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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107553
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】制御回路、及び電圧出力回路
(51)【国際特許分類】
   H03F 3/45 20060101AFI20240802BHJP
【FI】
H03F3/45 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011536
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩本 基光
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA47
5J500AA51
5J500AC58
5J500AF12
5J500AF15
5J500AF18
5J500AH10
5J500AH25
5J500AH29
5J500AH39
5J500AK06
5J500AK09
5J500AK33
5J500AK47
5J500AM21
5J500AT06
5J500DN01
5J500DN14
5J500DN22
5J500DN23
5J500DP01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】演算増幅回路の出力を有効にする電源電圧のレベルのばらつきを抑制する。
【解決手段】電圧出力回路において、電源電圧Vdd及びバイアス電圧Vbiasに応じた第1電流Iaを生成する第1電流源100、入力電圧VP、VMが印加される第1差動対110及び電源電圧が第1レベルより高くなると、入力電圧に応じた出力電圧Voutを出力ノードに印加する第1出力回路(PMOSトランジスタ130及びNMOSトランジスタ140)を含む演算増幅回路の出力ノードを制御する制御回路は、電源電圧及びバイアス電圧に応じた第2電流Iuを生成する第2電流源200、入力電圧が印加される第2差動対210及び第2差動対に接続され、出力ノードの状態を制御する出力制御回路220を備える。出力制御回路は、電源電圧のレベルが第1レベルとなるまで出力ノードのレベルを所定レベルとし、第1レベルより高くなると出力ノードに出力電圧を印加させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源電圧及びバイアス電圧に応じた第1電流を生成する第1電流源と、前記第1電流が流れるとともに、入力電圧が印加される第1差動対と、前記電源電圧が第1レベルより高くなると、前記入力電圧に応じた出力電圧を出力ノードに印加する第1出力回路と、を含む演算増幅回路の前記出力ノードを制御する制御回路であって、
前記電源電圧及び前記バイアス電圧に応じた第2電流を生成する第2電流源と、
前記第2電流が流れるとともに、前記入力電圧が印加される第2差動対と、
前記第2差動対に接続され、前記出力ノードの状態を制御する出力制御回路と、
を備え、
前記出力制御回路は、
前記電源電圧のレベルが前記第1レベルとなるまで、前記出力ノードのレベルを所定レベルとし、前記電源電圧が前記第1レベルより高くなると、前記出力ノードに前記出力電圧を印加させる、
制御回路。
【請求項2】
請求項1に記載の制御回路であって、
前記出力制御回路は、
第1バイアス電流を生成する第1電流生成回路と、
前記第2電流に応じた第2バイアス電流を生成する第2電流生成回路と、
前記第1バイアス電流が前記第2バイアス電流より大きい場合、前記出力ノードのレベルを前記所定レベルとし、前記第1バイアス電流が前記第2バイアス電流より小さい場合、前記出力ノードに前記出力電圧を印加させる電圧印加回路と、
を備え、
前記第2電流生成回路は、
前記電源電圧のレベルが前記第1レベルとなるまで、前記第1バイアス電流より小さい前記第2バイアス電流を生成し、前記電源電圧のレベルが前記第1レベルより高くなると、前記第1バイアス電流より大きい前記第2バイアス電流を生成する、
制御回路。
【請求項3】
請求項2に記載の制御回路であって、
前記第1電流生成回路は、
前記電源電圧及び前記バイアス電圧に応じた第3電流を前記第1バイアス電流として生成する第3電流源を含む、
制御回路。
【請求項4】
請求項2に記載の制御回路であって、
前記第1電流生成回路は、
前記電源電圧及び前記バイアス電圧に応じた第3電流を生成する第3電流源と、
前記出力ノードのレベルが前記所定レベルである場合、前記電源電圧及び前記バイアス電圧に応じた第4電流を生成し、前記出力ノードに前記出力電圧が印加される場合、前記第4電流の生成を停止する電流出力回路と、
を含み、
前記第1バイアス電流は、前記第3電流及び前記第4電流を加算した電流である、
制御回路。
【請求項5】
請求項2に記載の制御回路であって、
前記電圧印加回路は、
前記出力ノードと、接地との間に設けられたスイッチと、
前記第1バイアス電流が前記第2バイアス電流より大きい場合、前記スイッチをオンし、前記第1バイアス電流が前記第2バイアス電流より小さい場合、前記スイッチをオフするスイッチ制御回路と、
を含む制御回路。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の制御回路であって、
前記第2電流源は、前記第1電流より小さい前記第2電流を生成する、
制御回路。
【請求項7】
請求項6に記載の制御回路であって、
前記第1電流に対する前記第2電流の大きさは所定倍であり、
前記第1差動対を構成する複数のトランジスタのチャネル幅とチャネル長との第1の比に対する、前記第2差動対を構成する複数のトランジスタのチャネル幅とチャネル長との第2の比は、前記所定倍である、
制御回路。
【請求項8】
演算増幅回路と、前記演算増幅回路の出力ノードの状態を制御する制御回路とを備える電圧出力回路であって、
前記演算増幅回路は、
電源電圧及びバイアス電圧に応じた第1電流を生成する第1電流源と、
前記第1電流が流れるとともに、入力電圧が印加される第1差動対と、
前記電源電圧が第1レベルより高くなると、前記入力電圧に応じた出力電圧を出力ノードに印加する第1出力回路と、
を含み、
前記制御回路は、
前記電源電圧及び前記バイアス電圧に応じた第2電流を生成する第2電流源と、
前記第2電流が流れるとともに、前記入力電圧が印加される第2差動対と、
前記第2差動対に接続され、前記出力ノードの状態を制御する出力制御回路と、
を備え、
前記出力制御回路は、
前記電源電圧のレベルが前記第1レベルとなるまで、前記出力ノードのレベルを所定レベルとし、前記電源電圧が前記第1レベルより高くなると、前記出力ノードに前記出力電圧を印加させる、
