(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107141
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】プログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/5375 20140101AFI20240801BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20240801BHJP
A63F 13/426 20140101ALI20240801BHJP
A63F 13/2145 20140101ALI20240801BHJP
【FI】
A63F13/5375
A63F13/55
A63F13/426
A63F13/2145
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024091681
(22)【出願日】2024-06-05
(62)【分割の表示】P 2021030305の分割
【原出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 洋一
(57)【要約】
【課題】 複数のキャラクタの一体感あるアクションを簡易な操作で実現できる技術を提供する。
【解決手段】 一実施形態では、コンピュータによって実行されるプログラムであって、第1キャラクタと第2キャラクタとを一体的に操作可能とすることと、第1キャラクタまたは第2キャラクタが保持するスキルを発動させるための操作を受け付けることと、操作に対応するスキルを発動させることであって、第1キャラクタまたは第2キャラクタのいずれか一方が当該スキルを保持する場合と、第1キャラクタおよび第2キャラクタの両方が当該スキルを保持する場合とで、異なる態様でスキルを発動させることと、をコンピュータに実行させるプログラムを提供する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
フリック操作のフリック方向と、前記フリック方向に割り当てられたスキルのスキル名と、第1キャラクタが保持する前記スキルの第1レベルと、第2キャラクタが保持する前記スキルの第2レベルと、前記第1キャラクタと前記第2キャラクタそれぞれが保持する前記第1レベルと前記第2レベルの合計レベルとを同一画面に表示するための表示手段と、
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記フリック方向は、上方向、下方向、左方向または右方向の少なくとも一つを含み、各フリック方向には、それぞれ異なるスキルを割り当て可能に構成される、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記フリック方向ごとに配置された変更ボタンの選択に基づいて、前記変更ボタンが配置された前記フリック方向に割り当てられたスキルの変更、割当、設定または初期設定を行う設定手段をさらに備える、請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記設定手段は、前記フリック方向に割り当てるスキル変更の候補として、1又は複数のスキルを提示する、請求項1~3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
スキル詳細表示手段をさらに備え、
前記スキル詳細表示手段は、前記フリック方向ごとに配置された詳細ボタンの選択に基づいて、前記詳細ボタンが配置された前記フリック方向に割り当てられたスキルに関する情報を提示する、請求項1~4のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第1キャラクタと前記第2キャラクタは、一体的に操作可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
フリック操作のフリック方向と、前記フリック方向に割り当てられたスキルのスキル名と、第1キャラクタが保持する前記スキルの第1レベルと、第2キャラクタが保持する前記スキルの第2レベルと、前記第1キャラクタと前記第2キャラクタそれぞれが保持する前記第1レベルと前記第2レベルの合計レベルとを同一画面に表示するための表示手段と、
を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルを介した操作によってゲームオブジェクトにアクションを実行させるゲームが知られている(非特許文献1参照)。非特許文献1のゲームでは、あらかじめフリック操作の方向にスキル(特殊技)が紐づけられており、操作の開始が検知されるとどの方向にフリック操作を入力すべきかを案内するガイドUIが表示され、入力されたフリック操作の方向に応じたスキルが発動される。
【0003】
また、コンソール型のゲーム機器において、位置が固定された操作ボタンに機能を割当て可能とする技術が知られている(非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ファミ通App、「[白猫攻略]“ぷにコン”の基本操作をマスターしよう」、[online]、2014年8月29日、令和2年12月18日検索、インターネット<URL: https://app.famitsu.com/20140829_431082/>
【非特許文献2】インサイド、「スイッチのボタン割り当て機能で『スプラトゥーン2』に革命が起こる?いろいろな可能性を試してみた」、[online]、2020年4月14日、令和2年12月18日検索、インターネット<URL: https://www.inside-games.jp/article/2020/04/14/128254.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、仮想のゲーム空間内で複数のキャラクタがパーティを組んでアクションを行うタイプのゲームがある。複数のキャラクタは、それぞれ、ゲームのプレイヤー(以下、「ユーザ」と言う。)の操作に応じて、またはユーザの操作によらずに、ゲーム空間内でアクションを行う。複数のキャラクタがそれぞれの個性に応じたアクションを行うことにより、アクションの多様性がもたらされ、ゲームの興趣性を高める。
【0006】
ユーザが複数のキャラクタを操作する場合、操作の入力が非常に複雑になる。特に、専用ボタンに機能が割り当てられるコンソール型のゲーム機器に比べ、タッチパネルを介した操作によってゲームをプレイする場合、操作の入力には制約が多い。一方で、操作の入力を簡素化すれば複数のキャラクタの一体感が損なわれるおそれもある。
【0007】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、複数のキャラクタの一体感あるアクションを簡易な操作で実現できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明の一態様は、コンピュータによって実行されるプログラムであって、第1キャラクタと第2キャラクタとを一体的に操作可能とすることと、第1キャラクタまたは第2キャラクタが保持するスキルを発動させるための操作を受け付けることと、操作に対応するスキルを発動させることであって、第1キャラクタまたは第2キャラクタのいずれか一方が当該スキルを保持する場合と、第1キャラクタおよび第2キャラクタの両方が当該スキルを保持する場合とで、異なる態様でスキルを発動させることと、をコンピュータに実行させるプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
この発明の一態様に係るプログラムは、複数のキャラクタの一体感あるアクションを簡易な操作で実現できる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るプログラムに関連するゲームシステムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示したゲームシステムにおけるサーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1に示したゲームシステムにおけるユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、
図3に示したユーザ端末によるスキル発動に関連する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、
図4に示した処理のうちスキル発動処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、スキル発動に係るゲーム画像の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、割当テーブルの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、スキル詳細テーブルの一例を示す図である。
【
図9A】
図9Aは、保持スキルテーブルの第1の例を示す図である。
【
図9B】
図9Bは、保持スキルテーブルの第2の例を示す図である。
【
図11】
図11は、
図3に示したユーザ端末によるスキル割当てに関連する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、
図11に示した処理のうちスキル詳細表示処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、
図11に示した処理のうちスキル変更処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、スキル割当状況を示すゲーム画像の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、スキルの詳細な情報を示すゲーム画像の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、スキル割当て変更用のゲーム画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。なお、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号を付し、重複する説明については基本的に省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0012】
[一実施形態]
(1)ゲームの概要
一実施形態に係るプログラムは、ゲームのプレイヤーであるユーザによって使用される端末装置(以下、「ユーザ端末」と言う。)上でゲームを実現させるためのプログラムである。以下では、一実施形態に係るプログラムを、一般的なコンピュータの機能を実現させるためのプログラムと区別して、ゲームプログラムと呼ぶ。
【0013】
ゲームプログラムによって実現されるゲームは、特定のカテゴリに限定されず、例えば、ロールプレイングゲーム(RPG)、アクションゲーム、アドベンチャーゲーム、シミュレーションゲーム、育成ゲーム、シューティングゲーム、スポーツゲームまたはパズルゲーム等)であってもよいし、そのようなゲームの一部(ミニゲームまたはイベント等)であってもよい。
【0014】
