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特開2024-107382シート集合包装体、及びシート包装体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107382
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】シート集合包装体、及びシート包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20240801BHJP
   B65D 85/07 20170101ALI20240801BHJP
【FI】
B65D83/08 G
B65D85/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024095328
(22)【出願日】2024-06-12
(62)【分割の表示】P 2022152296の分割
【原出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】夘野 絢子
(57)【要約】
【課題】生産性が向上しながら、積載効率を維持することができるシート集合包装体を提供すること。
【解決手段】複数枚のシートが積層されたシート積層体と、前記シート積層体を収容する樹脂フィルム製の包装袋と、前記包装袋の天面に形成されて前記シートが引き出される取出口とを有するシート包装体が複数集積された集合体と、前記集合体を収容する樹脂フィルム製の集合包装袋と、を有するシート集合包装体であって、前記シート積層体は、前記シートが引き出される方向がCD方向となるように積層されたものであり、前記シート包装体は、前記シート積層体が締め付けられた状態で前記包装袋に収容されたものであり、前記シート集合包装体の高さ方向の堅さ(AF)が、2.5%以上6.0%以下である、シート集合包装体。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のシートが積層されたシート積層体と、前記シート積層体を収容する樹脂フィルム製の包装袋と、前記包装袋の天面に形成されて前記シートが引き出される取出口とを有するシート包装体が複数集積された集合体と、
前記集合体を収容する樹脂フィルム製の集合包装袋と、を有するシート集合包装体であって、
前記シート積層体は、前記シートが引き出される方向がCD方向となるように積層されたものであり、
前記シート包装体は、前記シート積層体が締め付けられた状態で前記包装袋に収容されたものであり、
前記シート集合包装体の高さ方向の堅さ(AF)が、2.5%以上6.0%以下である、シート集合包装体。
【請求項2】
前記シート包装体は、前記シート積層体の積層方向が前記シート包装体の高さ方向となるように、前記シート積層体が前記包装袋に収容されたものであり、
前記集合体は、前記シート包装体の高さ方向が前記シート集合包装体の高さ方向となるように、複数の前記シート包装体が集積されたものである、請求項1に記載のシート集合包装体。
【請求項3】
前記集合体は、前記集合体の少なくとも側面が締め付けられた状態で前記集合包装袋に収容されている、請求項2に記載のシート集合包装体。
【請求項4】
前記シート包装体は、前記シート積層体がキャラメル包装されたものである、請求項1に記載のシート集合包装体。
【請求項5】
包装前の前記シート積層体の合計の高さに対する前記シート集合包装体の高さの比が、90%未満である、請求項2に記載のシート集合包装体。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシート集合包装体の前記集合体を構成するシート包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート集合包装体、及びシート包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
ティシューペーパー等の衛生薄葉紙は、そのウェブが厚紙の箱に収容されたカートンタイプが普及しているが、運搬、保管、廃棄、環境負荷、コスト等の観点から、近年は、樹脂フィルム製の包装袋にウェブが収容されたフィルムパックの需要が高まっている。
【0003】
フィルムパックの製造では、ウェブを包装袋に収容する際にウェブのコンパクションによる衛生薄葉紙の取出性低下を防ぐため、収容されるウェブの側面が揃いやすいロータリー式インターフォルダが用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、フィルムパックの個包装体は、さらにフィルム状の包装袋に複数収容された集合包装体として流通する(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-102858号公報
【特許文献2】特開2021-54517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ロータリー式インターフォルダを用いたフィルムパックの製造では、ウェブの供給能力が低いため、フィルムパックの生産性を高めることができない。
