(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106784
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】センサシート
(51)【国際特許分類】
B62D 1/06 20060101AFI20240801BHJP
G01B 7/00 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
B62D1/06
G01B7/00 101R
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011221
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000219602
【氏名又は名称】住友理工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】那須 将樹
(72)【発明者】
【氏名】ヤネツコ ミッシェル
(72)【発明者】
【氏名】吉田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】早川 知範
(72)【発明者】
【氏名】中野 克彦
【テーマコード(参考)】
2F063
3D030
【Fターム(参考)】
2F063AA01
2F063BA08
2F063FA11
3D030DA25
3D030DA35
3D030DA44
3D030DA47
3D030DA64
3D030DA69
3D030DB13
(57)【要約】
【課題】柔軟性を有しつつ、検出精度を向上させることができるセンサシートを提供する。
【解決手段】エラストマーにより形成された絶縁体シート21と、導電性材を含むエラストマーにより形成され、絶縁体シート21の上面に配置される検知電極22と、検知電極22の上面に配置され、芯材15の中心軸線14方向に対応する長手方向に延在される第一バイパス導体23と、検知電極22に対応付けられた第一リード線28と、第一バイパス導体23と第一リード線28との間に配置され、第一バイパス導体23から離間して配置されるとともに検知電極22と電気的に接続された第一配線導体24と、を備え、第一配線導体24の一端24Aは、第一リード線28と接触した状態で電気的に接続されており、第一配線導体24の他端24Bは、第一バイパス導体23と第一端部隙間41を空けて離間して配置されている、センサシート20。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材を有するステアリングホイールの巻付け対象部材に巻き付けられるセンサシートであって、
エラストマーにより形成された絶縁体シートと、
導電性材を含むエラストマーにより形成され、前記絶縁体シートの上面に配置され、少なくとも一つの検知領域を構成する少なくとも一つの検知電極と、
前記検知電極の上面に配置され、前記巻付け対象部材の中心軸線方向に対応する長手方向に延在される第一バイパス導体と、
前記検知電極に対応付けられた第一リード線と、
前記第一バイパス導体と前記第一リード線との間に配置され、前記第一バイパス導体から離間して配置されるとともに前記検知電極と電気的に接続された第一配線導体と、を備え、
前記第一配線導体の一端は、前記第一リード線と電気的に接続されるとともに、前記第一リード線と接触した状態で配置されており、または、前記第一バイパス導体よりも前記第一リード線に近い位置に配置されており、
前記第一配線導体の他端は、前記第一配線導体の一端よりも前記第一バイパス導体に近い位置に配置され、前記第一バイパス導体と第一端部隙間を空けて離間して配置されている、センサシート。
【請求項2】
前記第一配線導体は、前記第一バイパス導体における前記長手方向の一端に対して、前記長手方向に離間して配置されており、かつ、前記長手方向に交差する交差方向に延在して前記第一リード線と電気的に接続されている、請求項1に記載のセンサシート。
【請求項3】
前記第一配線導体は、前記交差方向に直線状に延在している、請求項2に記載のセンサシート。
【請求項4】
前記第一配線導体は、
前記第一リード線に電気的に接続され、前記交差方向に延在する第一延在部と、
前記第一リード線と反対側の端部から前記第一バイパス導体に接近する方向に屈曲して前記長手方向に延在する第二延在部と、を備える、請求項2に記載のセンサシート。
【請求項5】
前記第一配線導体は、前記第一バイパス導体における前記長手方向の一端に対して、前記長手方向に離間した位置から、前記長手方向に延在して前記第一リード線と電気的に接続されている、請求項1に記載のセンサシート。
【請求項6】
第一配線導体は、第一バイパス導体における前記長手方向の一端に対して、前記長手方向に交差する交差方向に離間して配置されており、かつ、前記交差方向に延在して第一リード線と電気的に接続されている、請求項1に記載のセンサシート。
【請求項7】
第一バイパス導体は、前記長手方向に第一バイパス中間隙間を空けて配列される複数の第一分割バイパス導体により構成されている、請求項1に記載のセンサシート。
【請求項8】
前記センサシートは、前記長手方向に延びる外縁のうち少なくとも一方の外縁において、外側に開口する切欠部を有し、第一バイパス中間隙間は、切欠部に対応する位置に形成されている、請求項7に記載のセンサシート。
【請求項9】
前記切欠部の前記長手方向の幅寸法は、前記第一バイパス中間隙間より大きい、請求項8に記載のセンサシート。
【請求項10】
前記第一バイパス中間隙間は、検知対象の最小幅寸法よりも小さい、請求項8に記載のセンサシート。
【請求項11】
第一バイパス導体は、導電性繊維により形成されている、請求項1に記載のセンサシート。
【請求項12】
第一バイパス導体は、金属線により形成されている、請求項1に記載のセンサシート。
【請求項13】
第一バイパス導体は、導電性材を含むエラストマーにより形成されており、且つ、前記検知電極の電気抵抗率よりも小さい電気抵抗率を有している、請求項1に記載のセンサシート。
【請求項14】
前記第一バイパス導体は、前記検知領域に配置されており、
前記第一配線導体の少なくとも一部は、前記検知領域に配置されている、請求項1に記載のセンサシート。
【請求項15】
前記検知電極は、前記検知領域と異なる領域であって、前記第一バイパス導体と前記第一配線導体とを電気的に接続される電気接続領域と、を備え、
前記第一バイパス導体は、前記検知領域および前記電気接続領域に跨って配置されており、
前記第一配線導体は、前記電気接続領域に配置されている、請求項1に記載のセンサシート。
【請求項16】
導電性材を含むエラストマーにより形成され、前記絶縁体シートの下面に配置される少なくも一つのシールド電極と、
前記シールド電極の下面に配置され、前記巻付け対象部材の中心軸線方向に対応する前記長手方向に延在される第二バイパス導体と、
第二リード線と、
前記第二バイパス導体と前記第二リード線との間に配置され、前記第二バイパス導体から離間して配置される第二配線導体と、を備え、
前記第二配線導体の一端は、前記第二リード線と電気的に接続されるとともに、前記第二リード線と接触した状態で配置されており、または、前記第二バイパス導体よりも前記第二リード線に近い位置に配置されており、
前記第二配線導体の他端は、第二バイパス導体と第二端部隙間を空けて離間して配置されている、請求項1~15のいずれか一項に記載のセンサシート。
【請求項17】
前記第二バイパス導体は、前記長手方向に第二バイパス中間隙間を空けて配列される複数の第二分割バイパス導体により構成されている、請求項16に記載のセンサシート。
【請求項18】
前記第一バイパス導体は、前記長手方向に第一バイパス中間隙間を空けて配列される複数の第一分割バイパス導体により構成されており、
