(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106929
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】電源コントロール装置、電源コントロール装置を含む制御システム
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
H02J1/00 308P
H02J1/00 304E
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011435
(22)【出願日】2023-01-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】500116650
【氏名又は名称】センチュリー・システムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100215027
【弁理士】
【氏名又は名称】留場 恒光
(72)【発明者】
【氏名】堀内 久理郎
(72)【発明者】
【氏名】川嶋 進司
【テーマコード(参考)】
5G165
【Fターム(参考)】
5G165AA01
5G165CA05
5G165EA03
5G165GA04
5G165JA07
5G165KA01
5G165KA04
5G165MA10
5G165NA10
(57)【要約】
【課題】PoE給電が可能な電源コントロール装置、またはそのような電源コントロール装置を含む制御システム全体における、省電力化および安定化を可能にする。
【解決手段】電源コントロール装置10は、電力供給を制御する制御スイッチとして論理反転制御スイッチ16を備える。論理反転制御スイッチ16は、外部装置からの電気信号入力を受け付けて、電源入力部12、DC電源出力部142、またはPoE給電部144について別個独立に電力供給の制御を行う。つまり、電源コントロール装置10は、外部装置からの電気信号入力を受け付けて各種装置への電力供給を制御できるため、省電力やシステムの安定化を可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源入力部と、
前記電源入力部に接続し、第一の外部装置に直流電力を供給するDC電源出力部と、
前記電源入力部に接続し、第二の外部装置に電力および信号を伝送するPoE給電部と、
電気信号を受け付け、電力供給の開始および遮断を制御する制御スイッチと、
前記電源入力部、前記DC電源出力部、前記PoE給電部、および前記論理反転制御スイッチを内設する筐体と、
を備え、
前記制御スイッチは、少なくとも前記PoE給電部の電力供給を制御するPoE給電部スイッチを含むことを特徴とする、電源コントロール装置。
【請求項2】
前記制御スイッチが論理反転制御スイッチであり、
前記論理反転制御スイッチは、少なくとも前記電気信号を受け付ける電気信号入力部と、物理スイッチとを備え、
前記物理スイッチが一方になっている場合、前記論理反転制御スイッチは、入力される前記電気信号を反転させずに出力し、
前記物理スイッチが他方になっている場合、前記論理反転制御スイッチは、入力される前記電気信号を反転させて出力することを特徴とする、
請求項1に記載の電源コントロール装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電源コントロール装置と、
前記電源コントロール装置の電源入力部に電力を供給する電源と、
前記電源コントロール装置のDC電源出力部から電力供給を受ける第一の外部装置および前記電源コントロール装置のPoE給電部から電力供給を受ける第二の外部装置を含む、少なくとも2以上の外部装置と、
を備え、
前記外部装置のうち、少なくとも一の外部装置は、あらかじめ定められたイベントをトリガーとして前記電源コントロール装置に対して接点出力を行うことで、前記電源コントロール装置の論理反転制御スイッチを制御し、前記電源コントロール装置、および/または、前記外部装置の少なくとも1つに対する電力供給状態を変化させることを特徴とする、制御システム。
【請求項4】
請求項1に記載の前記電源コントロール装置と、
前記電源コントロール装置のDC電源入力部に電力を供給する電源と、
前記電源コントロール装置のDC電源出力部から電力供給を受ける第一の外部装置および前記電源コントロール装置のPoE給電部から電力供給を受ける第二の外部装置を含む、少なくとも2以上の外部装置と、
を備え、
前記外部装置のうち、少なくとも一の外部装置は、他の外部装置に対して、あらかじめ設定されている時間間隔で死活確認信号を送信する監視装置であり、
前記監視装置が、前記他の外部装置の異常を検知した場合に、前記電源コントロール装置に対して接点出力を行うことで、前記電源コントロール装置の論理反転制御スイッチを制御し、前記電源コントロール装置、および/または、前記外部装置の少なくとも1つに対する電力供給状態を変化させることを特徴とする、制御システム。
【請求項5】
前記外部装置のうち、前記電源コントロール装置に対して接点出力を行う外部装置が、当該接点出力を2回以上行うことで、異常状態にある他の外部装置を再起動させることを特徴とする、請求項3または4に記載の制御システム。
【請求項6】
前記第二の外部装置が、インターネットプロトコルを利用するIPカメラであることを特徴とする、請求項3または4に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源コントロール装置、電源コントロール装置を含む制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
遠隔地で稼働する装置などの状態を監視するため、IPカメラ(インターネットプロトコルカメラ(別名ネットワークカメラ))の利用などが積極的に行われている。
IPカメラは、通信機能を有するコンピュータなどを備えるカメラであり、IPカメラ自体にIPアドレスが割り当てられる。
【0003】
IPカメラは、特に山間部など、人が頻繁に立ち入ることができない場所における監視などに効果を発揮する。
しかしながら、山間部にIPカメラなどのIoT機器を配設する場合、安定的な電力供給が問題になる。すなわち、電源確保のほか、得られた電力を効率的に使用する省電力化などが求められる。
【0004】
さらに、何らかの理由でIoT機器に異常が生じた場合において、ユーザがそのIoT機器の再起動等を行わなければならないとなると不便であり、それが遠隔地であればさらに不便である。つまり、システムの安定性や可用性の向上も求められる。
【0005】
特に防災分野において商用電源を用意できない環境下では、ソーラーパネル(太陽電池)や蓄電池、バッテリなどの自律型電源システムが要求されるケースが多い。
しかし、IPカメラの消費電力は大きいため、IPカメラの消費電力を大幅に節電することでシステム全体(例えば太陽電池等の輸送費や建設費)を小さく安価に抑えることが要求される。
【0006】
このような設備は、無人環境での設置が一般的なため、自律的なシステム復旧機能や自然発生的に生じるトラブル(例えば雷などによる電源喪失)に対する対策を備えることが要求される。
【0007】
IoT機器に効率的に電力を供給する方法として、PoEインジェクタの利用が挙げられる。
PoE(Power Over Ethernet(登録商標))は、LAN(Local Area Network)ケーブルを通じて電力・信号を伝送する技術である。
PoEインジェクタを用いることにより、PoE機能を有しないIPカメラなどのデバイスに対しても安定的かつ効率的に電力を供給できるシステムの構築が可能となる。
【0008】
例えば、IPカメラの状態を監視しておき、IPカメラに異常が生じた場合に、PoEインジェクタから当該IPカメラへの電力供給を自動的に遮断することができると、システム全体の省電力化が可能となる。
ただし、複数の機器を協働させるためには、機器同士の相互作用なども考慮する必要がある。
【0009】
特許文献1には、受電装置において異常が解消された場合等に、直ちに動作を再開することが可能であるPoE給電システムが開示されている。
また、特許文献2には、PoE受電装置の稼働状況の監視および稼働異常時の復旧措置を行うことができる障害検知復旧システム等について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第6973004号公報
【特許文献2】特開2011-188072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
解決しようとする問題点は、例えばPoEインジェクタなどを含む電源コントロール装置、またはそのような電源コントロール装置を含む制御システム全体における、省電力化および安定化である。また、組み合わせて使用する機器同士の柔軟性も課題である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、電源コントロール装置であって、外部装置からの信号入力により、装置全体、DC電源出力部、およびPoE給電部への電力供給をそれぞれ独立に制御することを最も主要な特徴とする。
【0013】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、例えば以下の手段を採用している。
すなわち、電源入力部と、
前記電源入力部に接続し、第一の外部装置に直流電力を供給するDC電源出力部と、
前記電源入力部に接続し、第二の外部装置に電力および信号を伝送するPoE給電部と、
電気信号を受け付け、電力供給の開始および遮断を制御する制御スイッチと、
前記電源入力部、前記DC電源出力部、前記PoE給電部、および前記論理反転制御スイッチを内設する筐体と、を備え、
前記制御スイッチは、少なくとも前記PoE給電部の電力供給を制御するPoE給電部スイッチを含むことを特徴とする、電源コントロール装置を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の電源コントロール装置は、接点出力機能を備える外部装置により、電力供給を制御ができるという利点がある。
