(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106779
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】生鮮食品の鮮度確保装置
(51)【国際特許分類】
A23L 3/32 20060101AFI20240801BHJP
A23L 5/30 20160101ALI20240801BHJP
【FI】
A23L3/32
A23L5/30
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011215
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】523031367
【氏名又は名称】一般社団法人日本アーシング協会
(74)【代理人】
【識別番号】110003454
【氏名又は名称】弁理士法人友野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古川 鉄兵
【テーマコード(参考)】
4B021
4B035
【Fターム(参考)】
4B021LA41
4B021LT03
4B021LW02
4B021LW03
4B021LW04
4B035LC05
4B035LE06
4B035LP59
4B035LT20
(57)【要約】
【課題】
生鮮食品に帯電した静電気を確実に除去するとともに、アース線に誘起した電磁波による生鮮食品への影響を防止し、周囲状況に対応した最適静電気除去を提供できるシステムを構築すること。
【解決手段】
生鮮食品に接触する電気導電性を有する布あるいはシートにより構成される生鮮食品接触部と、前記生鮮食品接触部の導電性を有する布あるいはシートの導電部と導通を有する第1接続部を有し、前記第1接続部と接続する電気的素子を、直列及び/あるいは並列に結合できる第2接続部を有し、前記第2接続部と前記電気的素子を介して結合する第3接続部を有する結合部とを有して生鮮食品に外部からの電磁波の影響を及ぼさない防御機能と生鮮食品に蓄積される静電気を放電する機能を有して構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生鮮食品に接触する電気導電性を有する布あるいはシートを有する生鮮食品接触部と、
前記生鮮食品接触部の導電性を有する布あるいはシートの導電部と導通を有する第1接続部、前記第1接続部と接続する電気的素子を直列及び/あるいは並列に結合できる第2接続部、前記第2接続部と前記電気的素子を介して結合する第3接続部を有する結合部と、
生鮮食品に外部からの電磁波の影響を及ぼさない防御機能と、
生鮮食品に蓄積される静電気を放電する機能と
を備えることを特徴とする環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置。
【請求項2】
前記第3接続部に接地線、あるいは放電部もしくは静電気蓄積部が接続されることを特徴とする請求項1に記載の環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置。
【請求項3】
前記食品接触部と前記結合部とを一体化したことを特徴とする請求項1に記載の環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置。
【請求項4】
前記電気的素子の組み合わせを使用環境に適合して変化できることを特徴とする請求項1に記載の環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置。
【請求項5】
前記電気的素子として、抵抗、コイル、コンデンサ、ヒューズ、短絡素子のうちの少なくともいずれか1つが用いられることを特徴とする請求項1に記載の環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置。
【請求項6】
前記電気的素子を容易に交換可能な手段により回路が構成されることを特徴とする請求項1に記載の環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置。
【請求項7】
交換手段として前記回路構成中にホルダーが更に設けられ、前記ホルダーに前記電子的素子が挿入されることを特徴とする請求項6に記載の環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置。
【請求項8】
前記回路構成中に複数の前記電気的素子が配置され、前記複数の電気的素子が切り替えスイッチにより前記回路構成中に挿入されることを特徴とする請求項6に記載の環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置。
【請求項9】
前記電気的素子として、抵抗とコイルとが並列接続して用いられることを特徴とする請求項1に記載の環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置。
【請求項10】
