(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107156
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、広告情報提示装置及びこれらの装置によって実行される方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0242 20230101AFI20240801BHJP
G06Q 30/0251 20230101ALI20240801BHJP
【FI】
G06Q30/0242
G06Q30/0251
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024091937
(22)【出願日】2024-06-06
(62)【分割の表示】P 2022118575の分割
【原出願日】2018-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 篤史
(72)【発明者】
【氏名】矢野 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 翔太
(72)【発明者】
【氏名】中元 祥吾
(72)【発明者】
【氏名】津脇 美帆
(72)【発明者】
【氏名】山崎 博司
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 喬浩
(57)【要約】
【課題】
移動体の運転者に向けて任意の広告情報を提示し、かつ、当該広告情報の提示による当該運転者に対する宣伝効果を判定することを可能とする情報処理装置を提供することを目的の一つとしている。
【解決手段】
移動体において広告情報を提示させる提示制御部と、前記広告情報が提示された際の前記移動体の位置の情報である位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報と、道路上の位置と前記道路上の位置ごとの操縦負荷とが関連付けられた情報である操縦負荷マップと、に基づいて、前記移動体の位置における前記操縦負荷を判定することで当該提示された広告情報の前記移動体の運転者による認識され易さを示す認識可能度を判定する認識可能度判定部と、を有することを特徴とする。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体において広告情報を提示させる提示制御部と、
前記広告情報が提示された際の前記移動体の位置の情報である位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報と、道路上の位置と前記道路上の位置ごとの操縦負荷とが関連付けられた情報である操縦負荷マップと、に基づいて、前記移動体の位置における前記操縦負荷を判定することで当該提示された広告情報の前記移動体の運転者による認識され易さを示す認識可能度を判定する認識可能度判定部と、を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関し、特に、移動体の運転者に向けた情報の提示に関する制御及び当該提示の効果に関する判定を行う情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体の搭乗者に向けて、広告の内容を表す広告情報を提示する装置が知られている。また、移動体の搭乗者に向けて広告情報を提示した際の宣伝効果を把握する方法の1つとして、当該広告情報に関連のある特定のエリアに、当該移動体が訪れたか否かを判断することが考えられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、広告情報を識別するための広告識別情報と、広告情報ごとに予め定められた広告領域情報とを含ませた広告情報をユーザへ向けて配信するサーバ側送受信手段を有する広告情報配信サーバと、ユーザに関する位置情報と広告領域情報との位置関係を判断する判断手段を有する広告情報提示装置とを有する広告情報配信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したような広告情報配信システムにおいて、移動体の運転者に向けて、例えば企業のイメージ広告など、特定のエリアと関連の無い広告情報を提示させる場合には、当該広告情報による宣伝効果を判断することが困難であったことが、課題の一例として挙げられる。
【0006】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、移動体の運転者に向けて任意の広告情報、例えば、運転注意地点に関する情報などの運転支援情報を含む広告情報などの多種多様な広告情報を提示し、かつ、当該広告情報の提示による当該運転者に対する宣伝効果を評価することを可能とする情報処理装置を提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、移動体において広告情報を提示させる提示制御部と、前記広告情報が提示された際の前記移動体の位置の情報である位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報と、道路上の位置と前記道路上の位置ごとの操縦負荷とが関連付けられた情報である操縦負荷マップと、に基づいて、前記移動体の位置における前記操縦負荷を判定することで当該提示された広告情報の前記移動体の運転者による認識され易さを示す認識可能度を判定する認識可能度判定部と、を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施例1の情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】実施例1の情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施例1の情報処理装置の制御に係る情報の一例を示す図である。
【
図4】実施例1の情報処理装置の制御に係る情報の一例を示す図である。
【
図5A】実施例1の情報処理装置の制御に係る情報の一例を示す図である。
【
図5B】実施例1の情報処理装置の制御に係る情報の一例を示す図である。
【
図5C】実施例1の情報処理装置の制御に係る情報の一例を示す図である。
【
図6】実施例1の情報処理装置による広告情報処理ルーチンの例を示すフローチャートである。
【
図7】実施例1の情報処理装置によるサブルーチンの例を示すフローチャートである。
【
図8】実施例1の情報処理装置による広告情報処理ルーチンの例を示すフローチャートである。
【
図9】実施例1の情報処理装置による広告情報処理ルーチンの例を示すフローチャートである。
【
図10】実施例2の情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】実施例2の情報処理装置に係る運転負荷マップの一例を示す図である。
【
図12】実施例2の情報処理装置による広告情報処理ルーチンの例を示すフローチャートである。
【
図13】実施例2の情報処理装置に係る表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面においては、実質的に同一または等価な部分には同一の参照符号を付している。
【実施例0010】
図1は、実施例1の情報処理システム10の構成を示している。情報処理システム10は、情報処理端末10A及び情報処理装置としての情報処理サーバ10Bを含んでいる。本実施例においては、情報処理端末10Aが、移動体としての車両Mに搭載されている例について説明する。
【0011】
情報処理端末10Aと情報処理サーバ10Bとは、ネットワーク(通信路)を介して相互にデータの送受信(通信接続)が可能である。例えば、当該送受信には、TCP/IP等の通信プロトコルが用いられる。また、当該ネットワークは、移動体通信網、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信及び有線通信を含むインターネット通信により構築され得る。情報処理サーバ10Bは、複数の車両Mに搭載された複数の情報処理端末10Aの各々との間で相互にデータの送受信が可能である。
【0012】
また、情報処理サーバ10Bは、広告主が使用する端末である広告主端末ADとの間で、ネットワークを介して相互にデータの送受信が可能である。情報処理サーバ10Bと広告主端末ADとの間で、情報処理端末10Aにおける広告情報の提示の依頼に関する情報及び広告主に対する課金に関する情報の送受信が行われる。
