(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107309
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】ビタミンB1類を配合する固形製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/505 20060101AFI20240801BHJP
A61K 31/455 20060101ALI20240801BHJP
A61K 31/51 20060101ALI20240801BHJP
A61P 3/02 20060101ALI20240801BHJP
A61K 9/28 20060101ALI20240801BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240801BHJP
A23L 33/15 20160101ALI20240801BHJP
A23L 5/00 20160101ALN20240801BHJP
【FI】
A61K31/505
A61K31/455
A61K31/51
A61P3/02 104
A61P3/02 105
A61K9/28
A61K47/36
A23L33/15
A23L5/00 A
A23L5/00 F
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024094393
(22)【出願日】2024-06-11
(62)【分割の表示】P 2019529751の分割
【原出願日】2018-07-11
(31)【優先権主張番号】P 2017135645
(32)【優先日】2017-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521357375
【氏名又は名称】アリナミン製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(74)【代理人】
【識別番号】100221534
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 志穂
(72)【発明者】
【氏名】糸川 昌太
(57)【要約】
【課題】ニコチン酸類とビタミンB1類を含む安定な固形製剤の提供。
【解決手段】ニコチン酸類、ビタミンB1類およびデンプン加工物を含むことを特徴とする固形製剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニコチン酸類、ビタミンB1類およびデンプン加工物を含むことを特徴とする固形製剤。
【請求項2】
デンプン加工物が、アルファー化されたデンプンである、請求項1に記載の固形製剤。
【請求項3】
ニコチン酸類1質量部に対してアルファー化されたデンプンを0.5質量部以上含むことを特徴とする、請求項2に記載の固形製剤。
【請求項4】
ニコチン酸類がニコチン酸アミドである、請求項1~3のいずれかに記載の固形製剤。
【請求項5】
ビタミンB1類が、フルスルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩またはチアミン硝化物である、請求項1~4のいずれかに記載の固形製剤。
【請求項6】
アルファー化されたデンプンが、部分アルファー化デンプンである、請求項2~5のいずれかに記載の固形製剤。
【請求項7】
ニコチン酸類とビタミンB1類とアルファー化されたデンプンを、物理的に分離されていない状態で含む、請求項2~6のいずれかに記載の固形製剤。
【請求項8】
ニコチン酸類およびビタミンB1類を含む固形製剤の外観変化を抑制する方法であって、デンプン加工物を配合することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニコチン酸類とビタミンB1類を含有する固形製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ビタミン補給を目的として販売されている医薬品およびサプリメントは、複数のビタミンが同時に配合されていることが多い。ビタミンの1種であるビタミンB1類は糖質からのエネルギー産生および神経の機能維持に有益であり、ビタミンB1類としては、チアミン硝化物、チアミン塩化物塩酸塩、フルスルチアミン塩酸塩、ベンフォチアミン、ビスベンチアミン、塩酸ジセチアミン等が知られている。ビタミンB1類は数多くの医薬品およびサプリメントに配合されているが、ビタミンB6、ビタミンB12と同時配合されていることが多い。
同じくビタミンの1種であるニコチン酸類は皮膚の機能保持や血流改善効果を期待して医薬品およびサプリメントに配合される。ニコチン酸類は、ビタミンC、ビタミンEと同時配合されていることが多い。
しかし、ビタミン類は互いに安定性に影響を与えることも知られており、複数のビタミンを同時に配合する場合は細心の注意をもって安定性を確認する必要がある。
【0003】
特許文献1は、塩酸フルスルチアミン、ビタミンB2類、ビタミンB6類、ビタミンB12類およびパントテン酸カルシウムを含有する固形製剤を開示している。当該固形製剤においては、パントテン酸カルシウム含有組成物を乾式で配合し、ビタミンB12類を水に溶解または分散した液をパントテン酸カルシウム以外の薬物および/または賦形剤に噴霧、乾燥して得られた粒で配合することにより、パントテン酸カルシウムと、ビタミンB12類を共に安定化している。
【0004】
特許文献2は、アスコルビン酸、チアミンまたはピリドキシンと共に、パントテン酸カルシウムを配合した製剤であって、パントテン酸カルシウムが安定した組成物を開示している。当該組成物においては、パントテン酸カルシウムと、それ自体が中性ないし塩基性のマグネシウムまたはカルシウムの乳酸塩または炭酸塩とを水および/または低級アルコールの存在下に混合し、該混合物を乾燥させることにより、パントテン酸カルシウムを安定化している。
【0005】
特許文献3は、ビタミンEとビタミンB12類を配合した両ビタミンが安定な顆粒状組成物を開示している。当該顆粒状組成物においては、当該顆粒状組成物を溶解・懸濁した溶液のpHを4以上にすることで、ビタミンB12類の分解を抑制している。
【0006】
特許文献4は、コンドロイチンとビタミンB12類を同時に配合した製剤であって、不安定なビタミンB12類が安定化されている製剤を開示している。当該製剤においては、ビタミンB12およびムコ多糖に、ケイ酸類および/または酸化マグネシウムを同時に配合することで、ビタミンB12が安定化している。
【0007】
特許文献5は、アデノシン5’-三リン酸と、2種以上のビタミンB類を含む疲労回復のための医薬を開示している。当該医薬は、アデノシン5’-三リン酸と、2種以上のビタミンB類とを併用することにより、vasoactive intestinal polypeptide遺伝子の発現を促進し、精神疲労に対する回復効果を有するとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006-111535号
【特許文献2】特開平03-123729号
【特許文献3】特開2006-143613号
【特許文献4】特開2007-297309号
【特許文献5】WO2006/126663
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の文献はいずれも、数種のビタミンB類を配合した製剤であるが、ビタミンB1類とニコチン酸類の安定性に着目したものではなく、これらの併用が錠剤膨張等の外観安定性に影響を与える問題については全く記載も示唆もない。
