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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106801
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】洗浄機
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/42 20060101AFI20240801BHJP
   A47L 15/08 20060101ALI20240801BHJP
   A47L 15/22 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
A47L15/42 B
A47L15/08
A47L15/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011247
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】今岡 俊太
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082BB01
(57)【要約】
【課題】封止部から滴下した水が洗浄室の外部に流出することを抑制できる洗浄機を提供する。
【解決手段】食器洗浄機100は、本体部1と、ドア部15と、封止部80と、を備えている。封止部80の第一側縁部分82の下端部82Bは、上端82Ba及び下端82Bbを有する。本体部1は、開口部1Cの下方において左右方向に延在して設けられていると共に洗浄室1Bと連通している受水部1Dであって、上方に向かって開口している受口1Eを有する受水部1Dを有する。下端部82Bは、本体部1の前方側から見て上端82Baよりも下端82Bbが開口部1C側に位置すると共に、上端82Baから下端82Bbに向かって下方に傾斜している。第一側縁部分82の下端部82Bの上端82Baは、受口1Eよりも上方に位置し、下端部82Bの下端82Bbは、受口1Eよりも下方において受水部1D内に位置している。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄室に被洗浄物を出し入れする開口部が前方に向かって開口している本体部と、
回動軸が前記開口部の下部に回動可能に支持されることにより前記開口部を開閉可能とするドア部と、
前記本体部において前記開口部の周縁に設けられており、前記ドア部を閉じたときに前記本体部と前記ドア部との間に介在する封止部と、を備え、
前記本体部は、前記開口部の下方において左右方向に延在して設けられていると共に前記洗浄室と連通している受水部であって、上方に向かって開口している受口を有する該受水部を有し、
前記封止部は、前記開口部の側縁に配置されると共に上下方向に延在している縁部分を有し、
前記縁部分の下端部は、上端及び下端を有し、前記本体部の前方側から見て前記上端よりも前記下端が前記開口部側に位置すると共に、前記上端から前記下端に向かって下方に傾斜しており、
前記下端部の前記上端は、前記受口よりも上方に位置し、
前記下端部の前記下端は、前記受口よりも下方において前記受水部内に位置している、洗浄機。
【請求項2】
前記本体部には、前記封止部が嵌入されている凹部が設けられており、
前記ドア部には、前記ドア部を閉じたときに前記凹部と対向する位置に、前記本体部側に突出する凸部が設けられている、請求項1に記載の洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の洗浄機として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載の洗浄機は、洗浄室に被洗浄物を出し入れする開口部が前方に向かって開口している本体部と、回動軸が開口部の下部に回動可能に支持されることにより開口部を開閉可能とするドア部であって、ドア部を閉じたときに、洗浄室側に突出すると共に回動軸が延在する方向における両端部において上下方向に延在する延設部を有するドア部と、開口部の側縁部の内側に設けられると共に、前方に向かって開口し且つ上下方向に延在する収容部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-43048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の洗浄機では、ドア部の延設部が本体部の収容部に入り込むことにより、洗浄室内の水が外部(機械室等)に漏れ出すことを抑制している。このような構成では、延設部と収容部との間に隙間が形成され得るため、洗浄室内の水が漏れ出すおそれがある。そこで、洗浄機では、本体部とドア部との間に封止部(パッキン)を配置し、水の漏洩を抑制する構成が採用されている。封止部は、ドア部を閉じたときにドア部と本体部との間に挟まれることによって変形し、変形することによってドア部と本体部とに密着して、ドア部と本体部との間の隙間を埋める。
【0005】
この構成において、封止部による止水性は、封止部の密着性に依存する。密着性を確保するためには、本体部、ドア部及び封止部等の寸法精度が重要となるが、全ての部分において高い寸法精度を確保することは困難であるため、封止部の全てにおいて高い密着性を確保することができないこともある。そのため、封止部において、どうしても密着性が低い箇所が生じる可能性がある。この場合、密着性の低い箇所から漏れた水が封止部を伝って封止部の下端部に流れ、封止部の下端部から機械室等に水が滴下するおそれがある。
【0006】
