ、現像ローラ61Kを接触位置に移動させた後、現像ローラ61Kを離間位置に移動させることで、現像ローラ61Kが接触位置に位置するときに、現像ローラ61Cが接触位置から離間位置に移動しない。
【0268】
画像形成装置1では、現像ローラ61Cが接触位置から離間位置に移動する場合に、カムフォロワ170Cが現像カートリッジ60Cを押圧することで、現像カートリッジ60Cが回転軸線方向に押されるため、ドロワ55が若干動いたり、撓んだりする可能性がある。これにより、ドロワ55の位置がずれて、感光ドラム50KとシートSとの相対位置がずれる可能性がある。本実施形態では、現像ローラ61Kが接触位置に位置するときに、現像ローラ61Cが接触位置から離間位置に移動しないことで、感光ドラム50Kからトナー像をシートSに転写しているときには感光ドラム50KとシートSとの相対位置がずれないので、画質は低下しない。
【0269】
メインモータM1が正回転する場合と逆回転する場合とで、離間機構5の離間カム150の回転方向を切り替えて用いることができるので、離間カム150の形状の自由度を向上できる。また、離間カム150を小型化できる。これにより、画像形成装置1を小型化できる。
【0270】
カラー印刷モードを実行する場合に、現像ローラ61Cを接触させた後、現像ローラ61Kを接触させ、また、現像ローラ61Kを離間させた後、現像ローラ61Cを離間させることで、カラー印刷モードとモノクロ印刷モードの両方で用いられる、使用頻度の高い現像ローラ61Kが感光ドラム50Kに接触する時間を短くできる。これにより、現像ローラ61Kで使用されるブラックのトナー、現像ローラ61Kが長持ちする。
【0271】
電磁クラッチEC1で離間カム150Y,150M,150Cの駆動を制御し、電磁クラッチEC2で離間カム150Kの駆動を制御することで、各現像ローラ61(61Y,61M,61C,61K)の接触と離間を厳格に制御できる。
【0272】
1つの電磁クラッチEC1で離間カム150Y,150M,150Cの駆動を制御することで、例えば、離間カム150Y,150M,150Cごとに電磁クラッチを備える場合と比較して、コストを低減できる。
【0273】
メインモータM1を逆回転させる場合に電磁クラッチEC3を遮断状態とすることで、メインモータM1からの駆動力をニップ圧調整カム230に伝達しないようにできる。
【0274】
移動ギヤ424を移動させる部材である切替カム190が、メインモータM1が正回転する場合に移動ギヤ424を第1伝達位置に移動させ、メインモータM1が逆回転する場合に移動ギヤ424を第1切断位置に移動させることで、切替カム190の形状の自由度を向上できる。また、切替カム190を小型化できる。
【0275】
補足すると、切替カムを一方向のみに回転させて、移動ギヤ424を第1伝達位置と第1切断位置との間で移動させる構成では、切替カム(カム部)の全周を用いて、移動ギヤ424を、第1切断位置から第1伝達位置に移動させ、第1伝達位置に保持し、第1伝達位置から第1切断位置に移動させ、第1切断位置に保持することとなる。そのため、カム部の形状がある程度決まってしまい、切替カムの形状の自由度が高くない。また、カム部が大きくなり、切替カムも大きくなる。本実施形態では、そのような制約がないため、切替カム190の形状の自由度を向上でき、また、切替カム190を小型化できる。
【0276】
また、本実施形態では、電磁クラッチEC1を制御するだけで、離間カム150Y,150M,150Cによる現像ローラ61Y,61M,61Cの接触と離間のタイミングと、切替カム190による現像ローラ61Y,61M,61Cの駆動と停止のタイミングとを同期できる。これにより、離間カム150Y,150M,150Cを制御する電磁クラッチと、切替カム190を制御する電磁クラッチとを別に設けて、現像ローラ61Y,61M,61Cの接触と離間のタイミングと、駆動と停止のタイミングとを同期する場合と比較して、電磁クラッチの数を少なくできる。これにより、コストを削減できる。また、現像ローラ61Y,61M,61Cの接触と離間のタイミングと、駆動と停止のタイミングとを同期させる制御を簡単にできる。
