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特開2024-1071びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を治療するための組成物及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001071
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を治療するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20231226BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231226BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231226BHJP
   C07K 16/30 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
A61K39/395 T ZNA
A61P35/00
A61P43/00 121
C07K16/30
【審査請求】有
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023164647
(22)【出願日】2023-09-27
(62)【分割の表示】P 2020520587の分割
【原出願日】2018-10-12
(31)【優先権主張番号】62/571,870
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522242018
【氏名又は名称】メルク・シャープ・アンド・ドーム・エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザッカリー・ジマーマン
(72)【発明者】
【氏名】シャオホン・アリシア・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・クリストファー・ホーランド
(72)【発明者】
【氏名】ジャネット・フランクリン
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・フライバーグ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】特に難治性の、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療するための方法及び組成物を提供する。
【解決手段】ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントを対象に投与するステップと、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片を対象に投与し、それによって対象においてDLBCLを治療するステップとを含む、方法とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象においてびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療する方法であって、
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントを対象に投与するステップと、
ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片を対象に投与し、それによって対象においてDLBCLを治療するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
DLBCLが以前の治療に難治性である又は以前の治療後再発している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ブリナツモマブ若しくはブリナツモマブバリアントが対象に全身的に投与され、及び/又はペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント若しくはこれらの抗原結合断片が対象に全身的に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量が、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量の投与の前に対象に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量が、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント若しくはこれらの抗原結合断片の最初の用量の投与と同時に対象に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが毎日投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の二次用量が、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量のおよそ21日後に投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上の追加の二次用量が、およそ21日ごとに投与される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片が約200mgの用量で投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが、少なくとも約9μg/日の初回用量で投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが、約28μg/日、約56μg/日又は約112μg/日の維持用量で投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが、最初の治療サイクルで、続いて無治療サイクル、続いて1回以上のコンソリデーションサイクルで投与される、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
最初の治療サイクルが、約49~約63日である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
最初の治療サイクルが、約56日である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
無治療サイクルが、約14~約28日である、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
無治療サイクルが、約21日である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
1回以上のコンソリデーションサイクルの各々が、約14~約28日である、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
1回以上のコンソリデーションサイクルの各々が、約21日である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量が、1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量が1日目に対象に投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項20】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量が、1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量が約15日目に対象に投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項21】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量が1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量が約19日目に対象に投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項22】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが、持続静脈内注入(CIVI)により投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項23】
ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片が、静脈内(IV)注入により投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項24】
対象においてDLBCLを治療する方法であって、
約9μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を治療1日目~7日目のそれぞれで対象に投与するステップと、
約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を治療1日目に対象に投与し、約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上のその後の用量をおよそ21日ごとに対象に投与するステップと
を含む、方法。
【請求項25】
約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、治療8日目~14日目のそれぞれで対象に投与するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
約112μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、治療22日目~56日目のそれぞれで対象に投与するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
約56μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、治療15日目~56日目のそれぞれで対象に投与するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、治療8日目~56日目のそれぞれで対象に投与するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
対象においてDLBCLを治療する方法であって、
約9μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与するステップと、
約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を最初の治療サイクルの15日目に対象に投与し、約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上のその後の用量をおよそ21日ごとに対象に投与するステップと
を含む、方法。
【請求項30】
約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、治療8日目~56日目のそれぞれで対象に投与するステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
対象においてDLBCLを治療する方法であって、
約9μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与するステップと、
約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を最初の治療サイクルの19日目に対象に投与し、約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上のその後の用量をおよそ21日ごとに対象に投与するステップと
を含む、方法。
【請求項32】
約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、最初の治療サイクルの8日目~14日目のそれぞれで対象に投与するステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
約112μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、最初の治療サイクルの22日目~56日目のそれぞれで対象に投与するステップをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
約56μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、最初の治療サイクルの15日目~56日目のそれぞれで対象に投与するステップをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、最初の治療サイクルの8日目~56日目のそれぞれで対象に投与するステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
ブリナツモマブとブリナツモマブバリアントのいずれも約14日~約28日の間対象に投与されない無治療サイクルをさらに含む、請求項24、29又は31のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
無治療サイクルが、約21日である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
約29μg、約56μg又は約112μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが、約14日~約28日の間毎日対象に投与される1回以上のコンソリデーションサイクルをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
1回以上のコンソリデーションサイクルが、各々約21日である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
対象においてDLBCLを治療する方法であって、
約9μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与し、約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、最初の治療サイクルの8日目~56日目のそれぞれで対象に投与するステップと、
約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を、治療1日目に対象に投与し、約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上のその後の用量を、およそ21日ごとに投与するステップと
を含む、方法。
【請求項41】
対象においてDLBCLを治療する方法であって、
約9μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与し、約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、最初の治療サイクルの8日目~14日目のそれぞれで対象に投与し、約112μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、最初の治療サイクルの15日目~56日目のそれぞれで対象に投与するステップと、
約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を、最初の治療サイクルの1日目に対象に投与し、約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上のその後の用量を、およそ21日ごとに投与するステップと
を含む、方法。
【請求項42】
対象においてDLBCLを治療する方法であって、
約9μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与し、約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの8日目~14日目のそれぞれで対象に投与し、約56μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの15日目~56日目のそれぞれで対象に投与するステップと、
約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を、最初の治療サイクルの1日目に対象に投与し、約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上のその後の用量を、およそ21日ごとに投与するステップと
を含む、方法。
【請求項43】
対象においてDLBCLを治療する方法であって、
約9μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与し、約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、最初の治療サイクルの8日目~56日目のそれぞれで対象に投与するステップと、
約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を、最初の治療サイクルの15日目に対象に投与し、約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上のその後の用量を、およそ21日ごとに投与するステップと
を含む、方法。
【請求項44】
対象においてDLBCLを治療する方法であって、
約9μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与し、約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、最初の治療サイクルの8日目~14日目のそれぞれで対象に投与し、約112μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、最初の治療サイクルの15日目~56日目のそれぞれで対象に投与するステップと、
約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を、最初の治療サイクルの19日目に対象に投与し、約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上のその後の用量を、およそ21日ごとに投与するステップと
を含む、方法。
【請求項45】
対象においてDLBCLを治療する方法であって、
約9μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与し、約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、最初の治療サイクルの8日目~14日目のそれぞれで対象に、約56μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、最初の治療サイクルの15日目~56日目のそれぞれで対象に投与するステップと、
約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を、最初の治療サイクルの19日目に対象に投与し、約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上のその後の用量を、およそ21日ごとに投与するステップと
を含む、方法。
【請求項46】
対象においてDLBCLを治療する方法であって、
約28μg、約56μg、又は約112μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、治療1日目で開始して毎日対象に投与するステップと、
約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を、治療1日目で開始しておよそ21日ごとに投与するステップと
を含む、方法。
【請求項47】
対象においてDLBCLを治療する方法であって、
約28μg、約56μg、又は約112μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、治療1日目で開始して毎日対象に投与するステップと、
約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を、治療15日目で開始しておよそ21日ごとに投与するステップと
を含む、方法。
【請求項48】
対象においてDLBCLを治療する方法であって、
約28μg、約56μg、又は約112μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を、治療1日目で開始して毎日対象に投与するステップと、
約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を、治療19日目で開始しておよそ21日ごとに投与するステップと
を含む、方法。
【請求項49】
ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片と併用して、対象においてDLBCLを治療する際に使用するためのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアント。
【請求項50】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントと併用して、対象においてDLBCLを治療する際に使用するためのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片。
【請求項51】
DLBCLが以前の治療に難治性である又は以前の治療後再発している、請求項49又は50に記載の使用。
【請求項52】
ブリナツモマブ若しくはブリナツモマブバリアントが対象に全身的に投与され、及び/又はペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント若しくはこれらの抗原結合断片が対象に全身的に投与される、請求項49又は50に記載の使用。
【請求項53】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量が、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント若しくはこれらの抗原結合断片の最初の用量の投与の前に対象に投与される、請求項49又は50に記載の使用。
【請求項54】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量が、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント若しくはこれらの抗原結合断片の最初の用量の投与と同時に対象に投与される、請求項49又は50に記載の使用。
【請求項55】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが毎日投与される、請求項53に記載の使用。
【請求項56】
ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の二次用量が、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量のおよそ21日後に投与される、請求項53に記載の使用。
【請求項57】
ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上の追加の二次用量が、およそ21日ごとに投与される、請求項56に記載の使用。
【請求項58】
ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片が、約200mgの用量で投与される、請求項53に記載の使用。
【請求項59】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが、少なくとも約9μg/日の初回用量で投与される、請求項53に記載の使用。
【請求項60】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが、約28μg/日、約56μg/日又は約112μg/日の維持用量で投与される、請求項59に記載の使用。
【請求項61】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが、最初の治療サイクルで、続いて無治療サイクル、続いて1回以上のコンソリデーションサイクルで投与される、請求項55に記載の使用。
【請求項62】
最初の治療サイクルが、約49~約63日である、請求項61に記載の使用。
【請求項63】
最初の治療サイクルが、約56日である、請求項62に記載の使用。
【請求項64】
無治療サイクルが、約14~約28日である、請求項61に記載の使用。
【請求項65】
無治療サイクルが、約21日である、請求項64に記載の使用。
【請求項66】
1回以上のコンソリデーションサイクルの各々が、約14~約28日である、請求項65に記載の使用。
【請求項67】
1回以上のコンソリデーションサイクルの各々が、約21日である、請求項66に記載の使用。
【請求項68】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量が、1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量が1日目に対象に投与される、請求項53に記載の使用。
【請求項69】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量が、1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量が、約15日目に対象に投与される、請求項53に記載の使用。
【請求項70】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量が、1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量が、約19日目に対象に投与される、請求項53に記載の使用。
【請求項71】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが、CIVIにより投与される、請求項52に記載の使用。
【請求項72】
ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片が、IV注入により投与される、請求項52に記載の使用。
【請求項73】
ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片と併用して、対象においてDLBCLを治療する際に使用するためのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントを含む医薬。
【請求項74】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントと併用して、対象においてDLBCLを治療する際に使用するためのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片を含む医薬。
【請求項75】
DLBCLが以前の治療に難治性である又は以前の治療後再発している、請求項73又は74に記載の医薬。
【請求項76】
ブリナツモマブ若しくはブリナツモマブバリアントが対象に全身的に投与され、及び/又はペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント若しくはこれらの抗原結合断片が対象に全身的に投与される、請求項73又は74に記載の医薬。
【請求項77】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量が、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント若しくはこれらの抗原結合断片の最初の用量の投与の前に対象に投与される、請求項73又は74に記載の医薬。
【請求項78】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量が、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント若しくはこれらの抗原結合断片の最初の用量の投与と同時に対象に投与される、請求項73又は74に記載の医薬。
【請求項79】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが毎日投与される、請求項77に記載の医薬。
【請求項80】
ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の二次用量が、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量のおよそ21日後に投与される、請求項77に記載の医薬。
【請求項81】
ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上の追加の二次用量が、およそ21日ごとに投与される、請求項80に記載の医薬。
【請求項82】
ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片が、約200mgの用量で投与される、請求項77に記載の医薬。
【請求項83】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが、少なくとも約9μg/日の初回用量で投与される、請求項77に記載の医薬。
【請求項84】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが、約28μg/日、約56μg/日又は約112μg/日の維持用量で投与される、請求項83に記載の医薬。
【請求項85】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが、最初の治療サイクルで、続いて無治療サイクル、続いて1回以上のコンソリデーションサイクルで投与される、請求項79に記載の医薬。
【請求項86】
最初の治療サイクルが、約49~約63日である、請求項85に記載の医薬。
【請求項87】
最初の治療サイクルが約56日である、請求項86に記載の医薬。
【請求項88】
無治療サイクルが、約14~約28日である、請求項85に記載の医薬。
【請求項89】
無治療サイクルが約21日である、請求項88に記載の医薬。
【請求項90】
