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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107545
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】ボトルキャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/14 20060101AFI20240802BHJP
【FI】
B65D47/14 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011525
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100143786
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 宏子
(72)【発明者】
【氏名】坂田 耕太
(72)【発明者】
【氏名】當麻 徹
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084DA01
3E084DB12
3E084EA03
3E084EB02
3E084EB03
3E084FA09
3E084FB01
3E084FC07
3E084GA01
3E084GB01
3E084HA05
3E084HB04
3E084HD01
3E084HD04
3E084JA08
3E084JA13
3E084JA16
3E084KA13
3E084KB01
3E084LA12
(57)【要約】
【課題】ウォーターサーバーに取り付けた状態において、ボトルに充填した液体中での部品の浮遊を防止することができるボトルキャップを提案する。
【解決手段】ボトルキャップ1は、ボトルBの口部B3を取り囲んで口部B3に保持される外周壁部2aと、ウォーターサーバーWの挿入軸W2が差し込まれる外側開口2gを有し外周壁部2aにつながる天壁部2fと、外側開口2gを取り囲んで口部B3の内側を延伸し、外側開口2gに対向する内側開口2kを有する内周壁部2hと、内側開口2kを閉鎖して内周壁部2hに着脱可能に保持される蓋部3cと、内周壁部2hに脱離不能に保持される保持部3aと、蓋部3cと保持部3aとをつなぎ、保持部3aに対して蓋部3cが離れる向きに伸張可能な中間部3fと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォーターサーバー用ボトルの口部に装着されるボトルキャップであって、
前記口部を取り囲んで該口部に保持される外周壁部と、
ウォーターサーバーの挿入軸が差し込まれる外側開口を有し、前記外周壁部につながる天壁部と、
前記外側開口を取り囲んで前記口部の内側を延伸し、該外側開口に対向する内側開口を有する内周壁部と、
前記内側開口を閉鎖して前記内周壁部に着脱可能に保持される蓋部と、
前記内周壁部に脱離不能に保持される保持部と、
前記蓋部と前記保持部とをつなぎ、該保持部に対して該蓋部が離れる向きに伸張可能な中間部と、を備えるボトルキャップ。
【請求項2】
前記中間部は、
前記保持部と前記蓋部との間に位置し、前記内周壁部を取り囲む少なくとも1つのリング部と、
前記保持部と前記リング部とを伸張可能に連結する伸張部、前記リング部と前記蓋部とを伸張可能に連結する伸張部、及び前記リング部同士を伸張可能に連結する伸張部、のうちの少なくとも一つと、を備える請求項1に記載のボトルキャップ。
【請求項3】
前記伸張部は、前記内周壁部の外周面に沿って湾曲し、且つ周方向の一方側に延在した後に折り返して周方向の他方側に延在する形状をなす、請求項2に記載のボトルキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォーターサーバー用ボトルの口部に装着されるボトルキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料水等の液体を充填したボトルが取り付けられ、この液体を冷却、加熱、又は温度調節無しに注ぎ口から吐出させることができるウォーターサーバーが知られている。このようなウォーターサーバーに使用されるボトルには、液体を充填した後、ボトルの口部にボトルキャップが装着される(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に示されたボトルキャップは、容器1に装着されるキャップ40と、キャップ40に設けた貫通孔41に嵌められる栓42を備えている。