【0277】
また、現像ローラ61Y,61M,61Cへの駆動力の伝達と切断の切り替えに移動ギヤ242を用いるので、例えば、電磁クラッチを用いる場合と比較して、コストを低減できる。
【0278】
切替カム190がメインモータM1の駆動力をカムギヤ115Mから受けることで、例えば、メインモータM1の駆動力を切替カム190に伝達するギヤ列を、現像離間ギヤ列GT1とは別に備える場合と比較して、ギヤ列をコンパクト化できる。
【0279】
また、カムギヤ115Y,115M,115Cの駆動と停止を制御することで、切替カム190の駆動と停止を制御できる。これにより、カムギヤ115Y,115M,115Cと切替カム190の制御を簡単にできる。
【0280】
カムギヤ115がアイドルギヤ118の回転軸線方向における板金15の一方側に配置され、切替カム190がアイドルギヤ118の回転軸線方向における板金15の他方側に配置されていることで、切替カム190の形状、配置の自由度をより向上できる。また、現像離間ギヤ列GT1および切替ギヤ列GT8を含むギヤ列を、全体としてコンパクト化できる。
【0281】
現像ローラ61Y,61M,61Cが接触位置に位置する前のタイミングで移動ギヤ424を第1伝達位置に位置させることで、現像ローラ61Y,61M,61Cが感光ドラム50Y,50M,50Cに接触する前に現像ローラ61Y,61M,61Cを回転させることができる。また、現像ローラ61Y,61M,61Cが離間位置に位置した後のタイミングで移動ギヤ424を第1切断位置に位置させることで、現像ローラ61Y,61M,61Cが感光ドラム50Y,50M,50Cから離間した後に現像ローラ61Y,61M,61Cを停止させることができる。
【0282】
現像ローラ61Kが接触位置に位置する前のタイミングで切替レバー160を第2伝達位置に位置させることで、現像ローラ61Kが感光ドラム50Kに接触する前に現像ローラ61Kを回転させることができる。また、現像ローラ61Kが離間位置に位置した後のタイミングで切替レバー160を第2切断位置に位置させることで、現像ローラ61Kが感光ドラム50Kから離間した後に現像ローラ61Kを停止させることができる。
【0283】
第2現像駆動ギヤ列GT7の第1ギヤ436がカップリングギヤ426Kと同軸で回転することで、第1ギヤ436およびカップリングギヤ426Kの回転軸線方向から見て、第2現像駆動ギヤ列GT7をコンパクト化できる。
【0284】
カムギヤ115Yと噛み合うアイドルギヤ118に回転抵抗を与える回転抵抗部材300を備えることで、カムギヤ115Yの空回りを抑制できる。これにより、カムギヤ115Yの空回りによるカムフォロワ170Yの急激なスライド移動を抑制できる。
【0285】
回転抵抗部材300がアイドルギヤ118をアイドルギヤ118の回転軸線方向に押圧することで、アイドルギヤ118の回転軸線方向から見て、回転抵抗部材300をアイドルギヤ118に対してコンパクトに配置できる。
【0286】
回転抵抗部材300が板ばねであることで、回転抵抗部材300をアイドルギヤ118に対してよりコンパクトに配置できる。また、回転抵抗部材300が板ばねであることで、例えば、回転抵抗部材がコイルばねである場合と比較して、回転抵抗部材300をアイドルギヤ118の回転軸線方向においてもコンパクトに配置できる。
【0287】
回転抵抗部材300の押圧力によりアイドルギヤ118が環状の第1リブ118Dで板金15に接触することで、アイドルギヤ118の回転を規制しすぎることなく、アイドルギヤ118に必要な回転抵抗を与えることができる。
【0288】
第1リブ118Dがアイドルギヤ118の回転軸線方向に直交する方向の端部に位置することで、第1リブ118Dと板金15との接触面積を大きくできる。これにより、第1リブ118Dと板金15との接触によってアイドルギヤ118に必要な回転抵抗を確実に与えることができる。
【0289】
