(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107351
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】予算データ生成装置、予算データ生成方法および予算データ生成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20230101AFI20240801BHJP
G06Q 40/12 20230101ALI20240801BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q40/12
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024094800
(22)【出願日】2024-06-12
(62)【分割の表示】P 2021013461の分割
【原出願日】2021-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村野 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
(57)【要約】
【課題】予算率を予めマスタに設定しておくことにより、案件(例えば、工事案件)についての予算データを自動で生成することができる予算データ生成装置、予算データ生成方法および予算データ生成プログラムの提供を課題とする。
【解決手段】本実施形態では、(1)部門と工種と商品と原価科目区分と原価科目毎の予算率とを含む予算率マスタと、工事番号と部門と工種と商品と契約金額とを含む契約データと、に基づいて、予算率マスタから、契約データ中の部門、工種および商品と紐づく原価科目区分および原価科目毎の予算率を取得し、(2)契約データ中の契約金額と、前記取得した原価科目毎の予算率と、に基づいて、原価科目毎の予算金額を算出し、(3)契約データ中の工事番号と、前記取得した原価科目区分と、前記算出した原価科目毎の予算金額と、を含む実行予算データを生成する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える予算データ生成装置であって、
前記制御部は、
案件を担当する部門を識別するための部門識別データと前記案件の種類を識別するための案件種類識別データと前記案件の遂行に必要な商品または役務を識別するための商品等識別データと原価科目を識別するための原価科目識別データと前記原価科目毎の予算率とを含む予算率マスタと、前記案件を識別するための案件識別データと前記部門識別データと前記案件種類識別データと前記商品等識別データと前記案件についての契約金額とを含む契約データと、に基づいて、前記予算率マスタから、前記契約データ中の前記部門識別データ、前記案件種類識別データおよび前記商品等識別データと同じものと紐づく原価科目識別データおよび前記原価科目毎の予算率を取得する予算率等取得手段と、
前記契約データ中の前記契約金額と、前記予算率等取得手段で取得した前記原価科目毎の予算率と、に基づいて、前記原価科目毎の予算金額を算出する予算金額算出手段と、
前記契約データ中の前記案件識別データと、前記予算率等取得手段で取得した前記原価科目識別データと、前記予算金額算出手段で算出した前記原価科目毎の予算金額と、を含む予算データを生成する予算データ生成手段と、
を備えること、
を特徴とする予算データ生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予算データ生成装置、予算データ生成方法および予算データ生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、定期点検工事予算作成支援システムおよび定期点検工事予算作成方法に関し、特に、高い精度で点検工事費用を見積もることができる定期点検工事予算作成支援システムおよび定期点検工事予算作成方法が開示されている(特許文献1の0001段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、例えば建設業等においては、上記特許文献1に記載のように工事の予算を把握する必要があるが、小工事等の件数が多い場合には、予算の入力は作業負担が大きいという問題があった。また、予算の入力がなされるまでは収支の予測を捉えることができず、結果として、経営数字の把握に時間がかかってしまうという問題もあった。要するに、従来においては、予算把握に関して、作業効率および把握できるタイミングの両面において課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、予算率を予めマスタに設定しておくことにより、案件(例えば、工事案件)についての予算データを自動で生成することができる予算データ生成装置、予算データ生成方法および予算データ生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る予算データ生成装置は、制御部を備える予算データ生成装置であって、前記制御部が、案件を担当する部門を識別するための部門識別データと前記案件の種類を識別するための案件種類識別データと前記案件の遂行に必要な商品または役務を識別するための商品等識別データと原価科目を識別するための原価科目識別データと前記原価科目毎の予算率とを含む予算率マスタと、前記案件を識別するための案件識別データと前記部門識別データと前記案件種類識別データと前記商品等識別データと前記案件についての契約金額とを含む契約データと、に基づいて、前記予算率マスタから、前記契約データ中の前記部門識別データ、前記案件種類識別データおよび前記商品等識別データと同じものと紐づく原価科目識別データおよび前記原価科目毎の予算率を取得する予算率等取得手段と、前記契約データ中の前記契約金額と、前記予算率等取得手段で取得した前記原価科目毎の予算率と、に基づいて、前記原価科目毎の予算金額を算出する予算金額算出手段と、前記契約データ中の前記案件識別データと、前記予算率等取得手段で取得した前記原価科目識別データと、前記予算金額算出手段で算出した前記原価