(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107480
(43)【公開日】2024-08-08
(54)【発明の名称】電子機器、動作モード切替方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 15/02 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
G06F15/02 335C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024098385
(22)【出願日】2024-06-19
(62)【分割の表示】P 2022109076の分割
【原出願日】2020-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 博明
(57)【要約】
【課題】複数の動作モードが関連付けられたキーを備える電子機器の操作性を向上させる。
【解決手段】電子機器(計算機1)は、複数の動作モードが関連付けられたキー311と、複数の動作モードのそれぞれにおいて各動作モードに関連付けられた演算方法に従って演算値を取得するプロセッサ11とを備える。プロセッサ11は、キー311を操作したことに応じて、当該キーに関連付けられた複数の動作モードのうち何れかの動作モードが起動中でありかつ数値の入力がなされた後であると判定したら、起動中の何れかの動作モードを保持したまま当該数値の入力を無効化し、キー311をさらに続けて操作したことに応じて、何れかの動作モードを終了し、キー311に関連付けられた複数の動作モードのうちの別の何れかの動作モードを起動する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の動作モードが関連付けられたキーと、
前記複数の動作モードのそれぞれにおいて、数値の入力を受け付け、入力を受け付けた数値を用いて、各動作モードに関連付けられた演算式に従って演算値を取得するプロセッサとを、備え、
前記プロセッサは、
前記キーを操作したことに応じて、当該キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードが起動中でありかつ前記数値の入力がなされた後であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを保持したまま、当該数値の入力を無効化し、
前記キーをさらに続けて操作したことに応じて、前記何れかの動作モードを終了し、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうちの別の何れかの動作モードを起動する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記プロセッサは、
前記キーとは異なる特定キーを操作したことに応じて、前記キーに関連付けられた前記何れかの動作モードを起動中でありかつ前記数値の入力を受け付けた後であると判定したら、当該数値の入力を無効化し、
前記特定キーをさらに続けて操作しても、前記別の何れかの動作モードを起動しないで、前記何れかの動作モードを保持する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子機器において、
前記プロセッサは、
前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードの中から予め定めた順序に従って前記別の何れかの動作モードを特定し、特定した前記別の何れかの動作モードを起動する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
複数の動作モードが関連付けられたキーと、
前記複数の動作モードのそれぞれにおいて、各動作モードに関連付けられた演算方法に従って演算値を取得するプロセッサとを、備え、
前記プロセッサは、
前記キーを操作したことに応じて、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードが起動中である場合、起動中の前記何れかの動作モードの状態を判定し、
前記何れかの動作モードにおける起動直後の状態であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを終了し、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうちの別の何れかの動作モードを起動し、
前記何れかの動作モードにおける前記起動直後の状態とは異なる状態であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを保持したまま、当該何れかの動作モードにおける前記起動直後の状態に、自機を設定する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電子機器において、
前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードを特定する動作モード特定情報を保持するメモリを、さらに備え、
前記プロセッサは、
前記何れかの動作モードにおける起動直後の状態であると判定したら、前記別の何れかの動作モードを特定するように、前記動作モード特定情報を更新する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項4に記載の電子機器において、
前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードを特定する動作モード特定情報を保持するメモリを、さらに備え、
前記プロセッサは、
前記キーの操作に応じて、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードが起動中であるか否かを判定し、
前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうちの何れの動作モードも起動中でないと判定したら、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち、前記メモリに保持される前記動作モード特定情報に対応する動作モードを起動する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項6に記載の電子機器において、
前記プロセッサは、
前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうちの何れの動作モードも起動中でないと判定したら、前記動作モード特定情報を保持する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項4乃至7の何れか一項に記載の電子機器において、
前記プロセッサは、
前記複数の動作モードのそれぞれにおいて、前記各動作モードに関連付けられた前記演算方法として、数値の入力を受け付け、入力を受け付けた数値を用いて、各動作モードに関連付けられた演算式に従って演算値を取得し、
前記何れかの動作モードにおける前記起動直後の状態は、前記何れかの動作モードを起動後、前記数値の入力がなされていない状態である、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項4乃至8の何れか一項に記載の電子機器において、
前記プロセッサは、
前記複数の動作モードのそれぞれにおいて、前記各動作モードに関連付けられた前記演算方法として、数値の入力を受け付け、入力を受け付けた数値を用いて、各動作モードに関連付けられた演算式に従って演算値を取得し、
前記何れかの動作モードにおける前記起動直後の状態とは異なる状態は、数値入力中、入力数値確定、又は、演算値取得済みの状態を含む、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項4乃至9の何れか一項に記載の電子機器において、
前記プロセッサは、
前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードの中から予め定めた順序に従って前記別の何れかの動作モードを特定し、特定した前記別の何れかの動作モードを起動する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項11】
複数の動作モードが関連付けられたキーと、前記複数の動作モードのそれぞれにおいて、数値の入力を受け付け、入力を受け付けた数値を用いて、各動作モードに関連付けられた計算式に従って演算値を取得するプロセッサとを備える電子機器の前記プロセッサが、
前記キーを操作したことに応じて、当該キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードが起動中でありかつ前記数値の入力がなされた後であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを保持したまま、当該数値の入力を無効化し、
前記キーをさらに続けて操作したことに応じて、前記何れかの動作モードを終了し、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうちの別のいずれかの動作モードを起動する、
ことを特徴とする動作モード切替方法。
【請求項12】
複数の動作モードが関連付けられたキーと、前記複数の動作モードのそれぞれにおいて、数値の入力を受け付け、入力を受け付けた数値を用いて、各動作モードに関連付けられた計算式に従って演算値を取得するプロセッサとを備える電子機器の前記プロセッサに、
