(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024107573
(43)【公開日】2024-08-09
(54)【発明の名称】プリントヘッド
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20240802BHJP
B41J 2/14 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
B41J2/01 301
B41J2/14 611
B41J2/14 613
B41J2/01 125
B41J2/14 501
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023011568
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100148323
【弁理士】
【氏名又は名称】川▲崎▼ 通
(74)【代理人】
【識別番号】100168860
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 充史
(72)【発明者】
【氏名】三浦 正輝
【テーマコード(参考)】
2C056
2C057
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056EA22
2C056HA01
2C057AF62
2C057AG12
2C057AG44
2C057AG81
2C057AK07
2C057AP79
(57)【要約】
【課題】プリントヘッドの重量が大きな場合であっても、プリントヘッドからのインクの吐出精度を向上できるプリントヘッドを提供すること。
【解決手段】
液体を吐出するプリントヘッドであって、液体吐出面に設けられ、吐出方向に沿って液体を吐出するノズル開口が形成されているノズルプレートと、ノズルプレートの少なくとも一部を収容する筐体と、ノズルプレートに対して吐出方向とは反対側に位置するハンドルと、を備え、ハンドルの強度は、筐体の強度よりも大きく、ハンドルは、ノズルプレートの法線方向において、少なくとも一部が前記ノズルプレートと重なるように位置しているプリントヘッド。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出するプリントヘッドであって、
液体吐出面に設けられ、吐出方向に沿って液体を吐出するノズル開口が形成されているノズルプレートと、
前記ノズルプレートの少なくとも一部を収容する筐体と、
前記ノズルプレートに対して前記吐出方向とは反対側に位置するハンドルと、
を備え、
前記ハンドルの強度は、前記筐体の強度よりも大きく、
前記ハンドルは、前記ノズルプレートの法線方向において、少なくとも一部が前記ノズルプレートと重なるように位置している、
ことを特徴とするプリントヘッド。
【請求項2】
前記液体吐出面は、前記法線方向に沿って見た場合に、第1辺と、前記第1辺よりも長く前記第1辺と交差する第2辺とを含み、
前記法線方向に沿って見た場合の前記ハンドルの前記第1辺に沿った長さは、前記法線方向に沿って見た場合の前記ハンドルの前記第2辺に沿った長さよりも短い、
ことを特徴とする請求項1に記載のプリントヘッド。
【請求項3】
前記ノズル開口から液体を吐出させる駆動信号を出力する駆動回路を備え、
前記駆動回路の少なくとも一部は、前記法線方向において、前記ノズルプレートと前記ハンドルとの間に位置している、
ことを特徴とする請求項1に記載のプリントヘッド。
【請求項4】
前記駆動回路を冷却する冷却ユニットを備え、
前記冷却ユニットは、前記法線方向において、前記ハンドルと重ならないように位置している、
ことを特徴とする請求項3に記載のプリントヘッド。
【請求項5】
前記プリントヘッドの動作を制御する制御信号が入力されるコネクターを備え、
前記コネクターは、前記法線方向において、前記ハンドルと重ならないように位置している、
ことを特徴とする請求項1に記載のプリントヘッド。
【請求項6】
前記ハンドルは、両手で握ることができる、
ことを特徴とする請求項1に記載のプリントヘッド。
【請求項7】
重量が5kg以上である、
ことを特徴とする請求項1に記載のプリントヘッド。
【請求項8】
前記ハンドルは金属製である、
ことを特徴とする請求項1に記載のプリントヘッド。
【請求項9】
前記ハンドルの少なくとも一部は、前記法線方向において、前記プリントヘッドの中央部と重なるように位置している、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプリントヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリントヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
インクを吐出するプリントヘッドには、プリントヘッドの交換性を考慮して、特許文献1に示されるような、ヘッドの上部に弾性の取っ手を有する構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、プリントヘッドからのインクの吐出精度向上の観点において、プリントヘッドの重量が大きくなり、その結果、特許文献1に記載の技術では十分でなく、改善の余地が生じた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るプリントヘッドの一態様は、
液体を吐出するプリントヘッドであって、
液体吐出面に設けられ、吐出方向に沿って液体を吐出するノズル開口が形成されているノズルプレートと、
前記ノズルプレートの少なくとも一部を収容する筐体と、
前記ノズルプレートに対して前記吐出方向とは反対側に位置するハンドルと、
を備え、
前記ハンドルの強度は、前記筐体の強度よりも大きく、
前記ハンドルは、前記ノズルプレートの法線方向において、少なくとも一部が前記ノズルプレートと重なるように位置している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】吐出部の概略構造を説明するための図である。
【
図4】プリントヘッドの構造の一例を示す斜視図である。
【
図5】プリントヘッドの構造の一例を示す側面図である。
【
図7】プリントヘッドをZ軸に沿って-Z側から見た場合の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0008】
1.プリントヘッドが用いられる印刷装置の機能構成
まず、本実施形態のプリントヘッド20が搭載される印刷装置1の機能構成について説明する。以下の説明では、本実施形態のプリントヘッド20が、媒体に所望の画像を形成
する所謂インクジェットプリンター等の印刷装置1に搭載される場合を例示し説明を行う。なお、プリントヘッド20は、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材吐出装置、有機ELディスプレイ等の電極形成に用いられる電極材料吐出装置、バイオチップの製造に用いられる生体有機物吐出装置、及び立体構造物の形成に用いられる立体造形装置等、各種の液体を吐出する液体吐出装置に用いられてもよい。
【0009】
図1は、印刷装置1の機能構成を示す図である。
図1に示すように、印刷装置1は、制御機構10、及びプリントヘッド20を備える。
【0010】
制御機構10は、配線基板11と、配線基板11に実装された電源回路12、及びメイン制御回路13を有する。そして、制御機構10は、プリントヘッド20を駆動する電源電圧、及びプリントヘッド20の動作を制御する制御信号を生成し、プリントヘッド20に出力する。
【0011】
