(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024106960
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】寝具及び寝具セット
(51)【国際特許分類】
A47G 9/02 20060101AFI20240801BHJP
A47G 9/06 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
A47G9/02 P
A47G9/06 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023191469
(22)【出願日】2023-11-09
(31)【優先権主張番号】P 2023011183
(32)【優先日】2023-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000196129
【氏名又は名称】西川株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】増田 修一
(72)【発明者】
【氏名】松本 幸士
【テーマコード(参考)】
3B102
【Fターム(参考)】
3B102BA04
3B102BA12
3B102BA14
3B102BA15
3B102BA17
(57)【要約】
【課題】形状を崩れにくくできると共に、洗濯を容易に行うことができ、短時間で乾かすことができる寝具を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る寝具1は、折り曲げられた平坦部3が棒状体に掛けられた状態で干すことが可能とされている。周縁部2は、複数の係止部10と、複数の係止部10のそれぞれとは異なる位置に設けられており平坦部3が折り曲げられた状態で複数の係止部10のいずれかが係止する複数の被係止部20とを有する。複数の係止部10は、第1方向D1の一方側且つ第2方向D2の一方側に位置する第1係止部11と、第1方向D1の他方側且つ第2方向D2の一方側に位置する第2係止部12とを含む。複数の被係止部20は、第1方向D1の一方側且つ第2方向D2の一方側に位置する第1被係止部21と、第1方向D1の他方側且つ第2方向D2の一方側に位置する第2被係止部22とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状を呈する布製の寝具であって、
周縁部と、
前記周縁部の内側に位置する平坦部と、
を備え、
前記寝具は、折り曲げられた前記平坦部が棒状体に掛けられた状態で干すことが可能とされており、
前記周縁部は、複数の係止部と、複数の前記係止部のそれぞれとは異なる位置に設けられており前記平坦部が折り曲げられた状態で複数の前記係止部のいずれかが係止する複数の被係止部と、を有し、
複数の前記係止部は、
前記寝具の長手方向の一方側且つ前記寝具の幅方向の一方側に位置する第1係止部と、
前記寝具の長手方向の他方側且つ前記寝具の幅方向の一方側に位置する第2係止部と、
を含み、
複数の前記被係止部は、
前記寝具の長手方向の一方側且つ前記寝具の幅方向の一方側に位置する第1被係止部と、
前記寝具の長手方向の他方側且つ前記寝具の幅方向の一方側に位置する第2被係止部と、
を含む、
寝具。
【請求項2】
前記平坦部は、縫い目がない平坦状とされている、
請求項1に記載の寝具。
【請求項3】
前記平坦部は、長方形状に延在するダブルラッセルを含む、
請求項1又は2に記載の寝具。
【請求項4】
前記寝具は、敷き寝具であり、
前記平坦部は、上方に向けられる上層と、前記上層とは反対側を向く下層とを有し、
前記下層が前記ダブルラッセルによって構成されている、
請求項3に記載の寝具。
【請求項5】
前記寝具は、掛け寝具であり、
前記平坦部は、上方に向けられる上層と、前記上層とは反対側を向く下層と、前記上層及び前記下層の間に挟まれている中央層とを有し、
前記上層及び前記中央層の少なくともいずれかがダブルラッセルによって構成されている、
請求項3に記載の寝具。
【請求項6】
複数の前記係止部は、
前記寝具の長手方向の一方側且つ前記寝具の幅方向の他方側に位置する第3係止部と、
前記寝具の長手方向の他方側且つ前記寝具の幅方向の他方側に位置する第4係止部と、
を更に含み、
複数の前記被係止部は、
前記寝具の長手方向の一方側且つ前記寝具の幅方向の他方側に位置する第3被係止部と、
前記寝具の長手方向の他方側且つ前記寝具の幅方向の他方側に位置する第4被係止部と、
を更に含み、
前記第1係止部は、前記平坦部が折り曲げられた状態で前記第3被係止部に係止し、
前記第3係止部は、前記平坦部が折り曲げられた状態で前記第1被係止部に係止し、
前記第1係止部が前記第3被係止部に係止し、且つ前記第3係止部が前記第1被係止部に係止した状態において、前記第1係止部及び前記第3被係止部と、前記第3係止部及び前記第1被係止部との間にハンガーが挿入されるハンガー挿入部が形成される、
請求項1又は2に記載の寝具。
【請求項7】
複数の前記係止部は、前記第1係止部と前記第1被係止部の間に位置する第5係止部と、前記第2係止部と前記第2被係止部の間に位置する第6係止部と、をさらに含み、
複数の前記被係止部は、前記第1係止部と前記第1被係止部の間に位置する第5被係止部と、前記第2係止部と前記第2被係止部の間に位置する第6被係止部と、をさらに含む、
請求項1又は2に記載の寝具。
【請求項8】
前記第1係止部、前記第5被係止部、前記第5係止部、前記第1被係止部、前記第2係止部、前記第6被係止部、前記第6係止部、及び前記第2被係止部が、この順で前記寝具の長手方向に沿って並んでいる、
請求項7に記載の寝具。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の寝具と、前記寝具に重ね合わされる相手側寝具とを備えた寝具セットであって、
前記相手側寝具は、前記第1係止部が係止する第1相手側被係止部、前記第1被係止部に係止する第1相手側係止部、前記第2係止部が係止する第2相手側被係止部、及び、前記第2被係止部に係止する第2相手側係止部を有する、
寝具セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、使用者の身体が接触する寝具及び寝具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、長方形状を呈する寝具用敷きパッドが記載されている。寝具用敷きパッドは、その厚さ方向の両端に位置する一対のシート部と、一対のシート部の間に位置する第1支持部及び第2支持部とを備える。第2支持部は、寝具用敷きパッドにおける長手方向の片側に設けられている。第1支持部は、一対のシート部の間における第2支持部がない部分に設けられている。
【0003】
第1支持部は、使用者が横たわったときに使用者の頭部、腕部、胴体部及び脚部の一部を支持する弾性部材であり、複数の柱状貫通孔を有する。柱状貫通孔は、第1支持部の厚さ方向に第1支持部を貫通する孔である。第1支持部では、複数の柱状貫通孔が形成されていることにより、通気性が確保される。第2支持部は、使用者が横たわったときに使用者の脚部の残部及び足部を支持し、第1支持部よりも硬い立体メッシュ状の部材である。
【0004】
特許文献2には、敷きパッド又はベッドパッドとして用いられる敷物、及びその製造方法が記載されている。敷物は、表地と、三次元立体編物によって構成された裏地とを備える。三次元立体編物は、複数の網目を有する一対の編地と、一対の編地を互いに連結する連結繊維とを備える。
【0005】
