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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106741
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】変速機構及び農作業車両
(51)【国際特許分類】
   F16H 61/28 20060101AFI20240801BHJP
   F16H 63/02 20060101ALI20240801BHJP
   A01C 11/02 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
F16H61/28
F16H63/02
A01C11/02 330B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011159
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100187562
【弁理士】
【氏名又は名称】沼田 義成
(72)【発明者】
【氏名】黒田 智之
(72)【発明者】
【氏名】大西 健太
【テーマコード(参考)】
2B062
3J067
【Fターム(参考)】
2B062AA02
2B062AB01
2B062BA06
2B062BA22
2B062BA23
2B062CA04
3J067AA03
3J067AA21
3J067AB21
3J067AC05
3J067BA02
3J067BA53
3J067BA56
3J067DA02
3J067DA52
3J067DB31
3J067EA04
3J067EA21
3J067EA31
3J067FA84
3J067FB78
3J067FB83
3J067GA14
(57)【要約】
【課題】同一の操作具を用いてアクチュエータによる変速と操作具からの荷重伝達による変速とを使い分けることを目的とする。
【解決手段】変速機構は、有段変速機12Mと、有段変速機12Mが有する複数の変速段に対応する複数のポジションに操作される操作具と、複数のポジションのうちの第1ポジションと第2ポジションとの間で操作具が操作される場合に、操作具からの荷重の伝達により有段変速機12Mの変速段を切り替える伝達部80と、操作具のポジションを検知する第1検知部と、複数のポジションのうちの第1ポジションと第3ポジションとの間で操作具が操作される場合に、第1検知部により検知されたポジションに応じて有段変速機12Mの変速段を切り替えるアクチュエータ60と、を備える。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有段変速機と、
前記有段変速機が有する複数の変速段に対応する複数のポジションに操作される操作具と、
複数の前記ポジションのうちの第1ポジションと第2ポジションとの間で前記操作具が操作される場合に、前記操作具からの荷重の伝達により前記有段変速機の変速段を切り替える伝達部と、
前記操作具の前記ポジションを検知する第1検知部と、
複数の前記ポジションのうちの前記第1ポジションと第3ポジションとの間で前記操作具が操作される場合に、前記第1検知部により検知された前記ポジションに応じて前記有段変速機の変速段を切り替えるアクチュエータと、を備えることを特徴とする変速機構。
【請求項2】
前記操作具と前記伝達部とを係合させる係合部を備え、
前記操作具の操作により、前記係合部が係合状態と非係合状態とに切り替えられることを特徴とする請求項1に記載の変速機構。
【請求項3】
前記操作具が前記第3ポジションから第4ポジションに操作されたことを検知する第2検知部と、
前記第2検知部により前記操作具が検知された場合に、変速とは異なる制御を実行する制御部と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の変速機構。
【請求項4】
前記第1ポジション、前記第2ポジション、前記第3ポジションは、それぞれ、植付速、移動速、中立に対応することを特徴とする請求項1に記載の変速機構。
【請求項5】
前記アクチュエータが発生した荷重を前記有段変速機に伝達するロッドを備え、
前記ロッドは、
前記ロッドの長手方向に伸縮する弾性部材と、
互いの軸心を一致させて前記弾性部材の両端に設けられた一対のロッド部材と、
前記弾性部材の伸縮を案内するガイド部材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の変速機構。
【請求項6】
請求項1に記載の変速機構と、
前記変速機構から伝達された駆動力により走行する走行体と、を備えることを特徴とする農作業車両。
【請求項7】
前記第1ポジションに前記操作具が位置する場合に動作し、前記第2ポジションに前記操作具が位置する場合に動作しない作業機を備えることを特徴とする請求項6に記載の農作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速機構及び農作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