具体的には、電源回路12には、印刷装置1の外部に設けられた不図示の商用交流電源から商用電圧が入力される。そして、電源回路12は、入力される商用電圧に基づいて、印刷装置1で使用される各種の電源電圧であって、例えば、電圧値が42Vの直流電圧である電圧VHVと、電圧値が5Vの直流電圧である電圧VDDとを生成する。このような電源回路12は、例えば、交流電圧である商用電圧を直流電圧に変換するフライバック回路等のAC/DCコンバーターと、当該AC/DCコンバーターが出力する直流電圧の電圧値を変換するDC/DCコンバーターと、を含んで構成することができる。そして、電源回路12が生成した電圧VHV,VDDを含む各種の電源電圧は、プリントヘッド20に供給される。これにより、プリントヘッド20が動作し、プリントヘッド20から液体の一例であるインクが吐出される。なお、電源回路12は、電圧VHV,VDDに加えて、制御機構10、及びプリントヘッド20を含む印刷装置1の各部で使用される所望の電圧値の電源電圧を生成し、対応する各構成に供給してもよい。
【0012】
メイン制御回路13には、印刷装置1の外部に設けられたホストコンピューター等の外部機器から不図示のインターフェース回路を介して画像信号が入力される。そして、メイン制御回路13は、入力される画像信号に応じた画像を媒体に形成するための制御信号として画像情報信号IPを生成し、対応する構成に出力する。具体的には、メイン制御回路13は、入力される画像信号に対して所定の画像処理を施した後、当該画像処理を施した信号を画像情報信号IPとしてプリントヘッド20に出力する。ここで、メイン制御回路13で実行される画像処理としては、例えば、入力される画像信号を赤、緑、青の色彩情報に変換した後、印刷装置1から吐出されるインクの色彩に対応する色彩情報に変換する色変換処理や、当該色彩情報を二値化するハーフトーン処理等が含まれる。なお、メイン制御回路13が実行する画像処理は、上述した色変換処理やハーフトーン処理に限るものではない。
【0013】
また、メイン制御回路13は、入力される画像信号に基づいて、当該画像信号に基づく画像が形成される媒体を搬送するための搬送制御信号を生成し、後述する搬送ユニット70に出力する。これによりプリントヘッド20から吐出されるインクが着弾する媒体の搬送が制御される。このようなメイン制御回路13は、複数の機能を備えた1又は複数の半導体装置であって、例えばSoC(System on a Chip)を含んで構成することができる。
【0014】
以上のように制御機構10は、電源回路12が、プリントヘッド20を駆動する電源電圧としての電圧VHV,VDDを生成し、メイン制御回路13が、プリントヘッド20の動作を制御する画像情報信号IPを生成する。そして、制御機構10が生成した電圧VHV,VDDと画像情報信号IPとがプリントヘッド20に供給されることで、プリントヘッド20からインクが吐出される。
【0015】
プリントヘッド20は、吐出制御モジュール30と、吐出モジュール40と、を有する。
【0016】
吐出制御モジュール30は、吐出制御基板31に実装された吐出制御回路32と、駆動回路基板51に実装された駆動回路52-1~52-n、及び基準電圧出力回路53と、を有する。
【0017】
吐出制御回路32には、メイン制御回路13が出力する画像情報信号IPが入力される。吐出制御回路32は、入力される画像情報信号IPに基づいて、プリントヘッド20からのインクの吐出を制御する吐出タイミング信号TD、及び印刷データ信号SI1-1~SI1-n,…,SIm-1~SIm-nを生成する。そして、吐出制御モジュール30は、吐出制御回路32が出力する吐出タイミング信号TD、及び印刷データ信号SI1-1~SI1-n,…,SIm-1~SIm-nを吐出モジュール40に出力する。
【0018】
また、吐出制御回路32は、メイン制御回路13から入力される画像情報信号IPに基づいて、基駆動信号dA1~dAmを生成し、駆動回路基板51に出力する。
【0019】
吐出制御回路32が出力する基駆動信号dA1は、駆動回路基板51に実装された駆動回路52-1に入力される。駆動回路52-1は、入力される基駆動信号dA1をアナログ信号に変換した後、変換されたアナログ信号を電圧VHVに基づいて増幅することで、駆動信号COM1を生成する。同様に、駆動回路52-i(iは1~mのいずれか)は、入力される基駆動信号dAiをアナログ信号に変換した後、変換されたアナログ信号を電圧VHVに基づいて増幅することで、駆動信号COMiを生成する。すなわち、基駆動信号dA1は、駆動信号COM1の信号波形を規定する信号であり、基駆動信号dAiは、駆動信号COMiの信号波形を規定する信号である。また、駆動回路基板51に実装された基準電圧出力回路53は、電圧VDD又は電圧VHVを昇圧又は降圧することで、基準電圧信号VBSを生成する。
【0020】
そして、駆動回路52-1~52-mのそれぞれが生成した駆動信号COM1~COMmと、基準電圧出力回路53が生成した基準電圧信号VBSとが、駆動回路基板51から出力される。この駆動回路基板51から出力された駆動信号COM1~COMmと基準電圧信号VBSとは、吐出制御基板31を伝搬し、吐出制御モジュール30から吐出モジュール40に出力される。
【0021】
吐出モジュール40は、吐出ヘッド100-1~100-mを有し、吐出ヘッド100-1~100-mのそれぞれは、駆動信号選択回路200-1~200-nと、駆動信号選択回路200-1~200-nのそれぞれに対応するヘッドチップ300-1~300-nと、を有する。
【0022】
吐出ヘッド100-1に含まれる駆動信号選択回路200-1には、吐出タイミング信号TD、印刷データ信号SI1-1、及び駆動信号COM1が入力される。吐出ヘッド100-1に含まれる駆動信号選択回路200-1は、印刷データ信号SI1-1に基づいて、吐出タイミング信号TDで規定されるタイミングで、駆動信号COM1に含まれる駆動波形を選択又は非選択とすることで、吐出ヘッド100-1に含まれるヘッドチップ300-1が有する複数の吐出部600のそれぞれに対応する駆動信号VOUTを生成する。そして、吐出ヘッド100-1に含まれる駆動信号選択回路200-1は、生成した駆動信号VOUTを対応する吐出部600に含まれる圧電素子60の一端に供給する。このとき、圧電素子60の他端には基準電圧信号VBSが供給されている。圧電素子60は、一端に供給される駆動信号VOUTと、他端に供給される基準電圧信号VBSとの電位差
に応じて駆動し、圧電素子60の駆動に伴い吐出部600からインクが吐出される。
【0023】
同様に、吐出ヘッド100-1に含まれる駆動信号選択回路200-nには、吐出タイミング信号TD、印刷データ信号SI1-n、及び駆動信号COM1が入力される。吐出ヘッド100-1に含まれる駆動信号選択回路200-nは、印刷データ信号SI1-nに基づいて、吐出タイミング信号TDで規定されるタイミングで、駆動信号COM1に含まれる駆動波形を選択又は非選択とすることで、吐出ヘッド100-1に含まれるヘッドチップ300-nが有する複数の吐出部600のそれぞれに対応する駆動信号VOUTを生成する。そして、吐出ヘッド100-1に含まれる駆動信号選択回路200-nは、生成した駆動信号VOUTを対応する吐出部600に含まれる圧電素子60の一端に供給する。このとき、圧電素子60の他端には基準電圧信号VBSが供給されている。圧電素子60は、一端に供給される駆動信号VOUTと、他端に供給される基準電圧信号VBSとの電位差に応じて駆動し、圧電素子60の駆動に伴い吐出部600からインクが吐出される。
【0024】
ここで、吐出ヘッド100-1と吐出ヘッド100-2~100-mのそれぞれとは、入力される信号が異なるのみであり、構成、及び動作は同様である。そのため、吐出ヘッド100-2~100-mの構成、及び動作の説明は省略する。また、以下の説明において、吐出ヘッド100-1~100-6を区別する必要がない場合、単に吐出ヘッド100と称する場合がある。このとき、吐出ヘッド100には、吐出タイミング信号TDと、印刷データ信号SI1-1~SI1-n,…,SIm-1~SIm-nとしての印刷データ信号SI-1~SI-mと、駆動信号COM1~COMmとしての駆動信号COMと、基準電圧信号VBSと、が入力されるとして説明を行い、また、駆動信号COMは、駆動回路52-1~52-mとしての駆動回路52が出力するとして説明を行う。