1回以上のコンソリデーションサイクルの各々が、約14~約28日である、請求項89に記載の医薬。
【請求項91】
1回以上のコンソリデーションサイクルの各々が約21日である、請求項90に記載の医薬。
【請求項92】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量が、1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量が、1日目に対象に投与される、請求項77に記載の医薬。
【請求項93】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量が、1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量が、約15日目に対象に投与される、請求項77に記載の医薬。
【請求項94】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量が、1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量が、約19日目に対象に投与される、請求項77に記載の医薬。
【請求項95】
ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが、CIVIにより投与される、請求項76に記載の医薬。
【請求項96】
ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片が、IV注入により投与される、請求項76に記載の医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、参照によりその全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれている、2017年10月13日に出願された米国特許仮出願第62/571,870号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
発明の分野
本発明は、がん療法の分野に関する。特に、本発明は、ブリナツモマブ及び/又はブリナツモマブバリアント並びにペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/又はこれらの抗原結合断片を含む併用療法を使用する再発した又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療に関する。
【背景技術】
【0003】
欧州及び米国における非ホジキンリンパ腫(NHL)の年間発生率は15~20患者/100,000と推定されている(Fisher and Fisher、2004年)。DLBCLは成人では最も多いリンパ系腫瘍であり、西洋諸国では全NHLの31%を、世界的には全B細胞腫瘍の37%を占める(NHL classification project、Blood 1997年;Swerdlowら、WHO classification 2016年)。DLBCLのピークの発生率は60年代であり(Martelliら、2013年)、発生率は0.3/100,000/年(35~39歳)~26.6/100,000/年(80~84歳;Morganら、1997年)に増加する。
【0004】
世界保健機関(WHO)分類に従えば、DLBCLは、胞核、突出した核小体、好塩基性細胞質及び異常に高い増殖率を有する大細胞型で構成されたリンパ系腫瘍の群に相当する。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は、生物学的及び臨床的に異種性であり、形態、免疫表現型、遺伝子変異及び転写パターンより定義される下位群を有する。大半の症例は新たに発生するが、一部は侵襲性の低いリンパ腫、例えば、慢性リンパ性白血病又は濾胞性リンパ腫の進行又は形質転換である(Hartge and Wang、2004年)。この異種性にもかかわらず及び原発性中枢神経系(CNS)DLBCLは別として、DLBCLは一般に、同様の方法で治療される(Gisselbrechtら、2010年)。
【0005】
全体として、DLBCLは侵襲性であるが潜在的には治療可能な悪性腫瘍である。治癒率は、限られた疾患を有する患者では特に高く、5年間無憎悪生存期間(PFS)は80~85%の範囲に及ぶ。進行疾患又は症候性疾患に罹った患者は5年間PFSがおよそ50%になる。
【0006】
DLBCLを抱える患者の一次治療の選択は、個人のIPIスコア及び年齢に基づく。これはDLBCL患者の3主要下位群:高齢患者(>60歳、aaIPI=0~3)、低リスクの若年患者(≦60歳、aaIPI=0~1)及び高リスクの若年患者(≦60歳、aaIPI=2~3;Martelliら、2013年)をもたらす。14又は21日ごとに与えられるリツキシマブシクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾン(R-CHOP)は、特に高齢患者及び低リスク特長を持つもっと若い患者に対する、DLBCLについての一次治療の基礎である(Zelenetzら、2016年;Tillyら、2015年)。高齢患者では、ビンクリスチン及びプレドニゾンからなる「プレフェーズ」を導入すれば、毒性を低減するのに役立つ可能性がある。低リスク特長を持つもっと若い患者は、放射線療法なしでリツキシマブ、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、ブレオマイシン及びプレドニゾン(RACVBP)又は巨大腫瘤病変では放射線療法と一緒にR-CHOP21も用いて治療しうる。高リスクの若年患者は、DLBCLの最前線治療における現在の最大の難問を表す。これらの患者の約30%は最前線のR-CHOPに対して難治性である。自家造血幹細胞移植(HSCT)を用いた高用量化学療法の臨床試験又は使用への登録を含む、R-CHOPに加えていくつかの選択肢が検討されている。一次化学療法後完全奏功(CR)を達成しなかったDLBCLを有する適格患者で又は化学感受性再発の患者でのみ自家HSCTは現在推奨される(Barosiら、2005年)。
【0007】
最前線治療中へのリツキシマブの導入以降改善が観察されるにもかかわらず、低IPIを有する患者の10~20%において及び高IPI患者の30~50%において再発が観察される。種々のサルベージレジメンが現在r/rDLBCLにおいて使用されている。CORAL研究では、リツキシマブ、イホスファミド、カルボプラチン、エトポシド(RICE)又はリツキシマブ、デキサメタゾン、シタラビン(Ara-cとしても知られる)及びシスプラチン(R-DHAP)のどちらかを使用し、続いて自家HSCTを行った場合、奏効率に違いはなく、奏効率(ORR)は63%であることが示された。患者の3分の1は化学療法に応答せず、2分の1だけが自家HSCTに進むことができた。転帰は、事前リツキシマブを受けていた又は診断の1年以内に再発した患者では特に不良であった(Gisselbrechtら、2010年)。同種HSCTは、再発したDLBCLを抱えた患者の選ばれた群について検討される(Friedberg、2011年)。しかし、この治療は高い治療関連死亡率を伴う(約25%まで)。
【0008】
集中的サルベージレジメン又はHSCTに対する応答が不十分である又はこれの候補ではない患者では、予後は不良であり確定した標準治療はない。DLBCLを治療するための新しい方法及び組成物の明白な必要性が当技術分野には存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】NHL classification project、Blood 1997年
【非特許文献2】Swerdlowら、WHO classification 2016年
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
本開示は、ブリナツモマブ並びにペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/又はこれらの抗原結合断片を含む併用療法がびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療に有用であるという発見に基づいている。
【0011】
したがって、一態様では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントを対象にするステップ、及びペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片を対象に投与するステップを含む、対象においてDLBCLを治療する方法が提供される。
【0012】
ある特定の例示的実施形態では、DLBCLは以前の治療に難治性であり、又は以前の治療後に再発している。
【0013】
ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントは、例えば、持続静脈内注入(CIVI)により対象に全身的に投与される。他の例示的実施形態では、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片は、例えば、IVにより対象に全身的に投与される。
【0014】
ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量は、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント若しくはこれらの抗原結合断片の最初の用量の投与の前に、又はペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント若しくはこれらの抗原結合断片の最初の用量の投与と同時に対象に投与される。
【0015】
ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントは毎日投与される。ある特定の例示的実施形態では、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の二次用量は、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量のおよそ21日後に投与される。ある特定の例示的実施形態では、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上の追加の二次用量はおよそ21日ごとに投与される。
【0016】
ある特定の例示的実施形態では、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片は約200mgの用量で投与される。ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントは、少なくとも約9μgの初回用量で投与される。ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントは、約28μg、約56μg又は約112μgの維持用量で投与される。
【0017】
ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントは、最初の治療サイクル、続いて無治療サイクル、続いて1回以上のコンソリデーションサイクルで投与される。
【0018】
ある特定の例示的実施形態では、最初の治療サイクルは約49~約63日である。ある特定の例示的実施形態では、最初の治療サイクルは約56日である。
【0019】
ある特定の例示的実施形態では、無治療サイクルは約14~約28日である。ある特定の例示的実施形態では、無治療サイクルは約21日である。
【0020】
ある特定の例示的実施形態では、1回以上のコンソリデーションサイクルは各々が約14~約28日である。ある特定の例示的実施形態では、1回以上のコンソリデーションサイクルは各々が約21日である。
【0021】
ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量は1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量は1日目に対象に投与される。他の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量は1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量は約15日目に対象に投与される。さらに他の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量は1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量は約19日目に対象に投与される。
【0022】
別の態様では、約9μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を治療1~7日目のそれぞれで対象にするステップ、及び約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を治療1日目に、約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上のその後の用量をおよそ21日ごとに対象に投与するステップを含む、対象においてDLBCLを治療する方法が提供される。
【0023】
ある特定の例示的実施形態では、方法は、約28μgのブリナツモマブ若しくはブリナツモマブバリアントの用量を、治療8~14日目のそれぞれで、対象に、任意選択的に、約112μgのブリナツモマブ若しくはブリナツモマブバリアントの用量を治療22~56日目のそれぞれで対象に、又は約56μgのブリナツモマブ若しくはブリナツモマブバリアントの用量を治療15~56日目のそれぞれで対象に投与するステップをさらに含む。他の例示的実施形態では、方法は、約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を治療8~56日目のそれぞれで対象に投与するステップをさらに含む。
【0024】
ある特定の例示的実施形態では、方法は、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが約14~約28日間対象に投与されない無治療サイクルをさらに含み、任意選択的に、無治療サイクルは約21日である及び/又は約29μg、約56μg若しくは約112μgのブリナツモマブ若しくはブリナツモマブバリアントが、約14~約28日間毎日対象に投与される1回以上のコンソリデーションサイクルをさらに含む。別の例示的実施形態では、1回以上のコンソリデーションサイクルは各々が約21日である。
【0025】
別の態様では、約9μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの1~7日目のそれぞれで対象に投与するステップ、及び約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を最初の治療サイクルの15日目に、約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上のその後の用量をおよそ21日ごとに対象に投与するステップを含む、対象においてDLBCLを治療する方法が提供される。
【0026】
ある特定の例示的実施形態では、方法は、約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を治療8~56日目のそれぞれで対象に投与するステップをさらに含む。
【0027】
ある特定の例示的実施形態では、方法は、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが約14~約28日間対象に投与されない無治療サイクルをさらに含み、任意選択的に、無治療サイクルは約21日である及び/又は約29μg、約56μg若しくは約112μgのブリナツモマブ若しくはブリナツモマブバリアントが、約14~約28日間毎日対象に投与される1回以上のコンソリデーションサイクルをさらに含む。別の例示的実施形態では、1回以上のコンソリデーションサイクルは各々が約21日である。
【0028】
別の態様では、約9μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの1~7日目のそれぞれで対象に投与するステップ、及び約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を最初の治療サイクルの19日目に、約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上のその後の用量をおよそ21日ごとに対象に投与するステップを含む、対象においてDLBCLを治療する方法が提供される。
【0029】
ある特定の例示的実施形態では、方法は、約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの8~14日目のそれぞれで対象に投与するステップ、任意選択的に、約112μgのブリナツモマブ若しくはブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの22~56日目のそれぞれで対象に投与するステップ、又は約56μgのブリナツモマブ若しくはブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの15~56日目のそれぞれで対象に投与するステップを含む。他の例示的実施形態では、方法は、約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの8~56日目のそれぞれで対象に投与するステップを含む。
【0030】
ある特定の例示的実施形態では、方法は、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが約14~約28日間対象に投与されない無治療サイクルをさらに含み、任意選択的に、無治療サイクルは約21日である及び/又は約29μg、約56μg若しくは約112μgのブリナツモマブ若しくはブリナツモマブバリアントが、約14~約28日間毎日対象に投与される1回以上のコンソリデーションサイクルをさらに含む。別の例示的実施形態では、1回以上のコンソリデーションサイクルは各々が約21日である。
【0031】
別の態様では、約9μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの1~7日目のそれぞれで対象に、約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの8~56日目のそれぞれで対象に投与するステップ、及び約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を治療1日目に対象に、約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上のその後の用量をおよそ21日ごとに投与するステップを含む、対象においてDLBCLを治療する方法が提供される。
【0032】
別の態様では、約9μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの1~7日目のそれぞれで対象に、約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの8~14日目のそれぞれで対象に、約112μgのブリナツモマブ若しくはブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの15~56日目のそれぞれで対象に投与するするステップ、及び約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を最初の治療サイクルの1日目に対象に、約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上のその後の用量をおよそ21日ごとに投与するステップを含む、対象においてDLBCLを治療する方法が提供される。
【0033】
別の態様では、約9μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの1~7日目のそれぞれで対象に、約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの8~14日目のそれぞれで対象に、約56μgのブリナツモマブ若しくはブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの15~56日目のそれぞれで対象に投与するステップ、及び約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を最初の治療サイクルの1日目に対象に、約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上のその後の用量をおよそ21日ごとに投与するステップを含む、対象においてDLBCLを治療する方法が提供される。
【0034】
別の態様では、約9μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの1~7日目のそれぞれで対象に、約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの8~56日目のそれぞれで対象に投与するステップ、及び約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を最初の治療サイクルの15日目に対象に、約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上のその後の用量をおよそ21日ごとに投与するステップを含む、対象においてDLBCLを治療する方法が提供される。
【0035】
別の態様では、約9μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの1~7日目のそれぞれで対象に、約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの8~14日目のそれぞれで対象に、約112μgのブリナツモマブ若しくはブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの15~56日目のそれぞれで対象に投与するステップ、及び約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を最初の治療サイクルの19日目に対象に、約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上のその後の用量をおよそ21日ごとに投与するステップを含む、対象においてDLBCLを治療する方法が提供される。
【0036】
別の態様では、約9μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの1~7日目のそれぞれで対象に、約28μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの8~14日目のそれぞれで対象に、約56μgのブリナツモマブ若しくはブリナツモマブバリアントの用量を最初の治療サイクルの15~56日目のそれぞれで対象に投与するステップ、及び約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を最初の治療サイクルの19日目に対象に、約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上のその後の用量をおよそ21日ごとに投与するステップを含む、対象においてDLBCLを治療する方法が提供される。
【0037】
別の態様では、約28μg、約56μg又は約112μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を治療1日目に開始して毎日対象に投与するステップ、及び約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を治療1日目に開始しておよそ21日ごとに投与するステップを含む、対象においてDLBCLを治療する方法が提供される。
【0038】
別の態様では、約28μg、約56μg又は約112μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を治療1日目に開始して毎日対象に投与するステップ、及び約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を治療15日目に開始しておよそ21日ごとに投与するステップを含む、対象においてDLBCLを治療する方法が提供される。
【0039】
別の態様では、約28μg、約56μg又は約112μgのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの用量を治療1日目に開始して毎日対象に投与するステップ、及び約200mgのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の初回用量を治療19日目に開始しておよそ21日ごとに投与するステップを含む、対象においてDLBCLを治療する方法が提供される。
【0040】
別の態様では、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片と併用して対象においてDLBCLを治療する際に使用するためのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントが提供される。
【0041】
別の態様では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントと併用して対象においてDLBCLを治療する際に使用するためのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片が提供される。
【0042】
ある特定の例示的実施形態では、DLBCLは以前の治療に難治性であり、又は以前の治療後に再発している。
【0043】
ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントは、例えば、持続静脈内注入(CIVI)により対象に全身的に投与される。他の例示的実施形態では、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片は、例えば、IVにより対象に全身的に投与される。
【0044】
ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量は、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント若しくはこれらの抗原結合断片の最初の用量の投与の前に、又はペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント若しくはこれらの抗原結合断片の最初の用量の投与と同時に対象に投与される。
【0045】
ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントは毎日投与される。ある特定の例示的実施形態では、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の二次用量は、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量のおよそ21日後に投与される。ある特定の例示的実施形態では、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上の追加の二次用量はおよそ21日ごとに投与される。
【0046】
ある特定の例示的実施形態では、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片は約200mgの用量で投与される。ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントは、少なくとも約9μgの初回用量で投与される。ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントは、約28μg、約56μg又は約112μgの維持用量で投与される。
【0047】
ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントは、最初の治療サイクル、続いて無治療サイクル、続いて1回以上のコンソリデーションサイクルで投与される。
【0048】
ある特定の例示的実施形態では、最初の治療サイクルは約49~約63日である。ある特定の例示的実施形態では、最初の治療サイクルは約56日である。
【0049】
ある特定の例示的実施形態では、無治療サイクルは約14~約28日である。ある特定の例示的実施形態では、無治療サイクルは約21日である。
【0050】
ある特定の例示的実施形態では、1回以上のコンソリデーションサイクルは各々が約14~約28日である。ある特定の例示的実施形態では、1回以上のコンソリデーションサイクルは各々が約21日である。
【0051】
ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量は1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量は1日目に対象に投与される。他の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量は1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量は約15日目に対象に投与される。さらに他の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量は1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量は約19日目に対象に投与される。
【0052】
別の態様では、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片と併用して対象においてDLBCLを治療する際に使用するためのブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントを含む医薬が提供される。
【0053】
別の態様では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントと併用して対象においてDLBCLを治療する際に使用するためのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片を含む医薬が提供される。
【0054】
ある特定の例示的実施形態では、DLBCLは以前の治療に難治性であり、又は以前の治療後に再発している。
【0055】
ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントは、例えば、持続静脈内注入(CIVI)により対象に全身的に投与される。他の例示的実施形態では、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片は、例えば、IVにより対象に全身的に投与される。
【0056】
ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量は、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント若しくはこれらの抗原結合断片の最初の用量の投与の前に、又はペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント若しくはこれらの抗原結合断片の最初の用量の投与と同時に対象に投与される。
【0057】
ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントは毎日投与される。ある特定の例示的実施形態では、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の二次用量は、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量のおよそ21日後に投与される。ある特定の例示的実施形態では、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の1回以上の追加の二次用量はおよそ21日ごとに投与される。
【0058】
ある特定の例示的実施形態では、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片は約200mgの用量で投与される。ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントは、少なくとも約9μgの初回用量で投与される。ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントは、約28μg、約56μg又は約112μgの維持用量で投与される。
【0059】
ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントは、最初の治療サイクル、続いて無治療サイクル、続いて1回以上のコンソリデーションサイクルで投与される。
【0060】
ある特定の例示的実施形態では、最初の治療サイクルは約49~約63日である。ある特定の例示的実施形態では、最初の治療サイクルは約56日である。
【0061】
ある特定の例示的実施形態では、無治療サイクルは約14~約28日である。ある特定の例示的実施形態では、無治療サイクルは約21日である。
【0062】
ある特定の例示的実施形態では、1回以上のコンソリデーションサイクルは各々が約14~約28日である。ある特定の例示的実施形態では、1回以上のコンソリデーションサイクルは各々が約21日である。
【0063】
ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量は1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量は1日目に対象に投与される。他の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量は1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量は約15日目に対象に投与される。さらに他の例示的実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントの最初の用量は1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の最初の用量は約19日目に対象に投与される。
【0064】
上記の開示の概要は非限定的であり、開示されたバイオマーカー及び方法の他の特徴及び利点は、以下の図面、本開示の詳細な説明、実施例及び特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1】ブリナツモマブ及びペンブロリズマブ併用療法コホートについての研究デザイン及び治療概要を描いている。DLT=用量規制毒性;MTD=最大耐量。ブリナツモマブの最初のサイクルは8週間の持続期間になり、続いて28日(±3日)のブリナツモマブ無治療間隔となる。ブリナツモマブの第2のコンソリデーションサイクルは、最初のサイクルと同じ用量で28日間の持続期間となり、対象がサイクル1の後安定疾患又は部分/完全奏功を有する場合には、9μg/日で開始して目標用量に到達するまで毎週用量を漸増する。ペンブロリズマブは、コホートIaについては研究15日目に開始し、コホートIb、IIb及びIIIbについては研究1日目に開始し、コホートIIa及びIIIaについては研究19日目に開始し、35サイクルまでの間疾患進行まで3週間ごとに投与される。パート1:ペンブロリズマブと組み合わせたブリナツモマブの最大耐量(MTD)を決定する。MTDは、6人の対象の≦1が用量規制毒性(DLT)又は最大投与量(MAD)を経験する用量レベルとして定義される。パート2:ブリナツモマブとペンブロリズマブの組合せの有効性を評価するための拡大コホート。投与はパート1において確立したブリナツモマブのMTDに基づいて決定される。DLTは、それが前もって定義された閾値に到達しないことを保証するために連続してモニターされる。コホートIa、IIa及びIIIaでは、DLT観察期間はペンブロリズマブの最初の用量と同じ日に始まり(laでは15日並びにIIa及びIIIaでは19日)、42日間続く。コホートIbでは、DLT観察期間はペンブロリズマブ/ブリナツモマブの組合せの開始の1日目に始まり、42日間続く。コホートIIb及びIIIbでは、DLT観察期間は、ブリナツモマブ目標用量(コホートIb、IIb、及びIIIbについてそれぞれ8日目28μg/日、15日目112μg/日、又は15日目56μg/日)に到達した後に始まり、28日間続く。用量レベル評価チーム(DLRT)は利用可能なデータを審査して、DLT基準により定義した場合、ブリナツモマブが安全であり許容可能であるかどうかを判定する。パート2拡大コホートについての投与は、ブリナツモマブとペンブロリズマブの組合せの安全性及びパート1におけるブリナツモマブのMTDに基づくことになる。
図2A】ブリナツモマブ構造を模式的に描いている。
図2B】ブリナツモマブの作用様式を模式的に描いている。
図3】コホートIaについての(及びコホートIaにおいてMTDに到達した場合はパート2についての)評価のスケジュールを示す表を描いている。AE=有害事象;CBC=全血球数;CNS=中枢神経系;CR=完全奏功;CSF=脳脊髄液;CT=コンピュータ断層撮影;DLBCL=びまん性大細胞型B細胞リンパ腫;ECOG=米国東海岸癌臨床試験グループ;FDG=フルオロデオキシグルコース;FU=経過観察;IV=静脈内;LTFU=長期経過観察;MRD=微小残存病変;MRI=磁気共鳴画像法;MTD=最大耐量;NGS=次世代シーケンシング;PET=ポジトロン断層撮影;PK=薬物動態;PRO=患者報告アウトカム;SAE=重篤有害事象。安全性経過観察は、それぞれのプロトコル指定療法(protocol specified therapy)の最後の用量の30日後(+7日)に発生する。研究治療の初日に完了する全ての手続きは、プロトコル要求療法の開始前に完了しなければならない。ブリナツモマブの初回用量は9μg/日になり、用量は、目標用量に到達するまで1週間間隔で漸増される。図1を参照されたい。ペンブロリズマブは研究15日目に開始して投与される(21日サイクル)。
図4-1】コホートIaについての(及びコホートIaにおいてMTDに到達した場合はパート2についての)ペンブロリズマブ投与及び関連する評価のスケジュールを示す表を描いている。CBC=全血球数;FU=経過観察;MTD=最大耐量;PK=薬物動態。ペンブロリズマブ抗薬物抗体(血清)は、ペンブロリズマブの以下の:1(研究15日目)、2(研究36日目)、4(研究78日目)、6(研究120日目)、8(研究162日目)の注入前の24時間以内、及びその後の4注入ごと、並びにペンブロリズマブの中止の30日後に(又は対象が新たな抗がん治療を開始するまで)前用量(トラフ)で収集される。ペンブロリズマブPK前用量試料(血清)は、ペンブロリズマブの以下の:ペンブロリズマブ治療の第1日目(研究15日目)及びペンブロリズマブサイクル2(研究36日目)、4(研究78日目)、6(研究120日目)、及び8(研究162日目)の注入前の24時間以内に、次に4サイクルごとに収集される(図3参照)。PK前用量試料は、ペンブロリズマブ治療の第1日目(研究15日目)、次にペンブロリズマブのサイクル1の2日目(研究16日目)、8日目(研究22日目)、及び15日目(研究29日目)、サイクル8の1日目(研究162日目)の注入の30分後、並びにペンブロリズマブの中止の30日後に収集される(図3参照)。
図4-2】コホートIaについての(及びコホートIaにおいてMTDに到達した場合はパート2についての)ペンブロリズマブ投与及び関連する評価のスケジュールを示す表を描いている。CBC=全血球数;FU=経過観察;MTD=最大耐量;PK=薬物動態。ペンブロリズマブ抗薬物抗体(血清)は、ペンブロリズマブの以下の:1(研究15日目)、2(研究36日目)、4(研究78日目)、6(研究120日目)、8(研究162日目)の注入前の24時間以内、及びその後の4注入ごと、並びにペンブロリズマブの中止の30日後に(又は対象が新たな抗がん治療を開始するまで)前用量(トラフ)で収集される。ペンブロリズマブPK前用量試料(血清)は、ペンブロリズマブの以下の:ペンブロリズマブ治療の第1日目(研究15日目)及びペンブロリズマブサイクル2(研究36日目)、4(研究78日目)、6(研究120日目)、及び8(研究162日目)の注入前の24時間以内に、次に4サイクルごとに収集される(図3参照)。PK前用量試料は、ペンブロリズマブ治療の第1日目(研究15日目)、次にペンブロリズマブのサイクル1の2日目(研究16日目)、8日目(研究22日目)、及び15日目(研究29日目)、サイクル8の1日目(研究162日目)の注入の30分後、並びにペンブロリズマブの中止の30日後に収集される(図3参照)。
図5-1】コホートIb、IIb及びIIIbについての(及びこれらのコホートのいずれかにおいてMTDに到達した場合はパート2についての)ペンブロリズマブ投与及び関連する評価のスケジュールを示す表を描いている。CBC=全血球数;FU=経過観察;MTD=最大耐量;PK=薬物動態。ペンブロリズマブ抗薬物抗体(血清)は、ペンブロリズマブの以下の:1(研究1日目)、2(研究22日目)、4(研究64日目)、6(研究106日目)、8(研究148日目)の注入前の24時間以内、及びその後の4注入ごと、並びにペンブロリズマブの中止の30日後に(又は対象が新たな抗がん治療を開始するまで)前用量(トラフ)で収集される。ペンブロリズマブPK前用量試料(血清)は、ペンブロリズマブの以下の:ペンブロリズマブの第1日目(研究1日目)及びペンブロリズマブサイクル2(研究22日目)、4(研究64日目)、6(研究106日目)、及び8(研究148日目)の注入前の24時間以内、次に4サイクルごとに収集される(図5参照)。PK前用量試料は、ペンブロリズマブの第1日目(研究1日目)、次にペンブロリズマブのサイクル1の2日目(研究2日目)、8日目(研究8日目)、及び15日目(研究15日目)、サイクル8の1日目(研究148日目)の注入30分後、並びにペンブロリズマブの中止の30日後に収集される(図5参照)。
図5-2】コホートIb、IIb及びIIIbについての(及びこれらのコホートのいずれかにおいてMTDに到達した場合はパート2についての)ペンブロリズマブ投与及び関連する評価のスケジュールを示す表を描いている。CBC=全血球数;FU=経過観察;MTD=最大耐量;PK=薬物動態。ペンブロリズマブ抗薬物抗体(血清)は、ペンブロリズマブの以下の:1(研究1日目)、2(研究22日目)、4(研究64日目)、6(研究106日目)、8(研究148日目)の注入前の24時間以内、及びその後の4注入ごと、並びにペンブロリズマブの中止の30日後に(又は対象が新たな抗がん治療を開始するまで)前用量(トラフ)で収集される。ペンブロリズマブPK前用量試料(血清)は、ペンブロリズマブの以下の:ペンブロリズマブの第1日目(研究1日目)及びペンブロリズマブサイクル2(研究22日目)、4(研究64日目)、6(研究106日目)、及び8(研究148日目)の注入前の24時間以内、次に4サイクルごとに収集される(図5参照)。PK前用量試料は、ペンブロリズマブの第1日目(研究1日目)、次にペンブロリズマブのサイクル1の2日目(研究2日目)、8日目(研究8日目)、及び15日目(研究15日目)、サイクル8の1日目(研究148日目)の注入30分後、並びにペンブロリズマブの中止の30日後に収集される(図5参照)。
図6-1】コホートIIa及びIIIaについての(及びこれらのコホートのどちらかにおいてMTDに到達した場合はパート2についての)ペンブロリズマブ投与及び関連する評価のスケジュールを示す表を描いている。CBC=全血球数;FU=経過観察;MTD=最大耐量;PK=薬物動態。ペンブロリズマブ抗薬物抗体(血清)は、ペンブロリズマブの以下の:1(研究19日目)、2(研究40日目)、4(研究82日目)、6(研究124日目)、8(研究166日目)の注入前の24時間以内、及びその後の4注入ごと、並びにペンブロリズマブの中止の30日後に(又は対象が新たな抗がん治療を開始するまで)前用量(トラフ)で収集する。ペンブロリズマブPK前用量試料(血清)は、ペンブロリズマブの以下の:ペンブロリズマブ治療の第1日目(研究19日目)、及びペンブロリズマブサイクル2(研究40日目)、4(研究82日目)、6(研究124日目)、及び8(研究166日目)の注入前の24時間以内、次に4サイクルごとに収集される(図7参照)。PK後用量試料は、ペンブロリズマブ治療の第1日目(研究19日目)、次にペンブロリズマブのサイクル1の2日目(研究20日目)、8日目(研究26日目)、及び15日目(研究33日目)、サイクル8の1日目(研究166日目)の注入30分後、並びにペンブロリズマブの中止の30日後に収集される(図7参照)。
図6-2】コホートIIa及びIIIaについての(及びこれらのコホートのどちらかにおいてMTDに到達した場合はパート2についての)ペンブロリズマブ投与及び関連する評価のスケジュールを示す表を描いている。CBC=全血球数;FU=経過観察;MTD=最大耐量;PK=薬物動態。ペンブロリズマブ抗薬物抗体(血清)は、ペンブロリズマブの以下の:1(研究19日目)、2(研究40日目)、4(研究82日目)、6(研究124日目)、8(研究166日目)の注入前の24時間以内、及びその後の4注入ごと、並びにペンブロリズマブの中止の30日後に(又は対象が新たな抗がん治療を開始するまで)前用量(トラフ)で収集する。ペンブロリズマブPK前用量試料(血清)は、ペンブロリズマブの以下の:ペンブロリズマブ治療の第1日目(研究19日目)、及びペンブロリズマブサイクル2(研究40日目)、4(研究82日目)、6(研究124日目)、及び8(研究166日目)の注入前の24時間以内、次に4サイクルごとに収集される(図7参照)。PK後用量試料は、ペンブロリズマブ治療の第1日目(研究19日目)、次にペンブロリズマブのサイクル1の2日目(研究20日目)、8日目(研究26日目)、及び15日目(研究33日目)、サイクル8の1日目(研究166日目)の注入30分後、並びにペンブロリズマブの中止の30日後に収集される(図7参照)。
図7】髄外疾患の評価のための改訂チェソン基準を示す表を描いている。
図8】ルガノ分類を使用する応答評価を示す表を描いている。5ポイントスケール:1.バックグラウンドを超える取込みなし;2.取込み≦縦隔;3.取込み>縦隔、しかし≦肝臓;4.中程度の取込み>肝臓;5.肝臓及び/又は新しい病変よりも著しく高い取込みX.リンパ腫と関係がありそうにない取込みの新領域が使用される(Deauville)。
図9】コホートIaの状態概要を描いている。
図10】コホートIa対象の概要を描いている。
【発明を実施するための形態】
【0066】
本発明がより容易に理解され得るように、ある特定の技術的及び科学的用語を以下に具体的に定義する。本文書の他の箇所で特に定義されない限り、本明細書に使用されている全ての他の技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味を有する。
【0067】
添付の特許請求の範囲を含む、本明細書に使用されている場合、「一つの(a)」、「一つの(an)」及び「この(the)」のような単数形の単語は、文脈が明確に別様を指示しない限り、これらの対応する複数の参照を含む。
【0068】
「約(about)」は数値的に定義されるパラメータ(例えば、ブリナツモマブ、ブリナツモマブバリアント、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/若しくはこれらの抗原結合断片の投与量、又はブリナツモマブ、ブリナツモマブバリアント、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/若しくはこれらの抗原結合断片を用いた治療時間の長さ)を修飾するのに使用される場合、パラメータはそのパラメータについての表明された数値の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%又は10%上又は下に変動しうることを意味する。
【0069】
「投与」及び「治療」は、これが動物、ヒト、実験対象、細胞、組織、器官又は生体液に適用される場合、外因性薬剤、治療剤、診断剤又は組成物の、動物、ヒト、対象、細胞、組織、器官又は生体液との接触を指す。細胞の治療は、試薬の細胞との接触及び流体が細胞と接触する場合、試薬と流体との接触を包含する。「投与」及び「治療」はまた、例えば、試薬、診断剤、結合化合物による、又は別の細胞による、細胞のインビトロ及びエキソビボ治療も意味する。
【0070】
本明細書に使用されている場合、「抗体」という用語は、所望の生物学的活性又は結合活性を示す抗体の任意の形態を指す。したがって、これは最も広い意味で使用され、特に、限定されないが、モノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、キメラ抗体及びラクダ化単一ドメイン抗体を包含する。「親抗体」は、ヒト治療剤として使用するための抗体のヒト化のような、意図される使用のための抗体の修飾の前に免疫系の抗原への曝露によって得られる抗体である。
【0071】
一般に、基本抗体構造単位は四量体を含む。各四量体は2つの同一対のポリペプチド鎖を含み、各対は1つの「軽」鎖(約25kDa)及び1つの「重」鎖(約50~70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、主に抗原認識に関与する約100~110又はこれ以上のアミノ酸の可変領域を含む。重鎖のカルボキシ末端部分は、主にエフェクター機能に関与する定常領域を規定し得る。典型的に、ヒト軽鎖はカッパ及びラムダ軽鎖として分類される。さらに、ヒト重鎖は典型的に、ミュー、デルタ、ガンマ、アルファ又はイプシロンとして分類され、抗体のアイソタイプをそれぞれIgM、IgD、IgG、IgA及びIgEと規定する。軽鎖及び重鎖内で、可変領域及び定常領域は、約12又はこれ以上のアミノ酸の「J」領域によって連結され、重鎖はまた、約10より多いアミノ酸の「D」領域を含む。概して、Fundamental Immunology Ch.7(Paul,W.、ed.、第2版、Raven Press、N.Y.(1989年))を参照のこと。
【0072】
各軽鎖/重鎖対の可変領域は抗体結合部位を形成する。したがって、一般に無傷抗体は2つの結合部位を有する。二機能性又は二重特異性抗体を除いて、2つの結合部位は一般に同じである。
【0073】
本明細書に使用されている場合、「可変領域」又は「V領域」は、異なる抗体間で配列が可変であるIgG鎖のセグメントを意味する。これは軽鎖のKabat残基109及び重鎖のKabat残基113にまで及ぶ。
【0074】
典型的に、重鎖及び軽鎖の両方の可変ドメインは、相対的に保存されたフレームワーク領域(FR)内に位置する、相補性決定領域(CDR)とも呼ばれる3つの超可変領域を含む。CDRは、通常、フレームワーク領域によって整列され、特異的エピトープとの結合を可能にする。一般に、N末端からC末端まで、軽鎖可変ドメイン及び重鎖可変ドメインの両方は、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3及びFR4を含む。各ドメインに対するアミノ酸の割り当ては、一般に、Sequences of Proteins of Immunological Interest、Kabatら;National Institutes of Health、Bethesda、Md.;第5版;NIH Publ.No.91~3242(1991年);Kabat(1978年)Adv.Prot.Chem.32:1~75頁;Kabatら、(1977年)J.Biol.Chem.252:6609~6616頁;Chothiaら、(1987年)J Mol.Biol.196:901~917頁又はChothiaら、(1989年)Nature 342:878~883頁の定義に従う。
【0075】
本明細書に使用されている場合、「超可変領域」という用語は、抗原結合に関与する抗体のアミノ酸残基を指す。超可変領域は、CDR(すなわち、軽鎖可変ドメイン内のLCDR1、LCDR2及びLCDR3並びに重鎖可変ドメイン内のHCDR1、HCDR2及びHCDR3)由来のアミノ酸残基を含む。Kabatら、(1991年)Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、Md.(defining the CDR regions of an antibody by sequence)を参照のこと。Chothia及びLesk(1987年)J.Mol.Biol.196:901~917頁(defining the CDR regions of an antibody by structure)も参照のこと。本明細書で使用される場合、用語「フレームワーク」又は「FR」残基とは、本明細書でCDR残基と定義される超可変領域残基以外の可変ドメイン残基のことである。
【0076】
本明細書に使用されている場合、他に示されていない限り、「抗体断片」又は「抗原結合断片」とは、抗体の抗原結合断片、すなわち、全長抗体が結合した抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体断片、例えば1つ以上のCDR領域を保持する断片を指す。抗体結合断片の例には、限定されないが、Fab、Fab’、F(ab’)2及びFv断片;ダイアボディ;線形抗体;一本鎖抗体分子、例えばsc-Fv;ナノボディ及び抗体断片から形成された多重特異性抗体が含まれる。
【0077】
特定の標的タンパク質「に特異的に結合する」抗体は、他のタンパク質と比較してその標的への優先的な結合を示す抗体であるが、この特異性は絶対的な結合特異性を必要としない。抗体は、この結合が、例えば、偽陽性のような望ましくない結果を生じることなく、試料中の標的タンパク質の存在を決定する場合、その意図される標的に対して「特異的」であると考えられる。本発明において有用な抗体又はこの結合断片は、非標的タンパク質との親和性より少なくとも2倍大きい、好ましくは少なくとも10倍大きい、より好ましくは少なくとも20倍大きい、最も好ましくは少なくとも100倍大きい親和性で標的タンパク質に結合する。本明細書で使用される場合、抗体は、所与のアミノ酸配列、例えば、成熟ヒトPD-1又はヒトPD-L1分子、成熟ヒトCD19又は成熟ヒトCD3のアミノ酸配列を含むポリペプチドに、抗体がその配列を含むポリペプチドには結合するがその配列を欠くタンパク質には結合しない場合には、特異的に結合すると言われる。
【0078】
「キメラ抗体」とは、重鎖及び/又は軽鎖の一部が、特定の種(例えばヒト)に由来する又は特定の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一であり又は相同であり、一方、鎖の残りは、別の種(例えばマウス)に由来する又は別の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一である又は相同である抗体、並びに所望の生物学的活性を示す限り、このような抗体の断片を指す。
【0079】
「ヒト抗体」とは、ヒト免疫グロブリンタンパク質配列のみを含む抗体を指す。ヒト抗体は、マウス、マウス細胞又はマウス細胞に由来するハイブリドーマにおいて産生される場合、ネズミ炭水化物鎖を含有し得る。同様に、「マウス抗体」又は「ラット抗体」とは、それぞれマウス又はラット免疫グロブリン配列のみを含む抗体を指す。
【0080】
「ヒト化抗体」とは、非ヒト(例えば、ネズミ)抗体由来の配列を含有する抗体及びヒト抗体の形態を指す。このような抗体は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有する。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含み、超可変ループの全て又は実質的に全ては非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FR領域の全て又は実質的に全てはヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体はまた任意選択的に、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンのものの少なくとも一部も含む。接頭辞「hum」、「hu」又は「h」は、親げっ歯動物抗体からヒト化抗体を区別するために必要な場合、抗体クローン名称に付加される。げっ歯動物抗体のヒト化形態は一般に親げっ歯動物抗体の同じCDR配列を含むが、ある特定のアミノ酸置換が、親和性を増加させるために含まれてもよく、ヒト化抗体の安定性を増加させるために含まれてもよく、又は他の理由のために含まれてもよい。
【0081】
「生物学的薬剤(Biotherapeutic agent)」とは、腫瘍維持及び/若しくは成長を支持する又は抗腫瘍免疫応答を抑制する任意の生物学的経路におけるリガンド/受容体シグナル伝達を遮断する、抗体及び/又はsc-Fvなどの生体分子を意味する。
【0082】
用語「ブリナツモマブ」とは、本明細書で使用される場合、BiTE(登録商標)、又は二重特異性T細胞エンゲイジャー(T-cell engagers)としても知られるCD19×CD3二重特異性抗体構築物のことである(Dreier T、Lorenczewski G、Brandl C、ら Extremely potent、rapid and co-stimulation independent cytotoxic T-cell response against lymphoma cells catalyzed by a single chain bispecific antibody.Int J Cancer. 2002年;100(6):690~697頁;Schlereth B、Kleindienst P、Fichtner I、ら Potent inhibition of local and disseminated tumor growth in immunocompetent mouse models by a bispecific antibody construct specific for Murine CD3.Cancer Immunol Immunother.2006年;55(7):785~796頁)。ブリナツモマブは、二重結合特異性を有するBiTE(登録商標)抗体構築物である(図2)。T細胞にはその抗CD3部分が結合し、Bリンパ芽球及び他のB細胞には抗CD19部分が結合する。ブリナツモマブのこの独特の特長のおかげで、ブリナツモマブは悪性細胞をT細胞と一過性に連結させ、それによって、結合した悪性細胞のT細胞媒介殺傷を誘導することが可能になる。
【0083】
ブリナツモマブは、B前駆急性リンパ性白血病(ALL)細胞を含む、B細胞によりもっぱら発現されるマーカーであるCD19を発現する細胞を、1.6×10-9Mの親和性で特異的に標的にする。ブリナツモマブは、CD3とのもっと低い親和性相互作用(8.7×10-8M)を介してT細胞を動員し活性化する。次にこれらの活性化されたT細胞は、インビトロで10~100pg/mLに及ぶ最大半量標的細胞溶解を誘導し、ブリナツモマブが極めて強力な分子であることを示す(Dreierら、2002年)。
【0084】
腫瘍細胞除去の経過中、活性化されたT細胞は、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、インターフェロンガンマ(IFN-γ)、インターロイキン(IL)-6及びIL-2として炎症性サイトカインを合成し分泌し、これらのサイトカインは発熱又は血圧の低下などの症状を誘導する場合がある。インビトロデータは、ブリナツモマブ媒介T細胞活性化の結果としてのサイトカインの放出を実証しており、これは細胞傷害活性を損なうことなく副腎皮質ステロイドにより減弱することが可能である。インビボデータは、ブリナツモマブの最初の用量に続いてサイトカイン放出が最も顕著になることを示している。
【0085】
CD3を介してT細胞をCD19+腫瘍細胞溶解に向け直すその独特の能力のおかげで、ブリナツモマブは、細胞傷害性T細胞並びに既にプライムされたCD4+及びC8+T細胞のポリクローナル応答による繰り返される標的細胞除去を誘発することが可能である。抗腫瘍活性は、広範囲のエフェクターの標的に対する(E対T)比内で効果的である。
【0086】
CD19+標的細胞の非存在下では、サイトカインの細胞傷害性も放出も起こらない。ブリナツモマブは、細胞傷害性作用に関しては、標的細胞特異的及び依存的様式で厳密に作用する。CD19+標的細胞とT細胞の両方が存在することがその細胞傷害活性には必要とされる。
【0087】
2017年7月現在で、ブリナツモマブ(BLINCYTO(登録商標))は、合衆国では再発又は難治性B細胞前駆ALLの治療に指示されている。ブリナツモマブは、合衆国以外の複数の国(例えば、欧州連合、メキシコ、カナダ、ノルウェー、アイスランド、オーストラリア及び韓国)でフィラデルフィア染色体陰性再発又は難治性B細胞前駆ALLに指示されている。
【0088】