前記第一端部隙間と前記第二端部隙間とは、前記絶縁体シートの厚み方向に重なる位置に配置されており、
前記第一バイパス中間隙間と前記第二バイパス中間隙間とは、前記絶縁体シートの厚み方向に重なる位置に配置されている、請求項17に記載のセンサシート。
【請求項19】
芯材を有するステアリングホイールの巻付け対象部材に巻き付けられるセンサシートであって、
エラストマーにより形成された絶縁体シートと、
導電性材を含むエラストマーにより形成され、前記絶縁体シートの上面に配置され、少なくとも一つの検知領域を構成する少なくとも一つの検知電極と、
前記検知電極の各々の上面に配置され、前記巻付け対象部材の中心軸線方向に対応する長手方向に延在される第一バイパス導体と、
を備え、
第一バイパス導体は、前記長手方向に第一バイパス中間隙間を空けて配列される複数の第一分割バイパス導体により構成されている、センサシート。
【請求項20】
前記検知電極に対応付けられた第一リード線と、
前記第一バイパス導体と前記第一リード線との間に配置される第一配線導体と、を備え、
複数の第一分割バイパス導体の一つに、第一配線導体が接続されている、請求項19に記載のセンサシート。
【請求項21】
前記センサシートは、前記長手方向の外縁のうち少なくとも一方の外縁において、外側に開口する切欠部を有し、第一バイパス中間隙間は、切欠部に対応する位置に形成されている、請求項19に記載のセンサシート。
【請求項22】
前記長手方向について、前記切欠部の幅寸法は、前記第一バイパス中間隙間より大きい、請求項19に記載のセンサシート。
【請求項23】
前記第一バイパス中間隙間は、検知対象の最小幅寸法よりも小さい、請求項19に記載のセンサシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサシートに関する。
【背景技術】
【0002】
ステアリングホイールに取付けられるセンサシートとして、特許文献1に記載のものが知られている。ステアリングホイールのように、シート状のセンサシートを取付ける取付対象の形状が、三次元形状(三次元曲面、複合平面を含む)である場合、取付性の観点から、センサシートに柔軟性が求められる。つまり、センサシートを変形させながら取付対象に取付けることが求められる。
【0003】
特許文献1に記載の技術においては、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成された電極シートをセンサシートに適用することにより、センサシートに柔軟性を付与する技術が記載されている。
【0004】
しかしながら、導電性フィラーを含むエラストマーは、導電性フィラーの配合割合を高くすると硬くなり、導電性フィラーの配合割合を低くすると軟らかくなるが電気抵抗率が大きくなる。
【0005】
そこで、特許文献1には、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成された電極シートにおいて、所望の柔軟性を発現可能な導電性フィラーの配合割合としつつ、電極シートに電気的に接続された少なくとも1つのバイパス導体を備えたセンサシートが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された技術においては、センサシートと外部回路とを接続する端子部が、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成された電極シートに配置されていた。このため、電極シートにおいて検出された電気信号(電流または電圧等)は、電極シート、バイパス導体、電極シート、端子部の順に伝達される。この結果、センサシートにおける端子部の配置によっては、バイパス導体と端子部との間に位置する電極シートの電気抵抗値が大きくなってしまう可能性がある。すると、センサシートの検出精度が低下する恐れがある。
【0008】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、柔軟性を有しつつ、検出精度を向上させることができるセンサシートを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、
芯材を有するステアリングホイールの巻付け対象部材に巻き付けられるセンサシートであって、
エラストマーにより形成された絶縁体シートと、
導電性材を含むエラストマーにより形成され、前記絶縁体シートの上面に配置され、少なくとも一つの検知領域を構成する少なくとも一つの検知電極と、
前記検知電極の上面に配置され、前記芯材の中心軸線方向に対応する長手方向に延在される第一バイパス導体と、
前記検知電極に対応付けられた第一リード線と、
前記第一バイパス導体と前記第一リード線との間に配置され、前記第一バイパス導体から離間して配置されるとともに前記検知電極と電気的に接続された第一配線導体と、を備え、
前記第一配線導体の一端は、前記第一リード線と電気的に接続されるとともに、前記第一リード線と接触した状態で配置されており、または、前記第一バイパス導体よりも前記第一リード線に近い位置に配置されており、
前記第一配線導体の他端は、前記第一配線導体の一端よりも前記第一バイパス導体に近い位置に配置され、前記第一バイパス導体と第一端部隙間を空けて離間して配置されている、センサシートにある。
【0010】
本発明の他の態様は、
芯材を有するステアリングホイールの巻付け対象部材に巻き付けられるセンサシートであって、
エラストマーにより形成された絶縁体シートと、
導電性材を含むエラストマーにより形成され、前記絶縁体シートの上面に配置され、少なくとも一つの検知領域を構成する少なくとも一つの検知電極と、
前記検知電極の各々の上面に配置され、前記芯材の中心軸線方向に対応する長手方向に延在される第一バイパス導体と、
を備え、
第一バイパス導体は、前記長手方向に第一バイパス中間隙間を空けて配列される複数の第一分割バイパス導体により構成されている、センサシートにある。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、センサシートは、第一端部隙間において変形しやすくなっている。この結果、センサシートが全体として変形しやすくなっているので、センサシートをステアリングホイールに取付ける際に、取付性が良好となる。また、第一配線導体が設けられていない場合に比べて、第一リード線と、第一バイパス導体との間の電気抵抗値を小さくすることができる。これによりセンサシートの検出精度を向上させることができる。
【0012】
本発明の他の態様によれば、第一バイパス導体が設けられていることにより、検知電極の電気抵抗値を小さくすることができる。これによりセンサシートの検出精度を向上させることができる。また、第一バイパス導体は、複数の第一分割バイパス導体が、第一バイパス中間隙間を空けて配列されている。これにより、第一バイパス中間隙間において、センサシートが、変形しやすくなっている。この結果、センサシートが全体として変形しやすくなっているので、センサシートをステアリングホイールに取付ける際に、取付性が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態1のセンサシートが取付けられたステアリングホイールを示す正面図。
【
図16】実施形態10のセンサシートを示す、
図3のVII-VII線に対応する断面図。
【
図17】実施形態11のセンサシートを示す平面図。
【
図18】実施形態12のセンサシートを示す平面図。
【
図19】実施形態13のセンサシートを示す、
図3のV-V線に対応する断面図。
【
図20】実施形態13のセンサシートを示す、
図3のVI-VI線に対応する断面図。
【
図21】実施形態14のセンサシートを示す、
図3のV-V線に対応する断面図。
【
図22】実施形態14のセンサシートを示す、
図3のVI-VI線に対応する断面図。