【0013】
図2は、情報処理端末10A及び情報処理サーバ10Bの構成を示している。まず、情報処理端末10Aについて説明する。端末記憶部11は、ハードディスク、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置である。端末記憶部11は、情報処理端末10Aにおいて実行されるプログラム、情報処理端末10Aの動作に必要なデータ、情報処理端末10Aの動作において発生するデータ及び外部から取込まれるデータを適宜記憶する。
【0014】
端末制御部13は、中央演算処理装置(CPU(Central processing Unit))を含んでおり、情報処理端末10Aの動作に必要な制御を行う。例えば、端末制御部13は、情報処理端末10Aが搭載されている車両Mに関連する地図情報又は経路情報を端末記憶部11から読み出して、これらを表示する際に必要な制御を行う。
【0015】
表示部15は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ又はヘッドアップディスプレイ(HUD:Head-up Display)等の表示装置であり、運転者によって視認可能に設けられている。表示部15は、端末制御部13からの指示に応じてナビゲーション情報及び広告情報等の情報を示す画面を表示する。例えば、表示部15には、車両Mが走行している周辺の地図情報を表示する。また、例えば、表示部15には、広告情報を示す文字及び画像が表示される。
【0016】
音声出力部16は、ナビゲーション情報及び広告情報等の情報を音声として出力する音響機器である。例えば、音声出力部16は、経路情報の一部を音声出力する。また、例えば、音声出力部16は、広告情報に含まれる広告の内容を音声出力する。
【0017】
操作入力部17は、リモートコントローラ又はタッチパネル等の入力機器である。操作入力部17は、表示部15又は音声出力部16に関する搭乗者からの操作入力を受け付ける。例えば、操作入力部17は、経路情報の表示を要求する入力、目的地の入力等の操作入力を受け付ける。
【0018】
位置検出部19は、車両Mの位置を検出する装置である。位置検出部19は、例えばGPS(Global Positioning System)装置等の位置特定装置を含み、車両Mの位置を検出して位置情報を生成する。
【0019】
状態情報収集部21は、広告情報が提示された際の車両Mの運転者の状態に関する情報である状態情報を収集する装置である。例えば、状態情報は、運転者が車両Mを操縦すなわち運転する際に当該運転者にかかる負荷に関する情報である操縦負荷情報を含む。
【0020】
例えば、操縦負荷情報には、運転者の運転による車両の状態を示す情報である車両状態情報、すなわち移動体の走行状態を示す情報である走行状態情報が含まれる。また、例えば、操縦負荷情報には、例えば天候に関する情報等の移動体の周囲の環境を示す周囲環境情報が含まれる。
【0021】
状態情報収集部21は、例えば、車両インターフェース(車両I/F)であり、CAN(Controller Area Network)通信によって車両Mにおいて取得された車両状態情報を収集する。例えば、当該車両状態情報には、車速、アクセルペダルストローク、ブレーキペダルストローク、ステアリング角、ライト点灯状態、ウィンカー動作状態、ワイパー動作状態、エンジン回転数、シフトレバー位置、自動運転の制御の状態等の状態を示す情報が含まれる。
【0022】
また、状態情報収集部21は、車両Mに搭載されている加速度センサ及びジャイロセンサ等の1又は複数のセンサSと接続されていても良く、移動体の加速度及び進行方向等の情報を検出しても良い。例えば、状態情報収集部21は、状態情報を広告情報が提示された時刻と対応づけて収集する。
【0023】
例えば、当該車両状態情報によって、運転者がどのような運転をする状況に置かれているかを把握することができる。従って、車両状態情報は、運転者がどの程度運転に意識を集中させている可能性があるかという運転者の状態に関する情報であると考えることができる。例えば、車両状態情報から、広告情報が提示された際に運転者に掛かっていた運転に関する負荷を運転負荷量(操縦負荷量)として算出することができる。
【0024】
端末通信部23は、端末制御部13の指示に従ってデータの送受信を行うためのNIC(Network Interface Card)等のネットワークアダプタである。例えば、受信部としての端末通信部23は、広告情報を含む情報を受信する。また、例えば、送信部としての端末通信部23は、広告情報が提示された際の状態情報を送信する。
【0025】
続いて、情報処理サーバ10Bについて説明する。サーバ通信部25は、NIC等のネットワークアダプタであり、1又は複数の車両Mとの間でデータの送受信を行う。例えば、送信部としてのサーバ通信部25は、広告情報を含む情報を情報処理端末10Aに送信する。また、例えば、受信部としてのサーバ通信部25は、車両Mの運転者の状態に関する情報である状態情報を情報処理端末10Aから受信する。
【0026】
サーバ記憶部27は、ハードディスク、フラッシュメモリ、SSD、RAM等の記憶装置である。サーバ記憶部27は、情報処理サーバ10Bにおいて実行されるプログラム、情報処理サーバ10Bの動作に必要なデータ、情報処理サーバ10Bの動作において発生するデータ及び外部から取込まれるデータを適宜記憶する。
【0027】
また、サーバ記憶部27は、広告情報データベース(以下、広告情報DBと称する)27Aを有している。広告情報DB27Aには、広告の内容を含む広告データが格納されている。
【0028】
例えば、広告データには、提示すべき広告情報である提示内容が含まれる。例えば、提示内容は、画像、音声又はこれらを組み合わせたデータであっても良い。例えば、当該提示内容毎に、各々の広告データを識別する広告IDが付されている。
【0029】
また、例えば、広告データには、当該広告データ内の提示内容を車両Mの運転者に提示する際の条件である提示条件に関する情報が含まれる。例えば、当該提示条件は、広告情報を提示すべきタイミングにおける車両Mの位置の条件である。
【0030】
より詳細には、当該提示条件に関する情報は、広告情報を提示すべき位置としての車両Mの位置(広告位置)を指定する情報である広告位置情報である。広告位置情報は、移動体が走行する可能性のある道路上の地点を示す座標等の情報であっても良く、所定の区間、領域(エリア)、又は地域を示す情報であっても良い。
【0031】
図3は、広告情報DB27A内に記憶されている広告データの例である広告データテーブルTB1を示している。広告データテーブルTB1には、各々の広告データを識別する広告IDと、提示内容としての動画又は静止画のファイル名と、各々の広告ID毎に指定された広告位置情報が記載されている。
【0032】
図3において、「広告位置情報」の欄に、エリアA、エリアB及びエリアCが記載されている。すなわち、
図3は、広告位置として所定のエリア(以下、広告エリアとも称する)が指定されている例を示している。広告情報DB27Aは、広告主が提示を希望する広告情報について予め記憶されていても良く、随時更新されても良い。
【0033】
なお、広告情報DB27Aには、広告ID毎の広告情報(提示内容)が車両Mにおいて提示された場合に、広告主に対して課金する金額である料金の基準となる標準料金が広告ID毎に格納されていても良い。例えば、画像情報の有無又は音声情報の有無等の広告情報の種類によって異なる金額の標準料金が記憶されても良い。
【0034】
再び
図2を参照する。サーバ制御部29は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM等により構成され、コンピュータとして機能する。サーバ制御部29は、サーバ記憶部27に記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現する。サーバ制御部29は、提示制御部29Aを含んでいる。
【0035】
提示制御部29Aは、車両Mにおいて広告情報を提示させる制御を行う。より詳細には、提示制御部29Aは、車両Mに搭載されている情報処理端末10Aに対して広告情報の提示を指示する。例えば、提示制御部29Aは、広告情報及び広告情報を提示する旨の指示を含む情報をサーバ通信部25から情報処理端末10Aに向けて送信させる。