【0010】
本発明者は、ビタミンB1類とニコチン酸類を含む固形製剤の保存中、例えば、60℃ガラス瓶密栓下や40℃75%RHガラス瓶開栓下において、厚み膨張が起き、亀裂を生じる等の著しい外観変化をきたすことを見出した。この現象は、ビタミンB1類の中でもフルスルチアミン塩酸塩、ニコチン酸類の中でもニコチン酸アミドを用いたときに顕著であった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は鋭意検討した結果、ビタミンB1類とニコチン酸類を含む固形製剤の上記外観変化に対して、固形製剤中にアルファー化されたデンプンなどのデンプン加工物を配合すれば解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
[1] ニコチン酸類、ビタミンB1類およびデンプン加工物を含むことを特徴とする固形製剤。
[2] デンプン加工物が、アルファー化されたデンプンである、上記[1]に記載の固形製剤。
[3] ニコチン酸類1質量部に対してアルファー化されたデンプンを0.5質量部以上含むことを特徴とする、上記[2]に記載の固形製剤。
[4] ニコチン酸類がニコチン酸アミドである、上記[1]~[3]のいずれかに記載の固形製剤。
[5] ビタミンB1類が、フルスルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩またはチアミン硝化物である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の固形製剤。
[6] アルファー化されたデンプンが、部分アルファー化デンプンである、上記[2]~[5]のいずれかに記載の固形製剤。
[7] ニコチン酸類とビタミンB1類とアルファー化されたデンプンを、物理的に分離されていない状態で含む、上記[2]~[6]のいずれかに記載の固形製剤。
[8] ニコチン酸類およびビタミンB1類を含む固形製剤の外観変化を抑制する方法であって、デンプン加工物を配合することを特徴とする方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、ニコチン酸類とビタミンB1類を含む固形製剤であっても、保存中、例えば、60℃ガラス瓶密栓下や40℃75%RHガラス瓶開栓下において、厚み膨張、亀裂等の著しい外観変化を生じない外観品質的に優れた固形製剤を提供することができる。このように固形製剤の形状、特に厚みが安定な製剤であれば、フィルムコーティングまたは糖衣層で被覆しても外観に割れ等の問題が生じにくく、非常に商品価値の高い固形製剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明における「ニコチン酸類」は、例えばニコチン酸またはその塩(例えば、ニコチン酸アミド)であり、特に好ましくはニコチン酸アミドである。
【0014】
本発明におけるニコチン酸類の固形製剤中の含有量は、1ユニット(1錠、1カプセル、1包)当たり、通常1mgから100mgである。好ましくは5mgから80mgである。
本発明におけるニコチン酸類の固形製剤中の含有量は、1ユニット(1錠、1カプセル、1包)当たり、通常0.1%質量部から30%質量部、好ましくは0.5%質量部から20%質量部である。
【0015】
本発明における「ビタミンB1類」とは、ビタミンB1またはその誘導体、もしくはそれらの塩であり、例えばフルスルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩、チアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、ジセチアミン塩酸塩水和物、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、ベンフォチアミン等であり、好ましくはフルスルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩、チアミン硝化物であり、特に好ましくはフルスルチアミン塩酸塩である。
【0016】
本発明におけるビタミンB1類の固形製剤中の含有量は、1ユニット(1錠、1カプセル、1包)当たり、通常1mgから200mgである。好ましくは5mgから150mgである。
本発明におけるビタミンB1類の固形製剤中の含有量は、1ユニット(1錠、1カプセル、1包)当たり、通常0.1%質量部から60%質量部、好ましくは0.5%質量部から40%質量部である。
【0017】
本発明における「デンプン加工物」は、デンプンに種々の化学的修飾や加工を行うことで様々な機能性を付与したものであり、これにはグルコースの化合物(例、シクロデキストリン)、デンプンの塩類(例、デンプングリコール酸ナトリウム)、アルファー化されたデンプン(例、部分アルファー化デンプン)などが挙げられるが、中でもアルファー化されたデンプンが望ましい。
本発明における「アルファー化されたデンプン」は、デンプンを水と共に加熱してアルファー化したものであり、これには、デンプン全体がアルファー化されたもの(アルファー化デンプン)、部分的にアルファー化されたもの(部分アルファー化デンプン)の両方が含まれる。原料のデンプンとしては、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン等が挙げられ、トウモロコシデンプンまたはバレイショデンプンが好ましい。本発明における「アルファー化されたデンプン」の膨潤度は、好ましくは5~30cm3/g、より好ましくは7~25cm3/gである。具体的には、日本医薬品添加剤協会編の「医薬品添加物事典2000」等に記載されたもの等が挙げられ、市販品としては、例えば、部分アルファー化デンプンPCS(R)、アルファー化デンプンPD-1、アルファー化デンプンWB-1(いずれも旭化成株式会社製)等が挙げられる。
【0018】
本発明におけるアルファー化されたデンプンの固形製剤中の含有量は、1ユニット(1錠、1カプセル、1包)当たり、通常1%質量部から90%質量部である。好ましくは3%質量部から60%質量部、より好ましくは5%質量部から60%質量部である。
【0019】
本発明において、ニコチン酸類1質量部に対して、アルファー化されたデンプンを、好ましくは0.5質量部以上、好ましくは1質量部以上20質量部以下、より好ましくは3質量部以上10質量部以下、さらに好ましくは3.5質量部以上10質量部以下配合する。
【0020】
本発明が解決しようとする課題であるニコチン酸類とビタミンB1類を含む固形製剤における保存中の膨張、亀裂等の著しい外観変化は、ニコチン酸類とビタミンB1類が接触することにより生じていると考えられる。
したがって、本発明の固形製剤としては、特に、ニコチン酸類とビタミンB1類とアルファー化されたデンプンが、互いに接触し得るような、物理的に分離されていない状態で含まれる固形製剤が挙げられる。
ここで、「物理的に分離されていない状態」とは、ニコチン酸類とビタミンB1類とアルファー化されたデンプンが、物理的に分離されておらず、互いに接触し得る状態であれば特に限定されない。このような固形製剤としては、例えば、ビタミンB1類とニコチン酸類とアルファー化されたデンプンを混合して打錠した錠剤、ビタミンB1類とニコチン酸類を別群で造粒末した後に混合・打錠して製造した錠剤等が含まれる。
【0021】