【
図23】実施形態15のセンサシートを示す平面図。
【
図24】実施形態16のセンサシートを示す底面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態1)
1.ステアリングホイール10の構成
図1~
図2を参照して、実施形態1について説明する。本形態は、ステアリングホイール10に取付けられるセンサシート20に関する。
【0015】
図1に示すように、ステアリングホイール10は、コア部11と、リング部12と、コア部11とリング部12とを連結する複数(本形態では3つ)の連結部13と、を備える。
【0016】
リング部12は、中心軸線14が凸状曲線(本形態では円形状)となる軸部材とされる。本形態のリング部12は円形リング状に形成されている。ただし、リング部12は、円形に限られず、楕円形状等、任意の形状に形成することができる。
【0017】
図2に示すように、リング部12は、芯材15と、樹脂内層材16と、センサシート20と、外皮材17と、を備える。芯材15は、リング部12の中心部を構成し、リング部12の形状に対応する形状に形成されている。本形態では、芯材15は円形リング状に形成されている。芯材15の形状は、リング部12に対応して、楕円形状等、任意の形状とすることができる。芯材15は、例えばアルミニウムなど、導電性を有する金属により形成されている。芯材15は、例えば、グランド電位に接続されていても良い。芯材15の軸直角断面は円形状に形成されている場合を例に挙げるが、U字形状、楕円形状、多角形状等任意の形状とすることができる。なお、芯材15は、非導電性の樹脂により形成されていても良い。
【0018】
樹脂内層材16は、芯材15の外面において、芯材15のリング形状の全周に亘って、且つ、芯材15の円形断面形状の全周に亘って被覆する。本形態においては、樹脂内層材16の軸直角断面は円形状に形成されている。樹脂内層材16の軸直角断面形状は、円形状に限られず、卵形状、楕円形状、多角形状等、任意の形状とすることができる。樹脂内層材16は、射出成形により成形されており、芯材15の表面に直接的に接合されている。樹脂内層材16は、例えば、発泡ウレタンなどの発泡樹脂により成形されている。樹脂内層材16は、非発泡樹脂を用いることもできる。
【0019】
樹脂内層材16の外面には、センサシート20が巻付けられている。センサシート20については、後に詳述する。本形態では、芯材15と、芯材15の外面に配置された樹脂内層材16と、が巻付け対象部材に対応する。ただし、樹脂内層材16の外面にヒータが巻付けられる場合には、芯材15と、樹脂内層材16と、ヒータと、が巻付け対象部材となる。このように、巻付け対象部材は特に限定されない。
【0020】
外皮材17は、センサシート20の表面を被覆する。外皮材17は、樹脂を用いて射出成形により成形しても良いし、皮革を用いることもできる。外皮材17は、センサシート20の外面において、センサシート20のリング形状の全周に亘って、且つ、センサシート20の軸直角断面形状の全周に亘って被覆する。
【0021】
2.センサシート20の構成
2-1.センサシート20の全体構成
図3~
図7を参照して、本形態のセンサシート20について説明する。
図5~
図7は、説明を容易にするために、厚みを誇張して図示している。なお、詳細には指摘しないが、他の図面においても厚みが誇張されている。
【0022】
図7に示すように、センサシート20は、絶縁体シート21と、検知電極22と、第一バイパス導体23と、第一配線導体24と、シールド電極25と、第二バイパス導体26と、第二配線導体27と、を備える。
図3および
図4に示すように、センサシート20は、第一リード線28および第二リード線29を介して処理装置30に接続されている。第一リード線28は検知電極22と対応付けられており、第二リード線29はシールド電極25と対応付けられている。
【0023】
図3に示すように、センサシート20は、長手方向に長尺な平面状に形成されている。長手方向は、芯材15の中心軸線14の方向に対応する。センサシート20は可撓性を有し、且つ、伸縮可能に構成されることにより、任意の形状とすることができる。つまり、
図3に示すセンサシート20は、変形前の初期状態を示す。
【0024】
2-2.絶縁体シート21
図5に示すように、絶縁体シート21は、エラストマーにより形成されている。従って、絶縁体シート21は弾性変形可能である。絶縁体シート21は、例えば、熱可塑性エラストマーにより形成されている。絶縁体シート21は、熱可塑性エラストマー自身により形成される構成としてもよいし、熱可塑性エラストマーを素材として加熱することによって架橋されたエラストマーにより形成される構成としてもよい。
【0025】
ここで、絶縁体シート21は、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系、エステル系、アミド系などのエラストマーから、1種以上を選択可能である。例えば、スチレン系エラストマーとしては、SBS、SEBS、SEPSなどが挙げられる。オレフィン系エラストマーとしては、EEA、EMA、EMMAなどの他、エチレンとαオレフィンとの共重合体(エチレン-オクテン共重合体)などが挙げられる。
【0026】
絶縁体シート21は、熱可塑性エラストマー以外のゴム、樹脂を含んでいても良い。例えば、エチレン-プロピレンゴム(EPM、EPDM)などのゴムを含む場合には、絶縁体シート21の柔軟性が向上する。絶縁体シート21の柔軟性を向上させるという観点から、絶縁体シート21に可塑剤などの柔軟性付与成分を含有させても良い。
【0027】
2-3.検知電極22
図5に示すように、検知電極22は、絶縁体シート21の上面(
図5の上面)側に配置されている。検知電極22により、センサシート20に検知領域22Aが形成される。詳細には、絶縁体シート21の厚み方向について、検知電極22と、シールド電極25とが重なって配置される領域が、検知領域22Aとされる。
【0028】
図3に示すように、検知電極22は、長手方向に長尺なシート状に形成されている。検知電極22の長手方向の長さ寸法は、絶縁体シート21の長手方向の長さ寸法よりもやや小さい。検知電極22の交差方向の長さ寸法は、絶縁体シート21の交差方向の長さ寸法よりもやや小さい。なお、交差方向とは、長手方向と交差する方向であって、且つ、絶縁体シート21の上面に沿う方向をいう。本形態の検知電極22は、絶縁体シート21の上面に、検知電極22の上面が露出した状態で埋設されている。ただし、検知電極22は、絶縁体シート21の上面に積層されていてもよい。
【0029】
検知電極22は、導電性を有しつつ、柔軟性および面方向への伸縮性を有する。検知電極22は、導電性エラストマーにより形成されている。すなわち、検知電極22は、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成されている。
【0030】
検知電極22に用いられるエラストマーは、絶縁体シート21と主成分を同種とする材料により形成されることが好ましい。すなわち、検知電極22は、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系、エステル系、アミド系などのエラストマーから、1種以上を選択可能である。例えば、スチレン系エラストマーとしては、SBS、SEBS、SEPSなどが挙げられる。オレフィン系エラストマーとしては、EEA、EMA、EMMAなどの他、エチレンとαオレフィンとの共重合体(エチレン-オクテン共重合体)などが挙げられる。
【0031】
ただし、検知電極22は、絶縁体シート21よりも高い軟化点を有するように選択される。これは、絶縁体シート21自身の融着(例えば熱融着)により絶縁体シート21に検知電極22を固着する際に、絶縁体シート21が検知電極22より先に軟化することができるようにするためである。
