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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106769
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20240801BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240801BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20240801BHJP
   G02F 1/1334 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 624B
G09G3/20 624D
G09G3/20 621B
G09G3/20 624E
G09G3/20 611J
G02F1/133 550
G02F1/1334
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011202
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 宏宜
【テーマコード(参考)】
2H189
2H193
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2H189AA03
2H189HA16
2H189LA05
2H189LA10
2H189LA20
2H193ZA04
2H193ZB02
2H193ZB03
2H193ZG04
2H193ZG14
2H193ZG27
2H193ZG34
2H193ZP04
2H193ZQ13
5C006AA16
5C006AA22
5C006AC25
5C006AC26
5C006AC28
5C006AF44
5C006BB16
5C006BC03
5C006BC06
5C006BC11
5C006BC16
5C006BF41
5C006EA01
5C006FA12
5C006FA14
5C006FA33
5C080AA10
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD08
5C080DD19
5C080FF01
5C080FF11
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ06
(57)【要約】
【課題】画素書き込み時間を短縮することができる表示装置を提供する。
【解決手段】画素電極の電位をリセットする電位リセット期間RST、及び、電位リセット期間RSTに続く共通電位反転期間RVにおいて、スイッチング素子を駆動する駆動電位を走査線に供給し、画素の最大階調値に対応する電位と最小階調値に対応する電位との中間電位を信号線に供給する。共通電位反転期間RVにおいて、第1共通電位と当該第1共通電位よりも大きい第2共通電位とを切り替える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる複数の走査線と、
前記第1方向に交差する方向に延びる複数の信号線と、
前記複数の走査線に接続される走査回路と、
前記複数の信号線に接続される信号出力回路と、
前記走査線にスイッチング素子のゲートが接続され、前記スイッチング素子のソース又はドレインの一方に画素電極に接続され、前記スイッチング素子のソース又はドレインの他方に前記信号線が接続される複数の画素と、
前記複数の画素で共有される共通電極と、
前記共通電極に共通電位を供給する共通電極駆動回路と、
を備え、
前記画素電極の電位をリセットする電位リセット期間、及び、前記電位リセット期間に続く共通電位反転期間において、
前記走査回路は、前記スイッチング素子を駆動する駆動電位を前記走査線に供給し、
前記信号出力回路は、前記画素の最大階調値に対応する電位と最小階調値に対応する電位との中間電位を前記信号線に供給し、
前記共通電位反転期間において、
前記共通電極駆動回路は、第1共通電位と当該第1共通電位よりも大きい第2共通電位とを切り替える、
表示装置。
【請求項2】
前記共通電極駆動回路は、
前記共通電位反転期間において、前記第1共通電位と前記第2共通電位との中間電位を前記共通電極に供給する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
第1方向に延びる複数の走査線と、
前記第1方向に交差する方向に延びる複数の信号線と、
前記複数の走査線に接続される走査回路と、
前記複数の信号線に接続される信号出力回路と、
前記走査線にスイッチング素子のゲートが接続され、前記スイッチング素子のソース又はドレインの一方に画素電極に接続され、前記スイッチング素子のソース又はドレインの他方に前記信号線が接続される複数の画素と、
前記複数の画素で共有される共通電極と、
前記共通電極に共通電位を供給する共通電極駆動回路と、
を備え、
前記画素電極の電位をリセットする電位リセット期間において、
前記走査回路は、前記スイッチング素子を駆動する駆動電位を前記走査線に供給し、
前記電位リセット期間に続く共通電位反転期間において、
前記共通電極駆動回路は、第1共通電位と当該第1共通電位よりも大きい第2共通電位とを切り替え、
前記共通電位が切り替えられた後のプリチャージ期間において、
前記信号出力回路は、前記画素の最大階調値に対応する電位と最小階調値に対応する電位との中間電位を前記信号線に供給し、
前記走査回路は、前記駆動電位を前記走査線に供給する、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
同一画素から複数色の光をそれぞれ異なるタイミングで透過させるように画素を制御する所謂フィールドシーケンシャルカラー(FSC:Field Sequential Color)方式で表示出力を行う液晶表示装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-078979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、液晶表示装置では所定時間毎に液晶に印加される電圧の向きを反転させる反転駆動が行われる。このとき、全画素に対してリセット電位を印加し、画素容量に蓄積した電位を放電する。これにより、共通電位を反転させた際に画素容量の容量結合によって画素トランジスタの耐圧を超えることを防ぐことができる。しかしながら、リセット後のサブフレーム期間において画素に最大階調値を書き込む際のマージンを確保するために、書き込み期間を長く設定する必要がある。
【0005】
本発明は、画素書き込み時間を短縮することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る表示装置は、第1方向に延びる複数の走査線と、前記第1方向に交差する方向に延びる複数の信号線と、前記複数の走査線に接続される走査回路と、前記複数の信号線に接続される信号出力回路と、前記走査線にスイッチング素子のゲートが接続され、前記スイッチング素子のソース又はドレインの一方に画素電極に接続され、前記スイッチング素子のソース又はドレインの他方に前記信号線が接続される複数の画素と、前記複数の画素で共有される共通電極と、前記共通電極に共通電位を供給する共通電極駆動回路と、を備え、前記画素電極の電位をリセットする電位リセット期間、及び、前記電位リセット期間に続く共通電位反転期間において、前記走査回路は、前記スイッチング素子を駆動する駆動電位を前記走査線に供給し、前記信号出力回路は、前記画素の最大階調値に対応する電位と最小階調値に対応する電位との中間電位を前記信号線に供給し、前記共通電位反転期間において、前記共通電極駆動回路は、第1共通電位と当該第1共通電位よりも大きい第2共通電位とを切り替える。
