(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106732
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】映像処理装置、映像処理プログラム及び映像処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/262 20060101AFI20240801BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240801BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20240801BHJP
G09G 5/14 20060101ALI20240801BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20240801BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240801BHJP
G06F 3/04845 20220101ALI20240801BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20240801BHJP
H04N 21/27 20110101ALI20240801BHJP
H04N 5/265 20060101ALI20240801BHJP
G06F 3/0481 20220101ALN20240801BHJP
【FI】
H04N5/262
G09G5/00 530M
G09G5/377
G09G5/14 A
G09G5/00 555D
G09G5/00 510V
G09G5/00 555G
G09G5/00 510H
G09G5/37 320
G09G5/00 510X
G09F9/00 366A
G09F9/00 366G
G06F3/04845
G06F3/14 350A
G06F3/14 360A
H04N21/27
H04N5/265
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011147
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000116068
【氏名又は名称】ローランド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】笠井 良秀
【テーマコード(参考)】
5B069
5C023
5C164
5C182
5E555
5G435
【Fターム(参考)】
5B069CA14
5B069JA06
5B069KA06
5B069LA03
5C023AA11
5C023BA11
5C023BA15
5C023CA01
5C164SA41S
5C164SC04S
5C164SD21P
5C182AA03
5C182AA04
5C182AB02
5C182AB03
5C182AB08
5C182AB14
5C182AC12
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA06
5C182BA14
5C182BA73
5C182BB02
5C182BB12
5C182BC11
5C182BC26
5C182CB12
5C182CB42
5C182CB44
5C182CB54
5C182CC02
5C182CC21
5C182DA14
5C182DA33
5C182DA52
5E555AA01
5E555BA01
5E555BA29
5E555BA73
5E555BA87
5E555BB01
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5E555CA04
5E555CA12
5E555CA17
5E555CB12
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5E555CB33
5E555CB45
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5E555CB74
5E555CC05
5E555DA05
5E555DB11
5E555DB53
5E555DB57
5E555DC05
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5E555DD06
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5G435AA00
5G435BB12
5G435DD05
5G435EE49
(57)【要約】
【課題】第1出力部と第2出力部とのそれぞれに異なる複合映像を出力する際のユーザの操作性を向上させることができる映像処理装置、映像処理プログラム及び映像処理方法を提供すること。
【解決手段】ビデオスイッチャ1では、左側LCD3bには、プロジェクタ22に出力される複合映像Scを設定する画面が表示され、右側LCD4bには、配信用PC23に出力される複合映像Scを設定する画面が表示される。これにより、ユーザHは、LCD3b,4bのそれぞれに表示される複合映像Scのレイアウトを見比べながら操作することで、複合映像Scにおけるコンテンツの大きさや配置を自在に設定し、所望の複合映像Scを構築できる。これにより、プロジェクタ22と配信用PC23とにそれぞれ異なる複合映像Scを出力する際のユーザHの操作性を向上させることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像や映像で構成されるコンテンツが複数配置された映像である複合映像を出力する映像処理装置であって、
前記複合映像を出力する第1出力部と、
その第1出力部で出力される複合映像と異なる複合映像を出力する第2出力部と、
第1表示部に、前記第1出力部で出力される複合映像を設定するための表示を行う第1表示手段と、
前記第1表示部とは異なる第2表示部に、前記第2出力部で出力される複合映像を設定するための表示を行う第2表示手段と、を備えていることを特徴とする映像処理装置。
【請求項2】
前記コンテンツから前記複合映像を構成するためのシーン情報が複数設けられ、
前記複合映像は、前記コンテンツと前記シーン情報とに基づき作成されるものであり、