【0032】
検知電極22は、絶縁体シート21自身の融着(例えば熱融着)により絶縁体シート21に固着されている。さらには、検知電極22自身の融着(例えば熱融着)により、検知電極22と絶縁体シート21とが固着されている。つまり、検知電極22と絶縁体シート21とは、相互の融着によって固着されている。
【0033】
図3に示すように、本形態では、1つの絶縁体シート21に1つの検知電極22が配置されている。ただし、1つの絶縁体シート21に複数の検知電極22が配置される構成としても良い。複数の検知電極22は、絶縁体シート21の上面に、長手方向に沿って配列されてもよいし、また、交差方向に沿って配列されてもよい。
【0034】
2-4.第一バイパス導体23
図5に示すように、検知電極22の上面には、第一バイパス導体23が配置されている。第一バイパス導体23は、複数の第一分割バイパス導体23Aを備える。第一バイパス導体23を構成する各第一分割バイパス導体23Aは、検知電極22の上面に、各第一分割バイパス導体23Aの上面が露出した状態で埋設されている。ただし、各第一分割バイパス導体23Aは、検知電極22の上面に積層されていても良い。
【0035】
図3に示すように、第一バイパス導体23は、長手方向に延在されている。本形態の第一バイパス導体23は、複数(本形態では3つ)の第一分割バイパス導体23Aにより構成されている。複数の第一分割バイパス導体23Aは、長手方向に第一バイパス中間隙間40を空けて並んで配列されている。ただし、第一バイパス導体23は第一分割バイパス導体23Aを有しない構成であっても良いし、また、2つまたは4つ以上の複数の第一分割バイパス導体23Aにより構成されていても良い。
【0036】
各第一分割バイパス導体23Aの交差方向の長さ寸法は、検知電極22の交差方向の長さ寸法よりも小さい。本形態では、各第一分割バイパス導体23Aは、検知電極22のうち、交差方向の中央位置付近に配置されている。
【0037】
第一バイパス導体23は、検知電極22の長手方向の一方の端部(
図3の右端)から、他方の端部(
図3の左端)に亘って配置されている。換言すると、複数の第一分割バイパス導体23Aが、検知電極22の一方の端部から他方の端部に亘って、第一バイパス中間隙間40を空けて並んで配列されている。本形態では、長手方向について、各第一バイパス中間隙間40の隙間寸法は、同じに設定されている。ただし、各第一バイパス中間隙間40の隙間寸法が異なっていても良い。
【0038】
第一バイパス導体23を構成する各第一分割バイパス導体23Aは、検知電極22の電気抵抗率よりも小さい電気抵抗率を有する。特に、各第一分割バイパス導体23Aの電気抵抗率は、検知電極22の電気抵抗率の10分の1以下とすると効果的である。各第一分割バイパス導体23Aは、検知電極22に接触している部位において、検知電極22と電気的に接続されている。
【0039】
第一バイパス導体23を構成する各第一分割バイパス導体23Aを形成する材料としては、特に限定されず、下記の材料が例示される。
【0040】
(1)金属線
第一分割バイパス導体23Aは、金属線により形成されていても良い。金属線は、例えば、銅線、ニクロム線などである。この場合、第一分割バイパス導体23Aの電気抵抗率は、検知電極22の電気抵抗率の10分の1以下、さらには100分の1以下とすることができる。第一分割バイパス導体23Aは、検知電極22自身の融着(例えば熱融着)により、検知電極22に固着される。
【0041】
(2)導電性繊維
第一分割バイパス導体23Aは、導電性繊維により形成されていても良い。導電性繊維は、柔軟性を有する繊維の表面を導電性材料により被覆することにより形成される。導電性繊維としては、例えば、ポリエチレンなどの樹脂繊維の表面に、銅やニッケルなどをメッキすることにより形成される。第一分割バイパス導体23Aは、導電性繊維により形成された導電性布(織物または不織布)により形成されていても良い。第一分割バイパス導体23Aの電気抵抗率は、検知電極22の電気抵抗率の10分の1以下、さらには100分の1以下とすることができる。第一分割バイパス導体23Aは、検知電極22自身の融着(例えば、熱融着)により、検知電極22に固着される。
【0042】
第一分割バイパス導体23Aを導電性繊維により形成することにより、導電性繊維の間の空間に検知電極22が軟化して入り込む。これにより、第一分割バイパス導体23Aは、検知電極22とより強固に固着される。
【0043】
さらに、第一分割バイパス導体23Aを、網目を有し且つシート状に形成されている導電性布とし、さらに網目の配向方向を、検知電極22の長手方向に対して傾斜させることが好ましい。これにより、第一分割バイパス導体23Aが、検知電極22の長手方向に伸長することができる。つまり、第一分割バイパス導体23Aは、検知電極22が長手方向に伸長する際に、検知電極22の伸長変形に追従することができる。その結果、センサシート20の伸長性能が高くなる。特に、第一分割バイパス導体23Aの網目の配向方向を、検知電極22の長手方向に対して45°傾斜させると良い。これにより、センサシート20の長手方向の伸長性能および短手方向の伸長性能が高くなる。
【0044】
(3)導電性エラストマー
第一分割バイパス導体23Aは、導電性エラストマーにより形成されていても良い。つまり、第一分割バイパス導体23Aは、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成されていても良い。ただし、第一バイパス導体23を構成する各第一分割バイパス導体23Aは、検知電極22よりも電気抵抗率が小さい。従って、同種の導電性フィラーを適用する場合には、第一分割バイパス導体23Aに適用される導電性フィラーの割合が高くなる。第一分割バイパス導体23Aに適用されるエラストマーは、検知電極22と同種のエラストマーを適用するのが好ましい。
【0045】
第一分割バイパス導体23Aをエラストマーとすることにより、センサシート20全体の柔軟性が高いものとなる。さらに、第一分割バイパス導体23Aのエラストマーを検知電極22のエラストマーと同種とすることにより、両者の固着性能がより高くなる。
【0046】
2-5.第一配線導体24
図3に示すように、検知電極22の長手方向の一方の端部(
図3の右端部)には、第一配線導体24が配置されている。第一配線導体24は、検知電極22の上面に配置されている。第一配線導体24は、検知電極22の上面に、第一配線導体24の上面が露出した状態で埋設されている。ただし、第一配線導体24は、検知電極22の上面に積層されていてもよい。
【0047】
第一配線導体24は、交差方向に直線状に延在されている。ただし、第一配線導体24は、交差方向に沿って曲線状に延在されていても良いし、また、交差方向に沿って屈曲して延在されていても良い。
【0048】
第一配線導体24の一端24Aは、検知電極22の側縁のうち交差方向と交差する側縁に配置されている。第一配線導体24の他端24Bは、交差方向について検知電極22の中央位置付近に配置されている。第一配線導体24の他端24Bは、第一配線導体24の一端24Aよりも、第一バイパス導体23に近い位置に配置されている。
【0049】
第一配線導体24は、第一バイパス導体23と離間して配置されている。本形態では、第一配線導体24の他端24Bは、第一バイパス導体23を構成する第一分割バイパス導体23Aにおける長手方向の一端23Bに対して、長手方向に離間して配置されている。第一分割バイパス導体23Aと、第一配線導体24と、の隙間が、第一端部隙間41とされる。
【0050】
第一配線導体24は、検知電極22の電気抵抗率よりも小さい電気抵抗率を有する。特に、第一配線導体24の電気抵抗率は、検知電極22の電気抵抗率の10分の1以下とすると効果的である。第一配線導体24は、検知電極22に接触している部位において、検知電極22と電気的に接続されている。
