(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010684
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】管理プログラム、管理方法、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0833 20230101AFI20240118BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20240118BHJP
【FI】
G06Q10/08 306
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112104
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】中川 格
(72)【発明者】
【氏名】須加 純一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】製品が出荷後に分納される場合の履歴の連結を正しく行うこと。
【解決手段】認可判定装置301は、履歴認可要求712を受信すると、認可ルールテーブル320を参照して、履歴認可要求712の荷札ID「n1」に対応する認可ルールを特定する。認可判定装置301は、認可ルールを参照して、牛乳(第1の製品)の出荷量「20kL」および累積入荷量「0kL」を特定する。認可判定装置301は、累積入荷量「0kL」と履歴認可要求712の入荷量「8kL」との合算値「8kL」が出荷量「20kL」以下の場合、牛乳の入荷にともなう履歴(第1の履歴)の登録を許可すると判定する。認可判定装置301は、牛乳の出荷時に記録された履歴の履歴ID「a3」を含む許可応答713を履歴登録装置302に送信する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出荷された第1の製品の識別情報と、入荷された前記第1の製品の入荷量とを含む、前記第1の製品の入荷にともなう第1の履歴の登録認可要求を受け付け、
製品の識別情報と対応付けて、前記製品の出荷量および累積入荷量を記憶する記憶部を参照して、前記登録認可要求に含まれる前記第1の製品の識別情報に対応する前記第1の製品の出荷量および累積入荷量を特定し、
特定した前記第1の製品の出荷量および累積入荷量と、前記登録認可要求に含まれる前記第1の製品の入荷量とに基づいて、前記第1の履歴の登録の許否を判定し、
前記第1の履歴の登録を許可すると判定した場合、前記登録認可要求に対して、前記第1の製品の出荷時に記録された履歴の識別情報を含む許可応答を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする管理プログラム。
【請求項2】
前記判定する処理は、
前記第1の製品の累積入荷量と前記第1の製品の入荷量との合算値が前記第1の製品の出荷量以下の場合、前記第1の履歴の登録を許可すると判定して、前記記憶部に記憶された前記第1の製品の累積入荷量を前記合算値に更新し、
前記合算値が前記第1の製品の出荷量より大きい場合、前記第1の履歴の登録を許可しないと判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の管理プログラム。
【請求項3】
前記第1の履歴の登録を許可すると判定した場合、前記合算値と前記第1の製品の出荷量とに基づいて、入荷されていない残量があるか否かを判断し、
前記残量があると判断した場合、前記登録認可要求を受け付けてから所定時間経過するまでに、前記第1の製品について新たな登録認可要求を受け付けなかった場合、前記第1の製品の納品異常を検知する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項2に記載の管理プログラム。
【請求項4】
前記第1の製品の納品異常を検知した場合、前記第1の製品の出荷元に対して、前記第1の製品の納品異常を検知した旨の異常通知を送信する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項3に記載の管理プログラム。
【請求項5】
前記第1の履歴の登録を許可しないと判定した場合、前記登録認可要求に対して、前記第1の履歴の登録を許可しない旨の拒否応答を出力する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の管理プログラム。
【請求項6】
出荷された第1の製品の識別情報と、入荷された前記第1の製品の入荷量とを含む、前記第1の製品の入荷にともなう第1の履歴の登録認可要求を受け付け、
製品の識別情報と対応付けて、前記製品の出荷量および累積入荷量を記憶する記憶部を参照して、前記登録認可要求に含まれる前記第1の製品の識別情報に対応する前記第1の製品の出荷量および累積入荷量を特定し、
特定した前記第1の製品の出荷量および累積入荷量と、前記登録認可要求に含まれる前記第1の製品の入荷量とに基づいて、前記第1の履歴の登録の許否を判定し、
前記第1の履歴の登録を許可すると判定した場合、前記登録認可要求に対して、前記第1の製品の出荷時に記録された履歴の識別情報を含む許可応答を出力する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする管理方法。
【請求項7】
出荷された第1の製品の識別情報と、入荷された前記第1の製品の入荷量とを含む、前記第1の製品の入荷にともなう第1の履歴の登録認可要求を受け付け、
製品の識別情報と対応付けて、前記製品の出荷量および累積入荷量を記憶する記憶部を参照して、前記登録認可要求に含まれる前記第1の製品の識別情報に対応する前記第1の製品の出荷量および累積入荷量を特定し、
特定した前記第1の製品の出荷量および累積入荷量と、前記登録認可要求に含まれる前記第1の製品の入荷量とに基づいて、前記第1の履歴の登録の許否を判定し、
前記第1の履歴の登録を許可すると判定した場合、前記登録認可要求に対して、前記第1の製品の出荷時に記録された履歴の識別情報を含む許可応答を出力する、
制御部を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理プログラム、管理方法、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、サプライチェーンのトレーサビリティ管理により、データやモノの生成、加工などの過程を遡って確認できるようになってきている。トレーサビリティ管理において、例えば、加工や出荷などの個々の過程は履歴として記録される。また、履歴を連結したものが来歴として管理される。正しい来歴は、安心感を生み、サプライチェーンの信頼性の向上につながる。
【0003】
先行技術としては、例えば、サプライチェーン内の製品上に置かれるユニークな識別子とデジタル的に保護された電子タイトル(DSETs)により特徴付けられるシステムがある。このDSETsは、サプライチェーン内で製品の移送の際に交換され、電子レジストリ内で追跡される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、製品が出荷後に不定数に分けて入荷(分納)される場合、履歴の連結を正しく行うことができず、トレーサビリティを確保することが難しい。
【0006】
一つの側面では、本発明は、製品が出荷後に分納される場合の履歴の連結を正しく行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの実施態様では、出荷された第1の製品の識別情報と、入荷された前記第1の製品の入荷量とを含む、前記第1の製品の入荷にともなう第1の履歴の登録認可要求を受け付け、製品の識別情報と対応付けて、前記製品の出荷量および累積入荷量を記憶する記憶部を参照して、前記登録認可要求に含まれる前記第1の製品の識別情報に対応する前記第1の製品の出荷量および累積入荷量を特定し、特定した前記第1の製品の出荷量および累積入荷量と、前記登録認可要求に含まれる前記第1の製品の入荷量とに基づいて、前記第1の履歴の登録の許否を判定し、前記第1の履歴の登録を許可すると判定した場合、前記登録認可要求に対して、前記第1の製品の出荷時に記録された履歴の識別情報を含む許可応答を出力する、管理プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によれば、製品が出荷後に分納される場合の履歴の連結を正しく行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態にかかる管理方法の一実施例を示す説明図である。
【
図3】
図3は、トレーサビリティ管理システム300のシステム構成例を示す説明図である。
【
図4】
図4は、認可判定装置301のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、認可ルールテーブル320の記憶内容の一例を示す説明図(その1)である。
【
図6】
図6は、認可判定装置301の機能的構成例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、トレーサビリティ管理システム300の動作例を示す説明図である。
【
図8】
図8は、エンドポイント情報800の具体例を示す説明図である。
【
図10】
図10は、認証用管理情報の具体例を示す説明図である。
【
図11】
図11は、クライアント装置304の出荷処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、クライアント装置304の入荷処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、履歴登録装置302の履歴登録処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
【
図14】
図14は、履歴登録装置302の履歴登録処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
【
図15】
図15は、認可判定装置301の第1の認可判定処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、認可ルールテーブル320の記憶内容の一例を示す説明図(その2)である。
【
図19】
図19は、認可判定装置301の第2の認可判定処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
【
図20】
