(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000107
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】カーテンウォールユニット及びカーテンウォール
(51)【国際特許分類】
E04B 2/90 20060101AFI20231225BHJP
【FI】
E04B2/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098669
(22)【出願日】2022-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】奈良 栄達
(72)【発明者】
【氏名】三宅 玲子
【テーマコード(参考)】
2E002
【Fターム(参考)】
2E002NA04
2E002NB02
2E002NC01
2E002PA04
2E002RA02
2E002RB01
2E002SA01
2E002SA02
2E002TA01
2E002WA07
(57)【要約】
【課題】換気扉とダクト接続体を備えたカーテンウォールユニットを屋外側からみたときの意匠性を向上させる。
【解決手段】カーテンウォールユニット2は、開閉可能な換気扉6と、換気扉6と並べて設けられたダクト接続体7と、通気可能な覆い体40を備えている。ダクト接続体7には、ダクト15が接続される。覆い体40は、換気扉6及びダクト接続体7の屋外側に位置して、換気扉6及びダクト接続体7を覆う。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な換気扉と、
前記換気扉と並べて設けられてダクトが接続されるダクト接続体と、
前記換気扉及び前記ダクト接続体の屋外側に位置して前記換気扉及び前記ダクト接続体を覆う通気可能な覆い体と、
を備えたカーテンウォールユニット。
【請求項2】
請求項1に記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記ダクト接続体は、屋外側に向かって開放され、
前記換気扉及び前記ダクト接続体と前記覆い体の間の通気空間を前記換気扉側の第1空間と前記ダクト接続体側の第2空間とに仕切る仕切り材を備えたカーテンウォールユニット。
【請求項3】
請求項2に記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記換気扉と前記ダクト接続体は、上下方向において並べて設けられ、
前記仕切り材は、前記換気扉と前記ダクト接続体の間の箇所から屋外側に向かって下方に傾斜するカーテンウォールユニット。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
互いに対向する屋外側パネル体と屋内側パネル体を備え、
前記覆い体は、前記屋外側パネル体と隣接して配置されるカーテンウォールユニット。
【請求項5】
請求項4に記載されたカーテンウォールユニットにおいて、
前記屋外側パネル体を保持する枠体を備え、
前記覆い体の屋外側面は、前記枠体の前記覆い体と隣接する部分の屋外側の見付け面と同面であるカーテンウォールユニット。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたカーテンウォールユニットを備えたカーテンウォール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気扉とダクト接続体を備えたカーテンウォールユニット、及び、カーテンウォールユニットを備えたカーテンウォールに関する。
【背景技術】
【0002】
カーテンウォールユニットは、建物のカーテンウォールに用いられて、建物の壁部に並べて設置される。また、カーテンウォールユニットの窓部とは別に、換気扉がカーテンウォールユニットに設けられることがある。換気扉を開くことで、建物の屋内と屋外の間で空気が流れて、建物の屋内が換気される。これに対し、従来、空調等のために、排気又は吸気に利用されるダクトを備えた窓構造も知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された従来の窓構造では、ダクトが窓部の上方の部分に接続されて、ダクトの屋外側にルーバーが設けられている。このような窓部とダクトをカーテンウォールユニットに設ける場合には、ダクト接続体がカーテンウォールユニットの窓部の上方に設けられて、ダクトがダクト接続体に接続される。しかしながら、換気扉に加えて、窓部の上方のダクト接続体をカーテンウォールユニットに設けると、窓部の部分、換気扉の部分、及び、ダクト接続体の部分が、カーテンウォールユニットの互いに異なる箇所に設けられて、異なる外観として視認される。そのため、このような換気扉とダクト接続体を備えたカーテンウォールユニットにおいては、屋外側からみたときの意匠性の観点から改良の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、換気扉とダクト接続体を備えたカーテンウォールユニットを屋外側からみたときの意匠性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
開閉可能な換気扉と、
前記換気扉と並べて設けられてダクトが接続されるダクト接続体と、
前記換気扉及び前記ダクト接続体の屋外側に位置して前記換気扉及び前記ダクト接続体を覆う通気可能な覆い体と、
を備えたカーテンウォールユニットである。
また、本発明は、本発明のカーテンウォールユニットを備えたカーテンウォールである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、換気扉とダクト接続体を備えたカーテンウォールユニットを屋外側からみたときの意匠性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態のカーテンウォールを示す正面図である。
【
図2】第1実施形態のカーテンウォールユニットを示す正面図である。
【
図3】第1実施形態のカーテンウォールを示す縦断面図である。
【
図4】
図3に示すカーテンウォールの1つのカーテンウォールユニットの部分を拡大して示す縦断面図である。
【
図5】
図1のX2-X2線で切断したカーテンウォールを示す横断面図である。
【
図6】
図1のX3-X3線で切断したカーテンウォールを示す横断面図である。
【
図7】第2実施形態のカーテンウォールを示す横断面図である。
【
図8】第3実施形態のカーテンウォールを示す横断面図である。
【