前記結合部の出力が接地線あるいは静電気貯蔵装置に接続されることを特徴とする請求項1に記載の環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置。
【請求項11】
前記第3接続部に静電気蓄積部が接続され、前記静電気蓄積部として表面積大なる金属板から構成される静電気蓄積パッドあるいはコンデンサが用いられることを特徴とする請求項1に記載の環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、生鮮食品の鮮度確保装置に係り、特に、環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生鮮食品以外の食材を冷凍以外で長持ちさせるには、昆布や干物、高野豆腐など、乾燥させて水分を抜くことで、菌やカビの繁殖を抑える乾燥させて水分を抜くことで、菌やカビの繁殖を抑える方法、オイル漬けや缶詰など、酸素を入れないようにすることで空気(酸素)をシャットアウトし、菌やカビの多くは、増殖するのに必要な酸素が必要を入れないようにする方法、酢やレモンなどに漬けるなど酸性にすることによる防腐効果、梅干しや塩漬け、味噌漬け、ジャムなど、塩分や糖分の濃度を高くすることで、菌が繁殖できる水(自由水)を減らす働きによる菌が繁殖しにくくする方法などがある。
【0003】
現在、生鮮食品を貯蔵するためには、冷蔵或いは冷凍方法が用いられている。しかし、生鮮食品を採れたての常温状態で、味覚をできるだけ維持する方法は実現できていない。
【0004】
特許文献1では、青果物の表面が乾燥することを防止しながら、青果物の表面に結露が発生することを防止する、青果物用調湿材及びそれを有する青果物収納用容器を提供することが提案されている。
【0005】
特許文献2では、水溶性かつ生体適合性の原料化合物の水溶液又はアルコール水溶液を食品の表面に塗布し、そののちに前記食品の表面にプラズマ又は電子線を照射することにより前記原料化合物を重合反応させて、前記食品の表面に重合薄膜を形成することにより、食品の鮮度を保持する方法及びそのための装置を提供することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6986313号公報
【特許文献2】特開2022-054466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した従来技術における諸問題に対して、生鮮食品を採れたての常温状態での味覚をできるだけ維持する生鮮食品の鮮度確保装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した各課題を解決するために、本発明者は、電波送信機において寄生振動防止手段に用いられている、パラスチック発振止め回路にヒントを得て本発明を考案するに至った。
【0009】
すなわち、本発明者は、上記課題に向かい、まず、生鮮食品の鮮度が劣化するのは、食品中の細胞が保存中に電荷を帯び、細胞中の水分が電磁劣化により蒸発する等の細胞劣化が生ずるのではないかと想像した。
【0010】
本発明者は、現在発明製品化した発売中の「アーシングマット」の応用に着目し、「アーシングマット」で生鮮食品を包み設置する実験を行った。その結果、アーシングマットで包み保存処理をした食品と、処理をしていない食品を共に常温貯蔵した場合、明らかに前者の保存方法の方が長時間に鮮度を保つことが明らかとなった。特に生鮮食品としては野菜などの農作物が顕著で、食肉等の動物性食品の鮮度保存にも効果があることが判明した。
【0011】
接地点の接地抵抗により静電気の除去効果が異なる、すなわち工業用機械に用いるような接地抵抗が低い接地点に接続した方が静電気の除去が急速に行われる。ところが、この状況が適する生鮮食品と、急速放電に不向きな、接地抵抗が大なる接地点にアース線を接続する方法、アース線に抵抗を挿入し、静電気放電を緩やかに行うことが適する生鮮食品も想定できる。
【0012】
また、一般家庭では、接地点の接地抵抗が大きい、接地点までの距離が遠い、アース線の長さが長くなる、アース線を接地する場所が無くアース線をベランダの手すりの様な金属部分に接続せざるを得ず静電気除去が不十分など、住環境に依存することがある。
【0013】
現在、電子レンジ、携帯電話、Wi-Fi機器、インターネット等に接続するルータなどの周囲の電磁波環境は、住環境ごとに異なる。また、蓄積された静電気を大地に放電するためのアース線の接地が不完全であったり、アース線の長さが長すぎたりするため、アース線近傍に存在する電子機器等からの電磁波とアンテナ結合してアース線に電磁波が誘起されるなどして、生鮮食品の鮮度に影響を及ぼすことが考えられる。
【0014】
電気冷蔵庫の消費電力の最大の部品は、コンプレッサーを動かすための電動モーターであり、電気冷蔵庫が動いている間は、電磁波が出ている。また、最新のものにはインバータが用いられて省エネになっているが、このインバータからも電磁波がでている。冷蔵庫の内部に出てくる電磁波は外部に出てくる電磁波よりも強いことが想定される。
【0015】