【0007】
また、ロータリー式インターフォルダに代えてウェブの供給能力が高いマルチスタンド式インターフォルダを用いると、フィルムパックの生産性は向上するものの、ウェブの側面が揃わないため、その分だけフィルムパックの容量が大きくなる。その結果、フィルムパックの集合包装体では、フィルムパックの数だけ容量が大きくなり、複数の集合包装体を梱包する従来のケースに、同じ数量の集合包装体が梱包できない(積載効率が低下する)。
【0008】
さらに、ウェブの側面が揃わないフィルムパックは、ウェブのコンパクションを強くすることで、容量を小さくすることができるが、ウェブのコンパクションが強くなると、収容されたウェブの側面が揃わない状態で押し潰されて、衛生薄葉紙の取出性が低下する。
【0009】
本発明の課題は、生産性が向上しながら、積載効率を維持することができるシート集合包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る第1の態様は、複数枚のシートが積層されたシート積層体と、前記シート積層体を収容する樹脂フィルム製の包装袋と、前記包装袋の天面に形成されて前記シートが引き出される取出口とを有するシート包装体が複数集積された集合体と、前記集合体を収容する樹脂フィルム製の集合包装袋と、を有するシート集合包装体であって、前記シート積層体は、前記シートが引き出される方向がCD方向となるように積層されたものであり、前記シート包装体は、前記シート積層体が締め付けられた状態で前記包装袋に収容されたものであり、前記シート集合包装体の高さ方向の堅さ(AF)が、2.5%以上6.0%以下である、シート集合包装体を提供する。
【0011】
本明細書において、CD方向とは、シートを構成する繊維の流れ方向(MD方向)と直交する方向を示す。「シートが引き出される方向がCD方向となる」とは、シート包装体の取出口からシートが引き出される場合のシートの移動方向がCD方向であり、また包装体内の積層状態においてもシートの移動方向がCD方向であることを意味する。
【0012】
シートが引き出される方向がCD方向となるように積層されたシート積層体には、シートがマルチスタンド式インターフォルダ(1つの折り板でシートを折り込みながら交互に重ねてウェブを製造する装置)で積層されたものが含まれる。
【0013】
シートがマルチスタンド式インターフォルダで積層されたシート積層体は、通常、シートが引き出される方向がCD方向となるように積層されたシート積層体を構成する。また、マルチスタンド式インターフォルダで積層されたシート積層体は、シート積層体が直方体状の場合は、一対の長側面が不揃いとなりやすい(シートの折り目が積層方向にずれやすい)。
【0014】
シート集合包装体の高さ方向の堅さ(AF)とは、シート集合包装体の上面に所定の重さ(例えば500g)の重りを載せて荷重したときの、シート集合包装体の荷重前の高さ(A)に対する荷重前の高さ(A)と荷重後の高さ(B)の差(A-B)の割合[(A-B)/(A)]×100(%)を示す。
【0015】
第1の態様では、シートが引き出される方向がCD方向となるように積層されたシート積層体が、供給能力が高いマルチスタンド式インターフォルダで積層されたものであるため、シート集合包装体を構成するシート包装体の生産性を向上させることができる。
【0016】
また、第1の態様では、シート積層体が締め付けられた状態で包装袋に収容されたシート包装体で構成されたシート集合包装体の高さ方向の堅さ(AF)が2.5%以上6.0%以下である。これにより、シート包装体を集積したシート集合包装体の容量の増大を防ぐことができ、シート集合包装体の積載効率を維持することができる。
【0017】
さらに、第1の態様では、シート集合包装体の高さ方向の堅さ(AF)が2.5%以上6.0%以下であることで、シート集合包装体を構成する各シート包装体に適度なコンパクションがかけられた状態となる。そのため、マルチスタンド式インターフォルダで製造したシート積層体の側面が不揃いであっても押し潰されないため、シート包装体の使用時にシートの取出性の低下を防ぐことができる。
【0018】
本発明に係る第2の態様は、前記シート包装体は、前記シート積層体の積層方向が前記シート包装体の高さ方向となるように、前記シート積層体が前記包装袋に収容されたものであり、前記集合体は、前記シート包装体の高さ方向が前記シート集合包装体の高さ方向となるように、複数の前記シート包装体が集積されたものである、第1の態様に記載のシート集合包装体を提供する。
【0019】
第2の態様では、シート積層体の積層方向がシート包装体の高さ方向となり、且つシート包装体の高さ方向がシート集合包装体の高さ方向となることで、シート積層体の積層方向がシート集合包装体の高さ方向となる。これにより、シート集合包装体を構成する各シート包装体の高さ方向に適度なコンパクションをかけることができるため、シート包装体を集積したシート集合包装体の容量の増大を防ぐことができ、シート集合包装体の積載効率を維持することができる。
【0020】
本発明に係る第3の態様は、前記集合体は、前記集合体の少なくとも側面が締め付けられた状態で前記集合包装袋に収容されている、第1または第2の態様に記載のシート集合包装体を提供する。