カムギヤ115Yがアイドルギヤ118の回転軸線方向における板金15の一方側に配置され、回転抵抗部材300がアイドルギヤ118の回転軸線方向における板金15の他方側に配置されていることで、回転抵抗部材300の形状、配置の自由度を向上できる。
【0290】
第1ギヤ部118Bのピッチ円の直径よりも径が大きい第2リブ118Eを回転抵抗部材300により押圧することで、小さな荷重でアイドルギヤ118に必要な回転抵抗を与えることができる。また、第1ギヤ部118Bの径を小さくできるので、現像離間ギヤ列GT1がコンパクト化し、感光ドラム50のような部材を、間隔を詰めてコンパクトに配置できる。これにより、画像形成装置1を小型化できる。
【0291】
回転抵抗が与えられたアイドルギヤ118がカムギヤ115Yとカムギヤ115Mの両方と噛み合うことで、カムギヤ115Yとカムギヤ115Mの空回りを抑制できる。これにより、カムギヤ115Y、カムギヤ115Mの空回りによる、カムフォロワ170Y、カムフォロワ170Mの急激なスライド移動を抑制できる。
【0292】
また、カムギヤ115Cが1つのギヤ116を介してカムギヤ115Mと噛み合うことで、カムギヤ115Cの空回りを抑制できる。これにより、カムギヤ115Cの空回りによるカムフォロワ170Cの急激なスライド移動を抑制できる。
【0293】
ストッパ530を備えることで、カムフォロワ170の回転を抑制できる。これにより、カムフォロワ170の回転によるカムフォロワ170の急激なスライド移動を抑制できる。
【0294】
カムフォロワ170がばね430により非押圧位置に向けて付勢されている構成で、回転抵抗部材300によりカムギヤ115Y,115M,115Cの空回りを抑制できることで、カムギヤ115Y,115M,115Cの空回りによるカムフォロワ170Y,170M,170Cの急激なスライド移動を効果的に抑制できる。
【0295】
以上、画像形成装置の一実施形態について説明したが、画像形成装置は以下に例示するように適宜変形して実施できる。
【0296】
前記実施形態では、定着駆動ギヤ列GT2は、メインモータM1の駆動力を加熱ローラ81A(加熱部81)に伝達する構成であったが、例えば、定着駆動ギヤ列は、メインモータの駆動力を加圧部に伝達する構成であってもよい。また、定着駆動ギヤ列は、メインモータの駆動力を加熱部と加圧部の両方に伝達する構成であってもよい。
【0297】
前記実施形態では、加熱部81が加熱ローラ81Aを含む構成であったが、例えば、加熱部は、無端状のベルトを含む構成であってもよい。また、前記実施形態では、加圧部82が加圧ローラであったが、例えば、加圧部は、無端状のベルトと、加熱部との間でベルトを挟むパッドとを備える構成であってもよい。
【0298】
前記実施形態では、離間カム150が、メインモータM1が正回転する場合に現像ローラ61を離間位置から接触位置に移動させ、メインモータM1が逆回転する場合に現像ローラ61を接触位置から離間位置に移動させる構成であった。しかし、例えば、離間カムは、一方向のみに回転するメインモータが回転した場合に、現像ローラを離間位置から接触位置に移動させ、また、現像ローラを接触位置から離間位置に移動させる構成であってもよい。
【0299】
前記実施形態では、移動ギヤ131によって定着器80への駆動力の伝達と切断を切り替えたが、例えば、電磁クラッチによって定着器への駆動力の伝達と切断を切り替えてもよい。
【0300】
前記実施形態では、ニップ圧調整カム230は、加熱部81と加圧部82のニップ圧を、小ニップ圧と大ニップ圧の2段階で切り替える構成であったが、例えば、ニップ圧調整カムは、ニップ圧を3段階以上、切り替え可能な構成であってもよい。言い換えると、第2ニップ圧は、複数のニップ圧を含んでいてもよい。また、第1ニップ圧のとき、加熱部と加圧部は、離間していてもよい。
【0301】
前記実施形態では、ニップ圧調整カム230は、加圧部82を移動させてニップ圧を切り替える構成であったが、例えば、ニップ圧調整カムは、加圧部ではなく、加熱部を移動させてニップ圧を切り替える構成であってもよい。また、ニップ圧調整カムは、加熱部と加圧部の両方を移動させてニップ圧を切り替える構成であってもよい。