本発明は、封止部から滴下した水が洗浄室の外部に流出することを抑制できる洗浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る洗浄機は、洗浄室に被洗浄物を出し入れする開口部が前方に向かって開口している本体部と、回動軸が開口部の下部に回動可能に支持されることにより開口部を開閉可能とするドア部と、本体部において開口部の周縁に設けられており、ドア部を閉じたときに本体部とドア部との間に介在する封止部と、を備え、本体部は、開口部の下方において左右方向に延在して設けられていると共に洗浄室と連通している受水部であって、上方に向かって開口している受口を有する該受水部を有し、封止部は、開口部の側縁に配置されると共に上下方向に延在している縁部分を有し、縁部分の下端部は、上端及び下端を有し、本体部の前方側から見て上端よりも下端が開口部側に位置すると共に、上端から下端に向かって下方に傾斜しており、下端部の上端は、受口よりも上方に位置し、下端部の下端は、受口よりも下方において受水部内に位置している。
【0008】
本発明に係る洗浄機では、封止部の縁部分の下端部は、上端及び下端を有し、本体部の前方側から見て上端よりも下端が開口部側に位置すると共に、上端から下端に向かって下方に傾斜している。縁部分の下端部の上端は、受口よりも上方に位置し、下端部の下端は、受口よりも下方において受水部内に位置している。これにより、洗浄機では、封止部において密着性の低い箇所から漏れた水が縁部分を伝って下端部に流れた場合、その水が上端から下端まで傾斜を伝って流れ、下端から受水部に滴下(排出)される。受水部は洗浄室に連通しているため、受水部に排出された水は、洗浄室に排出される。したがって、洗浄機では、封止部から滴下した水が洗浄室の外部に流出することを抑制できる。
【0009】
本発明に係る洗浄機では、本体部には、封止部が嵌入されている凹部が設けられており、ドア部には、ドア部を閉じたときに凹部と対向する位置に、本体部側に突出する凸部が設けられていてもよい。この構成では、ドア部が閉じられると、ドア部の凸部が封止部を押圧する。したがって、本体部とドア部との密着性を高めることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、封止部から滴下した水が洗浄室の外部に流出することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係る食器洗浄機の斜視図である。
図2図2は、食器洗浄機の概略構成を示す図である。
図3図3は、濯ぎ水タンクを示す斜視図である。
図4図4は、濯ぎ水タンクを上から見た図である。
図5図5は、濯ぎ水タンクの断面構成を示す図である。
図6図6は、第一支持具を示す斜視図である。
図7図7は、第二支持部を示す斜視図である。
図8図8は、機械室に収容されている電装箱を示す斜視図である。
図9図9は、電装箱に設けられた第一取付具を示す斜視図である。
図10図10は、洗浄水タンクに設けられた第二取付具を示す斜視図である。
図11図11は、第二取付具を示す図である。
図12図12は、ドア部が取り外された状態の本体部を前方から見た図である。
図13図13は、ドア部が取り外された状態の本体部の斜視図である。
図14図14は、封止部を示す図である。
図15図15は、第二側縁部分の下端部を拡大して示す斜視図である。
図16図16は、第二側縁部分の下端部を拡大して示す斜視図である。
図17図17は、ドア部が閉じられた状態における、本体部、ドア部及び第一側縁部分の断面構成を示す図である。
図18図16は、変形例に係る第一取付具及び第二取付具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して一実施形態に係る食器洗浄機(洗浄機)100について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。なお、説明の便宜のため、図1において、前後方向、左右方向、及び上下方向をそれぞれ設定した。
【0013】
図1に示されるように、一実施形態に係る食器洗浄機100は、洗浄室1Bの前面にドア部15が設けられたアンダーカウンタ式の洗浄機である。図1及び図2に示されるように、食器洗浄機100は、本体部1と、ドア部15と、洗浄水タンク20と、上側ノズル3と、下側ノズル4と、洗浄ポンプ5と、濯ぎ水タンク6と、濯ぎポンプ7と、洗剤供給ポンプ8と、リンス剤供給ポンプ9と、コントローラ10と、を備えている。
【0014】
本体部1は、図示しないフレームと、ステンレス製の外装パネル11と、内装パネル2と、を含んで形成されている。外装パネル11は、左右方向における側面を形成する一対の側部パネル11A,11Aと、上部パネル11Bと、上側前部パネル11Cと、下側前部パネル11Dと、後部パネル11Eと、を有している。少なくとも、下側前部パネル11Dは、フレームに対して容易に着脱可能に設けられている。本体部1の下部の四隅には、脚部12が取り付けられている。
【0015】
上側前部パネル11Cには、食器洗浄機100の各種動作を操作する操作部13が設けられている。操作部13は、運転モードや各種設定の入力操作を行う部分である。本実施形態の操作部13は、液晶画面とこれを覆う強化ガラス(静電スイッチ)とによって構成されている。作業者は、液晶画面を覆う強化ガラスに触れることによって各種操作が可能となっている。なお、操作部13は、各種ボタンやタッチパネルによって構成されてもよいし、本体部1とは別体のリモコン、操作端末等によって構成されてもよい。
【0016】