図9】第4実施形態のカーテンウォールを示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のカーテンウォールユニット及びカーテンウォールの一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のカーテンウォールユニットは、本実施形態のカーテンウォールを構成するユニットであり、建物のカーテンウォールに用いられる。カーテンウォールは、カーテンウォールユニットを備えた建物の壁体であり、カーテンウォールユニット及びカーテンウォールは、建物の壁部に設置される。建物の壁部で、カーテンウォールユニット及びカーテンウォールは、建物の屋内(室内)と屋外(室外)の間に設置されて、建物の壁部を形成する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のカーテンウォール1を示す正面図であり、建物10の壁部11に設置されたカーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2を屋外側からみて示している。
図2は、第1実施形態のカーテンウォールユニット2を示す正面図であり、
図1に記載されたカーテンウォール1の1つのカーテンウォールユニット2を示している。
図3は、第1実施形態のカーテンウォール1を示す縦断面図であり、
図1のX1-X1線で切断したカーテンウォール1と建物10の一部を示している。
【0011】
なお、建物10に設置したカーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2を正面からみたときに(
図1参照)、上下となる方向が上下方向であり、左右となる方向が左右方向である。
図1では、上下方向は鉛直方向であり、左右方向は水平方向である。屋内外方向S(
図3参照)は、建物10に設置したカーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2における屋内外方向(室内外方向)である。また、屋内外方向Sは、建物10に設置したカーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2を正面からみたときに、前後となる方向であり、
図1では、左右方向に直交する水平方向である。このように、カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2に関する方向は、建物10に設置した状態での方向で特定する。また、カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2に関して屋内側、屋外側とは、建物10に設置した状態での屋内側、屋外側である。
【0012】
図示のように、建物10は、カーテンウォール1と、躯体12と、建物10の上下階の境界部分13と、建物10の各階の屋内空間14を備えている。建物10の躯体12、境界部分13、及び、屋内空間14は、壁部11のカーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2の屋内側に位置している。躯体12は、カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2が取り付けられる取付部であり、境界部分13に設けられている。境界部分13は、建物10の上階と下階の間の境界に位置する部分であり、上階の屋内空間14と下階の屋内空間14の間に位置している。屋内空間14は、建物10の屋内の使用空間であり、上下の境界部分13の間に位置している。
【0013】
カーテンウォール1は、建物10の壁部11に並べて設置される複数のカーテンウォールユニット2を備えている。カーテンウォールユニット2は、壁部11への設置前に、予めユニットに組み立てられて、壁部11への設置後に、カーテンウォール1の一部を構成する。カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2は、建物10の躯体12(
図3参照)の屋外側に配置され、躯体12に取り付けられる。これにより、カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2は、建物10の壁部11に設置されて、建物10の壁部11(外壁部)を形成する。複数のカーテンウォールユニット2は、上下方向と左右方向に並べて設置されて、それぞれ隣り合うカーテンウォールユニット2と互いに組み合わされている。
【0014】
カーテンウォールユニット2は、上下方向において互いに隣り合うスパンドレル部2Aとビジョン部2Bを備えている(
図3参照)。スパンドレル部2Aとビジョン部2Bは、上下に並べてカーテンウォールユニット2に設けられて、各カーテンウォールユニット2で互いに隣り合うとともに、上下方向に隣り合うカーテンウォールユニット2の間で互いに隣り合う。また、スパンドレル部2Aとビジョン部2Bは、カーテンウォール1に、上下方向に交互に設けられて、それぞれ左右方向に並べて配置される。
【0015】
スパンドレル部2Aは、カーテンウォールユニット2の上側部分であり、ビジョン部2Bの上側に位置する。ビジョン部2Bは、カーテンウォールユニット2の下側部分であり、スパンドレル部2Aの下側に位置する。また、スパンドレル部2Aは、建物10の境界部分13の屋外側に位置し、屋内外方向Sにおいて、境界部分13と相対する。ビジョン部2Bは、建物10の屋内空間14の屋外側に位置し、屋内外方向Sにおいて、屋内空間14と相対する。
【0016】
カーテンウォールユニット2は、ダブルスキン構造を有するダブルスキンカーテンウォールユニットであり、枠体3と、枠体3により区画されたダブルスキン部4及び通気部5を備えている。枠体3は、開口部を形成する方形状の開口枠であり、ダブルスキン部4の開口部4A、及び、通気部5の開口部5Aを形成している。複数のカーテンウォールユニット2の枠体3は、建物10の躯体12に取り付けられて、それぞれ隣り合うカーテンウォールユニット2の枠体3と互いに組み合わされている。
【0017】
ダブルスキン部4は、カーテンウォールユニット2のダブルスキン構造の部分であり、カーテンウォールユニット2の左右方向の一方側に設けられている。通気部5は、カーテンウォールユニット2の通気構造を有する通気用の部分であり、カーテンウォールユニット2の左右方向の他方側に設けられている。ダブルスキン部4と通気部5は、カーテンウォールユニット2に左右に並べて設けられて、各カーテンウォールユニット2で互いに隣り合うとともに、左右方向に隣り合うカーテンウォールユニット2の間で互いに隣り合う。また、ダブルスキン部4と通気部5は、カーテンウォール1に、左右方向に交互に設けられて、それぞれ上下方向に並べて配置される。