電圧出力回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御回路及び電圧出力回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電源電圧を立ち上げる際、電源電圧のレベルが低いと、演算増幅回路の出力が意図しないレベルとなることがある。そのため、電源電圧のレベルが、入力電圧に応じた所望の電圧を演算増幅回路が出力できるレベルになるまで、演算増幅回路の出力を無効にする制御回路がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-278056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような制御回路は、電源電圧のレベルを判定する際に、一般的に基準電圧回路からの基準電圧を用いている。このため、基準電圧回路の製造ばらつきを考慮すると、演算増幅回路の出力を有効にする電源電圧のレベルがばらついてしまうことがある。
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、演算増幅回路の出力を有効にする電源電圧のレベルのばらつきを抑制できる制御回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した課題を解決する本発明にかかる制御回路の態様は、電源電圧及びバイアス電圧に応じた第1電流を生成する第1電流源と、前記第1電流が流れるとともに、入力電圧が印加される第1差動対と、前記電源電圧が第1レベルより高くなると、前記入力電圧に応じた出力電圧を出力ノードに印加する第1出力回路と、を含む演算増幅回路の前記出力ノードを制御する制御回路であって、前記電源電圧及び前記バイアス電圧に応じた第2電流を生成する第2電流源と、前記第2電流が流れるとともに、前記入力電圧が印加される第2差動対と、前記第2差動対に接続され、前記出力ノードの状態を制御する出力制御回路と、を備え、前記出力制御回路は、前記電源電圧のレベルが前記第1レベルとなるまで、前記出力ノードのレベルを所定レベルとし、前記電源電圧が前記第1レベルより高くなると、前記出力ノードに前記出力電圧を印加させる。
【0007】
前述した課題を解決する本発明にかかる電圧出力回路の態様は、演算増幅回路と、前記演算増幅回路の出力ノードの状態を制御する制御回路とを備える電圧出力回路であって、前記演算増幅回路は、電源電圧及びバイアス電圧に応じた第1電流を生成する第1電流源と、前記第1電流が流れるとともに、入力電圧が印加される第1差動対と、前記電源電圧が第1レベルより高くなると、前記入力電圧に応じた出力電圧を出力ノードに印加する第1出力回路と、を含み、前記制御回路は、前記電源電圧及び前記バイアス電圧に応じた第2電流を生成する第2電流源と、前記第2電流が流れるとともに、前記入力電圧が印加される第2差動対と、前記第2差動対に接続され、前記出力ノードの状態を制御する出力制御回路と、を備え、前記出力制御回路は、前記電源電圧のレベルが前記第1レベルとなるまで、前記出力ノードのレベルを所定レベルとし、前記電源電圧が前記第1レベルより高くなると、前記出力ノードに前記出力電圧を印加させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、演算増幅回路の出力を有効にする電源電圧のレベルのばらつきを抑制できる制御回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電圧出力回路10の構成の一例を示す図である。
図2】演算増幅回路20及び制御回路40aの構成の一例を示す図である。
図3】制御回路40aの動作の一例を示す図である。
図4】制御回路40aの動作の一例を示す拡大図である。
図5】演算増幅回路20及び制御回路40bの一例を示す図である。
図6】制御回路40bの動作の一例を示す図である。
図7】制御回路40bのヒステリシス特性を説明する拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。各図面に示される同一又は同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。
【0012】
=====本実施形態=====
<<電圧出力回路10>>
図1は、電圧出力回路10の構成の一例を示す図である。電圧出力回路10は、電圧VINPと、電圧VINMと、の差に応じた所望の出力電圧Voutを出力する回路であり、演算増幅回路20、抵抗30,32,34,36、及び制御回路40、電圧生成回路50を含んで構成される。なお、電圧出力回路10は、集積回路として実現される。
【0013】
詳細は後述するが、演算増幅回路20は、入力電圧VP,VMに応じた出力電圧Voutを出力する回路である。また、演算増幅回路20には、電源電圧Vddと、電圧生成回路50からのバイアス電圧Vbiasとが印加される。
【0014】
抵抗30,32,34,36は、演算増幅回路20と共に、差動増幅回路を構成する素子である。具体的には、抵抗30,32は、電圧VINPを分圧する分圧回路を構成し、抵抗30,32により電圧VINPが分圧された入力電圧VPは演算増幅回路20の非反転入力に印加される。したがって、入力電圧VPは、抵抗30の抵抗値R1と、抵抗32の抵抗値R2とを用いて、以下のようにあらわされる。
【0015】
VP=VINP×R2/(R1+R2) ・・・式(1)
【0016】
また、抵抗34は、電圧VINMが印加されるノードと、演算増幅回路20の反転入力との間に設けられ、抵抗36は、演算増幅回路20の出力ノードと、反転入力との間に設けられる。そのため、演算増幅回路20の反転入力に印加される入力電圧VMは、抵抗34の抵抗値R1と、抵抗36の抵抗値R2とを用いて、以下のようにあらわされる。
【0017】
VM=(Vout-VINM)×R1/(R1+R2)+VINM ・・・式(2)
【0018】
ここで、抵抗36により、演算増幅回路20の出力電圧Voutが反転入力に帰還されているため、入力電圧VPが入力電圧VMと略同一となるよう、演算増幅回路20は動作する。したがって、本実施形態において、演算増幅回路20の出力電圧Voutは、式(1),(2)に基づいて以下のように求められる。
【0019】
Vout=(VINP-VINM)×R1/R2 ・・・式(3)
【0020】
ところで、電源電圧Vddが立ち上がる際に、電源電圧Vddが低いと、演算増幅回路20の出力電圧Voutは意図しないレベルとなることがある。
【0021】
そこで、詳細は後述するが、本実施形態の制御回路40は、演算増幅回路20が安定して動作するまで演算増幅回路20の出力を無効とする。なお、演算増幅回路20が安定して動作する電源電圧VddのレベルをレベルV1(第1レベル)とする。
【0022】
電圧生成回路50は、電源電圧Vddに応じて、バイアス電圧Vbiasを生成する回路であり、ダイオード接続されたPMOSトランジスタ60、定電流源62を含む。
【0023】
具体的には、電圧生成回路50は、電源電圧Vddと、定電流源62が流す電流とに応じてPMOSトランジスタ60がオンすると、電源電圧VddからPMOSトランジスタ60での電圧降下分だけ低下したバイアス電圧Vbiasを出力する。
【0024】
<<<演算増幅回路20>>>
==演算増幅回路20の構成==
図2は、演算増幅回路20及び制御回路40aの構成の一例を示す図である。演算増幅回路20は、非反転入力に印加される入力電圧VPと、反転入力に印加される入力電圧VMとに基づいて出力電圧Voutを出力する。ただし、上述の通り、本実施形態において、電圧出力回路10は差動増幅回路として動作するため、入力電圧VP,VMの電圧値は略同一となる。なお、演算増幅回路20は、目的レベル(例えば、5V)の電源電圧Vddが印加される場合、入力電圧VP,VMに応じた所望の出力電圧Voutを出力する。
