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特開2024-10719プロジェクターの制御方法、プログラム、及びプロジェクター
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010719
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】プロジェクターの制御方法、プログラム、及びプロジェクター
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/74 20060101AFI20240118BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240118BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20240118BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240118BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
H04N5/74 Z
G03B21/00 D
G03B21/14 D
G09G5/00 510B
G09G5/36 520P
G09G5/00 530H
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022112166
(22)【出願日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】庄司 敬則
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
2K203FA03
2K203FA23
2K203FA34
2K203FA42
2K203FA43
2K203FA44
2K203FA62
2K203FA75
2K203FA82
2K203FB05
2K203GB53
2K203GB62
2K203KA37
2K203KA38
2K203KA44
2K203KA45
2K203MA07
5C058BA35
5C058EA02
5C182AA03
5C182AA04
5C182AB11
5C182AC03
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA14
5C182BB04
5C182BB11
5C182BC26
5C182CB04
5C182CB44
5C182CC02
(57)【要約】
【課題】投射画像においてフォーカスがあっている領域とフォーカスがあっていない領域との見え方の違いによる違和感が生じることを抑制する。
【解決手段】プロジェクター100の制御方法は、第1画像P1を第1投射画像PB1として壁面WLに投射することと、壁面WLにおける第1投射画像PB1の合焦位置を示す第1合焦点PF1を決定することと、第1画像P1において、第1合焦点PF1に対応する第2合焦点PF2を決定することと、第1画像P1において第2合焦点PF2を含む範囲に第1レベルのボカシ処理を施して第2画像P2を生成することと、第2画像P2を第2投射画像PB2として壁面WLに投射することと、を含む。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1画像を投射画像として投射面に投射することと、
前記投射面における前記投射画像の合焦位置を示す第1合焦点を決定することと、
前記第1画像において、前記第1合焦点に対応する第2合焦点を決定することと、
前記第1画像において前記第2合焦点を含む範囲に第1のボカシ処理を施して第2画像を生成することと、
前記第2画像を前記投射画像として前記投射面に投射することと、
を含む、プロジェクターの制御方法。
【請求項2】
前記第1合焦点を決定することは、
前記第1合焦点を指示する操作を、ユーザーから受け付けることと、
を含む、
請求項1に記載のプロジェクターの制御方法。
【請求項3】
前記第1合焦点を決定することは、
前記プロジェクターと前記投射面との距離と、前記プロジェクターの投射軸と前記投射面とのなす角度と、前記プロジェクターの有する投射レンズの焦点距離とを取得することと、
前記距離と前記角度と前記焦点距離とに基づき、前記第1合焦点を決定することと、
を含む、
請求項1に記載のプロジェクターの制御方法。
【請求項4】
前記第1合焦点を決定することは、
前記投射面にパターン画像を前記投射画像として投射することと、
前記投射面における前記投射画像を撮像した撮像画像を生成することと、
前記撮像画像における合焦位置を示す第3合焦点を決定することと、
前記第3合焦点に対応する前記投射画像の位置を、前記第1合焦点として決定することと、
を含む、請求項1に記載のプロジェクターの制御方法。
【請求項5】
前記第1画像は、前記第2合焦点との距離が第1距離である第1基準点を含み、
前記第2画像を生成することは、
前記第2合焦点に対して施される前記第1のボカシ処理よりも弱い第2のボカシ処理を、前記第1基準点に対して施すこと、
を含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプロジェクターの制御方法。
【請求項6】
前記第1画像は、前記第2合焦点との距離が前記第1距離よりも長い第2距離である第2基準点を含み、
前記第2画像を生成することは、
前記第2のボカシ処理よりも弱い第3のボカシ処理を、前記第2基準点に対して施すこと、
を含む、請求項5に記載のプロジェクターの制御方法。
【請求項7】
第1画像を投射画像として投射面に投射することと、
前記投射面における前記投射画像の合焦位置を示す第1合焦点を決定することと、
前記第1画像において、前記第1合焦点に対応する第2合焦点を決定することと、
前記第1画像において前記第2合焦点を含む範囲に第1のボカシ処理を施して第2画像を生成することと、
前記第2画像を前記投射画像として前記投射面に投射することと、をコンピューターに実行させる、プログラム。
【請求項8】
光学装置と、プロセッサーと、を含み、
前記プロセッサーは、
第1画像を投射画像として投射面に前記光学装置を用いて投射することと、
前記投射面における前記投射画像の合焦位置を示す第1合焦点を決定することと、
前記第1画像において、前記第1合焦点に対応する第2合焦点を決定することと、
前記第1画像において前記第2合焦点を含む範囲に第1のボカシ処理を施して第2画像を生成することと、
前記第2画像を前記投射画像として前記投射面に前記光学装置を用いて投射することと、
を実行する、プロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターの制御方法、プログラム、及びプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、投射面上のフォーカスを合わせるべき位置を特定する位置特定情報を用いて投射面上のフォーカスを合わせるべき位置にフォーカスが合うようにコンテンツ画像の投射を制御することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-132939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、投射面のフォーカスを合わせるべき位置に対してフォーカスを合わせることができる。しかしながら、例えば、投射面における領域毎のプロジェクターから投射面までの距離の差が大きい場合には、投射面に投射された画像においてフォーカスがあっている領域とフォーカスがあっていない領域との見え方の違いによる違和感が生じる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係るプロジェクターの制御方法は、第1画像を投射画像として投射面に投射することと、前記投射面における前記投射画像の合焦位置を示す第1合焦点を決定することと、前記第1画像において、前記第1合焦点に対応する第2合焦点を決定することと、前記第1画像において前記第2合焦点を含む範囲に第1のボカシ処理を施して第2画像を生成することと、前記第2画像を前記投射画像として前記投射面に投射することと、を含む。
【0006】