農作業車両には、変速機が設けられている。例えば、田植機の変速機の場合、中立、苗を植え付けるときの植付速、主に圃場外での移動に用いられる移動速、後進速の4つの変速段が設けられているが、従来は、操作具に連結されたリンクやワイヤを介してスライドギアをスライドさせて変速する方式が主流であった。ところが、ぬかるんだ圃場などでは大きなトルクがかかるため、スライドギアが抜けにくくなり、操作具の操作に大きな労力を要していた。そこで、従来、変速操作の労力を軽減する技術が検討されている。例えば、特許文献1では、操作具の操作に応じてアクチュエータを作動させてスライドギアをスライドさせることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-202632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、すべての変速段の切り替えをアクチュエータで行うには、アクチュエータのストロークを大きくする必要があるため、装置サイズの肥大化を招くおそれがある。また、植付速と中立と後進速との間の変速は頻繁に行われるが、植付速と移動速との間の変速は頻度が低いため、アクチュエータを用いる必要性が低い。また、植付速と移動速との間では、植付速と中立と後進速との間と比べてスライドギアの移動距離が長くなるため、アクチュエータを用いるよりも、リンクやワイヤを介してスライドギアをスライドさせる方が素早く変速できる。
【0005】
本発明は、上記事情を考慮し、同一の操作具を用いてアクチュエータによる変速と操作具からの荷重伝達による変速とを使い分けることのできる変速機構及び農作業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る変速機構は、有段変速機と、前記有段変速機が有する複数の変速段に対応する複数のポジションに操作される操作具と、複数の前記ポジションのうちの第1ポジションと第2ポジションとの間で前記操作具が操作される場合に、前記操作具からの荷重の伝達により前記有段変速機の変速段を切り替える伝達部と、前記操作具の前記ポジションを検知する第1検知部と、複数の前記ポジションのうちの前記第1ポジションと第3ポジションとの間で前記操作具が操作される場合に、前記第1検知部により検知された前記ポジションに応じて前記有段変速機の変速段を切り替えるアクチュエータと、を備える。
【0007】
前記変速機構は、前記操作具と前記伝達部とを係合させる係合部を備え、前記操作具の操作により、前記係合部が係合状態と非係合状態とに切り替えられてもよい。
【0008】
前記変速機構は、前記操作具が前記第3ポジションから第4ポジションに操作されたことを検知する第2検知部と、前記第2検知部により前記操作具が検知された場合に、変速とは異なる制御を実行する制御部と、を備えていてもよい。
【0009】
前記第1ポジション、前記第2ポジション、前記第3ポジションは、それぞれ、植付速、移動速、中立に対応していてもよい。
【0010】
前記変速機構は、前記アクチュエータが発生した荷重を前記有段変速機に伝達するロッドを備え、前記ロッドは、前記ロッドの長手方向に伸縮する弾性部材と、互いの軸心を一致させて前記弾性部材の両端に設けられた一対のロッド部材と、前記弾性部材の伸縮を案内するガイド部材と、を備えていてもよい。
【0011】
また、本発明に係る農作業車両は、上記のいずれかの変速機構と、前記変速機構から伝達された駆動力により走行する走行体と、を備えていてもよい。
【0012】
前記農作業車両は、前記第1ポジションに前記操作具が位置する場合に動作し、前記第2ポジションに前記操作具が位置する場合に動作しない作業機を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、同一の操作具を用いてアクチュエータによる変速と操作具からの荷重伝達による変速とを使い分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る農作業車両を示す左側面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る農作業車両を示す平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る農作業車両の動力伝達機構20を示す平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る操作具とその周辺部を示す平面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る変速機構を示す斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る変速機構を示す斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係る変速機構を示す斜視図である。
