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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106846
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】車両用ドア装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/24 20060101AFI20240801BHJP
   E05F 15/611 20150101ALI20240801BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20240801BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240801BHJP
   F21W 102/40 20180101ALN20240801BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240801BHJP
【FI】
B60Q1/24 D
E05F15/611
B60J5/04 Z
F21S2/00 350
F21W102:40
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011314
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 淳
(72)【発明者】
【氏名】西野 光典
【テーマコード(参考)】
2E052
3K339
【Fターム(参考)】
2E052AA09
2E052CA06
2E052EA03
2E052EB01
2E052EC01
2E052GA10
2E052GB11
2E052GD03
2E052KA26
3K339AA04
3K339AA22
3K339BA01
3K339DA01
3K339EA03
3K339GB16
3K339JA05
3K339KA07
3K339MA10
3K339MC67
3K339MC99
(57)【要約】
【課題】ドアの開閉角度が変わっても好適な範囲を照らすことが可能とし、ひいては持続可能な輸送システムの発展に寄与することが可能な車両用ドア装置を提供する。
【解決手段】車両用ドア装置3Aは、車体2に対してスイング動作によって開閉可能なドア10と、前記ドア10に設けられる照明部20Aと、前記ドア10の前記車体2に対する開閉角度を検出する角度検出部31と、を備え、前記照明部20Aは、前記角度検出部31の検出結果に基づいて、前記ドア2を基準とする光の照射範囲を変更する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に対してスイング動作によって開閉可能なドアと、
前記ドアに設けられる照明部と、
前記ドアの前記車体に対する開閉角度を検出する角度検出部と、
を備え、
前記照明部は、前記角度検出部の検出結果に基づいて、前記ドアを基準とする光の照射範囲を変更する
ことを特徴とする車両用ドア装置。
【請求項2】
前記照明部は、前記角度検出部の検出結果に基づいて、前記車体を基準とする前記光の照射範囲が一定となるように、前記ドアを基準とする前記光の照射範囲を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア装置。
【請求項3】
前記照明部は、前記車体を基準とする前記光の照射範囲として、前記ドアのスイング範囲全体を示すように前記光を照射する
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用ドア装置。
【請求項4】
前記照明部は、前記ドアの最下面から当該ドアの車幅方向外側及び車幅方向内側に前記光を照射可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア装置。
【請求項5】
前記ドアを開閉駆動する駆動部を備え、
前記角度検出部は、前記駆動部に設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両用ドア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のドアに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも高齢者や障がい者や子供といった脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて車両の乗降性に関する開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。
【0003】
