(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106745
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20240801BHJP
【FI】
G06Q10/0631
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011167
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】517157927
【氏名又は名称】株式会社SmartHR
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】重松 裕三
(72)【発明者】
【氏名】疋田 駿
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA08
5L049AA08
(57)【要約】
【課題】所定組織の人材配置を適切に判定するシミュレーションを可能にする。
【解決手段】情報処理方法は、情報処理装置が、所定組織の人材配置に関する第1ユーザの人材情報の変更を受け付けること、第1ユーザの人材情報と、所定組織内の各ユーザの人材情報及び/又は所定組織に関する組織情報とに基づいて、所定組織の人材配置への警告に関する所定条件を満たすか否かを判定すること、所定条件の判定結果に応じて警告を行うこと、を実行する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、
所定組織の人材配置に関する第1ユーザの人材情報の変更を受け付けること、
前記第1ユーザの人材情報と、前記所定組織内の各ユーザの人材情報及び/又は前記所定組織に関する組織情報とに基づいて、前記所定組織の人材配置への警告に関する所定条件を満たすか否かを判定すること、
前記所定条件の判定結果に応じて前記警告を行うこと、
を実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記判定することは、
前記第1ユーザの人材情報と前記所定組織内の各ユーザの人材情報とが、前記所定条件に含まれる第1条件を満たすか否かを判定すること、
前記第1条件が満たされない場合に、前記第1ユーザの人材情報と前記組織情報とが、前記所定条件に含まれる第2条件を満たすか否かを判定すること、
を含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記所定条件は、人材配置に関する人間関係の登録情報を含み、
前記判定することは、
前記第1ユーザの人材情報と前記所定組織内の各ユーザの人材情報とが前記登録情報に含まれる場合、前記所定条件を満たすと判定することを含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記登録情報は、過去の出来事又はハラスメントにより登録された当事者情報を含む、請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記所定条件は、前記所定組織の希望編成情報を含み、
前記判定することは、
前記第1ユーザが前記所定組織に属することにより、前記希望編成情報に含まれる指標を満たすか否かを判定することを含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記希望編成情報は、資格情報、人員構成情報、工数情報、及び予算情報の少なくとも1つを含む、請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記警告は、前記第1ユーザを前記所定組織に属させるかの確認を含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項8】
各ユーザの人材情報に含まれる、評価情報、組織に関する調査結果情報、及び前記所定組織の滞留期間情報の少なくとも1つに基づいて、異動に関する提案処理を行う、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項9】
情報処理装置に、
所定組織の人材配置に関する第1ユーザの人材情報の変更を受け付けること、
前記第1ユーザの人材情報と、前記所定組織内の各ユーザの人材情報及び/又は前記所定組織に関する組織情報とに基づいて、前記所定組織の人材配置への警告に関する所定条件を満たすか否かを判定すること、
前記所定条件の判定結果に応じて前記警告を行うこと、
を実行させるプログラム。
【請求項10】
プロセッサを含む情報処理装置であって、
前記プロセッサが、
所定組織の人材配置に関する第1ユーザの人材情報の変更を受け付けること、
前記第1ユーザの人材情報と、前記所定組織内の各ユーザの人材情報及び/又は前記所定組織に関する組織情報とに基づいて、前記所定組織の人材配置への警告に関する所定条件を満たすか否かを判定すること、
前記所定条件の判定結果に応じて前記警告を行うこと、
を実行する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の技術は、情報処理方法、プログラム、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人事異動に関するシミュレーションを行うシステムが知られている。例えば、複数の階層にわたるポストに求められる属性に基づいて人材の候補を抽出する技術(例えば特許文献1参照)や、各従業員の相性を占いによって分析する技術(例えば特許文献2参照)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-188107号公報