【0018】
枠体3は、互いに組み合わされた5つの枠20~24(上枠20、下枠21、一対の縦枠22、23、縦中枠24)を有している。枠体3の枠20~24は、枠体3を構成する枠材であり、それぞれ押出成形により形成された金属製(例えば、アルミニウム合金製)の形材からなる。上枠20、下枠21、及び、左右の縦枠22、23の端部同士が接続されて、枠20~23が枠組みされている。枠体3は、枠20~24により、ダブルスキン部4と通気部5を区画するとともに、開口部4A、5Aを形成している。
【0019】
上枠20と下枠21は、枠体3の上下の横枠であり、枠体3の上部と下部で左右方向(横方向)に延びる。一対の縦枠22、23(第1縦枠22、第2縦枠23)は、枠体3の左右の側部に位置する側枠であり、枠体3の側部で上下方向(縦方向)に延びる。縦枠22、23は、左右方向において、互いの間に縦中枠24を挟んで、縦中枠24の両側に位置している。
【0020】
縦中枠24は、上下方向に延びる縦中骨であり、左右の縦枠22、23の間に位置して、上枠20と下枠21に接続されている。また、縦中枠24は、枠体3の開口部を左右方向に区画している。枠体3の開口部は、縦中枠24により、左右のダブルスキン部4の開口部4Aと通気部5の開口部5Aとに区画される。縦中枠24は、ダブルスキン部4と通気部5の間、及び、2つの開口部4A、5Aの間に位置している。
【0021】
カーテンウォールユニット2のダブルスキン部4は、上枠20、下枠21、第1縦枠22、及び、縦中枠24により区画されて、左右方向において、第1縦枠22と縦中枠24の間に位置している。ダブルスキン部4の開口部4Aは、上枠20、下枠21、第1縦枠22、及び、縦中枠24により囲まれて形成されている。カーテンウォールユニット2の通気部5は、上枠20、下枠21、第2縦枠23、及び、縦中枠24により区画されて、左右方向において、第2縦枠23と縦中枠24の間に位置している。通気部5の開口部5Aは、上枠20、下枠21、第2縦枠23、及び、縦中枠24により囲まれて形成されている。
【0022】
ダブルスキン部4と通気部5は、それぞれカーテンウォールユニット2のスパンドレル部2Aとビジョン部2Bにわたって設けられている。そのため、カーテンウォールユニット2のスパンドレル部2Aは、ダブルスキン部4のスパンドレル部2A(上側部分)と、通気部5のスパンドレル部2A(上側部分)からなる。また、カーテンウォールユニット2のビジョン部2Bは、ダブルスキン部4のビジョン部2B(下側部分)と、通気部5のビジョン部2B(下側部分)からなる。
【0023】
カーテンウォールユニット2は、ダブルスキン部4に設けられた屋外側パネル体30と、通気部5に設けられた通気可能な覆い体40を備えている。屋外側パネル体30は、ダブルスキン部4における屋外側の箇所に位置して、ダブルスキン部4の開口部4Aを屋外側において塞ぐ。覆い体40は、通気部5における屋外側の箇所に位置して、通気部5の開口部5Aを屋外側において覆う。縦中枠24は、左右方向において、屋外側パネル体30と覆い体40の間に位置している。
【0024】
1つの屋外側パネル体30がダブルスキン部4の開口部4Aに配置され、1つの覆い体40が通気部5の開口部5Aに配置されている。屋外側パネル体30は、ダブルスキン部4のスパンドレル部2Aとビジョン部2Bにわたって設けられ、覆い体40は、通気部5のスパンドレル部2Aとビジョン部2Bにわたって設けられている。屋外側パネル体30と覆い体40は、カーテンウォールユニット2における屋外側の箇所で、左右に並べて配置されて、左右方向において互いに隣り合う。
【0025】
図4は、
図3に示すカーテンウォール1の1つのカーテンウォールユニット2の部分を拡大して示す縦断面図である。
図5は、
図1のX2-X2線で切断したカーテンウォール1を示す横断面図であり、スパンドレル部2Aの箇所で左右方向に切断したカーテンウォール1を示している。
図6は、
図1のX3-X3線で切断したカーテンウォール1を示す横断面図であり、ビジョン部2Bの箇所で左右方向に切断したカーテンウォール1を示している。
図5、
図6では、左右方向に隣り合う2つのカーテンウォールユニット2の縦枠22、23側の部分を拡大して示している。
【0026】
図示のように、左右方向に隣り合うカーテンウォールユニット2において、一方のカーテンウォールユニット2の第2縦枠23と他方のカーテンウォールユニット2の第1縦枠22は、左右方向において互いに対向して、左右に隣接して配置されている。また、一方のカーテンウォールユニット2の覆い体40は、他方のカーテンウォールユニット2の屋外側パネル体30との間に、それぞれの縦枠22、23を挟んで、他方のカーテンウォールユニット2の屋外側パネル体30と隣接して配置されている。各カーテンウォールユニット2では、覆い体40は、左右方向において、屋外側パネル体30との間に縦中枠24を挟んで、屋外側パネル体30と隣接して配置されている。
【0027】
枠体3は、複数の横中枠25を有している(
図4参照)。枠体3の横中枠25は、枠体3を構成する枠材であり、押出成形により形成された金属製の形材からなる。また、横中枠25は、左右方向に延びる横中骨(無目)であり、ダブルスキン部4と通気部5のそれぞれに設けられている。ダブルスキン部4の横中枠25(図示せず)は、上枠20と下枠21の間に位置して、左右の第1縦枠22と縦中枠24に接続されている。ダブルスキン部4で、横中枠25は、屋外側パネル体30から屋内側に離隔し、屋外側パネル体30の屋内側で、スパンドレル部2Aとビジョン部2Bの間に位置している。或いは、横中枠25は、屋外側パネル体30から屋内側に離隔せずに、屋外側パネル体30の位置から屋内側に向かって配置される。
【0028】
通気部5の横中枠25は、上枠20と下枠21の間に位置して、左右の縦中枠24と第2縦枠23に接続されている。通気部5で、横中枠25は、覆い体40から屋内側に離隔し、覆い体40の屋内側で、スパンドレル部2Aとビジョン部2Bの間、及び、スパンドレル部2A(スパンドレル部2Aの上下方向の中間部)に位置している。通気部5の2つの横中枠25は、上下方向に離隔して、互いに平行に配置されている。
【0029】