【0025】
演算増幅回路20は、PMOSトランジスタ100,130、差動対110、能動負荷120、NMOSトランジスタ140、コンデンサ150、抵抗160を含んで構成される。
【0026】
<<PMOSトランジスタ100>>
PMOSトランジスタ100は、差動対110に電流を流す電流源として動作する。具体的には、PMOSトランジスタ100は、ソース電極が電源ラインL1に接続され、ゲート電極には、バイアス電圧Vbiasが印加される。そして、PMOSトランジスタ100は、電流Iaを生成し、ドレイン電極から差動対110に流す。
【0027】
また、PMOSトランジスタ100は、図1のPMOSトランジスタ60がオンすると、ドレイン電極の電圧が所定条件を満たせば、電流Iaを流すゲート電圧が印加されることとなる。なお、PMOSトランジスタ100は、「第1電流源」に相当し、電流Iaは、「第1電流」に相当する。
【0028】
<<差動対110>>
差動対110は、PMOSトランジスタ100に接続され、入力電圧VP,VMに基づいて電流Iaを分流して流す回路であり、PMOSトランジスタ112,114を含む。また、PMOSトランジスタ112,114は、それぞれのゲート電極に印加される入力電圧VP,VMに応じてオン抵抗が変化する。
【0029】
その結果、PMOSトランジスタ112,114は、それぞれのオン抵抗に応じて電流Iaを分流して電流Ib,Icとして流す。また、入力電圧VPが入力電圧VMより高い場合、PMOSトランジスタ112のオン抵抗は、PMOSトランジスタ114のオン抵抗より大きくなる。この場合、差動対110は、電流Ibより電流Icが大きくなるよう電流Iaを分流する。
【0030】
一方、入力電圧VPが入力電圧VMより低い場合、PMOSトランジスタ112のオン抵抗は、PMOSトランジスタ114のオン抵抗より小さくなる。この場合、差動対110は、電流Icより電流Ibが大きくなるよう電流Iaを分流する。なお、PMOSトランジスタ112,114のソース電極がPMOSトランジスタ100のドレイン電極と接続されるノードをノードAとし、ノードAの電圧を電圧Vaとする。
【0031】
なお、本実施形態では、電源電圧VddがレベルV1より高くなると、電圧Vaのレベルも上昇し、差動対110が電流Iaを分流して流すこととなる。なお、差動対110は、「第1差動対」に相当し、PMOSトランジスタ112,114は、「複数のトランジスタ」に相当する。
【0032】
<<能動負荷120>>
能動負荷120は、差動対110からの電流Ib,Icを比較するために用いられ、差動対110の出力であるノードBに電流Icを流すカレントミラー回路を構成する。
【0033】
具体的には、能動負荷120は、電流Icを流すようダイオード接続されたNMOSトランジスタ122と、NMOSトランジスタ122と共通のゲート電圧がゲート電極に印加され、ソース電極が接地されたNMOSトランジスタ124とを含む。
【0034】
また、NMOSトランジスタ122のドレイン電極は、差動対110のPMOSトランジスタ114のドレイン電極とノードCで接続される。また、NMOSトランジスタ124のドレイン電極は、差動対110のPMOSトランジスタ112のドレイン電極とノードBで接続される。
【0035】
したがって、ノードBにおける、PMOSトランジスタ112からの電流Ib及びNMOSトランジスタ124が流す電流Icの電流量の大小により、ノードBにおいてNMOSトランジスタ140のゲート電極を充放電する電流Idが変化する。また、電流Idの変化に伴い、NMOSトランジスタ140のゲート電圧Vnが変化するとともに、ノードBの電圧も変化する。
【0036】
具体的には、電流Iaが流れる場合において、入力電圧VPが入力電圧VMより高い場合、電流Icが電流Ibより大きくなり、電流Idは、NMOSトランジスタ140のゲート電極を放電するよう流れる。
【0037】
一方、電流Iaが流れる場合において、入力電圧VPが入力電圧VMより低い場合、電流Icが電流Ibより小さくなり、電流Idは、NMOSトランジスタ140のゲート電極を充電するよう流れる。
【0038】
<<PMOSトランジスタ130及びNMOSトランジスタ140>>
PMOSトランジスタ130及びNMOSトランジスタ140は、NMOSトランジスタ140のゲート電圧Vnに基づいて出力電圧Voutを出力する出力段を構成する。
【0039】
PMOSトランジスタ130は、演算増幅回路20の出力ノードに電流を流す電流源として動作する。具体的には、PMOSトランジスタ130は、ソース電極が電源ラインL1に接続され、ゲート電極には、バイアス電圧Vbiasが印加される。そして、PMOSトランジスタ130は、電流Ieを生成し、ドレイン電極から電流Ieを出力ノードに流す。
【0040】
また、PMOSトランジスタ130は、PMOSトランジスタ100と同様に、図1のPMOSトランジスタ60がオンすると、ドレイン電極の電圧が所定条件を満たせば、電流Ieを流すゲート電圧が印加されることとなる。
【0041】
NMOSトランジスタ140は、電流Idに応じたゲート電圧Vnに基づいて電流Ifを流す増幅段である。具体的には、NMOSトランジスタ140は、電流Idがゲート電極を充電するように流れると、ゲート電圧Vnが上昇するため、NMOSトランジスタ140に流れる電流Ifを増加させる。一方、NMOSトランジスタ140は、電流Idがゲート電極を放電するように流れると、ゲート電圧Vnが低下するため、電流Ifを減少させる。
【0042】
また、演算増幅回路20の出力ノードに印加される出力電圧Voutは、電流Ie,Ifの大小関係に応じて上昇又は低下する。具体的には、電流IdがNMOSトランジスタ140のゲート電極を放電するように流れ、電流Ieが電流Ifより大きい場合、演算増幅回路20は、出力電圧Voutを上昇させる。また、電流IdがNMOSトランジスタ140のゲート電極を充電するように流れ、電流Ieが電流Ifより小さい場合、演算増幅回路20は、出力電圧Voutを低下させる。
【0043】
したがって、PMOSトランジスタ130及びNMOSトランジスタ140は、入力電圧VP,VMに応じた電流Idに応じたゲート電圧Vnに基づいて演算増幅回路20の出力ノードに出力電圧Voutを印加する。なお、PMOSトランジスタ130及びNMOSトランジスタ140は、「第1出力回路」に相当する。
【0044】
<<コンデンサ150及び抵抗160>>
コンデンサ150及び抵抗160は、位相補償用の素子である。具体的には、コンデンサ150及び抵抗160は、増幅段であるNMOSトランジスタ140の出力のドレイン電極と、入力のゲート電極との間に直列接続される。
【0045】
==演算増幅回路20の動作==
===電源電圧Vddの立ち上がり時の動作===
電源電圧Vddの立ち上がり時、図1のPMOSトランジスタ60がオンしない状態では、演算増幅回路20は、動作しない。
【0046】
