(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106891
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】画像処理装置
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20240801BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20240801BHJP
H04N 5/74 20060101ALN20240801BHJP
【FI】
G03B21/14 Z
G03B21/00 D
H04N5/74 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011364
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】西澤 博和
(72)【発明者】
【氏名】笠原 大輔
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
【Fターム(参考)】
2K203FA02
2K203KA07
2K203KA18
2K203KA19
2K203MA21
5C058AA18
5C058AB06
5C058BA35
5C058EA02
5C058EA54
(57)【要約】
【課題】無線LANを接続する際に、画像処理装置の動作不良や性能低下の発生を抑制する。
【解決手段】本発明の画像処理装置は、画像を処理する回路と、第1方向が長手方向である第1側面と、第1側面と対向する第2側面と、第1方向に直交する第2方向において第1側面と第2側面との間に配置される第1面と、第1面に交差する第2面と、第1面及び第2面と交差し、第1面と第2面とを接続する第3面と、を含み、前記回路を収容する筐体と、第1面に配置され、通信ケーブルが接続される第1端子と、第1面において、第3面と第1端子との間に配置され、無線通信の子機が接続される第2端子と、を含む。筐体において、第1方向において第3面と交差する第1面の端とは反対側の第1面の第1端と、第1方向において第1端に近い方の第1側面の端と、に挟まれる範囲の一部又は全部が開放されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を処理する回路と、
第1方向が長手方向である第1側面と、
前記第1側面と対向する第2側面と、
前記第1方向に直交する第2方向において前記第1側面と前記第2側面との間に配置される第1面と、
前記第1面に交差する第2面と、
前記第1面及び前記第2面と交差し、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、
を含み、前記回路を収容する筐体と、
前記第1面に配置され、通信ケーブルが接続される第1端子と、
前記第1面において、前記第3面と前記第1端子との間に配置され、無線通信の子機が接続される第2端子と、
を含み、
前記第2方向に平行な第1軸に沿って見た場合に、前記第1面と前記第2側面との第1距離は前記第2面と前記第2側面との第2距離よりも短く、
前記第1軸に沿って見た場合に、前記第1面と前記第1側面との第3距離は前記第1距離よりも短く、
前記筐体において、前記第1方向において前記第3面と交差する前記第1面の端とは反対側の前記第1面の第1端と、前記第1方向において前記第1端に近い方の前記第1側面の端と、に挟まれる範囲の一部又は全部が開放されている、
画像処理装置。
【請求項2】
前記第2端子と前記第3面との間には他の端子が配置されない、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記筐体は、前記第1面の少なくとも一部を覆う蓋をさらに有する、
請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第2面は、
前記第3面に交差する第4面と、
前記第1方向において前記第4面に対して前記第3面とは反対側に設けられた第5面と、
を有し、
第1方向及び第2方向と直交する第3方向に平行な第2軸に沿って見た場合に、前記第5面と前記第2端子との距離は前記第4面と前記第2端子との距離よりも大きく、
前記第1端子は、前記第1方向において前記第3面と、前記第4面と前記第5面との境界との間に配置されている、
請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第1方向において前記第5面に重なる前記第1面に電源ケーブルが接続される第3端子が配置されている、
請求項4に記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクターをはじめとする画像処理装置には、外部からの映像や画像を端子を介して受信するものがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、接続端子に入力された映像信号に基づいて映像を表示するプロジェクターが開示されている。特許文献1に開示されているプロジェクターは、接続端子或いは接続端子の周辺を照明する照明と、接続端子の近傍に人がいるか否かを検出する対人センサーと、を有する。このことによって、特許文献1に開示されているプロジェクターが暗い環境で使用される場合であっても、所望のケーブルを正しい入出力端子に容易に挿入することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に開示されているプロジェクターでは、筐体の側面に、複数の標準形式の接続ケーブルを挿入可能な端子が設けられている。同じ側面において、標準形式の接続ケーブルのため複数の端子が配置されている領域よりもプロジェクターの設置面に近い側の領域には、無線LAN(Local Area Network)等の入力映像信号を受信するための拡張機能として使用可能な拡張スロットが設けられている。しかしながら、標準形式の端子に接続ケーブルが挿入され、拡張スロットに無線LANの子機等が挿入されると、筐体の側面を正面から見たときに、標準形式の接続ケーブルが無線LAN子機に重なる、或いは無線LAN子機のすぐ近くを通る可能性が高い。その場合に、無線LANの通信電波が標準形式のケーブルに含まれる金属等の導体の影響を受け、プロジェクターのスループットが低下し、プロジェクターから射出される映像が乱れる、或いは映像が停まる事態が発生し得る。そのため、無線LANを接続する際に画像処理装置の動作不良や性能低下の発生を抑制する対策が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様の画像処理装置は、画像を処理する回路と、第1方向が長手方向である第1側面と、第1側面と対向する第2側面と、第1方向に直交する第2方向において第1側面と第2側面との間に配置される第1面と、第1面に交差する第2面と、第1面及び第2面と交差し、第1面と第2面とを接続する第3面と、を含み、前記回路を収容する筐体と、第1面に配置され、通信ケーブルが接続される第1端子と、第1面において、第3面と第1端子との間に配置され、無線通信の子機が接続される第2端子と、を含む。第2方向に平行な第1軸に沿って見た場合に、第1面と第2側面との第1距離は第2面と第2側面との第2距離よりも短く、第1軸に沿って見た場合に、第1面と第1側面との第3距離は第1距離よりも短い。筐体において、第1方向において第3面と交差する第1面の端とは反対側の第1面の第1端と、第1方向において第1端に近い方の第1側面の端と、に挟まれる範囲の一部又は全部が開放されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態のプロジェクターの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。各図面では、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を変えている場合がある。
【0009】
本発明の一実施形態について、
図1から
図5を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態のプロジェクター100の構成を示す概略図である。
図2は、プロジェクター100の平面図であり、後述する上壁部16が外された状態の概略図である。
図3は、プロジェクター100の側面図であり、後述する側壁部14と上壁部16が外された状態の概略図である。
【0010】
プロジェクター100は、外部から入力される画像情報に基づいて画像や映像を不図示の大型スクリーンに投影することによって表示し、光変調装置として3枚の液晶パネルを備える画像表示装置である。
図1から
