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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010705
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】焚火用陣幕
(51)【国際特許分類】
   F24B 15/00 20060101AFI20240118BHJP
   A45F 4/00 20060101ALI20240118BHJP
   A45F 3/00 20060101ALI20240118BHJP
   A45F 3/44 20060101ALI20240118BHJP
   F24C 1/16 20210101ALI20240118BHJP
   F24B 1/191 20060101ALI20240118BHJP
   F24C 15/24 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
F24B15/00 Z
A45F4/00
A45F3/00 300
A45F3/44
F24C1/16 Z
F24B1/191
F24C15/24 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112134
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】592193535
【氏名又は名称】タニコー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助
(72)【発明者】
【氏名】山崎 真人
(57)【要約】      (修正有)
【課題】風防機能と焚火熱の有効利用機能を兼備する機能性の高い焚火用陣幕を提供する。
【解決手段】焚火を囲むように地上に立設され、矩形の中央シート体2と、該中央シート体2の幅方向両端縁に折り返し可能に取り付けられた側端シート体3を備える焚火用陣幕1であって、少なくとも中央シート体2の焚火に対向する側の面に熱反射シート7を着脱可能に取り付けたことを特徴とする。また、この焚火用陣幕1を地上に立設するための支持棒5を逆L字状とし、隣接する支持棒5の水平なアーム部5b間にバー11を架設するようにしても良い。さらに、焚火用陣幕1は、中央シート体2と側端シート体3が折り畳み可能であって、中央シート体2の上下には把手が取り付けられて多機能バッグとしても機能する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焚火を囲むように地上に立設される正面視略矩形の中央シート体と、該中央シート体の左右幅方向の両端に折り返し可能に接続された側端シート体とを備える焚火用陣幕であって、
少なくとも前記中央シート体の焚火に対向する側の面に熱反射シートを着脱可能に取り付けたことを特徴とする焚火用陣幕。
【請求項2】
前記中央シート体は、前記側端シート体との接続部に縦方向に形成した左右の筒部を備え、
前記左右の筒部は、垂直部とその上端から屈曲して水平に延びるアーム部とから成る逆L字状をなす左右の支持棒を、夫々に前記垂直部を通して各垂直部の下端側を地中に打ち込むようにして備え、
前記左右の支持棒は、夫々の前記垂直部を中心にして夫々の前記アーム部を前記中央シート体に対し平面視略直角の向きに回動し、回動した夫々の前記アーム部間にバーを架設することを特徴とする請求項1に記載の焚火用陣幕。
【請求項3】
前記中央シート体は、その左右幅方向の略中央に中央の筒部を縦方向に備え、前記中央の筒部に支持棒を挿入して当該中央シート体を前記中央の筒部において折り曲げ可能としたことを特徴とする請求項1に記載の焚火用陣幕。
【請求項4】
前記中央シート体は、左右幅方向の略中央に縦方向に形成した中央の筒部と、前記左右幅方向の両端の前記側端シート体との接続部に縦方向に形成した左右の筒部とを備え、
前記中央の筒部は、それに通して下端側を地中に打ち込む中央の支持棒を備え、
前記中央の支持棒を中心に平面視逆V字状に折り曲げた前記中央シート体における前記左右の筒部は、それぞれに通して下端側を地中に打ち込む左右の支持棒を備え、
隣接する2本の前記支持棒の上端部に、正面視略門型をなす一対の支持部材の左右脚部を支持させ、前記一対の支持部材の間にバーを架設することを特徴とする請求項1に記載の焚火用陣幕。
【請求項5】
