(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106922
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】熱交換システム
(51)【国際特許分類】
F25B 39/04 20060101AFI20240801BHJP
F25B 30/06 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
F25B39/04 M
F25B30/06 T
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011426
(22)【出願日】2023-01-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】514215457
【氏名又は名称】株式会社イノベックス
(74)【代理人】
【識別番号】100160990
【弁理士】
【氏名又は名称】亀崎 伸宏
(72)【発明者】
【氏名】福宮 健司
(72)【発明者】
【氏名】窪野 隆章
(57)【要約】
【課題】価値を高めた熱交換システムを提供する。
【解決手段】熱交換システム1Aは、ヒートポンプとして地中熱源ヒートポンプ2及び空気熱源ヒートポンプ3を併用する。この熱交換システム1Aは、帯水層から浸入する地下水で満たされたボアホール6と、地上の地中熱源ヒートポンプ2からボアホール6の中に引き込まれると共に、ボアホール6の外に引き出されて地中熱源ヒートポンプ2に戻ることで、地中熱源ヒートポンプ3から送り出される水を循環させる循環管7と、ボアホール6から地下水をくみ上げる揚水手段9と、揚水手段9によってくみ上げられた地下水を利用して空気熱源ヒートポンプ3を冷却する冷却手段10と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートポンプとして地中熱源ヒートポンプ及び空気熱源ヒートポンプを併用する熱交換システムであって、
帯水層から浸入する地下水で満たされたボアホールと、
地上の前記地中熱源ヒートポンプから前記ボアホールの中に引き込まれると共に、前記ボアホールの外に引き出されて前記地中熱源ヒートポンプに戻ることで、前記地中熱源ヒートポンプから送り出される第1液体を循環させる循環管と、
前記ボアホールから地下水をくみ上げる揚水手段と、
前記揚水手段によってくみ上げられた地下水を利用して前記空気熱源ヒートポンプを冷却する冷却手段と、を備えていることを特徴とする
熱交換システム。
【請求項2】
前記冷却手段は、前記ボアホールからくみ上げられた地下水をミストにして前記空気熱源ヒートポンプに供給することを特徴とする
請求項1に記載の熱交換システム。
【請求項3】
前記ヒートポンプにおいて冷熱又は温熱を得た第2液体を一時的に貯留するバッファタンクと、
前記バッファタンクの中の第2液体を、冷熱又は温熱を利用する機器に供給する供給管と、
前記機器で冷熱又は温熱が利用された第2液体を、前記バッファタンクに回収する回収管と、
前記回収管から分岐して、前記機器で冷熱又は温熱が利用された第2液体を前記ヒートポンプに送る送管と、を備えていることを特徴とする
請求項1又は2に記載の熱交換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下水を利用した熱交換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
原油価格の高騰やCO2削減に対する意識の高まりにより、ランニングコストが安くクリーンエネルギーである地中熱を利用したヒートポンプ(以下、地中熱ヒートポンプという。)が開発され、市場に導入されつつある(例えば、特許文献1~3参照)。しかし、地中熱ヒートポンプは、導入に際して、出力に応じた数の100m規模の地中熱源孔をボーリングする必要があるため、まとまったイニシャルコストが必要になる等の問題がある(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5067956号公報
【特許文献2】特許第5690960号公報