本体部1の下部領域には、洗浄水タンク20と、洗浄ポンプ5と、濯ぎ水タンク6と、濯ぎポンプ7と、洗剤供給ポンプ8と、リンス剤供給ポンプ9と、電装箱14(図8参照)と、を収容する機械室1Aが形成されている。機械室1Aは、鉛直方向から見たときに前後方向及び左右方向に延在する空間を形成している。本体部1の上部領域には、食器(被洗浄物)D等がセットされたラックを収容する洗浄室1Bが形成されている。洗浄室1Bは、洗浄水タンク20の上方の空間であって、内装パネル2によって構成されている。内装パネル2は、主に、一対の側部パネル2A、2Aと、上部パネル2Bと、後部パネル(図示省略)と、を有している。一対の側部パネル2A,2Aの内面には、ラックを支持するラックレール23が形成されている。本体部1には、食器D等がセットされたラックを洗浄室1Bに出し入れする開口部1Cが形成されている。ラックレール23は、絞出加工によって側部パネル2A、2Aと一体的に形成されてもよいし、他の部材を側部パネル2A、2Aの内面に取り付けることによって形成されてもよい。
【0017】
本体部1には、受水部1D(図15参照)が設けられている。受水部1Dは、下側前部パネル11Dの裏側(後方側)に配置されている。受水部1Dは、後述する封止部80等から滴下した水を受け、その水を洗浄室1Bに排出する。受水部1Dは、開口部1Cの下方において左右方向に延在して設けられている。図15及び図16に示されるように、受水部1Dは、前部110と、一対の側部111(右側の側部の図示は省略)と、案内部21(後述)の一部と、によって構成されている。図15及び図16は、図13において、下側前部パネル11Dを外した状態の一部を拡大して示している。
【0018】
前部110及び一対の側部111は、板状部材である。前部110及び一対の側部111は、一体に形成されている。前部110は、左右方向に延在している。側部111は、前部110の端部に接続されており、前後方向に延在している。受水部1Dの底部は、案内部21によって構成されている。具体的には、受水部1Dの底部は、洗浄室1Bを形成する案内部21の前側部分によって構成されている。これにより、受水部1Dは、洗浄室1Bと連通している。受水部1Dは、上方に向かって開口している受口1Eを有する。受口1Eは、前部110及び一対の側部111の上端によって構成されている。
【0019】
図1に示されるように、ドア部15は、開口部1Cの外側に配置されている。ドア部15は、開口部1Cを開閉可能に設けられており、ドア部15が開けられると、洗浄室1Bが本体部1の外部に開放される。ドア部15は、ドア部15の下端において左右方向に延在する軸を回動軸として回動可能に設けられている。作業者は、ドア部15の上端に設けられた取っ手15Aを手前に倒すことで、洗浄室1Bを開放することができる。
【0020】
洗浄水タンク20は、洗浄室1Bの下方に設けられている。洗浄水タンク20は、洗浄室1Bに収容された食器D等の洗浄に用いられる洗浄水を貯留する。洗浄水は、洗浄工程において洗浄室1Bに噴射される水である。洗浄水タンク20は、案内部21(図8参照)と、貯留部22と、によって構成されている。案内部21は、機械室1Aと洗浄室1Bとを仕切り、上側ノズル3及び下側ノズル4から噴射され、食器Dを洗浄又は濯いだ後に落下してきた水を受け貯留部22に案内する部分である。案内部21は、洗浄室1Bを形成している。貯留部22は、洗浄ポンプ5によって上側ノズル3及び下側ノズル4に供給される洗浄水を貯留する部分である。貯留部22は、底部22Aと、側部22Bと、によって構成されている。
【0021】
洗浄水タンク20の貯留部22には、洗浄水検知部24と、洗浄水ヒータ25Aと、洗浄水温度センサ25Bと、が設けられている。
【0022】
洗浄水検知部24は、洗浄水タンク20に貯留された洗浄水の水位を検知する。洗浄水検知部24は、例えば、洗浄水タンク20内の水位が定水位H1を超えている場合にONとなり、定水位H1以下の場合にOFFとなるスイッチである。洗浄水検知部24による検知結果は、コントローラ10によって取得される。後段にて詳述する洗浄ポンプ5は、駆動中に空気を吸い込むと、いわゆるエア噛みを起こして上側ノズル3及び下側ノズル4から洗浄水を噴射できなくなる。一実施形態では、洗浄水検知部24が運転中にOFFになったときに洗浄ポンプ5の稼働を停止することで、洗浄ポンプ5による空気の吸い込みを防止する。
【0023】
洗浄水ヒータ25Aは、殺菌能力及び洗浄能力を向上させるために洗浄水タンク20に貯留された洗浄水を所定温度に加熱する。洗浄水温度センサ25Bは、洗浄水タンク20に貯留された洗浄水の温度を検知する。洗浄水温度センサ25Bによる検知結果は、コントローラ10によって取得される。洗浄水ヒータ25AにおけるON・OFFは、コントローラ10によって制御される。例えば、洗浄水ヒータ25Aは、洗浄水温度センサ25Bが検知する水温に基づいて洗浄水を所定温度に維持するように、コントローラ10によって制御される。
【0024】
洗浄水タンク20の貯留部22の底部22Aには、円形状の貫通孔20bが形成されている。貫通孔20bは、厚み方向に貫通する複数の長孔が形成された円形の板状部材であって、異物の侵入を防止するポンプガード26によって覆われている。貫通孔20bは、接続部50を介して洗浄ポンプ5に接続されている。接続部50には、貫通孔20bに接続される第一接続孔50aと、本体部1の外部に水を排出する排水管28に接続される排水孔50bと、洗浄ポンプ5に接続される第二接続孔50cと、が形成されている。なお、接続部50は、洗浄ポンプ5を構成するケーシングの一部として洗浄ポンプ5と一体的に構成されてもよいし、洗浄水タンク20と洗浄ポンプ5と接続する部材として洗浄ポンプ5とは別に設けられてもよい。
【0025】
洗浄水タンク20には、上下方向に延びるオーバーフローパイプ27が設けられている。オーバーフローパイプ27は、洗浄水タンク20において所定水位を超えた水をその上端から流入させて洗浄水タンク20の外部に排水し、洗浄水タンク20に貯留される洗浄水の水位を規定する。オーバーフローパイプ27の下端は貫通孔20bを覆うバーリング加工されたポンプガード26を通って接続部50に形成された排水孔50bに着脱可能に差し込まれている。オーバーフローパイプ27は、その下端が排水孔50bから抜き取られることで、洗浄水タンク20に貯留された洗浄水を、貫通孔20b及び排水孔50bを介して排出することができる。