【0021】
第3の態様では、集合体の少なくとも側面が締め付けられた状態で集合体が集合包装袋に収容されていることで、シート集合包装体を構成する各シート包装体におけるシート積層体の側面にコンパクションをかけることができる。そのため、シート集合包装体を構成する各シート包装体の容量の増大を防ぐことができる。その結果、シート包装体を集積したシート集合包装体の容量の増大を防ぐことができ、シート集合包装体の積載効率を維持することができる。
【0022】
本発明に係る第4の態様は、前記シート包装体は、前記シート積層体がキャラメル包装されたものである、第1乃至第3の態様のいずれか一つに記載のシート集合包装体を提供する。本明細書において、キャラメル包装とは、筒状のフィルムの両端部またはいずれか一方の端部が折り畳まれて接着または封止された包装袋に包装されることを示す。
【0023】
第4の態様では、シート積層体をキャラメル包装することにより、シート集合包装体を構成する各シート包装体のコンパクションが容易になる。そのため、このようなシート包装体で構成されたシート集合包装体の高さ方向の堅さ(AF)の調整が容易になる。
【0024】
本発明に係る第5の態様は、包装前の前記シート積層体の合計の高さに対する前記シート集合包装体の高さの比が、90%未満である、第1乃至4の態様のいずれか一つに記載のシート集合包装体を提供する。
【0025】
本明細書において、包装前のシート積層体の合計の高さとは、シート包装体の包装袋に収容される前のシート積層体の積層方向の高さに、シート集合包装体を構成するシート包装体の個数を掛けたものを示す。また、シート集合包装体の高さとは、シート集合包装体の高さ方向の堅さ(AF)を測定する際の荷重前の高さを示す。
【0026】
第5の態様では、包装前のシート積層体の合計の高さに対するシート集合包装体の高さの比が90%未満となることで、マルチスタンド式インターフォルダで製造したシート積層体を用いた場合でも、シート包装体の容量の増大を確実に防ぐことができる。そのため、このようなシート包装体で構成されたシート集合包装体では、シート集合包装体自体の容量の増大を確実に防ぐことができ、シート集合包装体の積載効率を確実に維持することができる。
【0027】
本発明に係る第6の態様は、第1乃至5のいずれか一つに記載のシート集合包装体の前記集合体を構成するシート包装体である。
【0028】
第6の態様では、シート包装体が上述のシート集合包装体を構成することで、上述のシート集合包装体に用いられるシート包装体の効果がそのまま得られる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一態様によれば、生産性が向上しながら、積載効率を維持することができるシート集合包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】シート包装体(個包装体)を示す図である。
図2】シート包装体(個包装体)に収容されたシート積層体を示す図である。
図3】包装前のシート積層体を一方の妻面側から見た拡大図である。
図4】シート集合包装体を示す図である。
図5】シート集合包装体の堅さ(AF)を測定する状態を示す図である。
図6】包装前のシート積層体を一方の妻面側から見た拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、各図面における各部材の縮尺は、実際とは異なる場合がある。
【0032】
本明細書では、図の方向を3軸方向(X方向、Y方向、Z方向)の3次元直交座標系を用いて説明する。各図において、左右方向(シート包装体またはシート集合包装体の長手方向)をX方向とし、前後方向(シート包装体またはシート集合包装体の短手方向)をY方向とし、上下方向(シート包装体またはシート集合包装体の高さ方向)をZ方向とする。
【0033】
また、本明細書において、各方向には、実施形態の作用、効果を損なわない程度のずれが許容される。また、直交には、略直交が含まれてもよい。
【0034】
<シート包装体>
図1は、実施形態に係るシート包装体を示す図である。図2は、シート包装体(個包装体)に収容されたシート積層体を示す図である。図3は、包装前のシート積層体を一方の妻面側から見た拡大図である。
【0035】
本実施形態に係るシート包装体100は、シート積層体10、包装袋20を有する(図1)。本実施形態では、シート10Aの積層方向(SD方向)が高さ方向(Z方向)となるようにシート積層体10が包装袋20に収容される。なお、シート包装体100は、本実施形態に係るシート包装体の一例である。
【0036】
シート積層体10は、複数枚(または複数組)のシート10Aが積層されたものである(図2)。シート積層体10の形状は、特に限定されず、例えば、直方体状、立方体状等である。シート積層体10は、包装袋20の天面21に形成される取出口21Aを通してシート10Aが1枚ずつ(または1組ずつ)引き出せるようになっている(図1参照)。
【0037】
