(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106838
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】床束
(51)【国際特許分類】
E04F 15/024 20060101AFI20240801BHJP
F16B 7/18 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
E04F15/024 603B
F16B7/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011304
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】519360051
【氏名又は名称】タイファス コーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】523031666
【氏名又は名称】株式会社イノファス
(71)【出願人】
【識別番号】000108638
【氏名又は名称】タカヤマ金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100168321
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 敦
(72)【発明者】
【氏名】東 忠雄
(72)【発明者】
【氏名】峯 永治
(72)【発明者】
【氏名】陳 義忠
(72)【発明者】
【氏名】青山 善之
(72)【発明者】
【氏名】玉岡 富彦
【テーマコード(参考)】
2E220
3J039
【Fターム(参考)】
2E220AA51
2E220AB30
2E220CA62
2E220CA63
2E220DB19
2E220GB02Y
2E220GB32Y
3J039AA01
3J039AB10
3J039BB01
3J039GA06
3J039GA07
(57)【要約】
【課題】床下地パネルの高さ調整の作業効率の向上を図ることが可能な床束を提供する。
【解決手段】床束1では、基盤面9に立設された第1支柱3に対して移動自在な第2支柱4の軸方向の位置を、調整機構5によって調整する。調整機構5は、第1支柱3に対して軸方向に移動自在に外挿される操作部材6と、第2支柱4と操作部材6とを連結する連結部材7と、を含む。操作部材6は、第1支柱3の雄ネジ部31と螺合する雌ネジ部6Aを有する操作部61と、第2支柱4の筒状部41内に挿入される挿入部62と、を有する。連結部材7は、連結本体部71と、連結本体部71に設けられた第1係合部72及び第2係合部73と、を有する。第1係合部72は第2支柱4における筒状部41の第1被係合部411に係合し、第2係合部73は操作部材6における挿入部62の第2被係合部621に係合する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基盤面上に設置され、床下地パネルを支持するための床束であって、
前記基盤面に立設され、外周面に形成された雄ネジ部を有する第1支柱と、
前記第1支柱の上部を受け入れる筒状に形成され第1被係合部を有する筒状部と、前記筒状部の上方に設けられ前記床下地パネルを保持する保持部と、を有し、前記第1支柱に対して軸方向に沿って移動自在な第2支柱と、
前記第2支柱の前記第1支柱に対する前記軸方向の位置調整を行うための調整機構と、を備え、
前記調整機構は、
前記第1支柱に対して前記軸方向に移動自在に外挿される操作部材であって、前記第1支柱と対向する内周面に前記雄ネジ部と螺合する雌ネジ部を有し前記軸方向に沿った移動のために回転操作される操作部と、前記操作部の上方に設けられて前記筒状部内に挿入され第2被係合部を有する挿入部と、を有する操作部材と、
前記第2支柱と前記操作部材とを連結する連結部材であって、前記第2支柱における前記筒状部の下部に内挿されるとともに前記第1支柱に対して外挿される連結本体部と、前記連結本体部に設けられ前記操作部の前記筒状部に対する前記軸方向の移動を規制するとともに回転を許容するように前記第1被係合部に係合する第1係合部と、前記連結本体部に設けられ前記操作部の前記連結本体部に対する前記軸方向の移動を規制するとともに回転を許容するように前記第2被係合部に係合する第2係合部と、を有する連結部材と、を含み、
前記連結本体部は、前記第1係合部が前記第1被係合部に係合するとともに前記第2係合部が前記第2被係合部に係合した状態において、前記軸方向と交差する方向の力の作用に応じて変形可能である、床束。
【請求項2】
前記連結本体部は、前記連結本体部の前記軸方向の全長に亘って延びるスリットを有している、請求項1に記載の床束。
【請求項3】
前記第1係合部及び前記第2係合部はそれぞれ、前記連結本体部の周方向に等間隔に配置された複数の係合片によって構成される、請求項1に記載の床束。
【請求項4】
前記筒状部は、外周面に形成された外ネジ部を有し、