【特許文献3】特許第6039856号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構、[online]、「<新エネルギーフロンティア技術戦略的開発>」、[令和4年8月26日検索]、インターネット(URL:https://www.nedo.go.jp/content/100108737.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような地中熱ヒートポンプにおいては、イニシャルコストを抑えることで、他の熱交換システムとの差別化を推し進め、価値を高めることが要求される。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、価値を高めた熱交換システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、ヒートポンプとして地中熱源ヒートポンプ及び空気熱源ヒートポンプを併用する熱交換システムであって、帯水層から浸入する地下水で満たされたボアホールと、前記地中熱源ヒートポンプから前記ボアホールの中に引き込まれると共に、前記ボアホールの外に引き出されて前記地中熱源ヒートポンプに戻ることで、前記地中熱源ヒートポンプから送り出される第1液体を循環させる循環管と、前記ボアホールから地下水をくみ上げる揚水手段と、前記揚水手段によってくみ上げられた地下水を利用して前記空気熱源ヒートポンプを冷却する冷却手段と、を備えていることを特徴とする熱交換システムである。
【0008】
本発明によれば、ヒートポンプとして地中熱源ヒートポンプ及び空気熱源ヒートポンプを併用するので、相対的にイニシャルコストが嵩む地中熱源ヒートポンプのみを設置する場合と比較して、イニシャルコストを抑えることができる。また、本発明によれば、ボアホールから地下水をくみ上げてボアホールの中の地下水を交換するので、地中熱源ヒートポンプを長時間にわたって連続運転させることができ、さらに、ボアホールからくみ上げた地下水を利用して空気熱源ヒートポンプを冷却するので、空気熱源ヒートポンプの消費電力を抑えることによってランニングコストを抑えることができる。
【0009】
(2)本発明はまた、前記冷却手段は、前記ボアホールからくみ上げられた地下水をミストにして前記空気熱源ヒートポンプに供給することを特徴とする上記(1)に記載の熱交換システムである。
【0010】
本発明によれば、地下水をミストにして空気熱源ヒートポンプに供給するので、地下水をそのまま空気熱源ヒートポンプに供給する場合と比較して、空気熱源ヒートポンプの冷却効果を高めることができる。
【0011】
(3)本発明はまた、前記ヒートポンプにおいて冷熱又は温熱を得た第2液体を一時的に貯留するバッファタンクと、前記バッファタンクの中の第2液体を、冷熱又は温熱を利用する機器に供給する供給管と、前記機器で冷熱又は温熱が利用された第2液体を、前記バッファタンクに回収する回収管と、前記回収管から分岐して、前記機器で冷熱又は温熱が利用された第2液体を前記ヒートポンプに送る送管と、を備えていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の熱交換システムである。
【0012】
本発明によれば、機器で冷熱又は温熱が利用された第2液体を、バッファタンクを経由させずに直接ヒートポンプに送ることができる。すなわち、本発明によれば、バッファタンクを経由させる場合と比較して、熱交換を行う液体同士の温度差が大きくなるので、機器の熱交換効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0013】
上記(1)~(3)の本発明によれば、価値を高めた熱交換システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る熱交換システムの概略図である。
【
図3】本発明の第2実施形態に係る熱交換システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る熱交換システム1A,1Bについて詳細に説明する。
【0016】
[第1実施形態]まず、
図1及び
図2を用いて、第1実施形態に係る熱交換システム1Aの構成について説明する。
図1は、熱交換システム1Aの概略図である。
図2は、制御盤20の構成を示すブロック図である。なお、各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。
【0017】
図1に示す熱交換システム1Aは、ヒートポンプとして地中熱源ヒートポンプ2及び空気熱源ヒートポンプ3を併用するシステムであり、建物X1,X2内の冷暖房を行う。この熱交換システム1Aは、制御盤20(
図2参照)の制御下において動作して、その動作状況が制御盤20(
図2参照)によって管理される。すなわち、熱交換システム1Aは、各所に配置された温度計や流量計の計測結果などに基づいて、各部の動作が所望する状況となるようにフィードバック制御される。
【0018】
具体的に、熱交換システム1Aは、地中熱源ヒートポンプ2と、空気熱源ヒートポンプ3と、エアハンドリングユニット4と、ファンコイルユニット5と、複数のボアホール6と、第1循環管7と、第1循環ポンプ8と、揚水手段9と、冷却手段10と、バッファタンク11と、供給管12と、供給ポンプ13と、回収管14と、第2循環管15と、第2循環ポンプ16と、第3循環管17と、第3循環ポンプ18と、制御盤20(
図2参照)と、等を備えている。