科目毎の予算金額と、を含む予算データを生成する予算データ生成手段と、を備えること、を特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る予算データ生成装置は、前記契約データが、前記予算データの自動生成を行うか否かを設定するためのフラグを更に含み、前記予算率等取得手段、前記予算金額算出手段および前記予算データ生成手段が、前記フラグが前記予算データの自動生成を行うことを意味するものである場合に、処理を実行すること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る予算データ生成装置は、前記制御部が、前記予算金額算出手段で算出した前記原価科目毎の予算金額の合算額を算出し、前記契約金額から当該算出した合算額を差し引くことにより、前記契約データ中の前記案件識別データで特定される案件についての粗利額を算出する粗利額算出手段を更に備えること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る予算データ生成装置は、前記制御部が、前記契約金額と、前記粗利額算出手段で算出した粗利額と、に基づいて、前記特定される案件についての粗利率を算出する粗利率算出手段を更に備えること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る予算データ生成装置は、前記制御部が、前記契約金額と、前記案件識別データで特定される案件について入力された前記原価科目毎の実績金額と、に基づいて、前記契約金額に対して前記実績金額が占める率を前記原価科目毎に算出し、当該算出した率を、翌期の予算率として前記予算率マスタに格納する予算率算出手段を更に備えること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る予算データ生成装置は、前記案件が工事であり、前記案件識別データが、前記工事を識別するための工事識別データであり、前記案件種類識別データが、前記工事の種類を識別するための工種識別データであること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る予算データ生成方法は、制御部を備える情報処理装置で実行される予算データ生成方法であって、前記制御部で実行される、案件を担当する部門を識別するための部門識別データと前記案件の種類を識別するための案件種類識別データと前記案件の遂行に必要な商品または役務を識別するための商品等識別データと原価科目を識別するための原価科目識別データと前記原価科目毎の予算率とを含む予算率マスタと、前記案件を識別するための案件識別データと前記部門識別データと前記案件種類識別データと前記商品等識別データと前記案件についての契約金額とを含む契約データと、に基づいて、前記予算率マスタから、前記契約データ中の前記部門識別データ、前記案件種類識別データおよび前記商品等識別データと同じものと紐づく原価科目識別データおよび前記原価科目毎の予算率を取得する予算率等取得ステップと、前記契約データ中の前記契約金額と、前記予算率等取得ステップで取得した前記原価科目毎の予算率と、に基づいて、前記原価科目毎の予算金額を算出する予算金額算出ステップと、前記契約データ中の前記案件識別データと、前記予算率等取得ステップで取得した前記原価科目識別データと、前記予算金額算出ステップで算出した前記原価科目毎の予算金額と、を含む予算データを生成する予算データ生成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る予算データ生成プログラムは、制御部を備える情報処理装置に実行させるための予算データ生成プログラムであって、前記制御部に実行させるための、案件を担当する部門を識別するための部門識別データと前記案件の種類を識別するための案件種類識別データと前記案件の遂行に必要な商品または役務を識別するための商品等識別データと原価科目を識別するための原価科目識別データと前記原価科目毎の予算率とを含む予算率マスタと、前記案件を識別するための案件識別データと前記部門識別データと前記案件種類識別データと前記商品等識別データと前記案件についての契約金額とを含む契約データと、に基づいて、前記予算率マスタから、前記契約データ中の前記部門識別データ、前記案件種類識別データおよび前記商品等識別データと同じものと紐づく原価科目識別データおよび前記原価科目毎の予算率を取得する予算率等取得ステップと、前記契約データ中の前記契約金額と、前記予算率等取得ステップで取得した前記原価科目毎の予算率と、に基づいて、前記原価科目毎の予算金額を算出する予算金額算出ステップと、前記契約データ中の前記案件識別データと、前記予算率等取得ステップで取得した前記原価科目識別データと、前記予算金額算出ステップで算出した前記原価科目毎の予算金額と、を含む予算データを生成する予算データ生成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、予算率を予めマスタに設定しておくことにより、案件(例えば、工事案件)についての予算データを自動で生成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、予算データ生成装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、予算率マスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、予算データの自動生成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、自動生成された予算データの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、着工時の台帳データの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、竣工時の台帳データの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、前年度の実績に基づき見直した予算率が反映された予算率マスタの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、契約金額が変更された契約データの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、契約金額が変更された場合における、予算データの自動生成の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、契約金額が変更された場合における、自動生成された予算データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る予算データ生成装置、予算データ生成方法および予算データ生成プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0017】