本明細書で使用される場合、「CD19×CD3二重特異性抗体構築物」(CD19×CD3二重特異性一本鎖抗体を含む-これら両方の用語は本明細書では互換的に使用される場合もある)は、2つの結合ドメインを含む単一ポリペプチド鎖を意味する。そのようなCD19×CD3二重特異性一本鎖抗体構築物は、本発明の方法/投与レジメンという文脈においていて好まれる。それぞれの結合ドメインは、抗体重鎖(「VH又はH領域」)由来の少なくとも1つの可変領域を含み、第1の結合ドメインのVH領域はCD3エプシロン分子に特異的に結合し、第2の結合ドメインのVH領域はCD19に特異的に結合する。2つの結合ドメインは任意選択的に、短いポリペプチドスペーサーにより互いに連結されている。ポリペプチドスペーサーの非限定的例はGly-Gly-Gly-Gly-Ser(G-G-G-G-S)及びそれらの繰り返しである。それぞれの結合ドメインは、抗体軽鎖(「VL又はL領域」)由来の1つの可変領域をさらに含んでいてもよく、第1及び第2の結合ドメインのそれぞれ内のVH領域及びVL領域は、例えば、欧州特許第623679号において開示され請求されているタイプであるが、いずれにせよ、第1の結合ドメインのVH領域及びVL領域並びに第2の結合ドメインのVH領域及びVL領域に、一緒になれば、それらの領域がそれぞれ第1及び第2の結合ドメインに特異的に結合することができるように互いに対合させるくらい長いポリペプチドリンカーを介して互いに連結されている。そのようなCD19×CD3二重特異性一本鎖抗体構築物は、国際公開第99/54440号及び国際公開第2004/106381号及び国際公開第2008/119565号に極めて詳細に記載されている。
【0089】
用語「結合ドメイン」は、本発明に関連して、所与の標的構造/抗原/エピトープに特異的に結合する/これと相互作用するポリペプチドのドメインを特徴付ける。したがって、結合ドメインは「抗原相互作用部位」である。用語「抗原相互作用部位」とは、本発明に従えば、特定の抗原又は抗原の特定の基、例えば、異なる種において同一の抗原と特異的に相互作用することができるポリペプチドのモチーフを定義する。前記結合/相互作用は、「特異的認識」を定義するとも理解されている。用語「特異的に認識する」とは、本発明に従えば、本明細書で定義されるように、抗体分子が、抗原、例えば、ヒトCD3抗原、ヒトCD19抗原、及び/又はヒトPD-1抗原の少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、さらに好ましくは少なくとも4つのアミノ酸と特異的に相互作用する及び/又は結合することができることを意味する。そのような結合は、「鍵と鍵穴原理」の特異性により例証しうる。したがって、結合ドメインのアミノ酸配列中の特定のモチーフと抗原は、その一次、二次又は三次構造の結果として並びに、前記構造の二次修飾の結果として互いに結合する。抗原相互作用部位とその特異的抗原の特異的相互作用は、前記部位と抗原の単純な結合を同様にもたらし得る。さらに、結合ドメイン/抗原相互作用部位とその特異的抗原との特異的相互作用は、例えば、抗原の立体構造の変化、抗原のオリゴマー化、等を誘導するせいで、代わりに、シグナルを開始させ得る。本発明に従った結合ドメインの好ましい例は抗体である。結合ドメインはモノクローナル若しくはポリクローナル抗体でもよく、又はモノクローナル若しくはポリクローナル抗体由来でもよい。
【0090】
ヒトCD19タンパク質はUniProt受託番号P15391を有する。ヒトCD3タンパク質は、UniProt受託番号P09693(CD3G)、P04234(CD3D)、P07766(CD3E)及びP20963(CD3Z)を有するガンマ、デルタ、エプシロン及びゼータサブユニットを含む。
【0091】
ある特定の例示的実施形態では、本発明の方法/投与レジメンにおいて適用される二重特異性抗体構築物は、ドメイン配置VL(CD19)-VH(CD19)-VH(CD3)-VL(CD3)を有する。
【0092】
しかし、本発明の方法は、
VH(CD19)-VL(CD19)-VH(CD3)-VL(CD3)、
VL(CD19)-VH(CD19)-VL(CD3)-VH(CD3)、
VH(CD19)-VL(CD19)-VL(CD3)-VH(CD3)、
VL(CD3)-VH(CD3)-VH(CD19)-VL(CD19)、
VH(CD3)-VL(CD3)-VH(CD19)-VL(CD19)、
VL(CD3)-VH(CD3)-VL(CD19)-VH(CD19)、又は
VH(CD3)-VL(CD3)-VL(CD19)-VH(CD19)
などの他のドメイン配置のCD19×CD3二重特異性一本鎖抗体構築物を用いて実行可能であることも想定されている。
【0093】
【表1】
【0094】
ある特定の例示的実施形態では、本発明の方法において適用されるCD19×CD3二重特異性抗体構築物は、
(a)GYTFTRYTMH(配列番号1)として示されるCD3 CDR-H1、YINPSRGYTNYNQKFKD(配列番号2)として示されるCD3 CDR-H2、及びYYDDHYCLDY(配列番号3)として示されるCD3 CDR-H3を含む重鎖の抗CD3 CDR;並びに/又は
(b)RASSSVSYMN(配列番号4)として示されるCD3 CDR-L1、DTSKVAS(配列番号5)として示されるCD3 CDR-L2、及びQQWSSNPLT(配列番号6)として示されるCD3 CDR-L3を含む軽鎖の抗CD3 CDR;並びに/又は
(c)GYAFSSYWMN(配列番号7)として示されるCD19 CDR-H1、QIWPGDGDTNYNGKFKG(配列番号8)として示されるCD19 CDR-H2、及びRETTTVGRYYYAMDY(配列番号9)として示されるCD19 CDR-H3を含む重鎖の抗CD19 CDR;並びに/又は
(d)KASQSVDYDGDSYLN(配列番号10)として示されるCD19 CDR-L1、DASNLVS(配列番号11)として示されるCD19 CDR-L2、及びQQSTEDPWT(配列番号12)として示されるCD19 CDR-L3を含む軽鎖の抗CD19 CDR
を含む。
【0095】
ある特定の例示的実施形態では、本発明の方法において適用されるCD19×CD3二重特異性一本鎖抗体構築物は、重及び軽鎖のCD3 CDRを含む。他の例示的実施形態では、本発明の方法において適用されるCD19×CD3二重特異性抗体構築物は、重及び軽鎖のCD3 CDR並びに重及び軽鎖のCD19 CDRを含む。
【0096】
代わりに、本発明の方法において適用されるCD19×CD3二重特異性一本鎖抗体構築物が、
(a)
【0097】
【化1】
として示されるCD19可変重鎖(
【0098】
【化2】
として示されるヌクレオチド配列によりコードされる)及び/又は
(b)
【0099】
【化3】
として示されるCD19可変軽鎖(
【0100】
【化4】
として示されるヌクレオチド配列によりコードされる)及び/又は
(c)
【0101】
【化5】
として示されるCD3可変重鎖(
【0102】
【化6】
として示されるヌクレオチド配列によりコードされる)及び/又は
(d)
【0103】
【化7】
として示されるCD3可変軽鎖(
【0104】
【化8】
として示されるヌクレオチド配列によりコードされる)
を含むことが好ましい。
【0105】
ある特定の例示的実施形態では、本発明の方法において適用されるCD19×CD3二重特異性一本鎖抗体構築物は、CD19可変重及び軽鎖並びに/又はCD3可変重及び軽鎖を含む。ある特定の例示的実施形態では、本発明の方法において適用されるCD19×CD3二重特異性一本鎖抗体構築物は、CD19可変重及び軽鎖並びにCD3可変重及び軽鎖を含む。
【0106】
ある特定の例示的実施形態では、前記二重特異性一本鎖抗体構築物は、
(a)
【0107】
【化9】
として示されるアミノ酸配列;
(b)
【0108】
【化10】
として示される核酸配列によりコードされるアミノ酸配列;
(c)(b)の核酸配列に少なくとも70%、80%、90%、95%又は99%同一性を有する核酸配列にコードされ、CD3及びCD19に特異的に結合することができるアミノ酸配列;及び
(d)(b)のヌクレオチド配列に対して遺伝コードの結果として縮重している核酸配列によりコードされるアミノ酸配列であって、CD3及びCD19に特異的に結合することができるアミノ酸配列
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0109】
「がん」、「がん性」又は「悪性」という用語は、典型的に、調節されていない細胞成長を特徴とする哺乳動物における生理学的状態を指す又は表す。
【0110】
ある特定の例示的実施形態では、がんはリンパ腫である。本明細書で使用される場合、「リンパ腫」とは、リンパ球から成長する血液細胞がんの集団のことである。リンパ腫は、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫、例えば、B細胞リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、ヘアリーセル白血病、原発性中枢神経系リンパ腫及び同類の物)、T細胞リンパ腫(例えば、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢性T細胞リンパ腫及び同類の物)又はNK細胞リンパ腫を含むがこれらに限定されない。ブリナツモマブ/ペンブロリズマブ併用療法に応答性であるある特定の例示的実施形態に従ったリンパ腫の例はDLBCLである。
【0111】
ある特定の例示的実施形態では、DLBCLにより引き起こされるリンパ節組織及び/又は節外性リンパ腫の腫瘍状塊は、腫瘍が約10×10mmよりも大きい、約15×15mmよりも大きい、又は約20×20mmよりも大きい又はそれよりもはるかに大きいサイズを有することを特徴とする。同様に、腫瘍を三次元で決定する場合、DLBCLにより引き起こされるリンパ節組織及び/又は節外性リンパ腫の腫瘍状塊は、腫瘍が約10×10×10mmよりも大きい、約15×15×15mmよりも大きい、又は約20×20×20mmよりも大きい又はそれよりもはるかに大きいサイズを有することにより特徴付けることができる。
【0112】
リンパ節組織は好ましくは、リンパ節(リンパ節領域及び/又はリンパ構造体を含む)及び脾臓を含む。リンパ節領域はリンパ節及び周辺組織の領域と定義することが可能である。例は、首の頚部リンパ節、脇の下の腋窩リンパ節、鼠径部の鼠径リンパ節、及び/又は胸の縦隔リンパ節を含む。リンパ構造体は、リンパ節、脾臓及び胸腺などのリンパ系の一部である器官又は構造体と定義することが可能である。
【0113】
したがって、前述の実施形態の一部では、患者は、とりわけ、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又はさらに多くの拡大したリンパ節(複数可)を有する。
【0114】
本明細書で使用される場合、「節外性リンパ腫」とは、所定のステージ分類手順後、一次治療を向けなければならない場合が多い、臨床的に「優勢な」節外性成分とともにリンパ節の転移が全くない又はごく「わずか」であるリンパ腫のことである。ある特定の例示的実施形態では、節外性リンパ腫は中枢神経系(CNS)、皮膚組織、乳房、肺、肝臓、消化管、尿生殖器官、眼組織、骨髄及び/又は骨を含む。
【0115】
本明細書に使用されている場合、「CDR」又は「CDRs」は、他に示されていない限り、Kabat番号付けシステムを使用して定義されている、免疫グロブリン可変領域における相補性決定領域(複数可)を意味する。
【0116】
「化学療法剤」は、がんの治療に有用な化合物である。化学療法剤のクラスには、限定されないが、アルキル化剤、代謝拮抗剤、キナーゼ阻害剤、紡錘体毒植物性アルカロイド、細胞傷害性/抗腫瘍抗生物質、トポイソメラーゼ阻害剤、光増感剤、抗エストロゲン及び選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、抗プロゲステロン、エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(ERD)、エストロゲン受容体アンタゴニスト、黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニスト、抗アンドロゲン、アロマターゼ阻害剤、EGFR阻害剤、VEGF阻害剤、異常な細胞増殖又は腫瘍成長に関与する遺伝子の発現を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれる。本発明の治療方法に有用な化学療法剤には、細胞増殖抑制剤及び/又は細胞傷害剤が含まれる。
【0117】
本明細書に使用されている場合、「コチア(Chothia)」は、本明細書に参照によって組み込まれる、Al-Lazikaniら、JMB 273:927~948頁(1997年)に記載されている抗体ナンバリングシステムを意味する。
【0118】
「保存的に修飾されたバリアント」又は「保存的置換」とは、タンパク質の生物学的活性又は抗原親和性及び/若しくは特異性のような他の所望の特性を変化させる(又は実質的に変化させる)ことなく変化が頻繁に行われ得るような、類似の特徴(例えば、電荷、側鎖サイズ、疎水性/親水性、骨格コンホメーション及び剛性など)を有する他のアミノ酸によるタンパク質におけるアミノ酸の置換を指す。当業者は一般に、ポリペプチドの非必須領域における単一アミノ酸置換が生物学的活性を実質的に変化させないことを認識する(例えば、Watsonら、(1987年)Molecular Biology of the Gene、The Benjamin/Cummings Pub.Co.、224頁(第4版)を参照のこと)。さらに、構造的又は機能的に類似したアミノ酸の置換は生物学的活性を破壊する可能性が低い。
【0119】
「含む(comprising)」又は「含む(comprise)」、「含む(comprises)」若しくは「から構成される(comprised of)」のような変形は、包括的な意味で、すなわち、述べられた特徴の存在を特定するためであるが、明示的な言語又は必要な含意のために文脈が別様を必要としない限り、本発明の実施形態のいずれかの操作又は有用性を実質的に高めることができるさらなる特徴の存在又は追加を除外しないように本明細書及び特許請求の範囲全体にわたって使用されている。
【0120】
本明細書及び特許請求の範囲全体にわたって使用されている場合、「から本質的になる(consists essentially of)」及び「から本質的になる(consist essentially of)」又は「から本質的になっている(consisting essentially of)」のような変形は、任意の列挙された要素又は要素の群の包含、及び指定された投薬レジメン、方法又は組成物の基本的特性又は新規特性を実質的に変化させない、他の要素、列挙された要素と類似又は異なる性質の任意選択的な包含を示す。非限定的な例として、遺伝子シグネチャースコアが遺伝子の指定されたリストからなる遺伝子の組についての複合RNA発現スコアとして定義される場合、当業者は、この遺伝子シグネチャースコアが、このような包含が予測力に実質的に影響を及ぼさない場合、1つ以上のさらなる遺伝子、好ましくは3つ以下のさらなる遺伝子について決定されたRNA発現レベルを含み得ることを理解する。
【0121】
本明細書に使用されている場合、「フレームワーク領域」又は「FR」は、CDR領域を除く免疫グロブリン可変領域を意味する。
【0122】
「相同性」とは、2つのポリペプチド配列が最適に整列される場合のこれらの間の配列類似性を指す。2つの比較される配列の両方における位置が同じアミノ酸モノマーサブユニットによって占められる場合、例えば、2つの異なる抗体の軽鎖CDRにおける位置がアラニンによって占められる場合、2つの抗体はこの位置において相同である。相同性のパーセントは、比較される位置の総数で割った、2つの配列によって共有される相同位置の数×100である。例えば、配列が最適に整列される場合、2つの配列中の10個の位置のうちの8個が一致又は相同である場合、2つの配列は80%相同である。一般に、比較は、2つの配列が最大パーセント相同性を与えるように整列される場合に行われる。例えば、比較はBLASTアルゴリズムによって実施されてもよく、アルゴリズムのパラメータは、それぞれの参照配列の全長にわたるそれぞれの配列間の最大の一致を与えるように選択される。
【0123】
以下の参考文献は、しばしば配列分析のために使用されるBLASTアルゴリズムに関する:BLAST ALGORITHMS:Altschul,S.F.ら、(1990年)J.Mol.Biol.215:403~410頁;Gish,W.ら、(1993年)Nature Genet.3:266~272頁;Madden,T.L.ら、(1996年)Meth.Enzymol.266:131~141頁;Altschul,S.F.ら、(1997年)Nucleic Acids Res.25:3389~3402頁;Zhang,J.ら、(1997年)Genome Res.7:649~656頁;Wootton,J.C.ら、(1993年)Comput.Chem.17:149~163頁;Hancock,J.M.ら、(1994年)Comput.Appl.Biosci.10:67~70頁;ALIGNMENT SCORING SYSTEMS:Dayhoff,M.O.ら、「A model of evolutionary change in proteins.」、Atlas of Protein Sequence and Structure、(1978年)vol.5、suppl.3.M.O.Dayhoff(ed.)、345~352頁、Natl.Biomed.Res.Found.、Washington、D.C.;Schwartz,R.M.ら、「Matrices for detecting distant relationships.」、Atlas of Protein Sequence and Structure、(1978年)vol.5、suppl.3.M.O.Dayhoff(ed.)、353~358頁、Natl.Biomed.Res.Found.、Washington、D.C.;Altschul,S.F.、(1991年)J.Mol.Biol.219:555~565頁;States,D.J.ら、(1991年)Methods 3:66~70頁;Henikoff,S.ら、(1992年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915~10919頁;Altschul,S.F.ら、(1993年)J.Mol.Evol.36:290~300頁;ALIGNMENT STATISTICS:Karlin,S.ら、(1990年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA87:2264~2268頁;Karlin,S.ら、(1993年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873~5877頁;Dembo,A.ら、(1994年)Ann.Prob.22:2022~2039頁;及びAltschul,S.F.、「Evaluating the statistical significance of multiple distinct local alignments.」、Theoretical and Computational Methods in Genome Research(S.Suhai、ed.)、(1997年)、1~14頁、Plenum、N.Y。
【0124】
「単離された抗体」及び「単離された抗体断片」とは、精製状態を指し、このような文脈において、名付けられた分子は、核酸、タンパク質、脂質、炭水化物のような他の生物学的分子又は細胞残屑及び成長培地のような他の物質を実質的に含まないことを意味する。一般に、「単離された」という用語は、本明細書に記載されているような結合化合物の実験的又は治療的使用を実質的に妨害する量で存在しない限り、このような物質の完全な不在又は水、緩衝剤若しくは塩の不在を指すことを意図しない。
【0125】
本明細書に使用されている場合、「Kabat」は、Elvin A.Kabat((1991年)Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、Md)によって開発された免疫グロブリンアラインメント及び番号付けシステムを意味する。
【0126】
本明細書に使用されている場合、「モノクローナル抗体」又は「mAb」又は「Mab」は、実質的に均一な抗体の集団を指し、すなわち、集団を含む抗体分子は、少量で存在し得る可能性のある天然に存在する突然変異を除いてアミノ酸配列において同一である。対照的に、従来の(ポリクローナル)抗体調製物は典型的に、しばしば異なるエピトープに特異的である、これらの可変ドメイン、特にこれらのCDRに異なるアミノ酸配列を有する多数の異なる抗体を含む。「モノクローナル」という修飾語は、実質的に均一な抗体の集団から得られているという抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするとは解釈されない。例えば、本発明に従って使用されているモノクローナル抗体は、Kohlerら、(1975年)Nature 256:495頁によって最初に記載されたハイブリドーマ法によって作製され得る又は組換えDNA法によって作製され得る(例えば、U.S.Pat.No.4,816,567を参照のこと)。「モノクローナル抗体」はまた、例えば、Clacksonら、(1991年)Nature 352:624~628及びMarksら、(1991年)J.Mol.Biol.222:581~597頁に記載されている技術を使用してファージ抗体ライブラリーから単離され得る。Presta(2005年)J.Allergy Clin.Immunol.116:731頁も参照のこと。
【0127】
「インターフェロンガンマ」及び「IFNγ」(免疫又はII型インターフェロンとも呼ばれる)とは、T細胞、B細胞、マクロファージ、NK細胞並びに内皮細胞及び線維芽細胞のような他の細胞型の活性化、成長及び分化を含む、免疫及び炎症応答のほぼ全ての段階の調節に関与する多面的サイトカインを指す。IFNγは、抗原提示細胞におけるMHC発現を増強し、また、抗腫瘍効果を増強するためにリンパ球を活性化する際に重要な役割も果たす。
【0128】
IFNγは、腫瘍特異的T細胞に対する腫瘍抗原提示を増加させ、NK細胞障害性に対する感受性を増加させることによって腫瘍進行及び成長の抑制に寄与し得る。腫瘍に対する免疫応答を促進することに加えて、IFN-γはまた、腫瘍抑制因子の発現を誘導することもできる。
【0129】
「オリゴヌクレオチド」とは、通常、長さが5~100の連続塩基であり、最も頻繁には、長さが10~50、10~40、10~30、10~25、10~20、15~50、15~40、15~30、15~25、15~20、20~50、20~40、20~30又は20~25の連続塩基である核酸を指す。
【0130】
「患者」又は「対象」とは、療法が所望される又は臨床試験、疫学研究に参加している若しくは対照として使用されている任意の単一の対象を指し、ヒト、非ヒト霊長類、ウシ、ウマ、イヌ、ネコなどのような哺乳動物獣医学的患者並びに非ヒト霊長類、ラット、マウス、イヌ、ウサギなどのような研究動物が含まれる。
【0131】
本明細書で使用される場合、「ペンブロリズマブ」とは、PD-1に結合し遮断するヒト化モノクローナル抗体のことである。ペンブロリズマブは、PD-1と、このリガンドであるPD-L1及びPD-L2との間の相互作用を遮断し、これによって腫瘍細胞及び健康な細胞の両方に影響を及ぼし得るTリンパ球を活性化させることによって、腫瘍細胞を検出し、これに対抗するのに役立つ身体の免疫系の能力を増加させることによって作用する。
【0132】
ヒトPD-1の配列はUniProt受託番号Q9UMF3を有する。
【0133】
ペンブロリズマブ単剤療法は、非応答個体において見出されるレベルよりも高い、ベースラインCD8+T細胞浸潤の密度、IFNγ遺伝子シグネチャー及びPD-L1発現を有する罹患した個体において黒色腫、非小細胞肺がん及び頭頸部の扁平上皮癌を治療することが知られている。
【0134】
本明細書に使用されている場合、「ペンブロリズマブ」とは、全ての目的のためにこれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる、WO2016196173並びにU.S.Pat.Nos.8,354,509及び8,900,587に記載されている、商標名KEYTRUDA(登録商標)(Merck Sharp & Dohme Corp.、Whitehouse Station、NJ)として市販されているモノクローナル抗体並びにこれらのバリアント及び抗原結合断片を指す。ペンブロリズマブは、以下に記載されている、重鎖ドメイン、軽鎖ドメイン、重鎖可変ドメイン、軽鎖可変ドメイン、重鎖相補性決定配列及び軽鎖相補性決定配列のうちの1つ又はいずれかの組合せによって特徴付けられ得る。
【0135】
ペンブロリズマブは、
【0136】
【化11】
として示される重鎖配列及び
【0137】
【化12】
として示される軽鎖配列を含み得る。
【0138】
ペンブロリズマブは、
【0139】
【化13】
として示される重鎖可変(VH)ドメイン配列及び
【0140】
【化14】
として示される軽鎖可変(VL)ドメインを含み得る。
【0141】
ペンブロリズマブは、以下の重鎖相補性決定領域(HCDR):NYYMY(HCDR1、配列番号27);GINPSNGGTNFN(HCDR2、配列番号28);及びRDYRFDMGFDY(HCDR3、配列番号29)を含み得る。
【0142】
ペンブロリズマブは、以下の軽鎖相補性決定領域(LCDR):RASKGVSTSGYSYLH(LCDR1、配列番号30);LASYLES(LCDR2、配列番号31);及びQHSRDLPLT(LCDR3、配列番号32)を含み得る。
【0143】
ある特定の実施形態では、配列番号27、28及び29の重鎖CDR並びに配列番号30、31及び32の軽鎖CDRを含む、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片が提供される。
【0144】
他の実施形態では、配列番号25及び配列番号26のVH/VL配列対由来の重鎖及び軽鎖CDR配列を含む、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片が提供される。
【0145】
さらに他の好ましい実施形態では、配列番号25を含む重鎖可変領域若しくはこのバリアント及び/又は配列番号26を含む軽鎖可変領域若しくはこのバリアントを含む、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片が提供される。他の実施形態では、ペンブロリズマブバリアント又はこの抗原結合断片は、配列番号25に対して少なくとも80%の配列相同性若しくは同一性(例えば、80%、85%、90%、95%、98%又は99%)を有する配列を含む重鎖可変領域及び/又は配列番号26に対して少なくとも80%の配列相同性又は同一性(identify)(例えば、80%、85%、90%、95%、98%又は99%)を有する配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0146】
本明細書に使用されている場合、「重鎖可変領域配列のバリアント」は、フレームワーク領域(すなわち、CDRの外側)において17個までの保存的アミノ酸置換を有すること、好ましくはフレームワーク領域において10個未満、9個未満、8個未満、7個未満、6個未満又は5個未満の保存的アミノ酸置換を有することを除いて、参照配列と同一である配列である。本明細書に使用されている場合、「軽鎖可変領域配列のバリアント」は、フレームワーク領域(すなわち、CDRの外側)において5個までの保存的アミノ酸置換を有すること、好ましくはフレームワーク領域において4個未満、3個未満又は2個未満の保存的アミノ酸置換を有することを除いて、参照配列と同一である配列である。
【0147】
さらに他の実施形態では、配列番号23を含む重鎖若しくはこのバリアント及び/又は配列番号24を含む軽鎖若しくはこのバリアントを含む、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片が提供される。他の実施形態では、ペンブロリズマブバリアント又はこの抗原結合断片は、配列番号23に対して少なくとも80%の配列相同性若しくは同一性(例えば、80%、85%、90%、95%、98%又は99%)を有する配列を含む重鎖及び/又は配列番号24に対して少なくとも80%の配列相同性若しくは同一性(例えば、80%、85%、90%、95%、98%又は99%)を有する配列を含む軽鎖を含む。
【0148】
本明細書で使用される場合、「ブリナツモマブバリアント」又は「ペンブロリズマブバリアント」とは、フレームワーク領域に(すなわち、CDRの外側に)最大5つの保存的アミノ酸置換を有し、好ましくはフレームワーク領域に4つ、3つ又は2つ未満の保存的アミノ酸置換を有する、並びにフレームワーク領域に(すなわち、CDRの外側に)最大17の保存的アミノ酸置換を有し、好ましくはフレームワーク領域に10、9つ、8つ、7つ、6つ又は5つ未満の保存的アミノ酸置換を有する、及び好ましくはフレームワーク領域に4つ、3つ又は2つ未満の保存的アミノ酸置換を有することを除いて、それぞれブリナツモマブ又はペンブロリズマブの配列と同一である重鎖及び軽鎖配列を含むモノクローナル抗体のことである。言い換えると、ブリナツモマブ及びブリナツモマブバリアント又はペンブロリズマブ及びペンブロリズマブバリアントは同一のCDR配列を含むが、それぞれその完全長軽及び重鎖配列に3つ又は6つ以下の他の位置に保存的アミノ酸置換を有するせいで互いに異なっている。ブリナツモマブバリアントは、以下の特性:CD19に対する結合親和性、CD3に対する結合親和性及びインビボでの中和効果に関してはブリナツモマブと実質的に同じである又はそれよりも優れている。ペンブロリズマブバリアントは、以下の特性:PD-1に対する結合親和性及びインビボでの中和作用に関して、ペンブロリズマブと実質的に同じである又はペンブロリズマブよりも良好である。
【0149】
ある特定の実施形態では、ペンブロリズマブのバイオシミラーが提供される。
【0150】
本明細書で使用される場合、用語「バイオ後続品」は、バイオ後続品を参考製品に「高度に類似している」製品と定義している(臨床的に不活性な成分のわずかな相違点があるが)米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)及び/若しくはカナダ保健省により公表されている実施上の定義、又は世界中の別の規制当局が使用している類似する定義と矛盾しないように使用される。実際には、安全性、純度及び効力に関して、参照製品とバイオシミラー製品との間に臨床的に有意義な相違は存在するべきではない。ある特定の実施形態では、二重盲検の単回用量比較薬物動態(PK)交差研究が、ペンブロリズマブを候補バイオシミラー抗体と比較して同等のバイオアベイラビリティを決定するために実施される。
【0151】
本明細書で使用される場合、用語「参考製品」は、市販のペンブロリズマブ又は市販のブリナツモマブを指すのに使用される。
【0152】