前記キーを操作したことに応じて、当該キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードが起動中でありかつ前記数値の入力がなされた後であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを保持したまま、当該数値の入力を無効化し、
前記キーをさらに続けて操作したことに応じて、前記何れかの動作モードを終了し、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうちの別のいずれかの動作モードを起動する、
処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
複数の動作モードが関連付けられたキーと、前記複数の動作モードのそれぞれにおいて、各動作モードに関連付けられた演算方法に従って演算値を取得するプロセッサとを備えた電子機器の前記プロセッサが、
前記キーを操作したことに応じて、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードが起動中である場合、起動中の前記何れかの動作モードの状態を判定し、
前記何れかの動作モードにおける起動直後の状態であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを終了し、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうちの別の何れかの動作モードを起動し、
前記何れかの動作モードにおける前記起動直後の状態とは異なる状態であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを保持したまま、当該何れかの動作モードにおける起動直後の状態に、自機を設定する、
ことを特徴とする動作モード切替方法。
【請求項14】
複数の動作モードが関連付けられたキーと、前記複数の動作モードのそれぞれにおいて、各動作モードに関連付けられた演算方法に従って演算値を取得するプロセッサとを備えた電子機器の前記プロセッサに、
前記キーを操作したことに応じて、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードが起動中である場合、起動中の前記何れかの動作モードの状態を判定し、
前記何れかの動作モードにおける起動直後の状態であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを終了し、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうちの別の何れかの動作モードを起動し、
前記何れかの動作モードにおける前記起動直後の状態とは異なる状態であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを保持したまま、当該何れかの動作モードにおける起動直後の状態に、自機を設定する、
処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、動作モード切替方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
関数電卓としての動作と、ベーシックによるプログラムの編集及び実行を行う2つのモードを備える電子機器が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この電子機器において、複数のモード指定キー21の各々には一つのモードしか関連付けられていない。したがって、複数のモードが関連付けられたキーを用いたときの操作性を改善する方法は何ら開示されていない。
【0005】
以上のような実情を踏まえ、本発明の一側面に係る目的は、複数の動作モードが関連付けられたキーを備える電子機器の操作性を向上させることが可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る電子機器は、複数の動作モードが関連付けられたキーと、前記複数の動作モードのそれぞれにおいて、数値の入力を受け付け、入力を受け付けた数値を用いて、各動作モードに関連付けられた演算式に従って演算値を取得するプロセッサとを、備え、前記プロセッサは、前記キーを操作したことに応じて、当該キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードが起動中でありかつ前記数値の入力がなされた後であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを保持したまま、当該数値の入力を無効化し、前記キーをさらに続けて操作したことに応じて、前記何れかの動作モードを終了し、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうちの別の何れかの動作モードを起動する、電子機器である。
【0007】
本発明の別の一態様に係る電子機器は、複数の動作モードが関連付けられたキーと、前記複数の動作モードのそれぞれにおいて、各動作モードに関連付けられた演算方法に従って演算値を取得するプロセッサとを、備え、前記プロセッサは、前記キーを操作したことに応じて、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードが起動中である場合、起動中の前記何れかの動作モードの状態を判定し、前記何れかの動作モードにおける起動直後の状態であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを終了し、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうちの別の何れかの動作モードを起動し、前記何れかの動作モードにおける前記起動直後の状態とは異なる状態であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを保持したまま、当該何れかの動作モードにおける前記起動直後の状態に、自機を設定する、電子機器である。
【発明の効果】
【0008】
上記の態様によれば、複数の動作モードが関連付けられたキーを備える電子機器の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る計算機の外観構成を例示する平面図である。
【
図2】一実施形態に係る計算機のハードウェア構成を例示するブロック図である。
【
図3】ファンクションキーの割り当てを管理する管理情報を例示する図である。
【
図4】計算機が行うイニシャル処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図5】計算機が行う演算処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図6】一実施形態に係る計算機が行うファンクションキー処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図7】一実施形態に係る計算機における動作の第1の具体例を説明する図である。
【
図8】一実施形態に係る計算機における動作の第2の具体例を説明する図である。
【
図9】一実施形態に係る計算機における動作の第3の具体例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明に係る電子機器の実施形態について説明する。なお、以下の説明では、電子機器の一例として計算機を挙げる。また、以下の説明では、実施形態に係る計算機のうち、従来の計算機と同一又は類似の機能、構成、及び動作についての詳細な説明を省略する。
【0011】
図1は、一実施形態に係る計算機の外観構成を例示する平面図である。
図1には、本実施形態に係る計算機全体の外観構成の平面図と、該平面図における領域A1の部分を拡大した拡大平面図とを例示している。
【0012】
図1に例示した計算機1は、筐体2の表面に、複数のキーが配列されたキーエリア3と、表示装置4とが設けられている。キーエリア3には、数値を入力するキーや演算記号を入力するキー等の他に、オールクリア(AC)キー301及びクリア(C)キー302が配置されている。キーエリア3に配置された複数のキーのうちの幾つかのキーは、複数の機能を有する。例えば、オールクリアキー301は、入力された数値や演算結果等を全てクリア(消去)するとともに計算機1の動作モードを通常演算モードへ設定する機能と、電源をオンにする機能とを有する。例えば、イコールキー303は、入力を受け付けた数値及び演算記号に基づいて実行した演算の結果を表示する機能と、後述する特殊演算モードにおいて入力を受け付けた数値を確定する機能とを有する。
【0013】
また、
図1に例示した計算機1のキーエリア3には、4つのファンクションキー311~314が配置されている。第1のファンクションキー311、第2のファンクションキー312、第3のファンクションキー313、及び第4のファンクションキー314のそれぞれには、演算モード(動作モード)として、2つの特殊演算モードが割り当てられている。特殊演算モードは、各モードにおいて入力を受け付けた数値を用いて、各モードに予め関連付けられた後述する各種指数(BMIや力価など)に対応する演算式に従って演算を実行することにより、指数の値を簡易な操作で取得することができるモードである。この特殊演算モードでは、予め関連付けられた指数に対応する演算式に含まれる1つ以上の変数のそれぞれに対する数値の入力を受け付ける。
【0014】
第1のファンクションキー311には、キートップに記載されたBMI(Body Mass Index)を演算するための特殊演算モードと、筐体2における第1のファンクションキー311の上方の領域321に記載された「散薬鑑査」に関する演算をするための特殊演算モードとが割り当てられている。例えば、BMIを演算するための特殊演算モードでは、「身長」及び「体重」を変数として、各変数に対する数値の入力を受け付け、演算式「BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」に従って演算を実行し、BMIの値が取得される。