例えば、電源コントロール装置から電力供給(PoE給電)を受けているIPカメラなどの外部装置に異常が生じたときに、電源コントロール装置は、そのIPカメラへの電力供給を遮断し、または再起動することができる。
このような制御により、本発明の電源コントロール装置は、当該装置または当該装置を含むシステムにおいて、省電力化および安定化を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】電源コントロール装置10を示すブロック図である。(第一の実施形態)
【
図2】論理反転制御スイッチ16を示すブロック図である。
【
図3】制御システム1の一例について概要を示す図である。(第二の実施形態)
【
図4】電源コントロール装置10と外部装置40との関係を示すブロック図である。
【
図5】監視装置42の制御部422による監視処理を示すフローチャートである。
【
図6】制御システム1の概要を示す図である。(第三の実施形態)
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の各実施形態では、同一又は対応する部分については同一の符号を付して説明を適宜省略する場合がある。
また便宜上、電力が流れる順序に沿って「前」「後」という文言を用いる場合がある。例えば、「装置Aの後に装置Bが配設される」という場合、電力は装置A→装置Bの順に流れ、装置Bが下流側に配設されることを意味する。
【0017】
またここで、いくつか言葉の定義を行う。
「接点入力(出力)」とは、接点を機械的に開閉させるメカニカルリレーを使用して信号のON、OFFを制御する入力(出力)である。
【0018】
メカニカルリレーのコイルに電流を流していない状態(励磁していない状態)では接点が開いており、コイルに電流を流している状態(励磁している状態)では接点がつながるa接点(ノーマルオープンとも呼ばれる)と、励磁していない状態では接点がつながっており、励磁している状態では接点が開いているb接点(ノーマルクローズとも呼ばれる)がある。
【0019】
本実施形態において、電源コントロール装置10外の装置(後述する外部装置40など)が、その装置内で「接点入力」を行い、電源コントロール装置10に対して信号を出力することを「接点出力」と記載する。
【0020】
また便宜上、OFFからONへの切り替えによる信号出力も、ONからOFFへの切り替えによる信号出力もそれぞれ接点出力回数としては「1回」でカウントする。
さらに、ここでいう信号入力(出力)は、便宜上、例えばOFFからON、ONからOFFなどの変化を表すのみに限らず、その後継続される状態(ON、OFF)を表す場合がある。
【0021】
(実施形態の概要)
図1は、本実施形態の電源コントロール装置を示すブロック図である。本実施形態の電源コントロール装置10について、
図1を用いて説明する。
【0022】
なお、
図1中の実線の矢印は、電力の流れる向き(電源線)を示す。また、
図1中の点線の矢印は、論理反転制御スイッチ16が電力供給の制御を行う箇所を示す(制御線)。論理反転制御スイッチ16の制御については後述する(
図2)。
図1中の点線は、第一の外部装置40a(監視装置42)、LANポートおよびPoEポートのつながりを示し、第一の外部装置40aにより第二の外部装置40bの監視等が可能であることを意味する。
【0023】
電源コントロール装置10は、電源入力部12と、電源出力部14(DC電源出力部142、PoE給電部144)とを備える。DC電源出力部142およびPoE給電部144にはそれぞれ異なる外部装置40(第一の外部装置40a、第二の外部装置40b)が接続される。
【0024】
また電源コントロール装置10は、論理反転制御スイッチ16を備える。
論理反転制御スイッチ16は、電力供給を制御する制御スイッチとして機能する。すなわち、論理反転制御スイッチ16は、外部装置からの電気信号入力を受け付けて、電源入力部12、DC電源出力部142、またはPoE給電部144について別個独立に電力供給の制御を行う。
【0025】
論理反転制御スイッチ16は、さらに、入力される電気信号を、そのまま出力するか(正転出力)、反転して出力するか(反転出力)を切り替える論理反転制御機能を有する。
例えば、外部装置からHighの電気信号が入力されたときに、論理反転制御スイッチ16は、Highを出力するか、Lowを出力するかを容易に切り替えることができる。
【0026】
図3は、電源コントロール装置10を含む制御システムである、制御システム1の一つの実施形態を示す図である。
図3中の実線の矢印は、電力の流れる向きを示す。
図3中の点線の矢印は、制御や監視の方向を示す。
【0027】
本実施形態において、電源コントロール装置10のDC電源出力部142には監視装置42が接続されており、また、PoE給電部144にはIPカメラ44が接続されている。
【0028】
監視装置42は、IPカメラ44に対して定期的に死活確認信号を送信する。死活確認信号とは、例えばICMP(Internet Control Management Protocol)を利用するプログラムによる信号、例えばPing(Packet INternet Groper)コマンドによる信号、などである。死活確認信号はネットワーク(例えばインターネット)を通じて送信してもよいし、ケーブルを用いて機器同士を直接接続して送信してもよい。
【0029】
死活確認信号への応答がなかった場合、監視装置42は、IPカメラ44に異常が生じたと判断し、接点出力によりPoE給電部を制御する。PoE給電の制御により、電源コントロール装置10はIPカメラ44の電源を切ることができるほか、IPカメラ44をリセットして再起動することができる。
【0030】
以上のように、電源コントロール装置10は、例えばPoE給電部144に接続した外部装置に異常が生じた場合、監視用の外部装置から接点入力を受けてPoE給電を遮断等することができる。電源コントロール装置10をこのように用いることにより、異常が生じた外部装置への電力供給が遮断できるため、省電力やシステムの安定化を可能にする。
【0031】
(実施形態の詳細)
以下、本実施形態に係る電源コントロール装置10、および電源コントロール装置10を含む制御システムである制御システム1について、詳細を説明する。以下、電源コントロール装置10を含む制御システムを、単に「制御システム1」と記載する。
【0032】
(第一の実施形態)
最初に、第一の実施形態として、装置として独立する電源コントロール装置10について説明する。
【0033】
<電源コントロール装置10>
本実施形態の電源コントロール装置10は、外部装置から入力される信号を受け付けて、電力供給状態を変化させることができる装置である。
本実施形態において、「電力供給状態を変化させる」とは、電力供給がない状態から電力供給を開始することや、逆に、電力供給がある状態からその電力供給を遮断することを言う。
【0034】
図1に示すように、本実施形態における電源コントロール装置10は、筐体11(不図示)内部に、電源入力部12(DC電源入力部122)、電源出力部14(DC電源出力部142、PoE給電部144)、論理反転制御スイッチ16(電源部スイッチ16a、DC電源出力部スイッチ16b、PoE給電部スイッチ16c)、昇圧部18、絶縁型DC/DCコンバータ20、外部装置接続部22(PoEポート222、LANポート224)、およびサージ保護部24を備える。
なお
図1において、論理反転制御スイッチ16は「反転制御スイッチ」と略記している。
【0035】
<筐体11>
筐体11は、電源コントロール装置10の外装である。電源コントロール装置10に用いられる回路素子は筐体11内部に配設されるが、電源(12、14)や論理反転制御スイッチ16、外部装置接続部22といった、入出力に関わる要素のインターフェース部分は筐体外部に露出する。
【0036】
本実施形態において、「筐体内部」や「筐体に内設」という語を用いる場合、上記インターフェース部分などの一部は筐体外部に露出してもよいことを意味する。
【0037】
筐体11により、屋外等の配設環境から電源コントロール装置10を保護することができる。筐体の素材は問わないが、屋外での使用に耐え、防水機能を有するものがより好ましい。
【0038】
また筐体11は、電源コントロール装置10を独立した1つの物理装置として区画する。これは、SDN(Software Defined Network)のように、ソフトウェアで機能を実現するシステムとは異なることを意味する。単一のハードウェアで必要な機能を備えることで、装置配設などの点で利便性を有する。
【0039】
<電源入力部12>
電源入力部12は、外部(例えば後述する電源30)から電力を得て制御システム1に電力を供給する装置である。本実施形態において、電源入力部12は直流電源を得るDC電源入力部122である。
【0040】
なお以下において、便宜上、ある装置の一部を構成するが、独立した装置ではない場合でも「装置」と称する場合がある(以下同じ)。
【0041】
本実施形態の電源コントロール装置10は、DC電源でPoE供電を可能にする点が一つの利点である。電源コントロール装置10は入力電源として、例えばDC12Vや太陽電池のチャージャー(充電器)を用いることができ、別途電源用ケーブルを用意する手間を省く。
本実施形態において、DC電源入力部122は市販のものを適宜用いることができる。
【0042】
<電源出力部14>
電源出力部14は、電源入力部12から得た電力を外部装置40に供給する装置である。本実施形態の電源コントロール装置10は、DC電源出力部142、PoE給電部144を備える。
【0043】
<DC電源出力部142>
DC電源出力部142は、直流電流を出力する装置である。本実施形態のDC電源出力部142は、電源入力部12から得た直流電流を直流のまま外部装置40に供給する。
【0044】
DC電源出力部142が出力する電力の電圧について特に制限は無いが、本実施形態のDC電源出力部142は、DC電源出力部142として9V(ボルト)から26.4Vの電圧の電力を出力するDC電源出力ポートを備える。
本実施形態において、DC電源出力部142は市販のものを適宜用いることができる。
【0045】
ここで、DC電源出力部142は、次項のPoE給電部144と異なり、昇圧を必要としない。このことにより、PoE給電部144と比べ、DC電源出力部142は電力変換効率が良い。
