(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107415
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】ズームレンズ及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 15/20 20060101AFI20240801BHJP
G02B 13/18 20060101ALN20240801BHJP
【FI】
G02B15/20
G02B13/18
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024096073
(22)【出願日】2024-06-13
(62)【分割の表示】P 2020078385の分割
【原出願日】2020-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(72)【発明者】
【氏名】三觜 隆広
(57)【要約】
【課題】高倍率であり、最短撮影距離の短縮化が可能であり、かつ高い光学性能を有するズームレンズ及び撮像装置を提供する。
【解決手段】ズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群(G1)、負の屈折力を有する第2レンズ群(G2)、及び全体で正の屈折力を有する後群から構成される。当該ズームレンズは、3つの式で表される特定の光学特性を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、及び全体で正の屈折力を有する後群から構成され、隣り合うレンズ群間の間隔を変化させることにより変倍動作を行うズームレンズであって、
前記後群は、物体側から順に、第3レンズ群と、第4レンズ群と、第5レンズ群とを少なくとも含み、
前記第3レンズ群は、物体側から順に、正レンズ、負レンズ、及び正レンズから構成され、
前記第1レンズ群は変倍時に移動せず、
前記第3レンズ群、前記第4レンズ群、及び前記第5レンズ群のうちいずれか1つのレンズ群は光軸上を移動することで合焦を行うフォーカス群であり、
以下の式を満足するズームレンズ。
0.3≦|ff|/M<0.8・・・・・(1)
6.0≦ft/f3≦15.0・・・・・(4)’
3.0≦|f1/f2|≦6.72・・・・・(5)’
但し、
M:fwとftとの積の平方根
ff:前記フォーカス群の焦点距離
fw:前記ズームレンズの無限遠合焦時における広角端での焦点距離
ft:前記ズームレンズの無限遠合焦時における望遠端での焦点距離
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
f3:前記第3レンズ群の焦点距離
【請求項2】
前記後群のうち少なくとも2つのレンズ群が広角端から望遠端への変倍時に光軸上を移動する、請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項3】
前記後群の移動するレンズ群は、少なくとも1つの正の屈折力を有するレンズ群と、少なくとも1つの負の屈折力を有するレンズ群とを含み、
以下の式を満足する、請求項2に記載のズームレンズ。
0.0<|fp/fn|<1.5・・・・・(9)
但し、
fp:前記後群の移動するレンズ群の中で最も強い正の屈折力を有するレンズ群の焦点距離
fn:前記後群の移動するレンズ群の中で最も強い負の屈折力を有するレンズ群の焦点距離
【請求項4】
以下の式を満足する、請求項1~3のいずれか一項に記載のズームレンズ。
5.0≦β2T/β2W≦40.0・・・・・(3)
但し、
β2T:前記第2レンズ群の望遠端での横倍率
β2W:前記第2レンズ群の広角端での横倍率
【請求項5】
以下の式を満足する、請求項1~4のいずれか一項に記載のズームレンズ。
-0.4≦β2W≦-0.1・・・・・(6)
但し、
β2W:前記第2レンズ群の広角端での横倍率
【請求項6】
以下の式を満足する、請求項1~5のいずれか一項に記載のズームレンズ。
3.0≦D2rw/fw≦9.0・・・・・(7)
但し、
D2rw:前記ズームレンズの無限遠合焦時における広角端での前記第2レンズ群の最も像側のレンズ面と、前記第3レンズ群の最も物体側のレンズ面との間の光軸上の距離
【請求項7】
以下の式を満足する、請求項1~6のいずれか一項に記載のズームレンズ。
2.0≦|m2/f2|≦6.0・・・・・(8)
但し、
m2:前記第2レンズ群の広角端から望遠端への変倍時における移動量
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
【請求項8】
以下の式を満足する、請求項1~7のいずれか一項に記載のズームレンズ。
-2.0<(Rb1-Rb2)/(Rb1+Rb2)≦2.0・・・・・(10)
但し、
Rb1:最も像側に配置されるレンズの物体側の面の曲率半径
Rb2:最も像側に配置されるレンズの像側の面の曲率半径
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のズームレンズと、当該ズームレンズの像側に設けられた、当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備える、撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズ及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のズームレンズにおいて、ミラーレス一眼カメラ、デジタルスチルカメラ、セキュリティーカメラ等は高倍率であるものが知られている。
【0003】
当該ズームレンズについては、例えば、物体側から順に、各レンズ群の屈折率の符号が正負正正正であるズームレンズ系が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、物体側から順に、各レンズ群の屈折率の符号が正負正正正又は正負正正負である撮像レンズが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、物体側から順に、物体側から順に、各レンズ群の屈折率の符号が正負正負正であるズームレンズが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008-176229号公報
【特許文献2】国際公開第2013-151153号
【特許文献3】特開2013-195749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
カメラに搭載されている固体撮像素子は、近年高画素化が進んでいることにより、ズームレンズは以前に比べて更なる高性能化が求められている。特に高倍率なズームレンズにおいては、多目的用途で使用可能な高性能化が求められている。
【0008】
特許文献1に記載のズームレンズ系は、ズーム倍率が低くなっており、高倍率化していくにつれて各レンズ群同士のクリアランスを維持することが困難である。そのため、最短撮影距離での撮影及びその際の光学性能の高性能化が困難である。
【0009】
特許文献2に記載の撮像レンズは、第2レンズ群による変倍比が小さいため第2レンズ群の移動量が大きくなり、その分フォーカス群の移動領域が小さくなり、最短撮影距離での撮影及びその際の性能維持が困難である。
【0010】
特許文献3に記載のズームレンズは、第2レンズ群による変倍比が小さいため、ズームレンズの高倍率を達成させるために第3レンズ群も移動させているが、その分フォーカス群の移動領域が小さくなり、最短撮影距離での撮影及びその際の性能維持が困難である。
【0011】
このように、ズームレンズの高倍率化に伴い、最短撮影距離の短縮化及び性能維持をするための収差補正を行うことは困難である。
【0012】
本発明の一態様は、上述の課題に鑑みなされたものであり、高倍率であり、最短撮影距離の短縮化が可能であり、かつ高い光学性能を有するズームレンズ及び撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、及び全体で正の屈折力を有する後群から構成され、隣り合うレンズ群間の間隔を変化させることにより変倍動作を行うズームレンズであって、
前記後群は、物体側から順に、第3レンズ群と、第4レンズ群と、第5レンズ群とを少なくとも含み、
前記第3レンズ群は、物体側から順に、正レンズ、負レンズ、及び正レンズから構成され、
前記第1レンズ群は変倍時に移動せず、
前記第3レンズ群、前記第4レンズ群、及び前記第5レンズ群のうちいずれか1つのレンズ群は光軸上を移動することで合焦を行うフォーカス群であり、
以下の式を満足するズームレンズ。
0.3≦|ff|/M<0.8・・・・・(1)
6.0≦ft/f3≦15.0・・・・・(4)’
3.0≦|f1/f2|≦6.72・・・・・(5)’
但し、
M:fwとftとの積の平方根
ff:前記フォーカス群の焦点距離
fw:前記ズームレンズの無限遠合焦時における広角端での焦点距離
ft:前記ズームレンズの無限遠合焦時における望遠端での焦点距離
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
f3:前記第3レンズ群の焦点距離
【0014】
また、前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る撮像装置は、前記のズームレンズと、当該ズームレンズの像側に設けられた、当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様によれば、高倍率であり、最短撮影距離の短縮化が可能であり、かつ高い光学性能を有するズームレンズ及び撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施例1のズームレンズの広角端及び望遠端での無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
【
図2】実施例1のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図3】実施例1のズームレンズの中間焦点距離状態での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図4】実施例1のズームレンズの望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図5】実施例2のズームレンズの広角端及び望遠端での無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
【