本明細書に使用されている場合、「RECIST 1.1応答基準」は、必要に応じて、応答が測定される状況に基づいて標的病変又は非標的病変について、Eisenhauerら、E.A.ら、Eur.J Cancer 45:228~247頁(2009年)に記載されている定義を意味する。
【0153】
「応答患者」とは、本明細書に記載される併用療法を用いた治療に対する特定の抗腫瘍応答を指す場合、患者が抗腫瘍応答を示したことを意味する。
【0154】
本明細書に参照される腫瘍又は任意の他の生物学的物質に言及する場合、「試料」は、対象から除去された試料を意味する。生体試料は、悪性CD19陽性リンパ球を有する体液(例えば、血液、血清、血漿、尿、唾液、滑液、髄液及び同類の物)及び組織供給源を含む。患者から組織生検及び体液を入手するための方法は当技術分野では公知である。一般的に、末梢血単核球(PBMC)、特に、B細胞及びT細胞を含む生体試料が供給源として好ましい。
【0155】
末梢血単核球(PBMC)、特に、B細胞及びT細胞を含む試料は、ヒト患者の末梢血から採取するのが好ましい。他の好ましい試料は、全血、血清、血漿又は滑液であり、血漿又は血清が最も好ましい。
【0156】
患者から入手される別の好ましい試料はリンパ節生検である。リンパ節生検は、例えば、異常なリンパ節の摘出生検又は関連のある臓器の豊富な切開生検を用いて入手される。一部の場合、切断針生検は診断には適切な組織を提供することが可能である。さらに、適切な骨髄生検検査を実施しうる。診断は遺伝子発現プロファイリングにより補完することが可能である。さらに好ましくは、診断は、好ましくはリンパ系新生物のWHO分類を適用することにより、リンパ腫、特にDLBCLを診断した経験のある血液病理学者により行われるのが好ましい(Table 1 on page 30 of the publication of Armitage in Blood(2007年)、110巻(1):29~36頁参照)。初診を明白にするため、免疫組織化学を実施し、時折、細胞遺伝学又は蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)を適用するのも好ましい場合がある。
【0157】
本発明の一実施形態では、DLBCLは、本明細書に記載される症状に従って並びに/又はリンパ節生検検査、免疫組織化学、細胞遺伝学、遺伝子プロファイリング及び/若しくはFISHなどの本明細書に記載される手段及び方法を適用することにより診断される。
【0158】
診断が行われ、好ましくは、確認された後は、さらに経験豊かな血液病理学者による再生検検査により再ステージ分類並びに/又はコンピュータ断層撮影、超音波画像診断、及び/若しくは胸、腹部及び/若しくは骨盤のPETスキャンを含むさらなる画像研究などの追加の検査が実施されて、この疾患が身体において転移している程度に関するさらに多くの情報を入手する。このプロセスはステージ分類と呼ばれる。これらの検査の結果は、最も効果的な一連の治療を決定するのに役立つ。
【0159】
身体のどの領域が濾胞性リンパ腫に冒されているのかを判定する一助とするのにいくつかのステージ分類検査が利用可能である。実行しうる検査は、CTスキャン、血液検査、骨髄生検検査及び/又はPETスキャンを含む。
【0160】
ステージ分類は、診断時にリンパ系のどれくらいが関与しているかに基づいて患者を群(ステージ)に分ける。ステージ分類は、ヒトの予後及び治療選択肢を判定する一助となる。
【0161】
リンパ腫のステージは以下の通りに定義することが可能である。
ステージI-1つのリンパ節領域のみが関与している、又は1つのリンパ構造体のみが関与している。
ステージII-横隔膜の同じ側の2つ以上のリンパ節領域又はリンパ節構造体が関与している。
ステージIII-横隔膜の両側のリンパ節領域又は構造体が関与している。
ステージIV-肝臓、肺、又は骨髄などの、リンパ節領域又は構造体以外のいくつかの臓器又は組織の広範囲な関与が存在する。
【0162】
ステージが割り当てられると、発熱、体重減少、又は寝汗があるかどうかを示すためにステージは文字、A又はBも含む。「A」はこれらの症状がないことを意味し、「B」はこれらの症状があることを意味する。例えば、ステージ1B疾患のヒトは、1つのリンパ節領域にがんのエビデンスがあり「B」症状(発熱、体重減少及び/又は寝汗)がある。
【0163】
本発明では、DLBCLは、Chesonら、(2007年)、J.Clin.Oncol.25(5):579~586頁に示される基準に従ってステージ分類されるのが好ましい。
【0164】
「持続的応答」は、治療剤又は本明細書に記載されている併用療法による治療の停止後の持続的治療効果を意味する。一部の実施形態では、持続的応答は、治療期間と少なくとも同じである又は治療期間より少なくとも1.5、2.0、2.5若しくは3倍長い持続時間を有する。
【0165】
「標準的治療の全身抗がん療法」とは、当業者によく知られている1種以上の生物学的療法(例えば、免疫療法)及び/又は1種以上の細胞毒性化学療法を含み得る、特定の患者における特定のがんについて臨床医が従う、医学的に許容される診断及び治療プロセスを指す。本明細書に使用されている場合、標準的治療の全身抗がん療法は、ブリナツモマブ/ペンブロリズマブ併用療法を除外する。
【0166】
「組織切片」とは、組織試料の単一の部分又は片、例えば、正常組織又は腫瘍の試料から切断された組織の薄い切片を指す。
【0167】
DLBCLを「治療する(treat)」又は「治療する(treating)」とは、本明細書で使用される場合、例えば、がん細胞の数の減少、腫瘍サイズの減少、末梢器官へのがん細胞の浸潤速度の減少、又は腫瘍転移若しくは腫瘍成長速度の減少などの、少なくとも1つのプラスの治療効果を達成するために、ブリナツモマブ、ブリナツモマブバリアント、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片をDLBCLに罹っていると診断された対象に投与することを意味する。
【0168】
がんにおける陽性の治療効果は多くの手段において測定され得る(W.A.Weber,J.Null.Med.50:1S-10S(2009年);Eisenhauerら、前出を参照のこと)。一部の好ましい実施形態では、ブリナツモマブ、ブリナツモマブバリアント、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/又はこれらの抗原結合断片に対する応答は、RECIST 1.1基準を使用して評価される。一部の実施形態では、治療的に有効な量によって達成される治療は、部分奏効(PR)、完全奏効(CR)、無増悪生存率(PFS)、無病生存率(DFS)、客観的奏効(OR)又は全生存率(OS)のうちのいずれかである。原発性又は続発性肝がん患者を治療するのに有効である本明細書に記載されている療法の投薬レジメンは、患者の疾患状態、年齢及び体重並びに対象において抗がん応答を誘発する療法の能力のような要因に応じて変化し得る。本発明の治療方法、医薬及び使用の実施形態は、あらゆる対象において陽性の治療効果を達成するのに有効ではないかもしれないが、スチューデントのt検定、カイ二乗検定、マン・ホイットニーによるU検定、クラスカル・ウォリス検定(H検定)、ヨンクヒール・タプストラ検定及びウィルコクソン検定のような当該技術分野において公知の任意の統計的検定によって決定して統計学的に有意な数の対象において有効でなければならない。
【0169】
「腫瘍」とは、原発性又は続発性肝がんと診断された又は原発性又は続発性肝がんを有することが疑われる対象に適用される場合、いずれかの大きさの悪性又は潜在的に悪性の新生物又は組織塊を指す。固形腫瘍は、通常、嚢胞又は液体領域を含有しない組織の異常な成長又は塊である。異なる型の固形腫瘍は、これらを形成する細胞の型に由来する。固形腫瘍の例は、肉腫、癌及びリンパ腫である。白血病(血液がん)は一般に固形腫瘍を形成しない(National Cancer Institute、Dictionary of Cancer Terms)。
【0170】
「腫瘍サイズ」という用語は、腫瘍の長さ及び幅として測定され得る腫瘍の全体のサイズを指す。腫瘍サイズは、例えば、キャリパーを使用して、例えば、対象から除去したときの腫瘍の寸法を測定すること、又はイメージング技術、例えば、骨スキャン、超音波、CT若しくはMRIスキャンを使用して体内にある間に腫瘍の寸法を腫瘍の寸法を測定することのような、当該技術分野において公知の様々な方法によって決定され得る。
【0171】
方法、使用及び医薬
一態様では、本発明は、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアント、及びペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片を含む併用療法を個人に施すステップを含む、個人においてがんを治療するための方法に関する。
【0172】
併用療法はまた、1種以上のさらなる治療剤も含んでもよい。さらなる治療剤は、例えば、化学療法剤、生物療法剤、免疫原性物質(例えば、弱毒化がん細胞、腫瘍抗原、腫瘍由来抗原又は核酸によりパルス化された樹状細胞のような抗原提示細胞、免疫刺激サイトカイン(例えば、IL-2、IFNα2、GM-CSF)及び限定されないが、GM-CSFのような免疫刺激サイトカインをコードする遺伝子をトランスフェクトされた細胞)であってもよい。さらなる治療剤の特定の投薬量及び投薬スケジュールは、さらに変化させてもよく、最適な用量、投与スケジュール及び投与経路は、使用される特定の治療剤に基づいて決定される。
【0173】
化学療法剤の例には、チオテパ及びシクロホスファミドのようなアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファンのようなアルキルスルホネート;ベンゾドパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドパ(meturedopa)及びウレドパ(uredopa)のようなアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド及びトリメチロロメラミン(trimethylolomelamine)を含むエチレンイミン及びメチラメラミン(methylamelamine);アセトゲニン(特にブラタシン及びブラタシノン);カンプトテシン(合成類似体のトポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン(callystatin);CC-1065(このアドゼレシン、カルゼレシン及びビゼレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体であるKW-2189及びCBI-TMIを含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン(pancratistatin);サルコジクチイン;スポンジスタチン(spongistatin);クロラムブチル、クロルナファジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシドヒドロクロリド、メルファラン、ノベムビチン(novembichin)、フェネステリン、プレドニムスチン、トロフォスファミド、ウラシルマスタードのようなナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンのようなニトロソウレア(nitrosurea);エンジイン抗生物質のような抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特にカリケアマイシンガンマll(gammall)及びカリケアマイシンファイll(phill)、例えば、Agnew、Chem.Intl.Ed.Engl.、33:183~186頁(1994年)を参照のこと;ジネマイシンAを含むジネマイシン;クロドロネートのようなビスホスホネート;エスペラミシン;並びにネオカルジノスタチン発色団及び関連色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン(carabicin)、カミノマイシン(caminomycin)、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン(detorubicin)、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン(モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ(pyrrolino)-ドキソルビシン及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン(esorubicin)、イダルビシン、マルセロマイシン(marcellomycin)、マイトマイシンCのようなマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン(tubercidin)、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサート及び5-フルオロウラシル(5-FU)のような抗代謝産物;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートのような葉酸類似体;フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンのようなプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンのようなピリミジン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンのようなアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンのような抗副腎剤(anti-adrenal);フロリン酸(frolinic acid)のような葉酸補充剤;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキセート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルシン;ジアジコン;エルフォルニチン(elfornithine);酢酸エリプチニウム(elliptinium acetate);エポチロン(epothilone);エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダミン;メイタンシン及びアンサマイトシンのようなメイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール(mopidamol);ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット(phenamet);ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸(podophyllinic acid);2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン(sizofuran);スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特にT-2トキシン、ベラクリン(verracurin)A、ロリジンA及びアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えばパクリタキセル及びドキセタキセル(doxetaxel);クロラムブシル;ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチン及びカルボプラチンのようなプラチナ類似体;ビンブラスチン;プラチナ;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ノバントロン(novantrone);テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;CTP-11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(difluoromethylormthine)(DMFO);レチノイン酸のようなレチノイド;カペシタビン;並びに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸又は誘導体が含まれる。また、例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン(keoxifene)、LYI 17018、オナプリストン及びトレミフェン(Fareston)を含む、抗エストロゲン及び選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)のような腫瘍に対するホルモン作用を調節する又は阻害するように作用する抗ホルモン剤;例えば、4(5)-イミダゾール、アミノグルテチミド、酢酸メゲストロール、エキセメスタン、ホルメスタン、ファドロゾール、ボロゾール、レトロゾール及びアナストロゾールのような、副腎におけるエストロゲン産生を調節する、酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤;フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド及びゴセレリンのような抗アンドロゲン;並びに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸又は誘導体も含まれる。
【0174】
本発明の併用療法における各々の治療剤は、標準的な薬務に従って、単独で投与され得る又は治療剤並びに1種以上の薬学的に許容される担体、賦形剤及び希釈剤を含む同じ医薬(本明細書において医薬組成物とも称される)中で投与され得る。
【0175】
本発明の併用療法における各々の治療剤は、同時に(すなわち、同じ医薬中で)投与され得るか、併用して投与され得る(すなわち、別々の医薬中で任意の順序で一方の直後に他方が投与される)か、又は任意の順序で連続して投与され得る。連続投与は、併用療法での治療薬が異なる剤形である(1つの薬剤が錠剤又はカプセルであり別の薬剤が無菌液体である)並びに/又は異なる投与スケジュールで投与される、例えば、少なくとも毎日投与される生物学的製剤及び、週1回、2週間ごとに1回、若しくは3週間ごとに1回などの投与される回数がもっと少ない生物学的製剤並びに/又は異なる時間の間投与される、例えば、1つの治療薬は30分間静脈内に投与され1つの治療薬は1時間を超える時間CIVI投与される場合に、特に有用である。
【0176】
特に好ましい実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントは、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の投与前に投与される。他の特に好ましい実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントは、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片と同時に投与される。他の実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントは、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片の投与後に投与される。
【0177】
一部の実施形態では、併用療法における治療剤のうちの少なくとも1つは、同じがんを治療するための単剤療法として薬剤が使用される場合に典型的に利用される同じ投薬レジメン(用量、頻度及び治療期間)を使用して投与される。他の実施形態では、患者は、薬剤が単剤療法として使用される場合より、併用療法における治療剤の少なくとも1種の少ない総量、例えば、より少ない用量、より少ない頻度の用量及び/又はより短い治療期間を受ける。
【0178】
本発明の併用療法は、腫瘍を除去するための手術の前又は後に使用されてもよく、放射線療法の前、間又は後に使用されてもよい。
【0179】
一部の実施形態では、本発明の併用療法は、以前に生物療法剤又は化学療法剤により治療されていなかった患者、すなわち、がん治療未経験である患者に投与される。他の実施形態では、併用療法は、以前の療法の後(例えば、ブリナツモマブ/ペンブロリズマブ併用療法ではない全身抗がん療法による不成功又は無効な療法の後)に持続的応答を達成できなかった患者、すなわち、がん治療経験のある患者に投与される。
【0180】
本発明の併用療法は典型的に、触診によって見出される、又はMRI、超音波若しくはCATスキャンのような当該技術分野において周知のイメージング技術によって見出されるのに十分な大きさである腫瘍を治療するために使用される。
【0181】
本発明の併用療法のための投薬レジメン(本明細書において投与レジメンとも称される)の選択は、実体の血清又は組織代謝回転速度、症状のレベル、実体の免疫原性及び治療される個体における標的細胞、組織又は器官の接近可能性を含む、いくつかの要因に依存する。好ましくは、投薬レジメンは、許容可能なレベルの副作用と調和して患者に送達される各治療剤の量を最大にする。したがって、組合せにおける各々の生物療法剤及び化学療法剤の用量及び投薬頻度は、特定の治療剤、治療されるがんの重症度及び患者の特徴に部分的に依存する。抗体、サイトカイン及び低分子の適切な用量を選択する際の指針は入手可能である。例えば、Wawrzynczak(1996年)Antibody Therapy、Bios Scientific Pub.Ltd、Oxfordshire、UK;Kresina(ed.)(1991年)Monoclonal Antibodies、Cytokines and Arthritis、Marcel Dekker、New York、NY;Bach(ed.)(1993年)Monoclonal Antibodies and Peptide Therapy in Autoimmune Diseases、Marcel Dekker、New York、NY;Baertら、(2003年)New Engl.J.Med.348:601~608頁;Milgromら、(1999年)New Engl.J.Med.341:1966~1973頁;Slamonら、(2001年)New Engl.J.Med.344:783~792頁;Beniaminovitzら、(2000年)New Engl.J.Med.342:613~619頁;Ghoshら、(2003年)New Engl.J.Med.348:24~32頁;Lipskyら、(2000年)New Engl.J.Med.343:1594~1602頁;Physicians’ Desk Reference 2003年(Physicians’ Desk Reference、第57版);Medical Economics Company;ISBN:1563634457;第57版(2002年11月)を参照のこと。適切な投薬レジメンの決定は、例えば、治療に影響を及ぼす、又は治療に影響を及ぼすと予測される、当該技術分野において公知である又は疑われるパラメータ又は要因を使用して臨床医によってなされ得、例えば、患者の病歴(例えば、以前の療法)、治療されるがんの種類及びステージ並びに併用療法における治療剤のうちの1種以上に対する応答のバイオマーカーに依存する。ペンブロリズマブと併用したブリナツモマブについての最適な用量は、これらの薬剤の一方又は両方の用量漸増又は用量漸減によって同定され得る。
【0182】
本発明は、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/又はこれらの抗原結合断片と併用して対象においてDLBCLを治療する際に使用するためのブリナツモマブ及び/又はブリナツモマブバリアントを含む医薬も提供する。
【0183】
ブリナツモマブ及び/又はブリナツモマブバリアントと併用して対象においてDLBCLを治療する際に使用するためのペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/又はこれらの抗原結合断片を含む医薬がさらに提供される。
【0184】
一部の実施形態では、上記の、ブリナツモマブ及び/若しくはブリナツモマブバリアント、又はペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/若しくはこれらの抗原結合断片を含む医薬は、液剤として提供される又は凍結乾燥粉末を使用前に注射用の減菌水で再構成することにより調製してもよい。
【0185】
一部の実施形態では、ブリナツモマブを含む医薬は、注射用の減菌水での再構成に続く静脈内注入のために無菌無保存剤白からわずかに灰色がかった白の凍結乾燥粉末を含有するガラスバイアルで提供される。再構成溶液は、0.9%のNaCl及び製品特有の安定化剤(IV溶液安定化剤)を含有する注入バッグに添加される。IV溶液安定化剤は、無菌無保存剤透明無色からわずかに黄色の液体濃縮物として10mLの使い捨てガラス注射バイアルで供給される。
【0186】
一部の実施形態では、ペンブロリズマブを含む医薬は、4mLの溶液中に約100mgのペンブロリズマブを含有するガラスバイアル中に提供される。各1mLの溶液は25mgのペンブロリズマブを含有し、L-ヒスチジン(1.55mg)、ポリソルベート80(0.2mg)、スクロース(70mg)及び注射用水、USP中で製剤化される。溶液はIV輸注のために希釈を必要とする。
【0187】
本発明の併用療法における生物療法剤は、持続輸注によって投与され得る、又は例えば、毎日、1日おき、1週間に3回若しくは1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、1カ月に1回、2カ月に1回などの間隔での用量によって投与され得る。1週間の総用量は一般に、少なくとも0.05μg/kg体重、0.2μg/kg体重、0.5μg/kg体重、1μg/kg体重、10μg/kg体重、100μg/kg体重、0.2mg/kg体重、1.0mg/kg体重、2.0mg/kg体重、10mg/kg体重、25mg/kg体重、50mg/kg体重又はこれ以上である。例えば、Yangら、(2003年)New Engl.J.Med.349:427~434頁;Heroldら、(2002年)New Engl.J.Med.346:1692~1698頁;Liuら、(1999年)J.Neurol.Neurosurg.Psych.67:451~456頁;Portieljiら、(20003)Cancer Immunol.Immunother.52:133~144頁を参照のこと。
【0188】
ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/又はこれらの抗原結合断片を利用するある特定の実施形態では、投薬レジメンは、治療の過程全体を通して、約14日(±2日)又は約21日(±2日)又は約30日(±2日)の間隔で、1、2、3、5又は10mg/kgの用量にて、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/又はこれらの抗原結合断片を投与することを含む。好ましい実施形態では、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント又はこれらの抗原結合断片は、3週間ごとに200mg(固定)の用量にて使用される。
【0189】
併用療法においてペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/又はこれらの抗原結合断片を利用する他の実施形態では、投薬レジメンは、患者内での用量漸増を伴って約0.005mg/kg~約10mg/kgの用量にて、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/又はこれらの抗原結合断片を投与することを含む。他の漸増用量の実施形態では、用量間の間隔は漸進的に短縮され、例えば、第1の用量と第2の用量との間で約30日(±3日)、第2の用量と第3の用量との間で約21日(±3日)である。ある特定の実施形態では、投薬間隔は、第2の用量の後の用量について、約21日(±3日)である。
【0190】
ある特定の実施形態では、対象は、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/又はこれらの抗原結合断片のいずれかを含む医薬の非経口投薬、例えば静脈内(IV)輸注により投与される。
【0191】
本発明の好ましい実施形態では、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/又はこれらの抗原結合断片は、2週間ごと(Q2W)又は14日ごと(Q14D)に1mg/kg、2mg/kg Q2W又はQ14D、3mg/kg Q2W又はQ14D、5mg/kg Q2W又はQ14D、10mg/kg Q2W又はQ14D、3週間ごと(Q3W)又は21日ごと(Q21D)に1mg/kg、2mg/kg Q3W又はQ21D、3mg/kg Q3W又はQ21D、5mg/kg Q3W又はQ21D、10mg Q3W又はQ21D及びこれらの用量のいずれかの等価な一定用量(flat-dose equivalent)、すなわち、例えば200mg Q3W又はQ21Dからなる群から選択される用量にて液体医薬中で投与される。
【0192】
一部の実施形態では、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/又はこれらの抗原結合断片は、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg又は約400mgの投薬量で提供される。
【0193】
ある特定の例示的な実施形態では、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/又はこれらの抗原結合断片は、約200mgの投薬量で提供される。他の例示的な実施形態では、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/又はこれらの抗原結合断片は、25mg/mlのペンブロリズマブ、7%(w/v)のスクロース、0.02%(w/v)のポリソルベート80を10mMのヒスチジン緩衝剤(pH5.5)中に含む液体医薬として提供される。
【0194】
一部の実施形態では、選択された用量のペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/又はこれらの抗原結合断片は、IV輸注によって投与される。一実施形態では、選択された用量のペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/又はこれらの抗原結合断片は、25~40分又は約30分の時間にわたってIV輸注によって投与される。
【0195】