第1入力部から入力された指示に応じて、前記第1出力部で出力される複合映像を作成するシーン情報を選択する第1シーン選択手段と、
第2入力部から入力された指示に応じて、前記第2出力部で出力される複合映像を作成するシーン情報を選択する第2シーン選択手段と、を備えていることを特徴とする請求項1記載の映像処理装置。
【請求項3】
前記第1シーン選択手段により選択されたシーン情報に対応するシーン情報を、前記第2出力部に出力される複合映像を作成するシーン情報として選択するシーン連動変更手段を備えていることを特徴とする請求項2記載の映像処理装置。
【請求項4】
前記シーン連動変更手段は、前記第2シーン選択手段により第2出力部で出力される複合映像を作成するシーン情報が選択された場合は、前記第1出力部で出力される複合映像を作成するシーン情報を保持することを特徴とする請求項3記載の映像処理装置。
【請求項5】
複数の前記シーン情報がその内容に応じて所定の順番で記憶されるバンクが、更に複数記憶されるバンク記憶手段と、
前記第1入力部を介して選択されたバンクを取得する第1バンク取得手段と、
前記第2入力部を介して選択されたバンクを取得する第2バンク取得手段と、を備え、
前記第1シーン選択手段は、前記バンク記憶手段の前記第1バンク取得手段で取得されたバンクから、前記第1入力部から入力された指示に応じたシーン情報を選択するものであり、
前記シーン連動変更手段は、前記バンク記憶手段の前記第2バンク取得手段で取得されたバンクから、前記第1シーン選択手段で選択されたシーン情報と同等の順番に記憶されるシーン情報を取得して、前記第2出力部に出力される複合映像を作成するシーン情報に変更するものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の映像処理装置。
【請求項6】
前記第1入力部または前記第2入力部は、前記第1表示部または第2表示部の上に配置されたタッチパネルで構成されることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の映像処理装置。
【請求項7】
第1出力部、第2出力部、第1表示部および第2表示部を備えたコンピュータに、画像や映像で構成されるコンテンツが複数配置された映像である複合映像を出力する処理を実行させる映像処理プログラムであって、
前記第1出力部は、前記複合映像を出力するものであり、
前記第2出力部は、前記第1出力部で出力される複合映像と異なる複合映像を出力するものであり、
前記第1表示部に、前記第1出力部で出力される複合映像を設定するための表示を行う第1表示ステップと、
前記第1表示部とは異なる前記第2表示部に、前記第2出力部で出力される複合映像を設定するための表示を行う第2表示ステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする映像処理プログラム。
【請求項8】
画像や映像で構成されるコンテンツが複数配置された映像である複合映像を出力する映像処理方法であって、
第1出力部は、前記複合映像を出力するものであり、
第2出力部は、前記第1出力部で出力される複合映像と異なる複合映像を出力するものであり、
第1表示部に、第1出力部で出力される複合映像を設定するための表示を行う第1表示ステップと、
前記第1表示部とは異なる第2表示部に、前記第2出力部で出力される複合映像を設定するための表示を行う第2表示ステップとを備えていることを特徴とする映像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像処理装置、映像処理プログラム及び映像処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の映像入力チャンネルを有し、それぞれの映像入力チャンネルから入力された入力映像が配置された出力映像を出力するビデオミキサーが開示されている。更にビデオミキサーには映像を出力する出力端子が複数設けられ、出力端子ごとに入力映像から出力映像が作成される。そして、作成された出力映像が対応する出力端子にそれぞれ出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-262179号公報(例えば、段落0016-0019,0037、
図1-4,7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ビデオミキサーには、出力映像を設定するためのディスプレイ5Aが1つしか設けられない。そのため、1の出力端子の出力映像の設定をしている場合、他の出力端子の出力映像の設定ができない。よって、複数の出力端子に出力される出力映像を同時に設定する際に、例えば、他の出力端子の出力映像を見ながら1の出力端子の出力映像の設定ができない等、ユーザの操作性が悪化するという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、第1出力部と第2出力部とのそれぞれに異なる複合映像を出力する際のユーザの操作性を向上させることができる映像処理装置、映像処理プログラム及び映像処理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために本発明の映像処理装置は、画像や映像で構成されるコンテンツが複数配置された映像である複合映像を出力する装置であり、前記複合映像を出力する第1出力部と、その第1出力部で出力される複合映像と異なる複合映像を出力する第2出力部と、第1表示部に、前記第1出力部で出力される複合映像を設定するための表示を行う第1表示手段と、前記第1表示部とは異なる第2表示部に、前記第2出力部で出力される複合映像を設定するための表示を行う第2表示手段と、を備えている。
【0007】
本発明の映像処理プログラムは、第1出力部、第2出力部、第1表示部および第2表示部を備えたコンピュータに、画像や映像で構成されるコンテンツが複数配置された映像である複合映像を出力する処理を実行させるプログラムであり、前記第1出力部は、前記複合映像を出力するものであり、前記第2出力部は、前記第1出力部で出力される複合映像と異なる複合映像を出力するものであり、第1表示部に、前記第1出力部で出力される複合映像を設定するための表示を行う第1表示ステップと、前記第1表示部とは異なる第2表示部に、前記第2出力部で出力される複合映像を設定するための表示を行う第2表示ステップと、を前記コンピュータに実行させるものである。