上下に把手を取り付けた前記中央シート体と前記側端シート体とは、左右の前記側端シート体を前記中央シート体の上に重なるように折り畳み、当該中央シート体を左右方向の中央部で2つ折りに折り畳み、折り畳んだ当該中央シート体を上下方向の中央部で2つ折りに折り畳むことによって、多機能バッグとして機能するようにしたことを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の焚火用陣幕。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外でのキャンプなどで行われる焚火の周囲を囲むための焚火用陣幕に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、屋外でのキャンプにおいて焚火を行うと、風によって火が消えたり、煙や臭い、火の粉などが風によって周囲に飛散・拡散することがある。
【0003】
そこで、焚火を囲んで風を遮ることによって上記問題を解決するようにした焚火用風防(焚火用陣幕)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-086259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、屋外キャンプも季節によっては十分な暖をとる必要があることや、鍋やヤカン等の調理用具の加熱効率向上や保温のために、焚火の熱を周囲に逃がすことなく有効に利用したいという要望があるが、特許文献1において提案された焚火用風防(焚火用陣幕)では、そのような要望に十分に応えることができない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、風防機能と焚火熱の有効利用機能を兼備する機能性の高い焚火用陣幕を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明は、焚火を囲むように地上に立設され、矩形の中央シート体と、該中央シート体の幅方向両端縁に折り返し可能に取り付けられた側端シート体を備える焚火用陣幕であって、少なくとも前記中央シート体の焚火に対向する側の面に熱反射シートを着脱可能に取り付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、焚火の周囲を囲む焚火用陣幕による防風効果によって、風で火が消えたり、煙や臭い、火の粉などが風によって周囲に飛散・拡散することがなく、当該焚火用陣幕によって囲まれる空間と焚火周辺を快適な空間とすることができる。
【0009】
また、特に寒い冬季などにおいては、焚火からの熱が中央シート体に取り付けられた熱反射シートによって反射して焚火を囲む人を効果的に暖めることができ、焚火の熱を周囲に逃がすことなく有効に利用することができる。
【0010】
さらに、本発明によれば、焚火用陣幕の上部に設置したバーに調理用具を載せたり掛けたりすることで、焚火の熱で調理や保温ができるので、焚火の熱を一層有効に利用することができる。
【0011】
したがって、本発明に係る焚火用陣幕は、風防機能と焚火熱の有効利用機能を兼備する機能性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係る焚火用陣幕の正面図である。
図2図1の本発明焚火用陣幕の使用状態を示す正面図である。
図3図1の本発明焚火用陣幕の使用状態を示す平面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る焚火用陣幕の正面図である。
図5図4の本発明焚火用陣幕の使用状態を示す正面側斜視図である。
図6図4の本発明焚火用陣幕の使用状態を示す平面図である。
図7】本発明焚火用陣幕の他の使用形態としてのバッグを組み立てる途中の折り畳み状態を示す平面図である。
図8図7の折畳み途中の本発明焚火用陣幕を更に折畳み途中の折り畳み状態を示す平面図である。
図9図8の折畳み途中の本発明焚火用陣幕を更に折畳んでバッグに組立てた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
<第1実施形態>
先ず、本発明の第1実施形態を図1図3に基づいて以下に説明する。
【0015】
本実施の形態に係る焚火用陣幕1は、屋外でのキャンプなどで行われる焚火を周囲から囲むように地上に立設されて使用されるものであって、図1に示すように、矩形の中央シート体2と、該中央シート体2の左右幅方向の両端縁に折り返し可能に取り付けられた三角形の左右の側端シート体3を備えている。ここで、中央シート体2と左右の側端シート体3は、難燃性に富んだ布地や有機繊維生地などによって構成されている。側端シート体の形状は三角形が立設しやすいために望ましいが、矩形などの別な形状でも良い。
【0016】