車両用のドアとして、特許文献1には、ドアライニングにステップランプを設ける装置が記載されている。ステップランプは、ドアの下方の地面に光を照射することによって乗員の足元を照らし、車両への乗降を支援する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5-338499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の装置では、ドアの開閉角度によってドアに追従してステップランプの向きが変わるため、ステップランプによる光の照射範囲(車体を基準とした照射範囲)が変わってしまう。
【0006】
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、ドアの開閉角度が変わっても好適な範囲を照らすことが可能とし、ひいては持続可能な輸送システムの発展に寄与することが可能な車両用ドア装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した課題を解決するために、本発明の車両用ドア装置は、車体に対してスイング動作によって開閉可能なドアと、前記ドアに設けられる照明部と、前記ドアの前記車体に対する開閉角度を検出する角度検出部と、を備え、前記照明部は、前記角度検出部の検出結果に基づいて、前記ドアを基準とする光の照射範囲を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、ドアの開閉角度が変わっても好適な範囲を照らすことができ、ひいては持続可能な輸送システムの発展に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第一の実施形態に係る車両用照明システムが適用された車両を模式的に示す平面図である。
図2図1のII-II線断面図である。
図3】本発明の第一の実施形態に係る車両用照明システムを模式的に示すブロック図である。
図4】本発明の第一の実施形態に係る車両用照明システムにおけるドアの開閉状態(ほぼ閉状態)及び照射範囲の関係を模式的に示す平面図である。
図5】本発明の第一の実施形態に係る車両用照明システムにおけるドアの開閉状態(半開状態)及び照射範囲の関係を模式的に示す平面図である。
図6】本発明の第一の実施形態に係る車両用照明システムにおけるドアの開閉状態(全開状態)及び照射範囲の関係を模式的に示す平面図である。
図7】本発明の第二の実施形態に係る車両用照明システムを模式的に示すブロック図である。
図8】本発明の第一の実施形態に係る車両用照明システムにおけるドアの開閉状態(ほぼ閉状態)及び照射範囲の関係を模式的に示す平面図である。
図9】本発明の第一の実施形態に係る車両用照明システムにおけるドアの開閉状態(半開状態)及び照射範囲の関係を模式的に示す平面図である。
図10】本発明の第一の実施形態に係る車両用照明システムにおけるドアの開閉状態(全開状態)及び照射範囲の関係を模式的に示す平面図である。
図11】本発明の第三の実施形態車両用照明システムを模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の実施形態について、本発明の車両用ドア装置を車両の右側の前席(日本における運転席)用のサイドドアに適用した場合を例にとり、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、参照図面において、「前後」は、車両の進行方向における前後方向すなわち車体前後方向を示し、「左右」は、運転席から見た左右方向(車幅方向)をそれぞれ示している。
【0011】
<第一の実施形態>
図1に示すように、本発明の第一の実施形態に係る車両用照明システム1Aは、車体2と、車体2に設けられる車両用ドア装置3Aと、制御部4(図3参照)と、を備える。
【0012】
<車両用ドア装置>
図2及び図3に示すように、車両用ドア装置3Aは、ドア10と、照明部20Aと、角度検出部31と、開閉検知部32と、を備える。
【0013】
≪ドア≫
図2に示すように、ドア10は、車体2の車幅方向側面(本実施形態では、右側面)の開口部を開閉可能に設けられている。ドア10は、当該ドア10の前端部を上下方向に延びる回動軸Xとして、車体2に対して平面視でスイング動作可能に取り付けられている。ドア10は、ドアインナパネル11と、ドアアウタパネル12と、窓13と、ドアライニング14と、ドアロアガーニッシュ15と、を備える。
【0014】
ドアインナパネル11は、ドア10の車幅方向内部を構成する金属製の板状部材である。ドアアウタパネル12は、ドア10の車幅方向外部を構成する金属製の板状部材である。ドアインナパネル11及びドアアウタパネル12は、ヘミング加工、溶接等によって互いに接合されることによって、ドア本体部を構成する。
【0015】
窓(サイドウィンドウ)13は、ドア本体部の開口部を開閉可能なガラス製の板状部材である。ドアライニング(内装材)14は、ドアインナパネル11の車室側を覆う樹脂製の板状部材である。ドアライニング14の下端部は、ドアインナパネル11及びドアアウタパネル12の下端部よりも上方に位置する。