図3に示すように、プロジェクター100は、筐体10と、光源装置50と、光変調装置60と、投射光学装置80と、複数の回路実装板120と、複数のファン200と、を備える。
【0011】
筐体10は、光源装置50を含めて、プロジェクター100において上述のように画像や映像を表示するという機能を発現させるための各種の装置、各種の部材及び複数のファン200が収容される部材である。筐体10は、底壁部12、側壁部14と、上壁部16と、を有する。
【0012】
プロジェクター100は、使用時に不図示の台に置かれる。底壁部12は、台に対向している。複数の脚部が筐体10の内部空間Sから底壁部12を貫通し、台の設置面に向かって突出している。複数の脚部のうちの1つの脚部20は、底壁部12から突出する長さを調節可能に構成されている。底壁部12の外壁面12bから突出する脚部20の長さが調節されることによって、底壁部12の内壁面12a及び外壁面12bが台の設置面に対して傾斜する角度が調節される。複数の脚部のうちの残りの脚部22が底壁部12から突出する長さは、固定されている。
【0013】
以下の説明では、底壁部12の内壁面12a及び外壁面12bに平行な一軸をX軸とし、底壁部12の内壁面12a及び外壁面12bに平行であり且つX軸に直交する軸をY軸とする。X軸及びY軸に直交する軸をZ軸とする。Z軸は、プロジェクター100の高さ方向を意味する。X軸及びY軸の一方の側を+X側及び+Y側と称し、X軸及びY軸の他方の側を-X側及び-Y側と称する。Z軸の一方の側すなわち底壁部12の内壁面12a及び外壁面12bから上壁部16に向く側を+Z側と称し、Z軸の他方の側を-Z側と称する。
【0014】
底壁部12をZ軸に沿って見たときの平面視形状は、長方形である。底壁部12のX軸での長さは、底壁部12のY軸での長さよりも長い。底壁部12の+X側の2つの角部、及び-X側及び+Y側の角部は、湾曲し、面取りされている。底壁部12の-X側及び-Y側の角部は、X軸及びY軸に沿って切り欠かれている。底壁部12の-X側及び-Y側の角部の外周縁は、底壁部12のX軸に平行な-Y側の外周縁の-X側の端から+Y側へ所定の距離進んだ位置にY軸と平行に延び、その位置から底壁部12のY軸に平行な-X側の外周縁の-Y側の端までX軸と平行に延びている。
【0015】
底壁部12は、平坦部12Aと、凸部12Bと、を有する。平坦部12Aは、X軸及びY軸を含むXY平面の外周縁から中心に向かって所定の長さで延在している。凸部12Bは、平坦部12Aの内周縁から-Z側に突出し、底壁部12よりも+Z側から見ると凹んでいる。凸部12Bの高さは、底壁部12の平坦部12Aの外壁面12bから突出する脚部20の最も短い長さよりも短く、外壁面12bから突出する脚部22の長さよりも短い。
【0016】
凸部12Bには、凹部12Gが形成されている。凹部12Gは、凸部12BのX軸での中央部に形成され、凸部12Bの-Y側の端からY軸に沿って+Y側の途中の位置まで形成されている。凹部12Gは、凸部12BにおいてXY平面に平行に延在する底壁部12から+Z側に凹んでいる。凹部12GのX軸の幅は、凸部12BのX軸での幅よりも小さい。脚部20は、凹部12GのX軸の中央部且つY軸の-Y側の端部を貫通している。凹部12GのZ軸での高さは、凸部12BのZ軸での深さよりも小さい。底壁部12の外壁面12bから突出する脚部20の長さが最も短い状態においても、脚部20の-Z側の端は、凸部12Bの底壁部の外壁面12bよりも-Z側に突出している。2つの脚部22は、底壁部12のX軸の両端部且つY軸の+Y側の端部の平坦部12A及び凸部12Bを貫通している。脚部22の-Z側の端は、凸部12Bの底壁部の外壁面12bよりも-Z側に突出している。
【0017】
側壁部14は、壁部14A,14B,14C,14Dと、連結部15A,15B,15Cと、壁部30と、を有する。壁部14Aは、底壁部12のX軸に平行な-Y側の外周縁に沿って底壁部12よりも+Z側に立ち上がり、X軸に延在している。壁部14Aの内壁面及び外壁面は、X軸及びZ軸を含むXZ平面と平行である。壁部14Bは、底壁部12のY軸に平行な+X側の外周縁に沿って底壁部12よりも+Z側に立ち上がり、Y軸に延在している。壁部14Bの内壁面及び外壁面は、Y軸及びZ軸を含むYZ平面と平行である。壁部14Cは、底壁部12のX軸に平行な+Y側の外周縁に沿って底壁部12よりも+Z側に立ち上がり、X軸に延在している。壁部14Cの内壁面及び外壁面は、XZ平面と平行である。壁部14Dは、底壁部12のY軸に平行な-X側の外周縁に沿って底壁部12よりも+Z側に立ち上がり、Y軸に延在している。壁部14Dの内壁面及び外壁面は、YZ平面と平行である。
【0018】
連結部15Aは、底壁部12のX軸に平行な-Y側の外周縁とY軸に平行な+X側の外周縁とを連結する角部の外周縁に沿って底壁部12よりも+Z側に立ち上がり、壁部14Aの+X側の端と壁部14Bの-Y側の端とを連結し、XY平面で湾曲している。連結部15Bは、底壁部12のY軸に平行な+X側の外周縁とX軸に平行な+Y側の外周縁とを連結する角部の外周縁に沿って底壁部12よりも+Z側に立ち上がり、壁部14Bの+Y側の端と壁部14Cの+X側の端とを連結し、XY平面で湾曲している。連結部15Cは、底壁部12のX軸に平行な+Y側の外周縁とY軸に平行な-X側の外周縁とを連結する角部の外周縁に沿って底壁部12よりも+Z側に立ち上がり、壁部14Cの-X側の端と壁部14Dの+Y側の端とを連結し、XY平面で湾曲している。連結部15Dは、壁部14Dの-Y側の端に連結され、壁部14Dの-Y側の端から壁部14Aの-X側の端に向かって-X側且つ-Y側に凸となるように湾曲している。連結部15Dの+X側の端は、壁部14Aの-X側の端とは離間している。連結部15Dの+X側の端と壁部14Aの-X側の端との間は、開放されている。
【0019】
壁部30は、壁部14DとX軸で隣り合い、壁部14Dよりも+X側に配置されている。壁部30は、複数の小壁部を有する。複数の小壁部は、壁部30の底壁部と、側壁部と、上壁部と、を構成する。壁部30については、後でも説明する。
【0020】
図1では、側壁部14の連結部15Dの+X側の端と壁部14Aの-X側の端との間に、壁部30の複数の小壁部のうちの小壁部31の一部及び小壁部32が見えている。小壁部31は、X軸において、側壁部14の壁部14Dと壁部14B,14Dの中間位置との間にあり、側壁部14の壁部14Aの-X側の端と同じ位置に配置されている。小壁部31は、YZ平面に平行な+X側の壁面31s及び-X側の壁面31tを有する。小壁部31の-Y側の端は、側壁部14の壁部14Aの-X側の端に連結している。小壁部31の+Y側の端は、側壁部14の壁部14Dの+Y側の端よりも-Y側に配置され、底壁部12のY軸での中央近傍に配置されている。
【0021】
小壁部32は、Z軸において、底壁部12の-X側且つ-Y側の端部に+Z側から重なっている。小壁部32の+Y側の内壁面の一部は、-Y側の内壁面よりも+Z側にある。小壁部32の外壁面は、XY平面に平行である。
【0022】
図2では、壁部30の複数の小壁部のうちの小壁部33が見えている。小壁部33は、Z軸において、上壁部16の-X側且つ-Y側の部分に-Z側から重なっている。小壁部33の+Z側の壁面33s及び-Z側の壁面33tは、XY平面に平行である。
【0023】
小壁部31の+Y側の端と、小壁部32において-Y側の端部よりも内壁面が+Z側に突出している部分の+Y側の端に、小壁部35が連結している。小壁部35よりも-Y側に延在する壁部30は、各種の部品が収められる空間を構成し、複数の空間を区画する小壁部を備える。
【0024】
図1から
図3に示すように、上壁部16をZ軸に沿って見たときの平面視形状は、長方形であり、-X側及び-Y側の角部を除いて底壁部12の平面視形状と同様である。上壁部16の-X側及び-Y側の角部は、他の3つの角部と同様に、湾曲し、面取りされている。上壁部16は、底壁部12と、側壁部14の壁部14A,14B,14C及び連結部15A,15B,15C及び壁部30によって囲まれる内部空間Sを+Z側から塞ぐように配置されている。上壁部16は、側壁部14及び壁部30に対して着脱可能である。
【0025】
上壁部16は、平坦部16A,16Bと、凹部16Cと、を有する。平坦部16Aは、上壁部16のX軸での全体に亘って延在し、上壁部16のY軸での中心部より僅かに-Y側の部分から-Y側の外周縁まで延在している。平坦部16Aの内壁面及び外壁面は、XY平面に平行である。平坦部16Bは、上壁部16のX軸での全体に亘って延在し、XY平面に平行であり、上壁部16のY軸での中心部から+Y側に離れた部分から+Y側の外周縁まで延在している。平坦部16Bの内壁面及び外壁面は、XY平面に平行である。凹部16Cは、上壁部16のX軸での全体に亘って配置され、Y軸で平坦部16A,16Bを連結している。凹部16CのXY平面の外周縁は、平坦部16A,16Bの間の上壁部16の+X側及び-X側のX軸に平行な外周縁と平坦部16Aの+Y側のX軸に平行な外周縁と平坦部16Bの-Y側のX軸に平行な外周縁によって構成されている。凹部16Cは、XY平面の外周縁から中心領域に向かって凹んでいる。