【0015】
第2のファンクションキー312には、第1の演算式により力価を演算するための特殊演算モードと、第2の演算式により力価を演算するための特殊演算モードとが割り当てられている。筐体2における第2のファンクションキー312の上方の領域322に記載された「切替」は、第1の演算式により力価を演算するための特殊演算モードと第2の演算式により力価を演算するための特殊演算モードとを切り替え可能であることを意味する。
【0016】
第3のファンクションキー313には、第1の演算式により体表面積を演算するための特殊演算モードと、第2の演算式により体表面積を演算するための特殊演算モードとが割り当てられている。筐体2における第3のファンクションキー313の上方の領域323に記載された「切替」は、第1の演算式により体表面積を演算するための特殊演算モードと第2の演算式により体表面積を演算するための特殊演算モードとを切り替え可能であることを意味する。
【0017】
第4のファンクションキー314には、キートップに記載された腎機能に関する演算をするための特殊演算モードと、筐体2における第4のファンクションキー314の上方の領域324に記載された「日数計算」をするための特殊演算モードとが割り当てられている。
【0018】
また、
図1に例示した計算機1のキーエリア3には、除算結果表示切替キー315が配置されている。除算結果表示切替キー315は、除算(割り算)の結果の表示設定を、実数で商のみを表示する設定と、整数で商及び余りを表示する設定とを切り替える機能を有する。筐体2における除算結果表示切替キー315の上方の領域325に記載された「商/余り」は、除算結果表示切替キー315を押下する毎に、実数で商のみを表示すると、整数で商及び余りを表示する設定とを切り替え可能であることを意味する。
【0019】
計算機1の表示装置4は、第1の表示領域401と、第2の表示領域402とを有する。第1の表示領域401は、キー領域に配置された数値キーにより入力された数値や演算結果等を表示する領域である。第1の表示領域401は、例えば、10桁の7セグメント表示が可能であるように構成されている。第2の表示領域402は、例えば、第1のファンクションキー311、第2のファンクションキー312、第3のファンクションキー313、及び第4のファンクションキー314のいずれかが押下された場合に案内を表示する領域である。第2の表示領域402は、例えば、全角で12文字分の文字情報を表示することが可能なドットマトリクス形式の表示領域である。
【0020】
図2は、一実施形態に係る計算機のハードウェア構成を例示するブロック図である。
【0021】
本実施形態に係る計算機1は、
図2に例示したように、プロセッサ11、メモリ12、入力装置13、表示制御部14、及び表示装置4を含む。計算機1におけるプロセッサ11、メモリ12、入力装置13、及び表示制御部14は、バス15により相互に接続されている。
【0022】
プロセッサ11は、後述するファンクションキー処理を含む所定のプログラムを実行することにより、計算機1全体の動作を制御する。プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ11は、上述した複数の動作モードのそれぞれにおいて、数値の入力を受け付け、入力を受け付けた数値を用いて、各動作モードに関連付けられた演算式に従って演算値を取得する。メモリ12は、プロセッサ11が実行するプログラムや、演算の途中結果等を記憶する。メモリ12は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。プロセッサ11及びメモリ12の一部は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってもよい。
【0023】
入力装置13は、数値や演算記号の入力、各特殊演算モードの選択(呼び出し)等を受け付ける装置であり、例えば、
図1に例示したキーエリア3に配置された複数のキーを含む。
【0024】
表示制御部14は、表示装置4の表示を制御する。表示装置4は、例えば、
図1に例示したような第1の表示領域401及び第2の表示領域402を有する液晶表示パネルである。
【0025】
なお、計算機1は、
図2に例示していない他のハードウェア構成を含むものであってもよい。例えば、計算機1は、プロセッサ11等に動作電力を供給する電池やソーラーパネル等の電源を含んでもよい。また、計算機1は、例えば、外部装置と通信する通信装置を含んでもよい。
【0026】
本実施形態の計算機1におけるメモリ12には、上述した第1のファンクションキー311、第2のファンクションキー312、第3のファンクションキー313、及び第4のファンクションキー314の各々に割り当てられた特殊演算モードに対応する演算式に関する情報と、各特殊演算モードの案内をする情報とが記憶される。各特殊演算モードを案内する情報は、例えば、各特殊演算モードに予め関連付けられた指数の値を演算により取得するために数値の入力を受け付ける変数又は変数の属性を通知する情報が含まれる。また、メモリ12には、上述した第1のファンクションキー311、第2のファンクションキー312、第3のファンクションキー313、及び第4のファンクションキー314の各々に対する特殊演算モードの割り当てを管理する管理情報が記憶される。
【0027】
図3は、ファンクションキーの割り当てを管理する管理情報を例示する図である。
図3に例示した管理情報20は、メモリ12に保持される動作モード特定情報の一例である。
【0028】
図3に例示した管理情報20は、ファンクションキー毎に、ファンクションキーを識別するキーIDと、ファンクションキーに割り当てられた2つのモード(モード1及びモード2)と、前回起動したモード(前回起動)とが、対応付けられている。以下の説明では、第1のファンクションキー311のキーIDをFN1とし、第2のファンクションキー312のキーIDをFN2とし、第3のファンクションキー313のキーIDをFN3とし、第4のファンクションキー314のキーIDをFN4とする。
【0029】
図3に例示した管理情報20において、「モード1」は計算機1が初期化された状態であるときにファンクションキーを1回押下すると起動されるモード(第1特殊演算モード)であり、「モード2」は計算機1が初期化された状態であるときにファンクションキーを続けて2回押下すると起動されるモード(第2特殊演算モード)である。また、
図3に例示した管理情報20における前回起動したモードは、当該ファンクションキーを押下して起動させた特殊演算モードのうち、最後に起動させたモードを示す。例えば、第1のファンクションキー311にはキーIDとしてFN1が付与されており、計算機1が初期化された状態で第1のファンクションキー311を1回押下すると、計算機1は、BMI演算を行う機能を実行するための特殊演算モードを起動する。また、計算機1が初期化された状態で第1のファンクションキー311を続けて2回押下すると、計算機1は、散薬鑑査に関する演算を行うための特殊演算モードを起動する。更に、前回起動させたモードがBMI演算に対応するモード(モード1)であった場合、前回起動したモードとして「モード1」を示す情報が対応付けられる。なお、
図3に例示した管理情報20に示す「-」は、第4のファンクションキー314に割り当てられた特殊演算モードを、初期化後に一度も起動していないことを表している。
【0030】
本実施形態の計算機1は、第1のファンクションキー311、第2のファンクションキー312、第3のファンクションキー313、及び第4のファンクションキー314のいずれかが新規に1回押下された場合、後述するように、管理情報20における前回起動したモードを参照して、今回起動するモードを決定する。ここで、本明細書では、あるファンクションキーに割り当てられたモードが動作中ではないときに、そのファンクションキーを押下することを、新規に押下すると言う。例えば、BMI演算を行うためのモード(モード1)及び散薬鑑査に関する演算を行うためのモード(モード2)が起動していない状態で第1のファンクションキー311が1回押下された場合には、当該第1のファンクションキー311が新規に押下されたことになる。この場合、計算機1は、管理情報20における第1のファンクションキー311のキーID(FN1)と対応付けられた前回起動したモードに基づいて、モード1又はモード2を起動する。第1のファンクションキー311に割り当てられた特殊演算モードを、初期化後に一度も起動していないか、又は、前回起動したモードがモード1である場合、計算機1はモード1を起動する。一方、前回起動したモードがモード2である場合、計算機1はモード2を起動する。
【0031】
図4は、計算機が行うイニシャル処理の一例を説明するフローチャートである。本実施形態の計算機1は、例えば、初期化のための所定の操作等が行われたときに、
図4に例示したイニシャル処理を行う。
【0032】
イニシャル処理では、計算機1は、まず、2つの特殊演算モードが割り当てられたファンクションキーの前回起動時の情報を初期化する(ステップS1)。ステップS1において、計算機1のプロセッサ11は、例えば、メモリ12に格納されている管理情報20における前回起動したモードを示す情報を、初期化後に一度も起動していないことを示す値(「-」)に変更する。その後、計算機1は、その他の設定の初期化をし(ステップS2)、イニシャル処理を終了する。ステップS2において、計算機1のプロセッサ11は、演算モードを、数値キーと演算記号キーとを利用した演算を行う通常演算モードに設定する。また、ステップS2において、計算機1のプロセッサ11は、例えば、除算(割り算)の結果の表示設定を実数で商のみを表示する設定にする。通常演算モードは、少なくとも、通常演算モードの起動中に入力を受け付けた数値及び演算記号に基づいて、例えば四則演算などの演算を実行するモードである。なお、通常演算モードにおいても、入力を受け付けた数値を用いて、通常演算モードに予め関連付けた何らかの演算式に従って、演算を実行可能に構成してもよい。