図20は、認可判定装置301の第2の認可判定処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
【
図21】
図21は、認可判定装置301の異常検知用タイマ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、本発明にかかる管理プログラム、管理方法、および情報処理装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかる管理方法の一実施例を示す説明図である。
図1において、情報処理装置101は、履歴の連結を制御するコンピュータである。履歴は、ある製品(データ、モノなど)について、出荷、入荷、加工などの個々の過程を表す情報である。履歴の連結とは、履歴同士を関連付けることである。
【0012】
履歴は、例えば、サプライチェーンのトレーサビリティを確保するために記録される。サプライチェーンは、ある製品が原料の段階から消費者に至るまでの全過程のつながりを表すものである。サプライチェーンにおいて、履歴を連結したものが来歴として管理される。
【0013】
各履歴は、例えば、履歴ID、前段の履歴IDを含む。履歴IDは、履歴を一意に識別する識別子である。前段の履歴IDは、他の履歴と関連付ける際に指定される連結先の履歴IDである。また、各履歴には、任意の付加情報(例えば、key,valueのペア)が含まれる。付加情報としては、組織名、製造工程名、ロット番号などがある。
【0014】
図2は、履歴の連結例を示す説明図である。
図2において、来歴200は、履歴201~206を連結したものである。履歴201は、来歴200の始点となる最初に登録された履歴である。履歴202の前段として、履歴201の履歴ID「a1」を指定することで、履歴201の後段に履歴202が連結される。
【0015】
履歴203の前段として、履歴202の履歴ID「a2」を指定することで、履歴202の後段に履歴203が連結される。また、履歴204の前段として、履歴202の履歴ID「a2」を指定することで、履歴202の後段に履歴204が連結される。複数の履歴が同一の履歴IDを前段として指定することで、点線円210のような分岐を表現することができる。例えば、履歴203,204のモノが、同一材料(履歴202)由来のものである場合などに分岐が現れる。
【0016】
また、履歴206の前段として、履歴204の履歴ID「a32」および履歴205の履歴ID「x3」を指定することで、履歴204,205それぞれの後段に履歴206が連結される。1つの履歴が複数の履歴IDを前段として指定することで、点線円220のような合流を表現することができる。例えば、履歴206のモノが、複数の材料(履歴204,205)由来のものである場合などに合流が現れる。
【0017】
正しい来歴(例えば、来歴200)は、安心感を生み、サプライチェーンの信頼性を向上させるものとなる。ところが、製品によっては、出荷後に不定数に分けて入荷(分納)される場合がある。例えば、出荷元から20kLの牛乳がトラックで出荷された後、出荷先の製造計画(用途)やタンクの空き状況などによって、複数のタンクに小分けして入荷される場合がある。
【0018】
従来技術では、このように分納される製品について、履歴の連結を正しく行うことができない。例えば、各製品に割り当てたシリアル番号をもとに、受け渡し製品の真正性を検証する従来技術がある。しかし、液体などは製品自体に番号を打つことができない。また、番号管理のために製品(例えば、20kLの牛乳)を出荷の段階で小分けすることも考えられるが、コストの増大を招く。さらに、出荷の段階では、出荷先でいくつに分けられるのかわからないことが多い。
【0019】
また、製造元が割り当てたアクセストークンをもとに、履歴の登録を許可する従来技術がある。しかし、出荷先に対して正当なアクセストークンが一度割り当てられると、出荷先からの履歴登録の要求は何回でも許可されてしまう。このため、従来技術では、履歴の登録を許可する回数を分納数分に限定することができず、履歴の連結を正しく行うことができない。
【0020】
そこで、本実施の形態では、製品が出荷後に分納される場合であっても、履歴の連結を正しく行うことを可能にする管理方法について説明する。ここで、情報処理装置101の処理例(下記(1)~(4)に対応)について説明する。
【0021】
(1)情報処理装置101は、第1の履歴の登録認可要求を受け付ける。ここで、第1の履歴は、第1の製品の入荷にともなう履歴である。第1の履歴の登録認可要求は、出荷元から出荷された第1の製品の識別情報と、入荷された第1の製品の入荷量とを含む。第1の履歴の登録認可要求は、例えば、出荷先(入荷側)による履歴の登録要求に応じて行われる。
【0022】
第1の製品は、分納可能な製品である。分納とは、出荷された製品を2以上の不定数に分けて入荷することである。第1の製品は、例えば、液体、ゲル、粉末、気体などの管理番号を直接割り当てられないような製品である。また、第1の製品は、ネジ、釘などの管理番号を一つ一つに割り当てることが難しいものであってもよい。
【0023】
図1の例では、出荷元のA社(酪農業者)から20kLの牛乳がトラック102で出荷された後に、B社(乳製品業者)のタンク103に8kL分の牛乳が入荷されたとする。タンク103は、ライン1用のタンクであり、バターの生産に用いられる。B社には、タンク103以外を含む複数のタンクがある。例えば、タンク104は、ライン2用のタンクであり、チーズの生産に用いられる。
【0024】
この場合、情報処理装置101は、8kL分の牛乳の入荷にともなう履歴の登録認可要求120を受け付ける。登録認可要求120には、出荷元のA社から出荷された牛乳の識別情報「n1」と、B社に入荷された牛乳の入荷量「8kL」とが含まれる。牛乳の識別情報「n1」は、B社における入荷処理の際に取得される。
【0025】
(2)情報処理装置101は、記憶部110を参照して、第1の製品の出荷量および累積入荷量を特定する。記憶部110は、製品の識別情報と対応付けて、製品の出荷量および累積入荷量を記憶する。製品の出荷量は、出荷元から出荷された製品の総量である。製品の出荷量は、例えば、出荷元により製品の識別情報と対応付けて登録される。
【0026】
製品の累積入荷量は、入荷された製品の入荷量を累積した値である。製品の累積入荷量は、初期状態では「0」である。情報処理装置101は、記憶部110を参照して、受け付けた登録認可要求に含まれる第1の製品の識別情報に対応する第1の製品の出荷量および累積入荷量を特定する。
【0027】
図1の例では、登録認可要求120に含まれる牛乳(第1の製品)の識別情報「n1」に対応する、牛乳の出荷量「20kL」および累積入荷量「0kL」が特定された場合を想定する。
【0028】
(3)情報処理装置101は、特定した第1の製品の出荷量および累積入荷量と、登録認可要求に含まれる第1の製品の入荷量とに基づいて、第1の履歴の登録の許否を判定する。具体的には、例えば、情報処理装置101は、第1の製品の累積入荷量と第1の製品の入荷量との合算値が第1の製品の出荷量以下であるか否かを判断する。
【0029】
ここで、第1の製品の出荷量以下の場合、情報処理装置101は、第1の履歴の登録を許可すると判定する。そして、情報処理装置101は、記憶部110に記憶された第1の製品の累積入荷量を合算値に更新する。一方、第1の製品の出荷量より大きい場合、情報処理装置101は、第1の履歴の登録を許可しないと判定する。
【0030】
図1の例では、牛乳(第1の製品)の累積入荷量「0kL」と、登録認可要求120に含まれる牛乳の入荷量「8kL」との合算値は、「8kL」である。このため、情報処理装置101は、第1の履歴の登録を許可すると判定する。この場合、情報処理装置101は、記憶部110に記憶された牛乳の累積入荷量を「8kL」に更新する。
【0031】
(4)情報処理装置101は、第1の履歴の登録を許可すると判定した場合、登録認可要求に対して、第1の製品の出荷時に記録された履歴の識別情報を含む許可応答を出力する。記憶部110は、例えば、製品の識別情報と対応付けて、製品の出荷時に記録された履歴の識別情報を記憶していてもよい。
【0032】
この場合、情報処理装置101は、記憶部110を参照して、第1の製品の識別情報から、第1の製品の出荷時に記録された履歴の識別情報を特定する。ただし、情報処理装置101は、履歴を管理するデータベース(例えば、後述の
図3に示すデータベース303)を参照して、第1の製品の識別情報をキーとして、第1の製品の出荷時に記録された履歴の識別情報を特定してもよい。
【0033】
図1の例では、情報処理装置101は、第1の履歴の登録を許可すると判定したため、登録認可要求120に対して、牛乳(第1の製品)の出荷時に記録された履歴の識別情報を含む許可応答130を出力する。ここでは、牛乳(第1の製品)の出荷時に記録された履歴の識別情報を「a3」とする。
【0034】
このように、情報処理装置101によれば、製品の出荷後に2以上の不定数に分納される場合であっても、履歴の連結を正しく行うことを可能にすることができる。例えば、情報処理装置101は、出荷された製品について、累積入荷量が出荷量を超えない範囲で履歴の登録を許可することができる。
【0035】
図1の例では、情報処理装置101は、A社から出荷された牛乳の累積入荷量が出荷量を超えない範囲で履歴の登録を許可することができる。例えば、B社は、第1の履歴を登録するにあたり、許可応答130に含まれる履歴の識別情報「a3」を前段に指定することで、牛乳の出荷時に記録された履歴に連結して、第1の履歴(バター用履歴)を登録することができる。これにより、情報処理装置101は、A社から出荷された牛乳がB社で分納される場合であっても、履歴の連結を正しく行って、トレーサビリティを確保することが可能となる。
【0036】
(トレーサビリティ管理システム300のシステム構成例)
つぎに、
図1に示した情報処理装置101を含むトレーサビリティ管理システム300のシステム構成例について説明する。ここでは、
図1に示した情報処理装置101を、トレーサビリティ管理システム300内の認可判定装置301に適用した場合を例に挙げて説明する。トレーサビリティ管理システム300は、例えば、サプライチェーンのトレーサビリティ管理を行うコンピュータシステムに適用される。
【0037】
図3は、トレーサビリティ管理システム300のシステム構成例を示す説明図である。