【0019】
地中熱源ヒートポンプ2は、複数のボアホール6との間で液体を循環させる第1循環管7、及びバッファタンク11との間で液体を循環させる第2循環管15を引き込んでいる。この地中熱源ヒートポンプ2は、第1循環管7を流れる液体(第1液体)の冷熱又は温熱をかき集め、当該冷熱又は温熱を、第2循環管15を流れる液体(第2液体)に移動させる。
【0020】
空気熱源ヒートポンプ3は、バッファタンク11との間で液体を循環させる第3循環管17を引き込んでいる。この空気熱源ヒートポンプ3は、外気の冷熱又は温熱をかき集め、当該冷熱又は温熱を、第3循環管17を流れる液体(第2液体)に移動させる。
【0021】
エアハンドリングユニット4は、建物X1の中に設けられ、供給管12及び回収管14を介してバッファタンク11に接続されている。このエアハンドリングユニット4は、バッファタンク11との間で液体(第2液体)が循環することで、建物X1の中の空気と、バッファタンク11から供給された液体(第2液体)と、の間で熱交換を行う。
【0022】
ファンコイルユニット5は、建物X2の中に設けられ、供給管12及び回収管14を介してバッファタンク11に接続されている。このファンコイルユニット5は、バッファタンク11との間で液体(第2液体)が循環することで、建物X2の中の空気と、バッファタンク11から供給された液体(第2液体)と、の間で熱交換を行う。
【0023】
複数のボアホール6は、それぞれ、地中の帯水層に達する穴であり、例えば、当該穴に筒体(図示省略)が埋設されている。帯水層は、地下水を含む地層である。帯水層の上面は、一般的に、地表面から50m以上100m以下程度の深さに位置する。このため、筒体が埋設されている場合、当該筒体の長さは、帯水層に達するように50m以上100m以下程度の範囲で適宜設定されている。
【0024】
複数のボアホール6は、それぞれ、帯水層から浸入する地下水で満たされている。ボアホール6の内部に満たされている地下水の自然水位は、一般的に、地表面から10m以内の深さとなる。このような複数のボアホール6には、それぞれ、循環管7と、揚水手段9を構成する揚水管90と、が挿入されている。
【0025】
第1循環管7は、地上の地中熱源ヒートポンプ2からボアホール6の中に引き込まれて下方に向けて通されると共に、ボアホール6における下方で上方に折り返してからボアホール6の外に引き出されて地中熱源ヒートポンプ2に戻る。この第1循環管7は、冷媒又は熱媒体となる水等の液体(第1液体)を循環させる管路であり、第1循環管7の中の液体は、第1循環ポンプ8の動力によって流れる。
【0026】
これにより、ボアホール6の中の地下水と、第1循環管7を流れる液体と、の間で熱の移動が可能になる。すなわち、熱交換システム1Aは、ボアホール6の中の地下水が第1循環管7を流れる液体よりも低温の場合、第1循環管7を流れる液体を冷却する。一方、熱交換システム1Aは、ボアホール6の中の地下水が第1循環管7を流れる液体よりも高温の場合、第1循環管7を流れる液体を加熱する。
【0027】
第1循環ポンプ8は、第1循環管7の途中に設けられている。この第1循環ポンプ8は、第1循環管7の中の液体に動力を付与することで、第1循環管7の中の液体を循環させる。
【0028】
揚水手段9は、ボアホール6から地下水をくみ上げる。具体的に、揚水手段9は、揚水管90と、揚水ポンプ91と、を備えている。揚水管90は、その一端が枝分かれして複数のボアホール6のそれぞれの中に引き込まれており、反対側の他端が冷却手段10に接続されている。この揚水管90は、地下水の管路であり、揚水管90の中の地下水は、揚水ポンプ91の動力によって、ボアホール6から冷却手段10に向けて流れる。揚水ポンプ91は、揚水管90の途中に設けられている。この揚水ポンプ91は、揚水管90の中の地下水に動力を付与することで、揚水管90の中の地下水に流れを生じさせる。
【0029】
冷却手段10は、揚水手段9によってボアホール6からくみ上げられた地下水を利用して空気熱源ヒートポンプ3を冷却する。具体的に、冷却手段10は、地下水をミストにして空気熱源ヒートポンプ3に供給することで、空気熱源ヒートポンプ3を冷却する。
【0030】
バッファタンク11には、供給管12の一端、回収管14の一端、第2循環管15の両端、及び第3循環管17の両端が接続されている。このバッファタンク11は、ヒートポンプ(地中熱源ヒートポンプ2、空気熱源ヒートポンプ3)において冷熱又は温熱を得た冷媒又は熱媒体となる水等の液体(第2液体)を一時的に貯留する。具体的に、バッファタンク11は、地中熱源ヒートポンプ2及び空気熱源ヒートポンプ3において冷熱又は温熱を得た液体を一時的に貯留すると共に、エアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5において冷熱又は温熱が利用された液体を一時的に貯留する。
