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  • 特開-エレベータのかごドア装置 図1
  • 特開-エレベータのかごドア装置 図2
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  • 特開-エレベータのかごドア装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107509
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】エレベータのかごドア装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 13/26 20060101AFI20240802BHJP
【FI】
B66B13/26 B
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011462
(22)【出願日】2023-01-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】物部 愛
(72)【発明者】
【氏名】濱口 萌子
【テーマコード(参考)】
3F307
【Fターム(参考)】
3F307AA02
3F307DA03
(57)【要約】
【課題】セーフティシューを押えている利用者の手指が滑ってかごドアの開放状態が解除されることを抑制することができるエレベータのかごドア装置を提供する。
【解決手段】乗りかごの出入り口を開閉するかごドア1と、前記かごドア1の戸閉側先端部に出退可能に突出して設けられるセーフティシュー2と、を備えているエレベータのかごドア装置であって、前記セーフティシュー2の突出端部には、該突出端部の端面から前記かごドア1の戸開側に凹んで手指が係止可能な係止凹部23Aが形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗りかごの出入り口を開閉するかごドアと、
前記かごドアの戸閉側先端部に出退可能に突出して設けられるセーフティシューと、を備えているエレベータのかごドア装置であって、
前記セーフティシューの突出端部には、該突出端部の端面から前記かごドアの戸開側に凹んで手指が係止可能な係止凹部が形成されていることを特徴とするエレベータのかごドア装置。
【請求項2】
前記かごドアの下端には、前記乗りかごの床に設けられたシルの溝を摺動する案内シューが設けられ、前記セーフティシューは、前記かごドアの高さ寸法と同一又は略同一の高さ寸法に構成され、前記係止凹部は、前記セーフティシューの高さ方向において所定の高さ以上の範囲に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータのかごドア装置。
【請求項3】
前記係止凹部を埋める充填部材を備え、前記充填部材は、手指が前記係止凹部に係止した時に変形可能で、かつ、手指と前記係止凹部との係止が解除された時に復元可能な緩衝材から構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエレベータのかごドア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、かごドアにセーフティシューを備えているエレベータのかごドア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記エレベータのかごドア装置に備えるセーフティシューは、かごドアの戸閉側先端部に出退可能に突出して設けられている。そして、開放状態のかごドアが閉じ動作中に、利用者や異物がセーフティシューに当接してセーフティシューが戸開側へ押されることにより、閉じ動作をしているかごドアを開放動作に反転させるようにしている。
【0003】
ところで、利用者が乗りかごに乗り込む時や乗りかごから降りる時に、かごドアが閉まりかけていると、利用者は手指でセーフティシューを押えてかごドアを開放状態に保持することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-118293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記セーフティシューの先端面が、例えば、特許文献1の図3に示されているように、かごドアの戸閉側に突出する円弧状であり、かつ、セーフティシューには、かごドアの閉まる方向に戻ろうとする復元力が働いているため、上記のようにかごドアを開放状態に保持すべく、セーフティシューを押えている時に利用者の手指が滑ってしまい、かごドアの開放状態が解除される可能性があり、改善の余地があった。