【0007】
本発明の一態様に係る表示装置は、第1方向に延びる複数の走査線と、前記第1方向に交差する方向に延びる複数の信号線と、前記複数の走査線に接続される走査回路と、前記複数の信号線に接続される信号出力回路と、前記走査線にスイッチング素子のゲートが接続され、前記スイッチング素子のソース又はドレインの一方に画素電極に接続され、前記スイッチング素子のソース又はドレインの他方に前記信号線が接続される複数の画素と、前記複数の画素で共有される共通電極と、前記共通電極に共通電位を供給する共通電極駆動回路と、を備え、前記画素電極の電位をリセットする電位リセット期間において、前記走査回路は、前記スイッチング素子を駆動する駆動電位を前記走査線に供給し、前記電位リセット期間に続く共通電位反転期間において、前記共通電極駆動回路は、第1共通電位と当該第1共通電位よりも大きい第2共通電位とを切り替え、前記共通電位が切り替えられた後のプリチャージ期間において、前記信号出力回路は、前記画素の最大階調値に対応する電位と最小階調値に対応する電位との中間電位を前記信号線に供給し、前記走査回路は、前記駆動電位を前記走査線に供給する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態の表示装置の一例を表す平面図である。
図2図2は、図1の表示装置の断面の一例を示す断面図である。
図3図3は、図2の一部を拡大した部分断面図である。
図4図4は、本実施形態の表示装置の主要構成を示す模式的な回路図である。
図5図5は、本実施形態のFSC制御の流れの一例を示すタイミングチャートである。
図6図6は、比較例に係るFSC制御における共通電位の反転駆動制御の一例を示すタイミングチャートである。
図7A図7Aは、図6に示す比較例において画素に最大階調値が書き込まれた際の画素電極電位変化の第1例を示す概念図である。
図7B図7Bは、図6に示す比較例において画素に最大階調値が書き込まれた際の画素電極電位変化の第2例を示す概念図である。
図8図8は、実施形態1に係るFSC制御における共通電位の反転駆動制御の一例を示すタイミングチャートである。
図9A図9Aは、実施形態1において画素に最大階調値が書き込まれた際の画素電極電位変化の第1例を示す概念図である。
図9B図9Bは、実施形態1において画素に最大階調値が書き込まれた際の画素電極電位変化の第2例を示す概念図である。
図10図10は、実施形態2に係るFSC制御における共通電位の反転駆動制御の一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
図1は、本実施形態の表示装置の一例を表す平面図である。図1には、図2に示す光源装置Lは、省略されている。図2は、図1の表示装置の断面の一例を示す断面図である。図3は、図2の一部を拡大した部分断面図である。図4は、本実施形態の表示装置の主要構成を示す模式的な回路図である。
【0011】
図1に示すように、表示装置100は、表示パネルPと、回路基板91と、表示パネルPと回路基板91とを接続するフレキシブル基板92とを有している。ここで、表示パネルPの平面の一方向が第1方向Xとされ、第1方向Xと直交する方向が第2方向Yとされ、X-Y平面に直交する方向が第3方向Zとされている。
【0012】
表示パネルPには、表示領域7と、表示領域7の周囲に設けられた第1周辺領域PA1、第2周辺領域PA2、第3周辺領域PA3及び第4周辺領域PA4がある。第1周辺領域PA1と第2周辺領域PA2とは、第1方向Xに表示領域7を挟む。第3周辺領域PA3と第4周辺領域PA4とは、第2方向Yに表示領域7を挟む。
【0013】
第3周辺領域PA3には、ドライバIC(Integrated Circuit)5と、第1走査回路9A及び第2走査回路9Bと、が配置されている。ドライバIC5は、信号出力回路8と、共通電極駆動回路10とを含む。
【0014】
第1周辺領域PA1には、複数の第1引き出し配線DW1が各走査線GLの第1接続端部CE1より第1方向Xの外側に設けられている。第1走査回路9Aと、第1接続端部CE1とは、それぞれ、第1引き出し配線DW1を介して電気的に接続されている。第2周辺領域PA2には、複数の第2引き出し配線DW2が各走査線GLの第2接続端部CE2より第1方向Xの外側に設けられている。第2走査回路9Bと、第2接続端部CE2とは、それぞれ、第2引き出し配線DW2を介して電気的に接続されている。第1引き出し配線DW1と第2引き出し配線DW2とは、表示領域7の第1方向Xの中央を通る第2方向Yの中央線を中心に線対称に配置されている。
【0015】
表示領域7には、第1方向Xに延びて、第2方向Yに間隔をおいて配置される複数の走査線GL1,GL2,・・・,GLn(nは、1以上の整数)が配置されている。以下、走査線GL1,GL2,・・・,GLnを総称して、走査線GLN(Nは、1からNまでの整数)と表記することがある。表示領域7には、第2方向に延びて、第1方向Xに間隔をおいて配置される複数の信号線SL1,SL2,・・・,SLm-1,SLm(mは、1以上の整数)が配置されている。以下、信号線SL1,SL2,・・・,SLm-1,SLmを総称して、信号線SLM(Mは、1からmまでの整数)と表記することがある。
【0016】
表示領域7には、複数の画素Pixがマトリクス状に配置されている。なお、本開示において、行とは、一方向に配列されるm個の画素Pixを有する画素行をいう。また、列とは、行が配列される方向と直交する方向に配列されるn個の画素Pixを有する画素列をいう。そして、mとnとの値は、垂直方向の表示解像度と水平方向の表示解像度に応じて定まる。また、複数の走査線GLNが行毎に配線され、複数の信号線SLMが列毎に配線されている。
【0017】
回路基板91には、タイミングコントローラ13と、電源回路14とが配置されている。
【0018】
表示パネルPは、第1基板30と、第2基板20と、液晶層3と、光源装置Lとを備えている。第2基板20は、第1基板30の表面に垂直な方向(図1に示す第3方向Z)に対向する。液晶層3は、第1基板30と、第2基板20と、高分子分散型液晶LCが封入されている。
【0019】
本実施形態の表示パネルPは、例えば上述の表示面を第1基板30の第1面351とした時に、上述の背面は第2基板の第2面211であり、表示面側から見た際に、背面の背景が透けて見え、背面側から見た際に、表示面の背景が透けて見える、表示パネルである。また、表示面が第2面211であり、背面が第1面351であってもよい。
【0020】
図2に示すように、光源装置Lは、第1基板30及び第2基板20の第1面351に垂直な側面側に配置されるサイドライトである。光の入射面は、第1基板30の側面に限られず、光源装置Lは、第2基板20の側面に向かって光を照射してもよいし、第1基板30の側面及び第2基板20の側面に向かって光を照射してもよい。
