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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107526
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】片付け支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240802BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011487
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】本間 陽輔
(72)【発明者】
【氏名】近藤 雅之
(72)【発明者】
【氏名】津江 大志
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】間取り及び住人の生活スタイルに応じて片付けを支援可能な片付け支援システムを提供する。
【解決手段】片付け支援システム10は、住宅に設置された検知装置20及び情報処理装置30を備える。検知装置20は、リビングの天井に配置された3Dレーザセンサ21等を有する。情報処理装置30が実装する管理プログラム37は、3Dレーザセンサ21の検知結果に基づいて、住人の動線となる動線領域及び住人の寛ぐ場所である居場所領域を含む第1領域を決定する。管理プログラム37は、第1領域において物体が検知されると、検知された物体を片付けることを促す片付け情報を住人に通知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅の室内に置かれた物体の当該室内での位置を示す物体位置情報及び当該室内での住人の位置を示す住人位置情報を出力する検知装置と、
室内の間取り情報を記憶するメモリと、
コントローラと、を備えており、
上記コントローラは、
上記住人位置情報及び上記間取り情報に基づいて、上記室内を、片付けが必要な第1領域及びその他の第2領域に区分する領域区分処理と、
上記物体位置情報に基づいて、検知物体が上記第1領域にあるか上記第2領域にあるかを判断する第1判断処理と、
検知物体が上記第1領域にあると判断したことに基づいて、当該検知物体を片付け対象に決定する決定処理と、
上記決定処理で片付け対象に決定した検知物体の片付けを住人に促す片付け情報を出力する出力処理と、を実行する、片付け支援システム。
【請求項2】
上記領域区分処理は、
上記住人位置情報が検知された時刻に更に基づいて、1日を区分けした時間帯ごとに上記第1領域及び上記第2領域に室内を区分する処理であり、
上記第1判断処理は、
上記物体位置情報と、当該物体位置情報が検知された時刻が属する時間帯とに基づいて、検知物体が上記第1領域にあるか上記第2領域にあるかを判断する処理である、請求項1に記載の片付け支援システム。
【請求項3】
上記コントローラは、
上記住人位置情報及び上記間取り情報に基づいて、上記出力処理を実行する時刻である片付け情報出力時刻を決定する出力時刻決定処理を更に実行する、請求項1に記載の片付け支援システム。
【請求項4】
住宅の複数の室にそれぞれ上記検知装置が設けられており、
上記出力時刻決定処理は、室ごとに上記片付け情報出力時刻を決定する処理であり、
上記決定処理は、室ごとに検知物体を片付け対象に決定する処理であり、
上記出力処理は、片付け対象に決定された検知物体が在る室に対して決定された上記片付け情報出力時刻に現在時刻がなったことに基づいて、上記片付け情報を出力する処理である、請求項3に記載の片付け支援システム。
【請求項5】
上記間取り情報は、上記室内に配置された家具の位置情報を有しており、
上記コントローラは、
上記間取り情報に基づいて、検知物体が上記家具であるか否かを判断する第2判断処理と、
上記家具であると判断したことに基づいて、当該家具であると判断した検知物体を上記第1判断処理における判断対象から除外し、或いは当該家具であると判断した検知物体を片付け対象から除外する第1除外処理と、を更に実行する、請求項1に記載の片付け支援システム。
【請求項6】
上記検知装置は、検知物体の床からの高さである物体高さを更に検知可能であり、
上記コントローラは、
上記物体高さが上記メモリに記憶された閾値高さ以上であるか否かを判断する第3判断処理を更に実行し、
上記決定処理は、
上記第1判断処理において検知物体が上記第1領域にあると判断し、且つ上記第3判断処理において上記物体高さが上記閾値高さ以上であると判断したことに基づいて、当該第1領域にある検知物体を片付け対象に決定する処理である、請求項1に記載の片付け支援システム。
【請求項7】
上記コントローラは、
上記検知装置が検知した検知物体の放置時間を算出する放置時間算出処理と、
上記放置時間が上記メモリに記憶された閾値時間以上であるか否かを判断する第4判断処理と、を更に実行し、
上記決定処理は、
上記第1判断処理において検知物体が上記第1領域にあると判断し、且つ上記第4判断処理において上記放置時間が上記閾値時間以上であると判断したことに基づいて、当該第1領域にある検知物体を片付け対象に決定する処理である、請求項1に記載の片付け支援システム。
【請求項8】
上記コントローラは、
上記片付け情報を出力した回数である出力回数が、メモリに記憶された閾値回数以上であるか否かを判断する第5判断処理と、
上記出力回数が上記閾値回数以上であると判断したことに基づいて、検知物体を片付け対象から除外する第2除外処理と、を更に実行する、請求項1に記載の片付け支援システム。
【請求項9】
上記コントローラは、
検知物体が検知された位置に応じたポイントと、検知物体が放置された時間に応じたポイントと、検知物体の物体高さに応じたポイントとのうち、少なくとも1つのポイントを決定するポイント決定処理を更に実行し、
上記出力処理は、
決定した上記ポイントに応じた種別の上記片付け情報を出力する処理である、請求項1に記載の片付け支援システム。
【請求項10】
上記室の天井に配置されており、当該室の床の一部のみを照明可能な照明装置と、
上記照明装置を駆動させる照明駆動装置と、を更に備えており、
上記出力処理は、
上記片付け対象に決定した検知物体の位置を照明エリアとして点灯させる駆動信号を上記照明駆動装置に対して出力する処理である、請求項1に記載の片付け支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の室内に置かれた物体の片付けを支援する片付け支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、片付け支援装置を開示する。この片付け支援装置は、物品の定位置を示す定位置データと、物品の現在位置を示す現在位置データとを取得し、現在位置が定位置と異なる場合に、当該物品を片付けるべき物品と判断する。
【0003】
特許文献2は、片付け支援システムを開示する。この片付け支援システムは、宅内を撮像した画像から宅内の散らかり状況を判断する。また、当該片付け支援システムは、当該画像及び事前学習モデルから住人の行動を予測する。片付け支援システムは、散らかり状況及び予測した住人の行動に応じた内容のアドバイス(片付け支援情報)を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-51346号公報
【特許文献2】WO2019/130977A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
住宅における住人の動線や寛ぐ居場所は、片付けが必要な領域である。動線や寛ぐ居場所以外の場所は、ある程度物が置かれていてもよい領域である。動線や寛ぐ居場所は、住宅の間取り及び住人の生活スタイルに応じて変わる。すなわち、住宅において片付けが必要な領域は、住宅の間取り及び住人の生活スタイルに応じて変わる。特許文献1及び特許文献2には、住宅の間取り及び住人の生活スタイルに応じて、室内を片付けが必要な領域とそれ以外の領域とに区分するとの観点はない。
【0006】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、間取り及び住人の生活スタイルに応じて片付けを支援可能な片付け支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 請求項1に係る片付け支援システムは、住宅の室内に置かれた物体の当該室内での位置を示す物体位置情報及び当該室内での住人の位置を示す住人位置情報を出力する検知装置と、室内の間取り情報を記憶するメモリと、コントローラと、を備える。上記コントローラは、上記住人位置情報及び上記間取り情報に基づいて、上記室内を、片付けが必要な第1領域及びその他の第2領域に区分する領域区分処理と、上記物体位置情報に基づいて、検知物体が上記第1領域にあるか上記第2領域にあるかを判断する第1判断処理と、検知物体が上記第1領域にあると判断したことに基づいて、当該検知物体を片付け対象に決定する決定処理と、上記決定処理で片付け対象に決定した検知物体の片付けを住人に促す片付け情報を出力する出力処理と、を実行する。
【0008】
例えば、住人の検知と非検知とが繰り返される領域は、住人の動線である。住人の検知が維持される領域は、住人の寛ぐ居場所である。コントローラは、間取り情報が示す室内を、検知装置の検知結果に基づいて、動線及び居場所と推定される第1領域と、それ以外の第2領域とに区分する。コントローラは、検知装置が検知した検知物体が第1領域に在る場合、当該検知物体を片付けが必要な物体に決定し、片付けを促す片付け情報を出力する。したがって、本発明に係る片付け支援システムは、間取り及び住人の生活スタイルに応じて片付けを支援することができる。
【0009】
(2) 請求項2は、上記領域区分処理は、上記住人位置情報が検知された時刻に更に基づいて、1日を区分けした時間帯ごとに上記第1領域及び上記第2領域に室内を区分する処理であり、上記第1判断処理は、上記物体位置情報と、当該物体位置情報が検知された時刻が属する時間帯とに基づいて、検知物体が上記第1領域にあるか上記第2領域にあるかを判断する処理である、請求項1に記載の片付け支援システムである。
【0010】
住人の動線及び寛ぐ居場所は、時間帯によって変わる。すなわち、片付けが必要な第1領域は、時間帯によって変わる。コントローラは、時間帯ごとに第1領域を決定する。したがって、本発明に係る片付け支援システムは、更に適切に片付けを支援することができる。
【0011】