ゲームプログラムは、ゲーム空間に種々のオブジェクトを配置し、ゲームを実現し得る。ゲーム空間は、ゲームプログラムによって実現される種々のオブジェクトを配置するための空間である。以下では、主にゲーム空間が3次元の空間であり、ゲーム空間に配置されるオブジェクトも主に3次元で表示されるものとして説明するが、本実施形態は、2次元のゲーム空間およびオブジェクトにも適用可能である。
【0015】
種々のオブジェクトは、キャラクタのオブジェクトを含む。キャラクタは、例えば、人間のキャラクタ、動物のキャラクタ、または擬人化キャラクタ等であるが、これらに限定されない。キャラクタのオブジェクトは、動作するオブジェクトである。キャラクタのオブジェクト(以下、単に「キャラクタ」と言う。)は、ユーザの操作を受けて動作するキャラクタと、ユーザの操作によらず動作するNPC(Non Player Character)とを含む。種々のオブジェクトはまた背景オブジェクトを含む。背景オブジェクトは、木、岩、草、空、川、池、建物、設備等のゲームの背景を構成するオブジェクトである。
【0016】
各オブジェクトは、ゲーム設計者等によって任意に定められた設定値を有する。設定値は、位置、大きさ、形状、色、能力、属性およびその他の種々の情報を数値(「パラメータ」とも言う。)で表したものである。キャラクタのオブジェクトは、特に、ステータスと呼ばれる設定値を有し得る。ステータスは、例えば、体力、攻撃力、防御力、保持スキル等の情報を含むが、これに限られない。
【0017】
以下では一例として、複数のキャラクタがユーザの操作を受けてフィールド内でアクションを行うゲームを想定して説明する。フィールドは、ゲーム空間の一例であり、例えば、草原、森林、市街地、ダンジョン(迷宮、施設、その他の閉鎖空間)等を模した多種多様な空間として表現され得る。キャラクタは、フィールド内で、アイテムを取得し、ギミックやトラップを回避し、または遭遇した敵キャラクタと戦闘する。アクションは、移動、攻撃、防御、退避、その他のゲーム空間内で取り得るあらゆる動作を含む。アクションは、スキルの発動を含む。スキルは、ゲーム内で使用される特殊技である。各キャラクタは、それぞれ異なるスキルを保持し得る。保持は、保有、所有または所持、などと読み替えられてもよい。ゲームプログラムは、キャラクタが保持するスキルを発動させるための操作を受け付けると、発動条件が満たされる場合、スキルを発動させる。スキルが発動されると、発動主体のキャラクタまたは周囲のキャラクタのステータスに影響を与える。
【0018】
複数のキャラクタは、一体的に操作可能な第1キャラクタと第2キャラクタとを含む。ここでは、一体的に操作可能とは、ユーザの操作が複数のキャラクタに反映されることを言う。第1キャラクタと第2キャラクタとを一体的に操作可能とすることは、例えば、第1キャラクタおよび第2キャラクタを単一のオブジェクトとして操作可能とすること、第1キャラクタまたは第2キャラクタに対する操作を第1キャラクタおよび第2キャラクタの両方に反映すること、あるいは第1キャラクタまたは第2キャラクタのいずれか一方が操作されると他方が自動的に協調性または相補性のあるアクションを起こすことなどを含む。第1キャラクタと第2キャラクタはゲームの進行中常に一体的に操作可能である必要はなく、後述するスキル発動の前後の一定期間、一体的に操作可能であればよい。
【0019】
ゲームプログラムは、第1キャラクタまたは第2キャラクタの少なくとも一方が保持するスキルを発動させるための操作を受け付けた場合に当該スキルを発動させることができる。ゲームプログラムはまた、第1キャラクタまたは第2キャラクタのいずれか一方が当該スキルを保持する場合と、第1キャラクタおよび第2キャラクタの両方が当該スキルを保持する場合とで、異なる態様でスキルを発動させる。
【0020】
異なる態様でスキルを発動させることは、第1キャラクタおよび第2キャラクタの両方がスキルを保持する場合に、第1キャラクタまたは第2キャラクタのいずれか一方だけが当該スキルを保持する場合よりも高いレベルでスキルを発動させることを含む。異なる態様でスキルを発動させることは、第1キャラクタおよび第2キャラクタの両方がスキルを保持する場合に、第1キャラクタが保持する当該スキルのレベルと第2キャラクタが保持する当該スキルのレベルとを合算したレベルで、スキルを発動させることを含む。異なる態様でスキルを発動させることはまた、第1キャラクタおよび第2キャラクタの両方がスキルを保持する場合に、より緩和された条件でスキルを発動可能とすることを含む。異なる態様でスキルを発動させることはまた、第1キャラクタおよび第2キャラクタの両方がスキルを保持する場合に、スキルの発動に係るゲームシーンに特殊な演出を付加することを含む。異なる態様でスキルを発動させることはまた、第1キャラクタおよび第2キャラクタの両方がスキルを保持する場合に、スキル発動の影響範囲または影響力を変化させることを含む。異なる態様でスキルを発動させることは、スキルの発動に特殊効果を追加すると言い換えることができる。
【0021】
以下では、第1キャラクタが人間のキャラクタ(以下、「プレイヤーキャラクタ」と言う。)であり、第2キャラクタがモンスターのキャラクタ(以下、「モンスター」と言う。)であるものとする。以下ではさらに、プレイヤーキャラクタがモンスターに騎乗した状態で、ユーザの操作を受けて、プレイヤーキャラクタまたはモンスターが保持するスキルの発動を含む様々なアクションを一体的に行うゲームを想定する。以下では、一体的に操作されるプレイヤーキャラクタとモンスターをまとめて「操作キャラクタ」とも言う。
【0022】
ゲームプログラムは、1台のユーザ端末でローカルにゲームを実現させるゲームプログラム、ユーザ端末とサーバに協働してゲームを実現させるゲームプログラム、(サーバ経由でまたはサーバを介さずに)複数のユーザ端末に協働してゲームを実現させるゲームプログラム等であり得る。以下ではやはり単なる一例として、サーバがゲームプログラムを包括的に管理し、ユーザ端末からの要求に応じてゲームプログラムおよび関連データ等を送信し、実際のゲーム進行は主にユーザ端末において実現されるゲームシステムについて説明する。
【0023】
(2)構成
(2-1)ゲームシステム
図1は、一実施形態に係るゲームプログラムに関連するゲームシステム1の全体構成の一例を示す。
ゲームシステム1は、複数のユーザ端末100と、サーバ200とを含む。各ユーザ端末100は、サーバ200との間でネットワークNWを介して通信可能である。サーバ200には、任意の数のユーザ端末100が接続可能であるが、簡単のために1つのユーザ端末100についてのみ詳細な構成を図示し説明する。
【0024】
ネットワークNWは、例えばインターネットであり、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、移動通信網、有線電話網、FTTH(Fiber To The Home)、CATV(Cable Television)網等のアクセス網を含み得る。
【0025】
ユーザ端末100は、ゲームプレイをするユーザによって使用される端末である。ユーザ端末100は、ゲームプログラムを実行することによりゲームを実現し、ゲーム進行に応じたゲーム画像を表示することによりゲーム画面を実現する。ゲーム画像は、ゲーム空間を描画した画像を含み得る。ゲーム空間を描画した画像は、ゲーム空間に配置された複数のオブジェクトの画像を含み得る。ゲーム画像は、静止画像または動画像を含む。ゲーム画像はまた、2次元または3次元的に表現されるUI(User Interface)部品の画像を含み得る。ユーザ端末100は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯端末である。ユーザ端末100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型コンピュータであってもよい。ユーザ端末100はまた、ゲームプレイに適した専用のゲーム端末であってもよい。以下では一例としてユーザ端末100が、タッチスクリーンを備えるスマートフォンであるものとして説明する。
【0026】
サーバ200は、例えばゲーム開発業者等によって運営および管理される装置である。サーバ200は、ゲームプログラムおよびユーザ情報を包括的に管理し、ユーザ端末100におけるゲームの進行を支援する。サーバ200は、ワークステーションやパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってよい。例えばサーバ200は、ネットワークNWを介してユーザ端末100からユーザ情報や種々の要求を受け付け、ネットワークNWを介してユーザ端末100にゲームプログラムや関連データを送信する。サーバ200は、同時に複数のユーザ端末100との間で情報の送受信が可能であり、複数のユーザ端末100におけるゲームの進行を並行して支援し得る。
【0027】
ユーザ端末100は、サーバ200からゲームプログラムおよび必要な設定データを一度に受信し、以後はサーバ200と通信することなくゲームを進行させてもよい。またはユーザ端末100は、ゲームの進行に応じて随時サーバ200と通信し、その都度必要なゲームプログラムまたはデータをサーバ200から受信するようにしてもよい。
【0028】
(2-2)ハードウェア構成
(2-2-1)サーバ
図1に示すように、サーバ200は、ハードウェアとして、プロセッサ2001と、メモリ2002と、ストレージ2003と、通信インタフェース(通信I/F)2004と、入出力インタフェース(入出力I/F)2005とを備え、これらがバス2006を介して互いに電気的に接続される。
【0029】
プロセッサ2001は、サーバ200全体の動作を制御する。プロセッサ2001は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサを含む。プロセッサ2001は、汎用プロセッサに限らず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の専用プロセッサであってもよい。
【0030】
メモリ2002は、主記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等を含む。
【0031】
ストレージ2003は、補助記憶装置であり、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)等の不揮発性記憶装置を含む。ストレージ2003は、プロセッサ2001により実行されるプログラムや、プログラムの実行に必要な設定データ等を記憶する。プログラムの一部は、ROMに記憶されてもよい。
【0032】
プロセッサ2001は、ストレージ2003からプログラムを読み出してメモリ2002に展開し、展開したプログラムを解釈および実行することによって、後述する処理機能を実現し得る。
【0033】
通信インタフェース(通信I/F)2004は、ネットワークNWを介してユーザ端末100等の外部装置と通信するためのモジュールであり、送受信のための信号処理回路、光コネクタ等を含む。通信インタフェース2004は、例えば光通信モジュールを含んでもよい。
【0034】
入出力インタフェース(入出力I/F)2005は、キーボードやマウス等の入力装置を通じてオペレータが入力した操作データを取り込むとともに、出力データを液晶または有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやスピーカ等の出力装置に出力する。