【0026】
凹部16Cは、小壁部17,18A,18B,18C,18Dを有する。小壁部17は、凹部16Cの底部に配置され、凹部16CのXY平面の前述した中心領域を構成している。小壁部17の平面視形状は、上壁部16の平面視形状をX軸及びY軸の各々で所定の比率で縮小した形状である。小壁部17は、X軸において、+X側の端及び-X側の端の各々から中心に向かって所定の距離まで移動するにしたがって+Z側に突出し、所定の位置から中心までXY平面に平行である。
【0027】
小壁部17には、人感センサー28が配置されている。人感センサー28は、小壁部17において外壁面がXY平面に平行である部分のX軸での中心に配置され、後述する投射口25よりも-Y側に配置されている。人感センサー28は、投射口25の周囲のうちで投射口25から射出される画像光Lを遮る範囲に存在する人や物を検出する。プロジェクター100は、人感センサー28によって画像光Lを遮る範囲に存在する人や物が検出されると、後述する回路実装板132又は回路実装板133に電気信号を発信し、投射口25からの画像光Lの投射を停止する。
【0028】
小壁部18Aは、凹部16CのX軸に平行な+Y側の外周縁から小壁部17の+Y側且つ+Z側の外周縁とを連結する。小壁部18AのX軸での幅は、+Y側から-Y側に移動するにしたがって減少する。小壁部18Bは、凹部16CのY軸に平行な+X側の外周縁から小壁部17のY軸に平行な+X側且つ+Z側の外周縁とを連結する。小壁部18BのY軸での幅は、+X側から-X側に移動するにしたがって減少する。小壁部18Cは、凹部16CのX軸に平行な-Y側の外周縁から小壁部17の+Y側且つ-Z側のX軸に平行な外周縁とを連結する。小壁部18CのX軸での幅は、+Y側から-Y側に移動するにしたがって減少する。小壁部18Dは、凹部16CのY軸に平行な-X側の外周縁から小壁部17のY軸に平行な-X側の外周縁とを連結する。小壁部18BのY軸での幅は、-X側から+X側に移動するにしたがって減少する。小壁部18A,18B,18C,18Dは、XY平面に対して傾斜している。
【0029】
小壁部18CのX軸での中央部且つ-Y側の端部には、投射口25が形成されている。投射口25のZ軸から見たときの平面視形状は、長方形である。投射口25のX軸での寸法は、凹部16CのX軸での長さよりも短い。投射口25のY軸での寸法は、投射口25のX軸での寸法よりもさらに小さい。投射口25には、内部空間Sから射出される画像光Lに対して透光性を有する透光板26が設けられている。画像光Lは、投射口25から-Y側且つ+Z側に射出され、プロジェクター100よりも-Y側且つ+Z側に配置されている不図示のスクリーンに投射される。
【0030】
小壁部18Cには、物体検出センサー27が配置されている。物体検出センサー27は、小壁部18CにおいてX軸での中心及び投射口25よりも+Y側に配置されている。物体検出センサー27は、投射口25にかかる埃やゴミを含む異物を検出する。プロジェクター100は、物体検出センサー27によって投射口25にかかる異物が検出されると、回路実装板132又は回路実装板133に電気信号を発信し、投射口25からの画像光Lの投射を停止する。
【0031】
図2に示すように、筐体10の内部空間Sは、底壁部12と、側壁部14の壁部14A,14B,14C及び連結部15A,15B,15C、上壁部16及び壁部30によって囲まれている。内部空間Sには、光源装置50と、光変調装置60と、反射ミラー70と、投射光学装置80と、複数の回路実装板120と、複数のファン200が収容されている。光源装置50と、光変調装置60と、投射光学装置80は、プロジェクター100の外部から入力される画像情報に基づいて画像や映像を不図示の大型スクリーンに投影することによって、プロジェクター100で画像や映像を表示するために構成されている。
【0032】
なお、
図2に示されている光源装置50、光変調装置60、及び投射光学装置80の範囲は、各装置の厳密な輪郭を示すものではなく、内部空間Sにおける各装置間の相対位置関係を示すために概形として示されている。
【0033】
光源装置50は、筐体10の+X側及び-Y側の端の内部空間Sに配置されている。光源装置50は、光源52と、光源52から発せられる光を光変調装置60に向けて偏向するための図示略の単数又は複数の光学素子と、を備える。
【0034】
光源52は、例えば光源基材と、発光素子と、波長変換素子と、を有する。光源基材は、光源装置50における+Y側の端部に配置されている。光源基材は、筐体10の底壁部12のXY平面に平行な内壁面12aに対して垂直に立てられ、XZ平面に平行な板面を有する。発光素子は、光源基材のXZ平面に平行な板面のうちの-Y側の板面に設けられている。発光基材の板面において発光素子が設けられていない領域には、発光素子に電気信号を供給するための配線が設けられている。光源基材は、後述する回路実装板136と不図示の電気ケーブルを介して接続されている。
【0035】
発光素子は、光源基材の-Y側の板面に向く面とは反対側の発光面を有する。発光素子は、発光面から所定の色光を射出する。所定の色光は、例えば青色光であるが、波長変換素子を励起可能な色光を含んでいればよい。発光素子は、例えば発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)である。
【0036】
波長変換素子は、光源装置50において、発光素子から発せられる色光の光路上に設けられ、発光素子よりも-Y側の領域に配置されている。波長変換素子は、発光素子の発光面に積層されていてもよい。波長変換素子は、発光素子から入射する色光のうちの少なくとも一部の色光によって励起され、発光素子からの色光とは異なる波長を有する色光を射出する。波長変換素子から射出される色光は、例えば黄色光である。黄色光を射出する波長変換素子は、例えばイットリウム・アルミニウム・ガーネット(Yttrium・Aluminum・Garnet;YAG)系のセラミックス蛍光体によって形成され、例えばセリウム(Ce)が付活されたYAG(YAG:Ce3+)である。
【0037】
光源装置50の光学素子は、例えば光源52から発せられる光を平行化又は集光するレンズ、光源52から発せられる光の進路を屈折させる反射ミラー、或いは入射する色光のうちの所定の偏光を射出する偏光素子等を含む。
【0038】
光源装置50では、発光素子から発せられる色光の一部が波長変換素子に入射し、入射する一部の色光が波長変換素子によって別の色光に変換される。別の色光は、波長変換素子から-Y側に向く方向を含めて全方向に射出される。波長変換素子に入射する残りの色光のうちの少なくとも一部の色光は、波長変換素子を透過し、波長変換素子から発光素子とは反対側すなわち-Y側に射出される。合成色光として、例えば青色光と黄色光とを含む白色光が波長変換素子からY軸に沿って-Y側に射出される。波長変換素子から射出される色光は、光源装置50の光学素子によってX軸に沿って-X側に偏向され、光変調装置60に導かれる。
【0039】
光変調装置60は、筐体10のX軸での中央より+X側の部分及び-Y側の端の内部空間Sに配置され、光源装置50に隣り合い、光源装置50の-X側に配置されている。光変調装置60は、光源装置50から射出される合成色光を分けて光変調素子に導くための図示略の複数の光学素子と、3つの光変調素子62B,62G,62Rと、光合成素子64と、を備える。
【0040】
光変調装置60の合成色光を分けて光変調素子に導くための複数の光学素子は、例えば光源装置50から射出される白色光を赤色光と緑色光及び青色光を含む2色光とに分けるダイクロイックミラー、2色光を緑色光と青色光とに分けるダイクロイックミラー、青色光を光変調素子62Bに向けて反射する反射ミラー、緑色光を光変調素子62Gに向けて反射する反射ミラー、赤色光を光変調素子62Rに向けて反射する反射ミラー、各色光に対応するフィールドレンズ、入射側偏光板及び射出側偏光板等を含む。
【0041】
光変調素子62Bは、青色光に対応して配置される前述の入射側偏光板から射出される所定の偏光の青色光の光路上に配置されている。光変調素子62Bは、筐体10の底壁部12のXY平面に平行な内壁面12aに対して垂直に立てられ、XZ平面に平行な変調面を有する。光変調素子62Bは、例えば液晶パネルである。光変調素子62BにおいてZ軸で変調面と重なる領域は、液晶素子によって構成され、X軸及びZ軸に配列された複数の画素を有する。複数の画素は、例えばポリシリコン薄膜トランジスター(Thin Film Transistor;TFT)で構成されるスイッチング素子を備える。スイッチング素子は、後述する回路実装板135から各々の画素に対して入力される電気信号に応じて動作する。光変調素子62Bは、入射する青色光をプロジェクター100で投射する画像又は映像に合わせて変調する。