【0008】
また本発明の映像処理方法は、画像や映像で構成されるコンテンツが複数配置された映像である複合映像を出力する方法であり、第1出力部は、前記複合映像を出力するものであり、第2出力部は、前記第1出力部で出力される複合映像と異なる複合映像を出力するものであり、第1表示部に、第1出力部で出力される複合映像を設定するための表示を行う第1表示ステップと、前記第1表示部とは異なる第2表示部に、前記第2出力部で出力される複合映像を設定するための表示を行う第2表示ステップと、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】(a)は、LCDに表示される設定画面を表す図であり、(b)は、シーン情報の変更後の設定画面を表す図である。
【
図3】(a)は、配信用PC用のシーン情報を変更する場合の設定画面を表す図であり、(b)は、シーン情報の変更後の設定画面を表す図である。
【
図4】(a)は、プロジェクタ用と配信用PC用とで異なるバンクが設定されている場合のシーン情報を選択する場合の設定画面を表す図であり、(b)は、シーン情報の変更後の設定画面を表す図である。
【
図6】ビデオスイッチャの電気的構成を示すブロック図である。
【
図9】(a)は、プレビュー表示処理のフローチャートであり、(b)は、PGM出力処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。
図1を参照して、本実施形態のビデオスイッチャ1の概要を説明する。
図1は、ビデオスイッチャ1の概要を説明する図である。ビデオスイッチャ1は、入力された画像や映像を1つの映像に配置した複合映像Scを出力する装置(映像処理装置)である。
【0011】
ビデオスイッチャ1には、複合映像Scに配置する画像や映像が入力されるビデオカメラ20a,20b及びプレゼン用PC21と、複合映像Scが出力されるプロジェクタ22及び配信用PC23とが接続される。ビデオカメラ20a,20bは、撮影した画像または映像をビデオスイッチャ1に入力する撮影装置であり、プレゼン用PC21は、インストールされているアプリケーション・ソフトでユーザHが作成した画像または映像をビデオスイッチャ1に入力する情報処理装置である。
【0012】
プロジェクタ22は、ビデオスイッチャ1からの複合映像Scを大型スクリーンに投影する出力装置であり、配信用PC23は、ビデオスイッチャ1から出力された複合映像ScをインターネットWを介して配信する情報処理装置である。配信用PC23からインターネットWを介して配信された複合映像Scが、インターネットWに接続される複数の配信先PC24で視聴することができる。なお、ビデオスイッチャ1をインターネットWに接続し、ビデオスイッチャ1から配信先PC24へ直接配信しても良い。この場合、配信用PC23を省略することができる。
【0013】
ビデオスイッチャ1には、入力元、即ちビデオカメラ20a,20bやプレゼン用PC21毎に、対応する入力元から入力された画像や映像が配置される「レイヤー」が設けられる。各レイヤーにおいて、対応する入力元から入力された画像や映像がユーザHから指定された大きさ及び位置で配置される。このようなレイヤーを重ね合わせることで複合映像Scが作成される。以下、レイヤーに配置される画像や映像のことをまとめて「コンテンツ」と称す。
【0014】
ビデオスイッチャ1には、ユーザHの指示を入力する設定ボタン2と、左側タッチパネル3a及び左側LCD3bと、右側タッチパネル4a及び右側LCD4bとが設けられる。左側タッチパネル3aは、ユーザHによるタッチ操作に応じて、タッチされた位置信号を入力するための入力装置である。左側LCD3bは、出力される複合映像Scのレイアウト等を表示する表示装置である。左側タッチパネル3a及び左側LCD3bは、ビデオスイッチャ1の正面における左側にそれぞれ配置され、左側タッチパネル3aが左側LCD3bの上に重ね合わせて設けられる。
【0015】
同様に、右側タッチパネル4aは、ユーザHによるタッチ操作に応じて、タッチされた位置に関する信号を入力するための入力装置であり、右側LCD4bは、出力される複合映像Scのレイアウト等を表示する表示装置である。右側タッチパネル4a及び右側LCD4bは、ビデオスイッチャ1の正面における右側にそれぞれ配置され、右側タッチパネル4aが右側LCD4bの上に重ね合わせて設けられる。
【0016】
本実施形態のビデオスイッチャ1では、プロジェクタ22と配信用PC23とに、それぞれ異なった複合映像Scが出力できるように構成される。左側LCD3bには、プロジェクタ22に出力される複合映像Scを設定する画面が表示され、右側LCD4bには、配信用PC23に出力される複合映像Scを設定する画面が表示される。
【0017】
ユーザHは、LCD3b,4bのそれぞれに表示される複合映像Scのレイアウトを見比べながら、LCD3b,4b上に配置されるタッチパネル3a,4aをタッチ操作することで、複合映像Scにおけるコンテンツの大きさや配置を自在に設定し、所望のレイアウトの複合映像Scを構築することができる。これにより、プロジェクタ22と配信用PC23とにそれぞれ異なる複合映像Scを出力する際のユーザHの操作性を向上させることができる。
【0018】
次に
図2~4を参照して、LCD3b,4bに表示される複合映像Scを設定する際に表示される設定画面を説明する。
図2(a)は、LCD3b,4bに表示される設定画面を表す図であり、
図2(b)は、シーン情報の変更後の設定画面を表す図である。
図2では、左側LCD3bに表示される設定画面を左側に、右側LCD4bに表示される設定画面を右側に表している。以降の図も同様とする。
【0019】
LCD3b,4bに表示される設定画面には、それぞれ、表示エリアVと、ステージ配信ボタンSt及びネット配信ボタンNtと、プレビュー出力ボタンPr及びプログラム出力ボタンPgと、プレビューボタンC1~C6と、バンクボタンB1~B3と、リンクボタンLとが表示される。表示エリアVは、対象の複合映像Scを表示する表示エリアである。
【0020】