【0025】
次に、吐出ヘッド100-1~100-mのそれぞれが有するヘッドチップ300-1~300-nのそれぞれに含まれる吐出部600の構造の一例について説明する。
図2は、吐出部600の概略構造を説明するための図である。
図2には、吐出部600に加えて、ノズルプレート632、リザーバー641、及び供給口661を図示している。
【0026】
図2に示すように、吐出部600は、圧電素子60、振動板621、キャビティー631、及びノズル651を含む。圧電素子60は、圧電体601と、電極611,612とを含み、電極611,612が圧電体601を挟むように位置することで構成されている。電極611には、駆動信号VOUTが供給され、電極612には、基準電圧信号VBSが供給される。そして、圧電素子60は、電極611に供給される駆動信号VOUTと電極612に供給される電圧との電位差に応じて、中央部分が上下方向に変位するように駆動する。
【0027】
振動板621は、
図2における圧電素子60の下方に位置している。換言すれば、圧電素子60は、振動板621の
図2における上方の面に形成されている。そして、振動板621は、圧電素子60の上下方向への駆動に伴い、上下方向に変位する。
【0028】
振動板621の
図2における下方には、キャビティー631が位置している。キャビティー631には、リザーバー641からインクが供給される。また、リザーバー641には、供給口661を介してインクが導入される。すなわち、キャビティー631には、供給口661が供給されたインクが貯留される。キャビティー631は、振動板621の上下方向の変位に伴い内部容積が拡大又は縮小する。すなわち、振動板621は、キャビティー631の内部容積を変化させるダイヤフラムとして機能し、キャビティー631は、振動板621の上下方向の変位に伴い内部圧力が変化する圧力室として機能する。
【0029】
ノズル651は、ノズルプレート632に設けられ開孔であって、キャビティー631と連通している。そして、キャビティー631の内部容積の変化に応じてキャビティー631の内部に充填されたインクがノズル651から吐出される。
【0030】
具体的には、構成された吐出部600において、圧電素子60が上方向に撓むように駆動した場合、振動板621が上方向に変位する。これにより、キャビティー631の内部容積が拡大し、リザーバー641に貯留されているインクが、キャビティー631に引き込まれる。一方で、圧電素子60が下方向に撓むように駆動した場合、振動板621が下方向に変位する。これにより、キャビティー631の内部容積が縮小し、キャビティー631の内部容積の縮小の程度に応じた量のインクが、ノズル651から吐出される。
【0031】
なお、圧電素子60は、駆動信号VOUTと基準電圧信号VBSとに応じて駆動するとともに、駆動することでノズル651からインクが吐出できる構造であればよく、
図2に示す構造に限られるものではない。
【0032】
すなわち、本実施形態のプリントヘッド20は、インクを吐出するノズル651が形成されているノズルプレート632と、ノズル651からインクを吐出させる駆動信号VOUTの基となる駆動信号COMを出力する駆動回路52と、を備える。ここで、吐出ヘッド100が有し、複数の吐出部600を含むヘッドチップ300-1~300-nはいずれも同様の構成である。そのため、以下の説明において、ヘッドチップ300-1~300-nを区別する必要がない場合、単にヘッドチップ300と称する場合がある。
【0033】
2.印刷装置の構造
次に、印刷装置1の概略構造について説明を行う。
図3は、印刷装置1の概略構造を示す図である。ここで、以下では、プリントヘッド20が6個の吐出ヘッド100であって、吐出ヘッド100-1~100-6を有するとして説明を行う。また、以下の説明では、X軸、Y軸、及びZ軸の3個の空間軸を図示して説明を行う。そして、X軸、Y軸、及びZ軸のそれぞれに沿った方向を規定する場合、X軸に沿った方向を示す矢印の起点側を-X側、先端側を+X側と称し、Y軸に沿った方向を示す矢印の起点側を-Y側、先端側を+Y側と称し、Z軸に沿った方向を示す矢印の起点側を-Z側、先端側を+Z側と称する場合がある。なお、以下の説明においてX軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する空間軸であるとして説明を行うが、印刷装置1を構成する各部材が直交して配置されている場合に限られるものではない。
【0034】
図3に示すように、印刷装置1は、上述した制御機構10、及びプリントヘッド20に加えて、プリントヘッド20から吐出されたインクが着弾する媒体Pを搬送する搬送ユニット70と、プリントヘッド20から吐出されるインクが貯留される液体容器5と、を備える。
【0035】
制御機構10は、前述したとおり電源回路12とメイン制御回路13とを有し、プリントヘッド20を含む印刷装置1の動作を制御する。また、制御機構10は、電源回路12とメイン制御回路13とに加えて、印刷装置1の各種情報を記憶する記憶回路や印刷装置1の外部に設けられたホストコンピューター等の外部機器と通信を行うためのインターフェース回路等を有してもよい。
【0036】
そして、制御機構10は、印刷装置1の外部に設けられた外部機器から入力される画像信号を受信し、受信した画像信号に基づいて、媒体Pの搬送を制御するための搬送制御信号に相当する制御信号PTを生成し搬送ユニット70に出力する。これにより、搬送ユニット70は、媒体PをY軸に沿って、-Y側から+Y側に向かって搬送する。すなわち、Y軸に沿って-Y側から+Y側に向かう方向が、媒体Pが搬送される搬送方向に相当する
。このような搬送ユニット70は、例えば、媒体Pを搬送するための不図示のローラーや、当該ローラーを回転させるモーター等を含んで構成される。
【0037】
液体容器5には、プリントヘッド20から吐出されるインクが貯留されている。例えば、液体容器5は、シアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックKの4色のインクが個別に貯留されている。この液体容器5に貯留されているインクが、不図示のチューブ等を介してプリントヘッド20が有する吐出ヘッド100-1~100-6に供給される。なお、液体容器5が備えるインクが貯留される容器の数は、4個に限られるものではない。また、液体容器5には、シアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックK以外の色彩のインクが貯留されていてもよい。
【0038】
プリントヘッド20が有する吐出ヘッド100-1~100-6は、X軸に沿った方向において、-X側から+X側に向かい、吐出ヘッド100-1、吐出ヘッド100-2、吐出ヘッド100-3、吐出ヘッド100-4、吐出ヘッド100-5、吐出ヘッド100-6の順に並んで配置されている。このとき、プリントヘッド20において、吐出ヘッド100-1~100-6は、搬送される媒体PのX軸に沿った方向の幅以上となるように位置している。そして、プリントヘッド20は、液体容器5から供給されたインクを吐出ヘッド100-1~100-6のそれぞれに分配するとともに、制御機構10から入力される画像情報信号IPに基づいて動作する。これにより、プリントヘッド20は、媒体Pの所望の位置にインクを吐出する。なお、プリントヘッド20が有する吐出ヘッド100は6個に限られるものではなく、5個以下、又は7個以上であってもよい。
【0039】
