(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107377
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】注入液容器および別の注入瓶と共に使用される望遠鏡式瓶アダプターを備えた輸液装置
(51)【国際特許分類】
A61J 1/20 20060101AFI20240801BHJP
A61M 5/14 20060101ALI20240801BHJP
A61M 5/162 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
A61J1/20 314Z
A61M5/14 582
A61M5/162 500Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024095277
(22)【出願日】2024-06-12
(62)【分割の表示】P 2022203003の分割
【原出願日】2018-12-03
(31)【優先権主張番号】256074
(32)【優先日】2017-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(31)【優先権主張番号】260220
(32)【優先日】2018-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(71)【出願人】
【識別番号】518123372
【氏名又は名称】ウェスト ファーマ サービシーズ イスラエル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】ファブリカント・エリシャバ
(72)【発明者】
【氏名】デネンバーグ・イゴール
(72)【発明者】
【氏名】レフ・アミール
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・ウリ
(57)【要約】
【課題】注入薬液の投与を更に簡単化することのできる輸液装置を提供する。
【解決手段】輸液装置は、瓶アダプター、点滴スパイク、代替点滴ポートホルダー、流れ制御部材、およびラッチ機構を備えている。瓶アダプターは、注入瓶の栓に穴を開けるための穿刺カニューレを含む。代替点滴ポートホルダーは、代替点滴ポートを収めるための部分である。流れ制御部材は、穿刺カニューレと点滴スパイクとの間で流れを可能にする混合位置へも、点滴スパイクと代替点滴ポートホルダーとの間で流れを可能にすると共に穿刺カニューレを密封する投与位置へも、移動するように構成されている。代替点滴ポートホルダーは点滴スパイクの縦方向の中心線と同じ方向に伸びている。ラッチ機構は、流れ制御部材の回転を防ぐように構成されている。
【選択図】
図9B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点滴バッグに挿入されるように構成されている点滴スパイクと、
代替点滴ポートホルダーと、
瓶アダプター支持具と、
流れ制御部材ポートと
を含む三叉の点滴スパイク本体と、
注入瓶の栓に穴を開けるための穿刺カニューレを含み、前記瓶アダプター支持具によって支持されている瓶アダプターと、
前記代替点滴ポートホルダーに収容されている代替点滴ポートと、
前記流れ制御部材ポートに収容されており、前記穿刺カニューレと前記点滴スパイクとの間で流れを可能にする混合位置へも、前記点滴スパイクと前記代替点滴ポートホルダーとの間で流れを可能にすると共に前記穿刺カニューレを密封する投与位置へも、移動するように構成されている流れ制御部材と、
前記流れ制御部材の回転を防ぐように構成されているラッチ機構と
を備えた輸液装置であって、
前記代替点滴ポートホルダーは、前記点滴スパイクと同じ直線上に伸びており、
前記穿刺カニューレは前記点滴スパイクに対し、90°よりも大きい角度で斜めに傾いている
ことを特徴とする輸液装置。
【請求項2】
前記瓶アダプターが、
前記ラッチ機構を解放するように構成されているラッチ解放部材
を含む、請求項1に記載の輸液装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具全般に関し、特に、注入液容器と別の注入瓶と共に使用される輸液装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、注入液容器および別の注入瓶と共に使用される輸液装置が開示されている。この輸液装置は、患者に投与される注入薬液を注入液容器の中に準備するのを容易にする。注入液容器の形は、バッグ、ボトル等がありうる。注入液容器には注入液が収められており、点滴ポートまたは投与ポートが備えられている。特許文献1の
図4、
図5が示す輸液装置を、以下、特許文献1の輸液装置と呼ぶ。特許文献1の
図6には別の輸液装置が、
図7には更に別の輸液装置が示されている。
【0003】
特許文献1の輸液装置は、点滴スパイク、瓶アダプターポート、およびねじ切りの代替点滴ポートを備えた三叉のコネクタを含む。点滴スパイクは点滴ポートに挿入されて密封される。瓶アダプターポートは瓶アダプターと一体化している。瓶アダプターは、注入瓶と連通するようにその瓶の上に、望遠鏡のようにスナップフィットで取り付けられる。ねじ切りの代替点滴ポートは隔壁を含む。この隔壁は初めは密封されており、注入セットの点滴スパイクが挿入されることにより穴が開けられる。点滴スパイクは管腔を1つだけ含み、瓶アダプターポートは管腔を1つだけ含み、ねじ切りの代替点滴ポートは管腔を1つだけ含む。これら3つの管腔は、注入薬液が注入液容器に次のステップで準備されるように、流れを三方へ向けて連続的に通す。
【0004】
ステップ1:輸液装置の瓶アダプターを別の注入瓶の上に、望遠鏡のようにスナップフィットで取り付ける。
ステップ2:輸液装置の点滴スパイクを注入液容器の点滴ポートへ挿入して、注入液容器と別の注入瓶との間に直通の流路を開く。
ステップ3:注入液容器と別の注入瓶との間で液状内容物を何度も繰り返し往き来させて注入瓶の薬剤を混ぜ、または再構成し、注入液容器の中で注入薬液を形成する。
ステップ4:輸液装置の代替点滴ポートを開いて、その中へ注入セットの点滴スパイクを挿入し、注入液容器と注入セットとの間に直通の流路を開く。注入セットは、注入薬液を注入液容器から患者へ重力で流すように準備されている。
注入薬液の投与を更に簡単化することは、更に便利であるだろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2015/019343号
【特許文献2】国際公開第2018/178971号
【特許文献3】国際公開第2018/104930号
【発明の概要】
【0006】
本発明は、上記の特許文献1の輸液装置と同様な輸液装置を対象とする。本発明の輸液装置は前者とは次のように異なる。この輸液装置は回転式の栓機構(すなわち流れ制御部材)を含む。この栓機構は、点滴スパイク、瓶アダプター、およびその瓶アダプターに付いているねじ切りの代替点滴ポートの間で流れを制御する。輸液装置は望遠鏡式瓶アダプターと一体化している。この瓶アダプターは注入瓶の上にスナップフィットで望遠鏡のように取り付け可能であり、続いて圧縮されると初めて、注入瓶の栓に穴を開ける。輸液装置はラッチ機構を含んでいても良い。このラッチ機構は、瓶アダプターが前圧縮状態にあるとき、栓機構が3つの位置の間で回転するのを防ぐ。瓶アダプターは安全捕獲機構を含む。この安全捕獲機構は、前圧縮状態から圧縮状態へと誤って圧縮されるのを防ぐ。安全捕獲機構には、それを解放するユーザーの操作が必要である。ユーザーの解放操作には好ましくは、安全捕獲器の取り外しが含まれる。特許文献2には、その他の安全捕獲機構が開示されている。瓶アダプターはまた、圧縮状態にあるとき、自身を不可逆に締め付ける締付機構を含む。本発明の輸液装置は、ねじ切りの代替点滴ポートを含むものには限られない。たとえば、次のような代替点滴ポートを同様に備えていてもよい。この代替点滴ポートを開いてその中へ注入セットの点滴スパイクを挿入するには、壊れやすい部品を破壊する必要がある。
【0007】
栓機構が2つの位置の間で回転する場合、それらの位置には次のものが含まれる。混合位置(または再構成位置)は、点滴スパイクと瓶アダプターポートとの間で流れを可能にして注入薬液を準備するための位置である。投与位置は、点滴スパイクと代替点滴ポートとの間で流れを可能にして注入薬液を投与するための位置である。その他に、点滴スパイクを密封する(すなわち、点滴スパイク、瓶アダプターポート、および代替点滴ポートの間で流れを堰き止める)ための位置が与えられていても良い。この位置は、混合位置の前の初期位置として利用可能である。
【0008】
栓機構が3つの位置の間で回転する場合、それらの位置には次のものが含まれる。最初の設定位置は、点滴スパイクを密封するための位置である。中間の準備位置は、点滴スパイクと瓶アダプターポートとの間で流れを可能にして注入薬液を準備するための位置である。最後の投与位置は、点滴スパイクと代替点滴ポートとの間で流れを可能にして注入薬液を投与するための位置である。栓機構はL字形の流れ制御部材を含む。この流れ制御部材はシャフトとレバーとを含み、回転軸のまわりで回転する。流れ制御部材は標準的な仕様に従い、密封されたポートをレバーで示す。栓機構は、最初の設定位置から中間の準備位置を経て最後の投与位置まで、一方向に回転可能である。ただし、医療サービス提供者が誤って準備を省略し、栓機構を設定位置から投与位置へ、準備位置に止めることなく回転させるかもしれない。したがって、栓機構は最後の投与位置から最初の設定位置へは回転可能である。