図6】実施例2のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図7】実施例2のズームレンズの中間焦点距離状態での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図8】実施例2のズームレンズの望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図9】実施例3のズームレンズの広角端及び望遠端での無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
【
図10】実施例3のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図11】実施例3のズームレンズの中間焦点距離状態での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図12】実施例3のズームレンズの望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図13】実施例4のズームレンズの広角端及び望遠端での無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
【
図14】実施例4のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図15】実施例4のズームレンズの中間焦点距離状態での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図16】実施例4のズームレンズの望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図17】実施例5のズームレンズの広角端及び望遠端での無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
【
図18】実施例5のズームレンズの広角端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図19】実施例5のズームレンズの中間焦点距離状態での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図20】実施例5のズームレンズの望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図21】本発明の一実施形態に係る撮像装置の構成の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係るズームレンズ及び撮像装置の実施の形態を説明する。本実施形態は、より詳しくは、例えば、固体撮像素子等を用いたミラーレス一眼カメラ、セキュリティーカメラ、デジタルスチルカメラ、及び医療用カメラ等のデジタル入出力機器の撮影光学系に好適な、ズームレンズに関する。但し、以下に説明する当該ズームレンズ及び撮像装置は、本発明に係るズームレンズ及び撮像装置の一態様であって、本発明に係るズームレンズ及び撮像装置は以下の態様に限定されるものではない。
【0018】
1.ズームレンズ
1-1. 光学的構成
本発明の一実施形態に係るズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、及び正の屈折力を有する後群から構成される。後群は、物体側から順に、第3レンズ群と、第4レンズ群と、第5レンズ群とを少なくとも含む。第3レンズ群、第4レンズ群、及び第5レンズ群のうちいずれか1つのレンズ群はフォーカス群である。当該ズームレンズは、隣り合うレンズ群間の間隔を変化させることにより変倍動作を行う。当該ズームレンズは、光学系のレンズ配置及びパワー配置を適切にすることで、高倍率であり、最短撮影距離の短縮化が可能であり、かつ高い光学性能を有する。
【0019】
なお、本明細書中において、「最短撮影距離の短縮化」とは、至近距離での撮像における、最も物体側に配置されるレンズのレンズ面から物体までの、撮像可能な距離を短縮することを意味する。「最短撮影距離」は、最短合焦距離とも言える。
【0020】
また、本明細書中において、「レンズ群」とは、変倍動作において連動する、1枚以上のレンズの集合を意味する。レンズ群は、1枚のレンズにより構成されていてもよいし、複数のレンズにより構成されていてもよい。例えば、レンズ群は、空気間隔を介することなく複数の単レンズを一体化した接合レンズを含んでいてもよいし、1枚の単レンズと樹脂とを、空気間隔を介することなく一体化した複合レンズを含んでいてもよい。レンズ群におけるレンズは、変倍動作において、相対的な位置関係を保ったまま移動する。変倍動作は、レンズ群間の間隔を変化させることによって行われ、同一のレンズ群に属するレンズ間の間隔は、変倍動作において変化しない。
【0021】
また、本明細書中において、「レンズ」とは、1枚の単レンズだけでなく、接合レンズであっても、複合レンズであってもよい。例えば、2枚の単レンズが接合した接合レンズは1枚のレンズとして説明する。また、1枚の単レンズと樹脂とが複合した複合レンズは1枚のレンズとして説明する。
【0022】
(1)第1レンズ群
第1レンズ群は、当該ズームレンズにおいて最も物体側に配置されるレンズ群であり、正の屈折力を有する。第1レンズ群は、全体で正の屈折力を有していればよく、少なくとも1つの正の屈折力を有するレンズを有していればよい。第1レンズ群におけるレンズの構成は、全体で正の屈折力を有する範囲において適宜に決めることが可能である。
【0023】
(2)第2レンズ群
第2レンズ群は、第1レンズ群の像側に配置されるレンズ群であり、負の屈折力を有する。第2レンズ群は、全体で負の屈折力を有していればよく、少なくとも1つの負の屈折力を有するレンズを有していればよい。第2レンズ群におけるレンズの構成は、全体で負の屈折力を有する範囲において適宜に決めることが可能である。
【0024】
(3)後群
後群は、第2レンズ群の像側に配置されるレンズ群の集合であり、後群全体で正の屈折力を有する。後群は、物体側から順に、第3レンズ群と、第4レンズ群と、第5レンズ群とを少なくとも含む。第3レンズ群と第4レンズ群とは隣り合って配置され、第4レンズ群と第5レンズ群とは隣り合って配置される。後群は、第5レンズ群の像側に1つ以上のレンズ群をさらに含んでいてもよい。例えば、後群は、第5レンズ群の像側に第6レンズ群が配置されていてもよいし、第5レンズ群の像側に、物体側から順に第6レンズ群と、第7レンズ群が配置されていてもよい。
【0025】
後群は、全体で正の屈折力を有していればよく、少なくとも1つの正の屈折力を有するレンズ群を有していればよい。後群は、1つ以上の正の屈折力を有するレンズ群のみからなる構成されていてもよい。また、後群は、全体で正の屈折力を有していれば、負の屈折力を有するレンズ群を含んでいてもよく、少なくとも1つの正の屈折力を有するレンズ群と、少なくとも1つの負の屈折力を有するレンズ群とを含むことが好ましい。
【0026】
高倍率である当該ズームレンズは、屈折力の強い第2レンズ群を主に移動させることによって変倍させることが好ましい。そのため、第2レンズ群の像側に正の屈折力を有する第3レンズ群が配置されることは、第2レンズ群の変倍によって発生する収差変動、特に球面収差変動を適切に補正する観点から好ましい。第2レンズ群の像側に負の屈折力を有する第3レンズ群を配置した場合、第2レンズ群の変倍によって発生する収差補正を適切に補正することができないことがある。そのため、負の屈折力を有する第3レンズ群よりも像側にさらに正の屈折力を有するレンズ群を配置することが好ましいため、ズームレンズの全長の短縮化の実現が困難になることがある。従って、第3レンズ群が正の屈折力を有することは、高倍率なズームレンズを実現する観点から好ましい。
【0027】
各レンズ群で発生する収差を打ち消し合うことができる観点から、後群において、正の屈折力を有するレンズ群と、負の屈折力を有するレンズ群とが交互に配置される構成が好ましい。そのため、上述したように、第3レンズ群が正の屈折力を有することが好ましいため、第4レンズ群が負の屈折力を有し、第5レンズ群が正の屈折力を有することが好ましい。
【0028】
(4)フォーカス群
当該ズームレンズは、フォーカス群を有している。フォーカス群は、ズームレンズの光軸上を移動することで合焦を行う。当該ズームレンズにおいて、フォーカス群を用いて合焦を行ってもよい。この際、フォーカス群を光軸方向に移動させればよい。フォーカス群は、第3レンズ群、第4レンズ群、及び第5レンズ群のうちいずれか1つのレンズ群であり、第4レンズ群及び第5レンズ群のいずれか一方であることが、合焦に伴う収差変動を抑制させる観点から好ましい。また、フォーカス群が負の屈折力を有し、かつ広角端から望遠端にかけての移動の軌跡が像側に凸となるUターンの軌跡にすることは、光軸上の距離を多く占める正の屈折力を有するレンズ群の最大移動量を低減し、高倍率で小型のズームレンズを実現する観点から好ましい。
【0029】
第3レンズ群は、通常、球面収差が大きく効くが、像面湾曲にはさほど効かない。このため、仮に第3レンズ群をフォーカス群として稼働させると、軸上のピントは合い易いが、周辺の解像が不十分となりやすい。一方、第4レンズ群および第5レンズ群は、通常、球面収差だけではなく像面湾曲も同程度の効き量になる。このため、第4レンズ群および第5レンズ群については、これらのレンズ群のいずれかをフォーカス群にすることは、軸上および軸周辺において十分な解像を実現する観点から好ましい。
【0030】
(5)絞り
当該ズームレンズは、絞りを有していてもよい。但し、ここでいう絞りは、当該ズームレンズの光束径を規定する絞り、すなわち当該ズームレンズのFナンバーを規定する絞りをいう。当該ズームレンズにおける絞りの配置は、限定されない。
【0031】
(6)レンズ群構成
当該ズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、及び正の屈折力を有する後群のみから構成される。後群は、物体側から順に、第3レンズ群と、第4レンズ群と、第5レンズ群とを少なくとも含む。第1レンズ群と、第2レンズ群との間、第2レンズ群と第3レンズ群との間、第3レンズ群と第4レンズ群との間、第4レンズ群と第5レンズ群との間には他のレンズ群は含まれないが、フィルター等のレンズ以外の光学素子及び絞りを排除するものではない。
【0032】
1-2.動作
(1)変倍時の動作
当該ズームレンズにおいて、広角端から望遠端への変倍に際して、少なくともレンズ群間の空気間隔を変化させる。また、広角端から望遠端への変倍に際して、後群のうち少なくとも2つのレンズ群が広角端から望遠端への変倍時に光軸上を移動することは、変倍時の第2レンズ群の移動量を小さくする観点、及び、第2レンズ群の変倍によって発生する収差変動を低減する観点、から好ましい。高倍率でありながら、小型で高い光学性能を有するズームレンズを実現するのに好適である。また、後群において、移動する少なくとも2つのレンズ群のうち、少なくとも1つのレンズ群が広角端から望遠端にかけての1点でUターンする軌跡をもたせることは、限られたスペースを有効に活用することができ、ズームレンズの高倍率化を実現する観点から好ましい。