【0033】
図5は、計算機が行う演算処理の一例を説明するフローチャートである。本実施形態の計算機1は、例えば、オールクリアキー301が押下され電源がオンになると、
図5に例示した演算処理を開始する。
【0034】
演算処理では、計算機1は、キー入力の有無を判定し(ステップS10)、キー入力がなされるまでステップS10の判定を繰り返す(ステップS10;NO)。キー入力があると(ステップS10;YES)、計算機1は、2つの特殊演算モードが割り当てられたファンクションキーによる入力であるか否かを判定する(ステップS11)。2つの特殊演算モードが割り当てられたファンクションキーによる入力ではない場合(ステップS11;NO)、計算機1は、起動直後状態フラグをオフし(ステップS12)、入力キーに応じた処理を行い(ステップS13)、ステップS10の判定に戻る。例えば、数値キーや演算記号キーによる入力である場合、計算機1は、ステップS13の処理として、入力された数値や演算結果を表示装置4に表示する。起動直後状態フラグについては後述する。
【0035】
一方、ファンクションキーによる入力である場合(ステップS11;YES)、計算機1は、ファンクションキーによる入力が行われた時点での計算機1の演算モードと、該ファンクションキーに割り当てられた特殊演算モードと、管理情報20とに基づいて、実施する特殊演算モードを制御するファンクションキー処理を行う(ステップS14)。ステップS14のファンクションキー処理として、計算機1は、例えば、
図6を参照して後述する処理を行う。ファンクションキー処理が終了すると、計算機1は、ステップS10の判定に戻る。
【0036】
演算処理を行っている計算機1は、例えば、所定の期間キー入力が無かった場合、又は電源をオフにするキーが押下された場合に、演算処理を終了して電源をオフにする。
【0037】
図6は、一実施形態に係る計算機が行うファンクションキー処理の一例を説明するフローチャートである。上述したように、計算機1は、ファンクションキーによる入力が行われた場合に、
図6に例示したファンクションキー処理を開始する。なお、
図6及び
図6を参照した以下の説明において単に「モード」と記載している場合には、当該モードは「特殊演算モード」を意味する。
【0038】
ファンクションキー処理では、計算機1は、まず、現在の演算モードが通常演算モードと特殊演算モードのどちらであるかを判定する(ステップS1401)。
【0039】
現在の演算モードが通常演算モードである場合(ステップS1401;通常演算モード)、計算機1は、入力操作がなされたファンクションキーの前回起動した特殊演算モードをセットする(ステップS1403)。ステップS1403において、計算機1は、メモリ12に格納された管理情報20に基づいて、入力操作がされたファンクションキーの前回起動した特殊演算モードがモード1及びモード2のどちらであるかを特定し、特定したモードをセットする。ステップS1403の後、計算機1は、ステップS1403でセットしたモードの起動直後状態をセットし(ステップS1408)、起動直後状態フラグをオンし(ステップS1409)、該モードの起動処理を行い(ステップS1410)、ファンクションキー処理を終了する。ここで、起動直後状態は、ファンクションキーに割り当てられた特殊演算モードを実施する際の最初の状態として設定された状態である。具体的には、演算式における1つめの変数に対する数値の入力が可能であり、かつ、数値が未入力の状態である。起動直後状態フラグがオンの場合には特殊演算モードが起動直後状態である。ステップS1410の特殊演算モードの起動処理において、表示装置4の表示を後述する起動直後状態の表示に切り替える。
【0040】
これに対し、現在の演算モードが特殊演算モードである場合(ステップS1401;特殊演算モード)、計算機1は、次に、現在の特殊演算モードが割り当てられたファンクションキーによる入力であるか否かを判定する(ステップS1402)。現在の特殊演算モードが割り当てられたファンクションキーによる入力ではない場合(ステップS1402;NO)、計算機1は、上述したステップS1403、及びS1408~S1410の処理を行い、ファンクションキー処理を終了する。
【0041】
現在の特殊演算モードが割り当てられたファンクションキーによる入力である場合(ステップS1402;YES)、計算機1は、次に、起動直後状態フラグがオン又はオフの何れであるかを判定する(ステップS1404)。上記のように、起動直後状態はファンクションキーに割り当てられた特殊演算モードを実施する際の最初の状態として設定された状態であり、起動直後状態である場合には起動直後状態フラグがオンである。起動直後状態フラグがオンである場合(ステップS1404;オン)、計算機1は、ファンクションキーに割り当てられた2つの特殊演算モードのうちの現在のモードとは反対のモードをセットし、管理情報20における前回起動したモードを変更する(ステップS1405)。例えば、現在の特殊演算モードがモード1及びモード2のうちのモード1であり、該モード1の起動直後状態である場合、ステップS1405において、計算機1は、モード2をセットし、管理情報20における前回起動したモードをモード2に変更する。ステップS1405の処理の後、計算機1は、ステップS1405でセットしたモードの起動直後状態をセットし(ステップS1408)、その後上述したステップS1409及びS1410の処理を行い、ファンクションキー処理を終了する。
【0042】
一方、起動直後状態フラグがオフである場合、現在起動中の特殊演算モードは、起動直後の状態とは異なる状態(何れかの変数へ数値を入力中、何れかの変数の数値が確定、又は演算式に基づいて演算値を取得済みの状態)である。ステップS1404において起動直後状態がオフであると判定した場合(ステップS1404;オフ)、計算機1は、次に、変数に対する数値の入力を受付中であるか否かを判定する(ステップS1406)。変数に対する数値の入力を受付中である場合(ステップS1406;YES)、計算機1は、起動中の特殊演算モードの起動直後状態をセットし(ステップS1408)、その後上述したステップS1409及びS1410の処理を行い、ファンクションキー処理を終了する。このとき、計算機1は、ファンクションキー処理開始時の特殊演算モードにおける起動直後状態に戻り、ファンクションキー処理を終了する。
【0043】
ステップS1406において変数に対する数値の入力を受付中ではないと判定した場合(ステップS1406;NO)、計算機1は、次に、現在の特殊演算モードにおける演算結果を表示中であるか否かを判定する(ステップS1407)。演算結果を表示中である場合(ステップS1407;YES)、計算機1は、起動中のモードの起動直後状態をセットし(ステップS1408)、その後上述したステップS1409及びS1410の処理を行い、ファンクションキー処理を終了する。このとき、計算機1は、ファンクションキー処理開始時の特殊演算モードにおける起動直後状態に戻り、ファンクションキー処理を終了する。一方、演算結果の表示中ではない場合(ステップS1407;NO)、計算機1は、その後何もせず(NOP:No Operation。ステップS1411)、ファンクションキー処理を終了する。
【0044】
このように、本実施形態の計算機1は、ファンクションキーによる入力がなされ、該ファンクションキーに割り当てられた2つの特殊演算モードのうちのいずれかを起動した場合に、起動したほうの特殊演算モードを前回起動した特殊演算モードとしてメモリ12内の管理情報20で保持する。このため、ファンクションキーによる入力がなされたときに、該ファンクションキーに割り当てられた特殊演算モードが起動していない(ステップS1401;通常演算モード、又はステップS1402;NO)場合、前回起動した特殊演算モードを起動することができる。したがって、本実施形態の計算機1では、1つのファンクションキーに割り当てられた2つの特殊演算モードのうちの初期設定で続けて2回押下した場合に起動される特殊演算モードを起動し、終了させた後、当該特殊演算モードをファンクションキーの1回の押下により起動させることができる。よって、本実施形態の計算機1では、例えば、1つのファンクションキーに割り当てられた2つの特殊演算モードのうちの初期設定で続けて2回押下した場合に起動される特殊演算モードを起動させる頻度が高い場合に、該特殊演算モードを1回の押下により優先して起動させることができる。すなわち、本実施形態の計算機1では、例えば、ファンクションキーとは別のキー等を利用した設定変更のための複雑な操作をすることなく、1つのファンクションキーに割り当てられた2つの特殊演算モードのうちの1回の押下により優先して起動させる特殊演算モードを切り替えることができる。
【0045】
また、本実施形態の計算機1は、ファンクションキーによる入力がなされたときに、該ファンクションキーに割り当てられた特殊演算モードが起動しており(ステップS1402;YES)、かつ起動直後状態である(ステップS1404;オン)場合、その時点で起動している特殊演算モードとは反対の特殊演算モードを起動する。このため、同じファンクションキーを続けて2回押下することにより、該ファンクションキーに割り当てられた2つの特殊演算モードのうちの1回押下した場合に起動する特殊演算モードとは反対の特殊演算モードを起動させることができる。すなわち、本実施形態の計算機1では、所望の特殊演算モードを起動させるファンクションキーと、該ファンクションキーとは別のキーとを組み合わせた入力操作をすることなく、1つのファンクションキーに割り当てられた2つの特殊演算モードのうちの起動させるモードを切り替えることができる。したがって、本実施形態の計算機1では、ファンクションキーに割り当てられた2つの特殊演算モードのうちの起動させるモードを切り替えるための該ファンクションキーとは別のキーを設ける必要が無く、キーエリア3(
