(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106869
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】乗用車用タイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 11/00 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
B60C11/00 D
B60C11/00 B
B60C11/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011339
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】潮田 亮太
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131AA33
3D131BA02
3D131BA04
3D131BA20
3D131BB01
3D131BC31
3D131BC33
3D131DA56
3D131EA02U
3D131EA02V
3D131EA04U
3D131EA08U
3D131EA10V
3D131LA20
3D131LA28
(57)【要約】
【課題】耐摩耗性能を向上できる乗用車用タイヤを提供する。
【解決手段】乗用車用タイヤであって、トレッドゴムT07が、キャップゴムT07CとベースゴムT07Bとからなり、キャップゴムは、ベースゴムに対してタイヤ径方向外側に位置するとともに、ベースゴムに対してタイヤ幅方向両外側に位置しており、ベースゴムは、その全体にわたって、同じ組成のゴムから構成されており、ベースゴムのタイヤ幅方向幅は、キャップゴムのタイヤ幅方向幅よりも、短く、ベースゴムの貯蔵弾性率E’は、キャップゴムの貯蔵弾性率E’の2.0倍以上である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗用車用タイヤであって、
トレッドゴムが、キャップゴムとベースゴムとからなり、
前記キャップゴムは、前記ベースゴムに対してタイヤ径方向外側に位置するとともに、前記ベースゴムに対してタイヤ幅方向両外側に位置しており、
前記ベースゴムは、その全体にわたって、同じ組成のゴムから構成されており、
前記ベースゴムのタイヤ幅方向幅は、前記キャップゴムのタイヤ幅方向幅よりも、短く、
前記ベースゴムの貯蔵弾性率E’は、前記キャップゴムの貯蔵弾性率E’の2.0倍以上である、乗用車用タイヤ。
【請求項2】
前記ベースゴムの貯蔵弾性率E’は、前記キャップゴムの貯蔵弾性率E’の2.0~2.5倍である、請求項1に記載の乗用車用タイヤ。
【請求項3】
前記ベースゴムのタイヤ幅方向幅は、接地幅の40~70%である、請求項1に記載の乗用車用タイヤ。
【請求項4】
トレッド踏面に、
複数の主溝と、
前記複数の主溝どうしの間に区画された、1つ又は複数のセンター陸部と、
が設けられ、
前記ベースゴムに対応するタイヤ幅方向領域内に位置する各前記センター陸部に対応するタイヤ幅方向領域内において、前記トレッドゴムのゲージに対する前記ベースゴムのゲージの割合の平均値は、20%以上である、請求項1に記載の乗用車用タイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用車用タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、トレッドゴムがキャップゴムとベースゴムとからなる、乗用車用タイヤがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の乗用車用タイヤにおいては、耐摩耗性能に関し、向上の余地があった。
【0005】
本発明は、耐摩耗性能を向上できる乗用車用タイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔1〕乗用車用タイヤであって、
トレッドゴムが、キャップゴムとベースゴムとからなり、
前記キャップゴムは、前記ベースゴムに対してタイヤ径方向外側に位置するとともに、前記ベースゴムに対してタイヤ幅方向両外側に位置しており、
前記ベースゴムは、その全体にわたって、同じ組成のゴムから構成されており、
前記ベースゴムのタイヤ幅方向幅は、前記キャップゴムのタイヤ幅方向幅よりも、短く、
前記ベースゴムの貯蔵弾性率E’は、前記キャップゴムの貯蔵弾性率E’の2.0倍以上である、乗用車用タイヤ。
これにより、耐摩耗性能を向上できる。
【0007】
〔2〕前記ベースゴムの貯蔵弾性率E’は、前記キャップゴムの貯蔵弾性率E’の2.0~2.5倍である、〔1〕に記載の乗用車用タイヤ。
これにより、耐摩耗性能をさらに向上できる。
【0008】
