(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106811
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】プロジェクター
(51)【国際特許分類】
G03B 21/16 20060101AFI20240801BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20240801BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
G03B21/16
G03B21/00 D
H04N5/74 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011263
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 純平
(72)【発明者】
【氏名】笠原 大輔
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
【Fターム(参考)】
2K203FA02
2K203KA07
2K203LA02
2K203LA03
2K203LA05
2K203LA22
2K203LA28
2K203LA36
2K203LA53
2K203MA12
5C058BA35
5C058EA02
(57)【要約】
【課題】プロジェクターにおけるファンの冷却効率の低下を抑える。
【解決手段】本発明のプロジェクターは、底面を有する筐体と、筐体に配置された光源と、筐体に配置されたファンと、底面に平行に配置された第1基板と、第1基板に配置され、第1基板の板面に垂直な第1面と、第1面よりも面積が大きく前記第1面に垂直な第2面とを有し、ファンによって生じる気流に第2面が沿う向きで第1基板に配置された第1回路部品と、を含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面を有する筐体と、
前記筐体に配置された光源と、
前記筐体に配置されたファンと、
前記底面に平行に配置された第1基板と、
前記第1基板に配置され、前記第1基板の板面に垂直な第1面と、前記第1面よりも面積が大きく前記第1面に垂直な第2面とを有し、前記ファンによって生じる気流に前記第2面が沿う向きで前記第1基板に配置された第1回路部品と、
を含む、
プロジェクター。
【請求項2】
前記第1基板と対向する第2基板をさらに含み、
前記第1回路部品は、第1基板の第2基板と対向する板面に配置されている、
請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項3】
第2基板をさらに含み、
前記第1回路部品は、前記第1基板と前記第2基板とを接続する多極コネクタである、
請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項4】
光変調素子をさらに含み、
前記ファンは、光変調素子を冷却するファンである、
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のプロジェクター。
【請求項5】
前記第1回路部品は、
前記板面に接続された本体と、
前記本体において前記板面に接する面とは反対側の面に設けられた放熱板と、
を有する、
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のプロジェクター。
【請求項6】
前記第1基板と対向する第2基板と、
前記第2基板の板面に配置される第2回路部品と、
をさらに含み、
前記第2回路部品は、
前記第2基板の板面に接続された本体と、
前記本体において前記第2基板の板面に接する面とは反対側の面に設けられた放熱板と、
を有し、
前記第1回路部品は、前記第1基板において前記第2基板の板面に対向する板面とは反対側の板面に配置されている、
請求項5に記載のプロジェクター。
【請求項7】
前記気流の進行方向に沿って前記板面に帯状部が設けられ、
前記第1回路部品は前記第2面が前記帯状部の長手方向に沿う向きで配置されている、
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクターには、光源や液晶パネル等の装置を駆動及び制御する回路基板と、装置や回路基板及び各種の部材を冷却するファンが設けられている。各種の部材には、例えば装置を支持するホルダー、装置同士或いは装置と回路基板とを接続するケーブル等が含まれる。ファンは、装置や回路基板、各種の部材を含む冷却対象物に風を送り、気流を発生させ、冷却対象物を冷却する。ファンによる冷却対象物の冷却効率を高めるための構造が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、光源と、コントロールユニットと、ドライバ基板と、支持部材と、ファンと、ケーブルと、を有するプロジェクターが開示されている。コントロールユニットは、光源から射出される光を用いた画像投射を制御する。ドライバ基板は、柱状部によって支持部材の底面部に支持されている。ドライバ基板の板面は、底面部に平行である。ドライバ基板には複数の回路基板が立てられ、回路基板には光源を駆動するための回路部品が搭載されている。回路基板の板面は、支持部材の底面部に垂直である。ファンは、支持部材の底面部に平行な面内で、支持部材から間隔をあけて複数の回路基板に隣り合うように配置されている。複数の回路基板は、ファンへの排気方向に沿って配置されている。ケーブルの一端は、ドライバ基板のコネクタに接続されている。ケーブルは、ドライバ基板のコネクタから一旦立ち上がり、屈曲した後にドライバ基板上に立ち下り、回路基板とファンとの間を通り、コネクタから離れた位置に配置されている電源装置に接続されている。ドライバ基板上で回路基板とファンとの間を通るケーブルは、ファンとの間に設けられた壁部によってファンから隔てられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に開示されているプロジェクターでは、壁部が設けられているため、ケーブルがファンに接触する事態、或いはケーブルがファンに巻き込まれる事態が回避され、ファンの冷却効率の低減が抑えられる。しかしながら、プロジェクターにおいてファンの冷却効率が低減する要因は、ケーブルとファンとの接触、及びファンにおけるケーブルの巻き込みに限定されない。ファンの冷却効率が低減する要因には、ファンから噴出される風の流路を遮るように配置されている装置、ドライバ基板や回路基板及び各種の部材が含まれる。例えば、特許文献1に開示されているプロジェクターでは、ファンから噴出される風又はファンに排気される風が壁部やドライバ基板のコネクタによって遮られる可能性がある。特に、特許文献1に開示されているプロジェクターでは、回路基板に搭載される回路部品やその他の各種の部品の高さ、底面部に平行な面内での大きさが増大すれば、ファンから噴出される風又はファンに排気される風が回路部品やその他の部品によって遮られる可能性がある。そのため、ファンの冷却効率の低減を抑えることが可能な回路基板上の各部品の配置が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様のプロジェクターは、底面を有する筐体と、筐体に配置された光源と、筐体に配置されたファンと、底面に平行に配置された第1基板と、第1基板に配置され、第1基板の板面に垂直な第1面と、第1面よりも面積が大きく前記第1面に垂直な第2面とを有し、ファンによって生じる気流に第2面が沿う向きで第1基板に配置された第1回路部品と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態のプロジェクターの構成を示す概略図である。
【
図4】
図1のプロジェクターにおけるファンと回路実装板の配置を示す平面図である。
【
図5】
図1のプロジェクターにおけるファンと回路実装板の配置を示す側面図である。
【
図6】
図1のプロジェクターにおける回路実装板の平面図である。
【
図7】
図1のプロジェクターにおける回路実装板の平面図である。
【
図8】
図1のプロジェクターにおける回路実装板の平面図である。
【
図9】
図1のプロジェクターにおける回路実装板の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。各図面では、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を変えている場合がある。
【0009】
本発明の一実施形態について、
図1から
図9を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態のプロジェクター100の構成を示す概略図である。
図2は、プロジェクター100の平面図であり、後述する上壁部16が外された状態の概略図である。
図3は、プロジェクター100の側面図であり、後述する側壁部14と上壁部16が外された状態の概略図である。
【0010】
プロジェクター100は、外部から入力される画像情報に基づいて画像や映像を不図示の大型スクリーンに投影することによって表示し、光変調装置として3枚の液晶パネルを備える画像表示装置である。
図1から
図3に示すように、プロジェクター100は、筐体10と、光源装置50と、光変調装置60と、投射光学装置80と、複数の回路実装板120と、複数のファン200と、を備える。なお、複数の回路実装板120については、
図4以降の各図を参照することができる。
【0011】
図1から
図3に示すように、筐体10は、光源装置50を含めて、プロジェクター100において上述のように画像や映像を表示するという機能を発現させるための各種の装置、各種の部材及び複数のファン200が収容される部材である。筐体10は、底壁部12、側壁部14と、上壁部16と、壁部30と、を有する。
【0012】