【0051】
第一配線導体24は、第一バイパス導体23を構成する材料と同じ材料により形成することができるので、重複する説明を省略する。
【0052】
図6に示すように、第一配線導体24の一端24Aは、絶縁体シート21および検知電極22の上面と接触していない非接触領域24Cとされる。絶縁体シート21および検知電極22の上面には、第一配線導体24の非接触領域24Cに対応する位置に、第一接合規制層31が配置されている。第一接合規制層31は、絶縁性の合成樹脂製であって、シート状に形成されている。第一接合規制層31により、第一配線導体24の非接触領域24Cと、絶縁体シート21および検知電極22の上面とは、直接には接触しないように構成されている。
【0053】
第一接合規制層31は、絶縁体シート21に、絶縁体シート21自身の融着(例えば熱融着)によって接合される。第一接合規制層31は、例えば、絶縁体シート21の軟化点よりも高い軟化点の材料により形成される。例えば、第一接合規制層31は、熱可塑性材料で形成される樹脂シートを適用することができる。
【0054】
第一接合規制層31と、第一配線導体24の非接触領域24Cとの間には、第一リード線28の端部が配置されている。
【0055】
第一配線導体24の一端24Aは、第一リード線28と接続されている。第一リード線28は、芯線51と、芯線51の外周面を絶縁被覆する被覆部52と、を備える。芯線51は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の導電性の金属により形成されている。被覆部52は、熱可塑性材料により形成されている。被覆部52は、絶縁性を有する熱可塑性材料であれば良く、例えば、上述した絶縁体シート21に適用可能な材料により形成されても良い。
【0056】
第一リード線28は、第一リード線28の先端部に、被覆部52が皮剥ぎされることにより芯線51が露出した芯線露出部53を備える。
【0057】
芯線露出部53は、例えば、以下のように構成することができる。芯線露出部53は、金属線により形成される芯線51に、金属メッキ層が形成されるようにする。この場合、金属メッキ層には、ニッケルメッキが好適である。また、芯線露出部53は、芯線51に半田フロー層が形成されるようにしても良い。金属メッキ層および半田フロー層は、第一配線導体24との導通を良好にする役割を有する。
【0058】
第一リード線28の芯線露出部53は、第一配線導体24の非接触領域24Cのうち、交差方向について奥側に配置されている。第一リード線28は、第一配線導体24の縁部から交差方向についてセンサシート20から離れる方向に延びている。
【0059】
第一配線導体24の非接触領域24Cと、芯線露出部53における芯線51とが、例えば、金属メッキ層または半田フロー層を介して電気的に接続される。具体的には、第一リード線28が第一配線導体24と第一接合規制層31との間に挿入された後に、第一配線導体24の非接触領域24Cに対して超音波溶着処理を施すことにより、第一配線導体24と第一リード線28の芯線露出部53とが電気的に接続される。なお、第一配線導体24および第一リード線28の芯線露出部53は、金属を表面に有するため、超音波溶着により接合される。一方、第一リード線28の芯線露出部53と第一接合規制層31とは、隣接しているが、金属と樹脂であるため、超音波溶着を施したとしても溶着されない。
【0060】
2-6.シールド電極25
図5に示すように、シールド電極25は、絶縁体シート21の下面(
図5の下面)側、すなわち、絶縁体シート21における検知電極22の反対面に積層されている。つまり、シールド電極25は、絶縁体シート21と、ステアリングホイール10の樹脂内層材16との間に配置されている。
【0061】
図4に示すように、シールド電極25は、長手方向に長尺なシート状に形成されている。シールド電極25の長手方向の長さ寸法は、絶縁体シート21の長手方向の長さ寸法よりもやや小さい。シールド電極25の交差方向の長さ寸法は、絶縁体シート21の交差方向の長さ寸法よりもやや小さい。
図5に示すように、本形態のシールド電極25は、絶縁体シート21の下面に、シールド電極25の下面が露出した状態で埋設されている。ただし、シールド電極25は、絶縁体シート21の下面に積層されていてもよい。
【0062】
シールド電極25は、検知電極22と、絶縁体シート21の厚み方向に重なる位置に配置されている。本形態のシールド電極25は、検知電極22と同形同大である。ただし、シールド電極25は、検知電極22よりも大きくても良い。
【0063】
本形態のシールド電極25は、導電性を有しつつ、柔軟性および面方向への伸縮性を有する。シールド電極25は、導電性エラストマーにより形成されている。すなわち、シールド電極25は、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成されている。シールド電極25に用いられる導電性エラストマーは、検知電極22に用いられる導電性エラストマーと同じなので、重複する説明を省略する。ただし、シールド電極25は、導電性繊維により形成された導電性布で形成されていても良い。
【0064】
2-7.第二バイパス導体26
図4に示すように、シールド電極25の下面には、第二バイパス導体26が配置されている。第二バイパス導体26は、複数の第二分割バイパス導体26Aを備える。第二バイパス導体26を構成する各第二分割バイパス導体26Aは、シールド電極25の下面に、各第二分割バイパス導体26Aの下面が露出した状態で埋設されている。ただし、各第二分割バイパス導体26Aは、シールド電極25の下面に積層されていても良い。
【0065】
図4に示すように、第二バイパス導体26は、長手方向に延在されている。本形態の第二バイパス導体26は、長手方向に第二バイパス中間隙間42を空けて並んで配列される複数(本形態では3つ)の第二分割バイパス導体26Aにより構成されている。ただし、第二バイパス導体26は第二分割バイパス導体26Aを有しない構成であっても良いし、また、2つまたは4以上の複数の第二分割バイパス導体26Aにより構成されていても良い。
【0066】
各第二分割バイパス導体26Aの交差方向の長さ寸法は、シールド電極25の交差方向の長さ寸法よりも小さい。本形態では、各第二分割バイパス導体26Aは、シールド電極25のうち、交差方向の中央位置付近に配置されている。
【0067】
第二バイパス導体26は、シールド電極25の長手方向の一方の端部(
図4の右端)から、他方の端部(
図4の左端)に亘って配置されている。換言すると、複数の第二分割バイパス導体26Aが、シールド電極25の一方の端部から他方の端部に亘って、第二バイパス中間隙間42を空けて並んで配列されている。本形態では、長手方向について、各第二バイパス中間隙間42の隙間寸法は、同じに設定されている。ただし、各第二バイパス中間隙間42の隙間寸法が異なっていても良い。
【0068】
第二バイパス導体26を構成する各第二分割バイパス導体26Aは、シールド電極25の電気抵抗率よりも小さい電気抵抗率を有する。特に、各第二分割バイパス導体26Aの電気抵抗率は、シールド電極25の電気抵抗率の10分の1以下とすると効果的である。各第二分割バイパス導体26Aは、シールド電極25に接触している部位において、シールド電極25と電気的に接続されている。
【0069】
第二バイパス導体26は、第一バイパス導体23と同じ材料により形成されるので、重複する説明を省略する。
【0070】
2-8.第二配線導体27
図4に示すように、シールド電極25の長手方向の一方の端部(
図4の左端部)には、第二配線導体27が配置されている。第二配線導体27は、シールド電極25の下面に配置されている。第二配線導体27は、シールド電極25の下面に、第二配線導体27の下面が露出した状態で埋設されている。ただし、第二配線導体27は、シールド電極25の下面に積層されていてもよい。