カーテンウォールユニット2は、屋外側パネル体30を含む4つのパネル体30~33(屋外側パネル体30、屋内側パネル体31、第1閉鎖パネル体32、第2閉鎖パネル体33)と、屋内(屋内空間14)の換気に用いられる換気扉6と、ダクト15が接続されるダクト接続体7と、板状の仕切り材50を備えている。パネル体30~33は、方形状のパネル状部材であり、枠体3により保持されている。
【0030】
屋外側パネル体30、屋内側パネル体31、及び、第1閉鎖パネル体32は、ダブルスキン部4に設けられ、ダブルスキン部4の開口部4Aに配置されている。また、屋外側パネル体30、屋内側パネル体31、及び、第1閉鎖パネル体32は、左右方向において、枠体3のダブルスキン部4の第1縦枠22と縦中枠24の間に位置して、枠体3(ダブルスキン部4)に取り付けられている。屋内側パネル体31は、第1閉鎖パネル体32の下側に位置する下パネル体であり、ダブルスキン部4のビジョン部2Bに設けられている。第1閉鎖パネル体32は、屋内側パネル体31の上側に位置する上パネル体であり、ダブルスキン部4のスパンドレル部2Aに設けられている。
【0031】
カーテンウォールユニット2のダブルスキン部4は、屋外側パネル体30、屋内側パネル体31、及び、第1閉鎖パネル体32により構成されるダブルスキン構造を有している。屋外側パネル体30は、ダブルスキン部4の開口部4Aで屋外側に配置されたアウタースキンであり、屋内側パネル体31と第1閉鎖パネル体32の屋外側に位置している。屋内側パネル体31と第1閉鎖パネル体32は、ダブルスキン部4の開口部4Aで屋内側に配置されたインナースキンであり、上下方向に隣り合い、屋外側パネル体30の屋内側に位置している。屋外側パネル体30と屋内側パネル体31、及び、屋外側パネル体30と第1閉鎖パネル体32は、それぞれ屋内外方向Sに離隔して、屋内外方向Sにおいて、互いに対向して配置されている。屋外側パネル体30と屋内側パネル体31の間、及び、屋外側パネル体30と第1閉鎖パネル体32の間には、中間空気層34が形成されている。
【0032】
屋外側パネル体30は、固定パネル体、かつ、ガラスパネル(例えば、合せガラス)であり、ダブルスキン部4の開口部4Aに固定されている。屋内側パネル体31は、ガラスパネル(例えば、複層ガラス)を有する開閉可能な開閉パネル体であり、ダブルスキン部4のビジョン部2Bで、屋内側に向かって開く。第1閉鎖パネル体32は、固定パネル体、かつ、非ガラスパネル(例えば、耐火パネル)であり、ダブルスキン部4のスパンドレル部2Aで、ダブルスキン部4の開口部4Aに固定されている。第1閉鎖パネル体32は、ダブルスキン部4の開口部4Aにおけるスパンドレル部2Aの箇所を塞いで閉鎖する。
【0033】
枠体3の第1縦枠22は、屋外側パネル体30を保持する溝状の保持部26を有し、第1縦枠22の保持部26は、屋外側パネル体30を屋外側において保持する押縁27を有している。第1縦枠22の保持部26及び押縁27は、第1縦枠22の屋外側の端部(見付け部)に位置している。枠体3の縦中枠24は、屋外側パネル体30を保持する溝状の保持部28を有し、縦中枠24の保持部28は、屋外側パネル体30を屋外側において保持する押縁29を有している。縦中枠24の保持部28及び押縁29は、縦中枠24の屋外側の端部(見付け部)に位置している。
【0034】
覆い体40、第2閉鎖パネル体33、換気扉6、ダクト接続体7、及び、仕切り材50は、カーテンウォールユニット2の通気部5に設けられ、通気部5の開口部5Aに配置されて、枠体3(通気部5)に取り付けられている。また、第2閉鎖パネル体33とダクト接続体7は、通気部5のスパンドレル部2Aに設けられ、換気扉6は、通気部5のビジョン部2Bに設けられている。仕切り材50は、通気部5のスパンドレル部2Aとビジョン部2Bの間の箇所からビジョン部2Bまで配置されている。覆い体40、第2閉鎖パネル体33、換気扉6、ダクト接続体7、及び、仕切り材50は、左右方向において、枠体3の通気部5の第2縦枠23と縦中枠24の間に位置して、枠体3に保持されている。
【0035】
覆い体40は、通気部5の開口部5Aで屋外側に配置されて、第2閉鎖パネル体33、換気扉6、ダクト接続体7、及び、仕切り材50の屋外側に位置している。第2閉鎖パネル体33、換気扉6、及び、ダクト接続体7は、通気部5の開口部5Aで屋内側に配置されて、覆い体40の屋内側に位置している。ダクト接続体7は、通気部5のスパンドレル部2Aの下側部に配置され、第2閉鎖パネル体33は、通気部5のスパンドレル部2Aの上側部に配置されている。仕切り材50は、通気部5の開口部5Aで屋内外方向Sの中間部に配置されて、覆い体40と換気扉6の間に配置されている。また、仕切り材50は、覆い体40の屋内側、及び、換気扉6の屋外側に位置している。
【0036】
上下方向において、ダクト接続体7は、上下の横中枠25の間に位置し、第2閉鎖パネル体33は、上下の横中枠25のうちの上側の横中枠25と上枠20の間に位置している。通気部5のスパンドレル部2Aで、ダクト接続体7は、第2閉鎖パネル体33の下側(換気扉6側)に配置されて、第2閉鎖パネル体33と上下方向に隣り合う。第2閉鎖パネル体33は、固定パネル体、かつ、非ガラスパネル(例えば、耐火パネル)であり、通気部5のスパンドレル部2Aで、通気部5の開口部5Aに固定されている。第2閉鎖パネル体33は、通気部5の開口部5Aにおけるダクト接続体7の上側の箇所を塞いで閉鎖する。
【0037】
ダクト接続体7と第2閉鎖パネル体33は、カーテンウォールユニット2における屋内側の箇所で、ダブルスキン部4の第1閉鎖パネル体32と左右に並べて配置されている。また、左右方向に隣り合うカーテンウォールユニット2において、一方のカーテンウォールユニット2のダクト接続体7と第2閉鎖パネル体33は、他方のカーテンウォールユニット2の第1閉鎖パネル体32との間に、それぞれの縦枠22、23を挟んで、他方のカーテンウォールユニット2の第1閉鎖パネル体32と隣接して配置されている。各カーテンウォールユニット2では、ダクト接続体7と第2閉鎖パネル体33は、左右方向において、第1閉鎖パネル体32との間に縦中枠24を挟んで、第1閉鎖パネル体32と隣接して配置されている。
【0038】
ダクト接続体7は、カーテンウォールユニット2の通気部5で、換気扉6と並べて設けられている。ダクト接続体7と換気扉6は、通気設備であり、互いに隣り合う状態で、並べて設けられ、或いは、互いに離隔した状態で、並べて設けられている。ここでは、ダクト接続体7と換気扉6は、上下方向において、互いに隣り合う状態で、並べて設けられており、ダクト接続体7は、換気扉6の上方に並べて設けられる。
【0039】