【0031】
供給管12は、一端がバッファタンク11に接続され、反対側の他端が枝分かれしてエアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5に接続されている。この供給管12は、液体(第2液体)の管路であり、供給管11の中の液体は、供給ポンプ13の動力によって、バッファタンク11からエアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5に向けて流れる。すなわち、供給管12は、バッファタンク11の中の液体(第2液体)を、冷熱又は温熱を利用する機器であるエアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5に供給する。
【0032】
供給ポンプ13は、供給管12の途中に設けられている。この供給ポンプ13は、供給管12の中の液体に動力を付与することで、供給管12の中の液体に流れを生じさせ、ひいては、供給管12に間接的に連続する回収管14の中の液体に流れを生じさせる。
【0033】
回収管14は、一端が枝分かれしてエアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5に接続され、反対側の他端がバッファタンク11に接続されている。この回収管14は、液体(第2液体)の管路であり、回収管14の中の液体は、供給ポンプ13の動力によって、エアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5からバッファタンク11に向けて流れる。すなわち、回収管14は、エアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5で冷熱又は温熱が利用された液体(第2液体)を、バッファタンク11に回収する。
【0034】
第2循環管15は、地中熱源ヒートポンプ2及びバッファタンク11の間を往復するように配置されている。この第2循環管15は、液体(第2液体)を循環させる管路であり、第2循環管15の中の液体は、第2循環ポンプ16の動力によって流れる。
【0035】
第2循環ポンプ16は、第2循環管15の途中に設けられている。この第2循環ポンプ16は、第2循環管15の中の液体に動力を付与することで、第2循環管15の中の液体を循環させる。
【0036】
第3循環管17は、空気熱源ヒートポンプ3及びバッファタンク11の間を往復するように配置されている。この第3循環管17は、液体(第2液体)を循環させる管路であり、第3循環管17の中の液体は、第3循環ポンプ18の動力によって流れる。
【0037】
第3循環ポンプ18は、第3循環管17の途中に設けられている。この第3循環ポンプ18は、第3循環管17の中の液体に動力を付与することで、第3循環管17の中の液体を循環させる。
【0038】
図2に示すように、制御盤20は、データロガー21と、CPU(Central Processing Unit)22と、を有する。
【0039】
データロガー21は、例えばRAM(Random Access Memory)などの記録媒体によって構成されている。このデータロガー21には、CPU22が各種処理を実行するための処理プログラムと各種処理を実行する際に用いられる各種データ(判定部24が判定に用いるデータを含む。)及び各種フラグが記憶されている。
【0040】
CPU22は、データロガー21に記憶された処理プログラムを実行することによって、通信部23、判定部24、及び制御部25として機能する。
【0041】
通信部23は、熱交換システム1A(
図1参照)の各部との間で信号を送受信する。具体的に、通信部23は、各所に配置された温度計や流量計等から出力された信号を判定部24に転送する。そして、通信部23は、制御部25が出力する制御信号を、熱交換システム1A(
図1参照)の各部に転送する。
【0042】
判定部24は、各所に配置された温度計や流量計等から出力された信号に基づいて各種判定を行うことで、熱交換システム1A(
図1参照)の各部のそれぞれの運転状況を決定する。そして、判定部24は、判定結果を信号にして制御部25に出力する。
【0043】
制御部25は、熱交換システム1A(
図1参照)の各部のそれぞれに対して、通信部23を介して、判定部24から出力された信号に基づく制御信号を出力し、それぞれの運転状況を制御する。
【0044】
次に、
図1を用いて、熱交換システム1Aにおける液体並びに冷熱及び温熱の流れについて説明する。なお、熱交換システム1Aは、地中熱源ヒートポンプ2を動作させることで、建物X1,X2の冷暖房を実現する。また、熱交換システム1Aは、冷暖房のピーク時に、地中熱源ヒートポンプ2及び空気熱源ヒートポンプ3を併用し、地中熱源ヒートポンプ2及び空気熱源ヒートポンプ3を動作させることで、建物X1,X2の冷暖房を実現する。