図8】本発明の一実施形態に係る変速機構を示す斜視図である。
図9】本発明の一実施形態に係る変速機構を示す斜視図である。
図10】本発明の一実施形態に係る変速機構を示す斜視図である。
図11】本発明の一実施形態に係る変速機構を示す斜視図である。
図12】本発明の一実施形態に係るボールクラッチを示す断面図である。
図13】本発明の一実施形態に係る有段変速機を示す平面図である。
図14】本発明の一実施形態に係る有段変速機を示す平面図である。
図15】本発明の一実施形態に係る有段変速機を示す平面図である。
図16】本発明の一実施形態に係る有段変速機を示す平面図である。
図17】本発明の一実施形態に係るトランスミッションの伝動機構図である。
図18】本発明の一実施形態に係るボールクラッチを示す断面図である。
図19】本発明の一実施形態に係るボールクラッチを示す断面図である。
図20】本発明の一実施形態に係る第2検知部を示す平面図である。
図21】本発明の一実施形態に係る第2検知部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態に係る農作業車両1について説明する。
【0016】
最初に、農作業車両1の全体の構成について説明する。図1は、農作業車両1を示す左側面図である。図2は、農作業車両1を示す平面図である。図3は、農作業車両1の動力伝達機構20を示す平面図である。各図において、U、Lo、L、R、Fr、Rrは、それぞれ上、下、左、右、前、後を示す。
【0017】
農作業車両1(図1乃至3参照)は、走行体2と、走行体2の後方に設けられた作業機3とを備える。例えば、作業機3は、水稲の苗の植付作業を行う植付装置であり、農作業車両1は、走行体2によって走行しながら作業機3によって苗の植付作業を行う田植機である。なお、作業機3は、野菜や穀物の移植、播種、耕うん等を行う装置であってもよい。
【0018】
走行体2は、車体フレーム10と、車体フレーム10の前部の左右方向中央に設けられた駆動源11及びトランスミッション12と、車体フレーム10の前部に設けられた左右一対の前輪13と、車体フレーム10の後部に設けられた左右一対の後輪14と、を備える。
【0019】
駆動源11は、前輪13と後輪14を駆動する駆動力を発生させる。駆動源11は、例えば、軽油を燃料とする内燃機関であり、ボンネット21で覆われている。トランスミッション12(図3参照)は、駆動源11の後方に設けられ、駆動源11が発生した駆動力を変速する。トランスミッション12の左右には、フロントアクスル19が設けられている。前輪13は、フロントアクスル19に設けられた前車軸19Sに取り付けられ、トランスミッション12から伝達される駆動力によって駆動される。
【0020】
リアアクスル24は、トランスミッション12の後方に設けられ、前後方向を長手方向とするジョイント材23でトランスミッション12と結合されている。後輪駆動軸25は、ジョイント材23に沿って設けられ、トランスミッション12からリアアクスル24へ駆動力を伝達する。後輪14は、リアアクスル24に設けられた後車軸24Sに取り付けられ、後輪駆動軸25を介して伝達される駆動力によって駆動される。なお、後輪14に代えてクローラ(図示省略)が設けられていてもよい。
【0021】
運転席15は、ジョイント材23の上方に設けられている。運転席15の周囲には、操向ハンドル16、操作具40、変速ペダル37、ブレーキペダル(図示省略)等を備えている。前輪13は、操向ハンドル16の操作に連動して走行体2の操向を行う。ステップ17(図2参照)は、作業者の足場となる平面状の部材であり、運転席15の周囲とボンネット21の左右に設けられている。予備苗台18は、ボンネット21の左右に設けられ、作業機3に補充される苗マットが載置される。操作具40は、例えば、変速レバーであり、後述する変速機構4の操作に用いられる。
【0022】
株間変速装置27(図3参照)は、リアアクスル24の上方の左右方向中央よりも右寄りの位置に設けられている。株間変速装置27は、トランスミッション12から駆動軸35Aを介して入力された駆動力を変速し、駆動軸35Bを介して作業機3に出力する。
【0023】
作業機3は、苗マットが載置される苗載台30と、メインフレーム31と、を備える。メインフレーム31は、左右方向を長手方向とする棒状の部材であり、左右方向の中央にセンターケース33を備える。メインフレーム31の後方の左右方向の複数箇所(この例では、4箇所)には、植付伝動ケース34が概ね等間隔に設けられている。植付伝動ケース34には、左右一対の移植機構32が設けられている。
【0024】
センターケース33の入力軸33Aには、自在継手を介して駆動軸35Bが連結されている。センターケース33は、ベベルギアを含むギア列(図示省略)を備えている。センターケース33の出力軸33Bは、メインフレーム31に沿って設けられ、各植付伝動ケース34に接続されている。駆動力は、駆動軸35B、センターケース33、植付伝動ケース34を介して移植機構32に伝達される。作業機3は、苗載台30を左右方向に移動させるように横送り駆動する横送り駆動部(図示省略)を備えている。苗載台30が左右に往復するのと並行して移植機構32が苗載台30から苗を取り出して圃場に植え付ける。
