(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106712
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
E06B 3/76 20060101AFI20240801BHJP
E06B 3/36 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
E06B3/76
E06B3/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011119
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】林田 亮太
【テーマコード(参考)】
2E014
2E016
【Fターム(参考)】
2E014AA02
2E014DA04
2E014DB01
2E016HA04
2E016HA09
2E016HA10
2E016JA11
2E016JC01
2E016KA05
2E016KA06
2E016LA01
2E016LB01
2E016LC02
2E016MA01
2E016MA11
2E016PA00
2E016RA01
2E016RA02
2E016RA03
2E016RA05
(57)【要約】
【課題】意匠性の向上が図られた建具を提供すること。
【解決手段】建物の開口部に配置される枠体2と、枠体2の内側に配置される戸体本体3と、戸体本体3を開閉可能に枠体2に連結する開閉支持金具25と、を備える建具1であって、開閉支持金具25は、戸体本体3の室外側表面材31により覆われている建具1である。室外側表面材31は、戸体本体3の端部から延在して折り返された延在部31aを有する。折り返された延在部31aの内部には、補強材302が設けられている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部に配置される枠体と、
前記枠体の内側に配置される戸体本体と、
前記戸体本体を開閉可能に前記枠体に連結する開閉支持金具と、を備える建具であって、
前記開閉支持金具は、前記戸体本体の室外側表面材により覆われている建具。
【請求項2】
前記室外側表面材は、前記戸体本体の端部から延在して折り返された延在部を有する請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記折り返された延在部の内部には、補強材が設けられている請求項2に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建具に関する。
【背景技術】
【0002】
戸体としてのドアが丁番により開閉可能に支持された建具の構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の建具においては、丁番が室外側に露出していた。このため、丁番が視覚的なノイズとなり、意匠性の向上が求められていた。本開示は、意匠性の向上が図られた建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、建物の開口部に配置される枠体と、前記枠体の内側に配置される戸体本体と、前記戸体本体を開閉可能に前記枠体に連結する開閉支持金具と、を備える建具であって、前記開閉支持金具は、前記戸体本体の室外側表面材により覆われている建具に関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第一実施形態の建具を室外側から見た図である。
【
図2】第一実施形態の建具を室内側から見た図である。
【
図3】第一実施形態の建具のドア本体を示す横断面図である。
【
図4】第一実施形態の建具の子扉を示す横断面図である。
【
図5】第一実施形態の建具のドア本体の丁番の部分を示す拡大横断面図である。
【
図6】第一実施形態の建具のドア本体の指挟み防止部材の部分を示す拡大横断面図である。
【
図7】第一実施形態の建具のドア本体の室外側ハンドルの長さと室内側ハンドルの長さとの違いを説明する図である。
【
図8】第一実施形態の建具のドアの第1変形例を示す側面図である。
【
図9】第一実施形態の建具のドアの第2変形例を室外側から見た拡大図である。
【
図10】第一実施形態の建具のドアの第2変形例を示す拡大断面図である。