【0006】
そこで本発明は、セーフティシューを押えている利用者の手指が滑ってかごドアの開放状態が解除されることを抑制することができるエレベータのかごドア装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のエレベータのかごドア装置は、乗りかごの出入り口を開閉するかごドアと、前記かごドアの戸閉側先端部に出退可能に突出して設けられるセーフティシューと、を備えているエレベータのかごドア装置であって、前記セーフティシューの突出端部には、該突出端部の端面から前記かごドアの戸開側に凹んで手指が係止可能な係止凹部が形成されていることを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、乗りかごに利用者が乗り込む時や乗りかごから降りる時に、かごドアを開放状態に保持すべく、利用者の手指をセーフティシューの突出端部に形成している係止凹部に入り込ませて係止させておけば、利用者の手指を係止凹部から係止解除しない限り、かごドアを開放状態に保持することが可能になる。
【0009】
また、本発明のエレベータのかごドア装置は、前記かごドアの下端には、前記乗りかごの床に設けられたシルの溝を摺動する案内シューが設けられ、前記セーフティシューは、前記かごドアの高さ寸法と同一又は略同一の高さ寸法に構成され、前記係止凹部は、前記セーフティシューの高さ方向において所定の高さ以上の範囲に設けられていてもよい。
【0010】
上記のように、係止凹部をセーフティシューの高さ方向全域に亘って設けていると、シルの溝内の塵が、セーフティシューの下端部の係止凹部に溜まってしまい、かごドアの開閉不良の原因となる。そこで、係止凹部を、セーフティシューの高さ方向において所定の高さ以上の範囲に設けることによって、シルの溝内の塵が係止凹部に溜まってかごドアの開閉不良の原因となることを抑制できる。
【0011】
また、本発明のエレベータのかごドア装置は、前記係止凹部を埋める充填部材を備え、前記充填部材は、手指が前記係止凹部に係止した時に変形可能で、かつ、手指と前記係止凹部との係止が解除された時に復元可能な緩衝材から構成されていてもよい。
【0012】
上記のように、係止凹部を埋める充填部材を備えることによって、係止凹部に塵が溜まることを抑制することができる。しかも、充填部材が、手指が係止凹部に係止した時に変形可能で、かつ、手指と係止凹部との係止が解除された時に復元可能な緩衝材から構成されているので、セーフティシューを押える手指にかかるセーフティシューからの圧力(反力)を低減することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、セーフティシューの突出端部に、突出端部の端面からかごドアの戸開側に凹んで手指が係止可能な係止凹部を形成することによって、セーフティシューを押えている利用者の手指が滑ってかごドアの開放状態が解除されることを抑制することができるエレベータのかごドア装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態に係るエレベータに備えるドアを乗場側から見た概略正面図である。
図2】乗りかごに備えるかごドアに配置されたセーフティシューを示す横断平面図である。
図3】(a),(b)のそれぞれは、別の形態のセーフティシューの平面図である。
図4】(a)は図3(a)に示すセーフティシューの係止凹部を充填部材で埋めた状態を示し、(b)は図4(a)のセーフティシューの係止凹部に指を入れて充填部材が変形している状態を示す平面図である。
図5】(a),(b)のそれぞれは、別の形態のセーフティシューの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るエレベータのかごドア装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