【0042】
光変調素子62Gは、緑色光に対応して配置される前述の入射側偏光板から射出される所定の偏光の緑色光の光路上に配置されている。光変調素子62Gは、筐体10の底壁部12のXY平面に平行な内壁面12aに対して垂直に立てられ、YZ平面に平行な変調面を有する。光変調素子62Gは、光変調素子62Bよりも+X側且つ+Y側に配置され、Z軸で光変調素子62Bと同じ高さに並んで配置されている。光変調素子62Gは、例えば液晶パネルである。光変調素子62GにおいてX軸で変調面と重なる領域は、液晶素子によって構成されている。光変調素子62Gは、Y軸及びZ軸に配列され、光変調素子62Bの各々の画素と同様に構成された複数の画素を有する。光変調素子62Gの各々の画素のスイッチング素子は、回路実装板135から入力される電気信号に応じて動作する。光変調素子62Gは、入射する緑色光をプロジェクター100で投射する画像又は映像に合わせて変調する。
【0043】
光変調素子62Rは、赤色光に対応して配置される前述の入射側偏光板から射出される所定の偏光の赤色光の光路上に配置されている。光変調素子62Rは、筐体10の底壁部12のXY平面に平行な内壁面12aに対して垂直に立てられ、XZ平面に平行な変調面を有する。光変調素子62Rは、光変調素子62Gよりも-X側且つ+Y側に配置され、X軸で光変調素子62Bと重なり、Z軸で光変調素子62B,62Gと同じ高さに並んで配置されている。光変調素子62Rは、例えば液晶パネルである。光変調素子62RにおいてX軸で変調面と重なる領域は、液晶素子によって構成されている。光変調素子62Rは、X軸及びZ軸に配列され、光変調素子62B,62Gの各々の画素と同様に構成された複数の画素を有する。光変調素子62Rの各々の画素のスイッチング素子は、回路実装板135から入力される電気信号に応じて動作する。光変調素子62Rは、入射する赤色光をプロジェクター100で投射する画像又は映像に合わせて変調する。
【0044】
青色光に対応する射出側偏光板は、光変調素子62Bに対して+Y側に配置され、光変調素子62Bから射出される青色の画像光の所定の偏光を射出する。緑色光に対応する射出側偏向板は、光変調素子62Gに対して-X側に配置され、光変調素子62Gから射出される緑色の画像光の所定の偏光を射出する。赤色光に対応する射出側偏向板は、光変調素子62Rに対して-Y側に配置され、光変調素子62Bから射出される青色の画像光の所定の偏光を射出する。
【0045】
光合成素子64は、青色、緑色及び赤色の画像光に対応する3枚の射出側偏向板から射出される3色の画像光の光路上に配置され、3色の画像光が互いに重なる位置を中心として配置されている。光合成素子64は、Z軸に沿って見たときの平面視において光変調素子62B,62G,62Rによって囲まれる領域に配置されている。光合成素子64は、例えば立方体状に形成されたクロスダイクロイックプリズムである。光合成素子64の側面及び入射面は、Z軸で光変調素子62B,62G,62Rの変調面及び変調領域と同じ高さに並んで配置されている。光合成素子64は、-Y側から入射する青色の画像光と、+X側から入射する緑色の画像光と、+Y側から入射する赤色の画像光と、を合成し、フルカラーの画像光Lを生成する。光合成素子64は、画像光LをX軸に沿って-X側へ射出する。
【0046】
光源装置50から光変調装置60に入射する合成色光は、光変調装置60の複数の光学素子によって3色の所定の偏光に変換される。3色の偏光は、光変調素子62B,62G,62R及び射出側偏光板によって画像又は映像に合った3色の画像光に変換される。3色の画像光は、光合成素子64によって合成される。光合成素子64によって生成された画像光Lは、光変調素子62B,62G,62Rの何れの変調面とも対向していない側面からX軸に沿って-X側に射出される。
【0047】
反射ミラー70は、光変調装置60から射出される画像光Lの光路上に配置されている。反射ミラー70は、筐体10の底壁部12のXY平面に平行な内壁面12aに対して垂直に立てられ、XZ平面及びYZ平面に傾斜する変調面を有する。反射ミラー70の反射面は、Z軸に沿って平面視したときに、-X側の端から+X側の端に移動する際に-Y側へ移動する。
【0048】
光変調装置60から射出される画像光Lは、反射ミラー70の反射面に照射され、反射面で反射されることによってY軸に沿って+Y側に偏向され、投射光学装置80に導かれる。
【0049】
投射光学装置80は、筐体10のX軸での中央の内部空間S、及び筐体10のY軸での中央から+Y側の端までの内部空間Sに配置されている。投射光学装置80は、反射ミラー70によって偏向された画像光Lの光路上に配置されている。投射光学装置80は、光変調装置60から射出されて反射ミラー70で偏向される画像光Lを投射口25に導くための図示略の複数の光学素子を備える。
【0050】
投射光学装置80の光学素子は、反射ミラー70によってから射出される画像光Lを拡大方向に沿って+Y側の端部へ導き、その後、投射口25に設けられた透光板26に向けて-Y側且つ+Z側に射出する。投射光学装置80の光学素子は、例えば光学レンズや反射ミラーが含まれる。光学レンズには、例えば平凸レンズ、平凹レンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、メニスカスレンズ、非球面レンズ、自由曲面レンズ等が含まれる。
【0051】
光変調装置60から反射ミラー70を介して投射光学装置80に入射する画像光Lは、投射光学装置80の複数の光学素子によって不図示のスクリーンへ拡大画像として投射される。
【0052】
図2及び
図3に示すように、複数の回路実装板120は、回路実装板131,132,133,134,135を含み、図示略の回路実装板をさらに含む。本明細書において、回路実装板120は、基板122の板面の一方又は両方の板面に形成されている図示略の配線に回路部品の端子や導通部がはんだ付け等によって直接固定されているものを意味する。配線は、導体で構成され、基板122の板面上又は内部に形成され、板面と平行な面に展開されている。基板122は、例えばプリント基板である。回路部品は、例えば抵抗、コンデンサ、増幅器、トランジスタ、ダイオード、集積回路、コネクタを含み、回路実装板120に搭載可能な部品であれば特に限定されない。
【0053】
回路実装板131は、筐体10のX軸での中央よりも-X側の内部空間S、及び筐体10のY軸での中央から-Y側の端までの内部空間Sに配置されている。回路実装板131は、Z軸において、筐体10の底壁部12の平坦部12Aよりも+Z側の内部空間Sに配置され、図示略の支持部材によって筐体10に支持されている。回路実装板131の基板122は、XY平面に平行な板面を有する。
【0054】
回路実装板131は、図示略の電気ケーブルによって光変調装置60に接続されている。回路実装板131は、プロジェクター100で投射する画像又は映像に関する電気信号を受信し、基板122の主に-Z側の板面に搭載されている回路部品を用いて、光変調装置60の3つの光変調素子62R,62G,62Bの各々の各画素に応じた情報を含む電気信号と、点灯・消灯のタイミングを表す電気信号に変換する。回路実装板131は、変換した後の電気信号を電気ケーブルを介して光変調装置60の3つの光変調素子62R,62G,62Bに供給する。
【0055】
回路実装板132は、筐体10のX軸での中央よりも-X側の内部空間S、及び筐体10のY軸での中央よりも+Y側から-Y側の端までの内部空間Sに配置されている。回路実装板132は、Z軸において、筐体10の底壁部12の平坦部12Aよりも+Z側の内部空間Sに配置され、図示略の支持部材によって筐体10に支持されている。回路実装板132は、Z軸で回路実装板131と間隔をあけて設けられ、回路実装板131よりも+Z側に配置されている。回路実装板132は、Z軸に沿って見たときに、回路実装板131と重なり、回路実装板131よりも+Y側に延在している。回路実装板132の基板122は、XY平面に平行な板面を有する。
【0056】
回路実装板133は、筐体10のX軸での中央よりも-X側の内部空間S、及び筐体10のY軸での中央よりも僅かに+Y側から-Y側の端までの内部空間Sに配置されている。回路実装板133は、Z軸において、筐体10の底壁部12の平坦部12Aよりも+Z側の内部空間Sに配置され、図示略の支持部材によって筐体10に支持されている。回路実装板133は、Z軸で回路実装板132と間隔をあけて設けられ、回路実装板132よりも+Z側に配置されている。回路実装板133は、Z軸に沿って見たときに、回路実装板131,132と重なっている。回路実装板133の基板122は、XY平面に平行な板面を有する。