ある特定の実施形態では、ブリナツモマブ又はブリナツモマブバリアントは、第1の期間(すなわち、「最初の治療サイクル」)及び第2の期間(すなわち、「コンソリデーションサイクル」)に投与される。任意選択的に、1回以上の追加のコンソリデーションサイクルは、第3の期間、第4の期間、第5の期間、等に投与される。ブリナツモマブもブリナツモマブバリアントも投与されない2つの治療サイクルの間の期間(例えば、第1の治療サイクルと第1のコンソリデーションサイクルの間の時間)は「無治療」サイクルと呼ばれる。
【0196】
ある特定の例示的実施形態では、前記第1の治療サイクルは、少なくとも約14日の長さ、約15日の長さ、約16日の長さ、約17日の長さ、約18日の長さ、約19日の長さ、約20日の長さ、約21日の長さ、約22日の長さ、約23日の長さ、約24日の長さ、約25日の長さ、約26日の長さ、約27日の長さ、約28日の長さ、約29日の長さ、約30日の長さ、約31日の長さ、約32日の長さ、約33日の長さ、約34日の長さ、約35日の長さ、約36日の長さ、約37日の長さ、約38日の長さ、約39日の長さ、約40日の長さ、約41日の長さ、約42日の長さ、約43日の長さ、約44日の長さ、約45日の長さ、約46日の長さ、約47日の長さ、約48日の長さ、約49日の長さ、約50日の長さ、約51日の長さ、約52日の長さ、約53日の長さ、約54日の長さ、約55日の長さ、約56日の長さ、約57日の長さ、約58日の長さ、約59日の長さ、約60日の長さ、約61日の長さ、約62日の長さ、約63日の長さ又はそれよりも長いことが想定されている。
【0197】
ある特定の例示的実施形態では、前記第1の治療サイクルは、約35~約77日、約42~約70日、約49~約63日、約52~約60日、又は約54~約58日、又はこれらの範囲間の任意の日数であることが想定されている。
【0198】
特に好ましい実施形態では、前記第1の治療サイクルは約56日であることが想定されている。
【0199】
ある特定の例示的実施形態では、コンソリデーションサイクルは、少なくとも約2日の長さ、約3日の長さ、約4日の長さ、約5日の長さ、約6日の長さ、約7日の長さ、約8日の長さ、約9日の長さ、約10日の長さ、約11日の長さ、約12日の長さ、約13日の長さ、約14日の長さ、約15日の長さ、約16日の長さ、約17日の長さ、約18日の長さ、約19日の長さ、約20日の長さ、約21日の長さ、約22日の長さ、約23日の長さ、約24日の長さ、約25日の長さ、約26日の長さ、約27日の長さ、約28日の長さ、約29日の長さ、約30日の長さ、約31日の長さ、約32日の長さ、約33日の長さ、約34日の長さ又は約35日の長さであることが想定されている。
【0200】
ある特定の例示的実施形態では、コンソリデーションサイクルは、約7~約49日、約14~約42日、約21~約35日、約23~約33日、又は約25~約31日、又はこれらの範囲間の任意の日数であることが想定されている。
【0201】
特に好ましい実施形態では、コンソリデーションサイクルは約28日であることが想定されている。
【0202】
ある特定の例示的実施形態では、無治療サイクルは、少なくとも約2日の長さ、約3日の長さ、約4日の長さ、約5日の長さ、約6日の長さ、約7日の長さ、約8日の長さ、約9日の長さ、約10日の長さ、約11日の長さ、約12日の長さ、約13日の長さ、約14日の長さ、約15日の長さ、約16日の長さ、約17日の長さ、約18日の長さ、約19日の長さ、約20日の長さ、約21日の長さ、約22日の長さ、約23日の長さ、約24日の長さ、約25日の長さ、約26日の長さ、約27日の長さ、約28日の長さ、約29日の長さ、約30日の長さ、約31日の長さ、約32日の長さ、約33日の長さ、約34日の長さ又は約35日の長さであることが想定されている。
【0203】
ある特定の例示的実施形態では、無治療サイクルは、約7~約49日、約14~約42日、約21~約35日、約23~約33日、又は約25~約31日、又はこれらの範囲間の任意の日数であることが想定されている。
【0204】
特に好ましい実施形態では、無治療サイクルは約28日(+/-3日)であることが想定されている。
【0205】
ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ及び/又はブリナツモマブバリアントは、初回用量、及び/又は1回以上の漸増用量、及び/又は維持用量で提供される。本明細書で使用される場合、「初回用量」とは、ブリナツモマブ及び/又はブリナツモマブバリアントの最初の投与量、例えば、約9μg/日である。本明細書で使用される場合、「維持用量」とは、初回用量よりも後の時間で投与され、初回用量よりも多い投与量であるブリナツモマブ及び/又はブリナツモマブバリアントの投与量である。例えば、初回用量は約9μg/日でよく、維持用量は約28μg/日、約56μg/日又は約112μg/日でもよい。
【0206】
ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ及び/又はブリナツモマブバリアントは、初回用量、維持用量、及び1回以上の漸増用量として対象に提供される。
【0207】
本明細書で使用される場合、「漸増用量」とは、初回用量よりは多いが、維持投与量ではない投与量である。ある特定の実施形態では、漸増用量は維持投与量よりは多い投与量である。例示的実施形態では、漸増用量は維持投与量より少ない投与量である。例えば、維持用量が約56μg/日又は約112μg/日である場合、漸増用量は約28μg/日でもよい。
【0208】
ある特定の例示的実施形態では、初回用量、漸増用量及び/又は維持用量は、それぞれが一定期間、例えば、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、約14日、約15日、約16日、約17日、約18日、約19日、約20日、約21日、約22日、約23日、約24日、約25日、約26日、約27日、約28日、約29日、約30日、約31日、約32日、約33日、約34日、約35日、約36日、約37日、約38日、約39日、約40日、約41日、約42日、約43日、約44日、約45日、約46日、約47日、約48日、約49日、約51日、約52日、約53日、約54日、約55日又は約56日間毎日対象に投与してもよい。
【0209】
一部の実施形態では、ブリナツモマブ及び/又はブリナツモマブバリアントは、1日あたり約1μg、1日あたり約2μg、1日あたり約3μg、1日あたり約4μg、1日あたり約5μg、1日あたり約6μg、1日あたり約7μg、1日あたり約8μg、1日あたり約9μg、1日あたり約10μg、1日あたり約11μg、1日あたり約12μg、1日あたり約13μg、1日あたり約14μg、1日あたり約15μg、1日あたり約16μg、1日あたり約17μg、1日あたり約18μg、1日あたり約19μg、1日あたり約20μg、1日あたり約21μg、1日あたり約22μg、1日あたり約23μg、1日あたり約24μg、1日あたり約25μg、1日あたり約26μg、1日あたり約27μg、1日あたり約28μg、1日あたり約29μg、1日あたり約30μg、1日あたり約31μg、1日あたり約32μg、1日あたり約33μg、1日あたり約34μg、1日あたり約35μg、1日あたり約36μg、1日あたり約37μg、1日あたり約38μg、1日あたり約39μg、1日あたり約40μg、1日あたり約41μg、1日あたり約42μg、1日あたり約43μg、1日あたり約44μg、1日あたり約45μg、1日あたり約46μg、1日あたり約47μg、1日あたり約48μg、1日あたり約49μg、1日あたり約50μg、1日あたり約51μg、1日あたり約52μg、1日あたり約53μg、1日あたり約54μg、1日あたり約55μg、1日あたり約56μg、1日あたり約57μg、1日あたり約58μg、1日あたり約59μg、1日あたり約60μg、1日あたり約61μg、1日あたり約62μg、1日あたり約63μg、1日あたり約64μg、1日あたり約65μg、1日あたり約66μg、1日あたり約67μg、1日あたり約68μg、1日あたり約69μg、1日あたり約70μg、1日あたり約71μg、1日あたり約72μg、1日あたり約73μg、1日あたり約74μg、1日あたり約75μg、1日あたり約76μg、1日あたり約77μg、1日あたり約78μg、1日あたり約79μg、1日あたり約80μg、1日あたり約81μg、1日あたり約82μg、1日あたり約83μg、1日あたり約84μg、1日あたり約85μg、1日あたり約86μg、1日あたり約87μg、1日あたり約88μg、1日あたり約89μg、1日あたり約90μg、1日あたり約91μg、1日あたり約92μg、1日あたり約93μg、1日あたり約94μg、1日あたり約95μg、1日あたり約96μg、1日あたり約97μg、1日あたり約98μg、1日あたり約99μg、1日あたり約100μg、1日あたり約110μg、1日あたり約111μg、1日あたり約112μg、1日あたり約113μg、1日あたり約114μg、1日あたり約115μg、1日あたり約116μg、1日あたり約117μg、1日あたり約118μg、1日あたり約119μg、1日あたり約120μg、1日あたり約121μg、1日あたり約122μg、1日あたり約123μg、1日あたり約124μg、1日あたり約125μg、1日あたり約126μg、1日あたり約127μg、1日あたり約128μg、1日あたり約129μg、1日あたり約130μgの投与量で提供される。
【0210】
ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ及び/又はブリナツモマブバリアントは、1日あたり約9μg~約112μgの投与量で提供される。他の例示的実施形態では、ブリナツモマブ及び/又はブリナツモマブバリアントは、1日あたり約9μg~約56μgの投与量で提供される。さらに他の例示的実施形態では、ブリナツモマブ及び/又はブリナツモマブバリアントは、1日あたり約9μg~約28μgの投与量で提供される。
【0211】
第1の治療サイクルで及び/又は1回以上のコンソリデーションサイクルでブリナツモマブ及び/又はブリナツモマブバリアントを用いるある特定の例示的実施形態では、投与レジメンは、ブリナツモマブ及び/又はブリナツモマブバリアントを、最初、約9μg/日の用量で投与し、患者内用量をだいたい7日間隔で約28μg/日、約56μg/日又は約112μg/日の最大用量まで用量漸増することを含む。最大用量に到達した後は、その用量を第1の治療サイクル又は第1のコンソリデーションサイクルが完了するまで持続させる。
【0212】
ある特定の実施形態では、対象は非経口投与、例えば、ブリナツモマブ及び/又はブリナツモマブバリアントを含む医薬の静脈内(IV)注入(例えば、持続静脈内注入(CIVI)を介して)を施される。
【0213】
ある特定の例示的実施形態では、ブリナツモマブ及び/又はブリナツモマブバリアントは、注射用減菌水での再構成に続くIV注入のために無菌無保存剤白からわずかに灰色がかった白の凍結乾燥粉末を含有する4mLの使い捨てガラス注射バイアルとして提供される。ブリナツモマブの標準的市販のバイアルは35μg(呼び容積は38μg)である。特定の実施形態では、バイアルは3mLの減菌水(例えば、洗浄用減菌水)で再構成して、濃度12.5μg/mLの溶液を提供する。次に、12.5μg/mLの溶液は、投与前に用量及び最終投与容積に依存する濃度までさらに希釈することが可能である。
【0214】
再構成溶液は、0.9%のNaCl及び製品特有の安定化剤(IV溶液安定化剤)を含有する注入バッグに添加される。IV溶液安定化剤は、注入成分の表面へのブリナツモマブの吸着を防ぐように機能する。IV溶液安定化剤は、無菌無保存剤透明無色からわずかに黄色の液体濃縮物として10mLの使い捨てガラス注射バイアルで供給される。
【0215】
一部の実施形態では、ブリナツモマブ及び/又はブリナツモマブバリアントの選択された用量はIV注入により、例えば、CIVIにより投与される。一実施形態では、ブリナツモマブ及び/又はブリナツモマブバリアントの選択された用量は、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間又は約24時間の期間をかけてCIVIにより投与される。特に例示的な実施形態では、ブリナツモマブ及び/又はブリナツモマブバリアントの選択された用量は、24時間の期間をかけた持続注入としてCIVIにより投与される。
【0216】
ある特定の例示的実施形態では、患者が、(1)最初の若しくは後の治療に対して難治性である;(2)最初の若しくは後の再発であり少なくとも2回以前に治療を受けている(そのうちの1つは最前線の治療が可能である);又は(3)自家性造血幹細胞移植(HSCT)後再発している組織学的に確認されたDLBCLを有する場合、患者は本発明の併用療法を用いて治療するために選択される。
【0217】
本明細書に記載されている医薬は、第1の容器及び第2の容器並びに添付文書を含むキットとして提供され得る。第1の容器は、少なくともブリナツモマブ及び/又はブリナツモマブバリアントを含有し、第2の容器は、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/又はこれらの抗原結合断片を含む少なくとも1用量の医薬を含有する。キットは、医薬を使用してがんについて患者を治療するための説明書を含む、添付文書又はラベルを任意選択的に含んでもよい。第1の容器及び第2の容器は、同じ又は異なる形状(例えば、バイアル、注射器及びボトル)及び/又は材料(例えば、プラスチック又はガラス)から構成されてもよい。キットは、希釈剤、充填剤、IVバッグ及び導管、輸血ポンプ、針並びに注射器などの、医薬を投与するのに有用でありうる他の材料をさらに含んでいてもよい。キットの一部の好ましい実施形態では、説明書は、医薬が、DLBCLを有する患者を治療する際の使用を意図することを記載している。
【0218】
医薬組成物
本発明は、下記に記載されている予防的治療及び/又は治療的治療のための上記の薬剤の使用に関する。したがって、本発明のブリナツモマブ及び/若しくはブリナツモマブバリアント、並びに/又はペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/若しくはこれらの抗原結合断片は投与に適した医薬組成物中に組み込むことが可能である。そのような組成物は典型的には、ブリナツモマブ及び/若しくはブリナツモマブバリアント、又はペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/若しくはこれらの抗原結合断片並びに薬学的に許容される担体を含む。本明細書に使用されている場合、「薬学的に許容される担体」という言語は、薬学的投与に適合する、任意及び全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤などを含むことが意図される。薬学的に活性な物質のためのこのような媒体及び薬剤の使用は、当該技術分野において周知である。任意の従来の媒体又は薬剤が活性化合物と不適合であることを除いて、組成物におけるこれらの使用が意図される。補助活性化合物も組成物に組み込まれてもよい。
【0219】
本発明の医薬組成物は、この意図される投与経路と適合するように製剤化される。投与経路の例には、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、腹腔内、筋肉内、経皮(局所)及び経粘膜投与が含まれる。非経口、皮内又は皮下適用のために使用される溶液又は懸濁液は、以下の成分:注射用水、生理食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒のような滅菌希釈剤;ベンジルアルコール又はメチルパラベンのような抗菌剤;アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムのような酸化防止剤;エチレンジアミン四酢酸のようなキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩のような緩衝剤及び塩化ナトリウム又はデキストロースのような等張性を調節するための薬剤を含んでもよい。pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムのような酸又は塩基により調整され得る。非経口製剤は、ガラス又はプラスチックから作製されたアンプル、使い捨て注射器又は複数回用量バイアル中に封入され得る。
【0220】
注射用途に適した医薬組成物には、滅菌水溶液(水溶性の場合)又は分散液及び滅菌注射用溶液又は分散液の即時調製のための滅菌粉末が含まれる。静脈内、IS、ICV及び/又はIT投与に関して、適切な担体には、生理食塩水、静菌水、Cremophor ELTM(BASF、Parsippany、N.J.)又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が含まれる。全ての場合、組成物は無菌でなければならず、容易な注射可能性(syringability)が存在する程度まで流動性でなければならない。これは製造及び保存の条件下で安定であるべきであり、細菌及び真菌のような微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコールなど)及びこれらの適切な混合物を含有する溶媒又は分散媒であってもよい。適切な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティングの使用によって維持され得、分散液の場合に必要な粒径のメンテナンスによって維持され得、界面活性剤の使用によって維持され得る。微生物の作用の阻止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって達成され得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールのような多価アルコール、塩化ナトリウムを組成物中に含むことが好ましい。注射用組成物の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物中に含めることによってもたらされ得る。
【0221】
投与の容易性及び投薬の均一性のために投薬単位形態において非経口組成物を製剤化することが特に有益である。本明細書に使用されている場合、投薬単位形態とは、治療される対象のための単位投薬として適した物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要とされる医薬担体と関連して所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含有する。本発明の投薬単位形態についての仕様は、活性化合物の特有の特徴及び達成されるべき特定の治療効果並びに個体の治療のためにこのような活性化合物を配合する技術に固有の制限によって決定され、これらに直接依存する。
【0222】
医薬組成物は、投与のための任意選択の説明書と一緒に、容器、パック又はディスペンサーに含まれ得る。
【0223】
本発明の医薬組成物は、局所的治療又は全身的治療が望まれるかどうかに依存して、及び治療される領域に依存して多くの手段において投与され得る。投与は、腫瘍内であってもよく、又は非経口であってもよい。非経口投与には、静脈内点滴、皮下、腹腔内又は筋肉内注射、髄腔内又は脳室内投与が含まれる。
【0224】
一実施形態では、ブリナツモマブ、ブリナツモマブバリアント、ペンブロリズマブ、ペンブロリズマブバリアント及び/又はこれらの抗原結合断片を含む組成物の単位用量又は計測用量は、埋め込みデバイスにより分注される。デバイスは、対象内のパラメータをモニターするセンサを含んでもよい。例えば、デバイスは、浸透圧ポンプのようなポンプ及び任意選択的に関連する電子機器を含んでもよい。
【0225】
本明細書に開示されている実施形態の範囲から逸脱することなく、適切な等価物を使用して、本明細書に記載されている方法の他の適切な修飾及び適応が行われ得ることは当業者に容易に理解される。ここである特定の実施形態を詳細に記載したが、例示の目的のみのために含まれ、限定することを意図していない以下の実施例を参照することによって、これらはより明確に理解される。本明細書に記載されている全ての特許、特許出願及び参考文献は、全ての目的のためにこれらの全体が参照により組み込まれる。
【実施例0226】
[実施例1] 再発した又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を抱える成人対象においてペンブロリズマブと組み合わせたブリナツモマブの安全性及び有効性を調べる第1相b非盲検研究
【0227】
要約
本研究の主目的は、再発した又は難治性の(r/r)DLBCLを抱えた成人対象においてペンブロリズマブと組み合わせたブリナツモマブの最大耐量(MTD)を決定することである。本研究の第2の目的は、r/rDLBCLを抱えた成人対象においてペンブロリズマブと組み合わせたブリナツモマブの安全性、有効性、及び薬物動態(PK)を評価することである。
【0228】
覆っている仮説は、ペンブロリズマブと組み合わせたブリナツモマブがr/rDLBCLにおいて許容できるというものである。
【0229】
主要エンドポイントは、用量規制毒性(DLT)の発生率である。二次エンドポイントは:チェソン基準(2007年)による奏効率(ORR);チェソン基準による完全奏功(CR);ORR、CR、及び部分応答(PR)による奏功期間(DOR);PFS;OS;ブリナツモマブPKパラメータ;及びペンブロリズマブPKパラメータである。安全性エンドポイントは有害作用の発生率及び重症度である。
【0230】
これは、r/rDLBCLにおけるブリナツモマブとペンブロリズマブの組合せを検査する非盲検多施設第1相b研究である。本研究は2つの部分からなる。パート1(n=6~50)は、ローリング6デザインにおけるペンブロリズマブと組み合わせた3つまでの異なるブリナツモマブ目標用量レベル及びブリナツモマブの3つまでのスケジュールの安全性を検査する(表2参照)。用量レベル評価チーム(DLRT)は安全性データを審査して考えられる薬物効果及びDLTを評価する。パート2のために最終的に選択される用量ではない対象は研究を通じてずっとその初回用量のままである。パート2(n=36)は、選ばれた目標用量及びスケジュールでのPK、安全性及び予備効力データを評価する拡大コホートからなる。パート2用量は、DLRTにより決定されるパート1からの臨床データの全体性により決定される。
【0231】
【表2】
【0232】
研究デザインは、
- 21日スクリーニング期間;
- 8週間のブリナツモマブ(第1サイクル)の標準(コア)治療期間
- 28日(±3日)間のブリナツモマブ無治療期間後の28日間のブリナツモマブ第2(コンソリデーション)サイクル、これは安定疾患(SD)、PR、又はCRを抱えた対象に投与することが可能である;
- 疾患進行まで又は疾患進行がない場合は35サイクルまでペンブロリズマブ治療:
- コホートIaの対象について研究15日目
又は
-コホートIb、IIb、及びIIIbの対象について研究1日目
又は
- コホートIIa及びIIIaの対象について研究19日目;並びに
-それぞれのプロトコル指定療法の最後の用量から30日(+7日)後の安全性経過観察来診
を含む。
【0233】
生存についての経過観察及びその後の抗がん治療の試料収集は、ペンブロリズマブの最後の用量からおよそ24カ月までの間、次に続くブリナツモマブ安全性経過観察来診のために12週(±28日)ごとに起こる。最大86人に対象が登録される。
【0234】
対象適格基準の要約:本研究は、最初の若しくは後の治療に対して難治性である、又は最初の若しくは後の再発であり少なくとも2回以前に治療を受けている(そのうちの1つは最前線の治療が可能である)、又は自家性HSCT後再発した組織学的に確認されたびまん性大細胞型B細胞リンパ腫を抱え、臓器機能は適切な成人対象を登録しようとする。
【0235】
対象は、リヒタートランスフォーメーション(以前の慢性リンパ性白血病という状況から生じるDLBCL)若しくは原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)を有する又は癲癇、不全麻痺、失語症、脳卒中、重い脳損傷、認知症、パーキンソン病、小脳疾患、器質性脳症候群、若しくは精神病などの臨床的に関連のある中枢神経系(CNS)病変の病歴を有する若しくは存在する又は活性非感染性間質性肺炎のエビデンスがある、又は間質性肺疾患の病歴がある場合には、排除される。
【0236】
ブリナツモマブは持続静脈内注入(CIVI)として投与される。ブリナツモマブ治療の第1のサイクルは持続期間が8週間であり続いて28日(±3日)のブリナツモマブ無治療間隔が置かれる。ブリナツモマブの初回用量は9μg/日になり、目標用量に到達するまで1週間間隔で用量漸増される。対象が継続的研究療法の必要条件を満たす場合、28日(±3日)無治療間隔後に28日持続するブリナツモマブの別のサイクル(サイクル2コンソリデーションサイクル)を受けてもよい。コンソリデーションサイクル投与はブリナツモマブの最初の28日のサイクル1と同じになり、9μg/日で開始して目標用量に到達するまで毎週用量漸増される。
【0237】
ペンブロリズマブ200mgは、コホートIaでは研究15日目に、コホートIb、IIb、及びIIIbでは研究1日目に、コホートIIa及びIIIaでは研究19日目に(3週サイクル)で開始して、3週間ごとに30分間静脈内(IV)投与される。
【0238】
いかなる研究上の具体的手順であれ実施する前に、書面によるインフォームドコンセントを全ての対象又は法的に許容される代表者から得なければならない。以下の手順:病歴、人口統計、東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステイタス、神経学的診察、身長、体重、バイタルサインを含む身体検査、併用薬、有害事象/重篤有害事象評価、疾患関連事象、及び患者報告アウトカム(PRO)評価は評価のスケジュールによって生じる。対象は、評価のスケジュールに概要を述べた時点ごとに放射線評価(脳核磁気共鳴画像(MRI)、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、及びポジトロン断層撮影(PET)スキャン)を受ける。試料は、骨髄生検、腰椎穿刺、ケミストリー、凝固、ヘマトロジー(全血球数(CBC))、免疫グロブリン、尿分析、甲状腺機能検査、クレアチニンクリアランス(CrCl)、及び妊娠検査を含む地方検査室試験のために収集される。対象は、評価のスケジュールに示されている、抗ブリナツモマブ抗体、抗ペンブロリズマブ抗体、免疫パネル、血清サイトカイン、PK(ブリナツモマブ及びペンブロリズマブ)、バイオマーカー分析のためのコア又は摘出生検、PAX遺伝子、及び次世代シーケンシング(NGS)による微小残存病変(MRD)を含む中央検査室試験用の試料をさらに提供する。それぞれの手順のタイミングを含む研究手順の完全リストは、下にさらに記載されており、図3~6に示されている。
【0239】
有効性エンドポイントについての点推定は、カプランマイヤー(KM)四分位値、KM比率、及び二項比率の評価を含む両側95%信頼区間を伴う。非コンパートメント分析により薬物動態が実施される。薬力学的試料は記述統計量によりまとめられる。
【0240】
疾患
免疫表現型検査は必須の診断法であり、この方法によりDLBCLを確認することができ、DLBCLを胚中心(GC)タイプ(分化(CD)10+又はCD10-のクラスター、B細胞リンパ腫6タンパク質(BCL6)+マウスモノクローナル(MUM1-))と非GCタイプ(CD10-、BCL6-又はCD10-、BCL6+、MUM1+;Hansら、2004年)にさらに分けることが可能になる。ハンスアルゴリズムによる胚中心/非GC層別化は価値のある予後情報を提供するが、基礎資料は、プレリツキシマブ時代に治療を受けた患者に主に由来している。その予後値はシクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾン(CHOP)単独とは対照的な免疫化学療法で治療を受けた患者においてはそれほどはっきりしない(Nymanら、2007年)。代わりに、予後の差別化は、DLBCLをGCタイプ、活性化B細胞(ABC)タイプ及び原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)にも細分する遺伝子発現プロファイリング(Rosenwaldら、2002年)を用いて達成することが可能である。GCとABCサブタイプの間の予後層別化は、免疫化学療法を受ける患者において依然として有効である(Lenzら、2008年)。
【0241】
GC様リンパ腫はおそらく正常なGC B細胞から生じ、t(14;18)転ざ、ホスファターゼテンシンホモログ(PTEN)の欠失、マイクロリボ核酸(RNA)クラスター-17-92(miR-17-92)の増幅、及びタンパク質53(p53)突然変異を伴う。ABCリンパ腫はポストGC B細胞に由来すると考えられており、核内因子カッパB(NFκB)及びヤヌスキナーゼ(JAK)シグナル伝達経路の活性化を特徴とする(Lenz and Staudt、2010年)。
【0242】
国際予後指標(IPI)及び年齢調整IPI(aaIPI)は臨床要因に基づいて転帰を予測するためのモデルとして開発されてきた(The international NHL prognostic factors project、1993年)(表3)。
【0243】
【表3】
【0244】
aaIPIは臨床試験の層別化及び分析に広く使用されている。IPIについてのデータはプレリツキシマブ時代に由来しており、免疫組織化学が最前線治療において使用されると、IPIは一部のシリーズではそれほど予測的ではないと思われる(Sehnら、2007年)が、他のシリーズではそうではない(Ziepertら、2010年)。改訂版がポストリツキシマブ時代に開発されており、現在まだ評価段階にある(Sehnら、2007年)。
【0245】
論理的根拠
PD-L1と可溶性PD-L1発現の両方はDLBCLにおいて報告されており、これらのリガンドの発現は劣った予後と相関関係があった(Andorskyら、2011年)。ペンブロリズマブを含む免疫チェックポイント阻害剤は血液系腫瘍において活発に研究されつつあり、DLBCLを含むリンパ腫において単剤活性を示している(Kiyasuら、2015年;Lesokhinら、2016年)。KEYNOTE013治験は現在、DLBCL対象のコホートにおいてペンブロリズマブを試験中である。
【0246】