【0025】
作業機3には、昇降装置22が設けられている。昇降装置22は、柱状フレーム10Pと、平行な上下一対のリンク部材22Lと、油圧シリンダ22Cと、を備える。車体フレーム10は、リアアクスル24から上方に設けられた柱状フレーム10Pによって支持されている。柱状フレーム10Pと苗載台30とは、一対のリンク部材22Lで連結されている。柱状フレーム10Pと苗載台30と一対のリンク部材22Lとの節点は、平行四辺形の4つの頂点を形成する。油圧シリンダ22Cは、ジョイント材23と下側のリンク部材22Lとに連結されている。油圧シリンダ22Cの伸縮により、柱状フレーム10P側の節点を支点として一対のリンク部材22Lが揺動することで、苗載台30が昇降する。
【0026】
次に、変速機構4について説明する。図4は、操作具40とその周辺部を示す平面図である。図5乃至11は、変速機構4を示す斜視図である。図12、18、19は、ボールクラッチ55を示す断面図である。図13乃至16は、有段変速機12Mを示す平面図である。図17は、トランスミッション12の伝動機構図である。図13、14、15、16は、それぞれ有段変速機12Mの変速段が、移動速、植付速、中立、後進速である状態を示している。
【0027】
本実施形態に係る変速機構4は、有段変速機12Mと、有段変速機12Mが有する複数の変速段に対応する複数のポジションに操作される操作具40と、複数のポジションのうちの第1ポジションF1と第2ポジションF2との間で操作具40が操作される場合に、操作具40からの荷重の伝達により有段変速機12Mの変速段を切り替える伝達部80と、操作具40のポジションを検知する第1検知部471と、複数のポジションのうちの第1ポジションF1と第3ポジションNとの間で操作具40が操作される場合に、第1検知部471により検知されたポジションに応じて有段変速機12Mの変速段を切り替えるアクチュエータ60と、を備える。具体的には、以下のとおりである。
【0028】
<有段変速機>
有段変速機12M(図13乃至17参照)は、入力軸50、入力側フォーク軸61、出力軸70、出力側フォーク軸81を備える。出力側フォーク軸81は、伝達部80の一部を構成する。入力軸50、入力側フォーク軸61、出力軸70、出力側フォーク軸81は、互いに平行に、且つ、左右方向を軸方向として配置され、トランスミッション12の筐体に設けられた軸受によって支持されている(図示省略)
【0029】
<入力軸>
入力軸50は、植付速ギア51、移動速ギア52、後進速ギア53、ボールクラッチ55を備える。入力軸50には、駆動源11が発生した駆動力がHST12H(静油圧式無段変速機)と遊星歯車機構12Pと主クラッチ12Cとを介して伝達される(図17参照)。入力軸50には、円筒状の結合部材51Jが外嵌されている。植付速ギア51と移動速ギア52は、結合部材51Jに外嵌されて一体化されている。
【0030】
ボールクラッチ55(図12参照)は、シフタ55S、ボール55B、ボール係合部材55Eを備える。ボール係合部材55Eは、入力軸50の外周面に設けられた環状の部材である。ボール係合部材55Eの外周面には、ボール55Bが収容される複数の凹部を周方向に並べた凹部列55Uが左右2箇所に設けられている。なお、図12では、右の凹部列55Uに含まれる1つの凹部のみが図示されている。左右の凹部列55Uは周方向の位置が異なっているため、左の凹部列55Uは図示されていない。
【0031】
結合部材51Jの左端部には、入力軸50を包囲するスリーブ51Sが結合されている。スリーブ51Sには、右側の凹部列55Uに対応する複数の貫通孔51Hが設けられている。後進速ギア53の右端部には、入力軸50を包囲するスリーブ53Sが結合されている。スリーブ53Sには、左側の凹部列55Uに対応する複数の貫通孔53Hが設けられている。
【0032】
シフタ55Sの右端部は、スリーブ51Sの外周面に接している。シフタ55Sの左端部は、スリーブ53Sの外周面に接している。シフタ55Sの左右方向の中央には、環状の空洞55Vが設けられている。シフタ55Sは、左右にスライド可能である。
【0033】
図12、15は、シフタ55Sが中央に位置する場合を示している。この場合、左右の凹部列55Uからシフタ55Sの空洞55Vにボール55Bが放出されるため、植付速ギア51も後進速ギア53も入力軸50に接続されない。
【0034】
シフタ55Sが左方にスライドすると(図13、14、18参照)、シフタ55Sの右端部によって右側の凹部列55Uにボール55Bが押し込まれて、植付速ギア51が入力軸50に接続される。このとき、左側の凹部列55Uからは遠心力によってボール55Bがシフタ55Sの空洞55Vに放出されるため、後進速ギア53は入力軸50に接続されない。
【0035】
