(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106917
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H10B 12/00 20230101AFI20240801BHJP
【FI】
H10B12/00 671Z
H10B12/00 621A
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011420
(22)【出願日】2023-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡嶋 睦
(72)【発明者】
【氏名】増田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 信美
(72)【発明者】
【氏名】池田 圭司
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083AD02
5F083AD22
5F083AD55
5F083GA10
5F083JA02
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA56
5F083JA60
5F083PR05
5F083PR21
(57)【要約】
【課題】好適に動作する半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、基板と、基板の表面と交差する第1方向に並ぶ複数のメモリ層と、第1方向に延伸する第1ビア配線と、を備える。複数のメモリ層は、それぞれ、第1ビア配線に電気的に接続された第1半導体層と、第1半導体層の第1方向の一方側及び他方側の面に対向する第1ゲート電極と、第1半導体層に対して第1方向と交差する第2方向の一方側に設けられ、第1半導体層に電気的に接続されたメモリ部と、第1半導体層に対して、第2方向の他方側に設けられ、第1ゲート電極に電気的に接続され、第1方向及び第2方向と交差する第3方向に延伸する第1配線と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の表面と交差する第1方向に並ぶ複数のメモリ層と、
前記第1方向に延伸する第1ビア配線と
を備え、
前記複数のメモリ層は、それぞれ、
前記第1ビア配線に電気的に接続された第1半導体層と、
前記第1半導体層の、前記第1方向の一方側及び他方側の面に対向する第1ゲート電極と、
前記第1半導体層に対して、前記第1方向と交差する第2方向の一方側に設けられ、前記第1半導体層に電気的に接続されたメモリ部と、
前記第1半導体層に対して、前記第2方向の他方側に設けられ、前記第1ゲート電極に電気的に接続され、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に延伸する第1配線と
を備える半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1ゲート電極は、前記第1半導体層の、前記第3方向の一方側及び他方側の面に対向する
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第2方向及び前記第3方向に延伸し、前記第1ビア配線、前記第1半導体層及び前記第1ゲート電極の一部を含む断面において、前記第1半導体層は、前記第1ビア配線を囲む
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記複数のメモリ層に対応して前記第1方向に並ぶ複数の前記第1配線の間に、空隙が設けられている
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第1ゲート電極の前記第2方向の前記第1配線側の端部の前記第2方向における位置は、前記第1ビア配線の前記第2方向の一方側の端部の前記第2方向における位置と、前記第1ビア配線の前記第2方向の他方側の端部の前記第2方向における位置と、の間に設けられている
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記メモリ部は、
前記第1半導体層に電気的に接続された第1電極と、
前記第1電極に対向する第2電極と、
前記第1電極及び前記第2電極の間に設けられた第1絶縁層と
を備える請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記メモリ部は、
前記第2電極に含まれる第1導電層と、
前記第1電極に含まれ、前記第1導電層の前記第1方向の一方側及び他方側の側面、並びに、前記第1導電層の前記第3方向の一方側及び他方側の側面に対向する第2導電層と、
前記第2電極に含まれ、前記第2導電層の前記第1方向の一方側及び他方側の側面、並びに、前記第2導電層の前記第3方向の一方側及び他方側の側面に対向する第3導電層と
を備える請求項6記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第1方向に隣り合う2つのメモリ層に対応する2つの前記第2導電層の間に、前記2つの第2導電層に接する第2絶縁層が設けられている
請求項7記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
メモリセルアレイを備え、
前記メモリセルアレイは、
前記第1方向に並ぶ複数のサブメモリセルアレイと、
前記第1方向に延伸する第2ビア配線と
を備え、
前記複数のサブメモリセルアレイは、それぞれ、
前記複数のメモリ層と、
前記複数のメモリ層に対して前記第1方向の一方側に設けられたトランジスタ層と、
前記第1ビア配線と
を備え、
前記トランジスタ層は、
前記第1ビア配線及び前記第2ビア配線の間に電気的に接続された第2半導体層と、
前記第2半導体層の、前記第1方向の一方側及び他方側の面に対向する第2ゲート電極と、
前記第1方向から見て前記第1配線と重なる位置に設けられ、前記第2ゲート電極に電気的に接続され、前記第3方向に延伸する第2配線と
を備える請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記第1方向に並ぶ複数のメモリチップを備え、
前記複数のメモリチップは、それぞれ、前記複数のサブメモリセルアレイのうちの一つを含む
請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記メモリ部は、キャパシタである
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記第1半導体層は、ガリウム(Ga)及びアルミニウム(Al)のうち少なくとも一つの元素と、インジウム(In)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)と、を含む
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
基板と、
前記基板の表面と交差する第1方向に並ぶ複数のメモリ層と、
前記第1方向に延伸する第1ビア配線と
を備え、
前記複数のメモリ層は、それぞれ、
前記第1ビア配線に電気的に接続された第1半導体層と、
前記第1半導体層に対向する第1ゲート電極と、
前記第1半導体層に対して、前記第1方向と交差する第2方向の一方側に設けられ、前記第1半導体層に電気的に接続されたメモリ部と、
前記第1半導体層に対して、前記第2方向の他方側に設けられ、前記第1ゲート電極に電気的に接続され、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に延伸する第1配線と
を備え、
前記メモリ部は、
前記第1半導体層に電気的に接続された第1電極と、
前記第1電極に対向する第2電極と、
前記第1電極及び前記第2電極の間に設けられた第1絶縁層と
を備え、
前記メモリ部は、
前記第2電極に含まれる第1導電層と、
前記第1電極に含まれ、前記第1導電層の前記第1方向の一方側及び他方側の側面、並びに、前記第1導電層の前記第3方向の一方側及び他方側の側面に対向する第2導電層と、
前記第2電極に含まれ、前記第2導電層の前記第1方向の一方側及び他方側の側面、並びに、前記第2導電層の前記第3方向の一方側及び他方側の側面に対向する第3導電層と
を備え、
前記第1方向に隣り合う2つのメモリ層に対応する2つの前記第2導電層の間に、前記2つの第2導電層に接する第2絶縁層が設けられている
半導体記憶装置。
【請求項14】
前記メモリ部は、キャパシタである
請求項13記載の半導体記憶装置。
【請求項15】
前記第1半導体層は、ガリウム(Ga)及びアルミニウム(Al)のうち少なくとも一つの元素と、インジウム(In)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)と、を含む
請求項13記載の半導体記憶装置。
【請求項16】
基板と、メモリセルアレイと、を備え、
前記メモリセルアレイは、
前記基板の表面と交差する第1方向に並ぶ複数のサブメモリセルアレイと、
前記第1方向に延伸する第1ビット線と
を備え、
前記複数のサブメモリセルアレイは、それぞれ、
前記第1方向に並ぶ複数のメモリ層と、
前記複数のメモリ層に対して前記第1方向の一方側に設けられたトランジスタ層と、
前記第1方向に延伸する第2ビット線と
を備え、
前記複数のメモリ層は、それぞれ、
前記第2ビット線に電気的に接続された第1半導体層と、
前記第1半導体層に対向する第1ゲート電極と、
前記第1半導体層に対して、前記第1方向と交差する第2方向の一方側に設けられ、前記第1半導体層に電気的に接続されたメモリ部と、
前記第1半導体層に対して、前記第2方向の他方側に設けられ、前記第1ゲート電極に電気的に接続され、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に延伸する第1配線と
を備え
前記トランジスタ層は、
前記第1ビット線及び前記第2ビット線の間に電気的に接続された第2半導体層と、
前記第2半導体層に対向する第2ゲート電極と、
前記第1方向から見て前記第1配線と重なる位置に設けられ、前記第2ゲート電極に電気的に接続され、前記第3方向に延伸する第2配線と
を備える半導体記憶装置。
【請求項17】
前記第1方向に並ぶ複数のメモリチップを備え、
前記複数のメモリチップは、それぞれ、前記複数のサブメモリセルアレイのうちの一つを含む
請求項16記載の半導体記憶装置。
【請求項18】
前記メモリ部は、キャパシタである
請求項16記載の半導体記憶装置。
【請求項19】
前記第1半導体層は、ガリウム(Ga)及びアルミニウム(Al)のうち少なくとも一つの元素と、インジウム(In)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)と、を含む
請求項16記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置の高集積化に伴い、半導体記憶装置の三次元化に関する検討が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9,514,792号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
好適に動作する半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、基板と、基板の表面と交差する第1方向に並ぶ複数のメモリ層と、第1方向に延伸する第1ビア配線と、を備える。複数のメモリ層は、それぞれ、第1ビア配線に電気的に接続された第1半導体層と、第1半導体層の第1方向の一方側及び他方側の面に対向する第1ゲート電極と、第1半導体層に対して第1方向と交差する第2方向の一方側に設けられ、第1半導体層に電気的に接続されたメモリ部と、第1半導体層に対して、第2方向の他方側に設けられ、第1ゲート電極に電気的に接続され、第1方向及び第2方向と交差する第3方向に延伸する第1配線と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図2】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
【
図3】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
【
図4】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。
【