前記操作部材は、前記操作部の下方に設けられ、前記軸方向と交差する所定方向の押圧力の付与による弾性変形によって前記第2支柱の前記軸方向の移動を規制する弾性部を有し、
前記調整機構は、前記第1支柱に対して外挿され、前記外ネジ部と螺合する内ネジ部と、前記内ネジ部の螺合に応じて前記弾性部を前記所定方向に押圧する押圧部と、を有する締付部材を含む、請求項1に記載の床束。
【請求項5】
前記締付部材は、前記押圧部から上方に延びる筒状に形成されて前記内ネジ部が設けられ、前記内ネジ部が前記外ネジ部と螺合した状態で前記操作部を外側から覆う筒部を有する、請求項4に記載の床束。
【請求項6】
前記締付部材は、前記内ネジ部が前記外ネジ部と螺合した状態で、前記第1支柱との間に隙間が形成されるように設けられる、請求項4又は5に記載の床束。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土間コンクリート等の基盤面上に設置され、床下地パネルを支持するための床束に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建築物では、土間コンクリート等の基盤面上において、床下地パネルを支持するための床束が設置される。この種の床束として、床下地パネルの高さ調整の可能な床束が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示される床束は、基盤面に対して上方に延び外周面に形成された雄ネジ部を有する第1支柱と、当該第1支柱の上部を受け入れる筒状部と床下地パネルを保持する保持部とを有する第2支柱と、第1支柱に対して軸方向に移動自在に外挿されて第1支柱に対する第2支柱の軸方向の位置調整を行うための操作部材と、を備えている。操作部材は、第1支柱の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部が形成され軸方向に沿った移動のために回転操作される操作部と、第2支柱に連結される連結部と、を有している。
【0004】
特許文献1に開示される床束では、操作部材は、第1支柱の雄ネジ部に雌ネジ部が螺合した操作部の回転操作によって、第1支柱に沿って軸方向に移動する。このような操作部材の移動によって、当該操作部材の連結部に連結された第2支柱を第1支柱に対して移動させることができるので、第2支柱の保持部に保持された床下地パネルの高さ調整が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
操作部の回転操作時において、第1支柱の軸線に対して第2支柱の軸線が傾いている場合がある。この場合、第1支柱の雄ネジ部に操作部の雌ネジ部が螺合した状態において、第2支柱と連結された操作部材の連結部に、軸方向と交差する方向の力が作用する。第1支柱及び第2支柱の軸線同士の傾きに応じて操作部材の連結部に軸方向と交差する方向の力が作用すると、操作部の回転を妨げる虞がある。この場合、操作部の回転操作による床下地パネルの高さ調整の作業効率が低下するため、この点で改善の余地がある。
【0007】
本発明の目的は、床下地パネルの高さ調整の作業効率の向上を図ることが可能な床束を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、第一の発明に係る床束は、基盤面上に設置され、床下地パネルを支持するための床束であって、前記基盤面に立設され、外周面に形成された雄ネジ部を有する第1支柱と、前記第1支柱の上部を受け入れる筒状に形成され第1被係合部を有する筒状部と、前記筒状部の上方に設けられ前記床下地パネルを保持する保持部と、を有し、前記第1支柱に対して軸方向に沿って移動自在な第2支柱と、前記第2支柱の前記第1支柱に対する前記軸方向の位置調整を行うための調整機構と、を備える。前記調整機構は、前記第1支柱に対して前記軸方向に移動自在に外挿される操作部材であって、前記第1支柱と対向する内周面に前記雄ネジ部と螺合する雌ネジ部を有し前記軸方向に沿った移動のために回転操作される操作部と、前記操作部の上方に設けられて前記筒状部内に挿入され第2被係合部を有する挿入部と、を有する操作部材と、前記第2支柱と前記操作部材とを連結する連結部材であって、前記第2支柱における前記筒状部の下部に内挿されるとともに前記第1支柱に対して外挿される連結本体部と、前記連結本体部に設けられ前記操作部の前記筒状部に対する前記軸方向の移動を規制するとともに回転を許容するように前記第1被係合部に係合する第1係合部と、前記連結本体部に設けられ前記操作部の前記連結本体部に対する前記軸方向の移動を規制するとともに回転を許容するように前記第2被係合部に係合する第2係合部と、を有する連結部材と、を含む。前記連結本体部は、前記第1係合部が前記第1被係合部に係合するとともに前記第2係合部が前記第2被係合部に係合した状態において、前記軸方向と交差する方向の力の作用に応じて変形可能である。
【0009】