(3) 請求項3は、上記コントローラは、上記住人位置情報及び上記間取り情報に基づいて、上記出力処理を実行する時刻である片付け情報出力時刻を決定する出力時刻決定処理を更に実行する、請求項1または2に記載の片付け支援システムである。
【0012】
例えば上記室がキッチンである場合、コントローラは、当該室において人を頻繁に検知した時間帯を食事を作る時間帯に決定し、当該時間帯になる一定時間前の時刻を片付け情報出力時刻に決定する。或いは上記室がダイニングである場合、コントローラは、当該室において人を頻繁に検知した時間帯を食事の時間帯に決定し、当該時間帯になる一定時間前の時刻を片付け情報出力時刻に決定する。したがって、本発明に係る片付け支援システムは、更に適切に片付けを支援することができる。
【0013】
(4) 請求項4は、住宅の複数の室にそれぞれ上記検知装置が設けられており、上記出力時刻決定処理は、室ごとに上記片付け情報出力時刻を決定する処理であり、上記決定処理は、室ごとに検知物体を片付け対象に決定する処理であり、上記出力処理は、片付け対象に決定された検知物体が在る室に対して決定された上記片付け情報出力時刻に現在時刻がなったことに基づいて、上記片付け情報を出力する処理である、請求項3に記載の片付け支援システムである。
【0014】
例えば複数の室がキッチン及びダイニングである場合において、コントローラは、キッチンに片付け対象となる検知物体が在り、且つキッチンに対して決定された片付け情報出力時刻に現在時刻がなると、片付け情報を出力する。
【0015】
(5) 請求項5は、上記間取り情報は、上記室内に配置された家具の位置情報を有しており、上記コントローラは、上記間取り情報に基づいて、検知物体が上記家具であるか否かを判断する第2判断処理と、上記家具であると判断したことに基づいて、当該家具であると判断した検知物体を上記第1判断処理における判断対象から除外し、或いは当該家具であると判断した検知物体を片付け対象から除外する第1除外処理と、を更に実行する、請求項1から4のいずれかに記載の片付け支援システムである。
【0016】
間取り情報に登録されている家具は、片付け対象から除外される。
【0017】
(6) 請求項6は、上記検知装置は、検知物体の床からの高さである物体高さを更に検知可能であり、上記コントローラは、上記物体高さが上記メモリに記憶された閾値高さ以上であるか否かを判断する第3判断処理を更に実行し、上記決定処理は、上記第1判断処理において検知物体が上記第1領域にあると判断し、且つ上記第3判断処理において上記物体高さが上記閾値高さ以上であると判断したことに基づいて、当該第1領域にある検知物体を片付け対象に決定する処理である、請求項1から5のいずれかに記載の片付け支援システムである。
【0018】
一定の高さ(閾値高さ)以上の物体は、住人が躓くおそれのある物体である。住人が躓くおそれのある物体が動線上や寛ぐ居場所に在る場合、当該物体は、片付け対象に決定される。
【0019】
(7) 請求項7は、上記コントローラは、上記検知装置が検知した検知物体の放置時間を算出する放置時間算出処理と、上記放置時間が上記メモリに記憶された閾値時間以上であるか否かを判断する第4判断処理と、を更に実行し、上記決定処理は、上記第1判断処理において検知物体が上記第1領域にあると判断し、且つ上記第4判断処理において上記放置時間が上記閾値時間以上であると判断したことに基づいて、当該第1領域にある検知物体を片付け対象に決定する処理である、請求項1から6のいずれかに記載の片付け支援システムである。
【0020】
物体が、第1領域に一定時間(閾値時間)以上放置されると、当該物体は片付け対象に決定されて片付け情報が出力される。すなわち、住人が当該一定時間の経過前に物体を片付けると、片付け情報は出力されない。したがって、片付け情報がすぐに出力されて住人が煩わしく感じることが抑制される。
【0021】
(8) 請求項8は、上記コントローラは、上記片付け情報を出力した回数である出力回数が、メモリに記憶された閾値回数以上であるか否かを判断する第5判断処理と、上記出力回数が上記閾値回数以上であると判断したことに基づいて、検知物体を片付け対象から除外する第2除外処理と、を更に実行する、請求項1から7のいずれかに記載の片付け支援システムである。
【0022】
閾値回数だけ通知がされても片付けられていない検知物体は、住人が意図して置いた物体である可能性が高い。コントローラは、住人が意図して置いた物体を片付け対象から除外する。
【0023】
(9) 請求項9は、上記コントローラは、検知物体が検知された位置に応じたポイントと、検知物体が放置された時間に応じたポイントと、検知物体の物体高さに応じたポイントとのうち、少なくとも1つのポイントを決定するポイント決定処理を更に実行し、上記出力処理は、決定した上記ポイントに応じた種別の上記片付け情報を出力する処理である、請求項1から8のいずれかに記載の片付け支援システムである。
【0024】
ポイントに応じた種別の片付け情報は、例えばポイントが高い場合に出力される「すぐに片付けてください」、ポイントが低い場合に出力される「少しものが散らかっているようです」、ポイントが中程度の場合に出力される「そろそろ片づけたらいかかでしょうか」などである。
【0025】
(10) 請求項10は、上記室の天井に配置されており、当該室の床の一部のみを照明可能な照明装置と、上記照明装置を駆動させる照明駆動装置と、を更に備えており、上記出力処理は、上記片付け対象に決定した検知物体の位置を照明エリアとして点灯させる駆動信号を上記照明駆動装置に対して出力する処理である、請求項1から9のいずれかに記載の片付け支援システムである。
【0026】
検知物体を照明することにより、当該検知物体の片付けを住人に促すことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る片付け支援システムは、間取り及び住人の生活スタイルに応じて片付けを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、実施形態に係る片付け支援システム10の構成図及び機能ブロック図である。
図2図2は、室40の模式的な縦断面図である。
図3図3(A)は、検知物体管理データベースを示す図であり、図3(B)は、住宅設計データ管理データベースを示す図であり、図3(C)は、生活スタイル等管理データベースを示す図であり、図3(D)は、通知時刻管理データベースを示す図であり、図3(E)は、ポイントテーブルを示す図であり、図3(F)は、片付け情報テーブルを示す図である。
図4図4は、監視処理のフローチャートの一部である。
図5図5は、監視処理のフローチャートの他部である。
図6図6は、更新処理のフローチャートである。
図7図7は、通信端末13に表示される片付け通知画面を示す図である。
図8図8(A)は、変形例2に係る検知装置20の機能ブロック図であり、図8(B)は、変形例3に係る検知装置20の機能ブロック図である。
図9図9は、変形例3に係る室40の模式的な縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、図4から図6に示すフローチャートに示された監視処理及び更新処理Dは、本発明の要旨を変更しない範囲で、各処理の実行順が適宜変更されてもよいし、処理の一部が省略されてもよいし、他の処理が追加されてもよいし、同等の他の処理に代えられてもよい。
【0030】
本実施形態で説明される片付け支援システム10(図1参照)は、住宅に使用される。当該住宅は、主に1つの世帯が住む個人住宅であってもよいし、複数の世帯が住む集合住宅であってもよい。また、当該住宅は、木造住宅であってもよいし、鉄骨住宅であってもよい。また、当該住宅は、1階のみを有する住宅であってもよいし、複数階を有する住宅であってもよい。
【0031】
本実施形態では、片付け支援システム10が、複数の室を有する複数階の個人住宅に設置された例が説明される。当該住宅は、リビング、ダイニング、及びキッチン(いわゆるLDK)や、和室や、寝室や、子供部屋や、ランドリールームなどの複数の室40(図2参照)を有する。また、当該住宅は、玄関や廊下や階段などを有する。
【0032】
図1に示されるように、片付け支援システム10は、人及び物を検知する検知装置20と、情報処理装置30と、を備える。検知装置20と情報処理装置30とは、LANケーブルなどの通信線によって通信可能に接続され、或いは、Wi-Fiなどの無線LANによって通信可能に接続されている。
【0033】
検知装置20は、各室40にそれぞれ設置された複数のセンサを有する。図1に示す例では、検知装置20は、リビングに設置された3Dレーザセンサ21や、ダイニングに設置された3Dレーザセンサ22や、キッチンに設置された3Dレーザセンサ23や、1階の和室に設置された3Dレーザセンサ24や、玄関に設置された3Dレーザセンサ25や、1階の廊下に設置された3Dレーザセンサ26や、2階の寝室に設置された3Dレーザセンサ27など、複数の3Dレーザセンサを有する。なお、図1では省略されているが、3Dレーザセンサは、階段やランドリールームや他の室40にも設置されている。
【0034】
3Dレーザセンサ21から3Dレーザセンサ27は、全て同様の仕様であるから、3Dレーザセンサ21について説明がされる。
【0035】
3Dレーザセンサ21は、レーザ光を照射する照射部と、レーザ光の照射方向を変えて走査を行う走査部と、反射光を受光する受光部と、制御部と、を備える。
【0036】
走査部は、複数のレンズからなる光学系であってもよいし、モータなどであってもよい。走査部が光学系である場合、走査部は、レンズの向きを変えることによって走査を行う。走査部がモータである場合、操作部は、3Dレーザセンサ21自体の向きを変えて走査を行う。以下では、走査部が、レンズの向き変えることによって走査を行うものとして説明がされる。
【0037】
受光部は、反射光を集光する集光レンズと、CCDやCMOSなどの複数のイメージセンサと、を有する。複数のイメージセンサは、マトリクス状(格子状)に配置されている。集光レンズに入射した反射光は、入射角度に応じた位置のイメージセンサによって感知される。すなわち、マトリクス状に配置された複数のイメージセンサのうち、光を感知したイメージセンサは、反射光の入射角度、すなわちレーザ光を反射した物体の方向を示す。
【0038】