図5】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図6】同半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図7】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図8】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図9】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図10】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図11】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図12】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図13】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図14】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図15】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図16】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図17】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図18】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図19】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図20】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図21】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図22】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図23】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図24】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図25】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図26】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図27】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図28】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図29】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図30】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図31】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図32】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図33】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図34】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図35】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図36】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図37】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図38】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図39】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図40】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図41】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図42】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図43】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図44】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図45】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図46】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図47】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図48】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図49】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図50】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図51】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図52】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図53】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図54】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図55】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図56】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図57】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図58】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図59】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図60】第2実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図61】第3実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。
【
図62】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図63】同半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図64】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図65】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図66】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図67】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図68】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図69】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図70】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図71】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図72】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図73】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図74】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図75】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図76】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図77】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図78】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図79】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図80】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図81】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図82】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図83】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図84】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図85】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図86】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図87】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図88】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図89】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図90】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図91】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図92】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図93】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図94】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図95】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図96】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図97】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図98】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図99】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図100】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図101】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図102】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図103】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図104】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図105】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図106】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図107】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図108】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図109】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図110】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図111】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図112】第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な斜視図である。
【
図113】第4実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な斜視図である。
【
図114】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図115】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図116】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図117】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図118】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図119】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図120】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図121】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図122】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【
図123】第4実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。
【
図124】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図125】第5実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図126】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。
【
図127】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図128】第6実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。
【
図129】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図130】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図131】第7実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図132】メモリチップC
Mの構成を示す模式的なXY断面図である。
【
図133】周辺回路チップC
Cの構成を示す模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、実施形態に係る半導体記憶装置を、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。また、以下の図面は模式的なものであり、説明の都合上、一部の構成等が省略される場合がある。また、複数の実施形態について共通する部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0008】
また、本明細書において「半導体記憶装置」と言った場合には、メモリダイを意味する事もあるし、メモリチップ、メモリカード、SSD(Solid State Drive)等の、コントローラダイを含むメモリシステムを意味する事もある。更に、スマートホン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の、ホストコンピュータを含む構成を意味する事もある。
【0009】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合には、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0010】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成及び第3の構成の「間に電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成、第2の構成及び第3の構成が直列に接続され、且つ、第2の構成が第1の構成を介して第3の構成に電気的に接続されていることを意味する場合がある。
【0011】
また、本明細書において、回路等が2つの配線等を「導通させる」と言った場合には、例えば、この回路等がトランジスタ等を含んでおり、このトランジスタ等が2つの配線の間の電流経路に設けられており、このトランジスタ等がON状態となることを意味する事がある。
【0012】
また、本明細書においては、基板の上面に対して平行な所定の方向をX方向、基板の上面に対して平行で、X方向と垂直な方向をY方向、基板の上面に対して垂直な方向をZ方向と呼ぶ。
【0013】
また、本明細書においては、所定の面に沿った方向を第1方向、この所定の面に沿って第1方向と交差する方向を第2方向、この所定の面と交差する方向を第3方向と呼ぶことがある。これら第1方向、第2方向及び第3方向は、X方向、Y方向及びZ方向のいずれかと対応していても良いし、対応していなくても良い。
【0014】
また、本明細書において、「上」や「下」等の表現は、基板を基準とする。例えば、上記Z方向に沿って基板から離れる向きを上と、Z方向に沿って基板に近付く向きを下と呼ぶ。また、ある構成について下面や下端と言う場合には、この構成の基板側の面や端部を意味する事とし、上面や上端と言う場合には、この構成の基板と反対側の面や端部を意味する事とする。また、X方向又はY方向と交差する面を側面等と呼ぶ。
【0015】
また、本明細書において、ある構成の「中心位置」と言った場合、例えば、この構成の外接円の中心の位置を意味しても良いし、この構成の画像上の重心を意味しても良い。
【0016】
[第1実施形態]
[回路構成]
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。
図1に示す様に、本実施形態に係る半導体記憶装置は、メモリセルアレイMCAを備える。メモリセルアレイMCAは、複数のメモリ層MLと、これら複数のメモリ層MLに接続された複数のビット線BLと、複数のメモリ層MLに接続されたプレート線PLと、を備える。
【0017】
メモリ層MLは、それぞれ、複数のワード線WLと、これら複数のワード線WLに接続された複数のメモリセルMCと、を備える。メモリセルMCは、それぞれ、トランジスタTrCと、キャパシタCpCと、を備える。トランジスタTrCのソース電極は、ビット線BLに接続されている。トランジスタTrCのドレイン電極は、キャパシタCpCに接続されている。トランジスタTrCのゲート電極は、ワード線WLに接続されている。キャパシタCpCの一方の電極は、トランジスタTrCのドレイン電極に接続されている。キャパシタCpCの他方の電極は、プレート線PLに接続されている。各ビット線BLは、複数のメモリ層MLに対応する複数のメモリセルMCに接続されている。
【0018】
[構造]
図2は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
図3は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図であり、
図2の一部を拡大して示している。
図4は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。
図5は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図であり、
図4に示す構造をA-A´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た構成を示している。
【0019】
図2には、半導体基板Subの一部と、半導体基板Subの上方に設けられたメモリセルアレイMCAと、を示している。
【0020】
半導体基板Subは、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むシリコン(Si)等の半導体基板である。半導体基板Subの上面には、図示しない絶縁層及び電極層が設けられている。半導体基板Subの上面、図示しない絶縁層及び電極層は、第1実施形態に係る半導体記憶装置を制御するための制御回路を構成する。例えば、メモリセルアレイMCAの直下の領域には、センスアンプ回路が設けられる。センスアンプ回路は、ビット線BLに電気的に接続される。センスアンプ回路は、読出動作において、ビット線BLの電圧の変動又は電流を検出することにより、選択メモリセルMCに記憶されたデータを読み出すことが可能である。
【0021】
メモリセルアレイMCAは、Z方向に並ぶ複数のメモリ層MLを備える。また、複数のメモリ層MLの間には、それぞれ、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁層103が設けられている。
【0022】
また、メモリセルアレイMCAには、導電層102が設けられている。導電層102はY方向及びZ方向に延伸し、メモリ層MLをX方向に分断する。
【0023】
導電層102は、例えば、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層構造等を含む。導電層102は、例えば、プレート線PL(
図1)として機能する。
【0024】
また、メモリセルアレイMCAには、複数のビア配線104が設けられている。複数のビア配線104は、Y方向に並び、複数のメモリ層MLを貫通してZ方向に延伸する。
【0025】
ビア配線104は、
図3に示す様に、例えば、導電性酸化物を含む導電性酸化膜104a、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜104b、及び、タングステン(W)等の導電部材104cを含む。尚、ビア配線104は、導電性酸化膜104aのかわりに、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)又はその他の金属を含んでいても良い。また、ビア配線104は、導電性酸化物のみを含んでいても良いし、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)又はその他の金属のみを含んでいても良い。
【0026】
本明細書において、「導電性酸化物」は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化イリジウム(IrO2)、又は、その他の酸素を含む導電性の材料を含むこととする。
【0027】
導電部材104cは、Z方向に延伸する略円柱状の形状を備える。バリア導電膜104bは、導電部材104cの外周面に沿ってZ方向に延伸する略円筒状の形状を備える。導電性酸化膜104aは、バリア導電膜104bの外周面に沿ってZ方向に延伸する略円筒状の形状を備える。ビア配線104は、例えば、ビット線BL(
図1)として機能する。ビット線BLは、例えば
図2に示す様に、メモリ層MLに含まれる複数のトランジスタTrCに対応して、複数設けられている。
【0028】
メモリ層MLは、複数のビア配線104に対応して設けられた複数のトランジスタ構造110と、複数のトランジスタ構造110に対して導電層102と反対側に設けられた導電層120と、複数のトランジスタ構造110及び導電層102の間に設けられた複数のキャパシタ構造130と、を備える。
【0029】
トランジスタ構造110は、例えば
図3に示す様に、ビア配線104の外周面に接続され、X方向に延伸する半導体層111と、半導体層111の上面、下面、Y方向の両側面、及び、X方向の一方側(導電層120側)の側面に設けられた絶縁層112と、絶縁層112の上面、下面、Y方向の両側面、及び、X方向の一方側(導電層120側)の側面に設けられた導電層113と、を備える。
【0030】
図4に例示する様なXY断面において、半導体層111のX方向の一方側(導電層102側)の側面は、ビア配線104の中心位置を中心とする円に沿って形成されていても良い。また、半導体層111、絶縁層112及び導電層113のX方向の他方側(導電層120側)の側面は、導電層120の側面に沿って直線状に形成されていても良い。また、半導体層111、絶縁層112及び導電層113のY方向における両側面は、絶縁層115の側面に沿って直線状に形成されていても良い。
【0031】
半導体層111は、例えば、トランジスタTrC(
図1)のチャネル領域として機能する。半導体層111は、例えば、ガリウム(Ga)及びアルミニウム(Al)のうち少なくとも一つの元素と、インジウム(In)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)と、を含む半導体であっても良いし、その他の酸化物半導体であっても良い。Z方向に並ぶ複数の半導体層111は、Z方向に延伸するビア配線104に共通に接続されている。