図3において、トレーサビリティ管理システム300は、認可判定装置301と、履歴登録装置302と、データベース303と、複数のクライアント装置304と、を含む。トレーサビリティ管理システム300において、認可判定装置301、履歴登録装置302、データベース303およびクライアント装置304は、有線または無線のネットワーク310を介して接続される。ネットワーク310は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などである。
【0038】
ここで、認可判定装置301は、認可ルールテーブル320を有し、履歴の登録を許可するか否かを判定するコンピュータである。履歴は、例えば、
図2に示したように履歴ID、前段の履歴ID、その他事項を含み、サプライチェーンのトレーサビリティを確保するために記録される。履歴を連結したものは、来歴として管理される。
【0039】
認可ルールテーブル320の記憶内容については、例えば、
図5を用いて後述する。
【0040】
履歴登録装置302は、データベース303に履歴を登録するコンピュータである。データベース303は、履歴を記憶する。データベース303は、例えば、分散型データベースである。データベース303は、例えば、ブロックチェーンにより実現されてもよく、また、リレーショナルデータベースにより実現されてもよい。
【0041】
認可判定装置301、履歴登録装置302およびデータベース303は、例えば、クラウド(クラウドコンピューティング)CLにより実現される。認可判定装置301および履歴登録装置302は、例えば、クラウドCL上の物理サーバによって実現されてもよく、また、クラウドCL上の仮想マシンやコンテナによって実現されてもよい。データベース303は、例えば、クラウドCL上の1または複数の物理サーバによって実現される。
【0042】
クライアント装置304は、トレーサビリティ管理システム300のユーザが使用するコンピュータである。ユーザは、例えば、製品の出荷元となるユーザや、製品の出荷先となるユーザである。クライアント装置304は、例えば、PC(Personal Computer)、タブレットPCなどである。
【0043】
トレーサビリティ管理システム300において、履歴登録装置302は、クライアント装置304からの履歴登録要求に応じて、認可判定装置301に履歴認可要求を送信する。この結果、履歴登録装置302は、認可判定装置301から許可応答を受信した場合、データベース303に履歴を登録する。一方、履歴登録装置302は、認可判定装置301から拒否応答を受信した場合、データベース303に履歴を登録しない。
【0044】
履歴登録要求、履歴認可要求、許可応答および拒否応答についての詳細な説明は、
図6を用いて後述する。
【0045】
なお、
図3の例では、認可判定装置301と履歴登録装置302とを別体に設けることにしたが、これに限らない。例えば、履歴登録装置302は、認可判定装置301により実現されることにしてもよい。また、
図3の例では、認可判定装置301および履歴登録装置302を1台のみ表示したが、これに限らない。例えば、トレーサビリティ管理システム300には、複数の認可判定装置301や複数の履歴登録装置302が含まれていてもよい。
【0046】
(認可判定装置301のハードウェア構成例)
つぎに、認可判定装置301のハードウェア構成例について説明する。
【0047】
図4は、認可判定装置301のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図4において、認可判定装置301は、CPU(Central Processing Unit)401と、メモリ402と、ディスクドライブ403と、ディスク404と、通信I/F(Interface)405と、可搬型記録媒体I/F406と、可搬型記録媒体407と、を有する。また、各構成部は、バス400によってそれぞれ接続される。
【0048】
ここで、CPU401は、認可判定装置301の全体の制御を司る。CPU401は、複数のコアを有していてもよい。メモリ402は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMがOSのプログラムを記憶し、ROMがアプリケーションプログラムを記憶し、RAMがCPU401のワークエリアとして使用される。メモリ402に記憶されるプログラムは、CPU401にロードされることで、コーディングされている処理をCPU401に実行させる。
【0049】
ディスクドライブ403は、CPU401の制御に従ってディスク404に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク404は、ディスクドライブ403の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク404としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
【0050】
通信I/F405は、通信回線を通じてネットワーク310に接続され、ネットワーク310を介して外部のコンピュータ(例えば、
図3に示した履歴登録装置302)に接続される。そして、通信I/F405は、ネットワーク310と装置内部とのインターフェースを司り、外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。通信I/F405には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0051】
可搬型記録媒体I/F406は、CPU401の制御に従って可搬型記録媒体407に対するデータのリード/ライトを制御する。可搬型記録媒体407は、可搬型記録媒体I/F406の制御で書き込まれたデータを記憶する。可搬型記録媒体407としては、例えば、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。
【0052】
なお、認可判定装置301は、上述した構成部のほかに、例えば、入力装置、ディスプレイなどを有することにしてもよい。また、認可判定装置301は、上述した構成部のうち、例えば、可搬型記録媒体I/F406、可搬型記録媒体407を有さないことにしてもよい。また、
図3に示した履歴登録装置302、クライアント装置304についても、認可判定装置301と同様のハードウェア構成により実現することができる。ただし、クライアント装置304は、上述した構成部のほかに、例えば、入力装置、ディスプレイなどを有する。
【0053】
(認可ルールテーブル320の記憶内容)
つぎに、
図5を用いて、認可判定装置301が有する認可ルールテーブル320の記憶内容について説明する。認可ルールテーブル320は、例えば、メモリ402、ディスク404などの記憶装置により実現される。
【0054】
図5は、認可ルールテーブル320の記憶内容の一例を示す説明図(その1)である。
図5において、認可ルールテーブル320は、荷札ID、出荷量、履歴IDおよび累積入荷量のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、認可ルール(例えば、認可ルール500-1,500-2)をレコードとして記憶する。
【0055】
ここで、荷札IDは、出荷元から出荷された製品を一意に識別する識別情報である。出荷量は、出荷元から出荷された製品の総量である。履歴IDは、出荷元により製品の出荷時に記録された履歴の履歴IDである。累積入荷量は、入荷された製品の入荷量を累積した値である。累積入荷量は、初期状態では「0」である。
【0056】
例えば、認可ルール500-1は、荷札ID「n1」の製品について、出荷量「20kL」、履歴ID「a3」および累積入荷量「0kL」を示す。
【0057】
認可ルールは、製品の入荷にともなう履歴の登録の許否を判定する際に用いられる情報である。認可ルールは、例えば、製品の出荷元によって登録される。なお、累積入荷量は、例えば、荷札IDと対応付けて、認可ルール(荷札ID、出荷量、履歴ID)とは別に管理されてもよい。
【0058】
(認可判定装置301の機能的構成例)
つぎに、認可判定装置301の機能的構成例について説明する。
【0059】
図6は、認可判定装置301の機能的構成例を示すブロック図である。
図6において、認可判定装置301は、受付部601と、特定部602と、判定部603と、出力部604と、記憶部610とを含む。受付部601~出力部604は制御部600となる機能であり、具体的には、例えば、
図4に示したメモリ402、ディスク404、可搬型記録媒体407などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU401に実行させることにより、または、通信I/F405により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、メモリ402、ディスク404などの記憶装置に記憶される。また、記憶部610は、メモリ402、ディスク404などの記憶装置により実現される。具体的には、例えば、記憶部610は、認可ルールテーブル320を記憶する。
【0060】
受付部601は、履歴認可要求を受け付ける。ここで、履歴認可要求は、第1の履歴の登録を許可するよう要求するものである(登録認可要求)。例えば、
図1に示した登録認可要求120は、履歴認可要求に対応する。第1の履歴は、第1の製品の入荷にともなう履歴である。
【0061】
第1の製品は、例えば、液体、ゲル、粉末、気体などの分納可能な製品である。履歴認可要求は、例えば、荷札IDと入荷量とを含む。荷札IDは、出荷元から出荷された第1の製品の識別情報である。入荷量は、入荷側(出荷先)に入荷された第1の製品の入荷量である。
【0062】
入荷側(出荷先)は、例えば、出荷元と同じサプライチェーンに属する、出荷元とは異なる企業である。ただし、出荷元および入荷側(出荷先)は、例えば、同一企業内の異なる拠点同士やライン同士であってもよい。
【0063】
具体的には、例えば、受付部601は、履歴登録装置302(
図3参照)から履歴認可要求を受信することにより、履歴認可要求を受け付ける。より詳細に説明すると、例えば、第1の製品が入荷(分納)されると、入荷側(出荷先)のクライアント装置304(
図3参照)において入荷処理が行われる。
【0064】
入荷処理では、例えば、第1の製品の荷札ID、出荷元および入荷量が取得される。入荷側(出荷先)のクライアント装置304は、荷札ID、出荷元および入荷量を取得すると、履歴登録装置302に履歴登録要求を送信する。履歴登録要求には、例えば、第1の製品の荷札ID、出荷元および入荷量が含まれる。なお、荷札IDは、例えば、出荷元において付与されてもよく、また、トレーサビリティ管理システム300により割り当てられてもよい。