第一の発明に係る床束によれば、基盤面に立設された第1支柱に操作部材が外挿された状態で、操作部材の操作部の雌ネジ部が第1支柱の雄ネジ部と螺合するとともに操作部材の挿入部が第2支柱の筒状部内に挿入され、操作部材と第2支柱とが連結部材によって連結される。連結部材は、連結本体部に設けられた第1係合部が第2支柱における筒状部の第1被係合部に係合し、且つ、連結本体部に設けられた第2係合部が操作部材における挿入部の第2被係合部に係合することにより、操作部材と第2支柱とを連結する。このような構成の床束では、操作部の回転操作によって第1支柱に沿って操作部材が移動し、この操作部材の移動に応じて、連結部材によって操作部材に連結された第2支柱を第1支柱に対して軸方向に移動させることができる。これにより、第2支柱の保持部に保持された床下地パネルの高さ調整が可能となる。
【0010】
ここで、連結部材の連結本体部は、第1係合部が第2支柱の第1被係合部に係合するとともに第2係合部が操作部材の第2被係合部に係合した状態において、軸方向と交差する方向の力の作用に応じて変形可能である。これにより、第1支柱の軸線に対して第2支柱の軸線が傾くことにより連結部材に軸方向と交差する方向の力が作用した場合には、第1係合部と第1被係合部との間の係合部位と、第2係合部と第2被係合部との間の係合部位とにかかる操作部の回転操作に応じた負荷を開放するように、連結本体部が変形する。これにより、第1支柱の軸線に対して第2支柱の軸線が傾くことに起因して操作部の回転操作の操作性が低下することを抑制できるため、操作部の回転操作による床下地パネルの高さ調整の作業効率の向上を図ることが可能となる。
【0011】
第二の発明は、第一の発明に係る床束において、前記連結本体部は、前記連結本体部の前記軸方向の全長に亘って延びるスリットを有していてもよい。
【0012】
この態様では、連結本体部の軸方向の全長に亘って延びるスリットによって、連結本体部の変形の自由度が向上する。これにより、連結本体部は、第1係合部と第1被係合部との間の係合部位と、第2係合部と第2被係合部との間の係合部位とにかかる操作部の回転操作に応じた負荷をより確実に開放するように、変形可能となる。このため、第1支柱の軸線に対して第2支柱の軸線が傾くことに起因して操作部の回転操作の操作性が低下することを、より確実に抑制できる。
【0013】
第三の発明は、第一又は第二の発明に係る床束において、前記第1係合部及び前記第2係合部はそれぞれ、前記連結本体部の周方向に等間隔に配置された複数の係合片によって構成されてもよい。
【0014】
この態様では、連結部材は、第1係合部の複数の係合片が第2支柱における筒状部の第1被係合部に係合し、且つ、第2係合部の複数の係合片が操作部材における挿入部の第2被係合部に係合することにより、操作部材と第2支柱とを連結する。この際、第1係合部及び第2係合部のそれぞれにおいて、複数の係合片が連結本体部の周方向に等間隔に配置されているので、操作部の雌ネジ部が第1支柱の雄ネジ部と螺合するとともに挿入部が第2支柱の筒状部内に挿入され、操作部材と第2支柱とが連結部材によって連結された状態において、各係合片にかかる負荷を均一にすることができる。これにより、操作部の回転操作による床下地パネルの高さ調整の作業後において、床束は、第1支柱の軸線と第2支柱の軸線とが一致した状態で、床下地パネルを支持することができる。
【0015】
第四の発明は、第一から第三のいずれか一つの発明に係る床束において、前記筒状部は、外周面に形成された外ネジ部を有していてもよく、前記操作部材は、前記操作部の下方に設けられ、前記軸方向と交差する所定方向の押圧力の付与による弾性変形によって前記第2支柱の前記軸方向の移動を規制する弾性部を有していてもよい。この場合、前記調整機構は、前記第1支柱に対して外挿され、前記外ネジ部と螺合する内ネジ部と、前記内ネジ部の螺合に応じて前記弾性部を前記所定方向に押圧する押圧部と、を有する締付部材を含む。
【0016】
この態様では、操作部の回転操作による床下地パネルの高さ調整の作業後において、第1支柱に外挿された締付部材の内ネジ部と第2支柱の外ネジ部との螺合に応じて、締付部材の押圧部が操作部材の弾性部を押圧することにより、第2支柱の軸方向の移動を規制する。これにより、高さ調整後の床下地パネルの高さ位置の保持が可能となる。
【0017】
第五の発明は、第四の発明に係る床束において、前記締付部材は、前記押圧部から上方に延びる筒状に形成されて前記内ネジ部が設けられ、前記内ネジ部が前記外ネジ部と螺合した状態で前記操作部を外側から覆う筒部を有していてもよい。
【0018】
この態様では、締付部材の内ネジ部と第2支柱の外ネジ部とが螺合した状態において、操作部材の操作部は締付部材の筒部によって覆われている。これにより、床下地パネルの高さ調整後に操作部が誤操作されることを防止することができる。また、床下地パネルの高さ調整の作業を行う際に操作部を操作するときには、内ネジ部と外ネジ部との間の螺合を解除し、締付部材を軸方向に自由に移動させることで、操作部を露出させることができる。
【0019】
第六の発明は、第四又は第五の発明に係る床束において、前記締付部材は、前記内ネジ部が前記外ネジ部と螺合した状態で、前記第1支柱との間に隙間が形成されるように設けられてもよい。