ステージ配信ボタンStは、対象の複合映像Scの出力先を(例えば、コンサート会場のステージ上のスクリーンに投影するように配置される)プロジェクタ22に設定する操作子であり、ネット配信ボタンNtは、対象の複合映像Scの出力先をインターネットWを介した配信用PC23に設定する操作子である。ステージ配信ボタンStとネット配信ボタンNtとのいずれかが選択可能に構成される。
【0021】
プレビュー出力ボタンPrは、設定モードを「プレビュー出力」に設定する操作子であり、プログラム出力ボタンPgは、設定モードを「プログラム出力」に設定する操作子である。プレビュー出力ボタンPrとプログラム出力ボタンPgとのいずれかが選択可能に構成される。
【0022】
本実施形態において、ビデオスイッチャ1の設定モードには、対象の複合映像Scをプロジェクタ22や配信用PC23に出力せずに、複合映像Scの構成を設定するモードである「プレビュー出力」と、対象の複合映像Scをプロジェクタ22や配信用PC23に出力する「プログラム出力」とが設けられる。また、本実施形態において設定モードは、左側LCD3bと右側LCD4bとのそれぞれに独立して設定できるように構成される。
【0023】
例えば、
図2(a)の左側LCD3bにおいては、プログラム出力ボタンPgが選択されていて、かつ、ステージ配信ボタンStが選択されているので、左側LCD3bの表示エリアVに表示される複合映像Scは、プロジェクタ22にも出力される。また
図2(a)の右側LCD4bにおいては、プログラム出力ボタンPgが選択されていて、かつ、ネット配信ボタンNtが選択されているので、右側LCD4bの表示エリアVに表示される複合映像Scは、配信用PC23にも出力される。
【0024】
以下、本実施形態において、左側LCD3bには、プログラム出力ボタンPgとステージ配信ボタンStとが選択され、右側LCD4bには、プログラム出力ボタンPgとネット配信ボタンNtとが選択されているものとする。
【0025】
プレビューボタンC1~C6は、表示エリアVに表示され、プロジェクタ22や配信用PCに出力される複合映像Scを作成するためのシーン情報を選択する操作子である。プレビューボタンC1~C6は、いずれかが選択可能に構成される。本実施形態のビデオスイッチャ1には、ビデオカメラ20a,20bやプレゼン用PC21から入力された画像や映像から、複合映像Scを構築するための情報であるシーン情報が記憶される。シーン情報には、複合映像Scを構築する際の、入力された画像や映像の大きさや配置位置等の情報が設定される。
【0026】
シーン情報は、バンクと呼ばれる領域に6つ記憶される。更にビデオスイッチャ1には、そのバンクが3つ設けられるので、ビデオスイッチャ1には18個のシーン情報が記憶される(
図7参照)。バンクにおいて、シーン情報は所定の順番で記憶され、各バンクにおける、同一の順番のシーン情報には、類似した態様、即ち類似した画像や映像の配置のシーン情報が記憶される。例えば、1番目のバンクである「バンク1」の1番目のシーン情報と、2番目のバンクである「バンク2」の1番目のシーン情報とには、それぞれ類似した態様のシーン情報が記憶される。
【0027】
詳細は後述するが、本実施形態では、プロジェクタ22のシーン情報の変更に連動して、配信用PC23のシーン情報が変更される。シーン情報の変更は、バンクから指定された順番のシーン情報を取得することで行われる。そこで、プロジェクタ22で用いられるバンクと、配信用PC23で用いられるバンクとにおいて、同一の順番に類似した態様のシーン情報をそれぞれ記憶しておき、プロジェクタ22のシーン情報の変更で指定された順番と同一の順番のシーン情報を、配信用PC23で用いられるバンクから取得する。これにより、プロジェクタ22のシーン情報の変更に連動して、配信用PC23のシーン情報を変更されたプロジェクタ22のシーン情報に対応する、類似した態様のシーン情報に変更できる。
【0028】
なお、各バンクにおける、同一の順番のシーン情報に、それぞれ異なった態様のシーン情報が記憶されても良い。
【0029】
以下、バンクにおいてそれぞれのシーン情報に割り振られている番号のことを「シーン番号」という。プレビューボタンC1には、シーン番号が「1」のシーン情報、即ち設定されているバンクの1番目に記憶されているシーン情報が対応しており、プレビューボタンC2には、シーン番号が「2」のシーン情報が対応しており、同様にプレビューボタンC3~C6には、シーン番号が「3」~「6」のシーン情報がそれぞれ対応している。
【0030】
なお、本実施形態では、バンクに記憶されるシーン情報は6つに限られず、6つ以上でも6つ以下でも良い。また、ビデオスイッチャ1に設けられるバンクも3つに限られず、3つ以上でも3つ以下でも良い。
【0031】
プレビューボタンC1~C6には、後述のバンクボタンB1~B3で選択されたバンクに記憶されるシーン情報から作成された複合映像Scが「サムネイル」として表示される。本実施形態では、バンクに6つのシーン情報が記憶されるので、それぞれのシーン情報で作成される複合映像ScがプレビューボタンC1~C6に表示される。
【0032】
バンクボタンB1~B3は、ビデオスイッチャ1に記憶されるバンクのうち、どのバンクを使用するかを選択する操作子である。バンクボタンB1~B3も、いずれかが選択可能に構成される。
【0033】
リンクボタンLは、一方のLCD3b,4bでプレビューボタンC1~C6が操作されて適用されるシーン情報が変更された場合に、他方のLCD3b,4bで表示されている出力先に適用されるシーン情報を変化させるかどうかを選択する操作子である。本実施形態において、リンクボタンLの選択状態はLCD3b,4bのそれぞれで共通するものとする。
【0034】
例えば、左側LCD3bでリンクボタンLをオンにした場合は、右側LCD4bでもリンクボタンLがオンの状態になり、右側LCD4bでリンクボタンLをオフにした場合は、左側LCD3bでもリンクボタンLがオフの状態になる。以下、
図2~4では、リンクボタンLがオンである場合を説明する。
【0035】
本実施形態において、リンクボタンLがオンであり、かつ、ステージ配信ボタンStが選択され出力先にプロジェクタ22が選択されているLCD3b,4bで、プレビューボタンC1~C6のいずれかが選択された場合、ネット配信ボタンNtが選択され出力先に配信用PC23が選択されている他方のLCD3b,4bでも同一のシーン番号に対応するプレビューボタンC1~C6が選択される。
【0036】
より具体的に、