【0035】
(2-2-2)ユーザ端末
図1に示すように、ユーザ端末100は、ハードウェアとして、プロセッサ1001と、メモリ1002と、ストレージ1003と、センサ1004と、通信インタフェース(通信I/F)1005と、入出力インタフェース(入出力I/F)1006と、タッチスクリーン1007とを備え、これらがバス1008を介して互いに電気的に接続される。
【0036】
プロセッサ1001は、ユーザ端末100の全体の動作を制御する。プロセッサ1001は、例えば、CPU、MPU、GPU等の汎用プロセッサを含む。プロセッサ1001もまた、汎用プロセッサに限らず、ASICまたはFPGA等の専用プロセッサであってもよい。
【0037】
プロセッサ1001は、ストレージ1003からプログラムを読み出してメモリ1002に展開し、展開したプログラムを解釈および実行することによって、後述する処理機能を実現し得る。
【0038】
メモリ1002は、主記憶装置であり、ROMおよびRAM等を含む。
【0039】
ストレージ1003は、補助記憶装置であり、内蔵または外付けの半導体メモリ(例えばフラッシュメモリ)等を含む。ストレージ1003は、プロセッサ1001により実行されるプログラムや、プログラムの実行に必要な設定データ等を記憶する。プログラムの一部は、ROMに記憶されてもよい。
【0040】
センサ1004は、例えば、イメージセンサ、サウンドセンサ、加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサ、GPSセンサ、近接センサ、環境光センサ等である。センサ1004は、感知された種々の情報を電気信号に変換し、出力する。
【0041】
通信インタフェース(通信I/F)1005は、ネットワークNWを介してサーバ200等の外部装置と通信するためのモジュールであり、送受信のための信号処理回路、アンテナ、LAN端子等を含む。通信インタフェース1005は、移動通信用のモジュール、無線/有線LAN用のモジュール、近距離無線通信用のモジュール等を含み得る。
【0042】
入出力インタフェース(入出力I/F)1006は、外部装置から入力データを取り込むとともに、出力データを外部装置に出力する。入出力インタフェース1006は、例えば、ユーザ端末100の物理ボタンや、ユーザ端末100に内蔵されたスピーカ、USB(Universal Serial Bus)ポート等を含み得る。
【0043】
タッチスクリーン1007は、入力部1071と表示部1072とを備え、ユーザの入力操作を受け付けるとともに、ユーザに種々の画像を表示する機能を有する。
【0044】
入力部1071は、例えば静電容量式や抵抗膜式のタッチパネルである。入力部1071は、ユーザが指やタッチペン(スタイラスペン)で触れた接触位置を検知し、接触位置の座標情報を生成する。
【0045】
表示部1072は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであり、表示データに基づく種々の画像を表示する。表示部1072は、ゲーム画像を表示することによってゲーム画面を実現する。
【0046】
ユーザ端末100は、入出力インタフェース1006を介して接続されるキーボード、マウス、コントローラ等の外部入力装置からユーザの操作を受け付けることもできる。ユーザ端末100は、入出力インタフェース1006を介して接続されるメモリカード等の外部記憶装置からゲームプログラムおよび関連データを取得してもよい。ユーザ端末100は、入出力インタフェース1006を介して接続されるディスプレイやスピーカ等の外部出力装置に表示情報を出力することもできる。ユーザ端末100は、入出力インタフェース1006を介して接続されるメモリカード等の外部記憶装置をストレージ1003として使用してもよい。ユーザ端末100はまた、センサ1004からの信号をユーザ操作として受け付けてもよい。
【0047】
(2-3)機能構成
(2-3-1)サーバ
図2は、
図1に示したゲームシステム1におけるサーバ200の機能構成の一例を示す。なお、一般的なコンピュータの機能構成およびゲームの実現に必要な公知の構成については、図示および説明を省略する。
【0048】
サーバ200は、各ユーザ端末100と通信し、ユーザ端末100におけるゲームの進行を支援する機能を有する。例えば、サーバ200は、各ユーザ端末100からの要求に応じて、各ユーザ端末100にゲームプログラムや、ゲームプログラムの実行に必要な関連データ等を送信する機能を有する。
サーバ200は、制御部210と、記憶部220とを備える。
【0049】
記憶部220は、主にストレージ2003により実現される。記憶部220は、ゲームプログラム記憶部221と、ゲーム情報記憶部222と、ユーザ情報データベース(DB)223と、を備える。
【0050】
ゲームプログラム記憶部221は、ゲームプログラムを記憶する。
【0051】
ゲーム情報記憶部222は、ゲームプログラムを実行する際に参照される種々のゲーム情報を記憶する。
【0052】
ユーザ情報データベース(DB)223は、各ユーザ端末100に関連付けられるユーザに関する情報を記憶するデータベースであり、例えば、ユーザアカウント情報を記憶する。
【0053】
制御部210は、主にプロセッサ2001およびメモリ2002により実現される。制御部210は、サーバ200全体の機能を制御する。制御部210は、ゲームプログラム記憶部221に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、受信制御部211、送信制御部212およびゲーム進行部213として機能し得る。
【0054】
受信制御部211は、各ユーザ端末100から、ユーザ情報、プログラムまたは関連データの送信要求、各ユーザ端末100におけるゲームの進行状況に関する情報等を受け付ける。
【0055】
送信制御部212は、各ユーザ端末100に、要求されたプログラムまたは関連データ、あるいは更新されたプログラム等を送信する。送信制御部212はまた、各ユーザ端末100にゲームの進行状況に関する情報の送信を要求し得る。
【0056】
ゲーム進行部213は、ゲームプログラムに記述されたコードに従って、ゲーム情報記憶部222に記憶されたゲーム情報およびユーザ情報データベース223に記憶されたアカウント情報を参照し、各ユーザ端末100におけるゲームの進行状況を管理する。ゲーム進行部213はまた、各ユーザ端末100からの情報収集の要否や、各ユーザ端末100へのデータ送信の要否を判定し得る。
【0057】
例えば、制御部210は、受信制御部211により、ユーザ端末100からゲームプログラムの送信要求を受け付け、ゲーム進行部213により、当該ユーザ端末100に送信すべきゲームプログラムと関連データを決定し、送信制御部212により、決定されたゲームプログラムおよび関連データをユーザ端末100に送信する。
【0058】
(2-3-2)ユーザ端末
図3は、
図1に示したゲームシステム1において使用され得るユーザ端末100の機能構成の一例を示す。なお、一般的なコンピュータの機能構成およびゲームの実現に必要な公知の構成については、図示および説明を省略する。
【0059】
ユーザ端末100は、制御部110と、記憶部120とを含む。
記憶部120は、主にストレージ1003により実現される。記憶部120は、ゲームプログラム記憶部121と、ゲーム情報記憶部122と、スキル情報記憶部123とを含む。
【0060】
ゲームプログラム記憶部121は、ゲームプログラムを記憶する。
【0061】
ゲーム情報記憶部122は、ゲームプログラムを実行する際に参照される種々のゲーム情報を記憶する。ゲーム情報は、例えば、ゲーム空間に配置される種々のオブジェクトの設定値や、ゲーム空間に関する他の種々の情報等を含む。
【0062】
スキル情報記憶部123は、スキルに関する種々の情報を記憶する。スキル情報記憶部123は、例えば、割当テーブル、スキル詳細テーブル、保持スキルテーブルおよび効果テーブルを記憶する。割当テーブルは、操作と、操作に割り当てられたスキルとの対応を示す情報を含む。スキル詳細テーブルは、スキルの設定情報、例えば、スキルの名称、スキルを割当て可能な操作、スキルの説明、発動条件等を含む。保持スキルテーブルは、各キャラクタが保持するスキルおよびそのレベルを表す情報を含む。効果テーブルは、各スキルが発動される場合の効果についてレベルごとに指定する情報を含む。スキル情報記憶部123はさらに、プレイヤーキャラクタとモンスターの両方がスキルを保持する場合に、スキル発動に追加すべき特殊効果について指定する情報を含む。
【0063】
制御部110は、主にプロセッサ1001およびメモリ1002により実現される。制御部110は、ユーザ端末100全体の機能を制御する。制御部110は、ゲームプログラム記憶部121に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、ゲーム進行部111、オブジェクト制御部112、表示制御部113、操作受付部114、スキル割当部115およびスキル発動部116として機能し得る。
【0064】
ゲーム進行部111は、ゲームプログラムに記述されたコードに従って、ゲーム情報記憶部122に記憶されたゲーム情報を参照し、ゲーム空間にオブジェクトを配置してゲームを進行させる処理を行う。ゲーム進行部111は、後述の操作受付部114から受け取るユーザの操作から特定されるユーザの指示をゲームの進行に反映し得る。
【0065】
オブジェクト制御部112は、ゲーム空間に配置された種々のオブジェクトの動作およびステータスを制御する。オブジェクト制御部112は、プレイヤーキャラクタとモンスターとを一体的に操作可能とする。オブジェクト制御部112は、プレイヤーキャラクタとモンスターとを含む複数のキャラクタを一体的に操作可能とし得る。オブジェクト制御部112は、操作キャラクタ(一体的に操作可能とされた複数のキャラクタ)を、ユーザの操作に応じて動作させる。ユーザは、入力部1071への操作の入力を介して、操作キャラクタを移動させ、または操作キャラクタにアクションを実行させることができる。
【0066】
表示制御部113は、表示部1072に画像を表示させるための表示データを生成する。画像は動画像または静止画像を含み得る。表示制御部113によって生成される表示データは、ゲーム空間の画像、例えばゲーム空間に配置された仮想カメラ(図示せず)からの画像を表示させるための表示データを含む。仮想カメラは、操作キャラクタを追尾または追跡するように設定された仮想カメラ、およびゲーム空間に固定された仮想カメラを含む。表示制御部113によって生成される表示データはまた、UI(User Interface)部品の画像を表示させるための表示データを含む。例えば表示制御部113は、ゲーム空間を表現する3次元画像に、UI部品の2次元または3次元画像を重畳表示させる、表示データを生成し得る。表示制御部113はまた、ユーザの操作に応じて、仮想カメラの位置、ズーム、傾き、焦点、画角、倍率等を制御し得る。
【0067】