PMOSトランジスタ60がオンした状態では、PMOSトランジスタ100,130のドレイン電極の電圧が所定条件を満たせば、それぞれ電流Ia又は電流Ieを流すゲート電圧がPMOSトランジスタ100,130に印加される。
【0047】
しかしながら、まだ差動対110はオンしておらず、PMOSトランジスタ100が電流Iaを流し始めるほど、電源電圧Vddに対しノードAの電圧Vaが低くなっていない。そのため、PMOSトランジスタ100は電流Iaを流さない。
【0048】
一方、PMOSトランジスタ130は、ドレイン電極の電圧が電流Ieを流すほど低下するため、電流Ieを流し始める。しかしながら、この時、差動対110は動作していないため、入力電圧VP,VMに応じた電流Idが流れず、NMOSトランジスタ140が流す電流Ifは定まらない。
【0049】
したがって、PMOSトランジスタ100に電流Iaを流し始められるゲート電圧が印加されたとしても、差動対110がオンしない場合、演算増幅回路20は、所望レベルとは異なる出力電圧Voutを出力する。
【0050】
その後、電源電圧VddがレベルV1となると、入力電圧VP,VMがPMOSトランジスタ112,114をオンする電圧となっている場合、電流Iaが流れるよう差動対110がオンする。
【0051】
差動対110がオンすると、電流Icは、能動負荷120を流れ、ノードBにおいて、電流Ib,Icの大小に応じて電流Idが流れ、NMOSトランジスタ140に電流Ifが流れる。これにより、演算増幅回路20は、入力電圧VP,VMに応じた所望の出力電圧Voutを出力ノードに印加できる。
【0052】
さらに、電源電圧Vddは目的レベルとなり、PMOSトランジスタ60がオンした状態で、バイアス電圧Vbiasが印加されると、演算増幅回路20は入力電圧VP,VMに応じた所望の出力電圧Voutを出力ノードに印加する。
【0053】
以上説明した通り、演算増幅回路20は、電源電圧VddがレベルV1となる前には、所望レベルとは異なる出力電圧Voutを出力する場合がある。
【0054】
したがって、詳細は後述するが、制御回路40は、電源電圧VddがレベルV1となるまで、演算増幅回路20の出力ノードの状態を制御し、演算増幅回路20が所望のレベルとは異なる出力電圧Voutを出力しないようにする。
【0055】
<<<制御回路40a>>>
制御回路40aは、制御回路40の一実施形態であり、演算増幅回路20の出力ノードの状態を制御する。具体的には、制御回路40aは、電源電圧Vddが立ち上がり、レベルV1となるまで、出力ノードの電圧レベルを所定レベルとする。一方、制御回路40aは、電源電圧Vddが立ち上がり、レベルV1より高くなると、演算増幅回路20に入力電圧VP,VMに応じた出力電圧Voutを出力ノードに対して印加させる。
【0056】
==制御回路40aの構成==
制御回路40aは、PMOSトランジスタ200、差動対210、出力制御回路220を含んで構成される。
【0057】
<<PMOSトランジスタ200>>
PMOSトランジスタ200は、差動対210に電流を流す電流源として動作する。具体的には、PMOSトランジスタ200は、ソース電極が電源ラインL1に接続され、ゲート電極には、バイアス電圧Vbiasが印加される。そして、PMOSトランジスタ200は、電流Iaより所定倍だけ小さい電流Iuを生成し、ドレイン電極から差動対210に流す。
【0058】
また、図1のPMOSトランジスタ60がオンした状態では、PMOSトランジスタ200のドレイン電極の電圧が所定条件を満たせば、電流Iuを流すゲート電圧がPMOSトランジスタ200に印加される。なお、PMOSトランジスタ200は、「第2電流源」に相当し、電流Iuは、「第2電流」に相当する。
【0059】
<<差動対210>>
差動対210は、PMOSトランジスタ200に接続され、入力電圧VP,VMに基づいて電流Iuを分流して流す回路である。具体的には、差動対210は、PMOSトランジスタ212,214を含む。また、PMOSトランジスタ212,214は、それぞれのゲート電極に印加される入力電圧VP,VMに応じてオン抵抗が変化する。
【0060】
その結果、PMOSトランジスタ212,214は、それぞれのオン抵抗に応じて電流Iuを分流して電流Iu0,Iu1として流す。また、入力電圧VPが入力電圧VMより高い場合、PMOSトランジスタ212のオン抵抗は、PMOSトランジスタ214のオン抵抗より大きくなる。この場合、差動対210は、電流Iu0より電流Iu1が大きくなるよう電流Iuを分流する。
【0061】
一方、入力電圧VPが入力電圧VMより低い場合、PMOSトランジスタ112のオン抵抗は、PMOSトランジスタ114のオン抵抗より小さくなる。この場合、差動対210は、電流Iu1より電流Iu0が大きくなるよう電流Iuを分流する。なお、PMOSトランジスタ212,214のソース電極がPMOSトランジスタ200のドレイン電極と接続されるノードをノードX0とし、ノードX0の電圧をVx0とする。
【0062】
また、電源電圧VddがレベルV1より高くなると、PMOSトランジスタ200が電流Iuを流せるほど電源電圧Vddと電圧Vx0との電圧差が大きくなる。そして、入力電圧VP,VMが、PMOSトランジスタ212,214をオンするほど電圧Vx0に対して低い場合、PMOSトランジスタ212,214は、電流Iuを分流して流す。
【0063】
なお、電源電圧VddがレベルV1より高くなると、差動対110,210はオンしているよう、演算増幅回路20及び制御回路40aは設計されている。具体的には、差動対110を構成するPMOSトランジスタ112,114のチャネル幅とチャネル長との比Rwl0に対する、差動対210を構成するPMOSトランジスタ212,214のチャネル幅とチャネル長との比Rwl1は、所定倍である。また、PMOSトランジスタ200に関する説明の通り、所定倍は、電流Iaに対する電流Iuの比である。
【0064】
これにより、制御回路40aは、演算増幅回路20が所望の出力電圧Voutを出力するようになる電源電圧VddのレベルV1を、基準電圧を用いることなく検出することができる。なお、差動対210は、「第2差動対」に相当し、比Rwl0は、「第1の比」に相当し、PMOSトランジスタ212,214は、「複数のトランジスタ」に相当し、比Rwl1は、「第2の比」に相当する。
【0065】
<<出力制御回路220>>
出力制御回路220は、差動対210に接続され、差動対210からの電流Iuに応じて演算増幅回路20の出力ノードの状態を制御する回路である。具体的には、出力制御回路220は、電源電圧VddのレベルがレベルV1となるまで、演算増幅回路20の出力ノードのレベルを所定レベル(例えば、0V(以下、接地電圧とする。)の電圧レベル)にする。一方、出力制御回路220は、電源電圧VddがレベルV1より高くなると、演算増幅回路20に出力電圧Voutを出力ノードに対して印加させる。
【0066】
出力制御回路220は、PMOSトランジスタ300、電流生成回路310、電圧印加回路320を含んで構成される。
【0067】
<PMOSトランジスタ300>
PMOSトランジスタ300は、電流源として動作する。PMOSトランジスタ300は、ソース電極が電源ラインL1に接続され、ゲート電極には、バイアス電圧Vbiasが印加される。そして、PMOSトランジスタ300は、電流Ivを生成する。