【0026】
上側ノズル3は、洗浄室1Bの上方に設けられている。上側ノズル3は、洗浄室1Bの上方に設けられた上部支持部16に回転自在に設けられている。上側ノズル3は、上側ノズル3における回転軸の回転中心である基端部から半径方向に沿って先端部まで延在する本体部30を有している。本体部30には、洗浄水タンク20に貯留された洗浄水を噴射する洗浄噴射孔31と、回転中心から洗浄噴射孔31まで延在すると共に洗浄水が流通する洗浄流路32と、濯ぎ水タンク6に貯留された濯ぎ水を噴射する濯ぎ噴射孔33と、回転中心から濯ぎ噴射孔33まで延在すると共に濯ぎ水が流通する濯ぎ流路34と、が一体的に形成されている。上側ノズル3は、洗浄流路32に発生する洗浄水の流れ又は濯ぎ流路34に発生する濯ぎ水の流れが回転力に変換されることによって回転する。上側ノズル3には、洗浄流路32に洗浄水を供給する上側洗浄配管58及び濯ぎ流路34に濯ぎ水を供給する上側濯ぎ配管78Aが接続されている。
【0027】
下側ノズル4は、洗浄室1Bの下方に設けられている。下側ノズル4は、洗浄室1Bの下方に設けられた下部支持部17に回転自在に設けられている。下側ノズル4は、下側ノズル4における回転軸の回転中心である基端部から半径方向に沿って先端部まで延在する本体部40を有している。本体部40には、洗浄水タンク20に貯留された洗浄水を噴射する洗浄噴射孔41と、回転中心から洗浄噴射孔41まで延在すると共に洗浄水が流通する洗浄流路42と、濯ぎ水タンク6に貯留された濯ぎ水を噴射する濯ぎ噴射孔43と、回転中心から濯ぎ噴射孔43まで延在すると共に濯ぎ水が流通する濯ぎ流路44と、が一体的に形成されている。下側ノズル4は、洗浄流路42に発生する洗浄水の流れ又は濯ぎ流路44に発生する濯ぎ水の流れが回転力に変換されることによって回転する。下側ノズル4には、洗浄流路42に洗浄水を供給する下側洗浄配管59及び濯ぎ流路44に濯ぎ水を供給する下側濯ぎ配管78Bが接続されている。
【0028】
食器ラックに並べられた食器Dは、洗浄工程において上側ノズル3及び下側ノズル4によって洗浄水が噴射され、濯ぎ工程において上側ノズル3及び下側ノズル4によって濯ぎ水が噴射される。
【0029】
洗浄ポンプ5は、機械室1Aに配置されている。洗浄ポンプ5は、機械室1Aにおいて、洗浄水タンク20の貯留部22に対して右側、かつ前後方向における後側に配置されている。洗浄ポンプ5は、左右方向において、貯留部22と濯ぎ水タンク6との間に配置されている。洗浄ポンプ5は、食器D等を収容する洗浄室1Bに洗浄水タンク20に貯留された洗浄水を送り出す。洗浄ポンプ5は、洗浄水タンク20の洗浄水を取り込み、上側ノズル3及び下側ノズル4に洗浄水を送り出す。洗浄ポンプ5には、上側洗浄配管58及び下側洗浄配管59が接続されている。上側洗浄配管58は、上側ノズル3に接続されている。下側洗浄配管59は、下側ノズル4に接続されている。
【0030】
濯ぎ水タンク6は、機械室1Aに配置されている。濯ぎ水タンク6は、機械室1Aにおいて、洗浄水タンク20の貯留部22(洗浄ポンプ5)に対して右側、かつ前後方向における後側に配置されている。濯ぎ水タンク6は、濯ぎポンプ7に対して前後方向に一列になるように配置されている。濯ぎ水タンク6は、食器D等の濯ぎに用いられる濯ぎ水を貯留する。濯ぎ水は、初期給湯工程や濯ぎ工程において洗浄室1Bに噴射される水である。濯ぎ水タンク6には、外部の水源から給水管60を介して水が供給される。給水管60には、ストレーナ60Aが設けられている。給水管60におけるストレーナ60Aの下流側には、バルブ60Bが設けられている。
【0031】
図2図3及び図4に示されるように、濯ぎ水タンク6は、タンク本体61と、濯ぎ水検知部62と、オーバーフロー部63と、濯ぎ水ヒータ64と、濯ぎ水温度センサ65と、を有している。
【0032】
図3及び図4に示されるように、タンク本体61は、長方形状体を呈している。タンク本体61は、底部61Aと、第一側部61Bと、第二側部61Cと、第三側部61Dと、第四側部61Eと、蓋部(図示省略)と、を有している。蓋部は、タンク本体61において、着脱可能に設けられている。
【0033】
図2に示されるように、濯ぎ水検知部62は、タンク本体61に貯留された水が、定水位H2にあることを検知するスイッチである。濯ぎ水検知部62の検知結果は、コントローラ10によって取得される。バルブ60Bは、コントローラ10によって制御されている。例えば、コントローラ10は、濯ぎ水検知部62における定水位H2の検知と連動して弁を開閉し、タンク本体61に貯留される濯ぎ水の水位を一定に維持するように、バルブ60Bを制御する。
【0034】
オーバーフロー部63は、タンク本体61において満水位を超えた水を排出する。タンク本体61は、密閉型のタンクであり、例えば、バルブ60Bが閉弁異常となったときに満水位を超える。
【0035】
濯ぎ水ヒータ64は、殺菌能力及び濯ぎ能力を向上させるためにタンク本体61に貯留された濯ぎ水を所定温度に加熱する。図3及び図4に示されるように、本実施形態では、濯ぎ水ヒータ64は、二つ設けられている。二つの濯ぎ水ヒータ64は、上下方向において、所定の間隔をあけて配置されている。二つの濯ぎ水ヒータ64のそれぞれは、ヒータ部64Aと、固定部64Bと、接続部64Cと、を有している。
【0036】