本開示の他の一態様に係るプログラムは、第1画像を投射画像として投射面に投射することと、前記投射面における前記投射画像の合焦位置を示す第1合焦点を決定することと、前記第1画像において、前記第1合焦点に対応する第2合焦点を決定することと、前記第1画像において前記第2合焦点を含む範囲に第1のボカシ処理を施して第2画像を生成することと、前記第2画像を前記投射画像として前記投射面に投射することと、をコンピューターに実行させる。
【0007】
本開示の他の一態様に係るプロジェクターは、光学装置と、少なくとも1つのプロセッサーと、を含み、前記少なくとも1つのプロセッサーは、第1画像を投射画像として投射面に前記光学装置を用いて投射することと、前記投射面における前記投射画像の合焦位置を示す第1合焦点を決定することと、前記第1画像において、前記第1合焦点に対応する第2合焦点を決定することと、前記第1画像において前記第2合焦点を含む範囲に第1のボカシ処理を施して第2画像を生成することと、前記第2画像を前記投射画像として前記光学装置を用いて前記投射面に投射することと、を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】投射システムの構成の一例を示す図。
図2】本実施形態に係るプロジェクターの配置の一例を示す断面図。
図3】本実施形態に係るプロジェクターの構成の一例を示す図。
図4】本実施形態に係る制御装置の構成の一例を示す図。
図5】第1画像の一例を示す画像図。
図6】第1投射画像、及び撮像画像の一例を示す画像図。
図7】第1合焦点の決定方法の一例を示す断面図。
図8】第2合焦点、第1基準点、及び第2基準点の一例を示す画像図。
図9】第2画像の一例を示す画像図。
図10】第2投射画像の一例を示す画像図。
図11】第2制御部の処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
【0010】
[1.投射システムの構成]
まず、図1を参照して、投射システム1の構成について説明する。図1は、投射システム1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、投射システム1は、複数のプロジェクター100と、制御装置200と、を含む。本実施形態では、複数のプロジェクター100は、例えば、プロジェクター100Aと、プロジェクター100Bと、プロジェクター100Cと、で構成される。
【0011】
プロジェクター100A、プロジェクター100B、及びプロジェクター100Cの各々は、略同一の構成を有する。そこで、以下の説明において、プロジェクター100A、プロジェクター100B、及びプロジェクター100Cを互いに区別する必要がない場合には、プロジェクター100A、プロジェクター100B、及びプロジェクター100Cの各々をプロジェクター100と記載する場合がある。
プロジェクター100は、ネットワークNWを介して、制御装置200と通信可能に接続される。例えば、プロジェクター100は、制御装置200と、Ethernet(登録商標)規格に則って、通信可能に接続される。ネットワークNWは、例えば、LAN(Local Area Network)である。プロジェクター100は、制御装置200から受信した投射画像PBを、投射面SCに投射する。投射面SCは、例えば、壁面WLである。
壁面WLについては、図2を参照して更に説明する。
【0012】
本実施形態では、投射システム1が3台のプロジェクター100を含む場合について説明するが、これに限定されない。投射システム1が少なくとも1台のプロジェクター100を含めばよい。例えば、投射システム1が1台又は2台のプロジェクター100と、制御装置200と、で構成されてもよい。また、例えば、投射システム1が4台以上のプロジェクター100を含んでもよい。
【0013】
本実施形態では、ネットワークNWがLANである場合について説明するが、これに限定されない。ネットワークNWが、例えば、WAN(Wide Area Network)でもよい。また、ネットワークNWが、例えば、インターネットでもよい。
【0014】
制御装置200は、例えば、パーソナルコンピューターで構成される。制御装置200は、第1画像P1を記憶し、プロジェクター100A、プロジェクター100B、及びプロジェクター100Cの各々に対して、投射画像PBとして第1画像P1を出力する。
第1画像P1については、図4を参照して更に説明する。
【0015】
本実施形態では、制御装置200がパーソナルコンピューターで構成される場合について説明するが、これに限定されない。制御装置200が、例えば、スマートフォン、タブレット端末等で構成されてもよい。
また、制御装置200がサーバー装置として構成されてもよい。換言すれば、投射システム1が、制御装置200に換えてサーバー装置を含み、サーバー装置がインターネットを介して、3台のプロジェクター100の各々と通信可能に接続されてもよい。
【0016】
[2.プロジェクターの配置と構成]
次に、図2を参照してプロジェクター100の配置について説明する。図2は、本実施形態に係るプロジェクター100の配置の一例を示す断面図である。
図2に示すように、プロジェクター100は、例えば、通路ALの天井CLの上方に配置される。通路ALの側方には、壁面WLが設けられ、通路ALの下方には、床面FLが設けられる。通路ALは、図2の奥行方向、換言すれば、紙面と直交する方向に延びる。また、プロジェクター100は、例えば、天井CLに形成された孔HLを通過して、画像光PLを壁面WLに投射する。
【0017】
プロジェクター100A、プロジェクター100B、及びプロジェクター100Cの各々は、通路ALに沿って配列される。投射軸PLAは、画像光PLの中心を通る光軸を示す。プロジェクター100は、投射軸PLAが壁面WLに対して傾斜するように配置される。プロジェクター100からの画像光PLは、例えば、通路ALの間接照明として用いられる。
プロジェクター100から壁面WLに投射画像PBが表示されるため、投射画像PBとして美しい景色等を表示することによって、通路ALを通行する歩行者は、投射画像PBを楽しむことができる。また、通路ALの美観を向上できる。
【0018】
また、図2に示すように、プロジェクター100は、投射画像PBを投射面SCの一例である壁面WLに投射する。プロジェクター100は、例えば、画像光PLを壁面WLに向けて投射することによって、投射画像PBを壁面WLに表示する。
投射画像PBについては、図3を参照して更に説明する。
【0019】
本実施形態では、プロジェクター100が、例えば、投射画像PBを壁面WLに表示する場合について説明するが、プロジェクター100が、例えば、投射画像PBを床面FLに表示してもよい。
【0020】
次に、図3を参照して、プロジェクター100の構成について説明する。図3は、本実施形態に係るプロジェクター100の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、プロジェクター100は、投射部110と、投射部110を駆動する駆動部120と、を備える。投射部110は、光学的な画像の形成を行い、投射面SCに画像を投射する。
投射部110は、光源部111、光変調装置112及び投射光学系113を備える。駆動部120は、光源駆動部121及び光変調装置駆動部122を備える。
投射部110は、「光学装置」の一例に対応する。
【0021】
光源部111は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ等のランプ、又はLED(Light Emitting Diode)、レーザー光源等の固体光源を備える。
また、光源部111は、光源が発した光を光変調装置112に導くリフレクター、及び補助リフレクターを備えてもよい。更に、光源部111は、投射光の光学特性を高めるためのレンズ群、偏光板、又は光源が発した光の光量を光変調装置112に至る経路上で低減させる調光素子等を備えてもよい。
光源駆動部121は、内部バス107に接続され、同じく内部バス107に接続された第1制御部150の指示に従って、光源部111の光源を点灯及び消灯させる。
【0022】
光変調装置112は、例えば、R、G及びBの三原色に対応した3枚の液晶パネル115を備える。Rは赤色を示し、Gは緑色を示し、Bは青色を示す。すなわち、光変調装置112は、R色光に対応した液晶パネル115と、G色光に対応した液晶パネル115と、B色光に対応した液晶パネル115とを備える。
光源部111が発する光はRGBの3色の色光に分離され、それぞれ対応する液晶パネル115に入射される。3枚の液晶パネル115の各々は、透過型の液晶パネルであり、透過する光を変調して画像光PLを生成する。各液晶パネル115を通過して変調された画像光PLは、クロスダイクロイックプリズム等の合成光学系によって合成され、投射光学系113に射出される。