編地を構成する繊維の繊維径は20~1000デニールであり、連結繊維を構成する繊維の繊維径は10~1200デニールである。裏地の裏面には、熱可塑性接着材からなる滑り止め層を有し、裏地の裏面に対する滑り止め層の割合は80~100%である。熱可塑性接着材は、SEBS(スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体)を主成分とする樹脂である。熱可塑性接着材の塗布量は10~100g/m2であり、敷物の静止摩擦係数が1.5~1.8である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-87597号公報
【特許文献2】特開2022-110406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
寝具は、柔軟性素材によって構成されているため、例えば使用者の身体に掛けたときに形状が崩れ、身体にまとわりつきやすいという問題が生じることがある。特に夏場に用いられる寝具では、寝具が身体にまとわりつくと使用者は暑さを感じやすくなる。よって、このような寝具を用いた場合には、形状が崩れて身体にまとわりつくことにより、使用者の寝心地が損なわれる懸念がある。
【0008】
前述したような長方形状の寝具においては、洗濯及び乾燥を容易に行えることが求められる。特に夏場は汗をかくことが多いため、寝具を長持ちさせるためには、なるべく頻繁に洗濯を行うことが望ましい。従って、洗濯を容易に行えると共に短時間で乾かすことができる寝具が求められる。
【0009】
本開示は、形状を崩れにくくできると共に、洗濯を容易に行うことができ、短時間で乾かすことができる寝具及び寝具セットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に係る寝具は、(1)長方形状を呈する布製の寝具である。寝具は、周縁部と、周縁部の内側に位置する平坦部と、を備える。寝具は、折り曲げられた平坦部が棒状体に掛けられた状態で干すことが可能とされている。周縁部は、複数の係止部と、複数の係止部のそれぞれとは異なる位置に設けられており平坦部が折り曲げられた状態で複数の係止部のいずれかが係止する複数の被係止部と、を有する。複数の係止部は、寝具の長手方向の一方側且つ寝具の幅方向の一方側に位置する第1係止部と、寝具の長手方向の他方側且つ寝具の幅方向の一方側に位置する第2係止部と、を含む。複数の被係止部は、寝具の長手方向の一方側且つ寝具の幅方向の一方側に位置する第1被係止部と、寝具の長手方向の他方側且つ寝具の幅方向の一方側に位置する第2被係止部と、を含む。
【0011】
この寝具は、周縁部と、周辺部の内側に位置する平坦部を有する。周縁部の内側が平坦部とされていることにより、形状を崩れにくくできると共に身体にまとわりつきにくくすることができる。よって、使用者に暑さを感じさせにくくすることができるので、使用者の寝心地を良好にすることができる。周縁部は、複数の係止部と、複数の係止部のいずれかが係止する複数の被係止部とを有する。係止部及び被係止部が周縁部に設けられることにより、使用者の身体に係止部及び被係止部を接触しにくくできるので、係止部又は被係止部が身体に当たって寝心地が損なわれることを抑制できる。更に、複数の係止部は第1係止部及び第2係止部を含み、複数の被係止部は第1被係止部及び第2被係止部を含む。第1被係止部及び第2被係止部のいずれにも第1係止部及び第2係止部のいずれかを係止できるので、色々な干し方で寝具を干すことができる。棒状体に平坦部を掛けていずれかの被係止部にいずれかの係止部を自在に係止できるので、寝具を干しやすくすることができる。前述した平坦部、係止部及び被係止部を有することにより、寝具を洗濯しやすくできると共に、種々の干し方を実現できるので短時間で乾かすことができる。更に、干し方を調整することによって干すスペースを低減させることができる。
【0012】
(2)上記(1)において、平坦部は、縫い目がない平坦状とされていてもよい。この場合、洗濯しやすい寝具とすることができると共に、縫い目がないことによって乾きやすい平坦部とすることができるので、より短時間で寝具を乾かすことができる。
【0013】
(3)上記(1)又は(2)において、平坦部は、長方形状に延在するダブルラッセルを含んでもよい。ダブルラッセルはハリがあって且つ通気性が良好な素材である。従って、平坦部がダブルラッセルを含むことにより、形状の崩れをより確実に抑制できると共に、よりまとわりつきにくい寝具とすることができる。
【0014】
(4)上記(3)において、寝具は、敷き寝具であってもよい。平坦部は、上方に向けられる上層と、上層とは反対側を向く下層とを有し、下層がダブルラッセルによって構成されていてもよい。この場合、使用者の身体とは反対側を向く敷き寝具の下層がダブルラッセルによって構成されている。よって、寝具の見栄えを良好にできると共に、敷き寝具の下層でハリを持たせることができる。
【0015】
(5)上記(3)において、寝具は、掛け寝具であってもよい。平坦部は、上方に向けられる上層と、上層とは反対側を向く下層と、上層及び下層の間に挟まれている中央層とを有し、上層及び中央層の少なくともいずれかがダブルラッセルによって構成されていてもよい。この場合、掛け寝具の上層及び中央層の少なくともいずれかがダブルラッセルによって構成されている。よって、掛け寝具の上層及び中央層でハリを持たせることができると共に、ダブルラッセルを直接身体に接触しないようにすることができる。
【0016】
(6)上記(1)~(5)のいずれかにおいて、複数の係止部は、寝具の長手方向の一方側且つ寝具の幅方向の他方側に位置する第3係止部と、寝具の長手方向の他方側且つ寝具の幅方向の他方側に位置する第4係止部と、を更に含んでもよい。複数の被係止部は、寝具の長手方向の一方側且つ寝具の幅方向の他方側に位置する第3被係止部と、寝具の長手方向の他方側且つ寝具の幅方向の他方側に位置する第4被係止部と、を更に含んでもよい。第1係止部は、平坦部が折り曲げられた状態で第3被係止部に係止し、第3係止部は、平坦部が折り曲げられた状態で第1被係止部に係止してもよい。第1係止部が第3被係止部に係止し、且つ第3係止部が第1被係止部に係止した状態において、第1係止部及び第3被係止部と、第3係止部及び第1被係止部との間にハンガーが挿入されるハンガー挿入部が形成されてもよい。この場合、第1係止部及び第3被係止部と、第3係止部及び第1被係止部との間に形成されたハンガー挿入部にハンガーを挿入することができるので、当該ハンガーを棒状体に掛けることによって、寝具を一層容易に干すことができる。
【0017】
(7)上記(1)~(6)のいずれかにおいて、複数の係止部は、第1係止部と第1被係止部の間に位置する第5係止部と、第2係止部と第2被係止部の間に位置する第6係止部と、をさらに含み、複数の被係止部は、第1係止部と第1被係止部の間に位置する第5被係止部と、第2係止部と第2被係止部の間に位置する第6被係止部と、をさらに含んでもよい。この場合、寝具の幅方向の一方側に寝具の長手方向に沿って4個の係止部及び4個の被係止部が並んでいる。第5係止部及び第6係止部のそれぞれが4個の被係止部のいずれかに係止するとともに、第5被係止部及び第6被係止部のそれぞれに4個の係止部のいずれかが係止される。したがって、係止部が係止する被係止部を自在に変更できるので、寝具の干し方のバリエーションを増やすことができる。
【0018】
(8)上記(7)において、第1係止部、第5被係止部、第5係止部、第1被係止部、第2係止部、第6被係止部、第6係止部、及び第2被係止部が、この順で寝具の長手方向に沿って並んでいてもよい。この場合、寝具の長手方向に沿って係止部及び被係止部が交互に並んでいる。したがって、係止部及び被係止部の並び順を把握しやすいので、寝具を一層容易に干すことができる。
【0019】