シート10Aの材質は、特に限定されず、例えば、紙、不織布又は布等であり、好ましくは薄葉紙である。シートが薄葉紙の場合、パルプ組成は、薄葉紙における公知の組成を用いることができる。パルプの配合割合は、例えば、50質量%以上にすることができ、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%である。
【0038】
また、シート10Aの坪量は、特に限定されないが、プライ数に応じて、紙の場合は5g/m以上80g/m以下、不織布の場合は20g/m以上100g/m以下のものが望ましい。なお、坪量は、JIS P 8124(2011)の規定に準拠して測定される。
【0039】
また、シート10Aの厚みは、特に限定されず、JIS P 8111(1998)の環境下で測定された紙厚を採用することができる。例えば、シートが薄葉紙の場合、薄葉紙の紙厚は、1プライ(2プライの場合は2プライ)あたり、50μm以上500μm以下にすることができ、好ましくは60μm以上330μm以下である。
【0040】
なお、シート積層体10は、シート10Aを1枚または1組ずつ引き出す観点から、各シート10Aが折り込まれた状態で互い違いに積層されたもの(いわゆるポップアップ式のシート積層体10)であることが好ましい。また、シート積層体10の形態は、ポップアップ式に引き出せるものに限定されず、複数枚(または複数組)のシート10Aが単に積層されたもの、各シート10Aが折り畳まれた状態で積層されたものでもよい。
【0041】
また、シート積層体10の寸法は、シート包装体100の長手方向(X方向)の長さを155mm以上230mm以下、シート包装体100の長手方向(X方向)に直交する短手方向または奥行方向(Y方向)の長さを90mm以上120mm以下、高さ方向または厚み方向(Z方向)の厚みを30mm以上100mm以下とすることができる。
【0042】
シート積層体10を構成するシート10Aの態様は、特に限定されず、例えば、ティシューペーパー、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオル等の衛生薄葉紙に適用可能である。なお、ティシューペーパー、ペーパータオル等の衛生薄葉紙には、保湿成分を含んだ衛生薄葉紙(例えば、ローションティシュー等)も含まれる。また、シート10Aの用途は、特に限定されず、産業用、家庭用、携帯用のいずれにも適用できる。これらの中でも、家庭用のティシューペーパーに好適に用いられる。
【0043】
シート積層体10は、シート10Aが引き出される方向がCD方向(シート10Aを構成する繊維の流れ方向(MD方向)と直交する方向)となるように積層されたものである。
【0044】
シートが引き出される方向がCD方向となることは、シート包装体100の取出口21Aからシート10Aが引き出される場合のシート10Aの移動方向がCD方向であり、またシート包装体100内のシート積層体10の状態においてもシート10Aの移動方向がCD方向であることを意味する。
【0045】
シート10Aの引き出し方向がCD方向となるように積層されたシート積層体10は、シート10Aがマルチスタンド式インターフォルダ(1つの折り板でシートを折り込みながら交互に重ねてウェブを製造する装置)で積層されたものであることが好ましい。
【0046】
シートがマルチスタンド式インターフォルダで積層されたシート積層体10は、通常、シートが引き出される方向がCD方向となるように積層されたシート積層体を構成する。シート積層体10が直方体状の場合は、図2に示すように、シート積層体10の一方の短側面SSから長手方向(X方向)に見た一対の長側面LSが不揃いとなりやすい(シートの折り目が積層方向SDにずれやすい)。
【0047】
なお、従来のロータリー式インターフォルダで積層されたシート積層体10は、通常、シートが引き出される方向がMD方向となるように積層されたシート積層体となる。また、ロータリー式インターフォルダで積層されたシート積層体10は、シート積層体10が直方体状の場合は、図6に示すように、シート積層体10の一方の短側面SSから長手方向(X方向)に見た一対の長側面LSが揃いやすい(シートの折り目が積層方向SDにずれにくい)。
【0048】
包装袋20は、シート積層体10を収容する。
【0049】
包装袋20は、シート積層体10が収容された状態で、天面21、底面22、正面23、背面24、側面25、側面26を有する。包装袋20では、天面21と底面22が上下方向(Z方向)に対向し、正面23と背面24が前後方向(Y方向)に対向し、側面25と側面26が左右方向(X方向)に対向する。側面25および側面26は、天面21、底面22、正面23、および背面24のいずれにも連続する(図1参照)。
【0050】
包装袋20の天面21には、取出口21Aが設けられている。取出口21Aは、シート10Aが引き出せるようになっている。取出口21Aの形態は、特に限定されず、例えば、連続する切込み、細長い開口等で構成することができる。開口の形状は、特に限定されず、直線、波線、長方形、楕円、ダンベル型等の形状にすることができる。なお、これらの切込みや開口は、ミシン目(断続的な切込み)を破ることで構成してもよい(図1参照)。
【0051】
