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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106808
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】サイドレール、及びベッドシステム
(51)【国際特許分類】
   A47C 21/08 20060101AFI20240801BHJP
   A61G 7/05 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
A47C21/08 A
A61G7/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011259
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】原田 昌和
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040AA26
4C040GG10
(57)【要約】
【課題】清拭性を向上させることができ、サイドレールの動作回数からメンテナンス時期を把握することができるサイドレール、及びベッドシステムを提供する。
【解決手段】サイドレール41は、サイドレール本体部42と、サイドレール本体部42に取り付けられたステー47と、ステー47の両側に設けられ、ステーが回動可能に取り付けられた一対のサイドレール受部62と、サイドレール受部62の間に着脱可能に設けられたシャフト65と、シャフト65に取り付けられ、一対のサイドレール受部62に対して回動するステー47に付勢力を与える弾性部材66と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドレール本体部と、
前記サイドレール本体部に取り付けられたステーと、
前記ステーの両側に設けられ、前記ステーが回動可能に取り付けられたサイドレール受部と、
前記サイドレール受部の間に着脱可能に設けられたシャフトと、
前記シャフトに取り付けられ、前記サイドレール受部に対して回動する前記ステーに付勢力を与える弾性部材と、
を備えたサイドレール。
【請求項2】
さらに、前記シャフトに取り付けられるシャフトホルダを備え、
前記弾性部材は、前記シャフトの外周に巻き付けられるばねであり、
前記ばねは、前記ステーと、前記シャフトホルダと、に連結される、
請求項1に記載のサイドレール。
【請求項3】
前記シャフトホルダの軸は、前記シャフトの軸と同軸であり、
前記シャフトホルダは、前記シャフトの周方向に回動可能に前記シャフトに取り付けられる、
請求項2に記載のサイドレール。
【請求項4】
さらに、前記サイドレール本体部の状態の変化を検出する検出部を備えた、
請求項1に記載のサイドレール。
【請求項5】
前記検出部は、前記ステー、または、前記サイドレール本体部の内部に設けられる、
請求項4に記載のサイドレール。
【請求項6】
前記検出部は、気圧センサ、磁気センサ、光センサ、マーキュリースイッチ、ボールスイッチ、赤外線センサ、及び加速度計のいずれかである、
請求項4に記載のサイドレール。
【請求項7】
前記サイドレール受部は、それぞれ、ベッドのフレームに取り付け可能である、
請求項1に記載のサイドレール。
【請求項8】
フレームを有するベッド本体と、
サイドレールと、
を備え、
前記サイドレールは、
サイドレール本体部と、
前記サイドレールに取り付けられたステーと、
前記ステーの両側に設けられ、前記ステーが回動可能に取り付けられたサイドレール受部と、
前記サイドレール受部の間に着脱可能に設けられたシャフトと、
前記シャフトに取り付けられ、前記サイドレール受部に対して回動する前記ステーに付勢力を与える弾性部材と、
を有し、
前記サイドレール受部が前記ベッド本体の前記フレームに取り付けられた、
ベッドシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、サイドレール、及びベッドシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