以上のように、構成された本実施形態の印刷装置1は、制御機構10が、外部機器から入力される画像信号に基づく画像情報信号IPを生成し、プリントヘッド20に出力する。そして、プリントヘッド20は、制御機構10から入力される画像情報信号IPに応じたタイミングで媒体Pにインクを吐出する。これにより、プリントヘッド20が吐出するインクが、媒体Pの所望の位置に着弾し、媒体Pに所望の画像が形成される。
【0040】
なお、以下の説明では、印刷装置1が、媒体Pの幅以上に連続して設けられた吐出ヘッド100が、搬送される媒体Pにインクを吐出することで、媒体Pに所望の画像を形成する所謂ライン印刷方式の液体吐出装置であるとして説明を行うが、印刷装置1は、所謂ライン印刷方式の液体吐出装置に限るものではなく、プリントヘッド20が、走査方向に沿って移動可能なキャリッジに搭載され、媒体Pの搬送に伴い、キャリッジが移動することで、媒体Pの所望の位置にインクを着弾させる所謂シリアル方式の液体吐出装置であってもよい。
【0041】
3.プリントヘッドの構造
次に、プリントヘッド20の構造の詳細について説明する。
図4は、プリントヘッド20の構造の一例を示す斜視図であり、
図5は、プリントヘッド20をY軸に沿ってみた場合のプリントヘッド20の構造の一例を示す側面図である。また、
図5には、プリントヘッド20の内部に配置される構成の一部を破線で図示している。
【0042】
近年、プリントヘッド20から吐出されるインクよって媒体Pに形成される画像品質の向上や、プリントヘッド20から吐出されるインクの吐出速度の向上の観点において、プリントヘッド20が有するノズル651の数が増加し、その結果、プリントヘッド20のサイズ、及び重量が大きくなる。さらに、プリントヘッド20から吐出されるインクの吐出精度の向上の観点において、本実施形態に示すプリントヘッド20のように、駆動信号COMを出力する駆動回路52がプリントヘッド20に搭載される場合がある。係る構成が採用されたプリントヘッド20においては、駆動信号COMが伝搬する伝搬経路を短くすることがで、駆動信号COMの信号波形に歪みが生じるおそれが低減し、プリントヘッ
ド20から吐出されるインクの吐出精度が向上する。しかしながら、駆動回路52がプリントヘッド20に搭載された場合、プリントヘッド20のサイズ、及び重量がさらに大きくなり、重量が5kgを超える場合も想定される。
【0043】
このようなプリントヘッド20の大型化や重量の増加は、当該プリントヘッド20を搭載した印刷装置1等の液体吐出装置の製造や、当該プリントヘッド20の交換等のメンテナンスに伴う作業者の負担を増加させるおそれがあるととともに、プリントヘッド20がサイズ、及び重量が大きいが故に、当該プリントヘッド20を搭載した印刷装置1等の液体吐出装置の製造や、当該プリントヘッド20の交換等の際に、プリントヘッド20が印刷装置1の各種構成を含む外部構成と接触する可能性が高まる。このようなプリントヘッド20と外部構成との接触は、プリントヘッド20に異常をきたすおそれがあるとともに、プリントヘッド20からインクが吐出されるノズル651が形成されたノズルプレート632が、外部構成と接触した場合、ノズルプレート632に傷などの損傷が生じ、その結果、ノズルプレート632に形成されたノズル651からのインクの吐出量や吐出方向にばらつきが生じ、プリントヘッド20からのインクの吐出精度を著しく低下させるおそれもある。
【0044】
以上のような問題に鑑みて、プリントヘッド20には、サイズ、及び重量が大きくなった場合であっても、プリントヘッド20の安定した着脱が可能な構造であって、プリントヘッド20が外部構成に接触するおそれを低減し、ノズルプレート632に傷などの損傷が生じるおそれが低減できる構造であることが求められる。係る要求に対して、本実施形態のプリントヘッド20は、インクを吐出するプリントヘッド20であって、インク吐出面225に設けられ、Z軸に沿って-Z側から+Z側に向かう方向にインクを吐出するノズル651が形成されているノズルプレート632と、ノズルプレート632の少なくとも一部を収容する筐体410と、ノズルプレート632に対して、Z軸に沿って-Z側から+Z側に向かう方向とは反対側であって、ノズルプレート632の-Z側に位置するハンドル520と、を備え、ハンドル520の強度が筐体410の強度よりも大きく、ハンドル520は、ノズルプレート632の法線方向であって、Z軸に沿った方向において、少なくとも一部がノズルプレート632と重なるように位置しているとの特徴的な構成を有する。
【0045】
係る構成のプリントヘッド20では、ハンドル520の強度が筐体410の強度よりも大きく硬質であるが故に、ハンドル520を持ち上げた際に、ハンドル520に変形が生じるおそれが低減する。その結果、ハンドル520を使用してプリントヘッド20を持ち上げた際に、プリントヘッド20が揺れ動くおそれが低減し、プリントヘッド20が外部構成に接触するおそれが低減する。すなわち、プリントヘッド20が有するノズルプレート632が揺れ動くおそれが低減し、ノズルプレート632が外部構成に接触するおそれが低減する。その結果、プリントヘッド20のサイズ、及び重量が大きな場合であっても、ノズルプレート632に傷などの損傷が生じるおそれが低減し、プリントヘッド20からのインクの吐出精度が低下するおそれが低減する。
【0046】
さらに、ハンドル520が、ノズルプレート632の法線方向であって、Z軸に沿った方向において、少なくとも一部がノズルプレート632と重なるように位置することで、プリントヘッド20のサイズ、及び重量が大きい場合であっても、プリントヘッド20を略水平に保持した状態でハンドル520を持ち上げることによって、ノズルプレート632も略水平に保った状態で持ち上げることができる。これにより、ノズルプレート632が外部構成に接触するおそれがさらに低減し、ノズルプレート632に傷などの損傷が生じるおそれがさらに低減する。その結果、プリントヘッド20のサイズ、及び重量が大きな場合であっても、プリントヘッド20からのインクの吐出精度が低下するおそれがさらに低減する。
【0047】
以上のようなプリントヘッド20の構造の具体例について説明する。ここで、本実施形態のプリントヘッド20は、サイズ、及び重量が大きい大型プリントヘッドであって、具体的には、プリントヘッド20のX軸に沿った方向の長さがA3短辺幅以上であって、例えば440mmであり、プリントヘッド20のY軸に沿った方向の長さが90mmであり、ハンドル520を除くプリントヘッド20のZ軸に沿った方向の長さが200mmであり、重量が5kg以上である。
図4に示すように、プリントヘッド20は、固定板220、吐出制御モジュール30、吐出モジュール40、及びハンドル520を有する。
【0048】
固定板220は、X軸とY軸とがなすXY平面に沿って延在する板状の部材であって、吐出モジュール40及び吐出制御モジュール30を支持する。そして、固定板220の+Z側に位置するインク吐出面225からZ軸に沿って-Z側から+Z側に向かってインクが吐出される。
【0049】
吐出モジュール40は、固定板220の-Z側に位置し、固定板220の-Z側に固定されている。吐出モジュール40は、筐体410と、前述した吐出ヘッド100-1~100-6とを有する。
図5に示すように、筐体410は、吐出ヘッド100-1~100-6を収容する。これにより、筐体410は、吐出ヘッド100-1~100-6を衝撃やインクミストから保護する保護部材として機能する。このような筐体410は、例えば、アルミニウムや鉄等で構成することができる。なお、筐体410は、吐出ヘッド100-1~100-6を衝撃やインクミストから保護できればよく、樹脂材料で構成されていてもよい。
【0050】
吐出ヘッド100-1~100-6は、筐体410に収容された状態で、X軸に沿って、-X側から+X側に向かい吐出ヘッド100-1、吐出ヘッド100-2、吐出ヘッド100-3、吐出ヘッド100-4、吐出ヘッド100-5、吐出ヘッド100-6の順に並んで位置している。このとき、吐出ヘッド100-1~100-6は、少なくとも一部が固定板220の+Z側のインク吐出面225から露出するように設けられている。