【0032】
絶縁層112は、例えば、トランジスタTrC(
図1)のゲート絶縁膜として機能する。絶縁層112は、例えば、酸化シリコン(SiO
2)等を含む。
【0033】
導電層113は、例えば、トランジスタTrC(
図1)のゲート電極として機能する。導電層113は、例えば、窒化チタン(TiN)、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性酸化物を含む。Y方向に並ぶ複数の導電層113は、Y方向に延伸する導電層120に共通に接続されている(
図2参照)。導電層113は、絶縁層112を介して、半導体層111の上面、下面、Y方向の両側面、及び、X方向の一方側(導電層120側)の側面と対向している。
【0034】
Y方向において隣り合う2つの半導体層111の間には、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁層115が設けられている。絶縁層115は、複数のメモリ層MLを貫通してZ方向に延伸する。
【0035】
導電層120は、例えば、ワード線WL(
図1)として機能する。導電層120は、Y方向に延伸し、Y方向に並ぶ複数の導電層113に接続されている。導電層120は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜121と、タングステン(W)の導電膜122と、を備える。
【0036】
キャパシタ構造130は、例えば
図4及び
図5に示す様に、導電層131と、導電層131の上面、下面、Y方向の両側面、及び、X方向の一方側(トランジスタ構造110側)の側面に設けられた導電層132と、導電層132の上面、下面、Y方向の両側面、及び、X方向の一方側(トランジスタ構造110側)の側面に設けられた絶縁層133と、絶縁層133の上面、下面、Y方向の両側面、及び、X方向の一方側(トランジスタ構造110側)の側面に設けられた導電層134と、導電層134の上面、下面、及び、Y方向の両側面に設けられた絶縁層135と、絶縁層135の上面、下面、及び、Y方向の両側面に設けられた導電層136と、導電層136の上面、下面、及び、Y方向の両側面に設けられた導電層137と、を備える。
【0037】
導電層131,132,136,137は、キャパシタCpC(
図1)の一方の電極として機能する。導電層131,137は、例えば、タングステン(W)等を含む。導電層132,136は、例えば、窒化チタン(TiN)等を含む。導電層131,132,136,137は、導電層102に接続されている。
【0038】
絶縁層133,135は、キャパシタCpC(
図1)の絶縁層として機能する。絶縁層133,135は、例えば、ジルコニア(ZrO
2)、アルミナ(Al
2O
3)又はその他の絶縁性の金属酸化物であっても良い。また、絶縁層133,135は、例えば、複数の絶縁性の金属酸化物の積層膜(例えば、ジルコニア及びアルミナの積層膜)であっても良い。
【0039】
導電層134は、例えば、キャパシタCpC(
図1)の他方の電極として機能する。導電層134は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性酸化物を含む。導電層134は、絶縁層133,135を介して、導電層131,132,136,137から絶縁されている。導電層134は、半導体層111のX方向の側面に接続されている。
【0040】
【0041】
同製造方法においては、例えば
図7に示す様に、複数の絶縁層103と、複数の犠牲層MLAと、を交互に形成する。犠牲層MLAは、例えば、窒化シリコン(Si
3N
4)等を含む。この工程は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)等によって行う。
【0042】
次に、例えば
図6に示す様に、絶縁層115を形成する。この工程では、例えば、絶縁層115に対応する位置に、開口を形成する。この開口は、Z方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層MLAを貫通する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。開口の形成後、絶縁層115を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0043】
次に、例えば
図8及び
図9に示す様に、ビア配線104に対応する位置に、開口104Aを形成する。開口104Aは、
図9に示す様にZ方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層MLAを貫通する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。尚、図示は省略するものの、開口104Aの形成後、開口104Aの上部を、絶縁層等によって閉塞させる。
【0044】
次に、例えば
図10及び
図11に示す様に、導電層120に対応する位置の近傍に、開口101Aを形成する。開口101Aは、Y方向及びZ方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層MLAを貫通して、これらの構成をX方向に分断する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0045】
次に、例えば
図12及び
図13に示す様に、導電層120に対応する位置に、開口120Aを形成する。開口120Aの内部には、絶縁層103の上面の一部及び下面の一部、並びに、犠牲層MLAのX方向の側面の一部が露出する。この工程では、例えば、開口101Aを介して、犠牲層MLAの一部を選択的に除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。尚、開口120Aは、開口104Aとは連通しない。
【0046】
次に、例えば
図14及び
図15に示す様に、開口101A及び開口120Aに、シリコン(Si)等の犠牲層101Bを埋め込む。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0047】
次に、例えば
図16及び
図17に示す様に、半導体層111に対応する位置に、開口111Aを形成する。開口111Aの内部には、絶縁層103の上面の一部及び下面の一部、犠牲層MLAのX方向の側面の一部、絶縁層115のY方向の側面の一部、並びに、犠牲層101BのX方向の側面の一部が露出する。この工程では、例えば、開口104Aを介して、犠牲層MLAの一部を選択的に除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0048】
次に、例えば
図18及び
図19に示す様に、開口111A及び開口104Aの内部に、導電層113A及びシリコン(Si)等の犠牲層111Bを形成する。導電層113Aは、絶縁層103の上面の一部、下面の一部及び開口104Aへの露出面、犠牲層MLAのX方向の側面の一部、絶縁層115のY方向の側面の一部、並びに、犠牲層101BのX方向の側面の一部に形成される。また、開口111Aは犠牲層111Bによって埋め込まれ、開口104Aは犠牲層111Bによって埋め込まれない。この工程は、例えば、CVD等によって行う。尚、図示は省略するものの、導電層113A及び犠牲層111Bの形成後、開口104Aの上部を、絶縁層等によって閉塞させる。
【0049】
次に、例えば
図20及び
図21に示す様に、導電層102に対応する位置に、開口102Aを形成する。開口102Aは、Y方向及びZ方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層MLA、並びに、絶縁層115を貫通して、これらの構成をX方向に分断する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0050】
次に、例えば
図22及び
図23に示す様に、キャパシタ構造130に対応する位置に、開口130Aを形成する。この工程では、開口102Aを介して、犠牲層MLAを除去する。また、導電層113Aのうち、犠牲層111BのX方向の一方側の側面(開口102A側の側面)を覆う部分を除去する。この工程では、開口102Aの内部に犠牲層111BのX方向の側面が露出する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0051】
次に、例えば
図24及び
図25に示す様に、開口102A及び開口130Aを介して、犠牲層111Bに酸化処理を行い、絶縁層111Cを形成する。また、開口102A及び開口130Aに、シリコン(Si)等の犠牲層130Bを埋め込む。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0052】
次に、例えば
図26及び
図27に示す様に、導電層113を形成する。この工程では、例えば、犠牲層111Bのうち、開口104Aの内周面に設けられた部分を除去する。次に、導電層113Aのうち、開口104Aの内周面に設けられた部分を除去し、導電層113AをZ方向に分断する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0053】
次に、例えば
図28及び
図29に示す様に、犠牲層111Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0054】
次に、例えば
図30及び
図31に示す様に、絶縁層111C、及び、犠牲層130Bの一部を除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0055】
次に、例えば
図32及び
図33に示す様に、開口111A及び開口104Aの内部に、絶縁層112A及び犠牲層111Bを形成する。絶縁層112Aは、導電層113の上面、下面及び開口111Aへの露出面、絶縁層103の上面の一部、下面の一部及び開口104Aへの露出面、犠牲層130BのX方向の側面の一部、並びに、絶縁層115のY方向の側面の一部に形成される。また、開口111Aは犠牲層111Bによって埋め込まれ、開口104Aは犠牲層111Bによって埋め込まれない。この工程は、例えば、CVD等によって行う。尚、図示は省略するものの、絶縁層112A及び犠牲層111Bの形成後、開口104Aの上部を、絶縁層等によって閉塞させる。
【0056】
次に、例えば
図34及び
図35に示す様に、犠牲層130Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0057】
次に、例えば
図36及び
図37に示す様に、絶縁層112を形成する。この工程では、開口102A及び開口130Aを介して、絶縁層112Aのうち、犠牲層111BのX方向の一方側の側面(開口102A側の側面)を覆う部分を除去する。この工程では、開口102Aの内部に犠牲層111BのX方向の側面が露出する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0058】
次に、例えば
図38及び
図39に示す様に、開口102A及び開口130Aを介して、犠牲層111BのX方向の一方側の側面(開口102A側の側面)、絶縁層115のX方向の一方側(開口102A側)の側面及びY方向の両側面、並びに、絶縁層103の上面、下面及びX方向の一方側(開口102A側)の側面に、導電層134Aを形成する。この工程は、例えば、ALD(Atomic Layer Deposition)等によって行う。
【0059】
次に、例えば
図40及び
図41に示す様に、開口102Aの内部に、シリコン(Si)等の犠牲層130Cを形成する。開口130Aは犠牲層130Cによって埋め込まれ、開口102Aは犠牲層130Cによって埋め込まれない。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0060】
次に、例えば
図42及び
図43に示す様に、開口102Aを介して、犠牲層130Cの一部を除去する。この工程では、例えば、導電層134Aの、絶縁層115及び絶縁層103のX方向の側面に設けられた部分を露出させる。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0061】
次に、例えば
図44及び
図45に示す様に、導電層134を形成する。この工程では、例えば、導電層134Aの、絶縁層115及び絶縁層103のX方向の側面に設けられた部分を除去し、導電層134Aを、Y方向及びZ方向に分断する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0062】
次に、例えば
図46及び
図47に示す様に、犠牲層130Cを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0063】
次に、例えば
図48及び
図49に示す様に、開口102Aを介して、絶縁層115(