サイドレールを設けた治療用システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-15971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、清拭性を向上させることができるサイドレール、及びベッドシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、サイドレールは、サイドレール本体部と、前記サイドレール本体部に取り付けられたステーと、前記ステーの両側に設けられ、前記ステーが回動可能に取り付けられた一対のサイドレール受部と、前記サイドレール受部の間に着脱可能に設けられたシャフトと、前記シャフトに取り付けられ、前記一対のサイドレール受部に対して回動する前記ステーに付勢力を与える弾性部材と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、清拭性を向上させることができ、サイドレールの動作回数からメンテナンス時期を把握することができるサイドレール、及びベッドシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ベッド本体の一例を示す斜視図。
図2】ベッド本体の一例を示す斜視図。
図3】第2面側から見たサイドレールの一例を示す図。
図4】第2サイドレール受部を図3とは反対側から見た一例を示す図。
図5図3の一部を拡大した図。
図6】制御構成の一例を示す図。
図7】サイドレールの動作回数を検出する処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
図1は、ベッドシステム1の一例を示す図である。ベッドシステム1は、本実施形態では、ベッド本体10と、複数のサイドレール(本実施形態では、4個のサイドレール)と、を含み構成される。
【0010】
ベッド本体10は、上面視において、矩形状である。また、本実施形態では、ベッド本体10は、電動式ベッドである。ベッド本体10は、複数のアクチュエータ(図1において図示省略)、並びに背ボトム11、腰ボトム12、膝ボトム13、足ボトム14、及びフレーム(図1において図示省略)を含む。背ボトム11は、ベッド本体10を利用する利用者の背中からお腹の部分を支える。腰ボトム12は、利用者の腰部分を支える。膝ボトム13は、利用者の膝部分を支える。膝ボトム13は、足ボトム14と連動して動作し、利用者の足部分を支える。フレームは、背ボトム11、腰ボトム12,膝ボトム13、足ボトム14の下側に設けられる。さらに、ベッド本体10は、利用者の頭側にヘッドボード15、足側にフットボード16が設けられている。なお、本実施形態では、ベッド本体10が電動式ベッドの場合で説明するが、電動式でないベッドでもよい。ベッド本体10の4隅の下側には、車輪(図示省略)が設けられている。これにより、看護師、または、介護士などがベッドシステム1を移動させることが可能になっている。
【0011】
ベッド本体10の側面には、4個のサイドレールが設けられる。4個のサイドレールは、利用者がベッド本体10上から転倒することを防止するための柵である。具体的には、ベッド本体10の両側面に長手方向に沿って、頭側にサイドレール21,31、足側にサイドレール41,51が、それぞれ設けられる。サイドレール21,31、及びサイドレール41,51は、それぞれ、サイドレール本体部22,32,42,52、ステー27,37,47,57、並びに、後述する一対のサイドレール受部、シャフト、弾性部材、及びシャフトホルダなどを備える。サイドレール21,31は、ベッド本体10の幅方向の中心線に対して、線対称の構造をしており、サイドレール41,51は、同様に、線対称の構造をしている。
【0012】
ベッドシステム1において、サイドレールは、ベッド本体に4個設けなくても、少なくとも1つ設けられればよい。例えば、壁面に沿ってベッドシステム1が配置される場合には、壁面側には、サイドレールを設けなくてもよい。また、ベッド本体10の両側、かつ、利用者の頭側にそれぞれサイドレールを設け、足側にはサイドレールを設けないようにしてもよい。利用者の状態やベッドシステム1の部屋での配置によって、ベッド本体10に設ける、サイドレールの数を変更してもよい。また、本実施形態では、ベッド本体10に4個のサイドレール(2個の頭側のサイドレール、及び2個の足側のサイドレール)を設けることが可能な場合で説明するが、4個以上のサイドレールを設けるように構成してもよい。
【0013】
また、4個のサイドレール21,31,41,51は、それぞれ、鉛直方向に動作可能に構成される。図1は、4個のサイドレール21,31,41,51が全て第1位置(利用者がベッド本体10上から落下するのを防止する役割をする位置)に位置している状態を示している。また、図2は、足側のサイドレール41が第2位置(利用者のベッド本体上に対する乗り降りを邪魔しない位置)に位置している状態を示している。なお、図2においては、サイドレール41のみ第2位置に位置している状態を示しているが、他のサイドレール21,31,51も同様に、第2位置に動作することが可能になっている。
【0014】
サイドレール21,31,41,51は、それぞれ、第1面21a,31a,41a,51aと、第2面21b,31b,41b,51bと、を有する。第1面は、ベッド本体10の外側から視認できる面であり、第2面は、ベッド本体の内側から視認できる面である(つまり、第1面と反対面である)。図1においては、第1面21a,41a,第2面31b,51bが図示されている。