【0071】
第二配線導体27は、交差方向に直線状に延在されている。ただし、第二配線導体27は、交差方向に沿って曲線状に延在されていても良いし、また、交差方向に沿って屈曲して延在されていても良い。
【0072】
第二配線導体27の一端27Aは、シールド電極25の側縁のうち交差方向と交差する側縁に配置されている。第二配線導体27の他端27Bは、交差方向についてシールド電極25の中央位置付近に配置されている。
【0073】
第二配線導体27は、第二バイパス導体26と離間して配置されている。本形態では、第二配線導体27の他端27Bは、第二バイパス導体26を構成する第二分割バイパス導体26Aにおける長手方向の一端26Bに対して、長手方向に離間して配置されている。第二分割バイパス導体26Aと、第二配線導体27と、の隙間が、第二端部隙間43とされる。
【0074】
第二配線導体27は、シールド電極25の電気抵抗率よりも小さい電気抵抗率を有する。特に、第二配線導体27の電気抵抗率は、シールド電極25の電気抵抗率の10分の1以下とすると効果的である。第二配線導体27は、シールド電極25に接触している部位において、シールド電極25と電気的に接続されている。
【0075】
第二配線導体27は、第一バイパス導体23を構成する材料と同じ材料により形成することができるので、重複する説明を省略する。
【0076】
図6に示すように、第二配線導体27の一端27Aは、絶縁体シート21およびシールド電極25の下面と接触していない非接触領域27Cとされる。絶縁体シート21およびシールド電極25の下面には、第二配線導体27の非接触領域27Cに対応する位置に、第二接合規制層32が配置されている。第二接合規制層32は、絶縁性の合成樹脂製であって、シート状に形成されている。第二接合規制層32により、第二配線導体27の非接触領域27Cと、絶縁体シート21およびシールド電極25の下面とは、直接には接触しないようになっている。
【0077】
第二接合規制層32は、絶縁体シート21に、絶縁体シート21自身の融着(例えば熱融着)によって接合される。第二接合規制層32は、例えば、絶縁体シート21の軟化点よりも高い軟化点の材料により形成される。例えば、第二接合規制層32は、熱可塑性材料で形成される樹脂シートを適用することができる。
【0078】
第二接合規制層32と、第二配線導体27の非接触領域27Cとの間には、第二リード線29の端部が配置されている。
【0079】
第二配線導体27の他方の端部は、第二リード線29と接続されている。第二リード線29の構成は第一リード線28と同じなので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0080】
2-9.各バイパス導体23,26、各配線導体24,27、および各隙間40,41,42,43の構成
図3に示すように、本形態においては、長手方向について、第一バイパス中間隙間40の間隔は、第一端部隙間41の間隔よりも大きい。
【0081】
図7に示すように、第一バイパス導体23と、第二バイパス導体26とは、絶縁体シート21の厚み方向に重なる位置に配置されている。詳細には、各第一分割バイパス導体23Aと、各第二分割バイパス導体26Aとは、絶縁体シート21の厚み方向に重なる位置に配置されている。また、各第一バイパス中間隙間40と、各第二バイパス中間隙間42とは、絶縁体シート21の厚み方向に重なる位置に配置されている。
【0082】
図7に示すように、第一配線導体24と、第二配線導体27とは、絶縁体シート21の厚み方向に重なる位置に配置されている。また、第一端部隙間41と、第二端部隙間43とは、絶縁体シート21の厚み方向に重なる位置に配置されている。
【0083】
第一バイパス中間隙間40、および第一端部隙間41は、検知対象の最小幅寸法よりも小さい。これにより、検知対象は、少なくとも、第一バイパス導体23または第一配線導体24に接触するので、ステアリングホイール10に検知対象が接触したか否かを検知することができる。本形態においては、ステアリングホイール10に対する、検知対象の一例である手(手の平、手の甲、または指)の接触または非接触が検知される。検知対象である手のうち、最も小さい検知対象は指であり、そのうち、指の先端部分が最小の検知対象となる。第一バイパス中間隙間40、第二バイパス中間隙間42、第一端部隙間41、および第二端部隙間43は、少なくとも指の先端部分の最小幅寸法よりも小さく設定されている。
【0084】
2-10.処理装置30
処理装置30は、第一リード線28および第二リード線29を介してセンサシート20と電気的に接続されている。処理装置30は、センサシート20から電圧または電流を取得し、取得した電圧または電流に基づいて対象動作の検出演算を行う。
【0085】
3.本形態の作用効果
次に、本形態の作用効果について説明する。検知電極22は、導電性フィラーを含むエラストマーにより形成されているため、金属シートや導電性布に比べると電気抵抗率が大きくなる。しかし、センサシート20は、第一配線導体24を備える。これによりセンサシート20の電気抵抗値を小さくすることができるので、センサシート20の検出精度を向上させることができる。
【0086】
第一配線導体24の一端24Aは、第一リード線28と電気的に接続されるとともに、第一リード線28と接触した状態で配置されている。また、第一配線導体24の他端24Bは、第一バイパス導体23と第一端部隙間41を空けて離間して配置されている。これにより、センサシート20は、第一端部隙間41において変形しやすくなっている。この結果、センサシート20が全体として変形しやすくなっているので、センサシート20をステアリングホイール10に取付ける際に、取付性が良好となる。
【0087】
また、第一配線導体24が設けられていない場合に比べて、第一リード線28と、第一バイパス導体23との間の電気抵抗値を小さくすることができる。これによりセンサシート20の検出精度を向上させることができる。
【0088】
また、本形態によれば、第一バイパス導体23は、複数の第一分割バイパス導体23Aが、第一バイパス中間隙間40を空けて配列されている。これにより、第一バイパス中間隙間40において、センサシート20が、変形しやすくなっている。この結果、センサシート20が全体として変形しやすくなっているので、センサシート20をステアリングホイール10に取付ける際に、取付性がさらに良好となる。
【0089】
本形態によれば、各第一バイパス中間隙間40と、各第二バイパス中間隙間42とは、絶縁体シート21の厚み方向に重なる位置に配置されている。また、第一端部隙間41と、第二端部隙間43とは、絶縁体シート21の厚み方向に重なる位置に配置されている。これにより、センサシート20が変形しやすくなるので、センサシート20をステアリングホイール10に取付ける際に、取付性が良好となる。
【0090】
本形態では、長手方向について、第一バイパス中間隙間40の隙間寸法は、第一端部隙間41の隙間寸法よりも大きく設定されている。このような形態は、センサシート20のうち、第一バイパス導体23が配置された領域に柔軟性が求められる場合に有効である。
【0091】
(実施形態2)
図8を参照して、実施形態2について説明する。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
【0092】
本形態においては、長手方向について、第一バイパス中間隙間40の隙間寸法は、第一端部隙間41の隙間寸法よりも小さい。これにより、本形態は、センサシート20のうち、第一配線導体24、および第一リード線28が配置された領域に柔軟性が求められる場合に有効である。
【0093】
(実施形態3)