【0046】
本実施形態において、DC電源出力部142に接続し、DC電源出力部142から電力の供給を受ける外部装置を、「第一の外部装置40a」と称する。第一の外部装置40aとして、例えば後述する監視装置42などが挙げられる(第二の実施形態)。
すなわち、DC電源出力部142は第一の外部装置40aに直流電力を供給する。
【0047】
<PoE給電部144>
PoE給電部は、LANケーブルを通じて受電機器(PD)に電力と信号を伝送する装置である。本実施形態において、PoE給電部144はPoEインジェクタである。
本実施形態において、PoE給電部144(および後述するPoEポート222)として、アナログデバイセス社製のLTC4279を用いている。
【0048】
ここでPoEや、PoEインジェクタ(PoEミッドスパン)について簡単に説明する。上述したとおり、PoE(Power Over Ethernet(登録商標))とは、LANケーブルを通じて電力・信号を伝送する技術である。
PoEに係る規格としてIEEE802.3af(PoE)、IEEE802.3at(PoE+)、IEEE802.3bt(PoE++)などが挙げられる。
【0049】
以下、給電機器をPSE(Power Sourcing Equipment)、受電機器をPD(Powered Device)と記載する。
例えばPSEがPoEネットワークスイッチ、PDがPoEデバイスである場合など、共にPoE対応機器である場合、PSEとPDをLANケーブルで接続することにより、PD側は受電が可能となる。
【0050】
一方、PSE側にPoE非対応デバイス(PoE非対応ネットワークスイッチなど)を利用している場合などは、LANケーブルを接続してもPD側は受電ができない。このような場合に、PoE機能を追加するための装置として、自己の電源を有するPoEインジェクタが必要となる。
【0051】
つまり、PoE非対応デバイスとPoE対応デバイスとの間にPoEインジェクタを配設することで、LANケーブルを通じて、受電側のPoEデバイスは電力の供給を受けることができる。また同時に、PoEデバイスはLANケーブルを通じて通信などに係る信号を送受信することもできる。
【0052】
なお、スイッチ側とデバイス側の双方がPoE非対応機器である場合、当該スイッチとデバイスの間にPoEインジェクタとPoEスプリッタを配設することにより、PoEネットワークに接続することができる。
PoE給電部144は、PoEインジェクタとPoEスプリッタの双方を含んでいてもよい。
【0053】
なお、データ線を用いた電力供給方式としてPoE給電以外にUSB Power Deliberyが知られているが、PoE給電による方式は、USB Power Deliberyによる方式と比較して、インターネット用の通信線(LANケーブル)と、電力供給線を一体化できるというメリットがある。
【0054】
本実施形態において、PoE給電部144に接続し、PoE給電部144から電力の供給を受ける外部装置を、「第二の外部装置40b」と称する。すなわち、PoE給電部144は、第二の外部装置40bに電力および信号を伝送する。
第二の外部装置40bとして、例えば後述するIPカメラが挙げられる(第二の実施形態)。
【0055】
<論理反転制御スイッチ16>
本実施形態の電源コントロール装置10は、信号入力を受け付け、接続している装置に対する電力供給を制御する、制御スイッチを備える。
ここで「信号入力を受け付け」とは、電源コントロール装置10とは別の装置(外部装置)から信号入力を受け付けることを意味する。
また、「電力供給を制御する」とは、電力供給の開始または電力供給の遮断を制御することを言う。
【0056】
例えば、電源コントロール装置10外にある何らかの装置が、接点出力を可能とする装置であるとする。その装置が何らかのトリガーにより接点出力を行った場合、制御スイッチは、その電気信号を受け付け、電源線に電力供給を開始することができる。
【0057】
さらに、本実施形態の論理反転制御スイッチ16は、受け付けた信号をそのまま出力(正転出力)するか、または、信号を反転させて出力(反転出力)する論理反転制御を行うことができる。
【0058】
例えば、先ほどの例とは逆に、当該外部の装置が接点出力を行った場合において、本実施形態の論理反転制御スイッチ16は、その電気信号を受け付け、電源線への電力供給を遮断することもできる。
これは、IPカメラの異常を検知したときに、当該IPカメラの電力供給を遮断する例として後述する。
【0059】
以下、論理反転制御スイッチ16と論理反転制御について詳細を説明する。
図2は、論理反転制御スイッチ16を示すブロック図である。1つの論理反転制御スイッチ16は、電気信号入力部162、物理スイッチ164、および信号生成部166を備える。
【0060】
図2において、実線の矢印は電力の流れる向き(電源線)を、点線の矢印は信号の流れる向きや制御の対象(制御線)を示す。
なお
図1では、論理反転制御スイッチ16が電源線のどこに対して作用しているかを示すために、点線矢印で簡易的に描画している。
【0061】
電気信号入力部162は、外部からの電気信号入力を受け付ける装置である。本実施形態の電気信号入力部162は、外部装置の無電圧接点入力による信号を受け付ける。
【0062】
物理スイッチ164は、電流を制御するスイッチである。物理スイッチ164はその態様により、電気信号入力162から入力した信号をそのまま出力(正転出力)するか、反転して出力(反転出力)するかの制御を可能とする。
【0063】
本実施形態の物理スイッチ164は、ON(正転出力)またはOFF(反転出力)の状態を取ることができる。
物理スイッチ164は、筐体11外部に突出しており、電源コントロール装置10のユーザが操作可能である。
【0064】
信号生成部166は、電気信号入力部162から入力される信号と、物理スイッチ164の状態とから、電力供給を制御する装置である。
【0065】
信号生成部166は、入力される信号を逆転して出力(反転出力)する反転回路(インバータ)を備える。
反転回路は例えば、入力される信号がHigh(ONに相当)である場合、出力信号をLow(OFFに相当)にし、入力される信号がLow(OFFに相当)の場合、出力信号をHigh(ONに相当)にする回路である。
【0066】
ここで、以下において、「入力される信号を反転させずに出力(正転出力)する」とは、入力される信号がHigh(ONに相当)である場合、出力信号をHigh(ONに相当)にし、入力される信号がLow(OFFに相当)の場合、出力信号をLow(OFFに相当)にすることをいう。
【0067】
また、「入力される信号を反転させて出力(反転出力)する」とは、入力される信号がHigh(ONに相当)である場合、出力信号をLow(OFFに相当)にし、入力される信号がLow(OFFに相当)の場合、出力信号をHigh(ONに相当)にすることをいう。
【0068】
【0069】
表1は物理スイッチ164の態様と、(外部装置からの接点出力による)電気信号入力部162への電気信号入力、そしてそれぞれ状態における、信号生成部166の電力供給制御を示したものである。
物理スイッチ164の態様は、正転出力側(物理スイッチON)を正転出力モード、反転出力側(物理スイッチOFF)を反転出力モードと記載する。
【0070】
本実施形態では、物理スイッチ164が正転出力モードになっている場合、論理反転制御スイッチ16は、入力される信号を反転させずに出力(正転出力)する。
つまり、外部装置から入力される信号がHighであれば、論理反転制御スイッチ16はそのままHighを出力し、外部装置40から入力される信号がLowであれば、論理反転制御スイッチ16はそのままLowを出力する。
【0071】
一方、物理スイッチ164が反転出力モードになっている場合、論理反転制御スイッチ16は、入力される信号を反転させて出力(反転出力)する。
つまり、外部装置から入力される信号がHighであれば、論理反転制御スイッチ16はLowを出力し、外部装置40から入力される信号がLowであれば、論理反転制御スイッチ16はHighを出力する。
【0072】
表1の3行目について、外部装置との関連を含めて説明する。これは、物理スイッチ164が反転出力モードの場合で、外部装置で接点入力があった場合(表中ON)の例である。このとき、論理反転制御スイッチ16は、論理反転制御スイッチ16に接続している装置への電力供給を遮断する(表中電力供給OFF)。
【0073】
表1の4行目の例はこれと逆になる。つまり、物理スイッチ164が反転出力モードの場合で、外部装置の接点入力がなくなった場合(表中OFF)、論理反転制御スイッチ16は、論理反転制御スイッチ16に接続している装置への電力供給を開始する(表中電力供給ON)。
【0074】
ここで、論理反転制御スイッチ16に接続している装置とは、例えば、
図1に示すように、論理反転制御スイッチ16が電源部スイッチ16aであれば電源入力部12を指す。同様に、論理反転制御スイッチ16がDC電源出力部スイッチ16bであればDC電源出力部142を、論理反転制御スイッチ16がPoE給電部スイッチ16cであればPoE給電部144を指す。
【0075】
このような信号生成部166として、例えばFET(電界効果トランジスタ)や、スイッチIC(またはパワースイッチ、パワーマネジメントスイッチ)とも呼ばれるASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)を用いることができる。そしてこのようなFETやASICは、市販のものを適宜用いることができる。
【0076】
なお、スイッチICは、電力供給開始時の問題(突入電流による問題)を抑制するためのソフトスタート機能や、過電流保護機能などを備える。スイッチICで電源をコントロールすることで、消費電流の削減等に効果がある。
【0077】
本実施形態の電源部スイッチ16aおよびDC電源出力部スイッチ16bは、信号生成部166として市販のFETを用いている。
また、本実施形態のPoE給電部スイッチ16cは、信号生成部166としてアナログデバイセス社製のLTC4279を用いている。上述したように、LTC4279はPoE給電部144としても機能する。
【0078】