【0015】
次に、頭側のサイドレール21,31について説明する。サイドレール21,31は、線対称な構造をしているため、サイドレール21について説明する。サイドレール21のサイドレール本体部22は、第1高さの第1部分23と、第1高さより低い第2高さの第2部分24と、を含む。第1部分23と、第2部分24と、は、連続的に形成されている。第1部分23の幅は第2部分24の幅より長くなっている。第1部分23及び第2部分24の上側部分は、丸みを有する手すり状部分25が形成されている。第1部分23においては、手すり状部分25の下側に穴部26が設けられている。この穴部26により、第1部分23の手すり状部分25が円柱状になり、利用者が当該手すり状部分25を掴めるようになっている。
【0016】
第1部分23の下側には、ステー27が設けられている。ステー27は、第1部分23の第2面21b側から取り付けられている。ステー27には、ロック機構27aが設けられている。ロック機構27aは、ステー27の中央部に配置されており、ロック機構27aをロックさせることにより、サイドレール21を第1位置で固定することができる。また、ロック機構27aのロックを解除することにより、作業者が図1に示す第1位置から第2位置までサイドレール21を動作させることが可能になる。このように、第2位置まで下げられたサイドレール21は、作業者が持ち上げて第1位置に位置させた後、ロック機構27aをロックすることにより、再び、第1位置で固定される。
【0017】
第1部分23の第1面21aには、第1表示部28が設けられている。第1表示部28は、例えば、本実施形態では、4個のランプ281,282,283,284を含む。4個のランプ281,282,283,284は、それぞれ、4個のサイドレール21,31,41,51に対応している。通常時においては、4個のランプ281,282,283,284はそれぞれ消灯している。警告時においては、4個のランプ281,282,283,284はそれぞれ点灯する。ここで、警告時は、本実施形態では、サイドレールの交換、または、故障が予想される場合である。
【0018】
次に、足側のサイドレール41,51について説明する。サイドレール41,51は、線対称な構造をしているため、サイドレール41について説明する。サイドレール41のサイドレール本体部42は、頭側のサイドレール本体部22の第1部分23に相当する形状であり、第1部分23とはベッド本体10の長手方向の中心に対して対称的にベッド本体に設けられる。サイドレール本体部42は、上側に丸みを有する手すり状部分45が形成されており、当該手すり状部分45の下側には、穴部46が設けられている。この穴部46により、手すり状部分45が円柱状となり、利用者が当該部分を掴めるようになっている。サイドレール本体部42に取り付けられるステー47にもロック機構47aが設けられている。サイドレール41は、ロック機構47aを解除することにより、図1に示す第1位置から図2に示す第2位置へ動作させることが可能になっている。また、第2位置から第1位置へ動作させた後、作業者がロック機構47aをロックすることにより、第1位置でサイドレール41の位置を固定できるようになっているのは、サイドレール21の場合と同様である。
【0019】
次に、サイドレール21,31,41,51を第1位置と、第2位置と、で動作せる構造について説明する。当該構造は、サイドレール21,31,41,51で同様であるため、以下では、足側のサイドレール41を例に挙げてとして説明する。図3は、第2面側41bから見たサイドレール41の一例を示す図である。
【0020】
図3に示すように、サイドレール41の第2面41bのサイドレール本体部42には、ステー47が取り付けられる。ステー47は、断面において、両端部(第1端部471、及び第2端部472)が直線状であり、中央部が曲線状に形成されている。第1端部471がサイドレール本体部42に、例えば、複数のボルト61により取り付けられている。一方、第2端部472が一対のサイドレール受部62に対して回動可能にそれぞれ取り付けられている。
【0021】