エレベータのかごドア装置は、図2に示すように、乗りかご(図示せず)の出入り口を開閉するかごドア1と、かごドア1の戸閉側先端部に出退可能に突出して設けられる後述のセーフティシュー2と、を備えている。また、乗場側には、かごドア1と連動して開閉する開閉可能な乗場ドア3を備えている。図1は、乗場側から見た乗場ドア3の正面図であり、乗場ドア3の後方にかごドア1が重なっている(図2参照)。これらのドア1,3は、開放状態を示し、サイドオープンタイプに構成されているが、センターオープンタイプであってもよい。また、ドア1,3の枚数は、図に示す枚数に限らない。乗場ドア3の乗場側には、乗場での出入り口を形成するための壁4(図2参照)を備えている。尚、図2において、乗場側から見た時の乗りかごの左右を左右とし、乗りかごの奥行方向奥側を後側とし、乗りかごの奥行方向手前側を前側として説明する。
【0017】
かごドア1は、図示していない駆動機構や制御装置により図1に示す開閉方向H、例えば図1のかごの床に備えているシル5の長手方向に沿って往復移動可能に構成されている。かごドア1は、それの下端部に取り付けられ、シル5に形成される溝5Mに係合して摺動することでかごドア1を開閉方向Hに案内する案内シュー6,6と、かごドア1の戸閉側先端部の乗場側に配置される前述のセーフティシュー2と、を備えている。そして、かごドア1の開閉に伴って乗場ドア3が連動して開閉する。
【0018】
セーフティシュー2は、上下方向に長い長尺で内部中空の部材からなり、アルミニウムを押し出し成形して構成される。セーフティシュー2の高さ寸法は、かごドア1の高さ寸法と同一(又は略同一でもよい)の高さ寸法に構成されている。前記略同一とは、かごドア1の高さ寸法よりも長い寸法又は短い寸法の両方を含むものである。セーフティシュー2の成形方法としては、この実施形態では、押し出し成形を用いているが、射出成形、あるいは圧延成形やプレス成形等を用いることができる。
【0019】
セーフティシュー2は、図2に示すように、乗りかごの前後方向に間隔を置いて平行な前後一対の側板部21,22と、側板部21,22の右端同士を連結する第1連結板部23と、側板部21,22の左右方向中央部よりも右側寄りの部位の内面同士を連結する第2連結板部24と、側板部21,22の左右方向中央部よりも左側寄りの部位の内面からそれぞれ内側に向けて突出する一対の突出板部25,25と、を備えている。前側の側板部21の前側面には、右端から左右方向中間部にかけて凸部21aと凹部21bとが交互に位置する凹凸部21Aが形成されている。また、後側の側板部22の後側面にも、右端から左右方向中間部にかけて凸部22aと凹部22bとが交互に位置する凹凸部22Aが形成されている。このように凹凸部21A,22Aを形成することによって、セーフティシュー2の意匠性を高めているが、無くてもよい。
【0020】
セーフティシュー2の突出端部に位置する第1連結板部23には、第1連結板部23のかごドア1の戸閉側端(図2では右端)の端面からかごドア1の戸開側(図2では左側)に凹んで手指が係止可能な係止凹部23Aが形成されている。係止凹部23Aは、前端から後端に向かって同一の曲率半径にて形成された円弧状の曲面23Bを備えている。この曲面23Bに手指が係止することによって、手指が滑ることを抑制することができる。
【0021】
係止凹部23Aは、セーフティシュー2の高さ方向全域に亘って設けられているが、セーフティシュー2の高さ方向において所定の高さ以上の範囲に設けられていてもよい。この場合、係止凹部23Aを、セーフティシュー2の高さ方向全域に亘って設けた後、所定の高さ未満の範囲の係止凹部23Aを充填剤や閉止部材等により埋めることにより、セーフティシュー2の高さ方向において所定の高さ以上の範囲に係止凹部23Aを設けることができる。所定の高さは、利用者がセーフティシュー2に手が届く最低高さ、例えばかごドア1の下端から400mm(利用者の伸長等によっては400mmよりも低い位置又は高い位置であってもよい)以上の高さであってもよい。このように、係止凹部23Aを、セーフティシュー2の高さ方向において所定の高さ以上の範囲に設けることによって、シル5の溝5M内に溜まっている塵が係止凹部23Aに移動して溜まることを抑制できるので、かごドア1の開閉不良の原因となることを抑制できる。
【0022】
セーフティシュー2は、かごドア1に支持され、図2に示すように、通常時(外力が作用していない時)は、かごドア1の戸閉側先端1Aから閉じ側(右側)に所定の長さだけ突出した状態に維持され、人や他物との当接により外力G(図1参照)が加わると、かごドア1の戸開側(左側)へ移動可能に構成されている(図1の2点鎖線参照)。そして、人や他物との当接によりセーフティシュー2のかごドア1の戸開側への移動を検出手段(図示せず)により検出すると、制御部(図示せず)は、かごドア1を戸開側へ移動させる信号を前記駆動機構に出力する。尚、図1では、セーフティシュー2のかごドア1の戸開側への最大移動位置を、2点鎖線で示すかごドア1の戸開側端よりも突出した位置としているが、かごドア1の戸開側端と面一となる位置であってもよい。また、セーフティシュー2の戸閉側の突出位置も自由に変更可能である。尚、検出手段としては、接触式のセンサや非接触式のセンサ等を用いる。
