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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107542
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】給水配管器具の支持部材
(51)【国際特許分類】
   E03B 7/07 20060101AFI20240802BHJP
   F16L 3/00 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
E03B7/07 Z
F16L3/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011518
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000201593
【氏名又は名称】前澤給装工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073623
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 幸吉
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100098246
【弁理士】
【氏名又は名称】砂場 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 学
【テーマコード(参考)】
3H023
【Fターム(参考)】
3H023AA02
3H023AB07
3H023AC02
3H023AD38
3H023AE07
(57)【要約】
【課題】給水配管器具としてメータユニットを使用した場合には、メータユニット専用の止水栓や逆止弁を必要とし、漏水・メンテナンス等の対応が困難になるといった問題があった。
【解決手段】ベース2と固定金具31、32を両端に設備した支持部材1により、ねじ接合によるナット接続式の止水栓Sや逆止弁Wを挟着支持するようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端に締着片を形成し、被着部位を包着する形状の着接本体と、これを繋ぐ中間体から成る固定金具を、ベースの両端に設備した支持部材により止水栓や逆止弁の被着部位を挟着支持することを特徴とする給水配管器具の支持部材。
【請求項2】
止水栓や逆止弁の被着部が当接する回り止め構造を固定金具に形成した請求項1記載の給水配管器具の支持部材。
【請求項3】
ベースの止水栓や逆止弁の被着部位を、U字状の凹陥スペースに構成した請求項1記載の給水配管器具の支持部材。
【請求項4】
固定金具とベースの係止構造を、固定金具両端の締着片の両方又は一方を締着片から外側に張出す切れ込み部をベースの受け孔に挿通して係止する構造とした請求項1記載の給水配管器具の支持部材。
【請求項5】
固定金具とベースの係止構造を、固定金具両端の締着片の両方又は一方を締着片終端の外側に張出す突段張出部をベースの受け孔に挿通して係止する構造とした請求項1記載の給水配管器具の支持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、止水栓や逆止弁で構成される給水配管において、メータユニット専用の止水栓や逆止弁を必要とせず、ねじ接合によるナット接続式の止水栓や逆止弁を直接使用するようにした給水配管器具の支持部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来メータユニットは、特許文献1記載発明のようにメータユニット専用に設計されたボール止水栓や逆止弁を専用のベースに取付けて構成されてきており、そのボール止水栓や逆止弁は、単体で製品として機能するナット接続式とは異なり、メータユニット専用のボール止水栓や逆止弁となっている。
そのため、メータユニット専用の止水栓や逆止弁をボルトやナット等で専用のベースに固定する構造では、漏水時の急を要する事態や維持管理時に異常が発見された場合に迅速な対応が困難であるという問題があった。
【0003】
また、特許文献2記載発明は、一次側配管及び二次側配管の撓みを抑制し、水道メータ等との接続性を良くするため、流路の上流側に一次側配管50a及び一次側配管に対して下流側に配される二次側配管50bを支持する配管支持ユニットを設定するようにしている。しかし、この構成は、使用材料の増加、配管の接続方向の自由度の抑制の問題に繋がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-190147号公報
【特許文献2】特開2022-1780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、従来のメータユニットは、一次側配管及び二次側配管の撓みを抑制し、水道メータ等との接続性を良くするために、メータユニット専用に設計された止水栓や逆止弁を専用のベースに取付けて構成する必要があり、複雑な構造のため緊急時や異常発見時に簡単に対応できないと共に、使用材料の増加や無駄な労力や費用の発生を招くものである。
【0006】