図2(a)においてLCD3b,4bのそれぞれでプレビューボタンC4が選択されている状態で、出力先がプロジェクタ22である左側LCD3bにおいて、ユーザHがプレビューボタンC5を選択した場合、
図2(b)に示す通り、左側LCD3bにおいてプレビューボタンC5が選択される。これに伴い、プロジェクタ22に出力される複合映像Scを作成するシーン情報(以下「プロジェクタ22のシーン情報」等と略す)がシーン番号「5」に変更される。一方で、出力先が配信用PC23である右側LCD4bでも、プレビューボタンC5が選択され、配信用PC23のシーン情報もシーン番号「5」に変更される。
【0037】
次に、配信用PC23用のシーン情報が変更された場合を、
図3を参照して説明する。
図3(a)は、配信用PC23用のシーン情報を変更する場合の設定画面を表す図であり、
図3(b)は、シーン情報の変更後の設定画面を表す図である。
【0038】
図3(a)に示すように、LCD3b,4bのそれぞれでプレビューボタンC4が選択されている状態で、右側LCD4bにおいて、ユーザHがプレビューボタンC5を選択する操作した場合、
図3(b)に示す通り、右側LCD4bにおいてプレビューボタンC5が選択される。これに伴い、配信用PC23のシーン情報もシーン番号「5」に変更される。
【0039】
しかし、右側LCD4bでのシーン情報の変更に関わらず、左側LCD3bでは、プレビューボタンC4が選択されたままであり、プロジェクタ22のシーン情報もシーン番号が「4」のまま保持される。
【0040】
このように、プロジェクタ22のシーン情報の変更に連動して、配信用PC23のシーン情報も変更されることで、2つの出力先のシーン情報を同時に変更する場合のユーザHの操作性を向上できる。更に連動して変更される配信用PC23のシーン情報を、変更されたプロジェクタ22のシーン情報と同一のシーン情報に変更できる。
【0041】
一方で、配信用PC23のシーン情報が変更されても、プロジェクタ22のシーン情報は保持される。即ちプロジェクタ22のシーン情報は、配信用PC23のシーン情報に連動して変更されない。
【0042】
例えば、プロジェクタ22がコンサート会場のステージ上の大型スクリーンを投影するように配置され、ビデオカメラ20a,20bでそのステージを撮影してその様子を複合映像Scとしてプロジェクタ22及び配信用PC23に出力する際、ビデオカメラ20a,20bが故障して、ビデオカメラ20a,20bでコンテンツが取得できない場合でも、コンサート会場内にいるプロジェクタ22が投影される大型スクリーンの視聴者は、直接ステージの様子を見ることができる。よって、大型スクリーンに表示される複合映像Scのビデオカメラ20a,20bからコンテンツが黒画面(無信号画面)でも問題が小さい場合が多い。
【0043】
一方で、配信用PC23の視聴者は、直接ステージの様子を見ることができないので、ステージがどのような状況であるのか判断ができない。配信用PC23には、ビデオカメラ20a,20bからコンテンツが取得できない旨のメッセージを含んだ複合映像Scを出力する必要がある。
【0044】
そこで、配信用PC23のシーン情報を当該メッセージを含んだ態様のシーン情報とすることで、配信用PC23の視聴者にビデオカメラ20a,20bからコンテンツが取得できない旨を伝達できる。一方で、かかる配信用PC23のシーン情報に連動してプロジェクタ22のシーン情報が変更されないので、大型スクリーンの視聴者に不要なメッセージが伝達されてしまうのを抑制できる。
【0045】
図2,3では、プロジェクタ22と配信用PC23とで同一のバンクのシーン情報を設定する場合を説明したが、プロジェクタ22と配信用PC23とで異なるバンクのシーン情報をそれぞれで設定する場合でも、プロジェクタ22のシーン情報の変更に連動して配信用PC23のシーン情報が変更される。かかる動作を
図4を参照して説明する。
【0046】
図4(a)は、プロジェクタ22用と配信用PC23用とで異なるバンクが設定されている場合のシーン情報を選択する場合の設定画面を表す図であり、
図4(b)は、シーン情報の変更後の設定画面を表す図である。
図4(a),(b)では、左側LCD3bでバンクボタンB1が選択され、右側LCD4bでバンクボタンB2が選択されている。
【0047】
図4(a)のようにバンクが選択され、LCD3b,4bのそれぞれでプレビューボタンC4が選択されている状態で、左側LCD3bにおいてユーザHがプレビューボタンC5を選択する操作した場合、
図4(b)に示す通り、左側LCD3bにおいてプレビューボタンC5が選択され、プロジェクタ22のシーン情報がシーン番号「5」に変更される。これによって、プロジェクタ22のシーン情報は「バンク1」のシーン番号「5」のものに変更される。
【0048】
一方で右側LCD4bでも、プロジェクタ22のシーン情報の変更に連動して、プレビューボタンC5が選択され、配信用PC23のシーン情報もシーン番号「5」に変更される。これによって、配信用PC23のシーン情報は「バンク2」のシーン番号「5」のものに変更される。
【0049】
上記した通り、それぞれのバンクにおいて、同一のシーン番号のシーン情報には、類似した態様、即ち類似した画像や映像の配置のシーン情報が記憶される。例えば、「バンク1」には、プロジェクタ22に特化したシーン情報が記憶され、「バンク2」に配信用PC23に特化したシーン情報が記憶される場合、これらのバンクにおける同一のシーン番号には、態様が類似したシーン情報がそれぞれ記憶されている。
【0050】
よって、プロジェクタ22のバンクとしてプロジェクタ22に特化したバンクを設定し、配信用PC23のバンクとして配信用PC23に特化したバンクを設定することで、プロジェクタ22のシーン情報を変更した場合、プロジェクタ22のシーン情報には、プロジェクタ22に特化し、且つ、ユーザHが所望したシーン情報が設定される。これに伴い、配信用PC23のシーン情報には、配信用PC23に特化し、且つ、ユーザHが所望したシーン情報に類似した態様のシーン情報が設定される。
【0051】
これにより、プロジェクタ22と配信用PC23との両方のシーン情報に、それぞれの出力先に特化しつつも、ユーザHが所望する対応のシーン情報が設定されるので、2つの出力先のシーン情報を同時に変更する場合のユーザHの操作性をより向上させることができる。
【0052】
次に
図5を参照して、ビデオスイッチャ1の機能を説明する。