以上、論理反転制御スイッチ16は、信号入力を受け付けることで、電力供給を制御できる。また、本実施形態の論理反転制御スイッチ16は、受け付けた信号について論理反転制御を行うことができる。
論理反転制御は、何らかのトリガーをきっかけに電力供給制御を行う場合に、外部装置の出力態様を問わずにその外部装置を使用することができるという利点がある。
【0079】
例えば、何らかのトリガーにより電気信号出力を「OFF」にする外部装置を用いる場合を考える。この場合、正転出力のみを可能にする制御スイッチであっても、その電気信号の入力を受け付けて、電力供給を遮断することができる。
一方、外部装置が、何らかのトリガーにより電気信号出力を「ON」にするものである場合、正転出力のみを可能にする制御スイッチでは、電力供給を遮断することはできない。
つまり、正転出力のみ、または反転出力のみを行う制御スイッチは、外部装置の出力態様によって用いることができない場合や、調整が必要な場合がある。
【0080】
その点、本実施形態の論理反転制御スイッチ16を備える本実施形態の電源コントロール装置10であれば、物理スイッチ164のON、OFFを切り替えるだけで、外部装置の出力態様を問わず、所望の電力供給制御を行うことができる。
【0081】
図1に戻って説明する。本実施形態の電源コントロール装置10は、少なくともPoE給電部スイッチ16cを備える。PoE給電部スイッチ16cは、PDデバイスが接続されるPoE給電部144への電力供給を最も効率的に制御する。
PoE給電部スイッチ16cにより、例えば、DC電源部142への電力供給には影響を与えず、PoE給電のみを遮断することができる。
【0082】
また、
図1に示すように、本実施形態の電源コントロール装置10は、さらに電源部スイッチ16aと、DC電源出力部スイッチ16bを備える。
DC電源出力部スイッチ16bにより、DC電源出力部142への電力供給のみを制御することが可能である。
同様に、電源部スイッチ16aにより、DC電源入力部122への電力供給を制御することで、電源コントロール装置10全体への電力供給を制御することもできる。
【0083】
このように、論理反転制御スイッチ16は、所望の箇所(装置)に対する電力供給を別途独立に制御することができる。
制御可能な箇所が多くなるほど、電源コントロール装置10は多彩な用途に対応することができる。その一部の例については後述する。
【0084】
電源コントロール装置10のユーザは、接点出力が可能な外部装置の出力部と、所望の論理反転制御スイッチ16の電気信号入力部162とを電気的に接続(配線)することで、外部装置による電力供給制御を実装できる。
【0085】
例えば、外部装置によりDC電源入力部122の電力供給を制御したい場合、外部装置の電気信号出力部と、電源部スイッチ16aの電気信号入力部とを電気的に接続する。
外部装置である監視装置42の電気信号出力部428と、PoE給電部スイッチ16cの電気信号入力部162とを接続する例について後述する。
【0086】
<昇圧部18>
昇圧部18は、入力された電力の電圧を上昇(昇圧)させて出力する装置である。本実施形態において、昇圧部18は非絶縁型DC/DCコンバータ182である。
【0087】
DC/DCコンバータは、直流で入力された電力を、直流で出力する電力変換装置である。直流・直流変換器などとも呼ばれる。また、非絶縁型DC/DCコンバータ182のように、昇圧機能を持つDC/DCコンバータはブーストコンバータとも呼ばれる。
【0088】
非絶縁型DC/DCコンバータ182は、直流で入力された電力を昇圧して出力する。
図1に示すように、本実施形態において、非絶縁型DC/DCコンバータ182は12Vの入力電圧を55Vに昇圧して出力する。ただし、本実施形態における入出力電圧は一例であり、入出力する電圧はこれに限られない。
本実施形態において、非絶縁型DC/DCコンバータ182は市販のものを適宜用いることができる。
【0089】
<絶縁型DC/DCコンバータ20>
絶縁型DC/DCコンバータ20は、入力電圧と出力電圧を電気的に分離するためのコンバータである。本実施形態における絶縁型DC/DCコンバータ20は、安全上の要請に基づいて配設される。本実施形態において、絶縁型DC/DCコンバータ20は、フライバックコンバータである。
【0090】
図1に示すように、本実施形態において、絶縁型DC/DCコンバータ20は、非絶縁型DC/DCコンバータ182とPoE給電部144との間に配設される。
また、本実施形態の絶縁型DC/DCコンバータ20は、55Vの入力電圧を55Vのまま出力する。ただし、本実施形態における入出力電圧は一例であり、入出力する電圧はこれに限られない。
【0091】
絶縁型DC/DCコンバータには、フォワードコンバータ、ハーフブリッジコンバータ、フルブリッジコンバータ、フライバックコンバータ、電流型プッシュプルコンバータなどが挙げられるが、フライバックコンバータが好ましい。
本実施形態において、絶縁型DC/DCコンバータ20は市販のものを適宜用いることができる。
【0092】
<外部装置接続部22>
外部装置接続部22は、電源コントロール装置10と、後述する外部装置40とを接続するための装置である。
図1に示すように、本実施形態の電源コントロール装置10は、PoEポート222とLANポート224を備える。
【0093】
本実施形態において、外部装置接続部22は、8極8芯のモジュラー式コネクタ(以下「8P8C」とする。)差込口を備え、例えばLANケーブルを接続することができる。
なお、8P8Cのコネクタ規格はISO8877で規定されている。また、8P8Cのコネクタ規格は、通称として「RJ45」などとも呼ばれる。
本実施形態において、外部装置接続部22は市販のものを適宜用いることができる。
【0094】
PoEポート222は、LAN接続と電力供給を両立するインターフェースである。すなわち、電力および信号の伝送を媒介する。
【0095】
LANポート224は、LAN接続をするためのインターフェースである。LANポート224は電力供給を媒介しないが、信号の伝送を媒介することができる。
LANポート224は、第一の外部装置40a(本実施形態では監視装置42)との間でLAN接続を行う。
【0096】
図1に示すように、本実施形態において、LANポート224は、接続している外部装置40aからPingなどの信号を受信することができる。
受信した信号について電源コントロール装置10では特に処理を行わず、PoEポート222(およびPoEポート222に接続されている外部装置40)に信号を送る。これは、信号をスルーするなどとも称する(
図1点線部分)。
【0097】
電源コントロール装置10は、外部装置接続部22を備えることから、例えばLANポート224に制御や監視用のコンピュータを接続することができる。
このような制御用のコンピュータとして、例えばセンチュリー・システムズ株式会社製の商品名:MA(マイクロアプライアンスサーバ)を挙げることができる。
また、MAなどのコンピュータは、プログラムにより、機能の追加を行うことができる。
【0098】
なお、本実施形態において、DC電源出力部142から電力供給を受けている第一の外部装置40aが、LANポート224とも接続しているが、接続態様はこれに限られない。
例えば、DC電源出力部142に接続し、電力供給を受ける外部装置40(第一の外部装置40a)と、LANポート224に接続する外部装置40は、別の装置であってもよい。
【0099】
<サージ保護部24>
サージ保護部24は、サージ電圧から回路や装置を保護するための装置である。サージ(surge)とは、雷などにより一時的に発生する、短時間の異常な過電圧や過電流である。
【0100】
図1に示すように、本実施形態において、サージ保護部24は、DC電源出力部スイッチ16bとDC電源出力部142との間、および、PoE給電部144と外部装置接続部22との間の2箇所に配設される。これにより、電源コントロール装置10に接続されている外部装置をサージから保護することができる。
【0101】
サージの種類として、雷サージ(直撃雷サージ、誘導雷サージ、逆流雷サージなど)のほか、開閉サージ、ロードダンプ、ESD(静電気放電)などがあり、サージの種類に応じて使用する対策部品も異なる。
【0102】
例えば雷サージの対策部品として例えば、雷サージを吸収するサージアブソーバ、雷サージから装置などを保護するサージプロテクタ、抵抗値が変化するバリスタ、雷サージを放電させるアレスタ(避雷器)などが挙げられる。
本実施形態のサージ保護部24におけるサージ対策方法は特に限定されないが、バリスタやTVS(Transient Voltage Suppressor)によるものが好適に用いられる。
【0103】
本実施形態において、電源コントロール装置10は野外での使用を想定していることから、サージ保護部24は雷サージに対する対策部品であることが好ましい。
このような対策部品の規格として例えば、IEC(国際電気標準会議)の規格のうち、スイッチング及び雷の過渡現象からの過電圧により発生する一方のサージに対し、電子機器の誤動作を評価する規格であるIEC61000-4-5が知られている。
本実施形態のサージ保護部24には、このような規格に適合しているものが好ましい。
本実施形態において、サージ保護部24としては市販のものを適宜用いることができる。
【0104】
図1に示すように、本実施形態の電源コントロール装置10において、電源入力部12から入力された電力は、筐体11内部で分岐して2つの電源出力部14に出力される。一方はDC電源出力部142であり、他方はPoE給電部144である。
【0105】
また、
図1に示すように、DC電源出力部142側に流れる電力は、第一の外部装置40aに電力を供給する。第一の外部装置40aは、例えば後述する監視装置42である。
【0106】
PoE給電部144側に流れる電力は、上記分岐の後、昇圧部18(非絶縁型DC/DCコンバータ182)により昇圧され、絶縁型DC/DCコンバータ20を経てからPoE給電部144に至る。PoE給電部144は、外部装置接続部22を通じて第二の外部装置40bに電力を供給する。第二の外部装置40bは、例えば後述するIPカメラ44である。
【0107】
以上のように、本実施形態の電源コントロール装置10は、直流電力供給と、PoE給電とを同時に行うことができる。これにより、後述するような複数の装置との協働を可能にする。