【0020】
この態様では、締付部材は、第1支柱との間に隙間を有して当該第1支柱に外挿されているので、第1支柱の雄ネジ部と螺合する部分を有していない。これにより、締付部材の内ネジ部と第2支柱の外ネジ部との間の螺合の解除によって確実に、締付部材を軸方向に自由に移動させることができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、床下地パネルの高さ調整の作業効率の向上を図ることが可能な床束を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係る床束の一部を切り欠いた正面図である。
【
図4】床束に備えられた調整機構の構成要素である操作部材を示す図であって、(A)は斜視図であり、(B)は断面図である。
【
図5】調整機構の構成要素である連結部材を示す図であって、(A)は斜視図であり、(B)は上から見た平面図である。
【
図6】調整機構の構成要素である締付部材を示す図であって、(A)は斜視図であり、(B)は断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態に係る床束について図面に基づいて説明する。本実施形態に係る床束は、例えば住宅等の建築物の基盤面上に設置され、床下地パネルを支持するための鋼製の床束である。なお、基盤面とは、例えば土間コンクリート、基礎スラブ、束石の上面などを含み、床束を設置する基盤となる面をいう。また、床束は、鋼製の束に限定されるものではなく、合成樹脂製の束であってもよい。
【0024】
図1~
図3は、本発明の実施形態に係る床束1の構成を示す図であって、
図1が正面図であり、
図2が斜視図であり、
図3が分解斜視図である。床束1は、基盤面9に設置されるベース2と、ベース2から上方に延びる第1支柱3と、第1支柱3に対して更に上方に延びて床下地パネル10を保持する第2支柱4と、調整機構5とを備えている。床束1において、第1支柱3と第2支柱4とは、それぞれの中心軸が同軸上に位置するように設けられる。また、第1支柱3及び第2支柱4の中心軸が延びる方向となる軸方向は上下方向に一致し、当該軸方向と直交する径方向は基盤面9と平行である。
【0025】
ベース2は、平板状の板体によって構成される。ベース2は、基盤面9に対してコンクリートピン91が打ち込まれることで、基盤面9に固定される。
【0026】
第1支柱3は、ベース2の上面の中央に、当該ベース2から上方に延びるように立設される。すなわち、第1支柱3は、基盤面9に立設される。第1支柱3は、上下方向に長手の円柱状に形成された中実軸であり、その外周面に形成された雄ネジ部31を有している。
【0027】
第2支柱4は、第1支柱3の上部を受け入れる円筒状の筒状部41と、筒状部41の上方に設けられ床下地パネル10を保持する保持部42と、を有し、上下方向に長手の軸部材である。
【0028】
筒状部41は、第2支柱4の下端部に設けられる。第2支柱4は、第1支柱3の上部を受け入れる筒状部41を有していれば、その内部構造は限定されるものではなく、上下方向の全体にわたって内部が中空の中空軸であってもよいし、筒状部41以外は中実の中実軸であってもよい。第2支柱4は、筒状部41に第1支柱3の上部が挿入された状態において、第1支柱3に対して軸方向(上下方向)に沿って移動自在に設けられる。
【0029】
筒状部41は、その内周面に形成された第1被係合部411を有している。第1被係合部411は、筒状部41の下端部に設けられる。第1被係合部411は、筒状部41の内周面において周方向の全体に亘って径方向の内方側に突出した円環状の突起である。また、筒状部41は、その外周面に形成された外ネジ部412を有している。外ネジ部412は、筒状部41の下端部に設けられる。
【0030】
保持部42は、第2支柱4の上端部に設けられ、平板状の板体によって構成される。保持部42は、その上面において床下地パネル10を下方側から保持する。保持部42は、床下地パネル10に対してビス101が打ち込まれることで、床下地パネル10に固定される。
【0031】
本実施形態に係る床束1では、基盤面9に設置されたベース2から上方に延びる第1支柱3に対し、第2支柱4を軸方向(上下方向)に沿って移動させることにより、保持部42に保持された床下地パネル10の高さ調整を行うことができる。
【0032】
床束1において、床下地パネル10の高さ調整を行う、すなわち、第2支柱4の第1支柱3に対する軸方向(上下方向)の位置調整を行うための部分が、調整機構5である。調整機構5は、操作部材6と、連結部材7とを含む。
【0033】
操作部材6は、第1支柱3に対して軸方向(上下方向)に移動自在に外挿され、床下地パネル10の高さ調整を行う際に操作される。
図4に示されるように、操作部材6は、操作部61と、挿入部62とを有している。
【0034】