図9を参照して、実施形態3について説明する。本形態においては、第一バイパス導体23は、長手方向に並ぶ2つの第一分割バイパス導体23Aを備える。ただし、第一分割バイパス導体23Aの個数は任意である。
【0094】
本形態の第一配線導体24は、第一リード線28に電気的に接続され、交差方向に延在する第一延在部61と、第一リード線28と反対側の端部から第一バイパス導体23に接近する方向に屈曲して長手方向に延在する第二延在部62と、を備える。第一延在部61の交差方向の長さ寸法は、第二延在部62の長手方向の長さ寸法よりも短く形成されている。第二延在部62のうち、第一延在部61と反対側の端部は、第一配線導体24の他端24Bとされる。第一配線導体24の他端24Bと、第一分割バイパス導体23Aの一端23Bとの間に、第一端部隙間41が形成されている。
【0095】
本形態によれば、第一配線導体24が、第一バイパス導体23に接近する方向に延びる第二延在部62を備えるので、センサシート20の電気抵抗値を小さくすることができる。本形態は、センサシート20のうち、第一バイパス導体23、および第一配線導体24が配置される領域に柔軟性があまり必要とされない形態について有効である。
【0096】
(実施形態4)
図10を参照して、実施形態4について説明する。本形態においては、第一バイパス導体23は、3つの第一分割バイパス導体23Aにより構成される。3つの第一分割バイパス導体23Aのうち、
図10の右端の第一分割バイパス導体23Aは、他の2つの第一分割バイパス導体23Aに比べて、長手方向の長さ寸法が短く形成されている。ただし、第一分割バイパス導体23Aの個数は任意である。
【0097】
本形態の第一配線導体24は、第一リード線28に電気的に接続され、交差方向に延在する第一延在部61と、第一リード線28と反対側の端部から第一バイパス導体23に接近する方向に屈曲して長手方向に延在する第二延在部62と、を備える。第一延在部61の交差方向の長さ寸法は、第二延在部62の長手方向の長さ寸法よりも長く形成されている。第二延在部62のうち、第一延在部61と反対側の端部が第一配線導体24の他端24Bとされる。第一配線導体24の他端24Bと、
図10の右端の第一分割バイパス導体23Aの一端23Bと、の間に、第一端部隙間41が形成されている。
【0098】
本形態においては、長手方向について、第一バイパス中間隙間40の隙間寸法は、第一端部隙間41の隙間寸法よりも大きく設定されている。
【0099】
第二延在部62を設けることにより、センサシート20の電気抵抗値を小さくすることが可能である。また、長手方向について、第一バイパス中間隙間40の隙間寸法が、第一端部隙間41の隙間寸法よりも大きく設定されていることにより、長手方向について、センサシート20の柔軟性を向上させることが可能となっている。
【0100】
(実施形態5)
図11を参照して、実施形態5について説明する。本形態においては、第一配線導体24は、第一バイパス導体23における長手方向の一端に対して、交差方向に離間して配置されている。第一配線導体24は、交差方向に延在して第一リード線28と電気的に接続されている。
【0101】
本形態では、第一バイパス導体23を構成する複数(本形態では3つ)の第一分割バイパス導体23Aのうち
図11の右端に位置する第一分割バイパス導体23Aの一端23B(
図11の右端)と、第一配線導体24の他端24Bと、の間に、第一端部隙間41が形成されている。
【0102】
本形態によれば、第一バイパス導体23と第一配線導体24とが交差方向について離間して配置されているので、センサシート20に、交差方向について柔軟性が求められる場合に有効である。
【0103】
(実施形態6)
図12を参照して、実施形態6について説明する。本形態においては、第一配線導体24は、長手方向に延在している。第一配線導体24の一端24Aは、絶縁体シート21のうち、長手方向の一端(
図12の右端)に配置されて、第一リード線28と電気的に接続されている。
【0104】
本形態は、センサシート20の長手方向の端部から第一リード線28を導出することが求められる場合に有効である。
【0105】
(実施形態7)
図13を参照して、実施形態7について説明する。本形態の検知電極22のうち、長手方向の一端(
図13の右端)は、絶縁体シート21の一端(
図13の右端)よりも、長手方向についてやや内方(
図13における左方)に位置している。これにより、絶縁体シート21の上面が、検知電極22から露出する露出領域21Aが形成されている。は、第一配線導体24の第二延在部62は、検知領域22Aおよび露出領域21Aに跨って配置されている。第一配線導体24の第一延在部61は、露出領域21Aに配置されている。
【0106】
本形態においては、第一バイパス導体23は、2つの第一分割バイパス導体23Aにより構成されている。本形態においては、2つの第一分割バイパス導体23Aのうち
図13の右端に位置する第一分割バイパス導体23Aの一端23Bと、第一配線導体24の他端24Bと、の間に、第一端部隙間41が形成されている。本形態においては、長手方向について、第一バイパス中間隙間40の隙間寸法と、第一端部隙間41の隙間寸法とは、同じに設定されている。
【0107】
上記以外の構成については、実施形態3と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0108】
(実施形態8)
図14を参照して、実施形態8について説明する。本形態の検知電極22のうち、長手方向の一端(
図14の右端)は、絶縁体シート21の一端(
図14の右端)よりも、長手方向についてやや内方(
図14における左方)に位置している。これにより、絶縁体シート21の上面が、検知電極22から露出する露出領域21Aが形成されている。は、第一配線導体24の第二延在部62は、検知領域22Aおよび露出領域21Aに跨って配置されている。第一配線導体24の第一延在部61は、露出領域21Aに配置されている。
【0109】
本形態においては、第一バイパス導体23は、3つの第一分割バイパス導体23Aにより構成されている。本形態においては、3つの第一分割バイパス導体23Aのうち
図14の右端に位置する第一分割バイパス導体23Aの一端23Bと、第一配線導体24の他端24Bと、の間に、第一端部隙間41が形成されている。本形態においては、長手方向について、第一バイパス中間隙間40の隙間寸法は、第一端部隙間41の隙間寸法より大きい。
【0110】
上記以外の構成については、実施形態4と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0111】
(実施形態9)
図15を参照して、実施形態9について説明する。本形態のセンサシート20は、長手方向に延びる一対の外縁において、交差方向について外側に開口する切欠部33を有する。各外縁には複数(本形態では3つ)の切欠部33が形成されている。各外縁に形成された切欠部33は、交差方向に重なる位置に形成されている。ただし、各外縁に形成される切欠部33の個数は任意であり、1つ~2つ、または4つ以上でもよい。
【0112】
第一バイパス中間隙間40は、切欠部33に対応する位置に形成されている。詳細には、交差方向について、切欠部33と、第一バイパス中間隙間40とが、重なる位置に形成されている。
【0113】
また、切欠部33の長手方向に幅寸法は、第一バイパス中間隙間40の隙間寸法より大きく設定されている。
【0114】
本形態によれば、切欠部33が設けられていることにより、センサシート20はステアリングホイール10に巻付けやすくなっている。特に、切欠部33が設けられている部分は、センサシート20の交差方向の長さ寸法が小さくなっているので、センサシート20が変形しやすくなっている。この切欠部33に対応する位置に、第一バイパス中間隙間40が配置されているので、センサシート20はより一層変形しやすくなっている。これにより、センサシート20のステアリングホイール10への取付性がさらに向上する。