【0023】
光変調装置112は、光変調装置駆動部122によって駆動される。光変調装置駆動部122は、画像処理部145に接続される。
光変調装置駆動部122には、画像処理部145からR,G,Bの各原色に対応する画像データが入力される。光変調装置駆動部122は、入力された画像データを液晶パネル115の動作に適したデータ信号に変換する。光変調装置駆動部122は、変換したデータ信号に基づいて、各液晶パネル115の各画素に電圧を印加し、各液晶パネル115に投射画像PBに対応する画像を描画する。なお、光変調装置112は、液晶パネル115に換えて、反射型の液晶パネル、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)の液晶パネル、又は、液晶パネル以外の光変調パネル、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)を備えてもよい。
【0024】
投射光学系113は、入射された画像光PLを投射面SC上に結像させるレンズやミラー等を備える。また、投射光学系113は、投射面SCに投射される画像を拡大又は縮小させるズーム機構や、フォーカスの調整を行うフォーカス調整機構等を備えてもよい。
本実施形態では、投射光学系113は、入射された画像光PLを投射面SC上に結像させる投射レンズ113Aを備える場合について説明する。
投射レンズ113A、及び焦点距離FDについては、図7を参照して更に説明する。焦点距離FDは、投射レンズ113Aの焦点距離である。
【0025】
プロジェクター100は、操作部131、リモコン受光部133、入力インターフェース135、記憶部137、第1通信インターフェース141、フレームメモリー143、画像処理部145、第1制御部150及びカメラ160を更に備える。入力インターフェース135、記憶部137、第1通信インターフェース141、画像処理部145、第1制御部150及びカメラ160は、内部バス107を介して互いにデータ通信可能に接続される。
【0026】
操作部131は、プロジェクター100の筐体表面に設けられた各種のボタンやスイッチを備え、これらのボタンやスイッチの操作に対応した操作信号を生成して、入力インターフェース135に出力する。入力インターフェース135は、操作部131から入力された操作信号を第1制御部150に出力する。
【0027】
リモコン受光部133は、リモコン5から送信される赤外線信号を受光し、受光した赤外線信号をデコードして操作信号を生成する。リモコン受光部133は、生成した操作信号を入力インターフェース135に出力する。入力インターフェース135は、リモコン受光部133から入力された操作信号を第1制御部150に出力する。
【0028】
記憶部137は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶装置である。記憶部137は、第1制御部150が実行するプログラム、第1制御部150が処理したデータ、画像データ等を記憶する。
【0029】
第1通信インターフェース141は、コネクター及びインターフェース回路を備え、制御装置200と通信可能に接続される。本実施形態では、第1通信インターフェース141は、例えば、Ethernet(登録商標)規格に則って、制御装置200と通信するためのインターフェースである。第1通信インターフェース141は、制御装置200から第1画像P1を投射画像PBとして受信する。
【0030】
カメラ160は、第1制御部150からの指示に従って、壁面WLに表示された投射画像PBを撮像し、撮像画像PMを生成する。例えば、投射部110がパターン画像PPを壁面WLに投射画像PBとして投射したときに、カメラ160は、投射画像PBを撮像し、撮像画像PMを生成する。また、カメラ160は、撮像画像PMを第1制御部150へ出力する。
パターン画像PP及び撮像画像PMについては、図4を参照して更に説明する。
【0031】
第1制御部150は、第1プロセッサー150A及び第1メモリー150Bを備える。
第1メモリー150Bは、第1プロセッサー150Aが実行するプログラムやデータを不揮発的に記憶する記憶装置である。第1メモリー150Bは、磁気的記憶装置、フラッシュROM(Read Only Memory)等の半導体記憶素子、或いはその他の種類の不揮発性記憶装置により構成される。また、第1メモリー150Bは、第1プロセッサー150Aのワークエリアを構成するRAM(Random Access Memory)を含んでもよい。また、第1メモリー150Bは、HDD、SSD等の不揮発性の記憶装置を含んでもよい。
第1メモリー150Bは、第1制御部150により処理されるデータや、第1プロセッサー150Aが実行する第1制御プログラムPG1を記憶する。
【0032】
第1プロセッサー150Aは、単一のプロセッサーで構成されてもよいし、複数のプロセッサーが第1プロセッサー150Aとして機能する構成であってもよい。第1プロセッサー150Aは、第1制御プログラムPG1を実行してプロジェクター100の各部を制御する。例えば、第1プロセッサー150Aは、操作部131やリモコン5により受け付けた操作に対応した画像処理の実行指示と、この画像処理に用いるパラメーターとを画像処理部145に出力する。パラメーターには、例えば、投射面SCに投射する投射画像PBの幾何的な歪みを補正するための幾何補正パラメーター等が含まれる。また、第1プロセッサー150Aは、光源駆動部121を制御して光源部111の点灯と消灯とを制御する。
【0033】
画像処理部145及び第1制御部150の各々は、例えば、集積回路により構成することができる。集積回路は、LSI、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)を含む。PLDには、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)が含まれる。また、集積回路の構成の一部にアナログ回路が含まれていてもよく、プロセッサーと集積回路との組み合わせであってもよい。プロセッサーと集積回路との組み合わせは、マイクロコントローラー(MCU)、SoC(System-on-a-chip)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。
【0034】
画像処理部145は、第1メモリー150B又は記憶部137に記憶された画像データをフレームメモリー143に展開する。フレームメモリー143は、複数のバンクを備える。各バンクは、1フレーム分の画像データを書き込み可能な記憶容量を有する。フレームメモリー143は、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)により構成される。
【0035】
画像処理部145は、第1制御部150からの指示に従って、フレームメモリー143に展開した画像データに対して、例えば、解像度変換処理又はリサイズ処理、歪曲収差の補正、形状補正処理、デジタルズーム処理、画像の色合いや輝度の調整等の画像処理を行う。
【0036】
第1制御部150の第1プロセッサー150Aは、第1制御プログラムPG1を実行することによって、例えば、以下の処理を実行する。
第1プロセッサー150Aは、第1通信インターフェース141に、制御装置200からの投射画像PBを受信させる。そして、第1プロセッサー150Aは、光変調装置駆動部122を介して、投射画像PBを液晶パネル115に表示させる。更に、第1プロセッサー150Aは、駆動部120を介して、投射部110に、投射画像PBを示す画像光PLを壁面WLへ投射させる。
このようにして、プロジェクター100は、投射画像PBを壁面WLに表示する。
【0037】
[3.制御装置の構成]
次に、図4を参照して、制御装置200の構成について説明する。図4は、本実施形態に係る制御装置200の構成の一例を示す図である。
制御装置200は、例えば、パーソナルコンピューターで構成される。図4に示すように、制御装置200は、第2制御部210、操作機構220、表示機構230、及び第2通信インターフェース240を備える。
【0038】
第2制御部210は、第2プロセッサー210A及び第2メモリー210Bを備える。