本発明において、ビタミンB1類およびニコチン酸類以外に配合できる薬物としては、ビタミン類、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、消炎薬、鼻炎用薬、胃腸薬、止瀉薬、生薬、アミノ酸等が挙げられる。ビタミン類としては、ビタミンA類(酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、ビタミンA油、肝油、強肝油)、ビタミンD類(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール)、ビタミンB2類(リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビン)、ビタミンB6類(塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール)、ビタミンB12類(シアノコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、メコバラミン)、パントテン酸カルシウム、パントテン酸カルシウムタイプS、ガンマーオリザノール、オロチン酸、グルクロノラクトン、グルクロン酸アミド、ヨクイニン、ヘスペリジン、ビオチン、コンドロイチン硫酸ナトリム、ビタミンC類(アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム)、ビタミンE類(コハク酸dl-α―トコフェロールカルシウム、コハク酸d-α―トコフェロール、酢酸d-α―トコフェロール)が挙げられる。
【0022】
解熱鎮痛薬として、ロキソプロフェンナトリウム水和物、アセトアミノフェン、イブプロフェン、アスピリン、エテンザミド、サリチルアミド、サリチル酸ナトリウム、無水カフェイン、カフェイン等が挙げられる。
【0023】
鎮咳去痰薬として、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、臭化水素酸デキストロメトルファン、塩酸メチルエフェドリン、ノスカピン、塩酸メチルシステイン、塩酸エチルシステイン、カルボシステイン等が挙げられる。
【0024】
消炎薬として、塩化リゾチーム、トラネキサム酸、アズレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0025】
鼻炎用薬として、塩酸プソイドエフェドリン、dl-マレイン酸クロルフェニラミン、d-マレイン酸クロルフェニラミン、ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド、グリチルリチン酸ジカリウム等が挙げられる。
【0026】
胃腸薬として、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、アミノ酢酸、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、ロートエキス、アロエ、ウイキョウ、ウコン、オウバク、オウレン、加工大蒜、コウジン、コウボク、ショウキョウ、センブリ、ケイヒ、ダイオウ、チクセツニンジン、チンピ、トウヒ、ニガキ、ニンジン、ハッカ、ホップ、ウイキョウ油、ケイヒ油、ショウキョウ油、トウヒ油、ハッカ油、レモン油、L-メントール、塩酸ベタイン、塩化カルニチン、乾燥酵母、でんぷん消化酵素、たん白消化酵素、脂肪消化酵素、繊維素消化酵素、ウルソデスオキシコール酸、胆汁末等が挙げられる。
【0027】
止瀉薬としては、アクリノール、塩化ベルベリン、グアヤコール、クレオソート、次サリチル酸ビスマス、次硝酸ビスマス、次炭酸ビスマス、次没食子酸ビスマス、タンニン酸、カオリン、ペクチン、薬用炭、乳酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、塩酸パパベリン、アミノ安息香酸エチル、アズレンスルホン酸ナトリウム、アルジオキサ、L-グルタミン、銅クロロフィリンカリウム、銅クロロフィリンナトリウム、メチルメチオニンスルホニウムクロライド、ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
【0028】
生薬としては、アカメガシワ、アセンヤク、アセンヤク末、アマチャ、アマチャ末、アロエ、アロエ末、アンソッコウ、イレイセン、インチンコウ、インヨウカク、ウイキョウ、ウイキョウ末、ウコン、ウヤク、ウワウルシ、エイジツ、エイジツ末、エンゴサク、オウギ、オウゴン、オウゴン末、オウセイ、オウバク、オウバク末、オウレン、オウレン末、オンジ、オンジ末、カゴソウ、カシュウ、ガジュツ、カッコン、カノコソウ、カノコソウ末、カロコン、カンキョウ、カンゾウ、カンゾウ末、カンテン、カンテン末、キキョウ、キキョウ末、キクカ、キササゲ、キジツ、キョウカツ、キョウニン、クコシ、クジン、クジン末、ケイガイ、ケイヒ、ケイヒ末、ケツメイシ、ケンゴシ、ゲンチアナ、ゲンチアナ末、ゲンノショウコウ、ゲンノショウコウ末、コウカ、コウジン、コウブシ、コウブシ末、コウボク、コウボク末、ゴオウ、ゴシツ、ゴシュユ、ゴボウシ、ゴミン、コメデンプン、コロンボ、コロンボ末、コンズランゴ、サイコ、サイシン、サフラン、サンキライ、サンキライ末、サンシシ、サンシシ末、サンシュユ、サンショウ、サンショウ末、サンソウニン、サンヤク、サンヤク末、ジオウ、シゴカ、ジコッピ、シコン、シツリシ、シャクヤク、シャクヤク末、ジャショウシ、シャゼンシ、シャゼンソウ、ジュウヤク、シュクシャ、シュクシャ末、ショウキョウ、ショウキョウ末、ショウズク、ショウマ、シンイ、セッコウ、セネガ、セネガ末、センキュウ、センキュウ末、センコツ、センソ、センナ、センナ末、センブリ、センブリ末、ソウジュツ、ソウジュツ末、ソウハクヒ、ソボク、ソヨウ、ダイオウ、ダイオウ末、ダイソウ、タクシャ、タクシャ末、チクセツニンジン、チクセツニンンジン末、チモ、チョウジ、チョウジ末、チョウトウコウ、チョレイ、チョレイ末、チンピ、テンマ、テンモンドウ、トウガシ、トウガラシ、トウガラシ末、トウキ、トウキ末、トウニン、トウニン末、トウヒ、トコン、トコン末、トチュウ、トラガント、トランガント末、ニガキ、ニガキ末、ニンジン、ニンジン末、ニンドウ、バイモ、バクモンドウ、ハチミツ、ハッカ、ハマボウフウ、ハンゲ、ビャクシ、ビャクジュツ、ビャクジュツ末、ビワヨウ、ビンロウジ、ブクリョウ、ブクリョウ末、ブシ、ブシ末、ベラドンナコン、ヘンズ、ボウイ、ボウコン、ボウフウ、ボタンピ、ボタンピ末、ホミカ、ボレイ、ボレイ末、マオウ、マクリ、マシニン、モクツウ、モッコウ、ヤクチ、ユウタン、ヨクイニン、ヨクイニン末、リュウコツ、リュウタン、リュウタン末、リョウキョウ、レンギョウ、レンニク、ロジン、ロートコン等が挙げられる。
アミノ酸としては、L-システイン、アスパラギン酸カリウム・マグネシウム等量混合物、L-バリン、L-ロイシン、L-イソロシン、タウリン等が挙げられる。
【0029】
本発明の固形製剤においては、アルファー化されたデンプン以外に、固形製剤を製造するために通常使用される賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、着色剤、pH調節剤、甘味剤、香料等の添加剤を配合してもよい。
【0030】
賦形剤としては、例えば、エリスリトール、マルチトール、粉末還元麦芽糖水アメ、マンニトール、精製白糖、白糖、トレハロース、ソルビトール、キシリトール、乳糖、還元麦芽糖水アメ、ブドウ糖、麦芽糖、ラクチトール、コーンスターチ、結晶セルロース、粉末セルロース、リン酸一水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、乳酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0031】