【0045】
まず、夏季などに冷房を行う場合を説明する。
【0046】
地中熱源ヒートポンプ2は、第1循環管7を流れる液体(第1液体)から冷熱をかき集め、かき集めた冷熱を冷房に利用する。冷房のピーク時においては、併せて、空気熱源ヒートポンプ3が外気から冷熱をかき集め、かき集めた冷熱を冷房に利用する。
【0047】
地中熱源ヒートポンプ2の動作時には、第1循環管7を流れる液体(第1液体)は、地中熱源ヒートポンプ2において、第2循環管15を流れる液体(第2液体)を冷却することで加熱される。地中熱源ヒートポンプ2において加熱された第1循環管7の中の液体は、ボアホール6の中の地下水を加熱する際に冷却されて、地中熱源ヒートポンプ2で再び利用可能となる。第1循環管7を流れる液体によって加熱されたボアホール6の中の地下水は、帯水層からの地下水の移動や、揚水手段9による揚水、あるいは大気との接触等によって冷却される。
【0048】
地中熱源ヒートポンプ2において冷却された第2循環管15の中の液体は、バッファタンク11及び供給管12を経由して、エアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5に供給され、建物X1,X2の中の空気を冷却することで加熱される。
【0049】
空気熱源ヒートポンプ3の動作時には、第3循環管17を流れる液体(第2液体)は、空気熱源ヒートポンプ3において、外気を加熱することで冷却される。空気熱源ヒートポンプ3において冷却された第3循環管17の中の液体は、バッファタンク11及び供給管12を経由して、エアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5に供給され、建物X1,X2の中の空気を冷却することで加熱される。
【0050】
エアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5において加熱された液体(第2液体)は、回収管14を経由してバッファタンク11に回収される。バッファタンク11に回収された液体は、地中熱源ヒートポンプ2の動作時には、第2循環管15を流れて地中熱源ヒートポンプ2に供給され、空気熱源ヒートポンプ3の動作時には、第3循環管17を流れて空気熱源ヒートポンプ3に供給される。
【0051】
続いて、冬季などに暖房を行う場合を説明する。
【0052】
地中熱源ヒートポンプ2は、第1循環管7を流れる液体(第1液体)から温熱をかき集め、かき集めた温熱を暖房に利用する。暖房のピーク時においては、併せて、空気熱源ヒートポンプ3が外気から温熱をかき集め、かき集めた温熱を暖房に利用する。
【0053】
地中熱源ヒートポンプ2の動作時には、第1循環管7を流れる液体(第1液体)は、地中熱源ヒートポンプ2において、第2循環管15を流れる液体(第2液体)を加熱することで冷却される。地中熱源ヒートポンプ2において冷却された第1循環管7の中の液体は、ボアホール6の中の地下水を冷却する際に加熱されて、地中熱源ヒートポンプ2で再び利用可能となる。第1循環管7を流れる液体によって冷却されたボアホール6の中の地下水は、帯水層からの地下水の移動や、揚水手段9による揚水、あるいは大気との接触等によって加熱される。
【0054】
地中熱源ヒートポンプ2において加熱された第2循環管15の中の液体は、バッファタンク11及び供給管12を経由して、エアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5に供給され、建物X1,X2の中の空気を加熱することで冷却される。
【0055】
空気熱源ヒートポンプ3の動作時には、第3循環管17を流れる液体(第2液体)は、空気熱源ヒートポンプ3において、外気を冷却することで加熱される。空気熱源ヒートポンプ3において加熱された第3循環管17の中の液体は、バッファタンク11及び供給管12を経由して、エアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5に供給され、建物X1,X2の中の空気を冷却することで加熱される。
【0056】
エアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5において冷却された液体(第2液体)は、回収管14を経由してバッファタンク11に回収される。バッファタンク11に回収された液体は、地中熱源ヒートポンプ2の動作時には、第2循環管15を流れて地中熱源ヒートポンプ2に供給され、空気熱源ヒートポンプ3の動作時には、第3循環管17を流れて空気熱源ヒートポンプ3に供給される。
【0057】