【0115】
なお、各外縁に形成される切欠部33の位置は、特に限定されず、交差方向に重なる位置と異なる位置に形成されても良い。
【0116】
また、本形態では、一対の外縁の双方に切欠部33が形成される構成としたが、これに限られず、一方の外縁に切欠部33が形成され、他方の外縁には切欠部33が形成されない構成としても良い。
【0117】
(実施形態10)
図16を参照して、実施形態10について説明する。本形態によれば、第二バイパス導体26は、長手方向について、絶縁体シート21の一方の端部から他方の端部に亘って配置されている。換言すると、本形態の第二バイパス導体26は、第二分割バイパス導体26Aに分割されていない。
【0118】
(実施形態11)
図17を参照して、実施形態11について説明する。本形態のシールド電極25の長手方向の一端部(
図17の右端)は、検知電極22の長手方向の一端部(
図17の右端)よりも、長手方向について内方(
図17の左方)に位置している。これにより、絶縁体シート21の厚み方向について、検知電極22とシールド電極25とが重ならない電気接続領域22Bが形成されている。この電気接続領域22Bにおいて、第一バイパス導体23を構成する第一分割バイパス導体23Aと、第一配線導体24とが、検知電極22を介して電気的に接続されている。
【0119】
なお、上記したように、検知電極22と、シールド電極25とが、絶縁体シート21の厚み方向に重なる領域は、検知領域22Aとされる。検知領域22Aと、電気接続領域22Bとは、検知電極22において異なった領域として区分される。
【0120】
第一バイパス導体23を構成する第一分割バイパス導体23Aは、検知領域22Aおよび電気接続領域22Bに跨って配置されている。また、第一配線導体24は、電気接続領域22Bに配置されている。
【0121】
電気接続領域22Bにおいては、検知電極22とシールド電極25とが厚み方向について重なっていないので、センサシート20の柔軟性が向上する。つまり、第一リード線28および第一配線導体24が配置された領域の柔軟性が向上するので、センサシート20のステアリングホイール10への取付性が向上する。
【0122】
また、本形態においては、第一リード線28がセンサシート20から導出される位置と、第二リード線29がセンサシート20から導出される位置と、が長手方向にずれている。これにより、センサシート20の厚みを低減させることができる。
【0123】
(実施形態12)
図18を参照して実施形態12について説明する。本形態の第一配線導体24の一端24Aは、第一リード線28と離間して配置されている。一方、第一配線導体24の他端24Bは、第一バイパス導体23の一端23Bと第一端部隙間41を空けて離間して配置されている。第一配線導体24の一端24Aは、第一バイパス導体23よりも第一リード線28に近い位置に配置されている。第一リード線28、第一配線導体24、および第一バイパス導体23は、検知電極22を介して電気的に接続されている。
【0124】
本形態によれば、第一リード線28と第一配線導体24とが隙間を空けて配置されているので、交差方向についてセンサシート20の柔軟性が向上する。これにより、センサシート20のステアリングホイール10への取付性が向上する。
【0125】
(実施形態13)
図19~
図20を参照して、実施形態14について説明する。本形態においては、シールド電極25は、絶縁体シート21の下面(
図19の下面)に配置された導電性布である。本形態は、第二バイパス導体26および第二配線導体27を有しない点で、実施形態1と異なる。
【0126】
図19に示すように、シールド電極25は、絶縁体シート21の厚み方向について、検知電極22と重なって配置されている。
【0127】
図20に示すように、シールド電極25の一方の端部は、絶縁体シート21の下面と接触していない非接触領域25Aとされる。絶縁体シート21の下面には、シールド電極25の非接触領域25Aに対応する位置に、第二接合規制層32が配置されている。第二リード線29と、シールド電極25の非接触領域25Aと、の接続構造については、実施形態1に記載された、第二配線導体27と第二リード線29との接続構造とほぼ同一なので、重複する説明を省略する。
【0128】
本形態によれば、絶縁体シート21の上面に、導電性エラストマーにより形成された検知電極22が配置されるので、センサシート20の柔軟性が向上する。これにより、ステアリングホイール10へのセンサシート20の取付性が向上する。
【0129】
(実施形態14)
図21~
図22を参照して、実施形態14について説明する。本形態においては、センサシート20は、シールド電極25、第二バイパス導体26、第二配線導体27、第二接合規制層32、および第二リード線29を備えない点で、実施形態1と異なる。本形態においては、絶縁体シート21のうち、検知電極22が配置された側と反対側の面は、樹脂内層材16と接触する構成とされる。本形態においては、芯材15はグランド電位に接続されている。これにより、本形態においてはシールド電極25が不要となっている。
【0130】
本形態によれば、センサシート20がシールド電極25を有しないことにより、センサシート20の柔軟性が向上する。
【0131】
なお、実施形態2~12のセンサシート20が、シールド電極25、第二バイパス導体26、第二配線導体27、第二接合規制層32、および第二リード線29を備えない構成としても良い。
【0132】
(実施形態15)
図23を参照して、実施形態15について説明する。本形態においては、センサシート20は、第一配線導体24を備えない点で実施形態14と異なる。第一リード線28は、検知電極22と公知の手法により電気的に接続されている。
【0133】
本形態によれば、センサシート20が第一配線導体24を有しないことにより、センサシート20の柔軟性が向上する。
【0134】
なお、実施形態1~12のセンサシート20が、第一配線導体24を備えない構成としても良い。
【0135】
(実施形態16)
図24を参照して、実施形態16について説明する。本形態においては、センサシート20が、第二バイパス導体26を備えない点で、実施形態1と異なる。本形態によれば、センサシート20が第二バイパス導体26を有しないことにより、センサシート20の柔軟性が向上する。
【0136】
なお、実施形態2~12のセンサシート20が、第二バイパス導体26を備えない構成としても良い。
【0137】
本形態においては、第二配線導体27の他方の端部27Bは、シールド電極25のうち交差方向について中央位置付近に配置されているが、これに限られず、第二配線導体27の他方の端部27Bは、シールド電極25のうち交差方向と交差する側縁に配置されていてもよいし、また、任意の位置に配置可能である。また、第二配線導体27を省略し、第二リード線29がシールド電極25と電気的に接続される構成としても良い。
【0138】
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0139】
10:ステアリングホイール、14:中心軸線、15:芯材、20:センサシート、21:絶縁体シート、22:検知電極、22A:検知領域、22B:電気接続領域、23:第一バイパス導体、23A:第一分割バイパス導体、23B:第一分割バイパス導体の一端、24:第一配線導体、24A:第一配線導体の一端、24B:第一配線導体の他端、25:シールド電極、26:第二バイパス導体、26A:第二分割バイパス導体、27:第二配線導体、27A:第二配線導体の一端、27B:第二配線導体の他端、28:第一リード線、29:第二リード線、33:切欠部、40:第一バイパス中間隙間、41:第一端部隙間、42:第二バイパス中間隙間、43:第二端部隙間、61:第一延在部、62:第二延在部