制御部は、例えばICである。制御部は、反射波を受光(感知)したイメージセンサの位置に基づいて、複数の画素データからなる画像データを生成する。当該画像データは、レーザ光を反射した物体までの距離を示す距離情報を更に含む。例えば制御部は、レーザ光を照射してから反射光を受光(感知)するまでの時間、或いは照射したレーザ光と受光した反射光との位相差によって、検知物体までの距離を算出し、距離情報として画像データに含ませる。すなわち、3Dレーザセンサ21が生成する画像データは、複数の画素データ及び距離情報を含む3次元(3D)画像データである。
【0039】
図2に示されるように、3Dレーザセンサ21は、リビングである室40の天井41に設置されている。3Dレーザセンサ21は、室40の床42の全てを含む領域にレーザ光を走査しながら照射する。3Dレーザセンサ21は、室40の床42、壁43、及び造作柱44や、室40に置かれたソファー、テーブル、棚などの家具45や、室40に居る住人46や、室40の床に置かれた物体47などによって反射された反射光を感知する。3Dレーザセンサ21は、リビング(室40)を上から俯瞰した3次元画像データを生成する。
【0040】
同様に、3Dレーザセンサ22は、ダイニング(室40)を上から俯瞰した3次元画像データを生成する。3Dレーザセンサ23は、キッチン(室40)を上から俯瞰した3次元画像データを生成する。3Dレーザセンサ24は、和室(室40)を上から俯瞰した3次元画像データを生成する。3Dレーザセンサ25は、玄関を上から俯瞰した3次元画像データを生成する。3Dレーザセンサ26は、廊下を上から俯瞰した3次元画像データを生成する。3Dレーザセンサ27は、寝室(室40)を上から俯瞰した3次元画像データを生成する。
【0041】
3Dレーザセンサ21から3Dレーザセンサ27は、自己に付された識別情報であるセンサIDと、生成した3次元画像データとを、情報処理装置30に対して出力する。
【0042】
情報処理装置30は、中央演算処理装置であるCPU31と、メモリ32と、クロックモジュール33と、タッチパネル34と、スピーカ39と、通信インタフェース35と、を備える。CPU31は、コントローラの一例である。
【0043】
メモリ32は、オペレーティングシステムであるOS36と、管理プログラム37と、人/物判断プログラム38と、管理データベースとを記憶する。
【0044】
OS36、管理プログラム37、及び人/物判断プログラム38は、CPU31によって実行される。
【0045】
管理プログラム37は、後述の監視処理(図4図5参照)及び更新処理(図6参照)をCPU31に実行させるプログラムである。
【0046】
人/物判断プログラム38は、画像に人や物が映っているか否かを判断するプログラムである。人/物判断プログラム38は、例えばディープラーニングなどによって育成されたプログラムを情報処理装置30にダウンロードして使用される。
【0047】
クロックモジュール33は、例えばICであって、日時を示す日時情報を出力する。なお、管理プログラム37がインターネット11を通じて日時情報を取得可能であれば、クロックモジュール33は設けられていなくてもよい。
【0048】
タッチパネル34は、ディスプレイと、当該ディスプレイに重ねられた透明な膜状のタッチセンサと、を有する。すなわち、タッチパネルは、表示機能及び入力受付機能を有する。
【0049】
スピーカ39は、情報処理装置30に付設されていてもよいし、各室40にそれぞれ付設されていてもよい。スピーカ39は、入力された音声データに応じた音声を出力する。
【0050】
通信インタフェース35は、検知装置20及びインターネット11と、ルータなどのゲートウェイ装置を介して有線或いは無線接続されている。また、通信インタフェース35は、近接無線通信のインタフェースでもある。
【0051】
図1には、住宅の住人が所持する通信端末13も示されている。通信端末13は、例えばスマートフォン(登録商標)である。通信端末13と情報処理装置30とは、インターネット11及び移動体通信網(基地局)12を通じて相互に通信可能である。また、通信端末13と情報処理装置30とは、近接無線通信によって、インターネット11及び移動体通信網12を介さずに直接通信することも可能である。情報処理装置30は、近接無線通信の範囲内に通信端末13を検知した場合、すなわち住人が住宅に居る場合、近接無線通信によって片付け情報を住人に通知し、近接無線通信の範囲内に通信端末13を検知できない場合、すなわち住人が住宅に居ない場合、インターネット11及び移動体通信網12を介して片付け情報を住人に通知する。
【0052】
図1に示された照明駆動装置51及び照明装置52については、変形例1において説明がされる。
【0053】
メモリ32が記憶する管理データベースは、図3(A)に示される検知物体管理データベースと、図3(B)に示される住宅設計データ管理データベースと、図3(C)に示される生活スタイル等管理データベースと、図3(D)に示される通知時刻管理データベースと、図3(E)に示されるポイントテーブルと、図3(F)に示される片付け情報テーブルと、を含む。
【0054】
検知物体管理データベースは、センサIDと、検知装置20が検知した検知物体に関する情報とを対応付けて、室40ごとに管理するデータベースである。
【0055】
検知物体管理データベースは、「リビング」や「ダイニング」など、室40の名称を項目名として付された複数のカラム(列)を有する。各カラムは、項目名「センサID」が付されたサブカラムと、項目名「検知物体」が付されたサブカラムとをそれぞれ有する。
【0056】
項目名「センサID」が付されたサブカラムのフィールドには、当該室40に設置された3DレーザセンサのセンサIDが登録されている。図3に示す例では、リビングに設置された3Dレーザセンサ21のセンサIDである「B001」が、項目名「リビング」のサブカラムのフィールドに登録され、ダイニングに設置された3Dレーザセンサ22のセンサIDである「B002」が、項目名「ダイニング」のサブカラムのフィールドに登録されている。
【0057】
項目名「検知物体」が付されたサブカラムは、項目名「物体ID」、「検知日時」、「物情報」、「物体高さ」、「除外フラグ」、「通知フラグ」、「通知回数」、「通知種別」がそれぞれ付された複数のサブカラムを更に備える。
【0058】
項目名「物体ID」が付されたサブカラムのフィールドには、検知装置20が検知した各物体にそれぞれ付された識別情報である物体IDが登録される。すなわち、検知物体管理データベースにおける各レコード(行)は、検知物体ごとに生成され、物体IDによって相互に識別される。物体IDは、検知装置20が新たに物体を検知したことに応じて管理プログラム37によって生成されて検知物体管理データベースに登録される。詳しくは監視処理(図4参照)において説明される。
【0059】
項目名「検知日時」が付されたサブカラムのフィールドには、検知装置20が物体を検知した日時が登録される。
【0060】
項目名「物情報」が付されたサブカラムのフィールドには、検知装置20が検知した検知物体の室40における位置及び形状を示す物情報が登録される。物情報は、例えば、室40の床42の隅を原点とした3次元座標系において検知物体が占有する領域を示す座標群である。隣り合う2つの座標間の距離である「座標群の分解能」は、CPU31の性能や必要な精度に応じて、例えば試行錯誤(トライアルアンドエラー)によって決定される。
【0061】
項目名「物体高さ」が付されたサブカラムのフィールドには、検知装置20が検知した物体の床からの高さが登録される。物体高さは、例えば、物情報である上記座標群のZ座標の最大値である。
【0062】
「検知日時」、「物情報」、及び「物体高さ」は、監視処理(図4参照)において、「物体ID」とともに登録される。
【0063】
項目名「除外フラグ」が付されたサブカラムのフィールドには、検知装置20が検知した物体を片付け対象から除外することを示す「1」或いは初期値の「0」が登録される。除外フラグは、後述の更新処理(図6参照)において、初期値の「0」から「1」に変更される。
【0064】
項目名「通知フラグ」が付されたサブカラムのフィールドには、初期値の「0」、或いは片付け情報を住人に通知することを示す「1」が登録される。「0」或いは「1」の「通知フラグ」は、後述の監視処理(図5参照)において登録される。
【0065】
項目名「通知回数」が付されたサブカラムのフィールドには、住人に通知された片付け情報の通知回数が登録される。通知回数は、後述の監視処理(図5参照)において、片付け情報が住人に通知されるごとにインクリメントされる。
【0066】
項目名「通知種別」が付されたサブカラムのフィールドには、初期値の「0」、或いは住人に通知される片付け情報の種別を示す「1」又は「2」又は「3」が登録される。住人に片付け情報を通知することを示す通知フラグに「1」が登録されると、片付け情報の種別が決定され、決定された片付け情報の種別を示す「1」又は「2」又は「3」が、項目名「通知種別」が付されたサブカラムのフィールドに登録される。片付け情報の「1」は、例えば「少しものが散らかっているようです」のテキストデータを示し、片付け情報の「2」は、「そろそろ片づけたらいかかでしょうか」のテキストデータを示し、片付け情報の「3」は、「すぐに片付けてください」のテキストデータを示す。
【0067】
図3(B)に示された住宅設計データ管理データベースは、住宅の設計データ(間取り情報)を管理するデータベースである。住宅設計データ管理データベースに登録される間取り情報は、例えば、住宅の施工を行った住宅メーカの管理サーバからダウンロードされる。詳しく説明すると、住宅メーカの設計者は、CAD(Computer Aided Design)を用いて住宅の設計データを作成する。設計データは、住宅の室40における間取り情報として、例えば室40の床42の隅を原点とした床42の他の隅を示す3次元座標や、天井41の各端(隅)を示す3次元座標や、壁43の各端の3次元座標や、造作柱44の占有領域を示す3次元座標群や、家具45の占有領域を示す3次元座標群などを有する。間取り情報は、住宅メーカの管理サーバによって管理される。情報処理装置30は、インターネット11を介して管理サーバから間取り情報をダウンロードし、住宅設計データ管理データベースに登録する。或いは、片付け支援システム10をユーザ(住人)に提供するサービス提供者によって間取り情報が情報処理装置30に入力される。なお、当該サービス提供者と住宅メーカとは、同一であってもよいし、相違していてもよい。
【0068】
住宅設計データ管理データベースは、項目名「ユーザID」が付されたカラム(列)と、項目名「氏名」が付されたカラムと、項目名「LDK」や「1階和室」などの室名が付されたカラムとを有する。
【0069】