プロジェクター100は、使用時に不図示の台に置かれる。底壁部12は、台に対向している。複数の脚部が筐体10の内部空間Sから底壁部12を貫通し、台の設置面に向かって突出している。複数の脚部のうちの1つの脚部20は、底壁部12から突出する長さを調節可能に構成されている。底壁部12の外壁面12bから突出する脚部20の長さが調節されることによって、底壁部12の内壁面12a及び外壁面12bが台の設置面に対して傾斜する角度が調節される。複数の脚部のうちの残りの脚部22が底壁部12から突出する長さは、固定されている。
【0013】
以下の説明では、底壁部12の内壁面12a及び外壁面12bに平行な一軸をX軸とし、底壁部12の内壁面12a及び外壁面12bに平行であり且つX軸に直交する軸をY軸とする。X軸及びY軸に直交する軸をZ軸とする。Z軸は、プロジェクター100の高さに沿う軸を意味する。X軸及びY軸の一方の側を+X側及び+Y側と称し、X軸及びY軸の他方の側を-X側及び-Y側と称する。Z軸の一方の側すなわち底壁部12の内壁面12a及び外壁面12bから上壁部16に向く側を+Z側と称し、Z軸の他方の側を-Z側と称する。
【0014】
底壁部12をZ軸に沿って見たときの平面視形状は、長方形である。底壁部12のX軸での長さは、底壁部12のY軸での長さよりも長い。底壁部12の+X側の2つの角部、及び-X側及び+Y側の角部は、湾曲し、面取りされている。底壁部12の-X側及び-Y側の角部は、X軸及びY軸に沿って切り欠かれている。底壁部12の-X側及び-Y側の角部の外周縁は、底壁部12のX軸に平行な-Y側の外周縁の-X側の端から+Y側へ所定の距離進んだ位置にY軸と平行に延び、その位置から底壁部12のY軸に平行な-X側の外周縁の-Y側の端までX軸と平行に延びている。
【0015】
底壁部12は、平坦部12Aと、凸部12Bと、を有する。平坦部12Aは、X軸及びY軸を含むXY平面の外周縁から中心に向かって所定の長さで延在している。凸部12Bは、平坦部12Aの内周縁から-Z側に突出し、底壁部12よりも+Z側から見ると凹んでいる。凸部12Bの高さは、底壁部12の平坦部12Aの外壁面12bから突出する脚部20の最も短い長さよりも短く、外壁面12bから突出する脚部22の長さよりも短い。
【0016】
凸部12Bには、凹部12Gが形成されている。凹部12Gは、凸部12BのX軸での中央部に形成され、凸部12Bの-Y側の端からY軸に沿って+Y側の途中の位置まで形成されている。凹部12Gは、凸部12BにおいてXY平面に平行に延在する底壁部12から+Z側に凹んでいる。凹部12GのX軸での幅は、凸部12BのX軸での幅よりも小さい。脚部20は、凹部12GのX軸での中央部且つY軸での-Y側の端部を貫通している。凹部12GのZ軸での高さは、凸部12BのZ軸での深さよりも小さい。底壁部12の外壁面12bから突出する脚部20の長さが最も短い状態においても、脚部20の-Z側の端は、凸部12Bの底壁部の外壁面12bよりも-Z側に突出している。2つの脚部22は、底壁部12のX軸での両端部且つY軸での+Y側の端部の平坦部12A及び凸部12Bを貫通している。脚部22の-Z側の端は、凸部12Bの底壁部の外壁面12bよりも-Z側に突出している。
【0017】
側壁部14は、壁部14A,14B,14C,14Dと、連結部15A,15B,15Cと、壁部30と、を有する。壁部14Aは、底壁部12のX軸に平行な-Y側の外周縁に沿って底壁部12よりも+Z側に立ち上がり、X軸に沿って延在している。壁部14Aの内壁面及び外壁面は、X軸及びZ軸を含むXZ平面と平行である。壁部14Bは、底壁部12のY軸に平行な+X側の外周縁に沿って底壁部12よりも+Z側に立ち上がり、Y軸に沿って延在している。壁部14Bの内壁面及び外壁面は、Y軸及びZ軸を含むYZ平面と平行である。壁部14Cは、底壁部12のX軸に平行な+Y側の外周縁に沿って底壁部12よりも+Z側に立ち上がり、X軸に沿って延在している。壁部14Cの内壁面及び外壁面は、XZ平面と平行である。壁部14Dは、底壁部12のY軸に平行な-X側の外周縁に沿って底壁部12よりも+Z側に立ち上がり、Y軸に沿って延在している。壁部14Dの内壁面及び外壁面は、YZ平面と平行である。
【0018】
連結部15Aは、底壁部12のX軸に平行な-Y側の外周縁とY軸に平行な+X側の外周縁とを連結する角部の外周縁に沿って底壁部12よりも+Z側に立ち上がり、壁部14Aの+X側の端と壁部14Bの-Y側の端とを連結し、XY平面で湾曲している。連結部15Bは、底壁部12のY軸に平行な+X側の外周縁とX軸に平行な+Y側の外周縁とを連結する角部の外周縁に沿って底壁部12よりも+Z側に立ち上がり、壁部14Bの+Y側の端と壁部14Cの+X側の端とを連結し、XY平面で湾曲している。連結部15Cは、底壁部12のX軸に平行な+Y側の外周縁とY軸に平行な-X側の外周縁とを連結する角部の外周縁に沿って底壁部12よりも+Z側に立ち上がり、壁部14Cの-X側の端と壁部14Dの+Y側の端とを連結し、XY平面で湾曲している。連結部15Dは、壁部14Dの-Y側の端に連結され、壁部14Dの-Y側の端から壁部14Aの-X側の端に向かって-X側且つ-Y側に凸となるように湾曲している。連結部15Dの+X側の端は、壁部14Aの-X側の端とは離間している。連結部15Dの+X側の端と壁部14Aの-X側の端との間は、開放されている。
【0019】
壁部30は、壁部14DとX軸で隣り合い、壁部14Dよりも+X側に配置されている。壁部30は、複数の小壁部を有する。複数の小壁部は、壁部30の底壁部と、側壁部と、上壁部と、を構成する。
【0020】
図1では、側壁部14の連結部15Dの+X側の端と壁部14Aの-X側の端との間に、壁部30の複数の小壁部のうちの小壁部31の一部及び小壁部32の一部が見えている。小壁部31は、X軸において、側壁部14の壁部14Dと壁部14B,14Dの中間位置との間にあり、側壁部14の壁部14Aの-X側の端と同じ位置に配置されている。小壁部31は、YZ平面に平行な内壁面及び外壁面を有する。小壁部31の-Y側の端は、側壁部14の壁部14Aの-X側の端に連結している。小壁部31の+Y側の端は、側壁部14の壁部14Dの+Y側の端よりも-Y側に配置され、底壁部12のY軸での中央近傍に配置されている。小壁部31には、不図示の複数の種類のケーブルや無線LAN(Local Area Network)子機を差し込める複数の差し込み口が設けられている。複数の種類のケーブルには、例えば電源ケーブルやLANケーブルが含まれる。
【0021】
小壁部32は、Z軸において、底壁部12の-X側且つ-Y側の部分に+Z側から重なっている。小壁部32の内壁面は、XY平面に対して傾斜し、+X側の端から-X側の端に移動するにしたがって-Z側に移動する。小壁部32の+Y側の内壁面の一部は、-Y側の内壁面よりも+Z側にある。小壁部32の外壁面は、YZ平面に平行である。
【0022】
図2では、壁部30の複数の小壁部のうちの小壁部33が見えている。小壁部33は、Z軸において、上壁部16の-X側且つ-Y側の部分に-Z側から重なっている。小壁部33の内壁面及び外壁面は、XY平面に平行である。
【0023】
図示されていないが、小壁部31の+Y側の端と、小壁部32において-Y側の端部よりも内壁面が+Z側に突出している部分の+Y側の端に、別の小壁部が連結している。前述の別の小壁部を隔壁部と称する。隔壁部よりも+Y側に延在する壁部30は、各種の部品が収められる空間を構成し、複数の空間を区画する小壁部を備える。
【0024】
図1から
図3に示すように、上壁部16をZ軸に沿って見たときの平面視形状は、長方形であり、-X側及び-Y側の角部を除いて底壁部12の平面視形状と同様である。上壁部16の-X側及び-Y側の角部は、他の3つの角部と同様に、湾曲し、面取りされている。上壁部16は、底壁部12と、側壁部14の壁部14A,14B,14C及び連結部15A,15B,15C及び壁部30によって囲まれる内部空間Sを+Z側から塞ぐように配置されている。上壁部16は、側壁部14及び壁部30に対して着脱可能である。
【0025】
上壁部16は、平坦部16A,16Bと、凹部16Cと、を有する。平坦部16Aは、上壁部16のX軸での全体に亘って延在し、上壁部16のY軸での中心部より僅かに+Y側の部分から+Y側の外周縁まで延在している。平坦部16Aの内壁面及び外壁面は、XY平面に平行である。平坦部16Bは、上壁部16のX軸での全体に亘って延在し、XY平面に平行であり、上壁部16のY軸での中心部から-Y側に離れた部分から-Y側の外周縁まで延在している。平坦部16Bの内壁面及び外壁面は、XY平面に平行である。凹部16Cは、上壁部16のX軸での全体に亘って配置され、Y軸で平坦部16A,16Bを連結している。凹部16CのXY平面の外周縁は、平坦部16A,16Bの間の上壁部16の+X側及び-X側のX軸に平行な外周縁と平坦部16Aの-Y側のX軸に平行な外周縁と平坦部16Bの+Y側のX軸に平行な外周縁によって構成されている。凹部16Cは、XY平面の外周縁から中心領域に向かって凹んでいる。
【0026】
凹部16Cは、小壁部17,18A,18B,18C,18Dを有する。小壁部17は、凹部16Cの底部に配置され、凹部16CのXY平面の前述した中心領域を構成している。小壁部17の平面視形状は、上壁部16の平面視形状をX軸及びY軸の各々で所定の比率で縮小した形状である。小壁部17は、X軸において、+X側の端及び-X側の端の各々から中心に向かって所定の距離まで移動するにしたがって+Z側に突出し、所定の位置から中心までXY平面に平行である。
【0027】
小壁部17には、人感センサー28が配置されている。人感センサー28は、小壁部17において外壁面がXY平面に平行である部分のX軸での中心に配置され、後述する投射口25よりも-Y側に配置されている。人感センサー28は、投射口25の周囲のうちで投射口25から射出される画像光Lを遮る範囲に存在する人や物を検出する。プロジェクター100は、人感センサー28によって画像光Lを遮る範囲に存在する人や物が検出されると、後述する回路実装板132又は回路実装板133に電気信号を発信し、投射口25からの画像光Lの投射を停止する。
【0028】