結合剤としては、例えば、アラビアゴム末、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒプロメロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ポビドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、プルラン、デキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ、トラガント末、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)等が挙げられる。
【0032】
崩壊剤としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、コーンスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、クロスポビドン等が挙げられる。
【0033】
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、マクロゴール6000等が挙げられる。
【0034】
流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、カオリン等が挙げられる。
着色剤としては、例えば、リボフラビン、ビタミンB12、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用青色1号、食用青色2号、銅クロロフィルナトリウム、銅クロロフィル等が挙げられる。
【0035】
pH調節剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩酸、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、乳酸カルシウム、リン酸、リン酸二カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム等が挙げられる。
【0036】
甘味剤としては、例えば、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸ジカリウム、アセスルファームK、スクラロース等が挙げられる。
【0037】
香料としては、例えば、L-メントール、ハッカ油、ユーカリ油、オレンジ油、チョウジ油、テレビン油、ウイキョウ油、バニリン等が挙げられる。
【0038】
本発明の固形製剤は、水溶性高分子(ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール(PVA)等)、不溶性高分子(エチルセルロース、メタアクリル酸コポリマー等)、糖質(精製白糖、エリスリトール等)、ポリビニルアルコール(PVA)とポリエチレングリコール(PEG)のグラフトコポリマー(Kollicoat IR、BASF)等でコーティングしてもよい。
コーティングには、賦形剤(タルク、沈降炭酸カルシウム、酸化チタン等)や滑剤(マクロゴール6000、ステアリン酸マグネシウム等)、結合剤(アラビアゴム末、結晶セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、デキストリン、ポリビニルアルコール(PVA)等)、色素(リボフラビン、黄色三二酸化鉄等)を配合してもよい。また、プレミックスコーティング液(Opadry、日本カラコン)を用いてもよい。
【0039】
本発明の固形製剤において、添加剤として配合され得る結晶セルロースの含有量は少ないほど好ましい。結晶セルロースの含有量を抑えることで、より顕著に外観変化を抑制することができる。具体的には、本発明の固形製剤中の結晶セルロースの含有量は、好ましくは8%質量部以下、より好ましくは5%質量部以下である。
【0040】
本発明の固形製剤は、亀裂等の外観変化を抑制する目的から、コーティングを施すことが好ましい。コーティング剤としては、水溶性高分子が好ましく、特にヒプロメロースが好ましい。
また、コーティング量は、素錠質量比で、1~6%程度が好ましく、特に2~4%程度が好ましい。
【0041】
本発明の固形製剤としては、各種錠剤、例えば素錠、フィルム錠、糖衣錠、薄層糖衣錠、シュガーレス薄層糖衣錠、口腔内速崩壊錠、チュアブル錠、チョコレート剤等、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤等が挙げられる。さらに、二層錠、三層錠、有核錠も挙げられる。
【0042】
本発明の固形製剤の製造法は、造粒ハンドブック(日本粉体工業技術協会編、オーム社)、経口投与製剤の処方設計(京都大学大学院薬学研究科教授橋田充編、薬業時報社)、粉体の圧縮成形技術(粉体工学・製剤と粒子設計部会編、日刊工業新聞社)、製剤機械技術ハンドブック(第2版、製剤機械技術研究会設立20周年記念出版編集委員会編、製剤機械技術研究会)のような刊行物に記載されている一般的な方法を用いればよく、特別な制限はない。
【0043】
また、本発明は、ニコチン酸類およびビタミンB1類を含む固形製剤の外観変化(厚み膨張、亀裂等)を抑制する方法であって、アルファー化されたデンプンなどのデンプン加工物を配合することを特徴とする方法を提供する。この方法における各要件(各成分、その使用量、その使用割合等)は、本発明の固形製剤について記載したとおりである。例えば、ニコチン酸類1質量部に対して、デンプン加工物を、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは3.5質量部以上10質量部以下配合する。
デンプン加工物がアルファー化されたデンプンの場合には、ニコチン酸類1質量部に対して、アルファー化されたデンプンを、好ましくは0.5質量部以上、好ましくは1質量部以上20質量部以下、より好ましくは3質量部以上10質量部以下、さらに好ましくは3.5質量部以上10質量部以下配合する。
【実施例0044】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0045】
(実施例1)
ニコチン酸アミド(ロンザジャパン)、リボフラビン(BASFジャパン)、ピリドキシン塩酸塩(BASFジャパン)、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)、部分アルファー化デンプン(PCS、旭化成)を流動層造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、日本曹達)溶液及びヒプロメロース(TC-5、信越化学)溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末1を得た。整粒末1の組成比はニコチン酸アミド11.1%、リボフラビン3.3%、ピリドキシン塩酸塩13.9%、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)8.4%、部分アルファー化デンプン50.0%、HPC3.3%、TC-5 10%であった。