【0108】
また、本実施形態の電源コントロール装置10は、論理反転制御スイッチ16を備える。すなわち、
図1に示すように、電源入力部12と前記分岐の前に配設される電源部スイッチ16a、前記分岐の後でかつDC電源出力部142の前に配設されるDC電源出力部スイッチ16b、および前記分岐の後でかつPoE給電部144の前に配設されるPoE給電部スイッチ16cである。
【0109】
論理反転制御スイッチ16は、各種外部装置40からの接点入力を受けて電力供給を制御する。すなわち、外部装置40は、電源コントロール装置10の3箇所の論理反転制御スイッチ16のそれぞれについて独立して自在に制御を行うことができるという利点がある。
また、論理反転制御スイッチ16は、上述したような論理反転制御を行うことができ、外部装置の出力態様を問わない柔軟な運用を可能にする。
【0110】
本実施形態の電源コントロール装置10は、1箇所の電源入力と、2箇所の電源出力を別個独立に制御することができる。
これにより、例えば、1つの電源出力側で異常が生じた際は、その電源出力のみを遮断することができ、もう一方の電源出力側では電力供給を維持することができる。
【0111】
ここで、(異常のない)もう一方の電源出力側にシステム復旧用の装置が接続されているとすると、人手を介さず、自動的にシステム復旧を行うという使用方法が可能となる。具体例については後述する。
なお、本実施形態の電源コントロール装置10は1箇所の電源入力と2箇所の電源出力を備えるが、電源入力と電源出力の数はこれに限られない。
【0112】
(第二の実施形態)
図3は、電源コントロール装置10を含むシステムである、制御システム1の一例について概要を示す図である。
図3中の実線の矢印は、電力の流れる向きを示す。
図3中の点線矢印は、一の装置による他の装置の監視や電気信号出力を意味する。
【0113】
<制御システム1>
制御システム1は、電源コントロール装置10を含む制御システムである。制御システム1は、電力供給を制御する。
本実施形態の制御システム1は、電源コントロール装置10のほか、電源コントロール装置10のDC電源出力部142から電力供給を受ける第一の外部装置40aと、PoE給電部144から電力供給を受ける第二の外部装置40bを備える。
【0114】
図3に示すように、制御システム1は、電源コントロール装置10のほか、電源30、外部装置40を備える。なお、すでに説明済みの項目については記載を省略する。
【0115】
本実施形態に係る制御システム1の概要を説明する。
図3に示すように、電源コントロール装置10からDC電力供給を受けている監視装置42(第一の外部装置40a)は、IPカメラ44の死活状態を監視している(Ping監視)。
【0116】
Pingが返ってこない場合など、監視装置42がIPカメラ44に異常があると判断すると、監視装置42は接点入力を行い、電源コントロール装置10の論理反転制御スイッチ16に対して信号を出力する。この接点入力により出力された信号により、電源コントロール装置10からIPカメラ44へのPoE給電は制御される。
【0117】
例えば、PoE給電制御により、電源コントロール装置10は、IPカメラ44への給電を遮断することができる。このほか、設定により、電源コントロール装置10がIPカメラ44への給電を遮断した後、再度給電を開始することで、当該IPカメラ44の再起動を行うこともできる。
【0118】
<電源30>
図3に示すように、電源30は、電源コントロール装置10に電力を供給するための装置である。電源30は直流電源(DC電源)であるか、交流電源(AC電源)であるかを問わないが、本実施形態において、電源30はAC電源32である。
【0119】
AC電源32として市販の電源を適宜用いることができる。ただし、電圧は9.0V以上26.4V以下、電流は1A(アンペア)以上であることが好ましい。またAC電源32として、太陽電池322を用いることもできる(後述)。
【0120】
<外部装置40>
外部装置40は、電源コントロール装置10とは別の装置であるが、電源コントロール装置10に接続され、所定の機能を有する独立した装置である。ただし、本実施形態の説明上、電源30は除く概念である。
【0121】
本実施形態において、少なくとも1つの外部装置40は、あらかじめ定められたイベントをトリガーとして、電源コントロール装置10に対して接点出力を行う。
本実施形態において、外部装置40は、第一の外部装置40a(監視装置42)と第二の外部装置40b(IPカメラ44)である。以下それぞれについて説明する。
【0122】
<第一の外部装置40a>
第一の外部装置40aは、電源コントロール装置10のDC電源出力部142に接続し、直流電力の供給を受ける装置である。
【0123】
図3に示すように、本実施形態において、第一の外部装置40aは監視装置42である。監視装置42は、監視対象となる装置に、ICMPを利用するプログラムによる信号(例えばPingなど)を送信し、その装置からの応答を受信する装置である。このような監視はPing監視などとも呼ばれる。監視装置42は、監視対象となる装置の死活状態を判定する。
【0124】
本実施形態において、監視装置42としてセンチュリー・システムズ株式会社製の商品名:MA(マイクロアプライアンスサーバー)シリーズを用いている。
【0125】
<第二の外部装置40b>
第二の外部装置40bは、電源コントロール装置10のPoE給電部144に接続し、電力の供給を受ける装置である。
なお、PoE給電部144を通じて電力供給を受けることを、「PoE給電を受ける」と記載する場合がある。
第二の外部装置40bは、電源コントロール装置10に対して、(インターネット通信に係る)信号の送受信も可能である。
【0126】
本実施形態において、第二の外部装置40bはIPカメラ44である。IPカメラ44はIP(インターネットプロトコル)を利用する通信が可能なカメラであり、IPカメラ44自体にIPアドレスが割り当てられる。IPカメラ44はネットワークに接続することができるため、ユーザはネットワークを通じてIPカメラ44をコントロールすることができる。
【0127】
この場合において、「コントロールする」とは、ユーザがリアルタイムでコントロールすることのほか、プログラム等により自動制御することも含む。
なお、本実施形態に係る制御システム1は、第二の外部装置40bを1つ備えるが、装置の数は1つに限られるものではなく、2以上の装置を備えていてもよい。
以下、
図4を用いてさらに具体的に説明する。
【0128】
図4は、電源コントロール装置10と外部装置40(監視装置42、IPカメラ44)との関係を示すブロック図である。
図4において、実線の片矢印は電力の流れる向きを、点線の片矢印は信号の流れる向きを示す。また、点線の両矢印は死活確認信号(Ping信号)が流れることを示す。外部装置40における実線の両矢印は、各機能部間の通信路(バス)を示す。
【0129】
図4に示すように、ここでは論理反転制御スイッチ16がPoE給電部スイッチ16cである場合について説明する。ここでは、監視装置42の電気信号出力部428と、PoE給電部スイッチ16cの電気信号入力部162とが電気的に接続(配線)されている。
【0130】
なお、
図4において、説明に用いない装置は適宜省略している。例えば、
図4において、監視装置42に電力を供給する電源コントロール装置10のDC電源出力部142や、昇圧部18などは描画を省略している。
【0131】
また、
図4において省略されているが、それぞれの外部装置40(監視装置42、IPカメラ44)は、コンピュータとして必要な機能を備える。例えば、各外部装置40は、
図4に記載の制御部や通信制御部のほか、
図4に記載のない記憶部や入出力部などを備えていてもよい。
【0132】
図4の各装置内において、各機能部同士(例えば制御部422と電気信号出力部428など)の接続態様は特に限定されない。例えば、バス型、スター型、メッシュ型などが挙げられる。
以下、各装置について説明する。
【0133】
<監視装置42>
監視装置42は、ケーブルやネットワークなどの通信手段を通じて、他の装置の状態を監視するための装置である。また本実施形態の監視装置42は、他の装置の異常を検知した場合、電源コントロール装置10に対して接点出力を行う。
図4に示すように、監視装置42は、制御部422、信号生成部424、通信制御部426、および電気信号出力部428を備える。
【0134】
制御部422は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、計時装置などを備える。
他の装置の監視に際して制御部422が行う処理を「監視処理」とする。監視処理の詳細は後述する。
【0135】
信号生成部424は、ICMPを利用するプログラムによる信号(例えばPingなど)を生成する。
【0136】
通信制御部426は、インターネットなどのネットワークとの通信を制御する機能を有する。通信制御部426の通信方式は、有線、無線を問わない。本実施形態において通信制御部426は、信号生成部424が生成した信号(Ping信号)をIPカメラ44へと送信する制御を行う。
【0137】
電気信号出力部428は、所定の条件(トリガー)により、電気信号を出力する装置である。本実施形態の電気信号出力部428は、無電圧接点入力を行うリレースイッチ(継電器)を備える。
【0138】
図4に示すように、本実施形態の電気信号出力部428は、制御部422の制御により、電源コントロール装置10(論理反転制御スイッチ16)の電気信号入力部162に対して接点出力を行う。
【0139】
ここで、イーサネット(登録商標)通信等によるコマンド制御と比べ、接点入力はコストメリットがあり、導入しやすいという利点がある。また、接点リレーは、無接点リレーと比較して、リレー部に半導体や電子部品を使う必要が無いという利点がある。また、装置を屋外などの厳しい自然環境下で用いる場合でも好適に利用できる。
【0140】
また、上述したように、監視装置42は、上記以外の入出力部を備えていてもよい。例えば、監視装置42以外の外部装置40からのアナログ出力(例えば4-20mA)による入力を受ける、入力部を備えていてもよい(イベント通知)。詳細は後述する。
【0141】
なお
