(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107555
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240802BHJP
【FI】
G08G1/16 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011539
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 陽平
(72)【発明者】
【氏名】清水 覚史
(72)【発明者】
【氏名】島崎 隆
(72)【発明者】
【氏名】塚本 義弘
(72)【発明者】
【氏名】村野 晃大
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 祐太
(72)【発明者】
【氏名】藤川 国雄
(72)【発明者】
【氏名】松山 誠
(72)【発明者】
【氏名】江間 慎弥
(72)【発明者】
【氏名】高田 貴正
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC27
5H181EE02
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL20
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】搭乗者による要因の確認時の運転阻害を抑制する。
【解決手段】情報処理装置22の不安要因特定部22Eは、不安が検出されたときに、搭乗者の状態を検出することにより得られた搭乗者状態データ、車両10の状態を検出することにより得られた車両状態データ、および車両10が走行する状態を検出することで得られた走行状態データの少なくとも一つを用いて、予め定められた複数の要因から、搭乗者に不安を与えている一つの要因を特定する。確認可否判定部22Fは、車両10の位置および車両10の状況の少なくとも一方に基づいて、一つの要因が正しいか否かの搭乗者への確認を許可するか否かを判定する。確認部22Gは、確認を許可すると判定されたときに、一つの要因が正しいか否かを搭乗者に確認する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の搭乗者が不安を感じたことを検出する不安検出部と、
前記不安が検出されたときに、前記搭乗者の状態を検出することにより得られた搭乗者状態データ、前記車両の状態を検出することにより得られた車両状態データ、および前記車両が走行する状態を検出することで得られた走行状態データの少なくとも一つを用いて、予め定められた複数の要因から、前記搭乗者に前記不安を与えている一つの要因を特定する不安要因特定部と、
前記車両の位置および前記車両の状況の少なくとも一方に基づいて、前記一つの要因が正しいか否かの前記搭乗者への確認を許可するか否かを判定する確認可否判定部と、
確認を許可すると判定されたときに、前記一つの要因が正しいか否かを前記搭乗者に確認する確認部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記確認可否判定部は、
前記車両の位置が予め定められた確認不可領域内である場合、前記搭乗者への確認を許可しないと判定し、前記車両の位置が前記確認不可領域外である場合、前記搭乗者への確認を許可すると判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記確認可否判定部は、
前記車両の状況が、夜間運転中、車線変更中、および車間距離が所定距離以下、の少なくとも1つの状況を満たす場合、前記搭乗者への確認を許可しないと判定し、
前記車両の状況が、夜間運転中、車線変更中、および車間距離が所定距離以下、の全ての状況を満たさない場合、前記搭乗者への確認を許可すると判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記確認可否判定部は、
前記車両の位置が予め定められた確認不可領域内であるか否かを判定し、前記車両の位置が前記確認不可領域外であると判定した場合、前記車両の状況が、夜間運転中、車線変更中、および車間距離が所定距離以下、の少なくとも1つの状況を満たすか否かを判定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記確認可否判定部は、
前記車両の位置および前記車両の状況の少なくとも一方に基づいて、前記搭乗者への確認方法を更に判定し、
前記確認部は、
前記確認を許可すると判定されたときに、判定された前記確認方法を用いて、前記一つの要因が正しいか否かを前記搭乗者に確認する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記確認方法は、視覚および聴覚の少なくとも一方による確認方法、または、聴覚のみによる確認方法、である、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記確認可否判定部は、
前記不安要因特定部によって前記一つの要因が特定されたときに、特定された前記一つの要因と、前記一つの要因に対する確認状態として未確認を表す前記確認状態と、を対応付けたログデータをログデータ記憶部に記憶し、
前記車両の位置および前記車両の状況の少なくとも一方に基づいて、前記一つの要因が正しいか否かの前記搭乗者への確認を許可しないと判定した場合、および、前記ログデータを記憶してから第1所定時間の間に前記確認状態が前記未確認のまま更新されなかった場合、前記一つの要因に対応する前記確認状態を、確認不可を表す前記確認状態に更新し、
前記一つの要因が正しいか否かの前記搭乗者への確認を許可すると判定した場合、前記一つの要因に対応する前記確認状態を、確認許可を表す前記確認状態に更新し、
前記ログデータを記憶してから前記第1所定時間より長い第2所定時間が経過したときに、前記確認不可を表す前記確認状態を含む前記ログデータを、前記ログデータ記憶部から削除する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記搭乗者が前記一つの要因が正しいと確認した場合に、前記一つの要因に対する対策を決定する対策決定部と、
前記対策を実行する対策実行部と、
を備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
車両の搭乗者が不安を感じたことを検出するステップと、
前記不安が検出されたときに、前記搭乗者の状態を検出することにより得られた搭乗者状態データ、前記車両の状態を検出することにより得られた車両状態データ、および前記車両が走行する状態を検出することで得られた走行状態データの少なくとも一つを用いて、予め定められた複数の要因から、前記搭乗者に前記不安を与えている一つの要因を特定するステップと、
前記車両の位置および前記車両の状況の少なくとも一方に基づいて、前記一つの要因が正しいか否かの前記搭乗者への確認を許可するか否かを判定するステップと、
確認を許可すると判定されたときに、前記一つの要因が正しいか否かを前記搭乗者に確認するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項10】
車両の搭乗者が不安を感じたことを検出するステップと、
前記不安が検出されたときに、前記搭乗者の状態を検出することにより得られた搭乗者状態データ、前記車両の状態を検出することにより得られた車両状態データ、および前記車両が走行する状態を検出することで得られた走行状態データの少なくとも一つを用いて、予め定められた複数の要因から、前記搭乗者に前記不安を与えている一つの要因を特定するステップと、
前記車両の位置および前記車両の状況の少なくとも一方に基づいて、前記一つの要因が正しいか否かの前記搭乗者への確認を許可するか否かを判定するステップと、
確認を許可すると判定されたときに、前記一つの要因が正しいか否かを前記搭乗者に確認するステップと、
をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の搭乗者の状態等の検出結果を用いて搭乗者に不安を与えている要因を特定し、特定した要因が正しいか否かを搭乗者に確認して正しいと確認された場合に、確認された要因に対する対策を実行するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術では、特定した要因の搭乗者に対する確認タイミングについて考慮されておらず、状況などによっては運転阻害を引き起こす場合があった。
【0005】
本開示が解決しようとする課題は、搭乗者による要因の確認時の運転阻害を抑制することができる、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる情報処理装置は、不安検出部と、不安要因特定部と、確認可否判定部と、確認部と、を備える。不安検出部は、車両の搭乗者が不安を感じたことを検出する。不安要因特定部は、前記不安が検出されたときに、前記搭乗者の状態を検出することにより得られた搭乗者状態データ、前記車両の状態を検出することにより得られた車両状態データ、および前記車両が走行する状態を検出することで得られた走行状態データの少なくとも一つを用いて、予め定められた複数の要因から、前記搭乗者に前記不安を与えている一つの要因を特定する。確認可否判定部は、前記車両の位置および前記車両の状況の少なくとも一方に基づいて、前記一つの要因が正しいか否かの前記搭乗者への確認を許可するか否かを判定する。確認部は、確認を許可すると判定されたときに、前記一つの要因が正しいか否かを前記搭乗者に確認する。
【発明の効果】
【0007】
本開示にかかる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムによれば、搭乗者による要因の確認時の運転阻害を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態の情報処理システムの一例の模式図である。
【
図2】
図2は、情報処理装置およびサーバ装置の一例のハードウェア構成図である。
【
図3A】
図3Aは、搭乗者状態データのデータ構成の一例を示す模式図である。
【
図3B】
図3Bは、車両状態データのデータ構成の一例を示す模式図である。
