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特開2024-107195カスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成する方法、システム、及びコンピュータプログラム製品
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  • 特開-カスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成する方法、システム、及びコンピュータプログラム製品 図1
  • 特開-カスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成する方法、システム、及びコンピュータプログラム製品 図2
  • 特開-カスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成する方法、システム、及びコンピュータプログラム製品 図3
  • 特開-カスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成する方法、システム、及びコンピュータプログラム製品 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107195
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】カスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成する方法、システム、及びコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/10 20060101AFI20240801BHJP
   G02C 13/00 20060101ALN20240801BHJP
【FI】
G02C7/10
G02C13/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024092955
(22)【出願日】2024-06-07
(62)【分割の表示】P 2021544574の分割
【原出願日】2020-01-30
(31)【優先権主張番号】62/799,935
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】316008983
【氏名又は名称】トランジションズ オプティカル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Transitions Optical Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ショーン ディー. ウィーラン
(72)【発明者】
【氏名】パスカル タルデュー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジェイ. ボールディ
(57)【要約】
【課題】カスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成する方法、システム、及びコンピュータプログラム製品の提供。
【解決手段】ユーザのためのカスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成する方法は、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて、複数の性能属性を判断することと、ユーザデバイスから複数の性能属性のそれぞれに関連するフィードバックデータを受信することと、複数の性能属性及びフィードバックデータに基づいて、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて適合性スコアを生成することと、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについての適合性スコアに基づいて、複数のフォトクロミック光学物品のうちの少なくとも1つを含むユーザ固有の推薦を生成することと、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年2月1日に出願され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国仮出願第62/799,935号に対する優先権を主張する。
【0002】
本開示は、ユーザのためのカスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成するシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な市販のフォトクロミック光学物品に関連する性能属性は、製品毎に異なっている。あるフォトクロミック光学物品は、競合するフォトクロミック光学物品と比較して、ある特定の性能属性についてより良好な性能を示すことがあるが、その同じフォトクロミック光学物品が、他の性能属性に関しては、より劣った性能を示す場合がある。この事実は、競合するフォトクロミック光学物品を比較及び分析すること、並びにその特定のユーザにとっての最良のフォトクロミック光学物品に関してユーザのための推薦を生成することを困難にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ユーザのためのカスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成する方法であって、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて、少なくとも1つのプロセッサを用いて、複数の性能属性を判断することと、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ユーザデバイスから複数の性能属性のそれぞれに関連するフィードバックデータを受信することと、複数の性能属性及びフィードバックデータに基づいて、少なくとも1つのプロセッサを用いて、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて適合性スコアを生成することと、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについての適合性スコアに基づいて、少なくとも1つのプロセッサを用いて、複数のフォトクロミック光学物品のうちの少なくとも1つを含むユーザ固有の推薦を生成することと、を含む、方法が提供される。
【0005】
ユーザのためのカスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成するシステムであって、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて複数の性能属性を記憶するように構成されるデータベースと、少なくとも1つのプロセッサであって、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて複数の性能属性を判断し、ユーザデバイスから複数の性能属性のそれぞれに関連するフィードバックデータを受信し、複数の性能属性及びフィードバックデータに基づいて、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて適合性スコアを生成し、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについての適合性スコアに基づいて、複数のフォトクロミック光学物品のうちの少なくとも1つを含むユーザ固有の推薦を生成するようにプログラムされるか、又は構成される、少なくとも1つのプロセッサと、を含むシステムも提供される。
【0006】
ユーザのためのカスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成するコンピュータプログラム製品であって、コンピュータプログラム製品が、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、少なくとも1つのプロセッサに、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて複数の性能属性を判断させ、ユーザデバイスから複数の性能属性のそれぞれに関連するフィードバックデータを受信させ、複数の性能属性及びフィードバックデータに基づいて、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて適合性スコアを生成させ、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについての適合性スコアに基づいて、複数のフォトクロミック光学物品のうちの少なくとも1つを含むユーザ固有の推薦を生成させる、1つ又は複数の命令を含む少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体を含む、コンピュータプログラム製品も提供される。
【0007】
本発明は、以下の非限定的条項のうちの1つ又は複数によってさらに特徴付けられ得る。
【0008】
