(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106816
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】鋼材搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 43/08 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
B65G43/08 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011270
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003713
【氏名又は名称】大同特殊鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100198247
【弁理士】
【氏名又は名称】並河 伊佐夫
(72)【発明者】
【氏名】井上 伸悟
(72)【発明者】
【氏名】長縄 光博
(72)【発明者】
【氏名】大和 俊彦
【テーマコード(参考)】
3F027
【Fターム(参考)】
3F027AA09
3F027CA04
3F027DA07
3F027DA14
3F027DA34
3F027EA09
3F027FA14
(57)【要約】
【課題】装置内に鋼材が存在しているか否かを反射型光電センサを用いて精度良く確認することが可能な鋼材搬送装置を提供する。
【解決手段】鋼材搬送装置1は、鋼材Wを上流側ローラコンベア2の側から下流側ローラコンベア3の側に向けて移動させる複数のスキッドテーブル4と、上流側ローラコンベア2上の鋼材Wをスキッドテーブル4に移載する上流側移載部5と、スキッドテーブル4上の鋼材Wを下流側ローラコンベア3に移載する下流側移載部6と、スキッドテーブル4上の鋼材Wを検知する反射型光電センサ17と、制御部8と、を備えている。制御部8は、上流側移載部5の移載動作に基づく払出鋼材数から、下流側移載部6の移載動作に基づく跳上鋼材数を差し引いた値がゼロより大きい値であって、且つ、反射型光電センサ17からの信号が鋼材無しを示す場合に、反射型光電センサ17での誤検知異常ありと判断する異常判定部44を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前工程からの鋼材を搬送する上流側ローラコンベアと、
次工程に向けて前記鋼材を搬送する下流側ローラコンベアと、
これらローラコンベア間に配置され、前記鋼材を前記上流側ローラコンベアの側から前記下流側ローラコンベアの側に向けて移動させる複数のスキッドテーブルと、
前記上流側ローラコンベア上の前記鋼材を前記スキッドテーブルに移載する上流側移載部と、
前記スキッドテーブル上の前記鋼材を前記下流側ローラコンベアに移載する下流側移載部と、
前記スキッドテーブル上の前記鋼材を検知する反射型光電センサと、
鋼材搬送に関連する動作を管理する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記上流側移載部の移載動作に基づいてカウントされた払出鋼材数から、前記下流側移載部の移載動作に基づいてカウントされた跳上鋼材数を差し引いた値がゼロより大きい値であって、且つ、前記反射型光電センサからの信号が鋼材無しを示す場合に前記反射型光電センサでの誤検知異常ありと判定する異常判定部を備えている、鋼材搬送装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前工程で処理された鋼材に関するロット情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部で取得した鋼材本数と前記跳上鋼材数との差がゼロで、且つ、前記反射型光電センサからの信号が鋼材無しを示す場合に対象ロットの搬送終了と判定する搬送終了判定部と、