〔3〕前記ベースゴムのタイヤ幅方向幅は、接地幅の40~70%である、〔1〕又は〔2〕に記載の乗用車用タイヤ。
これにより、耐摩耗性能をさらに向上できる。
【0009】
〔4〕トレッド踏面に、
複数の主溝と、
前記複数の主溝どうしの間に区画された、1つ又は複数のセンター陸部と、
が設けられ、
前記ベースゴムに対応するタイヤ幅方向領域内に位置する各前記センター陸部に対応するタイヤ幅方向領域内において、前記トレッドゴムのゲージに対する前記ベースゴムのゲージの割合の平均値は、20%以上である、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の乗用車用タイヤ。
これにより、耐摩耗性能をさらに向上できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、耐摩耗性能を向上できる乗用車用タイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る乗用車用タイヤのトレッドゴムの構成を説明するための概略図である。
【
図2】本発明の任意の実施形態に係る乗用車用タイヤに適用し得るタイヤ内部構造の一例を説明するための図面であり、タイヤ半部をタイヤ幅方向の断面により概略的に示すタイヤ幅方向断面図である。
【
図4】比較例1に係る乗用車用タイヤのトレッドゴムの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る乗用車用タイヤは、任意の乗用車用空気入りタイヤに好適に利用できる。
【0013】
以下、本発明に係る乗用車用タイヤの実施形態について、図面を参照しつつ例示説明する。
本明細書では、乗用車用タイヤを単に「タイヤ」ともいう。
各図において共通する部材・部位には同一の符号を付している。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る乗用車用タイヤT01のトレッドゴムT07の構成を説明するための概略図である。
図2は、本発明の任意の実施形態に係るタイヤT01に適用し得るタイヤ内部構造の一例を説明するための図面であり、タイヤT01のタイヤ半部(タイヤT01のうち、タイヤ赤道面CLに対する一方側の部分)をタイヤ幅方向の断面により概略的に示すタイヤ幅方向断面図である。
図1の実施形態のタイヤT01は、乗用車用タイヤ(より具体的には、乗用車用空気入りタイヤ)として構成されている。
【0015】
図2に示すように、本発明の各実施形態のタイヤT01は、トレッド部T01tと、このトレッド部T01tのタイヤ幅方向の両端部からタイヤ径方向内側に延びる一対のサイドウォール部T01wと、各サイドウォール部T01wのタイヤ径方向内側の端部に設けられた一対のビード部T01bと、を備えている。ビード部T01bは、タイヤT01をリムに装着したときに、タイヤ径方向内側及びタイヤ幅方向外側においてリムに接するように構成される。
トレッド部T01tにおいては、トレッドゴムT07が、ベルトT06のタイヤ径方向外側に位置している。トレッドゴムT07は、トレッド部T01tのタイヤ径方向外側の面であるトレッド踏面8を構成している。トレッド踏面8には、トレッドパターンが形成されている。トレッド踏面8には、任意のトレッドパターンが設けられてよい。
【0016】
本明細書において、「トレッド踏面(8)」とは、正規リムに組み付けるとともに正規内圧を充填したタイヤを、最大負荷荷重を負荷した状態で転動させた際に、路面と接触することになる、タイヤの全周に亘る外周面を意味する。
本明細書において、「接地端(E)」とは、トレッド踏面(8)のタイヤ幅方向端を意味する。
本明細書において、「接地幅(TW)」とは、トレッド踏面(8)の一対の接地端(E)どうしの間のタイヤ幅方向距離を意味する。
ここで、「正規リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO (The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA (The Tire and Rim Association, Inc.)のYEAR BOOK等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す(すなわち、上記の「正規リム」には、現行サイズに加えて将来的に上記産業規格に含まれ得るサイズも含む。「将来的に記載されるサイズ」の例としては、ETRTOのSTANDARDS MANUAL 2013年度版において「FUTURE DEVELOPMENTS」として記載されているサイズを挙げることができる。)が、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤのビード幅に対応した幅のリムをいう。