ヒータ部64Aは、蛇行形状を呈している。ヒータ部64Aは、直線状に延在する第一部分64Aa、第二部分64Ab及び第三部分64Acと、第一部分64Aaの端部と第二部分64Abの端部とを連結する第一折返し部分64Adと、第二部分64Abの端部と第三部分64Acの端部とを連結する第二折返し部分64Aeと、を有している。
【0037】
第一部分64Aa、第二部分64Ab及び第三部分64Acは、タンク本体61の長手方向(前後方向)に沿って延在している。第一部分64Aa、第二部分64Ab及び第三部分64Acは、左右方向において所定の間隔をあけて配置されており、互いに略平行に延在している。第一部分64Aaは、タンク本体61内において第一側部61B寄りの位置に配置されている。第三部分64Acは、タンク本体61内において第二側部61C寄りの位置に配置されている。第二部分64Abは、第一部分64Aaと第三部分64Acとの間に配置されている。第一折返し部分64Ad及び第二折返し部分64Aeは、湾曲形状(略U字形状)を呈している。
【0038】
固定部64Bは、濯ぎ水ヒータ64をタンク本体61に固定する。固定部64Bは、ヒータ部64Aの第一部分64Aaの基端に設けられている。固定部64Bは、タンク本体61の第三側部61Dに形成された貫通孔(図示省略)に挿通され、固定ナットNによって第三側部61Dに固定される。これにより、濯ぎ水ヒータ64は、第三側部61Dに片持ち支持される。接続部64Cは、固定部64Bを介して、ヒータ部64Aの第一部分64Aaの基端に接続されている。接続部64Cは、タンク本体61の外部に位置している。接続部64Cには、電線(図示省略)が接続される。
【0039】
濯ぎ水ヒータ64は、タンク本体61内において、支持具66によって支持されている。支持具66は、ヒータ部64Aの第三部分64Acを支持する。支持具66は、第一支持具67と、第二支持具68と、によって構成されている。
【0040】
図6に示されるように、第一支持具67は、固定部67Aと、支持部67Bと、連結部67Cと、を有している。固定部67A、支持部67B及び連結部67Cは、一体に形成されている。
【0041】
固定部67Aは、板状部材であり、矩形状を呈している。固定部67Aは、タンク本体61の底部61Aに固定される。具体的には、固定部67Aは、例えば、底部61Aに溶接によって固定される。固定部67Aには、位置決め孔67Aaが設けられている。本実施形態では、固定部67Aには、二つの位置決め孔67Aaが設けられている。位置決め孔67Aaは、固定部67Aを厚み方向に貫通している。位置決め孔67Aaは、例えば、円形状を呈している。位置決め孔67Aaには、底部61Aに設けられた突起(図示省略)が挿入される。これにより、底部61Aにおいて、底部61Aに対する固定部67A(第一支持具67)の位置が決められる。
【0042】
支持部67Bは、板状部材であり、矩形状を呈している。支持部67Bは、固定部67Aと略平行を成している。支持部67Bは、二つの濯ぎ水ヒータ64のうち、下方に配置される濯ぎ水ヒータ64の第三部分64Acを下から支えるように当接し、当該第三部分64Acを支持する。支持部67Bには、ねじ孔67Baが設けられている。ねじ孔67Baは、固定ねじS(図3図4及び図5参照)が螺合する孔である。ねじ孔67Baは、支持部67Bを厚み方向に貫通している。支持部67Bには、二つの差込孔67Bb,67Bcが設けられている。差込孔67Bb,67Bcのそれぞれは、支持部67Bを厚み方向に貫通している。差込孔67Bb,67Bcのそれぞれは、例えば、矩形状を呈している。
【0043】
連結部67Cは、固定部67Aと支持部67Bとを連結している。連結部67Cは、固定部67Aと支持部67Bとにおいて、段差を形成している。
【0044】
図7に示されるように、第二支持具68は、固定部68Aと、規制部68Bと、支持部68Cと、を有している。固定部68A、規制部68B及び支持部68Cは、一体に形成されている。
【0045】
固定部68Aは、板状部材であり、矩形状を呈している。固定部68Aは、第一支持具67の支持部67Bに固定される。固定部68Aには、ねじ孔68Aaが設けられている。ねじ孔68Aaは、第一支持具67のねじ孔67Baに対応する位置に設けられており、固定ねじS(図3図4及び図5参照)が螺合する孔である。ねじ孔68Aaは、固定部68Aを厚み方向に貫通している。固定ねじSは、第一支持具67のねじ孔67Ba及び第二支持具68のねじ孔68Aaに螺合し、第一支持具67に対して第二支持具68を固定する。固定ねじSは、第一支持具67及び第二支持具68を共締めする。
【0046】
固定部68Aには、二つの差込部68Ab,68Acが設けられている。差込部68Ab,68Acは、固定部68Aの厚み方向において、固定部68Aの下面よりも突出している。差込部68Ab,68Acは、第一支持具67の差込孔67Bb,67Bcに対応する位置に設けられている。差込部68Abは、第一支持具67の差込孔67Bbに差し込まれる。差込部68Acは、第一支持具67の差込孔67Bcに差し込まれる。これにより、第一支持具67に対する第二支持具68の位置が決められる。また、第二支持具68の二つの差込部68Ab,68Acが、第一支持具67の差込孔67Bb,67Bcに差し込まれるため、第二支持具68の移動を規制できる。これにより、一本の固定ねじSによって第一支持具67及び第二支持具68を固定する構成であっても、第二支持具68の位置にずれが生じることがない。
【0047】
規制部68Bは、板状部材であり、矩形状を呈している。規制部68Bは、固定部68Aに対して傾斜している。図5に示されるように、規制部68Bは、二つの濯ぎ水ヒータ64のうち、下方に配置される濯ぎ水ヒータ64の第三部分64Acに当接し、当該第三部分64Acの右側への移動を規制する。規制部68Bは、第一支持具67の支持部67Bと共に(支持部67Bと協働で)、当該第三部分64Acを保持する。