【特許文献2】特許第6502564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、人材配置に関するシミュレーションを行っても、組織の人員構成の適否を判定するものではなく、シミュレーションの結果、その組織が、ユーザが所望するものとなっているか否かが分からなかった。
【0005】
そこで、開示技術は、所定組織の人材配置を適切に判定するシミュレーションを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の一態様における情報処理方法は、情報処理装置が、所定組織の人材配置に関する第1ユーザの人材情報の変更を受け付けること、前記第1ユーザの人材情報と、前記所定組織内の各ユーザの人材情報及び/又は前記所定組織に関する組織情報とに基づいて、前記所定組織の人材配置への警告に関する所定条件を満たすか否かを判定すること、前記所定条件の判定結果に応じて前記警告を行うこと、を実行する。
【発明の効果】
【0007】
開示技術によれば、所定組織の人材配置を適切に判定するシミュレーションを可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】一実施形態に係るサーバの一例を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係る人材情報の一例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る組織情報の一例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係る処理装置の一例を示す図である。
【
図6】一実施形態に係る人材配置への警告に関する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】一実施形態に係る警告に関する判定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】一実施形態に係る提案に関する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】一実施形態に係る組織編成画面の一例を示す図である。
【
図10】一実施形態に係る人材配置画面の一例を示す図である。
【
図11】一実施形態に係る警告画面の一例を示す図である。
【
図12】一実施形態に係る提案画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本開示の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0010】
[実施形態]
<システム構成>
図1は、開示の一実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示す図である。
図1に示すとおり、情報処理システム1は、サーバ10と、1又は複数のユーザの処理装置20A、20B、20Cを含む。以下、各処理装置が区別されない場合は、処理装置20と表記する。例えば、実施形態に係る情報処理システム1は、人材情報や組織情報を基に、人材の配置をシミュレーションするシステムを構成する。
【0011】
サーバ10と、処理装置20とは、ネットワークNを介して相互にデータの送受信が可能である。サーバ10は複数の処理装置により構成されてもよく、処理装置20は任意の数でもよい。例えば、処理装置20は、本件サービスの提供を受ける組織(例、企業)に属する各ユーザが、業務において使用する情報処理装置である。
【0012】
情報処理システム1は、組織に属するユーザの人材情報や、組織の希望編成を表す希望編成情報などに基づき、人材の配置を適切にシミュレーションする。例えば、情報処理システム1のシミュレーションにより、所定組織に対してミスマッチな人材配置を行うとアラートをユーザに報知し、人材配置が不適切であることをユーザに把握させることが可能になる。
【0013】
従来の人材配置シミュレーションでは、空きポストに適切な人材を抽出したり、組織内のユーザ同士の相性を分析したりするが、例えば新たに配置予定のユーザが、その組織に適しているか、組織内のユーザとの相性等を分析して報知するものではない。そこで、開示技術の情報処理システム1では、所定組織に適すると思われる人材を自由に選択して配置し、所定組織の希望編成や組織内のユーザとの間で問題がないかを分析することを可能とする。以下、上述の情報処理システム1に備えられるサーバ10と処理装置20とについて説明する。
【0014】
サーバ10は、本開示システムを構成する情報処理装置であり、各種データを管理し、人事系の業務フローを支援する。例えば、サーバ10は、組織に所属する又は所属予定の各ユーザの人材情報、各組織(部署、プロジェクトなど)の組織情報などを管理する。また、サーバ10は、新たな組織が編成される又は既存組織が再編成される際、あるいは組織内の人員構成に変更が生じる際などに、人材配置のシミュレーションを実行する。
【0015】