操作受付部114は、入力部1071を介して入力されたユーザの操作を受け付ける。以下では、「ユーザの操作」という表記は、入力部1071を介して入力されたユーザの操作を指すものとする。ユーザの操作は、タップ操作、長押し操作、フリック操作またはスワイプ操作等の入力部1071を介した種々の種類の操作を含む。タップ操作は、入力部1071において1点の接触位置が検知され、所定時間内に非検知となる操作の例である。タップ操作は、例えば、ユーザがタッチスクリーンに指先で軽く触れ、すぐに離すことによって入力される。長押し操作は、入力部1071において1点の接触位置が検知され、接触が所定時間以上継続して所定の範囲内で検知される操作の例である。フリック操作は、入力部1071において1点の接触位置を短時間で時系列に移動させる操作の例である。フリック操作は、例えば、ユーザがタッチスクリーンに指先で触れ、タッチスクリーンに触れたまま指を任意の方向に軽く払うことによって入力される。スワイプ操作は、入力部1071において1点の接触位置をフリック操作よりも長い時間で時系列に移動させる操作の例である。スワイプ操作は、例えば、ユーザがタッチスクリーンに指先で触れ、タッチスクリーンに触れたまま指を任意の方向に動かすことによって入力される。フリック操作とスワイプ操作は区別されずに互いに読み替えられてもよい。
【0068】
操作受付部114は、ユーザの操作の種類および操作の方向を判定し得る。ユーザの操作の種類および操作の方向は、公知の方法で判定されてよい。操作受付部114は、入力部1071による接触位置の検知に基づいて、ユーザの操作の開始を検知し得る。操作受付部114は、入力部1071による接触位置の検知から非検知への遷移に基づいて、ユーザの操作の終了を検知し得る。操作受付部114は、ユーザの操作の開始に対応する接触位置(開始位置)からユーザの操作の終了に対応する接触位置(終了位置)までの座標情報を入力部1071から連続的に取得し、ユーザの操作の方向を判定し得る。操作受付部114は、例えば上下左右の4方向のフリック操作を判定し得る。操作の方向は、例えば、表示部1072に表示されたゲーム画像(ゲーム画面)の天地の方向を基準に判定される。また操作受付部114は、接触位置、接触時間、または移動距離をもとにユーザの操作の種類を判定し得る。操作受付部114はまた、接触位置、接触時間、または移動距離をもとにユーザの操作の有効性を判定し得る。ユーザの操作の種類は、ユーザの操作の対象を示す情報を含む。例えば、ユーザの操作の種類は、操作キャラクタのスキルを発動させるフリック操作、操作キャラクタを移動させるスワイプ操作、特定のUI部品を選択するタップ操作等を含む。
【0069】
スキル割当部115は、ユーザの選択に応じて、プレイヤーキャラクタまたはモンスターが保持するスキル(の発動)を任意の操作に割り当てる機能を有する。操作は、フリック操作を含む。操作はまた、長押し操作、タップ操作、スワイプ操作、または他の任意のタッチ操作を含んでよい。スキル割当部115はまた、複数の操作方向(例えばフリック操作の各方向)の各々に異なるスキルを割り当てることができる。スキル割当部115は、上記割当テーブルにより、操作と、操作に割り当てられたスキルとの対応を管理する。
【0070】
スキル発動部116は、ユーザの操作を受け付けて、受け付けたユーザの操作に対応するスキルを発動させる機能を有する。スキル発動部116は、操作受付部114が判定したユーザの操作の種類および操作の方向に基づき、割当テーブルを参照して、発動すべきスキルを特定する。スキル発動部116はまた、スキル情報記憶部123に記憶された情報をもとに、発動すべきスキルのレベルを特定する。概して、スキルのレベルが高いほどそのスキルが発動されたときの効果は大きい。スキル発動部116はまた特殊効果の追加の要否を判定する。さらにスキル発動部116は、スキル発動に関連する種々のパラメータを計算し、スキル発動の効果として各キャラクタのパラメータを更新させる。
【0071】
(3)動作
次に、
図3に示したユーザ端末100の情報処理動作について説明する。
ユーザ端末100の処理は、概して、スキル発動に関連する処理と、スキル割当てに関連する処理とを含む。
【0072】
(3-1)スキル発動に関連する処理
まず、
図4~
図10を参照し、スキル発動に関連する処理について説明する。
ユーザ端末100は、スキルを発動させるための操作を受け付けた場合に、当該操作に対応するスキルを発動させることができる。以下では一例として、スキルを発動させるための操作が上下左右4方向のフリック操作を含むものとして説明する。また以下では、フリック操作に割り当てられたスキルまたはフリック操作によって発動されるスキルを「フリックスキル」とも言う。
【0073】
図4は、
図3に示したユーザ端末100の処理のうち、スキル発動に関連する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
なお、以降の処理の前提として、ユーザ端末100の制御部110および記憶部120の連携により、ゲームプログラムに記述されたコードに従ってゲームが進行され、表示データが生成されているものとする。ゲーム進行部111は、種々のオブジェクトをゲーム空間(フィールド)内に配置する。また少なくとも1方向のフリック操作に対してスキルが割り当てられ、その対応が割当テーブルに記憶されているものとする。
【0074】
ステップS1において、制御部110は、オブジェクト制御部112により、プレイヤーキャラクタとモンスターを含む複数のキャラクタを一体的に操作可能とする。ここでは、オブジェクト制御部112は、プレイヤーキャラクタがモンスターに騎乗した一体的な操作キャラクタとして、プレイヤーキャラクタとモンスターを一体的に操作可能とする。
【0075】
ステップS2において、制御部110は、入力部1071を介して操作が入力され、操作受付部114により操作が受け付けられた場合に、その操作がスキルを発動させるための操作であるか、それ以外の操作であるかを判定する。一実施形態では、制御部110は、操作受付部114がタッチスクリーン1007に表示されたゲーム画像内の所定の領域においてフリック操作を受け付けた場合に、受け付けた操作がスキルを発動させるための操作(スキル発動操作)であると判定する。受け付けた操作がスキル発動操作であると判定される場合(「スキル発動操作」)、制御部110は操作受付部114により判定されたフリック操作の方向をスキル発動部116に渡し、処理はステップS3に進む。所定の領域外の操作を受け付けたと判定される場合またはフリック操作でないと判定される場合(「スキル発動操作以外」)、処理はステップS5に進む。
【0076】
ステップS3において、制御部110は、スキル発動部116により、スキル情報記憶部123に記憶された割当テーブルに基づき、受け付けた操作に対して割り当てられたスキルがあるか否かを判定する。制御部110は、受け付けたフリック操作の方向に割り当てられたスキルがない場合(NO)、処理を終了する。このとき、操作に割り当てられたスキルがないことを示すエラーメッセージ等を表示させてもよい。割り当てられたスキルがある場合(YES)、処理はステップS4に進む。
【0077】
ステップS4において、制御部110は、スキル発動部116により、操作に対応するスキルの発動処理を行う。ステップS4の詳細は
図5を参照して後述する。
【0078】
一方、ステップS5において、制御部110は、ゲーム進行部111、オブジェクト制御部112または表示制御部113と連携して、受け付けた操作に対応するアクションを実行する。スキル発動操作以外の操作は、ゲーム設計者によってあらかじめ任意のアクションに対応付けられ得る。例えば、受け付けた操作が所定の領域外のフリック操作またはスワイプ操作である場合、制御部110は、操作キャラクタをフィールド内で移動させる。例えば、受け付けた操作が所定の領域外の長押し操作である場合、制御部110は、操作キャラクタのステータス情報を表示させる。例えば、受け付けた操作が所定の領域内のタップ操作である場合、制御部110は、ゲーム進行を一時停止させる。受け付けた操作に対応するアクションがあらかじめ設定されていない場合、ゲーム進行部111は、操作を無視し、またはエラーメッセージ等を表示し得る。
【0079】
図6は、ゲームプログラムにより提供されるスキル発動に関連するゲーム画像の一例である。ゲーム画像10は表示部1072に表示される。ゲーム画像10は、プレイヤーキャラクタ11と、モンスター12と、演出13と、ステータスゲージ14と、所定の領域20とを含む。
【0080】
プレイヤーキャラクタ11は、一例として人間のキャラクタとして表現されている。モンスター12は、架空生物のキャラクタとして表現されている。ゲーム画像10では、プレイヤーキャラクタ11がモンスター12に騎乗した状態で、一体的な操作キャラクタとしてユーザからの操作を受け付ける。
【0081】
演出13は、スキルの発動時に表示される演出画像の一例である。
図6では、演出13は操作キャラクタの周囲の光として表現されている。
【0082】
ステータスゲージ14は、操作キャラクタのステータスを示すUI部品である。ステータスゲージ14は、操作キャラクタのHP(ヒットポイント)およびSP(スキルポイント)の増減をリアルタイムで示す。HPは、操作キャラクタが耐えられるダメージ量を数値化したもので、体力と言い換えることもできる。例えば、操作キャラクタが敵キャラクタの攻撃によりダメージを受けるとHPが減少していき、HPが0になると操作キャラクタは操作不能となるように設定される。SPは、操作キャラクタがスキルを発動できる能力を数値化したもので、スキルを発動すると消費される。例えば、操作キャラクタがスキルを発動するとSPが減少し、スキル以外の通常攻撃により敵キャラクタにダメージを与えるとSPが回復(増加)するように設定される。ここでは、HPおよびSPはプレイヤーキャラクタとモンスターの共用ステータスとして設定される。
【0083】
所定の領域20は、スキル発動操作の入力を受け付ける領域の一例である。所定の領域20内で検知されるフリック操作は、スキル発動操作として受け付けられる(
図4のステップS2において「スキル発動操作」)。一例として、フリック操作の開始位置および終了位置の両方が所定の領域20内で検知される場合に、操作受付部114は、スキル発動のための有効なフリック操作として受け付ける。
【0084】
所定の領域20は、ユーザがユーザ端末100を横向きにして長手方向端を手で把持した状態で、右手(例えば右手親指)でスキル発動操作を入力できるよう、ゲーム画像10内の右側に配置される。この場合、ユーザは、例えば右手親指でスキル発動操作を入力し、左手親指で他の操作(移動など)を入力することができる。ただしこれに限られず、所定の領域20はゲーム画像10内の左側に配置されてもよいし、ゲーム画像10の全体に及ぶ領域であってもよい。所定の領域20の位置および大きさは、ゲームの進行に伴って変化するように設計されてもよい。所定の領域20は、ユーザに視認可能に表示されてもよいし、ユーザから視認されないものでもよい。言うまでもなく、ユーザの操作は、親指に限られず、どの指で入力されてもよい。
【0085】
図6はまた、ユーザの手30と、フリック操作の開始位置21と、フリック操作22とを示す。図示したフリック操作22は、上方向のフリック操作として受け付けられる。開始位置21およびフリック操作22は、説明の便宜上図示したものであり、ゲーム画像10には表示されない。またユーザの操作は人差し指に限られない。
【0086】
一実施形態では、操作の入力の開始が検知される場合に、スキルを割り当てられた操作方向、または割り当てられたスキルを案内するガイドUIを表示することなく、入力された操作をスキル発動操作として受け付けるようにしている。これにより、ゲーム画像がシンプルになり、ユーザの没入感を高めるとともに、プロセッサ1001の処理負荷を軽減することができる。あるいは、開始位置21およびフリック操作22のような画像が演出としてゲーム画像に表示されてもよい。例えば、フリック操作22のように操作の軌跡を示す画像が重畳表示されてもよい。