上下方向において、換気扉6は、上下の横中枠25のうちの下側の横中枠25と下枠21の間に位置している。また、換気扉6は、ダクト接続体7の下方に配置されて、ダクト接続体7と上下方向に隣り合う。ダクト接続体7は、換気扉6の上方に配置されて、第2閉鎖パネル体33と換気扉6の間に位置している。換気扉6は、開閉可能なパネル体(換気パネル体)であり、第2縦枠23に回動可能に連結されている。換気扉6は、屋内側に向かって回動することで、屋内側に向かって開き、枠体3の通気部5側に向かって回動することで、閉じる。なお、
図6では、開いた状態の換気扉6を模式的に鎖線で示している。
【0040】
カーテンウォールユニット2における屋内側の箇所で、換気扉6は、ダブルスキン部4の屋内側パネル体31と左右に並べて配置されている。また、左右方向に隣り合うカーテンウォールユニット2において、一方のカーテンウォールユニット2の換気扉6は、他方のカーテンウォールユニット2の屋内側パネル体31との間に、それぞれの縦枠22、23を挟んで、他方のカーテンウォールユニット2の屋内側パネル体31と隣接して配置されている。各カーテンウォールユニット2では、換気扉6は、左右方向において、屋内側パネル体31との間に縦中枠24を挟んで、屋内側パネル体31と隣接して配置されている。
【0041】
ダクト接続体7は、屋内設備(図示せず)用の通気可能な通気体であり、屋外側及び覆い体40に向かって開口している。ここでは、ダクト接続体7は、チャンバーボックスであり、屋外側に向かって開放されている。ダクト接続体7の屋内側で、建物10のダクト15が屋内設備とダクト接続体7に接続されている。ダクト接続体7は、ダクト15を介して屋内設備と繋がり、屋内設備と屋外の間で通気する。例えば、空調、又は、換気のため、空気がダクト接続体7を通過して、ダクト接続体7により、吸気と排気(空気の取り入れと吐き出し)の少なくとも一方が行われる。屋内設備は、建物10の屋内に設置されて、ダクト接続体7とダクト15を介して、吸気と排気の少なくとも一方を行う。
【0042】
ダクト15は、ダクト接続体7に取り付けられて、ダクト接続体7から屋内に向かって延びる。ダクト15は、空気の通路となる導管であり、ダクト接続体7から屋内設備まで延びる。ダクト15は、ダクト接続体7と屋内設備の間に設けられて、空気を導く。屋内設備は、例えば、空調設備、又は、換気設備である。空気(外気)は、ダクト接続体7により屋外から取り入れられ、ダクト接続体7からダクト15を通って屋内設備まで流れて、屋内設備に取り入れられる。また、空気は、屋内設備からダクト15を通ってダクト接続体7まで流れて、ダクト接続体7により屋外に吐き出される。
【0043】
換気扉6は、カーテンウォールユニット2(通気部5)の換気口2Cに配置されて、カーテンウォールユニット2の屋内側の箇所の換気に用いられる。換気口2Cは、カーテンウォールユニット2の通気部5の開口部5A(ここでは、開口部5Aのビジョン部2Bに位置する部分)における屋内側の箇所であり、覆い体40の屋内側に位置している。換気扉6を開くことで、換気口2Cが開放されて、換気扉6の屋内側の箇所(屋内空間14)が換気口2Cを介して屋外と連通する。換気扉6を閉じることで、換気口2Cが換気扉6により閉鎖されて、換気扉6の屋内側の箇所が換気扉6により屋外から遮断される。
【0044】
外気は、カーテンウォールユニット2の屋外側の空気である。換気扉6を開いた状態で、外気は、カーテンウォールユニット2の屋外側から換気口2Cを通って、屋内外方向Sに流れる。その際、外気は、換気口2Cの屋外側から換気口2Cを通って屋内側に向かって流れて、換気扉6の屋内側の箇所に流入する。また、屋内の空気は、換気扉6の屋内側の箇所から換気口2Cを通って屋外側に向かって流れて、換気口2C及びカーテンウォールユニット2の屋外側に流出する。換気扉6を閉じた状態では、換気扉6により、換気口2Cが閉鎖されて、空気の流れが遮られる。
【0045】
覆い体40は、ルーバーであり、複数のルーバー羽根41と、複数のルーバー羽根41により区画された複数の空気通路42を有している。複数のルーバー羽根41は、左右方向において、互いに間隔をあけて、並列して配置されている。複数の空気通路42は、左右方向に隣り合うルーバー羽根41の間に区画され、覆い体40を屋内外方向Sに貫通して、覆い体40の屋外側と屋内側とに向かって開放されている。覆い体40、ルーバー羽根41、及び、空気通路42は、通気部5のスパンドレル部2Aとビジョン部2Bにわたって設けられて、上下方向に延びる。覆い体40は、ルーバー羽根41の間の空気通路42により、覆い体40の屋外側と屋内側との間で通気する。
【0046】
換気扉6、ダクト接続体7、及び、第2閉鎖パネル体33は、共通の覆い体40の屋内側に位置して、共通の覆い体40により屋外側において覆われる。覆い体40は、換気扉6、ダクト接続体7、及び、第2閉鎖パネル体33のそれぞれの屋外側の箇所にわたって配置されて、換気扉6、ダクト接続体7、及び、第2閉鎖パネル体33を全体にわたって覆う。ルーバーである1つの覆い体40及び覆い体40の複数のルーバー羽根41により、換気扉6、ダクト接続体7、及び、第2閉鎖パネル体33の上下方向の全体が覆われる。
【0047】
各カーテンウォールユニット2において、枠体3と覆い体40は、互いに隣接しており、枠体3は、覆い体40と隣接する部分を有している。覆い体40の屋外側面43は、枠体3の覆い体40と隣接する部分の屋外側の見付け面3Aと同面になっている。ここでは、枠体3の覆い体40と隣接する部分は、左右方向において覆い体40と隣接する縦中枠24であり、枠体3の屋外側の見付け面3Aは、縦中枠24の屋外側の見付け面である。また、縦中枠24の屋外側の見付け面は、縦中枠24の保持部28(押縁29)の屋外側の見付け面である。覆い体40の屋外側面43は、覆い体40において屋外側に位置する面であり、ここでは、複数のルーバー羽根41の屋外側面である。
【0048】
左右方向に隣り合うカーテンウォールユニット2において、一方のカーテンウォールユニット2の覆い体40と他方のカーテンウォールユニット2の枠体3は、互いに隣接している。そのため、他方のカーテンウォールユニット2の枠体3は、一方のカーテンウォールユニット2の覆い体40と隣接する部分を有している。一方のカーテンウォールユニット2の覆い体40の屋外側面43は、他方のカーテンウォールユニット2の枠体3の覆い体40と隣接する部分の屋外側の見付け面3Bと同面になっている。ここでは、枠体3の覆い体40と隣接する部分は、左右方向において覆い体40と隣接する第1縦枠22であり、枠体3の屋外側の見付け面3Bは、第1縦枠22の屋外側の見付け面である。また、第1縦枠22の屋外側の見付け面は、第1縦枠22の保持部26(押縁27)の屋外側の見付け面である。