そして容器1をウォーターサーバーに取り付けると、ウォーターサーバーに設けた挿入軸(導水管11)が貫通孔41に挿入されてこの挿入軸が栓42を押上げ、これにより栓42が貫通孔41から外れて挿入軸がボトルの内側に差し込まれた状態になる。ここで挿入軸には液体が通過する開口が設けられているため、ボトルに充填された液体は、この開口を通過してウォーターサーバーに供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5317104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで貫通孔41から外れた栓42は、ボトルに充填した液体中を浮遊することになる。このため、例えばウォーターサーバーの使用頻度が少ない使用者に対し、本来は外れることのない部品が外れてしまったと誤解を与えるおそれがある。また液体中で部品が浮遊することは、見た目においても好ましいとはいえない。
【0006】
このような点に鑑み、本発明は、ウォーターサーバーに取り付けた状態において、ボトルに充填した液体中での部品の浮遊を防止することができるボトルキャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ウォーターサーバー用ボトルの口部に装着されるボトルキャップであって、
前記口部を取り囲んで該口部に保持される外周壁部と、
ウォーターサーバーの挿入軸が差し込まれる外側開口を有し、前記外周壁部につながる天壁部と、
前記外側開口を取り囲んで前記口部の内側を延伸し、該外側開口に対向する内側開口を有する内周壁部と、
前記内側開口を閉鎖して前記内周壁部に着脱可能に保持される蓋部と、
前記内周壁部に脱離不能に保持される保持部と、
前記蓋部と前記保持部とをつなぎ、該保持部に対して該蓋部が離れる向きに伸張可能な中間部と、を備えるボトルキャップである。
【0008】
前記中間部は、
前記保持部と前記蓋部との間に位置し、前記内周壁部を取り囲む少なくとも1つのリング部と、
前記保持部と前記リング部とを伸張可能に連結する伸張部、前記リング部と前記蓋部とを伸張可能に連結する伸張部、及び前記リング部同士を伸張可能に連結する伸張部、のうちの少なくとも一つと、を備えることが好ましい。
【0009】
前記伸張部は、前記内周壁部の外周面に沿って湾曲し、且つ周方向の一方側に延在した後に折り返して周方向の他方側に延在する形状をなすことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
上記のような構成になる本発明のボトルキャップによれば、外側開口に挿入されたウォーターサーバーの挿入軸が蓋部を押上げると、中間部が伸張して蓋部が内周壁部から外れるため、挿入軸とボトルの内側とが連通して充填した液体をウォーターサーバーに供給させることができる。また内周壁部から外れた蓋部は、内周壁部に脱離不能に保持される保持部に対して中間部を介してつながっているため、ボトルに充填した液体中での蓋部の浮遊を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るボトルキャップの一実施形態を示した図であって、ボトルの口部に装着した状態での半断面図である。
図2図1に示したボトルをウォーターサーバーに取り付けて挿入軸が蓋部に接触した状態について示した図である。
図3図2に示した状態での中栓部材の断面図である。
図4図2に示した状態の後、挿入軸が蓋部を押上げた状態について示した図である。
図5図4に示した状態での中栓部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るボトルキャップの一実施形態について説明する。なお本明細書等における上下方向とは、図示した軸線Oに沿う方向である。また径方向とは、軸線Oに対して垂直な面内で軸線Oと直交する方向であり、周方向とは、この面内で軸線Oを中心として周回する方向である。
【0013】
図1に示すように本実施形態のボトルキャップ1は、キャップ本体2と、中栓部材3と、パッキン4と、シート5を備えていて、ボトルBに装着して使用される。
【0014】
まず、図1を参照しながらボトルBについて説明する。本実施形態のボトルBは、不図示の底部につながる胴部B1と、胴部B1につながるとともに図示したように上方に向かうにつれて縮径する肩部B2と、肩部B2につながる円筒状の口部B3とを備えている。口部B3の外周面には、雄ねじ部B4と、雄ねじ部B4の下方に位置する円環状の突起(ストッパーB5)が設けられている。ボトルBの内側には、飲料水等の液体が充填される充填空間Sが設けられている。
【0015】