(9)本開示に係る寝具セットは、前述した寝具と、寝具に重ね合わされる相手側寝具とを備えた寝具セットである。相手側寝具は、第1係止部が係止する第1相手側被係止部、第1被係止部に係止する第1相手側係止部、第2係止部が係止する第2相手側被係止部、及び、第2被係止部に係止する第2相手側係止部を有する。この寝具セットは、前述した寝具を備える。したがって、前述した寝具と同様の効果が得られる。更に、この寝具セットでは、寝具に相手側寝具が重ね合わされるときに、第1相手側係止部が第1被係止部に係止し、第2相手側係止部が第2被係止部に係止し、第1相手側被係止部に第1係止部が係止し、第2相手側被係止部に第2係止部が係止する。よって、寝具に好みの相手側寝具を確実に係止でき、使用者の好みの相手側寝具を自在に選択して寝具に重ねることができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、形状を崩れにくくできると共に、洗濯を容易に行うことができ、短時間で乾かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1実施形態に係る寝具を示す平面図である。
【
図3】
図1の寝具がハンガーを介して棒状体に干されている状態の例を示す図である。
【
図4】
図1の寝具がハンガーを介して棒状体に干されている状態の他の例を示す図である。
【
図5】第2実施形態に係る寝具が棒状体に干されている状態の例を示す図である。
【
図6】
図5の寝具を
図5とは異なる方向から見た斜視図である。
【
図7】第3実施形態に係る寝具を示す断面図である。
【
図8】第4実施形態に係る寝具を示す平面図である。
【
図9】第5実施形態に係る寝具を示す平面図である。
【
図10】第6実施形態に係る寝具を示す底面図である。
【
図11】第7実施形態に係る寝具セットを示す斜視図である。
【
図13】
図11の寝具セットの寝具、及び相手側寝具の一部を捲った状態を示す斜視図である。
【
図14】
図13の寝具、及び相手側寝具の一部を捲った状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、図面を参照しながら本開示に係る寝具及び寝具セットの実施形態について説明する。図面の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いており、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る寝具1を示す平面図である。「寝具」とは、使用者が身体を休めたり睡眠をとったりするときに使用者の身体が当てられるものを示している。寝具1は、長方形状を呈する。寝具1は布製である。寝具1は、第1方向D1に延びる一対の長辺1bと、第1方向D1に直交する第2方向D2に延びる一対の短辺1cとを有する。
【0024】
第1方向D1は寝具1の長手方向であり、第2方向D2は寝具1の幅方向である。第1方向D1に沿って一対の短辺1cが並んでおり、且つ第2方向D2に沿って一対の長辺1bが並んでいる。例えば、長辺1bの長さS1は150cm以上且つ210cm以下であり、短辺1cの長さS2は140cm以上且つ190cm以下である。しかしながら、長さS1,S2の値は特に限定されない。
【0025】
寝具1は、周縁部2と、周縁部2の内部に位置する平坦部3とを有する。「周縁部」とは、平面視における寝具の外縁を構成する部分を示している。周縁部2は、長辺1b及び短辺1cを構成する部位である。第1方向D1及び第2方向D2の双方に直交する第3方向D3から見た場合において、周縁部2は平坦部3を囲む枠状を呈する。第3方向D3は、寝具1の厚さ方向に相当する。
【0026】
周縁部2は、例えば、ヘム加工(アドラー加工)が施されている。周縁部2は、平坦部3とは異なる材料によって構成されており、例えば、周縁部2は平坦部3よりも硬い材料によって構成されている。但し、周縁部2の材料は、平坦部3の材料と同一であってもよく、特に限定されない。本実施形態において、周縁部2は、例えば、縫製によって平坦部3に固定されている。
【0027】
例えば、平坦部3は、縫い目がない平坦状とされている。すなわち、平坦部3はキルトを有しない。これにより、縫い目の部分が乾きにくいという問題を回避できるので、寝具1を短時間で乾かすことができる。このような平坦部3を有する寝具1は、シームレス寝具又はフルフラット寝具とも称される。
【0028】
寝具1は、例えば、敷き寝具である。寝具1は、例えば、寝具1を他の寝具に固定するためのゴム部9を有する。寝具1は複数(一例として4本)のゴム部9を有し、各ゴム部9は寝具1の短辺1cから長辺1bまで延在している。各ゴム部9は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に傾斜する方向に延在している。各ゴム部9を伸ばして各ゴム部9と平坦部3との間に他の寝具を入れることにより、当該他の寝具に寝具1を固定することが可能となる。しかしながら、このゴム部9は無くてもよい。
【0029】
一例として、寝具1はドレープ性が低い敷きパッドである。「ドレープ性」とは、布が自重によって垂れ下がる性状を示している。「ドレープ性が低い」とは、布が垂れ下がりにくく、寝具としてハリがある状態を示している。ドレープ性が低いことによって寝具1がハリを持つことになるので寝具1の形状を崩れにくくすることができる。その結果、寝具1の形状維持性能が高められている。従って、寝具1を使用者の身体にまとわりつきにくくすることができ、夏場であっても使用者に暑さを感じさせにくくすることができるので、使用者の寝心地を良好にすることができる。
【0030】
ドレープ性の指標としてドレープ係数(単位:%)が挙げられる。ドレープ係数は、JIS L 1096 8.21.7 G法によって得られる。ドレープ係数は、静止状態の量的なドレープ性を評価する方法から得られる数値である。ドレープ係数が大きいほどハリがあることを示しており、ドレープ係数が小さいほど垂れやすくて柔軟である。
【0031】
寝具1(平坦部3)のドレープ係数は、例えば、60以上且つ80以下である。この場合、平坦部3のドレープ係数は、毛ジャージのドレープ係数(55%)より大きく、且つ絹タフタのドレープ係数(82%)より小さい。この場合、寝具1に適度なハリを持たせることができる。更に、身体にまとわりつきにくく、且つ皺が発生しづらい寝具1とすることができる。
【0032】
図2は、
図1のA-A線断面図である。
図1及び
図2に示されるように、平坦部3は、上方に向けられる上層4と、上層4とは反対側を向く下層5と、上層4及び下層5を互いに接着する接着剤6とを有する。例えば、上層4は布製であり、下層5はダブルラッセルによって構成されている。ダブルラッセルは、生地を貫通する複数の貫通孔が形成された生地である。ダブルラッセルでは、多数の貫通孔が形成されている。一例として、ダブルラッセルでは複数の貫通孔がハニカム状に並んでいる。
【0033】
上層4は、例えば、タオル地、ブロード、マイクロファイバー生地、及び接触冷感生地のいずれかによって構成されている。しかしながら、上層4の材料は上記の例に限られず適宜変更可能である。上層4及び下層5は第1方向D1及び第2方向D2の双方に延びるように塗布された接着剤6を介して互いに接着固定されている。このように、寝具1では、接着剤6を介して下層5が上層4に接着固定されているので、適度に硬くしてハリを持たせることができる。
【0034】
下層5を構成するダブルラッセルは、平面視において長方形状に延在している。このように、平坦部3は、長方形状に延在するダブルラッセルを含む。ダブルラッセルは、第3方向D3に下層5を貫通する複数の貫通孔7を有する。下層5において、第1方向D1に沿って複数の貫通孔7が並ぶと共に第2方向D2に沿って複数の貫通孔7が並んでいる。
【0035】