【0036】
また、サーバ制御部29は、配信情報生成部29Bを含んでいる。配信情報生成部29Bは、広告情報DB27Aに記憶されている広告データから配信すべき広告データを抽出して広告配信情報を生成する。例えば、配信情報生成部29Bは、車両Mの位置情報に基づいて配信すべき広告データを抽出する。
【0037】
具体的には、配信情報生成部29Bは、車両Mの現在位置を示す位置情報を情報処理端末10Aから受信すると、当該位置情報に合致する広告位置情報を含む広告データを配信すべき広告データとして抽出する。配信情報生成部29Bは、当該抽出された広告データ、例えば、広告ID、提示内容及び広告位置情報を含む広告配信情報を生成する。
【0038】
また、配信情報生成部29Bは、車両Mの現在位置及び目的地を示す情報を受信すると、現在位置から目的地までの経路を探索して経路情報を生成する。例えば、車両Mの運転者が操作入力部17に目的地を入力した場合に、配信情報生成部29Bによって経路探索が行われる。
【0039】
例えば、配信情報生成部29Bは、当該経路の探索において、所要時間、走行距離、エネルギー消費又は通行料金等の予め定められた項目について最小となるように経路を探索し、1又は複数の優先する経路について経路情報を生成する。この場合において、配信情報生成部29Bは、経路情報に対応する広告データを広告情報DB27Aから抽出し、広告ID、提示内容、広告位置情報及び経路情報を含む広告配信情報を生成する。
【0040】
サーバ制御部29は、状態情報取得部29Cを含んでいる。状態情報取得部29Cは、情報処理端末10Aの状態情報収集部21によって収集された車両Mの運転者の状態に関する情報である状態情報を受信することで状態情報を取得する。例えば、上述したように、状態情報には、運転者の運転によって生じる車両の状態を示す車両状態情報が含まれてもよい。
【0041】
また、サーバ制御部29は、認識可能度判定部29Dを含んでいる。認識可能度判定部29Dは、状態情報取得部29Cによって取得された状態情報に基づいて、提示された広告情報を運転者が認識できる可能性がどの程度であったか、すなわち認識され易さを示す認識可能度を判定する。
【0042】
より詳細には、車両Mにおいて広告の提示内容が提示された際の状態情報が状態情報収集部21によって収集され、当該状態情報が状態情報取得部29Cによって取得される。当該取得された状態情報に基づいて、予め定められた方法に従って、認識可能度が判定される。
【0043】
例えば、状態情報として車両状態情報が取得された場合に、認識可能度を判定するためのパラメータとして、車両Mの運転によって生じる負荷である運転負荷量が算出され得る。
【0044】
図4は、運転負荷量を算出した結果の例である負荷量算出テーブルTB2を示している。
図4には、「広告ID」と、当該広告IDに対応する提示内容が提示された時刻である「提示時刻」が対応づけて記載されている。例えば、1つの広告IDに対応する広告情報は、十数秒~数十秒程度の所定の時間に亘って提示される。例えば、当該提示時刻は、広告情報の提示が開始された時刻である。
【0045】
また、
図4には、当該提示時刻における車両状態情報として、広告IDに対応する広告情報が提示されていた時間内の、車両Mの最大速度である「最大車速(km/h)」、最小速度である「最小車速(km/h)」、操舵角(ステアリング角度)の最大値である「ステアリング切角(°)」及びワイパーの動作速度の最大値である「ワイパー動作速度(回/min)」が記載されている。
【0046】
図4中の「運転負荷量」は、状態情報の各項目の値から算出された運転負荷量を示している。
図4において、「運転負荷量」の欄には、A、B及びCを定数として、「運転負荷量=A×(最大車速-最小車速)+B×ステアリング切角+C×ワイパー動作速度」(A=1,B=0.5,C=0.8)という式に従って算出した結果が一例として記載されている。当該算出式及び定数は一例に過ぎず、他の算出方法が実験的又は経験的に定められても良い。
【0047】
また、
図4に例示した他に、車両状態情報には、シフトレバー位置を示す情報が含まれても良く、当該情報がバックギアを示す場合は他の項目の車両状態情報に関わらず、運転負荷量が高い(広告の内容が認識され難い)と判定されても良い。また、車両状態情報には自動運転の制御状態を示す情報が含まれても良い。当該情報が自動運転中であることを示す場合には、他の車両状態情報に関わらず、運転負荷量が低い(広告の内容が認識され易い)と判定しても良い。また、
図4において、車両状態情報の他に、車両Mの周囲の環境を示す周囲環境情報が、運転負荷量を算出するためのパラメータとして含まれていても良い。
【0048】
図4において、広告ID「XXXXX1」~「XXXXX3」を参照すると、ステアリング角最大が30°、90°及び180°であって、他の状態情報の項目が同じ値である。「ステアリング切角」の値が大きくなるにつれて運転負荷量が63、93、138と大きくなり、「ステアリング切角」の値が大きいほど運転負荷量が大きくなっている。
【0049】
例えば、算出された運転負荷量が大きい場合には、運転者は運転に意識を集中しなければならない度合いが高い。そのような場合に広告の提示内容が提示されても、広告の内容を認識できる可能性が低いと予想される。従って、本実施例において、運転負荷量が大きい場合に認識可能度が低いとする。
【0050】
一方で、運転負荷量が小さい場合には、運転者が運転に意識を集中しなければならない度合いは低い。そのような場合に提示された広告の内容を認識できる可能性は高いと予想される。従って、本実施例において、運転負荷量が小さい場合に認識可能度が高いとする。
【0051】
認識可能度判定部29Dは、所定の判定基準に従って、認識可能度を判定する。例えば、運転負荷量が所定の基準値よりも大きい場合に認識可能度が低いと判定し、運転負荷量が所定の基準値よりも小さい場合には認識可能度が高いと判定する。
【0052】
図5Aは、認識可能度判定部29Dによる認識可能度の判定基準の一例である判定基準テーブルTB3を示している。
図5Aにおいて、運転負荷量が100以上の場合に認識可能度を「1(低)」と判定し、運転負荷量が100未満の場合に認識可能度を「2(高)」と判定するという判定基準が示されている。
【0053】
このように、認識可能度判定部29Dは、車両Mにおいて広告情報が提示された際の状態情報に基づいて、当該提示された広告情報の車両Mの運転者による認識可能度を判定する。従って、認識可能度判定部29Dは、状態情報として車両状態情報等の操縦負荷情報が取得された場合には、操縦負荷情報に基づいて、認識可能度を判定する。
【0054】
再度
図2を参照すると、サーバ制御部29は、課金情報生成部29Eを含んでいる。課金情報生成部29Eは、認識可能度判定部29Dによる認識可能度の判定結果に基づいて、広告情報の提示に対する課金額の決定に資する情報である課金情報を生成する。課金情報生成部29Eは、所定の基準に従って、車両Mにおいて提示される広告情報の広告IDの各々に対応する課金情報を生成する。
【0055】
例えば、課金情報生成部29Eは、認識可能度が低いほど課金額が低く決定されるような課金情報を生成する。例えば、広告情報が提示された際に運転者の認識可能度が低い場合には、広告情報を提示したことによる宣伝効果は低いと予想される。従って、宣伝効果が低い場合には、宣伝効果が高い場合よりも低い金額を課金することで、宣伝効果に応じた課金が可能となる。なお、課金情報生成部29Eは、具体的な金額を算出して課金情報を生成しても良い。
【0056】
図5Bは、認識可能度に基づく課金情報の生成の基準の一例である課金基準テーブルTB4を示している。
図5Bにおいて、認識可能度が高い場合(2(高))には課金額を標準料金とし、認識可能度が低い場合(1(低))には標準料金から50%割引いた金額を課金額とするという課金基準が示されている。例えば、標準料金は、広告の提示内容を提示する時間の単位時間あたりの料金として予め定められても良く、広告ID毎に異なる金額の標準料金が設定されていても良い。
【0057】
図5Cは、課金情報生成部29Eによって生成される課金情報の一例である課金情報テーブルTB5を示している。
図5Cにおいて、課金情報生成部29Eが、
図5Bに示した課金基準に従って、提示された広告情報の広告IDの各々に対応する認識可能度に基づいて課金情報を生成した場合について示されている。