項目名「ユーザID」が付されたカラムのフィールドには、ユーザ(住人)を識別する識別情報であるユーザIDが登録される。ユーザIDは、例えばお客様番号やお客様コードなどである。
【0070】
項目名「氏名」が付されたカラムのフィールドには、例えば住宅の世帯主の氏名が登録される。
【0071】
項目名「LDK」が付されたカラムは、項目名「リビング」、「ダイニング」、「キッチン」がそれぞれ付された3つのサブカラムを更に有する。
【0072】
項目名「リビング」が付されたサブカラムのフィールドには、リビングの間取り情報が登録される。図3(B)に示す例では、間取り情報として、リビング(室40)の壁43の各端の3次元座標や、造作柱44が占有する領域を示す3次元座標群や、家具45が占有する領域を示す3次元座標群などが登録されている。項目名「ダイニング」が付されたサブカラムのフィールドには、ダイニングの間取り情報が登録され、項目名「キッチン」が付されたサブカラムのフィールドには、キッチンの間取り情報が登録される。項目名「1階和室」が付されたカラムのフィールドには、和室の間取り情報が登録される。項目名「玄関」が付されたカラムのフィールドには、玄関の間取り情報が登録される。項目名「1階廊下」が付されたカラムのフィールドには、1階廊下の間取り情報が登録される。項目名「階段」が付されたカラムのフィールドには、階段の間取り情報が登録される。
【0073】
図3(C)に示された生活スタイル等管理データベースには、時間帯ごとの住人の動線及び居場所となる領域(第1領域)を管理するデータベースである。
【0074】
生活スタイル等管理データベースは、項目名「リビング」や「ダイニング」などの室名が付された複数のカラム(列)を有する。すなわち、住人の動線及び居場所となる領域は、室40ごとに管理される。
【0075】
室名が付された各カラムは、項目名「センサID」、「検知日時」、及び「人情報」がそれぞれ付された3つのサブカラム(列)と、項目名「第1領域」及び「第2領域」がそれぞれ付された2つのサブカラム(列)とを更に備える。項目名「センサID」、「検知日時」、及び「人情報」がそれぞれ付された3つのサブカラムにおいて、検知装置20で住人を検知した日時及び位置が管理される。当該日時及び位置に基づいて決定された第1領域(動線領域及び居場所領域)と、第1領域以外の領域である第2領域とが、項目名「第1領域」及び「第2領域」がそれぞれ付された2つのサブカラムのフィールドに登録される。
【0076】
詳しく説明すると、項目名「センサID」が付されたサブカラムのフィールドには、室40に設置された3DレーザセンサのセンサIDが登録される。例えば、項目名「リビング」が付されたカラムにおける項目名「センサID」が付されたサブカラムのフィールドには、3Dレーザセンサ21のセンサIDである「B0001」が登録されている。
【0077】
項目名「センサID」が付されたサブカラムのフィールドには、3Dレーザセンサが人(住人)を検知した日時が登録される。項目名「人情報」が付されたサブカラムのフィールドには、3Dレーザセンサが住人を検知した位置を示す人情報(座標群)が登録される。
【0078】
項目名「第1領域」が付されたサブカラムは、項目名「時間帯」、「動線領域」、「居場所領域」の3つのサブカラム(列)を更に備える。
【0079】
項目名「時間帯」が付されたサブカラムのフィールドには、「0-2」、「2-4」など、1日を所定時間(所定期間)で分割した各時間帯をそれぞれ示す情報が登録される。なお、図3(C)に示す例では、当該所定時間は「2時間」であるが、所定時間は「1時間」や「3時間」などであってもよい。
【0080】
項目名「動線領域」が付されたサブカラムのフィールドには、住人が室40において移動する領域である動線領域を示す情報が登録される。動線領域を示す情報は、例えば床の隅を原点とした3次元座標系における座標群である。管理プログラム37は、生活スタイル等管理データベースに登録された検知日時及び人情報に基づいて、時間帯ごとに動線領域を示す座標群を決定して登録する。なお、時間帯によっては、住人が室40内を移動しない場合がある。その場合、動線領域を示す座標群は決定されず、動線領域が決定されないことを示す「-」或いは「0」が登録される。
【0081】
項目名「居場所領域」が付されたサブカラムのフィールドには、住人が室40における寛ぐ居場所を示す居場所領域を示す情報が登録される。居場所領域を示す情報は、例えば床の隅を原点とした3次元座標系における座標群である。管理プログラム37は、生活スタイル等管理データベースに登録された検知日時及び人情報に基づいて、時間帯ごとに居場所領域を示す座標群を決定して登録する。
【0082】
項目名「第2領域」が付されたサブカラムのフィールドには、室40の領域のうち、第1領域以外の領域を示す情報が登録される。管理プログラム37は、住宅設計管理データベースに登録された間取り情報と、生活スタイル等管理データベースに登録された第1領域を示す座標群とに基づいて第2領域を示す座標群を決定し、決定した第2領域を示す座標群を、項目名「第2領域」が付されたサブカラムのフィールドに登録する。
【0083】
図3(D)に示された通知時刻管理データベースは、住人の生活スタイルに応じて、室40ごとに片付け通知情報を住人に通知する時刻を管理するデータベースである。住人の生活スタイルとは、調理を行う時間や、食事の時間や、寛ぐ時間や、寛ぐ場所や、洗濯の時間や、勉強時間などである。例えば、調理を行う時間(時刻)にキッチンに物が置かれていると調理に支障が生じるから、調理を行う時間の前に片付け通知情報が住人に通知されることが望ましい。通知時刻管理データベースでは、住人の普段の行動を検知装置20で検知して、朝食準備(調理)を行う時間や、朝食を行う時間などが決定され、決定された時間の所定時間前の時間(時刻)が通知時刻に決定されて登録される。
【0084】
詳しく説明すると、通知時刻管理データベースは、項目名「生活項目」、「対象室名」、「曜日」、「時間帯」、及び「通知時刻」がそれぞれ付された複数のカラム(列)を有する。
【0085】
項目名「生活項目」が付されたカラムのフィールドには、「朝食準備」、「朝食」、「洗濯」、「団欒」、「追加特殊1」などの生活項目が登録されている。「朝食準備」、「朝食」、「洗濯」、「団欒」は、予め登録されている。「追加特殊1」は、管理プログラム37によって追加されるものであって、例えば住人(母親)が近所の住人を招待してお茶会を土曜日に催す場合、土曜日のリビングでは、検知される人の数と頻度が高くなる。管理プログラム37は、検知結果に基づいて、「追加特殊1」を付した新たなレコードを通知管理データベースに追加する。詳しくは更新処理(図6参照)において説明される。
【0086】
項目名「対象室名」が付されたカラムのフィールドには、住人が検知された室40の室名が登録される。例えば、朝食をダイニングで食べる住人の場合、「朝食」と対応付けて「ダイニング」が、項目名「対象室名」が付されたカラムのフィールドに登録される。朝食をリビングで食べる住人の場合、「朝食」と対応付けて「リビング」が、項目名「対象室名」が付されたカラムのフィールドに登録される。
【0087】
項目名「曜日」が付されたカラムのフィールドには、「毎日」や「土曜日」や「月-金」や「土日」などが登録される。朝食を住宅で行う住人の場合、「朝食」と対応付けて「毎日」が、項目名「曜日」が付されたカラムのフィールドに登録される。月曜日から金曜日は朝食を住宅で行い、土曜日及び日曜日は朝食を住宅以外で行う住人の場合、「朝食」と対応付けて「月-金」が、項目名「曜日」が付されたカラムのフィールドに登録される。
【0088】
項目名「時間帯」が付されたカラムのフィールドには、時間帯が登録される。例えば6時25分から6時55分までの時間帯に朝食の準備を行う住人の場合、6:25-6:55が、項目名「時間帯」が付されたカラムのフィールドに登録される。
【0089】
項目名「通知時刻」が付されたカラムのフィールドには、住人に片付け通知情報を通知する時刻が登録される。片付け通知時刻は、項目名「時間帯」が付されたカラムのフィールドに登録された時間帯の所定時間だけ前の時刻が登録される。図3(D)に示される例では、所定時間は、10分である。
【0090】
図3(E)に示されたポイントテーブルは、物体が放置されている場所や放置時間や物体の高さに応じて当該物体に対して付されるポイントを管理するテーブルである。
【0091】
ポイントテーブルは、項目名「項目」が付されたカラムと、項目名「ポイント」が付されたカラムとを備える。
【0092】
項目名「項目」が付されたカラムのフィールドには、「動線領域」、「居場所領域」、「放置時間:1時間未満」、「放置時間:1-3時間」、「放置時間:3時間以上」、「物体高さ:15-20cm未満」、「物体高さ:20cm以上」が登録されている。
【0093】
項目名「ポイント」が付されたカラムのフィールドには、「1」や「2」や「3」や「4」などのポイントが登録されている。
【0094】
例えば、高さ20cmの物体が、動線領域に2時間放置されていた場合、当該物体には、高さで2ポイント、動線領域で4ポイント、放置時間で2ポイントの合計8ポイントが付される。
【0095】
図3(F)に示された片付け情報テーブルは、検知物体に付されたポイントに基づいて、いずれの種類の片付け情報を住人に通知するかを決定するためのテーブルである。図に示す例では、検知物体に付されたポイントが5ポイント以下である場合、「1」の種別の片付け情報に決定され、6及び7ポイントである場合、「2」の種別の片付け情報に決定され、8ポイント以上である場合、「3」の種別の片付け情報に決定される。「1」の種別の片付け情報は、例えば「少しものが散らかっているようです」などのテキスト文である。「2」の種別の片付け情報は、例えば「そろそろ片づけたらいかかでしょうか」などのテキスト文である。「3」の種別の片付け情報は、例えば「すぐに片付けてください」などのテキスト文である。
【0096】
以下では、管理プログラム37がCPU31に実行させる監視処理及び更新処理について説明がされる。なお、管理プログラム37がCPU31に実行させる処理は、コントローラであるCPU31、或いは情報処理装置30が実行する処理でもある。以下では、管理プログラム37がCPU31に実行させる処理は、単に管理プログラム37が実行する処理として説明される。なお、監視処理のフローチャートにおいては、データベースは、「DB」に省略して記載されている。
【0097】
管理プログラム37は、例えば情報処理装置30の電源スイッチ(不図示)がオンにされたことに基づいて、図4及び図5に示される監視処理を実行する。