を更に備えている、請求項1に記載の鋼材搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は鋼材を次工程に向けて搬送する鋼材搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼管や棒鋼といった鋼材の製造工程は、通常ロット単位で各工程における処理が実施される。そして前工程の処理を終えた鋼材は、ローラコンベアやスキッドテーブルを含んで構成された鋼材搬送装置を用いて、次工程に向けて搬送される(例えば下記特許文献1参照)。
【0003】
このような鋼材搬送装置では、次ロット材との混入を防ぐため、対象ロットの鋼材搬送終了後に装置内に鋼材が残存しているか否かを確認する必要がある。
鋼材残存の有無を確認する手段としては、例えば作業者による目視での確認のほか、鋼材の残存が想定されるエリアにセンサを配設して鋼材を検知することが考えられる。特に反射型光電センサは、近接センサに比べて検知範囲が広く、また透過型光電センサのように投光部と受光部を分離して配置する必要なく、搬送される鋼材との干渉を回避しつつ配置する際の自由度が高い点で有用である。
【0004】
しかしながら、鋼材搬送装置においては鋼材搬送時に鋼材同士の衝突が常時発生する。このため、衝突時の衝撃により反射型光電センサの光軸にずれが生じる場合があり、鋼材が存在するにも拘わらずセンサからの信号が鋼材無しを示す誤検知の虞があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上のような事情を背景とし、装置内に鋼材が存在しているか否かを反射型光電センサを用いて精度良く確認することが可能な鋼材搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
而してこの発明の第1の局面の鋼材搬送装置は次のように規定される。即ち、
前工程からの鋼材を搬送する上流側ローラコンベアと、
次工程に向けて前記鋼材を搬送する下流側ローラコンベアと、
これらローラコンベア間に配置され、前記鋼材を前記上流側ローラコンベアの側から前記下流側ローラコンベアの側に向けて移動させる複数のスキッドテーブルと、
前記上流側ローラコンベア上の前記鋼材を前記スキッドテーブルに移載する上流側移載部と、
前記スキッドテーブル上の前記鋼材を前記下流側ローラコンベアに移載する下流側移載部と、
前記スキッドテーブル上の前記鋼材を検知する反射型光電センサと、
鋼材搬送に関連する動作を管理する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記上流側移載部の移載動作に基づいてカウントされた払出鋼材数から、前記下流側移載部の移載動作に基づいてカウントされた跳上鋼材数を差し引いた値がゼロより大きい値であって、且つ、前記反射型光電センサからの信号が鋼材無しを示す場合に前記反射型光電センサでの誤検知異常ありと判定する異常判定部を備えている。
【0008】
このように規定された第1の局面の鋼材搬送装置によれば、反射型光電センサによる鋼材検知と、制御部における払出鋼材数および跳上鋼材数の管理とを併用することで、反射型光電センサにおける誤検知をすみやかに発見することができ、鋼材搬送装置内に鋼材が残存しているか否かを反射型光電センサを用いて精度高く確認することができる。
【0009】
この発明の第2の局面は次のように規定される。即ち、
第1の局面で規定の鋼材搬送装置において、前記制御部は、
前工程で処理された鋼材に関するロット情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部で取得した鋼材本数と前記跳上鋼材数との差がゼロで、且つ、前記反射型光電センサからの信号が鋼材無しを示す場合に対象ロットの搬送終了と判定する搬送終了判定部と、
を更に備えている。
【0010】
このように規定された第2の局面の鋼材搬送装置によれば、前工程から送られてきた搬送対象のロットを構成する鋼材が、装置内に取り残されることなく正常に次工程に向けて搬送されたことを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態の鋼材搬送装置の概略全体構成を示した平面図である。
【
図2】
図1の鋼材搬送装置のII-II矢視図である。
【