【0051】
図6は、インク吐出面225の構成の一例を示す図である。ここで、以下では、吐出ヘッド100-1~100-6のそれぞれは、6個のヘッドチップ300を有するとして説明を行う。
【0052】
図6に示すように、固定板220は、辺221,222と、辺221,222よりも長い辺223,224と、を含む。辺221は、Y軸に沿って延在している。辺222は、辺221の+X側に位置し、辺222と向かい合うようにY軸に沿って延在している。辺223は、X軸に沿って延在し、辺221及び辺222の双方と交差している。辺224は、辺223の+Y側に位置し、辺221及び辺222の双方と交差するとともに、辺222と向かい合うようにX軸に沿って延在している。すなわち、固定板220は、インク吐出面225の法線方向であってZ軸に沿った方向に+Z側から見た場合に、辺221,222と、辺221,222よりも長い辺223,224と、を含む略矩形状である。換言すれば、固定板220のインク吐出面225は、Z軸に沿って見た場合に、辺221,222と、辺221,222よりも長く辺221,222と交差する辺223,224とを含む。なお、固定板220、及びインク吐出面225をZ軸に沿って見た場合の形状は、略矩形状に限るものではない。
【0053】
また、吐出ヘッド100-1~100-6のそれぞれは、6個のヘッドチップ300を有し、6個のヘッドチップ300に含まれるノズルプレート632が、固定板220のインク吐出面225から露出するように設けられている。
【0054】
具体的には、吐出ヘッド100-1~100-6のそれぞれが有する6個のヘッドチップ300は、ノズルプレート632に形成された複数の吐出部600に対応する複数のノズル651を含む。各ヘッドチップ300において、ヘッドチップ300が有する複数の吐出部600のそれぞれに含まれる複数のノズル651は、Z軸と垂直な方向であって、且つX軸とY軸とが成すXY平面において、X軸に沿った方向、及びY軸に沿った方向の双方と異なるノズル軸RDに沿って方向に並んで配置されている。すなわち、ヘッドチップ300には、ノズル軸RDに沿って並設された複数のノズル651によってノズル列が形成されている。このとき、ヘッドチップ300のそれぞれにおいて、ノズル651が形成されたノズルプレート632もまた、複数のノズル651によって形成されたノズル列が延在する方向であるノズル軸RDに沿って延在している。また、吐出ヘッド100-1~100-6のそれぞれが有する6個のヘッドチップ300は、X軸に沿った方向に並んで配置されている。すなわち、プリントヘッド20の固定板220のインク吐出面225には、6個の吐出ヘッド100のそれぞれが有する6個のヘッドチップ300に含まれノズルプレート632のそれぞれがノズル軸RDに沿って延在し、X軸に沿って並んで位置している。換言すれば、プリントヘッド20の固定板220のインク吐出面225には、ノズル軸RDに沿って延在しノズル列が形成されたノズルプレート632が、X軸に沿って並んで位置し、インク吐出面225から露出している。なお、吐出ヘッド100-1~100-6のそれぞれが有するヘッドチップ300の数は6個に限られるものではない。
【0055】
図4に戻り、吐出制御モジュール30は、吐出モジュール40の-Z側に位置し、支持部材210によって支持されることで、固定板220に固定されている。吐出制御モジュール30は、筐体310、及び冷却ファン320と、前述した吐出制御基板31、及び駆動回路基板51と、を有する。
【0056】
図5に示すように、筐体310は、吐出制御基板31、駆動回路基板51、及び冷却ファン320を収容する。これにより、筐体310は、吐出制御基板31、駆動回路基板51、及び冷却ファン320を衝撃やインクミストから保護する保護部材として機能する。このような筐体310は、例えば、アルミニウムや鉄等で構成することができる。なお、筐体310は、吐出制御基板31、駆動回路基板51、及び冷却ファン320等を衝撃やインクミストから保護できればよく、樹脂材料で構成されていてもよい。
【0057】
吐出制御基板31には、コネクター34が設けられている。コネクター34は、吐出制御基板31の-Z側の面において、-X側に位置し、筐体310の開口312からプリントヘッド20の外部に露出している。そして、コネクター34には、制御機構10が有する配線基板11と吐出制御基板31とを電気的に接続する不図示のケーブルが取り付けられる。これにより、制御機構10の配線基板11に設けられた電源回路12が出力する電圧VHV,VDDと、制御機構10の配線基板11に設けられたメイン制御回路13が出力する画像情報信号IPと、が吐出制御基板31に入力される。すなわち、吐出制御基板31には、プリントヘッド20の動作を制御する制御信号であって、電圧VHV,VDDと、画像情報信号IPと、が入力されるコネクター34が実装されている。換言すれば、プリントヘッド20は、プリントヘッド20の動作を制御する制御信号であって、電圧VHV,VDDと、画像情報信号IPと、が入力されるコネクター34を備える。
【0058】
駆動回路基板51は、筐体310に収容された状態で、吐出制御基板31の-Z側に位置している。そして、駆動回路基板51と吐出制御基板31とは、例えば、不図示のBtoB(Board to Board)コネクター等によって電気的に接続される。なお、駆動回路基板51と吐出制御基板31とは、BtoBコネクターに替えて、FPCケーブルやFFCケーブルを介して電気的に接続されてもよい。
【0059】
また、駆動回路基板51の-Z側には、放熱フィン54が取り付けられている。前述の
とおり、駆動回路基板51には、駆動回路52-1~52-6と、基準電圧出力回路53とが設けられている。放熱フィン54は、少なくとも一部が、駆動回路52-1~52-6を構成する電子部品、又は基準電圧出力回路53を構成する電子部品と接触する。これにより、放熱フィン54は、駆動回路52-1~52-6、及び基準電圧出力回路53で生じた熱を放出する。
【0060】
冷却ファン320は、駆動回路基板51の+X側に位置し、X軸に沿った方向に気流を生じさせる。すなわち、冷却ファン320は、駆動回路基板51に向けて気流を発生させる。これにより、駆動回路基板51に実装された駆動回路52-1~52-6が冷却される。すなわち、プリントヘッド20は、駆動回路52-1~52-6を冷却する冷却ファン320を備える。また、筐体310は、駆動回路基板51の-X側の領域であって、X軸に沿って、冷却ファン320と向かい合う領域に、開口314を有する。これにより、冷却ファン320によって生じた気流が筐体310の内部から放出される。その結果、筐体310の内部における気体の循環効率が高まり、駆動回路52-1~52-6の冷却効率を高めることができる。
【0061】
ハンドル520は、吐出制御モジュール30の-Z側に位置し、吐出制御モジュール30の-Z側の面に固定されている。すなわち、プリントヘッド20が有する吐出モジュール40、吐出制御モジュール30、及びハンドル520は、Z軸に沿った方向において、+Z側から-Z側に向かい吐出モジュール40、吐出制御モジュール30、ハンドル520の順に位置している。換言すれば、吐出制御モジュール30の少なくとも一部であって、吐出制御モジュール30が有する駆動回路基板51に設けられた駆動回路52の少なくとも一部は、Z軸に沿った方向において、吐出モジュール40の吐出ヘッド100が有するヘッドチップ300に含まれるノズルプレート632と、ハンドル520との間に位置している。
【0062】