【0016】
ドアロアガーニッシュ15は、ドア本体部から下方に延設される樹脂製の部材である。ドアロアガーニッシュ15は、ドア本体部と協働することによって、前後方向に延設される閉断面形状を呈する。ドアロアガーニッシュ15は、ドア10の閉状態において、車体2よりも車幅方向外側に位置している。ドアロアガーニッシュ15の下面(すなわち、ドア10の最下面)は、地面G側から見て、車体2から常に露出している。
【0017】
≪照明部≫
照明部20Aは、ドアロアガーニッシュ15内に配置されており、ドアロアガーニッシュ15の下面(すなわち、ドア10の最下面)の窓部から、ドア10の下方の地面Gへ光を照射する。照明部20Aは、ドア10の最下面からドア10の車幅方向外側及び車幅方向内側の両方に光を照射可能に構成されている。本実施形態において、照明部20Aは、複数のLED(Light-Emitting Diode)によって構成されており、制御部4からの制御信号に基づいて様々な図柄を投影可能なプロジェクションライトである。なお、特許文献1に記載の構造では、ステップランプがドアの最下面ではなくドアライニングの車幅方向内側面から光を照射するので、ドアの車幅方向外側へ光を照射することはできない。
【0018】
≪角度検出部≫
角度検出部31は、ドア10の車体2に対する開閉角度(開度ともいう。開閉角度に相関するパラメータを含む。)を検出し、検出結果を制御部4へ出力するセンサである。
【0019】
≪開閉検知部≫
開閉検知部32は、ドア10が閉状態(全閉状態)であるか開状態であるかを検知し、検知結果を制御部4へ出力するセンサである。本実施形態において、開閉検知部32は、ドア10の開閉状態として、ドア10を車体2へ固定可能なラッチ機構(図示せず)の状態を検知する。
【0020】
≪制御部≫
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力回路等によって構成される、いわゆるECU(Electronic Control Unit)である。制御部4は、開閉検知部32の検知結果に基づいて、照明部20Aを制御する。制御部4は、開閉検知部32の検知結果が閉状態(全閉状態)を示すものである場合に、照明部20Aを消灯させ、開閉検知部32の検知結果が開状態を示すものである場合に、照明部20Aを点灯させる。
【0021】
また、制御部4は、開閉検知部32の検知結果が開状態を示すものである場合に、角度検出部31の検出結果に基づいて、照明部20Aを点灯制御する。
【0022】
制御部4は、角度検出部31の検出結果に基づいて照明部20Aを制御することによって、ドア10の全閉状態(開閉角度は0度)から全開状態までのスイング範囲(回動範囲、移動範囲)全体を示す扇形状の照射範囲Rを地面Gに表示するように光を照射させる。本実施形態において、照射範囲Rに対応するドア10のスイング範囲は、ドア10の回動軸Xの構造(ヒンジ、ストッパ等)によって規定されるドア10の全閉状態及び全開状態によるものである。
【0023】
例えば、図4に示すように、照明部20Aは、ドア10が閉じられた状態(全閉状態)から若干開けられた状態において、ドア10の全閉状態から全開状態までのスイング範囲全体を示す照射範囲Rを地面Gに表示するように光を照射する。この例では、照明部20Aは、ドア10の車幅方向外側に光を照射している。
【0024】
また、図5に示すように、照明部20Aは、ドア10が開けられた状態(半開状態)においても、ドア10の全閉状態から全開状態までのスイング範囲全体を示す照射範囲Rを地面Gに表示するように光を照射する。この例では、照明部20Aは、ドア10の車幅方向外側及び車幅方向内側の両方に光を照射している。
【0025】
また、図6に示すように、照明部20Aは、ドア10が開けられた状態(全開状態)においても、ドア10の全閉状態から全開状態までのスイング範囲全体を示す照射範囲Rを地面Gに表示するように光を照射する。この例では、照明部20Aは、ドア10の車幅方向内側に光を照射している。なお、図6において、照射範囲Rは、分かりやすくするためにドア10とずらして描かれている(以下の図面においても同様)。
【0026】
すなわち、照明部20Aは、角度検出部31の検出結果に基づく制御部4の制御によって、ドア10を基準とする照射範囲を変更し、車体2を基準とする照射範囲Rを一定化することができる。
【0027】
本発明の第一の実施形態に係る車両用ドア装置3Aは、車体2に対してスイング動作によって開閉可能なドア10と、前記ドア10に設けられる照明部20Aと、前記ドア10の前記車体2に対する開閉角度を検出する角度検出部31と、を備え、前記照明部20Aは、前記角度検出部31の検出結果に基づいて、前記ドア2を基準とする光の照射範囲を変更する。
したがって、車両用ドア装置3Aは、ドア10の開閉角度が変わっても、好適な範囲に光を照射することができ、ひいては持続可能な輸送システムの発展に寄与することができる。
【0028】