また、「正規内圧」とは、上記のJATMA YEAR BOOK等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいい、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤを装着する車両ごとに規定される最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいうものとする。
「最大負荷荷重」とは、上記最大負荷能力に対応する荷重をいうものとする。
なお、ここでいう空気は、窒素ガス等の不活性ガスその他に置換することも可能である。
【0017】
本明細書では、特に断りのない限り、溝、陸部等の各要素の寸法は、タイヤを正規リムに組み付け、正規内圧を充填し、無負荷とした状態で測定されるものとする。ここで、トレッド踏面における溝、陸部等の各要素の寸法については、トレッド踏面の展開視において測定されるものとする。ここで、本明細書において、「トレッド踏面の展開視」とは、トレッド踏面を平面上に展開した状態でトレッド表面を平面視することを指す。
【0018】
以下、
図1を参照しつつ、本実施形態のタイヤT01におけるトレッドゴムT07の構成を説明する。なお、
図1では、便宜のため、タイヤT01の内部構成のうちトレッドゴムT07以外の構成要素の図示を省略している。
図1に示すように、本実施形態において、トレッドゴムT07は、キャップゴムT07CとベースゴムT07Bとからなる。キャップゴムT07Cは、ベースゴムT07Bに対してタイヤ径方向外側に位置するとともに、ベースゴムT07Bに対してタイヤ幅方向両外側にも位置している。キャップゴムT07Cは、一対の接地端Eどうしの間のタイヤ幅方向領域の全体にわたって延在している。ベースゴムT07Bは、タイヤ赤道面CL上に位置している。タイヤ赤道面CL上において、キャップゴムT07Cは、ベースゴムT07Bに対してタイヤ径方向外側に位置している。ベースゴムT07Bよりもタイヤ幅方向両外側において、トレッドゴムT07は、キャップゴムT07Cのみから構成されている。
ベースゴムT07Bは、その全体にわたって、同じ組成のゴムから構成されている。
キャップゴムT07Cは、その全体にわたって、同じ組成のゴムから構成されていると、好適である。
ベースゴムT07Bは、図の例のように、単一のゴム部材から構成されていてもよい。キャップゴムT07Cは、図の例のように、単一のゴム部材から構成されていてもよい。
ベースゴムT07Bのタイヤ幅方向幅WBは、キャップゴムT07Cのタイヤ幅方向幅WCよりも、短い。
ベースゴムT07Bの貯蔵弾性率E’は、キャップゴムT07Cの貯蔵弾性率E’の2.0倍以上である。
本明細書において、「貯蔵弾性率(E’)」とは、粘弾性測定装置を用いて、室温25℃、周波数52Hz、初期歪み率2%、動歪み率2%にて測定されるものとする。
貯蔵弾性率E’の値は、例えば、ゴム内のカーボンブラックの含有量を増やすこと等により、高めることができる。
【0019】
ここで、本実施形態のタイヤT01の作用効果について説明する。
一般的に、乗用車用タイヤにおいて、実車でのタイヤ軸力分布は、主に自由転動成分の割合が多いため、自由転動時に摩耗エネルギー低減が、耐摩耗性能向上に有効である。一般的に、タイヤは、構造上、タイヤ幅方向断面において、その外表面が曲率を持っているため、タイヤ幅方向位置によって回転半径の違いがある。これに起因して、主にショルダー側部分(タイヤ幅方向外側部分)では、制動成分の力が加わりながら蹴り出し時に路面上をすべり、摩耗エネルギーが生じやすくなる。
そこで、本実施形態においては、上述のように、キャップゴムT07Cは、ベースゴムT07Bに対してタイヤ径方向外側に位置するとともに、ベースゴムT07Bに対してタイヤ幅方向両外側にも位置しており、ベースゴムT07Bは、その全体にわたって、同じ組成のゴムから構成されており、ベースゴムT07Bのタイヤ幅方向幅WBは、キャップゴムT07Cのタイヤ幅方向幅WCよりも、短く、ベースゴムT07Bの貯蔵弾性率E’は、キャップゴムT07Cの貯蔵弾性率E’の2.0倍以上である。すなわち、概略的に言えば、比較的硬いベースゴムT07Bをセンター側部分(タイヤ幅方向内側部分)のみに配置している。
これにより、蹴り出し時において、センター側部分では制動成分の力が加わり、ショルダー側部分では駆動成分の力が加わり、自由転動時における各部分の摩耗エネルギーを相殺させることが可能となる。ベースゴムT07Bの貯蔵弾性率E’を比較的高くすることにより、蹴り出し時のベースゴムT07Bのせん断変形が小さくなる一方で、トレッドゴムT07全体での変形は略一定となるため、キャップゴムT07Cのせん断変形が大きくなる。蹴り出し側のベルトT06-トレッドゴムT07間の相対変位によるせん断力は、制動方向に向いており、ベースゴムT07Bを硬くすることにより、さらにキャップゴムT07Cのせん断変形が大きくなるため、センター側部分では制動方向成分の力が増加する。この制動力が蹴り出し時に発生する駆動力を相殺し、自由転動時の摩耗エネルギーを低減させることができる。さらに、ベースゴムT07Bのせん断変形を抑えられる分、実質的な回転半径が小さくなるため、ショルダー側部分とセンター側部分とでの回転半径の差が縮まる方向になり、蹴り出し時のショルダー側部分のブレーキング化を抑制できる。これによりショルダー側部分の摩耗エネルギーも相殺することができる。