小壁部18Aは、凹部16CのX軸に平行な+Y側の外周縁から小壁部17の+Y側且つ+Z側の外周縁とを連結する。小壁部18AのX軸での幅は、-Y側から+Y側に移動するにしたがって減少する。小壁部18Bは、凹部16CのY軸に平行な+X側の外周縁から小壁部17のY軸に平行な+X側且つ+Z側の外周縁とを連結する。小壁部18BのY軸での幅は、+X側から-X側に移動するにしたがって減少する。小壁部18Cは、凹部16CのX軸に平行な-Y側の外周縁から小壁部17の+Y側且つ-Z側のX軸に平行な外周縁とを連結する。小壁部18CのX軸での幅は、+Y側から-Y側に移動するにしたがって減少する。小壁部18Dは、凹部16CのY軸に平行な-X側の外周縁から小壁部17のY軸に平行な-X側の外周縁とを連結する。小壁部18BのY軸での幅は、-X側から+X側に移動するにしたがって減少する。小壁部18A,18B,18C,18Dは、XY平面に対して傾斜している。
【0029】
小壁部18CのX軸での中央部且つ+Y側の端部には、投射口25が形成されている。投射口25のZ軸に沿って見たときの平面視形状は、長方形である。投射口25のX軸での寸法は、凹部16CのX軸での長さよりも短い。投射口25のY軸での寸法は、投射口25のX軸での寸法よりもさらに小さい。投射口25には、内部空間Sから射出される画像光Lに対して透光性を有する透光板26が設けられている。画像光Lは、投射口25から-Y側且つ+Z側に射出され、プロジェクター100よりも-Y側且つ+Z側に配置されている不図示のスクリーンに投射される。
【0030】
小壁部18Cには、物体検出センサー27が配置されている。物体検出センサー27は、小壁部18CにおいてX軸での中心及び投射口25よりも+Y側に配置されている。物体検出センサー27は、投射口25にかかる埃やゴミを含む異物を検出する。プロジェクター100は、物体検出センサー27によって投射口25にかかる異物が検出されると、回路実装板132又は回路実装板133に電気信号を発信し、投射口25からの画像光Lの投射を停止する。
【0031】
図2に示すように、筐体10の内部空間Sは、底壁部12と、側壁部14の壁部14A,14B,14C及び連結部15A,15B,15C、上壁部16及び壁部30によって囲まれている。内部空間Sには、光源装置50と、光変調装置60と、反射ミラー70と、投射光学装置80と、複数の回路実装板120と、複数のファン200が収容されている。光源装置50と、光変調装置60と、投射光学装置80は、プロジェクター100の外部から入力される画像情報に基づいて画像や映像を不図示の大型スクリーンに投影することによって、プロジェクター100で画像や映像を表示するために構成されている。
【0032】
なお、
図2に示されている光源装置50、光変調装置60、及び投射光学装置80の範囲は、各装置の厳密な輪郭を示すものではなく、内部空間Sにおける各装置間の相対位置関係を示すために概形として示されている。
【0033】
光源装置50は、筐体10の+X側及び-Y側の端の内部空間Sに配置されている。光源装置50は、光源52と、光源52から発せられる光を光変調装置60に向けて偏向するための図示略の単数又は複数の光学素子と、を備える。
【0034】
光源52は、例えば光源基材と、発光素子と、波長変換素子と、を有する。光源基材は、光源装置50における+Y側の端部に配置されている。光源基材は、筐体10の底壁部12のXY平面に平行な内壁面12aに対して垂直に立てられ、XZ平面に平行な板面を有する。発光素子は、光源基材のXZ平面に平行な板面のうちの-Y側の板面に設けられている。発光基材の板面において発光素子が設けられていない領域には、発光素子に電気信号を供給するための配線が設けられている。光源基材は、後述する回路実装板136と不図示の電気ケーブルを介して接続されている。
【0035】
発光素子は、光源基材の-Y側の板面に向く面とは反対側の発光面を有する。発光素子は、発光面から所定の色光を射出する。所定の色光は、例えば青色光であるが、波長変換素子を励起可能な色光を含んでいればよい。発光素子は、例えば発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)である。
【0036】
波長変換素子は、光源装置50において、発光素子から発せられる色光の光路上に設けられ、発光素子よりも-Y側の領域に配置されている。波長変換素子は、発光素子の発光面に積層されていてもよい。波長変換素子は、発光素子から入射する色光のうちの少なくとも一部の色光によって励起され、発光素子からの色光とは異なる波長を有する色光を射出する。波長変換素子から射出される色光は、例えば黄色光である。黄色光を射出する波長変換素子は、例えばイットリウム・アルミニウム・ガーネット(Yttrium・Aluminum・Garnet;YAG)系のセラミックス蛍光体によって形成され、例えばセリウム(Ce)が付活されたYAG(YAG:Ce3+)である。
【0037】
光源装置50の光学素子は、例えば光源52から発せられる光を平行化又は集光するレンズ、光源52から発せられる光の進路を屈折させる反射ミラー、或いは入射する色光のうちの所定の偏光を射出する偏光素子等を含む。
【0038】
光源装置50では、発光素子から発せられる色光の一部が波長変換素子に入射し、入射する一部の色光が波長変換素子によって別の色光に変換される。別の色光は、波長変換素子から-Y側に向く方向を含めて全方向に射出される。波長変換素子に入射する残りの色光のうちの少なくとも一部の色光は、波長変換素子を透過し、波長変換素子から発光素子とは反対側すなわち-Y側に射出される。合成色光として、例えば青色光と黄色光とを含む白色光が波長変換素子からY軸に沿って-Y側に射出される。波長変換素子から射出される色光は、光源装置50の光学素子によってX軸に沿って-X側に偏向され、光変調装置60に導かれる。
【0039】
光変調装置60は、筐体10のX軸での中央より+X側の部分及び-Y側の端の内部空間Sに配置され、光源装置50に隣り合い、光源装置50の-X側に配置されている。光変調装置60は、光源装置50から射出される合成色光を分けて光変調素子に導くための図示略の複数の光学素子と、3つの光変調素子62B,62G,62Rと、光合成素子64と、を備える。
【0040】
光変調装置60の合成色光を分けて光変調素子に導くための複数の光学素子は、例えば光源装置50から射出される白色光を赤色光と緑色光及び青色光を含む2色光とに分けるダイクロイックミラー、2色光を緑色光と青色光とに分けるダイクロイックミラー、青色光を光変調素子62Bに向けて反射する反射ミラー、緑色光を光変調素子62Gに向けて反射する反射ミラー、赤色光を光変調素子62Rに向けて反射する反射ミラー、各色光に対応するフィールドレンズ、入射側偏光板及び射出側偏光板等を含む。
【0041】
光変調素子62Bは、青色光に対応して配置される前述の入射側偏光板から射出される所定の偏光の青色光の光路上に配置されている。光変調素子62Bは、筐体10の底壁部12のXY平面に平行な内壁面12aに対して垂直に立てられ、XZ平面に平行な変調面を有する。光変調素子62Bは、例えば液晶パネルである。光変調素子62BにおいてX軸及びZ軸で変調面と重なる領域は、液晶素子によって構成され、X軸及びZ軸に配列された複数の画素を有する。複数の画素は、例えばポリシリコン薄膜トランジスター(Thin Film Transistor;TFT)で構成されるスイッチング素子を備える。スイッチング素子は、後述する回路実装板135から各々の画素に対して入力される電気信号に応じて動作する。光変調素子62Bは、入射する青色光をプロジェクター100で投射する画像又は映像に合わせて変調する。
【0042】
光変調素子62Gは、緑色光に対応して配置される前述の入射側偏光板から射出される所定の偏光の緑色光の光路上に配置されている。光変調素子62Gは、筐体10の底壁部12のXY平面に平行な内壁面12aに対して垂直に立てられ、YZ平面に平行な変調面を有する。光変調素子62Gは、光変調素子62Bよりも+Y側且つ+Z側に配置され、Z軸で光変調素子62Bと同じ高さに並んで配置されている。光変調素子62Gは、例えば液晶パネルである。光変調素子62GにおいてY軸及びZ軸で変調面と重なる領域は、液晶素子によって構成されている。光変調素子62Gは、Y軸及びZ軸に配列され、光変調素子62Bの各々の画素と同様に構成された複数の画素を有する。光変調素子62Gの各々の画素のスイッチング素子は、回路実装板135から入力される電気信号に応じて動作する。光変調素子62Gは、入射する緑色光をプロジェクター100で投射する画像又は映像に合わせて変調する。
【0043】
光変調素子62Rは、赤色光に対応して配置される前述の入射側偏光板から射出される所定の偏光の赤色光の光路上に配置されている。光変調素子62Rは、筐体10の底壁部12のXY平面に平行な内壁面12aに対して垂直に立てられ、XZ平面に平行な変調面を有する。光変調素子62Rは、光変調素子62Gよりも+Y側且つ-Z側に配置され、X軸で光変調素子62Bと同じ位置に配置され、Z軸で光変調素子62B,62Gと同じ高さに並んで配置されている。光変調素子62Rは、例えば液晶パネルである。光変調素子62RにおいてX軸及びZ軸で変調面と重なる領域は、液晶素子によって構成されている。光変調素子62Rは、X軸及びZ軸に配列され、光変調素子62B,62Gの各々の画素と同様に構成された複数の画素を有する。光変調素子62Rの各々の画素のスイッチング素子は、回路実装板135から入力される電気信号に応じて動作する。光変調素子62Rは、入射する赤色光をプロジェクター100で投射する画像又は映像に合わせて変調する。
【0044】
青色光に対応する射出側偏向板は、光変調素子62Bに対して+Y側に配置され、光変調素子62Bから射出される青色の画像光の所定の偏光を射出する。緑色光に対応する射出側偏向板は、光変調素子62Gに対して-X側に配置され、光変調素子62Gから射出される緑色の画像光の所定の偏光を射出する。赤色光に対応する射出側偏向板は、光変調素子62Rに対して-Y側に配置され、光変調素子62Bから射出される青色の画像光の所定の偏光を射出する。
【0045】