【0009】
輸液装置では、好ましくは特許文献3に開示されたように、望遠鏡のような一体型瓶アダプターがスナップフィットで取り付けられた後、ユーザーによって圧縮されて注入瓶の栓に穴を開ける前に、瓶アダプターから穴の開いていない無傷の注入瓶をすぐに取り外すことができる。このような取り外しにより、そうでなければ、注入薬液の準備が早すぎて注入薬液をもはや患者へ投与する必要がなくなった場合に注入瓶を無駄にしてしまうということを防ぐことができる。このような取り外しは、好ましくは、ペンチのように挟んで圧縮することで達成される。ペンチのように挟んで圧縮することは、無傷の注入瓶を解放するための器具によって実行可能である。この器具は一対の内向きの突起を備えており、ペンチのような手工具、またはユーザーが操作する電動器具として構成可能である。この器具を使って、穴の開いていない無傷の注入瓶を取り外すようにすれば、手で取り外すのとは異なり、権限のある医療サービス提供者だけが注入瓶を取り外すことができる。
発明は添付の請求の範囲に定義されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
発明を理解し、それが実際上どのように実行可能であるかを知る目的で、好ましい実施形態を以下、添付の図面を参照して説明する。この説明は、発明を限定することなく、例示するためのものである。図面では、同様な部分に同様な番号を付している。
【0011】
【
図1】注入バッグ、特許文献1の輸液装置、注入瓶、および注入セットを含む従来の投与セットの斜視図である。
【
図1A】
図1の線分1A-1Aに沿った注入瓶の縦断面図である。
【
図2B】
図2Aの線分2B-2Bに沿った特許文献1の輸液装置の縦断面図である。
【
図3】発明の第1実施形態による輸液装置の正面斜視図である。この輸液装置は、前圧縮状態にある望遠鏡式瓶アダプターと、この瓶アダプターから穴の開いていない無傷の注入瓶を取り外すためのペンチのような手工具とを含む。
【
図5A】
図3の輸液装置の点滴スパイク本体の上面斜視図である。
【
図5C】
図5Bの線分5C-5Cに沿った点滴スパイク本体の縦断面図である。
【
図5E】
図5Aにおいて円Aで囲まれている点滴スパイク本体の一部を拡大した図である。
【
図6A】
図3の輸液装置の流れ制御部材の上面図である。
【
図6D】
図6Cにおいて円Bで囲まれている流れ制御部材の一部を拡大した図である。
【
図7A】
図3の輸液装置の瓶アダプターの内側本体の上面斜視図である。
【
図7B】瓶アダプターの内側本体の正面図と縦断面図である。
【
図7C】瓶アダプターの内側本体の側面図と縦断面図である。
【
図8A】
図3の輸液装置の瓶アダプターの外側本体の上面斜視図である。
【
図8B】瓶アダプターの外側本体の正面図と縦断面図である。
【
図8C】瓶アダプターの外側本体の側面図と縦断面図である。
【
図9A】初期の前圧縮状態にある
図3の輸液装置の正面図である。
【
図9C】
図9Bにおいて円Cで囲まれている輸液装置の一部を拡大した図である。
【
図9E】
図9Dにおいて円Dで囲まれている輸液装置の一部を拡大した図である。
【
図10A】ペンチのような手工具を使って穴の開いていない無傷の注入瓶を望遠鏡式瓶アダプターから取り外す様子を示す、
図3の輸液装置の正面図である。
【
図11A】望遠鏡式瓶アダプターが圧縮された後の
図3の輸液装置の正面図である。
【
図11C】
図11Bにおいて円Eで囲まれている輸液装置の一部を拡大した図である。
【
図12A】注入薬液を準備する状態になっている
図3の輸液装置の正面図である。
【
図12B】注入薬液を準備する状態になっている輸液装置の側面図である。
【
図12D】
図12Cにおいて円Fで囲まれている輸液装置の一部を拡大した図である。
【
図13A】注入薬液を投与する状態になっている
図3の輸液装置の正面図である。
【
図13B】注入薬液を投与する状態になっている輸液装置の側面図である。
【
図13D】
図13Cにおいて円Gで囲まれている輸液装置の一部を拡大した図である。
【
図14】発明の第2実施形態による輸液装置の正面斜視図である。この輸液装置は、穴の開いていない無傷の注入瓶に取り付けられた前圧縮状態にある望遠鏡式瓶アダプターと、その注入瓶をその瓶アダプターから取り外すためのペンチのような手工具とを含む。
【
図17】
図14の輸液装置の流れ制御部材を複数の異なる角度から見た図である。
【
図18A】
図14の輸液装置の瓶アダプターの内側本体を複数の異なる角度から見た図である。
【
図19A】
図14の輸液装置の瓶アダプターの外側本体を複数の異なる角度から見た図である。
【
図19B】
図19Aの瓶アダプターの外側本体の正面と上面とを含む拡大斜視図である。
【
図20A】輸液装置、点滴バッグ、および注入瓶に取り付けられた初期の前圧縮状態にある望遠鏡式瓶アダプターを含む設定配置の正面斜視図である。
【
図20B】遮断アイコンを示す栓位置アイコン表示機構を備えた輸液装置の正面図である。
【
図21A】ペンチのような手工具を使って、穴の開いていない無傷の注入瓶を望遠鏡式瓶アダプターから取り外す様子を示す輸液装置の右側面図である。
【
図22A】望遠鏡式瓶アダプターが圧縮された後の輸液装置の正面斜視図である。
【
図23A】注入薬液を準備する状態にある輸液装置の正面斜視図である。
【
図24A】注入薬液を投与する状態にある輸液装置の正面斜視図である。
【
図25】発明の第3実施形態による輸液装置の正面斜視図である。
【
図27C】
図27Bの線分27C-27Cに沿った点滴スパイク本体の縦断面図である。
【
図27E】
図27Aにおいて円Aで囲まれている点滴スパイク本体の一部を拡大した図である。
【
図28D】
図28Cにおいて円Bで囲まれている流れ制御部材の一部を拡大した図である。
【
図29B】瓶アダプター本体の正面図と縦断面図である。
【
図29C】瓶アダプター本体の側面図と縦断面図である。
【
図31A】注入薬液を準備する状態にある
図25の輸液装置の正面図である。
【
図31B】注入薬液を準備する状態にある輸液装置の側面図である。
【
図32A】注入薬液を投与する状態にある
図25の輸液装置の正面図である。
【
図32B】注入薬液を投与する状態にある輸液装置の側面図である。
【
図32D】
図32Cにおいて円Dで囲まれている輸液装置の一部を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明ではある用語が、便宜を図る目的でのみ使用される。発明を限定するものではない。たとえば、「下側」、「底」、「上側」、「上部」という語は、参照される図面において方向を示す。「内側に」、「外側に」、「上方に」、「下方に」という語はそれぞれ、本発明に従って説明される装置およびその指定された部品の幾何学的中心に向かう方向、その中心から離れる方向を意味する。特に示さない限り、単数形の「ある」、「一つの」、「その」という語は1つの要素に限らず、「少なくとも1つ」を意味するものとして読まれるべきである。用語には、以上に述べた語、それらの派生語、および類義語が含まれる。
【0013】
次のことも理解されるべきである。以下で発明の構成要素の寸法または特徴に言及する際に使用される、「約」、「近似的に」、「およそ」、「実質的に」等の語は、記述される寸法/特徴が厳密な境界値またはパラメータではなく、機能的には同様である、それらの値からのわずかなばらつきを排除するものではない。少なくとも、数値パラメータを含む参照は、業界で許容されている数学的かつ工業的な原理(たとえば、丸め近似、測定誤差等の系統誤差、製造上の許容範囲)を使うことにより、最下位の数字を変えない程度のばらつきを含むであろう。
【0014】
図1は投与セット10を示す。このセット10は、注入液容器20、初めは穴が開いていていない無傷の別の注入瓶30、注入セット50、および特許文献1の輸液装置60を含む。注入液容器20は、点滴ポートまたは投与ポート21と注入ポート22とを備えた点滴バッグで構成されている。この点滴バッグには注入液23が収められている。点滴ポート21はねじ切りキャップ24によって密封されている。点滴ポート21には、投与目的で点滴スパイクが挿入される。注入ポート22は先端26が密封プラグ27で閉じられている。密封プラグ27には注射針が挿入され、点滴バッグ20の中に注射器の内容物が挿入される。
【0015】
図1Aは注入瓶30を示す。注入瓶30には、縦方向の中心線31がある。注入瓶30は、端が閉じた筒状の本体32、開口部34を含む管状のクラウン33、および、本体32とクラウン33との中間に位置する首36を含む。注入瓶30は、クラウンの開口部34を密閉するための栓37を含む。クラウン33は帯38で覆われている。注入瓶30には、注入液23の中に導入されると注入薬液を形成する薬剤39が収められている。薬剤39は固体状であっても、粒状であっても、液状であっても良い。注入瓶30には上面41がある。上面41により注入瓶30は、注入薬液の形成に使われるまで滅菌状態に保たれる。注入瓶30は、不正な開封の跡が残るキャップ42を含む。キャップ42は使用の直前に除去され、上面41を露出させる。キャップ42は使い捨てであり、除去された後は元に戻すことができない。キャップ42が除去されて元には戻せなくなっても、注入瓶30は尚も無傷として扱われる。栓37に完全に穴が開けられて内部との流路が開かれるまでは、注入瓶30は無傷である。
【0016】