処理装置20は、サーバ10から提供される人材配置シミュレーションを実行し、ユーザインタフェースを利用して、人材の配置を自由に試し、問題がある場合には警告をユーザに報知する。例えば、処理装置20は、ウェブブラウザを用いて、サーバ10が提供するウェブサイト(又はウェブページ)又はクラウド上のシステムにアクセスし、提供される人材配置シミュレーションに関するサービスを受けてもよい。
【0016】
また、処理装置20には、サーバ10が提供する本件サービスを利用するためのアプリケーションプログラム(アプリ)がインストールされてもよい。このアプリは、サーバ10が提供するサービスにおいて、以下に示す実施形態において開示された人材配置シミュレーションに関する処理の少なくとも一部を処理装置20に実行させる。このアプリが実行されることにより、処理装置20はサーバ10にアクセスして、アプリの実行に用いる情報を送受信する。以下、人材配置シミュレーションに関するサービスを実行可能にする情報処理システム1の各構成等について詳細に説明する。
【0017】
<サーバの構成>
図2は、開示の一実施形態に係るサーバ10の一例を示すブロック図である。サーバ10は、1つ又は複数のプロセッサ(例えばCPU)110、1つ又は複数のネットワーク通信インタフェース120、記憶装置(記憶部)130、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス170を含む。
【0018】
サーバ10は、場合によりユーザインタフェース150を含んでもよい。ユーザインタフェース150は、ディスプレイ、及び入力装置(キーボード及び/又はマウス、又は他の何らかのポインティングデバイス等)を含む。
【0019】
記憶装置130は、例えば、DRAM、SRAM、他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリ(主記憶装置)である。また、記憶装置130は、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリ(補助記憶装置)でもよい。また、記憶装置130は、プログラム等を記憶した、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記録媒体でもよい。また、記憶装置130は、主記憶装置(メモリ)又は補助記憶装置(ストレージ)のいずれかでもよく、あるいは両方を備えてもよい。
【0020】
記憶装置130は、情報処理システム1により用いられるデータ、プログラム等を記憶する。例えば、記憶装置130は、組織に所属するユーザの人材情報、組織に関する組織情報などを記憶する。記憶装置130は、他のデータベースと連携し、人材情報の一部(例、評価など)やエンゲージメントやモチベーションなどに関する調査情報を取得して記憶してもよい。なお、人材情報及び組織情報については、
図3及び
図4を用いて後述される。
【0021】
また、記憶装置130の他の例として、プロセッサ110から遠隔に設置される1つ又は複数の記憶装置でもよい。ある実施形態において、記憶装置130はプロセッサ110により実行されるプログラム、モジュール及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納する。
【0022】
プロセッサ110は、記憶装置130に記憶されるプログラムを実行することで、例えば、このプログラムに含まれる各命令を実行することで、人材配置シミュレーションに関するサービス制御部111を構成する。
【0023】
サービス制御部111は、実施形態に開示されるサービスを制御する。例えば、サービス制御部111は、各処理装置20からの人材配置に関する変更情報を取得したり、人材配置に関する条件を判定したり、判定結果に基づく報知処理をしたりする。また、サービス制御部111は、実施形態に開示されるサービスを制御するために、受付部112、判定部113、報知部114、提案部115を有する。
【0024】
例えば、サービス制御部111は、処理装置20からのリクエストにより、人材配置プロジェクトを生成し、人材配置プロジェクトの処理の中で、人材配置に関するシミュレーションを実行してもよい。以下、サービス制御部111が提供可能な処理について説明する。
【0025】
受付部112は、所定組織の人材配置に関する第1ユーザの人材情報の変更を受け付ける。例えば、受付部112は、配置検討時において、各処理装置20からの人材配置に関する変更情報を受け付ける。変更情報は、配置変更予定の第1ユーザを示す情報と、変更先の組織を示す情報を含む、例えば、変更情報は、第1ユーザのユーザ識別情報と、配置予定の所定組織の組織識別情報とを少なくとも含む。
【0026】
また、所定組織内に、異動するユーザ、退職するユーザ、休職するユーザ等がいる場合、受付部112は、ユーザの人材情報の変更又は更新時において、これらのユーザの人材情報の変更情報を受け付けてもよい。例えば、受付部112は、所定組織からいなくなる第1ユーザの人材情報の変更情報を受け付ける。
【0027】
判定部113は、第1ユーザの人材情報と、所定組織内の各ユーザの人材情報及び/又は所定組織に関する組織情報とに基づいて、所定組織の人材配置への警告に関する所定条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部113は、変更情報に含まれるユーザ識別情報から第1ユーザを特定し、第1ユーザの人材情報を記憶装置30から取得する。
【0028】