以上のようにして、耐摩耗性能を向上することができる。
【0020】
ベースゴムT07Bの貯蔵弾性率E’は、キャップゴムT07Cの貯蔵弾性率E’の2.5倍以下であると、好適である。すなわちベースゴムT07Bの貯蔵弾性率E’は、キャップゴムT07Cの貯蔵弾性率E’の2.0~2.5倍であると、好適である。
これにより、耐摩耗性能をさらに向上できる。
【0021】
ベースゴムT07Bのタイヤ幅方向幅WBは、接地幅TWの40%以上であると好適であり、接地幅TWの50%以上であるとより好適である。これにより、耐摩耗性能をさらに向上できる。
ベースゴムT07Bのタイヤ幅方向幅WBは、接地幅TWの70%以下であると好適であり、接地幅TWの60%以下であるとより好適である。これにより、耐摩耗性能をさらに向上できる。
【0022】
キャップゴムT07Cのタイヤ幅方向幅WCは、接地幅TWの100%以上であると好適である。
【0023】
図1に示す例のように、トレッド踏面8には、複数(
図1の例では、3つ)の主溝3と、1つ又は複数(
図1の例では、2つ)のセンター陸部6と、が設けられていてもよい。各主溝3は、タイヤ周方向に延在している。1つ又は複数(
図1の例では、2つ)のセンター陸部6は、複数(
図1の例では、3つ)の主溝3どうしの間に区画されている。複数(
図1の例では、3つ)の主溝3のうち最もタイヤ幅方向外側に位置する一対の主溝3と一対の接地端Eとの間には、一対のショルダー陸部5が区画されている。
ベースゴムT07Bに対応するタイヤ幅方向領域内に位置する各センター陸部6に対応するタイヤ幅方向領域内において、トレッドゴムT07のゲージGTに対するベースゴムT07BのゲージGBの割合の平均値は、20%以上であると好適であり、30%以上であるとより好適である。これにより、耐摩耗性能をさらに向上できる。
ベースゴムT07Bに対応するタイヤ幅方向領域内に位置する各センター陸部6に対応するタイヤ幅方向領域内において、トレッドゴムT07のゲージGTに対するベースゴムT07BのゲージGBの割合の平均値は、50%以下であると好適であり、40%以下であるとより好適である。これにより、耐摩耗性能をさらに向上できる。
【0024】
図1の例において、ベースゴムT07Bは、全てのセンター陸部6にわたって延在しており、言い換えれば、ベースゴムT07Bに対応するタイヤ幅方向領域内には、全てのセンター陸部6のそれぞれのタイヤ幅方向領域の全体が位置している。
図1の例において、ベースゴムT07Bは、一対のショルダー陸部5には位置しておらず、言い換えれば、べースゴムT07Bに対応するタイヤ幅方向領域は、一対のショルダー陸部5のそれぞれのタイヤ幅方向領域よりもタイヤ幅方向内側のみに位置している。
ただし、これらの構成は、必須ではない。
【0025】
図1の例のように、ベースゴムT07Bのタイヤ幅方向中心は、タイヤ赤道面CL上に位置していると、好適である。
【0026】
本明細書で説明する各例においては、タイヤT01は、上述したトレッドゴムT07以外において、任意の内部構造を備えていてよい。以下、
図2を参照しつつ、トレッドゴムT07以外における、タイヤT01の内部構造の一例について説明する。
【0027】
図2に示す例において、タイヤT01は、一対のビードコアT02と、一対のビードフィラーT03と、カーカスT05と、ベルトT06と、トレッドゴムT07と、サイドゴムT08と、インナーライナーT09と、を備えている。
【0028】
各ビードコアT02は、それぞれ、対応するビード部T01bに埋設されている。ビードコアT02は、周囲をゴムにより被覆されている複数のビードワイヤを備えている。ビードワイヤは、金属(例えばスチール)から構成されてもよいし、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどからなる有機繊維から構成されてもよい。ビードワイヤは、例えば、モノフィラメント又は撚り線からなるものとすることができる。
【0029】
各ビードフィラーT03は、それぞれ、対応するビードコアT02に対してタイヤ径方向外側に位置する。ビードフィラーT03は、タイヤ径方向外側に向かって先細状に延びている。ビードフィラーT03は、ゴムから構成される。
【0030】
カーカスT05は、一対のビードコアT02間に跨っており、トロイダル状に延在している。カーカスT05は、1枚以上(