そこで、上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置は、生鮮食品に接触する電気導電性を有する布あるいはシートにより構成される生鮮食品接触部と、前記生鮮食品接触部の導電性を有する布あるいはシートの導電部と導通を有する第1接続部を有し、前記第1接続部と接続する電気的素子を、直列及び/あるいは並列に結合できる第2接続部を有し、前記第2接続部と前記電気的素子を介して結合する第3接続部を有する結合部とを有して生鮮食品に外部からの電磁波の影響を及ぼさない防御機能と生鮮食品に蓄積される静電気を放電する機能を有することを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の態様に係る環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置として、第1の態様において、前記第3接続部に接地線、あるいは放電部もしくは静電気蓄積部が接続されるようにしてもよい。
【0017】
本発明の第3の態様に係る環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置として、第1の態様において、前記食品接触部と前記結合部とを一体化したようにしてもよい。
【0018】
本発明の第4の態様に係る環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置として、第1の態様において、前記電気的素子の組み合わせを、使用環境に適合して変化できるようにしてもよい。
【0019】
本発明の第5の態様に係る環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置として、第1の態様において、前記電気的素子として、抵抗、コイル、コンデンサ、ヒューズ、短絡素子のうちの少なくともいずれか1つを用いるようにしてもよい。
【0020】
本発明の第6の態様に係る環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置として、第1の態様において、前記電気的素子を容易に交換可能な手段により回路構成を行うようにしてもよい。
【0021】
本発明の第7の態様に係る環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置として、第6の態様において、交換手段として前記回路構成中にホルダーを更に設け、該ホルダーに前記電子的素子が挿入されるようにしてもよい。
【0022】
本発明の第8の態様に係る環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置として、第6の態様において、前記回路構成中に複数の前記電気的素子が配置され、前記複数の電気的素子が切り替えスイッチにより前記回路構成中に挿入されるようにしてもよい。
【0023】
本発明の第9の態様に係る環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置として、第1の態様において、前記電気的素子として、抵抗とコイルとが並列接続して用いられるようにしてもよい。
【0024】
本発明の第10の態様に係る環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置として、第1の態様において、前記結合部の出力が接地線あるいは静電気貯蔵装置に接続されるようにしてもよい。
【0025】
本発明の第11の態様に係る環境適合型生鮮食品の鮮度確保装置として、第1の態様において、前記第3接続部に静電気蓄積部が接続され、前記静電気蓄積部として表面積大なる金属板から構成される静電気蓄積パッドあるいはコンデンサが用いられるようにしてもよい。
【0026】
本発明の他の一態様として、アース線が近傍の存在する電磁波と電磁結合し、生鮮食品に電磁波の影響を及ぼさないような防御手段としてアース線を通過する電流を調整する電流調整部を有していることを特徴としてもよい。
【0027】
あるいは、また別の一態様として、電磁波は、電気回転機械から発生するものから無線電波や電子レンジの様な機器から発生するものまで、広範囲の周波数に渡って存在する。従って防御手段として、生鮮食品の鮮度確保装置を設置する周囲の電磁波環境に適合するよう制御できる電流調整部を有することを特徴としてもよい。
【0028】
さらに、別の一態様として、冷蔵庫の内部に上述した態様の環境に適合する機能を有する生鮮食品の鮮度確保装置を備えることを特徴としてもよい。
【0029】
さらに、また別の態様として、土壌栽培、水耕栽培などの植物や、水槽、生簀などで育てられている魚などに、外部からの電磁波の影響を及ぼさない防御機能と、蓄積される静電気を放電する機能とを備えることを特徴としてもよい。これにより、植物や魚などの生育がさらに良くなることが期待できる。
【0030】