図1を参照)に配置するキーの数の増加を抑えることができる。また、ファンクションキーと、該ファンクションキーとは別のキーとを組み合わせた入力操作を必要としないため、ファンクションキーの入力操作が簡便になり、計算機1の操作性が向上する。
【0046】
図7は、一実施形態に係る計算機における動作の第1の具体例を説明する図である。
図7におけるFN1キー及びFN2キーは、それぞれ、第1のファンクションキー311及び第2のファンクションキー312である。
図7を参照した以下の説明では、電源をオンにした時点における管理情報20の前回起動したモードを示す値は、初期化後に一度も起動していないことを示す値、又はモード1を示す値であるとする。
【0047】
図7の(a1)には、計算機1の電源がオフである場合の表示装置4の表示状態を模式的に示している。なお、第1の表示領域401内の細い実線で示した10桁の7セグメント表示は、電源オフ時には非表示である。計算機1の利用者が電源をオンにすると、計算機1は、通常演算モードで起動し、
図7の(a2)に例示したように、表示装置4の第1の表示領域401に数値「0」が表示される。
【0048】
電源をオンにした後、利用者が第1のファンクションキー311(FN1キー)を押下すると、計算機1は、ファンクションキー処理(ステップS14)を行う。この時点では、演算モードが通常演算モードであるため(ステップS1401;通常演算モード)、計算機1は、第1のファンクションキー311に割り当てられた2つの特殊演算モードのうちのモード1(BMI演算)をセットし、該モード1の起動直後状態をセットして起動直後状態フラグをオンにした後、モード1を起動する(ステップS1403,及びS1408~S1410)。このとき、計算機1は、管理情報20におけるFN1キーの前回起動した特殊演算モードを、モード1(BMI演算)を示す値に変更する。また、表示装置4の表示は、例えば、
図7の(a3)に例示したような、BMI演算を実行する特殊演算モードにおける起動直後状態の表示となる。表示装置4の第1の表示領域401には、「0」が表示される。表示装置4の第2の表示領域402には、BMI演算を行うための特殊演算モードが起動していること、最初に入力を受け付ける変数又はその属性が身長であること、及び入力する身長の単位がcmであることを示す案内が表示される。
【0049】
次に、利用者が数値キーを押下して身長を入力すると、計算機1は、入力に応じた処理(ステップS13)を行い、
図7の(a4)に例示したように、表示装置4の第1の表示領域401に入力された数値を表示する。
【0050】
この後、BMI演算の特殊演算モードが起動した状態が継続しているときに利用者が第2のファンクションキー312(FN2キー)を押下すると、計算機1は、ファンクションキー処理を行う。この時点では、演算モードが特殊演算モード(ステップS1401;特殊演算モード)であるが、起動している特殊演算モードは第2のファンクションキー312に割り当てられた特殊演算モードとは異なるモードである(ステップS1402;NO)。このため、計算機1は、第2のファンクションキー312に割り当てられた2つの特殊演算モードのうちのモード1(演算式1による力価演算)をセットし、該モード1の起動直後状態をセットして起動直後状態フラグをオンにした後、モード1を起動する(ステップS1403,及びS1408~S1410)。このとき、計算機1は、管理情報20におけるFN2キーの前回起動したモードを、モード1(演算式1による力価演算)を示す値に変更する。また、表示装置4の表示は、例えば、
図7の(a5)に例示したような、演算式1による力価演算を実行する特殊演算モードにおける起動直後状態の表示となる。表示装置4の第1の表示領域401には、「0」が表示される。表示装置4の第2の表示領域402には、演算式1による力価演算を行うための特殊演算モードが起動していること、入力を受け付ける変数又はその属性が成分量であること、及び入力する成分量の単位がmgであることを示す案内が表示される。
【0051】
ここで、利用者が続けて第2のファンクションキー312を押下すると、計算機1は、再度ファンクションキー処理を行う。この時点では、演算モードが特殊演算モードであり、かつ起動している特殊演算モードは第2のファンクションキー312に割り当てられたモードである(ステップS1402;YES)。更に、この時点では起動直後状態フラグがオンである(ステップS1404;オン)。このため、計算機1は、第2のファンクションキー312に割り当てられた2つの特殊演算モードのうちの、現在起動しているモード1とは反対のモード2(すなわち演算式2による力価演算)をセットし、該モード2の起動直後状態をセットして起動直後状態フラグをオンにした後、モード2を起動する(ステップS1405,及びS1408~S1410)。このとき、計算機1は、管理情報20におけるFN2キーの前回起動したモードを、モード2(演算式2による力価演算)を示す値に変更する。また、表示装置4の表示は、例えば、
図7の(a6)に例示したような、演算式2による力価演算を実行する特殊演算モードにおける起動直後状態の表示となる。表示装置4の第1の表示領域401には、「0」が表示される。表示装置4の第2の表示領域402には、演算式2による力価演算を行うための特殊演算モードが起動していること、入力を受け付ける変数又はその属性が秤量であること、及び入力する秤量の単位がgであることを示す案内が表示される。
【0052】
この後、例えば、演算式2による力価演算を行うための特殊演算モードが起動した状態が継続しているときに、利用者が第1のファンクションキー311を押下すると、計算機1は、ファンクションキー処理を行う。この時点では、演算モードが特殊演算モードであるが、起動している特殊演算モードは第1のファンクションキー311に割り当てられた特殊演算モードとは異なるモードである。このため、計算機1は、管理情報20におけるFN1キーの前回起動したモードに基づいて、第1のファンクションキー311に割り当てられた2つの特殊演算モードのうちのモード1(BMI演算)を起動する。このとき、管理情報20におけるFN1キーの前回起動したモードはモード1(BMI演算)を示す値のままである。また、表示装置4の表示は、例えば、
図7の(a7)に例示したような、BMI演算を実行する特殊演算モードにおける起動直後状態の表示となる。このときの表示装置4の表示は、(a3)に例示した表示と同じである。
【0053】
図7の(a7)に例示したBMI演算を行うための特殊演算モードを起動した状態が継続しているときに、利用者が第2のファンクションキー312を押下すると、計算機1は、ファンクションキー処理を行う。この時点では、演算モードが特殊演算モードであるが、起動している特殊演算モードは第2のファンクションキー312に割り当てられた特殊演算モードとは異なるモードである。更に、この時点での管理情報20におけるFN2キーの前回起動したモードは、上記のようにモード2(演算式2による力価演算)である。このため、計算機1は、第2のファンクションキー312に割り当てられた2つの特殊演算モードのうちのモード2(演算式2による力価演算)を起動する。このとき、表示装置4の表示は、例えば、
図7の(a8)に例示したような、演算式2による力価演算を実行する特殊演算モードにおける起動直後状態の表示となる。このときの表示装置4の表示は、(a6)に例示した表示と同じである。
【0054】
このように、1つのファンクションキーを続けて2回押下して対応する特殊演算モードを起動させ、該特殊演算モードが前回起動したモードとして管理情報20に格納されると、本実施形態の計算機1では、その後、当該ファンクションキーを1回押下することにより、初期状態で2回押下と対応する特殊演算モードを起動させることができる。このため、例えば、演算式2による力価演算を行う頻度が高く、かつ演算式1による力価演算を行わないような利用者の場合、都度第2のファンクションキー312を続けて2回押下することがなくなり、演算式2による力価演算を行う際の操作性が向上する。
【0055】
図8は、一実施形態に係る計算機における動作の第2の具体例を説明する図である。
図8におけるFN3キーは、第3のファンクションキー313である。
図8を参照した以下の説明では、電源をオンにした時点における管理情報20の前回起動したモードを示す値は、初期化後に一度も起動していないことを示す値、又はモード1を示す値であるとする。また、
図8を参照した以下の説明では、第3のファンクションキー313に割り当てられた2つの特殊演算モードのうちの、モード1で体表面積の演算に利用する演算式1はDuBois式とし、モード2で体表面積の演算に利用する演算式2は藤本式とする。計算機1の利用者が電源をオンにすると、計算機1は、通常演算モードで起動し、
図8の(b1)に例示したように、表示装置4の第1の表示領域401に数値「0」が表示される。
【0056】
計算機1の電源をオンにした後、利用者が第3のファンクションキー313(FN3キー)を押下すると、計算機1は、ファンクションキー処理(ステップS14)を行う。この時点では、演算モードが通常演算モードであるため(ステップS1401;通常演算モード)、計算機1は、第3のファンクションキー313に割り当てられた2つの特殊演算モードのうちのモード1(演算式1による体表面積演算)をセットし、該モード1の起動直後状態をセットして起動直後状態フラグをオンにした後、モード1を起動する(ステップS1403,及びS1408~S1410)。このとき、計算機1は、管理情報20におけるFN3キーの前回起動したモードを、モード1(演算式1による体表面積演算)を示す値に変更する。また、表示装置4の表示は、例えば、