【0021】
図3に示すように、第1基板30は、透光性のガラス基板35と、ガラス基板35の第2基板20側に形成された画素電極2と、画素電極2を覆うように第2基板20側に積層された第1配向膜55とを含む。画素電極2は、画素Pix毎に個別に設けられる。第2基板20は、透光性のガラス基板21と、ガラス基板21の第1基板30側に形成された共通電極6と、共通電極6を覆うように第1基板30側に積層された第2配向膜56とを含む。共通電極6は、複数の画素Pixで共有される板状又は膜状の形状を有する。第1基板30は、図3において省略しているが、各画素電極2に接続される各スイッチング素子1は、画素電極2とガラス基板35との間に形成されている。第1基板30及び第2基板20は、さらに、ガラス基板35及びガラス基板21の表示面(第1面351及び第2面211)側において、例えばガラスで形成された保護部材を有していてもよい。保護部材は、透光性を有していれば、樹脂でもよい。
【0022】
本実施形態の液晶層3は、高分子分散型液晶である。具体的には、高分子分散型液晶は、バルク51と、微粒子52とを含む。液晶とモノマーを含む溶液が第1基板30と第2基板20との間に封入されている。モノマー及び液晶を第1配向膜55及び第2配向膜56によって配向させた状態で、紫外線又は熱によってモノマーを重合させ、バルク51を形成する。これにより、網目状に形成された高分子のネットワークの隙間に液晶が分散されたリバースモードの高分子分散型液晶を有する液晶層3が形成される。
【0023】
このように、高分子分散型液晶は、高分子によって形成されたバルク51と、バルク51内に分散された複数の微粒子52と、を有する。微粒子52は、液晶によって形成されている。バルク51及び微粒子52は、それぞれ光学異方性を有している。
【0024】
微粒子52に含まれる液晶の配向は、画素電極2と共通電極6との間の電圧差によって制御される。画素電極2への印加電圧により、液晶の配向が変化する。液晶の配向が変化することにより、画素Pixを通過する光の散乱の度合いが変化する。
【0025】
バルク51と微粒子52の常光屈折率は互いに等しい。画素電極2と共通電極6との間に電圧が印加されていない状態では、あらゆる方向においてバルク51と微粒子52との間の屈折率差がゼロになる。液晶層3は、光源装置Lの光を散乱しない非散乱状態となる。表示パネルPの内部の光は、第1基板30の第1面351及び第2基板の第2面211で反射しながら、光源装置L(発光部31)から遠ざかる方向に伝播する。液晶層3が光を散乱しない非散乱状態であると、第1基板30の第1面351から第2基板の第2面211側の背景が視認され、第2基板の第2面211から第1基板30の第1面351側の背景が視認される。
【0026】
電圧が印加された画素電極2と共通電極6との間では、微粒子52の光軸は、画素電極2と共通電極6との間に発生する電界によって傾くことになる。バルク51の光軸は、電界によって変化しないため、バルク51の光軸と微粒子52の光軸の向きは互いに異なる。電圧が印加された画素電極2がある画素Pixにおいて、光が散乱される。上述したように散乱された光の一部が第1基板30の第1面351又は第2基板の第2面211から外部に放射された光は、観察者に観察される。
【0027】
電圧が印加されていない画素電極2がある画素Pixでは、第1基板30の第1面351から第2基板の第2面211側の背景が視認され、第2基板の第2面211から第1基板30の第1面351側の背景が視認される。そして、本実施形態の表示装置100は、画像が表示される画素Pixの画素電極2に電圧が印加され、画像が背景とともに視認される。このように、高分子分散型液晶が散乱状態にあるとき、表示領域7において画像が表示される。
【0028】
電圧が印加された画素電極2がある画素Pixにおいて光が散乱されて、外部に放射された光によって表示された画像は、背景に重なり、表示されることになる。換言すると、本実施形態の表示装置100は、画像を背景に重ね合わせて表示する。
【0029】
図4に示すように、光源装置Lは、光源駆動回路12と、第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bを複数含む発光部31とを備えている。なお、図4には、第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bの一部が代表として記載されている。図4に示すように、光源駆動回路12は、光源装置Lに取り付けられている。なお、光源駆動回路12は、光源装置Lとは別として、ドライバICに内蔵してもよい。
【0030】
第1光源11Rは、赤色の光を発する。第2光源11Gは、緑色の光を発する。第3光源11Bは、青色の光を発する。第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bはそれぞれ、光源駆動回路12の制御下で発光する。本実施形態の第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bは、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)のような発光素子を用いた光源であるが、これに限られるものでなく、発光タイミングを制御可能な光源であればよい。光源駆動回路12は、タイミングコントローラ13の制御下で第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bの発光タイミングを制御する。
【0031】
図4に示すように、タイミングコントローラ13には、外部の上位制御部15の画像出力部から、フレキシブル基板などを介して、入力信号(RGB信号など)が入力される。
【0032】
表示領域7には、複数の画素Pixがマトリクス状に配置され、行方向及び列方向に並んでいる。画素Pixは、スイッチング素子1を含む。
【0033】
図4に示すようにスイッチング素子1は、例えば薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等、半導体を用いたスイッチング素子である。スイッチング素子1のソース又はドレインの一方は、2つの電極の一方(画素電極2)と接続される。スイッチング素子1のソース又はドレインの他方が信号線SLMと接続される。スイッチング素子1のゲートは、走査線GLNと接続される。走査線GLNは、第1走査回路9A及び第2走査回路9Bの制御下で、スイッチング素子1のソース-ドレイン間を開閉するための電位(以下、「駆動電位」とも称する)を与える。駆動電位の制御は、第1走査回路9A及び第2走査回路9Bが行う。
【0034】
図4に示すように、複数の信号線SLMは、画素Pixの並び方向のうち一方(行方向)に沿って並ぶ。信号線SLMは、画素Pixの並び方向のうち他方(列方向)に沿って延出する。信号線SLMは、列方向に並ぶ複数の画素Pixのスイッチング素子1で共有される。複数の走査線GLNは、列方向に沿って並ぶ。走査線GLNは、行方向に沿って延出する。走査線GLNは、行方向に並ぶM個の画素Pixのスイッチング素子1で共有される。
【0035】