さらにフルスルチアミン塩酸塩(三國製薬)、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)を流動層造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、日本曹達)溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末2を得た。整粒末2の組成比はフルスルチアミン塩酸塩60.6%、結晶セルロース35.4%、HPC4%であった。
得られた整粒末1:720g、整粒末2:360g、パントテン酸カルシウムタイプS(BASFジャパン)92.4g、VB12細粒(三菱ケミカルフーズ)13.2g、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)127.3g、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)6.6gを混合し、打錠用混合末を得た。得られた打錠用混合末を素錠質量220mgになるようにロータリー式打錠機(AQU3、菊水製作所)にて8.5mmφの杵を用いて打錠し、厚み4.8mmの素錠を得た。
次いで、ヒプロメロース(信越化学工業)及び滅菌タルク(松村産業)を精製水に溶解又は分散した下掛け液と、エリスリトール(カーギルジャパン)、滅菌タルク、沈降炭酸カルシウム(日東粉化工業)、酸化チタン(石原産業)、結晶セルロース(セオラスPH-F20、旭化成)、アラビアゴム末(三栄薬品貿易)を精製水に溶解又は分散させたビルドアップコーティング液を用いてコーティング機(ドリアコーター、パウレック)にて各層1錠あたり5mg、96mgのコーティングを行い、さらに精製白糖(三井製糖)、エリスリトール、リボフラビンを精製水に溶解したシロップ液を用いて糖衣パン(菊水製作所)にて1錠あたり24mgの糖衣を施し、糖衣錠とした。
【0046】
(実施例2)
ニコチン酸アミド(ロンザジャパン)、リボフラビン(BASFジャパン)、ピリドキシン塩酸塩(BASFジャパン)、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)、アルファー化デンプン(PD-1、旭化成)を流動層造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、日本曹達)溶液及びヒプロメロース(TC-5、信越化学)溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末1を得た。整粒末1の組成比はニコチン酸アミド12.4%、リボフラビン3.7%、ピリドキシン塩酸塩15.5%、結晶セルロース7.7%、アルファー化デンプン49.6%、HPC2.0%、TC-5 9.1%であった。
さらにフルスルチアミン塩酸塩(三國製薬)、結晶セルロースを流動層造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、日本曹達)溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末2を得た。整粒末2の組成比はフルスルチアミン塩酸塩72.8%、結晶セルロース24.2%、HPC3%であった。
得られた整粒末1:644.8g、整粒末2:300g、パントテン酸カルシウムタイプS(BASFジャパン)92.4g、VB12細粒(三菱ケミカルフーズ)12g、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)79.4g、サイリシア(富士シリシア)5.7g、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)5.7gを混合し、打錠用混合末を得た。得られた打錠用混合末を素錠質量190mgになるようにロータリー式打錠機(AQU3、菊水製作所)にて8.0mmφの杵を用いて打錠し、厚み4.2mmの素錠を得た。
次いで、ヒプロメロース(信越化学工業)及び滅菌タルク(松村産業)を精製水に溶解又は分散した下掛け液と、エリスリトール(カーギルジャパン)、滅菌タルク、酸化チタン(石原産業)、結晶セルロース(セオラスPH-F20、旭化成)、アラビアゴム末(三栄薬品貿易)を精製水に溶解又は分散させたビルドアップコーティング液を用いてコーティング機(ドリアコーター、パウレック)にて各層1錠あたり5mg、115mgのコーティングを行い、さらに精製白糖(三井製糖)、エリスリトール、リボフラビンを精製水に溶解したシロップ液を用いて糖衣パン(菊水製作所)にて1錠あたり22mgの糖衣を施し、糖衣錠とした。
【0047】
(実施例3)
ニコチン酸アミド(ロンザジャパン)、リボフラビン(BASFジャパン)、ピリドキシン塩酸塩(BASFジャパン)、乳糖水和物(GranuLac 200、メグレ)、部分アルファー化デンプン(PCS、旭化成)を流動層造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、日本曹達)溶液及びヒプロメロース(TC-5、信越化学)溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末1を得た。整粒末1の組成比はニコチン酸アミド12.1%、リボフラビン3.6%、ピリドキシン塩酸塩15.2%、乳糖水和物19.4%、部分アルファー化デンプン36.4%、HPC3.3%、TC-5 10%であった。
さらにフルスルチアミン塩酸塩(三國製薬)、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)を流動層造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、日本曹達)溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末2を得た。整粒末2の組成比はフルスルチアミン塩酸塩60.6%、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)35.4%、HPC4%であった。
得られた整粒末1:660g、整粒末2:360g、パントテン酸カルシウムタイプS(BASFジャパン)92.4g、VB12細粒(三菱ケミカルフーズ)13.2g、コーンスターチ69g、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)78g、サイリシア(富士シリシア)5.7g、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)5.7gを混合し、打錠用混合末を得た。得られた打錠用混合末を素錠質量210mgになるようにロータリー式打錠機(AQU3、菊水製作所)にて8.3mmφの杵を用いて打錠し、厚み4.3mmの素錠を得た。
次いで、ヒプロメロース(信越化学工業)及び滅菌タルク(松村産業)を精製水に溶解又は分散した下掛け液と、エリスリトール(カーギルジャパン)、滅菌タルク、沈降炭酸カルシウム(日東粉化工業)、酸化チタン(石原産業)、結晶セルロース(セオラスPH-F20、旭化成)、アラビアゴム末(三栄薬品貿易)を精製水に溶解又は分散させたビルドアップコーティング液を用いてコーティング機(ドリアコーター、パウレック)にて各層1錠あたり5mg、96mgのコーティングを行い、さらに精製白糖(三井製糖)、エリスリトール、リボフラビンを精製水に溶解したシロップ液を用いて糖衣パン(菊水製作所)にて1錠あたり24mgの糖衣を施し、糖衣錠とした。
【0048】
(実施例4)