条項1:ユーザのためのカスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成する方法であって、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて、少なくとも1つのプロセッサを用いて、複数の性能属性を判断することと、少なくとも1つのプロセッサを用いて、ユーザデバイスから複数の性能属性のそれぞれに関連するフィードバックデータを受信することと、複数の性能属性及びフィードバックデータに基づいて、少なくとも1つのプロセッサを用いて、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて適合性スコアを生成することと、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについての適合性スコアに基づいて、少なくとも1つのプロセッサを用いて、複数のフォトクロミック光学物品のうちの少なくとも1つを含むユーザ固有の推薦を生成することと、を含む、方法。
【0009】
条項2:少なくとも1つのプロセッサを用いて、ユーザに関連する生活環境を判断することであって、適合性スコアが、ユーザに関連する生活環境に少なくとも一部基づく、判断することをさらに含む、条項1に記載の方法。
【0010】
条項3:少なくとも1つのプロセッサを用いて、ユーザの目に関連する光学的特徴を判断することであって、適合性スコアが、ユーザの目に関連する光学的特徴に少なくとも一部基づく、判断することをさらに含む、条項1又は2に記載の方法。
【0011】
条項4:複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれが、レンズ、ゴーグル、バイザー、及びフェイスシールドのうちの少なくとも1つを含む、条項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【0012】
条項5:複数の性能属性が、屋外の暗度、屋内の透明度、暗くなる速度、透明になる速度、屋内のブルーライト保護、屋外のブルーライト保護、紫外線保護、間接日光での反応性、時間に基づく性能、車内での活性化、及び色一貫性のうちの少なくとも1つを含む、条項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【0013】
条項6:ユーザに関連する生活環境が、屋外気温及び放射線への暴露のうちの少なくとも1つを含む、条項2~5のいずれか一項に記載の方法。
【0014】
条項7:ユーザの目に関連する光学的特徴が、ユーザのグレア感度のレベルを含む、条項3~6のいずれか一項に記載の方法。
【0015】
条項8:ユーザのためのカスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成するためのシステムであって、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて複数の性能属性を記憶するように構成されるデータベースと、少なくとも1つのプロセッサであって、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて複数の性能属性を判断し、ユーザデバイスから複数の性能属性のそれぞれに関連するフィードバックデータを受信し、複数の性能属性及びフィードバックデータに基づいて、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて適合性スコアを生成し、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについての適合性スコアに基づいて、複数のフォトクロミック光学物品のうちの少なくとも1つを含むユーザ固有の推薦を生成するようにプログラムされるか、又は構成される、少なくとも1つのプロセッサと、を含むシステム。
【0016】
条項9:少なくとも1つのプロセッサが、ユーザに関連する生活環境を判断するようにさらにプログラムされるか、又は構成され、適合性スコアが、ユーザに関連する生活環境に少なくとも一部基づく、条項8に記載のシステム。
【0017】
条項10:少なくとも1つのプロセッサが、ユーザの目に関連する光学的特徴を判断するようにさらにプログラムされるか、又は構成され、適合性スコアが、ユーザの目に関連する光学的特徴に少なくとも一部基づく、条項8又は9に記載のシステム。
【0018】
条項11:複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれが、レンズ、ゴーグル、バイザー、及びフェイスシールドのうちの少なくとも1つを含む、条項8~10のいずれか一項に記載のシステム。
【0019】
条項12:複数の性能属性が、屋外の暗度、屋内の透明度、暗くなる速度、透明になる速度、屋内のブルーライト保護、屋外のブルーライト保護、紫外線保護、間接日光での反応性、時間に基づく性能、車内での活性化、及び色一貫性のうちの少なくとも1つを含む、条項8~11のいずれか一項に記載のシステム。
【0020】
条項13:ユーザに関連する生活環境が、屋外気温及び放射線への暴露のうちの少なくとも1つを含む、条項9~12のいずれか一項に記載のシステム。
【0021】
条項14:ユーザの目に関連する光学的特徴が、ユーザのグレア感度のレベルを含む、条項10~13のいずれか一項に記載のシステム。
【0022】
条項15:ユーザのためのカスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成するコンピュータプログラム製品であって、コンピュータプログラム製品が、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、少なくとも1つのプロセッサに、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて複数の性能属性を判断させ、ユーザデバイスから複数の性能属性のそれぞれに関連するフィードバックデータを受信させ、複数の性能属性及びフィードバックデータに基づいて、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて適合性スコアを生成させ、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについての適合性スコアに基づいて、複数のフォトクロミック光学物品のうちの少なくとも1つを含むユーザ固有の推薦を生成させる、1つ又は複数の命令を含む少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体を含む、コンピュータプログラム製品。
【0023】
条項16:1つ又は複数の命令が、少なくとも1つのプロセッサに、さらに、ユーザに関連する生活環境を判断させ、適合性スコアが、ユーザに関連する生活環境に少なくとも一部基づく、条項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【0024】
条項17:1つ又は複数の命令が、少なくとも1つのプロセッサに、さらに、ユーザの目に関連する光学的特徴を判断させ、適合性スコアが、ユーザの目に関連する光学的特徴に少なくとも一部基づく、条項15又は16に記載のコンピュータプログラム製品。
【0025】
条項18:複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれが、レンズ、ゴーグル、バイザー、及びフェイスシールドのうちの少なくとも1つを含む、条項15~17のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品。
【0026】
条項19:複数の性能属性が、屋外の暗度、屋内の透明度、暗くなる速度、透明になる速度、屋内のブルーライト保護、屋外のブルーライト保護、紫外線保護、間接日光での反応性、時間に基づく性能、車内での活性化、及び色一貫性のうちの少なくとも1つを含む、条項15~18のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品。
【0027】
条項20:ユーザに関連する生活環境が、屋外気温及び放射線への暴露のうちの少なくとも1つを含む、条項16~19のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品。
【0028】
条項21:ユーザの目に関連する光学的特徴が、ユーザのグレア感度のレベルを含む、条項17~20のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品。
【0029】
本発明を特徴付ける特色は、特許請求の範囲における詳細で指摘され、それらは、本開示の一部に付加され、本開示の一部を形成する。これらの及び他の特色、動作の利点、及び使用によって得られる特定の目的は、非限定的な実施形態が例示され説明されている、以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
ユーザのためのカスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成する方法であって、