[1.概要]
建設業においては工事毎の実行予算を作成する必要があるが、小工事などの件数が多い場合には、入力の手間がかかるという問題があった。また、積算を行い予算の入力を行うまでのタイムラグがあり、予算の入力がされるまでは収支の予測を捉えることができず、経営数字の把握に時間がかかるという問題もあった。
【0018】
そこで、本実施形態においては、例えば、工種毎かつ科目毎の予算率を予算率マスタ設定し、契約金額から自動的に実行予算データを作成できるようにした。前記科目とは、例えば、材料費、外注費、労務費および経費等である。前記予算率については、前年度の原価発生実績をもとに見直し、設定を行うことができる。
【0019】
これにより、本実施形態においては、例えば、原価率の変動が少ない工種の工事においては、予算の入力の手間を軽減し効率化をはかることができる。また、本実施形態においては、例えば、自動作成された予算からの変更がある場合は個別に予算入力より変更を行うことが可能であるが、自動作成で概算の予算情報を契約情報の入力時に作成することで、早期に工事別の収支予測を把握することが可能となる。つまり、本実施形態においては、例えば、実行予算の入力負荷低減だけでなく、工事収支の早期把握も同時に達成可能である。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0020】
[2.構成]
本実施形態に係る予算データ生成装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、予算データ生成装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
予算データ生成装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、予算データ生成装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0022】
予算データ生成装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。予算データ生成装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0023】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、予算データ生成装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、予算データ生成装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0024】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0025】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0026】
記憶部106は、例えば、予算率マスタ106aと、契約データ106bと、予算データ106cと、台帳データ106dと、を備えている。
【0027】
ここで、本実施形態に係る予算データ生成装置100は、予算の把握が必要なあらゆる業界および業種において広く適用可能であるが、以下においては、建設業に適用される場面を例にとって説明をする。
【0028】
予算率マスタ106aは、予算率を設定しておくためのマスタである。予算率マスタ106aは、
図2等に示すように、例えば、改定日と、案件を担当する部門を識別するための部門識別データ(
図2では「部門」)と、前記案件の種類を識別するための案件種類識別データ(
図2では「工種」)と、前記案件の遂行に必要な商品または役務を識別するための商品等識別データ(
図2では「商品」)と、原価科目を識別するための原価科目識別データ(
図2では「原価科目区分」)と、前記原価科目毎の予算率(
図2では「予算率」)と、等を含む。
【0029】
前記改定日は、契約データ106bにて有効となる日付である。契約データ106b中の工期の開始日が、予算率マスタ106a中の改定日以降である場合には、当該改定日に対応する予算率等を取得することができる。前記改定日は、例えば、前記予算率を改定するタイミングで登録される。
【0030】
前記案件種類識別データは、前記案件が工事である場合、前記工事の種類を識別するための工種識別データ(
図2では「工種」)である。
図2の予算率マスタ106aには、「K01:管工事」および「K02:設備工事」という2種類の前記工種識別データが例示されている。
【0031】
商品等識別データは、前記案件が工事である場合、前記工事で必要な商品や提供する役務を識別するためのデータ(
図2では「商品」)である。
図2の予算率マスタ106aには、「S001:工材」および「S002:労務」という2種類の前記商品等識別データが例示されている。
【0032】
前記原価科目区分は、原価の種類を識別するための区分(
図2では「原価科目区分」)である。
図2の予算率マスタ106aには、「G001:材料費」、「G002:外注費」、「G003:労務費」および「G004:経費」という4種類の前記原価科目区分が例示されている。
【0033】