【0057】
回路実装板132,133は、図示略の電気ケーブルによって光源装置50、光変調装置60、物体検出センサー27、人感センサー28のうちの少なくとも1つの装置に接続されている。回路実装板132,133は、筐体10の壁部30の小壁部31に設けられる後述の端子410に接続される電源ケーブル、複数の種類の通信ケーブルや無線LAN子機451からの電気信号を受信する。回路実装板132は、基板122の板面に搭載されている回路部品を用いて、電気ケーブルで接続されている制御対象の装置やセンサを制御するための電気信号を生成する。回路実装板132は、生成した電気信号を電気ケーブルを介して制御対象の装置やセンサに供給する。
【0058】
回路実装板133の+Z側の板面には、Z軸で間隔をあけて放熱板142が取り付けられている。放熱板142は、XY平面に平行な板面を有し、回路実装板133よりも+Z側に配置されている。放熱板142は、Z軸に延在する複数の棒状部材等によって+Z側から回路実装板133に連結されている。放熱板142の-Z側の板面には、集積回路等の図示略の回路部品が搭載されている。回路実装板133は、基板122の板面に搭載されている回路部品を用いて、電気ケーブルで接続されている制御対象の装置やセンサを制御するための電気信号を生成する。回路実装板133は、生成した電気信号を電気ケーブルを介して制御対象の装置やセンサに供給する。
【0059】
回路実装板132の+Y側の端よりもさらに+Y側の内部空間Sには、プロジェクター100に内蔵されている無線LAN子機451が配置されている。無線LAN子機451は、X軸で回路実装板132の基板と重なっている。無線LAN子機451は、回路実装板132の回路と図示略の電気ケーブルを介して接続されている。無線LAN子機451には、プロジェクター100の外部の不図示のコンピューター等の装置からの映像や画像が無線で送信される。無線LAN子機451で受信される映像や画像は、無線LAN子機451を介して回路実装板132に出力され、適切な電気信号に変換される。
【0060】
回路実装板135は、筐体10のX軸での中央よりも僅かに+X側の内部空間S、及び筐体10の-Y側の端の内部空間Sに配置されている。回路実装板135は、Z軸において、筐体10の底壁部12の平坦部12Aよりも+Z側の内部空間Sに配置され、図示略の支持部材によって筐体10に支持されている。回路実装板135は、回路実装板131,132よりも+Z側に配置され、回路実装板133とZ軸で同じ高さに並んでいる。回路実装板135の基板122は、XY平面に平行な板面を有する。
【0061】
回路実装板135は、Z軸に沿って見たときに光変調装置60と重なり、光変調装置60よりも+Z側に配置されている。回路実装板135の回路部品は、基板122の主に-Z側の板面に搭載されている。回路実装板135の基板122には、光変調装置60の光変調素子62B,62G,62Rの各々のシート状の電極部材が-Z側から+Z側へZ軸に沿って貫通し、+Z側の板面で支持されている。回路実装板135は、回路実装板131,132,133からプロジェクター100で投射する画像又は映像に関する電気信号を受信する。回路実装板135は、基板122に搭載されている回路部品150を用いて、前述の電気信号にしたがって光変調装置60の3つの光変調素子62B,62G,62Rを制御し、所望のパターン及びタイミングで青色、緑色及び赤色の画像光を生成する。
【0062】
回路実装板136は、筐体10の+X側の端及び-Y側の端の内部空間Sに配置されている。回路実装板136は、Z軸において、筐体10の底壁部12の平坦部12Aよりも+Z側の内部空間Sに配置され、図示略の支持部材によって筐体10に支持されている。回路実装板136は、回路実装板135とZ軸で同じ高さに並んでいる。回路実装板136の基板122は、XY平面に平行な板面を有する。
【0063】
回路実装板136の大部分は、Z軸に沿って見たときに光源装置50と重なり、光源装置50よりも+Z側に配置されている。回路実装板136の回路部品は、主に-Z側の板面に搭載されている。回路実装板136は、回路実装板131,132,133からプロジェクター100で投射する画像又は映像に応じて光源52に供給するべき電気信号を受信する。回路実装板136は、基板122に搭載されている回路部品を用いて、受信する電気信号に応じて光源52が所望のタイミング及びパターンで白色光を発するように光源52を制御する。
【0064】
複数のファン200は、
図1から
図3において例示されているファンと、図示略のファンと、を含む。複数のファン200は、筐体10の内部空間Sにおいて、光源装置50、光変調装置60、投射光学装置80、複数の回路実装板120及び各種の部品とは異なる位置に配置されている。
【0065】
複数のファン200のうちの1つ以上のファン200は、底壁部12の適切な位置に形成された吸気口から防塵フィルター等を介してプロジェクター100の外気を吸い込む。複数のファン200のうちの残りのファン200は、前述のように外気を吸い込む1つ以上のファン200から吹き出される風によって供給される気流の一部を吸い込む。複数のファン200から吹き出される風は、筐体10の内部空間Sを流れる気流を供給する。内部空間Sを流れる気流によって、光源装置50、光変調装置60、投射光学装置80、複数の回路実装板120、図示略の電源装置、ヒートシンク、ヒートポンプ等のように作動中に熱を発する装置のクーリングが行われる。これらの装置と熱交換して加温される気流は、底壁部12の適切な位置に形成された排気口からプロジェクター100の外部に排気される。
【0066】
図2に示すように、筐体10のケーブル収容空間Pは、底壁部12と、側壁部14の壁部14D及び連結部15D、上壁部16及び壁部30によって囲まれている。筐体10の底壁部12と側壁部14と上壁部16によって囲まれる空間は、内部空間Sと、ケーブル収容空間Pと、を有する。壁部30の小壁部31,35は、XY平面内で内部空間Sとケーブル収容空間Pとを区画する区画壁である。小壁部31のYZ平面に平行な壁面31s,31t、及び小壁部35のXZ平面に平行な-Y側の壁面35tと+Y側の壁面35sとは、XY平面内で内部空間Sとケーブル収容空間Pとを区画する区画面である。
【0067】
図4は、プロジェクター100の側面図であり、側壁部14の壁部14Dの+Y側の端部を除く大部分と連結部15Dが外された状態の図である。
図5は、プロジェクター100の斜視図であり、側壁部14の壁部14Dの+Y側の端部を除く大部分と連結部15Dが外された状態の図である。
図2、
図4及び
図5に示すように、壁部30は、上述説明した小壁部31,32,33,35を有する。
【0068】
X軸において、壁部30の小壁部31の壁面31tは、側壁部14の壁部14DのYZ平面に平行な+X側の内壁面14dtと側壁部14の壁部14BのYZ平面に平行な-X側の内壁面14btとの間に配置されている。X軸に平行であって-X側から+X側に向かうX軸に沿って見たときに、壁部30の小壁部31の壁面31tと側壁部14の壁部14Bの内壁面14btとの距離を第1距離D1とする。X軸に沿って見たときに、小壁部32の+Z側の壁面32tのY軸に平行な-X側の端と側壁部14の壁部14Bの内壁面14btとの距離を第2距離D2とする。第1距離D1は、第2距離D2よりも短い。小壁部32の壁面32tは、X軸において側壁部14の壁部14DのYZ平面に平行な+X側の内壁面14dtよりも+X側に配置され、内壁面14dtに対してX軸の奥側にある。
【0069】
図5に示すように、Y軸に沿って-Y側から+Y側に向かって見たときに、筐体10には、開口GAが形成されている。開口GAは、壁部30の小壁部32のX軸に平行な-Y側及び+Z側の端と、側壁部14の壁部14AのZ軸に平行な-X側の端と、壁部30の小壁部33のX軸に平行な-Y側及び-Z側の端と、側壁部14の壁部14AのZ軸に平行な-X側の端に囲まれている。開口GAは、常に開放されている。
【0070】
小壁部32は、小壁部31の-Z側の端部から上述のようにZ軸に沿って見たときに底壁部12と重なる領域のみに-X側へ側壁部14の壁部14D及び連結部15Dに向けて延在している。小壁部32のY軸の所定の位置PSには、段差が設けられている。小壁部32のX軸に平行な-Y側の端からY軸に沿って+Y側の所定の位置PSまでの壁面32tを壁面32tLとし、所定の位置PSから小壁部32が小壁部35のYZ平面に平行な-Y側の壁面35tと交差する位置までの壁面32tを壁面32tHとする。壁面32tHは、壁面32tLよりも+Z側にある。壁面32tLにおけるX軸に平行な-Y側の端と壁面32tHにおけるX軸に平行な+Y側の端とを連結する壁面32tCは、XZ平面に平行である。