【0033】
なお、後群の移動するレンズ群は、高性能化を実現する観点から、少なくとも1つの正の屈折力を有するレンズ群と、少なくとも1つの負の屈折力を有するレンズ群とを含むことが好ましい。後群において正の屈折力を有するレンズ群と負の屈折力を有するレンズ群とを一対で移動させることにより、互いのレンズ群で生じる収差を相殺することが可能となり、ズームレンズ全体として球面収差および像面湾曲がさらに抑制される。よって、高性能化を実現する観点から好ましい。
【0034】
また、広角端から望遠端への変倍に際して、第3レンズ群が固定されていることは、フォーカス群の移動領域を確保し、最短撮影距離の短縮化が可能であり、かつ高い光学性能を有するズームレンズを実現できる観点から好ましい。また、第3レンズ群は、通常、球面収差が大きく効く。第3レンズ群が固定されていることは、第3レンズ群内での光学特性の調整が容易である点で有利である。このため、高性能化、特にFナンバーが小さい広角端における高性能化、を実現する観点から好ましい。第3レンズ群が固定されているとは、第3レンズ群が変倍時に実質的には移動しないことを意味する。
【0035】
また、高倍率化を実現する観点から、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群と第2レンズ群との間の空気間隔は増加するように変化させることが好ましい。また、高倍率化を実現する観点から、第2レンズ群と第3レンズ群との間の空気間隔は減少するように変化させることが好ましい。
【0036】
(2)合焦時の動作
当該ズームレンズにおいて、合焦は、前述したフォーカス群によって実施することが可能である。無限遠から近接物体への合焦の際に移動するフォーカス群は、前述したように、第3レンズ群、第4レンズ群、及び第5レンズ群のうちいずれか1つのレンズ群である
。また、合焦時におけるフォーカス群の移動方向は限定されない。
【0037】
1-3.ズームレンズの条件を表す式
本実施形態に係るズームレンズは、前述した構成を採用すると共に、次に説明する式を少なくとも1つ以上満足することが好ましい。
【0038】
0.3≦|ff|/M<0.8・・・・・(1)
但し、
M:fwとftとの積の平方根
ff:フォーカス群の焦点距離
fw:ズームレンズの無限遠合焦時における広角端での焦点距離
ft:ズームレンズの無限遠合焦時における望遠端での焦点距離
【0039】
Mは、上記のように、ズームレンズの無限遠合焦時における広角端での焦点距離と、ズームレンズの無限遠合焦時における望遠端での焦点距離との積の平方根である。具体的には、Mは下記式で定義される。
【0040】
【0041】
式(1)は、フォーカス群のパワーを規定するための式である。式(1)を満足することは、ズームレンズの高倍率化を達成すると共に、全ズーム領域での撮像距離を短縮する観点から好ましい。これに対して、式(1)の下限を下回る場合、フォーカス群の屈折力が強くなりすぎることがある。このため、ズームレンズを高倍率化することには有利に働くが、合焦距離毎の収差変動が増大し、最短撮影距離での撮影時においても光学性能を維持することが困難になることがある。また、式(1)の上限を上回る場合、フォーカス群の屈折力が弱くなりすぎることがある。このため、合焦距離毎の収差変動の抑制は容易になるが、全ズーム域での合焦するための移動量が大きくなり、ズームレンズの所望の全長での高倍率化の実現が困難となることがある。
【0042】
最短撮影距離での撮影時においても光学性能を維持する観点から、|ff|/Mは、0.35以上であることがより好ましく、0.45以上であることがさらに好ましい。また、ズームレンズの高倍率化を実現する観点から、|ff|/Mは、0.7以下であることがより好ましく、0.6以下であることがさらに好ましい。
【0043】
本実施形態に係るズームレンズは、以下の式を満足することが好ましい。
1.5≦βFW/βFT<7.0・・・・・(2)
但し、
βFW:フォーカス群における広角端での横倍率
βFT:フォーカス群における望遠端での横倍率
【0044】
式(2)は、フォーカス群の横倍率を規定するための式である。式(2)を満足することは、ズームレンズの高倍率化に伴う収差を適切に補正する観点から好ましい。これに対して、式(2)の下限を下回る場合、全ズーム域での合焦時における収差補正は容易になるが、フォーカス群による増倍の割合が小さくなりすぎてしまうことがある。このため、ズームレンズの高倍率化の実現が困難となることがある。また、式(2)の上限を上回る場合、ズームレンズを高倍率化することには有利に働くが、フォーカス群内の収差補正が困難となることがある。このため、全ズーム領域での合焦時における収差を適切に補正することが困難となることがある。
【0045】
ズームレンズの高倍率化を実現する観点から、βFW/βFTは、1.8以上であることがより好ましく、2.0以上であることがさらに好ましい。また、全ズーム領域での合焦時における収差を適切に補正する観点から、βFW/βFTは、6.0以下であることがより好ましく、5.0以下であることがさらに好ましい。
【0046】
本実施形態に係るズームレンズは、以下の式を満足することが好ましい。
5.0≦β2T/β2W≦40.0・・・・・(3)
但し、
β2T:第2レンズ群の望遠端での横倍率
β2W:第2レンズ群の広角端での横倍率
【0047】
式(3)は、第2レンズ群による変倍比を規定するための式である。式(3)を満足することは、第2レンズ群と他のレンズ群との変倍比のバランスをとることができ、ズームレンズの高倍率化を達成すると共に、収差を適切に補正する観点から好ましい。これに対して、式(3)の下限値を下回る場合、第2レンズ群を移動させることによって得られる変倍比が小さくなりすぎることがある。このため、第2レンズ群の移動量が増加することで、ズームレンズの所望の全長での高倍率化の実現が困難となることがある。また、式(3)の上限を上回る場合、第2レンズ群の屈折力が強まり、第2レンズ群の移動量を増加させるとズームレンズの高倍率化は容易になるが、変倍時の収差変動が増大しすぎることがある。このため、全ズーム範囲にわたり高い光学性能を得ることが困難となることがある。
【0048】
収差を適切に補正する観点から、β2T/β2Wは、7.0以上であることがより好ましく、9.0以上であることがさらに好ましい。また、ズームレンズの高倍率化を実現する観点から、β2T/β2Wは、30.0以下であることがより好ましく、20.0以下であることがさらに好ましい。
【0049】
本実施形態に係るズームレンズは、第3レンズ群が正の屈折力を有する場合、以下の式を満足することが好ましい。
5.0≦ft/f3≦15.0・・・・・(4)
但し、
f3:第3レンズ群の焦点距離
ft:ズームレンズの無限遠合焦時における望遠端での焦点距離
【0050】
式(4)は、ズームレンズの無限遠合焦時における望遠端での焦点距離と第3レンズ群の焦点距離との比を規定するための式である。式(4)を満足することは、望遠端での収差を適切に補正する観点から好ましい。これに対して、式(4)の下限値を下回る場合、第3レンズ群の収差補正は容易になるものの、第3レンズ群による屈折力が弱くなりすぎることがある。このため、ズームレンズの所望の全長での高倍率化の実現が困難となることがある。また、式(4)の上限値を上回る場合、第3レンズ群の屈折力が強くなりすぎることがある。このため、第3レンズ群内での収差を適切に補正することが困難となることがある。
【0051】
ズームレンズの高倍率化を実現する観点から、ft/f3は、6.0以上であることがより好ましく、7.0以上であることがさらに好ましい。また、第3レンズ群内での収差を適切に補正する観点から、ft/f3は、13.0以下であることがより好ましく、11.0以下であることがさらに好ましい。
【0052】
本実施形態に係るズームレンズは、以下の式を満足することが好ましい。
3.0≦|f1/f2|≦10.0・・・・・(5)
但し、
f1:第1レンズ群の焦点距離
f2:第2レンズ群の焦点距離
【0053】
式(5)は第1レンズ群の焦点距離と第2レンズ群の焦点距離との比を規定するための式である。式(5)を満足することは、ズームレンズの高倍率化を達成しつつ、望遠端での収差を適切に補正する観点から好ましい。これに対して、式(5)の下限値を下回る場合、第2レンズ群の変倍による収差変動が小さくなるものの、望遠端での収差を適切に補正することが困難になることがある。また、式(5)の上限値を上回る場合、ズームレンズの高倍率化を達成しつつ、望遠端での収差補正が容易となるものの、第2レンズ群の変倍による収差変動が大きくなりすぎることがある。このため、全ズーム領域での収差を適切に補正することが困難となることがある。
【0054】
望遠端での収差を適切に補正する観点から、|f1/f2|は、4.0以上であることがより好ましく、5.0以上であることがさらに好ましい。また、全ズーム領域での収差を適切に補正する観点から、|f1/f2|は、9.0以下であることがより好ましく、8.0以下であることがさらに好ましい。
【0055】
本実施形態に係るズームレンズは、以下の式を満足することが好ましい。
-0.4≦β2W≦-0.1・・・・・(6)
但し、
β2W:第2レンズ群の広角端での横倍率
【0056】
式(6)は、第2レンズ群の広角端での横倍率を規定するための式である。式(6)を満足することは、広角端での収差を適切に補正する観点から好ましい。これに対して、式(6)の下限値を下回る場合、広角端での収差補正が容易となるものの、広角端での焦点距離の広角化を実現することが困難となることがある。また、式(6)の上限値を上回る場合、広角端の焦点距離を広角化することが容易となるが、広角端での収差を適切に補正することが困難となることがある。
【0057】
広角端での焦点距離の広角化を実現する観点から、β2Wは、-0.35以上であることがより好ましく、-0.30以上であることがさらに好ましい。また、広角端での収差を適切に補正する観点から、β2Wは、-0.16以下であることがより好ましく、-0.18以下であることがさらに好ましい。
【0058】
本実施形態に係るズームレンズは、以下の式を満足することが好ましい。
3.0≦D2rw/fw≦9.0・・・・・(7)
但し、
D2rw:ズームレンズの無限遠合焦時における広角端での第2レンズ群の最も像側のレンズ面と、第3レンズ群の最も物体側のレンズ面との間の光軸上の距離
fw:ズームレンズの無限遠合焦時における広角端での焦点距離
【0059】