このとき、ハンドル520は、Z軸に沿った方向において、冷却ファン320、及びコネクター34と重ならないように位置している。すなわち、冷却ファン320は、吐出モジュール40の吐出ヘッド100が有するヘッドチップ300に含まれるノズルプレート632の法線方向であって、Z軸に沿った方向において、ハンドル520と重ならないように位置し、コネクター34は、吐出モジュール40の吐出ヘッド100が有するヘッドチップ300に含まれるノズルプレート632の法線方向であって、Z軸に沿った方向において、ハンドル520と重ならないように位置している。具体的には、ハンドル520は、X軸に沿った方向において、コネクター34と冷却ファン320との間に位置している。これにより、プリントヘッド20のサイズ、及び重量が大きい場合であっても、印刷装置1の使用者、又はプリントヘッド20の交換者がプリントヘッド20を持ち上げる際に、コネクター34、及び冷却ファン320が阻害するおそれが低減する。その結果、より安定してプリントヘッド20を持ち上げることが可能となり、ノズルプレート632が外部構成に接触するおそれがさらに低減し、ノズルプレート632に傷などの損傷が生じるおそれがさらに低減する。
【0063】
図7は、プリントヘッド20をZ軸に沿って-Z側から見た場合の平面図である。ここで、
図7には、プリントヘッド20が有する吐出ヘッド100-1~100-6、及び吐出ヘッド100-1~100-6のそれぞれが有する複数のヘッドチップ300を破線で図示している。
【0064】
図7に示すようにハンドル520は、吐出モジュール40の吐出ヘッド100が有するヘッドチップ300に含まれるノズルプレート632の法線方向であって、Z軸に沿った方向において、少なくとも一部がノズルプレート632と重なるように位置している。このとき、ハンドル520は、Z軸に沿った方向において、吐出モジュール40に含まれる
吐出ヘッド100-1~100-6のそれぞれに含まれる複数のヘッドチップ300の全てに含まれるノズルプレート632と重なる必要はなく、複数のヘッドチップ300のいずれかに含まれるノズルプレート632と重なっていればよい。これにより、プリントヘッド20を略水平に保持した状態でハンドル520を持ち上げることによって、ノズルプレート632も略水平に保った状態で持ち上げることができ、ノズルプレート632が外部構成に接触するおそれがさらに低減する。その結果、ノズルプレート632に傷などの損傷が生じるおそれがさらに低減し、プリントヘッド20からのインクの吐出精度が低下するおそれがさらに低減する。
【0065】
また、このとき
図7に示すように、吐出モジュール40の吐出ヘッド100が有するヘッドチップ300に含まれるノズルプレート632の法線方向であって、Z軸に沿った方向において、ハンドル520の少なくとも一部が、プリントヘッド20の中央部と重なるように位置していることが好ましい。具体的には、ハンドル520の少なくとも一部が、プリントヘッド20をZ軸に沿って見た場合の中央部であって、固定板220の-X側の辺221と、+X側の辺222との距離が等しい仮想線Laと、固定板220の+Y側の辺223と、-Y側の辺224との距離が等しい仮想線Lbとが交差する交点Cpと重なるように位置している。これにより、プリントヘッド20を持ち上げた場合のプリントヘッド20の重心が、ハンドル520の近傍に位置する。その結果、ハンドル520によってプリントヘッド20を持ち上げた際のプリントヘッド20の安定性がさらに向上し、プリントヘッド20、及びノズルプレート632が外部構成に接触するおそれがさらに低減する。その結果、ノズルプレート632に傷などの損傷が生じるおそれがさらに低減し、プリントヘッド20からのインクの吐出精度が低下するおそれがさらに低減する。
【0066】
図4、及び
図5に戻り、ハンドル520は、プリントヘッド20をY軸に沿って見た場合、略U字型であって、ハンドル520の一方の端部が接続部521において吐出制御モジュール30に固定され、ハンドル520の他方の端部が接続部521よりも+X側に位置し、Y軸に沿った同一延長線上に位置する接続部522において吐出制御モジュール30に固定されている。このとき、ハンドル520は、接続部521と接続部522との間の距離が、接続部521のY軸に沿った長さ、及び接続部522のY軸に沿った長さよりも長くなるように吐出制御モジュール30に固定されている。すなわち、プリントヘッド20をZ軸に沿って-Z側から見た場合、ハンドル520は、X軸に沿った長さがY軸に沿った長さよりも長い略矩形状である。換言すれば、プリントヘッド20を、インク吐出面225の法線方向であって、Z軸に沿って見た場合におけるハンドル520の辺221に沿った長さは、プリントヘッド20を、インク吐出面225の法線方向であって、Z軸に沿って見た場合におけるハンドル520の辺223に沿った長さよりも短い。なお、ハンドル520のZ軸に沿って見た場合の形状は、矩形状に限るものではなく、例えば、オーバル形状であってもよい。ここで、オーバル形状とは、長方形状を基本として長手方向の両端部を半円状とした形状をいい、角丸長方形状、楕円形状、卵形状などが含まれる。
【0067】
また、プリントヘッド20において、ハンドル520は、印刷装置1の使用者、又は、プリントヘッド20の交換者が、両手で握ることを想定し設けられていることが好ましい。具体的には、ハンドル520が吐出制御モジュール30に固定される接続部521と、ハンドル520が吐出制御モジュール30に固定される接続部522との間の距離であって、空間523のY軸に沿った長さが、標準的な人の手の幅の2倍以上であって、例えば、20cm以上であって、空間523のZ軸に沿った長さが、標準的な人の指の厚さ以上であって、例えば、3cm以上となるように、ハンドル520は、接続部521,522に固定される。
【0068】
なお、上述したハンドル520が吐出制御モジュール30に固定された際の空間523の大きさは、一例であって、ハンドル520を両手で握ることができる大きさであればよ
く、プリントヘッド20が搭載された液体吐出装置が使用される国や地域、さらには、プリントヘッド20が搭載された液体吐出装置の主たる使用者の年齢や性別によって、最適な大きさに調整されてもよい。
【0069】
そして、ハンドル520が両手で握ることができるように吐出制御モジュール30に固定されていることで、プリントヘッド20のサイズ、及び重量が大きい場合であっても、プリントヘッド20を安定して持ち上げることが可能となる。これにより、ノズルプレート632が外部構成に接触するおそれがさらに低減し、ノズルプレート632に傷などの損傷が生じるおそれがさらに低減する。その結果、プリントヘッド20からのインクの吐出精度が低下するおそれがさらに低減する。
【0070】
また、ハンドル520は、金属製であって、例えば、アルミニウムや鉄等を含んで構成されている。その際、ハンドル520の強度は、筐体310及び筐体410の強度よりも大きくなるように構成されている。これにより、プリントヘッド20のサイズ、及び重量が大きい場合であっても、プリントヘッド20を安定して持ち上げることが可能となり、その結果、ノズルプレート632が外部構成に接触するおそれがさらに低減し、ノズルプレート632に傷などの損傷が生じるおそれがさらに低減する。
【0071】
ここで、ハンドル520の強度が、筐体310及び筐体410の強度よりも大きい場合には、筐体310,410を構成する材料よりも強度の大きな材料を用いてハンドル520が構成されている場合の他、ハンドル520と筐体310,410とが同じ材料で構成され、ハンドル520の構造により、ハンドル520の強度が、筐体310及び筐体410の強度よりも大きい場合が含まれる。ここで、上記構造としては、例えば、ハンドル520、及び筐体310,410の肉厚等が含まれる。なお、ハンドル520、筐体310,410のそれぞれの強度とは、ハンドル520、筐体310,410のそれぞれに起こる変形に対する抵抗力であって、例えば、ハンドル520、筐体310,410のそれぞれに対する引っ張り強さや衝撃強さ等が含まれる。