このように、熱交換システム1Aによれば、ヒートポンプとして地中熱源ヒートポンプ2及び空気熱源ヒートポンプ3を併用するので、相対的にイニシャルコストが嵩む地中熱源ヒートポンプのみを設置する場合と比較して、イニシャルコストを抑えることができる。また、熱交換システム1Aによれば、ボアホール6から地下水をくみ上げてボアホール6の中の地下水を交換するので、地中熱源ヒートポンプ2を長時間にわたって連続運転させることができ、さらに、ボアホール6からくみ上げた地下水を利用して空気熱源ヒートポンプ3を冷却するので、空気熱源ヒートポンプ3の消費電力を抑えることができる。
【0058】
また、熱交換システム1Aによれば、地下水をミストにして空気熱源ヒートポンプ3に供給するので、地下水をそのまま空気熱源ヒートポンプ3に供給する場合と比較して、空気熱源ヒートポンプ3の冷却効果を高めることができる。
【0059】
[第2実施形態]次に、
図3を用いて、第2実施形態に係る熱交換システム1Bの構成について説明する。
図3は、熱交換システム1Bの概略図である。
【0060】
なお、ここでは、第2実施形態に係る熱交換システム1Bの特徴部分のみを説明し、第1実施形態に係る熱交換システム1Bと同様の構成、作用及び効果についての説明は適宜省略する。
【0061】
図3に示す熱交換システム1Bは、第2循環管15(
図1参照)に代えて地中熱源ヒートポンプ用送管(送管)30及び地中熱源ヒートポンプ用送管31を備えている点、第2循環ポンプ16(
図1参照)に代えて第2循環ポンプ32を備えている点、第3循環管17(
図1参照)に代えて空気熱源ヒートポンプ用送管(送管)33及び空気熱源ヒートポンプ用送管34を備えている点、並びに第3循環ポンプ18(
図1参照)に代えて第3循環ポンプ35を備えている点で、第1実施形態に係る熱交換システム1A(
図1参照)と相違する。
【0062】
図3に示すように、熱交換システム1Bは、地中熱源ヒートポンプ用送管30,31と、第2循環ポンプ32と、空気熱源ヒートポンプ用送管33,34と、第3循環ポンプ35と、等を備えている。
【0063】
地中熱源ヒートポンプ2は、第1循環管7を流れる液体(第1流体)の冷熱又は温熱をかき集め、当該冷熱又は温熱を、地中熱源ヒートポンプ用送管30,31を流れる液体(第2液体)に移動させる。
【0064】
空気熱源ヒートポンプ3は、外気の冷熱又は温熱をかき集め、当該冷熱又は温熱を、空気熱源ヒートポンプ用送管33,34を流れる液体(第2液体)に移動させる。
【0065】
バッファタンク11には、供給管12の一端、回収管14の一端、地中熱源ヒートポンプ用送管31の一端、及び空気熱源ヒートポンプ用送管34の一端が接続されている。
【0066】
地中熱源ヒートポンプ用送管30,31は、液体(第2液体)を循環させる管路であり、地中熱源ヒートポンプ用送管30,31の中の液体は、第2循環ポンプ32の動力によって流れる。
【0067】
地中熱源ヒートポンプ用送管(送管)30は、回収管14から分岐して、エアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5で冷熱又は温熱が利用された液体(第2液体)を地中熱源ヒートポンプ2に送る。この地中熱源ヒートポンプ用送管30は、地中熱源ヒートポンプ2の内部で地中熱源ヒートポンプ用送管31に連続している。
【0068】
地中熱源ヒートポンプ用送管31は、地中熱源ヒートポンプ2の内部で地中熱源ヒートポンプ用送管30から連続しており、地中熱源ヒートポンプ2で冷熱又は温熱を得た液体(第2液体)をバッファタンク11に送る。この地中熱源ヒートポンプ用送管31は、地中熱源ヒートポンプ用送管30から連続する一端とは反対側の一端が、バッファタンク11に接続している。
【0069】
第2循環ポンプ32は、地中熱源ヒートポンプ用送管30,31の途中に設けられている。この第2循環ポンプ32は、地中熱源ヒートポンプ用送管30,31の中の液体に動力を付与することで、地中熱源ヒートポンプ用送管30,31の中の液体を循環させる。
【0070】
空気熱源ヒートポンプ用送管33,34は、液体(第2液体)を循環させる管路であり、空気熱源ヒートポンプ用送管33,34の中の液体は、第3循環ポンプ35の動力によって流れる。
【0071】
空気熱源ヒートポンプ用送管(送管)33は、回収管14から分岐して、エアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5で冷熱又は温熱が利用された液体(第2液体)を空気熱源ヒートポンプ3に送る。この空気熱源ヒートポンプ用送管33は、空気熱源ヒートポンプ3の内部で空気熱源ヒートポンプ用送管34に連続している。
【0072】
空気熱源ヒートポンプ用送管34は、空気熱源ヒートポンプ3の内部で空気熱源ヒートポンプ用送管33から連続しており、空気熱源ヒートポンプ3で冷熱又は温熱を得た液体(第2液体)をバッファタンク11に送る。この空気熱源ヒートポンプ用送管34は、空気熱源ヒートポンプ用送管33から連続する一端とは反対側の一端が、バッファタンク11に接続している。
【0073】