図3】同鋼材搬送装置の制御系のブロック図である。
【
図5】
図4に続く同鋼材搬送装置の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に本発明の一実施形態の鋼材搬送装置を図面に基づいて詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態の鋼材搬送装置の概略全体構成を示した平面図である。同図において、Wは鋼材としての断面円形状の棒鋼で、図中2点鎖線で示されている。1は棒鋼Wを次工程に向けて搬送する鋼材搬送装置である。
鋼材搬送装置1は、上流側ローラコンベア2と、下流側ローラコンベア3と、複数のスキッドテーブル4と、上流側移載部5と、下流側移載部6と、制御部8(
図3参照)と、を備えている。
【0013】
上流側ローラコンベア2は、前工程から送り出された鋼材Wを搬送するコンベアである。上流側ローラコンベア2は、一列状に配置された複数のローラ10と、これらローラ10を回転駆動させる駆動モータ11(
図3参照)を含んで構成され、長尺の棒鋼Wをその長手方向を搬送方向とする態様で、1本ずつ搬送する。上流側ローラコンベア2には、棒鋼Wが所定の位置まで搬送されたことを確認するための近接センサ12が設けられている。なお、本例は近接センサ12を1つ配置した例であるが、近接センサ12の数および配置位置は適宜変更可能である。
【0014】
下流側ローラコンベア3は、棒鋼Wを次工程に向けて搬送するコンベアである。下流側ローラコンベア3は、上流側ローラコンベア2と同様に、一列状に配置された複数のローラ10と、これらローラ10を回転駆動させる駆動モータ13(
図3参照)を含んで構成され、長尺の棒鋼Wをその長手方向を搬送方向とする態様で、1本ずつ搬送する。また下流側ローラコンベア3には、後述の下流側移載部6により、棒鋼Wが下流側ローラコンベア3上に移載されたことを確認するための近接センサ14が設けられている。
本例においては、これらローラコンベアによる棒鋼Wの搬送方向と直交する方向に、上流側ローラコンベア2と下流側ローラコンベア3とが離間して配置されている。
【0015】
上流側ローラコンベア2と下流側ローラコンベア3との間には、棒鋼Wを上流側ローラコンベア2の側から下流側ローラコンベア3の側に向けて移動させるスキッドテーブル4が配設されている。スキッドテーブル4は、
図1で示すように、間隔を隔てて複数(この例では4つ)設けられており、それぞれ、ローラコンベア2,3における棒鋼Wの搬送方向とは直交する方向に延びる態様で配設されている。そして複数のスキッドテーブル4が配置されたエリアでは、
図1中2点鎖線で示すように、複数の棒鋼Wが保持可能とされている。
【0016】
スキッドテーブル4は、
図2に示すように、棒鋼Wを支持する上面4aが上流側ローラコンベア2の側から下流側ローラコンベア3の側に向かって図中右下がりの傾斜面とされており、傾斜面4aの上端部(上流側ローラコンベア2の側)に位置する鋼材Wは、傾斜面4aの傾斜に従って下端部(下流側ローラコンベア3の側)に向けて移動(転動)可能とされている。
【0017】
スキッドテーブル4の上端部には、後述する上流側移載部5によって上流側ローラコンベア2からスキッドテーブル4に移載された棒鋼Wを検知するための近接センサ15が設けられている。
またスキッドテーブル4の下端部には、後述する下流側移載部6の移載動作によって下流側ローラコンベア3に移載される対象の棒鋼Wを検知するための近接センサ16が設けられている。
【0018】
またスキッドテーブル4の下端部を下流側ローラコンベア3の側から臨む位置には、スキッドテーブル4上の棒鋼Wを検知するための反射型光電センサ17が設けられている。反射型光電センサ17は、投光部と受光部が一体化されており、棒鋼Wが保持されるエリアに向けて傾斜面4aと略平行で棒鋼Wの長手方向と直交する方向の検査光を投光するとともに、その反射光を受光することでエリア内に存在する棒鋼Wを検知する。
【0019】
上流側移載部5は、上流側ローラコンベア2上の棒鋼Wをスキッドテーブル4に移載する。上流側移載部5は、