【0072】
ここで、固定板220のインク吐出面225が液体吐出面の一例であり、ノズルプレート632に形成されているノズル651がノズル開口の一例であり、Z軸に沿った方向であって、-Z側から+Z側に向かう法九尾が吐出方向の一例であり、ノズルプレート632の少なくとも一部を収容する筐体410が筐体の一例であり、固定板220及びインク吐出面225の辺221又は辺222が第1辺の一例であり、固定板220及びインク吐出面225の辺223又は辺224が第2辺の一例であり、駆動信号COM及び駆動信号COMに基づく駆動信号VOUTが駆動信号の一例であり、駆動信号COMを出力する駆動回路52が駆動回路の一例であり、駆動回路52を冷却する冷却ファン320が冷却ユニットの一例である。
【0073】
4.作用効果
以上に説明した本実施形態のプリントヘッド20では、ハンドル520の強度が筐体410の強度よりも大きく硬質であるが故に、ハンドル520を持ち上げた際に、ハンドル520に変形が生じるおそれが低減する。その結果、ハンドル520を使用してプリントヘッド20を持ち上げた際に、プリントヘッド20が揺れ動くおそれが低減し、プリントヘッド20が外部構成に接触するおそれが低減する。すなわち、プリントヘッド20が有するノズルプレート632が揺れ動くおそれが低減し、ノズルプレート632が外部構成に接触するおそれが低減する。その結果、プリントヘッド20のサイズ、及び重量が大きな場合であっても、ノズルプレート632に傷などの損傷が生じるおそれが低減し、プリントヘッド20からのインクの吐出精度が低下するおそれが低減する。
【0074】
さらに、本実施形態のプリントヘッド20では、ハンドル520が、ノズルプレート6
32の法線方向であって、Z軸に沿った方向において、少なくとも一部がノズルプレート632と重なるように位置することで、プリントヘッド20のサイズ、及び重量が大きい場合であっても、プリントヘッド20を略水平に保持した状態でハンドル520を持ち上げることによって、ノズルプレート632も略水平に保った状態で持ち上げることができる。これにより、ノズルプレート632が外部構成に接触するおそれがさらに低減し、ノズルプレート632に傷などの損傷が生じるおそれがさらに低減する。その結果、プリントヘッド20のサイズ、及び重量が大きな場合であっても、プリントヘッド20からのインクの吐出精度が低下するおそれがさらに低減する。
【0075】
また、本実施形態のプリントヘッド20では、ノズルプレート632が設けられたインク吐出面225が、辺221と、辺221よりも長い辺223とを含み、ハンドル520の辺221に沿った長さが、プリントヘッド20をインク吐出面225の法線方向であって、Z軸に沿って見た場合におけるハンドル520の辺223に沿った長さよりも短い。すなわち、ハンドル520は、プリントヘッド20の長手方向に沿って延在する。これにより、ハンドル520を用いてプリントヘッド20を持ち上げた際のプリントヘッド20の安定性が向上し、プリントヘッド20及びノズルプレート632が外部構成に接触するおそれがさらに低減し、ノズルプレート632に傷などの損傷が生じるおそれがさらに低減する。その結果、プリントヘッド20のサイズ、及び重量が大きな場合であっても、プリントヘッド20からのインクの吐出精度が低下するおそれがさらに低減する。
【0076】
また、本実施形態のプリントヘッド20では、吐出制御モジュール30の少なくとも一部であって、吐出制御モジュール30が有する駆動回路基板51に設けられた駆動回路52の少なくとも一部が、Z軸に沿った方向において、吐出モジュール40の吐出ヘッド100が有するヘッドチップ300に含まれるノズルプレート632と、ハンドル520との間に位置することで、プリントヘッド20の交換の際、駆動回路52を含む吐出制御モジュール30を一体に持ち上げることができる。これにより、プリントヘッド20の交換作業の効率が向上する。
【0077】
さらに、本実施形態のプリントヘッド20では、冷却ファン320は、吐出モジュール40の吐出ヘッド100が有するヘッドチップ300に含まれるノズルプレート632の法線方向であって、Z軸に沿った方向において、ハンドル520と重ならないように位置し、コネクター34は、吐出モジュール40の吐出ヘッド100が有するヘッドチップ300に含まれるノズルプレート632の法線方向であって、Z軸に沿った方向において、ハンドル520と重ならないように位置している。これにより、プリントヘッド20を持ち上げる際に、コネクター34、及び冷却ファン320が阻害するおそれが低減する。その結果、より安定してプリントヘッド20を持ち上げることが可能となり、ノズルプレート632が外部構成に接触するおそれがさらに低減し、ノズルプレート632に傷などの損傷が生じるおそれがさらに低減する。
【0078】
さらに、本実施形態のプリントヘッド20では、ハンドル520が両手で握ることができるように吐出制御モジュール30に固定されていることで、プリントヘッド20のサイズ、及び重量が大きい場合であっても、プリントヘッド20を安定して持ち上げることが可能となる。これにより、ノズルプレート632が外部構成に接触するおそれがさらに低減し、ノズルプレート632に傷などの損傷が生じるおそれがさらに低減する。その結果、プリントヘッド20からのインクの吐出精度が低下するおそれがさらに低減する。
【0079】
さらに、本実施形態のプリントヘッド20では、吐出モジュール40の吐出ヘッド100が有するヘッドチップ300に含まれるノズルプレート632の法線方向であって、Z軸に沿った方向において、ハンドル520の少なくとも一部が、プリントヘッド20の中央部と重なるように位置していることで、プリントヘッド20を持ち上げた場合のプリン
トヘッド20の重心が、ハンドル520の近傍に位置する。その結果、ハンドル520によってプリントヘッド20を持ち上げた際のプリントヘッド20の安定性がさらに向上し、プリントヘッド20、及びノズルプレート632が外部構成に接触するおそれがさらに低減する。その結果、ノズルプレート632に傷などの損傷が生じるおそれがさらに低減し、プリントヘッド20からのインクの吐出精度が低下するおそれがさらに低減する。
【0080】
そして、本実施形態のプリントヘッド20では、ハンドル520によってプリントヘッド20を持ち上げた際に、プリントヘッド20、及びノズルプレート632が外部構成に接触するおそれが低減し、ノズルプレート632に傷などの損傷が生じるおそれがさらに低減できるが故に、プリントヘッド20が、5kg以上の重量であっても、プリントヘッド20からのインクの吐出精度が低下するおそれを低減することができる。
【0081】
5.変形例
以上に説明した本実施形態のプリントヘッド20は、プリントヘッド20が、吐出制御モジュール30と吐出モジュール40と、を有し、吐出制御モジュール30は、吐出制御基板31、及び駆動回路基板51を保護する筐体310を含み、吐出モジュール40は、吐出ヘッド100-1~100-6を保護する筐体410を含むとして説明を行ったが、吐出制御モジュール30と吐出モジュール40と、が1個の筐体に収容されていてもよい。すなわち、プリントヘッド20は、筐体310及び筐体410に替えて、若しくは加えて、吐出制御基板31、駆動回路基板51、及び吐出ヘッド100-1~100-6を含むプリントヘッド20の各種の構成を収容し保護する筐体を有してもよい。
【0082】
この場合であっても、同様の作用効果を奏する。
【0083】
以上、実施形態及び変形例について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0084】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0085】
上述した実施形態から以下の内容が導き出される。
【0086】
プリントヘッドの一態様は、