【0087】
図7は、スキル情報記憶部123に記憶される割当テーブルの一例を示す。
図7の割当テーブルは、4方向のフリック操作(上、左、右、下)と、その各々に割り当てられたスキルIDおよびスキル名を含む。
図7では、説明の便宜上、4方向のフリック操作を図式的表現で示す。スキルIDは、一意の識別情報(identification/identifier)であり、複数のテーブル間でスキルを紐づける。スキル名は、例えばゲーム画像(ゲーム画面)においてスキルを特定するためにユーザに提示される。
図7では、フリック操作の上方向にはスキル「ジャンプ」が割り当てられ、左方向にはスキル「ファイア」が割り当てられ、右方向にはスキルが割り当てられておらず(NA:Not available/Not applicable)、下方向には「ストンプ」が割り当てられている。割当テーブルは、ゲーム設計者によって設計されたものである。あるいは割当テーブルは、後述するようにユーザによって割当てを変更または設定されたものである。割当テーブルにおいて操作に割り当てられるスキルは、操作キャラクタであるプレイヤーキャラクタまたはモンスターのうちの少なくとも一方が保持するスキルである。
【0088】
図8は、スキル情報記憶部123に記憶されるスキル詳細テーブルの一例を示す。スキル詳細テーブルは、ゲーム設計者によって任意に設計され、ゲーム内の各スキルの設定情報を含む。この例では、スキル詳細テーブルは、スキルID、スキル名、割当て可能方向、スキルの説明、消費SPおよび特別消費SPの情報を含む。
【0089】
割当て可能方向は、スキルを割当て可能な操作を指定する情報の一例である。この例では、各スキルはフリック操作の4方向のうちいずれか1つに割当て可能である。例えば、スキル「ジャンプ」は上方向のフリック操作に割当て可能である。スキル「アタック」もまた上方向のフリック操作に割当て可能である。スキル「ファイア」は左方向のフリック操作に割当て可能である。スキル「サンダー」は右方向のフリック操作に割当て可能である。スキル「ストンプ」は下方向のフリック操作に割当て可能である。
【0090】
スキルの説明は、スキルを端的に説明する文字情報を含み、ゲーム画像においてユーザに提示され得る。スキルの説明は、スキルが発動された場合の効果の記述を含み得る。スキルの説明は、攻撃力や攻撃範囲を定義するパラメータであってもよい。
【0091】
消費SPは、スキルを発動するために必要なSPを示し、スキルごとに設定される。スキルを発動すると、
図6のステータスゲージ14に示したような操作キャラクタが所有するSPが消費される。操作キャラクタが所有するSPよりも消費SPが大きい場合、そのスキルは発動できない。したがって消費SPはスキルの発動条件の1つである。ここではスキル「ジャンプ」の消費SPは20、スキル「アタック」の消費SPは15と設定されている。なお、ここでは消費SPはスキルのレベルには依存しないものとしている。
【0092】
特別消費SPは、特定のスキルをプレイヤーキャラクタとモンスターの両方が保持している場合の特殊効果として、消費SPの代わりに採用され得る。ここでは、特別消費SPは、消費SPよりも小さい値に設定され、プレイヤーキャラクタとモンスターの両方が保持しているスキルについては発動条件が緩和されるように設定されている。
【0093】
図5は、
図4に示した処理のうちステップS4のスキル発動処理の詳細を示す。
ステップS401において、スキル発動部116は、スキル情報記憶部123に記憶されたプレイヤーキャラクタの保持スキルテーブルに基づき、操作に割り当てられたスキルを保持するか否かを判定し、スキルを保持する場合にはそのレベルを読み出す。
ステップS402において、スキル発動部116は、スキル情報記憶部123に記憶されたモンスターキャラクタの保持スキルテーブルに基づき、操作に割り当てられたスキルを保持するか否かを判定し、スキルを保持する場合にはそのレベルを読み出す。
ステップS401とステップS402は順序を入れ替えて実行されてもよいし、同時並行で実行されてもよい。
【0094】
図9Aおよび
図9Bは、スキル情報記憶部123に記憶される保持スキルテーブルの一例を示す。保持スキルテーブルは、各キャラクタが保持するスキル(各キャラクタに関連付けられたスキル)の情報を含む。スキルの情報は、スキルID、スキル名およびスキルのレベルを含み得る。各キャラクタが保持するスキルの数または種類はゲームの進行に伴って変化し得る。例えば、各キャラクタは、経験値の増加など所定の条件を満たすと新たなスキルを獲得していくように設計され得る。各キャラクタが保持するスキルの数または種類は固定であってもよい。スキルのレベルもまた、キャラクタごとおよびスキルごとにゲームの進行に伴って変化し得る。例えば、スキルのレベルは、時間経過やスキルの使用頻度など、所定の条件を満たすと値が大きくなるように設計され得る。スキルのレベルは固定値であってもよい。
【0095】
図9Aは、ある特定のプレイヤーキャラクタ(プレイヤーキャラクタA)に関する保持スキルテーブルの一例を示す。プレイヤーキャラクタAは、スキル「ジャンプ」、「ファイア」・・・等を保持し、「ジャンプ」のレベルは1、「ファイア」のレベルは2である。
図9Bは、ある特定のモンスター(モンスターB)に関する保持スキルテーブルの一例を示す。モンスターBは、スキル「ジャンプ」、「ストンプ」・・・等を保持し、「ジャンプ」のレベルは3で、「ストンプ」のレベルは1である。
【0096】
スキル情報記憶部123は、
図9Aまたは
図9Bのような保持スキルテーブルをキャラクタごとに記憶し得る。例えば、ユーザがゲームにおいて複数のプレイヤーキャラクタと複数のモンスターを所持可能な場合に、プレイヤーキャラクタが3体でモンスターが5体であれば合計8体分の保持スキルテーブルが記憶され得る。
【0097】
発動させるスキルが「ジャンプ」の場合、
図9Aおよび
図9Bの例を用いると、ステップS401においてプレイヤーキャラクタ(プレイヤーキャラクタA)はスキル「ジャンプ」を保持しており、そのレベルは「1」であり、ステップS402においてモンスター(モンスターB)はスキル「ジャンプ」を保持しており、そのレベルは「3」である。
【0098】
ステップS403において、スキル発動部116は、プレイヤーキャラクタおよびモンスターの両方が当該スキルを保持しているか否かを判定する。両方が保持している場合(YES)、ステップS404に進み、いずれか一方しか保持していない場合(NO)、ステップS405に進む。上記の例では、プレイヤーキャラクタおよびモンスターの両方がスキル「ジャンプ」を保持しているので、ステップS404に進む。
【0099】
ステップS404において、スキル発動部116は、スキル情報記憶部123から特殊効果を指定する情報を読み出し、スキル発動に特殊効果を追加する準備をする。特殊効果とは、発動されるスキルをプレイヤーキャラクタおよびモンスターの両方が保持する場合に追加される効果を言う。特殊効果が追加されることにより、プレイヤーキャラクタとモンスターの両方があるスキルを保持する場合、プレイヤーキャラクタまたはモンスターのいずれか一方だけが当該スキルを保持する場合とは異なる態様でスキルが発動される。
【0100】
特殊効果の第1の例は、プレイヤーキャラクタまたはモンスターのいずれか一方が保持するスキルのレベルよりも高いレベルでスキルを発動させるものである。この場合、例えばスキル発動部116は、スキル情報記憶部123から、プレイヤーキャラクタまたはモンスターが保持するスキルのレベルよりも値M(M>0)だけ高いレベルを発動レベルとして採用するという指定情報を読み出す。スキル「ジャンプ」の例で言えば、スキル発動部116は、プレイヤーキャラクタのレベル「1」よりも高いレベル「1+M(例えば2,3,4...など)」、またはモンスターのレベル「3」よりも高いレベル「3+M(例えば4,5,6...など)」を発動レベルとして採用する。発動レベルは整数に限られず、「2.5」、「3.2」など、小数であってもよい。
【0101】
特殊効果の第2の例は、プレイヤーキャラクタが保持するスキルのレベルとモンスターが保持するスキルのレベルとを合算した合計レベルでスキルを発動させるものである。この場合、例えばスキル発動部116は、スキル情報記憶部123から、プレイヤーキャラクタとモンスターの合計レベルを発動レベルとして採用するという指定情報を読み出す。スキル「ジャンプ」の例で言えば、スキル発動部116は、プレイヤーキャラクタのレベル「1」とモンスターのレベル「3」とを合算した合計レベル「4」(1+3=4)を発動レベルとして採用する。
【0102】
特殊効果の第3の例は、より緩和された条件でスキルを発動可能とするものである。この場合、例えばスキル発動部116は、スキル情報記憶部123から、消費SPの代わりに上記の特別消費SPを採用するという指定情報を読み出す。例えばスキル「ジャンプ」の例で言えば、消費SP「20」ではなく特別消費SP「12」が採用される。
【0103】
特殊効果の第4の例は、スキルの発動に係るゲームシーンに特殊な演出を付加するものである。この場合、例えばスキル発動部116は、スキル情報記憶部123から、スキル発動時に追加すべき特殊な演出を指定する情報を読み出す。特殊な演出は、スキル発動時の通常の演出(例えば
図6の演出13)に追加され得る。特殊な演出は、例えば、操作キャラクタの色や光の変化、攻撃アニメーションの色や光の変化など、ゲーム画像上の視覚的な演出、風切り音、爆発音、メロディ、その他の効果音など、ゲーム画像とともに出力される聴覚的な演出、または振動による演出を含む。特殊な演出はこれらを組み合わせたものでもよい。
【0104】
特殊効果の第5の例は、スキル発動の影響範囲または影響力を変化させるものである。この場合、例えばスキル発動部116は、スキル情報記憶部123から、スキル発動の影響範囲または影響力を指定する情報を読み出す。例えば、特殊効果は、攻撃範囲または攻撃力を所定の倍率で拡大させる。特殊効果は、火属性を水属性に変えるなど、スキル属性を変化させるものでもよい。あるいは特殊効果は、HPを回復する効果、敵キャラクタを一定時間静止させる効果、操作キャラクタが一定時間無敵になる効果など、敵キャラクタとの戦闘シーンに関わる他の効果を含んでもよい。
【0105】
このような特殊効果により、同じレベルの同じスキルであっても、プレイヤーキャラクタまたはモンスターのいずれか一方だけが当該スキルを保持する場合に比べ、プレイヤーキャラクタおよびモンスターの両方が当該スキルを保持する場合とは異なる態様でスキルが発動される。以上のような特殊効果は、組み合わせて採用されてもよい。特殊効果の内容、設定値、組合せ等は、ゲーム設計者によって任意に設定されてよい。
【0106】
ステップS405において、スキル発動部116は、スキルの発動に関連する種々のパラメータを計算する。スキルの発動は、発動主体である操作キャラクタまたは周囲の敵キャラクタのステータスパラメータに影響を与える。
【0107】