【
図11】第一実施形態の建具のドアの第3変形例を室外側から見た拡大図である。
【
図12】第一実施形態の建具のドアの第3変形例を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の一実施形態について図面を用いて詳細に説明する。以下の説明においては、ドア本体3及び子扉4の幅方向を「幅方向」とし、ドア本体3、子扉4の戸先側をそれぞれ「戸先側」とし、ドア本体3、子扉4の戸先側と反対側である吊元側を「吊元側」とし、ドア本体3、子扉4が閉じた状態でのドア本体3の厚さ方向を「奥行方向(見込方向)」とし、ドア本体3の長手方向を「上下方向」として説明する。建具1の横方向を左右方向とする。
図3、
図4において、室外側を「Y1」と記載し、室内側を「Y2」と記載する。
【0008】
建具1は建物の開口部に収められて設けられている。
図1及び
図2に示すように、建具1は、建物に固定される枠体2と、枠体2内に開閉可能に配置されるドア本体3(扉本体、戸体本体)と、枠体2の戸先側に配置される子扉4(戸体本体)と、を備える。建具1は、建物の玄関用として設けられる。建具1は、手動錠装置5及び電気錠装置6により、施解錠を行うことが可能である。
【0009】
枠体2は、
図1及び
図2に示すように、建物の開口部の四周に沿って設けられる。枠体2は、横枠としての上枠21及び下枠22と、ドア本体3の吊元側の縦枠23と、ドア本体3の戸先側の縦枠24と、により矩形に枠組みされる。枠体2内には、ドア本体3及び子扉4が、幅方向に隣接して配置されている。子扉4は、ドア本体3の幅方向の戸先側に配置されている。
【0010】
ドア本体3は、閉じた状態から室外側Y1に向けて回転する、いわゆる外開きで取り付けられる。ドア本体3は、
図3等に示すように、吊元側の縦枠23に設けられる開閉支持金具としての丁番25の回転軸251を中心に回転して開閉可能な開きドアである。
【0011】
丁番25は、
図3、
図5に示すように、ドア本体3の吊元側においてドア本体3を回転可能に支持する。丁番25は、一端側が、ドア本体3の左右方向の吊元側の端面301に取り付けられ、他端側が、吊元側の縦枠23のドア本体3側の面231に取り付けられている。ドア本体3の左右方向の吊元側の端面301は、ドア本体3の左右方向の吊元側の端部において、左右方向の外側を向いて形成される見込面である。ドア本体3の吊元側の端面301を構成する見込面は、奥行方向(見込方向)に延びる。
【0012】
ドア本体3は、
図1及び
図2に示すように、上下方向に長い略長方形の板状に形成されている。ドア本体3の室外側Y1の表面には、室外側ハンドル26が設けられている。ドア本体3の室内側Y2の表面には、室内側ハンドル27が設けられている。利用者は、室外側ハンドル26又は室内側ハンドル27を把持して、ドア本体3を押したり引いたりしてドア本体3を開閉することが可能である。室外側ハンドル26は、図示しない他の室外側ハンドルに交換可能であり、また、室内側ハンドル27は、図示しない他の室内側ハンドルに交換可能である。このため、建具1の施工後に、異なる室外側ハンドル、室内側ハンドルに交換することで、室外側ハンドル、室内側ハンドルに傷が付いた場合の対応や、室外側ハンドル、室内側ハンドルを含めた、ドア本体3のデザインの刷新が可能となる。
【0013】
室外側ハンドル26(第1ハンドル)は、
図1、
図3に示すように、ドア本体3における室外側Y1の面側に取り付けられている。室内側ハンドル27は、
図2、
図3に示すように、ドア本体3の室内側Y2の戸先側の端部寄りにおいて、上下方向に延びて形成される。本実施形態においては、室外側ハンドル26は、ドア本体3の戸先側の端部の近傍の、室外側Y1に取り付けられる室外側モール材33に配置される。
【0014】
室外側ハンドル26は、
図3に示すように、横方向に切断した断面形状が断面視T字状に形成される。室外側ハンドル26は、
図3に示すように、板状の突出板261と、板状の幅広板状取手262と、を有する。突出板261は、板状に形成され、ドア本体3の室外側Y1の面から突出すると共に、上下方向に延びる。突出板261のドア本体3側の端部は、
図3に示すように、上下方向に離れて配置される複数の接続部263において、ドア本体3の戸先側に設けられるドア本体戸先側補強枠321に固定される。