図1で示すように、各ローラ10の間に配設された複数のレバー部材19と、これら複数のレバー部材19と一体に連結されるとともに軸周りに回転してレバー部材19を回動させる軸体20と、軸体20を所定角度回転させる駆動モータ21(
図3参照)と、を備えている。
【0020】
レバー部材19は、
図2で示すように、上流側ローラコンベア2上の棒鋼Wの下方に配置されている。上流側移載部5では、軸体20の動きに連動してレバー部材19が
図2における反時計方向に回動して、上流側ローラコンベア2上の棒鋼Wが図中W1で示す高さまで持ち上げられる。その後、棒鋼Wはレバー部材19上面の傾斜に従って転動して、スキッドテーブル4に移動する。
【0021】
下流側移載部6は、スキッドテーブル4上の棒鋼Wを下流側ローラコンベア3に移載する。下流側移載部6は、スキッドテーブル4下端部における先頭の棒鋼Wの位置を規定する鋼材位置規定部材23と、棒鋼Wの長手方向に間隔を隔てて配設された複数のレバー部材27と、複数のレバー部材27を回動させる軸体28と、軸体28を所定角度回転させる駆動モータ29(
図3参照)と、を備えている。
【0022】
鋼材位置規定部材23は、
図2で示すように、スキッドテーブル4の下端部(下流側ローラコンベア3の側)にてスキッドテーブル4よりも上方に突出し、先頭の棒鋼Wと当接するストッパ部24と、これに続く鋼材案内部25を備えている。鋼材案内部25はその上面が下流側ローラコンベア3に向けて図中右下方向に傾斜した傾斜面とされている。下流側移載部6では、軸体28の動きに連動してレバー部材27が回動して、スキッドテーブル4の先頭の棒鋼Wを鋼材案内部25の上面25aの高さ(
図2中W2で示す高さ)まで持ち上げる。その後、棒鋼Wは鋼材案内部25の上面25aの傾斜に従って転動して下流側ローラコンベア3に移動する。
【0023】
図3は鋼材搬送装置1の制御系のブロック図である。鋼材搬送に関連する動作を管理する制御部8には、ホストコンピュータ31、近接センサ12,14,15,16、反射型光電センサ17、駆動モータ11,13,21,29、表示モニタ32が接続されている。制御部8は、例えばCPU、RAM、HDD、及び各種インターフェイスを備えた情報処理装置や、専用のハードウェアを用いて構成することができ、情報取得部41、コンベア制御部42、移載動作制御部43、異常判定部44、搬送終了判定部45として機能する。
【0024】
情報取得部41は、鋼材の製造工程を管理しているホストコンピュータ31のデータベースから次に前工程から送られてくるロットの情報を取得する。詳しくは、該当ロットの鋼種、サイズ、数量等に関する情報を取得する。制御部8は得られたロット情報をもとに搬送動作を開始する。
【0025】
コンベア制御部42は、上流側ローラコンベア2を駆動する駆動モータ11を制御し、対象ロットの棒鋼Wを1本ずつ所定の位置まで搬送する。棒鋼Wの停止位置は近接センサ12の検知信号に基づいて規定される。またコンベア制御部42は、下流側ローラコンベア3を駆動する駆動モータ13を制御し、棒鋼Wを1本ずつ後工程に向けて搬送する。下流側ローラコンベア3上に移載された棒鋼Wが近接センサ14により検知されることで、駆動モータ13が駆動し、次工程への棒鋼Wの搬送を実行する。
【0026】
移載動作制御部43は、駆動モータ21を駆動させることで、上流側移載部5のレバー部材19を回動させ、上流側ローラコンベア2上の棒鋼Wをスキッドテーブル4に移載する動作を実行する。更に対象ロットの棒鋼の搬送が開始されてからの上流側移載部5での移載動作(レバー部材19の回動動作)に基づいて前工程からの払出鋼材数をカウントする。なお払出鋼材数のカウントに際しては、上流側移載部5での移載動作に加えてスキッドテーブル4の近接センサ15による鋼材検知を条件としてもよい。
【0027】
また移載動作制御部43は、駆動モータ29を駆動させることで、下流側移載部6のレバー部材27を回動させ、スキッドテーブル4上の棒鋼Wを下流側ローラコンベア3に移載する動作を実行する。更に対象ロットの棒鋼の搬送が開始されてからの下流側移載部6での移載動作(レバー部材27の回動動作)に基づいて下流側ローラコンベア3への跳上鋼材数をカウントする。なお跳上鋼材数のカウントに際しては、下流側移載部6での移載動作に加えて下流側ローラコンベア3の近接センサ14による鋼材検知を条件としてもよい。