複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて、少なくとも1つのプロセッサを用いて、複数の性能属性を判断することと、
少なくとも1つのプロセッサを用いて、ユーザデバイスから前記複数の性能属性のそれぞれに関連するフィードバックデータを受信することと、
前記複数の性能属性及び前記フィードバックデータに基づいて、少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて適合性スコアを生成することと、
前記複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについての前記適合性スコアに基づいて、少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記複数のフォトクロミック光学物品のうちの少なくとも1つを含むユーザ固有の推薦を生成することと、
を含む、方法。
(項目2)
少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記ユーザに関連する生活環境を判断することであって、前記適合性スコアが、前記ユーザに関連する前記生活環境に少なくとも一部基づく、判断することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記ユーザの目に関連する光学的特徴を判断することであって、前記適合性スコアが、前記ユーザの前記目に関連する前記光学的特徴に少なくとも一部基づく、判断することをさらに含む、項目1又は2に記載の方法。
(項目4)
前記複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれが、レンズ、ゴーグル、バイザー、及びフェイスシールドのうちの少なくとも1つを含む、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記複数の性能属性が、屋外の暗度、屋内の透明度、暗くなる速度、透明になる速度、屋内のブルーライト保護、屋外のブルーライト保護、紫外線保護、間接日光での反応性、時間に基づく性能、車内での活性化、及び色一貫性のうちの少なくとも1つを含む、項目1~4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記ユーザに関連する前記生活環境が、屋外気温及び放射線への暴露のうちの少なくとも1つを含む、項目2~5のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記ユーザの前記目に関連する前記光学的特徴が、前記ユーザのグレア感度のレベルを含む、項目3~6のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
ユーザのためのカスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成するシステムであって、
複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて複数の性能属性を記憶するように構成されるデータベースと、
少なくとも1つのプロセッサであって、
複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて複数の性能属性を判断し、
ユーザデバイスから前記複数の性能属性のそれぞれに関連するフィードバックデータを受信し、
前記複数の性能属性及び前記フィードバックデータに基づいて、前記複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて適合性スコアを生成し、
前記複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについての前記適合性スコアに基づいて、前記複数のフォトクロミック光学物品のうちの少なくとも1つを含むユーザ固有の推薦を生成する
ようにプログラムされるか、又は構成される、少なくとも1つのプロセッサと、
を含む、システム。
(項目9)
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記ユーザに関連する生活環境を判断するようにさらにプログラムされるか、又は構成され、前記適合性スコアが、前記ユーザに関連する前記生活環境に少なくとも一部基づく、項目8に記載のシステム。
(項目10)
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記ユーザの目に関連する光学的特徴を判断するようにさらにプログラムされるか、又は構成され、前記適合性スコアが、前記ユーザの前記目に関連する前記光学的特徴に少なくとも一部基づく、項目8又は9に記載のシステム。
(項目11)
前記複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれが、レンズ、ゴーグル、バイザー、及びフェイスシールドのうちの少なくとも1つを含む、項目8~10のいずれか一項に記載のシステム。
(項目12)
前記複数の性能属性が、屋外の暗度、屋内の透明度、暗くなる速度、透明になる速度、屋内のブルーライト保護、屋外のブルーライト保護、紫外線保護、間接日光での反応性、時間に基づく性能、車内での活性化、及び色一貫性のうちの少なくとも1つを含む、項目8~11のいずれか一項に記載のシステム。
(項目13)
前記ユーザに関連する前記生活環境が、屋外気温及び放射線への暴露のうちの少なくとも1つを含む、項目9~12のいずれか一項に記載のシステム。
(項目14)
前記ユーザの前記目に関連する前記光学的特徴が、前記ユーザのグレア感度のレベルを含む、項目10~13のいずれか一項に記載のシステム。
(項目15)
ユーザのためのカスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成するコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品が、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、
複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて複数の性能属性を判断させ、
ユーザデバイスから前記複数の性能属性のそれぞれに関連するフィードバックデータを受信させ、
前記複数の性能属性及び前記フィードバックデータに基づいて、前記複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて適合性スコアを生成させ、
前記複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについての前記適合性スコアに基づいて、前記複数のフォトクロミック光学物品のうちの少なくとも1つを含むユーザ固有の推薦を生成させる、
1つ又は複数の命令を含む少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体を含む、コンピュータプログラム製品。
(項目16)
前記1つ又は複数の命令が、前記少なくとも1つのプロセッサに、
前記ユーザに関連する生活環境を判断させ、前記適合性スコアが、前記ユーザに関連する前記生活環境に少なくとも一部基づく、項目15に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目17)
前記1つ又は複数の命令が、前記少なくとも1つのプロセッサに、
前記ユーザの目に関連する光学的特徴を判断させ、前記適合性スコアが、前記ユーザの前記目に関連する前記光学的特徴に少なくとも一部基づく、項目15又は16に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目18)
前記複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれが、レンズ、ゴーグル、バイザー、及びフェイスシールドのうちの少なくとも1つを含む、項目15~17のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目19)
前記複数の性能属性が、屋外の暗度、屋内の透明度、暗くなる速度、透明になる速度、屋内のブルーライト保護、屋外のブルーライト保護、紫外線保護、間接日光での反応性、時間に基づく性能、車内での活性化、及び色一貫性のうちの少なくとも1つを含む、項目15~18のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目20)
前記ユーザに関連する前記生活環境が、屋外気温及び放射線への暴露のうちの少なくとも1つを含む、項目16~19のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目21)
前記ユーザの前記目に関連する前記光学的特徴が、前記ユーザのグレア感度のレベルを含む、項目17~20のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】ユーザのためのカスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成するシステムを示す。