光合成素子64は、青色、緑色及び赤色の画像光に対応する3枚の射出側偏向板から射出される3色の画像光の光路上に配置され、3色の画像光が互いに重なる位置を中心として配置されている。光合成素子64は、Z軸に沿って見たときの平面視において光変調素子62B,62G,62Rによって囲まれる領域に配置されている。光合成素子64は、例えば立方体状に形成されたクロスダイクロイックプリズムである。光合成素子64の側面及び入射面は、Z軸で光変調素子62B,62G,62Rの変調面及び変調領域と同じ高さに並んで配置されている。光合成素子64は、-Y側から入射する青色の画像光と、+X側から入射する緑色の画像光と、+Y側から入射する赤色の画像光と、を合成し、フルカラーの画像光Lを生成する。光合成素子64は、画像光LをX軸に沿って-X側へ射出する。
【0046】
光源装置50から光変調装置60に入射する合成色光は、光変調装置60の複数の光学素子によって3色の所定の偏光に変換される。3色の偏光は、光変調素子62B,62G,62R及び射出側偏光板によって画像又は映像に合った3色の画像光に変換される。3色の画像光は、光合成素子64によって合成される。光合成素子64によって生成された画像光Lは、光変調素子62B,62G,62Rの何れの変調面とも対向していない側面からX軸に沿って-X側に射出される。
【0047】
反射ミラー70は、光変調装置60から射出される画像光Lの光路上に配置されている。反射ミラー70は、筐体10の底壁部12のXY平面に平行な内壁面12aに対して垂直に立てられ、XZ平面及びYZ平面に傾斜する変調面を有する。反射ミラー70の反射面は、Z軸に沿って平面視したときに、-X側の端から+X側の端に移動する際に-Y側へ移動する。
【0048】
光変調装置60から射出される画像光Lは、反射ミラー70の反射面に照射され、反射面で反射されることによってY軸に沿って+Y側に偏向され、投射光学装置80に導かれる。
【0049】
投射光学装置80は、筐体10のX軸での中央の内部空間S、及び筐体10のY軸での中央から+Y側の端までの内部空間Sに配置されている。投射光学装置80は、反射ミラー70によって偏向された画像光Lの光路上に配置されている。投射光学装置80は、光変調装置60から射出されて反射ミラー70で偏向される画像光Lを投射口25に導くための図示略の複数の光学素子を備える。
【0050】
投射光学装置80の光学素子は、反射ミラー70によってから射出される画像光Lを拡大方向に沿って+Y側の端部へ導き、その後、投射口25に設けられた透光板26に向けて-Y側且つ+Z側に射出する。投射光学装置80の光学素子は、例えば光学レンズや反射ミラーが含まれる。光学レンズには、例えば平凸レンズ、平凹レンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、メニスカスレンズ、非球面レンズ、自由曲面レンズ等が含まれる。
【0051】
光変調装置60から反射ミラー70を介して投射光学装置80に入射する画像光Lは、投射光学装置80の複数の光学素子によって不図示のスクリーンへ拡大画像として投射される。
【0052】
図4は、プロジェクター100における複数の回路実装板120及び複数のファン200の配置を示す平面図であり、側壁部14と上壁部16が外された状態の模式図である。
図5は、プロジェクター100における複数の回路実装板120及び複数のファン200の配置を示す側面図であり、側壁部14と上壁部16が外された状態の模式図である。なお、
図4及び
図5では、複数の回路実装板120及び複数のファン200の配置と、複数のファン200から供給される風の流れをわかり易く示すために、回路実装板120及びファン200以外の構成要素の大部分が省略されている。
【0053】
図4及び
図5に示すように、複数の回路実装板120は、回路実装板131,132,133,135,136を含み、図示略の回路実装板をさらに含む。本明細書において、回路実装板120は、基板122の板面122a,122bの一方又は両方の板面に形成されている図示略の配線に回路部品150の端子や導通部がはんだ付け等によって直接固定されているものを意味する。配線は、導体で構成され、基板122の板面122aの上、板面122bの上、又は内部に形成され、板面122aと平行な面に展開されている。基板122は、例えばプリント基板である。回路部品150は、例えば抵抗、コンデンサ、増幅器、トランジスタ、ダイオード、集積回路、コネクタを含み、回路実装板120に搭載可能な部品であれば特に限定されない。なお、
図4及び
図5では、回路部品150は省略されている。
【0054】
回路実装板131は、筐体10のX軸での中央よりも-X側の内部空間S、及び筐体10のY軸での中央から-Y側の端までの内部空間Sに配置されている。回路実装板131は、Z軸において、筐体10の底壁部12の平坦部12Aよりも+Z側の内部空間Sに配置され、図示略の支持部材によって筐体10に支持されている。回路実装板131の基板122は、XY平面に平行な+Z側の板面122aと、XY平面に平行な-Z側の板面122bと、を有する。
【0055】
回路実装板131は、図示略の電気ケーブルによって回路実装板135に接続されている。回路実装板131は、プロジェクター100で投射する画像又は映像に関する電気信号を受信し、基板122の主に板面122bに搭載されている回路部品150を用いて、光変調装置60の3つの光変調素子62R,62G,62Bの各々の各画素に応じた情報を含む電気信号と、点灯又は消灯のタイミングを表す電気信号に変換する。回路実装板131は、変換した後の電気信号を電気ケーブルを介して光変調装置60の3つの光変調素子62R,62G,62Bに供給する。
【0056】
回路実装板131の板面122bには、Z軸に沿って間隔をあけて放熱板141が取り付けられている。放熱板141は、XY平面に平行な板面を有し、回路実装板131よりも-Z側に配置されている。放熱板141は、Z軸に沿って延在する複数の棒状部材等によって-Z側から回路実装板131に連結されている。放熱板141の-Z側の板面141bには、集積回路等の図示略の回路部品が搭載されている。放熱板141の板面141bに搭載されている回路部品の発熱量は、他の基板122に搭載されている回路部品150よりも大きい。
【0057】
回路実装板132は、筐体10のX軸での中央よりも-X側の内部空間S、及び筐体10のY軸での中央よりも+Y側から-Y側の端までの内部空間Sに配置されている。回路実装板132は、Z軸において、筐体10の底壁部12の平坦部12Aよりも+Z側の内部空間Sに配置され、図示略の支持部材によって筐体10に支持されている。回路実装板132は、Z軸に沿って回路実装板131と間隔をあけて設けられ、回路実装板131よりも+Z側に配置されている。回路実装板132は、Z軸に沿って見たときに、回路実装板131と重なり、回路実装板131よりも+Y側に延在している。
【0058】
回路実装板133は、筐体10のX軸での中央よりも-X側の内部空間S、及び筐体10のY軸での中央よりも僅かに+Y側から-Y側の端までの内部空間Sに配置されている。回路実装板133は、Z軸において、筐体10の底壁部12の平坦部12Aよりも+Z側の内部空間Sに配置され、図示略の支持部材によって筐体10に支持されている。回路実装板133は、Z軸で回路実装板132と間隔をあけて設けられ、回路実装板132よりも+Z側に配置されている。回路実装板133は、Z軸に沿って見たときに、回路実装板131,132と重なる。回路実装板133のX軸に平行な+Y側の端は、回路実装板131のX軸に平行な+Y側の端と重なり、回路実装板132のX軸に平行な+Y側の端よりも-Y側にある。回路実装板133のX軸に平行な-Y側の端は、回路実装板131,132のX軸に平行な-Y側の端と重なっている。回路実装板133のY軸に平行な+X側の端は、回路実装板131のY軸に平行な+X側の端よりも-X側にあり、回路実装板132のY軸に平行な+X側の端よりも-X側にある。回路実装板133のY軸に平行な-X側の端は、回路実装板131,132のY軸に平行な-X側の端と重なっている。
【0059】
回路実装板132,133は、図示略の電気ケーブルによって光源装置50、光変調装置60、物体検出センサー27、人感センサー28のうちの少なくとも1つの装置に接続されている。回路実装板132,133は、筐体10の壁部30の小壁部31に設けられた差し込み口に差し込まれる不図示の電源ケーブル、複数の種類の通信ケーブルや無線LAN子機からの電気信号を受信する。回路実装板132は、基板122の主に板面122bに搭載されている回路部品150を用いて、電気ケーブルで接続されている制御対象の装置やセンサを制御するための電気信号を生成する。回路実装板132は、生成した電気信号を電気ケーブルを介して制御対象の装置やセンサに供給する。
【0060】
回路実装板133の板面122aには、Z軸に沿って間隔をあけて放熱板142が取り付けられている。放熱板142は、XY平面に平行な板面を有し、回路実装板133よりも+Z側に配置されている。放熱板142は、Z軸に延在する複数の棒状部材等によって+Z側から回路実装板133に連結されている。放熱板142の-Z側の板面142bには、集積回路等の図示略の回路部品が搭載されている。回路実装板133は、基板122の主に板面122aに搭載されている回路部品150を用いて、電気ケーブルで接続されている制御対象の装置やセンサを制御するための電気信号を生成する。回路実装板133は、生成した電気信号を電気ケーブルを介して制御対象の装置やセンサに供給する。
【0061】
回路実装板135は、筐体10のX軸での中央よりも僅かに+X側の内部空間S、及び筐体10の-Y側の端の内部空間Sに配置されている。回路実装板135は、Z軸において、筐体10の底壁部12の平坦部12Aよりも+Z側の内部空間Sに配置され、図示略の支持部材によって筐体10に支持されている。回路実装板135は、回路実装板131,132よりも+Z側に配置され、回路実装板133とZ軸で近い高さに配置されている。回路実装板135の基板122は、XY平面に平行な+Z側の板面122aと、XY平面に平行な-Z側の板面122bと、を有する。