第2メモリー210Bは、第2プロセッサー210Aが実行するプログラムやデータを不揮発的に記憶する記憶装置である。第2メモリー210Bは、磁気的記憶装置、フラッシュROM等の半導体記憶素子、或いはその他の種類の不揮発性記憶装置により構成される。また、第2メモリー210Bは、第2プロセッサー210Aのワークエリアを構成するRAMを含んでもよい。また、第2メモリー210Bは、HDD、SSD等の不揮発性の記憶装置を含んでもよい。
第2メモリー210Bは、第2制御部210により処理されるデータや、第2プロセッサー210Aが実行する第2制御プログラムPG2を記憶する。
【0039】
第2プロセッサー210Aは、単一のプロセッサーで構成されてもよいし、複数のプロセッサーが第2プロセッサー210Aとして機能する構成であってもよい。第2プロセッサー210Aは、第2制御プログラムPG2を実行して制御装置200の各部を制御する。
【0040】
操作機構220は、ユーザーからの操作を受け付けて、操作に対応する操作信号を生成し、操作信号を第2制御部210に伝送する。操作機構220は、例えば、キーボード、マウス等で構成される。
表示機構230は、LCD(Liquid Crystal Display)等を備え、第2制御部210からの指示に従って、種々の画像をLCDに表示する。
第2通信インターフェース240は、コネクター及びインターフェース回路を備え、プロジェクター100と通信可能に接続される。本実施形態では、第2通信インターフェース240は、例えば、Ethernet(登録商標)規格に則って、プロジェクター100と通信するためのインターフェースである。第2通信インターフェース240は、第2制御部210からの指示に従って、プロジェクター100へ投射画像PBを送信する。
【0041】
図4に示すように、第2制御部210は、指示受付部211と、第1投射部212と、第1決定部213と、第2決定部214と、生成部215と、第2投射部216と、画像記憶部217と、を備える。
具体的には、第2制御部210の第2プロセッサー210Aが、第2メモリー210Bに記憶された第2制御プログラムPG2を実行することによって、指示受付部211、第1投射部212、第1決定部213、第2決定部214、生成部215、及び第2投射部216、として機能する。また、第2制御部210の第2プロセッサー210Aが、第2メモリー210Bに記憶された第2制御プログラムPG2を実行することによって、第2メモリー210Bを、画像記憶部217として機能させる。
第2制御プログラムPG2は、「プログラム」の一例に対応する。
第2プロセッサー210Aは、「コンピューター」の一例に対応する。
【0042】
画像記憶部217は、第1画像P1、及びパターン画像PPを予め記憶する。また、画像記憶部217は、プロジェクター100に配置されたカメラ160が生成した撮像画像PMを記憶する。また、画像記憶部217は、生成部215が生成した第2画像P2を記憶する。
【0043】
指示受付部211は、ユーザーからの操作機構220に対する操作に基づき、ユーザーからの指示を受け付ける。指示受付部211は、例えば、第1投射画像PB1の合焦位置を指示する操作を受け付ける。
第1投射画像PB1は、投射画像PBの一例に対応する。
【0044】
第1投射部212は、第1画像P1を第1投射画像PB1として投射面SCに投射する。
具体的には、第1投射部212は、第1画像P1を画像記憶部217から読み出し、第1画像P1を第1投射画像PB1としてプロジェクター100へ送信する。そして、第1投射部212は、プロジェクター100に、第1画像P1を第1投射画像PB1として投射面SCに投射させる。第1投射画像PB1は、投射画像PBの一例に対応する。
第1画像P1については、図5を参照して更に説明する。
【0045】
第1決定部213は、投射面SCにおける第1投射画像PB1の合焦位置を示す第1合焦点PF1を決定する。第1決定部213は、例えば、第1方法、第2方法、及び第3方法のいずれかの方法で、第1合焦点PF1を決定する。第1方法、第2方法、及び第3方法の各々については、以下に説明する。
【0046】
まず、第1方法について説明する。
第1決定部213は、第1投射画像PB1の合焦位置を指示する操作を、ユーザーから受け付け、上記操作で指示された位置を、第1合焦点PF11として決定する。
第1投射画像PB1の合焦位置を指示する操作は、例えば、投射面SCに投射された第1投射画像PB1に対して、合焦位置を手の人差し指等で指し示す。第1決定部213は、第1投射画像PB1と、ユーザーの手の人差し指とを含む撮像画像PMをプロジェクター100に配置されたカメラ160に撮像させる。そして、第1決定部213は、撮像画像PMをプロジェクター100から取得し、撮像画像PMに含まれるユーザーの人差し指の画像の位置に基づき、第1合焦点PF11を決定する。
第1合焦点PF11は、第1合焦点PF1の一例に対応する。
なお、第1投射画像PB1の合焦位置を指示する操作は、例えば、第1投射画像PB1を表示機構230に表示させ、LCDに表示された第1投射画像PB1に対して、第1投射画像PB1の合焦位置を、操作機構220を介して、ユーザーが入力する操作でもよい。
第1方法については、図6を参照して更に説明する。
【0047】
次に、第2方法について説明する。
第1決定部213は、例えば、プロジェクター100と投射面SCとの距離LSと、プロジェクター100の投射軸PLAと投射面SCとのなす角度θと、プロジェクター100の有する投射レンズ113Aの焦点距離FDとを取得する。そして、第1決定部213は、距離LSと角度θと焦点距離FDに基づき、第1合焦点PF12を決定する。
第2方法については、図7を参照して更に説明する。
【0048】
次に、第3方法について説明する。
第1決定部213は、投射面SCにパターン画像PPを投射画像PBとして投射する。そして、第1決定部213は、投射面SCにおける投射画像PBを撮像して撮像画像PMを生成する。具体的には、第1決定部213は、プロジェクター100のカメラ160に投射面SCにおける投射画像PBを撮像させて、撮像画像PMを生成させる。そして、第1決定部213は、カメラ160から撮像画像PMを取得する。次に、第1決定部213は、撮像画像PMにおける合焦位置を示す第3合焦点PF3を決定する。そして、第1決定部213は、第3合焦点PF3に対応する第1投射画像PB1の位置を、第1合焦点PF1として決定する。
パターン画像PPは、例えば、格子線が画像領域の全体に形成された画像である。また、パターン画像PPは、例えば、市松模様が画像領域の全体に形成された画像である。パターン画像PPを投射画像PBとして投射することによって、第3合焦点PF3を適正に決定できる。
第3方法については、図6を参照して更に説明する。
なお、本実施形態では、投射部110が、パターン画像PPに換えて第1画像P1を壁面WLに第1投射画像PB1として投射したときに、カメラ160は、第1投射画像PB1を撮像し、撮像画像PMを生成する場合について説明する。第1決定部213は、撮像画像PMにおける合焦位置を示す第3合焦点PF3を決定する。第1決定部213は、第3合焦点PF3に対応する第1投射画像PB1の位置を、第1合焦点PF1として決定する。
【0049】
第2決定部214は、第1画像P1において、第1合焦点PF1に対応する第2合焦点PF2を決定する。
第2決定部214は、例えば、第1投射画像PB1における第1合焦点PF1の座標を算出する。例えば、第1投射画像PB1の上下方向にS座標を設定し、第1投射画像PB1の左右方向にT座標を設定する。そして、第2決定部214は、例えば、第1投射画像PB1における第1合焦点PF1の座標(S1,T1)を算出する。また、第2決定部214は、例えば、第1画像P1の上下方向にU座標を設定し、第1画像P1の左右方向にV座標を設定する。そして、第1合焦点PF1の座標(S1,T1)に対応する座標(U1,V1)を算出し、算出した座標(U1,V1)に対応する第1画像P1の位置を第2合焦点PF2として決定する。
第2合焦点PF2については、図8を参照して更に説明する。
【0050】
生成部215は、第1画像P1において第2合焦点PF2を含む範囲にボカシ処理を施して第2画像P2を生成する。
生成部215は、例えば、第1画像P1において第2合焦点PF2に対して、最も強い第1レベルのボカシ処理を施す。また、第1画像P1は、第2合焦点PF2との距離が第1距離L1である第1基準点PS1と、第2合焦点PF2との距離が第1距離L1よりも長い第2距離L2である第2基準点PS2とを含む。生成部215は、例えば、第2基準点PS2に対する第3レベルのボカシ処理よりも強い第2レベルのボカシ処理を、第1基準点PS1に対して施す。