下層5を構成するダブルラッセルは、厚みがあり且つ通気性が高いので、平坦部3にハリを持たせると共に通気性を高めることができる。従って、寝具1をより夏場に適した敷きパッドとすることができる。下層5のダブルラッセルは、一例として、ポリエステル製である。この場合、平坦部3を丈夫にできると共に、速乾性を良好にし、熱に強く、更に変形しにくい平坦部3とすることができる。しかしながら、ダブルラッセルの材料は、例えば、ポリエチレン、又はナイロンの混紡であってもよく、特に限定されない。
【0036】
更に、平坦部3の下層5がダブルラッセルによって構成されていることにより、平坦部3を厚みがあるにもかかわらず軽くできると共に、平坦部3のクッション性を良好にすることができる。なお、ダブルラッセルが寝具1の使用者の身体に接触すると、使用者に違和感を感じさせる可能性があるが、本実施形態では身体に接触しない平坦部3の下層5がダブルラッセルによって構成されている。従って、ダブルラッセルが上層4の下に位置する下層5として隠されていることにより、ダブルラッセルを身体に接触しないようにすることができる。よって、使用者に違和感を感じさせにくくできるので、更なる寝心地の向上に寄与する。
【0037】
寝具1は、折り曲げられた平坦部3が棒状体に掛けられた状態で干すことが可能とされている。
図3は、棒状体BにハンガーHを介して寝具1が干されている状態を示しているが、平坦部3を棒状体Bに掛けて寝具1を干すことも可能である。「棒状体」とは、寝具か掛けられる棒状体であって、寝具が掛けられることによって寝具を乾かすことが可能な棒状体である。棒状体Bは、一例として、物干し竿である。
【0038】
図1に示されるように、周縁部2は、複数の係止部10と、複数の係止部10のそれぞれとは異なる位置に設けられた複数の被係止部20とを有する。例えば、係止部10及び被係止部20のそれぞれはスナップボタンである。一例として、係止部10はスナップボタンのオスであり、被係止部20はスナップボタンのメスである。
【0039】
しかしながら、係止部10及び被係止部20はスナップボタン以外のものであってもよい。例えば、係止部10及び被係止部20は、微細な凹凸同士が嵌合することによって互いに着脱可能とされたものであってもよいし、面ファスナー、又は両面面ファスナーであってもよく、係止部10及び被係止部20の種類は特に限定されない。
【0040】
複数の被係止部20のそれぞれには、平坦部3が折り曲げられた状態で複数の係止部10のいずれかが係止する。複数の係止部10は、寝具1の第1方向D1の一方側且つ寝具1の第2方向D2の一方側に位置する第1係止部11と、寝具1の第1方向D1の他方側且つ寝具1の第2方向D2の一方側に位置する第2係止部12とを含む。複数の係止部10は、更に、寝具1の第1方向D1の一方側且つ寝具1の第2方向D2の他方側に位置する第3係止部13と、寝具1の第1方向D1の他方側且つ寝具1の第2方向D2の他方側に位置する第4係止部14とを含む。
【0041】
複数の被係止部20は、寝具1の第1方向D1の一方側且つ寝具1の第2方向D2の一方側に位置する第1被係止部21と、寝具1の第1方向D1の他方側且つ寝具1の第2方向D2の一方側に位置する第2被係止部22とを含む。複数の被係止部20は、更に、寝具1の第1方向D1の一方側且つ寝具1の第2方向D2の他方側に位置する第3被係止部23と、寝具1の第1方向D1の他方側且つ寝具1の第2方向D2の他方側に位置する第4被係止部24とを含む。
【0042】
寝具1は、寝具1の四隅である第1隅部31、第2隅部32、第3隅部33及び第4隅部34を有する。第1隅部31は第2方向D2の一方側に位置する長辺1bの一端に位置し、第2隅部32は第2方向D2の一方側に位置する長辺1bの他端に位置する。第3隅部33は第2方向D2の他方側に位置する長辺1bの一端に位置し、第4隅部34は第2方向D2の他方側に位置する長辺1bの他端に位置する。
【0043】
第1係止部11が第1被係止部21と第1隅部31との間に配置されており、第2被係止部22が第2係止部12と第2隅部32との間に配置されている。第3被係止部23が第3係止部13と第3隅部33との間に配置されており、第4係止部14が第4被係止部24と第4隅部34との間に配置されている。すなわち、第2方向D2の一方側の長辺1bに沿って第1係止部11、第1被係止部21、第2係止部12及び第2被係止部22がこの順で配置されており、且つ第2方向D2の他方側の長辺1bに沿って第3被係止部23、第3係止部13、第4被係止部24及び第4係止部14がこの順で配置されている。
【0044】
例えば、第1隅部31から第1係止部11までの長さA1は、1cm以上且つ20cm以下(一例として10cm)である。但し、長さA1の値は適宜変更可能である。例えば、第1係止部11から第1被係止部21までの長さA2は、第1係止部11が第3被係止部23に係止し、且つ第3係止部13が第1被係止部21に係止した状態において、第1係止部11と第1被係止部21との間にハンガーHが入る長さとされている。具体例として、長さA2は5cm以上且つ50cm以下である。なお、長さA2は、20cm以上又は30cm以上であってもよいし、40cm以下又は35cm以下であってもよい。このように、長さA2の値は適宜変更可能である。
【0045】
例えば、第2隅部32から第2被係止部22までの長さ、第3隅部33から第3被係止部23までの長さ、及び、第4隅部34から第4係止部14までの長さは、長さA1と同一である。例えば、第2係止部12から第2被係止部22までの長さ、第3係止部13から第3被係止部23までの長さ、及び、第4係止部14から第4被係止部24までの長さは、長さA2と同一である。
【0046】
第1係止部11の第1方向D1の位置は第3被係止部23の第1方向D1の位置と同一であり、第1被係止部21の第1方向D1の位置は第3係止部13の第1方向D1の位置と同一である。第2係止部12の第1方向D1の位置は第4被係止部24の第1方向D1の位置と同一であり、第2被係止部22の第1方向D1の位置は第4係止部14の第1方向D1の位置と同一である。
【0047】
第1係止部11、第2係止部12、第3係止部13、第4係止部14、第1被係止部21、第2被係止部22、第3被係止部23及び第4被係止部24が以上の配置とされていることにより、寝具1は複数の折り曲げ線Lのそれぞれに沿って折り曲げた状態で止めることが可能とされている。
【0048】
複数の折り曲げ線Lは、寝具1の第2方向D2の中央において第1方向D1に沿って延在する第1折り曲げ線L1、寝具1の第1方向D1の中央において第2方向D2に沿って延在する第2折り曲げ線L2、第1係止部11と第1被係止部21との中点を通ると共に第2方向D2に沿って延在する第3折り曲げ線L3、及び、第2係止部12と第2被係止部22との中点を通ると共に第2方向D2に沿って延在する第4折り曲げ線L4を含む。
【0049】
第1折り曲げ線L1で寝具1が折り曲げられたときには、第1係止部11が第3被係止部23に係止し、第3係止部13が第1被係止部21に係止し、第2係止部12が第4被係止部24に係止し、第4係止部14が第2被係止部22に係止する。第2折り曲げ線L2で寝具1が折り曲げられたときには、第1係止部11が第2被係止部22に係止し、第4係止部14が第3被係止部23に係止する。このとき、第2係止部12が第1被係止部21に係止し、第3係止部13が第4被係止部24に係止してもよい。
【0050】
第3折り曲げ線L3で寝具1が折り曲げられたときには、第1係止部11が第1被係止部21に係止し、第3係止部13が第3被係止部23に係止する。第4折り曲げ線L4で寝具1が折り曲げられたときには、第2係止部12が第2被係止部22に係止し、第4係止部14が第4被係止部24に係止する。このように、第1係止部11、第2係止部12、第3係止部13、第4係止部14、第1被係止部21、第2被係止部22、第3被係止部23及び第4被係止部24が設けられることにより、様々な態様で寝具1を折り畳み、且つ止めることが可能である。