【0098】
管理プログラム37は、監視処理を終了するか否かを判断する(S11)。例えば管理プログラム37は、タッチパネル34を通じて終了指示が入力され、或いは情報処理装置の電源スイッチ(不図示)がオフにされたことに基づいて、監視処理を終了すると判断する(S11:Yes)。管理プログラム37は、監視処理を終了すると判断したことに基づいて(S11:Yes)、監視処理を終了する(エンド)。
【0099】
管理プログラム37は、監視処理を終了しないと判断すると(S11:No)、全ての3Dレーザセンサを駆動させ、3Dレーザセンサが生成した3D(3次元)画像データ及びセンサIDを取得する(S12)。
【0100】
管理プログラム37は、取得した3D画像データ及び解析要求を、OS36を通じて人/物判断プログラム38に受け渡す(S13)。解析要求は、例えばコマンドである。管理プログラム37は、3D画像データに代えて、3D画像データが記憶された記憶領域を示すパスを人/物判断プログラム38に受け渡してもよい。
【0101】
人/物判断プログラム38は、受け渡された3D画像データが示す画像に映る人及び物を特定する。例えば、人/物判断プログラム38は、輝度や明度が閾値以上変化するか否かによって外形ラインを特定し、特定した外形ラインの形状と、サンプル形状とが近似するか否かにより、特定した外形ラインが人であるか物であるかを判断する。サンプル形状は、人/物判断プログラム38が予め有する。なお、人/物判断プログラム38における人や物の特定方法は、上述した方法以外の方法が採用されてもよい。すなわち、どのような種別の人/物判断プログラム38が用いられてもよい。
【0102】
人/物判断プログラム38は、特定した人の位置を示す人位置情報と、特定した人の形状を示す人形状情報とを含む人情報を生成する(S14)。また、人/物判断プログラム38は、特定した物の位置を示す物位置情報と、特定した物の形状を示す物形状情報とを含む物情報を生成する(S14)。人形状情報及び物形状情報は、例えば上述の外形ラインを示す画素の画素番号である。人位置情報及び物位置情報は、画像において人或いは物が占有する領域の画素群を示す情報であって、例えば複数の画素番号である。人位置情報と人形状情報とは同一であってもよい。同様に、物位置情報と物形状情報とは同一であってもよい。人位置情報、人形状情報、及び人情報は、住人位置情報の一例である。物位置情報、物形状情報、及び物情報は、物位置情報の一例である。
【0103】
人/物判断プログラム38は、例えば人を示す「0」の識別フラグを付した人情報と、物を示す「1」の識別フラグを付した物情報とを、OS36を通じて管理プログラム37に返す(S15)。なお、人/物判断プログラム38は、人情報及び物情報に代えて、人情報及び物情報が記憶された記憶領域を示すパスを管理プログラム37に返してもよい。
【0104】
管理プログラム37は、人/物判断プログラム38が返した人情報及び物情報を取得する(S15)。管理プログラム37は、取得した人情報を、室40における3次元座標系における人情報に変換し、変換した人情報を検知日時とともに生活スタイル等管理データベース(図3(C)参照)に登録する(S16)。また、管理プログラム37は、取得した物情報を、上記3次元座標系における物情報に変換してメモリ32に一時的に記憶させる(S16)。
【0105】
管理プログラム37は、住宅設計データ管理データベース(図3(B)参照)から、間取り情報を読み出す(S17)。管理プログラム37は、ステップS16で変換した物情報と、ステップS17で読み出した間取り情報とが一致或いは近似するか否かに基づいて、ステップS16で変換した物情報が示す検知物体が、壁43や造作柱44や家具45等であるか否かを判断する(S18)。ステップS18の処理は、第2判断処理の一例である。
【0106】
管理プログラム37は、検知物体が、壁43や造作柱44や家具45等であると判断すると(S18:Yes)、当該検知物体を片付け対象から除外する(S19)。具体的には、管理プログラム37は、一時的に記憶させた物情報をメモリ32から削除する。なお、壁43や造作柱44や家具45等でないと判断された検知物体の物情報は、メモリ32から削除されない。ステップS19の処理は、第1除外処理の一例である。
【0107】
管理プログラム37は、検知物体が、壁43や造作柱44や家具45等でないと判断すると(S18:No)、或いはステップS19の実行後、検知物体管理データベースから、物体ID及び物情報を対応付けて読み出す(S20)。
【0108】
管理プログラム37は、ステップS16でメモリ32に一時記憶させた物情報と、ステップS20で読み出した物情報とに基づいて、検知物体が、検知物体管理データベースに登録済の検知物体であるか否かを判断する(S21)。すなわち、ステップS21では、検知物体が、片付けられずに室40に継続して置かれている物体であるか否かが判断される。ステップS21において、管理プログラム37は、具体的にはステップS16でメモリ32に一時記憶させた物情報が示す検知物体の形状と、ステップS20で読み出した物情報が示す登録済検知物体の形状とが一致或いは近似するか否かを判断する。近似の範囲は、例えば試行錯誤(トライアルアンドエラー)によって予め決定されている。なお、検知物体が複数ある場合、ステップS21の判断処理は、各検知物体についてそれぞれ実行される。
【0109】
管理プログラム37は、検知物体が登録済検知物体であると判断すると(S21:Yes)、当該検知物体の物情報であって、ステップS16でメモリ32に一時記憶させた物情報を用いて、検知物体管理データベースに登録された物情報を更新する(S22)。すなわち、片付けられずに室40に継続して置かれている検知物体が室40内において移動している場合があるから、検知物体の新しい位置を示す情報として、物情報が更新される。他方、検知日時は更新されない。すなわち、検知物体管理データベースに登録された検知日時は、検知物体が最初に検知された日時を示す。
【0110】
管理プログラム37は、登録済検知物体であると判断した検知物体の物情報であって、ステップS16で一時記憶させた物情報をメモリ32から削除する(S23)。
【0111】
管理プログラム37は、検知物体が、検知物体管理データベース(図3(A)参照)に登録済の検知物体でないと判断すると(S21:No)、ステップS22、23の処理をスキップし、検知物体の物情報を検知物体管理データベースに新規に登録する(S24)。具体的には、管理プログラム37は、検知物体管理データベースに新たなレコードを生成し、生成したレコードに新たな物体IDと、ステップS16でメモリ32に一時記憶させた物情報及び検知日時と、を登録する。また、管理プログラム37は、登録した物情報に基づいて検知物体の高さを算出し、算出した高さを物体高さとして、生成したレコードに登録する。なお、物情報が、床の隅を原点とした3次元座標系の座標で示されている場合、物体高さは、物情報である座標群のZ座標のうち最大値が採用される。
【0112】
また、管理プログラム37は、生成したレコードにおける項目名「除外フラグ」、「通知フラグ」、「通知回数」、「通知種別」が付されたカラムのフィールドに、初期値である「0」をそれぞれ登録する。
【0113】
管理プログラム37は、検知物体管理データベースに新たに登録した検知物体の物情報であって、ステップS16で一時記憶させた物情報をメモリ32から削除する(S25)。
【0114】
管理プログラム37は、検知物体管理データベースに登録済の検知物体のうち、片付けられた検知物体があるか否かを判断する(S26)。具体的には、管理プログラム37は、ステップS21で一致すると判断された登録済検知物体以外の登録済検知物体を、片付けられた検知物体と判断する。すなわち、片付けられていない登録済検知物体は新たに検知されるから、新たに検知されなかった登録済検知物体は、片付けられた検知物体に決定される。管理プログラム37は、片付けられた検知物体があると判断すると(S26:Yes)、片付けられたと判断した検知物体のレコードを検知物体管理データベースから削除する(S27)。
【0115】
管理プログラム37は、片付けられた検知物体がないと判断すると(S26:No)、ステップS27の処理をスキップし、1つのレコードの登録情報を、検知物体管理データベースから読み出す(S28)。登録情報は、「リビング」などの室名、物体ID、検知日時、物情報、物体高さ、除外フラグを含む。管理プログラム37は、読み出した除外フラグが、片付け対象から除外することを示す「1」であるか否かを判断する(S29)。管理プログラム37は、除外フラグが「1」であると判断すると(S29:Yes)、次のレコードがあるか否かを判断する(S30)。管理プログラム37は、次のレコードがあると判断すると(S30:Yes)、次のレコードの登録情報を読み出し(S31)、ステップS29の処理を再度実行する。
【0116】
管理プログラム37は、除外フラグが「0」であると判断すると(S29:No)、ステップS28或いはS31で読み出した室名と対応付けられた第1領域であって、且つ現在時刻を含む時間帯における第1領域を、生活スタイル等管理データベース(図3(C)参照)から読み出す(S32)。管理プログラム37は、ステップS28或いはS31で読み出したレコードが示す登録済検知物体が、ステップS32で読み出した第1領域に在るか否かを判断する(S33)。具体的には、管理プログラム37は、ステップS28或いはS31で読み出した物情報が示す登録済検知物体の位置(座標群)が、第1領域に含まれるか否かを判断する。ステップS33の処理は、第1判断処理の一例である。
【0117】
管理プログラム37は、登録済検知物体が第1領域にないと判断すると(S33:No)、ステップS30以降の処理を再度実行する。管理プログラム37は、登録済検知物体が第1領域に在ると判断すると(S33:Yes)、図5に示されるように、登録済検知物体が室40に放置されている時間である放置時間を算出する(S34)。具体的には、管理プログラム37は、ステップS28或いはS31で読み出した検知日時から現在時刻までの時間を放置時間として算出する。ステップS34の処理は、放置時間算出処理の一例である。
【0118】
管理プログラム37は、算出した放置時間が、メモリ32に予め記憶された閾値時間以上であるか否かを判断する(S35)。閾値時間は、30分や1時間や2時間などである。ステップS35の処理は、第4判断処理の一例である。
【0119】