【
図3C】
図3Cは、走行状態データのデータ構成の一例を示す模式図である。
【
図4】
図4は、確認不可エリアリストのデータ構成の一例の模式図である。
【
図5A】
図5Aは、ログデータのデータ構成の一例の模式図である。
【
図5B】
図5Bは、ログデータのデータ構成の一例の模式図である。
【
図5C】
図5Cは、ログデータのデータ構成の一例の模式図である。
【
図5D】
図5Dは、ログデータのデータ構成の一例の模式図である。
【
図6】
図6は、対策テーブルのデータ構成の一例の模式図である。
【
図7】
図7は、情報処理装置が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、確認可否判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、確認状態の更新処理を、繰り返し処理として行った場合の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本開示に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムの実施形態を説明する。
【0010】
図1は、本実施形態の情報処理システム1の一例の模式図である。
【0011】
情報処理システム1は、情報処理装置22と、サーバ装置30と、を備える。情報処理装置22とサーバ装置30とは、ネットワークN等を介して通信可能に接続されている。
【0012】
情報処理装置22は、車両10の搭乗者に不安を与えている要因を特定し、特定した要因に応じた対策を実行するためのコンピュータである。本実施形態では、情報処理装置22が、車両10に搭載された形態を一例として説明する。
【0013】
車両10は、搭乗者状態センシング部12と、走行状態センシング部14と、車両状態センシング部16と、UI(ユーザ・インターフェース)部18と、記憶部20と、情報処理装置22と、を備える。
【0014】
搭乗者状態センシング部12、走行状態センシング部14、車両状態センシング部16、UI部18、記憶部20、および情報処理装置22は、バス24等を介して通信可能に接続されている。なお、本実施形態の情報処理装置を、搭乗者状態センシング部12、走行状態センシング部14、車両状態センシング部16、UI部18、および記憶部20の少なくとも1つと、情報処理装置22と、を含む構成としてもよい。
【0015】
搭乗者状態センシング部12は、運転者を含む搭乗者の状態を検出し、その検出結果を搭乗者状態検出結果として情報処理装置22へ出力する。搭乗者状態検出結果は、例えば、搭乗者の覚醒度、搭乗者の視線方向、および搭乗者の感情を特定可能な検出結果である。
【0016】
例えば、搭乗者状態センシング部12は、DMS(Driver Monitoring System)12Aを含む。DMS12Aは、搭乗者の画像および音声を取得して搭乗者の状態を監視するシステムである。DMS12Aは、搭乗者の画像を取得する撮影装置としての車内カメラ、搭乗者の音声を取得する音声取得装置としてのマイクロフォン(以下、マイク)等を含む。
【0017】
走行状態センシング部14は、車両10の周囲の走行状態を検出し、その検出結果である走行状態検出結果を情報処理装置22へ出力する。走行状態検出結果は、例えば、車両10の周囲の明るさ、天候、および車両10の周囲の物体を特定可能な検出結果である。
【0018】
例えば、走行状態センシング部14は、受光センサ14A、カメラ14B、接近センサ14C、およびライダー(Light Detection and Ranging)14Dを含む。
【0019】
受光センサ14Aは、車両10の周辺の明るさを検出するためのセンサである。カメラ14Bは、車両10の周囲の映像を撮影する撮影装置である。カメラ14Bは、少なくとも車両10の前方の映像を撮影する。
【0020】
接近センサ14Cは、車両10から予め定められた範囲に物体があることを検出するセンサである。接近センサ14Cは、例えば、ミリ波レーダセンサ、レーザーレーダ装置、ステレオカメラ、等である。
【0021】
ライダー14Dは、光を使って、車両10の周囲の物体と、その距離とを計測する装置である。
【0022】
車両状態センシング部16は、車両10の状態を検出し、その検出結果である車両状態検出結果を情報処理装置22へ出力する。車両状態検出結果は、例えば、車両10の速度、加速度、ブレーキ、アクセル、ステアリング角度、クラクション、警告有無、警告種別、ナビ状態、インパネ状態、およびウィンカー状態を特定可能な検出結果である。
【0023】
例えば、車両状態センシング部16は、CAN(Controller Area Network)16A、ナビシステム16B、およびマイク16Cを含む。
【0024】
CAN16Aは、車両10の速度、加速度、ブレーキ、アクセル、ステアリング角度、クラクション、警告有無、警告種別、インパネ状態、およびウィンカーの状態を計測し転送するためのネットワークである。
【0025】
ナビシステム16Bは、車両10の位置を計測し、目的地への経路案内を行なう機能である。車両10の位置は、詳細には、車両10の現在位置である。以下では、車両10の位置を、車両10の現在位置と称して説明する場合がある。マイク16Cは、車両10の周囲の音を取得する音声取得装置である。
【0026】
UI部18は、搭乗者による入力操作を受付ける入力機能と、各種の情報を出力する出力機能と、を備える。入力機能は、例えば、タッチパネル、マウス、キーボードなどである。出力機能は、画像を表示するディスプレイ、音を出力するスピーカ、等である。
【0027】
記憶部20は、各種の情報を記憶する。記憶部20は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等である。なお、記憶部20は、記憶媒体であってもよい。具体的には、記憶媒体は、プログラムまたは各種の情報を、LAN(Local Area Network)およびインターネットなどを介してダウンロードして記憶または一時記憶したものであってもよい。また、記憶部20を、複数の記憶媒体から構成してもよい。
【0028】
本実施形態では、記憶部20は、例えば、ログデータ記憶部20A、確認不可エリアリスト20B、対策テーブル20C等を記憶する。また、記憶部20は、後述する搭乗者状態データ、車両状態データ、および走行状態データ等を記憶する。また、記憶部20は、インストルメントパネル(以下、インパネと称する場合がある)、サイドミラー、およびバックミラー等の車両10内の部品の位置を示す部品位置データ等を記憶する。ログデータ記憶部20A、確認不可エリアリスト20B、および対策テーブル20C等の各種のデータの詳細は後述する。
【0029】
搭乗者状態センシング部12、走行状態センシング部14、車両状態センシング部16、UI部18、記憶部20、および情報処理装置22は、車両10に設けられた各種のECU(Electronic Control Unit)と通信可能に接続されていてよい。
【0030】
次に、情報処理装置22について詳細に説明する。
【0031】
図2は、情報処理装置22およびサーバ装置30のハードウェア構成図の一例である。
【0032】
情報処理装置22およびサーバ装置30は、CPU(Central Processing Unit)11A、ROM(Read Only Memory)11B、RAM11C、およびI/F11D等がバス11Eにより相互に接続されており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。なお、サーバ装置30は、複数のサーバ装置を含んで構成されてもよい。
【0033】
CPU11Aは、本実施形態の情報処理装置22およびサーバ装置30を制御する演算装置である。ROM11Bは、CPU11Aによる各種の処理を実現するプログラム等を記憶する。RAM11Cは、CPU11Aによる各種の処理に必要なデータを記憶する。I/F11Dは、データを送受信するためのインターフェースである。
【0034】
本実施形態の情報処理装置22およびサーバ装置30で実行される情報処理を実行するためのプログラムは、ROM11B等に予め組み込んで提供される。なお、本実施形態の情報処理装置22およびサーバ装置30で実行されるプログラムは、情報処理装置22およびサーバ装置30にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供するように構成してもよい。
【0035】
【0036】
情報処理装置22の処理部は、各種の情報処理を実行する。例えば、CPU11Aが、ROM11BからプログラムをRAM11C上に読み出して実行することにより、処理部の後述する各機能部がコンピュータ上で実現される。プログラムは、例えば、ICS(Intelligent Clearance Sonar)などの踏み間違え時事故抑制システムのアプリケーションに実装されたプログラムなどであるが、これに限定されない。ICSアプリケーションとは、情報処理装置22で動作するソフトウェアの一例である。
【0037】
情報処理装置22の処理部は、不安検出部22Aと、搭乗者状態管理部22Bと、車両状態管理部22Cと、走行状態管理部22Dと、不安要因特定部22Eと、確認可否判定部22Fと、確認部22Gと、対策決定部22Hと、対策実行部22Iと、アップロード部22Jと、更新部22Kと、を備える。
【0038】
不安検出部22A、搭乗者状態管理部22B、車両状態管理部22C、走行状態管理部22D、不安要因特定部22E、確認可否判定部22F、確認部22G、対策決定部22H、対策実行部22I、アップロード部22J、および更新部22Kの一部または全ては、例えば、CPU11Aなどの処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)などのハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
【0039】
また、不安検出部22A、搭乗者状態管理部22B、車両状態管理部22C、走行状態管理部22D、不安要因特定部22E、確認可否判定部22F、確認部22G、対策決定部22H、対策実行部22I、アップロード部22J、および更新部22Kの少なくとも1つを、ネットワークNなどを介して情報処理装置22と通信可能に接続された外部のサーバ装置30などの情報処理装置に搭載した構成としてもよい。また、記憶部20に記憶されている情報の少なくとも一部を、ネットワークNなどを介して情報処理装置22と通信可能に接続された外部のサーバ装置30などの情報処理装置に記憶する構成としてもよい。