共通電極6は、共通電極駆動回路10と接続される。共通電極駆動回路10は、共通電極6に共通電位を与える。第1走査回路9A及び第2走査回路9Bが走査線GLNに対して駆動電位VGN(VG1,VG2,・・・,VGn、図6参照)を与えるタイミングで、信号出力回路8が信号線SLMに対して画素信号SigM(図6参照)を出力することで、画素電極2と共通電極6との間に形成された蓄積容量と容量性負荷である液晶(微粒子52)を充電する。これによって、画素Pixの画素電極2の電位は、画素信号SigMに対応した電位となる。駆動電位VGNの印加の完了後、蓄積容量と容量性負荷である液晶(微粒子52)は、画素信号SigMに応じた画素Pixの画素電極2の電位を保持する。液晶(微粒子52)の配向は、各画素Pixの画素電極2の電位と共通電極駆動回路10から与えられる共通電極6の共通電位Vcom(第1共通電位VcomL、第2共通電位VcomH、図5及び図6参照)との差電圧によって生じる電界に応じて制御される。
【0036】
タイミングコントローラ13は、信号出力回路8、第1走査回路9A及び第2走査回路9B、共通電極駆動回路10及び光源駆動回路12の動作タイミングを制御する。本実施形態では、FSC方式の動作制御が行われる。
【0037】
図5は、本実施形態のFSC制御の流れの一例を示すタイミングチャートである。図5では、連続する2つのフレーム期間F(1),F(2)の概略的なタイミングチャートを示している。図5に示す2つのフレーム期間F(1),F(2)が周期的に繰り返されることにより、本実施形態に係るFSC方式の動作制御が行われる。すなわち、本実施形態では、図5に示す2つのフレーム期間F(1),F(2)が交互に繰り返される。また、図5では、共通電極駆動回路10によって共通電極6に与えられる共通電位Vcomの反転タイミング、及び、発光部31の各光源(第1光源11R、第2光源11G、第3光源11B)の点灯タイミングを示している。
【0038】
本実施形態のFSC制御において、フレーム期間F(1),F(2)は、それぞれ複数のサブフレーム期間を含む。言い換えると、フレーム期間F(1),F(2)は、それぞれ複数のサブフレーム期間に時分割される。具体的に、図5に示す例において、フレーム期間F(1),F(2)は、それぞれ第1サブフレーム期間RSF、第2サブフレーム期間GSF、第3サブフレーム期間BSFに時分割されている。各フレーム期間F(1),F(2)に含まれるサブフレーム期間の数は、発光部31の各光源の色数に対応する。本実施形態における発光部31の各光源の色数ならびに色の種類及び各フレーム期間F(1),F(2)に含まれるサブフレーム期間の数はあくまで一例であってこれに限られるものでなく、適宜変更可能である。
【0039】
また、本実施形態のFSC制御において、共通電極駆動回路10は、サブフレーム期間(第1サブフレーム期間RSF、第2サブフレーム期間GSF、第3サブフレーム期間BSF)ごとに、共通電極6に与える共通電位Vcomを切り替える反転駆動を行う。具体的に、共通電極駆動回路10は、サブフレーム期間ごとに、相対的に低電位な第1共通電位VcomLと相対的に高電位な第2共通電位VcomHとを切り替える。
【0040】
各サブフレーム期間(第1サブフレーム期間RSF、第2サブフレーム期間GSF、第3サブフレーム期間BSF)は、それぞれ、画素信号SigMの書き込み期間RW,GW,BW、蓄積容量による画素信号SigMの保持期間RH,GH,BH、画素電極2の電位リセット期間RST、及び共通電位反転期間RVを含む。
【0041】
書き込み期間RW,GW,BWは、各サブフレーム期間(第1サブフレーム期間RSF、第2サブフレーム期間GSF、第3サブフレーム期間BSF)において、それぞれ異なる色の階調値に対応する画素信号SigMが書き込まれる期間である。保持期間RH,GH,BHは、各サブフレーム期間の書き込み期間RW,GW,BWにおいて書き込まれた画素信号SigMが保持される期間である。
【0042】
各サブフレーム期間の書き込み期間RW,BW,GWに書き込まれる画素信号SigMは、各画素Pixの階調値に応じて、相対的に低電位な第1信号電位VsigLと相対的に高電位な第2信号電位VsigHとの間の電位となる。なお、各書き込み期間RW,BW,GWにおいて信号出力回路8が出力する画素信号SigMの極性は、共通電極駆動回路10が共通電極6に与える共通電位Vcomに応じて変化する。
【0043】
具体的に、共通電極6に第1共通電位VcomLが与えられている各サブフレーム期間(フレーム期間F(1)の第1サブフレーム期間RSF及び第3サブフレーム期間BSF、並びにフレーム期間F(2)の第2サブフレーム期間GSF)の各書き込み期間RW,BW,GWにおいて、信号出力回路8は、信号線SLMに対し、第1共通電位VcomLに対応して相対的に高電位な画素信号SigMを出力する。すなわち、共通電極6に第1共通電位VcomLが与えられている各サブフレーム期間の各書き込み期間RW,BW,GWにおいて、信号出力回路8は、正極性の画素信号SigMを出力する。
【0044】
また、共通電極6に第2共通電位VcomHが与えられている各サブフレーム期間(フレーム期間F(1)の第2サブフレーム期間GSF、並びにフレーム期間F(2)の第1サブフレーム期間RSF及び第3サブフレーム期間BSF)の各書き込み期間GW,RW,BWにおいて、信号出力回路8は、信号線SLMに対し、第2共通電位VcomHに対応して相対的に低電位な画素信号SigMを出力する。すなわち、共通電極6に第2共通電位VcomHが与えられている各サブフレーム期間の各書き込み期間GW,RW,BWにおいて、信号出力回路8は、負極性の画素信号SigMを出力する。
【0045】
光源装置Lが有する複数の色の光源(例えば、第1光源11R、第2光源11G、及び第3光源11B)は、対応するサブフレーム期間(第1サブフレーム期間RSF、第2サブフレーム期間GSF、第3サブフレーム期間BSF)の保持期間RH,GH,BH内に点灯するよう制御される。例えば、第1光源11Rは赤色の光源、第2光源11Gは緑色の光源、第3光源11Bは青色の光源とされる。
【0046】
第1光源11Rは、第1サブフレーム期間RSFの保持期間RHに点灯する。これにより、第1サブフレーム期間RSFの書き込み期間RWに書き込まれた赤(R)の階調値に対応する画素信号SigMの電位に応じた赤色の散乱光が放出される。
【0047】
また、第2光源11Gは、第2サブフレーム期間GSFの保持期間GHに点灯する。これにより、第2サブフレーム期間GSFの書き込み期間GWに書き込まれた緑(G)の階調値に対応する画素信号SigMの電位に応じた緑色の散乱光が放出される。
【0048】
また、第3光源11Bは、第3サブフレーム期間RSFの保持期間BHに点灯する。これにより、第3サブフレーム期間RSFの書き込み期間BWに書き込まれた青(B)の階調値に対応する画素信号SigMの電位に応じた青色の散乱光が放出される。
【0049】
各サブフレーム期間(第1サブフレーム期間RSF、第2サブフレーム期間GSF、第3サブフレーム期間BSF)の保持期間RH,GH,BHにおいて保持された画素Pixの画素電極2の電位は、各電位リセット期間RSTにおいてリセットされる。具体的には、電位リセット期間RSTにおいて、信号出力回路8が表示領域7内の全ての信号線SLMに共通の電位を与え、第1走査回路9A及び第2走査回路9Bが表示領域7内の全ての走査線GLNに対して一括して駆動電位を与えることにより、全画素Pixのスイッチング素子1を一括駆動する。これにより、表示領域7内の全ての画素Pixの画素電極2の電位がリセットされる。