【0015】
接続部263は、
図3に示すように、U字金具263aを有する。U字金具263aは、U字の閉じた部分がドア本体3側に向いた状態で、突出板261の内部に配置される。U字金具263aのU字の開放した側に形成される一対の端部と室外側ハンドル26とは、図示しないハンドル側ネジによって固定される。U字金具263aのU字の閉じた部分とドア本体3の室外側Y1の面とは、図示しないドア側ネジによって固定される。
【0016】
幅広板状取手262は、突出板261におけるドア本体3とは反対側の端部に接続される。幅広板状取手262は、長手方向に直交する方向に切断した断面形状が、
図3に示すように、横長の略四角形状に形成される。幅広板状取手262は、ドア本体3の開閉操作の際に、利用者が手を掛けることが可能である。室外側ハンドル26の幅広板状取手262は、室外側Y1から見た場合に、例えば、ドア本体3の上下方向の長さの全域に亘った長さで、上下方向に延びる直線状に形成されている。
【0017】
幅広板状取手262は、
図3に示すように、ドア本体3の戸先側に配置される室外側モール材33の室外側Y1において、左右方向Xの位置が室外側モール材33と同じ位置に設けられている。
【0018】
幅広板状取手262の前面262aは、
図3に示すように、左右方向X及び上下方向に延びる平面状に形成される。幅広板状取手262の前面262a側の左右方向Xの両端部に形成される一対の前面側の角部は、面取りされている。
【0019】
幅広板状取手262の背面262bは、左右方向X及び上下方向に延びる平面状に形成される。幅広板状取手262の背面262b側の左右方向X(幅方向)の両端部側には、一対の背面側角部262cが形成される。一対の背面側角部262cは、ドア本体3側に緩やかに突出するR(アール)の曲面形状に形成される。幅広板状取手262の断面形状は全体として略四角形状に形成されているが、握り易さを考慮して、背面262bの左右方向Xの両端部側を緩やかなR(アール)の曲面形状に形成している。
【0020】
なお、背面262bの左右方向Xの両端部側において、緩やかなR(アール)の曲面形状に形成される部分を、幅広板状取手262の長手方向の全域に設けなくてもよく、室外側ハンドル26の幅広板状取手262の長手方向における人が握る範囲のみに設けてもよい。
【0021】
室内側ハンドル27(第2ハンドル)は、
図1~
図3に示すように、ドア本体3における室内側Y2の面側に取り付けられている。室内側ハンドル27は、ドア本体3の戸先側の端部寄りにおいて、上下方向に延びて形成される。本実施形態においては、室内側ハンドル27は、ドア本体3の戸先側の端部の近傍の、室内側Y2に取り付けられる室内側モール材34に配置される。
【0022】
ドア本体3の見付面における、室外側ハンドル26の取付位置と、室内側ハンドル27の取付位置とは異なる。本実施形態においては、後述のように子扉4には、
図1に示すように、手動錠装置5や電気錠装置6等の機構部品が配置されておりドア本体3には配置されていないため、ドア本体3においては、機構部品による制約を受けることなく、室外側ハンドル26及び室内側ハンドル27の取付位置を決定できるためである。これにより、ドア本体3に設けられる室外側ハンドル26及び室内側ハンドル27が設けられるドア本体3の、デザイン自由度の向上を図ることが可能となる。
【0023】
具体的には、室内側ハンドル27は、
図3に示すように、ドア本体3の左右方向Xにおいて、室外側ハンドル26よりも、ドア本体3の丁番25の回転軸251側に配置される。本実施形態においては、ドア本体3は、室内外方向Yの室外側Y1に向かって開くように、左右方向XのX1側の端部側に設けられる丁番25の回転軸251を中心に回転可能に支持されている。そのため、ドア本体3を開ける場合には、室内側Y2に配置される室内側ハンドル27は、丁番25の回転軸251を中心に円弧を描きながら、室内側Y2から室外側Y1に向かって移動する。
【0024】
このため、室内側ハンドル27を、ドア本体3の左右方向XのX2側の端部に配置すると、ドア本体3を開ける場合に、室内側ハンドル27が子扉4に当たってしまう可能性がある。よって、室内側ハンドル27は、