【0040】
不安検出部22Aは、搭乗者状態センシング部12から受付けた搭乗者検出結果により搭乗者の感情を認識することで、車両10の搭乗者が不安を感じたことを検出する。
【0041】
例えば、不安検出部22Aは、DMS12Aで取得される搭乗者の顔の画像、声のトーン、又は、その両方等を含む搭乗者状態検出結果から、公知の方法を用いて、搭乗者の覚醒度、搭乗者の視線方向、および搭乗者の感情を特定する。また、不安検出部22Aは、搭乗者状態検出結果から特定した搭乗者の覚醒度、搭乗者の視線方向、および搭乗者の感情から、公知の解析方法などを用いて、搭乗者が不安を感じたか否かを検出する。
【0042】
不安検出部22Aは、搭乗者状態センシング部12から経時に沿って順次受け付ける搭乗者検出結果を用いて、搭乗者が不安を感じたか否かを判断する。そして、不安検出部22Aは、搭乗者が不安を感じたか否かの検出結果を、順次不安要因特定部22Eへ出力する。不安検出部22Aは、搭乗者が不安を感じたか否かの検出結果を記憶部20へ更に記憶してもよい。
【0043】
搭乗者状態管理部22Bは、搭乗者状態センシング部12から受付けた搭乗者検出結果により、搭乗者の覚醒度、視線方向、および感情などを含む搭乗者状態を特定する。搭乗者状態管理部22Bは、搭乗者状態センシング部12から経時に沿って順次受け付ける搭乗者検出結果を用いて、経時に沿った各タイミングにおける搭乗者状態を特定する。搭乗者状態管理部22Bは、特定した搭乗者状態を表す搭乗者状態データを不安要因特定部22Eへ順次出力する。搭乗者状態管理部22Bは、搭乗者状態データを記憶部20へ更に記憶してもよい。
【0044】
図3Aは、搭乗者状態データのデータ構成の一例を示す模式図である。搭乗者状態データは、例えば、覚醒度を示す検出データと、視線方向を示す検出データと、感情を示す検出データとを含む。
【0045】
覚醒度とは、搭乗者の意識がはっきりしている度合いである。視線方向とは、搭乗者の視線方向である。搭乗者の視線方向とは、搭乗者の視線の向かう方向である。搭乗者の視線方向は、例えば、予め定められたx軸、y軸、およびz軸の直交する予め定められた三つの軸に対する角度で示される。感情とは、搭乗者の感情である。具体的には、例えば、感情は、「neutral」、「怒り」、「恐れ」、「驚き」、「悲しみ」、「嫌悪」、および「幸せ(喜び)」の各々の度合いによって表される。
【0046】
【0047】
車両状態管理部22Cは、車両状態センシング部16から受付けた車両状態検出結果により、車両10の速度、加速度、ブレーキ、アクセル、ステアリング角度、クラクション、警告有無、警告種別、ナビ状態、インパネ状態、ウィンカー状態、等の車両状態を特定する。車両状態管理部22Cは、車両状態センシング部16から経時に沿って順次受け付ける車両状態検出結果を用いて、経時に沿った各タイミングにおける車両状態を特定する。車両状態管理部22Cは、特定した車両状態を示す車両状態データを不安要因特定部22Eへ順次出力する。車両状態管理部22Cは、車両状態データを記憶部20へ更に記憶してもよい。
【0048】
図3Bは、車両状態データのデータ構成の一例を示す模式図である。車両状態データは、例えば、速度を示す検出データと、加速度を示す検出データと、ブレーキを示す検出データと、アクセルを示す検出データと、ステアリング角度を示す検出データと、クラクションを示す検出データと、警告有無を示す検出データと、警告種別を示す検出データと、ナビ状態を示す検出データと、インパネ状態、およびウィンカー状態、を示す検出データとを含む。
【0049】
速度は、車両10の速度である。加速度とは、車両10の加速度である。ブレーキとは、運転者が車両10のブレーキを操作している強度である。アクセルとは、運転者が車両10のアクセルを操作している強度である。ステアリング角度とは、運転者が車両のステアリングを操作している角度である。クラクションとは、クラクションの有無である。警告有無とは、車両10に警告があるか否かである。警告種別とは、車両に警告がある場合に、その警告の種別である。ナビ状態とは、車両10に搭載されているナビゲーションで取得されている情報である。ナビ状態には、車両10の車速および車両10の現在位置を表す情報が含まれる。上述したように、現在位置は、車両10の位置、すなわち車両10の現在の位置を示す。インパネ状態とは、車両のインパネに表示されている情報である。ウィンカー状態とは、ウィンカーの状態を表す情報である。
【0050】
【0051】
走行状態管理部22Dは、走行状態センシング部14から受付けた走行状態検出結果により、車両10の周囲の明るさ、天候、車両10の周囲の物体、等の走行状態を特定する。例えば、悪天候の場合には、走行状態センシング部14に含まれるカメラ14B、接近センサ14C、ライダー14D等の各種センサの性能が低下する。このため、走行状態管理部22Dは、これら各種センサの性能が低下した場合、悪天候と判断し、その判断結果を走行状態データとして生成する。
【0052】
走行状態管理部22Dは、走行状態センシング部14から経時に沿って順次受け付ける走行状態検出結果を用いて、経時に沿った各タイミングにおける走行状態を特定し、走行状態データを生成する。走行状態管理部22Dは、特定した走行状態を示す走行状態データを不安要因特定部22Eへ順次出力する。走行状態管理部22Dは、走行状態データを記憶部20へ更に記憶してもよい。
【0053】
図3Cは、走行状態データのデータ構成の一例を示す模式図である。走行状態データは、例えば、周辺画像データと、明るさと、天候を示す検出データと、物体を示す検出データとを含む。
【0054】
周辺画像データとは、車両10の周辺を撮影するカメラ14Bによって撮影された撮影画像データである。
【0055】
明るさとは、車両10の周囲の明るさであり、例えば、受光センサ14Aによる検出結果によって表される。天候とは、車両10の周囲の天候である。物体i(iは1以上の整数)は、車両10の周囲で検出された物体iの種別、大きさ、出現時間、距離、方向および相対速度により特定される。これらは、例えば、カメラ14Bからの画像、接近センサ14Cからの検出信号およびライダー14Dからの検出信号の少なくとも何れか一つから、公知の技術を用いて取得されるものとする。なお、物体iの検出データについては、車両10の周囲で検出された数iだけ、走行状態データとして格納されるものとする。
【0056】
【0057】
不安要因特定部22Eは、不安が検出されたときに、搭乗者状態データ、車両状態データ、および走行状態データ、の少なくとも一つを用いて、予め定められた複数の要因から、搭乗者に不安を与えている一つの要因を特定する。
【0058】
不安要因特定部22Eは、不安検出部22Aから受付けた検出結果が不安を感じたことを検出したことを表す場合、搭乗者の不安が検出されたと判定する。そして、不安要因特定部22Eは、搭乗者の不安が検出されたと判定したときに、搭乗者に不安を与えている一つの要因を特定する。
【0059】
不安要因特定部22Eは、搭乗者状態データ、車両状態データ、および走行状態データの少なくとも一つを用いて、予め定められた複数の要因から、搭乗者に不安を与えている一つの要因を特定する。
【0060】
例えば、不安要因特定部22Eは、搭乗者状態データ、車両状態データ、および走行状態データに含まれている複数の検出データの各々で示される要因について、搭乗者に不安を与えている要因であるか否かを判断する順番を予め定める。そして、不安要因特定部22Eは、予め定めた順番に従って、搭乗者の不安の要因を特定する。
【0061】
詳細には、不安要因特定部22Eは、搭乗者状態データに含まれる「覚醒度」が予め定められた閾値よりも高いか否かを判別することで、搭乗者が覚醒状態であるか否かを判断する。不安要因特定部22Eは、搭乗者が覚醒状態ではないと判断すると、不安を与えている要因無と判断する。
【0062】
不安要因特定部22Eは、搭乗者が覚醒状態であると判断すると、車両情報データの「クラクション」がクラクションの鳴動を示すか否かを判断する。不安要因特定部22Eは、クラクションの鳴動を示すと判断すると、異常音を不安の要因と特定する。
【0063】
不安要因特定部22Eは、クラクションの鳴動を示さないと判断すると、直前に急操作があったか否かを判断する。詳細には、不安要因特定部22Eは、車両状態データの「ステアリング角度」を監視することにより、現在までの予め定められた期間内に予め定められた角度以上のステアリング操作があるか否かを判別することで、直前に急操作があったか否かを判断する。直前に急操作があったと判断した場合、不安要因特定部22Eは、急操作を不安の要因と特定する。
【0064】
不安要因特定部22Eは、直前に急操作が無かったと判断すると、搭乗者状態データの「視線方向」を確認することで、搭乗者の視線方向が車外であるか否かを判断する。搭乗者の視線方向が車外であると判断した場合、不安要因特定部22Eは、視線方向に対象物があるか否か、対象物体の相対速度は所定速度以上か、対象物体の出現時間は所定時間未満か、対象物体との距離は所定距離未満か、を走行状態データおよび車両状態データを用いて順に判断する。
【0065】
不安要因特定部22Eは、視線方向に対象物があり、対象物体の相対速度が所定速度以上と判断した場合、他車両速度を不安の要因と特定する。不安要因特定部22Eは、視線方向に対象物があり、対象物体の出現時間は所定時間未満であると判断した場合、飛び出しを不安の要因と特定する。不安要因特定部22Eは、視線方向に対象物があり、対象物体との距離は所定距離未満と判断した場合、車間距離を不安の要因と特定する。
【0066】
視線方向に対象物があり、対象物体の相対速度は所定速度未満であって、対象物体の出現時間は所定時間以上で、対象物体との距離は所定距離以上である、と判断した場合、不安要因特定部22Eは、不安の要因無と特定する。
【0067】
不安要因特定部22Eは、視線方向に対象物体がありと判断した場合、自車両である車両10の速度が所定速度以上であるか否か、および車両10の周囲の天候は悪天候であるか否かを、車両状態データおよび走行状態データを用いて順に判断する。