操作部61は、操作部材6の軸方向(上下方向)に沿った移動のための操作力が付与される部分である。操作部61は、第1支柱3と対向する内周面に雄ネジ部31と螺合する雌ネジ部6Aを有し、外周面が例えば六角形状に形成されたナット部である。操作部61は、操作部材6の軸方向(上下方向)に沿った移動のために、第1支柱3回りに回転操作される。
【0035】
挿入部62は、操作部61の上方に設けられた円筒状の部分であり、第1支柱3の雄ネジ部31に操作部61の雌ネジ部6Aが螺合した状態で、第2支柱4の筒状部41内に下方から挿入される。挿入部62は、操作部61と同様に、第1支柱3と対向する内周面に雄ネジ部31と螺合する雌ネジ部6Aを有している。更に、挿入部62は、その外周面に形成された第2被係合部621を有している。第2被係合部621は、挿入部62の外周面において周方向の全体に亘って径方向の内方側に凹んだ円環状の凹部である。
【0036】
連結部材7は、第1支柱3の雄ネジ部31に操作部61の雌ネジ部6Aが螺合された状態の操作部材6とは別個独立の部材であって、当該操作部材6と第2支柱4とを連結する。
図5に示されるように、連結部材7は、例えば、矩形平板状の鋼板を円筒形状となるように湾曲させることにより作製される。連結部材7は、連結本体部71と、第1係合部72と、第2係合部73と、連結フランジ部74と、を有している。
【0037】
連結本体部71は、円筒形状を有して連結部材7の本体部分を構成し、第2支柱4における筒状部41の下部に内挿されるとともに第1支柱3に対して外挿される。連結フランジ部74は、連結本体部71の下端から径方向の外方に突出したフランジ部である。連結フランジ部74は、連結本体部71が第2支柱4における筒状部41に内挿された状態で、当該筒状部41の下端に下方から当接する。筒状部41の下端に対する連結フランジ部74の当接によって、筒状部41に内挿される連結本体部71の軸方向(上下方向)に関する位置が位置決めされる。連結部材7は、連結フランジ部74が筒状部41の下端に下方から当接した状態において、第2支柱4及び操作部材6に対して軸方向(上下方向)の移動が規制される。
【0038】
第1係合部72は、連結本体部71に設けられ、第2支柱4における筒状部41の内周面に形成された第1被係合部411に係合する。第1係合部72は、連結フランジ部74が筒状部41の下端に下方から当接した状態で、操作部材6における操作部61の筒状部41に対する軸方向(上下方向)の移動を規制するとともに回転を許容するように、第1被係合部411に係合する。第2係合部73は、連結本体部71に設けられ、操作部材6における挿入部62の外周面に形成された第2被係合部621に係合する。第2係合部73は、連結フランジ部74が筒状部41の下端に下方から当接した状態で、操作部材6における操作部61の連結本体部71に対する軸方向(上下方向)の移動を規制するとともに回転を許容するように、第2被係合部621に係合する。
【0039】
第1係合部72が第1被係合部411に係合するとともに第2係合部73が第2被係合部621に係合し、且つ、連結フランジ部74が筒状部41の下端に下方から当接した状態において、操作部材6は、操作部61の回転に応じて第1支柱3に対して軸方向(上下方向)に移動可能である一方、第2支柱4及び連結部材7に対しては軸方向の移動が規制される。
【0040】
連結部材7では、第1係合部72が第1被係合部411に係合するとともに第2係合部73が第2被係合部621に係合し、且つ、連結フランジ部74が筒状部41の下端に下方から当接した状態において、連結本体部71は、軸方向(上下方向)と交差する方向の力の作用に応じて変形可能である。
【0041】
床束1においては、基盤面9に設置されたベース2から上方に延びる第1支柱3に操作部材6が外挿された状態で、操作部材6の操作部61の雌ネジ部6Aが第1支柱3の雄ネジ部31と螺合するとともに操作部材6の挿入部62が第2支柱4の筒状部41内に挿入され、操作部材6と第2支柱4とが連結部材7によって連結される。連結部材7は、連結本体部71に設けられた第1係合部72が第2支柱4における筒状部41の第1被係合部411に係合するとともに、連結本体部71に設けられた第2係合部73が操作部材6における挿入部62の第2被係合部621に係合し、且つ、連結フランジ部74が筒状部41の下端に下方から当接することにより、操作部材6と第2支柱4とを連結する。
【0042】
このような構成の床束1では、スパナ等の工具を用いて操作部61を第1支柱3回りに回転させるという操作部61の回転操作によって、操作部61の雌ネジ部6Aが第1支柱3の雄ネジ部31に螺合した状態で、第1支柱3に沿って軸方向(上下方向)に操作部材6が移動する。この操作部材6の移動に応じて、連結部材7によって操作部材6に連結された第2支柱4を第1支柱3に対して軸方向(上下方向)に移動させることができる。これにより、第2支柱4の保持部42に保持された床下地パネル10の高さ調整が可能となる。
【0043】
図4に示されるように、操作部材6は、操作部61の下端から径方向の外方に突出した操作フランジ部64を有している。これにより、床下地パネル10の高さ調整を行う際に操作部61を回転操作するときに、スパナ等の工具を操作フランジ部64で下方側から支持することができる。このため、操作部61に対する回転操作の作業性を向上することができる。