前記予算率は、後述する契約データ106b中の契約金額を各々の前記原価科目に配分する際の率である。前記予算率は、前記改定日、前記部門識別データ、前記案件種類識別データおよび前記商品等識別データの組合せ単位で、前記原価科目区分毎に設定される。例えば、
図2の予算率マスタ106aにおいては、改定日「2020/4/1」、前記部門識別データ「0001:A営業所」、前記案件種類識別データ「K01:管工事」および前記商品等識別データ「S002:労務」という組合せに対しては、前記原価科目区分「G002:外注費」について前記予算率30%、前記原価科目区分「G003:労務費」について前記予算率20%、前記原価科目区分「G004:経費」について前記予算率15%が設定されている。このように前記予算率を前記原価科目区分毎に設定することで、本実施形態においては、前記原価科目区分毎の予算金額を自動で算出することができる。
【0034】
契約データ106bは、契約情報入力またはデータ取込により生成される、前記案件の契約情報を管理するためのデータである。契約データ106bは、
図3等に示すように、例えば、前記案件を識別するための案件識別データ(
図3では「工事番号」)と、前記部門識別データ(
図3では「部門」)と、工事の工期(
図3では、「工期」)と、前記案件種類識別データ(
図3では「工種」)と、後述する予算データ106cの自動生成を行うか否かを設定するためのフラグ(
図3では「予算自動作成FLG」)と、明細行と、前記商品等識別データ(
図3では「商品」)と、前記案件についての契約金額(
図3では「契約金額」)と、等を含む。
【0035】
前記案件識別データは、前記案件が工事である場合、前記工事を識別するための工事識別データ(
図3では「工事番号」)である。
【0036】
前記フラグの設定について説明する。契約データ106bを予算自動作成の対象とする場合には、前記フラグは、
図3に示すように「ON」に設定される。これに対して、契約データ106bを予算自動作成の対象としない場合には、前記フラグは、図示しないが「OFF」に設定される。
【0037】
前記契約金額は、前記工事識別データ、前記部門識別データ、前記工期および前記案件種類識別データの組合せ単位で、前記商品等識別データ毎に設定される。例えば、
図3の契約データ106bにおいては、前記工事識別データ「PJ0001:〇〇工事」、前記部門識別データ「0001:A営業所」、前記工期「2020/5/1~2020/9/30」および前記案件種類識別データ「K01:管工事」という組合せに対しては、前記商品等識別データ「S001:工材」について前記契約金額2,000,000円、前記商品等識別データ「S002:労務」について前記契約金額1,000,000円が設定されている。
【0038】
予算データ106cは、本実施形態において自動生成される予算情報のデータである。予算データ106cは、
図5等に示すように、例えば、前記案件識別データ(
図5では「工事番号」)と、前記原価科目識別データ(
図5では「原価科目区分」)と、後述する予算金額算出部102bで算出可能な前記原価科目毎の予算金額(
図5では「予算金額」)と、等を含む。
【0039】
台帳データ106dは、前記案件に関する予算情報および実績情報を管理する台帳のデータである。台帳データ106dは、
図6等に示すように、例えば、前記案件識別データ(
図6では「工事番号」)と、前記部門識別データ(
図6では「部門」)と、前記工期(
図6では「工期」)と、前記案件種類識別データ(
図6では「工種」)と、前記契約金額(
図6では「契約金額」)と、前記原価科目区分毎の予算金額(
図6では「予算材料費」、「予算外注費」、「予算労務費」および「予算経費」)と、当該予算金額の合算額(
図6では「予算計」)と、前記案件についての粗利額であって予算情報に基づくもの(
図6では「予算粗利」)と、前記案件についての粗利率あって予算情報に基づくもの(
図6では「予算粗利率」)と、前記原価科目区分毎の実績金額(
図6では「実績材料費」、「実績外注費」、「実績労務費」および「実績経費」)と、当該実績金額の合算額(
図6では「実績原価計」)と、前記案件についての粗利額であって実績情報に基づくもの(
図6では、「実績粗利」)と、前記案件についての粗利率あって実績情報に基づくもの(
図6では「実績粗利率」)と、等を含む。
【0040】
制御部102は、予算データ生成装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0041】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)案件を担当する部門を識別するための部門識別データと前記案件の種類を識別するための案件種類識別データと前記案件の遂行に必要な商品または役務を識別するための商品等識別データと原価科目を識別するための原価科目識別データと前記原価科目毎の予算率とを含む予算率マスタと、前記案件を識別するための案件識別データと前記部門識別データと前記案件種類識別データと前記商品等識別データと前記案件についての契約金額とを含む契約データと、に基づいて、前記予算率マスタから、前記契約データ中の前記部門識別データ、前記案件種類識別データおよび前記商品等識別データと同じものと紐づく原価科目識別データおよび前記原価科目毎の予算率を取得する予算率等取得手段としての予算率等取得部102aと、(2)前記契約データ中の前記契約金額と、前記予算率等取得手段で取得した前記原価科目毎の予算率と、に基づいて、前記原価科目毎の予算金額を算出する予算金額算出手段としての予算金額算出部102bと、(3)前記契約データ中の前記案件識別データと、前記予算率等取得手段で取得した前記原価科目識別データと、前記予算金額算出手段で算出した前記原価科目毎の予算金額と、を含む予算データを生成する予算データ生成手段としての予算データ生成部102cと、(4)前記予算金額算出手段で算出した前記原価科目毎の予算金額の合算額を算出し、前記契約金額から当該算出した合算額を差し引くことにより、前記契約データ中の前記案件識別データで特定される案件についての粗利額を算出する粗利額算出手段としての粗利額算出部102dと、(5)前記契約金額と、前記粗利額算出手段で算出した粗利額と、に基づいて、前記特定される案件についての粗利率を算出する粗利率算出手段としての粗利率算出部102eと、(6)前記契約金額と、前記案件識別データで特定される案件について入力された前記原価科目毎の実績金額と、に基づいて、前記契約金額に対して前記実績金額が占める率を前記原価科目毎に算出し、当該算出した率を、翌期の予算率として前記予算率マスタに格納する予算率算出手段としての予算率算出部102fと、を備えている。