第3循環ポンプ35は、空気熱源ヒートポンプ用送管33,34の途中に設けられている。この第3循環ポンプ35は、空気熱源ヒートポンプ用送管33,34の中の液体に動力を付与することで、空気熱源ヒートポンプ用送管33,34の中の液体を循環させる。
【0074】
次に、
図3を用いて、熱交換システム1Bにおける液体並びに冷熱及び温熱の流れについて説明する。
【0075】
まず、夏季などに冷房を行う場合を説明する。
【0076】
地中熱源ヒートポンプ2の動作時には、第1循環管7を流れる液体(第1液体)は、地中熱源ヒートポンプ2において、地中熱源ヒートポンプ用送管30,31を流れる液体(第2液体)を冷却することで加熱される。地中熱源ヒートポンプ2において冷却された地中熱源ヒートポンプ用送管30,31の中の液体は、バッファタンク11及び供給管12を経由して、エアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5に供給され、建物X1,X2の中の空気を冷却することで加熱される。
【0077】
空気熱源ヒートポンプ3の動作時には、空気熱源ヒートポンプ用送管33,34を流れる液体(第2液体)は、空気熱源ヒートポンプ3において、外気を加熱することで冷却される。空気熱源ヒートポンプ3において冷却された空気熱源ヒートポンプ用送管33,34の中の液体は、バッファタンク11及び供給管12を経由して、エアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5に供給され、建物X1,X2の中の空気を冷却することで加熱される。
【0078】
エアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5において加熱された液体(第2液体)は、回収管14を経由してバッファタンク11に回収される。また、当該液体(第2液体)は、地中熱源ヒートポンプ2の動作時には、回収管14及び地中熱源ヒートポンプ用送管30を流れて地中熱源ヒートポンプ2に供給され、空気熱源ヒートポンプ3の動作時には、回収管14及び空気熱源ヒートポンプ用送管33を流れて空気熱源ヒートポンプ3に供給される。
【0079】
続いて、冬季などに暖房を行う場合を説明する。
【0080】
地中熱源ヒートポンプ2の動作時には、第1循環管7を流れる液体(第1液体)は、地中熱源ヒートポンプ2において、地中熱源ヒートポンプ用送管30,31を流れる液体(第2液体)を加熱することで冷却される。地中熱源ヒートポンプ2において加熱された地中熱源ヒートポンプ用送管30,31の中の液体は、バッファタンク11及び供給管12を経由して、エアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5に供給され、建物X1,X2の中の空気を加熱することで冷却される。
【0081】
空気熱源ヒートポンプ3の動作時には、空気熱源ヒートポンプ用送管33,34を流れる液体(第2液体)は、空気熱源ヒートポンプ3において、外気を冷却することで加熱される。空気熱源ヒートポンプ3において加熱された空気熱源ヒートポンプ用送管33,34の中液体は、バッファタンク11及び供給管12を経由して、エアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5に供給され、建物X1,X2の中の空気を加熱することで冷却される。
【0082】
エアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5において冷却された液体(第2液体)は、回収管14を経由してバッファタンク11に回収される。また、当該液体(第2液体)は、地中熱源ヒートポンプ2の動作時には、回収管14及び地中熱源ヒートポンプ用送管30を流れて地中熱源ヒートポンプ2に供給され、空気熱源ヒートポンプ3の動作時には、回収管14及び空気熱源ヒートポンプ用送管33を流れて空気熱源ヒートポンプ3に供給される。
【0083】
このように、熱交換システム1Bによれば、エアハンドリングユニット4及びファンコイルユニット5で冷熱又は温熱が利用された液体(第2液体)を、バッファタンク11を経由させずに直接地中熱源ヒートポンプ2及び空気熱源ヒートポンプ3に送ることができる。すなわち、熱交換システム1Bによれば、バッファタンク11を経由させる熱交換システム1A(
図1参照)と比較して、熱交換を行う液体同士の温度差が大きくなるので、地中熱源ヒートポンプ2及び空気熱源ヒートポンプ3の熱交換効率を高めることができる。
【0084】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0085】
1A、B 熱交換システム
2 地中熱源ヒートポンプ
3 空気熱源ヒートポンプ
4 エアハンドリングユニット(機器)
5 ファンコイルユニット(機器)
6 ボアホール
7 第1循環管(循環管)