【0044】
ここで、連結部材7の連結本体部71は、第1係合部72が第2支柱4の第1被係合部411に係合するとともに第2係合部73が操作部材6の第2被係合部621に係合し、且つ、連結フランジ部74が筒状部41の下端に下方から当接した状態において、軸方向(上下方向)と交差する方向の力の作用に応じて変形可能である。これにより、第1支柱3の軸線に対して第2支柱4の軸線が傾くことにより連結部材7に軸方向(上下方向)と交差する方向の力が作用した場合には、第1係合部72と第1被係合部411との間の係合部位と、第2係合部73と第2被係合部621との間の係合部位とにかかる操作部61の回転操作に応じた負荷を開放するように、連結本体部71が径方向などに変形する。これにより、第1支柱3の軸線に対して第2支柱4の軸線が傾くことに起因して操作部61の回転操作の操作性が低下することを抑制できるため、操作部61の回転操作による床下地パネル10の高さ調整の作業効率の向上を図ることが可能となる。
【0045】
また、
図5に示されるように、連結本体部71は、連結本体部71の軸方向(上下方向)の全長に亘って延びるスリット711を有していてもよい。スリット711を有する連結部材7は、円筒形状の一部が軸方向の全長に亘って切り欠かれた、軸方向に見て円弧状に湾曲した曲面形状となる。連結本体部71のスリット711は、例えば、矩形平板状の鋼板の長手方向の端部同士が接続されないように、鋼板を円弧状に湾曲させることにより、形成することができる。この場合、円弧状に湾曲した曲面形状の鋼板の端部同士の間がスリット711となる。連結本体部71の軸方向(上下方向)の全長に亘って延びるスリット711によって、連結本体部71の径方向の変形を含めた変形の自由度が向上する。これにより、連結本体部71は、第1係合部72と第1被係合部411との間の係合部位と、第2係合部73と第2被係合部621との間の係合部位とにかかる操作部61の回転操作に応じた負荷をより確実に開放するように、変形可能となる。このため、第1支柱3の軸線に対して第2支柱4の軸線が傾くことに起因して操作部61の回転操作の操作性が低下することを、より確実に抑制できる。
【0046】
また、
図5に示されるように、連結部材7において、第1係合部72は、スリット711を含めて連結本体部71の周方向に等間隔に配置された複数の第1係合片721によって構成されてもよい。同様に、第2係合部73は、スリット711を含めて連結本体部71の周方向に等間隔に配置された複数の第2係合片731によって構成されてもよい。複数の第1係合片721は、連結本体部71における軸方向の中央よりも上方の領域に、周方向に等間隔に配置される。一方、複数の第2係合片731は、連結本体部71における軸方向の中央よりも下方の領域に、周方向に等間隔に配置される。この場合、連結本体部71の周方向において、第1係合片721と第2係合片731とが交互に配置される。なお、複数の第1係合片721と複数の第2係合片731とは、連結本体部71において、軸方向に同一の位置で、周方向に交互に配置されてもよい。
【0047】
複数の第1係合片721はそれぞれ、連結本体部71の所定位置から径方向の外方に向かって下方に延びる片部である。一方、複数の第2係合片731はそれぞれ、連結本体部71の所定位置から径方向の内方に向かって上方に延びる片部である。
【0048】
連結部材7は、第1係合部72の複数の第1係合片721が第2支柱4の第1被係合部411に係合するとともに、第2係合部73の複数の第2係合片731が操作部材6の第2被係合部621に係合し、且つ、連結フランジ部74が筒状部41の下端に下方から当接することにより、操作部材6と第2支柱4とを連結する。この際、第1係合部72及び第2係合部73のそれぞれにおいて、複数の第1係合片721及び複数の第2係合片731がスリット711を含めた連結本体部71の周方向に等間隔に配置されている。これにより、操作部61の雌ネジ部6Aが第1支柱3の雄ネジ部31と螺合するとともに挿入部62が第2支柱4の筒状部41内に挿入され、操作部材6と第2支柱4とが連結部材7によって連結された状態において、複数の第1係合片721及び複数の第2係合片731のそれぞれにかかる負荷を均一にすることができる。このため、操作部61の回転操作による床下地パネル10の高さ調整の作業後において、床束1は、第1支柱3の軸線と第2支柱4の軸線とが一致した状態で、床下地パネル10を支持することができる。
【0049】
本実施形態に係る床束1では、
図1~
図3に示されるように、調整機構5は、上記の操作部材6及び連結部材7に加えて、締付部材8を更に含む。そして、操作部材6は、上記の操作部61及び挿入部62に加えて、弾性部63を更に有している。
【0050】
操作部材6において、弾性部63は、操作部61の下方に設けられ、軸方向(上下方向)と交差する所定方向の押圧力の付与による弾性変形によって操作部材6の第1支柱3に対する軸方向の移動を規制することにより、第2支柱4の軸方向の移動を規制する。弾性部63は、締付部材8によって押圧される。