さらに、ブリナツモマブの前臨床試験は、BiTE(登録商標)媒介療法に対する抵抗性の潜在的機序としてPD1/PD-L1軸の関与を確認している。r/rALLでは、PD-L1の上方調節がブリナツモマブを受けた患者のリンパ芽球上で観察されており(Kohnkeら、2015年)、PD1/PD-L1軸のインビトロ遮断によりCD33/CD3 BiTE(登録商標)抗体構築物AMG330による急性骨髄性白血病(AML)細胞の溶解が増強された(Krupkaら、2016年)。これらのデータに則して、個々のT細胞リガンドを異所的に過剰発現するように操作されたAML細胞株を使用して、Lazloらは、PD L1及びPD L2の発現がAMG330の抗白血病活性を著しく低減することを実証した(Lazloら、2015年)。同様に、Kenderianら(2016年)は、原発性AML試料をCD123キメラ抗原受容体t細胞(CAR-T)又はCD-33 CAR-Tと一緒にインキュベートすると、AML T細胞上でPD-1が及びAML芽球上でPD L1が著しく上方調節されることを明らかにした。AML異種移植片モデルを使用して、彼らは、ブロッキングPD-1抗体プラスCD-33又はCD-123 CAR-Tの組合せが、著しい延命生存により単剤の抗白血病活性を増強することを実証した。PD1及びPD-L1とCEA BiTEとのインビトロ二重遮断により固形腫瘍状でのBiTEの細胞傷害活性が増強された(Osadaら、2015年)。最後に、ALLに罹った小児科患者では、白血病芽球上でPD-L1の発現が増加していることが示され、ブリナツモマブとペンブロリズマブの併用治療は実行可能であり、ALL再発alloHSCTを抱えた小児科患者で応答を誘導した(Feuchtingerら、2015年)。まとめると、これらのデータから、ペンブロリズマブは、内在性腫瘍抗原に対するポリクローナル免疫応答の制御を解くことも並びにブリナツモマブにより誘発されるCD-19特異的免疫応答を増強することもでき、潜在的に相乗効果をもたらすことが示唆される。
【0247】
ペンブロリズマブ用量選択
この治験において研究する予定のペンブロリズマブの用量は200mg Q3Wである。メラノーマ対象の治療について米国及び他のいくつかの国において最近承認された用量は2mg/kg Q3Wである。200mg Q3Wを選択する論理的根拠に関する情報は下に要約している。
【0248】
KEYNOTE-001では、単剤療法として投与された場合のペンブロリズマブの安全性、許容性、PK及び薬力学(PD)、並びに抗腫瘍活性を評価するための非盲検第1相試験を行った。この治験の用量漸増部分は、2週間ごとに(Q2W)投与される3つの用量レベル、1mg/kg、3mg/kg及び10mg/kgを評価し、用量拡大コホートは、進行固形腫瘍を抱えた対象において2mg/kg Q3W及び10mg/kg Q3Wを評価した。全ての用量レベルが十分に許容され用量規制毒性は観察されなかった。ペンブロリズマブのこのヒトでの初回研究は、全ての用量レベルでのターゲットエンゲージメントのエビデンス及び腫瘍量低減の客観的エビデンスを示した。MTDは確認されていない。さらに、2mg/kg対10mg/kg Q3Wの用量でペンブロリズマブを受けたメラノーマ対象の2つのランダム化されたコホート評価が完了しており、10mg/kg Q3W対10mg/kg Q2Wを評価する1つのランダム化されたコホート評価も完了している。臨床効果及び安全性データは、用量による有効性又は安全性プロファイルに重要な差違がないことを示している。
【0249】
総合された多くのエビデンスによれば、3週間ごと(Q3W)の200mgは、2mg/kg Q3W、10mg/kg Q3W及び10mg/kg Q2Wに類似する応答を提供すると予想されることが示唆される。以前、2mg/kg~10mg/kg用量の範囲で、有効性及び安全性についての均一なペンブロリズマブ曝露応答関係がメラノーマを抱えた対象において見出された。200mg Q3Wの曝露はこの範囲内にあると予想され、2mg/kg Q3W用量で得られた曝露に近くなる。
【0250】
曝露に対する体重及び他の患者共変数の影響を特徴付ける、集団薬物動態(PK)モデルが開発されている。ペンブロリズマブのPKプロファイルは他のヒト化モノクローナル抗体のPKプロファイルと一致しており、後者の抗体は典型的には低いクリアランス及び限定された分布容積を有する。200mg固定用量からの曝露分布は、2mg/kg用量で得られる曝露分布とかなり重なると予想され、重要なことに、最大臨床応答に関連するメラノーマにおいて確立された曝露範囲内で個々の患者の曝露を維持する。ペンブロリズマブの薬物動態特性と特に、クリアランス及び分布容積における体重依存性は一致しており、固定された投与と比べて体重ベースの投与に意味のある利点はない。
【0251】
他の腫瘍徴候に移しかえると、メラノーマを抱えた対象において観察される有効性及び安全性についての類似する均一な曝露応答関係を予想可能である。なぜならば、ペンブロリズマブの抗腫瘍効果は、腫瘍細胞との直接的相互作用を通じてというよりむしろ免疫系活性化を通じて推進され、ペンブロリズマブを特定の腫瘍タイプと無関係にしているからである。さらに、メラノーマ、NSCLC、及び他の腫瘍タイプを抱えた対象において入手可能なPK結果は、腫瘍タイプによる試験された用量で得られた薬物動態曝露に意味のある差違がないことを支持している。したがって、200mg Q3W固定用量レジメンは、他の腫瘍徴候についても同様に適切な固定用量であると考えられる。
【0252】
固定用量レジメンにより、投与レジメンは簡素化されて医師にとりより都合よくなり、投与エラーの可能性を減らす。固定投与計画は、治療施設での物流チェーンの複雑さを低減し廃棄物も減らす。既存のデータによれば、ペンブロリズマブについては適切な用量として200mg Q3Wが示唆される。
【0253】
ブリナツモマブ用量選択
3つの目標用量は、最も低いブリナツモマブ目標用量の28μg/日で開始する用量漸増デザインにおいてパート1で潜在的に試験され、安全な組合せ用量を確認することに主に焦点を合わせている。ブリナツモマブは、適切な目標用量に到達するまで段階的に漸増される。この投与パラダイムは、ブリナツモマブが単剤療法として試験された第1相研究MT103-104NHL(DLBCLを含む)及びDLBCLにおける第2相研究MT103-208からの安全性及び有効性データに基づいている。
【0254】
ブリナツモマブのステップ投与は、過剰なT細胞活性化及びサイトカイン放出に伴う有害事象の可能性を軽減するように実行された。ブリナツモマブは、血清サイトカイン、特にIL-6、IL-10、及びIFN-γの一過性上昇を伴っており、サイトカイン上昇は主に、初回用量のブリナツモマブに続く最初の2日間以内に起きた(Armandら、2013年)。
【0255】
したがって、サイトカイン放出症候群(CRS)及び神経学的事象などのT細胞活性化及びサイトカイン放出に潜在的に関係する有害事象は、ブリナツモマブ治療の開始時間に頻度が多くなる。段階的投与は、サイトカイン放出を減弱し以前の研究(MT103~104及びMT103~208)におけるそうした事象の発生率/重症度を下げることが明らかにされている。
【0256】
MT103~208研究では、グレード3又はそれよりも高い神経学的な治療発現有害事象(TEAE)が段階的投与を受けた対象の21.7%及び均一投与を受けた対象の100%で報告され、作用発現までの中位時間は18日であった。MT103~208ではCRSは報告されなかったが、r/rALLにおいて研究MT103-211で対象の2%においてグレード3CRSが報告されており、作用発現までの中位時間は2日であった。
【0257】
パート2は、適正な安全性を確保するための拡大コホートからなり、PKデータが収集される。ブリナツモマブ目標用量は、パート1からの安全性データに基づくことになる。
【0258】
CRS及び神経学的事象のリスクを最小限に抑えるため、全ての患者はブリナツモマブ注入開始及び用量増加ごとに予防的デキサメタゾンを受け:注入の6~12時間及び1時間前に経口的に20mg。CRSの徴候が出た場合は、デキサメタゾンは72時間までの間1日3回経口的に8mg与えられる。
【0259】
設計及びブリナツモマブ漸増/段階的縮小ルール
パート1
パート1では、コホート1aの対象登録は図1において図式で概要が述べられている。ブリナツモマブは持続静脈内注入(CIVI)として8週間投与された。初回用量は9μg/日であり、用量は7日後に目標用量の28μg/日まで漸増された。コホート1aの状態概要は図9に示されている。一人の対象の概要(コホート1a)は図10に示されている。
【0260】
許容性に応じて、ブリナツモマブの目標用量はコホートIIa及びIIbでは最大112μg/日まで増加され、コホートIIIa及びIIIbでは56μg/日までの段階的縮小が考えられる。ペンブロリズマブは、コホートIaにおいて研究15日目に開始してQ3Wで200mg静脈内(IV)注入により投与され、コホートIb、IIb、及びIIIbでは研究1日目に開始され、コホートIIa及びIIIaでは研究19日目に開始される。
【0261】
臨床試験用医薬品(IP)中止についての基準を満たさない対象は、28日(±3日)ブリナツモマブ無治療間隔後の28日のCIVIからなるブリナツモマブ(コンソリデーション)の第2サイクルに適格である。ブリナツモマブは9μg/日で開始され、割り当てられたコホートにおけるブリナツモマブの最大目標用量まで7日ごとに漸増される。
【0262】
対象はパート1に登録され、コホートあたり6人までの対象が登録される。いかなるコホートでも、適正な許容性を仮定して(≦1 DLT)、適正な安全性を確保するため10人までの対象を登録してよく、PKデータが収集される。コホートを拡大する決定はDLRTにより行われる。
【0263】
ブリナツモマブのMTDは、6人の対象の1人以下がDLT又は最大投与量(MAD)を経験する用量レベルと定義される。試験されるMADは112μg/日である(コホートIIa及びIIb)。MTDは研究の停止規則を定義する。パート1において目標用量に到達する前に治療を中止する対象は置き換えられる。
【0264】
DLRTはパート1において入手可能なデータを審査して、DLT基準により定義された場合に、一般リスク対利益比を考慮に入れて、ブリナツモマブが安全で許容可能かどうかを判定する。DLRTは、以下の基準:2人以上の対象がコホートにおいてDLTを経験済みである;6人の対象がコホートに登録されており対象全てがDLT観察期間を終了している;のいずれかが満たされた場合には出会うことになり、コホートが10まで拡大される事象では、DLRTは全ての対象がDLT観察期間を終了した後も出会うことができる。
【0265】
臨床データの完全性に基づいて、さらに多くのデータのコレクションが保証されていると思われる場合には、DLRTはコホートを最大10対象まで拡大することを勧告してもよい。
【0266】
パート2
パート2では、投与はブリナツモマブとペンブロリズマブの組合せの安全性及びDLRTによりパート1で確立されたブリナツモマブのMTDに基づいて決定される。パート2は、安全性及びPKデータをさらに収集し並びにブリナツモマブとペンブロリズマブの組合せの有効性の仮見積を提供するための拡大コホートからなる。用量規制毒性は、25%の予め定義された閾値に到達しないことを保証するためモニターされる。この閾値に到達した場合は、DLRTには、入手可能なデータの全体性に基づいて第1相パート1で試験された別の用量/スケジュールに変更する決定権がある。DLT境界線及び研究エンドポイントの詳細は下で考察される。
【0267】
組入れ基準
本治験への参加に適格であるためには、対象は以下の基準を満たさなければならない:対象はいかなる研究上の具体的手順であれ開始前に書面によるインフォームドコンセントを提供している;インフォームドコンセント時に年齢が18歳以上である;最初の若しくは後の治療に対して難治性である、又は最初の若しくは後の再発であり少なくとも2回以前に治療を受けている(そのうちの1つは最前線の治療が可能である)、又は自家性HSCT後再発した組織学的に確認されたDLBCLを有する;スパイラルコンピュータ断層撮影(CT)スキャンを用いて少なくとも2次元で正確に測定可能な少なくとも1つの病変と定義される測定可能な疾病を有する(最小測定値は最長径で>15mm又は短軸で>10mmでなければならない);適正な臓器機能を示す;つい最近の前の化学療法の毒作用(複数可)がグレード1以下まで解消している(脱毛を除いて)(対象が大きな手術又は>30Gyの放射線療法を受けた場合は、介入治療由来の毒性及び/又は合併症から回復していなければならない);出産可能性のある女性対象は研究療法の最初の用量を受ける前の72時間以内に陰性尿又は血清妊娠検査を受けなければならない(尿検査が陽性である又は陰性であると確認できない場合は、血清妊娠検査が必要となる);出産可能性のある女性対象は、研究療法の最後の用量後120日間の研究過程では適切な避妊法を進んで使用しなければならない(禁欲は、対象にとってこれが通常の生活スタイルであり好ましい避妊法である場合には、受け入れられる);出産可能性のある男性対象は、研究治療の最初の用量から開始して研究治療の最後の用量後120日間ずっと適切な避妊法を使用することに同意しなければならない(禁欲は、対象にとってこれが通常の生活スタイルであり好ましい避妊法である場合には、受け入れられる);米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)活動指標≦2;審査官の意見で平均余命≧12週;及び対象は、治療開始前に評価可能なコア又は摘出生検を提供できなければならない(難治性疾患では、研究治療初日の3カ月前までに収集した生検組織が受け入れられる;再発疾患では、研究治療初日の28日前までに収集した生検が受け入れられる)。
【0268】
除外基準
以下の除外基準のいずれかを満たす対象は本研究に参加する資格はない:リヒタートランスフォーメーション(以前の慢性リンパ性白血病という状況で生じるDLBCL)又はPMBCL;癲癇、不全麻痺、失語症、脳卒中、重い脳損傷、認知症、パーキンソン病、小脳疾患、器質性脳症候群、又は精神病などの臨床的に関連のあるCNS病変の病歴を有する若しくは存在する;治癒目的で施される局所療法に適している疾患を有する;別の治験用医療機器又は薬物研究において現在治療を受けている又は別の治験用医療機器又は薬物研究(複数可)での治療を終わらせて以降30日未満。30日は、プロトコル指定治療の1日目から計算される;免疫不全の診断を受けている又は全身ステロイド治療(プレドニゾン等価物を毎日10mg以上投与中)若しくはプロトコル指定治療の最初の用量前の7日以内に任意の他の形態の免疫抑制治療を受けている(副腎皮質ステロイドの生理学的用量の使用はスポンサーとの相談後に承認されてもよい);研究治療の初日前の30日以内に前抗がんモノクローナル抗体を投与されている又は28日を超えて前に投与された薬剤に起因する有害事象から回復していない(すなわち、≦グレード1又はベースラインで);研究治療の初日前の14日以内に前化学療法、標的低分子療法、若しくは放射線療法を受けている又は以前投与された薬剤に起因する有害事象から回復していない(すなわち、≦グレード1又はベースラインで)(≦グレード2神経障害又は≦グレード2脱毛症の対象はこの基準の例外であり、本研究を受ける資格がありうる);この5年又は5年より長い期間以内に前同種間HSCTを受けたことがあるが全身治療が必要な活性宿主片対宿主病(GvHD)に罹っている;治療開始前6週間以内に同種間HSCTを受けている;研究治療の初日の前14日以内に血液製剤(血小板又は赤血球を含む)の注入又はコロニー刺激因子(顆粒白血球刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、又は組換え型エリスロポエチンを含む)の投与を必要としたことがある;治癒目的で治療されており、登録前の≧3年間存在し治療医師により再発のリスクは低いと感じられている既知の活動性疾患がない悪性腫瘍、疾患の所見なしで適正な治療を受けた非メラノーマ性皮膚がん又は悪性黒子、疾患の所見なしで適正な治療を受けた子宮頸部上皮内癌、疾患の所見なしで適正な治療を受けた乳管上皮内癌、前立腺がんの所見なしの前立腺上皮内腫瘍、又は適正な治療を受けた尿路上皮乳頭非侵襲性癌若しくは上皮内癌は別としてこの3年以内に他の悪性腫瘍の病歴がある;既知の活動性のCNS転移及び/又は脳軟膜転移癌を有する(以前治療を受けた脳転移のある対象は、安定であり(治験治療の最初の用量の前少なくとも28日間画像化(評価ごとに同一画像診断法、磁気共鳴画像法(MRI)又はCTスキャンを使用して)による進行の所見がなく、いかなる神経症状もべースラインに戻っている)、新たな又は増大している脳転移の所見がなく、プロトコル指定療法の前少なくとも7日間ステロイドを使用していないのであれば参加しうる-この例外は臨床安定性とは無関係に除外される脳軟膜転移癌を含まない);この2年間全身治療を必要としたことがある(すなわち、疾患修飾薬、副腎皮質ステロイド又は免疫抑制薬を使用して)活動性の自己免疫疾患を有する(補充療法(例えば、副腎又は下垂体機能不全、等のためのチロキシン、インスリン、又は生理副腎皮質ステロイド補充療法)は全身治療の一種とは見なされていない);ステロイドを必要とした(非感染性)間質性肺炎の病歴又は進行中の間質性肺炎を有する;間質性肺疾患の病歴がある;全身治療を必要とする制御されていない活動性の感染症を有する;妊娠している若しくは母乳で育てている、又はスクリーニング来診から開始して治験治療の最後の用量後120日間ずっと治験の予測持続期間内で子供を宿す若しくは父親になると予想している;抗PD-1、抗PD-L1、若しくは抗PD-L2剤を用いた前治療を受けている又は対象が以前Merck MK-3475(ペンブロリズマブ)臨床試験に参加したことがある場合;前に抗CD19標的療法を受けたことがある;免疫グロブリン又は研究薬物製剤の任意の他の成分に対し既知の過敏症である;ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の既知の病歴(HIV 1及び/又はHIV 2抗体)がある;既知の活動性B型肝炎(例えば、B型肝炎抗原(HBsAg)反応性)又はC型肝炎(例えば、HCV RNA(定性的)が検出される)を有する;プロトコル指定療法の計画された開始の30日以内に生ワクチンを受けたことがある;対象は全てのプロトコル要求研究来診又は手順を完了し、並びに/又は対象及び研究者が知る限りの全ての必要な研究手順に応じるのに対応できそうにない;又は相談された場合、研究者又は医師の意見では、対象の安全にとり危険となる又は研究評価、手順若しくは完了を妨げると考えられる任意の他の臨床的に重要な障害、状態若しくは疾患(上で概説された疾患は除いて)の病歴若しくは所見。
【0269】
治療手順
ブリナツモマブは、注射用減菌水での再構成に続くIV注入のために無菌無保存剤白からわずかに灰色がかった白の凍結乾燥粉末を含有する4mLの使い捨てガラス注射バイアルとして供給される。ブリナツモマブの再構成及び注射に必要な注射用減菌水及び補給品は臨床現場には提供されない。
【0270】
持続静脈内注入(CIVI)用のブリナツモマブを調製するため、凍結乾燥粉末は注射用減菌水で再構成する。再構成溶液は、0.9%のNaCl及び製品特有の安定化剤(IV溶液安定化剤)を含有する注入バッグに添加される。IV溶液安定化剤は、注入成分の表面へのブリナツモマブの吸着を防ぐように機能する。IV溶液安定化剤は、無菌無保存剤透明無色からわずかに黄色の液体濃縮物として10mLの使い捨てガラス注射バイアルで供給される。
【0271】
ブリナツモマブはCIVIとして投与される。注入バッグはプロトコルの及びブリナツモマブの適切な投与の訓練を受けた現場看護又は在宅医療職員が交換する。ブリナツモマブ治療の最初のサイクルは8週間の持続時間である(図1参照)。
【0272】
最初のサイクルに続いて28日(±3日)ブリナツモマブ無治療間隔が置かれる。次に、ブリナツモマブ無治療間隔後の中止の基準を満たさない対象は、28日持続期間のブリナツモマブのコンソリデーションサイクル(サイクル2)を受けることができる。サイクル1とコンソリデーションサイクルの両方において、ブリナツモマブの初回用量は9μg/日になり、目標用量に到達するまで7日の間隔で用量漸増される。投与とスケジュールは下に概要を述べる。
【0273】
薬物投与は可能であれば中断すべきではない。任意の技術的な又は物流上の理由に起因する注入中断の場合には、中断はできる限り短く注入はできる限り早期に再開するべきである。1時間を超える全ての中断は文書で記録するべきである。デキサメタゾン前投薬の投与は下に記載される通りに起こる。注入が中断された場合、可能であれば、全注入時間は最初のサイクルで56日又は第二のサイクルでは28日に等しくなるべきである。
【0274】
意図されたブリナツモマブ用量よりも最大10%多い用量(1日あたり)は特定の介入を必要としないことがある。過量投与又は投薬過誤の場合、注入は直ちに停止すべきである。標準医療行為に従ったルーチンな支持及び対症治療が推奨される。対象が落ち着きブリナツモマブに起因する臨床関連安全性所見が観察されなくなった後は、Amgen医療モニターとの相談後、正しい用量でのブリナツモマブの再開を検討することが可能である。
【0275】
ブリナツモマブでは、意図された用量よりも10%より多い用量は臨床的に重要であると見なされ、「他の医学的に重要な重大事象」の基準の下で重大有害事象として分類される。過量投与によりさらに有害事象(複数可)が生じた場合、対象は毒性の徴候が全て解消するまで慎重に経過観察されるべきであり、有害事象(複数可)はプロトコルのセクション9により記録される/報告されるべきである。
【0276】
プロトコル指定療法の用量、開始及び停止日付/時間、並びにロット番号はそれぞれの対象のCRFに記録されることになる。注入バッグ交換の日付と時間、全ての注入開始及び停止時間、並びにいかなる用量修正も正確に記録されるべきである。
【0277】
用量を減らされた対象は、有害事象が少なくとも7日間グレード1以下まで解消した後は、その割り当てられた用量コホート内でもっと高い用量レベルまで再漸増する選択肢がある。
【0278】
注入の再開は研究者の監督の下病院で実施されるべきである。ブリナツモマブを再開する前には、デキサメタゾンの前投薬は表7に記載される通りに施すべきである。再開後、対象は考えられる副作用について、該当する場合、病院で又は外来患者環境で夜通し観察されるべきである。
【0279】
上記の事象に加えて、用量は、研究者の判断によりそれが安全性の理由で必要な場合には、一時的に又は恒久的に減らしてもよい。
【0280】
減少レベルでの少なくとも7日間の投与後、用量は次のもっと高い用量レベルまで再び増やしてもよい。ブリナツモマブに関係する有害事象に起因する14日間を超える注入中断の場合は、治療は永久的に中止される。物流上の困難の場合には、治療を永久的に中止せずに治療の再開はさらに7日間まで延期することが可能である。臨床的/実験的有害事象が、何か医学的に関連があると見なされた場合には、治療は研究者の裁量で中断する又は永久的に中止してもよい。
【0281】
サイトカイン放出の徴候が出た場合には、デキサメタゾンを最大3×8mg/日の用量で72時間まで経口的に又はIVに投与しなければならない。
【0282】
ペンブロリズマブ投与量、投与、及びスケジュール
治験治療は対象を割り付けた/割り当てた日付のできるだけ近くで始めるべきである。この治験で使用するペンブロリズマブ治療は下の表4に概要を述べている。
【0283】
コホートIaについてのペンブロリズマブ投与のスケジュール及び関連する評価は図3及び4に提供され、コホートIb、IIb、及びIIIbについては図5に提供され、コホートIIa及びIIIaについては図6に提供されている。ペンブロリズマブは30分間IV注入を使用して200mgの用量として投与される。現場は注入のタイミングをできる限り30分に近づけるようあらゆる努力をすべきである。しかし、注入ポンプが現場によって変わりやすいことを考慮すると、-5分~+10分の時間枠が認められる(すなわち、注入時間は30分-5分/+10分である)。
【0284】
本治験では、ペンブロリズマブの過量投与は、ペンブロリズマブの≧1000mg(5倍用量)と定義される。ペンブロリズマブの過量投与の治療に関しては具体的な情報は入手できていない。ペンブロリズマブの過量投与の事象では、対象は毒性の徴候について非常に注意深く観察されるべきである。臨床的に必要であれば、適切な支持治療が提供されるべきである。
【0285】
【表4】
【0286】
デキサメタゾンを用いた強制的前投薬は、ブリナツモマブ治療から生じるCRSの予防のためにそれぞれの治療サイクル及び投与ステップの6~12時間及び1時間前に必要とされる。デキサメタゾン前投薬は、有害事象又は技術的/物流上の問題に起因する投与中断後にブリナツモマブを再開する前にも必要とされる。詳細については表5を参照されたい。
【0287】
【表5】
【0288】
ブリナツモマブは、対象が治療を受けている国の適切な監督官庁により使用の承認を受けた注入ポンプを使用して投与しなければならない。溶液用のブリナツモマブ注入はIV注入用のバッグで準備され注入ラインを通じて送達されるが、これらは両方ともIPIMに記載される臨床試験用医薬品と適合性である。注入用のブリナツモマブ最終溶液は、いかなる時もポンプと接触するべきではない。
【0289】
研究手順
評価のスケジュール
図3~6はそれぞれの来診で必要になる手順の概要を描いている。
【0290】
疾患の評価基準
抗腫瘍活性は、悪性リンパ腫基準についての改訂版応答基準を使用して評価される(Chesonら、2007年)(図7)。国際作業部会基準は、疾患応答の評価のための主要尺度として及び疾患状態に関係するあらゆるプロトコルガイドライン(例えば、研究治療の中止)の基礎として現場により適用される。
【0291】
抗腫瘍活性は、ルガノ分類を使用する探索的解析の一部として独立した中央判定によっても評価される(Chesonら、2014年)。CT/PETによるリンパ腫応答評価は、悪性リンパ腫についての国際作業部会応答基準に基づいている(Chesonら、2007年)。チェソン分類を使用する局所的読取り(現場放射線学読取りを用いた研究者評価)を使用して対象適格性及び対象管理について決定する。スポンサーは、放射線画像及び対象適格性の遡及的分析も受け、治療応答は中心的供給元が実施してもよい。中心的供給元がルガノ分類とチェソン分類の両方を使用してリンパ腫応答を評価する。リンパ腫B症状の評価はそれぞれのリンパ腫疾患応答評価とともに生じるべきである(図8)。
【0292】
薬物動態評価
ブリナツモマブ
薬物動態(PK)評価はブリナツモマブを受ける全ての対象に必要になる。コホートIa、Ib、IIb、及びIIIbでは、ブリナツモマブ試料は、サイクル1において1日目(前投与、9μg/日注入の開始4、6、8時間後)。2日目(いつでも)、8日目(28μg/日注入の開始6~10時間後)、10日目(いつでも)、15日目(コホートIIbでは112μg/日注入若しくはコホートIIIbでは56μg/日の開始6~10時間後又はコホートIbで28μg/日用量が連続して投与される場合はいつでも、又はコホートIaでペンブロリズマブ注入が終わった1時間後)、22日目(いつでも)、29日目(いつでも)及び43日目(いつでも)に収集される。コホートIIa及びIIIaでは、ブリナツモマブ試料は、サイクル1において1日目(前投与、9μg/日注入の開始4、6、8時間後)、2日目(いつでも)、8日目(28μg/日注入の開始6~10時間後)、10日目(いつでも)、15日目(コホートIIaでは112μg/日注入若しくはコホートIIIaでは56μg/日注入の開始6~10時間後)、19日目(ペンブロリズマブ注入が終わった1時間後)、26日目(いつでも)、及び40日目(いつでも)に収集される。
【0293】
ペンブロリズマブ
薬物動態評価は、ペンブロリズマブを受ける全ての対象に必要とされる。コホートIaでは、PK試料は、以下:ペンブロリズマブ治療の初日(研究15日目)及びペンブロリズマブサイクル2(研究36日目)、4(研究78日目)、6(研究120日目)、及び8(研究162日目)の注入前の前投与(注入前の24時間以内)に、次に4サイクルごとに収集される。PK投与後試料は、ペンブロリズマブ治療の初日(研究15日目)、次にペンブロリズマブサイクル1の2日目(研究16日目)、8日目(研究22日目)、及び15日目(研究29日目)の、サイクル8の1日目(研究162日目)の注入30分後、並びにペンブロリズマブの中止の30日後に収集される。
【0294】
コホートIb、IIb、及びIIIbでは、PK試料は、以下:ペンブロリズマブ治療の初日(研究1日目)及びペンブロリズマブサイクル2(研究22日目)、4(研究64日目)、6(研究106日目)、及び8(研究148日目)の注入前の前投与(注入前の24時間以内)に、次に4サイクルごとに収集される。PK投与後試料は、ペンブロリズマブ治療の初日(研究1日目)、次にペンブロリズマブサイクル1の2日目(研究2日目)、8日目(研究8日目)、及び15日目(研究15日目)の、サイクル8の1日目(研究148日目)の注入30分後、並びにペンブロリズマブの中止の30日後に収集される。
【0295】
コホートIIa、及びIIIaでは、PK試料は、以下:ペンブロリズマブ治療の初日(研究19日目)及びペンブロリズマブサイクル2(研究40日目)、4(研究82日目)、6(研究124日目)、及び8(研究166日目)の注入前の前投与(注入前の24時間以内)に、次に4サイクルごとに収集される。
【0296】
コホートIIa、及びIIIaでは、ペンブロリズマブPK投与後試料は、ペンブロリズマブ治療の初日(研究19日目)、次にペンブロリズマブサイクル1の2日目(研究20日目)、8日目(研究26日目)、及び15日目(研究33日目)の、サイクル8の1日目(研究166日目)の注入30分後、並びにペンブロリズマブの中止の30日後に収集される。
【0297】
ペンブロリズマブPK試料は、評価のスケジュールにより定義された研究来診中に完了すべきである。(図3~6)
免疫グロブリン
免疫グロブリン(IgGのみ)は、低ガンマグロブリン血症又は免疫学的変化を検出するために評価のスケジュール(図3)において概説された時点で収集される。
【0298】
抗体検査手順
血液試料(複数可)は、抗ブリナツモマブ及び抗ペンブロリズマブ結合抗体の測定のために評価のスケジュール(図3~8)において概説された時点で収集される。
【0299】
結合抗体について検査で陽性と出た試料は、免疫複合体の量/力価、アイソタイプ、インビトロ中和活性、及び存在についてさらに特徴付けてもよい。追加の血液試料は本研究中の抗薬物抗体を除外するために入手してもよい。
【0300】
結合抗体について検査で陽性と出ており、抗ブリナツモマブ又は抗ペンブロリズマブ抗体応答に潜在的に関係のあると見なされる臨床的続発症を有する対象には、追加の追跡検査に戻るように求めてもよい。
【0301】
バイオマーカー開発
フローサイトメトリーによる免疫パネル
ブリナツモマブの対象では、本アッセイを使用して、末梢血中のリンパ球(B細胞及びT細胞集団)及び白血球集団(白血球、リンパ球、単球、及び顆粒球)の変化をモニターする。治療期間における攻撃的試料収集の論理的根拠は、T細胞応答の作用機序並びに潜在的薬物抵抗性機序をもっとよく理解するためである。
【0302】
収集スケジュールは、二重薬剤療法により誘発されるT細胞応答、応答との関連性、及び有害事象の作用機序をもっとよく理解するのに十分なデータが収集されることを保証するために広範囲である。コホートIa、Ib、IIb、及びIIIbでは、試料は1、2、3、8、10、22、43及び64日目に収集される。コホートIIa及びIIIaでは、試料は1、2、3、8、10、19、40及び64日目に収集される。全ての試料はブリナツモマブのみの最初の(誘導)サイクルで収集される。免疫パネル試料は、デキサメタゾン前投薬後であるが、ブリナツモマブ治療の開始前の15分以内に引き出さなければならない。