【0068】
また、図1のPMOSトランジスタ60がオンした状態では、PMOSトランジスタ300のドレイン電極の電圧が所定条件を満たせば、電流Ivを流すゲート電圧がPMOSトランジスタ300に印加される。なお、PMOSトランジスタ300は、「第1電流生成回路」及び「第3電流源」に相当し、電流Ivは、「第1バイアス電流」及び「第3電流」に相当する。
【0069】
<電流生成回路310>
電流生成回路310は、差動対210からの電流Iuに基づいて電流Iwを生成し、電圧印加回路320に流す回路であり、カレントミラー回路を構成する。
【0070】
具体的には、電流生成回路310は、電流Iuを流すようダイオード接続されたNMOSトランジスタ312と、NMOSトランジスタ312と共通のゲート電圧がゲート電極に印加され、ソース電極が接地されたNMOSトランジスタ314とを含む。なお、NMOSトランジスタ314には、電流Iwが流れる。
【0071】
また、差動対210に電流Iuが流れ、電源電圧VddがレベルV1となると、電流Iwが電流Ivより大きくなるよう、電流Iuに対する電流Iwの電流比は設計される。また、NMOSトランジスタ314のチャネル幅とチャネル長との比は、電流Iuに対する電流Iwの電流比に対応するよう、NMOSトランジスタ312のチャネル幅とチャネル長との比に対して設計される。
【0072】
なお、電流生成回路310は、「第2電流生成回路」に相当し、電流Iwは、「第2バイアス電流」に相当する。
【0073】
<電圧印加回路320>
電圧印加回路320は、電流Iv,Iwに応じて演算増幅回路20の出力ノードの状態を制御する回路であり、スイッチ制御回路321、NMOSトランジスタ322を含んで構成される。
【0074】
電圧印加回路320は、電源電圧VddのレベルがレベルV1となるまで、電流Iwが電流Ivより小さく、ノードYの電圧Vyが高くなるため、演算増幅回路20の出力ノードのレベルを所定レベル(例えば、接地電圧の電圧レベル)にする。
【0075】
一方、電圧印加回路320は、差動対210に電流Iuが流れ、電源電圧VddがレベルV1より高くなると、電流Iwが電流Ivより大きくなり、電圧Vyが低くなるため、演算増幅回路20に出力電圧Voutを出力ノードに対して印加させる。なお、ノードYは、PMOSトランジスタ300からの電流Ivから電流生成回路310からの電流Iwが減算されるノードであり、ノードYにおいて、電流Iv,Iwは比較されることとなる。
【0076】
(スイッチ制御回路321及びNMOSトランジスタ322)
スイッチ制御回路321は、電圧Vyに応じて、演算増幅回路20の出力ノードの状態を制御するNMOSトランジスタ322をオンオフする回路である。具体的には、スイッチ制御回路321は、電源電圧VddのレベルがレベルV1となるまで、電圧Vyが高くなるため、NMOSトランジスタ322をオンする。一方、スイッチ制御回路321は、電源電圧VddがレベルV1より高くなると、電圧Vyが低くなるため、NMOSトランジスタ322をオフする。また、スイッチ制御回路321は、PMOSトランジスタ323,325、NMOSトランジスタ324,326を含んで構成される。
【0077】
PMOSトランジスタ323及びNMOSトランジスタ324は、電圧Vyに基づいて電源電圧Vdd又は接地電圧の電圧レベルとなる信号Vzを出力する回路であり、第1インバータ回路を構成する。また、PMOSトランジスタ325及びNMOSトランジスタ326は、信号Vzに基づいて電源電圧Vdd又は接地電圧の電圧レベルとなる信号Vonを出力する回路であり、第2インバータ回路を構成する。
【0078】
また、第1インバータ回路は、電源電圧VddのレベルがレベルV1となるまで、高い電圧Vyに基づいて接地電圧の電圧レベルとなる信号VzをノードZに出力する。また、第2インバータ回路は、接地電圧の電圧レベルの信号Vzに基づいて電源電圧Vddの電圧レベルとなる信号Vonを出力する。この時、NMOSトランジスタ322はオンされ、制御回路40aは、演算増幅回路20の出力ノードのレベルを所定レベル(例えば、接地電圧の電圧レベル)にする。
【0079】
一方、第1インバータ回路は、電源電圧VddのレベルがレベルV1より高くなると、低い電圧Vyに基づいて電源電圧Vddの電圧レベルとなる信号VzをノードZに出力する。また、第2インバータ回路は、電源電圧Vddの電圧レベルとなる信号Vzに基づいて接地電圧の電圧レベルとなる信号Vonを出力する。この時、NMOSトランジスタ322はオフされ、制御回路40aは、演算増幅回路20に出力電圧Voutを出力ノードに対して印加させる。なお、NMOSトランジスタ322は、「スイッチ」に相当する。
【0080】
==制御回路40aの動作==
図3及び図4は、制御回路40aの動作の一例を示す図である。以下、図3を参照しつつ、制御回路40aの動作を説明する。なお、図3は、電源電圧Vddを、時刻time=0msから上昇させ、時刻time=27ms付近で電源電圧Vddを目的レベルに到達させるよう設定してシミュレーションを行った結果である。また、図3において、時刻time=75msの後、電源電圧Vddを接地電圧まで低下させるよう設定してシミュレーションを行った。また、図4は、制御回路40aの動作の一例を示すため、図3のうち、電源電圧Vdd、信号Von、出力電圧Voutを拡大した図である。
【0081】
=電源電圧Vddの立ち上がり時における制御回路40aの動作=
図3の時刻time=0msにおいて、レギュレータ(不図示)は、電源電圧Vccから電源電圧Vddを生成し始める。ただし、この時点においては、電源電圧Vddはまだほぼ接地電圧である。そのため、演算増幅回路20及び制御回路40aの各電流及び電圧はほぼゼロである。
【0082】
時刻time=5ms付近において、レギュレータは、電源電圧Vddを接地電圧から、例えば1V付近まで上昇させる。この時、図1のPMOSトランジスタ60がオンしていないため、電流源であるPMOSトランジスタ100,200,300は、それぞれ電流Ia,Iu,Ivを流さないため、電流生成回路310も電流Iwを流さず、差動対110,210もオフしている。
【0083】
時刻time=9ms付近において、レギュレータは、電源電圧Vddを例えば2V付近まで上昇させる。この時、図1のPMOSトランジスタ60はオンし、PMOSトランジスタ100,200,300は、ドレイン電極の電圧が所定条件を満たせば、それぞれ電流Ia,Iu,Ivを流すゲート電圧が印加されるようになる。
【0084】
しかしながら、まだ差動対110,210がオンしていないため、PMOSトランジスタ100,200,300は、それぞれ電流Ia,Iu,Ivを流さない。したがって、電流生成回路310も電流Iwを流さない。
【0085】
また、NMOSトランジスタ314のゲート電圧が低く、PMOSトランジスタ300の抵抗値の方が小さいため、ノードYの電圧Vyは、高くなる。また、電圧Vyが高いため、信号Vonの電圧レベルは、NMOSトランジスタ322の閾値電圧を超え、NMOSトランジスタ322はオンする。結果として、制御回路40aは、演算増幅回路20の出力ノードのレベルを接地電圧の電圧レベルとする。また、以後、信号Vonの電圧レベルは、電源電圧Vddの上昇に伴い上昇するが、NMOSトランジスタ322はオンされ続ける。