図2】ユーザのためのカスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成するシステムを示す。
図3】3つの異なるレンズについて収集されたデータから生成されたモデルによって計算される10~20%の明所視透過率(白色領域)をもたらすための、平均方向360~430の放射照度(W/m)に対する屋外温度のプロットを示す。
図4】ユーザのためのカスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の詳細な説明のために、本発明は、明示的に逆の指定がある場合を除いて、様々な代替の変形態様及びステップシーケンスを仮定し得ると理解されたい。さらに、任意の動作の例以外に、又は特段の指示がある場合以外に、例えば、明細書及び特許請求に範囲において使用される成分の量を表現する全ての数が、「約」という用語によって全てのインスタンスにおいて修正されると理解されるべきである。したがって、逆の指示がない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲において明記される数値パラメータは、本発明によって得られる所望の特性に依存して変化し得る近似値である。最低でも、特許請求の範囲の均等物の原理の適用を限定しようとするのではなく、各数値パラメータは、報告された有効桁の数に照らして、且つ通常の丸め技術を適用することによって、少なくとも考慮されるべきである。
【0032】
本発明の広範な範囲を明記している数値範囲及びパラメータが近似値であるにもかかわらず、特定の例において明記された数値は、可能な限り精密に報告される。しかしながら、任意の数値は、それらのそれぞれの試験測定において発見される標準的なばらつきから必然的に生じる、ある誤差を本質的に含む。
【0033】
また、本明細書に列挙される任意の数値範囲は、その中に包含される全ての部分範囲を含むことを意図すると理解されるべきである。例えば、「1~10」の範囲は、列挙された最小値の1と列挙された最大値の10との間の(且つ含む)全ての部分範囲、即ち、1以上の最小値及び10以下の最大値を有する全ての部分範囲を含むことを意図するものとする。
【0034】
本明細書で用いられる、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、明示的且つ明解に1つの指示物に限定されない限り、複数の指示物を含む。
【0035】
本明細書で用いられる、「含む(includes)」という用語は、「含む(comprises)」と同義である。
【0036】
本明細書で用いられる、「のうちの少なくとも1つ」は、要素が結合的に列挙されているか、又は選言的に列挙されているかにかかわらず、「のうちの1つ又は複数」と同義である。例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」などの語句は、それぞれ、A、B、若しくはCのうちのいずれか1つ、又はA、B、若しくはCのうちのいずれか2つ以上の任意の組み合わせを意味する。例えば、Aのみ、又はBのみ、又はCのみ、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA、B、及びCの全てである。
【0037】
本明細書で用いられる、「フォトクロミック」という用語及び「フォトクロミック化合物」などの類似の用語は、少なくとも化学線の吸収に応答して変化する少なくとも可視光線のための吸収スペクトルを有することを意味する。さらに、本明細書で用いられる、「フォトクロミック材料」という用語は、フォトクロミック特性を表示するように適合される(少なくとも化学線の吸収に応答して変化する少なくとも可視光線のための吸収スペクトルを有するように適合されるなど)、且つ少なくとも1つのフォトクロミック化合物を含む、任意の物質を意味する。
【0038】
本明細書で用いられる、「化学線」という用語は、本明細書でさらに詳細に説明されるように、フォトクロミック材料を1つの形態又は状態から別の形態又は状態へ変形することなどであるがこれに限定されない、材料において反応を生じることが可能である電磁放射線を意味する。
【0039】
本明細書で用いられる、特段述べられない又は特段限定されない限り、「フォトクロミック材料」という用語は、熱可逆性フォトクロミック材料及び化合物、並びに非熱可逆性フォトクロミック材料及び化合物を含む。本明細書で用いられる、「熱可逆性フォトクロミック化合物/材料」という用語は、化学線に応答して第1の状態、例えば「透明状態」から第2の状態、例えば「着色状態」に転換すること、及び熱エネルギーに応答して第1の状態に復帰することが可能な化合物/材料を意味する。本明細書で用いられる、「非熱可逆性フォトクロミック化合物/材料」という用語は、化学線に応答して第1の状態、例えば「透明状態」から第2の状態、例えば「着色状態」に転換すること、及び着色状態の吸収と実質的に同一の波長の化学線に応答して第1の状態に復帰すること(例えば、そのような化学線への暴露を中止すること)が可能な化合物/材料を意味する。
【0040】
本明細書で用いられる、「状態」という用語を修正するために、「第1の」及び「第2の」という用語は、任意の特定の順序又は時系列を指すことを意図するものではなく、2つの異なる状態又は特性を指すことを意図するものである。非限定的な例示のために、フォトクロミック化合物の第1の状態及び第2の状態は、可視光線及び/又はUV照射の吸収などであるがこれらに限定されない、少なくとも1つの光学特性に関して異なり得る。したがって、本開示のフォトクロミック化合物は、第1の状態及び第2の状態のそれぞれにおいて異なる吸収スペクトルを有し得る。例えば、本明細書で限定されないが、本開示のフォトクロミック化合物は、第1の状態において透明であり、第2の状態において着色されてもよい。代替的には、本開示のフォトクロミック化合物は、第1の状態において第1の色を有し、第2の状態において第2の色を有してもよい。
【0041】
本明細書で用いられる、「光学」という用語は、光及び/又は視覚に関する、又は関連付けられることを意味する。例えば、光学物品又は要素又はデバイスは、眼科用物品、要素、及びデバイス、ディスプレイ物品、要素、及びデバイス、窓、鏡、又は能動的及び受動的液晶セル物品、要素、及びデバイスから選択され得る。
【0042】
本明細書で用いられる、「眼科用」という用語は、目及び視覚に関する、又は関連付けられることを意味する。眼科用物品又は要素の非限定的な例は、シングルビジョン、又はセグメント化若しくは非セグメント化マルチビジョンレンズ(バイフォーカルレンズ、トライフォーカルレンズ、及びプログレッシブレンズなどであるが、これらに限定されない)であり得るマルチビジョンレンズを含む矯正レンズ及び非矯正レンズ、並びに、コンタクトレンズ、眼内レンズ、拡大レンズ、及び保護レンズを限定ではなく含む、視覚を矯正、保護、若しくは強化する(美容的又はそれ以外の)ために使用される他の要素、ゴーグル、バイザー、又はフェイスシールドを含む。
【0043】
本明細書で用いられる、「ディスプレイ」という用語は、単語、数字、記号、デザイン又は図における、情報の可視表現又は機械読取可能表現を意味する。ディスプレイ要素の非限定的な例は、スクリーン、モニタ、及びセキュリティマークなどのセキュリティ要素を含む。
【0044】
本明細書で用いられる、「窓」という用語は、放射線の透過を可能にするように適合される開口を意味する。窓の非限定的な例は、自動車及び航空機のトランスペアレンシー、ウィンドシールド、フィルタ、シャッタ、及び光学スイッチを含む。
【0045】
本明細書で用いられる、「鏡」という用語は、入射光の大部分を鏡面反射する面を意味する。
【0046】
本明細書で用いられる、「液晶セル」という用語は、整列されることが可能な液晶材料を含む構造を指す。液晶セル要素の非限定的な例は、液晶ディスプレイである。
【0047】
本明細書で用いられる、「通信」及び「通信する」という用語は、情報(例えば、データ、信号、メッセージ、命令、コマンドなど)の受信、受領、送信、転送、提供などを指してもよい。別のユニットと通信する1つのユニット(例えば、デバイス、システム、デバイス又はシステムのコンポーネント、それらの組み合わせなど)は、1つのユニットが、直接的に又は間接的に、他のユニットから情報を受信すること、及び/又は他のユニットに情報を送信することが可能であることを意味する。これは、本来有線及び/又は無線である直接接続又は間接接続(例えば、直接通信接続、間接通信接続など)を指してもよい。追加的に、送信される情報が、第1のユニットと第2のユニットとの間で修正され、処理され、中継され、及び/又はルーティングされ得るとしても、2つのユニットは、互いに通信関係にあってもよい。例えば、第1のユニットが受動的に情報を受信し、能動的に第2のユニットに情報を送信しないとしても、第1のユニットは、第2のユニットと通信関係にあってもよい。別の例として、少なくとも1つの仲介ユニット(例えば、第1のユニットと第2のユニットとの間に位置する第3のユニット)が、第1のユニットから受信される情報を処理し、処理済みの情報を第2のユニットに通信する場合に、第1のユニットは、第2のユニットと通信関係にあってもよい。いくつかの非限定的な実施形態又は態様において、メッセージは、データを含むネットワークパケット(例えば、データパケットなど)を指してもよい。多数の他の構成が可能であると理解されたい。