図5Cにおいて、提示された広告情報の広告ID、提示時刻、認識可能度に対応づけて課金情報が夫々記載されている。
【0058】
再度
図2を参照すると、サーバ制御部29は、課金額決定部29Fを含んでいる。課金額決定部29Fは、課金情報生成部29Eによって生成された課金情報に基づいて、課金額を決定する。例えば、課金額決定部29Fは、課金情報に加えて、広告情報DB27Aに含まれる情報に基づいて、課金額を決定する。例えば、課金額決定部29Fは、広告IDに対応する標準料金を広告情報DB27Aから読み出して、課金情報に基づいて課金額を算出する。
【0059】
例えば、課金額決定部29Fは、課金情報とは別に設定された割引を適用して課金額を決定しても良い。例えば、広告の提示内容の提示を所定の件数以上依頼している広告主に対して、割引が適用されても良い。また、例えば、課金情報決定部は、サーバ通信部25を介して、決定した課金額を広告主に通知する。
【0060】
サーバ制御部29は、広告依頼受付部29Gを含んでいる。広告依頼受付部29Gは、サーバ通信部25を介して、広告の提示に関する依頼内容を含む広告依頼情報を広告主端末ADから受信する。広告依頼情報には、少なくとも1の広告の内容を示す提示内容及び提示内容を移動体の運転者に提示する際の条件である提示条件を示す情報が含まれる。また、例えば、広告依頼情報には、広告主端末を識別可能な識別情報が含まれる。
【0061】
また、サーバ制御部29は、広告主による広告位置の指定を受付けても良い。例えば、広告主が広告の提示を依頼する際に、広告位置及び当該広告位置に対応する料金を含む情報を広告主端末ADに送信しても良い。例えば、広告主は、当該情報を参照して広告位置を指定し、広告依頼情報を広告主端末ADから情報処理サーバ10Bに送信しても良い。
【0062】
広告依頼受付部29Gは、広告依頼情報を受信すると、広告依頼情報に含まれる提示内容の各々に、提示内容を識別する広告IDを付して、当該広告依頼情報を広告情報DB27Aに記憶させる。また、広告依頼受付部29Gは、広告ID毎の標準料金を広告情報DB27Aに記憶させても良い。
【0063】
[広告情報処理ルーチンRT1]
図6を参照しつつ、情報処理システム10によって実行されるルーチンの一例である広告情報処理ルーチンRT1について説明する。
図6における破線は、データの送受信の様子を模式的に示すものである。また、
図6において、情報処理端末10Aによって繰り返し実行されるルーチンをRT1A、情報処理サーバ10Bによって繰り返し実行されるルーチンをRT1Bとして示す。
【0064】
情報処理端末10Aの端末制御部13は、例えば、車両Mのアクセサリー電源(以下、ACC電源と称する)がオンになると、ルーチンRT1Aを開始する。なお、端末制御部13は、車両Mのエンジンの始動によってルーチンRT1Aを開始しても良い。
【0065】
端末制御部13は、ルーチンRT1Aを開始すると、端末通信部23を制御して、位置検出部19によって検出された車両Mの現在位置を含む現在位置情報を情報処理サーバ10Bに送信させる(ステップS11A)。ステップS11Aにおいて、現在位置情報は、情報処理端末10Aを識別する識別子である端末IDと共に端末通信部23によって送信される。ステップS11Aにおいて、端末通信部23は送信部として機能する。
【0066】
情報処理サーバ10Bのサーバ制御部29は、情報処理サーバ10Bが起動されると、ルーチンRT1Bを開始する。サーバ制御部29は、ルーチンRT1Bを開始すると、現在位置情報の受信を待機する(ステップS11B)。
【0067】
サーバ制御部29は、ステップS11Bの実行後、現在位置情報を受信したか否かを判定する(ステップS12B)。サーバ制御部29は、ステップS12Bにおいて、車両Mの現在位置情報及び当該車両Mに搭載されている情報処理端末10Aの端末IDを含む情報がサーバ通信部25によって受信されたか否かを判定する。ステップS12Bにおいて、サーバ通信部25は受信部として機能する。
【0068】
サーバ制御部29は、現在位置情報を受信していないと判定する(ステップS12B:NO)と、ステップS11Bに戻り、現在位置情報の受信を再び待機する。
【0069】
サーバ制御部29は、現在位置情報を受信したと判定する(ステップS12B:YES)と、当該現在位置情報の示す位置が広告情報を提示すべき位置であるか否かを判定する(ステップS13B)。例えば、ステップS13Bにおける判定は、サーバ記憶部27の広告情報DB27A(
図3参照)に含まれる広告位置情報が示す広告エリアに、当該受信された現在位置情報が示す車両Mの現在位置が含まれるか否かに基づいてなされる。
【0070】
例えば、
図3に示したように、広告情報DB27Aにおいて、広告を提示すべき位置として特定の広告エリアが指定されており、当該広告エリアに現在位置が含まれている場合に、ステップS13Bの判定において、広告を提示すべき位置であると判定される。なお、広告を提示すべき位置として特定の地点が指定されている場合に、当該地点と現在位置とが一致すること、又は当該地点と現在位置との距離が所定の範囲内であることによって、ステップS13Bの判定において広告を提示すべき位置であると判定されても良い。
【0071】
サーバ制御部29は、ステップS13Bにおいて、広告情報を提示すべき位置ではないと判定すると(ステップS13B:NO)、ルーチンRT1Bを終了し、新たにルーチンRT1Bを開始する。
【0072】
サーバ制御部29は、ステップS13Bにおいて、広告情報を提示すべき位置である判定すると(ステップS13B:YES)、広告配信情報を生成して情報処理端末10Aに向けてサーバ通信部25を介して送信させる(ステップS14B)。ステップS14Bにおいて、サーバ制御部29の配信情報生成部29Bは、現在位置が含まれる広告エリアに対応する広告データを抽出し、当該広告データを含む情報として広告配信情報を生成する。
【0073】
端末制御部13は、ステップS11Aの実行後、広告配信情報の受信を待機する(ステップS12A)。端末制御部13は、ステップS12Aの実行後、広告配信情報を受信したか否かを判定する(ステップS13A)。ステップS13Aにおいて、端末制御部13は、広告配信情報が端末通信部23によって受信されたか否かを判定する。
【0074】
端末制御部13は、ステップS13Aにおいて、広告配信情報を受信していないと判定する(ステップS13A:NO)と、ステップS12Aに戻り、広告配信情報の受信を再び待機する。
【0075】
端末制御部13は、ステップS13Aにおいて、広告配信情報を受信したと判定する(ステップS13A:YES)と、当該広告配信情報に含まれる提示内容を表示部15及び音声出力部16によって提示する(ステップS14A)。広告配信情報に提示指示情報が含まれている場合には、ステップS14Aにおいて、表示部15及び音声出力部16は、提示指示情報に従って提示内容を提示する。ステップS14Aにおいて、提示制御部29Aが表示部15及び音声出力部16を制御して提示内容提示させる。
【0076】
端末制御部13は、ステップS14Aの実行後、端末通信部23を介して、ステップS14Aにおいて広告情報(提示内容)が提示された際の状態情報を、情報処理サーバ10Bに送信する(ステップS15A)。例えば、ステップS15Aにおいて、端末制御部13は、状態情報収集部21によって収集された車両状態情報を送信する。端末制御部13は、ステップS15Aの実行後、ルーチンRTAを終了し、新たにルーチンRTAを開始する。
【0077】
サーバ制御部29は、ステップS14Bの実行後、車両Mからの状態情報の受信を待機する(ステップS15B)。サーバ制御部29は、ステップS15Bの実行後、車両Mから状態情報を受信したか否かを判定する(ステップS16B)。ステップS16Bにおいて、状態情報取得部29Cがサーバ通信部25を介して情報処理端末10Aから状態情報を取得すると、状態情報を受信したと判定される。
【0078】
サーバ制御部29は、ステップS16Bにおいて、状態情報を受信していないと判定する(ステップS16B:NO)と、ステップS15Bに戻り、状態情報の受信を再び待機する。
【0079】
サーバ制御部29は、ステップS16Bにおいて、状態情報を受信したと判定する(ステップS16B:YES)と、当該状態情報を使用して認識可能度判定サブルーチンを実行する(ステップS17B)。ステップS17Bにおいて、状態情報に基づいて、車両Mにおいて広告情報が提示された際の運転者の認識可能度が判定される。また、ステップ17Bにおいて、認識可能度に応じた課金情報が生成される。