【0050】
電位リセット期間RSTにおいて表示領域7内の全ての画素Pixの画素電極2の電位をリセットした後、共通電極駆動回路10は、共通電位反転期間RVにおいて、共通電極6に与える共通電位Vcomを切り替える。
【0051】
具体的に、例えばフレーム期間F(1)の第1サブフレーム期間RSFの共通電位反転期間RVにおいて、共通電極駆動回路10は、共通電極6に与える共通電位Vcomを第1共通電位VcomLから第2共通電位VcomHに切り替える。
【0052】
また、例えばフレーム期間F(1)の第2サブフレーム期間GSFの共通電位反転期間RVにおいて、共通電極駆動回路10は、共通電極6に与える共通電位Vcomを第2共通電位VcomHから第1共通電位VcomLに切り替える。
【0053】
また、例えばフレーム期間F(1)の第3サブフレーム期間BSFの共通電位反転期間RVにおいて、共通電極駆動回路10は、共通電極6に与える共通電位Vcomを第1共通電位VcomLから第2共通電位VcomHに切り替える。
【0054】
また、例えばフレーム期間F(2)の第1サブフレーム期間RSFの共通電位反転期間RVにおいて、共通電極駆動回路10は、共通電極6に与える共通電位Vcomを第2共通電位VcomHから第1共通電位VcomLに切り替える。
【0055】
また、例えばフレーム期間F(2)の第2サブフレーム期間GSFの共通電位反転期間RVにおいて、共通電極駆動回路10は、共通電極6に与える共通電位Vcomを第1共通電位VcomLから第2共通電位VcomHに切り替える。
【0056】
また、例えばフレーム期間F(2)の第3サブフレーム期間BSFの共通電位反転期間RVにおいて、共通電極駆動回路10は、共通電極6に与える共通電位Vcomを第2共通電位VcomHから第1共通電位VcomLに切り替える。
【0057】
以上のFSC制御によって2つのフレーム期間F(1),F(2)が周期的に繰り返されることにより、連続するフレーム画像の表示制御が行われる。
【0058】
図6は、比較例に係るFSC制御における共通電位の反転駆動制御の一例を示すタイミングチャートである。図6では、連続する3つのサブフレーム期間の概略的なタイミングチャートを示している。具体的には、例えば、図5に示すタイミングチャートにおけるフレーム期間F(1)の各サブフレーム期間(第1サブフレーム期間RSF、第2サブフレーム期間GSF、第3サブフレーム期間BSF)が例示されるが、ここでは、第1サブフレーム期間RSF、第2サブフレーム期間GSF、第3サブフレーム期間BSFをそれぞれサブフレーム期間SF(1),SF(2),SF(3)としている。また、サブフレーム期間SF内の書き込み期間RW,GW,BW及び保持期間RH,GH,BHについても、それぞれ、書き込み期間W及び保持期間Hとしている。
【0059】
サブフレーム期間SF(1),SF(3)において、共通電極駆動回路10は、共通電極6に第1共通電位VcomLを供給する。また、サブフレーム期間SF(2)において、共通電極駆動回路10は、共通電極6に第2共通電位VcomHを供給する。
【0060】
各サブフレーム期間SF(1),SF(2),SF(3)の書き込み期間Wは、表示領域7内の走査線GLNの数Nで時分割されたNの行書き込み期間W/Nを含む。第1走査回路9A及び第2走査回路9Bは、行書き込み期間W/Nごとに、各走査線GLN(GL1,GL2,・・・,GLn)に対して、順次、駆動電位VGN(VG1,VG2,・・・,VGn)を供給する。駆動電位VGNは、例えば、相対的に低電位な第1ゲート電位VGLに対し、相対的に高電位な第2ゲート電位VGHとされる。
【0061】
信号出力回路8は、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の書き込み期間Wにおいて、行書き込み期間W/Nごとに、各信号線SLM(SL1,SL2,・・・,SLm-1,SLm)に対応する正極性の画素信号SigM+(Sig1M+,Sig2M+,・・・,SignM+)を出力する。このとき、各走査線GLN(GL1,GL2,・・・,GLn)に駆動電位VGN(VG1,VG2,・・・,VGn)が供給されることにより、各画素Pixのスイッチング素子1がオン制御され、各画素Pixの画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)がそれぞれ正極性の画素信号SigM+(Sig1M+,Sig2M+,・・・,SignM+)の電位となる。なお、図6では、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の書き込み期間Wにおける各画素Pixの画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)が第2信号電位VsigHである例を示している。この例では、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の書き込み期間Wにおいて、各画素Pixに最大階調値が書き込まれる。なお、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の書き込み期間Wにおいて各画素Pixに書き込まれる最小階調値に対応する電位は、第1信号電位VsigLとなる。
【0062】
また、信号出力回路8は、サブフレーム期間SF(2)の書き込み期間Wにおいて、行書き込み期間W/Nごとに、各信号線SLM(SL1,SL2,・・・,SLm-1,SLm)に対応する負極性の画素信号SigM-(Sig1M-,Sig2M-,・・・,SignM-)を出力する。このとき、各走査線GLN(GL1,GL2,・・・,GLn)に駆動電位VGN(VG1,VG2,・・・,VGn)が供給されることにより、各画素Pixのスイッチング素子1がオン制御され、各画素Pixの画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)がそれぞれ負極性の画素信号SigM-(Sig1M-,Sig2M-,・・・,SignM-)の電位となる。なお、図6では、サブフレーム期間SF(2)の書き込み期間Wにおける各画素Pixの画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)が第1信号電位VsigLである例を示している。この例では、サブフレーム期間SF(2)の書き込み期間Wにおいて、各画素Pixに最大階調値が書き込まれる。なお、サブフレーム期間SF(2)の書き込み期間Wにおいて各画素Pixに書き込まれる最小階調値に対応する電位は、第2信号電位VsigHとなる。
【0063】
行書き込み期間W/Nにおいて各画素Pixに書き込まれた画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)は、スイッチング素子1のオフ制御後も維持される。書き込み期間Wの後の保持期間Hにおいて、各サブフレーム期間SF(1),SF(2),SF(3)に対応する光源(第1光源11R、第2光源11G、又は第3光源11B)を点灯することにより、各画素Pixに書き込まれた画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)に応じた画像表示が行われる。
【0064】