【0062】
回路実装板135は、Z軸に沿って見たときに光変調装置60と重なり、光変調装置60よりも+Z側に配置されている。回路実装板135の回路部品150は、基板122の主に板面122aに搭載されている。回路実装板135の基板122には、光変調装置60の光変調素子62B,62G,62Rの各々のシート状の電極部材がコネクタで接続され、板面122aで支持されている。回路実装板135は、回路実装板131,132,133からプロジェクター100で投射する画像又は映像に関する電気信号を受信する。回路実装板135は、基板122に搭載されている回路部品150を用いて、前述の電気信号にしたがって光変調装置60の3つの光変調素子62B,62G,62Rを制御し、所望のパターン及びタイミングで青色、緑色及び赤色の画像光を生成する。
【0063】
回路実装板136の大部分は、筐体10の+X側の端及び-Y側の端の内部空間Sに配置されている。回路実装板136は、Z軸において、筐体10の底壁部12の平坦部12Aよりも+Z側の内部空間Sに配置され、図示略の支持部材によって筐体10に支持されている。回路実装板136は、回路実装板135とZ軸で同じ高さに並んでいる。回路実装板136の基板122は、XY平面に平行な+Z側の板面122aと、XY平面に平行な-Z側の板面122bと、を有する。
【0064】
回路実装板136の大部分は、Z軸に沿って見たときに光源装置50と重なり、光源装置50よりも+Z側に配置されている。回路実装板136の回路部品150は、主に板面122bに搭載されている。回路実装板136は、回路実装板131,132,133からプロジェクター100で投射する画像又は映像に応じて光源52に供給するべき電気信号を受信する。回路実装板136は、基板122に搭載されている回路部品150を用いて、受信する電気信号に応じて光源52が所望のタイミング及びパターンで白色光を発するように光源52を制御する。
【0065】
複数のファン200は、ファン211,212,213,214,215,216,217,218,219を含み、図示略のファンをさらに備えてもよい。ファン200は、例えばシロッコファンであり、ケーシング222と、ケーシング222の内部に収容されている図示略の筒状部と、を備える。ケーシング222には、吸気口224と、排気口226が形成されている。筒状部は、円筒部材と、円筒部材の周縁に周方向で間隔をあけて設けられた複数の羽根と、を備える。複数の羽根は、円筒部材の周縁から円筒部材の中心に向かって互いに同じ向きに湾曲して延びている。円筒部材の中心は、吸気口224の中心を通り、筒状部の回転軸をなす。筒状部材は、図示略のモーター等によって回転軸を中心として回転し、羽根車として動作する。筒状部材が回転すると、吸気口224からケーシング222の内部に吸気され、ケーシング222の内部で回転軸に直交する面内に旋回流が生じる。旋回流から生じる風は、ケーシング222の排気口226からケーシング222の外部に供給される。
【0066】
ファン211は、筐体10のX軸での中央よりも+X側で光源装置50と光変調装置60との間の内部空間S、及び筐体10の+Y側の端の内部空間Sに配置されている。ファン211の筒状部材の回転軸は、Z軸に平行である。ファン211の吸気口224は、ケーシング222において回転軸に直交するXY平面に平行な-Z側の板面に形成されている。ファン211の排気口226は、ケーシング222において回転軸から見たときに最外周部の端面に形成されている。ファン211の排気口226は、Z軸に平行でXZ平面及びYZ平面に対して傾斜する面、及びZ軸に沿って見たときに-X側から+X側に移動するにしたがって-Y側に移動する面に平行に形成されている。
【0067】
ファン212は、筐体10のX軸での中央よりも+X側でファン211よりも-X側の内部空間S、及びY軸のファン211と光変調装置60との間の部分の内部空間Sに配置されている。ファン212は、ファン211よりも-Z側の内部空間Sに配置されている。ファン212の筒状部材の回転軸は、Z軸に平行である。ファン212の吸気口224は、ケーシング222において回転軸に直交するXY平面に平行な-Z側の板面に形成されている。ファン212の排気口226は、ケーシング222において回転軸から見たときに最外周部の端面に形成されている。ファン212の排気口226は、Z軸に平行でXZ平面に対して僅かに傾斜する面、及びZ軸に沿って見たときに-X側から+X側に移動するにしたがって-Y側に移動する面に平行に形成されている。
【0068】
ファン213は、筐体10のY軸の中央よりも+Y側でファン211よりも-Y側の内部空間S、及びY軸でのファン211と光変調装置60との間の内部空間Sに配置されている。ファン213は、X軸でファン211と同じ位置に並び、Z軸でファン212と同じ高さの内部空間Sに配置されている。ファン213の筒状部材の回転軸は、Z軸に平行である。ファン213の吸気口224は、ケーシング222において回転軸に直交するXY平面に平行な-Z側の板面に形成されている。ファン213の排気口226は、ケーシング222において回転軸から見たときに最外周部の端面に形成されている。ファン213の排気口226は、Z軸に平行でXZ平面及びYZ平面に対して傾斜する面、及びZ軸に沿って見たときに-X側から+X側に移動するにしたがって-Y側に移動する面に平行に形成されている。ファン213の排気口226の開口縁がなす面は、ファン211の排気口226の開口縁がなす面と平行である。
【0069】
ファン214は、筐体10のX軸での中央よりも+X側でファン211よりも-X側の内部空間S、及びY軸でのファン211と光変調装置60との間の部分の内部空間Sに配置されている。ファン214は、X軸でファン212と同じ位置に並ぶ内部空間Sに配置されている。ファン214の筒状部材の回転軸は、Z軸に対して傾斜し、-Z側から+Z側に移動するにしたがって-X側へ移動し、Y軸では移動しない。ファン214の吸気口224は、ケーシング222の-Z側の板面に形成されている。ファン214のケーシング222の板面は、回転軸に直交し、XY平面に対して傾斜し、Y軸に沿って見たときに+X側の端から-X側の端に移動するにしたがって-Z側に移動する。ファン214の排気口226は、ケーシング222において回転軸から見たときに最外周部の端面に形成されている。ファン214の排気口226は、Z軸に平行でXY平面及びYZ平面に対して傾斜する面、及びY軸に沿って見たときに-Z側から+Z側に移動するにしたがって-X側に移動する面に平行に形成されている。
【0070】
ファン215は、筐体10のX軸での中央よりも僅かに-X側の内部空間S、及び-Y側の端の内部空間Sに配置されている。ファン215は、内部空間Sにおいて、反射ミラー70に対して-X側及び-Y側に配置されている。ファン215は、Z軸において、筐体10の底壁部12の凸部12Bよりも+Z側に配置され、反射ミラー70とZ軸で同じ高さに配置されている。ファン215の図示略の筒状部材の回転軸は、XY平面に平行であり、X軸及びY軸に対して傾斜し、-X側の端から+X側の端に移動する際に-Y側へ移動する。ファン215の吸気口224は、ケーシング222において回転軸に直交して前述のようにX軸及びY軸に対して傾斜する+X側及び+Y側の板面に形成されている。ファン215の排気口226は、ケーシング222において回転軸から見たときに最外周部の端面に形成されている。ファン215の排気口226は、Z軸に平行でXZ平面及びYZ平面に対して傾斜する面、及びZ軸に沿って見たときに-X側から+X側に移動するにしたがって-Y側に移動する面に平行に形成されている。
【0071】
ファン216は、筐体10のX軸での中央と-X側の端との間の内部空間S、及び-Y側の端の内部空間Sに配置されている。ファン216は、XY平面内で放熱板141に隣り合い、Z軸において回路実装板131と重なっている。ファン216の図示略の筒状部材の回転軸は、Z軸に平行である。ファン216の吸気口224は、ケーシング222において回転軸に直交してXY平面に平行な-Z側の板面に形成されている。ファン216の排気口226は、ケーシング222において回転軸から見たときに最外周部の端面に形成されている。ファン216の排気口226は、Z軸に平行でXZ平面及びYZ平面に対して傾斜する面、及びZ軸に沿って見たときに-X側から+X側に移動するにしたがって+Y側に移動する面に平行に形成されている。ファン216の排気口226は、Z軸で放熱板141と揃っている。
【0072】
4つのファン211,212,213,214は、X軸において回路実装板131,132,133よりも+X側に配置され、Z軸において回路実装板133よりも-Z側に配置されている。
【0073】
ファン217は、筐体10の-X側の端の内部空間S、及びY軸での中央よりも僅かに-Y側の内部空間Sに配置されている。ファン217は、Z軸において筐体10の底壁部12の凸部12Bと同じ高さに並び、凸部12Bに収容されている。ファン217の図示略の筒状部材の回転軸は、Z軸に平行である。ファン217の吸気口224は、ケーシング222において回転軸に直交するXY平面に平行な+Z側の板面に形成されている。ファン217の排気口226は、Z軸に沿って見たときにケーシング222においてY軸に沿って延在する-X側の端面、及び回転軸から見たときに最外周部の端面に形成されている。ファン217の排気口226は、YZ平面に平行に形成されている。
【0074】
ファン218は、筐体10のX軸での中央よりも+X側の内部空間S、及びY軸での中央よりも-Y側の内部空間Sに配置されている。ファン218は、Z軸に沿って見たときに光変調装置60のX軸での+X側の部分と重なっている。ファン218は、光変調装置60よりも-Z側に配置されている。ファン218の少なくとも-Z側の部分は、Z軸において筐体10の底壁部12の凸部12Bと同じ高さに並び、凸部12Bに収容されている。ファン218の図示略の筒状部材の回転軸は、Z軸に平行である。ファン218の吸気口224は、ケーシング222において回転軸に直交するXY平面に平行な-Z側の板面に形成されている。ファン218の排気口226は、Z軸に沿って見たときにケーシング222においてY軸に沿って延在する+X側の端面、及び回転軸から見たときに最外周部の端面に形成されている。ファン218の排気口226は、YZ平面に平行に形成されている。