包装袋20は、樹脂フィルム製である。包装袋20を構成する樹脂フィルムは、可撓性である。樹脂フィルムに用いられる樹脂は、特に限定されず、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアミド(PA)等の樹脂を用いることができる。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等を用いることができる。
【0052】
なお、これらの中でも、柔軟で取扱い性に優れ、ヒートシールした場合のシール性も高いこと、安価であること等の点で、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等が好ましい。また、無臭であり、耐水性・耐薬品性に優れ、低コストで大量生産が可能である点で、ポリエチレンが好ましい。また、堅牢であり、成形しやすく、印刷時の発色がよく、また光沢を付与できること等の観点からは、ポリプロピレンが好ましい。
【0053】
なお、包装袋20を形成する材質には、生分解性材料(生分解性プラスチック等)、バイオマス材料(バイオマスフィルム等の再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの)を用いることができる。
【0054】
包装袋20を形成する樹脂フィルムの形態は、特に限定されず、上述の樹脂が単層で形成された単層フィルム、上述の樹脂を積層したラミネートフィルム、または上述の2種類以上の樹脂の混合物で形成された混合フィルムであってもよい。
【0055】
包装袋20を形成する樹脂フィルムの厚みは、特に限定されず、好ましくは20μm以上100μm以下、より好ましくは25μm以上70μm以下である。樹脂フィルムの厚みを20μm以上とすることで、シート10Aが収容される包装袋20としての十分な強度を確保することができる。また、樹脂フィルムの厚みを100μm以下とすることで、包装袋20の柔軟性及び軽量性を確保できるとともに、コストが抑えられる。
【0056】
また、包装袋20の包装態様は、特に限定されない。本実施形態では、例えば、筒状の樹脂フィルムの両端部を折り畳んでシール(封止)する包装(キャラメル包装)、ガセット状に折り込まれた筒状の樹脂フィルムの両端部またはいずれか一方の端部をシール(封止)する包装(ピロー包装)、熱収縮性の樹脂フィルムを加熱して被包装体に密着させる包装(シュリンク包装)、またはこれらを組み合わせた包装等を採用することができる。これらの中でも、シート積層体10に対するコンパクションの制御が容易な点で、キャラメル包装が好ましい(図1参照)。
【0057】
キャラメル包装では、シート積層体10を樹脂フィルムで長手方向(X方向)の両端が開口する筒型に巻き込むようにして包み、その巻き込み方向に重畳する部分を融着処理や接着剤によって接着する。次に、筒型の樹脂フィルムの長手方向(X方向)の両端を、シート積層体10の端面側に折り込み、その際に形成される略三角形又は略台形の片の少なくとも各先端縁部同士を重ねて融着処理や接着剤によって接着して、筒型の開口を封止する。本実施形態では、筒状の樹脂フィルムの両端部(包装袋20の側面25、26)が折り畳まれてシールされている(図1参照)。
【0058】
シート包装体100では、シート積層体10が締め付けられた状態で包装袋に収容されている。具体的には、シート積層体10がキャラメル包装される際にシート積層体10にコンパクション(圧縮)がかけられる。このときのコンパクションは、後述するシート集合包装体の堅さ(AF)を考慮して調整される。
【0059】
<シート集合包装体>
図4は、シート集合包装体を示す図である。シート集合包装体200は、集合体30と集合包装袋40とを有する。
【0060】
集合体30は、シート包装体100が複数集積されている。本実施形態では、シート包装体100の高さ方向(Z方向)がシート集合包装体200の高さ方向(Z方向)となるように、複数のシート包装体100が集積されている。
【0061】
具体的には、上述のシート包装体100が、シート包装体100の包装袋20の天面21と底面22が対面するように、上下方向(Z方向)に5個積まれた集合体30を構成する(図4)。なお、集合体を構成するシート包装体100の個数は、限定されず、2個以上であればよい。
【0062】
集合包装袋40は、集合体30を収容する。
【0063】
集合包装袋40は、集合体30が収容された状態で、天面41、底面42、正面43、背面44、側面45、側面46を有する。集合包装袋40では、天面41と底面42が上下方向(Z方向)に対向し、正面43と背面44が前後方向(Y方向)に対向し、側面45と側面46が左右方向(X方向)に対向する。側面45および側面46は、天面41、底面42、正面43、および背面44のいずれにも連続する(図4参照)。
【0064】
集合包装袋40の天面41には、持手50が設けられている。持手50には、指掛け用の開口51が設けられている。持手50は、集合包装袋40と一体に形成され、集合包装袋40の天面41に倒れた状態から、ユーザが持手50を掴むときに立てた状態にすることができる(図4)。
【0065】