図1の例では、1枚)のカーカスプライT05pから構成されている。各カーカスプライT05pは、1本又は複数本のカーカスコードと、カーカスコードを被覆する被覆ゴムと、を含んでいる。カーカスコードは、モノフィラメント又は撚り線で形成することができる。
カーカスコードは、金属(例えばスチール)から構成されてもよいし、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどからなる有機繊維から構成されてもよい。
カーカスT05は、ラジアル構造であると好適であるが、バイアス構造でもよい。
【0031】
ベルトT06は、カーカスT05のクラウン部に対してタイヤ径方向外側に配置されている。ベルトT06は、1層以上(
図1の例では、2層)のベルトプライT06pを備えている。各ベルトプライT06pは、1本又は複数本のベルトコードと、ベルトコードを被覆する被覆ゴムと、を含んでいる。ベルトコードは、モノフィラメント又は撚り線で形成することができる。ベルトコードは、金属(例えばスチール)から構成されてもよいし、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどからなる有機繊維から構成されてもよい。
【0032】
サイドゴムT08は、サイドウォール部T01wに位置している。サイドゴムT08は、サイドウォール部T01wのタイヤ幅方向外側の外表面を構成している。サイドゴムT08は、カーカスT05よりもタイヤ幅方向外側に位置している。サイドゴムT08は、ビードフィラーT03よりもタイヤ幅方向外側に位置している。サイドゴムT08は、トレッドゴムT07と一体で形成されている。
【0033】
インナーライナーT09は、カーカスT05のタイヤ内側に配置され、例えば、カーカスT05のタイヤ内側に積層されてもよい。インナーライナーT09は、例えば、空気透過性の低いブチル系ゴムで構成される。ブチル系ゴムには、例えばブチルゴム、及びその誘導体であるハロゲン化ブチルゴムが含まれる。インナーライナーT09は、ブチル系ゴムに限られず、他のゴム組成物、樹脂、又はエラストマーで構成することができる。
【0034】
図示は省略するが、タイヤT01は、タイヤ径方向におけるカーカスT05とトレッドゴムT07との間に、クッションゴムを、備えていてもよいし、備えていなくてもよい。クッションゴムは、ベルトT06のタイヤ幅方向端部の近傍に位置していてもよい。
【0035】
図2に示すように、タイヤT01は、各ビード部T01bにおける、リムと接触するように構成された部分において、ゴムチェーファーT11を備えていてもよい。
【0036】
図2に示すように、タイヤT01は、各ビードコアT02の周りに、1枚又は複数枚(
図2の例では、1枚)のワイヤーチェーファーT14を備えていてもよい。ワイヤーチェーファーT14は、
図2の例のように、カーカスT05に対してビードコアT02とは反対側に配置されていてもよい。ワイヤーチェーファーT14は、金属(例えばスチール)から構成される。
図示は省略するが、タイヤT01は、各ビードコアT02の周りに、1枚又は複数のナイロンチェーファーを備えていてもよい。ナイロンチェーファーは、
図1の例のように、カーカスT05に対してビードコアT02とは反対側に配置されていてもよい。ナイロンチェーファーは、ナイロンから構成される。
【0037】
図示は省略するが、タイヤT01は、各タイヤ半部において、タイヤ幅方向におけるビードフィラーT03とサイドゴムT08との間に、ハットゴムを備えていてもよい。
【0038】
図2に示すように、タイヤT01は、通信装置としてのRFタグ10を備えてよい。RFタグ10は、ICチップとアンテナとを備える。RFタグ10は、例えば、タイヤT01を構成する同種又は異種の複数の部材の間の位置に挟み込まれて配置されてよい。このようにすることで、タイヤT01生産時にRFタグ10を取り付け易く、RFタグ10を備えるタイヤT01の生産性を向上させることができる。
図2の例のように、RFタグ10は、例えば、ビードフィラーT03と、ビードフィラーT03に隣接するその他の部材と、の間に挟み込まれて配置されてよい。
RFタグ10は、タイヤT01を構成するいずれかの部材内に埋設されていてもよい。このようにすることで、タイヤT01を構成する複数の部材の間の位置に挟み込まれて配置される場合と比較して、RFタグ10に加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。本例では、RFタグ10は、例えば、トレッドゴムT07、サイドゴムT08等のゴム部材内に埋設されてよい。
RFタグ10は、タイヤ幅方向断面視でのタイヤ外面に沿う方向であるペリフェリ長さ方向において、剛性の異なる部材の境界となる位置に、配置されないことが好ましい。このようにすることで、RFタグ10は、剛性段差に基づき歪みが集中し易い位置に、配置されない。そのため、RFタグ10に加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。本例では、RFタグ10は、例えば、タイヤ幅方向断面視でカーカスT05の端部と、このカーカスT05の端部に隣接する部材(例えばサイドゴムT08等)と、の境界となる位置に配置されないことが好ましい。