【0080】
サーバ制御部29は、ステップS17Bの実行後、ルーチンRT1Bを終了し、新たにルーチンRT1Bを開始する。
【0081】
[認識可能度判定ルーチンRT2]
図7を参照しつつ、ルーチンRT1BのステップS17Bにおいて実行される認識可能度判定サブルーチンRT2について説明する。サーバ制御部29は、ルーチンRT1BのステップS16Bにおいて状態情報を受信したと判定する(ステップS16B:YES)と、認識可能度判定サブルーチンを開始する。
【0082】
サーバ制御部29の認識可能度判定部29Dは、認識可能度判定サブルーチンを開始すると、運転負荷量を算出する(ステップS21B)。ステップS21Bにおいて、状態情報に基づいて、広告情報が提示された際の運転負荷量が算出される。
【0083】
例えば、認識可能度判定部29Dは、状態情報として車両状態情報が取得された場合に、車両Mの運転によって生じる負荷である運転負荷量を算出する(
図4参照)。
【0084】
認識可能度判定部29Dは、ステップS21Bの実行後、広告情報が提示された際の運転者の認識可能度を判定する(ステップS22B)。ステップS22Bにおいて、運転負荷量の算出結果に応じて、所定の基準に従って、認識可能度が判定される。例えば、運転負荷量の値が所定値以下である場合に認識可能度が「2(高)」と判定され、運転負荷量の値が所定値より大きい場合に、認識可能度が「1(低)」と判定される(
図5A参照)。
【0085】
課金情報生成部29Eは、ステップS22Bが実行された後、認識可能度が所定の基準値以下であるか否かを判定する(ステップS23B)。課金情報生成部29Eは、ステップS23Bにおいて、基準値以下ではないと判定される(ステップS23B:NO)と、標準の課金情報を生成する(ステップS24B)。例えば、ステップS24Bにおいて、課金情報生成部29Eは、課金額を標準料金とする課金情報を生成する。
【0086】
課金情報生成部29Eは、ステップS23Bにおいて、基準値以下であると判定する(ステップS23B:YES)と、割引の課金情報を生成する(ステップS25B)。例えば、ステップS25Bにおいて、課金情報生成部29Eは、課金額を標準料金よりも低い金額となるような課金情報を生成する。
【0087】
例えば、課金情報生成部29Eは、所定の基準値が「1」であり、認識可能度が「2(高)」である場合に、ステップS23Bにおいて基準値以下ではないと判定し、ステップS24において標準の課金情報を生成する。所定の基準値が「1」であり、認識可能度が「1(低)」である場合には、ステップS23Bにおいて基準値以下であると判定され、ステップS25において割引の課金情報が生成される(
図5B、
図5C参照)。
【0088】
ステップS24B又はステップS25Bの実行後、認識可能度判定サブルーチンは終了される。
【0089】
[広告情報処理ルーチンRT3]
図8を参照しつつ、情報処理システム10によって実行されるルーチンの他の一例である広告情報処理ルーチンRT3について説明する。
図6の場合と同様に、
図8中の破線は、データの送受信の様子を模式的に示すものである。また、
図8において、情報処理端末10Aによって繰り返し実行されるルーチンをRT3A、情報処理サーバ10Bによって繰り返し実行されるルーチンをRT3Bとして示す。なお、上述したルーチンにおけるステップと共通する内容のステップについては、同一の参照符号を付している。
【0090】
情報処理端末10Aの端末制御部13は、車両MのACC電源がオンになると、ルーチンRT3Aを開始する。端末制御部13は、ルーチンRT3Aを開始すると、端末通信部23を介して、車両Mの目的地を示す目的地情報を情報処理サーバ10Bに送信する(ステップS31A)。例えば、ステップS31Aにおいて、車両Mの運転者によって操作入力部17に入力された目的地の情報が目的地情報として送信される。また、目的地情報は、車両Mの現在位置情報及び情報処理端末10Aの端末IDと共に送信される。
【0091】
情報処理サーバ10Bのサーバ制御部29は、情報処理サーバ10Bが起動されると、ルーチンRT3Bを開始する。サーバ制御部29は、ルーチンRT3Bを開始すると、目的地情報の受信を待機する(ステップS31B)。
【0092】
サーバ制御部29は、ステップS31Bの実行後、目的地情報を受信したか否かを判定する(ステップS32B)。サーバ制御部29は、ステップS32Bにおいて、車両Mの目的地情報及び現在位置情報を含む情報がサーバ通信部25によって受信されたか否かを判定する。サーバ制御部29は、目的地情報を受信していないと判定する(ステップS32B:NO)と、ステップS31Bに戻り、目的地情報の受信を再び待機する。
【0093】
サーバ制御部29は、目的地情報を受信したと判定する(ステップS32B:YES)と、車両Mの現在位置から目的地までの走行経路を示す経路情報を生成する(ステップS33B)。ステップS33Bにおいて、配信情報生成部29Bは、現在位置情報及び目的地情報を用いて経路探索を行って経路情報を生成する。
【0094】
サーバ制御部29は、ステップS33Bの実行後、経路情報を含む広告配信情報を生成して送信する(ステップS34B)。ステップS34Bにおいて、配信情報生成部29Bは、広告ID、広告情報及び広告位置情報に加えて、ステップS33Bにおいて生成した経路情報を含む広告配信情報を生成する。例えば、当該広告配信情報は、広告エリアに含まれる経路上の位置と、当該広告エリアが指定されている広告情報とが対応付けられて生成される。
【0095】
端末制御部13は、ステップS31Aの実行後、広告配信情報の受信を待機し(ステップS12A)、広告配信情報を受信したか否かを判定する(ステップS13A)。端末制御部13は、ステップS13Aにおいて、広告配信情報を受信していないと判定する(ステップS13A:NO)と、ステップS12Aに戻り、広告配信情報の受信を再び待機する。
【0096】
端末制御部13は、ステップS13Aにおいて、広告配信情報を受信したと判定する(ステップS13A:YES)と、経路案内を開始する(ステップS32A)。端末制御部13は、ステップS32Aにおいて、広告配信情報に含まれる経路情報を表示部15及び音声出力部16に提示させる。
【0097】
端末制御部13は、ステップS32Aの実行後、車両Mが広告を提示すべき広告位置に到達したか否かを判定する(ステップS33A)。例えば、ステップS33Aにおける判定は、広告配信情報に含まれる広告位置情報が示す広告エリアに、車両Mの現在位置が含まれるか否かに基づいてなされる。なお、上述したように、当該判定は、特定の地点と現在位置との距離が所定の範囲内であるか否かに基づいて行われても良い。
【0098】
端末制御部13は、車両Mが広告を提示すべき広告位置に到達したと判定する(ステップS33A:YES)と、車両Mにおいて広告情報を提示させる(ステップS14A)。端末制御部13は、ステップS14Aの実行後、ステップS14Aにおいて広告情報が提示された際の状態情報を、情報処理サーバ10Bに送信する(ステップS15A)。
【0099】
端末制御部13は、ステップS15Aの実行後か又はステップS33Aにおいて広告位置に到達していないと判定した(ステップS33A:NO)後、車両Mが目的地に到着したか否かを判定する(ステップS34A)。例えば、ステップS34Aにおいて、車両Mの走行経路の履歴と、ステップS32Aにおいて開始された経路案内に用いられた経路情報とを比較することで、目的地に到着したか否かが判定される。
【0100】
端末制御部13は、車両Mが目的地に到着していないと判定する(ステップS34A:NO)と、ステップS33Aに戻り、広告位置に到達したか否かを再び判定する。端末制御部13は、車両Mが目的地に到着したと判定する(ステップS34A:YES)と、目的地に到着した旨を示す情報である目的地到達情報を情報処理サーバ10Bに送信する(ステップS35A)。端末制御部13は、ステップS35Aの実行後、ルーチンRT3Aを終了し、新たにルーチンRT3Aを開始する。
【0101】
サーバ制御部29は、ステップS34Bの実行後、車両Mにおいて広告情報が提示された際の状態情報の受信を待機し(ステップS15B)、状態情報を受信したか否かを判定する(ステップS16B)。
【0102】
サーバ制御部29は、状態情報を受信したと判定する(ステップS16B:YES)と、認識可能度判定サブルーチンを実行し(ステップS17B)、当該状態情報に基づいて、広告情報が提示された際の運転者の認識可能度を判定し、当該認識可能度に応じた課金情報を生成する(