【0086】
時刻time=15ms付近において、レギュレータは、電源電圧VddをレベルV1(例えば、3V)まで上昇させる。この時、既に、PMOSトランジスタ300は電流Ivを流しており、差動対210がオンした後、電流Iwが電流Ivより大きくなるため、ノードYの電圧Vyは低下する。電圧Vyが低下すると、第2インバータ回路は、接地電圧の電圧レベルの信号Vonを出力し、NMOSトランジスタ322はオフされる。結果として、制御回路40aは、演算増幅回路20に出力電圧Voutを出力ノードに対して印加させる。また、差動対210がオンする場合、差動対110もオンする。また、差動対110,210がオンするタイミングが揃うことにより、制御回路40aは、演算増幅回路20が安定して動作するタイミングにおいて、演算増幅回路20に出力電圧Voutを出力ノードに対して印加させることができる。
【0087】
以上から、図4に示すように、制御回路40aは、電源電圧VddがレベルV1になるまで、演算増幅回路20の出力ノードのレベルを接地電圧の電圧レベルとする。そして、制御回路40aは、電源電圧VddがレベルV1より高くなると、演算増幅回路20に入力電圧VP,VMに応じた所望の出力電圧Voutを出力ノードに対して印加させる。
【0088】
=電源電圧Vddの立ち下がり時における制御回路40aの動作=
図3の時刻time=75ms付近において、レギュレータは、電源電圧Vddを目的レベルから低下させ始める。この時、図1のPMOSトランジスタ60はオンしており、差動対210もオンしており、電流Iwが電流Ivより大きいため、電圧Vyは、接地電圧の電圧レベルとなる。したがって、第2インバータ回路は、接地電圧の電圧レベルの信号Vonを出力し、NMOSトランジスタ322はオフされている。結果として、制御回路40aは、演算増幅回路20に出力電圧Voutを出力ノードに対し印加させている。
【0089】
時刻time=86ms付近において、レギュレータは、電源電圧VddをレベルV1まで低下させる。この時、差動対110,210は、オンしているが、電源電圧Vdd及びノードX0の電圧Vx0の差は減少し、PMOSトランジスタ200は、電流Iuを減少させ始め、電流Iwが電流Ivより小さくなるため、電圧Vyは、高くなる。したがって、第2インバータ回路は、電源電圧Vddの電圧レベルの信号Vonを出力し、NMOSトランジスタ322をオンする。その後、差動対210はオフし、差動対110もオフするものの、PMOSトランジスタ300は電流Ivを流しており、電圧Vyは高い電圧のままである。結果として、制御回路40aは、演算増幅回路20の出力ノードのレベルを接地電圧の電圧レベルとする。
【0090】
また、差動対110,210がオフするタイミングが揃うことにより、制御回路40aは、演算増幅回路20が安定して動作しなくなるタイミングにおいて、演算増幅回路20の出力ノードのレベルを接地電圧の電圧レベルとすることができる。
【0091】
時刻time=96ms付近において、レギュレータは、電源電圧Vddをほぼ1V付近に低下させる。この時、PMOSトランジスタ60は、オフし、PMOSトランジスタ100,200,300もオフするため、それぞれ電流Ia,Iu,Ivを流さない。そのため、演算増幅回路20及び制御回路40aの各電流及び電圧はほぼゼロである。
【0092】
以上から、図4に示すように、制御回路40aは、電源電圧VddがレベルV1より高い場合、演算増幅回路20に入力電圧VP,VMに応じた所望の出力電圧Voutを出力ノードに対して印加させる。そして、制御回路40aは、電源電圧VddがレベルV1より低下すると、演算増幅回路20の出力ノードのレベルを接地電圧の電圧レベルとする。
【0093】
===変形例===
<<<制御回路40b>>>
図5は、演算増幅回路20及び制御回路40bの一例を示す図である。また、制御回路40bは、制御回路40の一実施形態である。制御回路40bは、電源電圧Vddの立ち上がり時、電源電圧Vddが、例えばレベルV1より高いレベルV2となるまで、演算増幅回路20の出力ノードのレベルを所定レベル(例えば、接地電圧の電圧レベル)とする。一方、制御回路40bは、電源電圧VddがレベルV2より高くなると、演算増幅回路20に入力電圧VP,VMに応じた所望の出力電圧Voutを出力ノードに対して印加させる。
【0094】
そして、制御回路40bは、電源電圧Vddの立下り時、電源電圧Vddが、レベルV1となるまで、演算増幅回路20に入力電圧VP,VMに応じた所望の出力電圧Voutを出力ノードに対して印加させる。一方、制御回路40bは、電源電圧Vddが、レベルV1より低くなると、演算増幅回路20の出力ノードのレベルを所定レベルとする。
【0095】
これにより、制御回路40bは、電源電圧Vddに対してヒステリシス特性を有し得、電源電圧VddがレベルV2より高くなった後に変動した場合にも、演算増幅回路20に所望の出力電圧Voutを出力ノードに対して印加させ続け得る。
【0096】
==制御回路40bの構成==
制御回路40bは、PMOSトランジスタ200、差動対210、出力制御回路220を含んで構成される。なお、PMOSトランジスタ200、差動対210については、制御回路40aと同様である。
【0097】
出力制御回路220は、PMOSトランジスタ300、電流生成回路310、電圧印加回路320、電流出力回路330を含んで構成される。なお、PMOSトランジスタ300、電流生成回路310、電圧印加回路320については、制御回路40aと同様である。
【0098】
<電流出力回路330>
電流出力回路330は、ヒステリシス特性を実現するための電流源であり、電圧印加回路320からの信号Vzに基づいて、PMOSトランジスタ300と同様に、ノードYに電流Iv0を流す。つまり、電流出力回路330は、演算増幅回路20の出力ノードのレベルが接地電圧の電圧レベルである場合、電源電圧Vdd及びバイアス電圧Vbiasに応じた電流Iv0を生成する。一方、電流出力回路330は、演算増幅回路20の出力ノードに出力電圧Voutが印加される場合、電流Iv0の生成を停止する。また、電流出力回路330は、PMOSトランジスタ332,334を含んで構成される。
【0099】
PMOSトランジスタ332は、図1のPMOSトランジスタ60がオンすると、オンする。そして、電流出力回路330は、PMOSトランジスタ334のゲート電極に接地電圧の電圧レベルの信号Vzが印加されると、PMOSトランジスタ332からのを電流Iv0としてノードYに流す。なお、信号Vzが接地電圧の電圧レベルとなる場合、制御回路40bは、演算増幅回路20の出力ノードを接地電圧の電圧レベルとしている。
【0100】
一方、電流出力回路330は、PMOSトランジスタ334のゲート電極に電源電圧Vddの電圧レベルの信号Vzが印加されると、PMOSトランジスタ332からの電流を遮断し、電流Iv0をノードYに流さない。なお、信号Vzが電源電圧Vddの電圧レベルとなる場合、制御回路40bは、演算増幅回路20に所望の出力電圧Voutを出力ノードに対して印加させている。
【0101】