また、判定部113は、変更情報に含まれる組織識別情報から変更先の所定組織を特定し、この組織に関する組織情報と所属する各ユーザの人材情報とを記憶装置30から取得する。なお、判定部113は、所定組織から第1ユーザがいなくなる場合は、第1ユーザの人材情報から特定される所定組織に関する組織情報だけを取得してもよい。
【0029】
次に、判定部113は、取得した第1ユーザの人材情報と、取得した組織情報及び/又は所定組織に属する各ユーザの人材情報とに基づいて、第1ユーザの所定組織への配置変更の適否を規定する所定条件を判定する。所定条件は、例えば、第1ユーザが所定組織に属するとミスマッチとなる条件が設定され、具体的には、所定組織の編成内容に合致するか、ユーザ間の人間関係が良好かなどに基づく条件が設定される。
【0030】
報知部114は、判定部113の判定結果に応じて警告を行う。例えば、報知部114は、判定部113により警告に関する所定条件を満たすと判定された場合に、配置変更が不適切であることを示す警告を行う。具体例として、報知部114は、第1ユーザを所定組織に配置変更することは不適切であることを記載する警告情報を、ネットワーク通信インタフェース120を介して、人材配置に関する変更情報を送信した処理装置20に送信する。
【0031】
また、報知部114は、所定組織内の人材が所属しなくなることで警告に関する所定条件を満たす場合は、所定組織の責任者等が利用する処理装置に、所定組織の現在の人材配置が不適切であることを記載する警告情報を送信する。
【0032】
以上の処理により、人材配置に関し、所定組織の人材配置を適切に判定するシミュレーションを可能にすることができる。例えば、人材配置の変更の度にシミュレーションにより人材配置の適否を判定することが可能になる。
【0033】
人材配置のシミュレーションを適切に支援することにより、人材を効果的に活用して事業を成長させることができ、組織が適切に業務を行うことで生産性を向上させ、又は組織環境に合致する従業員を適切に配置することでモチベーションを向上させることを図ることができる。
【0034】
また、判定部113は、第1ユーザの人材情報と所定組織内の各ユーザの人材情報とが、所定条件に含まれる第1条件を満たすか否かを判定すること、を含み、さらに、第1条件が満たされない場合に、第1ユーザの人材情報と組織情報とが、所定条件に含まれる第2条件を満たすか否かを判定することを含んでもよい。すなわち、判定部113は、多段階の判定を行って、配置変更予定のユーザに対する適否を判定してもよい。
【0035】
例えば、判定部113は、配置予定の第1ユーザの人材情報と所定組織内の各ユーザとの人材情報とにより、所定事情により同組織にすることができないユーザの組み合わせがある場合には、第一段階の判定で配置変更を不可としてもよい。
【0036】
また、判定部113は、第一段階の判定で許可されても、組織情報(例えば、性別構成比、平均年齢、保有資格等)との関係で第1ユーザの配置変更が不適切であるかを判定する。第二段階の判定では、判定部113は、不適切と判定された配置変更を必ずしも不可とするものではなく、システム利用者(例、組織編成者)の希望により、不適切と判定された配置変更でも配置変更を許可してもよい。なお、判定部113は、第1条件と第2条件との判定の順序を逆にしてもよい。
【0037】
以上の処理により、判定部113は、多段階の判定を行うことにより、配置変更の適否にも、本当にその配置変更が不可なのか、可能だが不適切なのかを区別して判定することなどが可能になり、より適切な人材配置シミュレーションを可能にする。
【0038】
また、上述の所定条件は、人材配置に関する人間関係の登録情報を含んでもよい。この場合、判定部113は、第1ユーザの人材情報と所定組織内の各ユーザの人材情報とが登録情報に含まれる場合、警告に関する所定条件を満たすと判定してもよい。登録情報は、同組織にしない方がよいユーザの組み合わせの情報を含む。
【0039】
また、登録情報は、過去の出来事又はハラスメントに応じて登録された当事者情報を含んでもよい。例えば、過去にハラスメントが行われた上司と部下、過去に問題を起こした従業員同士、過去に相性の悪さが露呈した従業員同士などが、登録情報に含まれる。例えば、人事等が同組織にしない方がよいユーザの組み合わせを指定し、登録情報として設定できるようにすればよい。
【0040】
この場合、判定部113は、第1ユーザのユーザ識別情報と、所定組織内の各ユーザの各ユーザ識別情報との組み合わせが、登録情報に登録されていないかを判定し、登録情報に登録された組み合わせのユーザが同一組織に存在する場合、第1ユーザの配置変更は不適切と判定してもよい。
【0041】
以上の処理により、配置変更する第1ユーザの人間関係を考慮して適切な人材配置をシミュレーションすることが可能になる。例えば、過去にハラスメントが行われた当事者同士を同じ部署にすることを防ぐことができる。
【0042】
また、上述の所定条件は、所定組織の希望編成情報を含んでもよい。この場合、判定部113は、第1ユーザが所定組織に属することにより、希望編成情報に含まれる指標を満たすか否かを判定してもよい。
【0043】
例えば、希望編成情報は、資格情報、人員構成情報、工数情報、及び予算情報の少なくとも1つを含む。具体的には、資格情報は、所定組織内で必要な資格、職位、あるいは所定資格の最小保有人数、職位の構成比などの指標を含み、人員構成情報は、必要人数、性別構成比、正社員及び非正規社員の割合、平均滞留年数、平均勤続年数、平均年齢などの指標を含み、工数情報は、組織の一例であるプロジェクトを完了するのに必要な工数などの指標を含み、予算情報は、組織内の人員の総予算などの指標を含む。