【0068】
不安要因特定部22Eは、自車両である車両10の速度が所定速度以上と判断した場合、自車速度を不安の要因と特定する。不安要因特定部22Eは、車両10の周囲の天候が悪天候であると判断した場合、悪天候を不安の要因と特定する。不安要因特定部22Eは、車両10の速度が所定速度未満、且つ、車両10の周囲の天候は悪天候ではない、と判断した場合、不安の要因無と特定する。
【0069】
また、不安要因特定部22Eは、搭乗者の視線方向が車外ではない、すなわち車内であると判断した場合、搭乗者状態データ、車両状態データ、および記憶部20に記憶されている部品位置データを用いて、要因を特定する。詳細には、不安要因特定部22Eは、視線方向にある対象がミラーではなく、視線方向にある対象が車内表示機器であり、直前の表示内容が特定の内容である場合、該特定の内容を不安の要因と特定する。また、不安要因特定部22Eは、視線方向にある対象がミラーではなく、視線方向にある対象が車内表示機器ではなく、直前の表示内容が特定の内容ではない場合、不安の要因無と特定する。
【0070】
また、不安要因特定部22Eは、搭乗者の視線方向にある対象がミラーであると判断した場合、搭乗者の視線方向にあるサイドミラー又はバックミラーに予め定められた物体である対象物体が写っているか否かを判断する。例えば、不安要因特定部22Eは、走行状態データの「物体i」の中に、搭乗者の視線方向にあるサイドミラー又はバックミラーからの予め定められた方向範囲内に予め定められた物体がある場合、搭乗者の視線方向にあるサイドミラー又はバックミラーに対象物体が写っていると判断する。
【0071】
不安要因特定部22Eは、搭乗者の視線方向にあるサイドミラー又はバックミラーに対象物体が写っていないと判断した場合、不安の要因無と特定する。
【0072】
不安要因特定部22Eは、搭乗者の視線方向にあるサイドミラー又はバックミラーに対象物体が写っていると判断した場合、対象物体の相対速度は所定速度以上であるか否か、対象物体の出現時間は所定時間未満であるか否か、および対象物体との距離は所定距離未満であるか否かを、車両状態データおよび走行状態データを用いて順に判断する。
【0073】
不安要因特定部22Eは、対象物体の相対速度が所定速度以上であると判断した場合、他車速度を不安の要因と特定する。不安要因特定部22Eは、対象物体の出現時間は所定時間未満であると判断した場合、飛び出しを不安の要因と判断する。不安要因特定部22Eは、対象物体との距離が所定距離未満と判断した場合、車間距離を不安の要因と判断する。
【0074】
また、不安要因特定部22Eは、対象物体の相対速度は所定速度未満、対象物体の出現時間は所定時間以上、または対象物体との距離は所定距離以上、と判断した場合、不安要因特定部22Eは、不安の要因無と特定する。
【0075】
このように、不安要因特定部22Eは、不安が検出されたときに、搭乗者状態データ、車両状態データ、および走行状態データ、の少なくとも一つを用いて、予め定められた複数の要因の各々について順に該当するか否かを判断することで、搭乗者に不安を与えている一つの要因を特定する。
【0076】
なお、不安要因特定部22Eは、搭乗者状態データ、車両状態データ、および走行状態データに含まれている複数の検出データの各々で示される要因について、搭乗者に不安を与えている要因であるか否かを判断する順番を、搭乗者の感情の分類に従って決定してもよい。例えば、不安要因特定部22Eは、搭乗者の「驚き」および「恐れ」の各々の感情の度合いが高いほど、これらの感情により影響を与える要因であるか否かの判断を先に行うように、上記順番を決定してもよい。
【0077】
また、不安要因特定部22Eは、搭乗者状態データ、車両状態データ、および走行状態データの少なくとも一つを入力とし、搭乗者に不安を与えている一つの要因を出力とする、学習モデルを予め学習してもよい。そして、不安要因特定部22Eは、搭乗者状態管理部22B、車両状態管理部22C、および走行状態管理部22Dから受付けた、搭乗者状態データ、車両状態データ、および走行状態データの少なくとも一つを該学習モデルへ入力とする。不安要因特定部22Eは、該学習モデルからの出力を得ることで、搭乗者に不安を与えている一つの要因を特定してもよい。
【0078】
次に、確認可否判定部22Fについて説明する。
【0079】
確認可否判定部22Fは、車両10の位置および車両10の状況の少なくとも一方に基づいて、不安要因特定部22Eによって特定された一つの要因が正しいか否かの搭乗者への確認を許可するか否かを判定する。
【0080】
詳細には、確認可否判定部22Fは、車両10の位置が予め定められた確認不可領域内である場合、搭乗者への確認を許可しないと判定する。また、確認可否判定部22Fは、車両10の位置が確認不可領域外である場合、搭乗者への確認を許可すると判定する。
【0081】
確認可否判定部22Fが判定に用いる車両10の位置とは、例えば、車両10の現在位置である。確認可否判定部22Fは、車両状態データに含まれるナビ情報によって表される車両10の現在位置を取得することで、車両10の位置を特定する。
【0082】
そして、確認可否判定部22Fは、車両10の現在位置が確認不可領域内であるか確認不可領域外であるかを判断する。
【0083】
確認不可領域とは、不安要因特定部22Eによって特定された要因を車両10の運転者等の搭乗者が視角又は聴覚によって確認することを不可とする、実空間における領域である。また、確認不可領域は、車両10の搭乗者が該領域内で要因を確認した場合、搭乗者による車両10の運転を阻害する可能性のある領域である。確認不可領域は、予め設定すればよい。本実施形態では、確認可否判定部22Fは、記憶部20に記憶されている確認不可エリアリスト20Bを用いて、車両10の現在位置が確認不可領域内であるか否かを判断する。
【0084】
図4は、確認不可エリアリスト20Bのデータ構成の一例の模式図である。
【0085】
確認不可エリアリスト20Bは、実空間における確認不可領域に関する情報を予め登録したデータベースである。例えば、確認不可エリアリスト20Bは、領域名と、確認不可領域か否かを表す情報と、音声確認可否を表す情報と、を対応付けたデータベースである。確認不可エリアリスト20Bのデータ形式は、テーブル等であってもよく、データベースに限定されない。
【0086】
領域名は、実空間における領域の名称を表す。例えば、領域名は、ナビシステム16B等によって管理されている地図データによって表される実空間を、含まれる要素の種類や交通規則に関する情報等に応じて複数の領域に分類したときの、各領域の名称を表す。
図4には、領域名の一例として、交差点、横断歩道、駐車場、トンネル、を示す。なお、領域名は、これらに限定されず、確認不可エリアリスト20Bには、更に複数種類の領域名が予め登録されていてよい。
【0087】
確認不可エリアリスト20Bにおける確認不可領域か否を表す情報は、対応する領域名によって表される領域が確認不可領域か否かを表す情報である。
図4には、対応する領域名によって表される領域が確認不可領域である場合、確認不可領域であることを表す「〇」が登録されている形態を一例として示す。また、対応する領域名によって表される領域が確認不可領域ではない場合、確認不可エリアリスト20Bには、確認不可領域ではないことを表す「×」が登録されている形態を一例として説明する。
【0088】
確認不可エリアリスト20Bにおける音声確認可否を表す情報は、対応する領域名によって表される領域について、音声のみによる確認を許可するか否かを表す情報である。
図4には、対応する領域名によって表される領域が、音声のみによる確認を許可する領域である場合、音声確認を許可することを表す「〇」が登録されている形態を一例として示す。また、
図4には、対応する領域名によって表される領域が音声による確認を許可しない領域である場合、音声確認を不可とすることを表す「×」が登録されている形態を一例として示す。
【0089】
例えば、確認可否判定部22Fは、ナビシステム16Bによって管理されている地図データを解析し、地図データに含まれる各領域を表す分類名を領域名として抽出し、確認不可エリアリスト20Bに予め登録すればよい。また、確認可否判定部22Fは、ナビシステム16Bによって管理されている事故多発地点などを領域名として更に抽出し、確認不可エリアリスト20Bに予め登録してもよい。
【0090】
また、確認可否判定部22Fは、管理者等による操作指示に応じて、各領域名の各々について、確認不可領域か否か、および音声確認可否、の各々を表す情報を確認不可エリアリスト20Bに予め登録すればよい。このとき、確認可否判定部22Fは、歩行者がいると想定される交差点や横断歩道、見通しの悪い道路について、確認不可領域か否かについては確認不可領域であることを表す「〇」、音声確認可否については音声確認を不可とすることを表す「×」、を予め登録することが好ましい。また、確認可否判定部22Fは、トンネルなどの走行に注意を要する領域であるが音声による確認は可能と推定される領域について、確認不可領域か否かについては確認不可領域であることを表す「〇」、音声確認可否については音声確認を可とすることを表す「〇」、を予め登録することが好ましい。なお、確認不可エリアリスト20Bは、ユーザによるUI部18の操作指示等に応じて、適宜変更可能としてもよい。
【0091】
確認可否判定部22Fは、車両10の現在位置が、ナビシステム16Bによって管理されている地図データに含まれる分類名の各々によって表される領域内の何れに位置しているかを特定する。なお、確認可否判定部22Fは、車両10の現在位置が、ナビシステム16Bによって管理されている地図データにおける、所定距離未満の間隔で連続して複数のトンネルが存在する領域内の位置である場合、これらの複数の連続するトンネルを表す領域を1つのトンネルとみなし、該トンネル内に位置しているか否かを特定することが好ましい。
【0092】
そして、確認可否判定部22Fは、確認不可エリアリスト20Bにおける、特定した領域を表す領域名に対応する確認不可領域か否かを表す情報が、確認不可領域であることを表す「〇」であるか否かを判断する。確認可否判定部22Fは、確認不可領域であることを表す「〇」であると判断した場合、車両10の現在位置が確認不可領域内であると判定する。
【0093】