リボフラビン(BASFジャパン)、ピリドキシン塩酸塩(BASFジャパン)、乳糖水和物(GranuLac 200、メグレ)、コーンスターチ(日本コーンスターチ)を流動層造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、日本曹達)溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末1を得た。整粒末1の組成比はリボフラビン8.8%、ピリドキシン塩酸塩37.0%、乳糖水和物30.2%、コーンスターチ20%、HPC4%であった。
さらにフルスルチアミン塩酸塩(三國製薬)、ニコチン酸アミド(ロンザジャパン)、コーンスターチ、部分アルファー化デンプン(PCS、旭化成)、結晶セルロースを流動層造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、日本曹達)溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末2を得た。整粒末2の組成比はフルスルチアミン塩酸塩36.4%、ニコチン酸アミド13.3%、コーンスターチ4.8%、部分アルファー化デンプン40.0%、結晶セルロース2.0%、HPC3.5%であった。
さらに部分アルファー化デンプン、コーンスターチにシアノコバラミン溶液を噴霧した後、ヒプロメロース溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末3を得た。整粒末3の組成比はシアノコバラミン0.09%、部分アルファー化デンプン90.76%、コーンスターチ0.06%、ヒプロメロース9.09%であった。
得られた整粒末1:270g、整粒末2:600g、整粒末3:132g、パントテン酸カルシウムタイプS(BASFジャパン)92.4g、コーンスターチ21.6g、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)72g、サイリシア(富士シリシア)6.0g、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)6.0gを混合し、打錠用混合末を得た。得られた打錠用混合末を素錠質量190mgになるようにロータリー式打錠機(AQU3、菊水製作所)にて8.3mmφの杵を用いて打錠し、厚み4.2mmの素錠を得た。
次いで、ヒプロメロース(信越化学工業)及び滅菌タルク(松村産業)を精製水に溶解又は分散した下掛け液と、エリスリトール(カーギルジャパン)、滅菌タルク、酸化チタン(石原産業)、結晶セルロース(セオラスPH-F20、旭化成)、アラビアゴム末(三栄薬品貿易)を精製水に溶解又は分散させたビルドアップコーティング液を用いてコーティング機(ドリアコーター、パウレック)にて各層1錠あたり6mg、94mgのコーティングを行い、さらに精製白糖(三井製糖)、エリスリトール、リボフラビンを精製水に溶解したシロップ液を用いて糖衣パン(菊水製作所)にて1錠あたり24mgの糖衣を施し、糖衣錠とした。
【0049】
(実施例5)
ニコチン酸アミド(ロンザジャパン)、リボフラビン(BASFジャパン)、ピリドキシン塩酸塩(BASFジャパン)、乳糖水和物(GranuLac200、メグレ)、コーンスターチ(日本コーンスターチ)、部分アルファー化デンプン(PCS、旭化成)を流動層造粒機に仕込み、HPC溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末1を得た。整粒末1の組成比はニコチン酸アミド13.3%、リボフラビン3.9%、ピリドキシン塩酸塩16.7%、乳糖水和物7.0%、コーンスターチ2.1%、部分アルファー化デンプン50%、HPC7%であった。
さらにフルスルチアミン塩酸塩(三國製薬)、コーンスターチ、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)を流動層造粒機に仕込み、HPC溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末2を得た。整粒末2の組成比はフルスルチアミン塩酸塩77.4%、コーンスターチ9.0%、結晶セルロース6.4%、HPC7.2%であった。
さらに部分アルファー化デンプン、コーンスターチにシアノコバラミン溶液を噴霧した後、ヒプロメロース溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末3を得た。整粒末3の組成比はシアノコバラミン0.09%、部分アルファー化デンプン90.76%、コーンスターチ0.06%、ヒプロメロース9.09%であった。
得られた整粒末1:600g、整粒末2:282g、整粒末3:132g、パントテン酸カルシウムタイプS(BASFジャパン)92.4g、コーンスターチ8.4g、結晶セルロース(セオラスPH-F20、旭化成)72g、サイリシア(富士シリシア)8.4g、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)4.8gを混合し、打錠用混合末を得た。得られた打錠用混合末を素錠質量200mgになるようにロータリー式打錠機(AQU3、菊水製作所)にて8.3mmφの杵を用いて打錠し、厚み4.3mmの素錠を得た。
次いで、ヒプロメロース(信越化学工業)及び滅菌タルク(松村産業)を精製水に溶解又は分散した下掛け液と、エリスリトール(カーギルジャパン)、滅菌タルク、沈降炭酸カルシウム(日東粉化工業)、酸化チタン(石原産業)、結晶セルロース(セオラスPH-F20、旭化成)、アラビアゴム末(三栄薬品貿易)を精製水に溶解又は分散させたビルドアップコーティング液を用いてコーティング機(ドリアコーター、パウレック)にて各層1錠あたり8mg、80mgのコーティングを行い、さらに精製白糖(三井製糖)、エリスリトール、リボフラビンを精製水に溶解したシロップ液を用いて糖衣パン(菊水製作所)にて1錠あたり20mgの糖衣を施し、糖衣錠とした。
【0050】
(実施例6)
ニコチン酸アミド(ロンザジャパン)、リボフラビン(BASFジャパン)、ピリドキシン塩酸塩(BASFジャパン)、乳糖水和物(GranuLac 200、メグレ)、コーンスターチ(日本コーンスターチ)、部分アルファー化デンプン(PCS、旭化成)を流動層造粒機に仕込み、HPC溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末1を得た。整粒末1の組成比はニコチン酸アミド13.7%、リボフラビン4.1%、ピリドキシン塩酸塩17.2%、乳糖水和物7.2%、コーンスターチ2.5%、部分アルファー化デンプン51.5%、HPC3.8%であった。
さらにフルスルチアミン塩酸塩(三國製薬)、コーンスターチ、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)を流動層造粒機に仕込み、HPC溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末2を得た。整粒末2の組成比はフルスルチアミン塩酸塩74.3%、コーンスターチ7.5%、結晶セルロース14.3%、HPC3.9%であった。
得られた整粒末1:582g、整粒末2:294g、パントテン酸カルシウムタイプS(BASFジャパン)92.4g、VB12細粒(三菱ケミカルフーズ)13.2g、コーンスターチ69g、結晶セルロース(セオラスPH-F20、旭化成)78g、サイリシア(富士シリシア)5.7g、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)5.7gを混合し、打錠用混合末を得た。得られた打錠用混合末を素錠質量190mgになるようにロータリー式打錠機(AQU3、菊水製作所)にて8.3mmφの杵を用いて打錠し、厚み4.2mmの素錠を得た。