【0051】
図3及び
図4は、寝具1の干し方の例を示す図である。第1折り曲げ線L1で寝具1が折り曲げられ、第1係止部11が第3被係止部23に係止し、且つ第3係止部13が第1被係止部21に係止した状態において、寝具1はハンガー挿入部41を形成する。ハンガー挿入部41は、第1係止部11及び第3被係止部23の接合部P1と、第3係止部13及び第1被係止部21の接合部P2との間に形成された空間である。接合部P1から接合部P2までの長さは、第1係止部11から第1被係止部21までの長さA2と同一であり、例えば5cm以上且つ50cm以下であるため、ハンガー挿入部41にハンガーHを挿入することが可能である。
【0052】
第1折り曲げ線L1で寝具1が折り曲げられ、第2係止部12が第4被係止部24に係止し、且つ第4係止部14が第2被係止部22に係止した状態において、寝具1はハンガー挿入部42を形成する。ハンガー挿入部42は、第2係止部12及び第4被係止部24の接合部P3と、第4係止部14及び第2被係止部22の接合部P4との間に形成された空間である。接合部P3から接合部P4までの長さは、例えば、第2係止部12から第2被係止部22までの長さA2と同一であり、5cm以上且つ50cm以下であるため、ハンガー挿入部42にハンガーHを挿入することが可能である。
【0053】
以上のように、寝具1は、第1方向D1に沿って並ぶハンガー挿入部41及びハンガー挿入部42を備える。このように、第1方向D1に沿って並ぶハンガー挿入部41及びハンガー挿入部42が設けられることにより、ハンガー挿入部41及びハンガー挿入部42のそれぞれにハンガーHを挿入し、且つ各ハンガーHを棒状体Bに掛けることによって寝具1を第1方向D1に延ばした状態で干すことが可能である。
図3に示されるように、接合部P2と接合部P3の間の一対の長辺1bを広げた状態で寝具1を干すことが可能であり、
図4に示されるように、ハンガー挿入部41に挿入されたハンガーH、及びハンガー挿入部42に挿入されたハンガーHを互いに接近させた状態で寝具1を干すことも可能である。このように、寝具1では種々の干し方を実現できるので、棒状体Bの干すスペースを低減できると共に、寝具1を速く乾かすことが可能である。
【0054】
次に、寝具1から得られる作用効果についてより詳細に説明する。
図1に示されるように、寝具1は、周縁部2と、周縁部2の内側に位置する平坦部3を有する。周縁部2の内側が平坦部3とされていることにより、形状を崩れにくくできると共に身体にまとわりつきにくくすることができる。
【0055】
よって、使用者に暑さを感じさせにくくすることができるので、使用者の寝心地を良好にすることができる。周縁部2は、複数の係止部10と、複数の係止部10のいずれかが係止する複数の被係止部20とを有する。係止部10及び被係止部20が周縁部2に設けられることにより、使用者の身体に係止部10及び被係止部20を接触しにくくできるので、係止部10又は被係止部20が身体に当たって寝心地が損なわれることを抑制できる。
【0056】
更に、複数の係止部10は第1係止部11及び第2係止部12を含み、複数の被係止部20は第1被係止部21及び第2被係止部22を含む。第1被係止部21及び第2被係止部22のいずれにも第1係止部11及び第2係止部12のいずれかを係止できるので、色々な干し方で寝具1を干すことができる。
【0057】
棒状体Bに平坦部3を掛けていずれかの被係止部20にいずれかの係止部10を自在に係止できるので、寝具1を干しやすくすることができる。平坦部3、係止部10及び被係止部20を有することにより、寝具1を洗濯しやすくできると共に、種々の干し方を実現できるので短時間で乾かすことができる。更に、干し方を調整することによって干すスペースを低減させることができる。
【0058】
本実施形態において、平坦部3は、縫い目がない平坦状とされている。よって、洗濯しやすい寝具1とすることができると共に、縫い目がないことによって乾きやすい平坦部3とすることができるので、より短時間で寝具1を乾かすことができる。
【0059】
本実施形態において、平坦部3は、長方形状に延在するダブルラッセルを含んでいる。ダブルラッセルはハリがあって且つ通気性が良好な素材である。従って、平坦部3がダブルラッセルを含むことにより、形状の崩れをより確実に抑制できると共に、よりまとわりつきにくい寝具1とすることができる。
【0060】
本実施形態において、寝具1は、敷き寝具である。平坦部3は、上方に向けられる上層4と、上層4とは反対側を向く下層5とを有し、下層5がダブルラッセルによって構成されている。この場合、使用者の身体とは反対側を向く敷き寝具の下層5がダブルラッセルによって構成されている。よって、寝具1の見栄えを良好にできると共に、敷き寝具の下層5でハリを持たせることができる。
【0061】
本実施形態において、複数の係止部10は、寝具1の長手方向である第1方向D1の一方側且つ寝具1の幅方向である第2方向D2の他方側に位置する第3係止部13と、第1方向D1の他方側且つ第2方向D2の他方側に位置する第4係止部14と、を更に含む。複数の被係止部20は、第1方向D1の一方側且つ第2方向D2の他方側に位置する第3被係止部23と、第1方向D1の他方側且つ第2方向D2の他方側に位置する第4被係止部24と、を更に含む。
【0062】
図1、
図3及び
図4に示されるように、第1係止部11は、平坦部3が折り曲げられた状態で第3被係止部23に係止し、第3係止部13は、平坦部3が折り曲げられた状態で第1被係止部21に係止する。第1係止部11が第3被係止部23に係止し、且つ第3係止部13が第1被係止部21に係止した状態において、第1係止部11及び第3被係止部23(接合部P1)と、第3係止部13及び第1被係止部21(接合部P2)との間にハンガーHが挿入されるハンガー挿入部41が形成される。よって、第1係止部11及び第3被係止部23と、第3係止部13及び第1被係止部21との間に形成されたハンガー挿入部41にハンガーHを挿入することができるので、ハンガーHを棒状体Bに掛けることによって、寝具1を一層容易に干すことができる。ハンガー挿入部42からも同様の効果が得られる。
【0063】
(第2実施形態)
次に、前述した寝具1とは異なる種々の実施形態について説明する。下記の実施形態に係る寝具の一部の構成は、寝具1の一部の構成と同一である。よって、以下では、既出の説明と重複する説明を同一の符号を付して適宜省略する。まず、第2実施形態に係る寝具51について
図5及び
図6を参照しながら説明する。
【0064】
寝具51は、係合部及び被係合部の態様が寝具1とは異なっている。寝具51は、前述した第3係止部13、第4係止部14、第3被係止部23及び第4被係止部24に代えて、第1係止部11と第1被係止部21の間に位置する第5係止部81及び第5被係止部82と、第2係止部12及び第2被係止部22の間に位置する第6係止部83及び第6被係止部84とを有する。
【0065】
寝具51では、周縁部2の第2方向D2の一方側において第1係止部11、第5係止部81、第5被係止部82、第1被係止部21、第2係止部12、第6係止部83、第6被係止部84、及び第2被係止部22がこの順で並んでいる。
図5及び
図6は、第1係止部11が第1被係止部21に係止し、第5係止部81が第5被係止部82に係止し、第2係止部12が第2被係止部22に係止し、且つ第6係止部83が第6被係止部84に係止した状態を示している。
【0066】
第1係止部11が第1被係止部21に係止し、且つ第5係止部81が第5被係止部82に係止した状態において、寝具51はハンガー挿入部85を形成する。ハンガー挿入部85は、第1係止部11及び第1被係止部21の接合部P5と、第5係止部81及び第5被係止部82の接合部P6との間に形成された空間である。