【0049】
左右方向に隣り合うカーテンウォールユニット2において、一方のカーテンウォールユニット2の覆い体40の屋外側面43と枠体3の屋外側の見付け面3A、及び、他方のカーテンウォールユニット2の枠体3の屋外側の見付け面3Bは、屋外側に向けて配置されている。また、一方のカーテンウォールユニット2の覆い体40の屋外側面43は、一方のカーテンウォールユニット2の枠体3の屋外側の見付け面3Aと他方のカーテンウォールユニット2の枠体3の屋外側の見付け面3Bの間に位置している。覆い体40の屋外側面43、枠体3の屋外側の見付け面3A、及び、枠体3の屋外側の見付け面3Bは、屋内外方向Sの位置を合わせ配置されて、同一の平面上に位置し、同面になっている。
【0050】
換気扉6、ダクト接続体7、及び、第2閉鎖パネル体33のそれぞれと覆い体40は、屋内外方向Sに離隔して、屋内外方向Sにおいて、互いに対向して配置されている。覆い体40は、換気扉6、ダクト接続体7、及び、第2閉鎖パネル体33との間に通気空間8を挟んで、換気扉6、ダクト接続体7、及び、第2閉鎖パネル体33を屋外側において遮蔽する。通気空間8は、換気扉6、ダクト接続体7、及び、第2閉鎖パネル体33と覆い体40の間に設けられる空間であり、換気扉6、ダクト接続体7、及び、第2閉鎖パネル体33と覆い体40の間で通気させる。
【0051】
通気空間8は、カーテンウォールユニット2の通気部5の開口部5A内に設けられており、上下方向において、上枠20と下枠21の間に位置し、左右方向において、縦中枠24と第2縦枠23の間に位置している。また、通気空間8は、覆い体40の屋内側、かつ、換気扉6、ダクト接続体7、及び、第2閉鎖パネル体33の屋外側に位置している。覆い体40の空気通路42は、屋内側の通気空間8に向かって開放され、ダクト接続体7は、屋外側の通気空間8に向かって開放されている。換気扉6を開いた状態で、換気口2Cは、屋外側の通気空間8と屋内側とに向かって開放される。
【0052】
仕切り材50は、通気空間8に配置されて、通気空間8を換気扉6側の第1空間8Aとダクト接続体7及び第2閉鎖パネル体33側の第2空間8Bとに仕切る。第1空間8Aは、通気空間8の下側空間であり、換気扉6の屋外側に位置している。第2空間8Bは、通気空間8の上側空間であり、ダクト接続体7及び第2閉鎖パネル体33の屋外側に位置している。仕切り材50は、縦中枠24と第2縦枠23の間で左右方向に延び、通気空間8の左右方向の全体にわたって配置されている。通気空間8の第1空間8Aと第2空間8Bは、仕切り材50により、上下方向に仕切られて、互いに遮られる。
【0053】
仕切り材50は、換気扉6とダクト接続体7の間の箇所から屋外側に向かって下方に傾斜して、覆い体40まで延びる。換気扉6とダクト接続体7の間の箇所は、換気扉6とダクト接続体7の間に位置する横中枠25(上下の横中枠25のうちの下側の横中枠25)である。仕切り材50は、横中枠25に取り付けられて、横中枠25から屋外側に向かって斜め下方に延び、覆い体40まで突出する。また、仕切り材50は、通気空間8内で、横中枠25と覆い体40の間に位置して、覆い体40に取り付けられている。
【0054】
仕切り材50は、横中枠25に取り付けられた傾斜部51と、覆い体40に取り付けられた垂下部52を有している。傾斜部51は、横中枠25から屋外側に向かって下方に傾斜して、斜め下方に延び、覆い体40まで突出する。垂下部52は、傾斜部51の屋外側の端部から下方に向かって垂下し、覆い体40の屋内側で、覆い体40に沿って配置される。仕切り材50は、傾斜部51により、通気空間8を第1空間8Aと第2空間8Bとに区画して、第1空間8Aと第2空間8Bとを遮断する。仕切り材50の上側で、雨水が覆い体40の空気通路42を通って通気空間8の第2空間8Bまで流入したときには、仕切り材50は、傾斜部51により雨水を受けて、雨水を傾斜部51に沿って屋外側に排出する。
【0055】
以上説明したカーテンウォールユニット2及びカーテンウォール1では、共通の覆い体40により、換気扉6とダクト接続体7を屋外側から覆うことができる。これにより、換気扉6とダクト接続体7を備えたカーテンウォールユニット2を屋外側からみたときの意匠性を簡単に向上させることができる。また、換気扉6とダクト接続体7の機能を確保しつつ、カーテンウォールユニット2の構造が複雑になるのを抑制することができる。
【0056】
仕切り材50により、通気空間8の第1空間8Aと第2空間Bの間での空気の流れを遮り、換気扉6とダクト接続体7の間での空気の流通を妨げることができる。そのため、ダクト接続体7から屋外側に吐き出された空気が換気扉6により開放された換気口2Cを通って屋内側に流入するのを抑制することができる。空気は、ダクト接続体7から第2空間8Bと覆い体40の空気通路42を通って屋外側に排出される。また、換気口2Cから屋外側に流出した空気がダクト接続体7に流入するのを抑制することもできる。空気は、換気口2Cから第1空間8Aと覆い体40の空気通路42を通って屋外側に流出する。仕切り材50の上側で通気空間8まで雨水が流入したときには、仕切り材50により、雨水を受けて、雨水を屋外側に向かって容易に排出することができる。
【0057】
覆い体40は、屋外側パネル体30と隣接して配置される。その結果、覆い体40と屋外側パネル体30をカーテンウォールユニット2の屋外側の箇所に並べて設けて、ダブルスキン構造のカーテンウォールユニット2を屋外側からみたときの意匠性を向上させることができる。覆い体40の屋外側面43は、枠体3の屋外側の見付け面3Aと同面である。そのため、覆い体40の屋外側面43と枠体3の屋外側の見付け面3Aとを屋内外方向Sにおける位置を揃えて配置でき、ダブルスキン構造のカーテンウォールユニット2を屋外側からみたときの意匠性を更に向上させることができる。
【0058】
なお、カーテンウォールユニット2の通気部5において、ダクト接続体7を通気部5のスパンドレル部2Aの上側部に配置して、第2閉鎖パネル体33を通気部5のスパンドレル部2Aの下側部に配置してもよい。また、ダクト接続体7を通気部5のスパンドレル部2Aの上下方向の中間部に配置して、第2閉鎖パネル体33をダクト接続体7の上下の両側に配置してもよい。これに対し、ダクト接続体7のサイズ又は形状等によっては、第2閉鎖パネル体33をカーテンウォールユニット2に設けないようにしてもよい。複数のダクト接続体7をカーテンウォールユニット2に設けてもよい。
【0059】