【0028】
異常判定部44は、上記移載動作制御部43でカウントされた払出鋼材数から跳上鋼材数を差し引いた値を求め、差し引いた値がゼロよりも大きい値であって(即ち、スキッドテーブル4上に棒鋼Wが存在する場合であって)、且つ、反射型光電センサ17からの信号が棒鋼W無しを示す場合に、反射型光電センサ17での誤検知異常ありと判定し、表示モニタ32等に向けて誤検知異常検出信号を出力する。
【0029】
搬送終了判定部45は、情報取得部41で取得した鋼材本数と、移載動作制御部43でカウントされた跳上鋼材数との差がゼロで、且つ、反射型光電センサ17からの信号が鋼材無しを示す場合に対象ロットの搬送終了と判定し、ホストコンピュータ31等に向けて搬送完了信号を出力する。
【0030】
次に、鋼材搬送装置1における鋼材搬送動作について説明する。
前工程から新たなロットの鋼材が送られてくると、
図4で示すように、上流側ローラコンベア2上の棒鋼Wは上流側移載部5によって順次スキッドテーブル4に移載される。その際、上流側移載部5での移載動作に基づく前工程からの払出鋼材数がカウントされる。
スキッドテーブル4に払い出された棒鋼Wは、傾斜面4aに沿って下端部(下流側ローラコンベア3の側)に移動し、その先頭に位置する棒鋼Wはストッパ部24に当接して、その位置が規定される。
【0031】
ストッパ部24に当接した先頭の棒鋼Wは、
図5で示すように、下流側移載部6によって順次下流側ローラコンベア3に移載され、下流側ローラコンベア3に移載され棒鋼Wは、次工程に向けて搬送されていく。その際、下流側移載部6での移載動作に基づく跳上鋼材数がカウントされる。
【0032】
棒鋼Wの搬送動作が行われている間、制御部8は、払出鋼材数から跳上鋼材数を差し引いた値と、反射型光電センサ17からの信号を取得して、前記差し引いた値がゼロよりも大きい値であって(即ち、スキッドテーブル4上に棒鋼Wが有る場合であって)、且つ、反射型光電センサ17からの信号が棒鋼W無しを示す場合に、反射型光電センサ17での誤検知異常ありと判定し、誤検知異常検出信号を出力する。
【0033】
前工程から送られてきた棒鋼Wを搬送する動作が終了した後、制御部8は情報取得部41で取得した鋼材本数と移載動作制御部43でカウントされた跳上鋼材数との差がゼロで、且つ、反射型光電センサ17からの信号が鋼材無しを示す場合に対象ロットの搬送終了と判定し、搬送完了信号を出力する。これにより対象ロットの鋼材搬送に関する一連の動作が完了する。
【0034】
以上のように本実施形態の鋼材搬送装置1によれば、反射型光電センサ17による鋼材検知と、制御部8における払出鋼材数および跳上鋼材数の管理とを併用することで、反射型光電センサ17における誤検知をすみやかに発見することができ、鋼材搬送装置内に鋼材が存在しているか否かを反射型光電センサ17を用いて精度高く確認することができる。
【0035】
本実施形態の鋼材搬送装置1によれば、前工程で処理された鋼材に関するロット情報を取得する情報取得部41と、情報取得部41で取得した鋼材本数と制御部8でカウントされた跳上鋼材数との差がゼロで、且つ、反射型光電センサ17からの信号が鋼材無しを示す場合に対象ロットの搬送終了と判断する搬送終了判定部45と、を更に備えており、前工程から送られてきた搬送対象のロットを構成する鋼材が、装置内に取り残されることなく正常に次工程に向けて搬送されたことを確認することができる。
【0036】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。例えば鋼材の検知に用いられる近接センサや反射型光電センサの数および設置箇所は必要に応じて変更可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 鋼材搬送装置
2 上流側ローラコンベア
3 下流側ローラコンベア
4 スキッドテーブル
5 上流側移載部
6 下流側移載部
8 制御部
17 反射型光電センサ
41 情報取得部
44 異常判定部
45 搬送終了判定部
W 棒鋼(鋼材)