【0067】
第2係止部12が第2被係止部22に係止し、且つ第6係止部83が第6被係止部84に係止した状態において、寝具51はハンガー挿入部86を形成する。ハンガー挿入部86は、第2係止部12及び第2被係止部22の接合部P7と、第6係止部83及び第6被係止部84の接合部P8との間に形成された空間である。
【0068】
ハンガー挿入部85及びハンガー挿入部86のそれぞれには、前述したハンガー挿入部41及びハンガー挿入部42のそれぞれと同様、ハンガーHを挿入することが可能である。従って、ハンガーHを棒状体Bに掛けることによって寝具51を一層容易に干すことができるので、寝具51からは前述した寝具1と同様の効果が得られる。
【0069】
(第3実施形態)
続いて、
図7を参照しながら第3実施形態に係る寝具91について説明する。寝具91は、ドレープ性が低いケットである。寝具91は、掛けパッドとも称される。寝具91は、周縁部2と、後述する平坦部93とを備えた掛け寝具である。平面視における寝具91の形状は、
図1に示される寝具1の形状と類似している。但し、寝具91は、三層構造である点が寝具1とは異なっている。
【0070】
平坦部93は、上方に向けられる上層94と、上層94とは反対側を向く下層95と、上層94及び下層95の間に挟まれた中央層96とを有する。平坦部93は、更に、上層94及び中央層96を互いに接着固定する第1接着剤97と、中央層96及び下層95を互いに接着固定する第2接着剤98とを有する。第1接着剤97の材料、及び第2接着剤98の材料は、例えば、前述した接着剤6の材料と同一である。
【0071】
例えば、上層94及び下層95は布製であり、中央層96はダブルラッセルによって構成されている。上層94の材料は、下層95の材料と同一であってもよいし、下層95の材料とは異なっていてもよい。上層94の材料、及び下層95の材料は、前述した上層4の材料と同一であってもよい。
【0072】
第1接着剤97及び第2接着剤98のそれぞれは、第1方向D1及び第2方向D2の双方に延びるように塗布されている。ダブルラッセルによって構成される中央層96の上下が第1接着剤97及び第2接着剤98のそれぞれを介して上層94及び下層95のそれぞれに接着固定されている。従って、寝具91では、第1接着剤97及び第2接着剤98を介して中央層96が上層94及び下層95に固定されているので、適度に硬くしてハリを持たせることができる。
【0073】
中央層96を構成するダブルラッセルは、平面視において長方形状に延在している。中央層96を構成するダブルラッセルは、前述した下層5を構成するダブルラッセルと同様、第3方向D3に中央層96を貫通する複数の貫通孔99を有する。中央層96において、第1方向D1に沿って複数の貫通孔99が並ぶと共に第2方向D2に沿って複数の貫通孔99が並んでいる。中央層96を構成するダブルラッセルからは、前述した下層5を構成するダブルラッセルと同様の効果が得られる。すなわち、寝具91の通気性を高め、且つ寝具91にハリを持たせることができるので、寝具91をより夏場に適したケットにすることができる。
【0074】
以上、第3実施形態に係る寝具91は、掛け寝具である。平坦部93は、上方に向けられる上層94と、上層94とは反対側を向く下層95と、上層94及び下層95の間に挟まれている中央層96とを有し、中央層96がダブルラッセルによって構成されている。よって、掛け寝具の中央層96でハリを持たせることができると共に、ダブルラッセルを直接身体に接触しないようにすることができる。その結果、使用者の寝心地を更に良好にすることができる。なお、中央層96に代えて、上層94がダブルラッセルによって構成されていてもよい。この場合も上記と同様の作用効果が得られる。
【0075】
(第4実施形態)
次に、
図8を参照しながら第4実施形態に係る寝具101について説明する。寝具101は、前述した周縁部2とは異なる態様の周縁部102を有する。周縁部102は、かがり縫いによって平坦部3に縫着されている。周縁部102は、かがり縫いヘムとも称される。かがり縫いヘムである周縁部102を備えた寝具101によれば、糸のほつれをより確実に抑制できる。
【0076】
(第5実施形態)
続いて、
図9を参照しながら第5実施形態に係る寝具111について説明する。寝具111は、第2方向D2に沿って並ぶ高ドレープ性部112及び低ドレープ性部113を有する。寝具111では、第2方向D2の中央を含む領域に低ドレープ性部113が位置すると共に、一対の高ドレープ性部112が低ドレープ性部113を挟むように配置されている。
【0077】
低ドレープ性部113は、高ドレープ性部112よりもドレープ性が低い寝具111の部分を示している。従って、低ドレープ性部113は、高ドレープ性部112と比較して垂れ下がりにくく、ハリがあって且つ形状が崩れにくい。一方、低ドレープ性部113の第2方向D2の両端のそれぞれに位置する高ドレープ性部112は、垂れ下がりやすい。例えば、低ドレープ性部113には第1方向D1及び第2方向D2に延在するダブルラッセルが内蔵されている。一方、高ドレープ性部112にはダブルラッセルは内蔵されていない。
【0078】
平面視において、高ドレープ性部112及び低ドレープ性部113は、第1方向D1に沿って延びる長辺を有する長方形状を呈する。例えば、低ドレープ性部113の第2方向D2の長さA3(幅)は、高ドレープ性部112の第2方向D2の長さA4よりも長い。一例として1、低ドレープ性部113の第2方向D2の長さA3は90cmであり、各高ドレープ性部112の第2方向D2の長さA4は30cmである。しかしながら、長さA3の値、及び長さA4の値は、特に限定されず、適宜変更可能である。
【0079】
以上、第5実施形態に係る寝具111では、第2方向D2の中央を含む領域が低ドレープ性部113によって構成されている。従って、寝具111の第2方向D2の中央を含む部分においてハリを持たせ、形状を維持することができるので、寝具111の通気性を高めて寝具111を使用者の身体にまとわりつきにくくすることができる。一方、寝具111では、第2方向D2の両端が高ドレープ性部112によって構成されているので、寝具111の第2方向D2の両端部を垂れ下がりやすくすることができる。従って、寝具111の第2方向D2の両端部におけるずれを抑制できるという効果も得られる。
【0080】
(第6実施形態)
次に、
図10を参照しながら第6実施形態に係る寝具121について説明する。寝具121は、第1係止部11と第1被係止部21の間に位置する第5係止部131及び第5被係止部132と、第2係止部12と第2被係止部22の間に位置する第6係止部133及び第6被係止部134とを有する。
【0081】
例えば、第5係止部131は第1被係止部21、第2被係止部22、第5被係止部132及び第6被係止部134のいずれかに係止し、第5被係止部132には第1係止部11、第2係止部12、第5係止部131及び第6係止部133のいずれかが係止する。そして、第6係止部133は第1被係止部21、第2被係止部22、第5被係止部132及び第6被係止部134のいずれかに係止し、第6被係止部134には第1係止部11、第2係止部12、第5係止部131及び第6係止部133のいずれかが係止する。
【0082】
寝具121では、寝具121の第2方向D2の一方側において第1係止部11、第5被係止部132、第5係止部131、第1被係止部21、第2係止部12、第6被係止部134、第6係止部133及び第2被係止部22がこの順で並んでいる。よって、寝具121は、
図5及び
図6に示される寝具51と同様の干し方によって干すことが可能である。このとき、第1係止部11が第1被係止部21に係止し、第5係止部131が第5被係止部132に係止し、第2係止部12が第2被係止部22に係止し、第6係止部133が第6被係止部134に係止する。