【0044】
例えば、判定部113は、第1ユーザの人材情報と希望編成情報とに基づいて、第1ユーザが所定組織に属することにより、上述した各指標のうちの少なくとも1つが満たされるかを判定する。いずれの指標が設定されるかは、所定組織を登録する際に設定されていればよい。判定部113は、例えば、第1ユーザが所定組織に属した場合、希望編成ではない性別構成比が満たされる場合、第1ユーザの配置変更は不適切であると判定する。なお、判定部113は、上述の判定において、所定組織に属する各ユーザの人材情報、例えば正社員か否か、性別、年齢、保有資格、滞留期間なども用いてもよい。
【0045】
以上の処理により、配置変更する第1ユーザが所定組織の希望編成に適しているかを考慮して適切な人材配置をシミュレーションすることが可能になる。例えば、ダイバーシティ、職位などを考慮して従業員の偏りを防ぎ、様々な観点からバランスのよい組織にすることを図ることが可能になる。
【0046】
また、報知部114は、警告の内容として、第1ユーザを所定組織に所属させるかの確認を含んでもよい。例えば、警告の内容は、第1ユーザを所定組織に含めるか否かを決めるUIボタンを含み、最終的な判断を組織編成者に委ねてもよい。また、警告の内容は、判定された条件に応じて変更してもよい。例えば、上述の人間関係に関する第1条件が満たされた場合は、配置変更不可の通知を含み、上述の組織編成に関する第2条件が満たされた場合は、上述の第1ユーザを所定組織に含めるか否かを決めるUIボタンを含んでもよい。
【0047】
既存組織に属する第1ユーザが、異動、休職などにより人材情報に変更が生じた場合、判定部113は、第1ユーザを含む各ユーザの最新の人材情報と、第1ユーザが所属する所定組織の組織情報とに基づいて、警告に関する所定条件を満たすか否かを判定する。
【0048】
例えば、第1ユーザが所定組織に所属しなくなることで、所定組織の希望編成情報により示される指標を満たさないと判定部113により判定される場合、報知部114は、所定組織の責任者等に対し、希望編成を満たさなくなることを通知してもよい。具体的には、報知部114は、最新の人材情報により希望編成を満たさなくなった所定組織を特定し、所定組織に登録された責任者の連絡先に、希望編成を満たさなくなったことを知らせる警告を通知する。また、警告には、配置変更が不適切だと判定された理由を含めてもよい。
【0049】
以上の処理により、報知内容を適宜変更することにより、組織編成者に配置変更の最終判断を委ねたり、配置変更の理由を知らせたりすることが可能になる。
【0050】
次に、人材配置シミュレーションにおいて、異動に関する提案を行う機能について説明する。この機能により、サーバ10は、各ユーザの人材情報等に基づいて、異動を提案したり、逆に、異動させないように提案したりする。サーバ10の提案部115が、異動に関する提案処理を実行する。
【0051】
提案部115は、各ユーザの人材情報に含まれる、評価情報、組織に関する調査結果情報、及び所定組織の滞留期間情報の少なくとも1つに基づいて、異動に関する提案処理を行う。例えば、提案部115は、同組織(例、同部署)に3年以上滞留しているユーザ、直近数回の評価が所定評価以下のユーザ、組織内の調査によりモチベーションが下がっていることが判明したユーザ等に対して、異動を提案する。
【0052】
また、提案部115は、組織内に、18歳以下の扶養家族がいるユーザを特定した場合、このユーザには異動させない提案を行う。異動を提案すると退職する可能性があるからである。
【0053】
提案部115は、提案方法として、異動を提案するユーザを特定した場合、組織責任者に対して異動提案メッセージを送ってもよい。また、提案部115は、人材配置プロジェクトにおいて組織内の各ユーザを表示する場合に、異動提案するユーザを強調表示するようにしてもよい。また、提案部115は、異動させない提案をするユーザを特定した場合、人材配置プロジェクトにおいて組織内の各ユーザを表示する場合に、異動させない提案をするユーザを強調表示するようにしてもよい。
【0054】
以上の処理により、各ユーザの人材情報等に基づいて、適切なタイミングで異動に関する提案を行うことが可能になる。
【0055】
(各データの例)
次に、サーバ10の記憶装置130に格納される各データの例について
図3及び
図4を用いて説明する。
図3は、一実施形態に係る人材情報の一例を示す図である。
図4は、一実施形態に係る組織情報の一例を示す図である。
【0056】
図3に示す人材情報には、氏名、連絡先、部署、滞留期間、保有資格、評価、備考などの各データ/情報が含まれる。氏名は、ユーザの氏名情報を含み、連絡先は、電話番号、メールアドレス、SNSのアカウントなどの情報を含む。部署は、組織名や組織識別情報を含み、滞留期間は、同組織に所属している期間を含み、保有資格は、そのユーザが保有している資格を含み、評価は、組織内での評価を含む。
【0057】
また、人材情報には、備考として、様々な情報を登録することが可能である。例えば、過去に人間関係が悪くなったユーザやその理由を登録したり、そのユーザの組織内での調査結果を紐づけたり、家族構成を含む家族情報や職位などを登録することが可能である。
【0058】