図3に示すように、ドア本体3を開ける場合に子扉4に当たらない距離だけX1側にずらした位置に配置されている。本実施形態においては、室内側ハンドル27は、ドア本体3の左右方向Xにおいて、室外側ハンドル26よりも丁番25側に配置される。これにより、ドア本体3を開ける場合に、室内側ハンドル27が子扉4に当たることを防止できる。
【0025】
室内側ハンドル27は、
図3に示すように、横方向に切断した断面形状が断面視T字状に形成される。室内側ハンドル27は、
図3に示すように、板状の突出板271と、板状の幅広板状取手272と、を有する。突出板271は、板状に形成され、ドア本体3の室内側Y2の面から突出すると共に、上下方向に延びる。突出板271のドア本体3側の端部は、
図3に示すように、上下方向に離れて配置される複数の接続部273において、ドア本体3の戸先側に設けられるドア本体戸先側補強枠322に固定される。
【0026】
接続部273は、
図3に示すように、U字金具273aを有する。U字金具273aは、U字の閉じた部分がドア本体3側に向いた状態で、突出板271の内部に配置される。U字金具273aのU字の開放した側に形成される一対の端部と室内側ハンドル27とは、図示しないハンドル側ネジによって固定される。U字金具273aのU字の閉じた部分とドア本体3の室内側Y2の面とは、図示しないドア側ネジによって固定される。
【0027】
幅広板状取手272は、突出板271におけるドア本体3とは反対側の端部に接続される。幅広板状取手272は、長手方向に直交する方向に切断した断面形状が、
図3に示すように、横長の略四角形状に形成される。
【0028】
幅広板状取手272は、ドア本体3の開閉操作の際に、利用者が手を掛けることが可能である。室内側ハンドル27の幅広板状取手272は、室内側Y2から見た場合に、例えば、
図7に示すように、ドア本体3の上下方向の長さのよりもわずかに短いほぼ全域に亘った長さで、上下方向に延びる直線状に形成されており、上下方向における室外側ハンドル26の長さと、室内側ハンドル27の長さとは異なっている。
【0029】
これにより、室外側ハンドル26の取付位置と室内側ハンドル27の取付位置とが異なることに加えて、形状の異なるハンドルとして室外側ハンドル26と室内側ハンドル27とが設けられている。このため、ドア本体3に設けられる室外側ハンドル26及び室内側ハンドル27が設けられるドア本体3のデザイン自由度の向上を、より一層図ることが可能となる。上下方向において、室外側ハンドル26の中央位置と、室内側ハンドル27の中央位置とは、一致する位置関係を有する。これにより、滑らかにドア本体3の開閉を行うことが可能となる。
【0030】
幅広板状取手272は、
図3に示すように、室内側モール材34の室内側Y2において、左右方向Xの位置が室内側モール材34と同じ位置となるように設けられている。幅広板状取手272の前面272aは、
図3に示すように、左右方向X及び上下方向に延びる平面状に形成される。幅広板状取手272の前面272a側の左右方向Xの両端部に形成される一対の前面側の角部は、面取りされている。
【0031】
幅広板状取手272の背面272bは、左右方向Xの中央側において、左右方向X及び上下方向に延びる平面状に形成される。幅広板状取手272の背面272b側の左右方向X(幅方向)の両端部側には、一対の背面側角部272cが形成される。一対の背面側角部272cは、ドア本体3側に緩やかに突出するR(アール)の曲面形状に形成される。幅広板状取手272の断面形状は全体として略四角形状に形成されているが、握り易さを考慮して、背面272bの左右方向Xの両端部側を緩やかなR(アール)の曲面形状に形成している。
【0032】
なお、背面272bの左右方向Xの両端部側において、緩やかなR(アール)の曲面形状に形成される部分を、幅広板状取手272の長手方向の全域に設けなくてもよく、室内側ハンドル27の幅広板状取手272の長手方向における人が握る範囲のみに設けてもよい。
【0033】
ドア本体3の室外側Y1の表面には、
図5及び
図6に示すように、鋼板により構成される意匠材31が設けられる。ドア本体3の室外側Y1の表面に設けられる意匠材31は、左右方向及び上下方向に延びて配置される。ドア本体3の室外側Y1の表面に設けられる意匠材31は、左右方向における吊元側の端部側において、丁番25を覆うように、ドア本体3の左右方向の外側に延在されて形成される延在部31aを有する。
【0034】