一対のサイドレール受部62は、第1サイドレール受部63と、第2サイドレール受部64と、を含む。第1サイドレール受部63、及び第2サイドレール受部64は、共に板状部材であり、同様な形状になるように形成される。第1サイドレール受部63の第1端部631、及び第2サイドレール受部64の第1端部641は、本実施形態では、ベッド本体10のフレーム17に溶接により固着される。なお、各第1端部631,641は、溶接により固着されなくても、例えば、ナットとボルトとによりフレームに対して着脱可能となるように固定されてもよい。一方、第1サイドレール受部63の第2端部632、及び第2サイドレール受部64の第2端部642は、開口している。第1サイドレール受部63、及び第2サイドレール受部64が固着される間隔は、ステー47の幅より若干広い。このため、第1サイドレール受部63、及び第2サイドレール受部64の間に、ステー47の第2端部472を第2端部632,642側から挿入することができる。サイドレール受部62は第1サイドレール受部63と、第2サイドレール受部64と、を含んだ一対のものとして説明をしているが、第1サイドレール受部63と第2サイドレール受部64とが一体となった場合(例えば、断面がコ字形状になっている場合)も含む。
【0022】
各第2端部632,642には、下側に円形状の穴部632a,642aが設けられ、上側に円形状の穴部632b,642bが設けられている。穴部632a,642a、及び穴部632b,642bは、それぞれ一対になっている。穴部632a,642aには、ステー47の第2端部472が回動可能に取り付けられる。例えば、穴部632a,642aと、ステー47の第2端部472と、を回動可能な部材(例えば、ボルト(図示省略。))により取り付ければよい。穴部632b,642bには、シャフト65が回動可能に取り付けられる。
【0023】
次に、シャフトを取り付ける構造について説明する。図4は、第2サイドレール受部64を図3とは反対側から見た一例を示す図である。第2サイドレール受部64の第2端部642の上側の穴部642bを覆うように軸挿入部642cが固定されている。軸挿入部642cは、穴部642bから挿入されるシャフト65の軸の端部を回動可能に収容する部材である。例えば、ベッドシステム1のメンテナスを行う保守員がシャフト65の軸の一端部を第2サイドレール受部64の穴部642bを介して軸挿入部642cに収容した後、他端部を第1サイドレール受部63の穴部632bに挿入する。当該他端部は、係止部632cにより回動可能に固定される。これにより、シャフト65が回動可能になるように、一対のサイドレール受部62に取り付けられる。逆の工程を踏むことにより、シャフト65を一対のサイドレール受部62から取り外すことが可能である。このように、シャフト65は、一対のサイドレール受部62に対して着脱可能となっている。なお、シャフト65を一対のサイドレール受部62に着脱可能に取り付ける構成は、これに限るものではない。
【0024】
図5は、図3の一部を拡大した図である。
シャフト65は、円柱状部分を含む棒状の部材である。シャフト65に弾性部材が設けられている。弾性部材は、本実施形態では、ばね66である。ばね66は、一対のサイドレール受部62に対して回動するステー47に付勢力を与える。より詳細には、ばね66は、シャフト65の円柱状部分に螺旋状に巻き付けられ、ばね66の一端がステー47に連結され、他端端がシャフトホルダ67に連結される。これにより、例えば、サイドレール41が第1位置から第2位置に動作する場合、サイドレール41動作と同期して動作するステー47に付勢力を与えることができる。したがって、サイドレール41が第1位置から第2位置に移動する場合に付、サイドレール41の動作を規制することができ、サイドレール41が第1位置から第2位置に一気に落下することを防止することができる。
【0025】
シャフトホルダ67は、シャフト65に取り付けられる。本実施形態では、シャフトホルダ67の軸は、シャフト65の軸と同軸である。シャフトホルダ67は、シャフト65の周方向に回動可能にシャフト65に取り付けられる。より詳細には、シャフトホルダ67は、シャフト65の外形より内径が大きい、ドーナツ形状をしており、シャフト65の外周に嵌めるように取り付けられる。シャフトホルダ67は、シャフト65に、例えば、複数のボルトをシャフト65の軸の中心方向に向かって進めることにより固定される。このため、保守員が複数のボルトを緩めることにより、シャフトホルダ67をシャフト65の周方向に回すことが可能になる。また、シャフトホルダ67には、既述のように、ばね66が取り付けられる。したがって、保守員がシャフトホルダ67を回動した後、複数のボルトを再び固定することにより、ステー47(サイドレール41)の動作に対するばね66の付勢力を調整することが可能になる。例えば、保守員は、ばね66が伸長する方向にシャフトホルダ67を回動して固定することにより、ばね66の付勢力を弱くすることができる。また、例えば、保守員は、ばね66が収縮する方向にシャフトホルダ67を回動して固定することにより、ばね66の付勢力を強くすることができる。なお、弾性部材の付勢力を調整する機構は、図3に示す機構に限るものではない。
【0026】
図6は、ベッドシステム1の制御構成の一例を示す図である。