図27)の一部、及び、絶縁層103(
図28)の一部を除去して、開口130Dを形成する。図示の例では、導電層134の内側の領域を開口130Aと、導電層134の外側の領域を開口130Dとして示している。この工程では、導電層113が、開口130Dに露出しない程度の範囲で、絶縁層115(
図27)及び絶縁層103(
図28)を除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0064】
次に、例えば
図50及び
図51に示す様に、開口130A、開口130D及び開口102Aを介して、導電層134の上面、下面、X方向の一方側の側面(開口102A側の側面)及びY方向の両側面に、絶縁層133,135、導電層132,136、及び、導電層131,137,102を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0065】
次に、例えば
図52及び
図53に示す様に、犠牲層111Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0066】
次に、例えば
図54及び
図55に示す様に、開口111A及び開口104Aの内部に、半導体層111を形成する。開口111Aは、半導体層111によって埋め込まれる。開口104Aは、半導体層111によって埋め込まれない。この工程は、例えば、ALD等によって行う
【0067】
次に、例えば
図56及び
図57に示す様に、開口104Aの内部に、ビア配線104を形成する。この工程は、例えば、ALD及びCVD等によって行う。
【0068】
次に、例えば
図58及び
図59に示す様に、犠牲層101Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0069】
その後、例えば
図4及び
図5に示す様に、開口120Aの内部に導電層120を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0070】
[効果]
本実施形態に係る半導体記憶装置は、Z方向に並ぶ複数のメモリ層MLと、Z方向に延伸するビア配線104と、を備える。また、複数のメモリ層MLは、それぞれ、トランジスタ構造110と、トランジスタ構造110に対してX方向の一方側に設けられたキャパシタ構造130と、トランジスタ構造110に対してX方向の他方側に設けられた導電層120と、を備える。
【0071】
この様な構成は、メモリセルアレイMCAに含まれるメモリ層MLの数が増大した場合であっても、積層工程(
図7を参照して説明した工程)以外には工程数を増やすことなく製造可能である。従って、比較的容易に高集積化を実現可能である。
【0072】
また、本実施形態に係るトランジスタ構造110においては、導電層113が、半導体層111の上面、下面、及び、Y方向の両側面に対向している。
【0073】
この様な構成では、Z方向に並ぶ複数の半導体層111の間で、電界の干渉が生じることを抑制可能である。従って、メモリセルアレイMCAのZ方向における高集積化を図った場合であっても、半導体層111を好適にON状態又はOFF状態に制御可能であり、好適に動作する半導体記憶装置を提供可能である。
【0074】
また、トランジスタTrCをON状態とする際に、半導体層111の上面、下面、及び、Y方向の両側面にチャネルが形成される。従って、トランジスタTrCのON電流を比較的大きくすることが可能である。これにより、動作の高速化・安定化を図ることが可能である。
【0075】
ここで、例えば、ワード線WLとして機能する配線(Y方向に延伸する配線)を、ビア配線104と、キャパシタ構造130との間に設け、且つ、このワード線WLとして機能する配線の一部を、トランジスタTrCのゲート電極として利用することも考えられる。しかしながら、この様な構造は、トランジスタTrCのチャネル領域として機能する半導体層と、ワード線WLとして機能する配線とが、Z方向から見て交差する構造となる。従って、例えば、半導体層をX方向に分断することなく、Y方向に延伸する配線を加工する必要が生じてしまい、製造の難易度が高い。また、メモリ層のZ方向における幅が大きくなってしまう。
【0076】
この点、本実施形態においては、ワード線WLとして機能する導電層120が、トランジスタ構造110に対して、プレート線PLの反対側に設けられており、Z方向から見てトランジスタ構造110と重ならない位置に設けられている。従って、導電層120とトランジスタ構造110とを独立して形成することが可能であり、比較的容易に製造可能である。また、メモリ層MLのZ方向の幅を抑えつつ、導電層120の配線抵抗を比較的小さい値とすることが可能である。
【0077】
[第2実施形態]
次に、
図60を参照して、第2実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。
図60は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。以下の説明において、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0078】
第2実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。
【0079】
ただし、第2実施形態においては、Z方向に並ぶ複数の導電層120の間に、空隙203が設けられている。この様な構成によれば、Z方向に並ぶ複数の導電層120の間における寄生容量を削減可能である。これにより、動作の高速化を実現可能である。
【0080】
尚、第2実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に製造可能である。ただし、第2実施形態に係る半導体記憶装置の製造に際しては、
図58及び
図59を参照して説明した工程を実行し、導電層120を形成した後、開口101Aを介して、絶縁層103の一部を除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0081】
[第3実施形態]
[構造]
次に、
図61及び
図62を参照して、第3実施形態に係る半導体記憶装置の構成について説明する。
図61は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。
図62は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図であり、
図61に示す構造をA-A´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た構成を示している。以下の説明において、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0082】
第3実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。
【0083】
ただし、第3実施形態に係る半導体記憶装置は、メモリ層MLのかわりに、メモリ層ML3を備える。
【0084】
また、第3実施形態に係る半導体記憶装置は、導電層102のかわりに、導電層302を備える。導電層302はY方向及びZ方向に延伸し、メモリ層ML3をX方向に分断する。
【0085】
導電層302は、例えば、窒化チタン(TiN)及びシリコンゲルマニウム(SiGe)の積層構造等を含む。導電層302は、例えば、プレート線PL(
図1)として機能する。
【0086】
また、第3実施形態に係る半導体記憶装置は、複数のビア配線104のかわりに、複数のビア配線304を備える。複数のビア配線304は、Y方向に並び、複数のメモリ層ML3を貫通してZ方向に延伸する。
【0087】
ビア配線304は、
図62に示す様に、例えば、導電性酸化物を含む導電性酸化膜304a、上述したバリア導電膜104b、及び、上述した導電部材104cを含む。導電性酸化膜304aは、バリア導電膜104bの外周面に沿ってZ方向に延伸する略円筒状の部分と、各メモリ層ML
3に対応して設けられ、X方向の一方側(導電層302側)に突出する突出部と、を備える。
図61に例示する様なXY断面において、この突出部のX方向の一方側(導電層302側)の側面は、ビア配線304の中心位置を中心とする円に沿って形成されていても良い。ビア配線304は、例えば、ビット線BL(
図1)として機能する。
【0088】
メモリ層ML3は、複数のビア配線304に対応して設けられた複数のトランジスタ構造310と、複数のトランジスタ構造310に対して導電層302と反対側に設けられた導電層320と、複数のトランジスタ構造310及び導電層302の間に設けられた複数のキャパシタ構造330と、を備える。
【0089】
トランジスタ構造310は、ビア配線304の外周面に接続され、X方向に延伸する半導体層311と、半導体層311の上面、下面、Y方向の両側面、及び、X方向の一方側(導電層320側)の側面に設けられた絶縁層312と、絶縁層312の上面、下面、及び、Y方向の両側面に設けられた導電層313と、を備える。
【0090】
図61に例示する様なXY断面において、半導体層311は、X方向における位置X
311よりもX方向の一方側(導電層302側)に設けられた部分314と、位置X
311よりもX方向の他方側(導電層320側)に設けられた部分315と、を備える。
図61に例示する様なXY断面において、部分315の断面積は、部分314の断面積よりも小さい。
【0091】
位置X311は、ビア配線304のX方向における一方側の端部の位置と、他方側の端部の位置と、の間に設けられている。
【0092】
部分314のY方向の幅は、略一定である。即ち、部分314のY方向における両側面は、絶縁層115の側面に沿ってX方向に延伸する。部分314のX方向の一方側(導電層302側)の側面は、ビア配線304の中心位置を中心とする円に沿って形成されていても良い。部分314のX方向の他方側(導電層320側)の側面は、Y方向に延伸する。
【0093】
部分315の外周面は、ビア配線304の中心位置を中心とする円に沿って形成されている。
【0094】
絶縁層312は、部分314のY方向における両側面及びX方向の他方側(導電層320側)の側面、並びに、部分315の外周面に沿って形成されている。
【0095】
また、導電層313は、部分314のY方向における両側面に沿って形成されている。尚、図示の例において、導電層313のX方向の他方側(導電層320側)の端部のX方向における位置は、位置X311と、ビア配線304のX方向における他方側の端部の位置と、の間に設けられている。
【0096】
半導体層311は、例えば、トランジスタTrC(
図1)のチャネル領域として機能する。半導体層311は、例えば、ガリウム(Ga)及びアルミニウム(Al)のうち少なくとも一つの元素と、インジウム(In)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)と、を含む半導体であっても良いし、その他の酸化物半導体であっても良い。Z方向に並ぶ複数の半導体層311は、Z方向に延伸するビア配線304に共通に接続されている。
【0097】
絶縁層312は、例えば、トランジスタTrC(
図1)のゲート絶縁膜として機能する。絶縁層312は、例えば、酸化シリコン(SiO
2)等を含む。
【0098】
導電層313は、例えば、トランジスタTrC(
図1)のゲート電極として機能する。導電層313は、例えば、窒化チタン(TiN)、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性酸化物を含む。Y方向に並ぶ複数の導電層313は、Y方向に延伸する導電層320に共通に接続されている。導電層313は、絶縁層312を介して、半導体層311の上面、下面、及び、Y方向の両側面と対向している。
【0099】
Y方向において隣り合う2つの半導体層311の間には、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁層115が設けられている。絶縁層115は、複数のメモリ層ML3を貫通してZ方向に延伸する。
【0100】
導電層320は、例えば、ワード線WL(
図1)として機能する。導電層320は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜321と、タングステン(W)の導電膜322と、を備える。導電層320は、Y方向に延伸する部分323と、Y方向に並ぶ複数のトランジスタ構造310に対応して設けられた複数の部分324と、を備える。部分324は、それぞれ、X方向の一方側(導電層302側)に突出し、導電層313に接続されている。
【0101】
尚、
図61に例示する様なXY断面において、部分324のX方向の一方側(導電層302側)の側面は、Y方向に延伸し、Y方向に離間する2つの部分325と、これら2つの部分325の間に設けられ、ビア配線304の中心位置を中心とする円に沿って形成された部分326と、を備えている。また、2つの部分325のX方向における位置は、位置X