【0065】
履歴登録装置302は、履歴登録要求を受信すると、第1の製品の荷札IDおよび入荷量を含む履歴認可要求を認可判定装置301に送信する。第1の製品の荷札IDおよび入荷量は、履歴登録要求に含まれる。この結果、認可判定装置301において、受付部601が履歴認可要求を受け付ける。
【0066】
特定部602は、記憶部610を参照して、受け付けた履歴認可要求に含まれる第1の製品の荷札IDに対応する第1の製品の出荷量および累積入荷量を特定する。ここで、記憶部610は、製品の荷札IDと対応付けて、製品の出荷量および累積入荷量を記憶する。また、記憶部610は、製品の荷札IDと対応付けて、製品の出荷時に記録された履歴の履歴IDをさらに記憶していてもよい。
【0067】
具体的には、例えば、特定部602は、
図5に示した認可ルールテーブル320を参照して、受け付けた履歴認可要求に含まれる荷札IDに対応する認可ルール(認可用エントリ)を特定する。そして、特定部602は、特定した認可ルールを参照して、第1の製品の出荷量および累積入荷量を特定する。
【0068】
判定部603は、特定された第1の製品の出荷量および累積入荷量と、履歴認可要求に含まれる第1の製品の入荷量とに基づいて、第1の履歴の登録の許否を判定する。具体的には、例えば、判定部603は、特定された第1の製品の累積入荷量と、履歴認可要求に含まれる第1の製品の入荷量との合算値を算出する。
【0069】
つぎに、判定部603は、算出した合算値が、特定された第1の製品の出荷量以下であるか否かを判断する。ここで、第1の製品の出荷量以下の場合、判定部603は、第1の履歴の登録を許可すると判定する。一方、第1の製品の出荷量より大きい場合、判定部603は、第1の履歴の登録を許可しないと判定する。
【0070】
また、判定部603は、第1の履歴の登録を許可すると判定した場合、記憶部610に記憶された第1の製品の累積入荷量を合算値に更新する。より詳細に説明すると、例えば、判定部603は、認可ルールテーブル320内の特定された認可ルールの累積入荷量を合算値に更新する。なお、特定された認可ルールは、履歴認可要求に含まれる荷札IDに対応する認可ルールである。
【0071】
これにより、判定部603は、第1の製品について、累積入荷量が出荷量に達するまで履歴の登録を許可することができる。
【0072】
出力部604は、第1の履歴の登録を許可すると判定された場合、履歴認可要求に対して、第1の履歴の登録を許可する旨の許可応答を出力する。許可応答には、第1の製品の出荷時に記録された履歴の履歴IDが含まれる。第1の製品の出荷時に記録された履歴の履歴IDは、例えば、記憶部610から特定される。
【0073】
また、出力部604は、第1の履歴の登録を許可しないと判定された場合、履歴認可要求に対して、第1の履歴の登録を許可しない旨の拒否応答を出力する。出力部604の出力形式としては、例えば、メモリ402、ディスク404などの記憶装置への記憶、通信I/F405による他のコンピュータへの送信などがある。
【0074】
具体的には、例えば、出力部604は、第1の履歴の登録を許可すると判定された場合、認可ルールテーブル320を参照して、受け付けた履歴認可要求に含まれる第1の製品の荷札IDに対応する履歴IDを特定する。そして、出力部604は、特定した履歴IDを含む許可応答を履歴登録装置302に送信する。
【0075】
この結果、履歴登録装置302により、例えば、
図3に示したデータベース303への第1の履歴の登録が行われる。第1の履歴は、許可応答に含まれる履歴IDを前段に指定することで、第1の製品の出荷時に記録された履歴に連結してデータベース303に登録される。第1の履歴等の具体例については、
図10を用いて後述する。
【0076】
一方、出力部604は、第1の履歴の登録を許可しないと判定された場合、履歴登録装置302に拒否応答を送信する。この場合、履歴登録装置302による第1の履歴の登録は行われない。この際、出力部604は、例えば、出荷元のクライアント装置304に異常通知を送信してもよい。異常通知には、例えば、荷札IDが含まれる。
【0077】
これにより、出力部604は、第1の製品について、登録が拒否された履歴の登録要求が行われたことを出荷元の管理者などに通知することができる。なお、第1の製品の出荷時に記録された履歴の履歴IDは、例えば、出荷元の組織名や第1の製品の荷札IDなどをキーとしてデータベース303から特定されてもよい。
【0078】
また、判定部603は、第1の履歴の登録を許可すると判定した場合、算出した合算値と第1の製品の出荷量とに基づいて、第1の製品のうち入荷されていない残量があるか否かを判断してもよい。具体的には、例えば、判定部603は、算出した合算値が第1の製品の出荷量未満の場合に、残量があると判断する。一方、判定部603は、算出した合算値が第1の製品の出荷量以上の場合に、残量がないと判断する。
【0079】
そして、判定部603は、残量があると判定した場合、履歴認可要求を受け付けてから所定時間経過するまでに、第1の製品について新たな履歴認可要求を受け付けなかった場合、第1の製品の納品異常を検知してもよい。所定時間は、任意に設定可能である。
【0080】
例えば、分納が同一工場内や隣接敷地間で行われる場合、各分納の時間間隔は、一定時間以内に収まることが想定される。所定時間は、例えば、各分納の時間間隔を考慮して設定される。例えば、分納が同一工場内で行われるとすると、所定時間は、30分程度に設定される。
【0081】
また、出力部604は、第1の製品の納品異常が検知された場合、第1の製品の出荷元に対して、第1の製品の納品異常を検知した旨の異常通知を送信してもよい。異常通知は、第1の製品の累積入荷量が第1の製品の出荷量に達していないことを示す。異常通知には、例えば、荷札IDが含まれる。
【0082】
これにより、出力部604は、第1の製品について、出荷した製品の一部が顧客に納品されなかったことを出荷元の管理者などに通知することができる。
【0083】
なお、第1の製品の納品異常を検知する際の具体的な処理内容については、
図16および
図17を用いて後述する。また、第1の製品の納品異常を検知した旨の異常通知の具体例については、
図18を用いて後述する。
【0084】
また、判定部603は、残量がないと判断した際に、算出した合算値が第1の製品の出荷量より大きい場合、第1の製品の納品異常を検知してもよい。そして、出力部604は、第1の製品の出荷元に対して、第1の製品の納品異常を検知した旨の異常通知を送信してもよい。この異常通知は、第1の製品の累積入荷量が第1の製品の出荷量を超えていることを示す。
【0085】
これにより、出力部604は、第1の製品について出荷量よりも多い入荷が行われたことを出荷元の管理者などに通知することができる。ただし、判定部603は、合算値の超過分が、出荷量全体の1%未満などの誤差程度の場合には、第1の製品の納品異常を検知しなくてもよい。
【0086】
なお、上述した認可判定装置301の機能部(受付部601~出力部604)は、例えば、トレーサビリティ管理システム300内の複数のコンピュータ(例えば、認可判定装置301、履歴登録装置302)により実現されてもよい。
【0087】
(トレーサビリティ管理システム300の動作例)
つぎに、トレーサビリティ管理システム300の動作例について説明する。
【0088】
図7は、トレーサビリティ管理システム300の動作例を示す説明図である。
図7において、トレーサビリティサービス提供者700は、認可判定装置301と履歴登録装置302とデータベース303とを含む。トレーサビリティサービス提供者700は、サプライチェーンにおけるトレーサビリティサービスを提供する事業者である。
【0089】
ここでは、第1の製品を「牛乳」とし、出荷側から20kLの牛乳がトラック701で出荷された場合を想定する。また、出荷側(出荷元)を「A社」とし、入荷側を「B社」とする。また、出荷側のクライアント装置304を「クライアント装置304-1」と表記し、入荷側のクライアント装置304を「クライアント装置304-2」と表記する。
【0090】
この場合、クライアント装置304-1は、出荷処理を行う。出荷処理では、例えば、出荷された牛乳(第1の製品)の荷札ID「n1」、出荷量「20kL」および履歴ID「a3」が取得される。履歴ID「a3」は、履歴R1の履歴IDである。履歴R1は、20kLの牛乳が出荷された際に記録された履歴である。なお、各履歴の履歴IDは、例えば、データベース303により付与される。
【0091】
荷札ID「n1」および出荷量「20kL」は、例えば、荷札703を読み取ることにより取得される。荷札703は、例えば、出荷元、荷札ID、出荷量などが2次元コードによって記録された札である。2次元コードは、例えば、QR(Quick Response)コードである。QRコードは、登録商標である。
【0092】
荷札703は、例えば、トラック701に貼付されていてもよく、また、トラック701のドライバーが有していてもよい。なお、クライアント装置304-1は、荷札703の発行時に、荷札703に記録される荷札ID「n1」および出荷量「20kL」を取得してもよい。
【0093】
履歴ID「a3」は、例えば、不図示の入力装置を用いたユーザの操作入力により取得される。ユーザは、例えば、製造ライン702の担当者である。製造ライン702は、牛乳を製造するラインである。また、履歴ID「a3」は、例えば、出荷元の組織名「A社」や荷札ID「n1」などをキーとしてデータベース303から取得されてもよい。
【0094】
また、クライアント装置304-1は、牛乳(第1の製品)の出荷にともなって、認可ルールの登録を行う。具体的には、例えば、クライアント装置304-1は、認可判定装置301に要求することにより、認可ルールテーブル320への認可用エントリの登録を行う。認可用エントリには、履歴ID「a3」、出荷量「20kL」および荷札ID「n1」が含まれる。
【0095】
この結果、認可判定装置301において、新たな認可ルール(例えば、認可ルール500-1)がレコードとして認可ルールテーブル320に記憶される。ただし、認可ルールに含まれる累積入荷量は、初期状態では「0」である。
【0096】
クライアント装置304-2は、牛乳(第1の製品)が入荷されると、入荷処理を行う。ここでは、出荷された20kLの牛乳うち、8kL分の牛乳がタンク704(バター用)に入荷された場合を想定する。入荷処理では、例えば、入荷された牛乳の荷札ID「n1」、出荷元「A社」および入荷量「8kL」が取得される。
【0097】