キャップ本体2は、図1に示すように口部B3を取り囲む円環状の外周壁部2aを備えている。外周壁部2aの内周面には、雄ねじ部B4に螺合する雌ねじ部2bが設けられている。そして外周壁部2aの下方には、円環状になる環状壁部2cが設けられている。環状壁部2cの内周面には、環状壁部2cに対して折り返されるように弾性変形可能な折り返し片2dが設けられている。そして外周壁部2aと環状壁部2cとの間には、環状壁部2cと外周壁部2aとを破断可能に連結する弱化部2eが設けられている。弱化部2eは、意図して力を加えると破断するものであればよい。弱化部2eの一例としては、周方向に間隔をあけて外周壁部2aと環状壁部2cとを連結するものや、外周壁部2a及び環状壁部2cよりも厚みが薄くなるものが挙げられる。
【0016】
またキャップ本体2は、外周壁部2aの上端部につながる天壁部2fを備えている。天壁部2fの中央部には、円形状になる外側開口2gが設けられている。
【0017】
更にキャップ本体2は、円筒状になる内周壁部2hを備えている。内周壁部2hは、外側開口2gを取り囲んで天壁部2fにつながっていて、キャップ本体2を口部B3に取り付けた状態において口部B3の内側を延伸する。内周壁部2hは、その先端部(下端部)において、内周壁部2hにつながっていて、後述する蓋部3cを保持する保持壁部2jを備えている。保持壁部2jは、外周面は内周壁部2hの外周面に揃う一方、内周面は内周壁部2hの内周面よりも径方向外側に位置していて、内周壁部2hよりも厚みが薄くなっている。そして保持壁部2jの径方向内側には、外側開口2gに対向する内側開口2kが設けられている。
【0018】
中栓部材3は、円環状になる保持部3aを備えている。保持部3aは、内周壁部2hに挿入可能であって、挿入した内周壁部2hに嵌合等によって脱離不能に保持される。なお、本明細書等で脱離不能とは、後述するウォーターサーバーにボトルBを取り付けて充填空間Sの液体を吐出させる通常の使用状態で脱離しないという意味であり、例えば分別廃棄等のために力を加えた場合でも脱離しないという意図ではない。図1に示すように保持部3aの上端部には、径方向外側に向けて突出するフランジ部3bが設けられている。
【0019】
また中栓部材3は、蓋部3cを備えている。図1に示すように本実施形態の蓋部3cは、円板状になる閉鎖壁部3dと、閉鎖壁部3dの外縁部につながっていて、そこから下方に向けて延在した後、径方向外側に向けて延在し、それから上方に向けて延在する断面視U字状になる蓋保持部3eを備えている。蓋保持部3eにおける凹状になる部位には、上述した保持壁部2jが挿入可能であって、保持壁部2jを挿入した状態で蓋保持部3eは、保持壁部2jに対して着脱可能に保持される。閉鎖壁部3dの上面には、径方向に向かって延在する溝部3jが設けられている。
【0020】
また中栓部材3は、図1図3図3では図1に示した中栓部材3を上下を逆にして示して)に示すように、保持部3aと蓋部3cの間に位置する中間部3fを備えている。本実施形態の中間部3fは、内周壁部2hの外側を周回する円環状であって、内径は内周壁部2hの外径よりも若干大きくなるリング部3gを備えている。図示例においてリング部3gは、上下方向に間隔をあけて合計2つ設けられていて、保持部3a寄りに位置するリング部3gと保持部3aとの間隔、2つのリング部3g同士の間隔、及び蓋部3c寄りに位置するリング部3gと蓋部3cとの間隔は、略等しくなっている。
【0021】
更に中間部3fは、通常時は図1図3に示すような形状である一方、上下方向に力を加えると、図5に示すように上下方向に伸張する伸張部3hを備えている。本実施形態の伸張部3hは、図3に示すように、保持部3aとリング部3gとの間、2つのリング部3g同士の間、及び蓋部3cとリング部3gとの間に設けられている。3つの伸張部3hは何れも、リング部3gと同様に内周壁部2hの外側に位置していて、内周壁部2hの外周面に沿って湾曲している。また伸張部3hは、側方からの視点では、図3において蓋部3cとリング部3gの間に示されているもののように、蓋部3cにつながる部位から周方向の一方側に延在し(図3では、蓋部3cから左側に向かって下側に円弧を描くように延在し)、その後、円弧を描くようにして折り返し、更に周方向の他方側に延在し(図3では、右側に向かって上側に円弧を描くように延在し)、リング部3gにつながるように形作られている。なお、蓋部3cとリング部3gとの間に設けられる伸張部3hと保持部3aとリング部3gとの間に設けられる伸張部3hの向きは同一であるが、2つのリング部3g同士の間に設けられる伸張部3hは、これらとは逆向きである。
【0022】