そして、確認可否判定部22Fは、車両10の現在位置が確認不可領域内であると判定した場合、搭乗者への確認を許可しないと判定する。
【0094】
また、確認可否判定部22Fは、確認不可エリアリスト20Bにおける、特定した領域を表す領域名に対応する確認不可領域か否かを表す情報が、確認不可領域ではないことを表す「×」であると判断した場合、車両10の現在位置が確認不可領域外であると判定する。確認可否判定部22Fは、特定した車両10の現在位置の属する領域を表す領域名が確認不可エリアリスト20Bに登録されていない場合についても、車両10の現在位置が確認不可領域外であると判定してよい。そして、確認可否判定部22Fは、車両10の現在位置が確認不可領域内ではない、すなわち、車両10の現在位置が確認不可領域外であると判断した場合、搭乗者への確認を許可すると判定する。また、確認可否判定部22Fは、車両10の現在位置が確認不可領域外である場合には、音声確認も可能な領域と判定する。
【0095】
確認可否判定部22Fは、確認不可エリアリスト20Bにおける、特定した領域を表す領域名に対応する確認不可領域か否かを表す情報が、確認不可領域であることを表す「〇」であるが、音声確認可否については音声確認可を表す「〇」である場合、車両10の現在位置が確認不可領域外であると判定してよい。この場合、確認可否判定部22Fは、車両10の現在位置が音声のみによる確認可能領域内であると判定し、搭乗者への確認を許可すると判定する。
【0096】
また、確認可否判定部22Fは、車両10の状況に基づいて、搭乗者への確認を許可するか否かを判定する。
【0097】
車両10の状況とは、車両10の走行状況、および車両10の周囲の状況を表す。確認可否判定部22Fは、車両状態データ、および走行状態データの少なくとも一方を用いて車両10の状況を判別し、搭乗者への確認を許可するか否かを判定する。
【0098】
詳細には、確認可否判定部22Fは、車両10の状況が、夜間運転中、車線変更中、および車間距離が所定距離以下、の少なくとも1つの状況を満たすか否かを判断する。
【0099】
確認可否判定部22Fは、例えば、走行状態データを用いて、夜間運転中であるか否かを判断する。
【0100】
詳細には、確認可否判定部22Fは、走行状態データに含まれる、車両10の周囲の明るさを表す情報が、夜間運転を表す明るさを示す場合、夜間運転中であると判定する。詳細には、例えば、確認可否判定部22Fは、走行状態データに含まれる、車両10の周辺の明るさを表す情報が、閾値以下である場合、夜間運転中であると判断する。この明るさの判定に用いる閾値には、夜間運転中であるか否かを判定可能な値を予め設定すればよい。
【0101】
また、確認可否判定部22Fは、例えば、車両状態データおよび走行状態データを用いて、車線変更中であるか否かを判断する。
【0102】
詳細には、確認可否判定部22Fは、車両状態データに含まれるウィンカー状態によって表されるウィンカーの状態、車両10の車速や、車両10の現在位置を含むナビ状態によって表される車両10の現在位置、および走行状態データに含まれる周辺画像データ、車両状態データに含まれるステアリング角度、を用いて、車両10が車線変更中であるか否かを判断する。
【0103】
また、確認可否判定部22Fは、車両状態データおよび走行状態データを用いて、車間距離が所定距離以下であるか否かを判断する。
【0104】
詳細には、例えば、確認可否判定部22Fは、走行状態データに含まれる他車両等の各物体の各々との距離が所定距離以下であるか否かを判別することで、車間距離が所定距離以下であるか否かを判断する。また、確認可否判定部22Fは、走行状態データの生成に用いられた接近センサ14Cに含まれるミリ波レーダセンサの検知結果を用いて、他車両との距離である車間距離を算出し、所定距離以下であるか否かを判断してもよい。
【0105】
そして、確認可否判定部22Fは、車両10の状況が、夜間運転中、車線変更中、および車間距離が所定距離以下、の少なくとも1つの状況を満たす場合、搭乗者への確認を許可しないと判定する。また、確認可否判定部22Fは、車両10の状況が、夜間運転中、車線変更中、および車間距離が所定距離以下、の全ての状況を満たさない場合、搭乗者への確認を許可すると判定する。
【0106】
なお、確認可否判定部22Fは、車両10の現在位置が予め定められた確認不可領域内であるか否かを判定し、車両10の現在位置が確認不可領域外であると判定した場合、車両10の状況が、夜間運転中、車線変更中、および車間距離が所定距離以下、の少なくとも1つの状況を満たすか否かを判定してよい。すなわち、確認可否判定部22Fは、車両10の現在位置が予め定められた確認不可領域内であるか否かを判定した後に、車両10の状況が上記の所定の状況であるか否かを判定してよい。
【0107】
確認可否判定部22Fが、車両10の現在位置が確認不可領域内であるか否かを判定した後に、車両10の状況が所定の状況であるか否かを判定することによって、夜間運転であると先に判定されることで車両10の現在位置がトンネル内であるか否かの判定がなされなくなることを抑制することができる。
【0108】
なお、確認可否判定部22Fは、車両10の位置および車両10の状況の少なくとも一方に基づいて、搭乗者への確認を許可するか否かを判定すればよく、車両10の位置および車両10の状況、の何れを先に用いて判定するか、および何れか一方または双方を用いて判定するかは限定されない。
【0109】
そして、確認可否判定部22Fは、確認を許可すると判定した場合、確認部22Gに確認許可を通知する。また、確認可否判定部22Fは、確認を許可しないと判定した場合、確認部22Gに確認不可を通知する。
【0110】
なお、確認可否判定部22Fは、車両10の位置および車両10の状況の少なくとも一方に基づいて、搭乗者への確認方法を更に判定してもよい。本実施形態では、確認方法は、視覚および聴覚の少なくとも一方による確認方法、または、聴覚のみによる確認方法、を表す。
【0111】
例えば、確認可否判定部22Fは、確認不可エリアリスト20Bにおける、車両10の現在位置である領域を表す領域名に対応する確認不可領域か否かを表す情報が、確認不可領域ではないことを表す「×」である場合を想定する。この場合、確認可否判定部22Fは、搭乗者への確認を許可すると判定すると共に、視角および聴覚の少なくとも一方による確認を確認方法として判定する。具体的には、確認可否判定部22Fは、ディスプレイなどの表示装置およびスピーカ等の音声出力装置の少なくとも一方を用いた確認を、確認方法として判定する。
【0112】
また、確認不可エリアリスト20Bにおける、車両10の現在位置である領域を表す領域名に対応する確認不可領域か否かを表す情報が、確認不可領域であることを表す「〇」である場合であっても、対応する音声確認可否を表す情報が音声確認を許可することを表す「〇」である場合を想定する。この場合、確認可否判定部22Fは、搭乗者への確認を許可すると判定する。また、この場合、確認可否判定部22Fは、聴覚のみによる確認を確認方法として判定する。具体的には、確認可否判定部22Fは、スピーカ等の音声出力装置のみを用いた確認を、確認方法として判定する。
【0113】
そして、確認可否判定部22Fは、確認を許可すると判定した場合、確認許可、および判定した確認方法を確認部22Gへ通知すればよい。
【0114】
本実施形態では、確認可否判定部22Fは、ログデータを用いて、上記判定処理を行う形態を一例として説明する。
【0115】
詳細には、確認可否判定部22Fは、不安要因特定部22Eで一つの要因が特定されたときに、特定された一つの要因と、該一つの要因に対する確認状態として「未確認」を表す確認状態と、を対応付けたログデータを、ログデータ記憶部20Aへ記憶する。
【0116】
図5A~
図5Dは、ログデータ記憶部20Aに記憶されているログデータのデータ構成の一例の模式図である。ログデータ記憶部20Aは、ログデータを記憶するためのデータベースである。なお、ログデータ記憶部20Aのデータ形式はデータベースに限定されず、テーブル等であってもよい。
【0117】
確認可否判定部22Fは、不安要因特定部22Eで一つの要因が特定されるごとに、新たなログデータをログデータ記憶部20Aへ登録する。
図5A~
図5Dには、1つのログデータがログデータ記憶部20Aに登録され、順次更新されていく状態を一例として示す。なお、ログデータ記憶部20Aには、複数のログデータが記憶されていてよい。
【0118】
ログデータ記憶部20Aに登録されるログデータは、例えば、ログの識別情報である番号(No.)と、要因の検知時間と、要因と、確認情報と、を少なくとも対応付けたデータである。要因の検知時間は、不安要因特定部22Eで該要因の特定された時間、および不安検出部22Aによって該要因の元となる不安の検出された時間、の何れであってもよい。ログデータに含まれる要因は、不安要因特定部22Eによって特定された要因である。
【0119】
確認状態は、対応する要因に対する確認の状態を表す。詳細には、確認状態は、対応する要因に関する情報処理装置22による処理の進行状態を表す。確認状態は、本実施形態では、「未確認」、「確認不可」、「確認許可」、「確認済」の何れかを表す形態を一例として説明する。
【0120】
不安要因特定部22Eで一つの要因が特定されると、確認可否判定部22Fは、特定された要因と、確認状態「未確認」と、を対応付けたログデータを、ログデータ記憶部20Aへ記憶する。このため、初期状態では、ログデータには「未確認」を表す確認状態が記憶された状態となる(
図5A参照)。
【0121】
確認可否判定部22Fが、車両10の位置および車両10の状況の少なくとも一方に基づいて、不安要因特定部22Eによって特定された一つの要因が正しいか否かの搭乗者への確認を許可しないと判定した場合を想定する。この場合、確認可否判定部22Fは、該一つの要因に対応する確認状態を、「確認不可」を表す確認状態に更新する。また、確認可否判定部22Fは、ログデータをログデータ記憶部20Aに記憶してから第1所定時間の間に、該ログデータに含まれる確認状態が「未確認」のまま更新されなかった場合、該一つの要因に対応する確認状態を、「確認不可」を表す確認状態に更新する(
図5B参照)。
【0122】