集合包装袋40は、樹脂フィルム製である。集合包装袋40を構成する樹脂フィルムは、可撓性である。樹脂フィルムに用いられる樹脂は、特に限定されず、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアミド(PA)等の樹脂を用いることができる。
【0066】
なお、これらの中でも、柔軟で取扱い性に優れ、ヒートシールした場合のシール性も高いこと、安価であること等の点で、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等が好ましい。また、無臭であり、耐水性・耐薬品性に優れ、低コストで大量生産が可能である点で、ポリエチレンが好ましい。
【0067】
ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等を用いることができる。また、堅牢であり、成形しやすく、印刷時の発色がよく、また光沢を付与できること等の観点からは、ポリプロピレンが好ましい。
【0068】
なお、集合包装袋40を形成する材質には、生分解性材料(生分解性プラスチック等)、バイオマス材料(バイオマスフィルム等の再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの)を用いることができる。
【0069】
集合包装袋40を形成する樹脂フィルムの形態は、特に限定されず、上述の樹脂が単層で形成された単層フィルム、上述の樹脂を積層したラミネートフィルム、または上述の2種類以上の樹脂の混合物で形成された混合フィルムであってもよい。
【0070】
集合包装袋40を形成する樹脂フィルムの厚みは、特に限定されず、好ましくは20μm以上100μm以下、より好ましくは25μm以上70μm以下である。樹脂フィルムの厚みを20μm以上とすることで、シート包装体100の集合体30が収容される集合包装袋40としての十分な強度を確保することができる。また、樹脂フィルムの厚みを100μm以下とすることで、集合包装袋40の柔軟性及び軽量性を確保できるとともに、コストが抑えられる。
【0071】
また、集合包装袋40の包装態様は、特に限定されない。例えば、ガセット状に折り込まれた筒状の樹脂フィルムの両端部またはいずれか一方の端部をシール(封止)する包装(ガセット包装またはピロー包装)、筒状の樹脂フィルムの両端部またはいずれか一方の端部が折り畳まれて接着または封止された包装(キャラメル包装)、熱収縮性の樹脂フィルムを加熱して被包装体に密着させる包装(シュリンク包装)、またはこれらを組み合わせた包装等を採用することができる。これらの中でも、集合包装袋40に収容される集合体30に対するコンパクションの制御が容易な点で、ガセット包装が好ましい。
【0072】
シート集合包装体200では、集合体30の少なくとも側面が締め付けられた状態で集合包装袋40に収容されている。具体的には、集合体30がガセット状にピロー包装される際に集合体30の側面(各シート包装体100に収容されたシート積層体10の少なくとも長側面)LSにコンパクション(圧縮)がかけられる。このときのコンパクションは、後述するシート集合包装体の堅さ(AF)を考慮して調整される。
【0073】
シート集合包装体200は、シート集合包装体200の高さ方向(Z方向)の堅さ(AF)が2.5%以上6.0%以下であり、好ましくは2.7%以上5.7%以下、より好ましくは2.9%以上5.5%以下である。
【0074】
ここで、シート集合包装体200の高さ方向(Z方向)の堅さ(AF)は、シート集合包装体200の天面41に重り70を載せて荷重したときの、シート集合包装体200の荷重前の高さ(A)に対する荷重前の高さ(A)と荷重後の高さ(B)の差(A-B)の割合[(A-B)/(A)]×100(%)を示す。
【0075】
具体的には、シート集合包装体200の天面41に4か所に印(印61~64)をつけたアクリル板60を載せた状態をシート集合包装体200の荷重前とし、アクリル板60の上から500gの重り70を載せた状態をシート集合包装体200の荷重後とする。そして、印61~64を付けた4か所における荷重前の高さの平均と荷重後の高さの平均とを上式に当てはめて堅さ(AF)を算出する。
【0076】
本実施形態では、図5に示すように、5個のシート包装体100からなる集合体30を集合包装袋40に収容したシート集合包装体200の高さ方向(Z方向)の堅さ(AF)が2.5%以上6.0%以下となっている。
【0077】
シート集合包装体200は、包装前のシート積層体10の合計の高さHAに対するシート集合包装体200の高さH2の比(H2/HA)が、90%未満であることが好ましく、85%以下であることがより好ましい。
【0078】
ここで、包装前のシート積層体10の合計の高さは、シート包装体100の包装袋20に収容される前のシート積層体10の積層方向SDの高さH1に、シート集合包装体200を構成するシート包装体100の個数Nを掛けたものH1×Nを示す。また、シート集合包装体の高さは、シート集合包装体200の高さ方向(Z方向)の堅さ(AF)を測定する際の荷重前の高さ(アクリル板60を載せた状態の高さ)を示す。
【0079】