野菜等の植物性食品は大地中で育成されており、動物性食品は大地上で育成されており、大地から切り離された状態では、生体の電気バランスが崩れ本来の成長や回復などができない。さらに電磁波の影響を受けることでも生体バランスが崩れやすい。生鮮食品がアース(接地)されて保存された場合、大地との電子のやり取りがあり、電気バランスを整えることより、生育環境状態に近似しているため、生育環境に近い成長により、接地されない解放状態保存よりも鮮度維持が続くと考えられる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の各態様によれば、アース線の状況、状態の差に加えて、住環境、生鮮食品の保管環境の違いに応じて環境に適合する機能を有する生鮮食品の鮮度確保装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の一実施形態に係る環境に適合する機能を有する生鮮食品の鮮度確保装置の機能構成図である。
【
図1A】本発明の一実施形態に係る生鮮食品接触部の概略構成図である。
【
図1B】本発明の一実施形態に係る別の生鮮食品接触部の概略構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る環境に適合する機能部の機能構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る環境に適合する機能部の電子素子切り替え例である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る環境に適合する機能部の並列接続回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
ここでの生鮮食品とは、特に青果物(野菜、果物、山菜、キノコなど)、魚介類などをいうが、他に鮮肉なども含め、特に限定されるものではない。
【0034】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る環境に適合する機能を有する生鮮食品の鮮度確保装置を説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態に係る環境に適合する機能を有する生鮮食品の鮮度確保装置の機能構成図であり、生鮮食品に接する生鮮食品接触部1は、導電性を有する金属線等が編み込まれている。
【0036】
生鮮食品接触部1は、たとえば編み込まれた金属線と電気接続されたコネクタからなる接続部2を有している。生鮮食品接触部1は、接続部2と同様のコネクタによる接続部3を有する環境に適合する機能部4と電線接続される。
【0037】
図1Aは、本発明の一実施形態に係る生鮮食品接触部の概略構成図である。
図1Aに示すように、生鮮食品に外部からの電磁波の影響を及ぼさない防御機能と生鮮食品に蓄積される静電気を放電する機能を有する導電性を有する金属線等が編み込まれた生鮮食品を収納可能な箱状の導電体ケージである。
【0038】
図1Bは、本発明の一実施形態に係る別の生鮮食品接触部の概略構成図である。
図1B示すように、別の形態として、生鮮食品に外部からの電磁波の影響を及ぼさない防御機能と生鮮食品に蓄積される静電気を放電する機能を有する導電性を有する金属線等が編み込まれた生鮮食品を収納可能な袋状の導電性シートである。
【0039】
生鮮食品接触部は、
図1Aおよび
図1Bの形状に限定されるものではなく、生鮮食品の周りを、導電性を有する金属線等で包みこむ形状であればよい。
【0040】
図2は、本発明の一実施形態に係る環境に適合する機能部の機能構成図である。
図2に示すように、環境に適合する機能部4の一実施例を示しており、接続部3と2つの電気素子ホルダー5、6と並列接続される。並列電子素子ホルダー5,6の接続部3と反対側には電気素子ホルダー7が直列接続され、さらに環境に適合する機能部4に設置された上述と同様なコネクタによる第3接続部8に接続されている。
【0041】
上述の説明では、電気素子の接続を分かりやすくするため、ホルダーやコネクタのような接続部を設ける例を挙げたが、接続部を別個に設けず、半田付け、ねじ止め等の接続でもよい。
【0042】
電気素子ホルダー5,6,7に挿入、あるいはねじ止め等(以下、「挿入」と略記することもある。)によりされる電気素子9は、電気抵抗素子(抵抗と略記)、チョークコイル、コンデンサ、ヒューズ、短絡素子のいずれかである。上述の電気素子には可変抵抗器、可変容量コンデンサ、タップ付きコイルが含まれている。
【0043】
第3接続部8からはアース線9によりアース10に接続されている。また、アース10の設置が無い場合は、後述する静電貯蔵マット11Aあるいはコンデンサ11Bに接続される。
【0044】
アース線を、接地抵抗が非常に低い理想的なアース10に接続できる場合は、ホルダー5あるいは6、及び7には短絡素子を挿入することにより生鮮食品接触部1は直に接地され、外部からの電磁波が生鮮食品に直接当たらないようにアースに放電、除去される。あるいは、生鮮食品に蓄積される静電気はアースに放電、除去される。
【0045】
上述の場合には、接地抵抗が低いため、放電が急激に行われることで生鮮食品に与えるダメージが想定され、2つの短絡素子のうちいずれか1つを低抵抗として放電電流立ち上がりを緩やかにして電撃ショックを避けることが出来る。
【0046】