【0083】
図10に示されるように、第1係止部11、第5被係止部132、第5係止部131、第1被係止部21、第2係止部12、第6被係止部134、第6係止部133及び第2被係止部22は、周縁部2において第1方向D1に沿って並んでいる。例えば、第1隅部31から第1係止部11までの距離B1は、第1係止部11から第5被係止部132までの距離B2より長い。
【0084】
例えば、第5被係止部132から第5係止部131までの距離B3は距離B1より長く、第5係止部131から第1被係止部21までの距離B4は距離B2と同一である。第1被係止部21から第2係止部12までの距離B5は、距離B1より長く、例えば、距離B3と同一である。
【0085】
例えば、第2係止部12から第6被係止部134までの距離B6は距離B4と同一であり、第6被係止部134から第6係止部133までの距離B7は距離B3と同一である。そして、第6係止部133から第2被係止部22までの距離B8は距離B2と同一であり、第2被係止部22から第2隅部32までの距離B9は距離B1と同一である。
【0086】
例えば、距離B1及び距離B9は15cm以上かつ20cm以下(一例として18cm)であり、距離B3、距離B5及び距離B7は20cm以上かつ50cm以下(一例として36cm)である。距離B2、距離B4、距離B6及び距離B8は、例えば、10cm以上かつ20cm以下(一例として14cm)である。以上、距離B1、距離B2、距離B3、距離B4、距離B5、距離B6、距離B7、距離B8及び距離B9の関係及び値の例について説明した。しかしながら、これらの距離の関係及び値は上記の例に限られず適宜変更可能である。
【0087】
以上、第6実施形態に係る寝具121では、複数の係止部は、第1係止部11と第1被係止部21の間に位置する第5係止部131と、第2係止部12と第2被係止部22の間に位置する第6係止部133と、をさらに含み、複数の被係止部は、第1係止部11と第1被係止部21の間に位置する第5被係止部132と、第2係止部12と第2被係止部22の間に位置する第6被係止部134と、をさらに含んでいる。よって、寝具121の幅方向(第2方向D2)の一方側に寝具121の長手方向(第1方向D1)に沿って4個の係止部及び4個の被係止部が並んでいる。第5係止部131及び第6係止部133のそれぞれが4個の被係止部のいずれかに係止するとともに、第5被係止部132及び第6被係止部134のそれぞれに4個の係止部のいずれかが係止される。したがって、係止部が係止する被係止部を自在に変更できるので、寝具121の干し方のバリエーションを増やすことができる。
【0088】
第6実施形態において、第1係止部11、第5被係止部132、第5係止部131、第1被係止部21、第2係止部12、第6被係止部134、第6係止部133、及び第2被係止部22が、この順で寝具121の長手方向に沿って並んでいる。寝具121の長手方向に沿って係止部及び被係止部が交互に並んでいる。したがって、係止部及び被係止部の並び順を把握しやすいので、寝具121を一層容易に干すことができる。
【0089】
(第7実施形態)
続いて、実施形態に係る寝具セット141について第7実施形態として
図11を参照しながら説明する。
図11に示されるように、寝具セット141は、寝具151と、寝具151に重ね合わされる相手側寝具161とを備える。例えば、寝具151は、相手側寝具161に対する接合構造以外は、前述した寝具1と同様の構成を備える。
【0090】
例えば、寝具151は洗濯可能とされている。寝具151は、前述した寝具1と同様、他の寝具に寝具151を固定するためのゴム部9を有する。
図11では、寝具151のゴム部9が伸ばされてマットレスMの下に入り込むことによってマットレスMに寝具151を固定する例を示している。
【0091】
図12は、寝具151を示す平面図である。
図12に示されるように、寝具151は、前述した寝具121と同様、寝具151の第2方向D2の一方側に、第1係止部11、第5被係止部132、第5係止部131、第1被係止部21、第2係止部12、第6被係止部134、第6係止部133および第2被係止部22を有する。更に、寝具151は、寝具151の第2方向D2の他方側に、第3被係止部23と第3係止部13の間に位置する第7係止部152および第7被係止部153と、第4被係止部24と第4係止部14の間に位置する第8係止部154および第8被係止部155とを有する。
【0092】
例えば、第7係止部152および第8係止部154のそれぞれは、第1被係止部21、第2被係止部22、第3被係止部23、第4被係止部24、第5被係止部132、第6被係止部134、第7被係止部153および第8被係止部155のいずれかに係止する。第7被係止部153および第8被係止部155のそれぞれには、第1係止部11、第2係止部12、第3係止部13、第4係止部14、第5係止部131、第6係止部133、第7係止部152および第8係止部154のいずれかが係止する。
【0093】
寝具151では、寝具151の第2方向D2の一方側において、第1係止部11、第5被係止部132、第5係止部131、第1被係止部21、第2係止部12、第6被係止部134、第6係止部133及び第2被係止部22がこの順で並んでいる。寝具151では、寝具151の第2方向D2の他方側において、第3被係止部23、第7係止部152、第7被係止部153、第3係止部13、第4被係止部24、第8係止部154、第8被係止部155及び第4係止部14がこの順で並んでいる。
【0094】
この場合、寝具151の中心を通るとともに第1方向D1に沿って延びる基準線L5を折り曲げ線として寝具151を折り曲げて、第1係止部11を第3被係止部23に係止し、第5被係止部132に第7係止部152を係止し、第5係止部131を第7被係止部153に係止し、第1被係止部21に第3係止部13を係止し、第2係止部12を第4被係止部24に係止し、第6被係止部134に第8係止部154を係止し、第6係止部133を第8被係止部155に係止し、第4係止部14を第2被係止部22に係止することができる。
【0095】
ただし、寝具151における係止部および被係止部の配置は上記の例に限定されない。例えば、寝具151の第2方向D2の他方側において、第7係止部152、第3被係止部23、第3係止部13、第7被係止部153、第8係止部154、第4被係止部24、第4係止部14及び第8被係止部155がこの順で並んでいてもよい。
図12のように、例えば、寝具151の第2方向D2の一方側において、スナップボタンのオス(係止部)及びメス(被係止部)がこの順で交互に配置され、寝具151の第2方向D2の他方側において、スナップボタンのメス及びオスがこの順で交互に配置されていてもよい。
【0096】
また、
図12の例とは異なり、寝具151の第2方向D2の一方側及び他方側のそれぞれにおいて、スナップボタンのオス及びメスがこの順で(又はメス及びオスがこの順で)交互に配置されていてもよい。この場合、寝具151の第2方向D2の一方側及び他方側の双方においてオスメスの並び順を同一にできるので、スナップボタンのオスメスの配置を一層わかりやすくすることができる。
【0097】
図13及び
図14は、寝具151の上に相手側寝具161が載せられて相手側寝具161の一部が捲られた状態を示す斜視図である。
図13及び
図14に示されるように、相手側寝具161は、寝具151と同様、長方形状を呈する。平面視(第3方向D3に沿って見た場合)において、例えば、相手側寝具161の形状及び大きさは、寝具151の形状及び大きさと同一である。
【0098】