【0048】
支持部68Cは、板状部材であり、L字形状を呈している。支持部68Cは、規制部68Bに連設されている。支持部68Cは、二つの濯ぎ水ヒータ64のうち、上方に配置される濯ぎ水ヒータ64の第三部分64Acを支持する。当該第三部分64Acは、支持部68Cの隅部に位置する。これにより、支持部68Cは、当該第三部分64Acに当接し、第三部分64Acを支持すると共に、第三部分64Acの右側への移動を規制する。第二支持具68は、下方に配置される濯ぎ水ヒータ64の第三部分64Ac及び上方に配置される濯ぎ水ヒータ64の第三部分64Acの両方を支持(保持)する。
【0049】
図3及び図4に示されるように、支持具66は、第二側部61C寄りの位置に配置されている。支持具66の固定ねじS(ねじ孔67Ba及びねじ孔68Aa)の上方には、他の部材等が配置されていない。そのため、タンク本体61の蓋部を取り外すことにより、タンク本体61の上部の開口部から固定ねじSを操作することができる。したがって、第二支持具68の着脱を容易に行うことができる。
【0050】
図2に示されるように、濯ぎ水温度センサ65は、濯ぎ水の温度を検知する。濯ぎ水温度センサ65による検知結果は、コントローラ10によって取得される。濯ぎ水ヒータ64におけるON・OFFは、コントローラ10によって制御される。例えば、濯ぎ水ヒータ64は、濯ぎ水温度センサ65が検知する水温に基づいて濯ぎ水を所定温度に維持するように、コントローラ10によって制御される。
【0051】
濯ぎポンプ7は、機械室1Aに配置されている。濯ぎポンプ7は、機械室1Aにおいて、洗浄水タンク20の貯留部22に対して右側、かつ前後方向における前側に配置されている。濯ぎポンプ7は、濯ぎ水タンク6に対して前後方向に一列になるように配置されている。濯ぎポンプ7は、食器D等を収容する洗浄室1Bに濯ぎ水タンク6に貯留された濯ぎ水を送り出す。濯ぎポンプ7は、濯ぎ水タンク6の濯ぎ水を取り込み、上側ノズル3及び下側ノズル4に濯ぎ水を送り出す。濯ぎポンプ7の吐出口には、第一濯ぎ配管77を介して上側濯ぎ配管78Aと下側濯ぎ配管78Bとが接続されている。上側濯ぎ配管78Aは、上側ノズル3に接続されている。下側濯ぎ配管78Bは、下側ノズル4に接続されている。
【0052】
洗剤供給ポンプ8は、機械室1Aに配置されている。洗剤供給ポンプ8は、洗剤タンク8A内に貯留された洗剤を配管8Bを介して洗浄室1Bに供給する。洗浄室1B内に吐出された洗剤は、洗浄水タンク20内に流れ込み、洗浄水と混じり合う。リンス剤供給ポンプ9は、機械室1Aに配置されている。リンス剤供給ポンプ9は、リンス剤タンク9Aに貯留されたリンス剤を配管9Bを介して第一濯ぎ配管77に供給する。第一濯ぎ配管77に供給されたリンス剤は、濯ぎ水と混じり合い、上側ノズル3及び下側ノズル4を介して洗浄室1Bに供給される。
【0053】
コントローラ10は、本体部1における上部パネル11Bと洗浄室1Bを構成する上部パネル2Bとの間に配置されている。コントローラ10は、食器洗浄機100における動作全般を制御する。コントローラ10は、集積回路に実装されたコンピュータシステムあるいはプロセッサである。コントローラ10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び入出力インターフェース等から構成される。ROMには、各種プログラム又はデータが格納されている。
【0054】
図8に示されるように、電装箱14は、機械室1Aに配置されている。電装箱14には、電源スイッチSWが設けられている。電装箱14は、第一取付具18及び第二取付具19によって、洗浄水タンク20に支持されている。
【0055】
図9に示されるように、第一取付具18は、電装箱14に設けられている。第一取付具18は、電装箱14の左側の側部に設けられている。第一取付具18は、断面がL字形状を呈しており、前後方向に延在している。第一取付具18は、固定部18Aと、係止部18Bと、を有している。固定部18A及び係止部18Bは、一体に形成されている。
【0056】
固定部18Aは、板状部材であり、矩形状を呈している。固定部18Aは、電装箱14の左側の側部に、例えばネジによって固定されている。係止部18Bは、板状部材であり、矩形状を呈している。係止部18Bは、固定部18Aの上端に接続されており、固定部18Aと略垂直を成すように設けられている。係止部18Bは、電装箱14の上面の上方に位置している。すなわち、係止部18Bは、電装箱14の上面と離間して配置されている。
【0057】
図10に示されるように、第二取付具19は、洗浄水タンク20の案内部21の底面に固定されている。図10及び図11に示されるように、第二取付具19は、固定部19Aと、支持部19Bと、有している。固定部19A及び支持部19Bは、一体に形成されている。
【0058】
固定部19Aは、洗浄水タンク20の案内部21の底面に固定される。固定部19Aは、例えば、洗浄水タンク20の案内部21の底面に溶接によって固定される。支持部19Bは、第一取付具18の係止部18Bを支持(係止)する。支持部19Bには、スリット19Baと、ガイド19Bbと、が設けられている。スリット19Baは、前後方向に沿って延在している。スリット19Baには、第一取付具18の固定部18Aが挿入され、固定部18Aが位置する。スリット19Baの幅は、第一取付具18の固定部18Aの幅よりも少しだけ広くなっている。スリット19Baは、第一取付具18(電装箱14)の前後方向及び左右方向の位置を規定する。スリット19Baの後部に第一取付具18の固定部18Aが当接することにより、第一取付具18(電装箱14)の前後方向の位置が規定される。スリット19Baに第一取付具18の固定部18Aが挿入される(位置する)ことにより、第一取付具18(電装箱14)の左右方向の位置が規定される。