【0302】
前記実施形態では、離間カム150Y,150M,150Cを一体に制御したが、例えば、離間カム150Y,150M,150Cを個別に制御可能であってもよい。
【0303】
前記実施形態では、切替レバー160と遊星歯車機構180とによって現像ローラ61Kへの駆動力の伝達と切断を切り替えたが、例えば、現像ローラ61Y,61M,61Cと同様に、切替カムによって現像ローラ61Kへの駆動力の伝達と切断を切り替えてもよい。
【0304】
前記実施形態では、アイドルギヤ118の回転軸線方向において、カムギヤ115が板金15の一方側に配置され、切替カム190が板金15の他方側に配置されていたが、例えば、カムギヤと切替カムは、板金の同じ側に配置されていてもよい。
【0305】
前記実施形態では、切替カム190が駆動力を現像離間ギヤ列GT1から受ける構成であったが、例えば、駆動力を切替カムに伝達するギヤ列を、現像離間ギヤ列とは別に備える構成であってもよい。
【0306】
前記実施形態では、ストッパ530が壁状であったが、例えば、ストッパは、棒状であってもよい。また、前記実施形態では、ストッパ530が、カバー壁510と一体に形成されていたが、例えば、ストッパは、カバー壁に固定された部材であってもよい。
【0307】
また、例えば、離間カムが一方向にのみ回転する構成である場合には、一対のストッパでアームを挟む構成ではなく、1つのストッパをアームの片側に接触させてカムフォロワの回転を規制してもよい。また、例えば、ストッパを備えず、カムのボスと、カムフォロワのスライド軸とが係合する部分の断面形状を、三角形状、四角形状、D字形状、長円形状などとしてカムフォロワの回転を規制してもよい。
【0308】
前記実施形態では、第1リブ118Dがアイドルギヤ118の回転軸線方向に直交する方向の端部に位置していたが、例えば、第1リブは、アイドルギヤの回転軸線方向に直交する方向の端部よりも内側に位置していてもよい。
【0309】
前記実施形態では、回転抵抗部材300が板ばねであったが、例えば、回転抵抗部材は、コイルばねなど、板ばね以外のばねであってもよい。また、例えば、回転抵抗部材は、スポンジなど、ばね以外の弾性体であってもよい。また、回転抵抗部材がアイドルギヤをアイドルギヤの回転軸線方向に押圧する方向は、前記実施形態と逆であってもよい。また、回転抵抗部材は、アイドルギヤをアイドルギヤの回転軸線方向に直交する方向に押圧する構成であってもよい。
【0310】
前記実施形態では、感光ドラム50がドロワ55に回転可能に支持されていたが、例えば、感光ドラムは、ドロワに着脱可能であってもよい。具体的には、感光ドラムを有するドラムカートリッジを備え、ドラムカートリッジがドロワに着脱可能であってもよい。また、感光ドラムと現像ローラを有し、ドラムカートリッジと前記実施形態の現像カートリッジ60とが一体となったようなカートリッジを備え、このカートリッジがドロワに着脱可能であってもよい。
【0311】
前記実施形態では、画像形成装置1がカラー画像を形成可能なカラープリンタであったが、例えば、画像形成装置は、モノクロ画像のみを形成可能なモノクロプリンタであってもよい。また、例えば、画像形成装置は、複写機であってもよいし、複合機であってもよい。
【0312】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素は、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0313】
1 画像形成装置
50Y 感光ドラム
61Y 現像ローラ
80 定着器
81 加熱部
82 加圧部
150Y 離間カム
230 ニップ圧調整カム
GT1 現像離間ギヤ列
GT2 定着駆動ギヤ列
GT3 ニップ圧調整ギヤ列
M1 メインモータ
S シート
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