例えば、相手側寝具161は、寝具151の上に位置する敷きパッドである。相手側寝具161は、例えば、寝具151から外して洗濯可能とされている。相手側寝具161の素材は、例えば、寝具151の素材とは異なっている。予め複数の相手側寝具161が用意されていてもよく、当該複数の相手側寝具161の素材が互いに異なっていてもよい。この場合、寝具151に載せる相手側寝具161の種類を好み等に応じて選択できるので、寝具セット141の使用者のニーズに応じて種々の寝心地を提供できる。
【0099】
例えば、寝具151は、表層(上層)、中層及び裏層(下層)からなる3層構造を有し、寝具151の中層がわた(粒わた)によって構成されている。例えば、寝具151の表層にはキルティングが施されている。相手側寝具161は、例えば、表層及び裏層からなる2層構造を有する。
【0100】
例えば、相手側寝具161の裏層にキルティングが施されていてもよい。例えば、相手側寝具161は、相手側寝具161の裏層における寝具151に接触する面(下面)に滑り止め部162を有する。一例として、滑り止め部162は、ドット状に配置された複数のゴム(一例としてシリコンゴム)から構成されている。
【0101】
例えば、相手側寝具161は、ポリエステル、綿及びウールのいずれかによって構成されている。また、相手側寝具161では、アクリル又はレーヨンがボア素材として用いられてもよい。このように、相手側寝具161の素材としては種々のものを用いることができる。一例として、予め3種類の相手側寝具161が用意されていてもよく、第1相手側寝具161の材料がポリエステル、第2相手側寝具161の材料が綿、第3相手側寝具161の材料がウールであってもよい。この場合、寝具セット141の使用者は、相手側寝具161の素材をポリエステル、綿又はウールから選択できる。
【0102】
相手側寝具161は、寝具151に載せられるとともに寝具151に接合される。以下では、寝具151に対する相手側寝具161の接合構造の例について説明する。相手側寝具161は、寝具151の第1係止部11が係止する第1相手側被係止部171、第1被係止部21に係止する第1相手側係止部172、第2係止部12が係止する第2相手側被係止部173、及び、第2被係止部22に係止する第2相手側係止部174を有する。
【0103】
相手側寝具161は、例えば、第3係止部13が係止する第3相手側被係止部、第4係止部14が係止する第4相手側被係止部、第5係止部131が係止する第5相手側被係止部177、第6係止部133が係止する第6相手側被係止部178、第7係止部152が係止する第7相手側被係止部、及び、第8係止部154が係止する第8相手側被係止部、の少なくともいずれかを有していてもよい。さらに、相手側寝具161は、例えば、第3被係止部23に係止する第3相手側係止部、第4被係止部24に係止する第4相手側係止部、第5被係止部132に係止する第5相手側係止部175、第6被係止部134に係止する第6相手側係止部176、第7被係止部153に係止する第7相手側係止部、及び、第8被係止部155に係止する第8相手側係止部、の少なくともいずれかを有していてもよい。この場合、寝具セット141の第2方向D2の端部において第1方向D1に沿って寝具151に相手側寝具161をより確実に接合できる。さらに、係止部及び被係止部がスナップボタンである場合、寝具151に対する相手側寝具161の接合及び取り外しを一層容易に行うことができる。
【0104】
以上、第7実施形態に係る寝具セット141は、前述した寝具1と同様の寝具151を備える。したがって、寝具1と同様の効果が得られる。さらに、寝具セット141では、寝具151に相手側寝具161が重ね合わされるときに、第1相手側係止部172が第1被係止部21に係止し、第2相手側係止部174が第2被係止部22に係止し、第1相手側被係止部171に第1係止部11が係止し、第2相手側被係止部173に第2係止部12が係止する。よって、寝具151に好みの相手側寝具161を確実に係止でき、使用者の好みの相手側寝具161を自在に選択して寝具151に重ねることができる。
【0105】
以上、本開示の寝具及び寝具セットの種々の実施形態について説明した。しかしながら、本開示は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨の範囲内において更に変更可能である。すなわち、寝具及寝具セットの各部の形状、大きさ、数、材料及び配置態様は、上記の要旨の範囲内において適宜変更可能である。
【0106】
本開示に係る寝具は、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態、第5実施形態、第6実施形態及び第7実施形態から選択された実施形態の一部と、当該実施形態とは異なる実施形態の残部とが組み合わされた寝具であってもよい。本開示に係る寝具セットの寝具は、第7実施形態に係る寝具151以外の寝具、例えば、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態、第5実施形態及び第6実施形態のいずれかの寝具であってもよい。前述の実施形態では、ヘム加工(アドラー加工)が施されている周縁部2を備えた寝具1について説明した。しかしながら、寝具の周縁部はヘム加工(アドラ-加工)が施されていなくてもよい。
【0107】
例えば、前述の実施形態では、ダブルラッセルを含む平坦部3を備えた寝具1について説明した。しかしながら、ダブルラッセルを有しない平坦部を備えた寝具であってもよい。例えば、寝具の平坦部は、ダブルラッセルに代えて、2枚の編地の間が弾力糸で接合された立体編物を含んでいてもよい。この場合も前述した寝具1と同様、寝具にハリを持たせることができる。
【0108】
例えば、前述の実施形態では、
図1に示されるように、第1隅部31の隣接位置に第1係止部11が設けられ、第2隅部32の隣接位置に第2被係止部22が設けられ、第3隅部33の隣接位置に第3被係止部23が設けられ、且つ第4隅部34の隣接位置に第4係止部14が設けられる寝具1について説明した。しかしながら、寝具における係止部及び被係止部の数及び配置態様は適宜変更可能である。
【0109】
例えば、複数の係止部は、第1隅部31に配置された係止部、及び第3隅部33に配置された係止部を含んでいてもよいし、複数の被係止部は、第2隅部32に配置された被係止部、第4隅部34に配置された被係止部、第1隅部31と第2隅部32との中点に配置された被係止部、及び、第3隅部33と第4隅部34との中点に配置された被係止部を含んでいてもよい。第1隅部31と第2隅部32との中点、及び第3隅部33と第4隅部34との中点に係止部及び被係止部のいずれかが配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0110】
1…寝具、1b…長辺、1c…短辺、2…周縁部、3…平坦部、4…上層、5…下層、6…接着剤、7…貫通孔、9…ゴム部、10…係止部、11…第1係止部、12…第2係止部、13…第3係止部、14…第4係止部、20…被係止部、21…第1被係止部、22…第2被係止部、23…第3被係止部、24…第4被係止部、31…第1隅部、32…第2隅部、33…第3隅部、34…第4隅部、41,42…ハンガー挿入部、51…寝具、81…第5係止部、82…第5被係止部、83…第6係止部、84…第6被係止部、85,86…ハンガー挿入部、91…寝具、93…平坦部、94…上層、95…下層、96…中央層、97…第1接着剤、98…第2接着剤、99…貫通孔、101…寝具、102…周縁部、111…寝具、112…高ドレープ性部、113…低ドレープ性部、B…棒状体、D1…第1方向、D2…第2方向、D3…第3方向、H…ハンガー、L…折り曲げ線、L1…第1折り曲げ線、L2…第2折り曲げ線、L3…第3折り曲げ線、L4…第4折り曲げ線、P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7,P8…接合部、S1,S2…長さ。