シフタ55Sが右方にスライドすると(図16、19参照)、シフタ55Sの左端部によって左側の凹部列55Uにボール55Bが押し込まれて、後進速ギア53が入力軸50に接続される。このとき、右側の凹部列55Uからは遠心力によってボール55Bがシフタ55Sの空洞55Vに放出されるため、植付速ギア51は入力軸50に接続されない。
【0036】
<入力側フォーク軸>
入力側フォーク軸61(図13乃至16参照)は、フォーク62、ピボット63、ロッド64を備え、左右方向にスライド可能である。フォーク62は、シフタ55Sに結合されている。ロッド64は、入力側フォーク軸61の右端部側の後方に前後方向を軸方向として配置されている。ピボット63は、支点63Sと、ロッド64側に突出したアーム63Aと、入力側フォーク軸61側に突出したアーム63Bと、を備え、図15において支点63Sを中心として時計回り方向及び反時計回り方向に揺動可能である。入力側フォーク軸61の右端部側には、溝が設けられている。アーム63Bの先端部が溝に収容されている。アーム63Aの先端部は、ロッド64の前端部に揺動可能に結合されている。ロッド64の後端部は、アクチュエータ60に接続されている。
【0037】
アクチュエータ60がロッド64を前方にスライドさせると(図16参照)、ピボット63が時計回り方向に揺動し、入力側フォーク軸61がシフタ55Sとともに右方にスライドする。アクチュエータ60がロッド64を後方にスライドさせると(図13、14参照)、ピボット63が反時計回り方向に揺動し、入力側フォーク軸61がシフタ55Sとともに左方にスライドする。
【0038】
ロッド64(図13乃至16参照)は、弾性部材64Eと、互いの軸心を一致させて弾性部材64Eの両端に設けられた一対のロッド部材64Rと、弾性部材64Eの伸縮を案内するガイド部材64Gと、を備える。弾性部材64Eは、例えば、コイルばねである。ロッド部材64Rは、例えば、ターンバックルであり、長さが調節可能である。ガイド部材64Gは、例えば、弾性部材64Eと、弾性部材64Eとロッド部材64Rとの接続部と、を包囲する筒状の部材である。ロッド部材64Rは、ガイド部材64Gの内面に沿ってスライド可能である。
【0039】
前述のボールクラッチ55は、ボール55Bが空洞55V側に位置する場合に、周方向におけるボール55Bの位置と、凹部列55Uの位置とが一致しているとは限らないため、シフタ55Sのスライド開始からボール55Bが凹部列55Uに収容されるまでにある程度の時間を要する。そのため、ロッド64が伸縮不能な構造の場合、ボール55Bが収容されるまで変速が入らないという問題がある。本実施形態では、ロッド64を押し込んだ場合には、ボール55Bが凹部列55Uに収容されるまでの間、圧縮された弾性部材64Eによってピボット63を押す方向の荷重が作用し続ける。一方、ロッド64を引き込んだ場合には、ボール55Bが凹部列55Uに収容されるまでの間、伸張された弾性部材64Eによってピボット63を引く方向の荷重が作用し続ける。このように、変速時に弾性部材64Eが弾性エネルギーを保持することでシフタ55Sに荷重が作用し続けるため、凹部列55Uとボール55Bとの位相が一致したときにボール55Bが凹部列55Uに押し込まれて変速が実行される。
【0040】
<出力軸>
出力軸70は、スライドギア71と、ブレーキ72と、を備える。スライドギア71は、植付速ギア711と移動速ギア712とを含む。スライドギア71は、出力軸70にスプライン(図示省略)で結合され、左右方向にスライド可能である。
【0041】
<出力側フォーク軸、伝達部>
出力側フォーク軸81は、フォーク82、ピボット83、ロッド84を備え、左右方向にスライド可能である。フォーク82は、スライドギア71に結合されている。ロッド84は、出力側フォーク軸81の左端部側の後方に前後方向を軸方向として配置されている。ピボット83は、支点83Sと、ロッド84側に突出したアーム83Aと、出力側フォーク軸81側に突出したアーム83Bと、を備え、図15において支点83Sを中心として時計回り方向及び反時計回り方向に揺動可能である。出力側フォーク軸81の左端部側には、溝(図示省略)が設けられている。アーム83Bの先端部が溝に収容されている。アーム83Aの先端部は、前後方向に沿って配置されたロッド84の後端部に、揺動可能に結合されている。ロッド84の前端部は、後述する副変速アーム42にロッドやワイヤ等を介して接続されている(図示省略)。
【0042】
ロッド84を前方にスライドさせると(図13参照)、ピボット83が時計回り方向に揺動し、出力側フォーク軸81がスライドギア71とともに右方にスライドする。ロッド84を後方にスライドさせると(図14乃至16参照)、ピボット83が反時計回り方向に揺動し、出力側フォーク軸81がスライドギア71とともに左方にスライドする。
【0043】
<操作具>
操作具40(図4乃至11参照)は、有段変速機12Mが有する複数の変速段に対応する複数のポジションに操作される変速レバーである。運転席15の前方に設けられたダッシュボード46には、操作具40のポジション移動を案内するスリット46Sが設けられている。スリット46Sの形状は図示されたものと異なっていてもよい。