式(7)は、ズームレンズの無限遠合焦時における広角端での焦点距離と、ズームレンズの無限遠合焦時における広角端での第2レンズ群の最も像側のレンズ面と、第3レンズ群の最も物体側のレンズ面との間の光軸上の距離との比を規定するための式である。式(7)を満足することは、ズームレンズの小型化を達成しつつ、広角端での焦点距離をより広角化できる観点から好ましい。これに対して、式(7)の下限値を下回る場合、ズームレンズの小型化が容易となるものの、広角端での焦点距離の広角化の実現が困難となることがある。また、式(7)の上限値を上回る場合、広角端での焦点距離をより広角化することが容易となるものの、ズームレンズの小型化の実現が困難となることがある。
【0060】
広角端での焦点距離の広角化を実現する観点から、D2rw/fwは、4.0以上であることがより好ましく、5.0以上であることがさらに好ましい。また、ズームレンズの小型化を実現する観点から、D2rw/fwは、8.0以下であることがより好ましく、7.5以下であることがさらに好ましい。
【0061】
本実施形態に係るズームレンズは、以下の式を満足することが好ましい。
2.0≦|m2/f2|≦6.0・・・・・(8)
但し、
m2:第2レンズ群の広角端から望遠端への変倍時における移動量
f2:第2レンズ群の焦点距離
【0062】
式(8)は、第2レンズ群の広角端から望遠端への変倍時における移動量と、第2レンズ群の焦点距離との比を規定するための式である。式(8)を満足することは、ズームレンズの小型化を達成しつつ、収差を適切に補正する観点から好ましい。これに対して、式(8)の下限値を下回る場合、ズームレンズの小型化が容易になるものの、収差を適切に補正することが困難となることがある。また、式(8)の上限値を上回る場合、全ズーム領域での収差補正が容易となるものの、第2レンズ群の変倍による移動量が大きくなりすぎることがある。このため、ズームレンズの小型化の実現が困難となることがある。
【0063】
収差を適切に補正する観点から、|m2/f2|は、2.5以上であることがより好ましく、3.0以上であることがさらに好ましい。また、ズームレンズの小型化を実現する観点から、|m2/f2|は、5.5以下であることがより好ましく、5.0以下であることがさらに好ましい。
【0064】
本実施形態に係るズームレンズは、以下の式を満足することが好ましい。
0.0<|fp/fn|<1.5・・・・・(9)
但し、
fp:後群の移動するレンズ群の中で最も強い正の屈折力を有するレンズ群の焦点距離
fn:後群の移動するレンズ群の中で最も強い負の屈折力を有するレンズ群の焦点距離
【0065】
式(9)は、後群の移動するレンズ群の中で最も強い正の屈折力を有するレンズ群の焦点距離と、後群の移動するレンズ群の中で最も強い負の屈折力を有するレンズ群の焦点距離との比を規定するための式である。式(9)を満足することは、広角端での収差を適切に補正する観点から好ましい。これに対して、式(9)の下限値を下回る場合、光軸上の距離が長い正の屈折力を有するレンズ群の移動域が減少するためズームレンズの小型化が容易となるものの、特に広角端での球面収差を適切に補正することが困難となることがある。また、式(9)の上限値を上回る場合、広角端の収差補正をすることが容易となるが、正の屈折力を有するレンズ群の移動域が大きくなりすぎることがある。このため、ズームレンズの小型化の実現が困難となることがある。
【0066】
広角端での球面収差を適切に補正する観点から、|fp/fn|は、0.4以上であることがより好ましく、0.6以上であることがさらに好ましい。また、ズームレンズの小型化を実現する観点から、|fp/fn|は、1.4以下であることがより好ましく、1.3以下であることがさらに好ましい。
【0067】
本実施形態に係るズームレンズは、以下の式を満足することが好ましい。
-2.0<(Rb1-Rb2)/(Rb1+Rb2)≦2.0・・・・・(10)
但し、
Rb1:最も像側に配置されるレンズの物体側の面の曲率半径
Rb2:最も像側に配置されるレンズの像側の面の曲率半径
【0068】
式(10)は、最も像側に配置されるレンズの形状を規定するための式である。式(10)を満足することは、ゴーストを低減しつつ、収差を適切に補正する観点から好ましい。これに対して、式(10)の下限値を下回る場合、特に広角端での像面湾曲収差補正が容易となるものの、ゴーストを低減することが困難となることがある。また、式(10)の上限値を上回る場合、ゴーストを低減することが可能となるものの、特に広角端での像面湾曲収差を適切に補正することが困難となることがある。
【0069】
ゴーストを低減する観点から、(Rb1-Rb2)/(Rb1+Rb2)は、-1.8以上であることがより好ましく、-1.6以上であることがさらに好ましい。また、広角端での像面湾曲収差を適切に補正する観点から、(Rb1-Rb2)/(Rb1+Rb2)は、1.8以下であることがより好ましく、1.6以下であることがさらに好ましい。
【0070】
2.撮像装置
次に、本発明の一実施形態に係る撮像装置について説明する。当該撮像装置は、上記実施形態に係るズームレンズと、当該ズームレンズの像面側に設けられた、当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備える。
【0071】
ここで、撮像素子に限定はなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ及びCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの固体撮像素子、銀塩フィルム等も用いることができる。本実施形態に係る撮像装置は、デジタルカメラ及びビデオカメラ等の、上記の固体撮像素子を用いた撮像装置に好適である。また、当該撮像装置は、レンズが筐体に固定されたレンズ固定式の撮像装置であってもよいし、一眼レフカメラ及びミラーレス一眼カメラ等のレンズ交換式の撮像装置であってもよい。特に、本実施形態に係るズームレンズは交換レンズシステムに好適なバックフォーカスを確保することができる。そのため、光学式ファインダー、位相差センサ及びこれらに光を分岐するためのリフレックスミラー等を備えた一眼レフカメラ等の撮像装置に好適である。
【0072】
図21は、本実施形態に係る撮像装置の構成の一例を模式的に示す図である。
図21に示されるように、ミラーレス一眼カメラ1は、本体2及び本体2に着脱可能な鏡筒3を有している。ミラーレス一眼カメラ1は、撮像装置の一態様である。
【0073】
鏡筒3は、ズームレンズ30を有している。ズームレンズ30は、第1レンズ群31と、第2レンズ群32と、第3レンズ群33と、第4レンズ群34と、第5レンズ群35を備えており、例えば前述した式(1)、(2)を満足するように構成されている。なお、第2レンズ群32と、第3レンズ群33との間には、絞り36が配置されている。
【0074】
第1レンズ群31は正の屈折力を有しており、第2レンズ群32は負の屈折力を有している。第3レンズ群33は正の屈折力を有しており、第4レンズ群34は負の屈折力を有しており、第5レンズ群35は正の屈折力を有している。第3レンズ群33、第4レンズ群34、及び第5レンズ群35は、前述の後群に相当する。
【0075】
本体2は、撮像素子としてのCCDセンサ21及びカバーガラス22を有している。CCDセンサ21は、本体2中における、本体2に装着された鏡筒3内のズームレンズ30の光軸OAが中心軸となる位置に配置されている。本体2は、カバーガラス22の代わりに、実質的な屈折力を有さない平行平板を有していてもよい。
【0076】
本実施形態に係る撮像装置は、撮像素子により取得した撮像画像データを電気的に加工して、撮像画像の形状を変化させる画像処理部、ならびに、当該画像処理部において撮像画像データを加工するために用いる画像補正データ及び画像補正プログラム等を保持する画像補正データ保持部、等を有することがより好ましい。
【0077】
ズームレンズを小型化した場合、結像面において結像された撮像画像形状の歪み(歪曲)が生じやすくなる。その際、撮像画像形状の歪みを補正することが好ましい。当該補正は、例えば、画像補正データ保持部に予め撮像画像形状の歪みを補正するための歪み補正データを保持させておき、上記画像処理部において、画像補正データ保持部に保持された歪み補正データを用いることによって実施することができる。このような撮像装置によれば、ズームレンズの小型化をより一層図ることができ、秀麗な撮像画像を得ると共に、撮像装置全体の小型化を図ることができる。
【0078】
さらに、本実施形態に係る撮像装置において、上記画像補正データ保持部に予め倍率色収差補正データを保持させておくことが好ましい。また、上記画像処理部において、画像補正データ保持部に保持された倍率色収差補正データを用いて、当該撮像画像の倍率色収差補正を行わせることが好ましい。画像処理部により、倍率色収差、すなわち、色の歪曲収差を補正することで、光学系を構成するレンズの数を削減することが可能になる。そのため、このような撮像装置によれば、ズームレンズの小型化をより一層図ることができ、秀麗な撮像画像を得ると共に、撮像装置全体の小型化を図ることができる。
【0079】
本発明は、上述した各実施形態に限定されず、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例0080】
本発明の一実施例について以下に説明する。なお、以下の各表において、長さの単位は全て「mm」であり、画角の単位は全て「°」である。また、「E+a」は「×10a」を示す。
【0081】
[実施例1]
図1は、実施例1のズームレンズの広角端及び望遠端での無限遠合焦時におけるレンズの断面を示す図である。実施例1のズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5から構成されている。レンズ群G2とレンズ群G3との間には絞りSが配置されている。
図1に示す「IMG」は像面(結像面)であり、第5レンズ群G5と像面IMGとの間には、カバーガラスCGが配置されている。
図1における「F」はフォーカス群を示し、実施例1のズームレンズでは、第4レンズ群G4がフォーカス群である。また、3レンズ群G3、第4レンズ群G4、及び第5レンズ群G5は前述の後群に相当する。
【0082】
実施例1のズームレンズは、各レンズ群間の空気間隔を変化させることにより変倍動作を行う。図中、広角端における各レンズ群の下に示される矢印は、広角端から望遠端へ移動する際の各レンズ群の移動の軌跡を示している。広角端から中間焦点距離状態への変倍時では、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3はそれぞれ移動せず、第2レンズ群G2、第4レンズ群G4、及び第5レンズ群G5はそれぞれ像側に移動する。中間焦点距離状態から望遠端への変倍時では、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3はそれぞれ移動せず、第2レンズ群G2及び第5レンズ群G5はそれぞれ像側に移動し、第4レンズ群G4は物体側に移動する。後群の移動するレンズ群の中で最も強い正の屈折力を有するレンズ群は第5レンズ群G5であり、後群の移動するレンズ群の中で最も強い負の屈折力を有するレンズ群は第4レンズ群G4である。