注入セット50は点滴スパイク51を含み、さらに、第1管52、クランプ53、滴下室54、第2管56、ローラークランプ57、および雄型ルアーコネクタ58を含む。
【0017】
図1、
図2A、
図2Bが示すように、特許文献1の輸液装置60は、三叉のY字コネクタ61(縦方向の中心線62がある。)、点滴ポート21に挿入されて密封される点滴スパイク63、瓶アダプターポート64、およびねじ切りの代替点滴ポート66を含む。点滴スパイク63には先端63Aがある。瓶アダプターポート64には瓶アダプター67が一体化されている。瓶アダプター67の中心線68はコネクタの縦方向の中心線62と交差している。瓶アダプター67は先端71のある穿刺カニューレ69を含む。コネクタ61は、点滴スパイク63を終端とする管腔72、穿刺カニューレ69に連通している管腔73、および代替点滴ポート66を終端とする管腔74を含む。3本の管腔72、73、74は流れを三方へ向けて、連続的に流す。代替点滴ポート66は、点滴スパイク51を受け入れて密封するのに適切で柔軟な樹脂材料、たとえばPVCから形成されている。代替点滴ポート66は隔壁76を含む。隔壁76には穴が開けられ、点滴スパイク51が挿入される。代替点滴ポート66には基端部66Aと先端部66Bとがある。使用時、先端部66Bは基端部66Aからねじ切られる。これにより隔壁76が露出するので、注入セットの点滴スパイク51で穴を開けることができる。輸液装置60は、点滴スパイク63を保護するためのカバー77を含んでいても良い。
【0018】
図3-
図8Cは発明の第1実施形態による輸液装置100を示す。輸液装置100は、特許文献1の輸液装置60とは構成および操作が異なる。
図3はまた、ペンチのような手工具200も示す。手工具200は、穴の開いていない無傷の注入瓶30を取り外すためのものである。手工具200は本体201と一対の対向する爪202とを含む。爪202はいずれも内向きの突起203を持つ。爪202は手で簡単に互いへ向けて動かすことができ、穴の開いていない無傷の注入瓶30をペンチのように挟んで圧縮して取り外す。これについては、
図10Aと
図10Bとを参照しながら後述する。
【0019】
輸液装置100は三叉でY字形の点滴スパイク本体101を含む。点滴スパイク101本体には縦方向の中心線101Aがあり、片側に点滴スパイク102、中央に流れ制御部材ポート103、反対側に代替点滴ポートホルダー104がある。代替点滴ポートホルダー104は代替点滴ポート106を受け入れて密封する。流れ制御部材ポート103には軸103Aがあり、点滴スパイク本体の縦方向の中心線101Aと交差している。代替点滴ポート106は、ねじ切られる部品、折り取られる部品等として組み込まれていてもよい。点滴スパイク102と代替点滴ポートホルダー104とは方向が同じであり、点滴スパイク本体の縦方向の中心線101Aに沿っている。点滴スパイク本体101は瓶アダプター支持具107を含む。瓶アダプター支持具107は中央の流れ制御部材ポート103から伸びており、
図3が示す上面斜視図において、点滴スパイク102に対する傾きが約135°であり、代替点滴ポート104に対する傾きが約45°である。輸液装置100は、瓶アダプター支持具107に取り付けられた望遠鏡式瓶アダプター108を含む。瓶アダプター108は、支持具107にしっかりと恒久的に取り付けられていても、取り外し可能に取り付けられていても良い。瓶アダプター108には縦方向の中心線108Aがあり、点滴スパイク本体の縦方向の中心線101Aと交差している。瓶アダプター108は内側本体109と外側本体111とを含み、初期の前圧縮状態から最終の圧縮状態へ圧縮されるようになっている。圧縮状態では、外側本体111がその中へ内側本体109を滑り込ませる。瓶アダプター108は穿刺カニューレ112を含む(
図8A-
図8C参照)。瓶アダプターの圧縮状態において穿刺カニューレ112は注入瓶の栓37に選択的に穴を開ける。穿刺カニューレ112は薄い鞘113で保護されており、輸液装置100が注入薬液の投与に使用されるまで滅菌状態に保たれている。
【0020】
輸液装置100は、3つの位置の間を手動で回転する栓機構114を含む。栓機構114はL字形の流れ制御部材116を含む。流れ制御部材116は、
図3の上面斜視図に矢印Aで示されているように、点滴スパイク本体101に対して時計方向へ回転する。流れ制御部材116には回転軸116Aがあり、点滴スパイク本体の縦方向の中心線101Aに対して垂直であってそれと交差している。流れ制御部材116はシャフト117とレバー118とを含む。シャフト117は流れ制御部材ポート103にしっかりと挿入されて密封されている。レバー118は、医療サービス提供者の親指と人差し指との間に挟まれて回転する。栓機構114は、瓶アダプター108が圧縮状態にあるときに輸液装置100の流れを制御する。栓114機構は、
図3の上面斜視図では、流れ制御部材116を最初の設定位置から最後の投与位置まで、時計方向へ回転させる。これにより、中間の準備位置で準備された注入薬液が患者へ投与される。栓機構114は、設定位置では点滴スパイク102を密封し、準備位置では代替点滴ポート106を密封し、投与位置では瓶アダプター108を密封する。
【0021】
輸液装置100は以下の部分を含む。安全捕獲機構119は、ユーザーが瓶アダプター108を前圧縮状態から圧縮状態へ誤って圧縮することを防ぐ。安全捕獲機構119には音叉のような安全捕獲器121が組み込まれている。安全捕獲器121は、瓶アダプター108の前圧縮状態では、瓶アダプターの外側本体111を横切るように伸びている。締付機構122は、圧縮状態にある瓶アダプター108を不可逆的に締め付ける。ラッチ機構123は、瓶アダプター108が前圧縮状態にあるときに栓機構114の操作を阻む。栓回転制限機構124は、医療サービス提供者が流れ制御部材116を、最終の投与位置を越えて更に回転させるのを防ぐ。戻り止め機構126は、流れ制御部材116が設定位置から準備位置へ回転したときと、準備位置から投与位置へ回転したときとに警報音を発生させる。警報音は好ましくは、戻り止めが溝に嵌まる際のクリック音であり、輸液装置100の操作中、医療サービス提供者には2回聞こえる。したがって、戻り止め機構126は、単一の溝と一対の戻り止めとを含んでいてもよいし、単一の戻り止めと一対の溝とを含んでいてもよい。
【0022】
図5A-
図5Eが示すように、点滴スパイク102は、流れ制御部材ポート103に連通している管腔127を含む。代替点滴ポートホルダー104は、点滴スパイクの管腔127と同一直線上にあって流れ制御部材ポート103に連通している管腔128を含む。瓶アダプター支持具107は、流れ制御部材ポート103に連通している管腔129を含む。この管腔129には段があり、流れ制御部材ポート103に近い、径の狭い主部129Aと、流れ制御部材ポート103から遠い、径の広い副部129Bとに分かれている。
【0023】
流れ制御部材ポート103は、片側に第1縁131を含み、反対側に第2縁132を含む。第1縁131には段があり、栓回転制限機構124の一部を成している。第1縁131は、手前に出ている円弧部分133を含む。円弧部分133は円弧長が約135°であり、流れ制御部材116が回転軸116Aのまわりを回転するのを、設定位置から投与位置までの約225°に制限している。円弧部分133には壁133Aと反対側の壁133Bとがある。
【0024】
瓶アダプター支持具107は、瓶アダプター108に取り付けられるフランジ134に終端を持つ。瓶アダプター支持具107にはラッチ穴136が貫通している。ラッチ穴136はラッチ機構123の一要素であり、流れ制御部材ポート103からフランジ134まで伸びている。戻り止め機構126は、瓶アダプター支持具107の上に溝137を含む。溝137は流れ制御部材ポートの第1縁131に隣接し、その円弧部分の壁133Bの前に位置する。
【0025】
図6A-
図6Fが示すように、流れ制御部材のレバー118は、実質的には矩形状の主部138と、医療サービス提供者の親指と人差し指との間に挟まれる細長い副部139とを含む。レバー118の上面141は流れ制御部材ポート103から離れる方向を向いており、輸液装置100の動作中の流路を示す記号を含む。流路には、点滴スパイク102と瓶アダプター108との間の準備流路と、点滴スパイク102と代替点滴ポート106との間の投与流路とがある。3つの位置の間で回転する栓の標準仕様に従い、レバーの上面141には、密封されたポートを医療サービス提供者に示す単語OFFが表示されている。
【0026】
流れ制御部材のレバーの主部138の縁142は流れ制御部材ポート103に面しており、流れ制御部材のシャフト117を囲んでいる。この縁142には、栓回転制限機構124の一要素である内向きの突起143がある。この突起143には、円弧部分の壁133Aに隣接した壁143Aがあり、
図3の上面斜視図において流れ制御部材116が点滴スパイク本体101に対して反時計方向へ回転するのを阻んでいる。突起143には反対側にも、円弧部分の壁133Bに隣接した壁143Bがあり、
図3の上面斜視図において流れ制御部材116が時計方向へ回転するのを最終の投与位置で止めている。
【0027】
流れ制御部材のレバーの縁142には一対の戻り止め機構126が次のように設けられている。第1戻り止め144Aは、流れ制御部材116が中間の準備位置にあるときに溝137にスナップフィットで嵌まり、第2戻り止め144Bは、流れ制御部材116が最終の投与位置にあるときに溝137にスナップフィットで嵌まる。第2戻り止め144Bが嵌まるのは、突起の壁143Bが円弧部分の壁133Bに接触する前である。一対の戻り止め144は約45°を成す。この角度は、流れ制御部材116が中間の準備位置から最終の投与位置まで回転する角度に相当する。