【0044】
第1ポジションF1は、植付速に対応し、作業機3を用いて苗を圃場に植え付ける場合に用いられる。第2ポジションF2は、移動速に対応し、主に圃場外での移動に用いられる。第3ポジションNは、中立に対応し、入力軸50から出力軸70に駆動力が伝達されない。第4ポジションSは、中立の状態のまま、特定の制御(例えば、苗つぎ)を可能とする。第5ポジションRは、後進速に対応する。
【0045】
図10は、有段変速機12Mの変速段が中立の状態を示している。第1支点411は、左右方向を軸方向として配置され、車体フレーム10側に固定されている。操作具40は、上下方向を長手方向とする棒状の部材である。操作具40は、下端部が第1支点411に支持され、第1支点411を中心として前後方向に揺動可能である。操作具40の上端部は、球状に形成され、オペレータに把持される。操作具40の第1支点411よりも上方には、第1支点411と交差する方向を軸方向とする第2支点412が設けられている。操作具40は、第2支点412を中心として左右方向に揺動可能である。
【0046】
ディテントアーム43は、第1支点411に揺動可能に支持され、操作具40とともに揺動する。ディテントアーム43の前端部には、U字状の板ばね45が設けられている。板ばね45の前部は固定端であり、ディテントアーム43に取り付けられている。板ばね45の後部は自由端であり、左右方向を軸方向とするピン45Pが設けられている。
【0047】
ディテントプレート44は、車体フレーム10側に固定され、板ばね45の後部に対向している。ディテントプレート44は、第1支点411を中心とする円弧状に形成されている。ディテントプレート44の前縁部には、下から順に第1溝441、第2溝442、第3溝443が設けられている。第1溝441は、第1ポジションF1に対応する。第2溝442は、第3ポジションNに対応する。第3溝443は、第5ポジションRに対応する。第1溝441、第2溝442、第3溝443にピン45Pが嵌合することで、操作具40の操作にクリック感が与えられる。
【0048】
副変速アーム42は、第1支点411に支持されているが、操作具40とは別個に揺動可能である。副変速アーム42は、ロッドやワイヤ等を介してロッド84に接続されている。副変速アーム42の先端部には、アーム係合部42Aが設けられている。アーム係合部42Aは、例えば、左方に突出した突起である。一方、操作具40には、アーム係合部42Aに対応する位置に、操作具係合部40Aが設けられている。操作具係合部40Aは、アーム係合部42Aが進入可能な孔である。
【0049】
アーム係合部42Aと操作具係合部40Aとが左右方向に対向している場合に(図7参照)、第2支点412を中心として操作具40を右方に揺動させることで、アーム係合部42Aと操作具係合部40Aとが係合し(図6参照)、副変速アーム42が操作具40とともに揺動可能となる。アーム係合部42Aと操作具係合部40Aとが左右方向に対向していない場合には、アーム係合部42Aと操作具係合部40Aとが係合することができないため、副変速アーム42が操作具40とともに揺動することができない。
【0050】
要するに、副変速アーム42、ロッド84、ピボット83、フォーク82、出力側フォーク軸81は、伝達部80を構成する。伝達部80は、複数のポジションのうちの第1ポジションF1と第2ポジションF2との間で操作具40が操作される場合に、操作具40からの荷重の伝達により有段変速機12Mの変速段を切り替える。
【0051】
<第1検知部>
第1検知部471は、操作具40のポジションを検知するポジションスイッチである。操作具40には、下方に突出した検知レバー40Bが設けられている。第1検知部471は、検知レバー40Bを挟み込み、検知レバー40Bの姿勢から操作具40のポジションを検知する。
【0052】
<第2検知部>
第2検知部472は、ダッシュボード46の内側に設けられている(図4参照)。第2検知部472は、操作具40が第3ポジションNから第4ポジションSに移動したことを検知する。図20、21は、第2検知部472を示す平面図である。第2検知部472は、例えば、回路(図示省略)を備えた本体部472Mと、レバー472Lと、アクチュエータ472Aと、を備えたマイクロスイッチであり、レバー472Lを介してアクチュエータ472Aが押し込まれた場合に回路に通電する。第2検知部472は、第4ポジションSの右方に設けられている。操作具40が第3ポジションNに位置する場合(図20参照)、操作具40はレバー472Lに接触しないため、アクチュエータ472Aは押し込まれず、回路には通電しない。操作具40が第4ポジションSに移動すると(図21参照)、操作具40がレバー472Lを右方に押圧するため、アクチュエータ472Aが押し込まれて回路に通電することで、操作具40が第4ポジションSに移動したことが検知される。
【0053】