【0059】
ガイド19Bbは、支持部19Bの前部に設けられている。ガイド19Bbは、スリット19Baに挿入される第一取付具18の固定部18Aをスリット19Baに案内する。ガイド19Bbの前端部は、支持部19Bの前端部よりも後方に位置している。ガイド19Bbは、開口が前部から後部に向かって狭くなるように傾斜している。
【0060】
電装箱14を機械室1Aにおいて取り付ける場合には、第一取付具18を第二取付具19に取り付ける。具体的には、第一取付具18の係止部18Bを第二取付具19の支持部19Bに引っ掛け、電装箱14を後方に押し込む。このとき、固定部18Aがガイド19Bbによってスリット19Baに案内され、固定部18Aがスリット19Baに挿入される。固定部18Aがスリット19Baの後部に当接することにより、電装箱14の前後方向の位置が規定される。電装箱14の位置が規定されると、電装箱14の前部に設けられた取付具14Aにねじ(図示省略)を取り付け、取付具14Aをフレーム(図示省略)に固定する。これにより、電装箱14が機械室1Aに取り付けられる。
【0061】
図12及び図13に示されるように、本体部1には、封止部80が設けられている。封止部80は、ドア部15を閉じたときに本体部1とドア部15との間に介在する。封止部80は、例えば、ゴムで形成されている。封止部80は、本体部1において開口部1Cの周縁に設けられている。具体的には、封止部80は、本体部1において、上縁11F及び一対の側縁11G,11Hに設けられている。上縁11F及び一対の側縁11G,11Hは、開口部1Cを形成している。
【0062】
封止部80は、上縁部分81と、第一側縁部分82と、第二側縁部分83と、を有している。上縁部分81、第一側縁部分82及び第二側縁部分83は、一体に形成されている。上縁部分81は、開口部1Cの上縁11Fに配置されている。上縁部分81は、左右方向に延在している。第一側縁部分82は、開口部1Cの右側の側縁11Gに配置されている。第一側縁部分82は、上下方向に延在している。第一側縁部分82の上端部82Aは、上縁部分81の右側の端部81Aに接続されている。第二側縁部分83は、開口部1Cの左側の側縁11Hに配置されている。第二側縁部分83は、上下方向に延在している。第二側縁部分83の上端部83Aは、上縁部分81の左側の端部81Bに接続されている。
【0063】
図14に示されるように、封止部80の第一側縁部分82の下端部82Bは、上端82Ba及び下端82Bbを有している。第一側縁部分82の下端部82Bでは、本体部1の前方側から見て(前後方向から見て)、上端82Baよりも下端82Bbが左側(開口部1C側)に位置している。第一側縁部分82の下端部82Bは、上端82Baから下端82Bbに向かって下方に傾斜している。封止部80の第二側縁部分83の下端部83Bは、上端83Ba及び下端83Bbを有している。第二側縁部分83の下端部83Bでは、本体部1の前方側から見て(前後方向から見て)、上端83Baよりも下端83Bbが右側(開口部1C側)に位置している。第二側縁部分83の下端部83Bは、上端83Baから下端83Bbに向かって下方に傾斜している。
【0064】
図15及び図16に示されるように、第二側縁部分83の下端部83Bの上端83Baは、受水部1Dの受口1Eよりも上方に位置している。第二側縁部分83の下端部83Bの下端83Bbは、受水部1Dの受口1Eよりも下方において受水部1D内に位置している。同様に、第一側縁部分82の下端部82Bの上端82Baは、受水部1Dの受口1Eよりも上方に位置している。第一側縁部分82の下端部82Bの下端82Bbは、受水部1Dの受口1Eよりも下方において受水部1D内に位置している。
【0065】
図17に示されるように、封止部80の第一側縁部分82には、固定部82Cが一体に設けられている。固定部82Cは、側縁11Gに設けられている凹部11Kに嵌入されている。すなわち、封止部80の一部が、凹部11Kに嵌入されている。これにより、第一側縁部分82(封止部80)は、本体部1に固定されている。凹部11Kは、側縁11Gにおいて、開口部1C寄りの位置に上下方向に沿って設けられている。第一側縁部分82は、側縁11Gの前面及び凹部11Kよりも前方に突出して設けられている。
【0066】
ドア部15には、ドア部15を閉じたときに本体部1の側縁11Gの凹部11Kと対向する位置に、本体部1側に突出する凸部15Bが設けられている。凸部15Bは、ドア部15の高さ方向に沿って延在している。凸部15Bは、ドア部15を閉じたときに、封止部80の第一側縁部分82を本体部1側(凹部11Kの深さ方向側)に押圧する。これにより、第一側縁部分82は、図17に示されるように変形し、ドア部15の内面に密着して密着性が向上する。また、第一側縁部分82は、ドア部15の凸部15Bに対応する部分がU字状に凹んだ形状を呈しており、凸部15Bに押圧されたときに、押し広げられる。これにより、第一側縁部分82は、左右方向に広がるように変形する。このとき、第一側縁部分82の上下方向の変形は非常に小さいため、第一側縁部分82の下端部82Bと受水部1Dの受口1Eとの位置関係は変わらない。
【0067】
封止部80の上縁部分81には、固定部が一体に設けられている。固定部は、上縁11Fに設けられている凹部に嵌入されている。当該凹部は、上縁11Fにおいて、開口部1C寄りの位置に左右方向に沿って設けられている。上縁部分81は、上縁11Fの前面及び当該凹部よりも前方に突出して設けられている。ドア部15には、ドア部15を閉じたときに本体部1の上縁11Fの凹部と対向する位置に、本体部1側に突出する凸部が設けられている。当該凸部は、左右方向に沿って延在している。当該凸部は、ドア部15を閉じたときに、上縁部分81を本体部1側に押圧する。これにより、上縁部分81が変形し、ドア部15の内面に密着して密着性が向上する。また、上縁部分81は、ドア部15の凸部に対応する部分がU字状に凹んだ形状を呈しており、凸部に押圧されたときに、押し広げられる。これにより、上縁部分81は、上下方向に広がるように変形する。