8 第1循環ポンプ
9 揚水手段
90 揚水管
91 揚水ポンプ
10 冷却手段
11 バッファタンク
12 供給管
13 供給ポンプ
14 回収管
15 第2循環管
16 第2循環ポンプ
17 第3循環管
18 第3循環ポンプ
20 制御盤
21 データロガー
22 CPU
23 通信部
24 判定部
25 制御部
30 地中熱源ヒートポンプ用送管(送管)
31 地中熱源ヒートポンプ用送管
32 第2循環ポンプ
33 空気熱源ヒートポンプ用送管(送管)
34 空気熱源ヒートポンプ用送管
35 第3循環ポンプ
X1,X2 建物
【手続補正書】
【提出日】2023-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートポンプとして地中熱源ヒートポンプ及び空気熱源ヒートポンプを併用する熱交換システムであって、
帯水層から浸入する地下水で満たされたボアホールと、
地上の前記地中熱源ヒートポンプから前記ボアホールの中に引き込まれると共に、前記ボアホールの外に引き出されて前記地中熱源ヒートポンプに戻ることで、前記地中熱源ヒートポンプから送り出される第1液体を循環させる循環管と、
前記ボアホールから地下水をくみ上げる揚水手段と、
前記揚水手段によってくみ上げられた地下水を利用して前記空気熱源ヒートポンプを冷却する冷却手段と、
前記ヒートポンプにおいて冷熱又は温熱を得た第2液体を一時的に貯留するバッファタンクと、
前記バッファタンクの中の第2液体を、冷熱又は温熱を利用する機器に供給する供給管と、
前記機器で冷熱又は温熱が利用された第2液体を、前記バッファタンクに回収する回収管と、
前記回収管から分岐して、前記機器で冷熱又は温熱が利用された第2液体を前記ヒートポンプに送る送管と、を備え、
前記バッファタンクの中の前記第2液体は、前記機器にのみ供給されることを特徴とする
熱交換システム。
【請求項2】
前記冷却手段は、前記ボアホールからくみ上げられた地下水をミストにして前記空気熱源ヒートポンプに供給することを特徴とする
請求項1に記載の熱交換システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
(1)本発明は、ヒートポンプとして地中熱源ヒートポンプ及び空気熱源ヒートポンプを併用する熱交換システムであって、帯水層から浸入する地下水で満たされたボアホールと、前記地中熱源ヒートポンプから前記ボアホールの中に引き込まれると共に、前記ボアホールの外に引き出されて前記地中熱源ヒートポンプに戻ることで、前記地中熱源ヒートポンプから送り出される第1液体を循環させる循環管と、前記ボアホールから地下水をくみ上げる揚水手段と、前記揚水手段によってくみ上げられた地下水を利用して前記空気熱源ヒートポンプを冷却する冷却手段と、前記ヒートポンプにおいて冷熱又は温熱を得た第2液体を一時的に貯留するバッファタンクと、前記バッファタンクの中の第2液体を、冷熱又は温熱を利用する機器に供給する供給管と、前記機器で冷熱又は温熱が利用された第2液体を、前記バッファタンクに回収する回収管と、前記回収管から分岐して、前記機器で冷熱又は温熱が利用された第2液体を前記ヒートポンプに送る送管と、を備え、前記バッファタンクの中の前記第2液体は、前記機器にのみ供給されることを特徴とする熱交換システムである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明によれば、ヒートポンプとして地中熱源ヒートポンプ及び空気熱源ヒートポンプを併用するので、相対的にイニシャルコストが嵩む地中熱源ヒートポンプのみを設置する場合と比較して、イニシャルコストを抑えることができる。また、本発明によれば、ボアホールから地下水をくみ上げてボアホールの中の地下水を交換するので、地中熱源ヒートポンプを長時間にわたって連続運転させることができ、さらに、ボアホールからくみ上げた地下水を利用して空気熱源ヒートポンプを冷却するので、空気熱源ヒートポンプの消費電力を抑えることによってランニングコストを抑えることができる。
また、本発明によれば、機器で冷熱又は温熱が利用された第2液体を、バッファタンクを経由させずに直接ヒートポンプに送ることができる。すなわち、本発明によれば、バッファタンクを経由させる場合と比較して、熱交換を行う液体同士の温度差が大きくなるので、機器の熱交換効率を高めることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
上記(1)及び(2)の本発明によれば、価値を高めた熱交換システムを提供することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
なお、ここでは、第2実施形態に係る熱交換システム1Bの特徴部分のみを説明し、第1実施形態に係る熱交換システム1Aと同様の構成、作用及び効果についての説明は適宜省略する。