【0028】
流れ制御部材のシャフト117は周面146と端面147とを含む。端面147は流れ制御部材のレバー118とは反対側にある。シャフト117は、傾斜している準備用管腔148と、真っ直ぐな投与用管腔149とを含む。準備用管腔148は点滴スパイクの管腔127と瓶アダプター支持具の管腔129との間を連通させている。投与用管腔149は点滴スパイクの管腔127と代替点滴ポートホルダーの管腔128との間をそれらに沿って中間で連通させている。準備用管腔148と投与用管腔149とは同一の横断面上に広がっており、回転軸116Aと交差している。準備用管腔148はシャフトの周面146に入口148Aと出口148Bとを含む。投与用管腔149はシャフトの周面146に入口149Aと出口149Bとを含む。準備用管腔148の傾斜角は約135°であり、点滴スパイク102と瓶アダプター支持具107との間の角度約135°と等しい。
【0029】
流れ制御部材のシャフト117は切欠部151を含む。切欠部151は回転軸116Aと方向が同じであり、シャフトの端面147に向かっている。シャフト117は、ラッチ機構123の一要素である片持ち梁状のラッチ止め152を含む。流れ制御部材が初期の設定位置にあるとき、ラッチ止め152はラッチ穴136の中に配置され、瓶アダプター108が圧縮されると、そこから回転軸116Aに向かって屈曲する。これにより、流れ制御部材116が手動で回転可能になる。ラッチ止め152は戻り止め144Aと、シャフトの直径を隔てて反対側に位置する。
【0030】
図7A-
図7Cが示すように、瓶アダプターの内側本体109はカップを逆さまにした形をしており、環状の水平上壁153と、瓶のクラウンに沿って下向きに伸びているスリーブ154とを含む。スリーブ154には下側の縁154Aがある。瓶アダプターの内側本体109は瓶クラウン用の空洞156を仕切っている。瓶のクラウン33の上に瓶アダプターの内側本体109が望遠鏡のようにスナップフィットで固定されると、空洞156の中には瓶のクラウン33がぴったりと収まる。水平上壁153の中央には貫通穴153Aが開いており、瓶アダプターの縦方向の中心線108Aに沿って伸びている。注入瓶30の上に瓶アダプターが望遠鏡のようにスナップフィットで固定されると、貫通穴153Aが注入瓶の上面41を覆う。
【0031】
スリーブ154の主部157には、隣接した長手方向のスリットの第1対158Aと第2対158Bとがある。これらは、直径方向に並ぶ一対の瓶クラウン保持部材159A、159Bを形成する。瓶クラウン保持部材159はスリーブの主部157に対して回転可能であり、それぞれが基端部161と先端部162とを含む。瓶アダプターの内側本体の水平上壁153は好ましくは、直径方向に並ぶ一対の切欠部163を含む。これらは、水平上壁153の上で瓶クラウン保持部材159が回転するように、瓶クラウン保持部材159の内側に位置する。
【0032】
瓶クラウン保持部材の先端部162のそれぞれには内周方向に突出した突起164が設けられており、スリーブの下側の縁154Aに向かっている。初めは穴の開いていない無傷の注入瓶30の上に瓶アダプターの内側本体109が望遠鏡のようにスナップフィットで固定されると、突起164が瓶のクラウン33の下にスナップフィットで固定される。瓶クラウン保持部材の基端部161をペンチのように挟んで瓶アダプターの縦方向の中心線108Aに向かって圧縮すると、瓶クラウン保持部材159がスリーブの主部157に対して回転する。これにより、瓶クラウン保持部材の突起164が瓶アダプターの縦方向の中心線108Aから離れる。
【0033】
瓶アダプターの内側本体の水平上壁153には、直径方向に並ぶ、直立した一対の固定部材166があり、一対の瓶クラウン保持部材159と配置が直交している。固定部材166は、瓶アダプターの内側本体109が外側本体111から誤って外されるのを防ぐ。スリーブ154は、直径方向に並ぶ一対の締付部材167を含む。締付部材167はスリーブの下側の縁154Aに向かっており、瓶クラウン保持部材159と配置が直交している。固定部材166と締付部材167とは締付機構122の要素である。
【0034】
瓶アダプターの内側本体の水平上壁153には直立したラッチ解放部材168がある。ラッチ解放部材168はラッチ機構123の一要素である。ラッチ解放部材168には自由端面168Aがある。ラッチ解放部材168は瓶アダプターの外側本体111を通過して、ラッチ穴136の中に配置されている。ラッチ解放部材の自由端面168Aは、瓶アダプター108が前圧縮状態にあるときはラッチ穴136の中に配置され、圧縮状態にあるときは中央の流れ制御部材ポート103とぴったり重なる。瓶アダプター108が圧縮状態にあるとき、ラッチ解放部材168はラッチ止め152をラッチ穴136から移動させ、すなわちその外へ取り外し、ラッチ機構123を解放する。
【0035】
図8A-
図8Cが示すように、瓶アダプターの外側本体111はカップを逆さまにした形をしており、水平上壁171と、下側の縁172Aを持つ下向きのスカート172とを含む。外側本体111は内側本体の空洞173を仕切って、中に内側本体109を望遠鏡のようにぴったりと収めている。これにより、瓶アダプター108が前圧縮状態から圧縮状態まで小さく収まっている。
【0036】
瓶アダプターの外側本体の水平上壁171は次の部分を含む。第1に、中央に位置する直立したコネクタ174は、瓶アダプター支持具の管腔の副部129Bと、その反対側に位置する下向きの穿刺カニューレ112との中へ挿入される。瓶アダプター108が圧縮状態にあるとき、穿刺カニューレ112の先端112Aが注入瓶の栓37に穴を開ける。第2に、ラッチ解放部材168に属する貫通穴176はラッチ解放部材168を通過させる。第3に、周縁177には瓶アダプターのフランジ134が取り付けられる。第4に、直径方向に並ぶ一対の周方向のスリット178は、瓶アダプター108が圧縮状態にあるときに瓶クラウン保持部材の一対の基端部161を受け入れる。第5に、直径方向に並ぶ一対の周方向のスリット179は、瓶アダプター108が圧縮状態にあるときに固定部材166を受け入れる。
【0037】
瓶アダプターの外側本体のスカート172は、直径方向に並ぶ縦方向の第1スリット対181と第2スリット対182とを含む。第2スリット対182は第1スリット対181に対向しており、瓶アダプター内側本体保持部材183A、183Bを形成している。音叉のような安全捕獲器121は第1スリット対181と第2スリット対182とを横切って、瓶アダプター108の圧縮を防ぐ。
【0038】
瓶アダプター内側本体保持部材183A、183Bには内側に縦方向の空洞184A、184Bがある。これらの空洞184A、184Bには下側の縁186A、186Bがある。保持部材183A、183Bは締付機構122の要素である。
【0039】
瓶アダプターの外側本体のスカート172には、注入瓶を解放するための直径方向に並ぶ一対の貫通穴187がある。これらの貫通穴187は瓶アダプター内側本体保持部材183A、183Bと配置が直交している。一対の貫通穴187は、ペンチのような手工具200で穴の開いていない無傷の注入瓶をペンチのように挟み、圧縮して取り外すのに利用される。これにより、注入瓶を手ではペンチのように挟んで圧縮できない。
【0040】
以下、輸液装置100の使用方法について
図9A-
図13Bを参照しながら説明する。
【0041】
図9A-
図9Eが示すように、輸液装置100の設定配置では、音叉のような安全捕獲器121が瓶アダプターの外側本体111を横切って、瓶アダプター108の圧縮を防いでいる。流れ制御部材のレバー118は、点滴スパイク102が密封されていることを示す。ラッチ機構123は、ラッチ止め152をラッチ穴136の中に配置することにより(
図9C参照。)、栓機構114を最初の設定位置に固定する。前圧縮状態における瓶アダプター108では外側本体の水平上壁171とスリーブの下側の縁154Aとの間の高さがH1である。注入瓶を解放するための貫通穴187は瓶クラウン保持部材の基端部161と並んでいる。
【0042】
医療サービス提供者が、穴の開いていない無傷の注入瓶30からキャップ42を取り外し、露出した注入瓶の上面41を拭う。医療サービス提供者は注入瓶30の上に瓶アダプター108を望遠鏡のように取り付けて、患者に投与するための注入薬液を注入液容器20の中に準備することができるようにする。薬剤の投与を中止して穴の開いていない無傷の注入瓶30を再利用する場合、医療サービス提供者は、
図10A、
図10Bが示すように、次のステップに従う。
【0043】
医療サービス提供者はペンチのような手工具200を瓶アダプター108と一直線に並べて、内向きの突起203の対を、注入瓶を解放するための一対の貫通穴187に挿入する。医療サービス提供者は瓶クラウン保持部材の基端部161をペンチのように挟んで圧縮し、それらを瓶アダプターの縦方向の中心線108Aへ向かって動かす。瓶クラウン保持部材159がスリーブの主部157に対して回転することにより、内周方向の突起164を瓶アダプターの縦方向の中心線108Aから遠ざけて、穴の開いていない無傷の注入瓶30を解放させる。医療サービス提供者は注入瓶30を瓶アダプターの内側本体109から取り外し、キャップ42が取り外されているのにかかわらず次の使用に回す。輸液装置100は廃棄される。