RFタグ10の数は特に限定されない。タイヤT01は、1個のみのRFタグ10を備えてもよく、2個以上のRFタグ10を備えてもよい。ここでは、通信装置の一例として、RFタグ10を例示説明しているが、RFタグ10とは異なる通信装置であってもよい。
【0039】
RFタグ10は、例えば、タイヤT01のトレッド部T01tに配置されてよい。このようにすることで、RFタグ10は、タイヤT01のサイドカットにより損傷しない。
RFタグ10は、例えば、タイヤ幅方向において、トレッド中央部に配置されてよい。トレッド中央部は、トレッド部T01tにおいて撓みが集中し難い位置である。このようにすることで、RFタグ10に加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。また、タイヤ幅方向でのタイヤT01の両外側からのRFタグ10との通信性に差が生じることを抑制できる。本例では、RFタグ10は、例えば、タイヤ幅方向において、タイヤ赤道面CLを中心としてトレッド幅の1/2の範囲内に配置されてよい。
RFタグ10は、例えば、タイヤ幅方向において、トレッド端部に配置されてもよい。RFタグ10と通信するリーダーの位置が予め決まっている場合には、RFタグ10は、例えば、このリーダーに近い一方側のトレッド端部に配置されてよい。本例では、RFタグ10は、例えば、タイヤ幅方向において、トレッド端を外端とする、トレッド幅の1/4の範囲内に配置されてよい。
【0040】
RFタグ10は、例えば、ビード部T01b間に跨る、1枚以上のカーカスプライT05pを含むカーカスT05より、タイヤ内腔側に配置されてよい。このようにすることで、タイヤT01の外部から加わる衝撃や、サイドカットや釘刺さりなどの損傷に対して、RFタグ10が損傷し難くなる。一例として、RFタグ10は、カーカスT05のタイヤ内腔側の面に密着して配置されてよい(
図2の点P31参照。)。別の一例として、カーカスT05よりタイヤ内腔側に別の部材がある場合に、RFタグ10は、例えば、カーカスT05と、このカーカスT05よりタイヤ内腔側に位置する別の部材と、の間に配置されてもよい。カーカスT05よりタイヤ内腔側に位置する別の部材としては、例えば、タイヤ内面を形成するインナーライナーT09が挙げられる。別の一例として、RFタグ10は、タイヤ内腔に面するタイヤ内面に取り付けられていてもよい(
図2の点P32参照。)。RFタグ10が、タイヤ内面に取り付けられる構成とすることで、RFタグ10のタイヤT01への取り付け、及び、RFタグ10の点検・交換が行い易い。つまり、RFタグ10の取り付け性及びメンテナンス性を向上させることができる。また、RFタグ10が、タイヤ内面に取り付けられることで、RFタグ10をタイヤT01内に埋設する構成と比較して、RFタグ10がタイヤ故障の核となることを防ぐことができる。
また、カーカスT05が、複数枚のカーカスプライT05pを備え、複数枚のカーカスプライT05pが重ねられている位置がある場合に、RFタグ10は、重ねられているカーカスプライT05pの間に配置されていてもよい。
【0041】
RFタグ10は、例えば、タイヤT01のトレッド部T01tで、1枚以上のベルトプライT06pを含むベルトT06より、タイヤ径方向の外側に配置されてよい。一例として、RFタグ10は、ベルトT06に対してタイヤ径方向の外側で、当該ベルトT06に密着して配置されてよい(
図2の点P44参照。)。また、別の一例として、ベルト補強層T04を備える場合、当該ベルト補強層T04に対してタイヤ径方向の外側で、当該ベルト補強層T04に密着して配置されてよい(
図2の点P45参照。)。また、別の一例として、RFタグ10は、ベルトT06よりタイヤ径方向の外側で、トレッドゴムT07内に埋設されていてもよい(
図2の点P41参照。)。RFタグ10が、タイヤT01のトレッド部T01tで、ベルトT06よりタイヤ径方向の外側に配置されることで、タイヤ径方向でのタイヤT01の外側からのRFタグ10との通信が、ベルトT06により阻害され難い。そのため、タイヤ径方向でのタイヤT01の外側からのRFタグ10との通信性を向上させることができる。
また、RFタグ10は、例えば、タイヤT01のトレッド部T01tで、ベルトT06よりタイヤ径方向の内側に配置されていてもよい。このようにすることで、RFタグ10のタイヤ径方向の外側がベルトT06に覆われるため、RFタグ10は、トレッド面からの衝撃や釘刺さりなどに対して損傷し難くなる。この一例として、RFタグ10は、タイヤT01のトレッド部T01tで、ベルトT06と、当該ベルトT06よりタイヤ径方向の内側に位置するカーカスT05と、の間に配置されてよい(