したがって、電源電圧Vddの立ち上がり時、電源電圧Vddが、例えばレベルV1より高いレベルV2となるまで、ノードYに流れる電流Iv1は、PMOSトランジスタ300からの電流Ivと、PMOSトランジスタ332からの電流Iv0とを加算した電流となる。
【0102】
一方、電源電圧VddがレベルV2より高くなると、ノードYに流れる電流Iv1は、PMOSトランジスタ300からの電流Ivとなる。そして、電源電圧Vddの立下り時、電源電圧Vddが、レベルV1となるまで、電流Iv1は、電流Ivである。
【0103】
その後、電源電圧Vddが、レベルV1より低くなると、電流Iv1は、PMOSトランジスタ300からの電流Ivと、PMOSトランジスタ332からの電流Iv0とを加算した電流となる。
【0104】
このようにすると、電源電圧Vddに対してヒステリシス特性を持たせるようにすることができる。
【0105】
これにより、電源電圧VddがレベルV2を超えた後、変動したとしても、レベルV1にならない限り、演算増幅回路20の出力ノードの状態の制御を変更する可能性が抑制され、電圧出力回路10は、安定的に動作することができる。なお、電流Iv0は、「第4電流」に相当する。
【0106】
==制御回路40bの動作==
図6及び図7は、制御回路40bの動作の一例を示す図である。以下、図6を参照しつつ、制御回路40bの動作を説明する。なお、図6は、電源電圧Vddの立ち上げと立ち下げを図3と同様に設定してシミュレーションを行った結果である。また、図7は、制御回路40bのヒステリシス特性を示すため、図6のうち、電源電圧Vdd、信号Von、出力電圧Voutを拡大した図である。
【0107】
=電源電圧Vddの立ち上がり時における制御回路40bの動作=
図6の時刻time=0msにおいて、レギュレータは、電源電圧Vccから電源電圧Vddを生成し始める。ただし、この時点においては、電源電圧Vddはまだほぼ接地電圧である。そのため、演算増幅回路20及び制御回路40bの各電流及び電圧はほぼゼロである。
【0108】
時刻time=5ms付近において、レギュレータは、電源電圧Vddを接地電圧から1V付近まで上昇させる。この時、図1のPMOSトランジスタ60がオンしていないため、電流源であるPMOSトランジスタ100,200,300、及び電流出力回路330は、それぞれ電流Ia,Iu,Iv,Iv0を流さない。したがって、電流生成回路310も電流Iwを流さない。また、差動対110,210もオフしている。また、第2インバータ回路は、電源電圧Vddが低いため、ほぼ接地電圧の電圧レベルの信号Vonを出力する。
【0109】
時刻time=9ms付近において、レギュレータは、電源電圧Vddを2V付近まで上昇させる。この時、図1のPMOSトランジスタ60はオンし、PMOSトランジスタ100,200,300,332は、ドレイン電極の電圧が所定条件を満たせば、それぞれ電流Ia,Iu,Iv,Iv0を流すゲート電圧が印加されるようになる。
【0110】
ただし、まだそれぞれのドレイン電極の電圧は所定条件を満たさないため、PMOSトランジスタ100,200,300,332は、それぞれ電流Ia,Iu,Iv,Iv0を流さない。したがって、電流生成回路310も電流Iwを流さない。
【0111】
また、NMOSトランジスタ314のゲート電圧が低く、PMOSトランジスタ300,332の抵抗値の方が小さいため、ノードYの電圧Vyは、電源電圧Vddと同様のほぼ2Vとなる。また、信号Vonの電圧レベルは、NMOSトランジスタ322の閾値電圧を超え、NMOSトランジスタ322はオンする。結果として、制御回路40bは、演算増幅回路20の出力ノードのレベルを接地電圧の電圧レベルとする。また、以後、信号Vonの電圧レベルは、電源電圧Vddの上昇に伴い上昇するが、NMOSトランジスタ322はオンされ続ける。
【0112】
時刻time=13.5ms付近において、レギュレータは、電源電圧Vddを3V付近まで上昇させる。この時、図1のPMOSトランジスタ60はすでにオンしており、PMOSトランジスタ300は、ドレイン電極の電圧が所定条件を満たしたので、電流Ivを流し始める。また、PMOSトランジスタ332も同様に電流Iv0を流し始める。そのため、電圧Vyは、高い電圧となる。したがって、第2インバータ回路は、NMOSトランジスタ322をオンする電圧Vonを出力し続ける。
【0113】
また、PMOSトランジスタ100,200も、差動対110,210がオンするため、それぞれ電流Ia及び電流Iuを流す。しかしながら、電流生成回路310は、電流Iv1より小さい電流Iwを流す。したがって、電圧Vyは高い電圧となる。なお、差動対110,210は、同じタイミングでオンする。
【0114】
時刻time=17ms付近において、図6に示すように、レギュレータは、電源電圧VddをレベルV2(例えば、3Vより高い電圧)まで上昇させる。この時、電流Iwが電流Iv1より大きくなるため、図5に示すように、ノードYの電圧Vyは低下する。電圧Vyが低下すると、第2インバータ回路は、接地電圧の電圧レベルの信号Vonを出力し、NMOSトランジスタ322はオフされる。
【0115】
結果として、制御回路40bは、演算増幅回路20に出力電圧Voutを出力ノードに対して印加させる。なお、この時点で、信号Vzは、電源電圧Vddの電圧レベルとなるため、PMOSトランジスタ334はオフする。したがって、電流出力回路330は、電流Iv0を流さない。
【0116】
以上から、図7に示すように、制御回路40bは、電源電圧Vddの立ち上がり時、電源電圧VddがレベルV2になるまで、演算増幅回路20の出力ノードのレベルを接地電圧の電圧レベルとする。そして、制御回路40bは、電源電圧VddがレベルV2より高くなると、演算増幅回路20に入力電圧VP,VMに応じた所望の出力電圧Voutを出力ノードに対して印加させる。
【0117】
=電源電圧Vddの立ち下がり時における制御回路40bの動作=
図6の時刻time=75ms付近において、レギュレータは、電源電圧Vddを目的レベルから低下させ始める。この時、第2インバータ回路は、NMOSトランジスタ322をオフする接地電圧の電圧レベルの信号Vonを出力している。したがって、信号Vzは、電源電圧Vddの電圧レベルにあり、PMOSトランジスタ334はオフし、電流出力回路330は、電流Iv0を流さない。
【0118】
また、PMOSトランジスタ100,200,300は、オンしているため、それぞれ電流Ia、電流Iu、電流Ivを流す。また、電流Iuが流れているため、電流生成回路310は、電流Iwを流す。また、電圧Vyは、電流Iwが電流Ivより大きいため、接地電圧の電圧レベルとなる。したがって、第2インバータ回路は、接地電圧の電圧レベルの信号Vonを出力し、NMOSトランジスタ322はオフされている。結果として、制御回路40aは、演算増幅回路20に出力電圧Voutを出力ノードに対し印加させている。
【0119】
時刻time=83ms付近において、レギュレータは、電源電圧Vddを3V程度に低下させる。この時、電源電圧Vdd及びノードX0の電圧Vx0の差は減少し、PMOSトランジスタ200は、電流Iuを減少させ始める。また、PMOSトランジスタ300のドレイン・ソース間電圧も小さくなるため、PMOSトランジスタ300も、電流Ivを減少させ始める。また、電流Iuが減少するため、電流生成回路310も、電流Iwを減少させ始める。