ボカシ処理は、例えば、平均化処理である。換言すれば、ボカシ処理は、対象の画像領域に平均化フィルターを施すことによって実行される。また、例えば、ボカシ処理に用いる平均化フィルターのサイズを大きくすることで、より強いボカシ処理を施すことができる。換言すれば、強いボカシ処理とは、フィルターサイズを大きくして平均化処理を実行することである。
第1レベルのボカシ処理は、「第1のボカシ処理」の一例に対応する。第2レベルのボカシ処理は、「第2のボカシ処理」の一例に対応する。第3レベルのボカシ処理は、「第3のボカシ処理」の一例に対応する。
第1基準点PS1、及び第2基準点PS2については、図8を参照して更に説明する。
第2画像P2については、図9を参照して更に説明する。
【0051】
第2投射部216は、第2画像P2を第2投射画像PB2として投射面SCに投射する。
具体的には、第2投射部216は、例えば、生成部215が生成した第2画像P2を取得し、第2画像P2を第2投射画像PB2としてプロジェクター100へ送信する。そして、第2投射部216は、例えば、プロジェクター100に、第2画像P2を第2投射画像PB2として投射面SCに投射させる。第2投射画像PB2は、投射画像PBの一例に対応する。
第2投射画像PB2については、図10を参照して更に説明する。
【0052】
本実施形態では、制御装置200の第2制御部210が、指示受付部211と、第1投射部212と、第1決定部213と、第2決定部214と、生成部215と、第2投射部216と、画像記憶部217と、を備える場合について説明するが、これに限定されない。例えば、プロジェクター100、すなわち、プロジェクター100A、プロジェクター100B、及びプロジェクター100Cの各々の第1制御部150が、指示受付部211と、第1投射部212と、第1決定部213と、第2決定部214と、生成部215と、第2投射部216と、画像記憶部217と、を備えてもよい。この場合には、投射システム1は、制御装置200を備える必要がない。
【0053】
[4.第1画像、第1投射画像、及び撮像画像の具体例]
次に、図5を参照して、第1画像P1の一例について説明する。図5は、第1画像P1の一例を示す画像図である。
図5に示すように、第1画像P1は、例えば、クリスマスツリーの線図によるイラストである。第1画像P1は、例えば、鮮明な実線で構成される。
【0054】
次に、図6を参照して、第1投射画像PB1、及び撮像画像PMの一例について説明する。図6は、第1投射画像PB1、及び撮像画像PMの一例を示す画像図である。本実施形態では、便宜上、プロジェクター100のカメラ160が、第1投射画像PB1の全ての領域で合焦している場合について説明する。換言すれば、撮像画像PMが、第1投射画像PB1と同一の画像である場合について説明する。
【0055】
第1投射画像PB1及び撮像画像PMの各々は、合焦領域AF、第1非合焦領域AN1、及び第2非合焦領域AN2で構成される。合焦領域AF、第1非合焦領域AN1、及び第2非合焦領域AN2は、生成部215によって決定される。
合焦領域AFは、第1投射画像PB1及び撮像画像PMの各々の中央部に配置される。合焦領域AFでは、第1投射画像PB1及び撮像画像PMの各々は、合焦する。すなわち、合焦領域AFでは、第1投射画像PB1及び撮像画像PMの各々は、第1画像P1と同様に鮮明な実線で構成される。
第1非合焦領域AN1は、第1投射画像PB1及び撮像画像PMの各々において、合焦領域AFに隣接する上側、及び合焦領域AFに隣接する下側に配置される。第1非合焦領域AN1では、第1投射画像PB1及び撮像画像PMの各々は、合焦しない。すなわち、第1非合焦領域AN1では、第1投射画像PB1及び撮像画像PMの各々は、ぼやけた実線で構成される。図6及び図9では、「ぼやけた実線」を太い破線で示している。
第2非合焦領域AN2は、第1投射画像PB1及び撮像画像PMの各々において、合焦領域AFの上側に配置された第1非合焦領域AN1の上側、及び、合焦領域AFの下側に配置された第1非合焦領域AN1の下側に配置される。第2非合焦領域AN2では、第1投射画像PB1及び撮像画像PMの各々は、第1非合焦領域AN1と比較して、合焦しない程度が大きい。すなわち、第2非合焦領域AN2では、第1投射画像PB1及び撮像画像PMの各々は、第1非合焦領域AN1と比較して、よりぼやけた実線で構成される。図6及び図9では、「よりぼやけた実線」を細い破線で示している。
【0056】
第1合焦点PF11は、合焦領域AFに含まれる。第1合焦点PF11は、投射面SCにおける第1投射画像PB1の合焦位置を示す。第1合焦点PF11は、第1決定部213によって、図4を参照して説明した第1方法を用いて決定される。第1合焦点PF11は、第1合焦点PF1の一例に対応する。
【0057】
また、第3合焦点PF3は、合焦領域AFに含まれ、第1合焦点PF11と一致する。第3合焦点PF3は、撮像画像PMにおける合焦位置を示す。第3合焦点PF3は、第1決定部213によって、図4を参照して説明した第3方法を用いて決定される。第1決定部213は、第3合焦点PF3に対応する第1投射画像PB1の位置を、第1合焦点PF1として決定する。
【0058】
[5.第1合焦点の算出方法]
次に、図7を参照して、本実施形態における第1合焦点PF1の決定方法について説明する。本実施形態では、第1決定部213は、図4を参照して説明した第2方法を用いて、第1合焦点PF1を決定する。図7は、第1合焦点PF12の決定方法の一例を示す断面図である。第1合焦点PF12は、第1決定部213によって、図4を参照して説明した第2方法を用いて決定される。第1合焦点PF12は、第1合焦点PF1の一例に対応する。なお、図7に記載した事項のうち、図2を参照して説明した内容については、その説明を省略する。
【0059】
第1決定部213は、距離LSと角度θと焦点距離FDとに基づき、第1合焦点PF12を決定する。図7に示すように、距離LSは、プロジェクター100と投射面SCとの距離である。角度θは、プロジェクター100の投射軸PLAと投射面SCとのなす角度である。焦点距離FDは、プロジェクター100の有する投射レンズ113Aの焦点距離である。
第1合焦点PF12は、第1決定部213によって、円弧ARと壁面WLとの交点として求められる。円弧ARは、投射レンズ113Aの中心位置を中心として、半径が焦点距離FDの円の円弧である。
なお、図7に示す上端位置PBUは、第1投射画像PB1の上端の位置を示し、図7に示す下端位置PBDは、第1投射画像PB1の下端の位置を示す。第1投射画像PB1は、上端位置PBUから下端位置PBDまでの範囲に、壁面WL上に投射される。
【0060】
図7を参照して説明したように、第1決定部213は、距離LSと角度θと焦点距離FDに基づき、第1合焦点PF12を決定するため、第1合焦点PF12を容易に、且つ、正確に算出できる。
本実施形態では、第1決定部213が、距離LSと角度θと焦点距離FDとに基づき、第1合焦点PF12を決定する場合について説明するが、第1決定部213が、図6に示す合焦領域AFを算出してもよい。第1決定部213は、例えば、距離LS、角度θ、焦点距離FD、及び焦点深度に基づき、合焦領域AFを算出する。焦点深度とは、第1投射画像PB1が合焦する焦点距離FDの領域に対応する。
【0061】
[6.第2画像、及び第2投射画像の具体例]
次に、図8及び図9を参照して、第2画像P2の一例について説明する。図8は、第1画像P1における第2合焦点PF2、第1基準点PS1、及び第2基準点PS2の一例を示す画像図である。
図8に示すように、第2合焦点PF2、第1基準点PS1、及び第2基準点PS2は、第1画像P1上に配置される。第2合焦点PF2は、第2決定部214によって決定される。第2合焦点PF2は、第1画像P1において、第1合焦点PF1に対応する位置を示す。
【0062】
また、図8には、第1基準点PS1、及び第2基準点PS2の一例を示している。第1基準点PS1は、第1画像P1において、第2合焦点PF2との距離が第1距離L1である点である。第2基準点PS2は、第1画像P1において、第2合焦点PF2との距離が第1距離L1よりも長い第2距離L2である点である。
図8では、第1基準点PS1、及び第2基準点PS2が、第1画像P1において、第2合焦点PF2の上側に配置される場合について記載している。
【0063】
図9は、第2画像P2の一例を示す画像図である。第2画像P2は、生成部215が、第1画像P1において第2合焦点PF2を含む範囲にボカシ処理を施すことによって生成される。