図4に示す組織情報には、希望編成情報として、人材要件、配置基準、人員計画、予算などの各データ/情報が含まれる。人材要件は、組織に求められる人材の要件を含み、例えば、職位、保有資格などを含む。配置基準は、性別構成比、職位の構成比、正規社員比率などを含む。人員計画は、業績に応じて増減する組織内の従業員の人数などを含む。予算は、プロジェクトに与えられる予算や、人件費などを含む。組織情報は、その他として組織が営業などの場合は売上目標などを含んでもよい。
【0059】
<処理装置の構成>
図5は、開示の一実施形態に係る処理装置20の一例を示す図である。例えば、処理装置20は、組織編成者等が利用する装置である。処理装置20は、1つ又は複数のプロセッサ(例、CPU)210、1つ又は複数のネットワーク通信インタフェース220、記憶装置(記憶部)230、ユーザインタフェース250、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス270を含む。
【0060】
ユーザインタフェース250は、ディスプレイ251、及び入力装置(キーボード及び/又はマウス、又は他の何らかのポインティングデバイス等)252を含む。
【0061】
記憶装置230は、例えば、DRAM、SRAM、又は他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリ(主記憶装置)である。また、記憶装置230は、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリ(補助記憶装置)でもよい。また、記憶装置230は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体でもよい。また、記憶装置230は、主記憶装置(メモリ)又は補助記憶装置(ストレージ)のいずれかでもよく、あるいは両方を備えてもよい。
【0062】
記憶装置230は、情報処理システム1により用いられるデータやプログラムを記憶する。例えば、記憶装置230は、情報処理システム1における処理装置20用のアプリケーションプログラムなどを記憶する。
【0063】
プロセッサ210は、記憶装置230に記憶されるプログラムを実行することで、サービス処理部211を構成する。サービス処理部211は、例えば、ウェブブラウザやメールアプリケーションなどを含む。ウェブブラウザは、サーバ10により提供されるウェブページの閲覧を可能にする。また、インストールされたユーザ端末用のアプリケーションの実行により、上述したサービスが提供されるウェブページの閲覧が可能になる。サービス処理部211は、サービス提供を受けるため、通信制御部212、表示制御部213、操作制御部214を有する。
【0064】
通信制御部212は、サーバ10から送信された人材配置シミュレーションに用いられる各画面、例えば、組織編成画面、人材配置画面、警告画面、提案画面などの各画面情報を取得する。また、通信制御部212は、サーバ10に対し、各画面を利用して選択、設定された情報や、所定のリクエスト、本サービスに関する作業情報などを出力する。
【0065】
表示制御部213は、通信制御部212により取得された各画面情報に基づいて、本件サービスの組織編成画面(例えば
図9)、人材配置画面(例えば
図10)、警告画面(例えば
図11)、提案画面(例えば
図12)、をディスプレイ251に表示するよう制御する。
【0066】
操作制御部214は、各画面に表示されたUI部品(例、ボタンなど)に対するユーザの操作を受け付け、操作情報を処理装置20のアプリケーションに伝達したり、サーバ10に向けて出力したりする。例えば、操作制御部214は、組織編成者等が選択した組織、人材などの情報をサーバ10に向けて出力したりする。
【0067】
通信制御部212は、操作制御部214が受け付けた各操作情報を、ネットワーク通信インタフェース220を介して、サーバ10に送信する。
【0068】
表示制御部213は、操作制御部214が受け付けた各操作情報に基づいて、画面遷移を制御する。例えば、画面遷移について、
図9~12を用いて後述する。
【0069】
<動作説明>
次に、情報処理システム1の各動作について説明する。
図6は、一実施形態に係る人材配置への警告に関する処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示す例では、組織編成者等が利用する処理装置20と開示のサービスを提供するサーバ10とが連携して処理を行う例である。
【0070】
ステップS102において、サーバ10の受付部112は、所定組織の人材配置に関する第1ユーザの人材情報の変更を受け付ける。人材情報の変更は、上述したとおり、配置検討時と、人材情報の変更又は更新時とにおいて生じ得る。配置検討時では、受付部112は、処理装置20から送信された変更情報を取得する。人材情報の変更又は更新時では、受付部112は、人事等による人材情報の変更又は更新を検知し、変更又は更新された人材情報を含む変更情報を取得する。
【0071】
ステップS104において、第1ユーザの人材情報と、所定組織内の各ユーザの人材情報及び/又は所定組織に関する組織情報とに基づいて、所定組織の人材配置への警告に関する所定条件を満たすか否かを判定する。警告を報知するための所定条件が満たされる場合(ステップS104-YES)、処理はステップS106に進み、警告を報知するための所定条件が満たされない場合(ステップS104-NO)、処理は終了する。