【0083】
次に、ズームレンズの具体的数値を適用した例について説明する。表1は、実施例1のズームレンズの面データの表である。
【0084】
面データの表において、「No.」は物体側から数えたレンズ面の順番、「r」はレンズ面の曲率半径、「d」はレンズ面の光軸上の間隔、「Nd」はd線(波長λ=587.
56nm)に対する屈折率、「vd」はd線に対するアッベ数、「H」は有効半径を表す。また、面番号において「*」の表示は、レンズ面が非球面であることを表し、「S」の表示は、絞りであることを表す。さらに、「d」の欄における「D(7)」、「D(14)」等の表示は、レンズ面の光軸上の間隔が変倍時又は合焦時に変化する可変間隔であることを意味する。
【0085】
なお、曲率半径の「INF」は平面を意味する。表1において、No.1~7は第1レンズ群G1の面番号であり、No.8~14は第2レンズ群G2の面番号であり、No.15は絞りを表す。No.16~20は第3レンズ群G3の面番号であり、No.21~23は第4レンズ群G4の面番号である。No.24~28は第5レンズ群G5の面番号であり、No.26は最も像側に配置されるレンズの物体側のレンズ面であり、No.28は最も像側に配置されるレンズの像側のレンズ面である。No.29、30はカバーガラスCGを表し、No.31は像面を表す。
【0086】
[表1]
No. r d Nd vd H
1 112.1976 1.1000 1.84666 23.78 21.00
2 57.5905 6.3000 1.49700 81.61 19.90
3 -939.8475 0.1500 21.48
4 53.4899 5.0500 1.49700 81.61 19.56
5 402.8046 0.1500 18.07
6 43.5189 3.2000 1.69680 55.46 17.23
7 78.2228 D(7) 16.80
8 50.2170 0.7000 1.91082 35.25 9.90
9 12.1770 3.7117 8.08
10 -62.2615 0.7000 1.90043 37.37 8.02
11 14.0000 3.3000 1.98612 16.48 7.48
12 208.9337 1.1316 7.25
13 * -26.8364 0.8000 1.85370 40.60 7.23
14 * -500.0000 D(14) 7.18
15 S INF 0.6000 8.58
16 * 29.8008 3.8000 1.59201 67.02 8.90
17 * -36.0015 0.1500 8.88
18 19.0908 0.6000 1.92286 18.90 8.63
19 14.4921 6.0000 1.43700 95.10 8.32
20 -24.5409 D(20) 8.06
21 -53.4424 1.7000 1.95906 17.47 7.19
22 -25.6932 0.6000 1.69680 55.46 7.06
23 15.0753 D(23) 6.52
24 * 25.7320 4.0000 1.59201 67.02 6.92
25 * -13.5375 0.1000 6.95
26 -28.1420 0.6000 1.83481 42.72 6.73
27 11.9183 5.9500 1.55032 75.50 6.66
28 -14.2198 D(28) 6.88
29 INF 2.4000 1.51680 64.20 5.11
30 INF 1.6248 4.88
31 INF
【0087】
表2は、実施例1のズームレンズの諸元表を示す。当該諸元表では、左側から順に、広角端、中間焦点距離状態、望遠端におけるそれぞれの数値を示している。当該諸元表中、「f」は、無限遠合焦時におけるズームレンズの焦点距離、「FNO」はFナンバー、「ω」は半画角をそれぞれ表す。また、諸元表中、「D(n)」(nは整数)は、変倍時におけるズームレンズの光軸上の可変間隔を表す。
【0088】
[表2]
f 6.7540 78.3064 155.8625
FNO 1.6473 4.3760 4.9900
ω 32.9390 3.2298 1.6576
D( 7) 0.9550 32.2686 37.2483
D(14) 37.5933 6.2797 1.3000
D(20) 1.4290 13.7638 9.6363
D(23) 14.6550 5.7445 13.0704
D(28) 10.2223 6.7981 3.5999
【0089】
表3は、実施例1のズームレンズにおける各非球面の非球面係数を表す表である。当該表における非球面係数は、各非球面形状を下記式で定義したときの値である。
[式]z=ch2/[1+{1-(1+K)c2h2}1/2]+A4h4+A6h6+A8h8+A10h10+A12h12+A14h14+A16h16+A18h18+A20h20
【0090】
上記式において、「z」は光軸に垂直な基準面からの光軸方向における非球面の変位量、「c」は曲率(1/r)、「h」は光軸からの高さ、「K」は円錐係数、「An」(nは整数)はn次数の非球面係数とする。なお、表示していない面番号の非球面係数は0である。
【0091】
[表3]
No. K A4 A6 A8 A10
13 -6.82425E+00 6.71059E-05 -1.28979E-06 -2.21950E-08 3.79256E-10
14 -10.00000E+00 9.90165E-05 -1.85285E-06 1.80642E-10 -2.47129E-11
16 7.23002E-02 -1.00114E-05 -1.73186E-07 2.06559E-09 -2.15916E-12
17 2.86949E+00 4.23935E-05 -1.39545E-07 2.20987E-09 -1.60939E-12
24 -1.53905E+00 -6.74771E-06 2.25878E-07 -2.25906E-09 7.72606E-11
25 -1.45478E+00 9.15364E-05 -2.36607E-07 -1.01907E-08 2.15078E-10
No. A12 A14 A16 A18 A20
13 -1.27271E-12 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
14 1.69396E-12 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
16 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
17 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
24 -3.53885E-12 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
25 -4.16134E-12 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
【0092】
表4は、実施例1のズームレンズを構成する各レンズ群における焦点距離を示している。
【0093】
[表4]
レンズ群 面番号 焦点距離
G1 1-7 58.1095
G2 8-14 -8.69447
G3 16-20 15.8525
G4 21-23 -18.3001
G5 24-28 20.8268
【0094】
また、
図2、
図3、及び
図4は、それぞれ、実施例1のズームレンズの広角端、中間焦点距離状態、望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。各図に示す縦収差を示す図は、図面に向かって左側から順に、それぞれ球面収差(SA(mm))、非点収差(AST(mm))、歪曲収差(DIS(%))である。他の実施例においても同様である。
【0095】
球面収差を表す図では、縦軸をFナンバーとし、横軸をデフォーカスとしている。球面収差を表す図では、実線がd線(d-line、波長λ=587.56nm)、短破線がF線(F-line、波長λ=486.13nm)、長破線がC線(C-line、波長λ=656.28nm)における球面収差を示す。
【0096】
非点収差を示す図では、縦軸を半画角とし、横軸をデフォーカスとしている。非点収差を示す図では、実線がd線に対するサジタル像面(図中、Sで示す)、破線がd線に対するメリディオナル平面(図中、Tで示す)における非点収差を示す。
【0097】
歪曲収差を表す図では、縦軸を半画角とし、横軸を%としている。
【0098】
[実施例2]
図5は、実施例2のズームレンズの広角端及び望遠端での無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
図6、
図7、及び
図8は、それぞれ、実施例2のズームレンズの広角端、中間焦点距離状態、望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。実施例2のズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5と、負の屈折力を有する第6レンズ群G6から構成されている。レンズ群G2とレンズ群G3との間には絞りSが配置されている。実施例2のズームレンズでは、第4レンズ群G4がフォーカス群である。また、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4、第5レンズ群G5、及び第6レンズ群G6は前述の後群に相当する。
【0099】
実施例2のズームレンズは、各レンズ群間の空気間隔を変化させることにより変倍動作を行う。広角端から中間焦点距離状態への変倍時では、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3、及び第6レンズ群G6はそれぞれ移動せず、第2レンズ群G2、第4レンズ群G4、及び第5レンズ群G5はそれぞれ像側に移動する。中間焦点距離状態から望遠端への変倍時では、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3、及び第6レンズ群G6はそれぞれ移動せず、第2レンズ群G2及び第5レンズ群G5はそれぞれ像側に移動し、第4レンズ群G4は物体側に移動する。後群の移動するレンズ群の中で最も強い正の屈折力を有するレンズ群は第5レンズ群G5であり、後群の移動するレンズ群の中で最も強い負の屈折力を有するレンズ群は第4レンズ群G4である。