本実施形態では、図2図5に示すように、包装前のシート積層体10の合計の高さは、包装前のシート積層体10の積層方向SDの高さH1にシート集合包装体200を構成するシート包装体100の個数5を掛けたものH1×5となる。したがって、包装前のシート積層体10の合計の高さに対するシート集合包装体200の高さH2の比は、H2/(H1×5)が90%未満となる。
【0080】
本実施形態のシート集合包装体200では、上述のように、シート10Aが引き出される方向がCD方向となるように積層されたシート積層体10が、供給能力が高いマルチスタンド式インターフォルダで積層されたものであるため、シート集合包装体200を構成するシート包装体100の生産性を向上させることができる。
【0081】
また、本実施形態のシート集合包装体200では、上述のように、シート積層体10が締め付けられた状態で包装袋20に収容されたシート包装体100で構成されたシート集合包装体200の高さ方向(Z方向)の堅さ(AF)が2.5%以上6.0%以下である。これにより、シート包装体100を集積したシート集合包装体200の容量の増大を防ぐことができ、シート集合包装体200の積載効率を維持することができる。
【0082】
さらに、本実施形態のシート集合包装体200では、シート集合包装体200の高さ方向(Z方向)の堅さ(AF)が2.5%以上6.0%以下であることで、シート集合包装体200を構成する各シート包装体100に適度なコンパクションがかけられた状態となる。そのため、上述のように、マルチスタンド式インターフォルダで製造したシート積層体10の側面(長側面)LSが不揃いであっても押し潰されないため、シート包装体100の使用時にシート10Aの取出性の低下を防ぐことができる。
【0083】
また、本実施形態のシート集合包装体200では、上述のように、シート積層体10の積層方向SDがシート包装体100の高さ方向(Z方向)となり、且つシート包装体100の高さ方向(Z方向)がシート集合包装体200の高さ方向(Z方向)となることで、シート積層体10の積層方向SDがシート集合包装体200の高さ方向(Z方向)となる。これにより、シート集合包装体200を構成する各シート包装体100の高さ方向(Z方向)に適度なコンパクションをかけることができるため、シート包装体100を集積したシート集合包装体200の容量の増大を防ぐことができ、シート集合包装体200の積載効率を維持することができる。
【0084】
本実施形態のシート集合包装体200では、上述のように、集合体30の少なくとも側面が締め付けられた状態で集合体30が集合包装袋40に収容されていることで、シート集合包装体200を構成する各シート包装体100におけるシート積層体10の側面(長側面)LSにコンパクションをかけることができる。そのため、シート集合包装体200を構成する各シート包装体100の容量の増大を防ぐことができる。その結果、シート包装体100を集積したシート集合包装体200の容量の増大を防ぐことができ、シート集合包装体200の積載効率を維持することができる。
【0085】
本実施形態のシート集合包装体200では、上述のように、シート積層体10をキャラメル包装することにより、シート集合包装体200を構成する各シート包装体100のコンパクションが容易になる。そのため、このようなシート包装体100で構成されたシート集合包装体200の高さ方向(Z方向)の堅さ(AF)の調整が容易になる。
【0086】
本実施形態のシート集合包装体200では、上述のように、包装前のシート積層体10の合計の高さHAに対するシート集合包装体200の高さH2の比(H2/HA)が90%未満となることで、マルチスタンド式インターフォルダで製造したシート積層体10を用いた場合でも、シート包装体100の容量の増大を確実に防ぐことができる。そのため、このようなシート包装体100で構成されたシート集合包装体200では、シート集合包装体200自体の容量の増大を確実に防ぐことができ、シート集合包装体200の積載効率を確実に維持することができる。
【0087】
また、本実施形態のシート包装体100は、上述のように、本実施形態のシート集合包装体200を構成するため、シート集合包装体200に用いられるシート包装体100の効果がそのまま得られる。
【0088】
具体的には、本実施形態のシート包装体100では、上述のように、シート10Aが引き出される方向がCD方向となるように積層されたシート積層体10が、供給能力が高いマルチスタンド式インターフォルダで積層されたものであるため、シート集合包装体200を構成するシート包装体100の生産性を向上させることができる。
【0089】
また、本実施形態のシート包装体100は、上述のように、シート積層体10が締め付けられた状態で包装袋20に収容されたシート包装体100がシート集合包装体200を構成し、このシート集合包装体200の高さ方向(Z方向)の堅さ(AF)が2.5%以上6.0%以下となる。これにより、シート包装体100を集積したシート集合包装体200の容量の増大を防ぐことができ、シート集合包装体200の積載効率を維持することができる。
【0090】