311と、ビア配線304のX方向における他方側(導電層320側)の端部の位置と、の間に設けられている。また、部分324のY方向における両側面は、絶縁層115の側面に沿ってX方向に延伸している。
【0102】
キャパシタ構造330は、導電層331と、導電層331の上面、下面、Y方向の両側面、及び、X方向の一方側(トランジスタ構造310側)の側面に設けられた絶縁層333と、絶縁層333の上面、下面、Y方向の両側面、及び、X方向の一方側(トランジスタ構造310側)の側面に設けられた導電層334と、を備える。
【0103】
導電層331は、キャパシタCpC(
図1)の一方の電極として機能する。導電層331は、例えば、窒化チタン(TiN)及びシリコンゲルマニウム(SiGe)の積層構造等を含む。導電層331は、導電層302に接続されている。
【0104】
絶縁層333は、キャパシタCpC(
図1)の絶縁層として機能する。絶縁層333は、例えば、ジルコニア(ZrO
2)、アルミナ(Al
2O
3)又はその他の絶縁性の金属酸化物であっても良い。また、絶縁層333は、例えば、複数の絶縁性の金属酸化物の積層膜(例えば、ジルコニア及びアルミナの積層膜)であっても良い。
【0105】
導電層334は、例えば、キャパシタCpC(
図1)の他方の電極として機能する。導電層334は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性酸化物を含む。導電層334は、絶縁層333を介して、導電層331から絶縁されている。導電層334は、半導体層311のX方向の側面に接続されている。
【0106】
[効果]
第3実施形態に係る半導体層311及び導電層313のXY断面における面積は、第1実施形態に係る半導体層111及び導電層113のXY断面における面積よりも小さい。
【0107】
即ち、第1実施形態に係る半導体記憶装置においては、
図4に例示する様に、半導体層111のY方向における両側面が絶縁層115の側面に沿ってX方向に延伸しており、半導体層111のY方向の幅が、半導体層111のX方向の一端から他端にかけて、略一定である。また、導電層113は、絶縁層112を介して、半導体層111の上面、下面、Y方向の両側面、及び、X方向の一方側(導電層120側)の側面に対向する。
【0108】
一方、第3実施形態に係る半導体記憶装置においては、
図61を参照して説明した様に、半導体層311が、位置X
311よりもX方向の一方側(導電層302側)に設けられた部分314と、位置X
311よりもX方向の他方側(導電層320側)に設けられた部分315と、を備える。また、
図61に例示するXY断面において、部分315の断面積は、部分314の断面積よりも小さい。また、導電層313のX方向の他方側(導電層320側)の端部のX方向における位置は、位置X
311と、ビア配線304のX方向における他方側の端部の位置と、の間に設けられている。
【0109】
ここで、半導体記憶装置の読出動作及び書込動作に際しては、Z方向に並ぶ複数のワード線WL(
図1)のうちの一つの電圧を、L状態からH状態に立ち上げて、このワード線WLに接続された複数のトランジスタTrCをON状態とする。この際、ワード線WLは、複数のトランジスタTrCのゲート電極を介して、複数のトランジスタTrCのチャネル領域と容量結合する。従って、トランジスタTrCのゲート電極と、チャネル領域と、の間の静電容量が小さい方が、ワード線WLの電圧を高速に制御可能となる。
【0110】
この点、第3実施形態に係る半導体記憶装置によれば、トランジスタTrCのゲート電極(導電層313)と、チャネル領域(半導体層311)と、の間の静電容量を大幅に削減して、高速に動作する半導体記憶装置を実現可能である。
【0111】
【0112】
同製造方法においては、例えば
図7を参照して説明した工程、
図6を参照して説明した工程、並びに、
図8及び
図9を参照して説明した工程を実行する。ただし、
図8及び
図9を参照して説明した工程の実行後、開口104Aの上部を、絶縁層等によって閉塞させない。
【0113】
次に、例えば
図63及び
図64に示す様に、開口104Aの内部に、酸化シリコン(SiO
2)等の犠牲膜304Aと、シリコン(Si)等の犠牲層304Bと、を形成する。開口104Aは、犠牲層304Bによって埋め込まれる。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0114】
次に、例えば
図65及び
図66に示す様に、導電層320に対応する位置の近傍に、開口101Aを形成する。また、導電層320に対応する位置に、開口320Aを形成する。開口320Aの内部には、絶縁層103の上面の一部及び下面の一部、犠牲層MLAのX方向の側面の一部、並びに、犠牲膜304Aの外周面の一部が露出する。この工程では、例えば、開口101Aを介して、犠牲層MLAの一部を選択的に除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0115】
次に、例えば
図67及び
図68に示す様に、開口101A及び開口320Aに、シリコン(Si)等の犠牲層101Bを埋め込む。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0116】
次に、例えば
図69及び
図70に示す様に、犠牲膜304A及び犠牲層304Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0117】
次に、例えば
図71及び
図72に示す様に、半導体層311に対応する位置に、開口311Aを形成する。開口311Aの内部には、絶縁層103の上面の一部及び下面の一部、犠牲層MLAのX方向の側面の一部、絶縁層115のY方向の側面の一部、並びに、犠牲層101BのX方向の側面の一部が露出する。この工程では、例えば、開口104Aを介して、犠牲層MLAの一部を選択的に除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0118】
次に、例えば
図73に示す様に、絶縁層103の一部を除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0119】
次に、例えば
図74及び
図75に示す様に、開口311A及び開口104Aの内部に、酸化シリコン(SiO
2)等の犠牲膜304A、導電層313A、及び、シリコン(Si)等の犠牲層304Cを形成する。犠牲膜304Aは、絶縁層103の上面の一部、下面の一部及び開口104Aへの露出面、犠牲層MLAのX方向の側面の一部、絶縁層115のY方向の側面の一部、並びに、犠牲層101BのX方向の側面の一部に形成される。また、開口311Aは犠牲層304Cによって埋め込まれ、開口104Aは犠牲層304Cによって埋め込まれない。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0120】
次に、例えば
図76及び
図77に示す様に、犠牲層304Cの一部を除去して、導電層313Aのうち、開口104Aの内周面に設けられた部分を露出させ、犠牲層304CをZ方向に分断する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0121】
次に、例えば
図78及び
図79に示す様に、導電層313Aの一部を除去して、導電層313AをZ方向に分断する。この工程では、犠牲膜304Aの一部、及び、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103の一部が、開口104Aの内部に露出する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0122】
次に、例えば
図80及び
図81に示す様に、犠牲層304Cを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0123】
次に、例えば
図82及び
図83に示す様に、開口311A及び開口104Aに、シリコン(Si)等の犠牲層304Dを埋め込む。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0124】
次に、例えば
図84及び
図85に示す様に、犠牲層101Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0125】
次に、例えば
図86及び
図87に示す様に、犠牲膜304Aのうち、導電層313AのX方向の一方側(開口320A側)の端部及び犠牲層304DのX方向の一方側(開口320A側)の側面に形成された部分を除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0126】
次に、例えば
図88及び
図89に示す様に、開口320Aの内部に導電層320を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0127】
次に、例えば
図90及び
図91に示す様に、導電層302に対応する位置に、開口102Aを形成する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0128】
次に、例えば
図92及び
図93に示す様に、キャパシタ構造330に対応する位置に、開口330Aを形成する。この工程では、開口102Aを介して、犠牲層MLAを除去する。また、犠牲膜304A及び導電層313Aのうち、犠牲層304DのX方向の一方側の側面(開口102A側の側面)を覆う部分を除去して、導電層313を形成する。この工程では、開口102Aの内部に犠牲層304DのX方向の側面が露出する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0129】
次に、例えば
図94及び
図95に示す様に、犠牲層304Dを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0130】
次に、例えば
図96及び
図97に示す様に、開口104A、開口311A、開口330A及び開口102Aの内部に、絶縁層312、及び、窒化シリコン(Si
3N
4)等の犠牲膜311Bを形成する。開口311Aは犠牲膜311Bによって埋め込まれ、開口104A、開口330A及び開口102Aは犠牲膜311Bによって埋め込まれない。この工程は、例えば、CVD等によって行う。尚、図示は省略するものの、絶縁層312及び犠牲膜311Bの形成後、開口104Aの上部を、絶縁層等によって閉塞させる。
【0131】
次に、例えば
図98及び
図99に示す様に、犠牲膜311Bのうち、開口330A及び開口102Aに設けられた部分を除去する。また、図示の例では、犠牲膜311Bのうち、開口311Aに設けられた部分も、一部、除去されている。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0132】
次に、例えば
図100及び
図101に示す様に、開口102A、開口330A及び開口311Aの内部に、導電層334A、酸化シリコン(SiO
2)等の犠牲膜330B、及び、シリコン(Si)等の犠牲層330Cを形成する。図示の例では、開口311Aの一部が、犠牲膜330Bによって埋め込まれている。また、開口330Aは犠牲層330Cによって埋め込まれ、開口102Aは犠牲層330Cによって埋め込まれない。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0133】
次に、例えば
図102及び
図103に示す様に、犠牲層330Cのうち開口102Aの内壁面に設けられた部分を除去し、犠牲膜330Bのうち開口102Aの内壁面に設けられた部分を露出させて、犠牲層330CをZ方向及びY方向に分断する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0134】
次に、例えば
図104及び
図105に示す様に、導電層334を形成する。この工程では、例えば、犠牲膜330B及び導電層334Aのうち、開口102Aの内壁面に設けられた部分を除去して、導電層334AをZ方向及びY方向に分断する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0135】
次に、例えば
図106及び
図107に示す様に、犠牲層330C及び犠牲膜330Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0136】
次に、例えば
図108及び
図109に示す様に、開口330A及び開口102Aの内部に、キャパシタ構造330及び導電層302を形成する。この工程は、例えば、ALD及びCVD等によって行う。
【0137】
次に、例えば
図110及び
図111に示す様に、犠牲膜311Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0138】
その後、例えば
図61及び
図62に示す様に、開口104Aの内部に、ビア配線304を形成する。この工程は、例えば、ALD及びCVD等によって行う。
【0139】
[第4実施形態]
[概要]
次に、
図112及び