図8の(b2)に例示したような、演算式1による体表面積演算を実行する特殊演算モードにおける起動直後状態の表示となる。表示装置4の第1の表示領域401には、「0」が表示される。表示装置4の第2の表示領域402には、演算式1(DuBois式)による体表面積演算を行うための特殊演算モードが起動していること、最初に入力を受け付ける変数又はその属性が身長であること、及び入力する身長の単位がcmであることを示す案内が表示される。
【0057】
次に、利用者が数値キーを押下して身長を入力すると、計算機1は、起動直後状態フラグをオフ(ステップS12)にして入力に応じた処理(ステップS13)を行い、
図8の(b3)に例示したように、表示装置4の第1の表示領域401に入力された数値を表示する。身長を入力した後、利用者がイコールキー303を押下すると、表示装置4の表示は、
図8の(b4)に例示したように、次の変数に対する数値を入力する表示に切り替わる。表示装置4の第2の表示領域402には、演算式1(DuBois式)による体表面積演算を行うための特殊演算モードが起動していること、次に入力を受け付ける変数又はその属性が体重であること、及び入力する体重の単位がkgであることを示す案内が表示される。利用者が数値キーを押下して体重を入力すると、計算機1は、入力に応じた処理を行い、
図8の(b5)に例示したように、表示装置4の第1の表示領域401に入力された数値を表示する。
【0058】
ここで、利用者が第3のファンクションキー313を押下すると、計算機1は、ファンクションキー処理を行う。この時点では、演算モードが特殊演算モードであり、かつ起動している特殊演算モードは第3のファンクションキー313に割り当てられた特殊演算モードである。しかしながら、この時点では、上述したように起動直後状態フラグがオフになっており(ステップS1404;オフ)、変数に対する数値の入力を受付中である(ステップS1406;YES)。このため、計算機1は、現在起動中の特殊演算モード(演算式1による体表面積演算)の起動直後状態をセットして起動直後状態フラグをオンにした後、該モードの起動直後状態に戻る(ステップS1408~S1410)。このため、表示装置4の表示は、例えば、
図8の(b6)に例示したような、演算式1による体表面積演算を実行する特殊演算モードにおける起動直後状態の表示となる。このときの表示装置4の表示は、(b2)に例示した表示と同じである。すなわち、特殊演算モードを起動し、数値を入力した後(起動直後状態フラグがオフ)の状態で起動中の特殊演算モードが割り当てられたファンクションキーを押下すると、起動中の特殊演算モードの起動直後状態に戻る。
【0059】
計算機1の状態が演算式1による体表面積演算を行うための特殊演算モードの起動直後状態に戻った後、利用者が続けて第3のファンクションキー313を押下すると、計算機1は、ファンクションキー処理を行う。このとき、計算機1は、
図7を参照しながら上述したように、現在起動している特殊演算モードとは反対の特殊演算モード(すなわち演算式2による体表面積演算)をセットし、演算式2による体表面積演算を行うための特殊演算モード(モード2)を起動する(ステップS1405,及びS1408~S1410)。このため、表示装置4の表示は、例えば、
図8の(b7)に例示したような、演算式2(藤本式)による体表面積演算を実行する特殊演算モードにおける起動直後状態の表示となる。表示装置4の第2の表示領域402には、演算式2(藤本式)による体表面積演算を行うための特殊演算モードが起動していること、次に入力を受け付ける変数又はその属性が身長であること、及び入力する身長の単位がcmであることを示す案内が表示される。また、このとき、計算機1は、管理情報20におけるFN3キーの前回起動したモードをモード1からモード2に変更する。
【0060】
このように、本実施形態の計算機1では、あるファンクションキーを操作したことに応じて、そのファンクションキーに割り当てられた複数の特殊演算モードのうち何れかの特殊演算モードが起動中でありかつ数値の入力がなされた後である場合に、起動中の特殊演算モードを保持したまま、当該数値の入力を無効化し、表示中の数値を消去することができる。また、数値の入力を無効化した後、同じファンクションキーをさらに続けて操作したことに応じて、何れかの特殊演算モードを終了し、そのファンクションキーに割り当てられた複数の特殊演算モードのうちの別の何れかの特殊演算モードを起動することができる。つまり、一つのファンクションキーを続けて操作するだけで、特殊演算モードにおいて入力中の数値を無効化し、次いで、そのファンクションキーに割り当てられた別の特殊演算モードへも切り替えることができる。
【0061】
また、本実施形態の計算機1では、1つのファンクションキーに割り当てられた複数の特殊演算モードのうち何れかが起動中で、かつ、起動中の特殊演算モードが起動直後の状態である場合、そのファンクションキーに割り当てられた別の特殊演算モードに切り替える。さらに、起動中の特殊演算モードが起動直後の状態でない場合には、起動中の特殊演算モードを保持したまま、当該特殊演算モードにおける起動直後の状態に、自機を設定することができる。つまり、1つのファンクションキーの操作が、特殊演算モードにおける起動直後の状態へ戻すための操作と、別の特殊演算モードへ切り替えるための操作とを兼ねている。
【0062】
このため、例えば、起動している特殊演算モードにおいて変数へ入力した数値に誤りがある又は誤っている可能性がある場合に、特殊演算モードが割り当てられたあるファンクションキーを押下する操作で入力をやり直すことができる。また、例えば、利用者が、変数に対して数値を入力している途中で、起動している特殊演算モードとは反対の特殊演算モードに切り替えたいと思った場合にも、同じファンクションキーを押下する操作で特殊演算モードを切り替えることができる。したがって、本実施形態の計算機1によれば、複数の動作モードが関連付けられたキーを備える計算機1の操作性を向上させることができる。
【0063】
なお、変数に対する数値の入力を受付中であるときに起動直後状態に戻るための操作は、上述した起動中の特殊演算モードが割り当てられたファンクションキーに限らず、例えば、クリアキー302等の通常演算モードにおいて入力を消去する機能が割り当てられたキーを押下する操作であってもよい。このような場合も、利用者は、クリアキー302を押下することにより、表示装置4の第1の表示領域401より数値が消去されることと、一旦は変数に対して入力が確定した数値をメモリ12より消去して入力し直すこととを、直感的に関連付けて操作することが容易になるため、操作性や利便性の低下を防ぐことができる。
【0064】
また、上述した実施形態では、ファンクションキーを1回又は続けて2回押下して特殊演算モードを起動させたときの起動直後状態を、
図7の(a3)及び(a5)、並びに
図8の(b2)のような起動した特殊演算モードにおいて1つめの変数の入力を受け付ける状態としている。しかしながら、本実施形態の計算機1における起動直後状態は、これに限らず、起動させた特殊演算モードにおける表示の遷移に基づいて設定された、最初の表示とは別の所定の表示をしている状態であってもよい。
【0065】
図9は、一実施形態に係る計算機における動作の第3の具体例を説明する図である。
図9におけるFN3キーは、第3のファンクションキー313である。
図9を参照した以下の説明では、
図8を参照して説明した動作と同様である動作についての詳細な説明を省略する。計算機1の利用者が電源をオンにすると、計算機1は、通常演算モードで起動し、
図9の(c1)に例示したように、表示装置4の第1の表示領域401に数値「0」が表示される。
【0066】
計算機1の電源をオンにした後、利用者が第3のファンクションキー313(FN3キー)を押下すると、計算機1は、ファンクションキー処理を行う。このとき、計算機1は、第3のファンクションキー313に割り当てられた2つの特殊演算モードのうちのモード1(演算式1による体表面積演算)を起動する。なお、
図9を参照して説明する計算機1の動作では、モード1を起動したときの表示装置4の最初の表示は、例えば、
図9の(c2)に例示したように、第2の表示領域402の表示が演算式1(DuBois式)による体表面積演算を実行する特殊演算モードを起動するか否かを確認する表示となっている。
【0067】
表示装置4にモード1についての最初の表示がされた状態で、所定のキー(例えば、イコールキー303)を押下すると、計算機1は、演算式1による体表面積演算を行うための特殊演算モードを起動し、モード1の起動直後状態をセットして起動直後状態フラグをオンにした後、1つめの変数の入力を受け付ける状態になる。このときの表示装置4の表示は、
図9の(c3)に例示したような表示となり、この表示は
図8の(b2)に例示した表示と同じである。
【0068】
図9の(c3)の表示中、利用者が数値キーを押下して身長を入力すると、計算機1は、起動直後フラグをオフにして入力に応じた処理を行い、
図9の(c4)に例示したように、表示装置4の第1の表示領域401に入力された数値を表示する。身長を入力した後、利用者がイコールキー303を押下すると、表示装置4の表示は、
図8の(b4)に例示したような次の変数(体重)を入力する表示に切り替わる。利用者が数値キーを押下して体重を入力すると、計算機1は、入力に応じた処理を行い、
図9の(c5)に例示したように、表示装置4の第1の表示領域401に入力された数値を表示する。
【0069】
ここで、利用者が、例えば、クリアキー302を押下すると、計算機1は、現在起動している特殊演算モードに対する入力を消去し、
図9の(c6)に例示したように現在起動している特殊演算モードの起動直後状態に戻る。このときの表示装置4の表示は、(c3)に例示した表示と同じである。なお、この計算機1の動作は、クリアキー302の機能に応じた動作であり、計算機1は、ファンクションキー処理(ステップS14)ではなく、入力に応じた処理(ステップS13)を行う。