【0048】
本明細書で用いられる、「コンピューティングデバイス」という用語は、データを処理することが可能な1つ又は複数の電子デバイスを指してもよい。コンピューティングデバイスは、モバイルデバイスであってもよい。例として、モバイルデバイスは、携帯電話(例えば、スマートフォン、若しくは標準携帯電話)、ポータブルコンピュータ、ウェアラブルデバイス(例えば、腕時計、眼鏡、レンズ、衣類など)、携帯情報端末(PDA)、及び/又は他の類似デバイスを含み得る。コンピューティングデバイスは、デスクトップコンピュータ、キオスク、又は他の非モバイルコンピュータであってもよい。さらに、「コンピュータ」又は「コンピューティングデバイス」という用語は、データを受信し、処理し、出力するための必須コンポーネントを含み、通常、ディスプレイ、プロセッサ、メモリ、入力デバイス、及びネットワークインタフェースを含む、任意のデバイスを指してもよい。
【0049】
本開示は、ユーザのためのカスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成する方法、システム、及びコンピュータプログラム製品を目的とする。フォトクロミック光学物品の非限定的な例は、フォトクロミック特性を示すレンズ(例えば、矯正レンズ、非矯正レンズ、コンタクトレンズ、眼内レンズ、拡大レンズ、若しくは保護レンズ)、ゴーグル、バイザー、又はフェイスシールドを含む。フォトクロミック光学物品の他の例は、フォトクロミック特性を示す、自動車のトランスペアレンシー、窓、ディスプレイ要素及びデバイス、ウェアラブルディスプレイ、鏡、並びに能動的及び受動的液晶セル要素及びデバイスを含む。フォトクロミック光学物品は、反射防止コーティング及び/又はハードマルチコーティング(HMC)などの追加属性の有無にかかわらず、フォトクロミック特性を有する有機熱硬化性樹脂、熱可塑物、又はミネラルガラスを含む、任意の当該技術分野において認識されている光学基板を含み得る。フォトクロミックダイは、コーティング、オーバーモールディング、ラミネーション、吸水、塊状重合、又は印刷を含むがこれらに限定されない、任意の手段によって組み込まれ得る。
【0050】
本開示は、ユーザのための少なくとも1つのフォトクロミック光学物品のユーザ固有の推薦を生成するように構成される推薦システムを含み得る。ユーザ固有の推薦は、ユーザからのフィードバックデータ及びフォトクロミック光学物品に関連する性能属性に基づき得る。推薦システムは、各フォトクロミック光学物品とフィードバックデータ(及び/又は後述する他のデータ)からのユーザプリファレンスとの適合性を定量化する適合性スコアを生成し得る。適合性スコアは、最も適合性の高いフォトクロミック光学物品をより正しく判断するために、ユーザの生活環境を考慮し得る。適合性スコアは、最も適合性の高いフォトクロミック光学物品をより正しく判断するために、測定された光学的特徴などの、ユーザの目に関連する光学的特徴を考慮し得る。このようにして、本開示のシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品は、ユーザのために、どのフォトクロミック光学物品がその個々のユーザに最も適当であるかを判断する。
【0051】
図1及び図2を参照すると、ユーザのためのカスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成するためのシステム10、11が示されている。フォトクロミック光学物品は、眼科用物品、要素、及びデバイス、ディスプレイ物品、要素、及びデバイス、窓、鏡、又は能動的及び受動的液晶セル物品、要素、及びデバイスから選択され得る、光学物品又は要素又はデバイスを含み得る。いくつかの非限定的な例において、フォトクロミック光学物品は、レンズである。システム10、11は、コンピューティングデバイス14及び/又は属性データベース16と通信する推薦システム12を含み得る。
【0052】
続けて図1及び図2を参照すると、コンピューティングデバイス14は、ディスプレイ、及びユーザ(例えば、フォトクロミック光学物品の消費者)がデータをコンピューティングデバイス14に入力することを可能にする入力デバイス(例えば、キーボード、タッチスクリーンなど)を含み得る。そのデータは、推薦システム12に通信され得る。コンピューティングデバイス14は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、他のモバイル又は非モバイルコンピュータなどの、ユーザ所有のコンピューティングデバイス14であってもよい。コンピューティングデバイス14は、小売店舗、視力測定医の事務所など、フォトクロミック光学物品に関連する小売業者などの小売業者の店舗における、店内キオスク又は他のコンピューティングデバイス14であってもよい。
【0053】
コンピューティングデバイス14に入力され、推薦システム12に通信されるデータは、位置データを含み得る。位置データは、ユーザが住んでいる、又は十分な時間を過ごす場所(休暇、第2の住居、ワークトラベルなど)などの、ユーザに関連する地理的位置を含み得る。ユーザ位置データは、ユーザが場所の名前、場所に関連する座標を入力すること、コンピューティングデバイスによって表示される地図上の位置を識別すること、又は他の十分な手段によって、コンピューティングデバイス14に入力され得る。ユーザ位置データは、GPSデータ又はコンピューティングデバイス14によって収集される他の位置データに基づいて、コンピューティングデバイス14によって生成され得る。複数の場所が、位置データとして入力されてもよい。ユーザ位置データは、ユーザに関連する場所について質問するアンケートデータに応じて、コンピューティングデバイス14に入力され得る。
【0054】
続けて図1及び図2を参照すると、位置データは、ユーザに関連する生活環境を判断するために推薦システム12によって用いられてもよい。生活環境は、ユーザに関連する場所においてユーザによって経験されることが予期される、屋外気温、放射線への暴露、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得る。放射線は、UVA、UVB、ブルーライト、可視光、赤外線、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得る。ユーザ位置の生活環境は、試験を通して判断されてもよく、及び/又は既知の場所についての統計値に基づいてもよい。Cesora、Solargis、又はNational Renewable Energy Laboratory(NLRE)などのデータベース及びモデリングソフトウェアが、この目的のために使用されてもよい。したがって、一日の、一週間の、一か月の、季節毎の、又は一年毎のUVA、UVB、ブルーライト、可視光、赤外線、温度などに対するユーザの暴露が判断され得る。一年のうちのこれらの要因の平均、及び/又は一年の一部にわたる平均が考慮されてもよい。例えば、ある場所についての一年のうち12か月の平均最高屋外気温が用いられてもよい。一年のうち最も暑い又は最も寒い3、4、5、6、7、8、9、10、又は11か月など、一年のうちの一部の間の平均最高屋外気温も用いられてもよい。日中温度をより近く表すために、最高平均屋外気温が、一年又は一年の一部について用いられてもよい。日中温度は、化学線への暴露からフォトクロミック光学物品が暗くなるときの温度である。さらに、最も暑い8か月の最高屋外気温と一年の平均最高屋外気温との差は、内陸地域のより大きな気温変動の必要性から、より一貫性のある沿岸地域の必要性を分離するのに有用であり得る。推薦生成の間に考慮されるべき場所についての屋外気温平均の種類は、任意の数の他の要因に基づいて選択されてもよい。
【0055】
コンピューティングデバイス14に入力され、推薦システム12に通信されるデータは、ライフスタイルデータを含み得る。ライフスタイルデータは、ユーザのライフスタイルについて質問するアンケートデータに応じて入力され得る。ライフスタイルデータは、屋外又は屋内で過ごす時間、職業、ユーザの通常の活動/趣味、通常の旅行場所、又はフォトクロミック光学物品が使用され得る環境を示す他の情報などの要因を含んでもよい。
【0056】
コンピューティングデバイス14に入力され、推薦システム12に通信されるデータは、アンケートデータに応じたユーザのプリファレンスに関連するフィードバックデータを含み得る。コンピューティングデバイス14は、フォトクロミック光学物品に関連する性能属性に関連するアンケートデータを表示するように構成され得る。アンケートデータは、ユーザが性能属性のそれぞれに置く相対的重要度に関連する質問を含み得る。
【0057】
そのような性能属性の非限定的な例は、屋外の暗度、屋内の透明度、暗くなる速度、透明になる速度、屋内のブルーライト保護、屋外のブルーライト保護、紫外線保護、間接日光での反応性、時間に基づく性能、車内での活性化、及び色一貫性のうちの少なくとも1つを含む。以下の表1は、各性能属性及び各性能属性を判断することに関連する試験を記載している。
【0058】
【表1】
【0059】
表1に列挙された試験方法に関連する試験プロトコルが、以下に与えられている。
【0060】