【0071】
小壁部32の壁面32tは、XY平面に対して傾斜し、+X側の端から-X側の端に移動するにしたがって-Z側に移動する。壁面32tHの+X側の端から-X側の端に移動するときのZ軸での移動量は、壁面32tLの+X側の端から-X側の端に移動するときのZ軸での移動量よりも大きい。つまり、壁面32tHは、XY平面に対して壁面32tLよりも大きい角度をなして傾斜している。
【0072】
小壁部31のYZ平面に平行な-X側の壁面31tのZ軸での高さは、Y軸において+Y側の端から-Y側へ所定の位置までの範囲で所定の第1の高さであり、所定の位置からY軸で小壁部32の壁面32tCと重なる位置までの範囲で第1の高さよりも高い第2の高さである。小壁部32の壁面32tLが壁面32tHよりも低いため、小壁部31の壁面31tのZ軸での高さは、Y軸で小壁部32の段差の壁面32tCと重なる位置から-Y側の端までの範囲で最も高い第3の高さである。小壁部31の壁面31tのY軸での幅は、Z軸において+Z側の端から-Z側へ所定の位置までの範囲で所定の第1の幅であり、所定の位置からZ軸で小壁部32の壁面32tHと重なる位置までの範囲で第1の幅よりも大きい第2の幅である。小壁部31の壁面31tのY軸での幅は、Z軸で小壁部32の段差の壁面32tHと重なる位置から-Z側の端までの範囲で最も小さい第3の幅である。
【0073】
小壁部31には、複数の差し込み口400が設けられている。各々の差し込み口400には、通信ケーブルや無線LAN子機451のコネクタを挿入及び接続可能な端子410が配置されている。小壁部31の第1エリア405には、例えば3つの差し込み口400がY軸に沿って互いに間隔をあけて設けられている。第1エリア405は、壁面31tのZ軸での高さが第2の高さであるエリアの-Y側の部分、及び、壁面31tのZ軸での高さが第3の高さであり、壁面31tのY軸での幅が第1の幅であるエリアである。
【0074】
第1エリア405の3つの差し込み口400には、HDMI(登録商標)のコネクタを接続可能な端子411が配置されている。端子411は、回路実装板132又は回路実装板133の電子回路に電気的に接続されている。例えば、端子411に図示略の通信ケーブルの一方の端に設けられたHDMIのコネクタが接続され、通信ケーブルの他方の端に設けられたコネクタに不図示のDVDプレイヤーやBlu-ray Disc(登録商標)プレイヤー、ゲーム機等の装置が接続される。このことによって、DVDプレイヤー等の装置からの映像が通信ケーブル、HDMIのコネクタ及び端子411を介して回路実装板132,133に出力され、適切な電気信号に変換される。
【0075】
小壁部31の第2エリア406には、例えば6つの差し込み口400がY軸に沿って互いに間隔をあけて設けられている。第2エリア406は、壁面31tのZ軸での高さが第1の高さ及び第2の高さであるエリアと第3の高さであるエリアの+Y側の部分、及び、壁面31tのZ軸での高さが第3の高さであり、壁面31tのY軸での幅が第1の幅及び第2の幅であるエリアである。
【0076】
第2エリア406の6つの差し込み口400には、+Y側から-Y側に、端子421,422,423,424,425,426が配置されている。端子421は、無線LAN子機451のUSB(Universal Serial Bus)コネクタ461を接続可能な端子である。なお、
図5では、USBコネクタ461は見えていない。例えば、端子421に無線LAN子機451のUSBコネクタ461が接続される。このことによって、タブレット端末等のように使用者が持ち運び可能なコンピューターからの映像や画像が無線で無線LAN子機451に送信され、無線LAN子機451で受信される映像や画像がUSBコネクタ461及び端子421を介して回路実装板132,133に出力され、適切な電気信号に変換される。
【0077】
端子422は、USBケーブル452のUSB2.0 Standard-B又はType-Bと呼ばれるコネクタ462を接続可能な端子である。例えば、端子422にUSBケーブル452の一方の端に設けられたコネクタ462が接続され、USBケーブル452の他方の端に設けられたコネクタに不図示のスキャナやカメラ等の装置が接続される。このことによって、スキャナ等の装置からの映像や画像がUSBケーブル452、コネクタ462及び端子422を介して回路実装板132,133に出力され、適切な電気信号に変換される。
【0078】
端子423は、LANケーブル453のLANコネクタ463を接続可能な端子である。例えば、端子423にLANケーブル453の一方の端に設けられたLANコネクタ463が接続され、LANケーブル453の他方の端に設けられたLANコネクタに不図示のコンピューターが直接、又はスイッチングハブや別のLANケーブル等を介して接続される。このことによって、コンピューターからの映像や画像がLANケーブル453、LANコネクタ463及び端子423を介して回路実装板132,133に出力され、適切な電気信号に変換される。
【0079】
端子424は、フラッシュメモリ454のUSBコネクタ464を接続可能な端子である。例えば、端子424にフラッシュメモリ454のUSBコネクタ464が接続される。このことによって、フラッシュメモリ454に保存されている映像や画像がUSBコネクタ464及び端子424を介して回路実装板132,133に出力され、適切な電気信号に変換される。
【0080】
端子425は、ディスプレイケーブル455のD-Sub15pinのVGA(Video Graphics Array)コネクタ465を接続可能な端子である。例えば、端子425にディスプレイケーブル455の一方の端に設けられたVGAコネクタ465が接続され、ディスプレイケーブル455の他方の端に設けられたVGAコネクタに不図示のコンピューターが直接、又はスイッチングハブや別のLANケーブル等を介して接続される。このことによって、コンピューターからの映像や画像がディスプレイケーブル455、VGAコネクタ465及び端子425を介して回路実装板132,133に出力され、適切な電気信号に変換される。
【0081】
端子426は、モジュラーケーブル456のコネクタ466を接続可能な端子である。例えば、端子426にモジュラーケーブル456の一方の端に設けられたコネクタ466が接続され、モジュラーケーブル456の他方の端に設けられたコネクタに不図示のコンピューターや電子黒板等の画像出力装置が接続される。このことによって、画像出力装置からの画像がモジュラーケーブル456、コネクタ466及び端子426を介して回路実装板132,133に出力され、適切な電気信号に変換される。
【0082】
小壁部31の第3エリア408には、例えば1つの差し込み口400が設けられている。第3エリア408は、壁面31tのZ軸での高さが第3の高さであるエリア、及び、壁面31tのY軸での幅が第3の幅であるエリアである。
【0083】
第3エリア408の1つの差し込み口400には、端子431が配置されている。端子431は、電源ケーブル458の2ピンのコネクタ468を接続可能な端子である。端子425に電源ケーブル458の一方の端に設けられたコネクタ468が接続され、電源ケーブル458の他方の端に設けられたコネクタに不図示の電源装置が直接、又はプロジェクター100の設置台等を介して接続される。このことによって、電源装置からの電力が電源ケーブル458、コネクタ468及び端子431を介して回路実装板131及び回路実装板131よりも-Z側の内部空間Sに配置されている電源に供給される。回路実装板131や電源は、受信した電力から適切な電気信号を生成し、内部空間Sで駆動させる装置に電気信号を供給する。
【0084】
図5に示すように、例えば端子422に接続されるUSBケーブル452の長尺なケーブル部分は、ケーブル収容空間PでUSBコネクタ462から-X側に突出しつつ、X軸に沿って見たときに重力の関係で-Z側に移動する。さらに、USBケーブル452のケーブル部分は、側壁部14の連結部15DのZ軸に平行な+X側の端と壁部14AのZ軸に平行な-X側の端との間の開口GAに向かってY軸に沿って-Y側に延在し、開口GAを通ってプロジェクター100の外部に導かれる。
【0085】
USBケーブル452と同様に、LANケーブル453、ディスプレイケーブル455、モジュラーケーブル456及び電源ケーブル458の各々の長尺なケーブル部分は、ケーブル収容空間PでLANコネクタ463、VGAコネクタ465、コネクタ466及びコネクタ468から-X側に突出しつつ、X軸に沿って見たときに-Z側に移動し、開口GAに向かってY軸に沿って-Y側に延在し、開口GAを通ってプロジェクター100の外部に導かれる。
【0086】