カーテンウォールユニット2は、ダブルスキン構造を有するカーテンウォールユニットに限定されず、他のカーテンウォールユニット(例えば、シングルスキン構造を有するシングルスキンカーテンウォールユニット)であってもよい。シングルスキンカーテンウォールユニットは、屋内側パネル体31と第1閉鎖パネル体32に相当するパネル体を備えずに、屋外側パネル体30に相当するパネル体を備える。また、覆い体40は、ルーバーに限定されず、他の通気可能な覆い体であってもよい。
【0060】
次に、他の実施形態のカーテンウォールユニット及びカーテンウォールについて説明する。以下の各実施形態では、第1実施形態と同じ事項の説明は省略し、第1実施形態と相違する事項について主に説明する。また、以下の各実施形態に関し、第1実施形態の構成に相当する構成には、第1実施形態の構成と同じ名称を用いる。
【0061】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態のカーテンウォール1を示す横断面図であり、
図6と同様に、ビジョン部2Bの箇所で左右方向に切断したカーテンウォール1を示している。
図示のように、カーテンウォール1は、2種類のカーテンウォールユニット2D、2E(第1カーテンウォールユニット2D、第2カーテンウォールユニット2E)を備えている。第1カーテンウォールユニット2Dと第2カーテンウォールユニット2Eは、左右に並べて設けられて、左右方向に隣り合う。また、第1カーテンウォールユニット2Dと第2カーテンウォールユニット2Eは、カーテンウォール1に、左右方向に交互に設けられて、それぞれ上下方向に並べて配置される。
【0062】
第1カーテンウォールユニット2Dは、第1実施形態のカーテンウォールユニット2のダブルスキン部4に相当するダブルスキンカーテンウォールユニットであり、ダブルスキン構造を有している。第2カーテンウォールユニット2Eは、第1実施形態のカーテンウォールユニット2の通気部5に相当する通気用カーテンウォールユニットであり、通気構造を有している。また、第1カーテンウォールユニット2Dは、第1実施形態のカーテンウォールユニット2の通気部5に相当する部分を有さず、第2カーテンウォールユニット2Eは、第1実施形態のカーテンウォールユニット2のダブルスキン部4に相当する部分を有していない。
【0063】
第1カーテンウォールユニット2Dは、第1実施形態のカーテンウォールユニット2のダブルスキン部4と同様に構成されており、ダブルスキン部4の構成に相当する構成を備えている。ただし、第1カーテンウォールユニット2Dの枠体60は、第1実施形態の縦中枠24に相当する枠を有さず、互いに組み合わされた4つの枠(上枠(図示せず)、下枠(図示せず)、一対の縦枠61、62)を有している。枠体60は、左右の縦枠61、62を含む4つの枠により、開口部63を形成している。
【0064】
屋外側パネル体30、屋内側パネル体31、及び、第1閉鎖パネル体32は、第1カーテンウォールユニット2Dに設けられ、枠体60の開口部63に配置されて、枠体60に取り付けられている。また、屋外側パネル体30、屋内側パネル体31、及び、第1閉鎖パネル体32は、左右方向において、枠体60の左右の縦枠61、62の間に位置して、枠体60により保持されている。屋外側パネル体30は、枠体60の開口部63で屋外側に配置され、屋内側パネル体31と第1閉鎖パネル体32は、枠体60の開口部63で屋内側に配置されている。
【0065】
第2カーテンウォールユニット2Eは、第1実施形態のカーテンウォールユニット2の通気部5と同様に構成されており、通気部5の構成に相当する構成を備えている。ただし、第2カーテンウォールユニット2Eの枠体70は、第1実施形態の縦中枠24に相当する枠を有さず、互いに組み合わされた4つの枠(上枠(図示せず)、下枠(図示せず)、一対の縦枠71、72)を有している。枠体70は、左右の縦枠71、72を含む4つの枠により、開口部73を形成している。
【0066】
左右方向に隣り合うカーテンウォールユニット2D、2Eにおいて、第1カーテンウォールユニット2Dの縦枠61、62と第2カーテンウォールユニット2Eの縦枠71、72は、左右方向において互いに対向して、左右に隣接して配置されている。また、第2カーテンウォールユニット2Eの覆い体40は、第1カーテンウォールユニット2Dの屋外側パネル体30との間に、第1カーテンウォールユニット2Dの縦枠61、62を挟んで、第1カーテンウォールユニット2Dの屋外側パネル体30と隣接して配置されている。屋外側パネル体30と覆い体40は、カーテンウォールユニット2D、2Eにおける屋外側の箇所で、左右に並べて配置されて、左右方向において互いに隣り合う。
【0067】
覆い体40、第2閉鎖パネル体33、換気扉6、ダクト接続体7、及び、仕切り材50は、第2カーテンウォールユニット2Eに設けられ、枠体70の開口部73に配置されて、枠体70に取り付けられている。また、覆い体40、第2閉鎖パネル体33、換気扉6、ダクト接続体7、及び、仕切り材50は、左右方向において、枠体70の左右の縦枠71、72の間に位置して、枠体70に保持されている。覆い体40は、枠体70の開口部73で屋外側に配置され、第2閉鎖パネル体33、換気扉6、及び、ダクト接続体7は、枠体70の開口部73で屋内側に配置されている。
【0068】
換気扉6は、枠体70の縦枠72に回動可能に連結されて、第2カーテンウォールユニット2Eの換気口2Fに配置されている。換気口2Fは、枠体70の開口部73における屋内側の箇所である。左右方向に隣り合うカーテンウォールユニット2D、2Eにおいて、第2カーテンウォールユニット2Eの換気扉6は、第1カーテンウォールユニット2Dの屋内側パネル体31との間に、それぞれの縦枠61、62、71、72を挟んで、第1カーテンウォールユニット2Dの屋内側パネル体31と隣接して配置されている。
【0069】
このように、第2カーテンウォールユニット2Eは、他のカーテンウォールユニット(ここでは、第1カーテンウォールユニット2D)から独立した通気用カーテンウォールユニットである。第2カーテンウォールユニット2Eは、様々なカーテンウォールユニットと任意に組み合わせて用いることができる。例えば、第2カーテンウォールユニット2Eは、シングルスキンカーテンウォールユニットと組み合わせて用いてもよく、第1実施形態のカーテンウォールユニット2と組み合わせて用いてもよい。これに対し、第2カーテンウォールユニット2Eのみを建物10の壁部11に設置してもよい。
【0070】
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態のカーテンウォール1を示す横断面図であり、