荷札ID「n1」および出荷元「A社」は、例えば、読取装置705によって荷札703を読み取ることにより取得される。入荷量「8kL」は、例えば、不図示の入力装置を用いたユーザの操作入力により取得される。ユーザは、例えば、入荷側(B社)の担当者である。
【0098】
クライアント装置304-2は、荷札ID「n1」、出荷元「A社」および入荷量「8kL」を取得すると、履歴登録装置302に履歴登録要求711を送信する。履歴登録要求711は、8kL分の牛乳の入荷にともなう履歴(第1の履歴)の登録を要求するものである。履歴登録要求711には、荷札ID「n1」、出荷元「A社」および入荷量「8kL」が含まれる。
【0099】
履歴登録装置302は、履歴登録要求711を受信すると、認可判定装置301に履歴認可要求712を送信する。履歴認可要求712は、履歴(第1の履歴)の登録を許可するよう要求するものである。履歴認可要求712には、荷札ID「n1」および入荷量「8kL」が含まれる。ただし、トレーサビリティ管理システム300には、複数の認可判定装置301が含まれる場合がある。
【0100】
複数の認可判定装置301には、例えば、それぞれ異なる出荷元の認可ルールが記憶される。この場合、履歴登録装置302は、例えば、
図8に示すようなエンドポイント情報800を参照して、出荷元に対応する認可判定装置301を特定してもよい。
【0101】
図8は、エンドポイント情報800の具体例を示す説明図である。
図8において、エンドポイント情報800は、出荷元とURLとを対応付けて表す情報である。URLは、出荷元に対応する認可判定装置301にアクセスするためのアドレス情報である。
【0102】
ここでは、履歴登録装置302は、エンドポイント情報800を参照して、出荷元「A社」に対応するURL「URLa」を特定する。履歴登録装置302は、特定したURL「URLa」を指定することにより、出荷元「A社」に対応する認可判定装置301にアクセスすることができる。
【0103】
認可判定装置301は、履歴認可要求712を受信すると、認可判定処理を行う。具体的には、例えば、認可判定装置301は、認可ルールテーブル320(
図5参照)を参照して、受け付けた履歴認可要求712に含まれる荷札ID「n1」に対応する認可ルール500-1を特定する。そして、認可判定装置301は、特定した認可ルール500-1を参照して、牛乳(第1の製品)の出荷量「20kL」および累積入荷量「0kL」を特定する。
【0104】
つぎに、認可判定装置301は、特定した累積入荷量「0kL」と、履歴認可要求712に含まれる入荷量「8kL」との合算値を算出する。ここでは、合算値は、「8kL」となる。そして、認可判定装置301は、算出した合算値「8kL」が、特定した出荷量「20kL」以下であるか否かを判断する。
【0105】
ここでは、合算値「8kL」が出荷量「20kL」以下である。このため、認可判定装置301は、8kL分の牛乳の入荷にともなう履歴(第1の履歴)の登録を許可すると判定する。この場合、認可判定装置301は、認可ルールテーブル320内の認可ルール500-1の累積入荷量を合算値「8kL」に更新する。
【0106】
そして、認可判定装置301は、許可応答713を履歴登録装置302に送信する。許可応答713は、履歴認可要求712に対して履歴(第1の履歴)の登録を許可する旨の応答である。許可応答713には、牛乳の出荷時に記録された履歴の履歴ID「a3」が含まれる。
【0107】
履歴登録装置302は、許可応答713を受信すると、許可応答713に含まれる履歴ID「a3」を前段の履歴IDに指定して、データベース303に履歴R2を登録する。履歴R2は、8kL分の牛乳の入荷にともなう履歴(第1の履歴)である。この結果、データベース303において、履歴R2が履歴R1と関連付けて記録される。
【0108】
このように、トレーサビリティ管理システム300によれば、製品が不定数に分けて分納される場合であっても、履歴の連結を正しく行うことができる。
【0109】
(履歴の具体例)
つぎに、データベース303に記録される履歴の具体例について説明する。
【0110】
図9は、履歴の具体例を示す説明図である。
図9において、来歴900は、履歴R1~R3を含む。履歴R1は、A社から20kLの牛乳が出荷された際に記録された履歴である。履歴R2は、B社においてバター用の牛乳が入荷された際に、履歴R1の履歴ID「a3」を前段の履歴IDに指定して登録された履歴である。履歴R3は、B社においてチーズ用の牛乳が入荷された際に、履歴R1の履歴ID「a3」を前段の履歴IDに指定して登録された履歴である。
【0111】
各履歴R1~R3は、履歴ID、前段、組織および工程の情報を含む。履歴IDは、履歴を一意に識別する識別子である。前段は、前段の履歴IDであり、他の履歴と関連付ける際に指定される連結先の履歴IDである。組織は、各履歴R1~R3を登録した組織の名称(組織名)である。工程は、各履歴R1~R3に対応する作業や処理である。
【0112】
ここでは、履歴R2の前段として、履歴R1の履歴ID「a3」を指定することで、履歴R1の後段に履歴R2が連結されている。また、履歴R3の前段として、履歴R1の履歴ID「a3」を指定することで、履歴R1の後段に履歴R3が連結されている。また、
図9の例では、履歴R1の前段を「…」と表記したが、履歴R1に前段の履歴が存在する場合、その履歴IDが指定される。
【0113】
なお、各履歴R1~R3に含まれる組織名は、履歴登録時に埋め込まれる。履歴登録装置302は、クライアント装置304から履歴登録要求(例えば、
図7に示した履歴登録要求711)を受信した際に、
図10に示すような認証用管理情報を用いて、クライアント装置304のユーザの認証を行って、組織名を取得してもよい。
【0114】
図10は、認証用管理情報の具体例を示す説明図である。
図10において、認証用管理情報1000は、IDと組織とパスワードとを対応付けて表す。IDは、ユーザを一意に識別する識別子である。組織は、ユーザが属する組織の名称(組織名)である。パスワードは、ユーザ認証用のパスワードである。
【0115】
例えば、履歴登録装置302は、クライアント装置304から履歴登録要求を受信した際に、IDとパスワードを要求する。履歴登録装置302は、クライアント装置304からIDとパスワードを受け付けると、認証用管理情報1000を参照して、受け付けたIDに対応するパスワードを特定する。
【0116】
ここで、特定したパスワードが、受け付けたパスワードと一致する場合、履歴登録装置302は、認証成功とし、受け付けたIDに対応する組織名を取得する。これにより、履歴登録装置302は、履歴登録要求元の組織名を取得することができる。一方、パスワードが一致しない場合には、履歴登録装置302は、認証失敗とし、履歴登録要求を拒否することにしてもよい。
【0117】
なお、履歴登録装置302は、パスワードの代わりにトークンを用いて認証を行うことにしてもよい。また、履歴登録装置302を組織別に設けた場合には、履歴登録装置302は、履歴登録処理の設定値として組織名を管理し、履歴登録時に組織名を埋め込むことにしてもよい。
【0118】
(トレーサビリティ管理システム300の各種処理手順)
つぎに、トレーサビリティ管理システム300の各種処理手順について説明する。まず、
図11を用いて、クライアント装置304の出荷処理手順について説明する。出荷処理は、例えば、出荷側(出荷元)のクライアント装置304により第1の製品の出荷時に実行される。
【0119】
図11は、クライアント装置304の出荷処理手順の一例を示すフローチャートである。クライアント装置304は、出荷された第1の製品の荷札ID、出荷量を取得する(ステップS1101)。つぎに、クライアント装置304は、第1の製品が出荷された際に記録された履歴の履歴IDを取得する(ステップS1102)。
【0120】
なお、第1の製品の出荷にともなう履歴の登録処理は、例えば、出荷処理の前に実行される。ただし、第1の製品の出荷にともなう履歴の登録処理は、ステップS1102において実行されてもよい。
【0121】
そして、クライアント装置304は、認可判定装置301に要求することにより、認可ルールテーブル320に認可用エントリを登録して(ステップS1103)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。認可用エントリには、取得された荷札ID、出荷量および履歴IDが含まれる。
【0122】
これにより、出荷側(出荷元)のクライアント装置304は、第1の製品の出荷時に、第1の製品の入荷にともなう履歴の登録の許否を判定する際に用いられる認可ルールを登録することができる。
【0123】
つぎに、
図12を用いて、クライアント装置304の入荷処理手順について説明する。入荷処理は、例えば、入荷側のクライアント装置304により第1の製品の入荷時に実行される。入荷処理は、第1の製品が不定数に分けて入荷(分納)される場合、その都度実行される。
【0124】
図12は、クライアント装置304の入荷処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12のフローチャートにおいて、まず、クライアント装置304は、入荷された第1の製品の荷札情報を取得する(ステップS1201)。荷札情報は、第1の製品の荷札ID、出荷元を含む。
【0125】
つぎに、クライアント装置304は、第1の製品の入荷量を取得する(ステップS1202)。そして、クライアント装置304は、履歴登録装置302に履歴登録要求を送信して(ステップS1203)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。履歴登録要求は、第1の製品の入荷にともなう履歴(第1の履歴)の登録を要求するものである。履歴登録要求には、荷札ID、出荷元および入荷量が含まれる。
【0126】
これにより、入荷側のクライアント装置304は、第1の製品の入荷時に、第1の製品の入荷にともなう履歴(第1の履歴)の登録を要求することができる。
【0127】
なお、製品の出荷にともなう履歴の登録時や、同一組織内(あるいは、同一拠点内、同一ライン内など)の履歴の登録時には、クライアント装置304は、例えば、荷札IDを含まない履歴登録要求を履歴登録装置302に送信する。また、同一組織内(あるいは、同一拠点内、同一ライン内など)の履歴の登録時には、クライアント装置304は、前段の履歴IDを指定した履歴登録要求を履歴登録装置302に送信してもよい。
【0128】
つぎに、
図13および
図14を用いて、履歴登録装置302の履歴登録処理手順について説明する。
【0129】
図13および