管理プログラム37は、放置時間が閾値時間未満であると判断すると(S35:No)、ステップS30以降の処理を再度実行する。管理プログラム37は、放置時間が閾値時間以上であると判断すると(S35:Yes)、ステップS28或いはS31で読み出した物体高さが、メモリ32に予め記憶された閾値高さ以上であるか否かを判断する(S36)。閾値高さは、住人が検知物体に躓くおそれが高くなる高さであって、例えば15cmである。ステップS36の処理は、第3判断処理の一例である。
【0120】
管理プログラム37は、物体高さが閾値高さ未満であると判断すると(S36:No)、ステップS30以降の処理を再度実行する。管理プログラム37は、物体高さが閾値高さ以上であると判断すると(S36:Yes)、読み出したレコードにおける通知フラグに「1」を登録する(S37)。「1」の通知フラグは、片付け情報を住人に通知することを示す。すなわち、ステップS28或いはS31において読み出されたレコードが示す登録済検知物体は、住人の動線或いは居場所に置かれており、且つ閾値時間以上の間、片付けられずに放置されており、且つ閾値高さ以上である場合に、片付けるべき物体として片付け情報の通知対象とされる。通知フラグに「1」を登録して検知物体を片付け対象に決定するステップS36の処理は、決定処理の一例である。
【0121】
管理プログラム37は、ステップS28或いはS31において読み出した物情報及びポイントテーブル(図3(E)参照)に基づいて、ポイントを決定する(S38)。また、管理プログラム37は、ステップS28或いはS31において読み出した物体高さ及びポイントテーブルに基づいて、ポイントを決定する(S39)。また、管理プログラム37は、ステップS34で算出した放置時間及びポイントテーブルに基づいて、ポイントを決定する(S40)。ステップS38、S39、S40の処理は、ポイント決定処理の一例である。
【0122】
管理プログラム37は、ステップS38で決定したポイントと、ステップS39で決定したポイントと、ステップS40で決定したポイントとの和である総ポイントと、片付け情報テーブル(図3(F))とに基づいて、片付け情報の種別を決定する(S41)。管理プログラム37は、決定した片付け情報の種別を示す「1」又は「2」又は「3」を、検知物体管理データベースに登録する(S41)。
【0123】
管理プログラム37は、ステップS30(図4参照)において、次のレコード(読み出していないレコード)がないと判断すると(S30:No)、片付け情報を住人に通知する時刻である通知時刻になった室40があるか否かを判断する(S42)。具体的には、管理プログラム37は、現在の曜日及び時刻と一致する曜日及び通知時刻が通知時刻管理データベースに登録されているか否かを判断する。なお、管理データベースは、クロックモジュール33が出力する現在の日時に基づいて現在の曜日を決定する。また、管理データベースは、通知時刻管理データベースに「毎日」が登録されている場合、現在の曜日と通知時刻管理データベースに登録されている曜日とが一致すると判断する。
【0124】
管理プログラム37は、片付け情報を住人に通知する時刻である通知時刻になった室40があると判断すると(S42:Yes)、当該室40の室名を通知時刻管理データベースから読み出して取得する(S43)。当該室名は、「リビング」や「ダイニング」や「キッチン」などである。
【0125】
管理プログラム37は、ステップS43で取得した室名と同一の室名が付されたカラムに登録されたレコードのうち、通知フラグが「1」であるレコードが、検知物体管理データベース(図3(A)参照)にあるか否かを判断する(S44)。管理プログラム37は、通知フラグが「1」であるレコードがあると判断すると(S44:Yes)、当該レコードに登録された通知種別を読み出す(S45)。管理プログラム37は、読み出した通知種別が示すテキスト文と、通知フラグが「1」であるレコードと対応付けられた室名とに基づいて、片付け情報及び片付け報知情報を生成する(S46)。片付け情報は、室名と、通知種別が示すテキスト文とを含む。片付け報知情報は、室名及び当該テキスト文の音声データを含む。
【0126】
管理プログラム37は、生成した片付け情報を、通信インタフェース35、インターネット11、及び移動体通信網12を通じて住人の通信端末13に送信する。或いは、管理プログラム37は、生成した片付け情報を、通信インタフェース35を通じて、近接無線通信によって通信端末13に送信する(S47)。
【0127】
通信端末13は、片付け情報を受信したことに基づいて、図7に示される片付け通知画面をディスプレイに表示させる。片付け通知画面は、室名と、通知種別が示すテキスト文とを含む。図7に示される例では、片付け通知画面は、「リビング」の室名と、通知種別が「1」である場合の「少しものが散らかっているようです。」のテキスト文とを含む。
【0128】
図5に示されるように、管理プログラム37は、片付け報知情報をスピーカ39に対して出力する(S47)。片付け報知情報を入力されたスピーカ39は、「リビングに、少しものが散らかっているようです」の音声を出力する。ステップS47の処理は、出力処理の一例である。
【0129】
なお、フローチャートには示されていないが、管理プログラム37は、片付け情報をタッチパネル34に入力して、片付け通知画面をタッチパネル34に表示させてもよい。片付け情報をタッチパネル34に入力する処理は、出力処理の一例である。
【0130】
管理プログラム37は、ステップS47の処理の実行後、ステップS36で「1」にした通知フラグを「0」に戻す(S48)。また、管理プログラム37は、片付け通知情報を送信した回数である通知回数に「1」を加算する(S49)。
【0131】
管理プログラム37は、片付け情報を住人に通知する時刻である通知時刻になった室40がないと判断すると(S42:No)、或いは通知フラグが「1」であるレコードがないと判断すると(S44:No)、或いはステップS49の処理の実行後、ステップS11以降の処理を再度実行する。管理プログラム37は、ステップS11において終了と判断するまで、ステップS11からステップS49までの処理を所定の時間間隔(サンプリング周期)で繰り返す。所定の時間間隔は、例えば1秒から数分である。例えば、管理プログラム37は、1秒ごとに検知装置20に検知を行わせてステップS11からステップS49までの処理を1秒ごとに実行する。
【0132】
次に、管理プログラム37が管理データベース(図3参照)の登録情報の更新を行う更新処理(図6参照)について説明がされる。
【0133】
更新処理は、1日1回や1週間に1回など、所定間隔で実行される。例えば1日に1回行われる場合、管理プログラム37は、0時などの所定時刻になったことに基づいて、更新処理を実行する。
【0134】
図6に示されるように、管理プログラム37は、現在時刻から所定期間だけ前までの人情報及び検知日時を、生活スタイル等管理データベース(図3(C)参照)から読み出す(S51)。所定期間は、1週間や2週間や1月や2月や3月などである。すなわち、半年や1年以上前の古い生活スタイルにおける情報は採用されない。
【0135】
管理プログラム37は、読み出した人情報及び検知日時に基づいて、動線領域及び居場所領域を、時間帯ごと及び室40ごとに決定する(S52)。詳しく説明すると、管理プログラム37は、各日付及び各室における検知日時が6時から8時までの検知日時及び人情報を、6-8の時間帯の情報として生活スタイル等管理データベースから読み出す。管理プログラム37は、読み出した検知日時及び人情報に基づいて、住人が閾値時間以上の間同一の位置に居るか否かを判断する。閾値時間は、メモリ32に予め記憶された時間であって、例えば10分や20分や30分などである。管理プログラム37は、住人が閾値時間以上の間同一の位置に居ると判断すると、当該同一の位置を示す座標群、或いは当該同一の位置を含む一定広さの領域を示す座標群を、居場所領域に決定する。また、管理プログラム37は、閾値個数以上の人情報の座標群が示す領域の一部同士が重なり合っているか否かを判断する。閾値個数は、例えば「5」である。その場合、管理プログラム37は、5個の人情報の座標群が示す領域の一部同士が重なり合っているか否かを判断する。管理プログラム37は、閾値個数以上の人情報の座標群が示す領域の一部同士が重なり合っていると判断すると、当該領域を含む領域を動線領域に決定する。或いは管理プログラム37は、当該領域を一定範囲だけ拡張した領域を、動線領域に決定する。一定範囲は、メモリ32に予め記憶される。管理プログラム37は、0-2の時間帯や2-4の時間帯など他の時間帯についても同様にして動線領域及び居場所領域を決定する。なお、上述した居場所領域及び動線領域の決定方法は一例であって、他の方法によって居場所領域及び動線領域が決定されてもよい。すなわち、生活スタイル等管理データベースから読み出された検知日時及び人情報を用いていれば、どのような方法によって居場所領域及び動線領域が決定されてもよい。
【0136】
管理プログラム37は、決定した動線領域及び居場所領域を生活スタイル等管理データベースに登録する(S53)。
【0137】
管理プログラム37は、室40における動線領域及び居場所領域以外の領域を第2領域に決定し、決定した第2領域を生活スタイル等管理データベースに登録する(S54)。ステップS52、S53、S54の処理は、領域区分処理の一例である。
【0138】
また、管理プログラム37は、読み出した人情報及び検知日時に基づいて、「朝食準備」や「朝食」や「団欒」や「洗濯」などの生活項目ごとに「曜日」及び「時間帯」を決定し、決定した「曜日」及び「時間帯」を通知時刻管理データベース(図3(D)参照)に登録する(S55)。
【0139】
管理プログラム37は、決定した時間帯の所定時間だけ前の時刻を、片付け通知情報を通知する時刻である通知時刻に決定する(S56)。「朝食準備」は「キッチン」に対応付けられており、「朝食」は「ダイニング」に対応付けられており、「団欒」は「リビング」に対応付けられている。したがって、通知時刻は、「キッチン」や「ダイニング」や「リビング」など、室40ごとにそれぞれ設定されることになる。また、1つの室40に対して、複数の通知時刻が設定される場合もある。通知時刻は、片付け情報出力時刻の一例である。ステップS56の処理は、出力時刻決定処理の一例である。
【0140】
また、管理プログラム37は、読み出した人情報及び検知日時に基づいて、「追加特殊」を付した新たなレコードを通知時刻管理データベースに追加するか否かを判断する(S57)。詳しく説明すると、例えば管理プログラム37は、1時間などの所定の閾値期間において人を検知した回数が、メモリ32に予め記憶された閾値回数以上であることに基づいて、且つ「朝食」などの既登録のレコードのいずれにも該当しないと判断したことに基づいて、新たなレコードを追加すると判断する。