【0100】
表5は、実施例2のズームレンズの面データの表である。表2において、No.1~7は第1レンズ群G1の面番号であり、No.8~14は第2レンズ群G2の面番号であり、No.15は絞りを表す。No.16~20は第3レンズ群G3の面番号であり、No.21~23は第4レンズ群G4の面番号であり、No.24~28は第5レンズ群G5の面番号である。No.29、30は第6レンズ群G6の面番号であり、No.29は最も像側に配置されるレンズの物体側のレンズ面であり、No.30は最も像側に配置されるレンズの像側のレンズ面である。No.31、32はカバーガラスCGを表し、No.33は像面を表す。
【0101】
[表5]
No. r d Nd vd H
1 137.1778 1.1000 1.84666 23.78 22.01
2 63.3444 6.3000 1.49700 81.61 20.80
3 -545.3327 0.1500 21.48
4 55.7604 5.0500 1.49700 81.61 19.56
5 946.9574 0.1500 18.10
6 44.7580 3.2000 1.69680 55.46 17.23
7 83.8349 D(7) 16.82
8 76.4543 0.7000 1.91082 35.25 9.73
9 13.5628 4.0584 8.01
10 -28.0000 0.7000 1.90043 37.37 7.82
11 19.8770 3.3000 1.98612 16.48 7.48
12 -55.8236 0.7319 7.33
13 * -24.5384 0.8000 1.85370 40.60 7.26
14 * -337.3098 D(14) 7.18
15 S INF 0.6000 8.41
16 * 25.7945 3.8000 1.59201 67.02 8.72
17 * -47.3443 0.1500 8.72
18 21.5948 0.6000 1.92286 18.90 8.51
19 15.3800 6.0000 1.43700 95.10 8.21
20 -21.7919 D(20) 7.95
21 -50.6210 1.7000 1.95906 17.47 7.15
22 -25.0246 0.6000 1.69680 55.46 7.01
23 15.8232 D(23) 6.47
24 * 20.9644 4.0000 1.59201 67.02 6.92
25 * -25.0363 0.1000 6.91
26 439.1565 0.6000 1.83481 42.72 6.78
27 12.2911 5.9500 1.55032 75.50 6.58
28 -17.6631 D(28) 6.63
29 -32.1711 0.6000 2.00069 25.46 4.90
30 -30000.0000 2.0000 4.88
31 INF 2.4000 1.51680 64.20 4.79
32 INF 1.6256 4.72
33 INF
【0102】
表6は、実施例2のズームレンズの諸元表を示す。表7は、実施例2のズームレンズにおける各非球面の非球面係数を表す表である。表8は、実施例2のズームレンズを構成する各レンズ群における焦点距離を示している。
【0103】
[表6]
f 6.7582 78.7812 156.0507
FNO 1.6473 4.3760 4.9900
ω 35.6868 3.2654 1.6611
D( 7) 1.1343 32.1670 37.3748
D(14) 37.5405 6.5078 1.3000
D(20) 1.0191 14.4315 10.2661
D(23) 15.3822 5.7863 12.3669
D(28) 7.5316 3.7152 1.3000
【0104】
[表7]
No. K A4 A6 A8 A10
13 -8.95414E+00 2.76740E-05 -1.54642E-06 -4.20318E-09 2.73149E-10
14 10.00000E+00 8.98462E-05 -1.95127E-06 2.64909E-09 1.78506E-10
16 -2.60816E-01 -1.13471E-05 -2.03570E-07 3.86231E-09 -4.04436E-11
17 3.57107E+00 4.07381E-05 -1.63027E-07 3.66926E-09 -3.81222E-11
24 -1.72992E+00 1.24755E-05 6.97558E-08 -5.37426E-09 1.78788E-10
25 -3.23130E+00 5.33863E-05 -4.06009E-08 -8.34748E-09 2.40330E-10
No. A12 A14 A16 A18 A20
13 -1.67631E-12 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
14 -1.06947E-12 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
16 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
17 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
24 -1.91639E-12 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
25 -2.42908E-12 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
【0105】
[表8]
レンズ群 面番号 焦点距離
G1 1-7 57.9427
G2 8-14 -9.04449
G3 16-20 16.5244
G4 21-23 -18.8028
G5 24-28 18.0092
G6 29-30 -32.1836
【0106】
[実施例3]
図9は、実施例3のズームレンズの広角端及び望遠端での無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
図10、
図11、及び
図12は、それぞれ、実施例3のズームレンズの広角端、中間焦点距離状態、望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。実施例3のズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5と、負の屈折力を有する第6レンズ群G6から構成されている。レンズ群G2とレンズ群G3との間には絞りSが配置されている。実施例3のズームレンズでは、第4レンズ群G4がフォーカス群である。また、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4、第5レンズ群G5、及び第6レンズ群G6は前述の後群に相当する。
【0107】
実施例3のズームレンズは、各レンズ群間の空気間隔を変化させることにより変倍動作を行う。広角端から中間焦点距離状態への変倍時では、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3はそれぞれ移動せず、第2レンズ群G2、第4レンズ群G4、第5レンズ群G5、及び第6レンズ群G6はそれぞれ像側に移動する。中間焦点距離状態から望遠端への変倍時では、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3はそれぞれ移動せず、第2レンズ群G2、第5レンズ群G5及び第6レンズ群G6はそれぞれ像側に移動し、第4レンズ群G4は物体側に移動する。後群の移動するレンズ群の中で最も強い正の屈折力を有するレンズ群は第5レンズ群G5であり、後群の移動するレンズ群の中で最も強い負の屈折力を有するレンズ群は第4レンズ群G4である。
【0108】
表9は、実施例3のズームレンズの面データの表である。表9において、No.1~7は第1レンズ群G1の面番号であり、No.8~14は第2レンズ群G2の面番号であり、No.15は絞りを表す。No.16~20は第3レンズ群G3の面番号であり、No.21~23は第4レンズ群G4の面番号であり、No.24、25は第5レンズ群G5の面番号である。No.26~28は第6レンズ群G6の面番号であり、No.26は最も像側に配置されるレンズの物体側のレンズ面であり、No.28は最も像側に配置されるレンズの像側のレンズ面である。No.29、30はカバーガラスCGを表し、No.31は像面を表す。
【0109】
[表9]
No. r d Nd vd H
1 110.8777 1.1000 1.84666 23.78 21.11
2 57.2759 6.3000 1.49700 81.61 20.00
3 -1000.0000 0.1500 21.54
4 53.5714 5.0500 1.49700 81.61 19.59
5 414.6051 0.1500 18.16
6 43.6276 3.2000 1.69680 55.46 17.31
7 78.0373 D(7) 16.88
8 49.8365 0.7000 1.91082 35.25 9.98
9 12.1159 3.8921 8.13
10 -62.7416 0.7000 1.90043 37.37 8.01
11 14.0000 3.3000 1.98612 16.48 7.47
12 230.7878 1.1841 7.25
13 * -26.6038 0.8000 1.85370 40.60 7.20
14 * -500.0000 D(14) 7.16
15 S INF 0.6000 8.62
16 * 29.9972 3.8000 1.59201 67.02 8.93
17 * -35.1871 0.1500 8.93
18 19.2664 0.6000 1.92286 18.90 8.62
19 14.5901 6.0000 1.43700 95.10 8.29
20 -24.5513 D(20) 7.96
21 -53.0433 1.7000 1.95906 17.47 6.97
22 -25.8545 0.6000 1.69680 55.46 6.80
23 15.1417 D(23) 6.23
24 * 25.6779 4.0000 1.59201 67.02 6.02
25 * -13.2002 D(25) 6.07
26 -26.2925 0.6000 1.83481 42.72 5.93