図14は、履歴登録装置302の履歴登録処理手順の一例を示すフローチャートである。
図13のフローチャートにおいて、まず、履歴登録装置302は、クライアント装置304から履歴登録要求を受信したか否かを判断する(ステップS1301)。ここで、履歴登録装置302は、履歴登録要求を受信するのを待つ(ステップS1301:No)。
【0130】
履歴登録装置302は、履歴登録要求を受信した場合(ステップS1301:Yes)、受信した履歴登録要求に荷札IDが含まれるか否かを判断する(ステップS1302)。ここで、荷札IDが含まれる場合(ステップS1302:Yes)、履歴登録装置302は、認可判定装置301に履歴認可要求を送信する(ステップS1303)。
【0131】
履歴認可要求は、履歴(第1の履歴)の登録を許可するよう要求するものである。履歴認可要求には、例えば、荷札IDおよび入荷量が含まれる。ただし、第1の製品が一括入荷(出荷量全量が納品)された場合、履歴登録装置302は、入荷量を含まない履歴認可要求を認可判定装置301に送信してもよい。
【0132】
つぎに、履歴登録装置302は、認可判定装置301から履歴認可要求に対する応答を受信したか否かを判断する(ステップS1304)。ここで、履歴登録装置302は、履歴認可要求に対する応答を受信するのを待つ(ステップS1304:No)。履歴登録装置302は、履歴認可要求に対する応答を受信した場合(ステップS1304:Yes)、受信した応答が許可応答であるか否かを判断する(ステップS1305)。
【0133】
ここで、許可応答の場合(ステップS1305:Yes)、履歴登録装置302は、許可応答に含まれる履歴IDを取得する(ステップS1306)。つぎに、履歴登録装置302は、取得した履歴IDを前段に指定した履歴を作成する(ステップS1307)。この履歴は、第1の製品の入荷にともなう履歴(第1の履歴)である。
【0134】
そして、履歴登録装置302は、作成した履歴をデータベース303に登録して(ステップS1308)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0135】
また、ステップS1305において、受信した応答が拒否応答の場合(ステップS1305:No)、履歴登録装置302は、履歴の登録が拒否されたことを示す登録エラーを出力して(ステップS1309)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。登録エラーの出力先は、履歴登録要求の要求元のクライアント装置304である。
【0136】
また、ステップS1302において、荷札IDが含まれない場合(ステップS1302:No)、履歴登録装置302は、
図14に示すステップS1401に移行する。
【0137】
図14のフローチャートにおいて、まず、履歴登録装置302は、前段指定ありか否かを判断する(ステップS1401)。前段指定ありとは、ステップS1301において受信された履歴登録要求に前段の履歴IDが指定されていることである。ここで、前段指定なしの場合(ステップS1401:No)、履歴登録装置302は、ステップS1403に移行する。
【0138】
一方、前段指定ありの場合(ステップS1401:Yes)、履歴登録装置302は、要求元組織と前段の登録組織とが同一か否かを判断する(ステップS1402)。要求元組織は、例えば、登録要求時の認証を行う際に取得された組織名から特定される。前段の登録組織は、例えば、前段として指定された履歴IDの履歴に記載されている組織名から特定される。
【0139】
ここで、要求元組織と前段の登録組織とが同一の場合(ステップS1402:Yes)、履歴登録装置302は、履歴を作成する(ステップS1403)。この際、履歴登録装置302は、前段指定ありの場合、前段の履歴IDを指定した履歴を作成する。そして、履歴登録装置302は、作成した履歴をデータベース303に登録して(ステップS1404)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0140】
一方、要求元組織と前段の登録組織とが異なる場合(ステップS1402:No)、履歴登録装置302は、履歴の登録が拒否されたことを示す登録エラーを出力して(ステップS1405)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。登録エラーの出力先は、履歴登録要求の要求元のクライアント装置304である。
【0141】
これにより、履歴登録装置302は、認可判定装置301による認可判定の結果に応じて、第1の製品の入荷にともなう履歴(第1の履歴)をデータベース303に登録することができる。また、履歴登録装置302は、出入荷以外の工程の履歴について、
図14に示したルート(一連の手順)を経ることで、自由に企業内に閉じた履歴連結を可能にすることができる。また、履歴登録装置302は、出荷時の履歴についても、例えば、
図14と同様の手順を経ることで登録を行うことができる。ただし、履歴登録装置302は、出荷時の履歴については、ステップS1402の処理をスキップしてもよい。
【0142】
つぎに、
図15を用いて、認可判定装置301の第1の認可判定処理手順について説明する。
【0143】
図15は、認可判定装置301の第1の認可判定処理手順の一例を示すフローチャートである。
図15のフローチャートにおいて、まず、認可判定装置301は、履歴登録装置302から、履歴認可要求を受信したか否かを判断する(ステップS1501)。ここで、認可判定装置301は、履歴認可要求を受信するのを待つ(ステップS1501:No)。
【0144】
認可判定装置301は、履歴認可要求を受信した場合(ステップS1501:Yes)、
図5に示した認可ルールテーブル320を参照して、履歴認可要求に含まれる荷札IDに対応する認可用エントリ(認可ルール)を特定する(ステップS1502)。つぎに、認可判定装置301は、認可用エントリが特定されたか否かを判断する(ステップS1503)。
【0145】
ここで、認可用エントリが特定された場合(ステップS1503:Yes)、認可判定装置301は、認可用エントリの累積入荷量と、履歴認可要求に含まれる入荷量とを合算することにより、累積入荷量を算出する(ステップS1504)。そして、認可判定装置301は、算出した累積入荷量が、認可用エントリの出荷量以下であるか否かを判断する(ステップS1505)。
【0146】
ここで、累積入荷量が出荷量以下の場合(ステップS1505:Yes)、認可判定装置301は、認可ルールテーブル320内の特定した認可用エントリ(認可ルール)の累積入荷量を、算出した累積入荷量に更新する(ステップS1506)。つぎに、認可判定装置301は、認可用エントリの履歴IDを含む許可応答を作成する(ステップS1507)。許可応答は、履歴認可要求に対して履歴(第1の履歴)の登録を許可する旨の応答である。
【0147】
そして、認可判定装置301は、作成した許可応答を履歴登録装置302に送信して(ステップS1508)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0148】
また、ステップS1503において、認可用エントリが特定されなかった場合(ステップS1503:No)、認可判定装置301は、ステップS1509に移行する。また、ステップS1505において、累積入荷量が出荷量より大きい場合(ステップS1505:No)、認可判定装置301は、履歴認可要求に対して履歴(第1の履歴)の登録を拒否する旨の拒否応答を作成する(ステップS1509)。
【0149】
そして、認可判定装置301は、作成した拒否応答を履歴登録装置302に送信して(ステップS1510)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。この際、認可判定装置301は、例えば、出荷元のクライアント装置304に対して異常通知を送信してもよい。
【0150】
これにより、認可判定装置301は、出荷された製品(第1の製品)について、累積入荷量が出荷量を超えない範囲で履歴の登録を許可することで、製品が分納される場合であっても、履歴の連結を正しく行うことを可能にすることができる。
【0151】
なお、認可判定装置301は、履歴認可要求に入荷量が含まれていない場合、出荷量全量が納品されたと判断して、1回の履歴の登録を許可することにしてもよい。これにより、認可判定装置301は、認可判定処理を簡略化して処理負荷を削減することができる。
【0152】
(実施例)
つぎに、認可判定装置301の実施例について説明する。ここでは、出荷された第1の製品の全量が納品されなかった場合に、それを納品異常として検知する認可判定装置301の具体的な処理内容について説明する。
【0153】
まず、
図16を用いて、分納間隔を含む認可ルールについて説明する。
【0154】
図16は、認可ルールテーブル320の記憶内容の一例を示す説明図(その2)である。
図16において、認可ルールテーブル320は、荷札ID、出荷量、履歴ID、累積入荷量、分納間隔および異常通知先のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、認可ルール(例えば、認可ルール1600-1,1600-2)をレコードとして記憶する。
【0155】
ここで、荷札ID、出荷量、履歴ID、累積入荷量の4項目は
図5と同じであり、説明を省略する。
【0156】
分納間隔は、製品を分納する際に許容される最大の時間間隔である。分納間隔としては、例えば、30分~1時間程度の時間が設定される。異常通知先は、納品異常が検知された際の異常通知の送信先である。異常通知先としては、例えば、製品の出荷元の担当者のアドレスが設定される。分納間隔、異常通知先は、例えば、認可ルールを登録するにあたり、製品の出荷元によって設定される。
【0157】
例えば、認可ルール1600-1は、荷札ID「n1」の製品について、出荷量「20kL」、履歴ID「a3」、累積入荷量「0kL」、分納間隔「m分」および異常通知先「URL1」を示す。
【0158】
つぎに、
図17を用いて、納品異常の検知例について説明する。ここでは、
図16に示した認可ルール1600-1を用いて、納品異常を検知する場合について説明する。
【0159】
図17は、納品異常の検知例を示す説明図である。
図16において、出荷元から20kLの牛乳(第1の製品)が出荷され、入荷側の同一工場内で分納される場合を想定する。時点T0は、20kLの牛乳(第1の製品)が出荷された時点を示す。
【0160】