パッキン4は、図1に示すように、円環板状になる本体部4aと、本体部4aから軸線Oに沿って延在する円環状のシール部4bを備えている。
【0023】
シート5は、外側開口2gを覆う大きさで形作られている。シート5の片面は粘着性を有していて、天壁部2fの上面にシート5を貼着させることができる。シート5で外側開口2gを覆うことによって、埃等が外側開口2gから内周壁部2hの内側に入り込むことを防止することができる。
【0024】
これらの部材によって構成されるボトルキャップ1を組み立てるにあたっては、キャップ本体2の内周壁部2hに対し、図1に示す向きでパッキン4を挿入する。パッキン4の本体部4aは、外周壁部2aと内周壁部2hに嵌合するように形作られていて、これによりパッキン4はキャップ本体2に保持される。
【0025】
そしてキャップ本体2に中栓部材3を取り付けるにあたっては、保持部3aに内周壁部2hを挿入して、保持部3aを内周壁部2hに嵌合させる。これにより保持部3aは、内周壁部2hに対して脱離不能に保持される。保持部3aにはフランジ部3bが設けられていて、フランジ部3bに指をかけて保持部3aを押し込むことができるため、保持部3aを内周壁部2hに確実に嵌合させることができる。またキャップ本体2に中栓部材3を取り付ける際は、蓋保持部3eの内側に保持壁部2jを挿入して蓋保持部3eを押し込み、保持壁部2jと蓋保持部3eとを嵌合させる。これにより蓋部3cは、キャップ本体2に対して着脱可能に保持される。なお、中間部3fにおけるリング部3g及び伸張部3hと内周壁部2hとの間には、若干の隙間があいている。従ってキャップ本体2に中栓部材3を取り付ける際、内周壁部2hに対して中間部3fを抵抗なく移動させることができる。
【0026】
その後は、シート5を天壁部2fの上面に貼着することで、ボトルキャップ1が完成する。そしてボトルキャップ1をボトルBに装着するにあたっては、キャップ本体2を口部B3に被せた後、キャップ本体2を回転させて雄ねじ部B4に雌ねじ部2bを螺合させればよい。なおシート5は、キャップ本体2を口部B3に装着した後に貼着してもよい。
【0027】
なお、中間部3fにおける保持部3aとリング部3gの外径は、保持部3aと蓋部3cの外径と略同一である。そしてフランジ部3bの外径は、図1に示すように口部B3の内径よりも小さくなっている。このため、ボトルキャップ1をボトルBに装着する際、保持部3aやリング部3gが口部B3に引っ掛かったり、フランジ部3bが口部B3に擦ったりすることがなく、ボトルキャップ1をボトルBに良好に装着することができる。
【0028】
また、キャップ本体2を口部B3に被せる際、折り返し片2dは、図1に示すように環状壁部2cに対して折り返されるようにしておく。この状態で雄ねじ部B4と雌ねじ部2bを完全に締め付けると、ストッパーB5を通過する際に径方向外側に向けて弾性変形していた折り返し片2dは、ストッパーB5を通過した後に径方向内側に向けて復元し、図示したようにストッパーB5に係合する。すなわち、一旦装着したキャップ本体2を口部B3から取り外そうとしてキャップ本体2を回転させると、雌ねじ部2bが雄ねじ部B4に螺合するキャップ本体2は上昇する一方、ストッパーB5に係合する折り返し片2dによって環状壁部2cは上昇することができないため、弱化部2eは破断することになる。すなわち、キャップ本体2の不正な開封があった場合でも、弱化部2eの破断の有無によって確認することができる。
【0029】
次に、図2に示したウォーターサーバーWに、ボトルキャップ1を装着したボトルBを取り付ける方法について説明する。なお図2は、ボトルキャップ1、ボトルB、及びウォーターサーバーWを、上述した軸線Oを境として半分のみ示している。
【0030】
図示したウォーターサーバーWは、倒立姿勢に変位させたボトルBを取り付けるための収容部W1を備えている。収容部W1は、軸線Oを中心として上方に向けて拡径する形状で形作られている。収容部W1の中央部には、上方に向けて起立する挿入軸W2が設けられている。本実施形態の挿入軸W2は、外側軸部W3と内側軸部W4とを備えていて、外側軸部W3と内側軸部W4の間には、ウォーターサーバーWの液体排出通路に通じる隙間が設けられている。また外側軸部W3には、これを貫通して上記の隙間に通じる導入口W5が設けられている。なお、内側軸部W4の内側は、ウォーターサーバーWの空気導入通路に通じている。
【0031】