【0044】
図11A-
図11Cは、医療サービス提供者が安全捕獲器121を瓶アダプターの外側本体111から取り外した後の輸液装置100を示す。外側本体111が中に内側本体109をぴったりと収めているので、瓶アダプター108が小さく収まっている。穿刺カニューレの先端112Aが鞘113に穴を開けると、注入瓶の栓37に穿刺カニューレ112と瓶の本体32との間の流路が開かれ、注入薬液を準備することができる。圧縮状態における瓶アダプター108では外側本体の水平上壁171とスリーブの下側の縁154Aとの間の高さがH2であり、H1>H2である。瓶アダプター108が圧縮されると、ラッチ解放部材168がラッチ止め152をラッチ穴136から外して、ラッチ機構123によるラッチが外れる。栓機構114は最初の設定位置に留まっている。圧縮により、ペンチのような手工具200を使っても、穴の開いた注入瓶30を取り外すことはできなくなる。
【0045】
図12A、
図12Bは、医療サービス提供者が流れ制御部材116を点滴スパイク本体101に対して約180°、中間の準備位置まで回転させた後の輸液装置100を示す。流れ制御部材のレバー118は、代替点滴ポート106が密封されていることを示す。医療サービス提供者には、戻り止め144Aが溝137を叩くクリック音が聞こえる。点滴スパイク102が準備用管腔148を通して穿刺カニューレ112と連通する。医療サービス提供者は点滴スパイク102を点滴バッグ20の点滴ポート21の中へ挿入し、点滴バッグ20と注入瓶30との間で液状内容物を往き来させることにより、点滴バッグの中に注入薬液を準備する。医療サービス提供者は好ましくは、注入瓶30が最後には確実に空になるように液状内容物を運ぶ。
【0046】
図13A、
図13Bは、医療サービス提供者が流れ制御部材116を点滴スパイク本体101に対して約45°、最終の投与位置まで回転させた後の輸液装置100を示す。流れ制御部材のレバー118は、瓶アダプター108が密封されていることを示す。医療サービス提供者には、戻り止め144Bが溝137を叩くクリック音が聞こえる。栓回転制限機構124が流れ制御部材116の更なる回転を止める。点滴スパイク102が投与用管腔149を通して代替点滴ポート106と連通する。医療サービス提供者が代替点滴ポート106を開き、その中へ注入セットの点滴スパイク51を挿入して注入薬液を投与する。
【0047】
図14-
図19Cは発明の第2実施形態による輸液装置300を示す。
図14は、穴の開いていない無傷の注入瓶30を取り外すためのペンチのような手工具200も示す。この手工具200はペンチのような本体201と一対の爪202とを含む。爪202はそれぞれ終端に内向きの突起303を含む。一対の爪202は互いに向かって手で動かすことができ、
図21A、
図21Bを参照しながら後述するように、穴の開いていない無傷の注入瓶30をペンチのように挟み、圧縮して取り外すことができる。
【0048】
輸液装置300は、点滴スパイク本体301、流れ制御部材302、望遠鏡式瓶アダプター303、および逆T字形シール部材304を含む。点滴スパイク本体301には縦方向の中心線301Aがある。瓶アダプター303には縦方向の中心線303Aがある。瓶アダプター303は内側本体306と外側本体307とを含む。輸液装置300は次の部分を含む。安全捕獲機構308はユーザーが誤って瓶アダプターを圧縮して初期の前圧縮状態から最終の圧縮状態へ移行させるのを防ぐ。安全捕獲機構308は音叉のような安全捕獲器309として組み込まれている。瓶アダプター303が初期の前圧縮状態にあるとき、安全捕獲器309は瓶アダプターの外側本体307を通して水平方向に伸びている。締付機構311は、圧縮状態にある瓶アダプター303を不可逆に締め付ける。3つの位置の間で回転する栓312は、瓶アダプター303が圧縮状態にあるときに輸液装置300の流れの方向を制御する。ラッチ機構313は、瓶アダプター303が前圧縮状態にあるときに栓312の操作を防ぐ。栓位置アイコン表示機構314は、栓の位置を示すアイコンを表示して、輸液装置300の流れの方向を示す。
【0049】
図16A-
図16Cが示すように、点滴スパイク本体301は三叉形状であり、片側に点滴スパイク316を含み、中央に管状の流れ制御部材ポート317を含み、反対側に管状の代替点滴ポートホルダー318を含む。点滴スパイク316は点滴ポート21の中へ挿入されて密封される。流れ制御部材ポート317は流れ制御部材302を収めて密封する。代替点滴ポートホルダー318は代替点滴ポート319を収めて密封する。代替点滴ポート319は、ねじ切られる部品、折り取られる部品等として組み込み可能である。流れ制御部材ポート317は瓶アダプターの下向きのキャップ321で形成されており、瓶アダプター303にスナップフィットで固定されている。点滴スパイク316、流れ制御部材ポート317、および代替点滴ポートホルダー318は流れを三方へ連続して通す。
【0050】
瓶アダプターのキャップ321には水平上壁322と下側の縁323とがある。水平上壁322には内面322Aがあり、直径方向に並ぶ一対のラッチ穴324A、324Bを含む。これらはラッチ機構313の一要素であり、瓶アダプター303が前圧縮状態にあるとき、点滴スパイク本体301と瓶アダプター303とが相対的に回転するのを防ぐ。
【0051】
瓶アダプターのキャップの水平上壁の内面322Aは、直径方向に並ぶ一対の穴列326A、326Bを含む。これらは栓の位置を決めるものであり、輸液装置300の流れを決める栓312の一要素である。穴列326はそれぞれ、最初の遮断用穴327、中間の準備用穴328、および最後の投与用穴329を含む。遮断用穴327は、面取りされた第1面327Aを含む。第1面327Aにより、栓312が最初の遮断位置から中間の準備位置へスムーズに移動することができる。準備用穴328は、面取りされた第1面328Aを含む。第1面328Aにより、栓312が中間の準備位置から最後の投与位置へスムーズに移動することができる。準備用穴328には、面取りされていない第2面328Bがあり、栓312が中間の準備位置から最初の遮断位置へ戻るのを防いでいる。投与用穴329は、面取りされた第2面329Aを含む。第2面329Aにより、医療サービス提供者が誤って栓312を最初の遮断位置から最後の投与位置まで、注入薬液を準備することなく直に回転させた場合でも、栓312が最後の投与位置から中間の準備位置へスムーズに移動することができる。したがって、医療サービス提供者は栓312を中間の準備位置へ配置して、注入薬液を準備することができる。
【0052】
瓶アダプターの下側の縁323には、直径方向に並ぶ一対の栓位置アイコン表示窓331がある。これは、栓位置アイコン表示機構314の一要素である。瓶アダプターのキャップの水平上壁の内面322Aには、栓位置アイコン表示窓331の内側に直径方向に並ぶ一対のスクリーン332がある。スクリーン332は半径が一定であり、下向きに広がっている。スクリーン332も栓位置アイコン表示機構314の一要素である。
【0053】
図17が示すように、流れ制御部材302には実質的に筒状の本体333があり、上面334、周面336、および底面337を含む。流れ制御部材302の内部にはL字形管腔338があり、注入薬液の準備に利用される。L字形管腔338は、周壁336には点滴スパイク用開口部338Aを含み、底面337には穿刺カニューレ用開口部338Bを含む。流れ制御部材の周壁336には周方向の溝339があり、注入薬液の投与に利用される。外部の溝339は点滴スパイク用開口部339Aと代替点滴ポート用開口部339Bとを含む。流れ制御部材の底面337は、瓶アダプター303と機械的に係合する鍵穴341を含む。鍵穴341により、流れ制御部材302と瓶アダプター303とは一体として、点滴スパイク本体301に対して回転可能である。
【0054】
図18A、
図18Bが示すように、瓶アダプターの内側本体306はカップを逆さまにした形をしており、環状の水平上壁342とスリーブ343とを含む。スリーブ343は下側に縁343Aを持ち、瓶のクラウンに沿って下向きに広がっている。瓶アダプターの内側本体306は瓶クラウン用の空洞344を仕切っており、その中に瓶のクラウン33をぴったりと収めて、その上に望遠鏡のようにスナップフィットで固定される。瓶アダプターの内側本体の水平上壁342の中央には、瓶アダプターの縦方向の中心線303Aに沿って貫通穴342Aがある。瓶アダプターの内側本体が注入瓶30の上に望遠鏡のようにスナップフィットで固定されたとき、貫通穴342Aが注入瓶の上面41の上を覆う。
【0055】
スリーブ343は主部346を含み、主部346には第1スリット対347Aと第2スリット対347Bとがある。スリット対347A、347Bは縦方向に伸びており、直径方向に並ぶ一対の瓶クラウン保持部材348A、348Bを形成している。瓶クラウン保持部材348はスリーブの主部346に対して回転可能であり、基端部349と先端部351とを含む。瓶アダプターの内側本体の水平上壁342は好ましくは、瓶クラウン保持部材348の内側に、直径方向に並ぶ一対の切り欠き352を含む。切り欠き352により、瓶クラウン保持部材348は水平上壁342に対して回転する。
【0056】
瓶クラウン保持部材の先端部351のそれぞれには内周方向の突起353が設けられている。突起353はスリーブの下側の縁343Aに向かって突出しており、瓶アダプターの内側本体302が穴の開いていない無傷の注入瓶30の上にスナップフィットで固定されたとき、瓶のクラウン33の下にスナップフィットで固定される。瓶クラウン保持部材の基端部349を瓶アダプターの縦方向の中心線303Aに向かってペンチのように挟んで圧縮すると、瓶クラウン保持部材348がスリーブの主部346に対して回転し、瓶クラウン保持部材の突起353が瓶アダプターの縦方向の中心線303Aから離れる。