延在部31aは、延在端(先端)において折り返されている。これにより、延在部31aの先端部の縁部の処理がなされた延在部31aとすることができる。折り返された内部には、スチールやカーボンや樹脂等の材質により構成された補強材302が設けられており、延在部31aは補強材302により補強された構造とすることができる。特に、補強材302の材質として、カーボンや樹脂を採用した場合には、断熱性能向上に寄与する。丁番25が延在部31aにより覆われるため、室外側Y1からの外観視で、丁番25が見えにくい状態とされている。このため、丁番25が視覚的なノイズとなることが抑えられ、意匠性の向上を図ることが可能となる。
【0035】
ドア本体3の室外側Y1の表面に設けられる意匠材31が、ドア本体3の吊元側の端部側において延在されて、丁番25を覆う延在部31aを構成するため、この部分において意匠材31が途切れずに連続している。このため、ドア本体3の室外側Y1の表面が、同一種類の外観意匠で統一されることが可能となり、延在部31aがドア本体3と一体化された意匠とすることが可能となり、意匠性の向上を図ることが可能となる。
【0036】
丁番25が配置されている、ドア本体3の左右方向の吊元側の端面301と、吊元側の縦枠23のドア本体3側の面と、延在部31aとにより囲まれる空間235は、ドア本体3の上下方向における全体にわたって延びているが、その一部には、
図6に示すように、指挟み防止部材236が設けられている。即ち、指挟み防止部材236は、ドア本体3の下部であって、ドア本体3と縦枠23の見込面との間に配置されている。ここで、「ドア本体3の下部」とは、幼児等が指Fを挿入可能な部分を意味しており、具体的には例えば、指挟み防止部材236は、ドア本体3の下端縁周辺から上側へ約1mの位置に配置されて固定されている。指挟み防止部材236は、上下方向に長い約1mの長さのアルミ部材により構成されており、その両端には図示しないキャップが設けられて構成されている。当該キャップが、それぞれ空間235を形成するドア本体3に固定されている。
【0037】
指挟み防止部材236を構成するアルミ部材は、
図6に示すように、延在部31aの先端部から見込方向へ延びる阻止壁2361を有している。延在部31aの先端部を通過して空間235内に幼児等が指Fを挿入した場合に、挿入した指Fを、
図6において二点鎖線で示すように、延在部31aの室内側へ(
図6における右側へ)折り曲げることができないように、阻止壁2361は指Fの折り曲げを阻止することが可能である。特に、指挟み防止部材236は、ドア本体3の下端縁から上側へ1m以内の位置に配置されており、このように幼児が指Fを挿入しやすい位置において、挿入した指Fを延在部31aの室内側へ(
図6における右側へ)折り曲げることができないように阻止して、指Fが空間235から抜けなくなってしまうことを、効果的に阻止することが可能となる。
【0038】
子扉4は、
図1等に示すように、ドア本体3の戸先側に隣接して枠体2内に配置されている。子扉4は、縦枠24に対して、ドア本体3と同様に、子扉4の吊元側の縦枠24設けられる丁番25の回転軸251(
図4等参照)を中心に回転して開閉可能な開き扉である。
【0039】
子扉4の室外側Y1の表面には、
図4に示すように、鋼板により構成される意匠材41が設けられる。意匠材41は、ドア本体3の意匠材31と同一種類の外観意匠を有して統一されており、左右方向及び上下方向に延びて配置される。意匠材41は、左右方向における吊元側の端部側において、子扉4の丁番25を覆うように、子扉4の左右方向の外側に延在されて形成される、延在部31aと同様の延在部41aを有する。延在部41aが折り返されて、その内部に補強材402が設けられている構成や、空間245内に指挟み防止部材236と同様の図示しない指挟み防止部材が設けられている構成については、ドア本体3と同様であり、説明を省略する。
【0040】
子扉4の戸先側の端部には、気密材451、452が設けられている。子扉4の戸先側の端部には、当該端部を覆うように設けられた先端部材43が、当該端部に固定されている。気密材451は、当該端部において室内側Y2へ突出する先端部材43の突出部431に固定されて設けられている。気密材451は、ドア本体3が閉じられた状態のときに、ドア本体3の戸先側の室内側の端部材303(
図3参照)に当接して、ドア本体3の端部材303と、子扉4の戸先側の室内側の端部の先端部材43の突出部431との間を気密の状態とする。