【0141】
管理プログラム37は、レコードを追加すると判断したことに基づいて(S57:Yes)、「追加特殊」を付した新たなレコードを通知時刻管理データベースに生成する(S58)。管理プログラム37は、ステップS51で読み出した人情報及び検知日時に基づいて、時間帯を決定し、決定した時間帯の所定時間だけ前の時刻を通知時刻に決定し、決定した時間帯及び通知時刻を、新たに生成したレコードに登録する(S58)。管理プログラム37は、レコードを追加しないと判断すると(S57:No)、ステップS58の処理をスキップする。
【0142】
次に、管理プログラム37は、物体ID及び通知回数をレコードごとに検知物体管理データベース(図3(A)参照)から読み出す(S59)。管理プログラム37は、読み出した通知回数が、メモリ32に予め記憶された閾値回数以上であるか否かを判断する(S60)。すなわち、ステップS60では、登録済検知物体が、片付け通知情報を住人に閾値回数だけ通知しても放置されている検知物体であるか否かが判断される。片付け通知情報を繰り返し通知しても放置されている検知物体は、住人が意図して置いている物体である可能性が高い。住人が意図して置いている物体とは、鉢植えやインテリアなどである。ステップS60では、検知物体管理データベースに登録されている検知物体が、住人が意図して置いてある物であるか否かが、通知回数と閾値回数とを用いて判断される。閾値回数は、例えば3回から5回である。ステップS60の処理は、第5判断処理の一例である。
【0143】
管理プログラム37は、通知回数が閾値回数以上であると判断すると、ステップS59で読み出した物体IDで特定されるレコードに、「1」の除外フラグを登録する(S61)。「1」の除外フラグが登録されたレコードで特定される検知物体は、片付け対象から除外される。「1」の除外フラグを登録して登録済検知物体を片付け対象から除外するステップS61の処理は、第2除外処理の一例である。
【0144】
管理プログラム37は、通知回数が閾値回数以上でないと判断すると(S60:No)、ステップS61の処理をスキップする。
【0145】
管理プログラム37は、現在の日付から所定期間だけ前のレコード以外のレコードを生活スタイル等管理データベースから削除するレコード削除処理を実行する(S62)。すなわち、管理プログラム37は、ステップS51で読み出されるレコード以外の古いレコードを生活スタイル等管理データベースから削除する。
【0146】
[実施形態の作用効果]
管理プログラム37は、住宅設計データ管理データベースに登録された間取り情報と、3Dレーザセンサが検知した人情報(人位置情報)とに基づいて、動線及び居場所と推定される第1領域と、それ以外の第2領域とに室40を区分する。管理プログラム37は、3Dレーザセンサが検知した検知物体が第1領域に在る場合、当該検知物体を片付けが必要な物体に決定し、片付けが必要なことを示す片付け通知情報を出力する。したがって、片付け支援システム10は、住宅の間取り及び住人の生活スタイルに応じて片付けを支援することができる。
【0147】
本実施形態では、管理プログラム37は、時間帯ごとに第1領域を決定する(図3(C)参照)。したがって、片付け支援システム10は、時間帯ごとに第1領域を決定しない場合に比べ、更に適切に片付けを支援することができる。
【0148】
本実施形態では、管理プログラム37は、3Dレーザセンサの検知結果に基づいて「朝食準備」や「朝食」や「団欒」や「洗濯」等の時間帯を決定し(図3(D)参照)、決定した時間帯の所定時間だけ前の時刻を片付け情報を通知する通知時刻に決定する。したがって、片付け支援システム10は、生活スタイルに応じて片付け情報の通知時刻が変更されない場合に比べ、更に適切に片付けを支援することができる。
【0149】
本実施形態では、管理プログラム37は、室40ごとに、片付け情報を通知する通知時刻を決定する(図3(D)参照)。したがって、片付け支援システム10は、全ての室40において片付け情報を同時刻に通知する場合に比べ、更に適切に片付けを支援することができる。
【0150】
本実施形態では、間取り情報に登録された家具は、片付け対象から除外される。したがって、家具が片付け対象とされて片付け情報が通知されることが防止される。
【0151】
本実施形態では、物体高さが閾値高さ未満である検知物体は、片付け対象から除外される。すなわち、片付け支援システム10は、住人が躓くおそれのある物体のみを片付け対象として住人に通知することができる。
【0152】
本実施形態では、閾値時間以上の期間だけ放置された検知物体について、片付け情報が通知される。住人が閾値時間の経過前に検知物体を片付けると、片付け情報は通知されない。したがって、片付け情報がすぐに通知されて住人が煩わしく感じることが抑制される。
【0153】
本実施形態では、閾値回数だけ片付け情報が通知されたにも拘らず片付けられていない検知物体は、住人が意図しておいている物体であると推定して、片付け対象から除外される。したがって、片付け支援システム10は、住人が意図して置いている物体に対して閾値回数を超えて片付け情報が通知されることを防止することができる。
【0154】
本実施形態では、検知物体が放置されている場所と、検知物体が放置されている時間と、検知物体の高さとに基づいて検知物体にポイントが付けられ、付けられたポイントに応じて住人に通知される片付け情報の種別が変えられる。したがって、、検知物体が放置されている場所、検知物体が放置されている時間、及び検知物体の高さに基づいた適切な内容で住人に片付けを促すことができる。
【0155】
[変形例1]
上述の実施形態では、片付け通知画面が住人の通信端末13及びタッチパネル34に表示され、片付け報知情報を示す音声をスピーカに出力されることにより、住人に片付けを促す例が説明された。本変形例では、照明装置52によって、片付け対象の検知物体を照明することにより、当該検知物体の片付けを住人に促す例が説明される。
【0156】
図1に示されるように、照明装置52と、照明装置52を点灯させる照明駆動装置51とが、各室40や廊下や階段にそれぞれ設けられている。照明駆動装置51は、住宅に付設された商用交流電源と接続されて電力を供給される。照明駆動装置51は、供給された電力を、照明装置52の種別に応じた電力に変換して照明装置52に供給する。照明駆動装置51は、例えば照明装置がLED照明である場合、供給された交流電圧を所定の電圧値の直流電圧に変換するAC-DCコンバータである。照明駆動装置51は、有線或いは無線通信によって情報処理装置30と通信可能に接続されており、情報処理装置30から入力された駆動信号に基づいて駆動して照明装置52を点灯させる。
【0157】
図2に示されるように、照明装置52は、例えば複数のダウンライト53を有している。複数のダウンライト53は、室40の天井に、マトリクス状に配置されている。複数のダウンライト53は、例えば照明IDによって個々に識別され、個々に点灯可能となっている。一のダウンライト53は、室40の床42の細分化された複数の領域のうちの1つの領域を照明する。
【0158】
管理プログラム37は、監視処理(図5参照)において、ステップS47の処理に代えて、或いはステップS47の処理とともに、ダウンライト53を点灯させる点灯処理を実行する。詳しく説明すると、管理プログラム37は、ステップS20で読み出した物情報に基づいて、点灯させるダウンライト53を複数のダウンライト53から特定するライト特定処理を実行する。管理プログラム37は、特定したダウンライト53を点灯させる駆動信号を生成し、生成した駆動信号を照明駆動装置51に対して出力する。駆動信号は、片付け情報の一例である。駆動信号を出力する処理は、出力処理の一例である。
【0159】
[変形例1の作用効果]
本変形例では、片付けるべき検知物体を照明することにより、当該検知物体の片付けを住人に促すことができる。
【0160】
なお、本変形例では、照明装置52が複数のダウンライト53を備える例が説明されたが、照明装置52は、複数のダウンライトに代えて、光の照射向きを変更可能なスポットライトを備えていてもよい。その場合、管理プログラム37は、光の照射向きを指定する駆動信号を照明駆動装置51に入力する。当該駆動信号を入力された照明駆動装置51は、
駆動信号が示す向きでスポットライトを点灯させる。スポットライトは、片付け対象に決定された検知物体に光を照射して照明する。
【0161】
[変形例2]
上述の実施形態では、検知装置20として3Dレーザセンサが用いられてた例が説明された。本変形例では、3Dレーザセンサに代えて、ステレオカメラが用いられた例が説明される。
【0162】
図8(A)に示されるように、検知装置20は、リビングに設置されたステレオカメラ61、ダイニングに設置されたステレオカメラ62、キッチンに設置されたステレオカメラ63、和室に設置されたステレオカメラ64、玄関に設置されたステレオカメラ65、廊下に設置されたステレオカメラ66、寝室に設置されたステレオカメラ67など、各室40にそれぞれ設置された複数のステレオカメラを備える。
【0163】
ステレオカメラは、各室40の天井や、廊下及び玄関の天井に設置される。ステレオカメラは、並んで配置された2つのカメラを有する。当該2つのカメラは、イメージセンサを有するデジタルカメラである。ステレオカメラは、2つのカメラで同時に撮像を行う。各カメラがそれぞれ撮像した2つの画像では、2つのカメラの離間距離と、撮影対象までの距離とに応じた視差を生じる。2つのカメラの離間距離は一定値であるから、当該視差は、ステレオカメラから撮影対象までの距離に応じた値となる。
【0164】
管理プログラム37は、監視処理(図4参照)におけるステップS16において、上記視差から算出される距離を用いて、ステップS15で取得した人情報及び物情報を、3次元座標系の座標群に変換する。
【0165】
[変形例2の作用効果]
ステレオカメラを用いても、住人の検知及び物体の検知を行うことができる。
【0166】
[変形例3]
上述の実施形態では、検知装置20として3Dレーザセンサが用いられてた例が説明された。本変形例では、3Dレーザセンサに代えて、室40の天井及び壁面にそれぞれマトリクス状に配置された複数の測距センサが用いられる例が説明される。
【0167】