図2の点P42参照。)。
また、ベルトT06が、複数枚のベルトプライT06pを備える場合に、RFタグ10は、タイヤT01のトレッド部T01tで、任意の2枚のベルトプライT06pの間に配置されてよい(
図2の点P43参照。)。このようにすることで、RFタグ10のタイヤ径方向の外側が1枚以上のベルトプライT06pに覆われるため、RFタグ10は、トレッド面からの衝撃や釘刺さりなどに対して損傷し難くなる。
【0042】
RFタグ10は、例えば、タイヤT01のサイドウォール部T01w又はビード部T01bの位置に配置されてよい。RFタグ10は、例えば、RFタグ10と通信可能なリーダーに対して近い一方側のサイドウォール部T01w又は一方側のビード部T01bに配置されてよい(
図2の点P6、P62参照。)。このようにすることで、RFタグ10とリーダーとの通信性を高めることができる。一例として、RFタグ10は、カーカスT05と、サイドゴムT08と、の間やトレッドゴムT07とサイドゴムT08と、の間に配置されてよい(
図2の点P61参照。)。
RFタグ10は、例えば、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅となる位置と、トレッド面の位置と、の間に配置されてよい。このようにすることで、RFタグ10がタイヤ最大幅となる位置よりタイヤ径方向の内側に配置される構成と比較して、タイヤ径方向でのタイヤT01の外側からのRFタグ10との通信性を高めることができる。
RFタグ10は、例えば、タイヤ最大幅となる位置よりタイヤ径方向の内側に配置されていてもよい。このようにすることで、RFタグ10は、剛性の高いビード部T01b近傍に配置される。そのため、RFタグ10に加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。一例として、RFタグ10は、ビードコアT02とタイヤ径方向又はタイヤ幅方向で隣接する位置に配置されてよい。ビードコアT02近傍は歪みが集中し難い。そのため、RFタグ10に加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。
特に、RFタグ10は、タイヤ最大幅となる位置よりタイヤ径方向の内側であって、かつ、ビード部T01bのビードコアT02よりタイヤ径方向の外側の位置に配置されることが好ましい。このようにすることで、RFタグ10の耐久性を向上させることができるとともに、RFタグ10とリーダーとの通信が、ビードコアT02により阻害され難く、RFタグ10の通信性を高めることができる。
また、サイドゴムT08がタイヤ径方向に隣接する同種又は異種の複数のゴム部材から構成されている場合に、RFタグ10は、サイドゴムT08を構成する複数のゴム部材の間に挟み込まれて配置されていてもよい。
【0043】
RFタグ10は、ビードフィラーT03と、このビードフィラーT03に隣接する部材と、の間に挟み込まれて配置されてよい。このようにすることで、ビードフィラーT03を配置することにより歪みが集中し難くなった位置に、RFタグ10を配置することができる。そのため、RFタグ10に加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。
RFタグ10は、例えば、ビードフィラーT03と、カーカスT05と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。カーカスT05のうちビードフィラーT03と共にRFタグ10を挟み込む部分は、ビードフィラーT03に対してタイヤ幅方向の外側に位置してもよく、タイヤ幅方向の内側に位置してもよい。カーカスT05のうちビードフィラーT03と共にRFタグ10を挟み込む部分が、ビードフィラーT03に対してタイヤ幅方向の外側に位置する場合には、タイヤ幅方向のタイヤT01の外側からの衝撃や損傷により、RFタグ10に加わる負荷を、より低減できる。これにより、RFタグ10の耐久性を、より向上させることができる。
また、ビードフィラーT03は、サイドゴムT08と隣接して配置されている部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグ10は、ビードフィラーT03と、サイドゴムT08と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。
更に、ビードフィラーT03は、ゴムチェーファーT11と隣接して配置されている部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグ10は、ビードフィラーT03と、ゴムチェーファーT11と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。
【0044】