図113を参照して、第4実施形態に係る半導体記憶装置の概要について説明する。以下の説明において、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0140】
図112は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な斜視図である。
図113は、第4実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な斜視図である。
【0141】
第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造に際しては、
図48及び
図49を参照して説明した工程において、絶縁層115の一部、及び、絶縁層103の一部を除去する。この際、
図112に示す様に、導電層134がX方向に突出する構造が形成される。
【0142】
ここで、導電層134のX方向の長さ及びY方向の長さによっては、導電層134が、導電層134の内部応力、及び、導電層134の近傍の他の構造の応力の影響により、撓んでしまうおそれがある。これにより、キャパシタCpCの特性が設計値と異なってしまったり、半導体記憶装置を形成することが出来なくなったりしてしまうおそれがある。
【0143】
そこで、第4実施形態においては、
図113に示す様に、Z方向に並ぶ複数の導電層134の間に絶縁層430を設け、これによって導電層134を支持する。
【0144】
[製造方法]
図114~
図122は、第4実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
【0145】
本実施形態に係る半導体記憶装置は、
図24及び
図25を参照して説明した工程まで、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に製造される。
【0146】
次に、例えば
図114及び
図115に示す様に、開口102Aを介して、絶縁層115の一部、及び、絶縁層103の一部を除去する。この工程では、犠牲層130Bの一部が、開口102Aに突出する突出部となる。Z方向に並ぶ複数の突出部の間には、絶縁層430に対応する開口430Aが形成される。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0147】
次に、例えば
図116及び
図117に示す様に、開口430A及び開口102Aの内部に、窒化シリコン(Si
3N
4)等の絶縁層430Bを形成する。この工程では、絶縁層430Bを、絶縁層115のX方向の一方側の側面(開口102Aへの露出面)、並びに、Z方向に並ぶ複数の犠牲層130Bの上記突出部のX方向の一方側の側面(開口102Aへの露出面)、上面、下面、及び、Y方向の両側面に形成する。開口430Aは絶縁層430Bによって埋め込まれ、開口102Aは絶縁層430Bによって埋め込まれない。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0148】
次に、例えば
図118及び
図119に示す様に、絶縁層430Bの一部を除去して、絶縁層430を形成する。この工程では、絶縁層430Bのうち、絶縁層115のX方向の一方側の側面(開口102Aへの露出面)に形成された部分、及び、Z方向に並ぶ複数の犠牲層130BのX方向の一方側の側面(開口102Aへの露出面)に形成された部分を除去し、絶縁層430Bを、Y方向及びZ方向に分断する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0149】
【0150】
次に、例えば
図121及び
図113に示す様に、開口102Aを介して、絶縁層115の一部、及び、絶縁層103の一部を更に除去して、開口130Dを形成する。尚、この工程では、絶縁層103のうち、導電層134の上下に設けられた部分が、Y方向の両側面において、開口102Aに露出する(
図113参照)。絶縁層103は、この様な部分から除去される。
【0151】
次に、例えば
図122に示す様に、開口130A、開口130D及び開口102Aを介して、導電層134の上面、下面、X方向の一方側の側面(開口102A側の側面)及びY方向の両側面、並びに、絶縁層430BのX方向及びY方向の両側面に、絶縁層133,135、導電層132,136、及び、導電層131,137,102を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0152】
その後、第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法のうち、
図52及び
図53を参照して説明した工程以降の工程を実行することにより、第4実施形態に係る半導体記憶装置が形成される。
【0153】
[構造]
次に、
図123及び
図124を参照して、第4実施形態に係る半導体記憶装置の構成について説明する。
図123は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。ただし、
図123は、メモリ層MLに対応する高さ位置のXY断面図ではなく、絶縁層103に対応する高さ位置のXY断面図を示している。
図124は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図であり、
図123に示す構造をA-A´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た構成を示している。以下の説明において、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0154】
第4実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。
【0155】
ただし、第4実施形態に係る半導体記憶装置は、Z方向に並ぶ複数の絶縁層430を備える。絶縁層430は、例えば、窒化シリコン(Si3N4)等を含む。絶縁層430は、Z方向から見て導電層134の一部と重なる位置に設けられている。絶縁層430の上面及び下面は、それぞれ、導電層134と接している。また、絶縁層430のX方向の両側面、及び、Y方向の両側面には、絶縁層135、導電層136及び導電層137が積層されている。
【0156】
尚、上述の様に、
図121及び
図113を参照して説明した工程では、絶縁層103の除去が進むと、絶縁層430のX方向における開口104A側の端部(XY断面における角部)が露出する。また、絶縁層103の除去が更に進むと、絶縁層103の一部(導電層134の上下に設けられた部分)が、XY断面において、この角部を中心として除去される。この様な理由から、
図123に示す様に、絶縁層103の、Z方向から見てキャパシタ構造130と重なる位置には、Y方向における中央部分がX方向に突出する様な形状が形成される。即ち、絶縁層103の、Z方向から見てキャパシタ構造130と重なる位置の、X方向における導電層102側の端部は、Y方向における中央部分に近い位置程、X方向における絶縁層430までの距離が短い。
【0157】
[第5実施形態]
[概要]
例えば、第1実施形態に係る半導体記憶装置において、メモリセルアレイMCAに含まれるメモリ層MLの数が増大し、ビット線BLとして機能するビア配線104のZ方向の長さが増大した場合、ビア配線104と、各メモリ層MLにおける半導体層111との間の寄生容量が増大する。寄生容量が増大すると、読出動作に際し、キャパシタCpCの電荷によってビット線BLの電圧を増大させたり、減少させたりすることが困難となり、その結果、センスアンプ回路によって選択メモリセルMCに記憶されたデータを読み出すことが困難となってしまう。
【0158】
そこで、第5実施形態に係る半導体記憶装置は、ビット線BLを複数のサブビット線sBLに分割し、これら複数のサブビット線sBLを、選択的にメインビット線mBLと導通させることが可能な構成を備える。この様な構成によれば、読出動作に際し、選択されたサブビット線sBLのみをメインビット線mBLと導通させ、その他のサブビット線sBLをメインビット線mBLから電気的に切り離すことにより、読出動作を好適に実行可能である。
【0159】
[構成]
図125は、第5実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な回路図である。以下の説明において、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0160】
本実施形態に係る半導体記憶は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。ただし、本実施形態に係る半導体記憶は、メモリセルアレイMCAのかわりに、メモリセルアレイMCA5を備える。
【0161】
メモリセルアレイMCA5は、複数のサブメモリセルアレイsMCAを備える。各サブメモリセルアレイsMCAは、基本的には、メモリセルアレイMCAと同様に構成されている。
【0162】
ただし、サブメモリセルアレイsMCAは、ビット線BLのかわりに、サブビット線sBLを備える。サブビット線sBLは、基本的には、ビット線BLと同様に構成されている。ただし、サブビット線sBLは、一つのサブメモリセルアレイsMCAに含まれる複数のメモリ層MLに対応する複数のメモリセルMCに接続されており、その他のサブメモリセルアレイsMCAに含まれるメモリセルMCには接続されていない。
【0163】
また、サブメモリセルアレイsMCAは、複数のメモリ層MLに加え、トランジスタ層TLを備える。
【0164】
トランジスタ層TLは、それぞれ、選択線SLと、選択線SLに接続された複数のトランジスタTrSと、を備える。トランジスタTrSのソース電極は、メインビット線mBLに接続されている。トランジスタTrSのドレイン電極は、サブビット線sBLに接続されている。トランジスタTrSのゲート電極は、選択線SLに接続されている。
【0165】
尚、メインビット線mBLは、メモリセルアレイMCA5に含まれる全てのサブメモリセルアレイsMCAに接続されている。また、図示は省略するものの、グローバルビット線GBLは、複数のメインビット線mBLに接続されている。
【0166】
[動作]
読出動作に際しては、複数のサブメモリセルアレイsMCAのうちの一つ(以下、「選択サブメモリセルアレイsMCA」と呼ぶ。)に対応する選択線SLに、トランジスタTrSをON状態とする電圧を供給し、その他のサブメモリセルアレイsMCA(以下、「非選択サブメモリセルアレイsMCA」と呼ぶ。)に対応する選択線SLに、トランジスタTrSをOFF状態とする電圧を供給する。これにより、グローバルビット線GBLと、選択サブメモリセルアレイsMCA中のサブビット線sBLとが、導通する。また、グローバルビット線GBLと、非選択サブメモリセルアレイsMCA中のサブビット線sBLとが、電気的に切り離される。
【0167】
また、選択サブメモリセルアレイsMCAにおいて、複数のメモリ層MLのうちの一つ(以下、「選択メモリ層ML」と呼ぶ。)に対応するワード線WLに、トランジスタTrCをON状態とする電圧を供給し、その他のメモリ層ML(以下、「非選択メモリ層ML」と呼ぶ。)に対応するワード線WLに、トランジスタTrCをOFF状態とする電圧を供給する。これにより、サブビット線sBLと、選択メモリ層ML中のキャパシタCpCとが、導通する。また、サブビット線sBLと、非選択メモリ層ML中のキャパシタCpCとが、電気的に切り離される。
【0168】
以上の動作により、グローバルビット線GBLが、キャパシタCpCと導通する。また、グローバルビット線GBLの電圧が、キャパシタCpC中の電荷に伴って、増大又は減少する。図示しないセンスアンプ回路は、グローバルビット線GBLの電圧と参照電圧との差分を増幅し、読出データとして外部に出力する。
【0169】
[構造]
図126は、第5実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。尚、
図126は、基本的には、メモリ層MLに対応する高さ位置のXY断面を示している。また、
図126は、この高さ位置に存在しない構成を、点線によって図示している。
図127は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図であり、
図126に示す構造をB-B´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た構成を示している。
【0170】
図127に示す様に、各サブメモリセルアレイsMCAにおいて、トランジスタ層TLは、全てのメモリ層MLの上方に配置されている。トランジスタ層TLは、基本的には、メモリ層MLと同様に構成されている。ただし、トランジスタ層TLにおいては、トランジスタ構造110が、トランジスタTrSとして機能する。また、導電層120は、選択線SLとして機能する。また、導電層134は、サブビット線sBLとメインビット線mBLとの間に電気的に接続された配線の一部として機能する。また、トランジスタ層TLは、図示の様に、導電層134以外のキャパシタ構造130中の構成を備えていなくても良い。