更に、配管支持ユニットの設定のためのエルボ部材の使用が、配管の接続方向の自由度を拘束し、他の給水配管等との接続施工に自由な設計を拘束する問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記した問題に対応しようとするものであり、両端に締着片を形成した給水配管器具を包着する形状の着接本体と、着接本体と締着片を繋ぐ中間体とから成る固定金具を、ベースの両端に設備した支持部材により止水栓や逆止弁を挟着支持するようにした。
【0008】
更に、ベースの止水栓や逆止弁を支持するスペース2dの形状をU字状として、止水栓や逆止弁の本体ねじ部を固定金具の着接本体のスペースに挿通する形状とし、固定金具とベースとボルトやナットで止水栓や逆止弁を挟着支持できるようにした。
【0009】
また、固定金具には、ベースのスペース2dと対峙して着接本体や締着片から成る、他の給水配管との接続時に止水栓や逆止弁が回転するのを防止するための回り止め構造を備えるようにした。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記のように構成したので、メータユニット専用の止水栓や逆止弁を必要とせず、従来のナット接続式の止水栓や逆止弁を使用できるので、漏水・メンテナンス等の対応が容易になる。また、止水栓や逆止弁をメータユニット専用のものとしないで済むので、コストダウン・在庫管理の費用を削減できる効果がある。
【0011】
更に、施工面では、他の給水配管との接続時に止水栓や逆止弁が回転せず、施工が容易になると共に、エルボ部材を使用しないので、流路がL字状のアングル型止水栓を使用した場合にも配管接続方向の自由度を高める効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例を示すもので、本発明による給水配管器具の支持部材に給水配管器具(止水栓、逆止弁、水道メータ)を支持した状態を示す全体正面図である。
図2】同じく、図1での水道メータの図示を省略した全体平面図である。
図3】同じく、図1の全体平面図における支持部材の構造を示す図2の指示線D-Dによる支持部材のD-D断面図である。
図4】同じく、図1全体正面図の右側面図である。
図5】同じく、図1全体正面図における支持部材の止水栓固定金具の構造を示す図1の指示線A-Aによる要部A-A断面図である。
図6】同じく、図1全体正面図における支持部材のベースの構造を示す図1の指示線B-Bによる要部B-B断面図である。
図7】同じく、図1全体正面図における支持部材のベースの構造を示す図1の指示線C-Cによる要部C-C断面図である。
図8】同じく、ベース部材の全体構造を示すもので、(1)は正面図、(2)は左側面図、(3)は右側面図、(4)は平面図、(5)は(4)の指示線A-AによるA-A断面図である。
図9】同じく、止水栓固定金具の構造を示すもので、(1)は正面図、(2)は左側面図、(3)は右側面図である。
図10】同じく、止水栓固定金具の構造を示すもので、図9(1)の平面図である。
図11】同じく、止水栓固定金具の構造を示すもので、図9(2)の指示線A-AによるA-A断面図である。
図12】同じく、逆止弁固定金具の構造を示すもので、(1)は正面図、(2)は左側面図、(3)は右側面図である。
図13】同じく、逆止弁固定金具の構造を示すもので、図12(1)の平面図である。
図14】同じく、逆止弁固定金具の構造を示すもので、図12(3)の指示線A-AによるA-A断面図である。
図15】同じく、固定金具の固定構造の変形例を示すもので、(1)は固定締着状態を示す正面図、(2)は同左側面図、(3)は同右側面図、(4)は同平面図である。
図16】同じく、図15による変形例を形成する各部材の構成を示すもので、(1)は固定金具の正面図、(2)は同右側面図、(3)は同平面図、(4)はベースの逆止弁固定金具の取付け側締着体を1次側から見た場合の右側面図、(5)は(4)の指示線A-AによるA-A断面図である。
図17】同じく、固定金具の固定構造の変形例を示すもので、(1)は固定締着状態を示す正面図、(2)は同左側面図、(3)は同右側面図、(4)は同平面図である。
図18】同じく、図17による変形例を形成する各部材の構成を示すもので、(1)は固定金具の正面図、(2)は同右側面図、(3)は同平面図、(4)はベースの逆止弁固定金具の取付け側締着体を1次側から見た場合の右側面図、(5)は(4)の指示線A-AによるA-A断面図である。
図19】同じく、固定金具の固定構造の変形例を示すもので、(1)は固定締着状態を示す正面図、(2)は同左側面図、(3)は同右側面図、(4)は同平面図である。
図20】同じく、図19による変形例を形成する各部材の構成を示すもので、(1)は固定金具の正面図、(2)は同右側面図、(3)は同平面図、(4)はベースの逆止弁固定金具の取付け側締着体を1次側から見た場合の右側面図、(5)は(4)の指示線A-AによるA-A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
1は給水配管器具を挟着支持する支持部材で、ベース2の両端に水道メータMと接続する止水栓Sに着接する固定金具31と、逆止弁Wに着接する固定金具32がボルトとナットでベース2に取付けられている。
【0014】
支持部材1は、平板状部材の両端を立ち上げたベース2と固定金具31、32とステンレス製のボルトとナットで構成されている。ベース2と固定金具31、32は、溶融亜鉛にアルミニウム・マグネシウムを加えたメッキ処理を施した熱間圧延軟鋼板を主材として形成されている。
【0015】
ベース2には、固定金具31、32を取付けるためのボルトが挿通する孔がある締着体2cがベースの両端に形成されている。ベース2の板面上には、図2に示すような流水方向を示す矢印表示2aが肉抜き形成され軽量化されるほか、設置される水道メータの流水方向を規制する規制機構板2bなども形成される。