【0070】
図9の(c6)の表示中、再度、クリアキー302を押下すると、計算機1は、
図9の(c7)に例示したように現在起動している特殊演算モードの起動直後状態を保持する。また、このとき、第3のファンクションキー313(FN3キー)に割り当てられた、別の特殊演算モードである、演算式2(藤本式)による体表面積演算を実行する特殊演算モードは起動しない。つまり、クリアキー302を押下しても、そのときに起動中の特殊演算モードが別の特殊演算モードへ切り替わることがない。クリアキー302を押下して起動直後状態に戻った場合、起動直後状態フラグはオフからオンになる。
【0071】
この後、例えば、利用者が第3のファンクションキー313を押下すると、計算機1は、演算式1による体表面積の演算を行う特殊演算モードを終了し、演算式2による体表面積の演算を行う特殊演算モードを起動する。このとき、表示装置4の表示は、
図9の(c8)に例示したように、第2の表示領域402の表示が演算式2(藤本式)による体表面積の演算を実行するか否かを確認する表示となっている。なお、表示装置4にモード1についての最初の表示がされた状態(
図9の(c2))で、第3のファンクションキー313(FN3キー)を押下した場合にも、第2の表示領域402は、
図9の(c8)に例示したような表示となる。この状態で、利用者が所定のキー(例えば、イコールキー303)を押下すると、計算機1は、演算式2による体表面積の演算を開始し、1つめの変数の入力が入力可能な状態(起動直後状態)になる。
【0072】
このように、本実施形態の計算機1では、ファンクションキーを押下した場合にそのファンクションキーに割り当てられた何れかの特殊演算モードを実行するか否かを確認する画面が表示されてもよい。また、本実施形態の計算機1では、ファンクションキーを押下した場合に遷移する起動直後状態を、そのファンクションキーに割り当てられた何れかの動作モードの実行がすでに確定し、確定した動作モードに対応する演算式への数値の入力が可能な状態に限らず、そのファンクションキーに割り当てられた何れかの動作モードを実行するかが未確定の状態としてもよい。
【0073】
また、本実施形態の計算機1では、前述の第1及び第2の具体例と同様、第3の具体例でも、1つのファンクションキーの操作が、起動中の特殊演算モードにおける起動直後の状態へ戻すための操作と、別の特殊演算モードへ切り替えるための操作とを兼ねている。一方で、第3の具体例では、クリアキー302の操作では、起動中の特殊演算モードにおける起動直後の状態へ戻るものの、別の特殊演算モードへ切り替わらない。このため、クリアキー302は、何度押下しても、別の特殊演算モードへ不用意に切り替わらない。また、ファンクションキーは、何度押下しても、そのファンクションキーに割り当てられた複数の特殊演算モードの何れかのみが起動される。
【0074】
したがって、利用者は、別の特殊演算モードへ切り替えたくない場合には、クリアキー302を操作し、1つのファンクションキーに割り当てられた何れかの特殊演算モードのみを起動したい場合には、ファンクションキーを操作できる。なお、第3の具体例の計算機1においても、前述の第1及び第2の具体例と同様、第3のファンクションキー313に割り当てられた特殊演算モードに対する起動直後状態を、このような1つめの変数(身長)の入力を案内する表示がなされた状態(変数未入力)に設定してもよい。
【0075】
なお、上記の実施形態では、各ファンクションキーに、2つの特殊演算モードが割り当てられているとして説明したが、3つ以上の特殊演算モードが割り当てられてもよい。この場合、計算機1は、ステップS1405において、ファンクションキーに割り当てられた3つ以上の特殊演算モードのうち、予め定めた順序に従って、現在の特殊演算モードとは異なる別の特殊演算モードをセットし、管理情報20における前回起動した特殊演算モードを変更してよい。
【0076】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。電子機器、動作モード切替方法、及びプログラムは、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
【0077】
例えば、本発明に係る電子機器は、
図1に例示したような計算機1に限らず、スマートフォンやタブレット型コンピュータ等の汎用の情報処理装置において上述した処理を含むプログラムを実行させる形態であってもよい。また、上述したファンクションキー処理に含まれる特殊演算モードを切り替える処理を計算機1又は上記の汎用の情報処理装置のプロセッサに実行させるプログラムは、
図6に例示したフローチャートに沿った処理を実行させるプログラムに限らず、適宜変更可能である。
【0078】
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
複数の動作モードが関連付けられたキーと、
前記複数の動作モードのそれぞれにおいて、数値の入力を受け付け、入力を受け付けた数値を用いて、各動作モードに関連付けられた演算式に従って演算値を取得するプロセッサとを、備え、
前記プロセッサは、
前記キーを操作したことに応じて、当該キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードが起動中でありかつ前記数値の入力がなされた後であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを保持したまま、当該数値の入力を無効化し、
前記キーをさらに続けて操作したことに応じて、前記何れかの動作モードを終了し、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうちの別の何れかの動作モードを起動する、
ことを特徴とする電子機器。
[付記2]
付記1に記載の電子機器において、
前記プロセッサは、
前記キーとは異なる特定キーを操作したことに応じて、前記キーに関連付けられた前記何れかの動作モードを起動中でありかつ前記数値の入力を受け付けた後であると判定したら、当該数値の入力を無効化し、
前記特定キーをさらに続けて操作しても、前記別の何れかの動作モードを起動しないで、前記何れかの動作モードを保持する、
ことを特徴とする電子機器。
[付記3]
付記1又は2に記載の電子機器において、
前記プロセッサは、
前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードの中から予め定めた順序に従って前記別の何れかの動作モードを特定し、特定した前記別の何れかの動作モードを起動する、
ことを特徴とする電子機器。
[付記4]
複数の動作モードが関連付けられたキーと、
前記複数の動作モードのそれぞれにおいて、各動作モードに関連付けられた演算方法に従って演算値を取得するプロセッサとを、備え、
前記プロセッサは、
前記キーを操作したことに応じて、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードが起動中である場合、起動中の前記何れかの動作モードの状態を判定し、
前記何れかの動作モードにおける起動直後の状態であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを終了し、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうちの別の何れかの動作モードを起動し、
前記何れかの動作モードにおける前記起動直後の状態とは異なる状態であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを保持したまま、当該何れかの動作モードにおける前記起動直後の状態に、自機を設定する、
ことを特徴とする電子機器。
[付記5]
付記4に記載の電子機器において、
前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードを特定する動作モード特定情報を保持するメモリを、さらに備え、
前記プロセッサは、
前記何れかの動作モードにおける起動直後の状態であると判定したら、前記別の何れかの動作モードを特定するように、前記動作モード特定情報を更新する、
ことを特徴とする電子機器。
[付記6]
付記4に記載の電子機器において、
前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードを特定する動作モード特定情報を保持するメモリを、さらに備え、
前記プロセッサは、
前記キーの操作に応じて、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードが起動中であるか否かを判定し、
前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうちの何れの動作モードも起動中でないと判定したら、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち、前記メモリに保持される前記動作モード特定情報に対応する動作モードを起動する、
ことを特徴とする電子機器。
[付記7]
付記6に記載の電子機器において、
前記プロセッサは、
前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうちの何れの動作モードも起動中でないと判定したら、前記動作モード特定情報を保持する、
ことを特徴とする電子機器。
[付記8]
付記4乃至7の何れか一つに記載の電子機器において、
前記プロセッサは、
前記複数の動作モードのそれぞれにおいて、前記各動作モードに関連付けられた前記演算方法として、数値の入力を受け付け、入力を受け付けた数値を用いて、各動作モードに関連付けられた演算式に従って演算値を取得し、