アース10の接地抵抗が大なる場合や、第3接続部とアース10の距離が離れており、アース線が長くなる場合は、並列ホルダー5,6にそれぞれ抵抗RとコイルLを挿入する。
図4は、本発明の一実施形態に係る環境に適合する機能部の並列接続回路図である。
図4に示すように、上述した状態を電気回路で表示したもので、アース線より結合混入した周波数fなる電磁波はR,L並列回路に到来する。
【0047】
現在、一般環境において存在する電磁波は数十~数百Mhz以上の高周波が多く、チョークコイルが呈する高周波抵抗はωL=2πfLと大変大きくなるため、上述した電磁波は抵抗Rを通過して生鮮食品接触部1に到達するが、抵抗Rを通過するため熱消費され、生鮮食品に影響を及ぼさない程度に弱められる。
【0048】
アース線に高周波コイルと高抵抗を並列に接続した、いわゆるパラスチック止め回路を挿入することによりを誘起された電磁波を減衰させ防止するという効果を生ずる。
【0049】
一方、生鮮食品からの静電気放電は微小直流であり、ほぼ抵抗値0のコイルを通してアースに放電される。
【0050】
本発明を使用するためのアース10が使用できない場合は、静電貯蔵マット11に接続する。静電貯蔵マット11は、静電気が金属表面に帯電しやすい特性を利用する。
【0051】
また、上述した試験の結果では直流を蓄電するコンデンサに静電気をためることも効果があり、特に2重層コンデンサは効果が大であった。
【0052】
上述したように、生鮮食品に蓄積された静電気を、生鮮食品より静電気を蓄積し易い静電気蓄部に移動させることにより生鮮食品に蓄積された静電気を除去するものである。
【0053】
上述の説明では、各種の電気素子9をホルダーに挿入する応用例を示した。
図3は、本発明の一実施形態に係る環境に適合する機能部の電子素子切り替え例である。
図3に示すように、各種の電気素子を並べてスイッチで選択する方法でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明にかかる環境に適合する機能を有する生鮮食品の鮮度確保装置は、工業的に製造することができ、また商取引の対象とすることができるため、経済的価値を有しており、産業上利用することができる発明である。
【符号の説明】
【0055】
1…生鮮食品接触部
2…第1接続部
3…第2接続部
4…環境に適合する機能部
5,6,7…ホルダー
8…第3接続部
9…電気素子
10…アース
11A…静電気蓄積パッド
11B…コンデンサ(F)
f…周波数(Hz)
L…コイル(インダクタンス)
R…抵抗(Ω)
【手続補正書】
【提出日】2024-07-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生鮮食品に接触する電気導電性を有する金属線が編み込まれた布あるいはシートによって食品が包み込まれる形状を有する生鮮食品接触部(1)と、
前記生鮮食品接触部(1)の接続部(2)と導通を有する第1接続部(3)、前記第1接続部(3)と直列及び/あるいは並列に結合できる電気的素子(9)を介して結合できる第2接続部、前記第2接続部と前記電気的素子(9)を介して結合する第3接続部(8)を有する機能部(4)と、
を備え、
前記第3接続部(8)に接地線、あるいは放電部もしくは静電気蓄積部が接続されることを特徴とする生鮮食品中の静電気除去装置。
【請求項2】
前記食品接触部(1)と前記機能部(4)とを一体化したことを特徴とする請求項1に記載の生鮮食品中の静電気除去装置。
【請求項3】
前記電気的素子(9)の組み合わせを使用環境に適合して変化できることを特徴とする請求項1に記載の生鮮食品中の静電気除去装置。
【請求項4】
前記電気的素子(9)として、抵抗、コイル、コンデンサ、ヒューズ、短絡素子のうちの少なくともいずれか1つが用いられることを特徴とする請求項1に記載の生鮮食品中の静電気除去装置。
【請求項5】
前記電気的素子(9)を交換可能な手段により回路が構成されることを特徴とする請求項1に記載の生鮮食品中の静電気除去装置。
【請求項6】
交換手段として前記回路構成中にホルダーが更に設けられ、前記ホルダーに前記電気的素子(9)が挿入されることを特徴とする請求項5に記載の生鮮食品中の静電気除去装置。
【請求項7】
前記回路構成中に複数の前記電気的素子が配置され、前記複数の電気的素子が切り替えスイッチにより前記回路構成中に挿入されることを特徴とする請求項5に記載の生鮮食品中の静電気除去装置。
【請求項8】
前記電気的素子(9)として、抵抗とコイルとが並列接続して用いられることを特徴とする請求項1に記載の生鮮食品中の静電気除去装置。
【請求項9】
前記機能部(4)の出力が接地線あるいは静電気貯蔵装置に接続されることを特徴とする請求項1に記載の生鮮食品中の静電気除去装置。
【請求項10】
前記第3接続部(8)に静電気蓄積部が接続され、前記静電気蓄積部として金属板から構成される静電気蓄積パッドあるいはコンデンサが用いられることを特徴とする請求項1に記載の生鮮食品中の静電気除去装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】