【0075】
ファン219は、筐体10の+X側及び-Y側の端の内部空間Sに配置されている。ファン219の図示略の筒状部材の回転軸は、Y軸に平行である。ファン215の吸気口224は、ケーシング222において回転軸に直交するXZ平面に平行な-Y側の板面に形成されている。ファン219の排気口226は、ケーシング222において回転軸から見たときに最外周部の端面に形成されている。ファン219の排気口226は、XY平面に対して傾斜する面及びY軸に沿って見たときに-X側から+X側に移動するにしたがって-Z側に移動する面に平行に形成されている。
【0076】
筐体10の底壁部12の凸部12Bの側壁部には、プロジェクター100の外気を内部空間Sに取り込むための通気口251,261が形成されている。通気口251は、凸部12Bの側壁部のうちでX軸に平行に延在する+Y側の側壁に形成され、X軸において凸部12Bの側壁部の中央よりも+X側の範囲に形成されている。通気口251は、X軸でファン211,212,213,214と同じ範囲内に並んで配置されている。
【0077】
通気口261は、筐体10の底壁部12の凹部12GにおいてY軸と平行に延在する+X側の側壁部のX軸での中央部と、凹部12Gの側壁部の前述の中央部にX軸に沿って隣接する凸部12Bの底壁部のX軸での中央よりも+X側の部分に形成されている。通気口261は、X軸及びY軸でファン218と同じ範囲に形成されている。
【0078】
防塵フィルター262は、X軸及びY軸でファン218及び通気口261と同じ範囲内に並んで配置されている。防塵フィルター262は、ファン218よりも-Z側且つ底壁部12の凸部12Bの側壁部よりも+Z側に配置されている。
【0079】
内部空間Sには、防塵フィルター252,262が設けられている。防塵フィルター252は、X軸でファン211,212,213,214及び通気口251と同じ範囲内に並んで配置されている。防塵フィルター252は、Y軸でファン211,212,213と同じ範囲内に並び、通気口251よりも-Y側に配置されている。Z軸に沿って平面視したときに、ファン214の一部は、防塵フィルター252よりも+Y側に配置されている。防塵フィルター252は、ファン211,212,213,214よりも-Z側且つ底壁部12の凸部12Bの側壁部よりも+Z側に配置されている。
【0080】
ファン211,212,213,214の各々は、作動時に、通気口251及び防塵フィルター252を通って-Z側の内部空間Sに取り込まれる外気を吸気口224から吸い込む。ファン211,212,213の各々は、排気口226から風を吹き出す。ファン211,212,213から吹き出される風は、全体として、筐体10のX軸での中央よりも+X側及びY軸での中央よりも+Y側の内部空間SからX軸での中央部及びY軸での中央よりも-Y側の内部空間Sに供給される気流W1になる。ファン214は、排気口226から風を吹き出し、気流W2を供給する。気流W2は、筐体10のX軸での中央よりも+X側の内部空間SからX軸と平行に中央部の内部空間Sへ流れ、筐体10のY軸での+Y側の端部の内部空間Sに供給される。気流W2の一部は、筐体10の底壁部12の内壁面、側壁部14の壁部14Cの内壁面、或いは投射光学装置80の光学素子の図示略の支持部材の外壁面に当たり、気流W3になる。気流W3は、筐体10のX軸での中央部及びY軸での中央よりも+Y側の内部空間SからX軸での中央よりも-X側及びY軸での中央よりも-Y側の内部空間Sに供給される。
【0081】
ファン215は、作動時に、気流W1の一部を吸気口224から吸い込む。ファン215は、排気口226から風を吹き出し、気流W4を供給する。気流W4は、ファン215の排気口226からXY平面と平行に-X側及び+Y側の内部空間Sへ流れる。
【0082】
ファン216は、作動時に、回路実装板131よりも-Z側の内部空間Sに供給される気流W1の一部を吸気口224から吸い込む。ファン216は、排気口226から風を吹き出し、気流W8を供給する。気流W8は、ファン216の排気口226からXY平面と平行に-X側及び+Y側の内部空間Sへ流れる。気流W8の大部分は、放熱板141の板面141bの直ぐ-Z側の内部空間S及び板面141bに設けられている回路部品に当たる。このことによって、放熱板141が効果的に冷却される。
【0083】
筐体10の底壁部12の凸部12Bの側壁部には、内部空間Sで熱交換により加温される気流をプロジェクター100の外部に排出するための通気口255,265が形成されている。通気口255は、凸部12Bの側壁部のうちでY軸に平行に延在する-X側の側壁部に形成され、Y軸において凸部12Bの側壁部の中央よりも-Y側の範囲に形成されている。通気口255は、Y軸でファン217の排気口226と同じ位置に並んでいる。
【0084】
気流W1を主体として、気流W1に気流W3,W4,W8の各々の一部が合流することによって、気流W1よりも強い気流W5が発生する。気流W5は、回路実装板131,132,133の各々の基板122よりも+Z側及び-Z側の内部空間SでX軸に沿って+X側から-X側に流れる。
【0085】
ファン217は、作動時に、前述のように気流W1,W3,W4の少なくとも一部が合流して供給される気流W5を含んで内部空間Sで熱交換により加温される風を吸気口224から吸い込む。ファン217は、排気口226から風を吹き出す。ファン217から吹き出される風は、通気口255を通ってプロジェクター100の外部に排出される。
【0086】
前述の通気口265は、凸部12Bの側壁部のうちでY軸に平行に延在する+X側の側壁部に形成され、Y軸において凸部12Bの側壁部の中央よりも-Y側の範囲に形成されている。通気口265は、Y軸でファン218,219の排気口226と同じ位置に並んでいる。
【0087】
ファン218は、作動時に、通気口261及び防塵フィルター262を通って、ファン218よりも-Z側の内部空間Sに取り込まれる外気を吸気口224から吸い込む。ファン218は、排気口226から光源装置50に設けられるヒートシンク271に向けて気流W6を供給する。ヒートシンク271は、光源装置50の
図4では省略されている光源52と例えばヒートポンプ等によって熱的に接続され、光源52で発生する熱を受熱する。ヒートシンク271は、前述のように光源52で発生する熱を受熱可能な位置として、例えばX軸で光源52とファン218との間の内部空間S、及びY軸及びZ軸でファン218の排気口226と並ぶ内部空間Sに配置されている。ヒートシンク271は、受熱した光源52からの熱をファン218から供給される気流W6と交換する。熱交換によって加温される風は、X軸に沿って+X側に流れ、通気口265を通ってプロジェクター100の外部に排出される。
【0088】
ファン211,212,213から供給される気流W1の一部は、筐体10の底壁部12の内壁面、側壁部14の壁部14Aの内壁面、投射光学装置80の光学素子の図示略の支持部材の外壁面、或いはファン215のケーシング222に当たり、気流W7になる。気流W7は、筐体10のX軸での中央よりも僅かに+X側及びY軸での中央部の内部空間SからY軸に沿って-Y側の内部空間Sに供給され、さらにX軸に沿って+X側の内部空間Sに供給される。
【0089】
ファン219は、作動時に、気流W7を吸気口224から吸い込み、排気口226から風を吹き出す。ファン219から吹き出される風は、通気口265を通ってプロジェクター100の外部に排出される。
【0090】
図6及び
図7は、回路実装板131,132,133の平面図である。回路実装板131,132,133の各々の板面122a或いは板面122bに搭載されている回路部品150の一部は、Z軸から見た搭載時に、Y軸での寸法よりも大きいX軸での寸法を有する。
図6に示すように、回路実装板131と回路実装板132とは、コネクタ161によって連結されている。コネクタ161は、Z軸で回路実装板131,132同士の離間距離に応じた所定の高さを有する。コネクタ161の-Z側の端は、回路実装板131の基板122の板面122aに接続されている。コネクタ161の+Z側の端は、回路実装板132の基板122の板面122bに接続されている。コネクタ161は、多極コネクタである。
【0091】
コネクタ161は、XZ平面に平行な端面161eと、YZ平面に平行な端面161fと、を有する。X軸に沿う端面161eは、Y軸に沿う端面161fに垂直である。コネクタ161のX軸での寸法は、コネクタ161のY軸での寸法よりも大きい。端面161eの面積は、端面161fの面積よりも大きい。端面161eは、回路実装板131の基板122の板面122aに、気流W5が流れるX軸に沿って立っている。具体的には、端面161eは、Z軸に沿って見たときに気流W5が最も強く流れる方向に沿うX軸に対して少なくとも20°以下の角度をなし、好ましくは10°以下の角度をなし、より好ましくはX軸に平行である。コネクタ161は、Z軸に沿って見たときに回路実装板131,132の基板122同士が互いに重なる領域の-Y側の端部に配置されている。したがって、気流W5は、コネクタ161の端面161eに遮られず、回路実装板131,132の+Z側及び-Z側の内部空間SをX軸に沿って円滑に流れる。
【0092】
回路実装板132と回路実装板133とは、コネクタ162によって連結されている。コネクタ162は、Z軸で回路実装板132,133同士の離間距離に応じた所定の高さを有する。コネクタ162の-Z側の端は、回路実装板132の基板122の板面122aに接続されている。コネクタ162の+Z側の端は、回路実装板133の基板122の板面122bに接続されている。コネクタ162は、多極コネクタである。
【0093】