図7参照)。
【0103】
サーバ制御部29は、状態情報を受信していないと判定(ステップS16B:NO)した場合か又はステップS17Bの実行後、目的地到着情報を受信したか否かを判定する(ステップS35B)。サーバ制御部29は、目的地到着情報を受信していないと判定する(ステップS35B:NO)と、ステップS15Bに戻り、状態情報の受信を再び待機する。
【0104】
サーバ制御部29は、目的地到着情報を受信したと判定する(ステップS35B:YES)と、ルーチンRT3Bを終了し、新たにRT3Bを開始する。
【0105】
本実施例において、状態情報取得部29Cが車両状態情報を取得する例について説明したが、状態情報取得部29Cは他の情報を状態情報として取得しても良い。例えば、状態情報として、車両Mにおいて広告の提示内容が提示された際の、情報処理端末10A又は他の端末の、運転者による操作に関する情報である端末操作情報が状態情報収集部21から取得されても良い。例えば、状態情報収集部21は、操作入力部17が操作されているか否かを示す情報を操作入力部17から収集しても良い。
【0106】
例えば、当該端末操作情報は、車両Mにおいて広告情報が提示された際に情報処理端末10Aを操作していたか否かを示す情報であっても良い。また、例えば、端末操作情報は、広告情報が提示されていた時間のうちに占める操作が行われていた時間の割合を示す情報であっても良い。
【0107】
状態情報として端末操作情報が取得された場合には、当該端末操作情報に基づいて、認識可能度が判定され得る。例えば、広告情報が提示された際に、運転者が情報処理端末10Aを操作していた場合に、認識可能度が低いと判定されても良い。また、運転者が情報処理端末10Aを操作していなかった場合に、認識可能度が高いと判定されても良い。
【0108】
また、例えば、広告情報が所定の時間に亘って提示された場合において、広告情報が提示されていた時間のうち、運転者が情報処理端末Aを操作していた時間が占める割合が、一定の割合を越えた場合に、認識可能度が低いと判定されても良い。
【0109】
また、状態情報取得部29Cは、状態情報として、車両Mの車室内で検出される音に関する情報である音声情報を状態情報収集部21から取得しても良い。例えば、状態情報収集部21は、車両Mの車室内の騒音レベルを測定する騒音計と接続されていても良く、当該車室内において広告情報が提示された際の騒音レベルを測定しても良い。
【0110】
例えば、車室内の会話、車両Mの走行によって発生する風切り音等の騒音によって、運転者に負荷がかかり、広告の提示内容が提示された際に、当該提示内容に対する注意力に影響すると予想される。
【0111】
状態情報として音声情報が取得された場合には、当該音声情報に基づいて、認識可能度が判定され得る。例えば、音声情報から算出された騒音レベルをパラメータとして認識可能度が判定されても良い。
【0112】
例えば、状態情報取得部29Cは、音声情報を取得する際に、提示された広告情報の音声の情報を音声出力部16から取得して、提示された広告情報の音声以外の騒音レベルを算出しても良い。
【0113】
そして、認識可能度判定部29Dは、当該音声情報から算出された騒音レベルが高いほど認識可能度が低いと判定し、当該騒音レベルが低いほど認識可能度が高いと判定しても良い。
【0114】
また、状態情報取得部29Cは、状態情報として、運転者の精神状態に関する精神状態情報を状態情報収集部21から取得しても良い。例えば、状態情報収集部21は、運転者が装着するウェアラブル機器、ステアリング又は座席等の運転者に近接又は接触する箇所に配置された各種センサ、運転者を撮影するカメラ等の機器から、運転者の生体情報を精神状態情報として収集しても良い。
【0115】
例えば、認識可能度判定部29Dは、精神状態情報を用いて、運転者の精神状態の程度を算出し、当該精神状態の程度に基づいて、ドライバー負荷量を算出しても良い。例えば、認識可能度判定部29Dは、精神状態として運転者の眠気、疲労、又は焦燥の程度を当該運転者の生体情報から算出しても良い。
【0116】
例えば、各々の精神状態の程度のうちいずれかの程度が所定の基準値よりも高い場合に、認識可能度が低いと判定されても良い。また、各々の精神状態の程度のいずれもが所定の基準値よりも低い場合に認識可能度が高いと判定されても良い。
【0117】
また、状態情報取得部29Cは、状態情報のうちの操縦負荷情報として、車両Mの周囲の環境に関する走行環境情報を状態情報収集部21から取得しても良い。例えば、状態情報収集部21は、車両の前方風景を撮影するカメラに接続されており、当該前方風景を示す画像情報を周囲環境情報として収集しても良い。
【0118】
例えば、認識可能度判定部29Dは、車両Mの前方風景を示す画像情報から、車両Mの前方の視界が良好さの程度を認識可能度を判定するためのパラメータとして算出しても良い。そして、当該視界の良好さの程度に基づいて、認識可能度を判定しても良い。例えば、認識可能度判定部29Dは、雨、雪又は霧等の天候の影響によって視界が不良である場合に、認識可能度が低いと判定しても良い。
【0119】
以上、詳細に説明したように、情報処理装置としての情報処理サーバ10Bを含む実施例1の情報処理システムによれば、移動体の運転者に向けて任意の広告情報を提示し、当該広告情報が提示された際に運転者が当該広告情報をどの程度認識しやすい状態にあったかを示す認識可能度を判定することができる。当該認識可能度の判定によって、当該広告情報の提示がなされたタイミングは、広告の有効性の高いタイミングであったか否かを評価することが可能となる。換言すれば、提示された広告情報に関して、運転者に対する宣伝効果を評価することが可能となる。
【0120】
さらに、実施例1の情報処理システムによれば、当該認識可能度に応じた課金額の決定に資する課金情報を生成することができる。従って、広告情報が提示されたことによる宣伝効果に応じた広告料の課金を可能とする情報処理装置を提供することができる。
【0121】
本実施例において、認識可能度判定部29Dによって認識可能度が判定されると、認識可能度に応じた課金情報が生成される例について説明したが、本実施例の情報処理システム10によって、当該認識可能度に応じた課金情報の生成に代えて、認識可能度の判定結果に基づいて、広告情報を再度提示する(再提示する)ことができる。例えば、認識可能度が所定の基準値以下(所定値以下)である場合に、広告情報が再提示される。
【0122】
[広告情報処理ルーチンRT4]
図9を参照しつつ、情報処理システム10によって実行されるルーチンの他の一例である広告情報処理ルーチンRT4について説明する。広告情報処理ルーチンRT4において、広告情報が提示された際の認識可能度に応じて、当該広告情報が再提示される。
【0123】
図9中の破線は、データの送受信の様子を模式的に示すものである。また、
図9において、情報処理端末10Aによって繰り返し実行されるルーチンをRT4A、情報処理サーバ10Bによって繰り返し実行されるルーチンをRT4Bとして示す。なお、上述したルーチンにおけるステップと共通する内容のステップについては、同一の参照符号を付している。
【0124】
情報処理端末10Aの端末制御部13は、例えば、車両MのACC電源がオンになると、ルーチンRT4Aを開始する。また、情報処理サーバ10Bのサーバ制御部29は、情報処理サーバ10Bが起動されると、ルーチンRT4Bを開始する。
【0125】
端末制御部13は、ルーチンRT4Aを開始すると、
図6に示したルーチンRT1AのステップS11からステップS15Aまでの各ステップと同様のステップを実行する。
【0126】
サーバ制御部29は、ルーチンRT4Bを開始すると、
図6に示したルーチンRT1BのステップS11BからステップS16Bまでの各ステップと同様のステップを実行する。
【0127】
サーバ制御部29は、ステップS16Bにおいて状態情報を受信したと判定する(ステップS16B:YES)と、状態情報から運転負荷量を算出し(ステップSS21B)、当該運転負荷量に基づいて認識可能度を判定し(ステップS22B)、認識可能度が基準値以下であるか否かを判定する(ステップS23B)(
図7参照)。
【0128】
サーバ制御部29は、ステップS23Bにおいて、認識可能度が所定の基準値以下であると判定すると(ステップS23B:YES)、広告情報を再度提示させる指示を含む再提示情報を生成し、サーバ通信部25を介して情報処理端末10Aに送信する(ステップS41B)。