【0023】
また、乗りかごに利用者が乗り込む時や乗りかごから降りる時に、かごドア1を開放状態に保持すべく、利用者の手指(図2では人差し指7)をセーフティシュー2の突出端部に形成している係止凹部23Aに入り込ませて係止させておけば、利用者の手指を係止凹部23Aから係止解除しない限り、かごドア1を開放状態に保持することが可能になる。尚、図2は、セーフティシュー2を戸開側へ押し込む直前の状態である。また、利用者の手指でセーフティシュー2を押し込む時に、係止凹部23Aに利用者の手指が入り込んで係止するので、利用者の手指がセーフティシュー2と乗場ドア3との間の隙間S(図2参照)に挟まれることを抑制することができる。
【0024】
図2では、人差し指7を係止凹部23Aに係止しているが、他の指であってもよいし、2本以上の任意の本数の指を係止してもよい。また、図示していない手の掌外沿(手首の側面から小指の付け根の側面までの部分)を係止凹部23Aに係止してもよいし、手の掌側の一部を係止凹部23Aに係止してもよい。つまり、係止凹部23Aに係止させるのは、5本の指のうちのどの指(単数又は複数の指)であってもよいし、手のどの部分であってもよい。
【0025】
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではない。例えば図2で示したセーフティシュー2は、図3(a),(b)~図5(a),(b)に示すセーフティシュー2であってもよい。
【0026】
図3(a),(b)では、図2のセーフティシュー2の係止凹部23Aの形状を異ならせている。図3(a),(b)の係止凹部23Aは、図2のセーフティシュー2の係止凹部23Aの曲面23Bよりも曲率半径が小さい曲率半径の曲面23C,23Dに形成している。図3(a)の曲面23Cの曲率半径と図3(b)の曲面23Dの曲率半径とを同一にしているが、異ならせてもよい。このように構成することによって、係止凹部23Aの右端から左端までの深さF1(図3(a)と図3(b)はほぼ同じ深さである)が、図2の右端から左端までの深さF2よりも深くなるため、指との係止深さが深くなり、係止凹部23Aから指が離脱し難くなる。また、図3(b)のセーフティシュー2の戸閉側の突出端の内周縁の角部を丸い角部に形成してもよい。また、図3(a)では、セーフティシュー2の戸閉側の突出端の外周縁に直角の角部23Kを有しているのに対して、図3(b)では、セーフティシュー2の戸閉側の突出端の外周縁の角部を円弧状の曲面23Hに形成している。この円弧状の曲面23Hを備えることによって、乗りかごに対して乗り降りする時に乗客(利用者)がセーフティシュー2に接触した場合に、例えば痛みを感じる等の不快感を乗客に与えることを抑制することができる。
【0027】
また、図4(a)では、図3(a)で示したセーフティシュー2の係止凹部23Aを充填部材8で埋めた状態を示している。尚、図3(b)で示したセーフティシュー2の係止凹部23Aを充填部材8で埋めてもよい。充填部材8は、手指(図4(b)では人差し指7)が係止凹部23Aに係止した時に変形可能で、かつ、手指(図4(b)では人差し指7)と係止凹部23Aとの係止が解除された時に復元可能な(図4(a)参照)緩衝材から構成されている。このように、係止凹部23Aを埋める充填部材8を備えることによって、係止凹部23Aに塵が溜まることを抑制することができる。しかも、充填部材8が、手指が係止凹部23Aに係止した時に変形可能で、かつ、手指と係止凹部23Aとの係止が解除された時に復元可能な緩衝材から構成されているので、セーフティシュー2を押える手指にかかるセーフティシュー2からの圧力(反力)を低減することができる。充填部材(緩衝材)としては、スポンジを用いているが、ゴムやウレタン等の復元力のある各種の弾性材を用いてもよい。
【0028】