図5は、ビデオスイッチャ1の機能ブロック図である。
図5に示すように、ビデオスイッチャ1は、第1出力部200と、第2出力部201と、第1表示手段203と、第2表示手段205とを有する。第1出力部200は、複合映像を出力するものであり、
図6で後述のビデオ出力装置17で実現される。第2出力部201は、第1出力部200で出力される複合映像と異なる複合映像を出力するものであり、
図6で後述の通信装置18で実現される。
【0053】
第1表示手段203は、第1表示部202に、第1出力部200で出力される複合映像を設定するための表示を行う手段であり、
図6で後述のCPU10で実現される。なお、第1表示部202は、左側LCD3bで実現される。第2表示手段205は、第1表示部202とは異なる第2表示部204に、第2出力部201で出力される複合映像を設定するための表示を行う手段であり、CPU10で実現される。なお、第2表示部204は、右側LCD4bで実現される。また、第1表示手段203及び第2表示手段205の一部または全部を
図6で後述のビデオ処理装置15やビデオ出力装置17で実現しても良い。
【0054】
かかる構成により、ビデオスイッチャ1のユーザHは、第1出力部200で出力される複合映像と第2出力部201で出力される複合映像とを、それぞれ第1表示部202と第2表示部204とで見比べながら設定できるので、第1出力部200と第2出力部201とのそれぞれに異なる複合映像を出力する際のユーザHの操作性を向上させることができる。
【0055】
次に
図6を参照して、ビデオスイッチャ1の電気的構成を説明する。
図6は、ビデオスイッチャ1の電気的構成を示すブロック図である。
図6に示す通り、ビデオスイッチャ1は、CPU10と、フラッシュROM11と、RAM12とを有し、これらはバスライン13を介して入出力ポート44にそれぞれ接続されている。入出力ポート14には更に、上記した設定ボタン2、左側タッチパネル3a、左側LCD3b、右側タッチパネル4a及び右側LCD4bと、ビデオ処理装置15と、通信装置18とが接続される。
【0056】
CPU10は、バスライン13により接続された各部を制御する演算装置である。フラッシュROM11は、CPU10により実行されるプログラムや固定値データ等を格納した書き換え可能な不揮発性の記憶装置であり、映像処理プログラム11aと、バンクデータ11bとが記憶される。CPU10によって映像処理プログラム11aが実行されると、
図8のメイン処理が実行される。ここで
図7を参照して、バンクデータ11bを説明する。
【0057】
図7は、バンクデータ11bを模式的に表す図である。バンクデータ11bには、複数のバンクに対してそれぞれ複数のシーン情報が記憶される。バンク1には、シーン番号(シーン1,シーン2,・・・,シーン6)毎にシーン情報C11,C12,・・・,C16が記憶される。同様に、バンク2には、シーン番号ごとにシーン情報C21,・・・,C26が記憶される。バンク3には、シーン番号ごとにシーン情報C31,・・・,C36が記憶される。本実施形態においてシーン情報はユーザHによって設定を変更できるように構成され、バンクデータ11bにはユーザHによって設定が変更されたシーン情報が書き換え可能に構成される。
【0058】
図6に戻る。RAM12は、CPU10がプログラムの実行時に各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶するためのメモリである。ビデオ処理装置15は、CPU10からの指示に応じて画像処理を行う演算装置である。ビデオ処理装置15には、ビデオ処理装置15で画像処理を行う画像や映像を入力する第1入力端子16a~第3入力端子16cと、ビデオ処理装置15で画像処理を行った複合映像Sc等の画像や映像を出力するビデオ出力装置17とが接続される。
【0059】
第1入力端子16a~第3入力端子16cには、上記したビデオカメラ20a、ビデオカメラ20b及びプレゼン用PC21が接続され、これらからの画像や映像が第1入力端子16a~第3入力端子16cを介してビデオ処理装置15に入力される。またビデオ出力装置16には、プロジェクタ22が接続され、それぞれに応じた映像がビデオ出力装置16を介してプロジェクタ22に出力される。なお、ビデオ処理装置15やビデオ出力装置17の少なくとも一部を、FPGA(field-programmable gate array)や専用LSI等の電子回路で構成しても良い。
【0060】
通信装置18は、外部の装置と通信するための装置であり、特に上記した配信用PC23に通信可能に接続される。配信用PC23はインターネットWに接続され、インターネットWには、上記した配信先PC24が接続される。
【0061】
次に
図8,9を参照して、ビデオスイッチャ1のCPU10で実行される処理を説明する。
図8は、メイン処理のフローチャートである。メイン処理は、ビデオスイッチャ1の電源が投入された場合に、実行される処理である。
【0062】
メイン処理はまず、プロジェクタ22用の(即ち左側LCD3bに表示される)プレビューボタンC1~C6が選択されたかを確認する(S1)。S1の処理において、プロジェクタ22用のプレビューボタンC1~C6が選択された場合は(S1:Yes)、プロジェクタ22のシーン番号に選択されたプレビューボタンC1~C6に割り振られているシーン番号を設定する(S2)。
【0063】
S2の処理の後、リンクボタンLがオンであるかを確認する(S3)。S3の処理において、リンクボタンLがオンである場合(S3:Yes)、配信用PC23のシーン番号に選択されたプレビューボタンC1~C6に割り振られているシーン番号を設定する(S4)。
【0064】
一方でS1の処理において、プロジェクタ22用のプレビューボタンC1~C6が選択されていない場合は(S1:No)、S2~S4の処理をスキップする。また、S3の処理において、リンクボタンLがオフである場合は(S3:No)、S4の処理をスキップする。
【0065】
S1,S3,S4の処理の後、配信用PC23用の(即ち右側LCD4bに表示される)プレビューボタンC1~C6が選択されたかを確認する(S5)。S5の処理において、配信用PC23用のプレビューボタンC1~C6が選択された場合は(S5:Yes)、配信用PC23のシーン番号に選択されたプレビューボタンC1~C6に割り振られているシーン番号を設定する(S6)。一方でS5の処理において、配信用PC23用のプレビューボタンC1~C6が選択されなかった場合は(S5:No)、S6の処理をスキップする。