RFタグ10は、例えば、ゴムチェーファーT11と、サイドゴムT08と、の間に挟み込まれて配置されてよい(
図2の点P82参照。)。このようにすることで、ゴムチェーファーT11を配置することにより歪みが集中し難くなった位置に、RFタグ10を配置することができる。そのため、RFタグ10に加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。
RFタグ10は、例えば、ゴムチェーファーT11と、カーカスT05と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい(
図2の点P81参照。)。このようにすることで、リムから加わる衝撃や損傷により、RFタグ10に加わる負荷を低減できる。そのため、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。
【0045】
RFタグ10は、ワイヤーチェーファーT14と、このワイヤーチェーファーT14のタイヤ幅方向の内側又は外側で隣接する別の部材と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。このようにすることで、タイヤ変形時に、RFタグ10の位置が変動し難くなる。そのため、タイヤ変形時にRFタグ10に加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグ10の耐久性を向上させることができる。ワイヤーチェーファーT14がタイヤ幅方向の内側又は外側で隣接する別の部材は、例えば、ゴムチェーファーT11などのゴム部材であってよい(
図2の点P102参照。)。また、ワイヤーチェーファーT14がタイヤ幅方向の内側又は外側で隣接する別の部材は、例えば、カーカスT05であってもよい(
図2の点P101参照。)。
【0046】
ベルトT06の半径方向外側にベルト補強層T04をさらに備えてもよい。例えば、ベルト補強層T04はポリエチレンテレフタレートからなるベルト補強層コードをタイヤ周方向に連続して螺旋状に巻回してなってもよい。ここでベルト補強層コードは、6.9×10-2 N/tex以上の張力をかけて接着剤処理を施してなり、160℃で測定した29.4N荷重時の弾性率が2.5 mN/dtex・%以上であってもよい。さらにベルト補強層T04はベルトT06全体を覆うように配置されていてもベルトT06の両端部のみを覆うように配置されていてもよい。さらにベルト補強層T04の単位幅あたりの巻き回し密度が幅方向位置で異なっていてもよい。このようにすることで、高速耐久性を低下させることなくロードノイズおよびフラットスポットを低減させることができる。
【実施例0047】
実施例及び比較例に係るタイヤT01をFEM解析により評価したので説明する。
【0048】
図3は、タイヤT01のモデルを用いてFEM解析を行った結果を示している。この解析では、タイヤT01のモデルのパラメータとして、キャップゴムT07Cの貯蔵弾性率E’に対するベースゴムT07Bの貯蔵弾性率E’の比(ベースゴムT07Bの貯蔵弾性率E’/キャップゴムT07Cの貯蔵弾性率E’)(
図3(a)、
図3(b)の横軸)と、接地幅TWに対するベースゴムT07Bのタイヤ幅方向幅WBの割合(%)(
図3(a)、
図3(b)の縦軸)とを、変えていき、これらのパラメータの値が異なる各例のタイヤT01のモデルのそれぞれを用いて、タイヤT01の転動時に生じた摩耗エネルギー指数(
図3(a)、
図3(b)の濃淡)を求めた。これらのパラメータ以外において、タイヤT01のモデルの構成は、各例において同じとした。
図3(a)は、各センター陸部6に生じた摩耗エネルギー指数を示しており、
図3(b)は、各ショルダー陸部5に生じた摩耗エネルギー指数を示している。この摩耗エネルギーの指数は、その値が高いほど、耐摩耗性能が優れていることを表している。タイヤT01のモデルは、基本的に、トレッドゴムT07が、
図1又は
図4に示すような構成を有していた。これらの各例のタイヤT01のモデルのうち、比較例1、実施例1、実施例2の3つの例を、
図3において丸により示すとともに、表1にも示す。また、表1には、比較例1、実施例1、実施例2の各例の摩耗エネルギーを、比較例1の摩耗エネルギーを100としたときの指数により、示している。この摩耗エネルギーの指数は、その値が高いほど、耐摩耗性能が優れていることを表している。
【0049】
【0050】
表1や
図3からわかるように、各実施例のタイヤは、比較例1のタイヤよりも、摩耗エネルギー指数が高く、ひいては、耐摩耗性能が高かった。
【0051】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
持続可能な社会の実現に向けて、SDGsが提唱されている。本発明の一実施形態は「No.12_つくる責任、つかう責任」および「No.13_気候変動に具体的な対策を」などに貢献する技術となり得ると考えられる。