【0042】
予算率等取得部102aは、前記部門識別データと前記案件種類識別データと前記商品等識別データと前記原価科目識別データと前記原価科目毎の予算率とを含む予算率マスタ106aと、前記案件識別データと前記部門識別データと前記案件種類識別データと前記商品等識別データと前記案件についての契約金額とを含む契約データ106bと、に基づいて、予算率マスタ106aから、契約データ106b中の前記部門識別データ、前記案件種類識別データおよび前記商品等識別データと同じものと紐づく原価科目識別データおよび前記原価科目毎の予算率を取得する。
【0043】
予算金額算出部102bは、契約データ106b中の前記契約金額と、予算率等取得部102aで取得した前記原価科目毎の予算率と、に基づいて、前記原価科目毎の予算金額を算出する。
【0044】
予算データ生成部102cは、契約データ106b中の前記案件識別データと、予算率等取得部102aで取得した前記原価科目識別データと、予算金額算出部102bで算出した前記原価科目毎の予算金額と、を含む予算データ106cを生成する。
【0045】
予算率等取得部102a、予算金額算出部102bおよび予算データ生成部102cは、契約データ106b中の前記フラグ(予算自動作成FLG)が予算データ106cの自動生成を行うことを意味するもの(「ON」)である場合にのみ処理を実行するように制御されてもよい。
【0046】
粗利額算出部102dは、予算金額算出部102bで算出した前記原価科目毎の予算金額の合算額を算出し、前記契約金額から当該算出した合算額を差し引くことにより、契約データ106b中の前記案件識別データで特定される案件についての粗利額を算出する。
【0047】
粗利率算出部102eは、前記契約金額と、粗利額算出部102dで算出した粗利額と、に基づいて、前記特定される案件についての粗利率を算出する。
【0048】
予算率算出部102fは、前記契約金額と、前記案件識別データで特定される案件について入力された前記原価科目毎の実績金額と、に基づいて、前記契約金額に対して前記実績金額が占める率を前記原価科目毎に算出し、当該算出した率を、翌期の予算率として予算率マスタ106aに格納する。
【0049】
[3.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例を説明する。
【0050】
[3-1.予算データの生成]
本項目では、予算データの生成について、
図2~
図5を用いて説明する。本項目における説明の前提として、予算率マスタ106aは、
図2に示す内容で予め登録されているものとし、また、契約データ106bは、入力またはデータ取込により、
図3に示す内容で予め登録されているものとする。なお、
図4に示す予算率マスタ106aおよび契約データ106bの内容は、
図2および
図3に示すものと同様である。
【0051】
本例においては、
図3に示すように、契約データ106b中の予算自動作成FLGが「ON」であるため、予算率等取得部102a、予算金額算出部102bおよび予算データ生成部102cは、以下のようにして処理を実行する。
【0052】
(1)予算率等取得処理
図4の契約データ106bを参照すると、1行目の明細は、「工事:〇〇工事、部門:A営業所、工期:2020/5/1~2020/9/30、工種:管工事、商品:工材、契約金額:2,000,000円」という情報を含む。一方で、
図4の予算率マスタ106aを参照すると、1行目の明細が、同じ部門、工種および商品の情報を含み、かつ、前記工期の開始日:2020/5/1は改定日:2020/4/1以降であるため、予算率等取得部102aは、
図4の予算率マスタ106aから、1行目の明細中の原価科目区分:材料費および予算率90%を取得する。つまり、商品:工材についての契約金額:2,000,000円の予算の分配は、材料費に対して予算率90%ということである。
【0053】
また、
図4の契約データ106bを参照すると、2行目の明細は、「工事:〇〇工事、部門:A営業所、工期:2020/5/1~2020/9/30、工種:管工事、商品:労務、契約金額:1,000,000円」という情報を含む。一方で、
図4の予算率マスタ106aを参照すると、2~4行目の明細が、同じ部門、工種および商品の情報を含み、かつ、前記工期の開始日:2020/5/1は改定日:2020/4/1以降であるため、予算率等取得部102aは、
図4の予算率マスタ106aから、2行目の明細中の原価科目区分:外注費および予算率30%、3行目の明細中の原価科目区分:労務費および予算率20%、ならびに、4行目の明細中の原価科目区分:経費および予算率15%を取得する。つまり、商品:労務についての契約金額:1,000,000円の予算の分配は、外注費に対して予算率30%、労務費に対して予算率20%、経費に対して予算率15%ということである。
【0054】
(2)予算金額算出処理
(1)で述べたように、商品:工材についての契約金額:2,000,000円の予算の分配は、材料費に対して予算率90%である。このため、予算金額算出部102bは、材料費についての予算金額を2,000,000円×90%=1,800,000円と算出する。
【0055】
また、(1)で述べたように、商品:労務についての契約金額:1,000,000円の予算の分配は、外注費に対して予算率30%、労務費に対して予算率20%、経費に対して予算率15%である。このため、予算金額算出部102bは、外注費についての予算金額を1,000,000円×30%=300,000円と算出し、労務費についての予算金額を1,000,000円×20%=200,000円と算出し、経費についての予算金額を1,000,000円×15%=150,000円と算出する。