図4では、PoE給電部スイッチ16cによる制御を描画している。つまり、外部装置である監視装置42からの電気信号によりPoE給電部スイッチ16cを制御する場合、監視装置42の電気信号出力部428と、PoE給電部スイッチ16cの電気信号入力部162とを接続する。
【0142】
このとき、電源部スイッチ16aやDC電源出力部スイッチ16bを同時に制御しないのであれば、電源部スイッチ16aやDC電源出力部スイッチ16bの電気信号入力部162と、監視装置42の電気信号出力部428とは電気的に接続しなければよい。
【0143】
また例えば、電源入力部12に対する電力供給を制御したい場合、監視装置42の電気信号出力部428と、電源部スイッチ16aの電気信号入力部162とを接続する。
すなわち、外部装置の電気信号出力部と、論理反転制御スイッチ16のそれぞれの電気信号入力部との接続の有無により、外部装置40による制御を行うか行わないかを選択することができる。
【0144】
図5は、監視装置42の制御部422による監視処理を示すフローチャートである。なお
図5中、ステップは「S」と略記する。
制御部422は、監視対象となる他の外部装置(本実施形態ではIPカメラ44)に対してPing信号を送信する(ステップ1)。
当該他の外部装置からPing信号に対する応答があった場合(ステップ2Yes)、制御部422は次のPing信号送信時間まで待機する。
一方、Ping信号に対する応答がなかった場合(ステップ2No)、制御部422は、電気信号出力部428に電気信号を送出させる(ステップ3)。
【0145】
<IPカメラ44>
IPカメラ44は、インターネットなどを通じて映像の送受信が可能な撮像装置である。
図4に示すように、IPカメラ44は、制御部442、撮像部444、通信制御部446、および電源入力部448を備える。
【0146】
制御部442は、プロセッサ、RAM、ROM、計時装置を備える。制御部442は、撮像部444が撮影した画像(静止画、動画)をIPカメラ44の記憶部(不図示)に保存させるほか、ネットワークを通じて外部端末(不図示)に撮影した画像を送信させることができる。
【0147】
撮像部444は、カメラなどの撮像装置である。
【0148】
通信制御部446は、インターネットなどのネットワークとの通信を制御する装置である。
図4に示すように、本実施形態の通信制御部446は、監視装置42からの信号(Ping信号)を受信し、また監視装置42に対して応答パケットを送信する。通信制御部446のトラブルなどでIPカメラ44に異常が生じている場合、応答パケットは送信されない。
【0149】
電源入力部448は、IPカメラ44に必要な電力を入力する装置である。
図4に示すように、本実施形態の電源入力部448は、電源コントロール装置10からPoE給電を受ける。
【0150】
本実施形態の電源コントロール装置10を備え、省力化や安定化が可能な制御システム1にIPカメラ44を組み込むより、消費電力が大きいというIPカメラのデメリットを補完しつつ、遠隔地の監視を行うことができる。
つまり、本実施形態の制御システム1は、IPカメラ44による遠隔地監視用途に好適に用いることができる。この場合、PoE給電を受ける第二の外部装置40bがIPカメラであることが好ましい。
【0151】
図4に示すように、本実施形態において、監視装置42はユーザが設定する一定の間隔でPing信号をIPカメラ44に送信している。通常、IPカメラ44から監視装置42に応答信号が返されることで、監視装置42の制御部422は、IPカメラ44が正常状態であると判断する。一方、IPカメラ44からPingが返されない場合、制御部422はIPカメラ44が異常状態にあると判定する。
【0152】
IPカメラ44(第二の外部装置40b)の異常状態を検知した場合、監視装置42は電気信号出力部428から接点出力を行う。
本実施形態において、この接点出力による信号は、電気信号入力部162から電源コントロール装置10の論理反転制御スイッチ16(PoE給電部スイッチ16c)に入力される。
【0153】
ここで、
図4に示す物理スイッチ164が反転出力モードになっていると、電気信号入力部162が受けた入力(High)は、信号生成部166により反転して(Lowとなって)出力される。この反転された出力(Low出力)により、PoE給電部144への電力供給は遮断される。
【0154】
つまり、IPカメラ44に異常が生じた場合、監視装置42はPoE給電部スイッチ16cを制御してPoE給電部144への電力供給を遮断し、電力の消費を抑制する。
【0155】
またさらに、監視装置42の制御部422は、ユーザが定めるある一定時間(例えば10秒)ののち、PoE給電部144を通じて電源入力部448に電力供給を再開するように、PoE給電部スイッチ16cを制御することができる。
【0156】
すなわち、監視装置42は、電源コントロール装置10を通じて、単にPoE給電部144の電源を切断するだけでなく、再起動を行うことができる。異常状態にあるIPカメラ44(第二の外部装置40b)を再起動することにより、IPカメラ44を復旧させることができる。
【0157】
上記において、監視装置42が、電源コントロール装置10のPoE給電部スイッチ16cを制御する例を挙げたが、第一の外部装置40aである監視装置42が制御するスイッチは、PoE給電部スイッチ16cに限られない。
【0158】
例えば、監視装置42は、電源コントロール装置10への接点出力により、電源部スイッチ16aへの電力供給を制御することもできる。
この場合、電源コントロール装置10への電力供給を遮断し、あるいは再起動できるため、電源コントロール装置10に異常の原因があった場合であっても、制御システム1の復旧を行うことができる。
このような制御は、DC電源出力部スイッチ16bへの電力供給を制御する場合も同様である。
【0159】
以上まとめると、本実施形態の制御システム1において、第一の外部装置40aである監視装置42は、監視対象であるIPカメラ44の異常を検知するというあらかじめ定められたイベントをトリガーとして、電源コントロール装置10に対して接点出力を行う。その結果、監視装置42は、接点出力により電源コントロール装置10の論理反転制御スイッチ16を制御し、電源コントロール装置10、および/または、外部装置40の少なくとも1つに対する電力供給状態を変化させることができる。
【0160】
より具体的には、一の外部装置である監視装置42は、他の外部装置であるIPカメラ44に対して、あらかじめ設定されている時間間隔で死活確認信号を送信する。
そして、監視対象であるIPカメラ44の異常を検知した場合、監視装置42は、電源コントロール装置10に対して接点出力を行うことにより、電源コントロール装置10の論理反転制御スイッチ16を制御し、IPカメラ44への電力供給状態を変化させる(電力供給を遮断する)。
【0161】
制御する論理反転制御スイッチ16がPoE給電部スイッチ16cである場合、電源コントロール装置10はPoE給電部144への給電を遮断して電力の節約ができる。
【0162】
さらに、本実施形態の制御システム1における外部装置40のうち、電源コントロール装置10に対して接点出力を行う外部装置40が、当該接点出力を2回以上行うことで、異常状態にある他の外部装置を再起動させることができる。
【0163】
例えば、PoE給電部144への給電停止後、再度PoE給電部144への給電を再開することにより、制御システム1は、電源コントロール装置10を通じてPoE給電部144を再起動することもできる。
具体的には、一回目の接点出力でIPカメラ44の電源をOFFにし、一定の時間経過後、二回目の接点出力で当該IPカメラ44の電源をONにすることなどが挙げられる。
【0164】
つまり、電源コントロール装置10に対して接点出力を行うことができる監視装置42が、他の外部装置、ここではIPカメラ44の異常を検知した場合に、電源コントロール装置10に対して接点出力を2回以上行い、当該IPカメラ44を再起動する。
なおここで、IPカメラ44の起動が成功するまで、再起動は数回繰り返されてもよい。
【0165】
以上のように、本実施形態の制御システム1は、例えばIPカメラなど所定の機能を有する装置と、監視装置などの当該IPカメラを監視する別の装置とを連携させつつ、電力供給を効率的に制御することができる。
電源コントロール装置10は、状況に応じて外部装置40への電力供給を抑制することができるため、システム全体の電力消費を抑えることができる。
さらに、異常が生じた装置を再起動させることができるため、システム全体の安定性も向上させることができる。
【0166】
また、電源コントロール装置10は論理反転制御スイッチ16を備えるため、組み合わせて使用する外部装置40の出力態様がどのようなものであっても利用することができる。
つまり、組み合わせて使用する外部装置40が、何らかのトリガーによりONを出力するものであって、またはOFFを出力するものであっても、関係なく柔軟に制御システム1に組み込むことができる。
【0167】
(第三の実施形態)
図6は、電源コントロール装置10を含むシステムである、制御システム1の別の態様(第三の実施形態)を示す図である。
図6中の実線の矢印は、電力の流れる向きを示す。
図6中の点線矢印は、一の装置から他の装置への通知や電気信号出力を意味する。
【0168】
本実施形態の制御システム1は、AC電源32として太陽電池322を備える。
また、本実施形態の制御システム1は、外部装置40として第一の外部装置40a、第二の外部装置40bのほか、第三の外部装置40cを備える。
【0169】
本実施形態の概要を説明する。
図6に示すように、本実施形態において、電源30は太陽電池322であり、太陽電池322は電源コントロール装置10および監視装置42(第三の外部装置40c)に電力を供給する。
監視装置42がIPカメラ44の死活状態を監視(Ping監視)している点は上記第二の実施形態と同じである(不図示)。IPカメラ44に異常があれば、監視装置42は電源コントロール装置10を通じてIPカメラ44を停止させ、または再起動する。
【0170】
図6に示すように、本実施形態において、電源コントロール装置10からDC電源の供給を受けている第一の外部装置40aは、水位センサ46である。また、電源コントロール装置10からPoE給電を受けている第二の外部装置40bは、IPカメラ44である。