一例として、スキル発動部116は、まずスキル情報記憶部123に記憶されたスキル詳細テーブルに基づいて、発動させようとするスキルの消費SPの値を取得する。スキル発動部116はまたオブジェクト制御部112と連携して、操作キャラクタが所有するSPの値を取得し、消費SPの値と比較する。操作キャラクタが所有するSPの値よりもスキルの消費SPの値が大きい場合、発動条件を満たさないので、スキル発動部116はスキルを発動させない。この場合、表示制御部113と連携して「SP不足」などの表示を行うようにしてもよい。操作キャラクタが所有するSPの値よりもスキルの消費SPの値が小さい場合、スキル発動部116は、操作キャラクタが所有するSPの値から消費SPを減算する。なお、特殊効果として特別消費SPが採用される場合、「消費SP」は「特別消費SP」と読み替えられる。
【0108】
発動条件が満たされる場合、スキル発動部116はさらに、スキル情報記憶部123に記憶された効果テーブルから、発動すべきレベルに応じたスキルの効果を指定する情報(例えば、攻撃力、攻撃範囲、回復力、特殊効果に関する情報等)を読み出す。スキル発動部116は、読み出した情報をもとに、例えばあらかじめ設定された計算式を用いて、攻撃範囲内にいる敵キャラクタの体力パラメータをどれだけ減じるべきか、操作キャラクタの体力パラメータをどれだけ回復させるべきか等を計算する。スキル発動部116は、計算されたパラメータをゲーム進行部111およびオブジェクト制御部112に渡し、操作キャラクタおよび敵キャラクタの種々のステータスを更新させる。
【0109】
図10は、スキル情報記憶部123に記憶される効果テーブルの一例を示す。
効果テーブルは、レベルごとにスキルが発動される場合の効果を指定する情報を含む。効果テーブルは、ゲーム設計者によって任意に設計されたものである。
図10では、多種多様なスキルのうち、スキル「ジャンプ」および「ファイア」の効果を例示する。「レベル」は、プレイヤーキャラクタおよびモンスターのレベルが合算される場合、「合計レベル」を意味する。
【0110】
図10では、レベルごとに、攻撃力が数値で指定され、攻撃範囲が升目状の領域として指定される(黒塗りは操作キャラクタの位置を表し、ハッチングは攻撃が及ぶ範囲を表す)。各スキルは、レベルが高いほど効果も増大するように設定される。例えば、スキル「ジャンプ」は、レベルが高いほど攻撃力および攻撃範囲が増大する。レベル1の「ジャンプ」は、攻撃力が10で、攻撃範囲が操作キャラクタの前方1ブロック分である。レベル2の「ジャンプ」は、攻撃力が12で、攻撃範囲が操作キャラクタの前方および両隣8ブロック分に及ぶ。レベル3の「ジャンプ」は、攻撃力が15で、攻撃範囲が操作キャラクタの前方および両隣24ブロック分に及ぶ。スキル発動部116は、このような値をステップS405のパラメータ計算に用いることができる。すなわち、特殊効果として、より高いレベルまたは合計レベルでスキルが発動される場合、より強力な影響をもたらすことができ、ユーザはゲームをより有利に進行させることができる。
【0111】
効果テーブルはさらに、レベルが閾値Nに達するとスキルの効果がより強力になるような設定情報を含み得る。
図10はその一例として、レベルNに達すると特殊スキル(図では「特」として記載)が発動されることを示す。特殊スキルは、例えば、スキル発動による効果の性質は変わらずに効果がより強力になるもの(第1の特殊スキル)、レベルNに達する前にはなかった新たな効果を生じるもの(第2の特殊スキル)等を含む。例えば、レベルNの「ジャンプ」は、攻撃力が100で、さらに特殊スキルとして背後の敵にも攻撃が及ぶ。これは、効果の性質は変わらずに効果がより強力になる、第1の特殊スキルの一例である。一方、レベル1のスキル「ファイア」は、攻撃力が10で、攻撃範囲は操作キャラクタの周囲11ブロック分である。レベル2のスキル「ファイア」は、攻撃範囲は変わらず、攻撃力が20に増大する。レベルNの「ファイア」は、攻撃力が300で、攻撃範囲も拡大し、さらに特殊スキルとして攻撃後一定時間無敵になる効果を生じる。これは、レベルNに達する前にはなかった新たな効果を生じる、第2の特殊スキルの一例である。
【0112】
特殊スキルは、当該スキルをプレイヤーキャラクタおよびモンスターの両方が保持する場合にのみ発動されるものであってもよい。この場合、特殊スキルは、上述した特殊効果の一例と言える。
【0113】
ステップS406において、スキル発動部116は、ゲーム進行部111および表示制御部113と連携して、スキル発動に係る画像を表示させるための表示データを生成し、表示させる。スキル発動に係る画像は、プレイヤーキャラクタがモンスターに騎乗した状態で、プレイヤーキャラクタまたはモンスターが保持するスキルを発動させる画像を含む。スキル発動に係る画像はまた、例えば
図6のゲーム画像10に示した演出13を含む。上記の特殊な演出の一例として、演出13の数を増やす、または演出13の色を変更してもよい。スキル発動は、プレイヤーキャラクタ11がスキルを実行したものとして表現されてもよいし、モンスター12がスキルを実行したものとして表現されてもよいし、両者が実行したものとして表現されてもよい。例えば、スキル「ファイア」の発動の表現として、プレイヤーキャラクタ11が持っている剣の先から火が吹き出す画像、またはモンスター12の口から火が吹き出す画像、あるいはそれらの両方が用いられてもよい。
【0114】
(3-2)スキル割当てに関連する処理
次に、
図11~
図16を参照し、スキル割当てに関連する処理について説明する。
ユーザ端末100は、ユーザの選択に応じて任意の操作にスキルを割り当てることができる。以下では引き続き、スキルを発動させるための操作(スキルを割り当てることのできる操作)が上下左右の4方向のフリック操作であるものとして説明する。また以下ではプレイヤーキャラクタとモンスターの両方がスキルを保持する場合に追加される特殊効果として、レベルを合算した合計レベルが用いられるものとして説明する。
【0115】
図11は、
図3に示したユーザ端末100の処理のうち、スキル割当てに関連する処理の一例を示すフローチャートである。以降の処理も、前提として、ユーザ端末100の制御部110および記憶部120の連携により、ゲームプログラムに記述されたコードに従ってゲームが進行され、表示データが生成されているものとする。
【0116】
ステップS11において、制御部110は、操作受付部114により、ゲームの進行中にスキル割当処理の指示を受け付けたかどうかを判定する。スキル割当処理の指示は、例えば、フィールドシーンなど、任意のゲームシーンを示すゲーム画像においてユーザが特定のUIボタンをタップする操作として受け付けられる。スキル割当処理は、ゲーム開始時またはゲーム進行中に、ユーザが割当状況の確認を望むまたは割当ての変更を望む任意のタイミングで開始され得る。指示を受け付けない場合(NO)、ゲームの進行を継続し、スキル割当処理の指示を受け付けた場合(YES)、ステップS12に進む。
【0117】
ステップS12において、制御部110は、表示制御部113により、スキル割当状況を示すゲーム画像を表示させるための表示データを生成し、表示部1072に表示させる。表示制御部113は、スキル情報記憶部123に記憶されたスキル詳細テーブルに基づいて表示データを生成する。
図8に示したように各スキルにはあらかじめ割当て可能方向が設定されており、各方向に1つのスキルを割り当てることができるものとする。
図8の例では、上方向のフリック操作には「ジャンプ」または「アタック」のいずれかを割り当てることができる。スキルは、ゲーム設計者によってあらかじめ発動操作が割り当てられた、ユーザが割当てを変更できないスキルを含んでもよい。各スキルそれぞれに、複数の割当可能方向が設定されていてもよいし、1つのみの割当可能方向が設定されることで、各スキルの割当可能方向が制限されているものがあってもよい。
【0118】
図14は、ステップS12で表示されるスキル割当状況を示すゲーム画像の一例である。ゲーム画像50は、ユーザ端末100の表示部1072に表示される。ゲーム画像50は、シーンタイトル51、もどるボタン52、およびテーブル53を含む。
シーンタイトル51は、「フリックスキル割当て」の文字を含み、現在の表示がフリックスキル割当てに関する表示であることを示す。
【0119】
もどるボタン52は、ユーザが選択可能なUI部品(操作ボタン)の一例である。もどるボタン52は、いわゆる「もどる」機能を有する。もどるボタン52がタップ操作等により選択されると、ゲーム画像50は、その直前に示されていた画像(例えば、フィールドシーンを示すゲーム画像)に切り替えられる。
【0120】
テーブル53は、スキル割当て状況を一覧で示す。テーブル53は、ゲーム画像50の表示の都度、最新の保持スキルテーブルおよび割当テーブルに基づいて生成される。この例は、すでにフリック操作の各方向にスキルが割り当てられた状況を想定している。
図7の割当テーブルと同様に、フリック方向「上」には「ジャンプ」、フリック方向「左」には「ファイア」、フリック方向「下」には「ストンプ」が割り当てられている。フリック方向「右」には「スキルを保持していません」の文字情報が表示されている。これは、フリック方向「右」に割当て可能なスキルをモンスターまたはプレイヤーキャラクタが保持しておらず、スキルが割り当てられていないことを示す。またこの例では、上下左右のフリック方向に加え、最下段のように長押し操作(ハッチングを付した中央の丸)も表示される。これは、長押し操作にデフォルト設定でスキル「ダイブ」が割り当てられており、ユーザによる割当変更は行えない設定を想定したものである。
【0121】
テーブル53はまた、スキルごとに、プレイヤーキャラクタ(図では単に「プレイヤー」)のレベルと、モンスターのレベルとを含む。
図9Aおよび
図9Bの保持スキルテーブルに示すように、各キャラクタは、保持するスキルごとにレベルを有する。テーブル53はまたプレイヤーキャラクタのレベルとモンスターのレベルとを合算して得られた合計レベルを含む。上方向のフリック操作に割り当てられたスキル「ジャンプ」は、プレイヤーキャラクタが「レベル1」、モンスターが「レベル3」であり、合計が「レベル4」(4=1+3)である。一方、左方向のフリック操作に割り当てられたスキル「ファイア」は、プレイヤーキャラクタが「レベル2」、モンスターが「なし」(モンスターがスキル「ファイア」を保持していない)であり、合計が「レベル2」(2=2+0)である。このように、プレイヤーキャラクタまたはモンスターのいずれか一方が保持していないスキルについては、そのレベルをゼロ(0)として合計レベルが算出される。テーブル53は「なし」の代わりに「レベル0」を表示してもよい。
【0122】
テーブル53はまた、詳細ボタン54と、変更ボタン55とを含む。
詳細ボタン54は、ユーザが選択可能なUI部品の一例である。詳細ボタン54は、テーブル53内に表示されたフリックスキルの各々に1つずつ配置される。詳細ボタン54が選択されると、表示制御部113は、後述する、各スキルの詳細な情報を示すゲーム画像(スキル詳細画像)を表示させる。
【0123】
変更ボタン55もまた、ユーザが選択可能なUI部品の一例である。変更ボタン55は、テーブル53内に表示されたフリックスキルのうち、ユーザが割当てを変更可能なスキルの各々に1つずつ配置される。変更ボタン55が選択されると、表示制御部113は、後述する、スキルの割当てを変更可能とするスキル変更用のゲーム画像(スキル変更画像)を表示させる。
【0124】
例えば