ここで、時点T1において、入荷側における初回の入荷が行われ、履歴登録装置302から認可判定装置301に履歴認可要求が送信されたとする。初回の入荷では、8kLの牛乳が入荷され、認可判定装置301によって履歴の登録を許可すると判定された場合を想定する。
【0161】
認可判定装置301は、出荷された製品(20kLの牛乳)のうち入荷されていない残量があるか否かを判断する。初回の入荷では、累積入荷量が「8kL」であり、出荷量未満のため、認可判定装置301は、残量があると判断する。この場合、認可判定装置301は、時点T1から分納間隔m分が経過するまでに、次の登録認可要求を受け付けなかった場合、製品の納品異常を検知する。分納間隔mは、認可ルール1600-1から特定される。
【0162】
ここでは、時点T2において、入荷側における2回目の入荷が行われ、履歴登録装置302から認可判定装置301に履歴認可要求が送信されたとする。時点T2は、時点T1からm1分経過した時点とする。m1は、分納間隔m未満とする。この場合、製品の納品異常は検知されない。
【0163】
このあと、時点Tnにおいて、入荷側におけるn回目の入荷が行われ、履歴登録装置302から認可判定装置301に履歴認可要求が送信されたとする(nは、3以上の自然数)。ここでは、(n-1)回目までの入荷では、製品の納品異常が検知されなかったとする。また、n回目の入荷では、認可判定装置301によって履歴の登録を許可すると判定された場合を想定する。
【0164】
認可判定装置301は、出荷された製品(20kLの牛乳)のうち入荷されていない残量があるか否かを判断する。n回目の入荷では、累積入荷量が出荷量未満のため、残量があると判断された場合を想定する。この場合、認可判定装置301は、時点Tnから分納間隔m分が経過するまでに、次の登録認可要求を受け付けなかったら、製品の納品異常を検知する。
【0165】
ここでは、時点Tnから分納間隔m分が経過するまでに、(n+1)回目の登録認可要求を受け付けなかった場合を想定する。この場合、認可判定装置301は、例えば、時点Tnから分納間隔m分が経過した時点で、製品の納品異常を検知する。そして、認可判定装置301は、認可ルール1600-1を参照して、異常通知先「URL1」に対して異常通知を送信する。
【0166】
ここで、
図18を用いて、異常通知の具体例について説明する。
【0167】
図18は、異常通知の具体例を示す説明図である。
図18において、異常通知1800は、製品の納品異常を検知した旨の通知である。異常通知1800は、納品異常の内容として、「出荷量に累積入荷量が未達」であることを示されている。
【0168】
異常通知1800は、荷札ID、出荷先、出荷量、累積入荷量および分納間隔を含む。荷札IDは、出荷元から出荷された製品の荷札IDである。ここでは、出荷元を「A社」とする。出荷先は、製品の出荷先(入荷側)となる組織名である。出荷量は、出荷元から出荷された製品の総量である。累積入荷量は、出荷先(入荷側)に入荷された製品の総量である。分納間隔は、出荷元(A社)によって設定された分納間隔である。
【0169】
異常通知1800によれば、出荷元(A社)の担当者は、自社から出荷した製品(20kLの牛乳)の一部(2kL)が、顧客(B社)に納品されていないことを把握することができる。これにより、出荷元(A社)の担当者は、例えば、ドライバーに確認したり、出荷先(入荷側)に問い合わせたりして、未達となった原因を調査するなどの対応を行うことができる。
【0170】
つぎに、
図19~
図21を用いて、納品異常を検知する場合の認可判定装置301の認可判定処理手順について説明する。
【0171】
図19および
図20は、認可判定装置301の第2の認可判定処理手順の一例を示すフローチャートである。
図19のフローチャートにおいて、まず、認可判定装置301は、履歴登録装置302から、履歴認可要求を受信したか否かを判断する(ステップS1901)。ここで、認可判定装置301は、履歴認可要求を受信するのを待つ(ステップS1901:No)。
【0172】
認可判定装置301は、履歴認可要求を受信した場合(ステップS1901:Yes)、
図16に示した認可ルールテーブル320を参照して、履歴認可要求に含まれる荷札IDに対応する認可用エントリ(認可ルール)を特定する(ステップS1902)。つぎに、認可判定装置301は、認可用エントリが特定されたか否かを判断する(ステップS1903)。
【0173】
ここで、認可用エントリが特定されなかった場合(ステップS1903:No)、認可判定装置301は、ステップS1907に移行する。一方、認可用エントリが特定された場合(ステップS1903:Yes)、認可判定装置301は、認可用エントリの累積入荷量と、履歴認可要求に含まれる入荷量とを合算することにより、累積入荷量を算出する(ステップS1904)。
【0174】
そして、認可判定装置301は、算出した累積入荷量が、認可用エントリの出荷量以下であるか否かを判断する(ステップS1905)。ここで、累積入荷量が出荷量以下の場合(ステップS1905:Yes)、認可判定装置301は、
図20に示すステップS2001に移行する。
【0175】
一方、累積入荷量が出荷量より大きい場合(ステップS1905:No)、認可判定装置301は、特定した認可用エントリの異常通知先に、累積入荷量が出荷量を超えている旨の異常通知を送信する(ステップS1906)。
【0176】
つぎに、認可判定装置301は、履歴認可要求に対して履歴(第1の履歴)の登録を拒否する旨の拒否応答を作成する(ステップS1907)。そして、認可判定装置301は、作成した拒否応答を履歴登録装置302に送信して(ステップS1908)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0177】
図20のフローチャートにおいて、まず、認可判定装置301は、認可ルールテーブル320内の特定した認可用エントリ(認可ルール)の累積入荷量を、算出した累積入荷量に更新する(ステップS2001)。そして、認可判定装置301は、異常検知用タイマ処理に対する中止指示を出力する(ステップS2002)。
【0178】
なお、異常検知用タイマ処理手順については、
図21を用いて説明する。
【0179】
つぎに、認可判定装置301は、算出した累積入荷量と、特定した認可用エントリの出荷量とに基づいて、入荷されていない残量があるか否かを判断する(ステップS2003)。ここで、残量がない場合(ステップS2003:No)、認可判定装置301は、ステップS2005に移行する。
【0180】
一方、残量がある場合(ステップS2003:Yes)、認可判定装置301は、異常検知用タイマ処理に対する開始指示を出力する(ステップS2004)。つぎに、認可判定装置301は、認可用エントリの履歴IDを含む許可応答を作成する(ステップS2005)。
【0181】
そして、認可判定装置301は、作成した許可応答を履歴登録装置302に送信して(ステップS2006)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0182】
これにより、認可判定装置301は、出荷された製品(第1の製品)について、累積入荷量が出荷量を超えない範囲で履歴の登録を許可することで、製品が分納される場合であっても、履歴の連結を正しく行うことを可能にすることができる。また、認可判定装置301は、出荷された製品のうち入荷されていない残量がある場合、異常検知用タイマ処理を開始することができる。
【0183】
図21は、認可判定装置301の異常検知用タイマ処理手順の一例を示すフローチャートである。
図21のフローチャートにおいて、まず、認可判定装置301は、異常検知用タイマ処理に対する開始指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS2101)。ここで、認可判定装置301は、異常検知用タイマ処理に対する開始指示を受け付けるのを待つ(ステップS2101:No)。
【0184】
認可判定装置301は、異常検知用タイマ処理に対する開始指示を受け付けた場合(ステップS2101:Yes)、現在時刻のm分後に発火するタイマを開始する(ステップS2102)。m分は、
図19に示したステップS1902において特定された認可用エントリの分納間隔である。発火とは、異常検知イベントの発生に相当する。
【0185】
つぎに、認可判定装置301は、タイマが発火したか否かを判断する(ステップS2103)。ここで、タイマが発火していない場合(ステップS2103:No)、認可判定装置301は、異常検知用タイマ処理に対する中止指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS2104)。
【0186】
ここで、異常検知用タイマ処理に対する中止指示を受け付けていない場合(ステップS2104:No)、認可判定装置301は、ステップS2103に戻る。一方、異常検知用タイマ処理に対する中止指示を受け付けた場合(ステップS2104:Yes)、認可判定装置301は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0187】
また、ステップS2103において、タイマが発火した場合(ステップS2103:Yes)、認可判定装置301は、特定した認可用エントリの異常通知先に、出荷量に累積入荷量が未達である旨の異常通知を送信して(ステップS2105)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0188】
これにより、認可判定装置301は、出荷された製品(第1の製品)の累積入荷量が出荷量に達するまで、予め決められた時間間隔の範囲内で分納が行われなかった場合に、製品の納品異常を検知することができる。
【0189】
以上説明したように、実施の形態にかかる認可判定装置301によれば、履歴認可要求を受け付けることができる。履歴認可要求は、第1の履歴の登録を許可するよう要求するものである(登録認可要求)。第1の履歴は、第1の製品の入荷にともなう履歴である。履歴認可要求は、例えば、第1の製品の荷札IDと入荷量とを含む。また、認可判定装置301によれば、記憶部610を参照して、受け付けた履歴認可要求に含まれる第1の製品の荷札IDに対応する第1の製品の出荷量および累積入荷量を特定することができる。また、認可判定装置301によれば、特定した第1の製品の出荷量および累積入荷量と、履歴認可要求に含まれる第1の製品の入荷量とに基づいて、第1の履歴の登録の許否を判定することができる。そして、認可判定装置301によれば、第1の履歴の登録を許可すると判定した場合、履歴認可要求に対して、第1の履歴の登録を許可する旨の許可応答を出力することができる。許可応答は、第1の製品の出荷時に記録された履歴の履歴IDを含む。