【0056】
(3)予算データ生成処理
最後に、予算データ生成部102cは、契約データ106a中の工事「〇〇工事」と、(1)において予算率等取得部102aで取得した原価科目区分「材料費、外注費、労務費、経費」と、(2)において予算金額算出部102bで算出した予算金額「材料費についての1,800,000円、外注費についての300,000円、労務費についての200,000円、経費についての150,000円」と、を含む
図5に示す予算データ106cを生成する。
【0057】
[3-2.収支の確認]
本項目では、収支の確認の仕方について、
図6および
図7を用いて説明する。[3-1]において算出した予算金額および入力された実績金額は、工事台帳(台帳データ106d)から確認することが可能である。また、台帳データ106dには、粗利額算出部102dおよび粗利率算出部102eが算出した値が格納されている。以下、台帳データ106dの内容を、着工時と竣工時に分けて説明する。
【0058】
(1)着工時の台帳データ106dの内容
工事の着工時においては、
図6に示すように、台帳データ106d中の予算材料費、予算外注費、予算労務費および予算経費として、[3-1]の(2)で算出した材料費についての予算金額1,800,000円、外注費についての予算金額300,000円、労務費についての予算金額200,000円および経費についての予算金額150,000円が格納されている。また、
図6の台帳データ106d中の契約金額3,000,000円は、[3-1]の(1)で説明した商品:工材についての契約金額:2,000,000円と商品:労務についての契約金額:1,000,000円の合算額である。
【0059】
ここで、
図6の台帳データ106d中の予算計2,450,000円は、「予算材料費1,800,000円+予算外注費300,000円+予算労務費200,000円+予算経費150,000円」という計算式により算出されたものである。また、
図6の台帳データ106d中の予算粗利550,000円は、粗利額算出部102dが、「合算の契約金額3,000,000円-予算計2,450,000円」という計算式により算出したものである。そして、
図6の台帳データ106d中の予算粗利率18.3%は、粗利率算出部102eが、「予算粗利550,000円÷合算の契約金額3,000,000円×100」という計算式により算出したものである。
【0060】
なお、工事の着工時(契約時点)においては、原価は発生していないため、
図6の台帳データ106dに示すように、実績材料費、実績外注費、実績労務費、実績経費および実績原価計は0円である。
【0061】
このように、工事の着工時に台帳データ106dを参照することにより、収支予測の確認をすることができる。
【0062】
(2)竣工時の台帳データ106dの内容
工事の竣工時(完成時)においては、
図7に点線の四角で囲んで示すように、実績の金額として、本例では、実績材料費1,500,000円、実績外注費400,000円、実績労務費300,000円および実績経費150,000円が入力される。
【0063】
ここで、
図7の台帳データ106d中の実績原価計2,350,000円は、「実績材料費1,500,000円+実績外注費400,000円+実績労務費300,000円+実績経費150,000円」という計算式により算出されたものである。また、
図7の台帳データ106d中の実績粗利650,000円は、粗利額算出部102dが、「合算の契約金額3,000,000円-実績原価計2,350,000円」という計算式により算出したものである。そして、
図7の台帳データ106d中の予算粗利率21.6%は、粗利率算出部102eが、「実績粗利650,000円÷合算の契約金額3,000,000円×100」という計算式により算出したものである。
【0064】
このように、工事が進捗し原価が発生した場合においても、台帳データ106dを参照することにより、実績の数字を確認することができる。
【0065】
[3-3.予算率の見直し]
本項目では、予算率の見直しについて、
図8を用いて説明する。[3-2]で算出した原価実績の金額を集計することにより、翌年度の予算率を見直し、当該見直した予算率を予算率マスタ106aに登録することができる。
【0066】
具体的には、[3-1]の(1)で説明したように、商品:工材についての契約金額は2,000,000円である。一方で、[3-2]の(2)で説明したように、実績材料費は1,500,000円である。この場合、予算率算出部102fは、材料費についての予算率を、「1,500,000円÷2,000,000円×100」という計算式により、75%と算出する。
【0067】
また、[3-1]の(1)で説明したように、商品:労務についての契約金額は1,000,000円である。一方で、[3-2]の(2)で説明したように、実績外注費は400,000円、実績労務費は300,000円、実績経費は150,000円である。この場合、予算率算出部102fは、外注費についての予算率を「400,000円÷1,000,000円×100」という計算式により40%と算出し、労務費についての予算率を「300,000円÷1,000,000円×100」という計算式により30%と算出し、経費についての予算率を「150,000円÷1,000,000円×100」という計算式により15%と算出する。
【0068】
そして、予算率算出部102fは、当該算出した材料費についての予算率75%、外注費についての予算率40%、労務費についての予算率30%および経費についての予算率15%を、
図8の予算率マスタ106aに点線の四角で囲んで示すように、翌年度である2021/4/1の予算率として格納する。
【0069】
[3-4.変更後の契約金額に基づく予算データ106cの生成および予算金額の修正]
本項目では、変更後の契約金額に基づく予算データ106cの生成および予算金額の修正について、
図9~
図12を用いて説明する。
【0070】
(1)変更後の契約金額に基づく予算データ106cの生成