図7と同様に、ビジョン部2Bの箇所で左右方向に切断したカーテンウォール1を示している。
図示のように、カーテンウォール1は、第2実施形態のカーテンウォール1と同様に、2種類のカーテンウォールユニット2D、2Eを備えている。ただし、第3実施形態の第2カーテンウォールユニット2Eでは、覆い体40は、ルーバーではなく、板状のパネル44を有している。
【0071】
覆い体40のパネル44は、連結材74により、枠体70に連結されている。また、パネル44は、枠体70から屋外側に離隔して、枠体70の屋外側に配置されている。覆い体40が1つのパネル44を有するときには、パネル44は、枠体70の縦枠71、72に沿って上下方向に延びる。これに対し、覆い体40が複数のパネル44を有するときには、複数のパネル44は、上下方向に並べて配置される。覆い体40は、パネル44と枠体70の間の隙間を通して、覆い体40の屋外側と屋内側との間で通気する。なお、パネル44を有する覆い体40を第1実施形態のカーテンウォールユニット2に設けてもよい。
【0072】
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態のカーテンウォール1を示す横断面図であり、
図7と同様に、ビジョン部2Bの箇所で左右方向に切断したカーテンウォール1を示している。
図示のように、カーテンウォール1は、第2実施形態のカーテンウォール1と同様に、2種類のカーテンウォールユニット2D、2Eを備えている。ただし、第4実施形態の第2カーテンウォールユニット2Eでは、覆い体40は、ルーバーではなく、板状の孔あきパネル45を有している。孔あきパネル45は、例えば、パンチングメタルであり、多数の孔(図示せず)を有している。孔あきパネル45の孔は、孔あきパネル45を屋内外方向Sに貫通する。
【0073】
覆い体40の孔あきパネル45は、枠体70に接触して、枠体70の屋外側に配置されている。覆い体40が1つの孔あきパネル45を有するときには、孔あきパネル45は、枠体70の縦枠71、72に沿って上下方向に延びる。これに対し、覆い体40が複数の孔あきパネル45を有するときには、複数の孔あきパネル45は、上下方向に並べて配置される。覆い体40は、孔あきパネル45の多数の孔を通して、覆い体40の屋外側と屋内側との間で通気する。なお、孔あきパネル45を有する覆い体40を第1実施形態のカーテンウォールユニット2に設けてもよい。
【0074】
以上説明した第1~第4実施形態では、ダクト接続体7は、換気扉6の上方に並べて設けられている。これに対し、ダクト接続体7を換気扉6の下方に並べて設けてもよい。また、ダクト接続体7と換気扉6は、左右方向において、並べて設けられていてもよい。この場合には、ダクト接続体7は、屋外側からみて、換気扉6の左方又は右方に並べて設けられる。
【0075】
以上のとおり、カーテンウォールユニットは、
開閉可能な換気扉と、
前記換気扉と並べて設けられてダクトが接続されるダクト接続体と、
前記換気扉及び前記ダクト接続体の屋外側に位置して前記換気扉及び前記ダクト接続体を覆う通気可能な覆い体と、
を備えたカーテンウォールユニットである。
従って、換気扉とダクト接続体を備えたカーテンウォールユニットを屋外側からみたときの意匠性を向上させることができる。
【0076】
前記ダクト接続体は、屋外側に向かって開放され、
カーテンウォールユニットは、前記換気扉及び前記ダクト接続体と前記覆い体の間の通気空間を前記換気扉側の第1空間と前記ダクト接続体側の第2空間とに仕切る仕切り材を備える。
従って、仕切り材により、換気扉とダクト接続体の間での空気の流通を妨げることができる。
【0077】
前記換気扉と前記ダクト接続体は、上下方向において並べて設けられ、
前記仕切り材は、前記換気扉と前記ダクト接続体の間の箇所から屋外側に向かって下方に傾斜する。
従って、仕切り材の上側で通気空間まで雨水が流入したときに、仕切り材により、雨水を受けて、雨水を屋外側に向かって容易に排出することができる。
【0078】
カーテンウォールユニットは、互いに対向する屋外側パネル体と屋内側パネル体を備え、
前記覆い体は、前記屋外側パネル体と隣接して配置される。
従って、覆い体と屋外側パネル体をカーテンウォールユニットの屋外側の箇所に並べて設けて、ダブルスキン構造のカーテンウォールユニットを屋外側からみたときの意匠性を向上させることができる。
【0079】
カーテンウォールユニットは、前記屋外側パネル体を保持する枠体を備え、
前記覆い体の屋外側面は、前記枠体の前記覆い体と隣接する部分の屋外側の見付け面と同面である。
従って、覆い体の屋外側面と枠体の屋外側の見付け面とを屋内外方向における位置を揃えて配置でき、ダブルスキン構造のカーテンウォールユニットを屋外側からみたときの意匠性を向上させることができる。
【0080】
カーテンウォールは、カーテンウォールユニットを備えたカーテンウォールである。
従って、カーテンウォールユニットを備えたカーテンウォールにおいて、換気扉とダクト接続体を備えたカーテンウォールユニットを屋外側からみたときの意匠性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0081】
1・・・カーテンウォール、2・・・カーテンウォールユニット、2A・・・スパンドレル部、2B・・・ビジョン部、2C・・・換気口、2D・・・第1カーテンウォールユニット、2E・・・第2カーテンウォールユニット、2F・・・換気口、3・・・枠体、3A・・・見付け面、3B・・・見付け面、4・・・ダブルスキン部、4A・・・開口部、5・・・通気部、5A・・・開口部、6・・・換気扉、7・・・ダクト接続体、8・・・通気空間、8A・・・第1空間、8B・・・第2空間、10・・・建物、11・・・壁部、12・・・躯体、13・・・境界部分、14・・・屋内空間、15・・・ダクト、20・・・上枠、21・・・下枠、22・・・第1縦枠、23・・・第2縦枠、24・・・縦中枠、25・・・横中枠、26・・・保持部、27・・・押縁、28・・・保持部、29・・・押縁、30・・・屋外側パネル体、31・・・屋内側パネル体、32・・・第1閉鎖パネル体、33・・・第2閉鎖パネル体、34・・・中間空気層、40・・・覆い体、41・・・ルーバー羽根、42・・・空気通路、43・・・屋外側面、44・・・パネル、45・・・孔あきパネル、50・・・仕切り材、51・・・傾斜部、52・・・垂下部、60・・・枠体、61・・・縦枠、62・・・縦枠、63・・・開口部、70・・・枠体、71・・・縦枠、72・・・縦枠、73・・・開口部、74・・・連結材、S・・・屋内外方向。