【0057】
瓶アダプターの内側本体の水平上壁342には、直径方向に並ぶ一対の直立した留め具354がある。留め具354の配置は瓶クラウン保持部材348に対して直交している。留め具354は、瓶アダプターの内側本体306が誤って外側本体307から取り外されるのを防ぐ。スリーブ343は、直径方向に並ぶ一対の締付部材356を含む。締付部材356はスリーブの下側の縁343Aに向かっており、その配置は瓶クラウン保持部材348と直交している。締付部材356は締付機構311の一要素である。
【0058】
瓶アダプターの内側本体の水平上壁342には、直径方向に並ぶ一対の直立したラッチ部材357がある。ラッチ部材357は、瓶アダプター303が圧縮状態にあるときにラッチ機構313によるラッチを解く。ラッチ部材357の配置は瓶クラウン保持部材348とは直交している。
【0059】
図19A-
図19Cが示すように、瓶アダプターの外側本体307はカップを逆さまにした形をしており、水平上壁358と、下側に縁359Aを持つ下向きのスカート359とを含む。瓶アダプターの外側本体307は内側本体用の空洞361を仕切っている。瓶アダプター303が前圧縮状態から圧縮状態へ縮むとき、外側本体の307の空洞361の中に内側本体306が望遠鏡のようにぴったりと収まる。
【0060】
瓶アダプターの外側本体の水平上壁358は下向きの穿刺カニューレ361を含む。穿刺カニューレ361には基端開口部361Aと先端361Bとがある。水平上壁358は箱形の鍵362を含む。この鍵362は流れ制御部材の鍵穴341の中に挿入される。鍵362は穿刺カニューレの基端開口部361Aと一体化されている。穿刺カニューレの先端部361Bは、輸液装置300が圧縮状態にあるとき、注入瓶の栓37に穴を開ける。
【0061】
下向きのスカート359は、縦方向に伸びている第1スリット対363Aと第2スリット対363Bとを含む。これらのスリット対は、直径方向に並ぶ一対の内側本体保持部材364A、364Bを形成している。内側本体保持部材364A、364Bは内側に縦方向の穴366A、366Bを含む。内側本体保持部材364A、364Bは締付機構311の一要素である。縦方向の穴366A、366Bは下側に、直径方向に並ぶ一対の縁367A、367Bを含む。瓶アダプター303が前圧縮状態にあるとき、音叉のような安全捕獲器309が第1スリット対363Aと第2スリット対363Bとを横切ることにより、瓶アダプター303が圧縮されることを防ぐ。
【0062】
瓶アダプターの外側本体の水平上壁358は、直径方向に並ぶ一対の水平ラッチ部材368A、368Bを含む。水平ラッチ部材368A、368Bは中央に回転軸369A、369Bを含み、水平上壁358に対してシーソーのように動くことができる。この動きにより水平ラッチ部材368A、368Bは、瓶アダプター303が前圧縮状態にあるときには初期のラッチ位置にあってラッチ機構313によるラッチを機能させ、瓶アダプター303が圧縮状態にあるときには最終のアンラッチ位置にあってラッチ機構313によるラッチを解く。水平ラッチ部材368A、368Bのそれぞれには第1端371Aと反対側の第2端371Bとがある。第1端371Aにはラッチ止め372が直立している。水平ラッチ部材368A、368Bが非屈曲位置にあるとき、ラッチ止め372がラッチ位置よりも水平上壁358の上方へ突出して、ラッチ穴324の中に挿入される。瓶アダプター303が圧縮状態にあるとき、直立したラッチ部材357が水平ラッチ部材の第2端371Bに作用して水平ラッチ部材368A、368Bを回転させ、ラッチ止め372をラッチ穴324から最終のアンラッチ位置へと移動させる。
【0063】
瓶アダプターの外側本体の水平上壁358は、直径方向に並ぶ一対の水平な片持ち梁状の栓部材373A、373Bを含む。これらの配置は水平ラッチ部材368A、368Bと直交している。栓部材373A、373Bのそれぞれには栓止め374が直立し、栓の位置決め用の穴列326と機械的に係合する。
【0064】
瓶アダプターの外側本体307には周壁376が直立しており、水平上壁358を囲んでいる。周壁376は瓶アダプターの下側の縁323と下向きのスクリーン332との間に配置されており、栓位置アイコン表示機構314の一要素である。周壁376は、直径方向に並ぶ一対の栓位置アイコン列377A、377Bを含む。これらは輸液装置300の流動状態を示す。栓位置アイコン列377A、377Bは周壁376に貫通穴として組み込まれている。栓位置アイコン列377A、377Bはそれぞれ、次の3つのアイコンを含む。遮断アイコン378はX字形に組み込まれ、準備アイコン379は互いに反対向きの円弧の対として組み込まれ、投与アイコン381は直線として組み込まれている。
【0065】
下向きのスカート359は、直径方向に並ぶ一対の貫通穴382A、382Bを含む。これらは注入瓶を取り外すためのものであり、配置が内側本体保持部材364A、364Bと直交している。貫通穴382A、382Bにより、ペンチのような手工具200を使えば、穴の開いていない無傷の注入瓶30をペンチのように挟んで圧縮して取り外すことができるが、手ではできない。
【0066】
シール部材304は、穿刺カニューレ361に取り付けられる管383と平坦な基板384とを含む。基板384は、瓶アダプター303が前圧縮状態にあるときに、瓶アダプターの内側本体の水平上壁の中央に開いた貫通穴342Aに配置される。基板384の中央部は、穿刺カニューレの先端361Bを滅菌状態に保つ隔壁386として機能する。輸液装置300が注入瓶30の上に望遠鏡のように取り付けられたとき、基板384は注入瓶の上面41の上に配置されてそれを密封する。隔壁386には、瓶アダプター303が圧縮状態にあるとき、穿刺カニューレの先端361Bによって穴が開けられる。
【0067】
以下、輸液装置300の使用方法について、
図20A-
図24Bを参照しながら説明する。
【0068】
図20Aは、輸液装置300が点滴バッグ20に取り付けられ、初期の前圧縮状態にある瓶アダプター303が注入瓶30の上にスナップフィットで固定された後の設定配置を示す。音叉のような安全捕獲器309が瓶アダプターの外側本体307を横断しているので、瓶アダプター303を圧縮することができない。注入瓶を解放するための穴382Aが瓶クラウン保持部材の基端部349と並んでいる。ラッチ機構313が栓312を最初の遮断位置に固定している。
図20Bが示すように、栓位置アイコン表示機構314は栓位置アイコン表示窓331に遮断アイコン378“X”を表示している。瓶アダプター303では、外側本体の水平上壁358とスリーブの下側の縁343Aとの間が前圧縮状態での高さH1に等しい。
【0069】
薬剤を投与せずに、穴の開いていない無傷の注入瓶を再利用することにした場合、医療サービス提供者は、
図21A、
図21Bが示す次のステップに従う。医療サービス提供者はペンチのような手工具200を瓶アダプター303に揃えて内向きの突起203を、注入瓶を解放するための穴382に通す。医療サービス提供者は瓶クラウン保持部材の基端部349をペンチのように挟んで圧縮し、それらを瓶アダプターの縦方向の中心線303Aに向かって、矢印Aが示すように移動させる。瓶クラウン保持部材348がスリーブの主部346に対して回転することにより、瓶クラウン保持部材の内周方向の突起353が瓶アダプターの縦方向の中心線303Aから、矢印Bが示すように離れ、穴の開いていない無傷の注入瓶30を解放する。その瓶を医療サービス提供者が瓶アダプターの内側本体306から、矢印Cが示すように取り外し、キャップ42が取り外されているのにかかわらず、次の使用に回す。一方、輸液装置300は廃棄される。
【0070】
図22A、
図22Bは、医療サービス提供者が瓶アダプターの外側本体307から安全捕獲器309を取り外した後の輸液装置300を示す。瓶アダプター303の外側本体307が中に内側本体306をぴったりと収めているので、瓶アダプター303が縮んでいる。穿刺カニューレの先端361Bがシール部材の隔壁386に穴を開けた後、注入瓶の栓37には穿刺カニューレ361と瓶の本体32との間に、注入薬液を準備するための流路が開かれる。瓶アダプター303では外側本体の水平上壁358とスリーブの下側の縁343Aとの間が圧縮状態での高さH2に等しい。ここでH1>H2。瓶アダプター303が圧縮されると、直立したラッチ部材357が第2端371Bに当接して水平ラッチ部材368をアンラッチ位置へ回転させることにより、ラッチ機構313によるラッチが解かれる。3つの位置の間で回転する栓312は最初の遮断位置のままであるので、栓位置アイコン表示機構314は栓位置アイコン表示窓331に準備アイコン378“X”を表示し続ける(
図22A参照)。瓶アダプターが圧縮されることにより、ペンチのような手工具200を使っても、注入瓶30を取り外すことができない。
【0071】
図23A、
図23Bは、医療サービス提供者が点滴スパイク本体301を瓶アダプター303に対して回転させて、栓312を中間の準備位置まで回転させた後の輸液装置300を示す。この位置では、片持ち梁状の栓部材373が遮断用穴327から準備用穴328まで回転している。流れ制御部材の内部のL字形管腔338が点滴スパイク316と穿刺カニューレ361とに連通する。