図6に示す比較例において、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の書き込み期間W後の各信号線SLM(SL1,SL2,・・・,SLm-1,SLm)の電位は、第1信号電位VsigLとされる。
【0065】
サブフレーム期間SF(1),SF(3)の電位リセット期間RSTにおいて、表示領域7内の全ての走査線GLNに一括して駆動電位VGN(VG1,VG2,・・・,VGn)が供給されることにより、各画素Pixのスイッチング素子1がオン制御される。
【0066】
これにより、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の行書き込み期間W/Nにおいて各画素Pixに書き込まれた画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)は、第1信号電位VsigLに変位する。その後の共通電位反転期間RVにおいて、共通電極6の電位が第1共通電位VcomLから第2共通電位VcomHに切り替わると、図6に上向き矢示したように、共通電極6に容量結合した画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)は、第2信号電位VsigHとなる。
【0067】
その後に続くサブフレーム期間SF(2)の行書き込み期間W/Nにおいて、各画素Pixに負極性の画素信号SigM-(Sig1M-,Sig2M-,・・・,SignM-)として第1信号電位VsigL(最大階調値)が書き込まれると、画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)は、図6に下向き矢示したように、第2信号電位VsigHから第1信号電位VsigLに変化する。
【0068】
また、図6に示す比較例において、サブフレーム期間SF(2)の書き込み期間W後の各信号線SLM(SL1,SL2,・・・,SLm-1,SLm)の電位は、第2信号電位VsigHとされる。
【0069】
サブフレーム期間SF(2)の電位リセット期間RSTにおいて、表示領域7内の全ての走査線GLNに一括して駆動電位VGN(VG1,VG2,・・・,VGn)が供給されることにより、各画素Pixのスイッチング素子1がオン制御される。
【0070】
これにより、サブフレーム期間SF(2)の行書き込み期間W/Nにおいて各画素Pixに書き込まれた画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)は、第2信号電位VsigHに変位する。その後の共通電位反転期間RVにおいて、共通電極6の電位が第2共通電位VcomHから第1共通電位VcomLに切り替わると、図6に下向き矢示したように、共通電極6に容量結合した画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)は、第1信号電位VsigLとなる。
【0071】
その後に続くサブフレーム期間SF(1),SF(3)の行書き込み期間W/Nにおいて、各画素Pixに正極性の画素信号SigM+(Sig1M+,Sig2M+,・・・,SignM+)として第2信号電位VsigH(最大階調値)が書き込まれると、画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)は、図6に上向き矢示したように、第1信号電位VsigLから第2信号電位VsigHに変化する。
【0072】
図7Aは、図6に示す比較例において画素に最大階調値が書き込まれた際の画素電極電位変化の第1例を示す概念図である。図7Bは、図6に示す比較例において画素に最大階調値が書き込まれた際の画素電極電位変化の第2例を示す概念図である。図7Aでは、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の行書き込み期間W/Nにおいて、各画素Pixに負極性の画素信号SigM+(Sig1M+,Sig2M+,・・・,SignM+)として第2信号電位VsigH(最大階調値)が書き込まれた例を示している。図7Bでは、サブフレーム期間SF(2)の行書き込み期間W/Nにおいて、各画素Pixに負極性の画素信号SigM-(Sig1M-,Sig2M-,・・・,SignM-)として第1信号電位VsigL(最大階調値)が書き込まれた例を示している。
【0073】
図7Aに示すように、比較例では、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の行書き込み期間W/Nにおいて、各画素Pixに正極性の画素信号SigM+(Sig1M+,Sig2M+,・・・,SignM+)として第2信号電位VsigH(最大階調値)が書き込まれる際に、画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)が最小階調値に対応する第1信号電位VsigLから最大階調値に対応する第2信号電位VsigHまで変化し安定するまでの時間が長くなる。このため、サブフレーム期間SF(1),SF(3)における行書き込み期間W/Nが長くなり、結果として、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の書き込み期間Wが長くなる。
【0074】
また、図7Bに示すように、比較例では、サブフレーム期間SF(2)の行書き込み期間W/Nにおいて、各画素Pixに負極性の画素信号SigM-(Sig1M-,Sig2M-,・・・,SignM-)として第1信号電位VsigL(最大階調値)が書き込まれる際に、画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)が最小階調値に対応する第2信号電位VsigHから最大階調値に対応する第1信号電位VsigLまで変化し安定するまでの時間が長くなる。このため、サブフレーム期間SF(2)における行書き込み期間W/Nが長くなり、結果として、サブフレーム期間SF(2)の書き込み期間Wが長くなる。
【0075】
(実施形態1)
図8は、実施形態1に係るFSC制御における共通電位の反転駆動制御の一例を示すタイミングチャートである。図8では、図6に示す比較例とは異なる点について詳細に説明する。
【0076】
実施形態1において、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の書き込み期間W後の各信号線SLM(SL1,SL2,・・・,SLm-1,SLm)の電位は、第1信号電位VsigLと第2信号電位VsigHとの中間電位VsigMとされる。
【0077】
サブフレーム期間SF(1),SF(3)の電位リセット期間RSTにおいて、表示領域7内の全ての走査線GLNに一括して駆動電位VGN(VG1,VG2,・・・,VGn)が供給されることにより、各画素Pixのスイッチング素子1がオン制御されると、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の行書き込み期間W/Nにおいて各画素Pixに書き込まれた画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)は、中間電位VsigMに変位する。
【0078】