【0051】
締付部材8は、操作部材6の下方側において、第1支柱3に対して外挿される。締付部材8は、
図1に示されるように、第1支柱3との間に隙間GPが形成されるように、当該第1支柱3に外挿される。
図6に示されるように、締付部材8は、第2支柱4における筒状部41の外周面に形成された外ネジ部412に螺合する内ネジ部811と、内ネジ部811の螺合に応じて弾性部63を前記所定方向に押圧する押圧部82と、を有している。
【0052】
押圧部82は、中央に第1支柱3に挿通可能な円形の開口部821を有した筒状に形成される。押圧部82においては、開口部821を画定する第1支柱3と対向する内周面が、弾性部63を押圧する押圧面部822となる。押圧部82の押圧面部822は、ネジ部が形成されておらず、弾性部63を押圧した状態で第1支柱3との間に隙間GPを有している。すなわち、押圧部82は、第1支柱3の雄ネジ部31と螺合するものではない。
【0053】
また、締付部材8は、押圧部82の上端から上方に延びる筒状に形成され、内ネジ部811が設けられた筒部81を有している。すなわち、内ネジ部811は、筒部81の内周面に形成されている。内ネジ部811は、第2支柱4における筒状部41の外周面に形成された外ネジ部412と螺合するネジ部であって、第1支柱3の雄ネジ部31と螺合するものではない。筒部81において、内ネジ部811が形成され、第1支柱3と対向する内周面は、第1支柱3との間に隙間GPを有している。そして、締付部材8は、内ネジ部811が第2支柱4における筒状部41の外ネジ部412と螺合した状態で、筒部81によって操作部材6の操作部61を覆う。なお、筒部81の外周面は、スパナ等の工具を用いた締付操作が可能となるように、例えば六角形状に形成されている。
【0054】
操作部材6における操作部61の回転操作による床下地パネル10の高さ調整の作業後において、第1支柱3に外挿された締付部材8の内ネジ部811と第2支柱4の外ネジ部412との螺合に応じて、締付部材8の押圧部82が操作部材6の弾性部63を押圧する。押圧部82によって押圧力が付与されると、弾性部63は、径方向に弾性変形し、第2支柱4の軸方向(上下方向)の移動を規制する。これにより、高さ調整後の床下地パネル10の高さ位置の保持が可能となる。より詳しく説明すると、内ネジ部811と外ネジ部412との螺合が可能な位置に締付部材8を配置した状態で、例えば六角形状の外周面を有した筒部81を、スパナ等の工具を用いて第2支柱4回りに回転させる。これにより、締付部材8の内ネジ部811と第2支柱4の外ネジ部412との螺合に応じて締付部材8が、第2支柱4に近接するように軸方向に沿って上方に移動する。この締付部材8の移動に伴って押圧部82が、操作部材6の弾性部63を押圧する。これにより、弾性部63が径方向に弾性変形して第2支柱4の軸方向(上下方向)の移動を規制し、高さ調整後の床下地パネル10の高さ位置の保持が可能となる。
【0055】
また、締付部材8の内ネジ部811と第2支柱4の外ネジ部412とが螺合した状態において、操作部材6の操作部61は締付部材8の筒部81によって覆われている。これにより、床下地パネル10の高さ調整後に操作部61が誤操作されることを防止することができる。また、床下地パネル10の高さ調整の作業を行う際に操作部61を操作するときには、内ネジ部811と外ネジ部412との間の螺合を解除し、締付部材8を軸方向(上下方向)に自由に移動させることで、操作部61を露出させることができる。この際、締付部材8は、第1支柱3との間に隙間GPを有して当該第1支柱3に外挿されているので、第1支柱3の雄ネジ部31と螺合する部分を有していない。これにより、締付部材8の内ネジ部811と第2支柱4の外ネジ部412との間の螺合の解除によって確実に、締付部材8を軸方向に自由に移動させることができる。
【0056】
本実施形態では、操作部材6において弾性部63は、操作部61から下方に延びるとともに径方向に弾性変形可能な複数の弾性片631によって構成される。複数の弾性片631は、第1支柱3を外方から取り囲むように、互いに所定の間隔を隔てて操作部61から下方に延びる。各弾性片631は、第1支柱3と対向する内周面に、第1支柱3の雄ネジ部31と螺合する雌ネジ部6Aを有している。このような構成の弾性部63に対して、締付部材8の押圧部82は、内ネジ部811の外ネジ部412との螺合に応じて、弾性部63を構成する複数の弾性片631を、第1支柱3に向かって径方向に押圧する。これにより、押圧部82は、雌ネジ部6Aが第1支柱3の雄ネジ部31と螺合した状態で各弾性片631を、径方向に弾性変形させつつ第1支柱3に対して圧着させることができる。各弾性片631の第1支柱3に対する圧着によって、当該各弾性片631と一体の操作部材6の第1支柱3に対する軸方向(上下方向)の移動を規制し、これに伴って連結部材7によって操作部材6と連結された第2支柱4の軸方向(上下方向)の移動を規制することができる。これにより、高さ調整後の床下地パネル10の高さ位置の保持が可能となる。