図14に示すようなスキル割当状況を示す画像を表示することによって、ユーザは、現在どのような操作に対してどのスキルが割り当てられているかを確認することができる。ユーザはさらに、割当て状況の確認を終了したい場合にはもどるボタン52を選択し、スキルの詳細を確認したい場合には詳細ボタン54を選択し、スキルの割当てを変更したい場合には変更ボタン55を選択することができる。
【0125】
ユーザが初めてスキル割当てを行うとき(初期割当時)にも、ユーザは、
図14のようなスキル割当状況を示す画像から変更ボタン55を選択することによって、操作にスキルを割り当てることができる。初期割当時には、各フリック方向にデフォルト設定のスキルが暫定的に割り当てられていてもよいし、すべてのフリック方向にスキルが割り当てられていなくてもよい。いずれかのフリック方向にスキルが割り当てられていない場合、
図14の例では、当該フリック方向の行内に、「スキルが割り当てられていません」の文字と、変更ボタン55が表示され得る。
【0126】
図11のステップS13において、制御部110は、操作受付部114により、スキル割当状況を示すゲーム画像において所定の操作が受け付けられたか否かを判定する。所定の操作は、スキル割当状況を示す画像を他の画像に切り替える操作を含む。ここでは、所定の操作は、
図14のもどるボタン52、詳細ボタン54または変更ボタン55のいずれかが選択される操作であるものとする。所定の操作が受け付けられない場合(NO)、スキル割当状況を示す画像を維持し、所定の操作が受け付けられた場合(YES)、ステップS14に進む。
【0127】
ステップS14において、制御部110は、操作受付部114により、受け付けた所定の操作の内容を判定する。ここでは、操作の内容は、「もどる」、「詳細」または「変更」のいずれかである。「もどる」の場合ステップS15に進み、「詳細」の場合ステップS16に進み、「変更」の場合ステップS17に進む。
ステップS15では、制御部110は、表示制御部113により、スキル割当状況の画像の直前に表示されていた画像を表示させる。
ステップS16では、制御部110は、主に表示制御部113により、後述するスキル詳細表示処理を行う。
ステップS17では、制御部110は、主にスキル割当部115により、後述するスキル変更処理を行う。
【0128】
図12は、
図11に示した処理のうちステップS16のスキル詳細表示処理の詳細を示す。
ステップS1601において、表示制御部113は、スキル情報記憶部123に記憶されたスキル詳細テーブルから、選択されたスキルの詳細な情報を取得する。例えば、
図14において、スキル「ジャンプ」(上方向のフリック操作)の行内の詳細ボタン54が押された場合、表示制御部113は、
図8に示したスキル詳細テーブルからスキル「ジャンプ」に関する詳細な情報を取得する。
【0129】
ステップS1602において、表示制御部113は、取得した情報に基づき、スキルの情報を示すスキル詳細画像を生成し、表示させる。
【0130】
図15は、ステップS1602で表示されるスキル詳細画像の一例である。ゲーム画像60は、ユーザ端末100の表示部1072に表示され得る。ゲーム画像60は、
図14のスキル「ジャンプ」の行内の詳細ボタン54が押されたときの画像の一例であり、シーンタイトル61、フリック方向62、スキル名63、SP情報64、説明65、切替ボタン66およびもどるボタン67を含む。
【0131】
シーンタイトル61は、「スキル詳細」の文字を含み、現在表示されている画像が、スキル詳細画像(この例では、スキル割当状況を示す画像50において詳細ボタン54が押された結果表示された画像)であることを示す。
【0132】
フリック方向62はスキルを割当て可能なフリック方向を示す。スキル名63は、スキルの名前(この例では「ジャンプ」)を示す。SP情報64は、消費SPおよび特別消費SPの情報を示す。説明65は、スキルの説明を含む。切替ボタン66は、ゲーム画像60を、直前のスキル割当状況の画像50に表示されていた次のフリックスキルに関するスキル詳細画像に切り替える機能を有する。この例では、切替ボタン66が選択されると、ゲーム画像60が、
図14でスキル「ジャンプ」の1つ下の行に表示されているスキル「ファイア」の詳細な情報を示す画像に切り替えられる。
【0133】
もどるボタン67は、
図14のもどるボタン52と同様に「もどる」機能を提供する。この例では、もどるボタン67が選択されると、ゲーム画像60がその直前に示されていたスキル割当状況の画像50に切り替えられる。
【0134】
ステップS1603において、操作受付部114は、スキル詳細画像において所定の操作が受け付けられたか否かを判定する。所定の操作は、スキル詳細画像を他の画像に切り替える操作を含む。ここでは、所定の操作は、
図15の例に関連して、切替ボタン66またはもどるボタン67のいずれかが選択される操作であるものとする。所定の操作が受け付けられなければ(NO)、スキル詳細画像を維持し、所定の操作が受け付けられた場合(YES)、ステップS1604に進む。
【0135】
ステップS1604において、操作受付部114は、受け付けた所定の操作の内容を判定する。ここでは、操作の内容は、「切替」または「もどる」のいずれかである。「切替」の場合、ステップS1605に進み、「もどる」の場合、スキル詳細表示処理を抜け、
図11のステップS16からステップS12に移行する。ステップS12では、表示制御部113は再び割当状況を表示させる。
【0136】
ステップS1605において、表示制御部113は、割当状況表示画像における次のスキル(例えば下の行)を対象として選択する。その後、再びステップS1601に戻り、次のスキルに関する情報を取得し(S1601)、取得した表示に基づいて新たなスキル詳細画像を生成し、表示させる。
【0137】
図13は、
図11に示した処理のうちステップS17のスキル変更処理の詳細を示す。スキル変更処理は、ユーザの選択に応じてフリック操作の各方向にスキルを割り当てることを可能とする処理である。スキル変更処理は、割当処理または設定処理と言い換えることもでき、ユーザが初めてフリック操作にスキルを割り当てる初期設定処理を含む。
【0138】
ステップS1701において、操作受付部114は、スキルの変更に関して選択されたフリック方向を特定する。選択されたフリック方向は、
図14の例で言えば、どの変更ボタン55が選択されたかによって決まる。例えば、上方向のフリック操作に割り当てられたスキル「ジャンプ」の行内の変更ボタン55が押された場合、操作受付部114は、上方向のフリック操作が選択されたと特定する。操作受付部114は、特定したフリック方向を表す情報をスキル割当部115に渡す。
【0139】
ステップS1702において、スキル割当部115は、スキル情報記憶部123に記憶された保持スキルテーブルから、プレイヤーキャラクタが保持するスキルのうち、選択されたフリック方向に割当て可能なすべてのスキルと、各々のレベルとを取得する。
ステップS1703において、スキル割当部115は、スキル情報記憶部123に記憶された保持スキルテーブルから、モンスターが保持するスキルのうち、選択されたフリック方向に割当て可能なすべてのスキルと、各々のレベルとを取得する。
言うまでもなく、ステップS1702とステップS1703は順序を入れ替えて実行されてもよいし、同時並行で実行されてもよい。
【0140】
次いでステップS1704において、スキル割当部115は、ステップS1702およびステップS1703で取得した情報に基づき、各スキルの合計レベルを計算する。より詳細には、スキル割当部115はまず、選択されたフリック方向に割当て可能な、プレイヤーキャラクタが保持するスキルとモンスターが保持するスキルの和集合を生成する。和集合はプレイヤーキャラクタまたはモンスターの少なくとも一方が保持するスキルの集合となる。そしてスキル割当部115は、和集合に含まれるスキルの各々について、プレイヤーキャラクタのレベルと、モンスターのレベルとを合算し、合計レベルを算出する。
【0141】
ステップS1705において、表示制御部113は、スキル変更用のゲーム画像(スキル変更画像)を表示する。スキル変更画像は、スキル割当てを設定するための設定画像と言い換えることもできる。一実施形態では、スキル変更画像は、フリック操作の方向と、フリック操作の方向に割当て可能なスキルの情報と、プレイヤーキャラクタが保持するスキルのレベルと、モンスターが保持するスキルのレベルとを含む。
【0142】
図16は、ステップS1705で表示されるスキル変更画像または設定画像の一例である。ゲーム画像70は、ユーザ端末100の表示部1072に表示され得る。ゲーム画像70は、
図14において上方向のフリック操作に割り当てられたスキル「ジャンプ」の行内の変更ボタン55が押されたときの画像の一例であり、
図9Aおよび
図9Bの保持スキルテーブルから取得される情報を含む。ゲーム画像70は、シーンタイトル71、候補欄72~75、カーソル76、OKボタン77およびキャンセルボタン78を含む。
【0143】
シーンタイトル71は、「スキル変更」の文字を含み、現在表示されている画像が、スキル変更画像(この例では、スキル割当状況を示す画像50において変更ボタン55が押された結果表示された画像)であることを示す。
【0144】
候補欄72~75は、スキル変更の候補を提示するUI部品の一例である。候補欄72は、「はずす」の文字を含み、選択されたフリック方向(この例では上方向)へのスキル割当てをはずす(割当てを解除する)選択肢を提示する。候補欄73~75は、選択されたフリック方向に割当て可能な、プレイヤーキャラクタまたはモンスターの少なくとも一方が保持するスキルの和集合に対応する。この例では、上方向に割当て可能なスキルとして、割当て済みの「ジャンプ」(候補欄73)のほかに、「アタック」(候補欄74)および「スラッシュ」(候補欄75)が提示されている。候補欄73~75はまた各スキルについて、プレイヤーキャラクタのレベル(プレイヤーレベル)、モンスターのレベル(モンスターレベル)、およびそれらを合算したレベル(合計レベル)を示す情報を含む。例えば候補欄73は、スキル「ジャンプ」について文字情報「プレイヤーレベル1+モンスターレベル3=合計レベル4」を含む。例えば候補欄75は、スキル「スラッシュ」について、モンスターがスキル「スラッシュ」を保持していないので、文字情報「プレイヤーレベル1+モンスターレベルなし=合計レベル1」を含む。候補欄75は、「プレイヤーレベル1+モンスターレベル0=合計レベル1」または「プレイヤーレベル1=合計レベル1」などの文字情報に代替されてもよい。割当て可能なスキルの数がより多いまたはより少ない場合、表示されるUI部品(候補欄)の数も増減される。
【0145】
カーソル76は、候補欄72~75のいずれかが選択された状態であることを示すUI部品の一例である。
図16は候補欄73が選択された状態を示している。ユーザは、例えばタッチスクリーン1007を介して候補欄72~75のいずれかにタッチすることによって、候補欄72~75を選択することができる。ユーザがタッチすると、カーソル76は、選択された候補欄72~75へと移動する。カーソル76の移動はフリック操作等の他の操作によるものでもよい。
【0146】
OKボタン77は、ユーザが選択可能なUI部品の一例で、カーソル76によって選択されているスキルをフリック方向に割り当てる機能を有する。
【0147】
キャンセルボタン78は、ユーザが選択可能なUI部品の一例で、変更処理をキャンセルし、ゲーム画像70の直前に表示されていたスキル割当状況を示す画像(例えばゲーム画像50)に戻る機能を有する。
【0148】