【0068】
封止部80の第二側縁部分83には、固定部が一体に設けられている。固定部は、側縁11Hに設けられている凹部に嵌入されている。当該凹部は、側縁11Hにおいて、開口部1C寄りの位置に上下方向に沿って設けられている。第二側縁部分83は、側縁11Hの前面及び当該凹部よりも前方に突出して設けられている。ドア部15には、ドア部15を閉じたときに本体部1の側縁11Hの凹部と対向する位置に、本体部1側に突出する凸部が設けられている。当該凸部は、ドア部15の高さ方向に沿って延在している。当該凸部は、ドア部15を閉じたときに、第二側縁部分83を本体部1側に押圧する。これにより、第二側縁部分83が変形し、ドア部15の内面に密着して密着性が向上する。また、第二側縁部分83は、ドア部15の凸部に対応する部分がU字状に凹んだ形状を呈しており、凸部に押圧されたときに、押し広げられる。これにより、第二側縁部分83は、左右方向に広がるように変形する。このとき、第二側縁部分83の上下方向の変形は非常に小さいため、第二側縁部分83の下端部83Bと受水部1Dの受口1Eとの位置関係は変わらない。
【0069】
以上説明したように、本実施形態に係る食器洗浄機100では、封止部80の第一側縁部分82の下端部82Bは、上端82Ba及び下端82Bbを有する。下端部82Bは、本体部1の前方側から見て上端82Baよりも下端82Bbが開口部1C側に位置すると共に、上端82Baから下端82Bbに向かって下方に傾斜している。第一側縁部分82の下端部82Bの上端82Baは、受口1Eよりも上方に位置し、下端部82Bの下端82Bbは、受口1Eよりも下方において受水部1D内に位置している。同様に、封止部80の第二側縁部分83の下端部83Bは、上端83Ba及び下端83Bbを有する。下端部83Bは、本体部1の前方側から見て上端83Baよりも下端83Bbが開口部1C側に位置すると共に、上端83Baから下端83Bbに向かって下方に傾斜している。第二側縁部分83の下端部83Bの上端83Baは、受口1Eよりも上方に位置し、下端部83Bの下端83Bbは、受口1Eよりも下方において受水部1D内に位置している。
【0070】
これにより、食器洗浄機100では、封止部80において密着性の低い箇所から漏れた水が第一側縁部分82及び/又は第二側縁部分83の下端部82B,83Bまで流れた場合、その水が上端82Ba,83Baから下端82Bb,83Bbまで傾斜を伝って流れ、下端82Bb,83Bbから受水部1Dに滴下(排出)される。受水部1Dは洗浄室1Bに連通しているため、受水部1Dに排出された水は、洗浄室1Bに排出される。したがって、食器洗浄機100では、封止部80から滴下した水が洗浄室1Bの外部に流出することを抑制できる。
【0071】
本実施形態に係る食器洗浄機100では、本体部1には、封止部80が嵌入されている凹部11Kが設けられている。ドア部15には、ドア部15を閉じたときに凹部11Kと対向する位置に、本体部1側に突出する凸部15Bが設けられている。この構成では、ドア部15が閉じられると、ドア部15の凸部15Bが封止部80を押圧する。したがって、本体部1とドア部15との密着性を高めることができる。
【0072】
本実施形態に係る食器洗浄機100では、濯ぎ水タンク6において、濯ぎ水ヒータ64が第一支持具67及び第二支持具68によって支持されている。第二支持具68は、一つの部品によって、二つの濯ぎ水ヒータ64の第三部分64Acを支持する。したがって、部品点数の削減を図ることができる。また、一つの第二支持具68を取り付ける作業によって、二つの濯ぎ水ヒータ64の第三部分64Acを同時に支持できる。したがって、二つの濯ぎ水ヒータ64の第三部分64Acをそれぞれ支持する部材を用いる場合に比べて、作業性の向上を図ることができる。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0074】
上記実施形態では、電装箱14が、第一取付具18及び第二取付具19によって、機械室1Aに取り付けられる形態を一例に説明した。しかし、電装箱14を機械室1Aに取り付けるための構成は、これに限定されない。例えば、図18に示されるように、電装箱14は、第一取付具90及び第二取付具92によって、機械室1Aに取り付けられてもよい。第一取付具90は、電装箱14の側部に固定されている。第一取付具90は、L字状を呈している。第二取付具92は、洗浄水タンク20の案内部21の底面に固定されている。第二取付具92は、第一取付具90を支持する。電装箱14を機械室1Aにおいて取り付ける場合には、第一取付具90を第二取付具92に引っ掛け、電装箱14を後方に押し込む。
【0075】
上記実施形態及び変形例では、ラックレール23は、絞出加工によって側部パネル2A、2Aと一体的に形成された例を挙げて説明したが、ラックレール23は、他の部材を側部パネル2A、2Aの内面に取り付けることによって形成されてもよい。
【0076】
本願発明は、上記実施形態及びその他の変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1B…洗浄室、1C…開口部、1D…受水部、1E…受口、11G,11H…側縁、11K…凹部、15…ドア部、15B…凸部、80…封止部、82B,83B…下端部、82Ba,83Ba…上端、82Bb,83Bb…下端、100…食器洗浄機(洗浄機)、D…食器(被洗浄物)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18