図6に示すように、ベッドシステム1は、制御部101、通信部102、記憶部103、背制御回路104、背ACT(アクチュエータ)105、膝制御回路106、膝ACT(アクチュエータ)107、第1高さ制御回路108、第1高さACT(アクチュエータ)109、第2高さ制御回路110、第2高さACT(アクチュエータ)111、検出部120、第1表示部28、及び第2表示部38を有する。
【0027】
制御部101は、CPU、ROM、RAM等から構成される。制御部101は、図示省略の操作装置からの指示に基づいて、ベッド本体10の動作を制御する。通信部102は、図示省略の操作装置との間で情報を送受信するためのインタフェースである。また、通信部102は、図示省略のベッドシステム1を管理する施設管理サーバとの間で情報を送受信するためのインタフェースである。記憶部103は、各種プログラム、及び各種データを記憶する。各種プログラムは、例えば、背ボトム11、膝ボトム13、フレーム17を動作させるプログラム、及び4個のサイドレール21,31,41,51の動作回数を検出するプログラムである。各種データは、例えば、背ボトム11、膝ボトム13、フレーム17を動作させることが可能な範囲の値、及び4個のサイドレール21,31,41,51の動作回数に対する閾値や第1位置、第2位置での検出部120の検出値を記憶する。
【0028】
背制御回路104は、背ACT105を制御し、背ボトム11を動作させる。背ボトム11は、ベッド本体10に寝ている利用者の背中から頭部を支え、利用者の背部を上昇させるように動作する。膝制御回路106は、膝ACT107を制御し、膝ボトム13を動作させる。膝ボトム13は、例えば、足ボトム14と共に、利用者の膝部分を折り曲げるように動作する。第1高さ制御回路108は、第1高さACT109を制御し、フレーム17の頭側の高さを制御する。第2高さ制御回路110は、第2高さACT111を制御し、フレーム17の足側の高さを制御する。第1高さACT109、及び第2高さACT111は、ベッド本体10のフレーム17の高さを変化させるためのアクチュエータである。第1高さACT109、及び第2高さACT111が高さ方向に同じ量だけ変化することにより、フレーム17が高さ方向に動作する。また、第1高さACT109、及び第2高さACT111の長さを高さ方向で差をつけることにより、フレーム17がベッド本体10の設置面に対して傾斜するように動作する。
【0029】
検出部120は、第1センサ121、第2センサ122、第3センサ123、及び第4センサ124を含む。第1センサ121、第2センサ122、第3センサ123、及び第4センサ124は、それぞれ、頭側のサイドレール21、頭側のサイドレール31、足側のサイドレール41、及び足側のサイドレール51に設けられる。第1センサ121、第2センサ122、第3センサ123、及び第4センサ124は、同一の構成であるため、以下では、第3センサ123について説明する。
【0030】
第3センサ123は、サイドレール41の状態の変化を検出する。ここで、状態の変化とは、例えば、サイドレール41の第1位置から第2位置への変化である。第3センサ123は、例えば、気圧センサ、光センサ、磁気センサ、マーキュリースイッチ、ボールスイッチ、赤外線センサ、及び加速度計のいずれかである。いずれのセンサを用いても、サイドレール41が第1位置にあるか、第2位置にあるかを区別可能に取り付けられる。例えば、第3センサ123が気圧センサの場合、第1の位置での気圧と、第2の位置での気圧と、を検出できれば良い。このため、気圧センサが設けられる位置は、ステー47内でもよいし、サイドレール本体部42内でもよい。第3センサ123が光センサの場合、例えば、サイドレール41の第2面41b側、かつ、第1位置ではフレーム17を検出できないが、第2位置ではフレーム17を検出できる、という位置に光センサを設ければよい。第3センサ123で検出した検出結果は、制御部101に送信される。
【0031】
第1表示部28は、図1及び図2に示すように、サイドレール21の第1面21aに設けられる。第2表示部38は、サイドレール31の第1面31aに設けられる。第1表示部28は、既述のように、4個のランプ281~284から構成される。第2表示部38は、第1表示部28と同様に、4個のランプ381~384(図示省略)から構成される。第1表示部28、及び第2表示部38の4個のランプ281~284,381~384(図示省略。以下同じ。)は、4個のサイドレール21,31,41,51に、それぞれ対応している。各ランプ281~284,381~384は、対応するサイドレールの動作回数が閾値を超えた場合に、点灯する。本実施形態では、第1表示部28、及び第2表示部38は、頭側のサイドレール21,31に設けられる場合で説明するが、いずれか一方のサイドレールに設けられてもよいし、4個のサイドレール21,31,41,51それぞれに1つのランプを設けてもよい。記憶部103に記憶される閾値は、例えば、ばね66の耐久性等を考慮し、ばね66の交換時期、及び故障時期が予想される動作回数の値を設定すればよい。