【0066】
S5,S6の処理の後、後述のS8のプレビュー表示処理およびS9のPGM出力処理で参照される出力先に「プロジェクタ22」を設定する(S7)。S7の処理の後、S8のプレビュー表示処理およびS9のPGM出力処理を実行する。ここで
図9を参照して、プレビュー表示処理およびPGM出力処理を説明する。
【0067】
図9(a)は、プレビュー表示処理のフローチャートである。プレビュー表示処理は、出力先に対応するLCD3b,4bのプレビューボタンC1~C6に、複合映像Scを表示する処理である。プレビュー表示処理はまず、第1入力端子16a、第2入力端子16b及び第3入力端子16cからコンテンツ(画像または映像)を取得する(S20)。S20の処理の後、カウンタ変数Mに1を設定する(S21)。
【0068】
S21の処理の後、バンクデータ11bから、対応するLCD3b,4bのバンクボタンB1~B3で選択中のバンクのシーン番号がM番目のシーン情報を取得し、取得されたシーン情報と、S20の処理で取得されたコンテンツとから、複合映像Scを作成する(S22)。具体的に、取得されたシーン情報に設定されたコンテンツの大きさや配置位置にS20の処理で取得されたコンテンツを配置することで、複合映像Scが作成される。
【0069】
S22の処理の後、作成された複合映像Scを、出力先に対応するLCD3b,4bのプレビューボタンC1~C6に表示する(S23)。例えば、カウンタ変数Mが「1」の場合はS23の処理で作成された複合映像ScをプレビューボタンC1に表示し、カウンタ変数Mが「6」の場合はS23の処理で作成された複合映像ScをプレビューボタンC6に表示する。
【0070】
S23の処理の後、カウンタ変数Mに1を加算し(S24)、加算されたカウンタ変数Mがシーン情報の数(即ち「6」)よりも大きいかを確認する(S25)。S25の処理において、カウンタ変数Mがシーン情報の数以下の場合は(S25:No)、S22以下の処理を繰り返す。一方で、カウンタ変数Mがシーン情報の数より大きい場合は(S25:Yes)、プレビュー表示処理を終了する。
【0071】
次に
図9(b)を参照して、PGM出力処理を説明する。
図9(b)は、PGM出力処理のフローチャートである。PGM出力処理は、出力先に設定されているシーン情報から複合映像Scを作成し、出力先に対応する3b,4bの表示エリアV及び出力先に出力する処理である。
【0072】
PGM出力処理はまず、対応するLCD3b,4bで選択中のプレビューボタンC1~C6に対応するシーン番号を取得する(S30)。S30の処理の後、第1入力端子16a、第2入力端子16b及び第3入力端子16cからそれぞれコンテンツ(画像や映像)を取得する(S31)。
【0073】
S31の処理の後、バンクデータ11bから、対応するLCD3b,4bのバンクボタンB1~B3で選択中のバンクの、S30の処理で取得されたシーン番号のシーン情報を取得し、取得されたシーン情報と、S31の処理で取得されたコンテンツとから、複合映像Scを作成する(S32)。S32の処理の後、作成された複合映像Scを、出力先に対応するLCD3b,4bの表示エリアVに表示し、出力先(即ちプロジェクタ22又は配信用PC23)に出力する(S33)。S33の処理によって配信用PC23に出力された複合映像Scは、配信用PC23からインターネットWを介して配信先PC24に配信される。S33の処理の後、PGM出力処理を終了する。
【0074】
図8に戻る。S9のPGM出力処理の後、出力先に「配信用PC23」を設定し(S10)、上記のS8のプレビュー表示処理およびS9のPGM出力処理を実行する。S9のPGM出力処理の後、ビデオスイッチャ1のその他の処理を実行し(S11)、S1以下の処理を繰り返す。
【0075】
以上、上記実施形態に基づき説明したが、種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0076】
上記実施形態では、プロジェクタ22のシーン情報の変更に連動して、配信用PC23のシーン情報を変更したが、これに限られない。配信用PC23のシーン情報の変更に連動して、プロジェクタ22のシーン情報を変更しても良い。この場合に、プロジェクタ22のシーン情報の変更に連動して配信用PC23のシーン情報を変更することで、プロジェクタ22のシーン情報の変更と配信用PC23のシーン情報の変更とを双方向で連動させても良いし、プロジェクタ22のシーン情報を変更しても、配信用PC23のシーン情報を保持しても良い(変更しなくても良い)。
【0077】
上記実施形態では、プロジェクタ22に対応するプレビューボタンC1~C6のいずれを選択しても、配信用PC23のシーン情報が連動して変更されたが、これに限られない。プロジェクタ22に対応するプレビューボタンC1~C6に、配信用PC23のシーン情報が連動して変更されるプレビューボタンC1~C6と、連動して変更されないプレビューボタンC1~C6とが混在しても良い。
【0078】
例えば、プロジェクタ22に対応するプレビューボタンC1,C3,C5が選択されると配信用PC23のシーン情報が連動して変更され、一方で、プロジェクタ22に対応するプレビューボタンC2,C4,C6が選択されても配信用PC23のシーン情報が変更されないようにしても良い。
【0079】
また、バンクボタンB1~B3に対応するバンクデータ11bに記憶されるバンクにおいて、プロジェクタ22のシーン情報が変更された場合に連動して配信用PC23のシーン情報が変更されるバンクと、プロジェクタ22のシーン情報が変更されても配信用PC23のシーン情報が変更されないバンクとが混在しても良い。
【0080】
例えば、プロジェクタ22に対応するバンクボタンB2が選択されている場合は、プロジェクタ22のシーン情報の変更に連動して配信用PC23のシーン情報が変更され、一方で、プロジェクタ22に対応するバンクボタンB1,B3が選択されている場合はプロジェクタ22のシーン情報が変更されても、配信用PC23のシーン情報が変更されないようにしても良い。
【0081】