【0057】
また、操作部材6において弾性部63を構成する各弾性片631は、その外周面に、下方に向かうに従い外径が小径となるテーパー面部632を有している。そして、締付部材8の押圧部82の押圧面部822は、テーパー面部632に沿って下方に向かうに従い外径が小径となる形状に形成され、各弾性片631のテーパー面部632を外側から押圧する。既述の通り、内ネジ部811と外ネジ部412との螺合が可能な位置に締付部材8を配置した状態で筒部81をスパナ等の工具を用いて第2支柱4回りに回転させると、締付部材8の内ネジ部811と第2支柱4の外ネジ部412との螺合に応じて締付部材8が、第2支柱4に近接するように軸方向に沿って上方に移動する。この締付部材8の移動に伴って押圧部82が各弾性片631を押圧する。この際、各弾性片631において押圧部82による押圧対象の部分がテーパー面部632であることによって、締付部材8の軸方向に沿った移動の力を径方向の押圧力に変換することができる。これにより、内ネジ部811と外ネジ部412との螺合に応じて締付部材8の押圧部82は、第1支柱3に向かってより確実に各弾性片631を、径方向に押圧することができる。
【0058】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
【0059】
第一の発明に係る床束は、基盤面上に設置され、床下地パネルを支持するための床束であって、前記基盤面に立設され、外周面に形成された雄ネジ部を有する第1支柱と、前記第1支柱の上部を受け入れる筒状に形成され第1被係合部を有する筒状部と、前記筒状部の上方に設けられ前記床下地パネルを保持する保持部と、を有し、前記第1支柱に対して軸方向に沿って移動自在な第2支柱と、前記第2支柱の前記第1支柱に対する前記軸方向の位置調整を行うための調整機構と、を備える。前記調整機構は、前記第1支柱に対して前記軸方向に移動自在に外挿される操作部材であって、前記第1支柱と対向する内周面に前記雄ネジ部と螺合する雌ネジ部を有し前記軸方向に沿った移動のために回転操作される操作部と、前記操作部の上方に設けられて前記筒状部内に挿入され第2被係合部を有する挿入部と、を有する操作部材と、前記第2支柱と前記操作部材とを連結する連結部材であって、前記第2支柱における前記筒状部の下部に内挿されるとともに前記第1支柱に対して外挿される連結本体部と、前記連結本体部に設けられ前記操作部の前記筒状部に対する前記軸方向の移動を規制するとともに回転を許容するように前記第1被係合部に係合する第1係合部と、前記連結本体部に設けられ前記操作部の前記連結本体部に対する前記軸方向の移動を規制するとともに回転を許容するように前記第2被係合部に係合する第2係合部と、を有する連結部材と、を含む。前記連結本体部は、前記第1係合部が前記第1被係合部に係合するとともに前記第2係合部が前記第2被係合部に係合した状態において、前記軸方向と交差する方向の力の作用に応じて変形可能である。
【0060】
第二の発明は、第一の発明に係る床束において、前記連結本体部は、前記連結本体部の前記軸方向の全長に亘って延びるスリットを有していてもよい。
【0061】
第三の発明は、第一又は第二の発明に係る床束において、前記第1係合部及び前記第2係合部はそれぞれ、前記連結本体部の周方向に等間隔に配置された複数の係合片によって構成されてもよい。
【0062】
第四の発明は、第一から第三のいずれか一つの発明に係る床束において、前記筒状部は、外周面に形成された外ネジ部を有していてもよく、前記操作部材は、前記操作部の下方に設けられ、前記軸方向と交差する所定方向の押圧力の付与による弾性変形によって前記第2支柱の前記軸方向の移動を規制する弾性部を有していてもよい。この場合、前記調整機構は、前記第1支柱に対して外挿され、前記外ネジ部と螺合する内ネジ部と、前記内ネジ部の螺合に応じて前記弾性部を前記所定方向に押圧する押圧部と、を有する締付部材を含む。
【0063】
第五の発明は、第四の発明に係る床束において、前記締付部材は、前記押圧部から上方に延びる筒状に形成されて前記内ネジ部が設けられ、前記内ネジ部が前記外ネジ部と螺合した状態で前記操作部を外側から覆う筒部を有していてもよい。
【0064】
第六の発明は、第四又は第五の発明に係る床束において、前記締付部材は、前記内ネジ部が前記外ネジ部と螺合した状態で、前記第1支柱との間に隙間が形成されるように設けられてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 床束
2 ベース
3 第1支柱
31 雄ネジ部
4 第2支柱
41 筒状部
411 第1被係合部
412 外ネジ部
42 保持部
5 調整機構
6 操作部材
61 操作部
62 挿入部
621 第2被係合部
63 弾性部
6A 雌ネジ部
7 連結部材
71 連結本体部
711 スリット
72 第1係合部
721 第1係合片
73 第2係合部
731 第2係合片
8 締付部材
81 筒部
811 内ネジ部
82 押圧部
9 基盤面
10 床下地パネル