第1所定時間は、予め定めればよい。第1所定時間には、例えば、確認可否判定部22Fが要因の確認を許可するか否かを判定する判定処理に要する時間以上の時間を定めればよい。第1所定時間は、例えば、2秒などであるが、この時間に限定されない。また、第1所定時間は、ユーザによるUI部18の操作指示などによって適宜変更可能としてもよい。
【0123】
「確認不可」を表す確認状態にログデータを更新した場合、確認可否判定部22Fは、「確認不可」を表す確認状態に更新した該ログデータに含まれる要因と、確認不可と、を表す情報を確認部22Gへ通知する。
【0124】
また、確認可否判定部22Fは、不安要因特定部22Eによって特定された一つの要因が正しいか否かの搭乗者への確認を許可すると判定した場合、該一つの要因に対応する確認状態を、「確認許可」を表す確認状態に更新する(
図5C参照)。
【0125】
「確認許可」を表す確認状態にログデータを更新した場合、確認可否判定部22Fは、「確認許可」を表す確認状態に更新した該ログデータに含まれる要因と、確認許可と、判定した確認方法と、を表す情報を確認部22Gへ通知する。
【0126】
なお、確認可否判定部22Fは、ログデータを記憶してから上記第1所定時間より長い第2所定時間が経過したときに、「確認不可」を表す確認状態を含むログデータを、ログデータ記憶部20Aから削除してよい。また、確認可否判定部22Fは、車両10のイグニッションスイッチがオフ状態に変更され、車両10への電力供給がオフ状態とされたときに、「確認不可」を表す確認状態を含むログデータを、ログデータ記憶部20Aから削除してよい。確認可否判定部22Fが、「確認不可」を表す確認状態を含むログデータをログデータ記憶部20Aから削除することで、ログデータ記憶部20Aのデータ容量が不足することを抑制することができる。
【0127】
第2所定時間は、第1所定時間より長い時間であればよく、予め定めればよい。第2所定時間は、ログデータ記憶部20Aの空き容量が所定容量以下となるまでのログデータの蓄積に要する時間などを定めればよい。第1所定時間は、例えば、1日、1週間、1ヵ月、などであるが、これらの期間に限定されない。また、第2所定時間は、ユーザによるUI部18の操作指示などによって適宜変更可能としてもよい。
【0128】
【0129】
確認部22Gは、確認可否判定部22Fによって確認を許可すると判定されたときに、不安要因特定部22Eによって特定された一つの要因が正しいか否かを搭乗者に確認する。
【0130】
確認部22Gは、「確認不可」を表す確認状態に更新されたログデータに含まれる要因と、確認不可と、を表す情報を確認可否判定部22Fから受付けた場合、確認処理を行わない。
【0131】
一方、確認部22Gは、「確認許可」を表す確認状態に更新されたログデータに含まれる要因と、確認許可と、を表す情報を確認可否判定部22Fから受付けた場合、該要因が正しいか否かを搭乗者に確認する。
【0132】
例えば、確認部22Gは、UI部18に含まれるディスプレイに確認可否判定部22Fから受付けた要因を表示する。そして、確認部22Gは、搭乗者によるUI部18の操作指示などによって搭乗者から該要因が正しいか否かの回答を得る。
【0133】
また、確認部22Gは、「確認許可」を表す確認状態に更新されたログデータに含まれる要因と、確認許可と、確認方法と、を表す情報を確認可否判定部22Fから受付けた場合、該確認方法を用いて、該要因が正しいか否かを搭乗者に確認する。
【0134】
例えば、確認可否判定部22Fから受付けた確認方法が、聴覚および視角の少なくとも一方による確認を表す場合を想定する。この場合、確認部22Gは、UI部18に含まれるディスプレイに確認可否判定部22Fから受付けた要因を表示する。また、確認部22Gは、UI部18に含まれるディスプレイに要因を表示すると共に、UI部18に含まれるスピーカから要因を表す音声を出力してもよい。そして、確認部22Gは、搭乗者によるUI部18の操作指示などによって搭乗者から該要因が正しいか否かの回答を得る。
【0135】
また、例えば、確認可否判定部22Fから受付けた確認方法が、聴覚のみによる確認を表す場合を想定する。この場合、確認部22Gは、UI部18に含まれるスピーカから要因を表す音声を出力する。そして、確認部22Gは、搭乗者によるUI部18の操作指示などによって搭乗者から該要因が正しいか否かの回答を得る。
【0136】
確認部22Gは、搭乗者から要因が正しいとの回答が得られた場合、該要因を対策決定部22Hへ通知する。また、確認部22Gは、搭乗者から要因が正しいとの回答が得られた場合、ログデータ記憶部20Aにおける該要因を含むログデータにおける確認状態を、「確認済」に更新してよい(
図5D参照)。
【0137】
一方、確認部22Gは、搭乗者から要因が正しくないとの回答が得られた場合には、該要因を対策決定部22Hへ通知しない。また、確認部22Gは、搭乗者から要因が正しくないとの回答が得られた場合には、ログデータ記憶部20Aにおける該要因を含むログデータをログデータ記憶部20Aから削除してもよい。
【0138】
対策決定部22Hは、搭乗者が一つの要因が正しいと確認した場合に、該一つの要因に対する対策を決定する。すなわち、対策決定部22Hは、確認部22Gから要因を通知された場合、該要因に対する対策を決定する。
【0139】
対策決定部22Hは、記憶部20に記憶されている対策テーブル20Cを用いて、確認部22Gから通知された要因に対する対策を決定する。
【0140】
図6は、対策テーブル20Cのデータ構成の一例の模式図である。
【0141】
対策テーブル20Cは、要因と、対策と、を対応付けたデータベースである。対策テーブル20Cのデータ形式は、テーブル等であってもよく、データベースに限定されない。
【0142】
対策テーブル20Cには、搭乗者が感じると予測される複数種類の不安の各々の要因が予め登録されている。対策は、対応する要因を解消するため対策である。対策は、例えば、対応処理と、パラメータと、を含む。対応処理は、対応する要因を解消するための処理を表す。パラメータは、車両10の自動運転において対応処理を実現するためのパラメータの調整値を表す。すなわち、対策テーブル20Cに登録されているパラメータは、車両10が自動運転に対応している場合に使用される値である。
【0143】
対策決定部22Hは、確認部22Gから通知された要因に対応する対策を対策テーブル20Cから読み取ることで、要因に対する対策を決定する。対策決定部22Hは、決定した対策を対策実行部22Iへ通知する。また、対策決定部22Hは、ログデータ記憶部20Aに記憶されているログデータに含まれる、確認部22Gから通知された要因に対応付けて、該要因に対して決定された対策を記憶する。
【0144】
対策実行部22Iは、対策決定部22Hで特定された対策を実行する。例えば、対策実行部22Iは、対策決定部22Hで決定された対策を実行するように車両10の車両制御部を制御する。また、対策実行部22Iは、対策決定部22Hで決定された対策の実行要求を車両10の車両制御部へ通知してもよい。車両制御部は、対策実行部22Iから受付けた実行要求によって表される対策を実行すればよい。
【0145】
アップロード部22Jは、ログデータ記憶部20Aに記憶されているログデータを、定期的にサーバ装置30へアップロードする。すなわち、アップロード部22Jは、要因と、該要因に対して特定された対策と、を対応付けたログデータを、サーバ装置30へアップロードする。
【0146】
アップロード部22Jは、サーバ装置30へアップロードしたログデータを、ログデータ記憶部20Aから削除してもよい。また、アップロード部22Jは、サーバ装置30へアップロードしてから所定時間以上経過したログデータを、ログデータ記憶部20Aから削除してもよい。また、アップロード部22Jは、車両10の電源がオフ状態となったときに、サーバ装置30へアップロードしたログデータをログデータ記憶部20Aから削除してもよい。
【0147】
ログデータを受付けたサーバ装置30は、情報処理装置22から受付けたログデータを解析、学習し、情報処理装置22に記憶されている対策テーブル20Cを更新する必要があると判断した場合に、該対策テーブル20Cを更新するための更新データを生成する。
【0148】
例えば、サーバ装置30は、情報処理装置22から順次受け付ける複数のログデータについて、所定期間内に所定数以上、同じ要因が含まれる場合、対策テーブル20Cを更新する必要があると判断する。言い換えると、サーバ装置30は、所定期間内に所定数以上、同じ要因が特定された場合、該要因に対応する対策を更新する必要があると判断する。
【0149】
そして、サーバ装置30は、対策テーブル20Cを更新する必要があると判断した場合、搭乗者が不安を感じる頻度を減らすように、所定期間内に所定回数以上含まれる同じ要因に対する対策を更新するための更新データを生成する。そして、サーバ装置30は、生成した更新データを情報処理装置22へ送信する。
【0150】
情報処理装置22の更新部22Kは、サーバ装置30から受付けた更新データに従って、記憶部20に記憶されている対策テーブル20Cを更新する。
【0151】
アップロード部22J、更新部22K、およびサーバ装置30によって、対策テーブル20Cにおける要因に対応する対策が、搭乗者の不安頻度を減らす最適な対策となるように更新される。
【0152】
次に、本実施形態の情報処理装置22で実行される情報処理の流れの一例を説明する。
【0153】
図7は、本実施形態の情報処理装置22が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0154】
不安検出部22Aは、搭乗者状態センシング部12から受付けた搭乗者検出結果により、搭乗者の感情を認識することで、搭乗者が不安を感じたか否かを検出する(ステップS100)。不安検出部22Aが搭乗者の不安を検出しなかった場合(ステップS100:No)、本ルーチンを終了する。不安検出部22Aが搭乗者の不安を検出した場合(ステップS100:Yes)、ステップS102へ進む。
【0155】
ステップS102では、不安要因特定部22Eが、搭乗者状態データ、車両状態データ、および走行状態データ、の少なくとも一つを用いて、予め定められた複数の要因から、搭乗者に不安を与えている一つの要因を特定する(ステップS102)。
【0156】
確認可否判定部22Fは、ステップS102で特定された要因が正しいか否かの搭乗者への確認を許可するか否かを判定する、確認可否判定処理を実行する(ステップS104)。確認可否判定処理の詳細な流れは後述する。