【0016】
止水栓固定金具31は、両端に締着片31c、31cを形成した止水栓を包着する形状の着接本体31aと、着接本体31aと締着片31cを繋ぐ中間部31bとから成り、給水配管を構成する止水栓Sを包着し、支持するものである。
【0017】
逆止弁固定金具32は、両端に締着片32c、32cを形成した逆止弁を包着する形状の着接本体32aと、着接本体32aと締着片32cを繋ぐ中間部32bとから成り、給水配管を構成する逆止弁Wを包着し、支持するものである。
【0018】
固定金具31、32には、それぞれ、図示しない他の給水配管器具との接続時に止水栓や逆止弁が回転するのを防止するために、回り止め構造31d、32dが備えられている。着接本体31aから繋がる止水栓の回り止め構造31dは、止水栓の栓棒部に当接することで、止水栓の回り止めとしている。更に、締着片32cに繋がる逆止弁の回り止め構造32dが逆止弁の本体部に当接することで、逆止弁の回り止めとしている。なお、止水栓や逆止弁の回り止め構造として中間体を利用することもできる。
【0019】
本発明は、以上のように構成したので、メータユニット専用の止水栓や逆止弁を必要とせず、従来のナット接続式の止水栓や逆止弁を使用できるものであるが、支持部材と固定金具の固定構造については、更に、効率的且つ合理的な変形固定構造が存在するので、以下、これについて説明する。
【0020】
図15、16は、固定金具の固定構造の変形例を示すものである。変形例を逆止弁固定金具の側を例として説明する。前記固定構造としては、両端に締着片32cを形成した着接本体32aと、中間部32bとから成る固定金具を、ベースの両端に設備した締着体2cにボルトとナットで逆止弁を挟着支持するものである。変形例は、ベース2の締着体2cに形成した受け孔32fに固定金具の切れ込み部32gが通過すると、切れ込み部の後端32eが再び張出し、ベースの締着体に係止されるようにしたものである。
【0021】
即ち、逆止弁を包接してコの字型に屈曲する固定金具の中間体の両終端部の端部に、コの字型の切れ込みを入れ、切れ込み部32gがそれぞれ外側に張出すように転曲させる。このように構成した切れ込み部の両切れ込み部の後端32eを中間体側に窄めるようにして、ベースの締着体の受け孔32fを挿通する。
【0022】
挿通により締着体の両受け孔32fに切れ込み部の後端32eが通過すると、転曲されている切れ込み部32gがそれぞれ外側に張出し、特別な係止操作を行うことなく、固定金具による逆止弁の支持が行われるものである。
【0023】
更なる変形例は、図17、18に図示するもので、コの字型に屈曲する固定金具の中間体の終端部を単純に外側屈曲させ、受け孔32hの端部に引っ掛けるだけの構造として安定させると共に、加工労力の削減を図るものである。固定構造の他方は、前記と同構造としているが、任意の固定構造を選択できる。
【0024】
更なる変形例は、図19、20に図示するもので、コの字型に屈曲する固定金具の中間体の両終端部に、それぞれの外側に張出す突段張出部32iを形成し、両終端部を逆止弁のねじ部を挿通する側に窄めるようにして、ベースの締着体に形成した受け孔32jに挿通する。
【0025】
挿通により締着体の両終端部受け孔に突段張出部32iが通過すると、内側に撓められた突段張出部32iがそれぞれ外側に張出し、特別な係止操作を行うことなく、固定金具による逆止弁の支持が行われるものである。
【0026】
なお、ベースと固定金具の前記固定構造の組合せは自由に選択でき、止水栓側にも適用できる。また、止水栓固定金具と逆止弁固定金具を同形状として兼用するとコストダウン・在庫管理が更に容易になる。
【0027】
本発明は、上記のように構成したので、メータユニット専用の止水栓や逆止弁を必要とせず、従来のナット接続式の止水栓や逆止弁を使用できるので、漏水・メンテナンス等の対応が容易になる。また、止水栓や逆止弁をメータユニット専用のものとしないで済むので、コストダウン・在庫管理の費用を削減できた。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本願発明に係る給水配管器具の支持部材は、メータユニット専用の止水栓や逆止弁を必要とせず、従来のねじ接合によるナット接続式の止水栓や逆止弁を使用できるので、漏水・メンテナンス等の対応が容易になる。また、止水栓や逆止弁をメータユニット専用のものとしないで済むので、水道施設産業上に高度の利用価値を有するものである。
【符号の説明】
【0029】
1 給水配管器具を挟着支持する支持部材
2 平板状部材の両端を立ち上げたベース
2a 矢印表示
2b 規制機構板
2c 締着体
2d スペース
31 止水栓固定金具
31a 止水栓固定金具の着接本体
31b 止水栓固定金具の中間部
31c 止水栓固定金具の締着片
31d 止水栓固定金具の回り止め構造
32 逆止弁固定金具
32a 逆止弁固定金具の着接本体
32b 逆止弁固定金具の中間部
32c 逆止弁固定金具の締着片
32d 逆止弁固定金具の回り止め構造
32e 切れ込み部の後端
32f ベースの受け孔
32g 固定金具の切れ込み部
32h ベースの受け孔
32i 固定金具の突段張出部
32j ベースの受け孔
M 水道メータ
S 止水栓
W 逆止弁


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20