プロジェクター100では、筐体10の壁部30の小壁部31において複数の種類のケーブル282の差し込み口280がZ軸で2段に分けて設けられ、各段でY軸で並んで設けられている。回路実装板132及び回路実装板133の各々には、複数の差し込み口280に接続されるケーブル282からの信号が入力される。このこともふまえると、メインの回路実装板132と回路実装板132を補助する回路実装板133との間で多数の制御に関する電気信号及び高速な画像又は映像に関する電気信号が送受信される。そのため、コネクタ162には、多くのピンを有する多極コネクタが用いられる。
【0094】
コネクタ162は、XZ平面に平行な端面162eと、YZ平面に平行な端面162fと、を有する。X軸に沿う端面162eは、Y軸に沿う端面162fに垂直である。コネクタ162のX軸の寸法は、コネクタ162のY軸での寸法よりも大きい。端面162eの面積は、端面162fの面積よりも大きい。端面162eは、回路実装板132の基板122の板面122aに、気流W5が流れるX軸に沿って立っている。具体的には、端面162eは、Z軸に沿って見たときに気流W5が最も強く流れる方向に沿うX軸に対して少なくとも20°以下の角度をなし、好ましくは10°以下の角度をなし、より好ましくはX軸に平行である。コネクタ162は、Z軸に沿って見たときに回路実装板132,133の基板122同士が互いに重なる領域の-Y側の端部に配置されている。したがって、気流W5は、コネクタ162の端面162eに遮られず、回路実装板132,133の+Z側及び-Z側の内部空間SをX軸に沿って円滑に流れる。
【0095】
回路実装板131,132,133のうちで基板122の板面122a,122bの面積が最も広い回路実装板132を例に挙げると、板面122aには、コネクタ162の他にも、例えば電池ホルダー165、ブザー166、ストレートタイプのコネクタ168やフレキコネクタであるコネクタ169等の回路部品150が搭載される場合がある。これらの回路部品150は、回路実装板132の基板122の板面122aと板面122aに対向する回路実装板133の基板122の板面122b或いは板面122bの延長面との間のZ軸での離間距離の少なくとも50%以上のZ軸の高さを有する。前述の回路部品150は、詳しくは60%以上のZ軸での高さを有し、より詳しくは75%以上のZ軸の高さを有する。
【0096】
上述のようにZ軸での高さを有する回路部品150は、気流W5が流れるX軸に直交するY軸において、回路実装板132の基板122の+Y側又は-Y側の端部に搭載されることが好ましく、例えば+Y側の端部に搭載されることが好ましい。Z軸での高さを有する回路部品150が基板122の板面122aから立ち上がる第1面及び第2面とを有し、第2面が第1面に対して垂直であり、第2面の面積が第1面の面積よりも大きい場合には、回路部品150の第2面がX軸に沿っていることが好ましい。例えば、コネクタ168は、XZ平面に平行な端面168eと、YZ平面に平行な端面168fと、を有する。端面168eの面積は、端面168fの面積よりも大きい。端面168eは、気流W5が流れるX軸に沿って配置されている。このことによって、気流W5は、コネクタ168の端面168eに遮られず、Z軸で回路実装板132,133の間の内部空間SをX軸に沿って円滑に流れる。
【0097】
図示していないが、回路実装板131,133においても、回路部品150が基板122の板面122a又は板面122bから立ち上がる第1面及び第2面とを有し、第2面が第1面に対して垂直であり、第2面の面積が第1面の面積よりも大きい場合には、回路部品150の第2面が気流W5が流れる方向に沿うX軸に沿っている。また、回路実装板131,132,133の間を接続するケーブルが別途設けられる場合は、ケーブルの軸芯がX軸に沿って延在し、気流W1がケーブルによって遮られないことが好ましい。
【0098】
図7に示すように、Z軸において高い複数の回路部品150は、Z軸に沿って見たときに回路実装板132,133が互いに重なる領域において帯状部B1,B2を構成するように配置されてもよい。回路部品150が基板122の板面122aから立ち上がる第1面及び第2面とを有し、第2面が第1面に対して垂直であり、第2面の面積が第1面の面積よりも大きい場合には、回路部品150の第2面が帯状部B1,B2の各々の長手方向に沿って配置されることが好ましい。帯状部B1,B2は、回路実装板132の基板122の板面122aと板面122aに対向する回路実装板133の基板122の板面122b或いは板面122bの延長面との間で帯状部B1,B2の間に気流W5を導くダクトとして作用する。なお、帯状部B1,B2の何れかのみ、或いは任意の数の帯状部が設けられ、帯状部が気流W5の向きを調整するための隔壁として作用してもよい。
【0099】
図8は、回路実装板131,132,133の平面図である。
図9は、回路実装板131,132,133の側面図である。
図8及び
図9に示すように、回路実装板131,132,133の各々には、回路部品150として、例えば発熱量が大きくて温度管理を必要とするDC-DCコンバータ等のスイッチング電源191,192,193,194と、集積回路171,172,173,174が搭載されている。なお、
図9では、集積回路171,172,173,174のXY平面内での厳密な位置情報、及びスイッチング電源191,192,193,194は省略されている。
【0100】
集積回路171,172,173,174の各々は、本体176と、本体で発生する熱を内部空間Sに放熱するための放熱板178を有する。スイッチング電源191,192,193,194の各々は、作動時に、電磁波ノイズの発信源になる。集積回路171,172,173,174の各々の放熱板178は、金属製であり、スイッチング電源から発せられる電磁波ノイズのアンテナになり得る。
【0101】
スイッチング電源191は、回路実装板131の基板122の-Z側の板面122bに搭載されている。集積回路171は、回路実装板131の基板122の板面122bに搭載されている。集積回路171は、板面122b上でスイッチング電源191とは離れて配置され、スイッチング電源191よりも+X側及び+Y側に配置されている。集積回路171の本体176は、回路実装板131の基板122の板面122bに接している。集積回路171の放熱板178は、集積回路171の本体176の-Z側の端面に設けられている。集積回路171の放熱板178は、回路実装板131の基板122よりも-Z側の内部空間Sに開放されている。
【0102】
スイッチング電源192,193は、回路実装板132の基板122の-Z側の板面122bに搭載されている。Z軸に沿って見たときに、スイッチング電源192は、スイッチング電源191よりも+X側及び+Y側に配置されている。スイッチング電源193は、回路実装板131,133の基板122よりも+Y側に突出している回路実装板132の基板122に搭載され、スイッチング電源192よりも-X側及び+Y側に配置されている。集積回路172は、回路実装板132の基板122の-Z側の板面122bに搭載されている。Z軸に沿って見たときに、集積回路172の一部は集積回路171と重なり、集積回路172の残りの部分は集積回路171よりも-X側及び+Y側に配置されている。
【0103】
集積回路171は、スイッチング電源192,193が設けられている回路実装板132の基板122の板面122bに対向する回路実装板131の基板122の板面122aとは反対側の板面122bに設けられている。そのため、スイッチング電源192,193の各々の作動時に、集積回路171は、放熱板178をアンテナとして電磁波ノイズの影響を受け難い。
【0104】
スイッチング電源194は、回路実装板133の基板122の+Z側の板面122aに搭載されている。Z軸に沿って見たときに、スイッチング電源194は、Y軸でスイッチング電源192を含む範囲で並び、スイッチング電源193よりも-Y側に配置されている。集積回路173は、回路実装板133の基板122の-Z側の板面122bに搭載されている。Z軸に沿って見たときに、集積回路173は、集積回路172よりも-X側及び-Y側に配置されている。集積回路174は、回路実装板133の基板122の+Z側の板面122aに搭載されている。Z軸に沿って見たときに、集積回路174は、集積回路172よりも-X側及び+Y側に配置され、集積回路173とX軸で同じ位置に並び、集積回路173よりも+Y側に配置されている。
【0105】
集積回路172は、集積回路173が設けられている回路実装板133の基板122の板面122bに対向する回路実装板132の基板122の板面122aとは反対側の板面122bに設けられている。そのため、集積回路173の作動時であっても、集積回路172,173とのクリアランスが確保され、電磁波ノイズの特性が悪化することを抑えられるので、好ましい。仮に、
図9に二点鎖線で示すように集積回路172が回路実装板132の基板122の+Z側の板面122aに搭載されると、集積回路172,173がZ軸で対向し、集積回路172,173とのクリアランスが不足し、電磁波ノイズの特性が悪化する。
【0106】
以上説明した本実施形態のプロジェクター100は、筐体10と、光源52と、ファン200と、基板122と、回路部品150と、を含む。筐体10は、底壁部12の内壁面12a及び外壁面12bを有する。内壁面12aは、「底面」に相当する。光源52及びファン200は、筐体10の内部空間Sに配置されている。回路実装板132の基板122は、底壁部12の内壁面12aに沿ってXY平面に平行に配置されている。回路実装板132の基板122は、「第1基板」に相当する。回路実装板132のコネクタ161,162,168を含む回路部品150は、「第1回路部品」に相当する。回路実装板132の回路部品150であるコネクタ161,162,168は、基板122のXY平面に平行な板面122aに配置されている。回路部品150は、基板122の板面122a,122bに垂直な端面161e,162eと、168eと、端面161f,162f,168fと、を有する。端面161e,162eと、168eの各々の面積は、端面161f,162f,168fの各々の面積よりも大きい。端面161e,162eと、168eは、「第2面」に相当する。端面161f,162f,168fは、「第1面」に相当する。コネクタ161,162,168は、ファン200によって生じる気流W5に端面161e,162e,168eが沿う向きで基板122に配置されている。