また、実施形態1では、共通電位反転期間RVにおいて各画素Pixのスイッチング素子1のオン状態を維持する。これにより、共通電極6の電位が第1共通電位VcomLから第2共通電位VcomHに切り替わった際に、画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)が中間電位VsigMに維持される。
【0079】
その後に続くサブフレーム期間SF(2)の行書き込み期間W/Nにおいて、各画素Pixに負極性の画素信号SigM-(Sig1M-,Sig2M-,・・・,SignM-)として第1信号電位VsigL(最大階調値)が書き込まれると、画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)は、図8に下向き矢示したように、中間電位VsigMから第1信号電位VsigLに変化する。
【0080】
また、実施形態1において、サブフレーム期間SF(2)の書き込み期間W後の各信号線SLM(SL1,SL2,・・・,SLm-1,SLm)の電位は、第2信号電位VsigHと第1信号電位VsigLとの中間電位VsigMとされる。
【0081】
サブフレーム期間SF(2)の電位リセット期間RSTにおいて、表示領域7内の全ての走査線GLNに一括して駆動電位VGN(VG1,VG2,・・・,VGn)が供給されることにより、各画素Pixのスイッチング素子1がオン制御されると、サブフレーム期間SF(2)の行書き込み期間W/Nにおいて各画素Pixに書き込まれた画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)は、中間電位VsigMに変位する。
【0082】
また、実施形態1では、共通電位反転期間RVにおいて各画素Pixのスイッチング素子1のオン状態を維持する。これにより、共通電極6の電位が第2共通電位VcomHから第1共通電位VcomLに切り替わった際に、画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)が中間電位VsigMに維持される。
【0083】
その後に続くサブフレーム期間SF(1),SF(3)の行書き込み期間W/Nにおいて、各画素Pixに正極性の画素信号SigM+(Sig1M+,Sig2M+,・・・,SignM+)として第2信号電位VsigH(最大階調値)が書き込まれると、画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)は、図8に上向き矢示したように、中間電位VsigMから第2信号電位VsigHに変化する。
【0084】
図9Aは、実施形態1において画素に最大階調値が書き込まれた際の画素電極電位変化の第1例を示す概念図である。図9Bは、実施形態1において画素に最大階調値が書き込まれた際の画素電極電位変化の第2例を示す概念図である。図9Aでは、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の行書き込み期間W/Nにおいて、各画素Pixに負極性の画素信号SigM+(Sig1M+,Sig2M+,・・・,SignM+)として第2信号電位VsigH(最大階調値)が書き込まれた例を示している。図9Bでは、サブフレーム期間SF(2)の行書き込み期間W/Nにおいて、各画素Pixに負極性の画素信号SigM-(Sig1M-,Sig2M-,・・・,SignM-)として第1信号電位VsigL(最大階調値)が書き込まれた例を示している。
【0085】
図9Aに示すように、実施形態1では、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の行書き込み期間W/Nにおいて、各画素Pixに正極性の画素信号SigM+(Sig1M+,Sig2M+,・・・,SignM+)として第2信号電位VsigH(最大階調値)が書き込まれる際に、画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)が第2信号電位VsigHに安定するまでの時間を、比較例よりも短くすることができる。このため、サブフレーム期間SF(1),SF(3)における行書き込み期間W/Nを比較例よりも短縮した(W/N)/2とすることができ、結果として、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の書き込み期間Wを短縮することができる。
【0086】
また、図9Bに示すように、実施形態1では、サブフレーム期間SF(2)の行書き込み期間W/Nにおいて、各画素Pixに負極性の画素信号SigM-(Sig1M-,Sig2M-,・・・,SignM-)として第1信号電位VsigL(最大階調値)が書き込まれる際に、画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)が第1信号電位VsigLに安定するまでの時間を、比較例よりも短くすることができる。このため、サブフレーム期間SF(2)における行書き込み期間W/Nを比較例よりも短縮した(W/N)/2とすることができ、結果として、サブフレーム期間SF(2)の書き込み期間Wを短縮することができる。
【0087】
なお、図8に示す例では、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の共通電位反転期間RVにおいて共通電極6の電位を第1共通電位VcomLから第2共通電位VcomHに切り替える際に、第1共通電位VcomLと第2共通電位VcomHとの中間電位VcomMに切り替えてから、第2共通電位VcomHに切り替えるようにしている。
【0088】
また、図8に示す例では、サブフレーム期間SF(2)の共通電位反転期間RVにおいて共通電極6の電位を第2共通電位VcomHから第1共通電位VcomLに切り替える際に、第2共通電位VcomHと第1共通電位VcomLとの中間電位VcomMに切り替えてから、第1共通電位VcomLに切り替えるようにしている。
【0089】
これにより、共通電位反転期間RVにおいて共通電極6の電位が変化した際の過渡的な画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)の電位変動を抑制することができる。
【0090】
(実施形態2)
図10は、実施形態2に係るFSC制御における共通電位の反転駆動制御の一例を示すタイミングチャートである。図10では、図6に示す比較例とは異なる点について詳細に説明する。
【0091】
実施形態2では、共通電極6の電位を第1共通電位VcomLから第2共通電位VcomHに切り替えた後に、表示領域7内の全ての走査線GLNに一括して駆動電位VGN(VG1,VG2,・・・,VGn)を供給して各画素Pixのスイッチング素子1をオン制御させるプリチャージ期間PCHを設けている。
【0092】
実施形態2において、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の書き込み期間W後の各信号線SLM(SL1,SL2,・・・,SLm-1,SLm)の電位は、比較例と同様に第1信号電位VsigLとされ、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の共通電位反転期間RVにおいて、第1信号電位VsigLと第2信号電位VsigHとの中間電位VsigMとされる。
【0093】