無線LAN子機451は、複数の端子140に接続される通信ケーブルとは異なり、プロジェクター100に対して映像や画像に関する情報を入力する外部の装置との間を無線で通信する。
図4及び
図5に示すように、無線LAN子機451のUSBコネクタ461と接続する端子421は、複数の端子410の中で、X軸に沿って見たときに小壁部31の壁面31tにおいて最も+Y側に配置されている。端子421以外の複数の端子410は、小壁部31の壁面31tにおいて端子421よりも-Y側に配置されている。つまり、Y軸において端子421と小壁部35の壁面35tとの間には、他に通信ケーブルのコネクタを接続可能な端子は存在しない。開口GAは、複数の端子410よりもさらに-Y側に形成されている。USBケーブル452を含む通信ケーブルのケーブル部分は、Y軸で端子421に向かう側とは反対側の-Y側に導かれる。そのため、X軸に沿って見たときに、無線LAN子機451に他の通信ケーブルのコネクタやケーブル部分が重ならない。したがって、無線LAN子機451を介する回路実装板132,133の回路とプロジェクター100の外部の装置との間の通信に対して無線LAN子機451以外のUSBケーブル452等の通信ケーブルに含まれる金属等の導体が与える影響は、低減される。
【0087】
上述のように、USBケーブル452を含む通信ケーブルの長尺なケーブル部分がケーブル収容空間PにおけるX軸、Y軸及びZ軸の3次元空間内で湾曲するため、ケーブル収容空間PのX軸及びY軸での幅、及びZ軸での高さは、USBケーブル452を含む通信ケーブルで許容される曲げ半径のうちの最大曲げ半径よりも大きい。
図2に示すように、X軸に沿って見たときに、小壁部31の-X側の壁面31tのY軸に平行な端と側壁部14の壁部14Dの内壁面14dtとの距離を第3距離D3とする。第3距離D3は、前述のように壁面31tの端子420に接続されるケーブルで許容されている曲げ半径よりも大きく、例えば3cm以上に設定されている。なお、第3距離D3は、5cm以上に設定されていることが好ましい。
【0088】
なお、無線LAN子機451は、無線LAN子機451とプロジェクター100の外部のコンピューター等の装置との通信に用いられる電磁波の波長の1/4の長さで共振する。そのため、無線LAN子機451を中心として通信に用いられる電磁波の波長の1/4の長さを半径とする範囲内の導体は、無線LAN子機451の通信に影響を与え得る。例えば、無線LAN子機451との通信に用いられる電磁波の周波数が2.4GHzであれば、電磁波の波長は12.5cmであり、無線LAN子機451を中心として半径3cmの範囲内に配置されている導体は、無線LAN子機451の通信に影響を与え得る。そのため、
図2に示すように、無線LAN子機451を中心として半径が通信に用いられる電磁波の波長の1/4の長さの範囲RR内には、金属製の支持部材やビス等の導体物が差し支えない限り配置されていないことが好ましい。
【0089】
プロジェクター100の設計等において生じる制約によって、無線LAN子機451のUSBコネクタ461が接続される端子421のY軸での中心と他の端子410のY軸での中心との離間距離が無線LAN子機451の通信に用いられる電磁波の波長の1/4の長さよりも短くならざるを得ない場合がある。しかしながら、上述のようにX軸に沿って見たときに、無線LAN子機451に他の通信ケーブルのコネクタやケーブル部分が重ならず、他の通信ケーブルのケーブル部分が無線LAN子機451に対して離れる方向に導かれる。したがって、無線LAN子機451を介する回路実装板132,133の回路とプロジェクター100の外部の装置との間の通信に対して通信ケーブルに含まれる金属等の導体が与える影響は、低減される。
【0090】
以上説明した本実施形態のプロジェクター100は、回路実装板132,133と、筐体10と、端子421,422と、を含む。回路実装板132,133は、画像を処理し、プロジェクター100で投射する画像や映像を処理し、投射する画像光を生成する光源装置50及び光変調装置60に供給する電気信号を制御する。筐体10は、側壁部14の壁部14Dの内壁面14dtと、側壁部14の壁部14Bの内壁面14btと、壁部30の小壁部31の壁面31tと、を含む。側壁部14の壁部14Dの内壁面14dtは、「第1側面」に相当する。側壁部14の壁部14Bの内壁面14btは、壁部14Dの内壁面14dtと対向し、「第2側面」に相当する。X軸は、「第1軸」に相当する。X軸に平行な方向は、「第2方向」に相当する。Y軸に平行な方向は、「第1方向」に相当する。側壁部14の壁部14Dの内壁面14dtは、Y軸に沿う方向を長手方向とする。側壁部14の壁部14Bの内壁面14btは、内壁面14dtと対向する。
【0091】
本実施形態のプロジェクター100において、筐体10は、壁部30の小壁部31の壁面31tと、壁部30の小壁部32の壁面32tと、壁部30の小壁部35の壁面35tと、を含む。壁部30の小壁部31の壁面31tは、Y軸に直交するX軸で内壁面14dt,14btの間に配置され、「第1面」に相当する。壁部30の小壁部32の壁面32tは、X軸及びZ軸で小壁部31の壁面31tと交差し、「第2面」に相当する。壁部30の小壁部35の壁面35tは、X軸及びY軸で小壁部31の壁面31tと交差し、Y軸及びZ軸で小壁部32の壁面32tと交差する。壁部30の小壁部35の壁面35tは、「第3面」に相当する。端子422は、壁部30の小壁部31の壁面31tに配置されている。端子422には、USBケーブル452が接続される。端子422は、「第1端子」に相当する。USBケーブル452は、「通信ケーブル」に相当する。端子421は、壁部30の小壁部31の壁面31tにおいて、Y軸で+Y側の端すなわち小壁部35の壁面35tと端子422との間に配置されている。端子421には、無線LAN子機451が接続される。無線LAN子機451は、「無線通信の子機」に相当する。
【0092】
本実施形態のプロジェクター100では、X軸に沿って見た場合に、壁部30の小壁部31の壁面31tと側壁部14の壁部14Bの内壁面14btとの第1距離D1は、壁部30の小壁部32の壁面32tと側壁部14の壁部14Bの内壁面14btとの第2距離D2よりも短い。また、X軸に沿って見た場合に、壁部30の小壁部31の壁面31tと側壁部14の壁部14Dの内壁面14dtとの第3距離D3は、第1距離D1よりも短い。本実施形態のプロジェクター100では、筐体10において、Y軸で壁部30の小壁部35の壁面35tと交差する小壁部31の壁面31tの端31fとは反対側の第1端31eと、Y軸で側壁部14の壁部14Dの内壁面14dtにおいてY軸で第1端31eに近い方の端14eと、に挟まれる範囲RTの一部が開口GAとして開放されている。つまり、側壁部14の壁部14Dの内壁面14dt及び壁部14Bの内壁面14btを含む筐体10の外周縁10Tに沿う方向D5において、壁面31tの第1端31eと内壁面14dtの端14eに挟まれる範囲RTの一部が開放されている。
【0093】
詳しく説明すると、プロジェクター100では、筐体10の外周縁10Tに沿う方向D5において、小壁部31の壁面31tの第1端31eと、連結部15Dの内壁面の+X側の端と、に挟まれる範囲が開口GAとして開放されている。なお、連結部15Dが省略され、壁面31tの第1端31eと内壁面14btの端14eに挟まれる範囲RTの全部が開口GAとして開放されてもよい。
【0094】
本実施形態のプロジェクター100では、X軸に沿って見たときに、壁部30の小壁部31の壁面31tにおいて、無線LAN子機451を接続する端子421がUSBケーブル452を接続する端子422よりも+Y側に配置されている。一方で、壁部14B,14Dを含む側壁部14において範囲RTの一部で開放されている開口GAは、端子422よりも-Y側に設けられている。本実施形態のプロジェクター100では、USBケーブル452のケーブル部分を-Y側の開口GAを通してプロジェクター100の外部に導くことによって、USBケーブル452のケーブル部分をUSBケーブル452のコネクタ462よりも+Y側に配置されている無線LAN子機451から遠ざけることができる。このことによって、X軸に沿って見たときに、無線LAN子機451にUSBケーブル452が重なることなく、無線LAN子機451の通信に対するUSBケーブル452中の金属や導体の影響が低減される。本実施形態のプロジェクター100によれば、無線LAN子機451を接続する際に、スループットが低下してプロジェクターから射出される映像が乱れる、或いは映像が停まる事態を避けることができる。そのため、無線LAN子機451を接続する際に、プロジェクター100の動作不良や性能低下の発生を防ぐことができる。
【0095】