液体を吐出するプリントヘッドであって、
液体吐出面に設けられ、吐出方向に沿って液体を吐出するノズル開口が形成されているノズルプレートと、
前記ノズルプレートの少なくとも一部を収容する筐体と、
前記ノズルプレートに対して前記吐出方向とは反対側に位置するハンドルと、
を備え、
前記ハンドルの強度は、前記筐体の強度よりも大きく、
前記ハンドルは、前記ノズルプレートの法線方向において、少なくとも一部が前記ノズルプレートと重なるように位置している。
【0087】
このプリントヘッドによれば、ハンドルの強度が筐体の強度よりも大きく硬質であるが故に、ハンドルを持ち上げた際に、ハンドルに変形が生じるおそれが低減する。その結果
、ハンドルを使用してプリントヘッドを持ち上げた際に、プリントヘッドが揺れ動くおそれが低減し、プリントヘッドが外部構成に接触するおそれが低減する。すなわち、プリントヘッドが有するノズルプレートが揺れ動くおそれが低減し、ノズルプレートが外部構成に接触するおそれが低減する。その結果、プリントヘッドのサイズ、及び重量が大きな場合であっても、ノズルプレートに傷などの損傷が生じるおそれが低減し、プリントヘッドからのインクの吐出精度が低下するおそれが低減する。
【0088】
また、このプリントヘッドによれば、ハンドルが、ノズルプレートの法線方向において、少なくとも一部がノズルプレートと重なるように位置することで、プリントヘッドのサイズ、及び重量が大きい場合であっても、プリントヘッドを略水平に保持した状態でハンドルを持ち上げることによって、ノズルプレートも略水平に保った状態で持ち上げることができる。これにより、ノズルプレートが外部構成に接触するおそれがさらに低減し、ノズルプレートに傷などの損傷が生じるおそれがさらに低減する。その結果、プリントヘッドのサイズ、及び重量が大きな場合であっても、プリントヘッドからのインクの吐出精度が低下するおそれがさらに低減する。
【0089】
上記プリントヘッドの一態様において、
前記液体吐出面は、前記法線方向に沿って見た場合に、第1辺と、前記第1辺よりも長く前記第1辺と交差する第2辺とを含み、
前記法線方向に沿って見た場合の前記ハンドルの前記第1辺に沿った長さは、前記法線方向に沿って見た場合の前記ハンドルの前記第2辺に沿った長さよりも短くてもよい。
【0090】
このプリントヘッドによれば、ハンドルは、プリントヘッドの長手方向に沿って延在する。これにより、ハンドルを用いてプリントヘッドを持ち上げた際のプリントヘッドの安定性が向上し、プリントヘッド、及びノズルプレートが外部構成に接触するおそれがさらに低減し、ノズルプレートに傷などの損傷が生じるおそれがさらに低減する。その結果、プリントヘッドのサイズ、及び重量が大きな場合であっても、プリントヘッドからのインクの吐出精度が低下するおそれがさらに低減する。
【0091】
上記プリントヘッドの一態様において、
前記ノズル開口から液体を吐出させる駆動信号を出力する駆動回路を備え、
前記駆動回路の少なくとも一部は、前記法線方向において、前記ノズルプレートと前記ハンドルとの間に位置していてもよい。
【0092】
このプリントヘッドによれば、駆動回路の少なくとも一部が、法線方向において、ノズルプレートと、ハンドルとの間に位置することで、プリントヘッドの交換の際、駆動回路一体に持ち上げることができる。これにより、プリントヘッドの交換作業の効率が向上する。
【0093】
上記プリントヘッドの一態様において、
前記駆動回路を冷却する冷却ユニットを備え、
前記冷却ユニットは、前記法線方向において、前記ハンドルと重ならないように位置していてもよい。
【0094】
このプリントヘッドによれば、冷却ユニットが、ノズルプレートの法線方向において、ハンドルと重ならないように位置することで、ハンドルによってプリントヘッドを持ち上げる際に、コネクターが阻害するおそれが低減する。その結果、より安定してプリントヘッドを持ち上げることが可能となり、ノズルプレートが外部構成に接触するおそれがさらに低減し、ノズルプレートに傷などの損傷が生じるおそれがさらに低減する。
【0095】
上記プリントヘッドの一態様において、
前記プリントヘッドの動作を制御する制御信号が入力されるコネクターを備え、
前記コネクターは、前記法線方向において、前記ハンドルと重ならないように位置していてもよい。
【0096】
このプリントヘッドによれば、コネクターが、ノズルプレートの法線方向において、ハンドルと重ならないように位置することで、ハンドルによってプリントヘッドを持ち上げる際に、コネクターが阻害するおそれが低減する。その結果、より安定してプリントヘッドを持ち上げることが可能となり、ノズルプレートが外部構成に接触するおそれがさらに低減し、ノズルプレートに傷などの損傷が生じるおそれがさらに低減する。
【0097】
上記プリントヘッドの一態様において、
前記ハンドルは、両手で握ることができてもよい。
【0098】
このプリントヘッドによれば、ハンドルが両手で握ることができることで、プリントヘッドのサイズ、及び重量が大きい場合であっても、プリントヘッドを安定して持ち上げることが可能となる。これにより、ノズルプレートが外部構成に接触するおそれがさらに低減し、ノズルプレートに傷などの損傷が生じるおそれがさらに低減する。その結果、プリントヘッドからのインクの吐出精度が低下するおそれがさらに低減する。
【0099】
上記プリントヘッドの一態様において、
重量が5kg以上であってもよい。
【0100】
このプリントヘッドによれば、プリントヘッドの重量が5kg以上の場合であっても、プリントヘッドを安定して持ち上げることが可能であり、ノズルプレートに傷などの損傷が生じるおそれが低減し、プリントヘッドからのインクの吐出精度が低下するおそれが低減する。
【0101】
上記プリントヘッドの一態様において、
前記ハンドルは金属製であってもよい。
【0102】
このプリントヘッドによれば、ハンドルが金属製であるが故に、ハンドルに変形が生じるおそれが低減し、プリントヘッドを安定して持ち上げることが可能であり、ノズルプレートに傷などの損傷が生じるおそれが低減し、プリントヘッドからのインクの吐出精度が低下するおそれが低減する。
【0103】
上記プリントヘッドの一態様において、
前記ハンドルの少なくとも一部は、前記法線方向において、前記プリントヘッドの中央部と重なるように位置していてもよい。
【0104】
このプリントヘッドによれば、ノズルプレートの法線方向において、ハンドルの少なくとも一部が、プリントヘッドの中央部と重なるように位置していることで、プリントヘッドを持ち上げた場合のプリントヘッドの重心が、ハンドルの近傍に位置する。その結果、ハンドルによってプリントヘッドを持ち上げた際のプリントヘッドの安定性がさらに向上し、プリントヘッド、及びノズルプレートが外部構成に接触するおそれがさらに低減する。その結果、ノズルプレートに傷などの損傷が生じるおそれがさらに低減し、プリントヘッドからのインクの吐出精度が低下するおそれがさらに低減する。
【符号の説明】
【0105】
1…印刷装置、5…液体容器、10…制御機構、11…配線基板、12…電源回路、1
3…メイン制御回路、20…プリントヘッド、30…吐出制御モジュール、31…吐出制御基板、32…吐出制御回路、34…コネクター、40…吐出モジュール、51…駆動回路基板、52…駆動回路、53…基準電圧出力回路、54…放熱フィン、60…圧電素子、70…搬送ユニット、100…吐出ヘッド、200-1~200-n…駆動信号選択回路、210…支持部材、220…固定板、221~224…辺、225…インク吐出面、300…ヘッドチップ、310…筐体、312,314…開口、320…冷却ファン、410…筐体、520…ハンドル、521,522…接続部、523…空間、600…吐出部、601…圧電体、611,612…電極、621…振動板、631…キャビティー、632…ノズルプレート、641…リザーバー、651…ノズル、661…供給口、P…媒体