そして、中央シート体2の左右幅方向の両端の左右の側端シート体3との接続部には、円筒状の筒部4が縦方向にそれぞれ形成されており、各筒部4には、支持棒5の垂直部5aがそれぞれ上方から通されている。ここで、各支持棒5は、ステンレス鋼(SUS)やアルミニウムなどの金属によって構成されており、筒部4に上方から通された垂直部5aと、該垂直部5aの上端から折り曲げられて水平に延びるアーム部5bとで逆L字状に成形されている。
【0017】
また、左右の側端シート体3は、直角三角形をなしており、その下端の頂部には、ハトメなどによって補強された円孔状の貫通孔6がそれぞれ形成されている。
【0018】
ところで、本実施の形態に係る焚火用陣幕1においては、中央シート体2の焚火に対向する側の面(図1の手前側の面)には、矩形の熱反射シート7が着脱可能に取り付けられている。すなわち、熱反射シート7は、その周縁の複数箇所(図示例では、8箇所)が面ファスナーなどの止着具8によって中央シート体2に着脱可能に取り付けられている。
【0019】
ここで、熱反射シート7には、例えば、アルミ箔付ガラスクロス(株式会社アサヒ産業製)、アルミ蒸着ガラスクロス(吉野株式会社製)、アルミ箔付難燃布(菊地シート工業株式会社製)、アルミコーティングアラミドシート(菊地シート工業株式会社製)、アルミシート、アルミ箔、シリカクロスシート、アルミ蒸着ポリオレフィンシート、アルミ蒸着フィルムなどが使用できるが、これらに限られない。また、熱反射シートは中央シート体や側端シート体の全面を覆うように取り付けるだけでなく、それらの一部を覆うように取り付けても良い。更には、熱反射シートで焚火用陣幕を製作しても良い。
【0020】
なお、熱反射シート7を中央シート体2に着脱可能に取り付けるための止着具8の配置と数は、任意に設定することができる。また、熱反射シート7を中央シート体2に着脱可能に取り付けるための止着具8は、面ファスナーに限定される訳ではなく、ボタンやホックなどの他の任意のものを使用することができる。さらに、本実施の形態では、熱反射シート7を中央シート体2のみに取り付ける構成を採用したが、左右の側端シート体3の焚火に対向する面に三角形の熱反射シートを着脱可能に取り付けるようにしても良い。
【0021】
而して、以上のように構成された焚火用陣幕1は、図2に示すように、垂直部5aが左右の筒部4にそれぞれ挿通する左右一対の支持棒5の垂直部5aをハンマーなどを用いて地中に打ち込んで中央シート体2を地面に垂直に立設し、左右の側端シート体3を中央シート体2に対して左右に所定角度だけ開いた状態で、該側端シート3の下端頂部に形成された貫通孔6に通されたロープ9の端部をペグ10によって地面に固定することによって、焚火を周囲から囲むように設置される。
【0022】
そして、図1の左右の支持棒5を、その垂直部5aを中心として略90°回すと、図2及び図3に示すように、左右一対の支持棒5のアーム部5bが中央シート体2の面に対して略直角になって両者が平行になる。平行になった2本のアーム部5b,5bの上に、図3に示すように、例えば2本のバー11を架設すれば、これらのバー11の上に種々の用具などを載置することができ、利便性と機能性が高められる。
【0023】
以上のように設置される焚火用陣幕1によって焚火の周囲が囲まれると、焚火に向かう風が焚火用陣幕1によって遮られ、この防風効果によって、風で火が消えたり、煙や臭い、火の粉などが風によって周囲に飛散・拡散することがなく、当該焚火用陣幕1によって囲まれる空間と焚火周辺を快適な空間とすることができる。
【0024】
また、特に寒い冬季などにおいては、焚火からの熱が中央シート体2に取り付けられた熱反射シート7によって反射して焚火を囲む人を効果的に暖めることができ、焚火の熱を周囲に逃がすことなく有効に利用することができる。なお、気温が高い夏場などにおいて熱反射シート7が不要である場合には、該熱反射シート7を中央シート体2からワンタッチで簡単に取り外すことができる。
【0025】
従って、本実施の形態に係る焚火用陣幕1は、風防機能と焚火熱の有効利用機能を兼備する機能性の高いものとなる。
【0026】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を図4図6に基づいて説明する。
【0027】
なお、図4図6においては、図1図3において示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0028】