【0171】
水位センサ46は例えば、貯水池などを監視する。豪雨時など、貯水池の水位がある一定以上になった場合、水位センサ46は、アナログ出力(例えば4-20mA)により監視装置42(第三の外部装置40c)に対して水位データを出力する(イベント通知)。
【0172】
図6に示すように、イベント通知を受けた監視装置42は、電源コントロール装置10の論理反転制御スイッチ16(PoE給電部スイッチ16c)に対して接点出力を行い、電源コントロール装置10はIPカメラ44(第二の外部装置40b)にPoE給電を「開始」する。
【0173】
つまり、第二の実施形態では、ある条件下(IPカメラ44の異常)でPoE給電をOFFにするのに対し、本実施形態では、ある条件下(水位の異常)でPoE給電をONにする。
【0174】
なお、外部装置の出力の態様によって、例えばOFFからONへの接点出力でPoE給電を開始する場合と、ONからOFFへの接点出力でPoE給電を開始する場合が考えられるが、これは論理反転制御スイッチ16における物理スイッチ164のON、OFFで容易に対応することができる。
【0175】
概要で述べたとおり、本実施形態において、DC電源出力部142に接続する第一の外部装置40aとして、水位センサ46を接続している。
また、第二の実施形態では第一の外部装置40aとして接続されていた監視装置42を、ここでは第三の外部装置40cとして接続している。
【0176】
以下、第三の実施形態に係る制御システム1を構成する装置について説明する。ただし、すでに説明済みの項目については記載を省略する。
例えば、第二の外部装置40bがIPカメラ44である点は第二の実施形態と同じであるため、IPカメラ44の説明は省略する。
【0177】
<太陽電池322>
太陽電池は太陽エネルギーを電力に変換する装置である。太陽電池322として市販の太陽電池を適宜用いることができるが、本実施形態において、太陽電池322は直流電力を供給する。
【0178】
電源30として太陽電池322を用いる場合、遠隔地の監視などを行う用途などにおいて、電源の運搬が不要となる利点がある。
また、太陽電池は曇天や雨天の場合に電力を供給できなくなるが、省電力化を可能とする本実施形態の電源コントロール装置10と組み合わせることにより、太陽電池のエネルギーが尽きてIPカメラなどの外部装置が止まる可能性をより低減し、より長時間の監視を可能にするなどの利点がある。
【0179】
<水位センサ46>
水位センサ46は水位を測定するセンサである。水位センサ46は例えば、用水地や貯水池、ダムといった場所における水位を測定する。水位センサ46は市販のものを適宜用いることができる。
本実施形態において、水位センサ46は、DC給電を受ける第一の外部装置(40a)である。
【0180】
図6に示すように、水位センサ46は、水位の異常を検知したときに、監視装置42に対してイベント通知を行う。
ここで本実施形態において、水位センサ46から監視装置42への通知は、水位センサ46のアナログ出力(例えば4-20mA)により行うが、これに限られるものではない。
なお、4-20mAとは、電流出力の範囲が4mAから20mAの範囲で出力されることを意味する。
【0181】
<第三の外部装置40c(監視装置42)>
本実施形態において、第三の外部装置40cとして監視装置42が接続されている。監視装置42そのものについては説明済みのため、記載を省略する。
図6に示すように、第三の外部装置40cである監視装置42は、太陽電池322から電力供給を受けている。
なお、本実施形態に係る制御システム1は、第三の外部装置40cを1つ備えるが、装置の数は1つに限られるものではなく、2以上の装置を備えていてもよい。
【0182】
図6に示すように、本実施形態の制御システム1の水位センサ46は、例えば貯水池の水位が閾値以上であると検知すると、監視装置42に対して通知(イベント通知)を行う。
このイベント通知をトリガーとして、監視装置42は、電源コントロール装置10に対して接点出力を行う。この接点出力により、電源コントロール装置10のPoE給電部スイッチ16cが制御され、電源コントロール装置10はPoE給電を開始する。
つまり、電源コントロール装置10は、IPカメラ44に対する電力供給状態をOFFからONに変化させ、IPカメラ44を起動させる。
起動した当該IPカメラ44は、水位の異常の様子を撮影する。IPカメラ44からの画像や映像がネットワークを通じてユーザのPCなど(不図示)に送信されることにより、ユーザは水位異常にある当該貯水池の様子をリアルタイムで確認することができる。
【0183】
本実施形態の制御システム1は、通常時において外部装置の電力供給を抑制しておき、必要な時だけ当該装置を起動することができるため、システム全体の電力消費を抑えることができる。
【0184】
以上のように、制御システム1は、電源コントロール装置10に接続する外部装置40を適宜変更することで、様々な用途に用いることができる。
例えば、一の外部装置に他の外部装置を接続し、当該一の外部装置を監視させる場合である。
当該一の外部装置には通常状態において電力が供給されているが、何らかのトリガーにより、例えば当該一の外部装置に生じた異常などにより、電源コントロール装置10が、当該一の外部装置への電力供給を遮断する(第二の実施形態の例)。
【0185】
あるいは、ある一の外部装置には、通常電力が供給されていないが、何らかのトリガーにより、例えば他の外部装置として接続されているセンサが何某かの状態を検知することにより、電源コントロール装置10が、当該一の外部装置に電力供給を開始する(第三の実施形態の例)。
【0186】
また、電源コントロール装置10に接点出力を行う外部装置は、別の装置からトリガーとなる信号等を受け付けてもよい。
例えば、ある外部装置が何某かの状態を検知してイベント通知を行い、そのイベント通知をトリガーとして、電源コントロール装置10に対して接点出力を行う外部装置が接点出力を行う場合である(第三の実施形態の例)。
【0187】
この場合、複数の外部装置を用いた機能分離が可能になるという利点がある。これは、電源コントロール装置10が複数の電源出力部14を備え、また、論理反転制御スイッチ16の電気信号入力部162も複数備えることができるため、実現することができる。
【0188】
さらに、上述したように、電源コントロール装置10は、複数回の接点出力を受け付けて、接続している外部装置の再起動を可能にするため、システムの安定性や可用性を向上させることもできる。
【0189】
(変形例)
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
【0190】
例えば、外部装置として単純なタイマーを有する接点出力装置を用いるにより、電源コントロール装置10は、接続されているカメラやセンサに対する電力供給を、時間でコントロールすることができる。
【0191】
また
図1において、本実施形態の電源部スイッチ16aは電源入力部12の後(電流の下流側)に配設されているが、電源入力部12の前(電流の上流側)に配設されていてもよい。
【0192】
上述した第三の実施形態において、センサは水位センサに限られるものではなく、各種センサに置き換えてもよい。
例えば、第一の外部装置40aとして、気温センサなどを備えているシステムであれば、気温が一定以上になった時にIPカメラ44などを起動させることができる。また、センサが震度センサであれば、地震などの自然災害を検知したときにIPカメラ44を起動することなどができる。
【0193】
本実施形態を含む発明は、換言すると以下の特徴を備える。下記は本願出願時における特許請求の範囲と対応する。ただし、出願後における特許請求の範囲の補正により、当該補正後の特許請求の範囲の記載とは異なる場合がある。
(1)第1の発明は、電源入力部と、
前記電源入力部に接続し、第一の外部装置に直流電力を供給するDC電源出力部と、
前記電源入力部に接続し、第二の外部装置に電力および信号を伝送するPoE給電部と、
電気信号を受け付け、電力供給の開始および遮断を制御する制御スイッチと、
前記電源入力部、前記DC電源出力部、前記PoE給電部、および前記論理反転制御スイッチを内設する筐体と、を備え、
前記制御スイッチは、少なくとも前記PoE給電部の電力供給を制御するPoE給電部スイッチを含むことを特徴とする、電源コントロール装置を提供する。
(2)第2の発明は、前記制御スイッチが論理反転制御スイッチであり、
前記論理反転制御スイッチは、少なくとも前記電気信号を受け付ける電気信号入力部と、物理スイッチとを備え、
前記物理スイッチが一方になっている場合、前記論理反転制御スイッチは、入力される前記電気信号を反転させずに出力し、
前記物理スイッチが他方になっている場合、前記論理反転制御スイッチは、入力される前記電気信号を反転させて出力することを特徴とする、第1の発明に記載の電源コントロール装置を提供する。
この場合、外部装置の接点出力の態様に合わせて、電源コントロール装置10内の各部位(例えば電源入力部12、DC電源出力部142、またはPoE給電部144)の制御を決めることができる。例えば、外部装置からOFF→ONの接点出力があった場合、電源コントロール装置10は、当該各部位に対して電力供給を開始するかまたは遮断するか、柔軟に設定することができる。
(3)第3の発明は、第1の発明に記載の電源コントロール装置と、
前記電源コントロール装置の電源入力部に電力を供給する電源と、
前記電源コントロール装置のDC電源出力部から電力供給を受ける第一の外部装置および前記電源コントロール装置のPoE給電部から電力供給を受ける第二の外部装置を含む、少なくとも2以上の外部装置と、を備え、
前記外部装置のうち、少なくとも一の外部装置は、あらかじめ定められたイベントをトリガーとして前記電源コントロール装置に対して接点出力を行うことで、前記電源コントロール装置の論理反転制御スイッチを制御し、前記電源コントロール装置、および/または、前記外部装置の少なくとも1つに対する電力供給状態を変化させることを特徴とする、制御システムを提供する。
(4)第4の発明は、第1の発明に記載の前記電源コントロール装置と、
前記電源コントロール装置のDC電源入力部に電力を供給する電源と、