【0303】
血清サイトカイン
免疫エフェクター細胞の活性化をモニターするため、末梢血サイトカインレベルの測定用の血液試料は、評価のスケジュール通りに採取される。コホートIa、Ib、IIb、及びIIIbでは、血液試料は、以前の第2相ブリナツモマブ経験に基づいて1、2、3、8、15、及び22日目に収集される。コホートIIa、及びIIIaでは、血液試料は、1、2、3、8、15、及び19日目に収集される。全ての試料は、ブリナツモマブのみの最初の(誘導)サイクルで収集される。サイトカイン試料は、デキサメタゾン前投薬後であるが、ブリナツモマブ治療の開始前の15分以内に引き出さなければならない。サイトカイン測定用の血液試料はグレード≧3神経学的事象又はCRSの場合にも収集されることになる。
【0304】
NGS(次世代シーケンシング)によるMRD
MRDの有無は造血器腫瘍ではますます重要な尺度になりつつあり、他のブリナツモマブ研究における治療応答の深さ及び質の重要な尺度となっている。DLBCLにおけるMRD測定は比較的初期の分野であるが、治療に続いて検出可能な疾患のない対象と比べて検出可能なMRDのある対象での転帰不良が研究により示唆されてきた(Roschewskiら、2015年)。血液及び腫瘍組織試料は、10週目又は最初の疾患応答評価時(10週目前に行われる場合)のスクリーニング及び血液試料で収集され、MRDはNGSにより評価される。
【0305】
遺伝薬理学的研究
対象が本研究の任意的な遺伝薬理学的部分に同意するならば、PAX遺伝子分析を実施してもよい。この任意的な遺伝薬理学的分析は、受け継がれる遺伝的変異に焦点を合わせて、疾患及び/又は本研究において使用される療法に対する応答との考えうるその相関関係を評価する。任意選択的な研究の目標は、がんの調査に役立ち、ブリナツモマブ及び/又はペンブロリズマブに対する肯定又は否定応答を有する場合がある対象を特定するための遺伝マーカーの使用を含む。この分析に同意する対象では、DNAを分析してもよい。
【0306】
第2のエンドポイント
以下の第2のエンドポイント:
チェソン基準によるORR(CR及びPRを含む);
チェソン基準によるCR率
が計算される;
PFSは、ブリナツモマブの初回用量の日付から中央審査官によるリンパ腫の憎悪の診断の日付、又は死亡の日付のうち早いほうまでの時間として計算される。生存しており憎悪がなかった対象は、腫瘍評価の最後の日付で打ち切られる。投与コホートに登録され拡張部分に選択されなかった対象についての無憎悪生存は計算されない;
OSは、ブリナツモマブの最初の用量の日付からいかなる原因に起因するにせよ死亡までの時間として計算される。分析を始動させる日付に生存している対象は、最後に生存しているのが分かっている日付で打ち切られる。最後に生存しているのが分かっている日付が分析を始動させる日付の後である場合、対象は分析始動の日付で打ち切られる;
ORR、CR、及びPRによるDORは、ORR、CR又はPRを達成する対象についてのみ計算される。持続期間は、応答、CR又はPRが最初に達成される日付から、どちらが最初に起ころうと、再発事象又は死亡を示す疾患評価の最も早い日付まで計算される。再発事象がない対象は、その最後の疾患評価日付で打ち切られる。最後の疾患評価日付が分析を始動する日付の後である場合、対象は分析始動の日付で打ち切られる。感受性分析はalloHSCT後の評価があれば、alloHSCTの時間にalloHSCTを受ける対象を打ち切り、その場合、alloHSCT前の最後の評価を打ち切り時間として使用し;
ブリナツモマブPKパラメータが決定され;
ペンブロリズマブPKパラメータが決定される。
【0307】
【表6】
図1
図2A
図2B
図3
図4-1】
図4-2】
図5-1】
図5-2】
図6-1】
図6-2】
図7
図8
図9
図10
【配列表】
2024001071000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2023-10-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象においてびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療するための、ブリナツモマブ及びペンブロリズマブを含む医薬組成物であって、前記ブリナツモマブ及びペンブロリズマブが併用して前記対象に投与され、
前記DLBCLが、以前の治療に難治性であるか、又は以前の治療後再発し
前記DLBCLが、慢性リンパ球白血病に由来するものではなく、かつ、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)ではない、
医薬組成物。
【請求項2】
対象においてびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療するための、ブリナツモマブを含む医薬組成物であって、前記ブリナツモマブは、ペンブロリズマブと併用して前記患者に投与され、
前記DLBCLが、以前の治療に難治性であるか、又は以前の治療後再発し
前記DLBCLが、慢性リンパ球白血病に由来するものではなく、かつ、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)ではない、
医薬組成物。
【請求項3】
対象においてびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療するための、ペンブロリズマブからなる群から選択される化合物を含む医薬組成物であって、前記ペンブロリズマブは、ブリナツモマブと併用して前記対象に投与され、
前記DLBCLが、以前の治療に難治性であるか、又は以前の治療後再発し
前記DLBCLが、慢性リンパ球白血病に由来するものではなく、かつ、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)ではない、
医薬組成物。
【請求項4】
ブリナツモマブが対象に全身的に投与され、及び/又はペンブロリズマブが対象に全身的に投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
ブリナツモマブの最初の用量が、ペンブロリズマブの最初の用量の投与の前に対象に投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
ブリナツモマブの最初の用量が、ペンブロリズマブの最初の用量の投与と同時に対象に投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
(a)ブリナツモマブが毎日投与される、
(b)ペンブロリズマブの二次用量が、ペンブロリズマブの最初の用量のおよそ21日後に投与され、任意選択的に、ペンブロリズマブの1回以上の追加の二次用量が、およそ21日ごとに投与される、
(c)ペンブロリズマブが約200mgの用量で投与される、又は
(d)ブリナツモマブが、少なくとも約9μg/日の初回用量で投与され、任意選択的に、ブリナツモマブが、約28μg/日、約56μg/日又は約112μg/日の維持用量で投与される、
請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項8】
ブリナツモマブが、最初の治療サイクルで、続いて無治療サイクル、続いて1回以上のコンソリデーションサイクルで投与される、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
(a)最初の治療サイクルが、約49~約63日であり、任意選択的に56日である、
(b)無治療サイクルが、約14~約28日であり、任意選択的に21日である、又は
(c)1回以上のコンソリデーションサイクルの各々が、約14~約28日であり、任意選択的に21日である、
請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
(a)ブリナツモマブの最初の用量が、1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブの最初の用量が1日目に対象に投与される、
(b)ブリナツモマブの最初の用量が、1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブの最初の用量が約15日目に対象に投与される、
(c)ブリナツモマブの最初の用量が1日目に対象に投与され、ペンブロリズマブの最初の用量が約19日目に対象に投与される、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項11】
ブリナツモマブが、持続静脈内注入(CIVI)により投与される、又は、ペンブロリズマブが、静脈内(IV)注入により投与される、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項12】
対象においてDLBCLを治療するための、ブリナツモマブを含む第1の医薬組成物とペンブロリズマブを含む第2の医薬組成物との組み合わせであって、
約9μgのブリナツモマブの用量が治療1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が治療1日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量がおよそ21日ごとに対象に投与され、
前記DLBCLが、以前の治療に難治性であるか、又は以前の治療後再発し
前記DLBCLが、慢性リンパ球白血病に由来するものではなく、かつ、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)ではない、
医薬組成物。
【請求項13】
対象においてDLBCLを治療するための、ブリナツモマブを含む医薬組成物であって、
約9μgのブリナツモマブの用量が治療1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が治療1日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量がおよそ21日ごとに対象に投与され、
前記DLBCLが、以前の治療に難治性であるか、又は以前の治療後再発し
前記DLBCLが、慢性リンパ球白血病に由来するものではなく、かつ、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)ではない、
医薬組成物。
【請求項14】
対象においてDLBCLを治療するための、ペンブロリズマブを含む医薬組成物であって、
約9μgのブリナツモマブの用量が治療1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が治療1日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量がおよそ21日ごとに対象に投与され、
前記DLBCLが、以前の治療に難治性であるか、又は以前の治療後再発し
前記DLBCLが、慢性リンパ球白血病に由来するものではなく、かつ、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)ではない、
医薬組成物。
【請求項15】
約28μgのブリナツモマブの用量が、治療8日目~14日目のそれぞれで対象にさらに投与される、又は
約28μgのブリナツモマブの用量が、治療8日目~56日目のそれぞれで対象にさらに投与される、請求項12~14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
約112μgのブリナツモマブの用量が、治療22日目~56日目のそれぞれで対象にさらに投与される、又は、
約56μgのブリナツモマブの用量が、治療15日目~56日目のそれぞれで対象にさらに投与される、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
対象においてDLBCLを治療するための、ブリナツモマブを含む第1の医薬組成物とペンブロリズマブを含む第2の医薬組成物との組み合わせであって、
約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの15日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量がおよそ21日ごとに対象に投与され、任意選択的に、約28μgのブリナツモマブの用量が、治療8日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
前記DLBCLが、以前の治療に難治性であるか、又は以前の治療後再発し
前記DLBCLが、慢性リンパ球白血病に由来するものではなく、かつ、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)ではない、
医薬組成物。
【請求項18】
対象においてDLBCLを治療するための、ブリナツモマブを含む医薬組成物であって、
約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの15日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量がおよそ21日ごとに対象に投与され、任意選択的に、約28μgのブリナツモマブの用量が、治療8日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
前記DLBCLが、以前の治療に難治性であるか、又は以前の治療後再発し
前記DLBCLが、慢性リンパ球白血病に由来するものではなく、かつ、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)ではない、
医薬組成物。
【請求項19】
対象においてDLBCLを治療するための、ペンブロリズマブを含む医薬組成物であって、
約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの15日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量がおよそ21日ごとに対象に投与され、任意選択的に、約28μgのブリナツモマブの用量が、治療8日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
前記DLBCLが、以前の治療に難治性であるか、又は以前の治療後再発し
前記DLBCLが、慢性リンパ球白血病に由来するものではなく、かつ、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)ではない、
医薬組成物。
【請求項20】
対象においてDLBCLを治療するための、ブリナツモマブを含む第1の医薬組成物とペンブロリズマブを含む第2の医薬組成物との組み合わせであって、
約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの19日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに対象に投与され、
前記DLBCLが、以前の治療に難治性であるか、又は以前の治療後再発し
前記DLBCLが、慢性リンパ球白血病に由来するものではなく、かつ、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)ではない、
医薬組成物。
【請求項21】
対象においてDLBCLを治療するための、ブリナツモマブを含む医薬組成物であって、
約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの19日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに対象に投与され、
前記DLBCLが、以前の治療に難治性であるか、又は以前の治療後再発し
前記DLBCLが、慢性リンパ球白血病に由来するものではなく、かつ、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)ではない、
医薬組成物。
【請求項22】
対象においてDLBCLを治療するための、ペンブロリズマブを含む医薬組成物であって、
約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの19日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに対象に投与され、
前記DLBCLが、以前の治療に難治性であるか、又は以前の治療後再発し
前記DLBCLが、慢性リンパ球白血病に由来するものではなく、かつ、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)ではない、
医薬組成物。
【請求項23】
約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~14日目のそれぞれで対象にさらに投与される、又は、約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~56日目のそれぞれで対象にさらに投与される、請求項20~22のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
約112μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの22日目~56日目のそれぞれで対象にさらに投与される、又は約56μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの15日目~56日目のそれぞれで対象にさらに投与される、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
治療が、約14日~約28日間、任意選択的に21日間、ブリナツモマブが対象に投与されない無治療サイクルをさらに含む、請求項12~14及び17~22のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
治療が、約29μg、約56μg又は約112μgのブリナツモマブが、約14日~約28日間、任意選択的に21日間、毎日対象に投与される1回以上のコンソリデーションサイクルをさらに含む、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
対象においてDLBCLを治療するための、ブリナツモマブを含む第1の医薬組成物とペンブロリズマブを含む第2の医薬組成物との組み合わせであって、
(a)約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、治療1日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに投与される、
(b)約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~14日目のそれぞれで対象に投与され、約112μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの15日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの1日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに投与される、
(c)約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~14日目のそれぞれで対象に投与され、約56μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの15日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの1日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに投与される、
(d)約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの15日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに投与される、
(e)約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~14日目のそれぞれで対象に投与され、約112μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの15日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの19日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに投与される、
(f)約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~14日目のそれぞれで対象に投与され、約56μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの15日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの19日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに投与される、
(g)約28μg、約56μg、又は約112μgのブリナツモマブの用量が、治療1日目で開始して毎日対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、治療1日目で開始しておよそ21日ごとに投与される、
(h)約28μg、約56μg、又は約112μgのブリナツモマブの用量が、治療1日目で開始して毎日対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、治療15日目で開始しておよそ21日ごとに投与される、又は、
(i)約28μg、約56μg、又は約112μgのブリナツモマブの用量が、治療1日目で開始して毎日対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、治療19日目で開始しておよそ21日ごとに投与され、
前記DLBCLが、以前の治療に難治性であるか、又は以前の治療後再発し
前記DLBCLが、慢性リンパ球白血病に由来するものではなく、かつ、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)ではない、
医薬組成物。
【請求項28】
対象においてDLBCLを治療するための、ブリナツモマブを含む医薬組成物であって、
(a)約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、治療1日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに投与される、
(b)約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~14日目のそれぞれで対象に投与され、約112μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの15日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの1日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに投与される、
(c)約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~14日目のそれぞれで対象に投与され、約56μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの15日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの1日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに投与される、
(d)約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの15日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに投与される、
(e)約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~14日目のそれぞれで対象に投与され、約112μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの15日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの19日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに投与される、
(f)約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~14日目のそれぞれで対象に投与され、約56μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの15日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの19日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに投与される、
(g)約28μg、約56μg、又は約112μgのブリナツモマブの用量が、治療1日目で開始して毎日対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、治療1日目で開始しておよそ21日ごとに投与される、
(h)約28μg、約56μg、又は約112μgのブリナツモマブの用量が、治療1日目で開始して毎日対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、治療15日目で開始しておよそ21日ごとに投与される、又は、
(i)約28μg、約56μg、又は約112μgのブリナツモマブの用量が、治療1日目で開始して毎日対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、治療19日目で開始しておよそ21日ごとに投与され、
前記DLBCLが、以前の治療に難治性であるか、又は以前の治療後再発し
前記DLBCLが、慢性リンパ球白血病に由来するものではなく、かつ、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)ではない、
医薬組成物。
【請求項29】
対象においてDLBCLを治療するための、ペンブロリズマブを含む医薬組成物であって、
(a)約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、治療1日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに投与される、
(b)約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~14日目のそれぞれで対象に投与され、約112μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの15日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの1日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに投与される、
(c)約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~14日目のそれぞれで対象に投与され、約56μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの15日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの1日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに投与される、
(d)約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの15日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに投与される、
(e)約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~14日目のそれぞれで対象に投与され、約112μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの15日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの19日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに投与される、
(f)約9μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの1日目~7日目のそれぞれで対象に投与され、約28μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの8日目~14日目のそれぞれで対象に投与され、約56μgのブリナツモマブの用量が、最初の治療サイクルの15日目~56日目のそれぞれで対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、最初の治療サイクルの19日目に対象に投与され、約200mgのペンブロリズマブの1回以上のその後の用量が、およそ21日ごとに投与される、
(g)約28μg、約56μg、又は約112μgのブリナツモマブの用量が、治療1日目で開始して毎日対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、治療1日目で開始しておよそ21日ごとに投与される、
(h)約28μg、約56μg、又は約112μgのブリナツモマブの用量が、治療1日目で開始して毎日対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、治療15日目で開始しておよそ21日ごとに投与される、又は、
(i)約28μg、約56μg、又は約112μgのブリナツモマブの用量が、治療1日目で開始して毎日対象に投与され、
約200mgのペンブロリズマブの初回用量が、治療19日目で開始しておよそ21日ごとに投与され、
前記DLBCLが、以前の治療に難治性であるか、又は以前の治療後再発し
前記DLBCLが、慢性リンパ球白血病に由来するものではなく、かつ、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)ではない、
医薬組成物。