図9に示すように、第2画像P2には、図6を参照して説明した合焦領域AF、第1非合焦領域AN1、及び第2非合焦領域AN2が設定される。第2合焦点PF2は、合焦領域AFに含まれる。第1基準点PS1は、第1非合焦領域AN1に含まれる。第2基準点PS2は、第2非合焦領域AN2に含まれる。
【0064】
生成部215は、例えば、第1投射画像PB1において画像が合焦する領域である合焦領域AFを、第1画像P1における合焦領域AFとして決定する。また、生成部215は、例えば、第1投射画像PB1において画像がぼやける領域である第1非合焦領域AN1を、第1画像P1における第1非合焦領域AN1として決定する。また、生成部215は、例えば、第1投射画像PB1において画像が第1非合焦領域AN1よりもぼやける領域である第2非合焦領域AN2を、第1画像P1における第2非合焦領域AN2として決定する。
【0065】
生成部215は、例えば、第1画像P1において合焦領域AFに最も強いボカシ処理(第1レベルのボカシ処理)を施す。また、生成部215は、例えば、第1画像P1において第1非合焦領域AN1に、合焦領域AFに施されるボカシ処理よりも弱いボカシ処理(第2レベルのボカシ処理)を施す。生成部215は、例えば、第1画像P1において第2非合焦領域AN2にはボカシ処理を施さない。
すなわち、本実施形態では、第3レベルのボカシ処理を施すことは、ボカシ処理を施さないことを意味する。
このようにして、図9に示す第2画像P2が生成される。
図9に示すように、第2画像P2は、第2非合焦領域AN2では、鮮明な実線で構成される。また、第2画像P2は、第1非合焦領域AN1では、ぼやけた実線で構成される。図9では、「ぼやけた実線」を太い破線で示している。また、第2画像P2は、合焦領域AFでは、第1非合焦領域AN1と比較して、よりぼやけた実線で構成される。図9では、「よりぼやけた実線」を細い破線で示している。
【0066】
本実施形態では、生成部215が、第2画像P2に5つの領域を設定し、ボカシ処理の強度を段階的に変化させる場合について説明したが、これに限定されない。生成部215が、第1画像P1において第2合焦点PF2を含む範囲にボカシ処理を施して第2画像P2を生成すればよい。
生成部215が、例えば、第1画像P1において合焦領域AFにボカシ処理を施し、第1画像P1において第1非合焦領域AN1、及び第2非合焦領域AN2ではボカシ処理を施さなくてもよい。また、生成部215が、例えば、第2画像P2に6つ以上の領域を設定し、ボカシ処理の強度を段階的に変化させてもよい。
また、生成部215が、例えば、ボカシ処理の強度を連続的に変化させてもよい。
【0067】
図10は、第2投射画像PB2の一例を示す画像図である。第2投射画像PB2は、第2投射部216が、プロジェクター100に、第2画像P2を壁面WLに投射させることによって壁面WLに表示される。
図10に示すように、第2投射画像PB2は、ぼやけた実線で表示される。図10では、「ぼやけた実線」を細い破線で示している。
【0068】
図10に示すように、第2投射画像PB2がぼやけた実線で表示されるため、フォーカスがあっている領域とフォーカスがあっていない領域との見え方の違いによる違和感が生じることを抑制できる。
【0069】
[7.制御部の処理]
次に、図11を参照して、第2制御部210の処理の一例について説明する。図11は、第2制御部210の処理の一例を示すフローチャートである。なお、図11では、第1決定部213が、図4及び図7を参照して説明した第2方法を用いて、第1合焦点PF1を決定する場合について説明する。
図11に示すように、ステップS101において、第1投射部212は、第1画像P1を第1投射画像PB1として投射面SCに投射する。
次に、ステップS103において、第1決定部213は、投射面SCにおける第1投射画像PB1の合焦位置を示す第1合焦点PF1を決定する。
次に、ステップS105において、第2決定部214は、第1画像P1において、第1合焦点PF1に対応する第2合焦点PF2を決定する。
【0070】
次に、ステップS107において、生成部215は、第1投射画像PB1において画像が合焦する領域である合焦領域AFを、第1画像P1における合焦領域AFとして決定する。
次に、ステップS109において、生成部215は、第1投射画像PB1において画像がぼやける領域である第1非合焦領域AN1を、第1画像P1における第1非合焦領域AN1として決定する。
次に、ステップS111において、生成部215は、第1投射画像PB1において画像が第1非合焦領域AN1よりもぼやける領域である第2非合焦領域AN2を、第1画像P1における第2非合焦領域AN2として決定する。
【0071】
次に、ステップS113において、生成部215は、第1画像P1において合焦領域AFに第1レベルのボカシ処理を施す。第1レベルのボカシ処理は、最も強いボカシ処理を示す。第1レベルのボカシ処理とは、例えば、平均化処理において、10×10の平均化フィルターを用いることである。
次に、ステップS115において、生成部215は、第1画像P1において第1非合焦領域AN1に第2レベルのボカシ処理を施す。第2レベルのボカシ処理は、合焦領域AFに施されるボカシ処理よりも弱いボカシ処理を示す。第2レベルのボカシ処理とは、例えば、平均化処理において、第1レベルのボカシ処理に用いた10×10の平均化フィルターよりも小さい5×5の平均化フィルターを用いて平均化処理を行うことである。なお、生成部215は、第1画像P1において第2非合焦領域AN2にはボカシ処理を施さない。ステップS113及びステップS115の処理によって、生成部215は、第2画像P2を生成する。
次に、ステップS117において、第2投射部216は、第2画像P2を第2投射画像PB2として投射面SCに投射する。その後、処理が終了される。
【0072】
ステップS101は、「第1画像を投射画像として投射面に投射すること」の一例に対応する。ステップS103は、「第1合焦点を決定すること」の一例に対応する。ステップS105は、「第2合焦点を決定すること」の一例に対応する。ステップS107~ステップS115は、「第2画像を生成すること」の一例に対応する。ステップS117は、「前記第2画像を前記投射画像として前記投射面に投射すること」の一例に対応する。
【0073】
[8.本実施形態及び作用効果]
以上、図1図7を参照して説明したように、本実施形態に係るプロジェクター100の制御方法は、第1画像P1を第1投射画像PB1として壁面WLに投射することと、壁面WLにおける第1投射画像PB1の合焦位置を示す第1合焦点PF1を決定することと、第1画像P1において、第1合焦点PF1に対応する第2合焦点PF2を決定することと、第1画像P1において第2合焦点PF2を含む範囲に第1レベルのボカシ処理を施して第2画像P2を生成することと、第2画像P2を第2投射画像PB2として壁面WLに投射することと、を含む。
この構成によれば、第1画像P1において第2合焦点PF2を含む範囲に第1レベルのボカシ処理を施して第2画像P2を生成することと、第2画像P2を第2投射画像PB2として壁面WLに投射する。
よって、ぼやけた第2投射画像PB2を壁面WLに投射できる。したがって、投射画像PBにおいてフォーカスがあっている領域とフォーカスがあっていない領域との見え方の違いによる違和感が生じることを抑制できる。
【0074】
また、本実施形態に係るプロジェクター100の制御方法において、第1合焦点PF1を決定することは、第1合焦点PF1を指示する操作を、ユーザーから受け付けること、を含む。
この構成によれば、操作で指示された位置を、第1合焦点PF1として決定する。
したがって、簡素な構成で、適正な第1合焦点PF1を決定できる。
【0075】
また、本実施形態に係るプロジェクター100の制御方法において、第1合焦点PF1を決定することは、プロジェクター100と壁面WLとの距離LSと、プロジェクター100の投射軸PLAと壁面WLとのなす角度θと、プロジェクター100の有する投射レンズ113Aの焦点距離FDとを取得することと、距離LSと角度θと焦点距離FDとに基づき、第1合焦点PF1を決定することと、を含む。
この構成によれば、距離LSと角度θと焦点距離FDとに基づき、第1合焦点PF1を決定する。
したがって、適正な第1合焦点PF1を決定できる。
【0076】
また、本実施形態に係るプロジェクター100の制御方法において、第1合焦点PF1を決定することは、壁面WLにパターン画像PPを投射画像PBとして投射することと、壁面WLにおける投射画像PBを撮像した撮像画像PMを生成することと、撮像画像PMにおける合焦位置を示す第3合焦点PF3を決定することと、第3合焦点PF3に対応する投射画像PBの位置を、第1合焦点PF1として決定することと、を含む。