次に、変速機構4の動作を説明する。ここでは、変速段が中立である状態(図10、15参照)を初期状態として説明する。操作具40は、第3ポジションNに位置している。ディテントアーム43の板ばね45に設けられたピン45Pは、ディテントプレート44の第2溝442に嵌合している。第1検知部471は、操作具40が第3ポジションNに位置することを検知している。ボールクラッチ55のシフタ55Sは中央に位置しているため、植付速ギア51も後進速ギア53も入力軸50に接続されていない。
【0054】
次に、操作具40が第1ポジションF1に操作されると(図8参照)、ピン45Pは第1溝441に移動し、第1検知部471は、操作具40が第1ポジションF1に位置することを検知する。すると、アクチュエータ60がロッド64を引き込み(図14参照)、入力側フォーク軸61がシフタ55Sとともに左方にスライドする。シフタ55Sが左方にスライドすることで、植付速ギア51が入力軸50に接続され、出力軸70の植付速ギア711に駆動力が伝達されるため、農作業車両1が植付速で前進する。
【0055】
次に、第1ポジションF1から操作具40がさらに前方に操作されると(図7参照)、アーム係合部42Aと操作具係合部40Aとが左右方向に対向する。
【0056】
次に、第2支点412を中心として操作具40が左方に操作されると(図6参照)、アーム係合部42Aと操作具係合部40Aとが係合する。
【0057】
次に、操作具40が第2ポジションF2に操作されると(図5参照)、ピン45Pは第1溝441から外れて下方に移動し、第1検知部471は、操作具40が第2ポジションF2に位置することを検知する。このとき、副変速アーム42が前方に揺動することで、ロッド84が前方にスライドし(図13参照)、ピボット83が時計回り方向に揺動することで、出力側フォーク軸81がスライドギア71とともに右方にスライドする。すると、植付速ギア711が植付速ギア51から外れ、移動速ギア712が移動速ギア52に接続されるため、農作業車両1が移動速で前進する。
【0058】
一方、操作具40が第3ポジションN(中立)から第4ポジションSに操作された場合(図9参照)、操作具40が第4ポジションSに位置することを第2検知部472が検知する。すると、制御部5(図4参照)は、変速とは異なる制御、例えば、苗つぎのための制御を実行する。この場合、変速段は中立のままで、例えば、作業機3を所定速度で作動させるといった制御が実行される。
【0059】
他方、操作具40が第3ポジションNから第5ポジションRに操作された場合(図11参照)、ピン45Pは、第2溝442から第3溝443に移動し、第1検知部471は、操作具40が第5ポジションRに位置することを検知する。すると、アクチュエータ60がロッド64を押し出し(図16参照)、入力側フォーク軸61がシフタ55Sとともに右方にスライドする。シフタ55Sが右方にスライドすることで、後進速ギア53が入力軸50に接続され、リバースギア(図示省略)を介して出力軸70に駆動力が伝達されるため、農作業車両1が後進速で後進する。
【0060】
以上説明した本実施形態に係る変速機構4によれば、有段変速機12Mと、有段変速機12Mが有する複数の変速段に対応する複数のポジションに操作される操作具40と、複数のポジションのうちの第1ポジションF1と第2ポジションF2との間で操作具40が操作される場合に、操作具40からの荷重の伝達により有段変速機12Mの変速段を切り替える伝達部80と、操作具40のポジションを検知する第1検知部471と、複数のポジションのうちの第1ポジションF1と第3ポジションNとの間で操作具40が操作される場合に、第1検知部471により検知されたポジションに応じて有段変速機12Mの変速段を切り替えるアクチュエータ60と、を備える。
【0061】
この構成によれば、同一の操作具40を用いてアクチュエータ60による変速と操作具40からの荷重伝達による変速とを使い分けることができる。例えば、使用頻度が高く、且つ、大トルクがかかる変速段間(第1ポジションF1と第3ポジションNとの間)の変速にはアクチュエータ60を用い、使用頻度の低い変速段間(第1ポジションF1と第2ポジションF2との間)の変速には操作具40からの荷重を用いることができるから、変速操作の労力を軽減することができ、且つ、装置サイズの肥大化を防ぐことができる。
【0062】
また、本実施形態に係る変速機構4によれば、操作具40と伝達部80とを係合させるアーム係合部42A及び操作具係合部40A(係合部の一例)を備え、操作具40の操作により、係合部が係合状態と非係合状態とに切り替えられる。この構成によれば、操作具40の操作により、伝達部80とアクチュエータ60とのいずれかを選択することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る変速機構4によれば、操作具40が第3ポジションNから第4ポジションSに操作されたことを検知する第2検知部472と、第2検知部472により操作具40が検知された場合に、変速とは異なる制御を実行する制御部5と、を備える。この構成によれば、操作具40の操作により、変速とは異なる制御を実行させることができる。