【0190】
これにより、認可判定装置301は、製品の出荷後に2以上の不定数に分納される場合であっても、今回の入荷量を考慮した累積入荷量と出荷量をもとに、履歴の登録の許否を判定することができる。また、認可判定装置301は、履歴の登録を許可する場合に、前段として指定する履歴IDを出力することで、履歴の連結を正しく行うことを可能にすることができる。
【0191】
また、認可判定装置301によれば、第1の製品の累積入荷量と入荷量との合算値が第1の製品の出荷量以下の場合、第1の履歴の登録を許可すると判定して、第1の製品の累積入荷量を合算値に更新することができる。
【0192】
これにより、認可判定装置301は、出荷された製品について、累積入荷量が出荷量を超えない範囲で履歴の登録を許可することができる。
【0193】
また、認可判定装置301によれば、合算値が第1の製品の出荷量より大きい場合、第1の履歴の登録を許可しないと判定することができる。そして、認可判定装置301によれば、第1の履歴の登録を許可しないと判定した場合、履歴認可要求に対して、第1の履歴の登録を許可しない旨の拒否応答を出力することができる。
【0194】
これにより、認可判定装置301は、出荷された製品について、出荷量を超える量の入荷が行われた場合に、履歴の登録を拒否することができ、例えば、不当な入荷にともなう履歴が登録されるのを防ぐことができる。
【0195】
また、認可判定装置301によれば、第1の履歴の登録を許可すると判定した場合、合算値と第1の製品の出荷量とに基づいて、入荷されていない残量があるか否かを判断することができる。そして、認可判定装置301によれば、残量があると判断した場合、履歴認可要求を受け付けてから所定時間経過するまでに、第1の製品について新たな履歴認可要求を受け付けなかった場合、第1の製品の納品異常を検知することができる。
【0196】
これにより、認可判定装置301は、出荷された製品の累積入荷量が出荷量に達するまで、予め決められた時間間隔の範囲内で分納が行われなかった場合に、製品の納品異常を検知することができる。
【0197】
また、認可判定装置301によれば、第1の製品の納品異常を検知した場合、第1の製品の出荷元に対して、第1の製品の納品異常を検知した旨の異常通知を送信することができる。異常通知は、例えば、第1の製品の累積入荷量が出荷量に達していないことを示す(例えば、
図18参照)。
【0198】
これにより、認可判定装置301は、出荷元に対して、出荷された製品の一部が、顧客に納品されていないことを通知することができる。例えば、出荷元の担当者は、出荷された製品の納品異常に早期に気付くことができ、製品の入荷漏れや横流しが行われていないかなどを調査することができる。
【0199】
これらのことから、トレーサビリティ管理システム300によれば、サプライチェーンにおいて、液体、ゲル、粉末、気体などの、管理番号を直接割り当てられないような製品の受け渡しが行われる場合であっても、履歴の連結を正しく制御することができる。例えば、トレーサビリティ管理システム300は、酪農業者(A社)から乳製品業者(B社)へ出荷された牛乳が、乳製品業者の製造計画やタンクの空き状況などに応じて分納される場合であっても、正しい出入荷を記録することができる。これにより、トレーサビリティ管理システム300は、正しい来歴を記録することが可能となり、サプライチェーンの信頼性を向上させることができる。
【0200】
なお、本実施の形態で説明した管理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本管理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD、USBメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本管理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【0201】
また、本実施の形態で説明した情報処理装置101(認可判定装置301)は、スタンダードセルやストラクチャードASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定用途向けICやFPGAなどのPLD(Programmable Logic Device)によっても実現することができる。
【0202】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0203】
(付記1)出荷された第1の製品の識別情報と、入荷された前記第1の製品の入荷量とを含む、前記第1の製品の入荷にともなう第1の履歴の登録認可要求を受け付け、
製品の識別情報と対応付けて、前記製品の出荷量および累積入荷量を記憶する記憶部を参照して、前記登録認可要求に含まれる前記第1の製品の識別情報に対応する前記第1の製品の出荷量および累積入荷量を特定し、
特定した前記第1の製品の出荷量および累積入荷量と、前記登録認可要求に含まれる前記第1の製品の入荷量とに基づいて、前記第1の履歴の登録の許否を判定し、
前記第1の履歴の登録を許可すると判定した場合、前記登録認可要求に対して、前記第1の製品の出荷時に記録された履歴の識別情報を含む許可応答を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする管理プログラム。
【0204】
(付記2)前記判定する処理は、
前記第1の製品の累積入荷量と前記第1の製品の入荷量との合算値が前記第1の製品の出荷量以下の場合、前記第1の履歴の登録を許可すると判定して、前記記憶部に記憶された前記第1の製品の累積入荷量を前記合算値に更新し、
前記合算値が前記第1の製品の出荷量より大きい場合、前記第1の履歴の登録を許可しないと判定する、ことを特徴とする付記1に記載の管理プログラム。
【0205】
(付記3)前記第1の履歴の登録を許可すると判定した場合、前記合算値と前記第1の製品の出荷量とに基づいて、入荷されていない残量があるか否かを判断し、
前記残量があると判断した場合、前記登録認可要求を受け付けてから所定時間経過するまでに、前記第1の製品について新たな登録認可要求を受け付けなかった場合、前記第1の製品の納品異常を検知する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記2に記載の管理プログラム。
【0206】
(付記4)前記第1の製品の納品異常を検知した場合、前記第1の製品の出荷元に対して、前記第1の製品の納品異常を検知した旨の異常通知を送信する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記3に記載の管理プログラム。
【0207】
(付記5)前記異常通知は、前記第1の製品の累積入荷量が前記第1の製品の出荷量に達していないことを示す、ことを特徴とする付記4に記載の管理プログラム。
【0208】
(付記6)前記第1の履歴の登録を許可しないと判定した場合、前記登録認可要求に対して、前記第1の履歴の登録を許可しない旨の拒否応答を出力する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1~5のいずれか一つに記載の管理プログラム。
【0209】
(付記7)前記記憶部は、前記製品の識別情報と対応付けて、前記製品の出荷時に記録された履歴の識別情報を記憶しており、
前記第1の製品の出荷時に記録された履歴の識別情報は、前記記憶部から特定される、ことを特徴とする付記1~6のいずれか一つに記載の管理プログラム。
【0210】
(付記8)前記第1の履歴は、前記第1の履歴の登録を許可すると判定された場合、前記第1の製品の出荷時に記録された履歴に連結して登録される、ことを特徴とする付記1~7のいずれか一つに記載の管理プログラム。
【0211】
(付記9)出荷された第1の製品の識別情報と、入荷された前記第1の製品の入荷量とを含む、前記第1の製品の入荷にともなう第1の履歴の登録認可要求を受け付け、
製品の識別情報と対応付けて、前記製品の出荷量および累積入荷量を記憶する記憶部を参照して、前記登録認可要求に含まれる前記第1の製品の識別情報に対応する前記第1の製品の出荷量および累積入荷量を特定し、
特定した前記第1の製品の出荷量および累積入荷量と、前記登録認可要求に含まれる前記第1の製品の入荷量とに基づいて、前記第1の履歴の登録の許否を判定し、
前記第1の履歴の登録を許可すると判定した場合、前記登録認可要求に対して、前記第1の製品の出荷時に記録された履歴の識別情報を含む許可応答を出力する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする管理方法。
【0212】
(付記10)出荷された第1の製品の識別情報と、入荷された前記第1の製品の入荷量とを含む、前記第1の製品の入荷にともなう第1の履歴の登録認可要求を受け付け、
製品の識別情報と対応付けて、前記製品の出荷量および累積入荷量を記憶する記憶部を参照して、前記登録認可要求に含まれる前記第1の製品の識別情報に対応する前記第1の製品の出荷量および累積入荷量を特定し、
特定した前記第1の製品の出荷量および累積入荷量と、前記登録認可要求に含まれる前記第1の製品の入荷量とに基づいて、前記第1の履歴の登録の許否を判定し、
前記第1の履歴の登録を許可すると判定した場合、前記登録認可要求に対して、前記第1の製品の出荷時に記録された履歴の識別情報を含む許可応答を出力する、
制御部を有することを特徴とする情報処理装置。
【符号の説明】
【0213】
101 情報処理装置
102,701 トラック
103,104,704 タンク
110,610 記憶部
120 登録認可要求
130,713 許可応答
200,900 来歴
201,202,203,204,205,206 履歴
210,220 点線円
300 トレーサビリティ管理システム
301 認可判定装置
302 履歴登録装置
303 データベース
304 クライアント装置
310 ネットワーク
320 認可ルールテーブル
400 バス
401 CPU
402 メモリ
403 ディスクドライブ
404 ディスク
405 通信I/F
406 可搬型記録媒体I/F
407 可搬型記録媒体
600 制御部
601 受付部
602 特定部
603 判定部
604 出力部
700 トレーサビリティサービス提供者
702 製造ライン
703 荷札
705 読取装置
711 履歴登録要求
712 履歴認可要求
800 エンドポイント情報
1000 認証用管理情報
1800 異常通知