ウォーターサーバーWにボトルBを取り付けるにあたっては、図1に示したシート5を天壁部2fから剥がして、図2に示すようにボトルBを倒立姿勢に変位させ、外側開口2gに挿入軸W2を差し込む。そして充填空間Sに充填した液体の重さを利用しつつ、ウォーターサーバーWに対してボトルBを下方へ移動させると、挿入軸W2の先端部が閉鎖壁部3dに接触してこれを押上げるため、保持壁部2jと蓋保持部3eとの嵌合が外れ、図4に示すように蓋部3cは、挿入軸W2によって持ち上げられる。
【0032】
ここで、蓋部3cにつながる中間部3fは、上下方向に伸張する伸張部3hを備えている。本実施形態の伸張部3hは、蓋部3cが持ち上げられる前の状態では図3に示す形状であるが、蓋部3cが持ち上げられると、図5に示すように伸張する。またリング部3gは、伸張する伸張部3hに合せて内周壁部2hの外周面に沿って上方へ移動する。すなわち持ち上げられた蓋部3cは、上下方向に伸張する伸張部3hによって保持部3aにつながったままなので、蓋部3cがボトルBに充填した液体中を浮遊することがない。なお、リング部3gを設けずに伸張部3hのみで保持部3aと蓋部3cをつなぐ場合は、伸張部3hの長さが長くなるため、伸張部3hの強度が低下するおそれがある。一方、リング部3gを設ける場合は、伸張部3hの長さを短くすることができるため、必要な強度を確保することができる。
【0033】
挿入軸W2によって蓋部3cが持ち上げられると、図4に示すように導入口W5は、内周壁部2hの上方に位置する。また、内周壁部2hの径方向外側に設けられた伸張部3hやリング部3gの周囲には隙間があいている。このため、充填空間Sに充填された液体は、伸張部3hやリング部3gの間を通過し、導入口W5から外側軸部W3と内側軸部W4との間の隙間に導入され、ウォーターサーバーWの液体排出通路を通って注ぎ口から吐出される。なお、ウォーターサーバーWの空気導入通路は内側軸部W4の内側に通じていて、挿入軸W2の先端部が接触する閉鎖壁部3dには溝部3jが設けられている。従って、空気導入通路からの空気を、内側軸部W4、及び溝部3jを介して充填空間Sに導入し、充填空間Sから流出する液体と置換させることができるため、液体の流出が妨げられたりボトルBが歪に変形したりする等の不具合を防止することができる。
【0034】
充填空間Sの液体を全て吐出させた後は、ウォーターサーバーWからボトルBを持ち上げてこれをウォーターサーバーWから取り外す。その後は、口部B3に対してキャップ本体2を回転させて雄ねじ部B4に対して雌ねじ部2bを緩めることで、ボトルBからボトルキャップ1を取り外すことができる。なお蓋部3cは、中間部3fを介して保持部3aとつながっているため、ボトルBからボトルキャップ1を取り外した際、ボトルBの内部に蓋部3cが残ったままになることがない。
【0035】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、上記の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば上述した実施形態の構成は、適宜追加、削除が可能であり、また一の実施形態の構成を他の実施形態に設けることも可能である。また、上記の実施形態における効果は、本発明から生じる効果を例示したに過ぎず、本発明による効果が上記の効果に限定されることを意味するものではない。
【0036】
例えば、リング部3gや伸張部3hの数は図示例に限られるものではなく、任意に変更可能である。また本実施形態の伸張部3hは、保持部3aとリング部3gとの間、2つのリング部3g同士の間、及び蓋部3cとリング部3gとの間の全てで同形状であったが、異なる形状の伸張部3hを設けてもよい。また伸張部3hは、保持部3aとリング部3gとの間、2つのリング部3g同士の間、及び蓋部3cとリング部3gとの間の全てに設けられていたが、これらのうちの少なくとも1つに設けられていればよく、例えば保持部3aとリング部3gには伸張部3hを設け、それ以外には伸張不能なものを設けてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1:ボトルキャップ
2:キャップ本体
2a:外周壁部
2b:雌ねじ部
2c:環状壁部
2d:折り返し片
2e:弱化部
2f:天壁部
2g:外側開口
2h:内周壁部
2j:保持壁部
2k:内側開口
3:中栓部材
3a:保持部
3b:フランジ部
3c:蓋部
3d:閉鎖壁部
3e:蓋保持部
3f:中間部
3g:リング部
3h:伸張部
3j:溝部
4:パッキン
4a:本体部
4b:シール部
5:シート
B:ボトル
B1:胴部
B2:肩部
B3:口部
B4:雄ねじ部
B5:ストッパー
O:軸線
S:充填空間
W:ウォーターサーバー
W1:収容部
W2:挿入軸
W3:外側軸部
W4:内側軸部
W5:導入口
図1
図2
図3
図4
図5