この構成によれば、撮像画像PMにおける合焦位置を示す第3合焦点PF3を決定し、第3合焦点PF3に対応する投射画像PBの位置を、第1合焦点PF1として決定する。
したがって、適正な第1合焦点PF1を決定できる。
【0077】
また、本実施形態に係るプロジェクター100の制御方法において、第1画像P1は、第2合焦点PF2との距離が第1距離L1である第1基準点PS1を含み、第2画像P2を生成することは、第2合焦点PF2に対して施される第1レベルのボカシ処理よりも弱い第2レベルのボカシ処理を、第1基準点PS1に対して施すこと、を含む。
この構成によれば、第1画像P1は、第2合焦点PF2との距離が第1距離L1である第1基準点PS1を含み、第2画像P2を生成することは、第2合焦点PF2に対して施される第1レベルのボカシ処理よりも弱い第2レベルのボカシ処理を、第1基準点PS1に対して施す。
よって、第2合焦点PF2に対して施される第1レベルのボカシ処理よりも弱い第2レベルのボカシ処理を、第1基準点PS1に対して施すため、ぼやけた第2投射画像PB2を壁面WLに投射できる。したがって、投射画像PBにおいてフォーカスがあっている領域とフォーカスがあっていない領域との見え方の違いによる違和感が生じることを抑制できる。
【0078】
また、本実施形態に係るプロジェクター100の制御方法において、第1画像P1は、第2合焦点PF2との距離が第1距離L1よりも長い第2距離L2である第2基準点PS2を含み、第2画像P2を生成することは、第2レベルのボカシ処理よりも弱い第3レベルのボカシ処理を、第2基準点PS2対して施すこと、を含む。
この構成によれば、第2レベルのボカシ処理よりも弱い第3レベルのボカシ処理を、第2基準点PS2に対して施す。
よって、第2レベルのボカシ処理よりも弱い第3レベルのボカシ処理を、第2基準点PS2に対して施すため、ぼやけた第2投射画像PB2を壁面WLに投射できる。したがって、投射画像PBにおいてフォーカスがあっている領域とフォーカスがあっていない領域との見え方の違いによる違和感が生じることを抑制できる。
【0079】
また、本実施形態に係る制御装置200の第2制御プログラムPG2は、第1画像P1を第1投射画像PB1として壁面WLに投射することと、壁面WLにおける第1投射画像PB1の合焦位置を示す第1合焦点PF1を決定することと、第1画像P1において、第1合焦点PF1に対応する第2合焦点PF2を決定することと、第1画像P1において第2合焦点PF2を含む範囲にボカシ処理を施して第2画像P2を生成することと、第2画像P2を第2投射画像PB2として壁面WLに投射することと、を第2プロセッサー210Aに実行させる。
この構成によれば、本実施形態に係る制御装置200の第2制御プログラムPG2は、本実施形態に係るプロジェクター100の制御方法と同様の効果を奏する。
【0080】
本実施形態に係るプロジェクター100は、投射部110と、第1プロセッサー150Aと、を含み、第1プロセッサー150Aは、第1画像P1を第1投射画像PB1として壁面WLに投射部110を用いて投射することと、壁面WLにおける第1投射画像PB1の合焦位置を示す第1合焦点PF1を決定することと、第1画像P1において、第1合焦点PF1に対応する第2合焦点PF2を決定することと、第1画像P1において第2合焦点PF2を含む範囲にボカシ処理を施して第2画像P2を生成することと、第2画像P2を第2投射画像PB2として壁面WLに投射部110を用いて投射することと、を実行する。
【0081】
この構成によれば、本実施形態に係るプロジェクター100は、本実施形態に係るプロジェクター100の制御方法と同様の効果を奏する。
【0082】
[9.他の実施形態]
上述した本実施形態は、好適な実施の形態である。ただし、上述の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形実施が可能である。
【0083】
また、図3及び図4に示す各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、プロジェクター100の他の各部の具体的な細部構成についても、趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0084】
また、図11に示すフローチャートの処理単位は、第2制御部210の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。図11のフローチャートに示す処理単位の分割の仕方や名称によって制限されることはなく、処理内容に応じて、更に多くの処理単位に分割することもできるし、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。また、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【0085】
また、プロジェクター100の制御方法は、制御装置200が備える第2プロセッサー210Aに、プロジェクター100の制御方法に対応した第2制御プログラムPG2を実行させることで実現できる。また、この第2制御プログラムPG2は、コンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体に記録しておくことも可能である。記録媒体としては、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。
具体的には、フレキシブルディスク、HDD、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリー、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、記録媒体は、画像処理装置が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。
また、プロジェクター100の制御方法に対応した第2制御プログラムPG2をサーバー装置等に記憶させておき、サーバー装置から制御装置200に、第2制御プログラムPG2をダウンロードすることでプロジェクター100の制御方法を実現することもできる。
【0086】
また、プロジェクター100の制御方法は、プロジェクター100が備える第1プロセッサー150Aに、プロジェクター100の制御方法に対応した第1制御プログラムPG1を実行させることで実現できる。また、この第1制御プログラムPG1は、コンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体に記録しておくことも可能である。記録媒体としては、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。
具体的には、フレキシブルディスク、HDD、CD-ROM、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリー、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、記録媒体は、画像処理装置が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。
また、プロジェクター100の制御方法に対応した第1制御プログラムPG1をサーバー装置等に記憶させておき、サーバー装置からプロジェクター100に、第1制御プログラムPG1をダウンロードすることでプロジェクター100の制御方法を実現することもできる。
【0087】
[10.本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
(付記1)
第1画像を投射画像として投射面に投射することと、前記投射面における前記投射画像の合焦位置を示す第1合焦点を決定することと、前記第1画像において、前記第1合焦点に対応する第2合焦点を決定することと、前記第1画像において前記第2合焦点を含む範囲に第1のボカシ処理を施して第2画像を生成することと、前記第2画像を前記投射画像として前記投射面に投射することと、を含む、プロジェクターの制御方法。
【0088】
これにより、第1画像において第2合焦点を含む範囲に第1のボカシ処理を施して第2画像を生成し、前記第2画像を投射画像として投射面に投射する。よって、ぼやけた投射画像を投射面に投射できる。したがって、投射画像においてフォーカスがあっている領域とフォーカスがあっていない領域との見え方の違いによる違和感が生じることを抑制できる。