前記何れかの動作モードにおける前記起動直後の状態は、前記何れかの動作モードを起動後、前記数値の入力がなされていない状態である、
ことを特徴とする電子機器。
[付記9]
付記4乃至8の何れか一つに記載の電子機器において、
前記プロセッサは、
前記複数の動作モードのそれぞれにおいて、前記各動作モードに関連付けられた前記演算方法として、数値の入力を受け付け、入力を受け付けた数値を用いて、各動作モードに関連付けられた演算式に従って演算値を取得し、
前記何れかの動作モードにおける前記起動直後の状態とは異なる状態は、数値入力中、入力数値確定、又は、演算値取得済みの状態を含む、
ことを特徴とする電子機器。
[付記10]
付記4乃至9の何れか一つに記載の電子機器において、
前記プロセッサは、
前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードの中から予め定めた順序に従って前記別の何れかの動作モードを特定し、特定した前記別の何れかの動作モードを起動する、
ことを特徴とする電子機器。
[付記11]
複数の動作モードが関連付けられたキーと、前記複数の動作モードのそれぞれにおいて、数値の入力を受け付け、入力を受け付けた数値を用いて、各動作モードに関連付けられた計算式に従って演算値を取得するプロセッサとを備える電子機器の前記プロセッサが、
前記キーを操作したことに応じて、当該キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードが起動中でありかつ前記数値の入力がなされた後であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを保持したまま、当該数値の入力を無効化し、
前記キーをさらに続けて操作したことに応じて、前記何れかの動作モードを終了し、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうちの別のいずれかの動作モードを起動する、
ことを特徴とする動作モード切替方法。
[付記12]
複数の動作モードが関連付けられたキーと、前記複数の動作モードのそれぞれにおいて、数値の入力を受け付け、入力を受け付けた数値を用いて、各動作モードに関連付けられた計算式に従って演算値を取得するプロセッサとを備える電子機器の前記プロセッサに、
前記キーを操作したことに応じて、当該キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードが起動中でありかつ前記数値の入力がなされた後であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを保持したまま、当該数値の入力を無効化し、
前記キーをさらに続けて操作したことに応じて、前記何れかの動作モードを終了し、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうちの別のいずれかの動作モードを起動する、
処理を実行させることを特徴とするプログラム。
[付記13]
複数の動作モードが関連付けられたキーと、前記複数の動作モードのそれぞれにおいて、各動作モードに関連付けられた演算方法に従って演算値を取得するプロセッサとを備えた電子機器の前記プロセッサが、
前記キーを操作したことに応じて、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードが起動中である場合、起動中の前記何れかの動作モードの状態を判定し、
前記何れかの動作モードにおける起動直後の状態であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを終了し、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうちの別の何れかの動作モードを起動し、
前記何れかの動作モードにおける前記起動直後の状態とは異なる状態であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを保持したまま、当該何れかの動作モードにおける起動直後の状態に、自機を設定する、
ことを特徴とする動作モード切替方法。
[付記14]
複数の動作モードが関連付けられたキーと、前記複数の動作モードのそれぞれにおいて、各動作モードに関連付けられた演算方法に従って演算値を取得するプロセッサとを備えた電子機器の前記プロセッサに、
前記キーを操作したことに応じて、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードが起動中である場合、起動中の前記何れかの動作モードの状態を判定し、
前記何れかの動作モードにおける起動直後の状態であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを終了し、前記キーに関連付けられた前記複数の動作モードのうちの別の何れかの動作モードを起動し、
前記何れかの動作モードにおける前記起動直後の状態とは異なる状態であると判定したら、起動中の前記何れかの動作モードを保持したまま、当該何れかの動作モードにおける起動直後の状態に、自機を設定する、
処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0079】
1 計算機
2 筐体
3 キーエリア
301 オールクリアキー
302 クリアキー
303 イコールキー
311,312,313,314 ファンクションキー
315 除算結果表示切替キー
4 表示装置
401,402 表示領域
11 プロセッサ
12 メモリ
13 入力装置
14 表示制御部
15 バス
20 管理情報
【手続補正書】
【提出日】2024-07-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
以上のような実情を踏まえ、本発明の一側面に係る目的は、複数の動作モードを備える電子機器の操作性を向上させることが可能な技術を提供することである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の一態様に係る電子機器は、複数の動作モードのそれぞれにおいて、受け付けた入力操作に基づく結果を表示部へ出力するプロセッサを備え、前記プロセッサは、前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードの起動が指示されたときに、前記何れかの動作モードが起動中であり、かつ、前記入力操作を受け付けていた状態であると判定したら、前記表示部の表示状態を前記何れかの動作モードの起動直後の表示状態に設定し、前記何れかの動作モードの起動が指示されたときに、前記何れかの動作モードが起動中であり、かつ、前記入力操作を受け付けていない起動直後の状態であると判定したら、前記何れかの動作モードを終了し、前記複数の動作モードのうちの別の何れかの動作モードを起動する、電子機器である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記の態様によれば、複数の動作モードを備える電子機器の操作性を向上させることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の動作モードのそれぞれにおいて、受け付けた入力操作に基づく結果を表示部へ出力するプロセッサを備え、
前記プロセッサは、前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードの起動が指示されたときに、前記何れかの動作モードが起動中であり、かつ、前記入力操作を受け付けていた状態であると判定したら、前記表示部の表示状態を前記何れかの動作モードの起動直後の表示状態に設定し、
前記何れかの動作モードの起動が指示されたときに、前記何れかの動作モードが起動中であり、かつ、前記入力操作を受け付けていない起動直後の状態であると判定したら、前記何れかの動作モードを終了し、前記複数の動作モードのうちの別の何れかの動作モードを起動する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記プロセッサは、
前記複数の動作モードの中から予め定めた順序に従って前記別の何れかの動作モードを特定し、特定した前記別の何れかの動作モードを起動する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
複数の動作モードのそれぞれにおいて、受け付けた入力操作に基づく結果を表示部へ出力するプロセッサが、
前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードの起動が指示されたときに、前記何れかの動作モードが起動中であり、かつ、前記入力操作を受け付けていた状態であると判定したら、前記表示部の表示状態を前記何れかの動作モードの起動直後の表示状態に設定し、
前記何れかの動作モードの起動が指示されたときに、前記何れかの動作モードが起動中であり、かつ、前記入力操作を受け付けていない起動直後の状態であると判定したら、前記何れかの動作モードを終了し、前記複数の動作モードのうちの別の何れかの動作モードを起動する、
ことを特徴とする動作モード切替方法。
【請求項4】
複数の動作モードのそれぞれにおいて、受け付けた入力操作に基づく結果を表示部へ出力するプロセッサに、
前記複数の動作モードのうち何れかの動作モードの起動が指示されたときに、前記何れかの動作モードが起動中であり、かつ、前記入力操作を受け付けていた状態であると判定したら、前記表示部の表示状態を前記何れかの動作モードの起動直後の表示状態に設定し、
前記何れかの動作モードの起動が指示されたときに、前記何れかの動作モードが起動中であり、かつ、前記入力操作を受け付けていない起動直後の状態であると判定したら、前記何れかの動作モードを終了し、前記複数の動作モードのうちの別の何れかの動作モードを起動する、
処理を実行させることを特徴とするプログラム。