【0064】
また、本実施形態に係る変速機構4によれば、第1ポジションF1、第2ポジションF2、第3ポジションNは、それぞれ、植付速、移動速、中立に対応する。この構成によれば、変速段の使用頻度に応じて伝達部80とアクチュエータ60とを使い分けることができる。
【0065】
また、本実施形態に係る変速機構4によれば、アクチュエータ60が発生した荷重を有段変速機12Mに伝達するロッド64を備え、ロッド64は、ロッド64の長手方向に伸縮する弾性部材64Eと、互いの軸心を一致させて弾性部材64Eの両端に設けられた一対のロッド部材64Rと、弾性部材64Eの伸縮を案内するガイド部材64Gと、を備える。この構成によれば、変速が完了するまでの間、弾性部材64Eが保持した弾性エネルギーを用いて有段変速機12Mに荷重を作用させ続けることができる。そのため、ボールクラッチ55のように、アクチュエータ60の動作に対して変速が遅延する変速装置を用いた場合に、アクチュエータ60の負荷を軽減することができる。
【0066】
また、本実施形態に係る農作業車両1によれば、上記のいずれかの変速機構4と、変速機構4から伝達された駆動力により走行する走行体2と、を備える。この構成によれば、同一の操作具40を用いてアクチュエータ60による変速と操作具40からの荷重伝達による変速とを使い分けながら、農作業車両1を走行させることができる。
【0067】
また、本実施形態に係る農作業車両1によれば、第1ポジションF1に操作具40が位置する場合に動作し、第2ポジションF2に操作具40が位置する場合に動作しない作業機3を備える。この構成によれば、操作具40の操作に連動して作業機3の動作の有無を切り替えることができる。
【0068】
<付記>
本発明は、以下のように特定することができる。
【0069】
<付記1>
有段変速機と、
前記有段変速機が有する複数の変速段に対応する複数のポジションに操作される操作具と、
複数の前記ポジションのうちの第1ポジションと第2ポジションとの間で前記操作具が操作される場合に、前記操作具からの荷重の伝達により前記有段変速機の変速段を切り替える伝達部と、
前記操作具の前記ポジションを検知する第1検知部と、
複数の前記ポジションのうちの前記第1ポジションと第3ポジションとの間で前記操作具が操作される場合に、前記第1検知部により検知された前記ポジションに応じて前記有段変速機の変速段を切り替えるアクチュエータと、を備えることを特徴とする変速機構。
【0070】
<付記2>
前記操作具と前記伝達部とを係合させる係合部を備え、
前記操作具の操作により、前記係合部が係合状態と非係合状態とに切り替えられることを特徴とする請求項1に記載の変速機構。
【0071】
<付記3>
前記操作具が前記第3ポジションから第4ポジションに操作されたことを検知する第2検知部と、
前記第2検知部により前記操作具が検知された場合に、変速とは異なる制御を実行する制御部と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の変速機構。
【0072】
<付記4>
前記第1ポジション、前記第2ポジション、前記第3ポジションは、それぞれ、植付速、移動速、中立に対応することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の変速機構。
【0073】
<付記5>
前記アクチュエータが発生した荷重を前記有段変速機に伝達するロッドを備え、
前記ロッドは、
前記ロッドの長手方向に伸縮する弾性部材と、
互いの軸心を一致させて前記弾性部材の両端に設けられた一対のロッド部材と、
前記弾性部材の伸縮を案内するガイド部材と、を備えることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1つに記載の変速機構。
【0074】
<付記5>
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の変速機構と、
前記変速機構から伝達された駆動力により走行する走行体と、を備えることを特徴とする農作業車両。
【0075】
<付記6>
前記第1ポジションに前記操作具が位置する場合に動作し、前記第2ポジションに前記操作具が位置する場合に動作しない作業機を備えることを特徴とする請求項5に記載の農作業車両。
【符号の説明】
【0076】
1 農作業車両
2 走行体
3 作業機
4 変速機構
5 制御部
12M 有段変速機
40 操作具
40A 操作具係合部(係合部)
42A アーム係合部(係合部)
64 ロッド
64E 弾性部材
64R ロッド部材
64G ガイド部材
471 第1検知部
472 第2検知部
60 アクチュエータ
80 伝達部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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