屋内透明度試験:フォトクロミック光学物品は、365nm紫外線灯で5分間活性化した後に70℃まで加熱すること、及び黄色蛍光灯に25分間暴露した後、少なくとも1時間暗所で保管することによって、完全な非活性状態に達するように、各試験において事前調整された。退色後の明所視透過率%は、Hunter UltraScan Proを用いて読み取られた。本明細書で用いられる明所視透過率%は、良好な採光状態下での視覚に関連し、且つ1931CIE比視感度によって定義されるスペクトル加重透過率を指す。
【0061】
屋外暗度複合試験:フォトクロミック光学物品は、50:50ビームスプリッタ及びUVA/VISを提供するKG2フィルタを通した放射照度、並びに50kルクスVIS及び6.7W/mUVAを提供するために補助VISのみをもたらすKG2フィルタ及びGG400を有する第2のビームを用いて2つの150Wキセノンアークランプ光学ベンチにおいて15分間活性化された。ZeissM601分光光度計が、23℃及び35℃における15分間の活性化後の明所視透過率%を測定した。
【0062】
間接日光試験:フォトクロミック光学物品は、屋外暗度合成試験と比較して、6.6W/mのUVA及び30kルクスのVISを有する間接光の放射照度スペクトルプロファイルにより密接に合致する放射照度スペクトルプロファイルを提供するために、KG2フィルタの代わりにSchott320nmLPフィルタ、及びGG400フィルタの代わりにAshahi395nmLPを用いることを除いて類似の様式で活性化された。ZeissM601分光光度計が、30℃における15分間の活性化後の明所視透過率%を測定した。
【0063】
透明になる速度の複合試験:フォトクロミック光学物品は、23℃で屋外暗度試験において上述したように活性化され、次いで、活性シャッタが閉じられ、70%Tに達した明所視透過率が23℃で発生するときを判断するために透過率が経時的に収集された。70%Tが特定の時間に行われた測定において正確に記録されなかった場合、70%Tまでの時間を導出するために、隣接する2つのデータポイント間の線形補間が用いられた。上記の屋外暗度試験において説明した同一の放射照度を用いて、フォトクロミック光学物品が、10℃で15分間活性化され、フェードが30分間収集されて、明所視透過率%がこの時間に記録された。
【0064】
暗くなる速度試験:フォトクロミック光学物品は、23℃で屋外暗度試験において上述したように活性化され、18%Tが発生するときを判断するために経時的な明所視透過率%が記録された。活性化の間、18%Tが特定の時間に行われた測定において正確に記録されなかった場合、18%Tまでの時間を導出するために、隣接する2つのデータポイント間の線形補間が用いられた。この18%Tは、カテゴリ3のレンズの暗度を表す。
【0065】
屋内ブルーライト試験:上記の23℃試験に従って試験したときに、活性シャッタが開かれる前の第1のデータ測定から5nm刻みで増加させたスペクトルが、280~460nmからISO8980-3の表B-1における加重関数に従って加重され、この積分された和が報告された。
【0066】
屋外ブルーライト試験:上記の23℃試験に従って試験されたときに、活性ビームシャッタが閉じられる直前の15分におけるスペクトルから5nm刻みで増加させたスペクトルが、280~460nmからISO8980-3の表B-1における加重関数に従って加重され、この積分された和が報告された。
【0067】
UV遮断試験:上述した事前調整に続いて、上記で報告された光学物品、Cary4000分光計上で測定された5nm刻みで増加させたスペクトルが、UVBについては280~315nm、UVAについては315~380nmから、ISO8980-3の表B-1における加重関数に従って加重され、これらの積分された和が報告された。
【0068】
時間に基づく試験:フォトクロミック光学物品は、18W/mUVAにおいてKG2フィルタを有する単一の300Wキセノンランプ上で100°Fの水中で、屋内透明度試験に関連して上記で報告されたように事前調整された。明所視光学濃度(光吸収)の変化が報告された。フォトクロミック光学物品は、次いで、AtlasCi5000ウェザロメータにおいて65時間340nmで0.25W/mの一定の暴露に供された。レンズは、再度事前調整され、次いで、再度単一ランプベンチ上で測定され、%明所視光学濃度損失は、光学濃度の初期変化と暴露後のこの変化との差を光学濃度の初期変化によって割ったものであった。
【0069】
車内試験:フォトクロミック光学物品は、屋内透明度試験に関連して上記で報告されたように事前調整され、代わりにKG2フィルタ及びウィンドシールドフィルタを有するA-BMP上の1つの150Wランプ、並びに27℃の間1.7kルクス、380~420nmの間で積分された1.0W/mに調整された放射照度を用いて活性化された。ウィンドシールドガラスは、ラミネートとしてSolutiaのUV強化ポリビニルブチレートを有する2.3mmのソーラー緑色ガラスの2枚の板で構成されていた。15分間の活性化後の明所視透過率%が報告される。
【0070】
色一貫性試験:a*及びb*の色座標が、23℃での活性化及びフェードの間の時間増分中に記録され、それぞれの領域が画素化した。統合された領域と外部領域とを区別することが可能な波測定プログラムを用いて、統合された画素化が、合計の統合された領域と一貫した数を提供すると報告された(フェードの開始点及び30分における終了点が、直線で閉じられる)。
【0071】
アンケートデータに応じて、ユーザは、フィードバックデータをコンピューティングデバイス14に入力し得る。フィードバックデータは、様々な性能属性の相対的重要度に関するユーザプリファレンスを含み得る。コンピューティングデバイス14は、フィードバックデータを推薦システム12に通信し得る。
【0072】
様々な性能属性の相対的重要度を含むフィードバックデータが、推薦システム12からの特定のアンケートデータに応答することによって示され得る。相対的重要度は、最も重要から最も重要でない(若しくはその逆)まで性能属性を順序付けすること、及び/又は各性能属性に数字で表した重要度(例えば、スケール又は1~100の重要度)を割り当てることなどによって、性能属性のそれぞれを互いに比較してユーザがランク付けすることによって示され得る。相対的重要度は、ユーザにとってどの性能属性が重要であるか、及び/又はユーザにとってどの性能属性が重要でないかをユーザが示すことによって、示され得る。
【0073】
続けて図1及び図2を参照すると、コンピューティングデバイス14に入力され、推薦システム12に通信されるデータは、ユーザの目のデータを含み得る。ユーザの目のデータは、ユーザの目に関する光学的特徴に関連するデータを含み得る。光学的特徴は、ユーザの目の形状及び/若しくはサイズ、又はユーザの目若しくは視覚のグレア感度を含み得る。ユーザの目のデータは、ユーザの目について質問するアンケートデータに応じて、コンピューティングデバイス14に入力され得る。ユーザの目のデータは、ある種の放射線又はユーザが放射線に遭遇することを伴うある状況に対して、ユーザの目がどのくらい敏感であるかに関連する、目の感度データを含み得る。例えば、目の感度データは、明るい日光、夜間の運転、明るい室内光、コンピューティングデバイスのディスプレイからの光、室内光から屋外光又は明所から暗所環境(及びその逆)への遷移などに対して、ユーザの目がどのくらい敏感であるかに関するデータを含み得る。感度アンケートは、De Boer Scale(1967)を用いて、グレアに対するユーザの感度を「耐えられない」から「ちょうど知覚可能」まで判断することなどによって、グレア感度を判断するために用いられ得る。グレア感度は、明るい明所環境における機能的視力及び視力の回復を評価するための輝度視力テスタ(BAT:Brightness Acuity Tester)(Marco Ophthalmicから市販されている)などの眼科用デバイス機器、並びに/又はユーザの2つの目を同時に試験することによって目の光感度のレベルを客観的に定量化し、異なる光環境における光感度閾値を判断するLumiz(商標)100(Essilor Instruments)などのウェアラブルデバイスを用いて評価され得る。コンピューティングデバイス14に入力され、推薦システム12に通信されるデータは、ユーザ人口統計データを含み得る。ユーザ人口統計データは、ユーザの人口統計について質問するアンケートデータに応じて、コンピューティングデバイス14に入力され得る。ユーザ人口統計データは、年齢、性別、目の色などを含み得る。
【0074】
続けて図1及び図2を参照すると、コンピューティングデバイス14は、位置データ、ライフスタイルデータ、フィードバックデータ、ユーザの目のデータ、及び/又はユーザ人口統計データを推薦システム12に通信し得る。推薦システム12は、受信データに少なくとも一部応じて、且つ基づいて、後述のように、ユーザのためのカスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成し得る。
【0075】
続けて図1及び図2を参照すると、属性データベース16は、複数のフォトクロミック光学物品に関する性能属性に関連するデータを記憶し得る。性能属性に関連するデータは、フォトクロミック光学物品によって示される性能属性を定量化する、測定された、及び/又は計算されたデータを含み得る。性能属性に関連するデータは、様々な性能属性に対応して上述した実験室試験及び/又はフィールド試験によって判断され得る。属性データベース16は、フォトクロミック光学物品それぞれについて性能属性に関連するこのデータを記憶し得る。