サブフレーム期間SF(1),SF(3)の電位リセット期間RSTにおいて、表示領域7内の全ての走査線GLNに一括して駆動電位VGN(VG1,VG2,・・・,VGn)が供給されることにより、各画素Pixのスイッチング素子1がオン制御されると、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の行書き込み期間W/Nにおいて各画素Pixに書き込まれた画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)は、第1信号電位VsigLに変位する。
【0094】
その後の共通電位反転期間RVにおいて、共通電極6の電位が第1共通電位VcomLから第2共通電位VcomHに切り替わると、比較例と同様に、共通電極6に容量結合した画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)は、第2信号電位VsigHとなる。
【0095】
各信号線SLM(SL1,SL2,・・・,SLm-1,SLm)の電位が中間電位VsigMとされた状態で、プリチャージ期間PCHにおいて表示領域7内の全ての走査線GLNに一括して駆動電位VGN(VG1,VG2,・・・,VGn)を供給して各画素Pixのスイッチング素子1をオン制御させることにより、画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)の電位は、第2信号電位VsigHから中間電位VsigMに変化する。
【0096】
その後に続くサブフレーム期間SF(2)の行書き込み期間W/Nにおいて、各画素Pixに負極性の画素信号SigM-(Sig1M-,Sig2M-,・・・,SignM-)として第1信号電位VsigL(最大階調値)が書き込まれると、画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)は、図10に下向き矢示したように、中間電位VsigMから第1信号電位VsigLに変化する。
【0097】
また、実施形態1において、サブフレーム期間SF(2)の書き込み期間W後の各信号線SLM(SL1,SL2,・・・,SLm-1,SLm)の電位は、比較例と同様に第2信号電位VsigHとされ、サブフレーム期間SF(2)の共通電位反転期間RVにおいて、第2信号電位VsigHと第1信号電位VsigLとの中間電位VsigMとされる。
【0098】
サブフレーム期間SF(2)の電位リセット期間RSTにおいて、表示領域7内の全ての走査線GLNに一括して駆動電位VGN(VG1,VG2,・・・,VGn)が供給されることにより、各画素Pixのスイッチング素子1がオン制御されると、サブフレーム期間SF(2)の行書き込み期間W/Nにおいて各画素Pixに書き込まれた画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)は、第2信号電位VsigHに変位する。
【0099】
その後の共通電位反転期間RVにおいて、共通電極6の電位が第2共通電位VcomHから第1共通電位VcomLに切り替わると、比較例と同様に、共通電極6に容量結合した画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)は、第1信号電位VsigLとなる。
【0100】
各信号線SLM(SL1,SL2,・・・,SLm-1,SLm)の電位が中間電位VsigMとされた状態で、プリチャージ期間PCHにおいて表示領域7内の全ての走査線GLNに一括して駆動電位VGN(VG1,VG2,・・・,VGn)を供給して各画素Pixのスイッチング素子1をオン制御させることにより、画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)の電位は、第1信号電位VsigLから中間電位VsigMに変化する。
【0101】
その後に続くサブフレーム期間SF(1),SF(3)の行書き込み期間W/Nにおいて、各画素Pixに正極性の画素信号SigM+(Sig1M+,Sig2M+,・・・,SignM+)として第2信号電位VsigH(最大階調値)が書き込まれると、画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)は、図10に上向き矢示したように、中間電位VsigMから第2信号電位VsigHに変化する。
【0102】
実施形態2においても、実施形態1と同様に、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の行書き込み期間W/Nにおいて、各画素Pixに正極性の画素信号SigM+(Sig1M+,Sig2M+,・・・,SignM+)として第2信号電位VsigH(最大階調値)が書き込まれる際に、画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)が第2信号電位VsigHに安定するまでの時間を、比較例よりも短くすることができる。このため、サブフレーム期間SF(1),SF(3)における行書き込み期間W/Nを比較例よりも短縮した(W/N)/2とすることができ、結果として、サブフレーム期間SF(1),SF(3)の書き込み期間Wを短縮することができる。
【0103】
また、サブフレーム期間SF(2)の行書き込み期間W/Nにおいて、各画素Pixに負極性の画素信号SigM-(Sig1M-,Sig2M-,・・・,SignM-)として第1信号電位VsigL(最大階調値)が書き込まれる際に、画素電極電位VpixNM(Vpix1M,Vpix2M,・・・,VpixnM)が第1信号電位VsigLに安定するまでの時間を、比較例よりも短くすることができる。このため、サブフレーム期間SF(2)における行書き込み期間W/Nを比較例よりも短縮した(W/N)/2とすることができ、結果として、サブフレーム期間SF(2)の書き込み期間Wを短縮することができる。
【0104】
以上説明したように、上述した実施形態により、フレーム期間Fに占める書き込み期間Wを短縮することができる。これにより、例えば、フレームレートを向上させることができる。また、相対的に保持期間Hを長くすることができ、発光部31の各光源(第1光源11R、第2光源11G、第3光源11B)の点灯時間を長くすることができる。これにより、例えば、各光源(第1光源11R、第2光源11G、第3光源11B)の発光強度を抑制することができる。あるいは、各光源の数を減らすことができ、省電力化やコスト低減に寄与することができる。さらには、書き込み期間Wの時分割数を増やすことができるので、表示パネルPにおける画素数を増加して高精細化を図ることができる。
【0105】
以上、好適な実施の形態を説明したが、本開示はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本開示の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0106】
1 スイッチング素子
2 画素電極
3 液晶層
6 共通電極
7 表示領域
8 信号出力回路
9A 第1走査回路
9B 第2走査回路
10 共通電極駆動回路
12 光源駆動回路
13 タイミングコントローラ
14 電源回路
100 表示装置
P 表示パネル
L 光源装置
SLM 信号線
GLN 走査線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10