【0171】
また、サブメモリセルアレイsMCAは、メインビット線mBLとして機能するビア配線501と、メインビット線mBL及びサブビット線sBL(ビア配線104)とを電気的に接続するビア配線502及び配線503と、を備える。
【0172】
ビア配線501は、
図126に示す様に、導電層120を介してX方向に隣り合う2つのビア配線104の組に対応してX方向及びY方向に並ぶ。ビア配線501は、
図127に示す様に、サブメモリセルアレイsMCA全体にわたってZ方向に延伸する。一つのサブメモリセルアレイsMCAに着目した場合、ビア配線501の下端は、最も下層に位置するメモリ層MLの下面よりも、下方に位置する。また、ビア配線501の上端は、トランジスタ層TLの上面よりも、上方に位置する。ビア配線501の上端は、配線503に接続されている。ビア配線501の下端は、このビア配線501を含むサブメモリセルアレイsMCAの一つ下のサブメモリセルアレイsMCAに含まれる配線503に接続されている。
【0173】
ビア配線502は、
図126に示す様に、複数のビア配線104に対応してX方向及びY方向に並ぶ。ビア配線502は、
図127に示す様に、Z方向に延伸する。ビア配線502の下端は、トランジスタ層TL中の導電層134に接続されている。ビア配線502の上端は、配線503に接続されている。
【0174】
配線503は、
図126に示す様に、複数のビア配線501に対応してX方向及びY方向に並ぶ。配線503は、X方向に延伸し、X方向に隣り合う2つのビア配線502と、これらの間に設けられたビア配線501と、に接続されている。
【0175】
[第6実施形態]
次に、
図128~
図130を参照して、第6実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。
図128は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。尚、
図128は、基本的には、メモリ層MLに対応する高さ位置のXY断面を示している。また、
図128は、この高さ位置に存在しない構成を、点線によって図示している。
図129は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図であり、
図128に示す構造をB-B´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た構成を示している。
図130は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図であり、
図128に示す構造をC-C´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た構成を示している。以下の説明において、第5実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0176】
第6実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第5実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。ただし、第6実施形態に係る半導体記憶装置は、ビア配線501及び配線503のかわりに、ビア配線601及び配線603を備える。
【0177】
ビア配線601は、基本的には、ビア配線501と同様に構成されている。ただし、
図128に示す様に、ビア配線601は、複数のビア配線502に対応してX方向及びY方向に並ぶ。ビア配線601は、それぞれ、Y方向に隣り合う2つのビア配線502の間に設けられている。また、
図130に示す様に、ビア配線601の上端は、配線603に接続されている。また、ビア配線601の下端は、このビア配線601を含むサブメモリセルアレイsMCAの一つ下のサブメモリセルアレイsMCAに含まれる配線603に接続されている。
【0178】
配線603は、基本的には、配線503と同様に構成されている。ただし、
図128に示す様に、配線503は、複数のビア配線502に対応してX方向及びY方向に並ぶ。配線603は、Y方向に延伸し、一つのビア配線601及び一つのビア配線502に接続されている。
【0179】
[第7実施形態]
次に、
図131~
図133を参照して、第7実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。
図131は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
図132は、メモリチップC
Mの構成を示す模式的なXY断面図である。尚、
図132は、基本的には、メモリ層MLに対応する高さ位置のXY断面を示している。ただし、
図132は、この高さ位置に存在しない構成(貼合電極P
B及び配線704)を図示している。
図133は、周辺回路チップC
Cの構成を示す模式的な平面図である。以下の説明において、第5実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0180】
図131に示す様に、第7実施形態に係る半導体記憶装置は、Z方向に積層された複数のメモリチップC
Mと、これら複数のメモリチップC
Mの下方に設けられた周辺回路チップC
Cと、を備える。
【0181】
メモリチップC
Mは、サブメモリセルアレイsMCA
7を備える。サブメモリセルアレイsMCA
7は、基本的には、
図125~
図127を参照して説明したサブメモリセルアレイsMCAと同様に構成されている。ただし、サブメモリセルアレイsMCA
7と、サブメモリセルアレイsMCAとは、上下反対に構成されている。また、サブメモリセルアレイsMCA
7は、ビア配線501の上端に接続された配線704を備える。配線704は、基本的には、配線503と同様に構成されている。ただし、配線704は、メモリ層MLの下方ではなく上方に設けられているため、ビア配線502の下端に接続されていない。
【0182】
また、メモリチップC
Mの上面及び下面には、複数の貼合電極P
Bが設けられている。メモリチップC
M上面の貼合電極P
Bは、それぞれ、いずれかの配線704に対応して設けられている。メモリチップC
M下面の貼合電極P
Bは、それぞれ、いずれかの配線503に対応して設けられている。
図132の例において、貼合電極P
Bは、配線704の半分のピッチ(下面においては、配線503の半分のピッチ)で、X方向に並んでいる。また、貼合電極P
Bは、配線704の倍のピッチ(下面においては、配線503の倍のピッチ)で、Y方向に並んでいる。貼合電極P
Bは、それぞれ、配線503又は配線704を介して、ビア配線501(
図131)に電気的に接続されている。また、貼合電極P
Bは、他のメモリチップC
M中の貼合電極P
B、又は、周辺回路チップC
C中の貼合電極P
Bに接続されている。
【0183】
周辺回路チップC
Cは、
図131に示す様に、半導体基板710と、半導体基板710の上方に設けられた電極層720と、電極層720の上方に設けられた配線層730と、配線層730の上方に設けられた配線層740と、配線層740の上方に設けられた配線層750と、を備える。
【0184】
半導体基板710は、例えば、
図2を参照して説明した半導体基板Subと同様に構成されている。
【0185】
電極層720は、複数の電極721を含む。これら複数の電極721は、それぞれ、半導体基板710の表面のアクティブ領域と対向し、これら複数のアクティブ領域と共に複数のトランジスタを構成する。これら複数のトランジスタは、Nチャネル型又はPチャネル型の電界効果トランジスタであり、センスアンプ回路の一部を構成する。
【0186】
配線層730は、複数の配線を含む。これら複数の配線は、それぞれ、ビアコンタクト電極を介して、上記トランジスタのソース電極、ドレイン電極又はゲート電極に接続されている。
【0187】
配線層740は、複数の配線741を含む。これら複数の配線741は、それぞれ、グローバルビット線GBLとして機能する。
図133に示す様に、これら複数の配線741は、Y方向に並び、X方向に延伸する。
図131に示す様に、これら複数の配線741は、ビアコンタクト電極を介して、上記トランジスタのソース電極又はドレイン電極に接続されている。
【0188】
配線層750は、複数の配線751を含む。これら複数の配線751は、それぞれ、ビアコンタクト電極742を介して、配線741に接続されている。
【0189】
また、周辺回路チップCCの上面には、複数の貼合電極PBが設けられている。これら複数の貼合電極PBは、それぞれ、ビアコンタクト電極752を介して、配線751に接続されている。また、貼合電極PBは、メモリチップCM中の貼合電極PBに接続されている。
【0190】
図133の例において、貼合電極P
Bは、X方向及びY方向に並んでいる。貼合電極P
Bは、それぞれ、いずれかの配線741に対応して設けられている。貼合電極P
Bは、配線741の4倍のピッチで、Y方向に並んでいる。ビアコンタクト電極752は、貼合電極P
Bに対応してX方向及びY方向に並び、Z方向から見て貼合電極P
Bと重なる位置に設けられている。また、ビアコンタクト電極742は、それぞれ、いずれかの貼合電極P
Bに対応して設けられており、Z方向から見て配線741と重なる位置に設けられている。配線751は、貼合電極P
Bに対応してX方向及びY方向に並び、Y方向に延伸する。配線751の一部は、Z方向から見てビアコンタクト電極752と重なる位置に設けられている。また、配線751の他の一部は、Z方向から見てビアコンタクト電極742と重なる位置に設けられている。
【0191】
[その他の実施形態]
以上、第1実施形態~第7実施形態に係る半導体記憶装置について説明した。しかしながら、これらの実施形態に係る半導体記憶装置はあくまでも例示であり、具体的な構成等は適宜調整可能である。
【0192】
例えば、第3実施形態~第7実施形態に係る半導体記憶装置では、第2実施形態と同様に、Z方向に並ぶ複数のワード線WLの間に、空隙203(
図60)が設けられていても良い。
【0193】
また、第3実施形態に係る半導体記憶装置は、キャパシタ構造330(
図61及び
図62)のかわりに、キャパシタ構造130(
図4及び
図5)を備えていても良い。この場合、第3実施形態に係る半導体記憶装置は、第4実施形態と同様に、絶縁層430(
図123及び
図124)を備えていても良い。第5実施形態~第7実施形態に係る半導体記憶装置も同様に、絶縁層430を備えていても良い。
【0194】
また、第5実施形態~第7実施形態に係る半導体記憶装置は、第1実施形態と同様のメモリ層MLのかわりに、第3実施形態と同様のメモリ層ML
3(
図61及び
図62)を備えていても良い。
【0195】
また、第7実施形態に係る半導体記憶装置は、ビア配線501及び配線503のかわりに、ビア配線601及び配線603(
図128~
図130)を備えていても良い。
【0196】
また、第1実施形態~第7実施形態に係る半導体記憶装置においては、ビット線として機能するビア配線104,304が、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性酸化物を含む。しかしながら、この様な導電性酸化物は、Z方向に延伸するビア配線104,304ではなく、トランジスタ構造110,310に含まれていても良い。また、ビア配線104,304及びトランジスタ構造110,310は、その他の材料等を含んでいても良い。
【0197】
また、第1実施形態~第7実施形態に係る半導体記憶装置において、トランジスタTrCのゲート電極として機能する導電層113,313は、トランジスタTrCのチャネル領域として機能する半導体層111,311の、上面及び下面の一方のみに対向していても良い。
【0198】
また、以上の説明では、トランジスタ構造110,310に接続されるメモリ部として、キャパシタCpCが採用される例について説明した。しかしながら、メモリ部は、キャパシタCpCでなくても良い。例えば、メモリ部は、強誘電体、強磁性体、GeSbTe等のカルコゲン材料又はその他の材料を含み、これら材料の特性を利用してデータを記録するものであっても良い。例えば、以上において説明したいずれかの構造において、キャパシタCpCを形成する電極間の絶縁層に、これら材料のいずれかを含ませても良い。
【0199】
また、第1実施形態~第7実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法も、適宜調整可能である。例えば、上述した工程のいずれか2つの順番を入れ替えたり、上述した工程のいずれか2つを同時に実行したりしても良い。
【0200】
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0201】
Sub…半導体基板、ML…メモリ層、BL…ビット線、WL…ワード線、PL…プレート線、TrC…トランジスタ、CpC…キャパシタ、102…導電層、104…ビア配線、110…トランジスタ構造、111…半導体層、112…絶縁層、113…導電層、120…導電層、130…キャパシタ構造。