上記実施形態では、LCD3b,4bのそれぞれにステージ配信ボタンSt、ネット配信ボタンNt、プレビュー出力ボタンPr及びプログラム出力ボタンPgを設けたがこれに限られない。例えば、LCD3b,4bからステージ配信ボタンSt及びネット配信ボタンNtの表示を省略しても良い。この場合、例えば、左側LCD3bの複合映像Scの出力先を「プロジェクタ22」に固定し、右側LCD4bの複合映像Scの出力先を「配信用PC23」に固定しても良いし、左側LCD3bの複合映像Scの出力先を「配信用PC23」に固定し、右側LCD4bの複合映像Scの出力先を「プロジェクタ22」に固定しても良い。或いは、LCD3b,4bの両方の複合映像Scの出力先を「プロジェクタ22」に固定しても良いし、「配信用PC23」に固定しても良い。
【0082】
更には、LCD3b,4bからプレビュー出力ボタンPr及びプログラム出力ボタンPgを省略しても良い。この場合、例えば、左側LCD3bの設定モードを「プレビュー出力」に固定し、右側LCD4bの設定モードを「プログラム出力」に固定しても良いし、
左側LCD3bの設定モードを「プログラム出力」に固定し、右側LCD4bの設定モードを「プレビュー出力」に固定しても良い。或いは、LCD3b,4bの両方の設定モードを「プレビュー出力」に固定しても良いし、「プログラム出力」に固定しても良い。
【0083】
上記実施形態では、プロジェクタ22のシーン情報と配信用PC23のシーン情報とを、1台のビデオスイッチャ1で連動して変更するように構成したが、装置構成はこれに限られない。例えば、遠隔に配置された2台のビデオスイッチャを、インターネットWを介して通信装置18により通信可能に構成し、2台のビデオスイッチャのうち、1のビデオスイッチャ(以下「第1ビデオスイッチャ」という)をプロジェクタ22のシーン情報を変更するために使用し、他のビデオスイッチャ(以下「第2ビデオスイッチャ」という)を配信用PC23のシーン情報を変更するために使用する。
【0084】
そして、第1ビデオスイッチャでシーン情報が変更された場合に、第1ビデオスイッチャでのシーン情報の変更に連動して、第2ビデオスイッチャのシーン情報を変更しても良い。この場合、第1ビデオスイッチャと第2ビデオスイッチャとで、同一のシーン情報が記憶されるバンクデータ11bが設けられることが好ましい。
【0085】
上記実施形態では、左側LCD3bに対応する出力先にプロジェクタ22を設定し、右側LCD4bに対応する出力先に配信用PC23を設定したが、これに限られない。例えば、左側LCD3bに対応する出力先に配信用PC23を設定し、右側LCD4bに対応する出力先にプロジェクタ22を設定しても良い。
【0086】
上記実施形態では、ビデオスイッチャ1へ画像や映像を入力するのは、ビデオカメラ20a,20bやプレゼン用PC21としたが、これに限られない。例えば、ハードディスクレコーダやゲーム機等の他の装置から画像や映像を入力しても良い。また、通信装置18を介してインターネットW等から画像や映像を入力しても良い。或いは、ビデオスイッチャ1のフラッシュROM11に予め記憶された画像や映像を利用しても良い。このように外部から入力された画像や映像をビデオスイッチャ1のフラッシュROM11に記憶するようにしても良い。
【0087】
更に上記実施形態では、ビデオスイッチャ1に画像や映像を入力する入力元を、ビデオカメラ20a,20b及びプレゼン用PC21の3種類としたが、これに限られず、入力元は3種類以下でも3種類以上でも良い。例えば、2台のビデオカメラ20a,20b、1台のプレゼン用PC21、1台のゲーム機およびインターネットWから画像や映像を入力しても良い。
【0088】
また、ビデオスイッチャ1から複合映像Scを出力する出力先は、プロジェクタ22や配信用PC23に限られない。例えば、ビデオスイッチャ1の第1入力端子16a等に接続されたテレビや、インターネットWを介して接続されたスマートフォン等の他の装置に出力しても良い。
【0089】
更に上記実施形態では、ビデオスイッチャ1からの複合映像Scの出力先をプロジェクタ22及び配信用PC23の2種類としたが、これに限られず、出力先は2種類以下でも2種類以上でも良い。例えば、複合映像Scを2台のプロジェクタ22、1台のテレビ及び配信用PC23に出力しても良い。
【0090】
上記実施形態では、配信用PC23及び配信先PC24が接続されるネットワークをインターネットWとしたが、これに限られない。例えば、接続される配信先PC24が限定されるイントラネットでも良いし、その他の任意の通信システムにより構築された任意のネットワークでも良い。
【0091】
上記実施形態では、ビデオスイッチャ1に、左側タッチパネル3a及び左側LCD3bと、右側タッチパネル4a及び右側LCD4bとの2つのタッチパネル及びLCDの組み合わせを設けたが、これに限られない。ビデオスイッチャ1に設けられるタッチパネル及びLCDの組み合わせは、3つ以上でも良い。或いは、ビデオスイッチャ1にタッチパネル及びLCDの組み合わせを1つ設け、その1つのタッチパネル及びLCDの組み合わせの領域を2つ以上の複数に分割し、分割された領域ごとに設定モードや出力先を指定して複合映像Scの設定等を行っても良い。
【0092】
また、ステージ配信ボタンSt、ネット配信ボタンNt、プレビュー出力ボタンPr、プログラム出力ボタンPg及びバンクボタンB1~B3をLCD3b,4bに表示される操作子としたが、これに限られず、これらの操作子の一部または全部を設定ボタン2等の物理的な操作子で構成しても良い。
【0093】
上記実施形態では、映像処理プログラム11aを実行する装置としてビデオスイッチャ1を例示したが、これに限られない。例えば、映像処理プログラム11aをPCやスマートフォン、タブレット端末等の情報処理装置で実行しても良い。
【符号の説明】
【0094】
1 ビデオスイッチャ(映像処理装置)
3a 左側タッチパネル(第1入力部)
4a 右側タッチパネル(第2入力部)
3b 左側LCD(第1表示部)
4b 右側LCD(第2表示部)
11a 映像処理プログラム
11b バンクデータ(バンク記憶手段)
11 フラッシュROM(記憶部)
17 ビデオ出力装置(第1出力部)
18 通信装置(第2出力部)
Sc 複合映像
S1,S2 第1シーン選択手段
S3,S4 シーン連動変更手段
S5,S6 第2シーン選択手段
S22 第1バンク取得手段
S32 第2バンク取得手段
S23 第1表示手段、第1表示ステップ
S33 第2表示手段、第2表示ステップ