図23Aが示すように、栓位置アイコン表示機構314は栓位置アイコン表示窓331に準備アイコン379“2つの反対向きの円弧”を表示する。医療サービス提供者は、点滴バッグ20と注入瓶30との間で液状内容物を往き来させることにより、点滴バッグの中に注入薬液を準備する。
【0072】
図24A、
図24Bは、医療サービス提供者が点滴スパイク本体301を瓶アダプターの外側本体303に対して回転させて、栓312を最後の投与位置へ移動させた後の輸液装置300を示す。この位置では、片持ち梁状の栓部材373が準備用穴328から投与用穴329へ回転している。流れ制御部材の周方向の溝339が点滴スパイク316と代替点滴ポート318とに連通する。
図24Aが示すように、栓位置アイコン表示機構314は栓位置アイコン表示窓331に投与アイコン381“直線”を表示する。医療サービス提供者は代替点滴ポート318を開き、代替点滴ポート318の中に注入セットの点滴スパイク51を挿入して注入薬液を投与する。
【0073】
図25-
図29Cは発明の第3実施形態による輸液装置400を示す。輸液装置400は三叉のY字形点滴スパイク本体401を含む。点滴スパイク本体401には縦方向の中心線401Aがある。点滴スパイク本体401は、片側に点滴スパイク402、中央に流れ制御部材ポート403、反対側に代替点滴ポートホルダー404を含む。代替点滴ポートホルダー404は代替点滴ポート406を収めて密封する。流れ制御部材ポート403には、点滴スパイク本体の縦方向の中心線401Aと交差する軸416Aがある。代替点滴ポート406は、ねじ切られる部品、折り取られる部品等として組み込まれていてもよい。点滴スパイク402と代替点滴ポートホルダー404とは方向が同じであり、点滴スパイク本体の縦方向の中心線401Aに沿っている。点滴スパイク本体401は瓶アダプター支持具407を含む。瓶アダプター支持具407は流れ制御部材ポート403から伸びており、
図25が示す上面斜視図において、点滴スパイク402に対する傾きが約135°であり、代替点滴ポート404に対する傾きが約45°である。輸液装置400は、瓶アダプター支持具407に取り付けられた瓶アダプター408を含む。瓶アダプター408は、瓶アダプター支持具407にしっかりと恒久的に取り付けられていても、取り外し可能に取り付けられていても良い。瓶アダプター408には、点滴スパイク本体の縦方向の中心線401Aと交差する縦方向の中心線408Aがある。瓶アダプター408は穿刺カニューレ412を含む(
図29A-
図29C参照)。穿刺カニューレ412は注入瓶の栓37に穴を開ける。穿刺カニューレ412は薄い鞘(図示せず。)で保護され、輸液装置400が注入薬液の投与に使用されるまで滅菌状態に保たれている。
【0074】
輸液装置400は、3つの位置の間を手動で回転する栓機構414を含む。栓機構414はL字形の流れ制御部材416を含む。流れ制御部材416は、
図25の上面斜視図に矢印Aで示されているように、点滴スパイク本体401に対して時計方向へ回転する。流れ制御部材416には回転軸416Aがあり、点滴スパイク本体の縦方向の中心線401Aと垂直に交わっている。流れ制御部材416は、シャフト417とレバー418とを含む。シャフト417は、流れ制御部材ポート403にしっかりと挿入されて密封されている。レバー418は、医療サービス提供者の親指と人差し指との間に挟まれて回転する。栓機構414は輸液装置400の流れを制御する。栓機構414は、
図25の上面斜視図では、流れ制御部材416を初期の設定位置から中間の準備位置を経て最終の投与位置まで、時計方向へ回転させる。準備位置では注入薬液が準備され、投与位置では注入薬液が患者へ投与される。栓機構414は、設定位置では点滴スパイク402を密封し、準備位置では代替点滴ポート406を密封し、投与位置では瓶アダプター408を密封する。
【0075】
輸液装置400は以下の部分を含む。栓回転制限機構424は、医療サービス提供者が流れ制御部材416を、最終の投与位置を越えて更に回転させるのを防ぐ。戻り止め機構426は、流れ制御部材416が初期の設定位置から中間の準備位置へ回転したときと、中間の準備位置から最終の投与位置へ回転したときとで警報音を発生させる。警報音は好ましくは、戻り止めが溝に嵌まる際のクリック音であり、輸液装置400の操作中、医療サービス提供者には2回聞こえる。したがって、戻り止め機構426は、単一の溝と一対の戻り止めとを含んでいてもよいし、単一の戻り止めと一対の溝とを含んでいてもよい。
【0076】
図27A-
図27Eが示すように、点滴スパイク402には、流れ制御部材ポート403に連通している管腔427があり、代替点滴ポートホルダー404には、点滴スパイクの管腔427と同一直線上にあって流れ制御部材ポート403に連通している管腔428がある。瓶アダプター支持具407は、流れ制御部材ポート403に連通している管腔429を含む。この管腔429には段があり、流れ制御部材ポート403に近い、径の狭い主部429Aと、流れ制御部材ポート403から遠い、径の広い副部429Bとに分かれている。
【0077】
流れ制御部材ポート403は、片側に第1縁431を含み、反対側に第2縁432を含む。第1縁431には段があり、栓回転制限機構424の一要素である。第1縁431は手前に出ている円弧部分433を含む。円弧部分433は円弧長が約135°であり、流れ制御部材416が回転軸416Aのまわりを回転するのを、初期の設定位置から最終の投与位置までの約225°に制限している。円弧部分433には壁433Aと反対側の壁433Bとがある。
【0078】
瓶アダプター支持具407は、瓶アダプター408に取り付けられるフランジ434に終端を持つ。
【0079】
図28A-
図28Fが示すように、流れ制御部材のレバー418は、実質的には矩形状の主部438と、医療サービス提供者の親指と人差し指との間に挟まれる細長い副部439とを含む。レバー418の上面441は流れ制御部材ポート403とは反対側に向いており、輸液装置400の動作中の流路を示す記号を含む。流路には、点滴スパイク402と瓶アダプター408との間の準備流路と、点滴スパイク402と代替点滴ポート406との間の投与流路とがある。3つの位置の間で回転する栓の標準仕様に従い、レバーの上面441には、密封されたポートを医療サービス提供者に示す単語OFFが表示されている。
【0080】
流れ制御部材のレバーの主部438の縁442は流れ制御部材ポート403に向いており、流れ制御部材のシャフト417を囲んでいる。この縁442には、栓回転制限機構424の一要素である内向きの突起443がある。この突起443には、円弧部分の壁433Aに隣接した壁443Aがあり、
図25の上面斜視図において、流れ制御部材416が点滴スパイク本体401に対して反時計方向へ回転するのを阻んでいる。突起443には反対側にも、円弧部分の壁433Bに隣接した壁443Bがあり、
図25の上面斜視図において、流れ制御部材416が時計方向へ回転するのを最終の投与位置で止めている。
【0081】
流れ制御部材のレバーの縁442には一対の戻り止め機構426が次のように設けられている。第1戻り止め444Aは、流れ制御部材416が中間の準備位置にあるときに溝437にスナップフィットで嵌まり、第2戻り止め444Bは、流れ制御部材416が最終の投与位置にあるときに溝437にスナップフィットで嵌まる。第2戻り止め444Bが嵌まるのは、内向きの突起の壁443Bが円弧部分の壁433Bに接触する前である。一対の戻り止め444は約45°を成す。この角度は、流れ制御部材416が中間の準備位置から最終の投与位置まで回転する角度に相当する。
【0082】
流れ制御部材のシャフト417は周面446と端面447とを含む。端面447は流れ制御部材のレバー418とは反対側にある。シャフト417は、傾斜している準備用管腔448と、真っ直ぐな投与用管腔449とを含む。準備用管腔448は点滴スパイクの管腔427と瓶アダプター支持具の管腔429との間を連通させている。投与用管腔449は点滴スパイクの管腔427と代替点滴ポートホルダーの管腔428との間をそれらに沿って中間で連通させている。準備用管腔448と投与用管腔449とは同一の横断面上に配置され、回転軸416Aと交差している。準備用管腔448はシャフトの周面446に入口448Aと出口448Bとを含む。投与用管腔449はシャフトの周面446に入口449Aと出口449Bとを含む。準備用管腔448の傾斜角は約135°であり、点滴スパイク402と瓶アダプター支持具407との間の角度約135°と等しい。
【0083】
流れ制御部材のシャフト417は切欠部451を含む。切欠部451は回転軸416Aと方向が同じであり、シャフトの端面447に向かっている。
【0084】
図29A-
図29Cが示すように、瓶アダプターの本体408は、カップを逆さまにした形をしており、水平上壁471と縦方向のスリット458とを含む。スリット458により、柔軟な瓶クラウン保持部材459が形成される。瓶アダプターの本体408は、内側に瓶のクラウン33をぴったりと収める空洞456を仕切っている。瓶クラウン保持部材459はそれぞれ、内周方向に突出した突起464を先端に含む。突起464は、瓶アダプターの本体408が無傷の注入瓶30の上にスナップフィットで固定されると、瓶のクラウン33の下にスナップフィットで固定される。
【0085】