前記電源コントロール装置のDC電源出力部から電力供給を受ける第一の外部装置および前記電源コントロール装置のPoE給電部から電力供給を受ける第二の外部装置を含む、少なくとも2以上の外部装置と、を備え、
前記外部装置のうち、少なくとも一の外部装置は、他の外部装置に対して、あらかじめ設定されている時間間隔で死活確認信号を送信する監視装置であり、
前記監視装置が、前記他の外部装置の異常を検知した場合に、前記電源コントロール装置に対して接点出力を行うことで、前記電源コントロール装置の論理反転制御スイッチを制御し、前記電源コントロール装置、および/または、前記外部装置の少なくとも1つに対する電力供給状態を変化させることを特徴とする、制御システムを提供する。
この場合、本制御システムは、外部装置の異常を検知し、自動的に当該外部装置の電力供給を遮断することなどができるため、システム全体の電力消費を抑えることができる。
(5)第5の発明は、前記外部装置のうち、前記電源コントロール装置に対して接点出力を行う外部装置が、当該接点出力を2回以上行うことで、異常を生じている他の外部装置を再起動させることを特徴とする、第3の発明または第4の発明に記載の制御システムを提供する。
この場合、本制御システムは、異常状態にある装置を再起動させることができるため、システム全体の安定性や可用性を向上させることができる。
(6)第6の発明は、前記第二の外部装置が、インターネットプロトコルを利用するIPカメラであることを特徴とする、第3の発明または第4の発明に記載の制御システムを提供する。
この場合、インターネット網を用いることができるため、本実施形態の電源コントロール装置を用いた、省力化や安定化されたシステムにより、電源の供給や運搬が困難な遠隔地の監視を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0194】
電源コントロール装置10を用いたシステムは、IPカメラに限らず、各種IoT機器の省電力化、安定化に適用することができる。また、遠隔地にあるIoT機器に異常が生じた場合に、当該IoT機器などの再起動を行うことができるため、可用性の高いシステムを構築することができる。
【符号の説明】
【0195】
1 制御システム(電源コントロール装置10を含む制御システム)
10 電源コントロール装置
12 電源入力部
122 DC電源入力部
14 電源出力部
142 DC電源出力部
144 PoE給電部
16 論理反転制御スイッチ
16a 電源部スイッチ
16b DC電源出力部スイッチ
16c PoE給電部スイッチ
162 電気信号入力部
164 物理スイッチ
166 信号生成部
18 昇圧部
182 非絶縁型DC/DCコンバータ
20 絶縁型DC/DCコンバータ
22 外部装置接続部
222 PoEポート
224 LANポート
24 サージ保護部
30 電源
32 AC電源
322 太陽電池
40 外部装置
40a 第一の外部装置
40b 第二の外部装置
40c 第三の外部装置
42 監視装置(第二の実施形態における第一の外部装置、第三の実施形態における第三の外部装置)
422 制御部
424 信号生成部
426 通信制御部
428 電気信号出力部
44 IPカメラ(第二、第三の実施形態における第二の外部装置)
442 制御部
444 撮像部
446 通信制御部
448 電源入力部
46 水位センサ(第三の実施形態)
【手続補正書】
【提出日】2023-01-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
電源入力部と、
前記電源入力部に接続し、第一の外部装置に直流電力を供給するDC電源出力部と、
前記電源入力部に接続し、第二の外部装置に電力および信号を伝送するPoE給電部と、
電気信号を受け付け、電力供給の開始および遮断を制御する制御スイッチと、
前記電源入力部、前記DC電源出力部、前記PoE給電部、および前記制御スイッチを内設する筐体と、
を備え、
前記制御スイッチは、少なくとも前記PoE給電部の電力供給を制御するPoE給電部スイッチを含むことを特徴とする、電源コントロール装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、例えば以下の手段を採用している。
すなわち、電源入力部と、
前記電源入力部に接続し、第一の外部装置に直流電力を供給するDC電源出力部と、
前記電源入力部に接続し、第二の外部装置に電力および信号を伝送するPoE給電部と、
電気信号を受け付け、電力供給の開始および遮断を制御する制御スイッチと、
前記電源入力部、前記DC電源出力部、前記PoE給電部、および前記制御スイッチを内設する筐体と、を備え、
前記制御スイッチは、少なくとも前記PoE給電部の電力供給を制御するPoE給電部スイッチを含むことを特徴とする、電源コントロール装置を提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
筐体11は、電源コントロール装置10の外装である。電源コントロール装置10に用いられる回路素子は筐体11内部に配設されるが、電源入出力部(12、14)や制御スイッチ(論理反転制御スイッチ16)、外部装置接続部22といった、入出力に関わる要素のインターフェース部分は筐体外部に露出する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
さらに、本実施形態の制御スイッチは、論理反転制御スイッチ16であり、受け付けた信号をそのまま出力(正転出力)するか、または、信号を反転させて出力(反転出力)する論理反転制御を行うことができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0193
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0193】
本実施形態を含む発明は、換言すると以下の特徴を備える。下記は本願出願時における特許請求の範囲と対応する。ただし、出願後における特許請求の範囲の補正により、当該補正後の特許請求の範囲の記載とは異なる場合がある。
(1)第1の発明は、電源入力部と、
前記電源入力部に接続し、第一の外部装置に直流電力を供給するDC電源出力部と、
前記電源入力部に接続し、第二の外部装置に電力および信号を伝送するPoE給電部と、
電気信号を受け付け、電力供給の開始および遮断を制御する制御スイッチと、
前記電源入力部、前記DC電源出力部、前記PoE給電部、および前記制御スイッチを内設する筐体と、を備え、
前記制御スイッチは、少なくとも前記PoE給電部の電力供給を制御するPoE給電部スイッチを含むことを特徴とする、電源コントロール装置を提供する。
(2)第2の発明は、前記制御スイッチが論理反転制御スイッチであり、
前記論理反転制御スイッチは、少なくとも前記電気信号を受け付ける電気信号入力部と、物理スイッチとを備え、
前記物理スイッチが一方になっている場合、前記論理反転制御スイッチは、入力される前記電気信号を反転させずに出力し、
前記物理スイッチが他方になっている場合、前記論理反転制御スイッチは、入力される前記電気信号を反転させて出力することを特徴とする、第1の発明に記載の電源コントロール装置を提供する。
この場合、外部装置の接点出力の態様に合わせて、電源コントロール装置10内の各部位(例えば電源入力部12、DC電源出力部142、またはPoE給電部144)の制御を決めることができる。例えば、外部装置からOFF→ONの接点出力があった場合、電源コントロール装置10は、当該各部位に対して電力供給を開始するかまたは遮断するか、柔軟に設定することができる。
(3)第3の発明は、第1の発明に記載の電源コントロール装置と、
前記電源コントロール装置の電源入力部に電力を供給する電源と、
前記電源コントロール装置のDC電源出力部から電力供給を受ける第一の外部装置および前記電源コントロール装置のPoE給電部から電力供給を受ける第二の外部装置を含む、少なくとも2以上の外部装置と、を備え、
前記外部装置のうち、少なくとも一の外部装置は、あらかじめ定められたイベントをトリガーとして前記電源コントロール装置に対して接点出力を行うことで、前記電源コントロール装置の論理反転制御スイッチを制御し、前記電源コントロール装置、および/または、前記外部装置の少なくとも1つに対する電力供給状態を変化させることを特徴とする、制御システムを提供する。
(4)第4の発明は、第1の発明に記載の前記電源コントロール装置と、
前記電源コントロール装置のDC電源入力部に電力を供給する電源と、
前記電源コントロール装置のDC電源出力部から電力供給を受ける第一の外部装置および前記電源コントロール装置のPoE給電部から電力供給を受ける第二の外部装置を含む、少なくとも2以上の外部装置と、を備え、
前記外部装置のうち、少なくとも一の外部装置は、他の外部装置に対して、あらかじめ設定されている時間間隔で死活確認信号を送信する監視装置であり、
前記監視装置が、前記他の外部装置の異常を検知した場合に、前記電源コントロール装置に対して接点出力を行うことで、前記電源コントロール装置の論理反転制御スイッチを制御し、前記電源コントロール装置、および/または、前記外部装置の少なくとも1つに対する電力供給状態を変化させることを特徴とする、制御システムを提供する。
この場合、本制御システムは、外部装置の異常を検知し、自動的に当該外部装置の電力供給を遮断することなどができるため、システム全体の電力消費を抑えることができる。
(5)第5の発明は、前記外部装置のうち、前記電源コントロール装置に対して接点出力を行う外部装置が、当該接点出力を2回以上行うことで、異常を生じている他の外部装置を再起動させることを特徴とする、第3の発明または第4の発明に記載の制御システムを提供する。
この場合、本制御システムは、異常状態にある装置を再起動させることができるため、システム全体の安定性や可用性を向上させることができる。
(6)第6の発明は、前記第二の外部装置が、インターネットプロトコルを利用するIPカメラであることを特徴とする、第3の発明または第4の発明に記載の制御システムを提供する。
この場合、インターネット網を用いることができるため、本実施形態の電源コントロール装置を用いた、省力化や安定化されたシステムにより、電源の供給や運搬が困難な遠隔地の監視を行うことができる。