図8(B)及び図9に示されるように、検知装置20は、リビングの天井にマトリクス状に配置された複数の測距センサからなる測距センサ群71、リビングの壁にマトリクス状に配置された複数の測距センサからなる測距センサ群72、ダイニングの天井にマトリクス状に配置された複数の測距センサからなる測距センサ群73、ダイニングの壁にマトリクス状に配置された複数の測距センサからなる測距センサ群74、キッチンの天井にマトリクス状に配置された複数の測距センサからなる測距センサ群75、キッチンの壁にマトリクス状に配置された複数の測距センサからなる測距センサ群76、和室の天井にマトリクス状に配置された複数の測距センサからなる測距センサ群77、和室の壁にマトリクス状に配置された複数の測距センサからなる測距センサ群78など、複数の測距センサ群を備える。
【0168】
配置される測距センサの個数は、室40の大きさや、要求される検知精度に応じて、試行錯誤(トライアルアンドエラー)によって決められる。
【0169】
測距センサは、音波或いは超音波を放出し、検知対象物で反射された反射波を受信する音波センサや、レーザ光を照射し、検知対象物で反射された反射波を受信するレーザセンサや、電波を照射し、検知対象物で反射された反射波を受信するレーダなど、検知対象物までの距離を計測可能なセンサである。
【0170】
管理プログラム37は、監視処理(図4参照)のステップS12からステップS16に代えて、測距センサから取得した検知情報に基づいて、人情報及び物情報を算出する処理を実行する。詳しく説明すると、管理プログラム37は、測距センサから取得した検知情報に基づいて、物体及び人である検知対象物の位置及び形状を算出する。管理プログラム37は、検知情報の時間変化に基づいて、検知対象物が移動しているか静止しているかを判断する。管理プログラム37は、移動している検知対象物を「人」であると決定し、人であると決定した検知対象物の位置及び形状を人情報として生活スタイル等管理データベース(図3(C)参照)に登録する。管理プログラム37は、静止している検知対象物を「物体」であると決定し、物体であると決定した検知対象物の位置及び形状を物情報として検知物体管理データベース(図3(A)参照)に登録する。
【0171】
[変形例3の作用効果]
複数の測距センサを用いても、住人の検知及び物体の検知を行うことができる。
【0172】
[その他の変形例]
上述の実施形態では、リビングやダイニングやキッチンや和室などの各室40にそれぞれ3Dレーザセンサが設置された例が説明された。しかしながら、3Dレーザセンサは、1つの室40のみに設置されていてもよい。すなわち、片付け支援システム10は、住宅全体ではなく、1つの部屋の片付けのみを支援するシステムであってもよい。
【0173】
上述の実施形態では、検知物体の高さが閾値高さ以上である場合に片付け情報が住人に通知される例が説明された。しかしながら、閾値高さは、ゼロとされてもよい。その場合、検知物体の高さに拘らず、片付け情報が住人に通知される。
【0174】
上述の実施形態では、放置時間が閾値時間以上である場合に片付け情報が住人に通知される例が説明された。しかしながら、閾値時間は、ゼロとされてもよい。その場合、検知物体の報知時間に拘らず、片付け情報が住人に通知される。
【0175】
上述の実施形態では、片付け情報を住人に通知する通知時刻は、管理プログラム37によって決定されて通知時刻管理データベース(図3(D)参照)に登録される例が説明された。しかしながら、通知時刻は、住人によって決定されて通知時刻管理データベースに登録されてもよい。管理プログラム37は、タッチパネル34を通じて住人による通知時刻の入力を受け付け、入力された通知時刻を通知時刻管理データベースに登録する。その場合、通知時刻は、生活項目ごとに登録されてもよいし、室名ごとに登録されてもよい。
【0176】
上述の実施形態では、片付け情報の通知回数が閾値回数以上になったことに基づいて、除外フラグが「1」にされて検知物体が片付け対象から除外される例が説明された。しかしながら、住人の指示に基づいて、除外フラグが「1」にされて検知物体が片付け対象から除外されてもよい。例えば、通信端末13やタッチパネル34に表示される片付け通知画面(図7参照)には、検知物体を片付け対象から除外する指示を受け付けるアイコンが設けられる。当該アイコンの選択を受け付けた通信端末13は、検知物体を片付け対象から除外する指示をインターネット11を通じて、或いは近接無線通信により、情報処理装置30に送信する。当該指示は、片付け通知画面に表示された室名を含む。管理プログラム37は、当該指示を通信インタフェース35或いはタッチパネル34を通じて取得したことに基づいて、当該指示に含まれる室名の室40において検知されている検知物体に対して「1」の除外フラグを登録し、当該検知物体を片付け対象から除外する。なお、当該指示には、検知物体を指定する情報が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。当該指示に検知物体を指定する情報が含まれていない場合、当該指示に含まれる室名の室40において検知されている全ての検知物体に対して「1」の除外フラグが登録される。
【0177】
[付記1]
住宅の室内に置かれた物体の当該室内での位置を示す物体位置情報及び当該室内での住人の位置を示す住人位置情報を出力する検知装置と、
室内の間取り情報を記憶するメモリと、
コントローラと、を備えており、
上記コントローラは、
上記住人位置情報及び上記間取り情報に基づいて、上記室内を、片付けが必要な第1領域及びその他の第2領域に区分する領域区分処理と、
上記物体位置情報に基づいて、検知物体が上記第1領域にあるか上記第2領域にあるかを判断する第1判断処理と、
検知物体が上記第1領域にあると判断したことに基づいて、当該検知物体を片付け対象に決定する決定処理と、
上記決定処理で片付け対象に決定した検知物体の片付けを住人に促す片付け情報を出力する出力処理と、を実行する、片付け支援システム。
【0178】
[付記2]
上記領域区分処理は、
上記住人位置情報が検知された時刻に更に基づいて、1日を区分けした時間帯ごとに上記第1領域及び上記第2領域に室内を区分する処理であり、
上記第1判断処理は、
上記物体位置情報と、当該物体位置情報が検知された時刻が属する時間帯とに基づいて、検知物体が上記第1領域にあるか上記第2領域にあるかを判断する処理である、付記1に記載の片付け支援システム。
【0179】
[付記3]
上記コントローラは、
上記住人位置情報及び上記間取り情報に基づいて、上記出力処理を実行する時刻である片付け情報出力時刻を決定する出力時刻決定処理を更に実行する、付記1に記載の片付け支援システム。
【0180】
[付記4]
住宅の複数の室にそれぞれ上記検知装置が設けられており、
上記出力時刻決定処理は、室ごとに上記片付け情報出力時刻を決定する処理であり、
上記決定処理は、室ごとに検知物体を片付け対象に決定する処理であり、
上記出力処理は、片付け対象に決定された検知物体が在る室に対して決定された上記片付け情報出力時刻に現在時刻がなったことに基づいて、上記片付け情報を出力する処理である、付記3に記載の片付け支援システム。
【0181】
[付記5]
上記間取り情報は、上記室内に配置された家具の位置情報を有しており、
上記コントローラは、
上記間取り情報に基づいて、検知物体が上記家具であるか否かを判断する第2判断処理と、
上記家具であると判断したことに基づいて、当該家具であると判断した検知物体を上記第1判断処理における判断対象から除外し、或いは当該家具であると判断した検知物体を片付け対象から除外する第1除外処理と、を更に実行する、付記1に記載の片付け支援システム。
【0182】
[付記6]
上記検知装置は、検知物体の床からの高さである物体高さを更に検知可能であり、
上記コントローラは、
上記物体高さが上記メモリに記憶された閾値高さ以上であるか否かを判断する第3判断処理を更に実行し、
上記決定処理は、
上記第1判断処理において検知物体が上記第1領域にあると判断し、且つ上記第3判断処理において上記物体高さが上記閾値高さ以上であると判断したことに基づいて、当該第1領域にある検知物体を片付け対象に決定する処理である、付記1に記載の片付け支援システム。
【0183】
[付記7]
上記コントローラは、
上記検知装置が検知した検知物体の放置時間を算出する放置時間算出処理と、
上記放置時間が上記メモリに記憶された閾値時間以上であるか否かを判断する第4判断処理と、を更に実行し、
上記決定処理は、
上記第1判断処理において検知物体が上記第1領域にあると判断し、且つ上記第4判断処理において上記放置時間が上記閾値時間以上であると判断したことに基づいて、当該第1領域にある検知物体を片付け対象に決定する処理である、付記1に記載の片付け支援システム。
【0184】
[付記8]
上記コントローラは、
上記片付け情報を出力した回数である出力回数が、メモリに記憶された閾値回数以上であるか否かを判断する第5判断処理と、
上記出力回数が上記閾値回数以上であると判断したことに基づいて、検知物体を片付け対象から除外する第2除外処理と、を更に実行する、付記1に記載の片付け支援システム。
【0185】
[付記9]
上記コントローラは、
検知物体が検知された位置に応じたポイントと、検知物体が放置された時間に応じたポイントと、検知物体の物体高さに応じたポイントとのうち、少なくとも1つのポイントを決定するポイント決定処理を更に実行し、
上記出力処理は、
決定した上記ポイントに応じた種別の上記片付け情報を出力する処理である、付記1に記載の片付け支援システム。
【0186】
[付記10]
上記室の天井に配置されており、当該室の床の一部のみを照明可能な照明装置と、
上記照明装置を駆動させる照明駆動装置と、を更に備えており、
上記出力処理は、
上記片付け対象に決定した検知物体の位置を照明エリアとして点灯させる駆動信号を上記照明駆動装置に対して出力する処理である、付記1に記載の片付け支援システム。
【符号の説明】
【0187】
10・・・片付け支援システム
11・・・インターネット
12・・・基地局
13・・・通信端末
20・・・検知装置
21~27・・・3Dレーザセンサ
30・・・情報処理装置
31・・・CPU
32・・・メモリ
33・・・クロックモジュール
34・・・タッチパネル
35・・・通信インタフェース
36・・・OS
37・・・管理プログラム
38・・・人/物判断プログラム
39・・・スピーカ
40・・・室
51・・・照明駆動装置
52・・・照明装置
61~67・・・ステレオカメラ
71~78・・・測距センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9