図9の契約データ106bに示すように、入力またはデータ取込により、商品:工材についての契約金額が2,000,000円から2,500,000円に修正され、商品:労務についての契約金額が1,000,000円から1,500,000円に修正されたとする。このように契約金額が修正された場合においても、予算率等取得部102a、予算金額算出部102bおよび予算データ生成部102cは、変更後の契約金額に基づいて、[3-1]で説明した処理と同様の処理を行う。詳細な説明は割愛するが、予算データ106cの生成の過程を
図10に示し、生成された予算データ106cを
図11に示す。
【0071】
(2)予算金額の修正
(1)で生成された予算データ106cの予算金額は、オペレータが個別に予算入力を行うことで修正可能である。
図12には、自動算出された材料費についての予算金額2,250,000円が、オペレータにより入力された材料費についての予算金額2,500,000円に修正され、自動算出された外注費についての予算金額450,000円が、オペレータにより入力された外注費についての予算金額400,000円に修正された予算データ106cを示している。
【0072】
[4.本実施形態のまとめ]
本実施形態に係る予算データ生成装置100によれば、[3-1]で説明したように、予算率を予め予算率マスタ106aに設定しておくことにより、案件(例えば、工事案件)についての予算データ106cを自動で生成することができる。これにより、例えば、予算の入力の作業負担を軽減し、また、予算の入力される前のタイミング(例えば、契約情報の入力時という早いタイミング)で予算金額を把握することが可能となる。
【0073】
また、本実施形態に係る予算データ生成装置100によれば、[3-2]で説明したように、予算および実績の両方についての粗利額および粗利率を、台帳データ106dから確認することができる。
【0074】
そして、本実施形態に係る予算データ生成装置100によれば、[3-3]で説明したように、前年度の実績金額に基づいて算出した予算率を翌年度の予算率として予算率マスタ106aに設定することができるため、翌年度に自動算出する予算金額を実態とより近い数値にすることができる。
【0075】
更に、本実施形態に係る予算データ生成装置100によれば、[3-4]で説明したように、予算データ106c中の自動算出された予算金額を、オペレータが必要に応じて手動で修正することができるので、予算金額を個別に修正する等の柔軟な対応が可能となる。
【0076】
[5.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0077】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0078】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0079】
[6.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0080】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0081】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0082】
また、予算データ生成装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0083】
例えば、予算データ生成装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて予算データ生成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0084】
また、このコンピュータプログラムは、予算データ生成装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0085】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0086】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0087】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0088】
また、予算データ生成装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、予算データ生成装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0089】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、例えば、建設業界全般において有用であるが、特に、設備工事業等の小工事割合が高い業界においては極めて有用である。
【符号の説明】
【0091】
100 予算データ生成装置
102 制御部
102a 予算率等取得部
102b 予算金額算出部
102c 予算データ生成部
102d 粗利額算出部
102e 粗利率算出部
102f 予算率算出部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 予算率マスタ
106b 契約データ
106c 予算データ
106d 台帳データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
【手続補正書】
【提出日】2024-06-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える予算データ生成装置であって、
前記制御部は、
案件を担当する部門を識別するための部門識別データと前記案件の種類を識別するための案件種類識別データと前記案件の遂行に必要な商品または役務を識別するための商品等識別データと原価科目を識別するための原価科目識別データと前記原価科目毎の予算率と改定日とを含む予算率マスタと、前記案件を識別するための案件識別データと前記部門識別データと前記案件種類識別データと前記商品等識別データと前記案件についての契約金額と前記案件の遂行期間の開始日とを含む契約データと、に基づいて、前記予算率マスタから、前記契約データ中の前記部門識別データ、前記案件種類識別データおよび前記商品等識別データと同じものと紐づき且つ前記契約データ中の前記開始日以前の前記改定日と紐づく原価科目識別データおよび前記原価科目毎の予算率を取得する予算率等取得手段と、