【0129】
例えば、ステップS41Bにおいて、提示制御部29Aは、ステップS14Aにおいて提示された提示内容を提示させる指示を含む提示指示情報を再提示情報として生成する。すなわち、提示制御部29Aは、認識可能度の判定結果に基づいて、広告情報を再提示させる。サーバ制御部29は、ステップS41Bの実行後、ステップS15Bに戻り、状態情報の受信を再び待機する。
【0130】
端末制御部13は、ステップS15の実行後、再提示情報の受信を待機する(ステップS41A)。端末制御部13は、ステップS41Aの実行後、再提示情報を受信したか否かを判定する(ステップS42A)。
【0131】
端末制御部13は、再提示情報を受信したと判定する(ステップS42A:YES)と、ステップS14Aに戻り、広告情報を再度提示する。端末制御部13は、再提示情報を受信していないと判定する(ステップS42A:NO)と、ルーチンRT4Aを終了し、新たにルーチンRT4Aを開始する。
【0132】
サーバ制御部29は、ステップS23Bにおいて、認識可能度が基準値以下ではないと判定すると(ステップS23B:NO)、標準の課金情報を生成する(S42B)。例えば、ステップS42Bにおいて、課金情報生成部29Eは、提示された広告情報の広告IDと標準料金であることを示す情報とを対応させた課金情報を生成する。なお、ステップS42Bにおいて、課金情報生成部29Eは、提示された広告情報の広告IDに対応する標準料金を広告情報DB27Aから読み出して、課金情報を生成しても良い。
【0133】
また、サーバ制御部29は、ステップS23Bにおいて、認識可能度が基準値以下であると判定した場合であっても、既に再提示が所定の回数行われた場合には、再提示情報を送信せずに、標準の課金情報を生成しても良い。
【0134】
サーバ制御部29は、ステップS42Bの実行後、ルーチンRT4Bを終了し、新たにルーチンRT4Bを開始する。
【0135】
なお、サーバ制御部29は、ステップS41Bの実行後、再提示させるべき提示内容を含む広告配信情報を情報処理端末10Aに送信しても良い。この場合、端末制御部13は、当該広告配信情報を再度受信する。そして、当該受信された広告配信情報に含まれる提示内容が、再提示すべき広告情報として提示される。
【0136】
また、サーバ制御部29は、ステップS23Bにおいて、認識可能度が基準値以下であると判定した場合に、再提示情報に代えて、状態情報を継続的に送信させる指示を含む情報を生成して送信しても良い。この場合、端末制御部13は、当該情報を受信し、当該情報に含まれる指示に従って、状態情報を例えば所定の時間間隔で継続的に送信する。
【0137】
サーバ制御部29は、当該継続的に送信された状態情報を受信し、認識可能度判定部29Dは、当該状態情報に基づいて認識可能度を判定する。そして、サーバ制御部29は、認識可能度が基準値以下ではないと判定された場合に、再提示情報を生成して送信する。これによって、再提示によって広告情報が運転者に認識される機会をより確実に与えることができる。
【0138】
このように、本実施例の情報処理システム10によって実行される広告情報処理ルーチンRT4によれば、広告情報が提示された際の運転者の認識可能度を判定し、広告情報の提示による宣伝効果を評価することができる。そして、認識可能度の判定結果に基づいて、広告情報を再度提示することができる。従って、広告情報が提示されたことによる課金額に応じた宣伝効果を得ることを可能とする情報処理装置を提供することができる。
【0139】
なお、本実施例において、広告情報には、運転者の運転を支援する情報である運転支援情報が含まれていても良い。例えば、運転支援情報は、事故多発地点、見通しの悪い交差点等の運転の際に注意が必要な道路上の地点である運転注意地点に関して、運転者に注意事項を伝えて注意を喚起するような情報である。例えば、提示内容に運転支援情報が含まれ、当該提示内容が提示される際に、当該注意事項が併せて表示されるか又は当該注意事項を読み上げた音声が出力されても良い。
【0140】
運転注意地点に関する運転支援情報が併せて提示される広告情報は、運転者の注意を引きやすく、運転者によって認識され易いと予想される。例えば、事故多発地点において、運転支援情報が広告情報と併せて提示される場合には、当該広告情報が提示された際の運転負荷量が高くても、広告情報が運転者に認識され易いと予想される。このような場合に、認識可能度判定部29Dは、運転負荷量に関わらず、認識可能度が高いと判定しても良い。
【0141】
また、課金情報生成部29Eは、広告情報が運転注意地点における運転支援情報を含む場合には、当該広告情報が提示された際の、認識可能度の判定結果に関わらず、所定の金額が課金されるような課金情報を生成しても良い。
【0142】
なお、本実施例において、提示制御部29A、状態情報取得部29C及び認識可能度判定部29Dは情報処理サーバ10Bのサーバ制御部29に含まれる例について説明したが、提示制御部29A、状態情報取得部29C及び認識可能度判定部29Dは、情報処理装置としての情報処理端末10Aの端末制御部13に含まれていても良い。
【0143】
また、情報処理端末10Aが提示制御部29A及び状態情報取得部29Cを有しており、情報処理端末10Aの外部装置としての情報処理サーバ10Bが認識可能度判定部29Dを有していても良い。この場合において、情報処理端末10Aは、広告情報を提示する装置である広告情報提示装置として機能する。
【0144】
また、広告情報DB27A、課金額決定部29F及び広告依頼受付部29Gは、情報処理サーバ10Bの外部の装置に設けられていても良い。
【0145】
また、運転者が目的地を入力した際に、経路探索は情報処理サーバ10Bによって行われる例について説明したが、当該経路探索は、情報処理端末10Aによって行われても良く、情報処理システム10の外部の装置によって行われても良い。
情報処理サーバ30Bは、サーバ記憶部27が運転負荷マップデータベース(以下、運転負荷マップDBと称する)27Bを有している点及び状態情報取得部29Cの代わりに位置情報取得部39Cを有している点において実施例1の情報処理サーバ10Bと異なり、その余の点においては情報処理サーバ10Bと同様に構成されている。
運転負荷マップDB27Bは、道路上の位置と、道路上の位置ごとの操縦負荷(運転負荷)と、が関連付けられた情報である運転負荷マップ(操縦負荷マップ)が格納されているデータベースである。道路上の位置ごとの操縦負荷は、すなわち当該道路上の位置を移動体が走行する際に運転者にかかる運転負荷(操縦負荷)である。例えば、運転負荷マップにおける運転負荷は、標準的な負荷として算出された運転負荷量から決定された運転負荷のレベルであっても良い。
例えば、運転負荷マップDB27Bは、サーバ制御部29によって生成される。例えば、複数の車両Mに搭載されている複数の情報処理端末30Aにおいて、車両I/F31によって車両状態情報が収集される。当該車両状態情報は、車両Mが走行する道路上の位置と対応付けられて、端末通信部23を介して情報処理サーバ30Bに送信される。
例えば、サーバ制御部29は、道路上の1つの位置について得られた複数の運転負荷量から、統計処理によって、当該位置における標準的な運転負荷量を算出する。そして、道路上の位置毎に、標準的な運転負荷量を算出し、当該位置毎に標準的な運転負荷量を対応付けて運転負荷マップを生成し、サーバ記憶部27に記憶させる。例えば、運転負荷マップDB27B内の運転負荷マップは、所定の期間毎に更新される。
例えば、当該標準的な運転負荷量を算出する際の統計処理において、時間帯毎に異なる結果が算出されても良い。例えば、曜日ごとに又は平日/休日を区別して車両状態情報又は運転負荷量を統計学的手法により集計し、曜日ごと又は平日と休日とを区別して夫々異なる運転負荷マップが生成されても良い。また、午前/午後、夜間/早朝/昼間等のさらに細分化された時間帯毎に運転負荷マップが生成されても良い。
また、運転負荷マップは、道路の特徴又は道路の種別等の静的な交通環境に基づいて生成されても良い。例えば、一般道路/高速道路/自動運転車両専用道路等の道路の種別を示す要素、形状、勾配、道幅等の道路の特徴を示す要素に基づいて、運転負荷量が算出されても良い。
例えば、道路の特徴及び道路の種別を示す要素の各々を道路の区間ごとに点数化して加算することで、当該道路上を移動体が走行する際の運転負荷量を算出し、運転負荷量と道路の区間とを対応付けることで運転負荷マップが生成されても良い。