また、車両用ドア装置3Aにおいて、前記照明部20Aは、前記角度検出部31の検出結果に基づいて、前記車体2を基準とする前記光の照射範囲Rが一定となるように、前記ドア2を基準とする前記光の照射範囲を変更する。
したがって、車両用ドア装置3Aは、ドア10の開閉角度が変わっても、同じ範囲に光を照射することができる。
【0029】
また、車両用ドア装置3Aにおいて、前記照明部20Aは、前記車体2を基準とする前記光の照射範囲Rとして、前記ドア2のスイング範囲全体を示すように前記光を照射する。
したがって、車両用ドア装置3Aは、ドア10の回動範囲を乗員に対して好適に知らせるとともに乗員の足元を照らすことで乗員の乗降を好適に支援することができる。詳細には、車両用ドア装置3Aは、乗員が車両の外側からドア10を開ける際に、ドア10がスイング移動する範囲を乗員に好適に知らせることができる。また、車両用ドア装置3Aは、乗員がドア10を開けて車両に乗り込む際に、乗員の足元を好適に照らすことができる。また、車両用ドア装置3Aは、乗員が車両に乗ってドア10を閉める際に、ドア10がスイング移動する範囲を乗員及び車両の外側にいる人に好適に知らせることができる。また、車両用ドア装置3Aは、乗員がドア10を開けて車両から降りる際に、ドア10がスイング移動する範囲を乗員及び車両の外側にいる人に好適に知らせることができる。また、車両用ドア装置3Aは、乗員がドア10を開けて車両に乗り込む際に、乗員の足元を好適に照らすことができる。例えば乗員が車両の外側からドア10を閉める際に、ドア10が移動する範囲を乗員に好適に知らせることができる。
【0030】
また、車両用ドア装置3Aにおいて、前記照明部20Aは、前記ドア10の最下面から当該ドア10の車幅方向外側及び車幅方向内側に前記光を照射可能である。
したがって、ドア装置3Aは、ドア10の車幅方向外側及び車幅方向内側の両方を好適に照らすことができ、ドア10の開閉角度が変わっても好適な範囲に光を照射することができる。
【0031】
<第二の実施形態>
続いて、本発明の第二の実施形態に係る車両用照明システムについて、第一の実施形態に係る車両用照明システム1Aとの相違点を中心に説明する。
【0032】
図7に示すように、本発明の第二の実施形態に係る車両用照明システム1Bは、車両用ドア装置3Aに代えて、車両用ドア装置3Bを備える。車両用ドア装置3Bは、照明部20Aに代えて、照明部20Bを備える。
【0033】
≪照明部≫
照明部20Bは、複数(本実施形態では、4個)の外側照明部21(21a,21b,21c,21d)と、複数(本実施形態では、4個)の内側照明部22(22a,22b,22c,22d)を備える。
【0034】
外側照明部21は、ドア10よりも車幅方向外側に光を照射する。外側照明部21aは、ドア10を基準とする照射範囲R11(図8参照)に対して光を照射する。外側照明部21bは、ドア10を基準とする照射範囲R12(図8参照)に対して光を照射する。外側照明部21cは、ドア10を基準とする照射範囲R13(図8参照)に対して光を照射する。外側照明部21dは、ドア10を基準とする照射範囲R14(図8参照)に対して光を照射する。図8に示すように、照射範囲R11,R12,R13,R14は、それぞれ、照射範囲Rを周方向に分割した扇形状を呈する。
【0035】
図7に示すように、内側照明部22は、ドア10よりも車幅方向内側に光を照射する。内側照明部22aは、ドア10を基準とする照射範囲R21(図10参照)に対して光を照射する。内側照明部22bは、ドア10を基準とする照射範囲R22(図10参照)に対して光を照射する。内側照明部22cは、ドア10を基準とする照射範囲R23(図10参照)に対して光を照射する。内側照明部22dは、ドア10を基準とする照射範囲R24(図10参照)に対して光を照射する。図10に示すように、照射範囲R21,R22,R23,R24は、それぞれ、照射範囲Rを周方向に分割した扇形状を呈する。
【0036】
図7に示すように、制御部4は、角度検出部30の検出結果に基づいて照明部20Bを制御することによって、ドア10の全閉状態から全開状態までのスイング範囲(回動範囲、移動範囲)全体を示す照射範囲R(ドア10の真下を含む)を地面Gに表示するように光を照射させる。
【0037】
例えば、図8に示すように、照明部20Bは、ドア10が閉じられた状態(全閉状態)から若干開けられた状態において、外側照明部21a,21b,21c,21dが点灯するとともに内側照明部22a,22b,22c,22dが消灯した状態に制御される。これにより、外側照明部21a,21b,21c,21dの照射範囲R11,R12,R13,R14は、ドア10の全閉状態から全開状態までのスイング範囲全体を示す照射範囲Rを形成する。
【0038】