【0120】
時刻time=86ms付近において、レギュレータは、電源電圧VddをレベルV1(すなわち、ほぼ3V)とする。この時、電源電圧Vdd及びノードX0の電圧Vx0の差は減少し、PMOSトランジスタ200は、電流Iuを減少させ、電流Iwが電流Ivより小さくなるため、電圧Vyは高い電圧となる。したがって、第2インバータ回路は、電源電圧Vddの電圧レベルの信号Vonを出力し、NMOSトランジスタ322をオンする。この場合、信号Vzは、接地電圧の電圧レベルとなるため、PMOSトランジスタ334はオンする。結果として、制御回路40bは、演算増幅回路20の出力ノードのレベルを接地電圧の電圧レベルにする。なお、電源電圧VddがレベルV1となると、差動対110,210は、同じタイミングでオフする。
【0121】
時刻time=96ms付近において、レギュレータは、電源電圧Vddを1V付近まで低下させる。この時、図1のPMOSトランジスタ60はオフし、PMOSトランジスタ100,200,300もオフするため、それぞれ電流Ia,Iu,Ivを流さない。また、電流出力回路330も、PMOSトランジスタ332がオフするため、電流Iv0を流さない。そのため、演算増幅回路20及び制御回路40bの各電流及び電圧はほぼゼロである。
【0122】
以上から、図7に示すように、制御回路40bは、電源電圧Vddの立下り時、電源電圧VddがレベルV1より高い場合、演算増幅回路20に入力電圧VP,VMに応じた所望の出力電圧Voutを出力ノードに対して印加させる。そして、制御回路40bは、電源電圧VddがレベルV1より低下すると、演算増幅回路20の出力ノードのレベルを接地電圧の電圧レベルとする。
【0123】
また、電流Iwの電流値は、電源電圧Vddの電圧レベルにより決定される。演算増幅回路20の出力ノードの状態に応じて、電流出力回路330が電流Iv0を流したり止めたりすることで、制御回路40bは、NMOSトランジスタ322をオンする、又はオフするのに必要となる電流Iwの電流値を変化させる。
【0124】
そのため、図7に示すように、制御回路40bは、電源電圧Vddの立ち上がり時と、立下り時とで、演算増幅回路20の出力ノードの状態を変化させるよう制御する際の電源電圧Vddの電圧レベルにヒステリシス特性を持たせることができる。
【0125】
したがって、図7に示すように、制御回路40bは、電源電圧VddがレベルV1より高いレベルV2になるまで、演算増幅回路20の出力ノードのレベルを接地電圧の電圧レベルとする。そして、制御回路40bは、電源電圧VddがレベルV2より高くなると、演算増幅回路20に入力電圧VP,VMに応じた所望の出力電圧Voutを出力ノードに対して印加させる。
【0126】
一方、制御回路40bは、電源電圧VddがレベルV1より低くなると、演算増幅回路20の出力ノードのレベルを接地電圧の電圧レベルとする。これにより、演算増幅回路20が安定して動作し始め、演算増幅回路20が出力ノードに所望の出力電圧Voutを印加している際に、電源電圧Vddが変動したとしても、制御回路40bが、出力ノードの状態を変更することは抑制される。
【0127】
===まとめ===
以上、本実施形態の電圧出力回路10について説明した。制御回路40aは、PMOSトランジスタ200、差動対210、出力制御回路220を備える。出力制御回路220は、電源電圧VddのレベルがレベルV1となるまで、演算増幅回路20の出力ノードのレベルを接地電圧の電圧レベルとする。一方、出力制御回路220は、電源電圧VddがレベルV1より高くなると、演算増幅回路20に出力電圧Voutを出力ノードに対して印加させる。これにより、制御回路40aは、基準電圧を用いて電源電圧Vddの電圧レベルを判定せずに、演算増幅回路20が安定して動作し始める電源電圧Vddの電圧レベルを判定することができる。したがって、演算増幅回路の出力を有効にする電源電圧のレベルのばらつきを抑制できる制御回路を提供することができる。
【0128】
また、出力制御回路220は、PMOSトランジスタ300、電流生成回路310、電圧印加回路320を備える。電流生成回路310は、電源電圧VddがレベルV1となるまで、電流Ivより小さい電流Iwを生成する。一方、電流生成回路310は、電源電圧VddがレベルV1より高くなると、電流Ivより大きい電流Iwを生成する。これにより、制御回路40aは、PMOSトランジスタ100,200、及び差動対110,210の特性をそろえることにより、演算増幅回路20が安定して動作する電源電圧Vddの電圧レベルを、電圧ではなく電流を用いて判定することができる。
【0129】
また、PMOSトランジスタ300は、電源電圧Vdd及びバイアス電圧Vbiasに応じた電流Ivを生成する。これにより、制御回路40aは、演算増幅回路20が安定して動作する電源電圧Vddの電圧レベルを、電圧ではなく電流を用いて判定することができる。
【0130】
また、電流Iv1を生成する電流源は、PMOSトランジスタ300及び電流出力回路330を含む。そして、電流Iv1は、PMOSトランジスタ300が流す電流Ivと、電流出力回路330が流す電流Iv0とを加算した電流である。これにより、制御回路40bは、電源電圧Vddに対してヒステリシス機能を有し、電源電圧Vddが変動して演算増幅回路20の出力ノードの状態の制御が不安定になることを抑制できる。
【0131】
また、電圧印加回路320は、スイッチ制御回路321及びNMOSトランジスタ322を含む。これにより、制御回路40aは、電流Iv,Iwに基づいて決まる電圧Vyに応じて、NMOSトランジスタ322をオンオフする。これにより、制御回路40bは、電流Iv,Iwに基づいて、演算増幅回路20の出力ノードの状態を制御できる。
【0132】
また、電流Iaに対する電流Iuの大きさは所定倍である。そして、差動対110を構成するPMOSトランジスタ112,114のトランジスタのチャネル幅とチャネル長との比に対する、差動対210を構成するPMOSトランジスタ212,214のチャネル幅とチャネル長との比は、所定倍である。これにより、PMOSトランジスタ100,200の特性は一致し、差動対110,210の特性も一致するため、制御回路40aは、演算増幅回路20が安定して動作し始める電源電圧Vddの電圧レベルを正確に判定できる。
【0133】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
【符号の説明】
【0134】
10 電圧出力回路
20 演算増幅回路
30,32,34,36,160 抵抗
40,40a,40b 制御回路
50 電圧生成回路
60,100,112,114,130,200,212,214,300,323,325,332,334 PMOSトランジスタ
62 定電流源
110,210 差動対
120 能動負荷
122,124,140,312,314,322,324,326 NMOSトランジスタ
150 コンデンサ
220 出力制御回路
310 電流生成回路
320 電圧印加回路
321 スイッチ制御回路
330 電流出力回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7