【0032】
図7は、サイドレールの動作回数を検出する処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、4個のサイドレール21,31,41,51に対して、それぞれ実行される。以下では、足側のサイドレール41の動作回数を検出する処理の場合を説明する。また、この処理は、サイドレール41をベッド本体10に取り付けたときから開始されることとする。
【0033】
制御部101は、第3センサ123のセンサ値(検出結果)を取得する(ST11)。次に、制御部101は、サイドレール41の第1位置から第2位置への変化はあったか否かを判定する(ST12)。例えば、第3センサ123が気圧センサである場合、制御部101は、第1の位置での気圧値から第2位置での気圧値にセンサ値が変化したか否かを判定する。このような変化がない場合(ST12:NO)、処理はステップST11に戻る。また、変化があったと判定した場合(ST12:YES)、制御部101は、カウントを加算する(ST13)。例えば、制御部101は、所定のエリアに設けられるサイドレール41用の動作回数カウンタをインクリメントする。
【0034】
次に、制御部101は、加算したカウント値と、閾値と、を比較し、カウント値が閾値を超えたか否かを判定する(ST14)。制御部101によりカウント値が閾値を超えていないと判定された場合(ST14:NO)、処理は、ステップST11に戻り、カウント値を加算する処理が繰り返される。また、カウント値が閾値を超えていると判定した場合(ST14:YES)、制御部101は、ランプを表示する(ST15)。本実施形態では、制御部101は、第1表示部28、及び第2表示部38のサイドレール41に対応するランプを表示する。
【0035】
以上説明したように、4個のサイドレール21,31,41,51は、それぞれ、第1位置から第2位置へ動作する場合に、一対のサイドレール受部62内に設けられるシャフト65のばね66の付勢力により、動作の規制が行われる。このため、ステー47周りの構造がシンプルになり、清拭性を良くすることができるうえ、布団等を挟んでしまう事態を回避することができる。
【0036】
また、サイドレール21,31,41,51の動作の規制を行うための部材を、ガススプリングからばね66に変更してる。このため、サイドレール21,31,41,51は、ステー47周りの構造をシンプルにすることに加えて、製造コストを低減することが可能になる。
【0037】
さらに、サイドレール21,31,41,51は、保守員がシャフトホルダ67を周方向に回動させることにより、ばね66の付勢力を調整することが可能である。このため、経年劣化により、ばね66の付勢力が弱くなり、サイドレール21,31,41,51のいずれかのサイドレールの第1位置から第2位置への動作が速くなってしまった場合にも、ばね66の付勢力を復元して、当該サイドレールの第1位置から第2位置への動作の速度を元の状態に戻すことができる。
【0038】
さらに、4個のサイドレール21,31,41,51の第1位置から第2位置への動作回数が閾値を超えた場合、閾値を超えたサイドレールに対応するランプが表示される。このため、保守員は、ばね66が交換時期や故障時期、言い換えれば、メンテナンス時期であることを視認することができる。加えて、4個のサイドレール21,31,41,51は、それぞれ、シャフト65が一対のサイドレール受部62に対して着脱可能に構成されている。このため、保守員がシャフト65を一対のサイドレール受部62から取り外した後、ばね66を交換することが可能になる。この場合、施設管理サーバが、通信部102を介して、ベッドシステム1のばね66を取り換えたサイドレールの動作回数カウンタのカウント値をゼロにすればよい。
【0039】
さらに、第1センサ121~第4センサ124を、例えば、気圧センサとすることにより、ステー27,37,47,57内部、または、サイドレール本体部22,32,42,52の内部に設けることができる。検出部120をこのように構成することにより、検出部120をサイドレール21,31,41,51に追加しても、ステー27,37,47,57回りの構造をシンプルなままにすることができ、サイドレール21,31,41,51の清拭性を維持することができる。
【0040】
また、上記実施形態では、ばね66を設けたシャフト65によりサイドレール21,31,41,51の第1位置から第2位置への動作の規制を行っていたが、動作を規制する構成は、これに限るものではない。例えば、ロータリダンパを、一対のサイドレール受部62の間、かつ、シャフト65に取り付け、ロータリバンパの油圧により、サイドレール21,31,41,51の動作を規制してもよい。このようにしても、ステー27,37,47,57回りの構造をシンプルにすることができ、清拭性を良くすることができ、布団等を挟んでしまう事態を防止することができる。