なお、USBケーブル452は、複数の端子410に接続される通信ケーブルの1つとして例示されている。プロジェクター100には、USBケーブル452の他に例えばディスプレイケーブル455等の通信ケーブルを接続可能であるが、作用効果の説明においてディスプレイケーブル455等の通信ケーブルはUSBケーブル452と同様に扱われる。
【0096】
本実施形態のプロジェクター100では、無線LAN子機451を接続する端子421と壁部30の小壁部35の壁面35tとの間には、端子421以外の他の端子が配置されない。本実施形態のプロジェクター100によれば、X軸に沿って見たときに通信ケーブルが端子421に対して+Y側から-Y側に横断して開口GAを通る事態を避けることができる。そのため、無線LANを接続する際に、プロジェクター100の動作不良や性能低下の発生を防ぐことができる。
【0097】
本実施形態のプロジェクター100では、筐体10は、壁部30の小壁部35の壁面35tを覆う上壁部16をさらに有する。上壁部16は、「蓋」に相当する。本実施形態のプロジェクター100では、端子421と無線LAN子機451との接続部分及び端子422とUSBケーブル452との接続部分を上壁部16によって使用者に対して隠すことができる。本実施形態のプロジェクター100によれば、プロジェクター100の使用時の美観性を高めることができる。
【0098】
本実施形態のプロジェクター100では、壁部30の小壁部32の壁面32tは、壁部30の小壁部35の壁面35tに交差する壁面32tHと、Y軸において壁面32rHに対して壁面35tとは反対側すなわち-Y側に設けられた壁面32tLと、を有する。壁面32tHは、「第4面」に相当する。壁面32tLは、「第5面」に相当する。Z軸は、「第2軸」に相当する。Z軸に沿って見た場合に、壁面32tLと端子421との距離は、壁面32tHと端子421との距離よりも大きい。壁面32tLは、壁面32tHよりも-Z側に配置されている。端子422は、Y軸において壁面35tと壁面32tH,32tLの境界との間に配置されている。
【0099】
本実施形態のプロジェクター100では、壁面32tHよりも開口GAに近い壁面32tLが低いため、端子422に接続されるUSBケーブル452が重力にしたがって-Z側に下降しつつ、開口GAに向けて導かれる。そのため、USBケーブル452に負荷がかかり難い。本実施形態のプロジェクター100によれば、USBケーブル452への負荷を低減し、USBケーブル452の変形を防ぐことができる。
【0100】
本実施形態のプロジェクター100では、Y軸において壁面32tLに重なる壁面31tに電源ケーブル458が接続される端子431が配置されている。電源ケーブル458は、通信ケーブルの1つである。端子431は、「第3端子」に相当する。
【0101】
本実施形態のプロジェクター100では、端子421に対して端子431を-Y側に最大限に遠く配置し、端子431に接続される電源ケーブル458を端子421に接続される無線LAN子機451から遠ざけることができる。電源ケーブル458は、無線LAN子機451の通信に対しての影響力が他の通信ケーブルよりも高い。本実施形態のプロジェクター100によれば、電源ケーブル458の金属や導体による無線LAN子機451の通信への影響を低減することができる。また、本実施形態のプロジェクター100では、ファン200等を用いて、回路実装板131及び回路実装板131よりも下層すなわち-Z側に配置されている図示略の電源装置を集中的に冷却する必要がある。本実施形態のプロジェクター100によれば、端子431は、回路実装板131や電源装置のように筐体10の内部空間Sの下部すなわち-Z側の部分に配置される構成に併せて、壁面31tにおいて-Z側のエリアに好適に配置される。
【0102】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
【0103】
例えば、プロジェクター100において、筐体10の壁部30の小壁部31に配置される端子421以外の端子と端子421以外の端子に接続される通信ケーブルの種類と数は、上述で説明された種類と数に限定されない。小壁部31に配置される端子421以外の端子と端子に接続される通信ケーブルの種類と数は、プロジェクター100の使用時の環境、使用目的及び設計時の制約等に合わせて適宜決められている。
【0104】
上述で説明されたプロジェクター100は、各々が液晶パネルからなる3つの光変調素子を備える。図示していないが、本発明を適用した画像処理装置として、例えば1枚の液晶パネルを備え、単板式と呼ばれるプロジェクターであってもよい。
【0105】
また、上述の実施形態の説明では、本発明を適用する画像処理装置としてプロジェクター100が例示された。しかしながら、本発明に係る画像処理装置は、プロジェクターに限定されず、外部の装置と画像や映像に関する情報を送受信し、受信する情報に応じて画像を処理する装置を含み、例えば無線LANを接続可能なプリンター、ビデオデッキやビデオレコーダーであってもよい。
【0106】
また、光変調素子62B,62G,62Rの各々は、液晶パネルに限定されず、例えばDMD(Digital Micromirror Device)等であってもよい。
【0107】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
(付記1)画像を処理する回路と、第1方向が長手方向である第1側面と、前記第1側面と対向する第2側面と、前記第1方向に直交する第2方向において前記第1側面と前記第2側面との間に配置される第1面と、前記第1面に交差する第2面と、前記第1面及び前記第2面と交差し、前記第1面と前記第2面とを接続する第3面と、を含み、前記回路を収容する筐体と、前記第1面に配置され、通信ケーブルが接続される第1端子と、前記第1面において、前記第3面と前記第1端子との間に配置され、無線通信の子機が接続される第2端子と、を含み、前記第2方向に平行な第1軸に沿って見た場合に、前記第1面と前記第2側面との第1距離は前記第2面と前記第2側面との第2距離よりも短く、前記第1軸に沿って見た場合に、前記第1面と前記第1側面との第3距離は前記第1距離よりも短く、前記筐体において、前記第1方向において前記第3面と交差する前記第1面の端とは反対側の前記第1面の第1端と、前記第1方向において前記第1端に近い方の前記第1側面の端と、に挟まれる範囲の一部又は全部が開放されている、画像処理装置。
【0108】
付記1の構成により、無線LAN子機に通信ケーブルが重なることなく、無線LAN子機の通信に対する通信ケーブル中の金属や導体の影響が低減される。付記1の構成によれば、無線LAN子機を接続する際に、スループットが低下してプロジェクターから投射される映像が乱れる、或いは映像が停まる事態を避けることができる。そのため、無線LANを接続する際に、画像処理装置の動作不良や性能低下の発生を防ぐことができる。
【0109】
(付記2)前記第2端子と前記第3面との間には他の端子が配置されない、付記1の画像処理装置。
【0110】
付記2の構成により、第2端子と第3面との間から通信ケーブルが無線LANにかかることがないため、無線LANを接続する際に、画像処理装置の動作不良や性能低下の発生を防ぐことができる。
【0111】
(付記3)前記筐体は、前記第1面の少なくとも一部を覆う蓋をさらに有する、付記1又は付記2の画像処理装置。
【0112】
付記3の構成により、端子と無線LAN子機や通信ケーブルとの接続部分が蓋によって使用者に対して隠れるため、画像処理装置の美観性を高めることができる。
【0113】
(付記4)前記第2面は、前記第3面に交差する第4面と、前記第1方向において前記第4面に対して前記第3面とは反対側に設けられた第5面と、を有し、第1方向及び第2方向と直交する第3方向に平行な第2軸に沿って見た場合に、前記第5面と前記第2端子との距離は前記第4面と前記第2端子との距離よりも大きく、前記第1端子は、前記第1方向において前記第3面と、前記第4面と前記第5面との境界との間に配置されている、付記1から付記3の何れか1つの画像処理装置。
【0114】
付記4の構成により、第1端子に接続される通信ケーブルに負荷を与えずに、通信ケーブルを筐体に設けられる開口に向けて導く。そのため、通信ケーブルへの負荷を低減し、通信ケーブルの変形を防ぐことができる。
【0115】
(付記5)前記第1方向において前記第5面に重なる前記第1面に電源ケーブルが接続される第3端子が配置されている、付記4の画像処理装置。
【0116】
付記5の構成により、本体で発生する熱を放熱板が受熱し、放熱板から筐体の内部空間に放熱することによって気流と熱交換することができる。このことによって、回路部品の冷却効率をさらに高めることができる。
【符号の説明】
【0117】
10…筐体、100…プロジェクター(画像処理装置)、132,133…回路実装板(回路)。