【0041】
気密材452は、子扉4の戸先側の端部において先端部材43の室内側Y2へ窪んだ凹部432に固定されて設けられている。気密材452は、ドア本体3が閉じられた状態のときに、ドア本体3の戸先側の室外側のL字状端部304(
図3参照)に当接して、ドア本体3のL字状端部304と、子扉4の戸先側の室外側の端部の先端部材43の凹部432との間を気密の状態とする。
【0042】
子扉4の戸先側の端部には、気密材451、452が設けられているため、これらに当接するドア本体3の部分には、気密材が設けられていない。このため、ドア本体3を開いた際に室外側から気密材が視認されることなく、気密材が視覚的なノイズとなることを防止できる。この結果、意匠性の向上を図ることが可能となる。
【0043】
子扉4には、
図1に示すように、2つの手動錠装置5と、電気錠装置6と、が設けられている。2つの手動錠装置5は、子扉4において、上下に離間して設けられる。2つの手動錠装置5は、室外側Y1においては、利用者が手動錠装置5の図示しないシリンダー部の鍵穴に鍵を挿入して回転させることで、ドア本体3の施解錠を行うことができる。2つの手動錠装置5は、室内側Y2においては、利用者が手動錠装置5の図示しないサムターンを回転させることで、ドア本体3の施解錠を行うことができる。
【0044】
なお、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。
【0045】
例えば、本実施形態においては、室内側ハンドル27の長さは、室外側ハンドル26の長さよりもわずかに短かったが、この構成に限定されない。例えば、
図8に示すように、ドア本体3Aにおける室内側ハンドル27の長さを、室外側ハンドル26の長さに対してきわめて短く構成してもよい。
【0046】
また、本実施形態においては、意匠材31、41は、折り返されて延在部31a、41aを構成したが、この構成に限定されない。例えば、
図9、
図10に示すように、建具1Bにおいて、ガラス板31B、41Bが補強材402Bに重ねられてドア本体3B、子扉4Bの室外側の見付面を構成して、その吊元側の端部が、ドア本体3Bの図示しない延在部、子扉4Bの延在部41Baをそれぞれ構成してもよい。
【0047】
また、例えば、
図11、
図12に示すように、建具1Cにおいて、木製の板31C、41Cが補強材402Cに重ねられてドア本体3C、子扉4Cの室外側の見付面を構成して、その吊元側の端部が、ドア本体3Cの図示しない延在部、子扉4Cの延在部41Caをそれぞれ構成してもよい。
【0048】
また、例えば、本実施形態では、建具1は、子扉4を備えていたが、これに限定されない。例えば、建具は、開閉可能な子扉4に代えて、枠体2に固定されて開閉不能な袖部を備えていてもよい。この場合であっても、袖部の室内側の端部、室外側の端部には、それぞれ、ドア本体3の戸先側の室内側の端部、室外側の端部に当接する気密材が設けられる。また、指挟み防止部材236は、上下方向に長い約1mの長さのアルミ部材により構成されていたが、これに限定されず、例えば、樹脂部材により構成されてもよいし、また、ドア本体3の上端部から下端部に至るまでのドア本体3の全長にわたって設けられていてもよい。また、開閉支持金具は、丁番25により構成されていたが、これに限定されない。例えば、開閉支持金具は、戸体本体を開閉可能に枠体に連結するものであればよく、例えば、ピボットヒンジ等により構成されてもよい。また、延在部31aは、延在端(先端)において折り返され、折り返された内部には、スチールやカーボンや樹脂等の材質により構成された補強材302が設けられていたが、これに限定されない。例えば、延在部として厚肉材料を使用することで、補強材を用いない構成としてもよい。また、室外側ハンドル26と室内側ハンドル27との両方が交換可能であったが、これに限定されず、少なくとも一方が交換可能であればよい。
【符号の説明】
【0049】
1 建具、2 枠体、3 ドア本体(扉本体、戸体本体)、4 子扉(戸体本体)、25 丁番(開閉支持金具)、26 室外側ハンドル(第1ハンドル)、27 室内側ハンドル(第2ハンドル)、31、41 意匠材(室外側表面材)、31a、41a 延在部、43 先端部材、236 指挟み防止部材、302 補強材、451、452 気密材、