【0157】
ステップS104の確認可否判定処理によって、ステップS102で特定された要因が正しいか否かの搭乗者への確認を許可するか否かが判定される。
【0158】
次に、確認部22Gは、確認許可すると判定されたか否かを判断する(ステップS106)。確認部22Gは、確認可否判定部22Fから、要因および確認不可を表す情報を確認可否判定部22Fから受付けた場合、確認を許可しないと判定されたと判断する(ステップS106:No)、そして、後述するステップS116へ進む。確認部22Gは、確認可否判定部22Fから、要因および確認許可を表す情報を確認可否判定部22Fから受付けた場合、確認許可すると判定されたと判断する(ステップS106:Yes)。そして、ステップS108へ進む。なお、確認を許可しないと判定されたと判断する場合(ステップS106:No)、所定の期間の間は、確認可否判定処理(ステップS104)へ進んでもよい。
【0159】
確認部22Gは、ステップS102で特定された一つの要因が正しいか否かを搭乗者に確認する(ステップS108)。詳細には、確認部22Gは、確認可否判定部22Fから要因、確認許可、および確認方法を表す情報を受付けた場合を想定する。この場合、確認部22Gは、該要因を、該確認方法によって表される方法で搭乗者に確認する。例えば、確認可否判定部22Fから受付けた確認方法が、聴覚および視角の少なくとも一方による確認を表す場合を想定する。この場合、確認部22Gは、UI部18に含まれるディスプレイに確認可否判定部22Fから受付けた要因を表示する。また、確認部22Gは、UI部18に含まれるディスプレイに要因を表示すると共に、UI部18に含まれるスピーカから要因を表す音声を出力してもよい。また、例えば、確認可否判定部22Fから受付けた確認方法が、聴覚のみによる確認を表す場合を想定する。この場合、確認部22Gは、UI部18に含まれるスピーカから要因を表す音声を出力する。
【0160】
次に、確認部22Gは、ステップS108でUI部18に出力した要因が正しいと確認されたか否かを判断する(ステップS110)。例えば、確認部22Gは、搭乗者によるUI部18の操作指示などによって搭乗者から該要因が正しいか否かの回答を得る。確認部22Gは、得られた回答が、要因が正しいと確認されたことを示すか否かを判別することで、ステップS110の判断を行う。ステップS110で否定判断すると(ステップS110:No)、後述するステップS116へ進む。ステップS110で肯定判断すると(ステップS110:Yes)、ステップS112へ進む。
【0161】
ステップS112では、対策決定部22Hは、記憶部20に記憶されている対策テーブル20Cを用いて、確認部22Gから通知された要因に対する対策を決定する(ステップS112)。
【0162】
対策実行部22Iは、ステップS112で特定された対策を実行する(ステップS114)。
【0163】
次に、情報処理装置22は、車両10の電源がオフされたか否かを判断する(ステップS116)。ステップS116で否定判断すると(ステップS116:No)、上記ステップS100へもどる。ステップS116で肯定判断すると(ステップS116:Yes)、本ルーチンを終了する。
【0164】
次に、確認可否判定部22Fが実行する確認可否判定処理の流れの一例を説明する。すなわち、
図7におけるステップS104の確認可否判定処理の詳細の流れの一例を説明する。
【0165】
図8は、確認可否判定部22Fが実行する確認可否判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0166】
不安要因特定部22Eで一つの要因が特定されると、確認可否判定部22Fは、特定された要因と、確認状態「未確認」と、を対応付けたログデータを、ログデータ記憶部20Aへ記憶する(ステップS200)。このため、ログデータには「未確認」を表す確認状態が記憶された状態となる(
図5A参照)。
【0167】
そして、確認可否判定部22Fは、上記第1所定時間をカウントするためのタイマーをスタートする(ステップS202)。第1所定時間は、上述したように、例えば2秒などである。
【0168】
次に、確認可否判定部22Fは、ステップS202でスタートしたタイマーがタイムアップしたか否かを判断する(ステップS204)。確認可否判定部22Fは、タイマーのカウントが第1所定時間となったか否かを判別することで、ステップS204の判断を行う。
【0169】
ステップS204でタイマーがタイムアップしていないと判断すると(ステップS204:No)、確認可否判定部22Fは、ステップS200で記憶したログデータにおける確認状態が「未確認」であるか否かを判断する(ステップS206)。ステップS206で肯定判断すると(ステップS206:Yes)、上記ステップS204へ戻る。ステップS206で否定判断すると(ステップS206:No)、本ルーチンを終了する。
【0170】
上記ステップS204でタイマーがタイムアップしたと判断すると(ステップS204:Yes)、ステップS208へ進む。ステップS208では、確認可否判定部22Fは、ステップS200で記憶したログデータにおける確認状態が「未確認」であるか否かを判断する(ステップS208)。ステップS208で確認状態が「未確認」ではないと判断すると(ステップS208:No)、本ルーチンを終了する。
【0171】
ステップS208で確認状態が「未確認」であると判断すると(ステップS208:Yes)、ステップS210へ進む。ステップS210では、確認可否判定部22Fは、ステップS200で記憶したログデータにおける確認状態を「確認不可」に更新する(ステップS210)。このため、ログデータには「確認不可」を表す確認状態が記憶された状態となる(
図5B参照)。
【0172】
そして、確認可否判定部22Fは、特定された要因と、確認不可と、を表す情報を確認部22Gへ通知する(ステップS212)。そして、本ルーチンを終了する。
【0173】
次に、確認可否判定部22Fが行う確認状態の更新処理の流れを説明する。
【0174】
図9は、確認状態の更新処理として、確認可否判定部22Fが車両10の電源オンの期間、繰り返し継続して実行する繰り返し処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0175】
確認可否判定部22Fは、確認状態が「未確認」の要因があるか否かを判断する(ステップS300)。確認可否判定部22Fは、ログデータ記憶部20Aに記憶されているログデータの確認状態が「未確認」であるか否かを判別することで、ステップS300の判断を行う。確認状態が「未確認」の要因があると判断した場合(ステップS300:Yes)、ステップS302へ進む。
【0176】
ステップS302では、確認可否判定部22Fは、ステップS302で確認したログデータの確認状態が「確認不可」であるか否かを判断する(ステップS302)。ログデータの確認状態が「確認不可」であると判断した場合(ステップS302:Yes)、上記ステップS300へ戻る。ログデータの確認状態が「確認不可」ではないと判断した場合(ステップS302:No)、ステップS304へ進む。
【0177】
ステップS304では、確認可否判定部22Fは、車両10の現在位置を取得する(ステップS304)。確認可否判定部22Fは、車両状態データのナビ状態に含まれる車両10の位置を読取ることで、車両10の現在位置を取得する。
【0178】
そして、確認可否判定部22Fは、ステップS304で取得した車両10の現在位置が確認不可領域内であるか否かを判断する(ステップS306)。上述したように、確認可否判定部22Fは、車両10の現在位置と、確認不可エリアリスト20Bと、を用いて、ステップS306の判断を行う。
【0179】
車両10の現在位置が確認不可領域内ではない、すなわち確認不可領域外であると判断すると(ステップS306:No)、ステップS308へ進む。ステップS308では、確認可否判定部22Fは、車両10の現在位置が確認不可領域外であると判定する(ステップS308)。そして、後述するステップS314へ進む。
【0180】
一方、車両10の現在位置が確認不可領域内であると判断した場合(ステップS306:Yes)、ステップS310へ進む。ステップS310では、確認可否判定部22Fは、車両10の現在位置が音声確認可能領域内であるか否かを判断する(ステップS310)。確認可否判定部22Fは、確認不可エリアリスト20Bにおける、車両10の現在位置である領域を表す領域名に対応する音声確認可否を表す情報が音声確認を許可することを表す「〇」であるか否かを判別することで、ステップS310の判断を行う。
【0181】
ステップS310で音声確認可能領域内であると判断すると(ステップS310:Yees)、上記ステップS308へ進む。ステップS310で音声確認可能領域内ではないと判断すると(ステップS310:No)、ステップS312へ進む。
【0182】
ステップS312では、確認可否判定部22Fは、車両10の現在位置が確認不可領域内であると判定する(ステップS312)、そして、上記ステップS302へ戻る。
【0183】
車両10の現在位置が確認不可領域外であると判定すると(ステップS308)。確認可否判定部22Fは、車両10の状況が夜間運転であるか否かを判断する(ステップS314)。
【0184】
車両10の状況が夜間運転であると判断した場合(ステップS314:Yes)、確認可否判定部22Fは、車両10が停車中であるか否かを判断する(ステップS316)。確認可否判定部22Fは、車両状態データに含まれる車両10の速度、または車両状態データに含まれる車両10のナビ状態に含まれる車速を用いて、車両10が停車中であるか否かを判断すればよい。確認可否判定部22Fは、車両10が停車中であると判断すると(ステップS316:Yes)、後述するステップS322へ進む。確認可否判定部22Fは、車両10が停車中ではないと判断すると(ステップS316:No)、上記ステップS302へ戻る。
【0185】
一方、確認可否判定部22Fは、車両10の状況が夜間運転ではないと判断すると(ステップS314:No)、ステップS318へ進む。
【0186】