なお、運転負荷マップDB27Bは、情報処理サーバ30Bの外部の装置によって生成されてサーバ記憶部27に格納されていても良い。また、運転負荷マップDB27Bは情報処理サーバ30Bの外部のサーバに格納されていても良い。
位置情報取得部39Cは、車両Mにおいて広告情報が提示された際の車両Mの位置の情報である位置情報を取得する。例えば、位置情報取得部39Cは、位置情報を含む情報である提示位置情報を、サーバ通信部25を介して、情報処理端末30Aから取得する。例えば、提示位置情報には、提示された広告情報の広告IDと、当該広告IDに対応する車両Mの位置情報とが含まれる。
例えば、当該車両Mの位置情報は、広告情報が提示されていた時間内に車両Mが走行した道路上の区間を示す情報である。また、例えば、当該車両Mの位置情報は、広告情報の提示が開始された際の車両Mの位置を示す情報であっても良い。
情報処理端末30Aの端末制御部13は、例えば、車両MのACC電源がオンになると、ルーチンRT5Aを開始する。また、情報処理サーバ30Bのサーバ制御部29は、情報処理サーバ30Bが起動されると、ルーチンRT5Bを開始する。
端末制御部13は、ステップS14Aの実行後、広告情報が提示された際の車両Mの位置情報を含む提示位置情報を、端末通信部23を介して情報処理サーバ30Bに送信する(ステップS51A)。ステップS51Aにおいて、端末制御部13は、位置検出部19によって検出された車両Mの位置情報を送信する。端末制御部13は、ステップS51Aの実行後、ルーチンRT5Aを終了し、新たにルーチンRT5Aを開始する。
サーバ制御部29は、ステップS14Bの実行後、提示位置情報の受信を待機する(ステップS51B)。その後、サーバ制御部29は、提示位置情報を受信したか否かを判定する(ステップS52B)。サーバ制御部29は、提示位置情報を受信していないと判定する(ステップS52B:NO)と、ステップS51Bに戻り、提示位置情報の受信を待機する。
なお、ルーチンRT5Bにおいて、提示位置情報に基づいて認識可能度を判定する例について説明したが、広告IDに基づいて認識可能度を判定しても良い。例えば、認識可能度判定部29Dは、車両Mにおいて提示された広告情報の広告IDを情報処理端末10Aから受信しても良い。そして、当該広告IDに対応する広告データに含まれる広告位置情報と、運転負荷マップ内の道路上の位置とを照合し、広告情報を提示すべき位置に対応する運転負荷を判定しても良い。これによって、情報処理端末30Aから提示位置情報を取得することなく認識可能度を判定することができる。
なお、本実施例の運転負荷マップには、事故多発地点などの運転に注意を要する運転注意地点に関する情報が付加されても良い。例えば、運転注意地点に関する情報には、道路上の位置と、当該道路上の位置において多く発生している事故の種別(出会い頭事故、追突事故等)等の情報が含まれる。
また、当該道路上の位置及び当該運転注意地点に関する情報は、広告主に視認可能に提示されても良い。例えば、広告主は、運転注意地点での広告情報の提示を希望する場合には、運転負荷マップが視認可能に表示された道路地図において、道路上の所望の運転注意地点を広告位置として選択可能としても良い。
上述したように、広告情報が運転注意地点における運転支援情報を含む場合には、当該広告情報が提示された際の運転負荷が高くても、広告情報が運転者に認識され易いと予想される。
当該広告位置及び広告料を含む情報は、広告主端末ADにおいて、広告位置及び当該広告位置に対応する広告料が広告主に視認可能に表示されても良い。当該送信された情報に基づいて、道路地図及び広告料が広告主に視認可能に表示されても良い。
すなわち、当該3種類の区間に設定された広告料は、運転負荷マップにおける運転負荷に応じて設定された広告料である。このように道路区間及び広告料が参照可能に表示されることで、広告主は、広告料を参照した上で、広告位置を指定することができる。
なお、本実施例において、提示制御部29A、位置情報取得部39C及び認識可能度判定部29Dは情報処理サーバ30Bのサーバ制御部29に含まれる例について説明したが、提示制御部29A、位置情報取得部39C及び認識可能度判定部29Dは、情報処理装置としての情報処理端末30Aの端末制御部13に含まれていても良い。
また、情報処理端末30Aが提示制御部29A及び位置情報取得部39Cを有しており、情報処理端末30Aの外部装置としての情報処理サーバ30Bが認識可能度判定部29Dを有していても良い。例えば、情報処理端末30Aは、広告情報を提示する装置である広告情報提示装置として機能する。
なお、実施例において、情報処理端末10A及び30Aが車両Mに搭載されている例について説明したが、これに限らない。情報処理端末10A及び30Aは、車両Mに固定的に搭載されていない端末であっても良い。
なお、情報処理端末30Aは、車両Mに乗車していないユーザによって携帯されていても良い。例えば、この場合において、広告情報は、提示部としての表示部15及び提示部としての音声出力部16によってユーザに提示される。位置検出部19は、広告情報が提示された際のユーザの位置を検出して位置情報を生成する。当該位置情報は、送信部としての端末通信部23を介して、外部装置である情報処理サーバ30Bに送信される。
また、この場合において、情報処理サーバ30Bのサーバ記憶部27には、運転負荷マップに代えて、地図上の位置と、ユーザが当該位置に居る際の行動負荷とが関連付けられた行動負荷マップが格納されていても良い。例えば、地図上の位置が道路であるか否かによって、異なる行動負荷が関連付けられていても良い。例えば、地図上の位置が道路である場合には、ユーザが道路を横断中である可能性が高いと予想される。そのような場合には、行動負荷マップにおいて、当該地図上の道路の位置に高い行動負荷が対応付けられても良い。
そして、認識可能度判定部29Dは、提示された広告情報のユーザによる認識可能度の判定を、広告情報が提示された際のユーザの位置と、行動負荷マップとに基づいて、広告情報が提示された際のユーザの行動負荷を判定することで行っても良い。例えば、行動負荷が所定の基準値よりも高いと判定された場合には、ユーザによる広告情報の認識可能度が低いと判定されても良い。
以上説明したように、情報処理装置としての情報処理サーバ30Bを含む実施例2の情報処理システム30によれば、道路上の位置ごとの標準的な運転負荷量に関する情報を運転負荷マップとして予め準備しておくことができる。そして、移動体の運転者に向けて任意の広告情報が提示された際に、当該運転負荷マップに基づいて、運転者が当該広告情報をどの程度認識しやすい状態にあったか、すなわち認識され易さを示す認識可能度を判定することができる。
従って、移動体の運転者に向けて任意の広告情報を提示し、当該広告情報が提示された際に当該認識可能度の判定によって、当該広告情報の提示がなされたタイミングは、広告の有効性の高いタイミングであったか否か、を判定することができる。すなわち、広告情報の提示による運転者に対する宣伝効果を評価することを可能とする情報処理装置を提供することができる。
さらに、実施例2の情報処理システムによって、当該認識可能度に応じた課金額の決定に資する課金情報を生成することができる。従って、広告情報が提示されたことによる宣伝効果に応じた広告料の課金を可能とする情報処理装置を提供することができる。
実施例における広告情報によって示される広告の内容は、任意の内容であり、広告を提示すべき位置として指定された広告位置に関連する情報に限られず、例えば多数の店舗で販売されている商品の広告又は企業のイメージ広告等の広告位置との関連性が低い内容も含まれ得る。
実施例において、認識可能度が高い場合と低い場合との2段階で判定を行う例について説明したが、これに限らない。認識可能度は、3つ以上のレベルに分けられていても良い。例えば、多数の段階に分けて認識可能度を判定することで、より柔軟に、広告情報の提示による宣伝効果に適合された課金情報を生成することができる。
なお、広告情報を提示する際の提示条件に関する情報は、広告情報が提示される際の移動体の位置を指定する広告位置情報に限られず、時間間隔、時刻、その他の提示のタイミングを指定する情報であっても良い。また、提示条件に関する情報は、単に提示する回数を指定する情報であっても良い。提示条件に従って広告情報が提示されたタイミングにおける認識可能度が判定できればよい。