図5(a)は、図2で示したセーフティシュー2の係止凹部23Aの曲面(指が係止する係止面)23Bに、前後方向(セーフティシュー2の厚み方向)一端から他端にかけて凸部231aと凹部231bとが交互に位置する凹凸部231Aを形成している。係止凹部23Aの曲面23Bに凹凸部231Aを形成することによって、係止凹部23Aに係止した手指が凹凸部231Aに引っ掛かって滑り難くなる。また、図5(a)では、係止凹部23Aの外周縁を丸くした円弧状の曲面23Iを備えている。
【0029】
図5(b)は、図2で示したセーフティシュー2の係止凹部23Aの曲面23Bよりも曲率半径の小さい曲率半径で形成された円弧状の曲面23Jを有する係止凹部23Aを示している。また、係止凹部23Aの曲面(指が係止する係止面)23Jに、前後方向一端から他端にかけて凸部232aと凹部232bとが交互に位置する凹凸部232Aを形成している。係止凹部23Aの曲面23Jに凹凸部232Aを形成することによって、係止凹部23Aに係止した手指が凹凸部232Aに引っ掛かって滑り難くなる。また、図5(b)では、係止凹部23Aのかごドア1の突出端の外周縁及び内周縁は、丸くした曲面23L,23Mを備えている。図5(a),(b)の凸部231a,232aと凹部231b,232bのそれぞれは、セーフティシュー2の上下方向全域に亘って連続するように形成されているが、セーフティシュー2の上下方向で凸部と凹部とが交互に位置するように不連続に形成してもよい。また、図5(a),(b)の係止凹部23Aの曲面(指が係止する係止面)23B,23Jの凹凸部231A,232Aを形成せずに、フラットな曲面に形成してもよい。また、図2図4の係止凹部23Aの曲面(指が係止する係止面)23B,23C,23Dに図5(a),(b)で示した凹凸部231A又は232Aを形成して実施することもできる。係止凹部23Aに凹凸部231A又は232Aの無いフラットな場合には、塵が凹凸部に溜まり難いといった効果を奏する。
【0030】
前記実施形態の係止凹部23Aの深さは、自由に設定できるが、5mm~35mm程度が好ましい。また、係止凹部23Aの手指が係止する係止面を曲面としたが、平面視において4角形状、3角形状等の平坦面から構成してもよい。尚、図5(b)では、係止凹部23Aの深さを、指の第1関節の1/3以上が係止凹部23Aに入り込むような深さにしている。
【0031】
また、前記実施形態では、セーフティシュー2を内部中空型に構成したが、中実のものから構成してもよい。また、セーフティシュー2の材料としては、アルミニウムを用いたが、アルミニウム以外の各種金属や合成樹脂等を用いてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1…かごドア、1A…戸閉側先端、2…セーフティシュー、3…乗場ドア、4…壁、5…シル、5M…溝、6…案内シュー、7…人差し指、8…充填部材、21,22…側板部、21A,22A…凹凸部、21a…凸部、21b…凹部、22a…凸部、22b…凹部、23A…係止凹部、23B,23C,23D、23H,23I,23J,23L,23M…曲面、23K…角部、23…第1連結板部、24…第2連結板部、25…突出板部、231A,232A…凹凸部、231a,232a…凸部、231b,232b…凹部,F1,F2…深さ、G…外力、H…開閉方向、S…隙間
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗りかごの出入り口を開閉するかごドアと、
前記かごドアの戸閉側先端部に出退可能に突出して設けられるセーフティシューと、を備えているエレベータのかごドア装置であって、
前記セーフティシューの突出端部には、該突出端部の端面から前記かごドアの戸開側に凹んで手指が係止可能な係止凹部が形成され、
前記かごドアの下端には、前記乗りかごの床に設けられたシルの溝を摺動する案内シューが設けられ、前記セーフティシューは、前記かごドアの高さ寸法と同一又は略同一の高さ寸法に構成され、前記係止凹部は、前記セーフティシューの高さ方向において所定の高さ以上の範囲に設けられていることを特徴とするエレベータのかごドア装置。
【請求項2】
乗りかごの出入り口を開閉するかごドアと、
前記かごドアの戸閉側先端部に出退可能に突出して設けられるセーフティシューと、を備えているエレベータのかごドア装置であって、
前記セーフティシューの突出端部には、該突出端部の端面から前記かごドアの戸開側に凹んで手指が係止可能な係止凹部が形成され、
前記係止凹部を埋める充填部材を備え、前記充填部材は、手指が前記係止凹部に係止した時に変形可能で、かつ、手指と前記係止凹部との係止が解除された時に復元可能な緩衝材から構成されていることを特徴とするエレベータのかごドア装置。