ステップS318では、確認可否判定部22Fは、車両10の状況が車線変更中であるか否かを判断する(ステップS318)。車両10の状況が車線変更中であると判断すると(ステップS318:Yes)、上記ステップS302へ戻る。車両10の状況が車線変更中ではないと判断すると(ステップS318:No)、ステップS320へ進む。
【0187】
ステップS320では、確認可否判定部22Fは、車両10の車間距離が所定距離以下であるか否かを判断する(ステップS320)。車両10の車間距離が所定距離以下であると判断すると(ステップS320:Yes)、上記ステップS302へ戻る。車両10の車間距離が所定距離以下ではないと判断すると(ステップS320:No)、ステップS322へ進む。
【0188】
ステップS322では、確認可否判定部22Fは、ログデータにおける確認状態を「確認許可」に更新する(ステップS322)。このため、ログデータには「確認許可」を表す確認状態が記憶された状態となる(
図5BC参照)。そして、確認可否判定部22Fは、要因と、確認許可と、確認方法と、を表す情報を確認部22Gへ通知する(ステップS324)。そして、上記ステップS300へ戻る。
【0189】
確認可否判定部22Fは、ステップS306または後述するステップS330で否定判断することで現在位置が確認不可領域外と判断した場合、確認方法として、視角および聴覚の少なくとも一方による確認方法を特定し、確認部22Gへ通知すればよい。また、確認可否判定部22Fは、ステップS310または後述するステップS332で肯定判断することで現在位置が確認不可領域外と判断した場合、確認方法として、聴覚のみによる確認方法を特定し、確認部22Gへ通知すればよい。
【0190】
一方、上記ステップS300で「未確認」の要因無と判断すると(ステップS300:No)、ステップS326へ進む。
【0191】
ステップS326では、確認可否判定部22Fは、確認状態が「確認不可」の要因があるか否かを判断する(ステップS326)。確認可否判定部22Fは、ログデータ記憶部20Aに記憶されているログデータの確認状態が「確認不可」であるか否かを判別することで、ステップS326の判断を行う。確認状態が「確認不可」の要因が無いと判断した場合(ステップS326:No)、上記ステップS300へ戻る。確認状態が「確認不可」の要因があると判断した場合(ステップS326:Yes)、ステップS328へ進む。
【0192】
ステップS328では、確認可否判定部22Fは、車両10の現在位置を取得する(ステップS328)。確認可否判定部22Fは、車両状態データのナビ状態に含まれる車両10の位置を読取ることで、車両10の現在位置を取得する。
【0193】
そして、確認可否判定部22Fは、ステップS328で取得した車両10の現在位置が確認不可領域内であるか否かを判断する(ステップS330)。上述したように、確認可否判定部22Fは、車両10の現在位置と、確認不可エリアリスト20Bと、を用いて、ステップS330の判断を行う。
【0194】
車両10の現在位置が確認不可領域内であると判断した場合(ステップS330:Yes)、ステップS332へ進む。ステップS332では、確認可否判定部22Fは、車両10の現在位置が音声確認可能領域内であるか否かを判断する(ステップS332)。確認可否判定部22Fは、確認不可エリアリスト20Bにおける、車両10の現在位置である領域を表す領域名に対応する音声確認可否を表す情報が音声確認を許可することを表す「〇」であるか否かを判別することで、ステップS332の判断を行う。
【0195】
ステップS332で音声確認可能領域内であると判断すると(ステップS332:Yees)、後述するステップS336へ進む。ステップS332で音声確認可能領域内ではないと判断すると(ステップS332:No)、ステップS334へ進む。
【0196】
ステップS334では、確認可否判定部22Fは、車両10の現在位置が確認不可領域内であると判定する(ステップS334)、そして、上記ステップS300へ進む。
【0197】
一方、車両10の現在位置が確認不可領域内ではない、すなわち確認不可領域外であると判断すると(ステップS330:No)、ステップS336へ進む。ステップS336では、確認可否判定部22Fは、車両10の現在位置が確認不可領域外であると判定する(ステップS336)。そして、ステップS338へ進む。
【0198】
車両10の現在位置が確認不可領域外であると判定すると(ステップS336)。確認可否判定部22Fは、車両10の状況が夜間運転であるか否かを判断する(ステップS338)。
【0199】
車両10の状況が夜間運転であると判断した場合(ステップS338:Yes)、確認可否判定部22Fは、車両10が停車中であるか否かを判断する(ステップS340)。確認可否判定部22Fは、車両状態データに含まれる車両10の速度、または車両状態データに含まれる車両10のナビ状態に含まれる車速を用いて、車両10が停車中であるか否かを判断すればよい。確認可否判定部22Fは、車両10が停車中であると判断すると(ステップS340:Yes)、上記ステップS322へ進む。確認可否判定部22Fは、車両10が停車中ではないと判断すると(ステップS340:No)、上記ステップS300へ戻る。
【0200】
一方、確認可否判定部22Fは、車両10の状況が夜間運転ではないと判断すると(ステップS338:No)、ステップS342へ進む。
【0201】
ステップS342では、確認可否判定部22Fは、車両10の状況が車線変更中であるか否かを判断する(ステップS342)。車両10の状況が車線変更中であると判断すると(ステップS342:Yes)、上記ステップS300へ戻る。車両10の状況が車線変更中ではないと判断すると(ステップS342:No)、ステップS344へ進む。
【0202】
ステップS344では、確認可否判定部22Fは、車両10の車間距離が所定距離以下であるか否かを判断する(ステップS344)。車両10の車間距離が所定距離以下であると判断すると(ステップS344:Yes)、上記ステップS300へ戻る。車両10の車間距離が所定距離以下ではないと判断すると(ステップS344:No)、上記ステップS322へ進む。
【0203】
確認可否判定部22Fが車両10の電源オンの期間、
図9に示す繰り返し処理を繰り返し継続して実行することで、ログデータにおける確認状態が車両10の位置および車両10の状況に応じて更新される。そして、確認可否判定部22Fは、ログデータにおける確認状態を「確認許可」に更新したときに、該ログデータに含まれる要因と、確認許可と、確認方法と、を表す情報を確認部22Gへ通知する。
【0204】
このため、確認部22Gは、車両10の位置および車両10の状況の少なくとも一方に基づいて不安要因特定部22Eで特定した一つの要因が正しいか否かの搭乗者への確認を許可すると判定されたときに、一つの要因が正しいか否かを搭乗者に確認することができる。
【0205】
以上説明したように、本実施形態の情報処理装置22は、不安検出部22Aと、不安要因特定部22Eと、確認可否判定部22Fと、確認部22Gと、を備える。不安検出部22Aは、車両10の搭乗者が不安を感じたことを検出する。不安要因特定部22Eは、不安が検出されたときに、搭乗者の状態を検出することにより得られた搭乗者状態データ、車両10の状態を検出することにより得られた車両状態データ、および車両10が走行する状態を検出することで得られた走行状態データの少なくとも一つを用いて、予め定められた複数の要因から、搭乗者に不安を与えている一つの要因を特定する。確認可否判定部22Fは、車両10の位置および車両10の状況の少なくとも一方に基づいて、一つの要因が正しいか否かの搭乗者への確認を許可するか否かを判定する。確認部22Gは、確認を許可すると判定されたときに、一つの要因が正しいか否かを搭乗者に確認する。
【0206】
ここで、従来技術では、特定した要因の搭乗者に対する確認タイミングについて考慮されておらず、状況などによっては搭乗者に対する運転阻害を引き起こす場合があった。
【0207】
一方、本実施形態の情報処理装置22では、確認可否判定部22Fが、車両10の位置および車両10の状況の少なくとも一方に基づいて、一つの要因が正しいか否かの搭乗者への確認を許可するか否かを判定する。確認部22Gは、確認を許可すると判定されたときに、一つの要因が正しいか否かを搭乗者に確認する。
【0208】
このため、本実施形態の情報処理装置22では、車両10の位置および車両10の状況の少なくとも一方が搭乗者の運転阻害を引き起こさないような状態であるときに、要因が正しいか否かの搭乗者への確認を許可すると判定することができる。そして、確認部22Gは、確認を許可すると判定されたときに、一つの要因が正しいか否かを搭乗者に確認する。よって、確認部22Gは、搭乗者の運転阻害を引き起こさない適切なタイミングで、要因が正しいか否かを搭乗者に確認することができる。
【0209】
従って、本実施形態の情報処理装置22は、搭乗者による要因の確認時の運転阻害を抑制することができる。
【0210】
また、本実施形態の情報処理装置22は、搭乗者の運転阻害を引き起こさない適切なタイミングで、要因が正しいか否かを搭乗者に確認することができるため、搭乗者が不安の要因を確認する際の危険性の減少を図ることができる。
【0211】
なお、本実施形態では、情報処理装置22が車両10に搭載された形態を一例として説明した。しかし、情報処理装置22は、車両10の外部に搭載された構成であってもよい。情報処理装置22は、車両10に設けられた搭乗者状態センシング部12、走行状態センシング部14、車両状態センシング部16、UI部18、および記憶部20などの各種の機器と通信可能に接続されていればよい。このため、情報処理装置22は、車両10の外部に設けられた情報処理装置に搭載された形態であってもよい。この場合、情報処理装置22の搭載された外部の情報処理装置と、上記各種の機器とを、ネットワークNなどを介して通信可能に構成すればよい。
【0212】
なお、上記には、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲または要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0213】
10 車両
22 情報処理装置
22A 不安検出部
22E 不安要因特定部
22F 確認可否判定部
22G 確認部
22H 対策決定部
22I 対策実行部