本実施の形態に係る焚火用陣幕1’においては、中央シート体2を左右幅方向の中央で左右に折り曲げ可能として当該幅方向の中央に筒部12を縦方向に形成するとともに、中央シート体2の幅方向両端の側端シート体3との接続部に筒部4を縦方向にそれぞれ形成している。したがって、本実施の形態に係る焚火用陣幕1’においては、中央シート体2が筒部12によって左右2つの矩形の区画領域2A,2Bに区画されており、これらの区画領域2A,2Bには、矩形の熱反射シート7が面ファスナーなどの止着具8によってそれぞれ着脱可能に取り付けられている。そして、中央の筒部12には、支持棒13が上方から通されている(図5図6参照)。
【0029】
また、本実施の形態に係る焚火用陣幕1’においては、左右の筒部4に通された不図示の支持棒の上端には1つのスリーブ14がそれぞれ取り付けられており、幅方向中央の1つの支持棒13の上端には2つのスリーブ15が取り付けられている。そして、左側2つのスリーブ14,15と右側2つのスリーブ14,15には、門型の支持部材16の左右両端部が上方からそれぞれ差し込まれている。
【0030】
而して、以上のように構成された焚火用陣幕1’は、図5に示すように、中央シート体2をその幅方向中央で平面視逆V字状に折り曲げ、この中央シート体2と左右の側端シート体3を両者で焚火を周囲から囲むように配置し、2つの筒部4に相通する不図示の支持棒と1つの筒部12に挿通する支持棒13をハンマーなどで地中に打ち込んで中央シート体2を地面に垂直に立設し、左右の側端シート体3をその下端頂部に形成された貫通孔6に通されたロープ9の端部をペグ10によって地面に固定することによって、焚火を周囲から囲むように設置される。
【0031】
上述のように、中央シート体2をその幅方向中央で平面視V字状に折り曲げると、図5及び図6に示すように、左右の支持部材16も平面視逆V字状をなす。したがって、これらの支持部材16の間に例えば2本のバー17を互いに平行に架設すれば、これらのバー17の上に種々の用具などを載置することができ、当該焚火用陣幕1’の利便性と機能性が高められる。
【0032】
以上のように設置された焚火用陣幕1’によって焚火の周囲が囲まれることによって、前記実施の形態1と同様の効果が得られる。すなわち、焚火用陣幕1’によって焚火に向かう風が遮られる防風効果によって、風で火が消えたり、煙や臭い、火の粉などが風によって周囲に飛散・拡散することがなく、当該焚火用陣幕1’によって囲まれる空間と焚火周辺を快適な空間とすることができる。
【0033】
また、特に寒い冬季などにおいては、焚火からの熱が中央シート体2の左右に取り付けられた2枚の熱反射シート7によって反射して焚火を囲む人や、焚火に掛けられているヤカン等を効果的に暖めたり保温することができ、焚火の熱を周囲に逃がすことなく有効に利用することができる。なお、気温が高い夏場などにおいて熱反射シート7が不要である場合には、熱反射シート7を中央シート体2からワンタッチで簡単に取り外すことができる。
【0034】
したがって、本実施の形態に係る焚火用陣幕1’も、風防機能と焚火熱の有効利用機能を兼備する機能性の高いものとなる。
【0035】
<焚火用陣幕の他の使用例>
次に、本発明に係る焚火用陣幕、例えば、実施の形態1に係る焚火用陣幕1は、これを図7及び図8に示すように折り畳むことによって図9に示すようなバッグ20としても使用することができる。この場合、中央シート体2の幅方向端部の上下には、図7に示すように、把手18がそれぞれ縫い付けられており、左右の側端シート体3を折り畳んで図7に示すように中央シート体2に重ねる。
【0036】
次に、側端シート体3が重ねられた中央シート体2を左右の幅方向中央(図7の鎖線L1)を中心として折り畳むと、図8に示すように、上下に把手18が設けられた中間バッグ体20Aが得られる。そして、この中間バッグ体20Aを図8に示す上下方向中央の鎖線L2を中心として折り畳んで重ね合わせ、その左右両端部同士を、図示しない例えばジッパーやホックなどで接合すれば、図9に示すバッグ20が得られる。このバッグ20は、物を収納して持ち運ぶ本来の用途の他、左右両端部を開放すれば、キャンプなどにおける薪運び用具としての用途に供することができる。
【0037】
なお、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0038】
1,1’ 焚火用陣幕
2 中央シート体
3 側端シート体
4 筒部
5 支持棒
5a 支持棒の垂直部
5b 支持棒のアーム部
6 貫通孔
7 熱反射シート
8 止着具
11 バー
12 筒部
13 支持棒
16 支持部材
17 バー
18 把手
20 バッグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9