特定のフリック方向に割当て可能なスキルが複数ある場合、どのスキルを割り当てるかはユーザの選好に委ねられる。ユーザは、合計レベルが最も高いスキルを割り当ててもよいし、他のスキルを含めた全体的なバランスを考慮してスキルを割り当ててもよい。スキルの使用回数に応じてレベルが上昇する場合、ユーザは、レベルを高める目的でスキルを割り当ててもよい。あるいはユーザの選好はスキル発動時の演出等に基づいてもよい。
【0149】
ステップS1706において、操作受付部114は、スキル変更画像において所定の操作が受け付けられたか否かを判定する。所定の操作は、スキル変更画像を他の画像に切り替える操作を含む。ここでは、所定の操作は、
図16の例に関連して、OKボタン77またはキャンセルボタン78のいずれかが選択される操作であるものとする。所定の操作が受け付けられなければ(NO)、スキル変更画像を維持し、所定の操作が受け付けられた場合(YES)、ステップS1707に進む。
【0150】
ステップS1707において、操作受付部114は、受け付けた操作の内容を判定する。ここでは操作の内容は、「OK」または「キャンセル」のいずれかである。「OK」の場合、ステップS1708に進み、「キャンセル」の場合、スキル変更処理を抜け、
図11のステップS17からS12に移行する。ステップS12では、表示制御部113は再び割当状況を表示させる。
【0151】
ステップS1708において、スキル割当部115は、選択されているフリック方向に、カーソル76で選択されたスキルを割り当てる処理を実行する。スキル割当部115は、
図7に示したような割当テーブルに変更を反映することによって、スキルを割り当てる処理を実行する。その後、スキル変更処理を抜け、
図11のステップS17からS12に移行し、再び表示制御部113が最新のスキル割当てを反映した割当状況表示を行う。例えば
図16に示したスキル変更画像70において、候補欄74(アタック)が選択された状態でOKボタン77が押された場合、スキル割当部115は、
図7の割当テーブル内のフリック方向「上」の行を「ジャンプ」から「アタック」に書き換える。例えば
図16において候補欄72(はずす)が選択された状態でOKボタン77が押された場合、スキル割当部115は、「上」の行を「ジャンプ」から「NA」に書き換える。例えば
図16において候補欄73(ジャンプ)が選択された状態でOKボタン77が押された場合、スキル割当部115は、「上」の行を「ジャンプ」のまま維持する。以上のように変更(更新)された割当テーブルは、スキル発動処理の際に読み出されることになる。
【0152】
(4)効果
以上詳述したように、一実施形態に係るゲームプログラムは、プレイヤーキャラクタまたはモンスターが保持するスキルを発動させるための操作を受け付けたときに、受け付けた操作に対応するスキルを発動させる。ここで、ゲームプログラムは、プレイヤーキャラクタおよびモンスターの両方がスキルを保持する場合には、特殊効果を追加することによって、プレイヤーキャラクタまたはモンスターのいずれか一方が当該スキルを保持する場合とは異なる態様でスキルを発動させる。これにより、複数のキャラクタを一体的に操作可能とするゲームにおいて、いずれかのキャラクタが保持するスキルを発動できるという多様性を担保しつつ、複数のキャラクタを操作する一体感をもたらし、興趣性を高めることができる。
【0153】
また、一実施形態に係るゲームプログラムは、ユーザの選択に応じて、フリック操作の複数の方向の各々にスキルを割り当てることを可能にする。ゲームプログラムは、操作と、操作に割り当てられたスキルの対応を割当テーブルとしてスキル情報記憶部123に記憶する。またゲームプログラムは、ユーザがスキルの割当てを変更することを可能にする。ユーザは、ゲームの進行に応じて戦略的にスキルを割り当て、簡易な操作でスキルを発動させることができる。各スキルにあらかじめ割当て可能な操作を設定するなど、ある程度の制約を設けることによって、ゲームの戦略性が高まり、興趣性を向上させる。コンソール型機器のような物理ボタンを備えないユーザ端末であっても、上述した割当テーブルのように、操作と割り当てられたスキルとの対応を記憶することによって、過度の処理負荷なしに、入力された操作に対応するスキルを発動させることができる。
【0154】
したがって、一実施形態によれば、複数のキャラクタの一体感あるアクションを簡易な操作で実現できる技術を提供することができる。
【0155】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以上では、プレイヤーキャラクタがモンスターに騎乗してフィールドでアクションを行うゲームを例にとって説明したが、これに限られない。例えば、複数のキャラクタが一体的に操作可能であれば、2体のキャラクタが並走する態様でもよいし、1体のキャラクタに他のキャラクタが追走する態様でもよいし、複数のキャラクタが合体して新たな単一のキャラクタとして操作を受け付ける態様にも適用可能である。また実施形態は2体のキャラクタを一体的に操作可能とするゲームに限られるものでもなく、3体以上のキャラクタを一体的に操作可能とするゲームにも同様に適用可能である。3体以上のキャラクタを一体的に操作する場合、1体のキャラクタだけがスキルを保持する場合と、2体のキャラクタがスキルを保持する場合と、3体以上のキャラクタがスキルを保持する場合とで、それぞれ異なる態様でスキルが発動されてもよい。
【0156】
ゲームプログラムによって実現されるゲームは、ユーザが操作キャラクタを変更可能なゲームであってもよい。例えば、ユーザは、保持スキルがそれぞれ異なる複数のプレイヤーキャラクタと、やはり保持スキルがそれぞれ異なる複数のモンスターとを所持しており、戦略に応じてプレイヤーキャラクタとモンスターの組合せを作成し得る。プレイヤーキャラクタとモンスターの組合せが変更された場合、ユーザにその都度フリックスキルの割当てを実行させてもよい。
【0157】
なお、ユーザの選択に応じて操作にスキルを割り当てる機能は、複数のキャラクタを一体的に操作するゲームを前提とするものではない。ユーザが単体のキャラクタを操作するゲームにおいても同様の機能を採用することができる。この場合、制御部110は、
図13に示したステップS1703~S1704を省略し、単体のキャラクタが保持するスキルの中から特定の操作に割当て可能なスキルを抽出して、ユーザに割当て候補として提示することができる。
【0158】
スキルを割当可能な操作はフリック操作に限定されない。実施形態は、タッチパネルに対して入力可能なあらゆる操作に適用可能である。同様に実施形態は、ゲーム画面内に表示されるUI部品(例えば、操作ボタン、アイコン、ソフトキーボード)を選択する操作、または他の物理入力装置を介した操作にも適用可能である。したがって、タッチパネルを入力部1071の例にして説明したが、これに限定されない。入力部1071は、複数のボタンを備えるコントローラであってもよい。入力部1071に対するユーザの操作は、コントローラのボタン、またはキーボードもしくはマウスを介した操作に置き換えられてもよい。例えばタップ操作はクリック操作と言い換えられてもよい。
【0159】
さらに、スキルが割り当てられるフリック操作は、上下左右の4方向に限られず、斜め4方向を含んでもよい。フリック方向を区別せず、すべてのフリック操作に単一のスキルが割り当てられてもよい。例えば、フリック操作、シングルタップ操作およびダブルタップ操作に、それぞれ異なるスキルが割り当てられてもよい。実施形態は、タップ操作(シングルタップ/ダブルタップ)、長押し操作、スワイプ操作、ピンチイン操作およびピンチアウト操作等の他のユーザの操作にスキルが割り当てられる場合にも適用可能である。
【0160】
操作受付部114は、センサ1004からの信号をユーザの操作として受け付けることもできる。例えば、操作受付部114は、イメージセンサまたはジェスチャセンサを介してユーザのジェスチャを検出し、操作として受け付けることもできる。あるいは操作受付部114は、サウンドセンサを介してユーザの音声を検出し、操作として受け付けることもできる。この場合、特定のジェスチャや音声キーワードにスキルを割り当てることも可能である。
【0161】
以上で説明した具体的な数値、ゲーム画像、スキルの詳細な設定等は、説明の便宜上示すものにすぎず、他の多種多様な値が採用されてよい。
【0162】
フローチャートを用いて説明した処理の流れは、説明した手順に限定されるものではなく、いくつかのステップの順序が入れ替えられてもよいし、いくつかのステップが同時並行で実施されてもよい。また、以上で説明した一連の処理は、時間的に連続して実行される必要はなく、各ステップは任意のタイミングで実行されてもよい。
【0163】
サーバ200およびユーザ端末100の構成は、実施形態に係るゲームプログラムを実現可能な他の構成に置き換えられてもよい。サーバ200の構成およびユーザ端末100の構成は、省略され、複数の装置に分散配置され、類似の構成に置き換えられてもよい。サーバ200およびユーザ端末100の各機能部は、回路を用いることで実現されてもよい。回路は、特定の機能を実現する専用回路であってもよいし、プロセッサのような汎用回路であってもよい。
【0164】
上記各実施形態の処理の少なくとも一部は、例えば汎用のコンピュータに搭載されたプロセッサを基本ハードウェアとして用いることでも実現可能である。上記処理を実現するプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納して提供されてもよい。プログラムは、インストール可能な形式のファイルまたは実行可能な形式のファイルとして記録媒体に記憶される。記録媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD-ROM、CD-R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリ等である。記録媒体は、プログラムを記憶でき、かつ、コンピュータが読み取り可能であれば、何れであってもよい。また、上記処理を実現するプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ(サーバ)上に格納し、ネットワーク経由でコンピュータ(クライアント)にダウンロードさせてもよい。
【0165】
なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0166】
1…ゲームシステム、100…ユーザ端末、110…制御部、111…ゲーム進行部、112…オブジェクト制御部、113…表示制御部、114…操作受付部、115…スキル割当部、116…スキル発動部、120…記憶部、121…ゲームプログラム記憶部、122…ゲーム情報記憶部、123…スキル情報記憶部、200…サーバ、211…受信制御部、212…送信制御部、213…ゲーム進行部、220…記憶部、221…ゲームプログラム記憶部、222…ゲーム情報記憶部、223…ユーザ情報データベース、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…ストレージ、1004…センサ、1005…通信インタフェース、1006…入出力インタフェース、1007…タッチスクリーン、1008…バス、1071…入力部、1072…表示部、2001…プロセッサ、2002…メモリ、2003…ストレージ、2004…通信インタフェース、2005…入出力インタフェース、2006…バス。