【0072】
ステップS106において、報知部114は、配置変更が不適切であること、所定組織が希望編成を満たさなくなっていること等を含む警告を行う。警告は、処理装置20の画面にポップアップ等で表示されてもよいし、組織編成者等にメール等で通知されてもよい。
【0073】
以上の処理により、所定組織の人材配置を適切に判定するシミュレーションを可能にすることができる。例えば、配置検討のシミュレーションにおいて、不適切な配置変更を適宜知らせることができ、人材情報の変更又は更新に伴い、希望編成を満たさなくなったことを知らせることもできるようになる。
【0074】
図7は、一実施形態に係る警告に関する判定処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示す処理では、
図6に示すステップS104の処理が多段階に分けられている。
【0075】
ステップS202において、サーバ10の判定部113は、第1ユーザの人材情報と所定組織内の各ユーザの人材情報とが、所定条件に含まれる第1条件を満たすか否かを判定する。人間関係の警告に関する第1条件が満たされる場合(ステップS202-YES)、処理はステップS106に進み、人間関係の警告に関する第1条件が満たされない場合(ステップS202-NO)、処理はステップS204に進む。
【0076】
ステップS204において、判定部113は、第1ユーザの人材情報と組織情報とが、所定条件に含まれる第2条件を満たすか否かを判定する。組織の希望編成の警告に関する第2条件が満たされる場合(ステップS204-YES)、処理はステップS106に進み、組織の希望編成の警告に関する第2条件が満たされない場合(ステップS204-NO)、処理は終了する。
【0077】
以上、多段階の判定を行うことにより、配置変更の適否にも、本当にその配置変更が不可なのか、可能だが不適切なのかを区別して判定することなどが可能になり、より適切な人材配置シミュレーションを可能にする。
【0078】
図8は、一実施形態に係る提案に関する処理の一例を示すフローチャートである。
図8に示す処理では、異動に関する提案処理を示す。
【0079】
ステップS302において、サーバ10の提案部115は、各ユーザの人材情報に基づき異動に関する条件を満たすか否かを判定する。異動に関する条件は、主に2つあり、異動を促す条件と、異動させない条件とを含む。異動に関する条件が満たされる場合(ステップS302-YES)、処理はステップS304に進み、異動に関する条件が満たされない場合(ステップS302-NO)、処理は終了する。
【0080】
ステップS304において、提案部115は、例えば、シミュレーション画面において、条件を満たすユーザを強調表示するよう制御する。この際、提案部115は、処理装置20の画面において、異動を促すユーザと異動をさせないユーザとについて、強調の方法を変えてユーザに識別可能にするとよい(例えば
図12参照)。
【0081】
ステップS306において、提案部115は、処理装置20から、強調されたユーザに対する操作を受け付ける。強調ユーザに対する操作があれば(ステップS306-YES)、処理はステップS308に進み、強調ユーザに対する操作がなければ(ステップS306-NO)、処理は終了する。例えば、強調ユーザが選択される操作(例、クリック操作)が行われた場合、提案部115は、処理装置20から選択されたユーザを示すユーザ識別情報を取得する。
【0082】
ステップS308において、提案部115は、ステップS302において条件を満たすと判定された理由を、処理装置20の画面に表示するよう制御する。例えば、提案部115は、処理装置20から取得したユーザ識別情報から強調ユーザを特定し、強調ユーザの人材情報に基づいて、滞留期間が3年以上であること、直近の評価が所定回以上、所定値以下であること、18歳以下の扶養家族がいるなどを理由として表示するよう制御する。
【0083】
以上、各ユーザの人材情報等に基づいて、適切なタイミングで異動に関する提案を行うことが可能になる。
【0084】
<画面例>
次に、処理装置20において表示される各画面の一例について説明する。
図9は、一実施形態に係る組織編成画面の一例を示す図である。
図9に示す例において、画面D2には、営業ユニットにおける営業一課の人員計画を編成するため、現在のメンバーが表示される。
【0085】
画面D2の左部には、組織の希望編成などが記載される。例えば、人数は20名、性別内訳(例、男女内訳)は5:5などである。その他、雇用形態内訳、平均滞留年数や平均年齢などが表示されてもよい。
【0086】
画面D2の中央部には、営業一課のメンバー一覧が表示される。また、このメンバー一覧に、未登録の従業員を追加可能なアイコン(右下)が表示されてもよい。組織編成者は、未登録アイコンを操作することで、業務委託者又は内定者等を登録することが可能である。
【0087】
また、組織内のメンバーが選択されることで、画面D2の右部には、選択されたメンバーのプロフィールが表示される。プロフィールには、家族情報、評価などが含まれ、複数部署に所属する従業員であれば、主務・兼務をスイッチするボタンが表示されてもよい。また、従業員のアイコンには、兼務、休職、職位、資格などのマークが付与されてもよい。
【0088】
また、画面D2の上部には、従業員を追加するボタンB2、部署を編集するボタンB4が表示される。組織編成者によりいずれかのボタンが選択されることで、人材配置のシミュレーションが可能になる。