さらに、本実施形態のシート包装体100は、上述のように、シート集合包装体200を構成し、シート集合包装体200の高さ方向(Z方向)の堅さ(AF)が2.5%以上6.0%以下であることで、シート集合包装体200を構成する各シート包装体100に適度なコンパクションがかけられた状態となる。そのため、上述のように、マルチスタンド式インターフォルダで製造したシート積層体10の側面(長側面)LSが不揃いであっても押し潰されないため、シート包装体100の使用時にシート10Aの取出性の低下を防ぐことができる。
【実施例0091】
以下、本発明について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。実施例、比較例の評価は、以下の条件で行った。
【0092】
[シート包装体(個包装体)]
シート積層体10としてシート10Aが交互に折り畳まれてポップアップ式に1組ずつ引き出せるように積層されたティシューペーパー(寸法:高さ(Z方向)約58mm、横(X方向)約180mm、縦(Y方向)約101mm、重さ約120g)を、厚み約62μmのポリエチレンのラミネートフィルムで形成された包装袋20でキャラメル包装したシート包装体100を用意した(図1図2参照)。
【0093】
[シート集合包装体]
シート集合包装体200として、5個のシート包装体100をシート包装体100の包装袋20の天面21と底面22が対面するように上下方向(Z方向)に積み重ねた集合体30を、厚み約35μmのポリエチレン製のフィルムで形成された集合包装袋40に、ガセット状にピロー包装したものを用意した(図4参照)。
【0094】
[シート集合包装体の堅さ]
シート集合包装体200の高さ方向(Z方向)の堅さ(AF)を測定する。堅さ(AF)の測定では、厚さ(Z方向)3mm、縦(Y方向)165mm、横(X方向)320mmのアクリル板60の4辺の各中央部に印61~64を付けたものを、シート集合包装体200の集合包装袋40の天面41に置き、シート集合包装体200(集合包装袋40)の下面(側面46)からアクリル板60の4か所(印61~64)までの高さを測定し、該4か所までの高さの平均値を荷重前の高さH2とする。アクリル板60の中央に重さ500gの重り70を置き、シート集合包装体200(集合包装袋40)の下面(側面46)からアクリル板60の4か所(印61~64)までの高さを測定し、4か所までの高さの平均値を荷重後の高さH3とする。荷重前の高さH2から荷重後の高さH3を差し引いた押し込み量HDを求める。そして、(押し込み量HD/荷重前の高さH2)×100を堅さ(AF)とする。堅さ(AF)の評価は、以下の基準で行った。
【0095】
〔評価基準〕
優:2.9%以上5.5%以下
良:2.7%以上5.7%以下
可:2.5%以上6.0%以下
不可:2.5%未満または6.0%を超える
【0096】
[シートの取出し性]
シートの取出し性を評価した。取出し性の評価では、シート集合包装体200から1つのシート包装体100を取り出し、1~10組までシート10Aを取出し、シート10Aの破れ、シート包装体100の浮きの回数を評価(N=3回実施)した。取出し性の評価は、以下の基準で行った。なお、評価がA、Bの場合は取出し性が良好、評価がCの場合は取出し性が不良と判定した。
【0097】
〔評価基準〕
A:破れおよび/または浮きが0回
B:破れおよび/または浮きが5回未満
C:破れおよび/または浮きが5回以上
【0098】
[パックのコンパクト性]
シート集合包装体(パック)のコンパクト性を評価した。コンパクト性の評価では、シート集合包装体200について、包装前のシート積層体10の状態でのシート積層体10高さの合計に対する、シート集合包装体200の高さH2の比率((H2/H1×5)×100)を算出する。取出し性の評価は、以下の基準で行った。なお、評価がA、Bの場合はコンパクト性が良好、評価がCの場合はコンパクト性が不良、と判定した。
【0099】
〔評価基準〕
A:85%未満
B:85%以上90%未満
C:90%以上
【0100】
表1に、実施例1、2及び比較例1、2の、押し込み量(DH)、堅さ(AF)、シートの取出し性、パックのコンパクト性をそれぞれ示す。
【0101】
【表1】
【0102】
表1より、シート集合包装体200の高さ方向(Z方向)の堅さAFが2.5%以上6.0%以下の場合、シートの取出し性およびパックのコンパクト性が何れも良好であった(実施例1、2)。
【0103】
一方、シート集合包装体200の高さ方向(Z方向)の堅さAFが6.0%を超える場合は、パックのコンパクト性が不良であり(比較例1)、2.5%未満の場合は、シートの取出し性が不良であった(比較例2)。
【0104】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0105】
100 シート包装体
10 シート積層体
10A シート
20 包装袋
21 天面
21A 取出口
22 底面
23 正面
24 背面
25、26 側面
SD 積層方向
H1 高さ
LS 側面(長側面)
SS 短側面
30 集合体
40 集合包装袋
41 天面
42 底面
43 正面
44 背面
45、46 側面
50 持手
51 開口
60 アクリル板
61、62、63、64 印
70 重り
200 シート集合包装体
H2 高さ(荷重前)
H3 高さ(荷重後)
図1
図2
図3
図4
図5
図6