瓶アダプターの本体の水平上壁471は、中央に直立したコネクタ474を含み、その反対側に下向きの穿刺カニューレ412を含む。コネクタ474は瓶アダプター支持具の管腔の副部429Bに挿入される。穿刺カニューレ412の先端412Aは、瓶アダプターの本体が無傷の注入瓶30の上にスナップフィットで固定されたとき、注入瓶の栓37に穴を開ける。瓶アダプターの本体の水平上壁471はまた、瓶アダプターのフランジ434に取り付けられる周方向の縁477も含む。
【0086】
以下、輸液装置400の使用方法について、
図30A-
図32Bを参照しながら説明する。
【0087】
図30A-
図30Cは輸液装置400の設定配置を示す。流れ制御部材のレバー418は、点滴スパイク402が密封されている(すなわち遮断されている)ことを示す。医療サービス提供者は、穴の開いていない無傷の注入瓶30からキャップ42を取り外し、露出した注入瓶の上面41を拭う。医療サービス提供者は瓶アダプター408を注入瓶30の上に取り付けて、注入液容器20の中に注入薬液を準備して患者に投与することができるようにする。医療サービス提供者が瓶アダプター408を注入瓶30の上に取り付けたとき、穿刺カニューレの先端412Aが鞘に穴を開け、続いて注入瓶の栓37に穴を開ける。これにより、穿刺カニューレ412と瓶の本体32との間に、注入薬液を準備するための流路が開かれる。
【0088】
図31A、
図31Bは、医療サービス提供者が流れ制御部材416を点滴スパイク本体401に対して約180°回転させ、準備位置へ移動させた後の輸液装置400を示す。流れ制御部材のレバー418は、代替点滴ポート406が密封されていることを示す。戻り止め444Aが溝437を叩くので、医療サービス提供者にはクリック音が聞こえる。点滴スパイク402が準備用管腔448を通して穿刺カニューレ412に連通する。医療サービス提供者が点滴スパイク402を点滴バッグ20の点滴ポート21へ挿入し、点滴バッグ20と注入瓶30との間で液状内容物を往き来させることにより、点滴バッグの中に注入薬液を準備する。医療サービス提供者は好ましくは、液状内容物を最後に移動させたときに、注入瓶30が確実に空になるようにする。
【0089】
図32A、
図32Bは、医療サービス提供者が流れ制御部材416を点滴スパイク本体401に対して約45°回転させ、投与位置へ移動させた後の輸液装置400を示す。流れ制御部材のレバー418は、瓶アダプター408が密封されていることを示す。戻り止め444Bが溝437を叩くので、医療サービス提供者にはクリック音が聞こえる。栓回転制限機構424が流れ制御部材416の更なる回転を止める。点滴スパイク402が投与用管腔449を通して代替点滴ポート406に連通する。医療サービス提供者が代替点滴ポート406を開き、その中へ注入セットの点滴スパイク51を挿入して注入薬液を投与する。
【0090】
図3-
図32Bに従って説明された実施形態はすべて、回転位置を3つ含む。最初の設定位置では点滴スパイクが密封される。中間の準備位置では点滴スパイクと穿刺カニューレとの間が連通して、注入薬液が準備(すなわち混合)される。最後の投与位置では、点滴スパイクと代替点滴ポートとの間が連通して、注入薬液が投与される。別の実施形態では、回転位置が2つであっても良い。混合位置または再構成位置(すなわち初期位置)では、点滴スパイクと穿刺カニューレとの間が連通する。投与位置(すなわち最終位置)では、点滴スパイクと代替点滴ポートホルダーとの間が連通する。この別の実施形態では、輸液装置が、点滴スパイクと穿刺カニューレとの間が連通している初期位置または初期状態に設定される。さらに、より大きな円弧部分(円弧部分133、433参照。)が設けられることにより、流れ制御部材の動きが2つの位置の間に制限される。たとえば、円弧部分の円弧長が約45°に設定される。たとえば、流れ制御部材の動きが、
図12Aと
図13Aとに示されている位置の間に制限されても良い。その他に、栓位置を決める穴列326がそれぞれ穴を2つずつしか、すなわち混合用穴328と投与用穴329としか、含んでいなくても良い。
【0091】
本発明の特定の実施形態が図示され、説明されたが、その他にも様々な変形および修正が、発明の精神と範囲とから逸脱することなく可能であることは、当業者には自明であろう。
【0092】
以上、輸液装置について説明し、添付の図面に示した。この輸液装置は、注入液を収めた注入液容器と共に使用され、注入液を投与するための点滴ポートを備えている。最初は穴の開いていない、無傷である別の注入瓶には、端が閉じていて、薬剤を収めている瓶の本体と、管状のクラウンと、上面とがある。クラウンには、穴の開いていない栓によって蓋をされた開口部がある。注入セットは、点滴ポートに挿入されて密封される点滴スパイクと、患者への投与を目的とするコネクタとを含む。
【0093】
以下は、請求されても良い発明の側面に番号を振り、それらを列挙したリストである。なお、発明の側面は、このリストに列挙されたもので尽きているわけではない。
【0094】
1.注入瓶の栓に穴を開けるための穿刺カニューレを含む瓶アダプターと、
点滴スパイクと、
代替点滴ポートを収めるための代替点滴ポートホルダーと、
点滴スパイク、代替点滴ポートホルダー、および穿刺カニューレに連通している流れ制御部材ポートと、
流れ制御部材ポートに挿入されて密封された流れ制御部材と
を備えた輸液装置であって、
流れ制御部材を複数の位置の間で回転させることにより輸液装置内の流れが制御され、複数の位置には、
点滴スパイクと穿刺カニューレとの間で流れを可能にする混合位置または再構成位置と、
点滴スパイクと代替点滴ポートホルダーとの間で流れを可能にする投与位置とが含まれる、輸液装置。
【0095】
2.複数の位置には、点滴スパイクを密封する密封位置、または、点滴スパイク、穿刺カニューレ、および代替点滴ポートの間で流れを遮断する位置が含まれる、側面1に記載の輸液装置。
【0096】
3.流れ制御部材が初期位置から中間位置まで回転したときと、中間位置から最終位置まで回転したときとに警報音を発生させる戻り止め機構
を更に備えた、側面1または側面2に記載の輸液装置。
【0097】
4.戻り止め機構が、
単一の溝に嵌まる一対の戻り止め、または、一対の溝に嵌まる単一の戻り止め
を含む、側面3に記載の輸液装置。
【0098】
5.流れ制御部材が初期位置から最終位置へ回転するのを制限する回転制限機構
を備えた、側面1から側面4までのいずれかに記載の輸液装置。
【0099】
6.瓶アダプターが、
瓶のクラウンを収めるための空洞を含む内側本体と、
瓶アダプターが前圧縮状態から圧縮状態へ圧縮されたときに内側本体を摺動させて内部に収める外側本体と
を含む、側面1から側面5までのいずれかに記載の輸液装置。
【0100】
7.瓶アダプターの誤った圧縮を防ぐように配置されている安全捕獲機構
を備えた、側面6に記載の輸液装置。
【0101】
8.流れ制御部材の本体が上に形成されているキャップ形状の水平上壁を含み、瓶アダプターを収めるように構成された点滴スパイク本体
を備えた、側面1から側面7までのいずれかに記載の輸液装置。
【0102】
9.側面8に記載の輸液装置のうち、側面6または側面7に従属しているものであって、
点滴スパイク本体の水平上壁がラッチ穴を含み、
瓶アダプターの外側本体のキャップ形状の水平上壁が、回転可能で水平なラッチ部材を含み、
ラッチ部材が第1端とその反対側の第2端とを含み、
ラッチ部材の第1端が、直立したラッチ止めを含み、
ラッチ部材には、
瓶アダプターが前圧縮状態にあるとき、ラッチ止めが水平上壁を越えてラッチ穴の中へ突出して、流れ制御部材の回転を阻む非屈曲位置
があり、
瓶アダプターの内側本体は、
瓶アダプターが圧縮されたとき、ラッチ部材の第2端に作用してラッチ部材を回転させてラッチ止めをラッチ穴から移動させ、流れ制御部材の回転を可能にする、直立したラッチ解放部材
を含む、輸液装置。
【0103】
10.水平上壁が位置決め用の穴列を含み、その穴列が、初期用穴、中間用穴、および最終用穴を含み、
瓶アダプターが、
穴列と機械的に係合する、直立した位置止めを含む片持ち梁状部材
を有する、側面8または側面9に記載の輸液装置。
【0104】
11.初期用穴は、
流れ制御部材が初期位置から中間位置へスムーズに移動することを可能にする、面取りされた第1面
を含み、
中間用穴は、
流れ制御部材が中間位置から最終位置へスムーズに移動することを可能にする、面取りされた第1面
を含み、
中間用穴は、
流れ制御部材が中間位置から初期位置へ戻るのを防ぐための、面取りされていない第2面
を含み、
最終用穴は、
流れ制御部材が最終位置から中間位置へスムーズに移動することを可能にする、面取りされた第2面
を含む、側面10に記載の輸液装置。
【0105】
12.流れ制御部材の初期位置、中間位置、および最終位置を表示するように構成された位置アイコン表示機構
を備えた、側面8から側面11までのいずれかに記載の輸液装置。
【0106】
13.点滴スパイク本体が、
瓶アダプターを受け入れるように構成されたキャップ形状の下側の縁
を含み、
その縁が位置アイコン表示窓を含み、
瓶アダプターが、
位置アイコン表示窓に表示されるように構成された位置アイコン列を含む外側本体の上壁
を有する、側面12に記載の輸液装置。
【0107】
14.位置アイコン列が、
文字X、反対向きの一対の円弧、および直線を含む3つのアイコン
を含む、側面13に記載の輸液装置。
【0108】
15.流れ制御部材が初期位置にあるときには、アイコン表示窓に文字Xが表示され、
流れ制御部材が中間位置にあるときには、アイコン表示窓に一対の円弧が表示され、
流れ制御部材が最終位置にあるときには、アイコン表示窓に直線が表示される、
側面14に記載の輸液装置。