27 12.1482 5.9500 1.55032 75.50 5.92
28 -14.1970 D(28) 6.24
29 INF 2.4000 1.51680 64.20 5.04
30 INF 1.6809 4.84
31 INF
【0110】
表10は、実施例3のズームレンズの諸元表を示す。表11は、実施例3のズームレンズにおける各非球面の非球面係数を表す表である。表12は、実施例3のズームレンズを構成する各レンズ群における焦点距離を示している。
【0111】
[表10]
f 6.7560 78.6762 155.8895
FNO 1.6473 4.3760 4.9900
ω 32.8557 3.2148 1.6566
D( 7) 0.9550 32.3100 37.2374
D(14) 37.5827 6.2275 1.3000
D(20) 1.4206 13.7269 9.6969
D(23) 14.6753 5.7776 13.0033
D(25) 0.1219 0.1200 0.1237
D(28) 10.2161 6.8089 3.6095
【0112】
[表11]
No. K A4 A6 A8 A10
13 -7.28804E+00 7.13671E-05 -1.24806E-06 -2.35518E-08 3.61520E-10
14 1.00000E+01 1.07445E-04 -1.90718E-06 5.73782E-10 -3.95909E-11
16 -3.02312E-01 -1.17753E-05 -1.98743E-07 2.01342E-09 -1.78226E-12
17 3.34844E+00 4.05294E-05 -1.53849E-07 2.10931E-09 -1.10167E-12
24 -7.98700E-01 -1.27588E-05 2.64659E-07 -3.23247E-09 1.02160E-10
25 -1.47948E+00 9.04669E-05 -2.78129E-07 -1.15104E-08 3.25362E-10
No. A12 A14 A16 A18 A20
13 -1.13820E-12 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
14 1.53642E-12 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
16 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
17 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
24 -2.46570E-12 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
25 -4.29435E-12 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
【0113】
[表12]
レンズ群 面番号 焦点距離
G1 1-7 58.1668
G2 8-14 -8.6581
G3 16-20 15.8453
G4 21-23 -18.2998
G5 24-25 15.3124
G6 26-28 -124.964
【0114】
[実施例4]
図13は、実施例4のズームレンズの広角端及び望遠端での無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
図14、
図15、及び
図16は、それぞれ、実施例4のズームレンズの広角端、中間焦点距離状態、望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。実施例4のズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6と、負の屈折力を有する第7レンズ群G7から構成されている。レンズ群G2とレンズ群G3との間には絞りSが配置されている。実施例4のズームレンズでは、第4レンズ群G4がフォーカス群である。また、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4、第5レンズ群G5、第6レンズ群G6、及び第7レンズ群G7は前述の後群に相当する。
【0115】
実施例4のズームレンズは、各レンズ群間の空気間隔を変化させることにより変倍動作を行う。広角端から中間焦点距離状態への変倍時では、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3、及び第7レンズ群G7はそれぞれ移動せず、第2レンズ群G2、第4レンズ群G4、第5レンズ群G5、及び第6レンズ群G6はそれぞれ像側に移動する。中間焦点距離状態から望遠端への変倍時では、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3、及び第7レンズ群G7はそれぞれ移動せず、第2レンズ群G2、第5レンズ群G5、及び第6レンズ群G6はそれぞれ像側に移動し、第4レンズ群G4は物体側に移動する。後群の移動するレンズ群の中で最も強い正の屈折力を有するレンズ群は第5レンズ群G5であり、後群の移動するレンズ群の中で最も強い負の屈折力を有するレンズ群は第4レンズ群G4である。
【0116】
表13は、実施例4のズームレンズの面データの表である。表2において、No.1~7は第1レンズ群G1の面番号であり、No.8~14は第2レンズ群G2の面番号であり、No.15は絞りを表す。No.16~20は第3レンズ群G3の面番号であり、No.21~23は第4レンズ群G4の面番号であり、No.24、25は第5レンズ群G5の面番号であり、No.26~28は第6レンズ群G6の面番号である。No.29、30は第7レンズ群G7であり、No.29は最も像側に配置されるレンズの物体側のレンズ面であり、No.30は最も像側に配置されるレンズの像側のレンズ面である。No.31、32はカバーガラスCGを表し、No.33は像面を表す。
【0117】
[表13]
No. r d Nd vd H
1 134.1572 1.1000 1.84666 23.78 21.83
2 62.6441 6.3000 1.49700 81.61 20.63
3 -592.3774 0.1500 21.46
4 55.4996 5.0500 1.49700 81.61 19.57
5 864.2954 0.1500 18.09
6 44.6647 3.2000 1.69680 55.46 17.23
7 83.4755 D(7) 16.81
8 75.7835 0.7000 1.91082 35.25 9.73
9 13.3815 4.0392 8.00
10 -29.4609 0.7000 1.90043 37.37 7.82
11 19.5676 3.3000 1.98612 16.48 7.48
12 -57.7646 0.7546 7.32
13 * -24.4633 0.8000 1.85370 40.60 7.25
14 * -346.1876 D(14) 7.17
15 S INF 0.6000 8.40
16 * 25.9093 3.8000 1.59201 67.02 8.72
17 * -46.8441 0.1500 8.72
18 21.6811 0.6000 1.92286 18.90 8.51
19 15.4025 6.0000 1.43700 95.10 8.21
20 -21.6361 D(20) 7.96
21 -50.2621 1.7000 1.95906 17.47 7.16
22 -24.8423 0.6000 1.69680 55.46 7.02
23 15.8576 D(23) 6.48
24 * 21.5323 4.0000 1.59201 67.02 6.93
25 * -23.4435 D(25) 6.93
26 1641.7241 0.6000 1.83481 42.72 6.76
27 12.3201 5.9500 1.55032 75.50 6.57
28 -17.4104 D(28) 6.63
29 -32.1928 0.6000 2.00069 25.46 4.90
30 -30000.0000 2.0000 4.88
31 INF 2.4000 1.51680 64.20 4.79
32 INF 1.6255 4.72
33 INF
【0118】
表14は、実施例4のズームレンズの諸元表を示す。表15は、実施例4のズームレンズにおける各非球面の非球面係数を表す表である。表16は、実施例4のズームレンズを構成する各レンズ群における焦点距離を示している。
【0119】
[表14]
f 6.7582 78.8393 156.0496
FNO 1.6473 4.3760 4.9900
ω 35.4566 3.2622 1.6617
D( 7) 1.1251 32.1702 37.3585
D(14) 37.5334 6.4883 1.3000
D(20) 0.9935 14.4336 10.3298
D(23) 15.3179 5.7809 12.3186
D(25) 0.2730 0.1151 0.0972
D(28) 7.4612 3.7161 1.3000
【0120】
[表15]
No. K A4 A6 A8 A10
13 -7.28949E+00 2.37103E-05 -1.39353E-06 -2.85038E-09 2.78197E-10
14 -1.00000E+01 7.33019E-05 -1.71815E-06 4.43017E-09 1.75819E-10
16 -3.01150E-01 -1.18100E-05 -1.85179E-07 3.67923E-09 -4.01292E-11
17 3.56817E+00 4.04548E-05 -1.39892E-07 3.48468E-09 -3.79760E-11
24 -2.34821E+00 9.18004E-06 1.20990E-07 -5.27601E-09 1.49508E-10
25 -2.41344E+00 4.89928E-05 5.61677E-08 -9.42465E-09 2.18601E-10
No. A12 A14 A16 A18 A20
13 -1.97442E-12 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
14 -1.37632E-12 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
16 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
17 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