次いで、ヒプロメロース(信越化学工業)及び滅菌タルク(松村産業)を精製水に溶解又は分散した下掛け液と、エリスリトール(カーギルジャパン)、滅菌タルク、沈降炭酸カルシウム(日東粉化工業)、酸化チタン(石原産業)、結晶セルロース(セオラスPH-F20、旭化成)、アラビアゴム末(三栄薬品貿易)を精製水に溶解又は分散させたビルドアップコーティング液を用いてコーティング機(ドリアコーター、パウレック)にて各層1錠あたり6mg、80mgのコーティングを行い、さらに精製白糖(三井製糖)、エリスリトール、リボフラビンを精製水に溶解したシロップ液を用いて糖衣パン(菊水製作所)にて1錠あたり20mgの糖衣を施し、糖衣錠とした。
【0051】
(実施例7)
部分アルファー化デンプンの代わりにアルファー化デンプン(PD-1、旭化成)を用いたことを除き、実施例6と同様にして糖衣錠を得た。
【0052】
(実施例8)
部分アルファー化デンプンの代わりにアルファー化デンプン(WB-1、旭化成)を用いたことを除き、実施例6と同様にして糖衣錠を得た。
【0053】
(実施例9)
ニコチン酸アミド(ロンザジャパン)、リボフラビン(BASFジャパン)、ピリドキシン塩酸塩(BASFジャパン)、乳糖水和物(GranuLac 200、メグレ)、コーンスターチ(日本コーンスターチ)、アルファー化デンプン(PD-1、旭化成)を流動層造粒機に仕込み、HPC溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末1を得た。整粒末1の組成比はニコチン酸アミド13.7%、リボフラビン4.1%、ピリドキシン塩酸塩17.2%、乳糖水和物7.2%、コーンスターチ23.1%、アルファー化デンプン27.5%、HPC7.2%であった。
さらにフルスルチアミン塩酸塩(三國製薬)、コーンスターチ、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)、サイリシア(富士シリシア)を流動層造粒機に仕込み、HPC溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末2を得た。整粒末2の組成比はフルスルチアミン塩酸塩77.4%、コーンスターチ8.6%、サイリシア0.4%、結晶セルロース6.4%、HPC7.2%であった。
得られた整粒末1:582g、整粒末2:282g、パントテン酸カルシウムタイプS(BASFジャパン)92.4g、VB12細粒(三菱ケミカルフーズ)13.2g、コーンスターチ129g、結晶セルロース30g、サイリシア5.7g、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)5.7gを混合し、打錠用混合末を得た。得られた打錠用混合末を素錠質量190mgになるようにロータリー式打錠機(AQU3、菊水製作所)にて8.3mmφの杵を用いて打錠し、厚み4.0mmの素錠を得た。
次いで、ヒプロメロース(信越化学工業)及び滅菌タルク(松村産業)を精製水に溶解又は分散した下掛け液と、エリスリトール(カーギルジャパン)、滅菌タルク、沈降炭酸カルシウム(日東粉化工業)、酸化チタン(石原産業)、結晶セルロース(セオラスPH-F20、旭化成)、アラビアゴム末(三栄薬品貿易)を精製水に溶解又は分散させたビルドアップコーティング液を用いてコーティング機(ドリアコーター、パウレック)にて各層1錠あたり10mg、80mgのコーティングを行い、さらに精製白糖(三井製糖)、エリスリトール、リボフラビンを精製水に溶解したシロップ液を用いて糖衣パン(菊水製作所)にて1錠あたり20mgの糖衣を施し、糖衣錠とした。
【0054】
(実施例10)
ニコチン酸アミド(ロンザジャパン)、リボフラビン(BASFジャパン)、ピリドキシン塩酸塩(BASFジャパン)、乳糖水和物(GranuLac 200、メグレ)、コーンスターチ(日本コーンスターチ)、アルファー化デンプン(PD-1、旭化成)を流動層造粒機に仕込み、HPC溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末1を得た。整粒末1の組成比はニコチン酸アミド13.7%、リボフラビン4.1%、ピリドキシン塩酸塩17.2%、乳糖水和物7.2%、コーンスターチ36.8%、アルファー化デンプン13.7%、HPC7.2%であった。
さらにフルスルチアミン塩酸塩(三國製薬)、コーンスターチ、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)、サイリシア(富士シリシア)を流動層造粒機に仕込み、HPC溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末2を得た。整粒末2の組成比はフルスルチアミン塩酸塩77.4%、コーンスターチ8.6%、サイリシア0.4%、結晶セルロース6.4%、HPC7.2%であった。
得られた整粒末1:582g、整粒末2:282g、パントテン酸カルシウムタイプS(BASFジャパン)92.4g、VB12細粒(三菱ケミカルフーズ)13.2g、コーンスターチ129g、結晶セルロース30g、サイリシア5.7g、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)5.7gを混合し、打錠用混合末を得た。得られた打錠用混合末を素錠質量190mgになるようにロータリー式打錠機(AQU3、菊水製作所)にて8.3mmφの杵を用いて打錠し、厚み4.0mmの素錠を得た。
次いで、ヒプロメロース(信越化学工業)及び滅菌タルク(松村産業)を精製水に溶解又は分散した下掛け液と、エリスリトール(カーギルジャパン)、滅菌タルク、沈降炭酸カルシウム(日東粉化工業)、酸化チタン(石原産業)、結晶セルロース(セオラスPH-F20、旭化成)、アラビアゴム末(三栄薬品貿易)を精製水に溶解又は分散させたビルドアップコーティング液を用いてコーティング機(ドリアコーター、パウレック)にて各層1錠あたり10mg、80mgのコーティングを行い、さらに精製白糖(三井製糖)、エリスリトール、リボフラビンを精製水に溶解したシロップ液を用いて糖衣パン(菊水製作所)にて1錠あたり20mgの糖衣を施し、糖衣錠とした。
【0055】
(実施例11)
ニコチン酸アミド(ロンザジャパン)、リボフラビン(BASFジャパン)、ピリドキシン塩酸塩(BASFジャパン)、乳糖水和物(GranuLac 200、メグレ)、コーンスターチ(日本コーンスターチ)、アルファー化デンプン(PD-1、旭化成)を流動層造粒機に仕込み、HPC溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末1を得た。整粒末1の組成比はニコチン酸アミド13.7%、リボフラビン4.1%、ピリドキシン塩酸塩17.2%、乳糖水和物7.2%、コーンスターチ43.7%、アルファー化デンプン6.9%、HPC7.2%であった。
さらにフルスルチアミン塩酸塩(三國製薬)、コーンスターチ、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)、サイリシア(富士シリシア)を流動層造粒機に仕込み、HPC溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末2を得た。整粒末2の組成比はフルスルチアミン塩酸塩77.4%、コーンスターチ8.6%、サイリシア0.4%、結晶セルロース6.4%、HPC7.2%であった。