【0041】
なお、上記実施形態では、サイドレール21,31,41,51の動作回数に基づいて、サイドレール21,31,41,51の交換時期、及び故障時期を第1表示部28、及び第2表示部38に表示する場合で説明したが、ベッドシステム1のメンテナンス時期も表示するようにしてもよい。例えば、記憶部103に、サイドレール21,31,41,51に対する閾値とは、別の閾値を記憶するようにし、ベッドシステム1のメンテナンス用の表示部をサイドレール21,31に設け、サイドレール21,31,41,51のいずれかのサイドレールの動作回数が当該別の閾値を超えた場合に、メンテナンス用の表示部を表示させるようにすればよい。これにより、保守員は、ベッドシステム1のメンテナンス時期を視認することが可能になる。
【0042】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、サイドレール、及びベッドシステムに含まれるセンサ、処理部、可動部、及び検出部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0043】
各具体例のいずれか2個以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0044】
その他、本発明の実施形態として上述したサイドレール、及びベッドシステムを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての電動家具も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0045】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0046】
実施形態は、以下の態様を含む。
【0047】
(付記1)
サイドレール本体部と、
前記サイドレール本体部に取り付けられたステーと、
前記ステーの両側に設けられ、前記ステーが回動可能に取り付けられたサイドレール受部と、
前記サイドレール受部の間に着脱可能に設けられたシャフトと、
前記シャフトに取り付けられ、前記サイドレール受部に対して回動する前記ステーに付勢力を与える弾性部材と、
を備えたサイドレール。
【0048】
(付記2)
さらに、前記シャフトに取り付けられるシャフトホルダを備え、
前記弾性部材は、前記シャフトの外周に巻き付けられるばねであり、
前記ばねは、前記ステーと、前記シャフトホルダと、に連結される、
付記1に記載のサイドレール。
【0049】
(付記3)
前記シャフトホルダの軸は、前記シャフトの軸と同軸であり、
前記シャフトホルダは、前記シャフトの周方向に回動可能に前記シャフトに取り付けられる、
付記2に記載のサイドレール。
【0050】
(付記4)
さらに、前記サイドレール本体部の状態の変化を検出する検出部を備えた、
付記1から3のいずれか1つに記載のサイドレール。
【0051】
(付記5)
前記検出部は、前記ステー、または、前記サイドレール本体部の内部に設けられる、
付記4に記載のサイドレール。
【0052】
(付記6)
前記検出部は、気圧センサ、磁気センサ、光センサ、マーキュリースイッチ、ボールスイッチ、赤外線センサ、及び加速度計のいずれかである、
付記4に記載のサイドレール。
【0053】
(付記7)
前記サイドレール受部は、それぞれ、ベッド本体のフレームに取り付け可能である、
付記1から6のいずれか1つに記載のサイドレール。
【0054】
(付記8)
フレームを有するベッド本体と、
サイドレールと、
を備え、
前記サイドレールは、
サイドレール本体部と、
前記サイドレールに取り付けられたステーと、
前記ステーの両側に設けられ、前記ステーが回動可能に取り付けられたサイドレール受部と、
前記サイドレール受部の間に着脱可能に設けられたシャフトと、
前記シャフトに取り付けられ、前記サイドレール受部に対して回動する前記ステーに付勢力を与える弾性部材と、
を有し、
前記サイドレール受部が前記ベッド本体の前記フレームに取り付けられた、
ベッドシステム。
【符号の説明】
【0055】
1…ベッドシステム、10…ベッド本体、17…フレーム、21,31,41,51…サイドレール、27,37,47,57…ステー、27a,37a,47a,57a…ロック機構、28…第1表示部、38…第2表示部、62…一対のサイドレール受部、63…第1サイドレール受部、64…第2サイドレール受部、65…シャフト、66…ばね、67…シャフトホルダ。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7