24 -1.81625E-12 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
25 -2.28290E-12 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
【0121】
[表16]
レンズ群 面番号 焦点距離
G1 1-7 57.9741
G2 8-14 -9.04893
G3 16-20 16.5165
G4 21-23 -18.8153
G5 24-25 19.6069
G6 26-28 85.0052
G7 29-30 -32.2053
【0122】
[実施例5]
図17は、実施例5のズームレンズの広角端及び望遠端での無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
図18、
図19、及び
図20は、それぞれ、実施例5のズームレンズの広角端、中間焦点距離状態、望遠端での無限遠合焦時における縦収差を示す図である。実施例5のズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6から構成されている。レンズ群G2とレンズ群G3との間には絞りSが配置されている。実施例5のズームレンズでは、第5レンズ群G5がフォーカス群である。また、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4、第5レンズ群G5、及び第6レンズ群G6は前述の後群に相当する。
【0123】
実施例5のズームレンズは、各レンズ群間の空気間隔を変化させることにより変倍動作を行う。広角端から中間焦点距離状態への変倍時では、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3はそれぞれ移動せず、第2レンズ群G2、第5レンズ群G5、及び第6レンズ群G6はそれぞれ像側に移動し、第4レンズ群G4は物体側に移動する。中間焦点距離状態から望遠端への変倍時では、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3はそれぞれ移動せず、第2レンズ群G2及び第6レンズ群G6はそれぞれ像側に移動し、第4レンズ群G4及び第5レンズ群G5はそれぞれ物体側に移動する。後群の移動するレンズ群の中で最も強い正の屈折力を有するレンズ群は第6レンズ群G6であり、後群の移動するレンズ群の中で最も強い負の屈折力を有するレンズ群は第5レンズ群G5である。
【0124】
表17は、実施例5のズームレンズの面データの表である。表17において、No.1~7は第1レンズ群G1の面番号であり、No.8~14は第2レンズ群G2の面番号であり、No.15は絞りを表す。No.16、17は第3レンズ群G3の面番号であり、No.18~20は第4レンズ群G4の面番号であり、No.21~23は第5レンズ群G5の面番号である。No.24~28は第6レンズ群G6の面番号であり、No.26は最も像側に配置されるレンズの物体側のレンズ面であり、No.28は最も像側に配置されるレンズの像側のレンズ面である。No.29、30はカバーガラスCGを表し、No.31は像面を表す。
【0125】
[表17]
No. r d Nd vd H
1 109.1380 1.1000 1.84666 23.78 20.92
2 56.8734 6.3000 1.49700 81.61 19.83
3 -981.7909 0.1500 21.35
4 52.4880 5.0500 1.49700 81.61 19.46
5 335.5388 0.1500 18.15
6 42.7719 3.2000 1.69680 55.46 17.30
7 75.2835 D(7) 16.86
8 46.9493 0.7000 1.91082 35.25 9.89
9 11.6746 3.9499 8.02
10 -61.2362 0.7000 1.90043 37.37 7.91
11 14.0000 3.3000 1.98612 16.48 7.41
12 341.3233 1.1114 7.20
13 * -27.0050 0.8000 1.85370 40.60 7.15
14 * -500.0000 D(14) 7.12
15 S INF 0.6000 8.61
16 * 36.5250 3.8000 1.59201 67.02 9.02
17 * -28.5123 D(17) 9.05
18 15.9644 0.6000 1.92286 18.90 8.41
19 12.3100 6.0000 1.43700 95.10 8.02
20 -36.3815 D(20) 7.64
21 -41.3277 1.7000 1.95906 17.47 7.12
22 -22.9298 0.6000 1.69680 55.46 7.01
23 16.5718 D(23) 6.53
24 * 32.3580 4.0000 1.59201 67.02 6.87
25 * -13.2828 0.1000 6.94
26 -34.0709 0.6000 1.83481 42.72 6.71
27 12.7747 5.9500 1.55032 75.50 6.65
28 -14.9040 D(28) 6.87
29 INF 2.4000 1.51680 64.20 5.15
30 INF 1.6285 4.91
31 INF
【0126】
表18は、実施例5のズームレンズの諸元表を示す。表19は、実施例5のズームレンズにおける各非球面の非球面係数を表す表である。表20は、実施例5のズームレンズを構成する各レンズ群における焦点距離を示している。
【0127】
[表18]
f 6.7543 78.2486 155.8677
FNO 1.6473 4.3760 4.9900
ω 32.5662 3.2253 1.6534
D( 7) 0.9550 32.2390 37.1781
D(14) 37.5228 6.2388 1.3000
D(17) 0.6342 0.1461 0.1000
D(20) 1.3310 13.6460 9.5776
D(23) 14.7191 5.8101 13.1992
D(28) 9.9245 7.0067 3.7325
【0128】
[表19]
No. K A4 A6 A8 A10
13 -10.00000E+00 8.24372E-05 -1.57495E-06 -2.57052E-08 3.53377E-10
14 -10.00000E+00 1.29115E-04 -2.26299E-06 -3.45755E-09 -5.40676E-12
16 2.53877E-01 -9.64441E-06 -2.06637E-07 1.69045E-09 -3.20026E-12
17 3.40190E+00 3.83659E-05 -1.34583E-07 1.77975E-09 -9.96365E-13
24 -3.99145E+00 -2.12824E-05 2.41414E-07 -4.00299E-09 1.46678E-10
25 -1.30634E+00 8.47347E-05 -2.27748E-07 -9.68102E-09 2.49400E-10
No. A12 A14 A16 A18 A20
13 -4.12094E-13 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
14 2.05108E-12 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
16 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
17 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
24 -3.05431E-12 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
25 -3.45085E-12 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
【0129】
[表20]
レンズ群 面番号 焦点距離
G1 1-7 58.1288
G2 8-14 -8.66361
G3 16-17 27.6483
G4 18-20 33.4555
G5 21-23 -18.3136
G6 24-28 20.4381
【0130】
実施例1~5における前述の各式による算出値及び当該式に用いた数値を表21に示す。
【0131】
[表21]
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5
(1)|ff|/M 0.56 0.58 0.56 0.58 0.56
(2)βFW/βFT 2.04 3.26 2.03 3.30 1.96
(3)β2T/β2W 10.77 10.44 10.73 10.38 10.73
(4)ft/f3 9.83 9.44 9.84 9.45 5.64
(5)|f1/f2| 6.68 6.41 6.72 6.41 6.71
(6)β2W -0.22 -0.23 -0.22 -0.23 -0.22
(7)D2rw/fw 5.65 5.64 5.65 5.64 5.64
(8)|m2/f2| 4.17 4.00 4.19 4.00 4.18
(9)|fp/fn| 1.14 0.96 0.84 1.04 1.12
(10)(Rb1-Rb2)/(Rb1+Rb2) 0.33 -1.00 0.30 -1.00 0.39
fw 6.75 6.76 6.76 6.76 6.75
ft 155.86 156.05 155.89 156.05 155.87
ff -18.30 -18.80 -18.30 -18.82 -18.31
f1 58.11 57.94 58.17 57.97 58.13
f2 -8.69 -9.04 -8.66 -9.05 -8.66
f3 15.85 16.52 15.85 16.52 27.65
β2W -0.22 -0.23 -0.22 -0.23 -0.22
β2T -2.34 -2.36 -2.32 -2.34 -2.33
βFW 6.03 9.88 6.02 9.93 5.85
βFT 2.96 3.03 2.97 3.01 2.99
D2rw 38.19 38.14 38.18 38.13 38.12
m2 36.28 36.22 36.27 36.21 36.21
fp 20.83 18.01 15.31 19.61 20.44
fn -18.30 -18.80 -18.30 -18.82 -18.31
Rb1 -28.14 -32.17 -26.29 -32.19 -34.07
Rb2 -14.22 -30000.00 -14.20 -30000.00 -14.90