得られた整粒末1:582g、整粒末2:282g、パントテン酸カルシウムタイプS(BASFジャパン)92.4g、VB12細粒(三菱ケミカルフーズ)13.2g、コーンスターチ129g、結晶セルロース30g、サイリシア5.7g、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)5.7gを混合し、打錠用混合末を得た。得られた打錠用混合末を素錠質量190mgになるようにロータリー式打錠機(AQU3、菊水製作所)にて8.3mmφの杵を用いて打錠し、厚み4.0mmの素錠を得た。
次いで、ヒプロメロース(信越化学工業)及び滅菌タルク(松村産業)を精製水に溶解又は分散した下掛け液と、エリスリトール(カーギルジャパン)、滅菌タルク、沈降炭酸カルシウム(日東粉化工業)、酸化チタン(石原産業)、結晶セルロース(セオラスPH-F20、旭化成)、アラビアゴム末(三栄薬品貿易)を精製水に溶解又は分散させたビルドアップコーティング液を用いてコーティング機(ドリアコーター、パウレック)にて各層1錠あたり10mg、80mgのコーティングを行い、さらに精製白糖(三井製糖)、エリスリトール、リボフラビンを精製水に溶解したシロップ液を用いて糖衣パン(菊水製作所)にて1錠あたり20mgの糖衣を施し、糖衣錠とした。
【0056】
(比較例1)
ニコチン酸アミド(ロンザジャパン)、リボフラビン(BASFジャパン)、ピリドキシン塩酸塩(BASFジャパン)、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)を流動層造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、日本曹達)溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末1を得た。整粒末1の組成比はニコチン酸アミド11.1%、リボフラビン3.3%、ピリドキシン塩酸塩13.9%、結晶セルロース68.4%、HPC3.3%であった。
さらにフルスルチアミン塩酸塩(三國製薬)、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)を流動層造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末2を得た。整粒末2の組成比はフルスルチアミン塩酸塩60.6%、結晶セルロース35.4%、HPC4%であった。
得られた整粒末1:720g、整粒末2:360g、パントテン酸カルシウムタイプS(BASFジャパン)92.4g、VB12細粒(三菱ケミカルフーズ)13.2g、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)127.3g、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)6.6gを混合し、打錠用混合末を得た。得られた打錠用混合末を素錠質量220mgになるようにロータリー式打錠機(AQU3、菊水製作所)にて8.5mmφの杵を用いて打錠し、厚み4.7mmの素錠を得た。
次いで、ヒプロメロース(信越化学工業)及び滅菌タルク(松村産業)を精製水に溶解又は分散した下掛け液と、エリスリトール(カーギルジャパン)、滅菌タルク、沈降炭酸カルシウム(日東粉化工業)、酸化チタン(石原産業)、結晶セルロース(セオラスPH-F20、旭化成)、アラビアゴム末(三栄薬品貿易)を精製水に溶解又は分散させたビルドアップコーティング液を用いてコーティング機(ドリアコーター、パウレック)にて各層1錠あたり5mg、96mgのコーティングを行い、さらに精製白糖(三井製糖)、エリスリトール、リボフラビンを精製水に溶解したシロップ液を用いて糖衣パン(菊水製作所)にて1錠あたり24mgの糖衣を施し、糖衣錠とした。
【0057】
(比較例2)
ニコチン酸アミド(ロンザジャパン)、リボフラビン(BASFジャパン)、ピリドキシン塩酸塩(BASFジャパン)、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)、乳糖水和物(GranuLac 200、メグレ)、コーンスターチ(日本コーンスターチ)を流動層造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、日本曹達)溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末1を得た。整粒末1の組成比はニコチン酸アミド13.7%、リボフラビン4.1%、ピリドキシン塩酸塩17.2%、結晶セルロース51.5%、乳糖水和物7.2%、コーンスターチ2.5%、HPC3.8%であった。
さらにチアミン硝化物(渡辺ケミカル)、コーンスターチ、結晶セルロース(セオラスPH-101、旭化成)を流動層造粒機に仕込み、ヒドロキシプロピルセルロース溶液を噴霧することにより、造粒及び乾燥した後、整粒機(パワーミル)にて整粒し、整粒末2を得た。整粒末2の組成比はチアミン硝化物74.3%、コーンスターチ7.6%、結晶セルロース14.3%、HPC3.9%であった。
得られた整粒末1:582g、整粒末2:294g、パントテン酸カルシウムタイプS(BASFジャパン)92.4g、VB12細粒(三菱ケミカルフーズ)13.2g、コーンスターチ69g、結晶セルロース(セオラスPH-F20、旭化成)78g、サイリシア(富士シリシア)5.7g、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)5.7gを混合し、打錠用混合末を得た。得られた打錠用混合末を素錠質量190mgになるようにロータリー式打錠機(AQU3、菊水製作所)にて8.5mmφの杵を用いて打錠し、厚み4.2mmの素錠を得た。
次いで、ヒプロメロース(信越化学工業)及び滅菌タルク(松村産業)を精製水に溶解又は分散した下掛け液と、エリスリトール(カーギルジャパン)、滅菌タルク、沈降炭酸カルシウム(日東粉化工業)、酸化チタン(石原産業)、結晶セルロース(セオラスPH-F20、旭化成)、アラビアゴム末(三栄薬品貿易)を精製水に溶解又は分散させたビルドアップコーティング液を用いてコーティング機(ドリアコーター、パウレック)にて各層1錠あたり6mg、80mgのコーティングを行い、さらに精製白糖(三井製糖)、エリスリトール、リボフラビンを精製水に溶解したシロップ液を用いて糖衣パン(菊水製作所)にて1錠あたり20mgの糖衣を施し、糖衣錠とした。
【0058】
(試験例1)
糖衣錠の安定性(錠剤外観の評価)
実施例及び比較例の糖衣錠を60℃ガラス瓶密栓及び40℃75%RHガラス瓶開栓保存し、保存後に外観不良を起こした糖衣錠を摘出し良品残存率を算出した。外観不良とは錠剤側面部の糖衣層に亀裂が生じたものを指す。
【0059】
【0060】
比較例1及び比較例2では60℃密栓保存後の良品残存率はそれぞれ47.5%、0%であり、錠剤外観品質を著しく損なうことが確認された。その一方で、実施例1から実施例11ではいずれも外観不良が認められず、安定であることが確認された。
【0061】
【0062】
比較例1及び比較例2では40℃75%RHガラス瓶開栓保存後の良品残存率はそれぞれ0%、31.0%であり、錠剤外観品質を著しく損なうことが確認された。その一方で、実施例1から実施例11では良品残存率が80%以上と高く、安定であることが確認された。
【0063】