【0089】
(付記2)
前記第1合焦点を決定することは、前記第1合焦点を指示する操作を、ユーザーから受け付けること、を含む、付記1に記載のプロジェクターの制御方法。
【0090】
これにより、ユーザーからの操作で指示された位置を、第1合焦点として決定するため、簡素な構成で、適正な第1合焦点を決定できる。
【0091】
(付記3)
前記第1合焦点を決定することは、前記プロジェクターと前記投射面との距離と、前記プロジェクターの投射軸と前記投射面とのなす角度と、前記プロジェクターの有する投射レンズの焦点距離とを取得することと、前記距離と前記角度と前記焦点距離とに基づき、前記第1合焦点を決定することと、を含む、付記1に記載のプロジェクターの制御方法。
【0092】
これにより、前記距離と前記角度と前記焦点距離に基づき、第1合焦点を決定するため、適正な第1合焦点を決定できる。
【0093】
(付記4)
前記第1合焦点を決定することは、前記投射面にパターン画像を前記投射画像として投射することと、前記投射面における前記投射画像を撮像した撮像画像を生成することと、前記撮像画像における合焦位置を示す第3合焦点を決定することと、前記第3合焦点に対応する前記投射画像の位置を、前記第1合焦点として決定することと、を含む、付記1に記載のプロジェクターの制御方法。
【0094】
これにより、撮像画像における合焦位置を示す第3合焦点を決定し、前記第3合焦点に対応する前記投射画像の位置を、第1合焦点として決定するため、適正な第1合焦点を決定できる。
【0095】
(付記5)
前記第1画像は、前記第2合焦点との距離が第1距離である第1基準点を含み、前記第2画像を生成することは、前記第2合焦点に対して施される前記第1のボカシ処理よりも弱い第2のボカシ処理を、前記第1基準点に対して施すこと、を含む、付記1から付記4のいずれか1つに記載のプロジェクターの制御方法。
【0096】
これにより、第2合焦点PF2に対して施される第1のボカシ処理よりも弱い第2のボカシ処理を、第1基準点PS1に対して施すため、ぼやけた投射画像を投射面に投射できる。したがって、投射画像においてフォーカスがあっている領域とフォーカスがあっていない領域との見え方の違いによる違和感が生じることを抑制できる。
【0097】
(付記6)
前記第1画像は、前記第2合焦点との距離が前記第1距離よりも長い第2距離である第2基準点を含み、前記第2画像を生成することは、前記第2のボカシ処理よりも弱い第3のボカシ処理を、前記第2基準点に対して施すこと、を含む、付記1から付記5のいずれか1つに記載のプロジェクターの制御方法。
【0098】
これにより、第2のボカシ処理よりも弱い第3のボカシ処理を第2基準点に対して施すため、ぼやけた投射画像を投射面に投射できる。したがって、投射画像においてフォーカスがあっている領域とフォーカスがあっていない領域との見え方の違いによる違和感が生じることを抑制できる。
【0099】
(付記7)
第1画像を投射画像として投射面に投射することと、前記投射面における前記投射画像の合焦位置を示す第1合焦点を決定することと、前記第1画像において、前記第1合焦点に対応する第2合焦点を決定することと、前記第1画像において前記第2合焦点を含む範囲に第1のボカシ処理を施して第2画像を生成することと、前記第2画像を前記投射画像として前記投射面に投射することと、をコンピューターに実行させる、プログラム。
【0100】
これにより、付記7に記載のプログラムは、付記1に記載のプロジェクターの制御方法と同様の効果を奏する。
【0101】
(付記8)
光学装置と、プロセッサーと、を含み、前記プロセッサーは、第1画像を投射画像として投射面に前記光学装置を用いて投射することと、前記投射面における前記投射画像の合焦位置を示す第1合焦点を決定することと、前記第1画像において、前記第1合焦点に対応する第2合焦点を決定することと、前記第1画像において前記第2合焦点を含む範囲に第1のボカシ処理を施して第2画像を生成することと、前記第2画像を前記投射画像として前記投射面に前記光学装置を用いて投射することと、を実行する、プロジェクター。
【0102】
これにより、付記8に記載のプロジェクターは、付記1に記載のプロジェクターの制御方法と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0103】
1…表示システム、100、100A、100B、100C…プロジェクター、110…投射部、112…光変調装置、115…液晶パネル、150…第1制御部、150A…第1プロセッサー、150B…第1メモリー、200…制御装置、210A…第2プロセッサー(コンピューター)、210B…第2メモリー、211…指示受付部、212…第1投射部、213…第1決定部、214…第2決定部、215…生成部、216…第2投射部、217…画像記憶部、220…操作機構、230…表示機構、240…第2通信インターフェース、AL…通路、AF…合焦領域、AN1…第1非合焦領域、AN2…第2非合焦領域、FD…焦点距離、L1…第1距離、L2…第2距離、LS…距離、P1…第1画像、P2…第2画像、PB…投射画像、PB1…第1投射画像、PB2…第2投射画像、PF1、PF11、PF12…第1合焦点、PF2…第2合焦点、PF3…第3合焦点、PG1…第1制御プログラム、PG2…第2制御プログラム(プログラム)、PL…画像光、PLA…投射軸、PM…撮像画像、PP…パターン画像、PS1…第1基準点、PS2…第2基準点、WL…壁面、SC…投射面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
次に、ステップS113において、生成部215は、第1画像P1において合焦領域AFに第1レベルのボカシ処理を施す。第1レベルのボカシ処理は、最も強いボカシ処理を示す。第1レベルのボカシ処理とは、例えば、平均化処理において、10×10の平均化フィルターを用いることである。
次に、ステップS115において、生成部215は、第1画像P1において第1非合焦領域AN1に第2レベルのボカシ処理を施す。第2レベルのボカシ処理は、合焦領域AFに施されるボカシ処理よりも弱いボカシ処理を示す。第2レベルのボカシ処理とは、例えば、第1レベルのボカシ処理に用いた10×10の平均化フィルターよりも小さい5×5の平均化フィルターを用いて平均化処理を行うことである。なお、生成部215は、第1画像P1において第2非合焦領域AN2にはボカシ処理を施さない。ステップS113及びステップS115の処理によって、生成部215は、第2画像P2を生成する。
次に、ステップS117において、第2投射部216は、第2画像P2を第2投射画像PB2として投射面SCに投射する。その後、処理が終了される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
[8.本実施形態及び作用効果]
以上、図1図7を参照して説明したように、本実施形態に係るプロジェクター100の制御方法は、第1画像P1を第1投射画像PB1として壁面WLに投射することと、壁面WLにおける第1投射画像PB1の合焦位置を示す第1合焦点PF1を決定することと、第1画像P1において、第1合焦点PF1に対応する第2合焦点PF2を決定することと、第1画像P1において第2合焦点PF2を含む範囲に第1レベルのボカシ処理を施して第2画像P2を生成することと、第2画像P2を第2投射画像PB2として壁面WLに投射することと、を含む。
この構成によれば、第1画像P1において第2合焦点PF2を含む範囲に第1レベルのボカシ処理を施して第2画像P2を生成、第2画像P2を第2投射画像PB2として壁面WLに投射する。
よって、ぼやけた第2投射画像PB2を壁面WLに投射できる。したがって、投射画像PBにおいてフォーカスがあっている領域とフォーカスがあっていない領域との見え方の違いによる違和感が生じることを抑制できる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0096】
これにより、第2合焦点に対して施される第1のボカシ処理よりも弱い第2のボカシ処理を、第1基準点に対して施すため、ぼやけた投射画像を投射面に投射できる。したがって、投射画像においてフォーカスがあっている領域とフォーカスがあっていない領域との見え方の違いによる違和感が生じることを抑制できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正の内容】
図9