【0107】
本実施形態のプロジェクター100では、コネクタ161,162及び168において相対的に大きい面積を有する端面161e,162eと、168eが気流W5に沿ってX軸に平行に配置されている。そのため、端面161e,162eと、168eが気流W5を遮るようにY軸に沿って配置されている構成に比べて多くの気流W5が基板122の+Z側及び-Z側の内部空間Sを通り、コネクタ161,162,168を含む回路部品150の冷却効果の低減を抑えることができる。
【0108】
本実施形態のプロジェクター100は、回路実装板132の基板122と対向する回路実装板133の基板122を含む。回路実装板132の回路部品150は、基板122において回路実装板133の基板122と対向する板面122aに配置されている。
【0109】
本実施形態のプロジェクター100によれば、互いに対向する回路実装板132と回路実装板133との間に、気流W5を円滑に供給し、回路実装板132,133に搭載されている回路部品150を円滑に冷却することができる。
【0110】
本実施形態のプロジェクター100は、回路実装板133の基板122をさらに含む。
回路部品150は、回路実装板131と回路実装板132とを接続するコネクタ161、及び回路実装板132と回路実装板133とを接続するコネクタ162である。コネクタ161,162は、多極コネクタである。
【0111】
本実施形態のプロジェクター100によれば、コネクタ161,162は、接続対象の回路実装板120の基板122同士のZ軸での間隔と同じ高さを有する。このような高さのある回路部品150を端面161eがX軸に沿うように配置されることで、回路実装板120に搭載されている回路部品150を円滑に冷却することができる。
【0112】
本実施形態のプロジェクター100は、光変調素子62B,62G,62Rをさらに含む。ファン200は、光変調素子62B,62G,62Rを冷却するファンである。本実施形態のプロジェクター100によれば、発熱量の大きい光変調素子62B,62G,62Rを効率良く冷却することができる。
【0113】
本実施形態のプロジェクター100では、集積回路171,172,173,174は、基板122の板面122a又は板面122bに接続された本体176と、本体176において板面122a又は板面122bに接する面とは反対側の面に設けられた放熱板178と、を有する。
【0114】
本実施形態のプロジェクター100では、集積回路171,172,173,174において、例えば本体176が大規模集積回路や中央処理装置等のメインの制御を行うための集積回路である場合、本体176で発生する熱量は大きい。本実施形態のプロジェクター100では、集積回路171,172,173,174が放熱板178を有することによって、本体176で発生する熱を円滑に放熱することができ、気流W5と熱交換を行うことができる。
【0115】
本実施形態のプロジェクター100では、集積回路173は回路実装板133の基板122の板面122bに配置され、集積回路172は回路実装板132の基板122において集積回路173が配置された板面122bと対向する板面122aとは反対側の板面122bに配置されている。集積回路172は、「第1の回路部品」に相当する。集積回路173は、「第2の回路部品」に相当する。
【0116】
本実施形態のプロジェクター100では、放射板178が金属製であり、集積回路172の放射板178と集積回路173の放射板178とが対向しないため、集積回路172,173のクリアランスが確保され、電磁波ノイズによる動作及び性能の悪化を抑えることができる。
【0117】
本実施形態のプロジェクター100では、例えば気流W5の進行方向に沿って回路実装板132の基板122の板面122aに帯状部B1,B2が設けられている。回路部品150は、板面122aに垂直で相対的に最も面積が大きい端面150eが帯状部B1,B2の長手方向に沿うように配置されている。
【0118】
本実施形態のプロジェクター100によれば、帯状部B1,B2の長手方向に沿って配置された回路部品150をダクトのように気流W5に作用させ、気流W5を帯状部B1,B2に沿って所望の経路及び方向に導くことができる。なお、
図7では、Z軸に沿って見たときに互いに平行であって長手方向がX軸及びY軸に傾斜する帯状部B1,B2が例示されている。帯状部B1,B2の下部及び形状は、特に限定されない。例えば、帯状部の長手方向は、気流W5を導く所望の経路に併せて、基板122の板面122a上で湾曲していてもよく、蛇行していてもよい。
【0119】
端面150eを帯状部B1,B2の長手方向に沿わせて回路部品150を配置する際に、回路部品150のZ軸での高さが回路実装板132の基板122の板面122aと回路実装板133の基板122の板面122bとのZ軸での離間距離に近い程、帯状部B1,B2による気流W5を誘導する効果が高まる。帯状部B1,B2に配置される回路部品150のZ軸での高さは、前述の離間距離の少なくとも50%以上であり、好ましくは75%以上である。
【0120】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
【0121】
例えば、図示していないが、プロジェクター100の筐体10の内部空間Sには、光変調素子62B,62G,62Rとして液晶パネルを備える光変調装置60に対して風を噴出し、液晶パネルを冷却するファンが設けられてもよい。プロジェクター100には、上述説明したように回路実装板131,132,133に搭載された回路部品を冷却するための気流W5を供給するファン211,212,213,214と、光源装置50を冷却するためのファン218,219が設けられている。さらに、光変調装置60の液晶パネルを冷却するための図示略のファンが設けられることによって、筐体10の内部空間Sの全体に気流が発生する。このことによって、例えば気流W5が強まる等の効果が得られ、複数の回路実装板に搭載された回路部品の冷却効率を高めることができる。
【0122】
また、光変調素子62B,62G,62Rの各々は、液晶パネルに限定されず、例えばDMD(Digital Micromirror Device)等であってもよい。
【0123】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
(付記1)底面を有する筐体と、前記筐体に配置された光源と、前記筐体に配置されたファンと、前記底面に平行に配置された第1基板と、前記第1基板に配置され、前記第1基板の板面に垂直な第1面と、前記第1面よりも面積が大きく前記第1面に垂直な第2面とを有し、前記ファンによって生じる気流に前記第2面が沿う向きで前記第1基板に配置された第1回路部品と、を含む、プロジェクター。
【0124】
付記1の構成により、多くの気流を回路部品の第2面で極力遮ることなく、回路部品の冷却効果の低減を抑えることができる。
【0125】
(付記2)前記第1基板と対向する第2基板をさらに含み、前記第1回路部品は、第1基板の第2基板と対向する板面に配置されている、付記1のプロジェクター。
【0126】
付記2の構成により、第1基板と第2基板との間の限られた空間を含め、第1基板及び第2基板と平面視で重なる領域において、気流を妨げないように、各基板の板面に回路部品を配置し、気流による回路部品の冷却効率を高めることができる。
【0127】
(付記3)第2基板をさらに含み、前記第1回路部品は、前記第1基板と前記第2基板とを接続する多極コネクタである、付記1又は付記2のプロジェクター。
【0128】
付記3の構成により、多極コネクタのように高さがあって第2面の面積が相対的に大きい回路部品を第2面が気流の方向に沿うように配置されることで、回路部品の冷却効率をさらに高めることができる。
【0129】
(付記4)液晶パネルをさらに含み、前記ファンは液晶パネルを冷却するファンである、付記1から付記3の何れか1つのプロジェクター。
【0130】
付記4の構成により、筐体の内部空間全体に生じる気流を用いたクーリングを形成し、複数の回路実装板に搭載された回路部品の冷却効率を高めることができる。
【0131】
(付記5)前記第1回路部品は、前記板面に接続された本体と、前記本体において前記板面に接する面とは反対側の面に設けられた放熱板と、を有する、付記1から付記4の何れか1つのプロジェクター。
【0132】
付記5の構成により、本体で発生する熱を放熱板が受熱し、放熱板から筐体の内部空間に放熱することによって気流と熱交換することができる。このことによって、回路部品の冷却効率をさらに高めることができる。
【0133】
(付記6)前記第1基板と対向する第2基板と、前記第2基板の板面に配置される第2回路部品と、をさらに含み、前記第2回路部品は、前記第2基板の板面に接続された本体と、前記本体において前記第2基板の板面に接する面とは反対側の面に設けられた放熱板と、を有し、前記第1回路部品は、前記第1基板において前記第2基板の板面に対向する板面とは反対側の板面に配置されている、付記5のプロジェクター。
【0134】
付記6の構成により、第1回路部品と第2回路部品の作動時であっても第1回路部材の放熱板と第2回路部材の放熱板が対向していないため、クリアランスを確保し、電磁波ノイズによるプロジェクターの動作及び性能の悪化を抑えることができる。
【0135】
(付記7)前記気流の進行方向に沿って前記板面に帯状部が設けられ、前記第1回路部品は前記第2面が前記帯状部の長手方向に沿う向きで配置されている、付記1から6の何れか1つのプロジェクター。
【0136】
付記7の構成により、帯状部の長手方向に沿って配置された回路部品をダクトのように気流に作用させ、気流を帯状部に沿って所望の経路及び方向に導くことができる。
【符号の説明】
【0137】
10…筐体、52…光源、100…プロジェクター、122…基板、150…回路部品、200…ファン。