【0089】
例えば、従業員を追加するボタンB2が選択されると、営業一課以外の従業員の一覧が所定領域に表示され、一覧の中から所定の従業員を追加するシミュレーションが可能となる。また、部署を編集するボタンB4が選択されると、組織内の従業員を変更するシミュレーションが可能となる。
【0090】
図10は、一実施形態に係る人材配置画面の一例を示す図である。
図10に示す画面D4は、
図9に示す従業員を追加するボタンB2が選択され、サービス制御部111により、人材配置を検討する画面として表示される画面の一例を示す。
図10に示す例では、組織編成者は、営業一課の人材配置の検討を行い、所定の従業員を営業一課に所属させてみるシミュレーションをすることが可能である。
【0091】
例えば、
図10に示す例では、営業一課以外の従業員の一覧が領域R2に表示される。領域R2に表示される従業員は、営業に関する従業員が優先的に表示されてもよい。例えば、他の営業課にいる従業員や、営業に興味があると調査等で回答した従業員が上位に表示されるようにしてもよい。また、一覧に表示される従業員は、名前や社員番号、保有資格、調査結果などで検索できるようにするよい。
【0092】
図10に示す例では、組織編成者が、領域R2内の従業員Aを営業一課に配置するシミュレーションを行ったとする。例えば、組織編成者が、従業員Aのアイコンをドラッグして、営業一課の領域内にドロップしたとする。このとき、受付部112は、従業員Aのユーザ識別情報と、営業一課の組織識別情報とを含む変更情報を処理装置20から受け付ける。
【0093】
次に、判定部113は、従業員Aの人材情報と、営業一課の各従業員の人材情報及び/又は営業一課の組織情報とに基づいて、従業員Aの配置変更が適切か否かを判定する。判定部113により、従業員Aの配置変更が不適切であると判定された場合には、警告画面が表示され、従業員Aの配置変更が適切であると判定された場合には、例えば従業員Aのアイコンが営業一課の領域内に移動する。
【0094】
図11は、一実施形態に係る警告画面の一例を示す図である。
図11に示す例では、
図10に示すように、従業員Aを営業一課に配置しようとした場合に表示される警告画面の一例を示す。
図11に示す画面D6には、警告K2が表示される。
【0095】
図11に示す例では、警告K2は、警告が表示される理由「・・・」と、従業員Aを営業一課に追加することを確認するボタン「YES」又は「NO」が表示される。
【0096】
なお、警告の一例として、従業員Aが選択された場合、判定部113により、従業員Aと人間関係が良くない営業一課の従業員が判定され、報知部114により、この従業員が他の従業員と識別可能に表示(例えば赤枠表示)されてもよい。さらに、識別可能に表示された従業員に関連付けて警告が表示されてもよい。警告には、人間関係が良くない理由(例、過去にハラスメントあり)のテキストが含まれてもよい。
【0097】
また、他の例として、判定部113により、選択された従業員Aが組織の希望編成情報を満たさないと判定された場合、報知部114により、配置変更を一旦否定するように警告が表示されてもよい。希望編成の条件は、複数種類の条件を含んでもよい。例えば、保有資格を満たさない場合は、配置変更不可を警告文に含め、希望の性別構成比を満たさない場合は、望ましくない配置変更であることを警告文に含めてもよい。また、希望編成を満たした方がよい条件については、点数やヒートマップなどで希望編成を満たす程度を示してもよい。例えば、配置変更により性別構成比が希望の構成比に近づくにつれ、警告文に含まれる点数が高くなってもよい。
【0098】
また、画面D2~6の左部に表示される組織情報に含まれる人数、性別内訳(性別構成比)、雇用形態内訳(正社員構成比)それぞれに対し、報知部114は、希望編成の条件を満たしているか否かを示すUI部品(例、ランプ)を表示し、満たしていない場合は赤、満たしている場合は緑などに切替表示を行ってもよい。
【0099】
図12は、一実施形態に係る提案画面の一例を示す図である。
図12に示す画面D8には、異動に関する提案を行う従業員に、他の従業員と識別可能にする表示部品が付与されている。例えば、異動を促す従業員には枠H2が表示され、異動をさせない従業員には枠H4が表示される。表示部品は、アイコンの色や模様、マークなどでもよい。
【0100】
なお、異動に関する提案処理は、人材配置シミュレーションにおいて、
図12に示すように実行されてもよいし、人材配置シミュレーションに関係なく、異動に関する提案が行われる従業員だけを抽出する場合に、この提案機能が実行されるようにしてもよい。
【0101】
以上、実施形態は、本開示技術を説明するための例示であり、本開示技術をその実施形態のみに限定する趣旨ではなく、本開示技術は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。また、サーバ側、ユーザの処理装置側の各処理を適宜統合したり、他方の装置に処理を移行したり、別の装置に処理を移行したりしてもよい。
【符号の説明】
【0102】
1…情報処理システム、10…サーバ、20…処理装置、110…プロセッサ、130…記憶装置、111…サービス制御部、112…受付部、113…判定部、114…報知部、115…提案部、210…プロセッサ、211…サービス処理部、212…通信制御部、213…表示制御部、214…操作制御部、230…記憶装置、251…ディスプレイ