また、図9に示すように、照明部20Bは、ドア10が開けられた状態(半開状態)において、外側照明部21c,21d及び内側照明部22a,22bが点灯するとともに外側照明部21a,21b及び内側照明部22c,22dが消灯した状態に制御される。これにより、外側照明部21c,21d及び内側照明部21a,21bの照射範囲R13,R14,R21,R22は、ドア10の全閉状態から全開状態までのスイング範囲全体を示す照射範囲Rを形成する。
【0039】
また、図10に示すように、照明部20Bは、ドア10が開けられた状態(全開状態)において、外側照明部21a,21b,21c,21dが消灯するとともに内側照明部22a,22b,22c,22dが点灯した状態に制御される。これにより、内側照明部22a,22b,22c,22dの照射範囲R21,R22,R23,R24は、ドア10の全閉状態から全開状態までのスイング範囲全体を示す照射範囲Rを形成する。
【0040】
本発明の第二の実施形態に係る車両用ドア装置3Bは、複数の照明部21,22の点灯/消灯制御によって、第一の実施形態に係る車両用ドア装置10Aと同様の効果を奏することができる。
【0041】
<第三の実施形態>
続いて、本発明の第三の実施形態に係る車両用照明システムについて、第一の実施形態に係る車両用照明システム1Aとの相違点を中心に説明する。
【0042】
図11に示すように、本発明の第三の実施形態に係る車両用照明システム1Cは、車両用ドア装置3Aに代えて、車両用ドア装置3Cを備える。車両用ドア装置3Cは、駆動部40を備える。
【0043】
≪駆動部≫
駆動部40は、制御部4からの制御信号に基づいて、ドア10を開閉駆動する(スイング動作させる)。角度検出部31は、駆動部40に設けられており、開閉角度に相関するパラメータとして、例えば駆動部40のモータのパルスをカウントし、カウント結果を制御部4へ出力するセンサである。制御部4は、かかるカウント結果に基づいてドア10の開閉角度を算出する。
【0044】
駆動部40としては、例えば、車体2にスイング動作可能に支持されるスピンドルスクリュと、ドア10側に設けられており、スピンドルスクリュと螺合可能なスピンドルナットと、ドア10側に設けられており、スピンドルナットに減速機構を介して連結されるモータと、を備える装置が適用可能である。
【0045】
本実施形態において、照射範囲Rに対応するドア10のスイング範囲は、ドア10の制御によって規定されるドア10の全閉状態及び全開状態によるものであり(全閉状態は第一の実施形態と同様にドア10の回動軸Xの構造によって規定される)、第一の実施形態におけるスイング範囲以下の範囲に設定される。全開状態は、駆動部40の性能によって規定されてもよく、角度検出部31の検出結果を用いた制御部4によるドア10の自動開閉制御の目標開閉角度(目標開度)によって規定されてもよい。
【0046】
本発明の第三の実施形態に係る車両用ドア装置3Cは、前記ドア2を開閉駆動する駆動部40を備え、前記角度検出部31は、前記駆動部40に設けられている。
したがって、車両用ドア装置3Cは、角度検出部31を駆動部40内のセンサと共通化することによって、部品点数を削減することができる。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、車両用ドア装置は、第二の実施形態及び第三の実施形態を組み合わせた構成であってもよい。また、照明部20A,20Bは、ドア10の最下面に設けられていればよく、ドア10の構造によってはドア本体部、ドアライニング14等に設けられていてもよい。また、照明部20A,20Bは、前記した照射範囲Rの輪郭線を照射範囲として地面Gに表示させてもよく、照射範囲Rの輪郭線のうち、ドア10の全開状態に対応する径方向に延びる線(半径を示す線)を照射範囲として地面Gに表示させてもよい。また、照明部20Bにおける外側照明部21及び内側照明部22の数は前記したものに限定されず、数が多いほど正確な照射範囲Rの設定が可能になる。また、ドア10の各部材の材料は、前記したものに限定されない。
【0048】
また、制御部4は、ドア10が手動で開閉されている場合には、ドア10のスイング範囲は回動軸Xの構造によるものであるとして照射範囲Rを設定し、ドア10が自動で開閉されている場合は、ドア10のスイング範囲は制御によるものであるとして照射範囲Rを設定する構成であってもよい。さらに、制御部4は、ドア10が手動で開閉されていて駆動部40によってアシスト力を付与する場合には、ドア10のスイング範囲はアシスト力が付与される範囲であるものとして照射範囲Rを設定する構成であってもよい。制御部4は、利用者による図示しない操作部(インテリジェントキー等)の操作結果に基づいて、ドア10が自動開閉であるか手動開閉(アシスト力付与を含む)であるかを判定し、判定結果に応じた制御を実行することができる。
【符号の説明】
【0049】
1A,1B,1C 車両用照明システム
2 車体
3A,3B,3C 車両用ドア装置
4 制御部
10 ドア
20A,20B 照明部
31 角度検出部
40 駆動部
R 照射範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11