前記契約データ中の前記契約金額と、前記予算率等取得手段で取得した前記原価科目毎の予算率と、に基づいて、前記原価科目毎の予算金額を算出する予算金額算出手段と、
前記契約データ中の前記案件識別データと、前記予算率等取得手段で取得した前記原価科目識別データと、前記予算金額算出手段で算出した前記原価科目毎の予算金額と、を含む予算データを生成する予算データ生成手段と、
を備えること、
を特徴とする予算データ生成装置。
【請求項2】
前記契約データは、前記予算データの自動生成を行うか否かを設定するためのフラグを更に含み、
前記予算率等取得手段、前記予算金額算出手段および前記予算データ生成手段は、前記フラグが前記予算データの自動生成を行うことを意味するものである場合に、処理を実行すること、
を特徴とする請求項1に記載の予算データ生成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記予算金額算出手段で算出した前記原価科目毎の予算金額の合算額を算出し、前記契約金額から当該算出した合算額を差し引くことにより、前記契約データ中の前記案件識別データで特定される案件についての粗利額を算出する粗利額算出手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項1または2に記載の予算データ生成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記契約金額と、前記粗利額算出手段で算出した粗利額と、に基づいて、前記特定される案件についての粗利率を算出する粗利率算出手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項3に記載の予算データ生成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記契約金額と、前記案件識別データで特定される案件について入力された前記原価科目毎の実績金額と、に基づいて、前記契約金額に対して前記実績金額が占める率を前記原価科目毎に算出し、当該算出した率を、翌期の予算率として前記予算率マスタに格納する予算率算出手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の予算データ生成装置。
【請求項6】
前記案件が工事であり、
前記案件識別データが、前記工事を識別するための工事識別データであり、
前記案件種類識別データが、前記工事の種類を識別するための工種識別データであること、
を特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の予算データ生成装置。
【請求項7】
制御部を備える情報処理装置で実行される予算データ生成方法であって、
前記制御部で実行される、
案件を担当する部門を識別するための部門識別データと前記案件の種類を識別するための案件種類識別データと前記案件の遂行に必要な商品または役務を識別するための商品等識別データと原価科目を識別するための原価科目識別データと前記原価科目毎の予算率と改定日とを含む予算率マスタと、前記案件を識別するための案件識別データと前記部門識別データと前記案件種類識別データと前記商品等識別データと前記案件についての契約金額と前記案件の遂行期間の開始日とを含む契約データと、に基づいて、前記予算率マスタから、前記契約データ中の前記部門識別データ、前記案件種類識別データおよび前記商品等識別データと同じものと紐づき且つ前記契約データ中の前記開始日以前の前記改定日と紐づく原価科目識別データおよび前記原価科目毎の予算率を取得する予算率等取得ステップと、
前記契約データ中の前記契約金額と、前記予算率等取得ステップで取得した前記原価科目毎の予算率と、に基づいて、前記原価科目毎の予算金額を算出する予算金額算出ステップと、
前記契約データ中の前記案件識別データと、前記予算率等取得ステップで取得した前記原価科目識別データと、前記予算金額算出ステップで算出した前記原価科目毎の予算金額と、を含む予算データを生成する予算データ生成ステップと、
を含むこと、
を特徴とする予算データ生成方法。
【請求項8】
制御部を備える情報処理装置に実行させるための予算データ生成プログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
案件を担当する部門を識別するための部門識別データと前記案件の種類を識別するための案件種類識別データと前記案件の遂行に必要な商品または役務を識別するための商品等識別データと原価科目を識別するための原価科目識別データと前記原価科目毎の予算率と改定日とを含む予算率マスタと、前記案件を識別するための案件識別データと前記部門識別データと前記案件種類識別データと前記商品等識別データと前記案件についての契約金額と前記案件の遂行期間の開始日とを含む契約データと、に基づいて、前記予算率マスタから、前記契約データ中の前記部門識別データ、前記案件種類識別データおよび前記商品等識別データと同じものと紐づき且つ前記契約データ中の前記開始日以前の前記改定日と紐づく原価科目識別データおよび前記原価科目毎の予算率を取得する予算率等取得ステップと、
前記契約データ中の前記契約金額と、前記予算率等取得ステップで取得した前記原価科目毎の予算率と、に基づいて、前記原価科目毎の予算金額を算出する予算金額算出ステップと、
前記契約データ中の前記案件識別データと、前記予算率等取得ステップで取得した前記原価科目識別データと、前記予算金額算出ステップで算出した前記原価科目毎の予算金額と、を含む予算データを生成する予算データ生成ステップと、
を含むこと、
を特徴とする予算データ生成プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】