【0076】
属性データベース16は、様々な性能属性の相対的重要度に関連する前述のアンケートデータに対する他のユーザの応答(例えば、フィードバックデータ)に関連する履歴フィードバックデータも含み得る。
【0077】
履歴フィードバックデータが、より多くのユーザ固有のデータが経時的に受信されるにつれて増加するように、ユーザのコンピューティングデバイス12から推薦システム12によって受信されたフィードバックデータは、さらなる履歴フィードバックデータとして属性データベース16に記憶されてもよい。これによって、推薦システム12は、より多くのフィードバックデータが累積されるにつれて、経時的にその推薦を調整することが可能となり得る。
【0078】
続けて図1及び図2を参照すると、推薦システム12は、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて複数の性能属性を判断し得る。複数の性能属性を判断することは、推薦システム12が、属性データベース16から性能属性に関連するデータを受信すること(例えば、受動的に受信すること又は能動的に取り出すこと)を含み得る。複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについての複数の性能属性を判断することは、また、推薦システム12が属性データベース16から受信したこのデータを解析すること及び/又は分析することを含み得る。
【0079】
性能属性を判断することに応答して、推薦システム12は、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについての適合性スコアを生成し得る。適合性スコアは、最初は、様々な性能属性の相対的重要度に関連する前述したアンケートデータに対する(他のユーザの)履歴フィードバックデータに少なくとも一部基づいて判断されてもよく、又は履歴フィードバックデータを考慮せずにユーザのフィードバックデータのみに基づいて判断されてもよい。履歴フィードバックデータは、履歴上のユーザがそれらの性能属性にどのくらい加重しているかに基づいて、様々な性能属性に関連する初期相対的加重値を生成するために用いられ得る。全ての履歴フィードバックデータ又は履歴フィードバックデータのセグメントのみが、初期加重値を生成するために用いられてもよい。履歴フィードバックデータのセグメントは、類似の位置データ、ライフスタイルデータ、フィードバックデータ、ユーザの目のデータ、及び/又はユーザ人口統計データを有するユーザなど、推薦が生成されている現在のユーザに類似のユーザに関連付けられてもよい。初期加重値は、フォトクロミック光学物品によって示される様々な性能属性の結果を用いたアルゴリズムに基づいて初期適合性スコアを生成するために用いられ得る。この初期適合性スコアは、(例えば、履歴フィードバックデータと比較して)性能属性に関する特定のユーザプリファレンスを考慮するために、ユーザ固有のフィードバックデータをアルゴリズムに含めることによってユーザ適合性スコアを生成するために用いられ得る。アルゴリズムの結果(例えば、適合性スコア)がフィードバックデータによって提供されるユーザのプリファレンスを反映するように、ユーザによって提供されるフィードバックデータは、相対的加重値を生成し、及び/又は様々な性能属性に関連する初期加重値を調整するために用いられ得る。
【0080】
図2を参照すると、適合性スコアは、推薦システム12によって受信される位置データに基づいてさらに修正され得る。位置データに基づいて、推薦システム12は、ユーザに関連する生活環境を判断し得る。判断されたユーザの生活環境に基づいて、推薦システム12は、特定の地理的領域及び/又は気候における複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれの性能に関連するデータを記憶する気候データベース30と通信し得る。
【0081】
特定の領域又は気候における複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれの性能は、異なる領域及び/又は気候にある実在の屋外環境条件において様々なフォトクロミック光学物品を試験することによって判断され得る。本明細書で用いられる、領域は、地理的位置を指す。地理的位置は、環境条件が判断される特殊性に依存して、任意のサイズのものであってもよい。例えば、領域は、近隣地と同じくらい小さくてもよく、又は、大陸と同じくらい大きくてもよい。領域は、村、都市、州、国、国のセット、大陸内の特定の地域、又は任意の他の地理的空間領域を指してもよい。領域は、また、近隣の国間、又は大陸間領域を指してもよく、それらは、類似の環境条件を共有する。領域は、また、同一のグローバル緯度又は経度を共有する地理的領域を指してもよい。領域は、また、同一の高度を共有する地理的領域を指してもよい。本明細書で用いられる、気候は、長期間にわたる領域における平均気象条件を指す。例えば、気候は、熱帯、乾燥、温暖、大陸、極地などに分類され得る。本明細書で用いられる、環境条件は、気候に関する条件を指す。環境条件の非限定的な例は、屋外気温、パーセント湿度、一日のうちの時間、アルベド、空の状態、全天放射照度、方向放射照度、気圧、降水量、風、若しくは任意の他の測定可能な気象変数、又はこれらの組み合わせを含む。
【0082】
領域の空の状態は、試験時の、晴れ、曇り、部分的な曇り、雨、雪、霧、暗い、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。屋外気温は、一年全体を通した、又は一年の一部を通した、平均屋外気温を含んでもよい。平均屋外気温は、その年の3~11の最も暖かい月、又は最も寒い月にわたる平均の屋外最高気温を含み得る。例えば、平均屋外気温は、4~10の最も暖かい月、又は最も寒い月にわたる平均の屋外最高気温を含み得る。例えば、平均屋外気温は、5~9の最も暖かい月、又は最も寒い月にわたる平均の屋外最高気温を含み得る。例えば、平均屋外気温は、6~8の最も暖かい月、又は最も寒い月にわたる平均の屋外最高気温を含み得る。全天放射照度は、分光放射計上に180°のほぼ全角度を測定するほぼ理想的なコサイン応答を有する6インチ(15.2センチメートル)の球体を置くことによって測定され得る。測定は、放射照度を測定するために地表から約3フィート(0.91メートル)の高さにおいて、空の方を向いている球体を用いて行われ得る。全天放射照度は、非排他的に、360~430nmの範囲内の全天放射照度を含み得る。方向放射照度は、分光放射計上に置かれた2インチ(5.1センチメートル)の積分球を用いて測定され得る。球体は、約±45°のポート法線を測定する。方向放射照度は、360~430nmの範囲内の方向放射照度を含み得る。
【0083】
領域についての環境条件及びその条件におけるフォトクロミック光学物品の性能を判断するためのフォトクロミック光学物品の試験中、これらの変数が、試験時において記録され得る。この記録されたデータは、試験されているフォトクロミック光学物品の特徴及び領域についての典型的な環境条件の両方を判断するために用いられ得る。
【0084】
様々なフォトクロミック光学物品の試験は、地球全体を通した任意の数の領域又は気候において実行されて、所望の度合いの特殊性で、異なる種類の環境での様々なフォトクロミック光学物品の挙動を判断し得る。フォトクロミック光学物品は、異なる緯度、経度、又は高度の任意の数の領域において試験されてもよい。フォトクロミック光学物品は、上記で列挙した任意の数の地理的領域において試験されてもよい。例えば、フォトクロミック光学物品は、フォトクロミック光学物品がユーザによって一般に使用され、且つ周囲の建物又は木からの放射照度の様々なレベルの反射を有する都市(又は他の領域)において試験されてもよい。
【0085】
図3A~3Cを参照すると、特定の領域又は気候におけるフォトクロミック光学物品の性能は、各レンズについての明所視透過率%の帯域を含む、屋外温度対各光学物品についての平均方向360~430の放射照度(W/m)のプロットを生成することによって判断され得る。明所視透過率%は、上述した試験に基づいて、フォトクロミック光学物品のそれぞれについて判断され得る。明所視透過率%は、予測モデルに基づいて判断されてもよい。したがって、各製品は、製品が観測条件に対して明る過ぎないこと、又は観察条件に対して暗過ぎないことを保証する性能の特定の最適範囲を有する。
【0086】
予測モデルは、少なくとも1つの方向に向いている光学物品の入射照度、少なくとも1つの方向に向いている光学物品の表面温度、少なくとも1つの方向に向いている光学物品のスペクトル、領域の全天放射照度、領域の環境条件、又はこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つに基づき得る。
【0087】
本明細書で用いられる、入射照度は、光学物品の方向に同一線上に向いている2インチ(5.1センチメートル)の積分球を用いて収集される放射照度を意味する。放射照度測定は、任意の十分な手段を用いて行われ得る。放射照度測定は、200~800nmからデータを記録するOL-756分光放射計などの分光放射計を用いて行われ得る。分光放射計は、活性化のためのUVA、UVB、UVC、可視、及び360~430nm範囲の放射線などの放射線についてのスペクトルデータを判断するために用いられ得る。領域の全天放射照度を判断するために、6インチ(15.2センチメートル)の全天収集球が、分光放射計上に置かれ得る。分光放射計が、適切な時間のウォームアップを可能にされ、製造業者の指示に従って十分に較正された後、全天放射照度測定が行われ、記録され得る。領域の複数の全天放射照度測定は、より短い、又はより長い、互いの間隔の間に行われ得る。試験されているフォトクロミック光学物品のそれぞれについての入射照度を判断するために、6インチ(15.2センチメートル)の収集球が、除去され、2インチ(5.1センチメートル)の収集球と交換され得る。各光学物品についての少なくとも1つの方向に対する入射照度が、次いで、分光放射計を用いて測定され得る。フォトクロミック光学物品の入射照度は、屋外条件からの化学線への暴露からフォトクロミック光学物品が完全に暗くなることを可能にされた後で、取られ得る。
【0088】
本明細書で用いられる表面温度は、温度測定を行うために少なくとも1つの方向に向いている各光学物品に近接して赤外線温度銃を保持することによって測定され得る。赤外線温度銃は、光学物品から1~12インチ(2.5~30.5センチメートル)、3~9インチ(7.6~22.9センチメートル)、又は4~6インチ(10.2~15.2センチメートル)など、数インチに保持されてもよく、温度が判断され記録される。
【0089】
本明細書で用いられるスペクトルは、分光計を用いて判断され得る。スペクトルは、可視波長範囲(380~800nm)において少なくとも1つの方向に向いているレンズを通して透過される光を指す。
【0090】
複数の入射照度、表面温度、及びスペクトルは、異なる方向に(例えば、太陽に向かって、太陽から離れて、など)向いている光学物品を用いて、各光学物品について判断され得る。
【0091】
予測モデルは、屋外温度及び360~430nm範囲の方向放射照度などの平均方向放射照度の入力に基づいて、予測される明所視透過率%を生成し得る(例えば、明所視透過率%は、図3A~3Cに示されるように、データに基づく屋外温度と平均方向放射照度との関数として書かれ得る)。このモデルは、光学物品がその領域に適しているかどうかを判断するように、任意の領域について(試験されない領域であっても)屋外温度及び平均方向放射照度に基づく光学物品の明所視透過率%の予測を可能にし得る。予測モデルを生成するために、統計ソフトウェアが用いられてもよい。10~20%、10~15%、15~20%、5~25%、又は5~20%など、5~50%の明所視透過率の目標が、屋外温度と方向放射照度との関数として示されるように、予測モデルは、屋外温度と方向放射照度とのある組み合わせに基づいてフォトクロミック光学物品の目標明所視透過率%を示し得る。明所視透過率%は、化学線への暴露から光学物品が暗くなることに基づく。
【0092】
続けて図3A~3Cを参照すると、複数の異なるフォトクロミック光学物品(レンズ1~3)についての屋外温度対平均方向360~430の放射照度(W/m)の例示的プロットが示されている。プロットは、各特定のレンズがユーザによる使用に適し得る、屋外温度及び360~430nmにおける平均方向放射照度の条件を示すために、レンズ1~3のそれぞれについて10~20%の間の明所視透過率%を示す帯域(白色領域)を含む。この非限定的な例では、10~20%の明所視透過率%が、ユーザにとって快適な範囲であると仮定されるが、この範囲が調整されてもよい。図3A図3Cにおいて見られ得るように、レンズ1及び2についての白色帯域は、これらのレンズが、より低い屋外温度に関連する領域又は気候により適し得ることを示しているが、レンズ3は、より高い屋外温度に関連する領域又は気候により適し得る。様々なフォトクロミック光学物品についての明所視透過率%のこれらの予測は、気候データベース30(図2から)に記憶され、適合性スコアを修正するために用いられ得る。
【0093】
したがって、上述した試験から、特定の領域又は気候における複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれの性能が、判断され得る。ユーザの生活環境、及び気候データベース30からのユーザの領域又は気候に類似の領域又は気候における複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれの性能に基づいて、推薦システム12は、ユーザのためのフォトクロミック光学物品のより適当な推薦を提供するために、適合性スコアを調整し得る。
【0094】
適合性スコアは、推薦システム12によって受信されるライフスタイルデータに基づいてさらに修正され得る。例えば、より多くの時間を屋外で過ごすユーザに対して、適合性スコアは、ユーザがそのような放射線に暴露される時間の増加が予期されることに基づいて、化学線に暴露されるときにより暗い特徴(より良好な放射線保護)を提供する光学物品に対応するように、推薦システム12によって調整され得る。したがって、ユーザのための光学物品は、ユーザのライフスタイルデータに少なくとも一部基づいて、推薦され得る。
【0095】
適合性スコアは、推薦システム12によって受信されるユーザの目のデータに基づいてさらに修正され得る。例えば、高いグレア感度を有するユーザは、生活環境によって通常必要とされる明所視透過性レベルより低く、例えば、20%~25%の代わりに15%~20%、15%~20%の代わりに10~15%、及び10%~15%の代わりに5%~10%が選択される明所視透過性で、最も快適及び/又は効率的であり得る。したがって、ユーザのための光学物品は、ユーザの目のデータに少なくとも一部基づいて、推薦され得る。
【0096】
適合性スコアは、推薦システム12によって受信されるユーザ人口統計データに基づいてさらに修正され得る。
【0097】
推薦システム12によって生成される適合性スコアに基づいて、推薦システム12は、複数のフォトクロミック光学物品のうちの少なくとも1つを含む推薦を生成し得る。推薦システム12は、推薦がそのユーザにカスタマイズされるように、ユーザと最も適合性のあるフォトクロミック光学物品をユーザに提供し得る。推薦システム12は、推薦をコンピューティングデバイス14に通信し得る。通信される推薦は、最も適合性のあるフォトクロミック光学物品に関連する製品名を含み得る。通信される推薦は、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれに関連する適合性スコアを示す、より詳細な結果を含み得る。受信される推薦に基づいて、ユーザは、推薦されるフォトクロミック光学物品(及び推薦されないフォトクロミック光学物品)についてのさらなる情報を見てもよく、所望の及び/又は推薦されるフォトクロミック光学物品について、支払トランザクションなどのトランザクションを開始してもよい。
【0098】
図4を参照すると、ユーザのためのカスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成するための方法20が示される。第1のステップ22において、方法20は、推薦システム12(図1及び図2から)が複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについて複数の性能属性を判断することを含み得る。第2のステップ24において、推薦システム12は、ユーザから複数の性能属性のそれぞれに関連するフィードバックデータを(コンピューティングデバイス14(図1及び図2から)を介して)受信し得る。第3のステップ26において、複数の性能属性及びフィードバックデータに基づいて、推薦システム12は、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについての適合性スコアを生成し得る。第4のステップ28において、推薦システム12は、複数のフォトクロミック光学物品のそれぞれについての適合性スコアに基づいて、複数のフォトクロミック光学物品のうちの少なくとも1つを含むユーザ固有の推薦を生成し得る。
【0099】
ユーザのためのカスタマイズされたフォトクロミック光学物品の推薦を生成するコンピュータプログラム製品は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、少なくとも1つのプロセッサに、前述の方法のうちの1つを実行させるプログラム命令を含む、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体を含む。少なくとも1つのプロセッサは、推薦システム12を含み得る。
【0100】
本発明は、最も実用的且つ好適な実施形態であると現在考えられているものに基づいて、例示のために詳細に説明されているが、そのような詳細は、その目的のためだけのものであり、本発明は、開示された実施形態に限定されず、逆に、添付の特許請求の範囲の思想及び範囲内にある修正及び均等な範囲を包含することを意図すると理解されたい。例えば、本発明は、可能な範囲で、任意の実施形態の1つ又は複数の特色が任意の他の実施形態の1つ又は複数の特色と組み合され得ることを考慮すると理解されたい。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】